扉装置および扉システム
【課題】1台のカメラで身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像を撮影することができるようにするとともに品質が良好な入場者の顔画像等の生体情報を撮影することができるようにする。
【解決手段】生体情報読取機4を支持するとともに扉2を閉塞したとき生体情報読取機4を扉2の中央部へ移動させ、扉2を開放したとき生体情報読取機4を扉2の側部へ移動させる生体情報読取機支持部3を設け、扉2を閉塞させたとき扉2の中央部に移動した生体情報読取機4で扉2に向かう入場者の正面の顔画像を撮影できるようにした。
【解決手段】生体情報読取機4を支持するとともに扉2を閉塞したとき生体情報読取機4を扉2の中央部へ移動させ、扉2を開放したとき生体情報読取機4を扉2の側部へ移動させる生体情報読取機支持部3を設け、扉2を閉塞させたとき扉2の中央部に移動した生体情報読取機4で扉2に向かう入場者の正面の顔画像を撮影できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔画像等の生体情報を取得するカメラを備え、その生体情報により本人であることを確認する生体認証を行って扉の開閉を制御する扉装置および扉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の扉装置および扉システムは、通用門や建屋の入口の近傍に入場しようとする者の顔画像を撮影するカメラを設置し、そのカメラで撮影した顔画像を登録者の顔画像と照合する生体認証を行い、その結果により入場を許可するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来の扉装置および扉システムにおいては、図8に示すように生体認証の精度を向上させるため、入場者の正面から撮影し、また入場者の通行を妨げないように入場者の進行方向(矢印Bが示す方向)に対して直角を成すように扉101の近傍にカメラ100を設置するようにしている。この場合、入場者は自己の身長に合わせて顔がカメラ100の正面に位置するように顔の高さや角度を調整するようにしている。
【0003】
また、入場者が自己の身長に合わせて顔がカメラの正面に位置するように顔の高さや角度を調整することを不要にするため、図9に示すように上下方向に複数のカメラ100を設置し、入場者の顔画像を撮影するようにしている。
さらに、図10に示すように1台のカメラ100を接近する入場者に向けて扉101の近傍に設置し、被写体となる入場者までの距離を大きくすることで顔の高さや角度を調整することを不要にしている。
【特許文献1】特開2006−309490号公報(段落「0016」〜段落「0025」、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術において、入場者の進行方向に対して直角を成すように扉101の近傍にカメラ100を設置するようにした場合、図11(a)に示すようにカメラ100から被写体となる入場者までの距離が極めて短いため、身長の高い入場者はカメラの高さに合わせて屈む必要があり、またカメラの画角に収まらない身長の低い利用者は本システムを利用することができないという問題がある。
【0005】
また、図11(b)に示すように入場者の身長に合わせて上下方向に複数のカメラ100を設置した場合、上記問題を解決することができるようになるが複雑な機構や制御が必要になるとともに装置が高価になるという問題がある。
さらに、図11(c)に示すように接近する入場者に向けて扉101の近傍にカメラ100を設置した場合、カメラ100から入場者までの距離を長くとることにより、1台のカメラ100で身長の高低に関わらず入場者の顔画像を撮影することができるようになるが、図11(d)に示すように接近する入場者を斜め前方から撮影するため、生体認証を行うために必要な顔画像の品質を得ることができず、生体認証の精度が低下するという問題がある。また、撮影した顔画像の揺らぎについての閾値を調整して生体認証を行うようにしてもその生体認証の処理に多くの時間を必要とするという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを目的とし、1台のカメラで入場者の身長の高低に関わらず生体認証を行うために充分な品質の顔画像を撮影することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、入場者の顔画像を生体情報として読取る生体情報読取機と、その生体情報読取機で読取った生体情報で行う生体認証の結果に基づいて開放および閉塞させる扉を有する扉装置において、生体情報読取機を支持するとともに扉を閉塞したとき生体情報読取機を扉の中央部近傍へ移動させ、扉を開放したとき生体情報読取機を扉の側部へ移動させる生体情報読取機支持部を設け、扉を閉塞させたとき扉の中央部近傍に移動した生体情報読取機で扉に向かう入場者の顔画像を始めとする正面からの生体情報画像を撮影できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、1台のカメラで身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像等の生体情報を撮影することができるようになるという効果が得られる。
また、進入してくる入場者の顔画像等の生体情報を正面から撮影することができるようになり、生体認証を行う上で品質が良好な入場者の顔画像等の生体情報を撮影することができるようになるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による扉装置および扉システムの実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
図1は実施例における扉システムの構成を示す平面図、図2は実施例における扉システムの構成を示す正面図、図3は実施例における扉システムの構成を示す側面図である。
図において、1は入口扉であり、扉システムの入口に設けられた扉である。この入口扉1は図示しない超音波センサ等で構成された近接センサで入場者の接近を検知すると開放してその入場者が扉システムに入場できるようにするものである。入口扉1は、2枚の板状の扉板で構成され、それぞれの扉板は扉システムの入口の両側に設けられた支柱に回動自在に支持されている。
【0011】
2は出口扉であり、扉システムの出口に設けられた扉である。この出口扉2は開放された入口扉1から入場した入場者の顔をカメラで撮影し、その顔画像で行う生体認証の結果、既に登録されていると判定されたとき、開放してその入場者の通過を許可するためのものである。
3は出口扉2の上方に設けられたカメラアーム(生体情報読取機支持部)であり、4はカメラアーム3に載置された生体情報読取機としてのカメラである。カメラ4は、CCD(Charge Coupled Dvives)付カメラ等で構成され、開放された入口扉1から入場する入場者の顔を撮影して生体情報である顔画像(イメージデータ)を取得するためのものである。
【0012】
5は側面パネルであり、入口扉1から出口扉2の間の側面を形成して入場者の不正な入退を防止するためのものである。したがって、この側面パネル5は入口扉1から入場する入場者を出口扉2へ導く通路7を形成し、図中矢印Aが示す方向に入場者を進行させるように誘導する。
6は扉装置であり、入口扉1、出口扉2、カメラアーム3、およびカメラ4を制御するものである。この扉装置6は、入場者の接近を検知して入口扉1を解放して入場者を通路7に誘導するとともにその入場者の顔をカメラ4で撮影して入場者の顔画像を取得し、取得した顔画像により本人であることが確認できると出口扉2を開放して入場者の通過を許可する制御を行うものである。なお、扉装置6の構成は後述する。
【0013】
ここで、出口扉2およびカメラ4を載置するカメラアーム3の構成を図4の実施例における出口扉およびカメラアームの動作の説明図に基づいて説明する。
図4の(a)は出口扉2が閉塞されている状態を示し、(b)は出口扉2が半開している状態を示し、(c)は出口扉2が全開している状態を示している。なお、(a)〜(c)は出口扉2の近傍の平面図を示している。
【0014】
出口扉2は、図4に示すように2枚の板状の扉板で構成され、それぞれの扉板は通路7の出口の両側に設けられた支柱に回動自在に支持されている。カメラアーム3は一方の扉板が支持される支柱に回動自在に支持され、その扉板と連動して回動できるように構成されている。
したがって、出口扉2が閉塞されているとき、カメラ4は通路7の中央部の近傍に位置するように移動自在に構成され、出口扉2に向かって進行する入場者8の顔を正面から撮影した顔画像を取得することができるようになっている。また、出口扉2を開放するとき、その出口扉2とともにカメラ4は通路7の側部(あるいは出口扉2の側部)に移動して退避するため、入場者8の進行の妨げにならないようになっている。
【0015】
図5は実施例における扉システムの制御系の構成を示すブロック図である。
図5において、11は入場者検知部であり、入口扉1の近傍に設けられた図示しない近接センサで入場者の接近を検知するものである。
12は入口扉開閉部であり、図示しないモータ等の駆動手段、入口扉1を回動させて開放または閉塞させる扉開閉手段等で構成されたものである。この入口扉開閉部12は、入場者検知部11で入場者を検知したとき、その入場者を通路7に誘導するために入口扉1を開放し、図示しないセンサ等で入場者が入口扉1を通過して通路7に侵入したことを検知したとき、入口扉1を閉塞させる。
【0016】
13は生体情報読取部であり、入口扉1を通過して通路7に侵入した入場者の顔をカメラ4で撮影し、入場者の顔画像を取得するものである。
14は出口扉開閉部であり、図示しないモータ等の駆動手段、出口扉2を回動させて開放または閉塞させる扉開閉手段等で構成されたものである。この出口扉開閉部14は、後述する生体認証サーバから入場者の顔画像で行う生体認証の結果、その生体認証に成功した旨、すなわち入場者の顔画像が既に登録されていると判定された旨の通知を受信したとき、その入場者の通過を許可するために出口扉2を開放し、図示しないセンサ等で入場者が出口扉2を通過したことを検知したとき、出口扉2を閉塞させる。
【0017】
15は記憶部であり、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され情報を記憶し、記憶した情報を読取ることができるものである。この記憶部15には扉装置6全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)等を記憶する。
16は制御部であり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の演算および制御手段等で構成されたものである。この制御部16は入場者検知部11、入口扉開閉部12、生体情報読取部13、出口扉開閉部14、記憶部15、および後述する生体認証サーバとの間の通信の制御を行う図示しない通信部を含めて扉装置6全体の動作を記憶部15に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
【0018】
20は生体認証サーバであり、CPU等の演算および制御手段である制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段である記憶部および通信手段である通信部等を備えるものであり、通信回線30を介して扉装置6と相互に通信可能に接続されている。
21は生体情報データベースであり、生体認証サーバ20の記憶部に備えられたものである。この生体情報データベース21は扉システムの通過を許可された入場者の顔画像を予め記憶させておくものである。
【0019】
生体認証サーバ20の制御部は、記憶部に記憶された生体認証処理プログラム(ソフトウェア)に基づいて扉装置6から受信した入場者の顔画像と生体情報データベース21に記憶された顔画像とを照合してその入場者が扉システムの通過を許可された者であることを確認する生体認証処理を行い、その生体認証処理の結果を扉装置6へ通知する。
このように扉システムは、扉装置6、生体認証サーバ20、生体情報サーバ21等で構成されている。なお、本実施例においては生体認証サーバ20と生体情報データベース21は扉装置6と離れた場所に設置されている別装置として記載されているが、生体認証サーバ20と生体情報データベース21を扉装置6内に含めるようにしても構わない。さらには、生体認証サーバ20と生体情報データベース21とを生体情報読取部13と一体の構成としても構わない。
【0020】
上述した構成の作用を図6の実施例における扉システムの動作を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。
なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
【0021】
S1:まず、扉装置6の制御部16の指示により入口扉開閉部12は入口扉1を閉塞し、また出口扉開閉部14は図4(a)に示すように出口扉2を閉塞させ、その出口扉2とともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の中央部に配置するようにしておくものとする。
扉装置6の入場者検知部11が入口扉1に接近する入場者を検知すると制御部16の指示により入口扉開閉部12は入口扉1を開放する。
【0022】
入口扉1が開放されると入場者は入口から通路7に進入するものとする。
このとき、カメラ4は通路7の中央部に配置されているため、進入してくる入場者の顔画像を正面から撮影することができるようになっている。
S2:入口扉開閉部12が入口扉1を開放すると制御部16の指示により生体情報読取部13はカメラ4で入場者の画像の撮影を開始し、その画像に入場者の顔が存在することを確認する顔検出を行う。
【0023】
ここで、顔検出は、例えば複数人の顔画像から生成しておいた平均顔画像と撮影した画像との相関を求め、その相関値が所定の閾値を超えているとき撮影した画像に入場者の顔が存在することを確認するものとするが、その他の公知の顔検出技術を採用してもよい。
なお、本実施例では、顔検出を生体情報読取部13で行うようにしたが制御部16で行うようにしてもよい。
【0024】
また、入場者が入口扉1を通過したことを図示しないセンサ等で検知すると制御部16の指示により入口扉開閉部12は入口扉1を閉塞させ、新たな入場者の入場を抑制するものとする。
S3:生体情報読取部13が行う顔検出の結果、撮影した画像に入場者の顔が存在することが確認できると処理をS4へ移行する。一方、撮影した画像に入場者の顔の存在を確認できない場合、処理をS2へ移行して入場者の画像の撮影および顔検出を継続する。
【0025】
S4:撮影した画像に入場者の顔が存在することが確認できると制御部16はその画像を入場者の顔画像として記憶部15に記憶させて保存するととものその顔画像の品質を確認する。
この顔画像の品質の確認は、撮影した顔画像が生体認証に適する品質を有するか否かを判別することを目的とし、撮影した顔画像の明るさ、コントラストや顔画像による生体認証に必要になる目、鼻、口等の顔の構成物(特徴点)が捕捉されていること、顔の正面からの揺らぎ(例えば、上下左右のずれ)等の項目を数値化し、それぞれの項目およびこれらの組み合わせの数値が所定の閾値を超えていることを確認するものとする。
【0026】
S5:顔画像の品質を確認した結果、品質が確保できていると判定されると入場者の撮影を終了して処理をS6へ移行し、一方品質が不十分であると判定されると処理をS3へ移行して入場者の画像の撮影および顔検出を継続する。
S6:顔画像の品質が確保できていると判定されると制御部16は記憶部15に記憶させておいた顔画像とともにその顔画像による生体認証を行うことを依頼する通知を生体認証サーバ20へ送信する。
【0027】
生体認証サーバ20は受信した顔画像と生体情報データベース21に予め登録された入場者の顔画像とを照合する生体認証処理を行う。なお、この生体認証処理は、テンプレートと呼ばれる生体認証用の形式に変換された情報を用いる処理としてもよく、公知の顔画像による生体認証処理を採用することができる。
生体認証処理を行った生体認証サーバ20は、撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に予め登録されているか否か、すなわち入場者が扉システムの通過を許可された者であるか否かの生体認証処理の結果を扉装置6へ送信する。
【0028】
S7:生体認証処理の結果を受信した扉装置6の制御部16は、その生体認証処理の結果により撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に予め登録されていると判定すると処理をS8へ移行し、登録されていないと判定すると処理をS9へ移行する。
S8:撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に予め登録されていると判定されると制御部16の指示により出口扉開閉部14は図4(c)に示すように出口扉2を開放するとともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の側部に退避させる。このように入場者の顔画像を撮影するためのカメラ4は通路7から退避するため、入場者の進行を妨げないようになっている。
【0029】
入場者は開放された出口扉2を通過し、本扉システムを退出するものとする。図示しないセンサ等により出口扉2を通過したことを検知した制御部16の指示により出口扉2を閉塞するともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の中央部に配置して次の入場者を待機する。
S9:撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に登録されていないと判定されると制御部16の指示により出口扉開閉部14は出口扉2を開放することなく閉塞させたままとして入場者の通過を許可しない認証NG処理を行うものとする。
【0030】
このとき、制御部16の指示により入口扉1を開放して入場者を入口から退出させるようにしてもよく、また入口扉1を閉塞させたままとしてその入場者を退出できないようにしてもよい。
このようにして扉システムは許可された入場者だけを扉システムを通過させるようにするが、入場者の顔画像を撮影するときの作用を図7の実施例における顔画像撮影の説明図に基づいて説明する。
【0031】
本実施例では、図7(a)の扉システムの側面図に示すように出口扉2の近傍から入口扉1の方向に向けてカメラ4を配置するようにしたため、カメラ4から被写体である入場者8までの距離を長く取ることができ、1台のカメラ4で身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像を撮影することができるようになる。
また、図7(b)扉システムの平面図に示すようにカメラ4を通路7の中央部に配置するようにしたため、進入してくる入場者8の顔画像を正面から撮影することができ、品質が良好な入場者8の顔画像を撮影することができるようになる。
【0032】
なお、本実施例では、生体認証サーバ20で入場者の生体認証処理を行うようにしたが扉装置6の記憶部15に生体情報データベース21を備え制御部16で入場者の生体認証処理を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、顔画像を生体情報とする例で説明したが顔の検出を必要とする虹彩の画像、顔皮膚の画像としてもよい。
【0033】
さらに、本実施例では、出口扉2の上方にカメラアーム3およびカメラ4を設けるようにしたが出口扉2の上部にカメラ4を埋め込むようにしてもよい。
また、カメラアーム3が回動してカメラ4が通路7から退避するように構成したが、カメラアーム3を開閉する扉の近傍に摺動自在に支持し、出口扉2が閉塞したときカメラアーム3を摺動することでカメラ4が通路7の中央部近傍に移動させ、出口扉2が開放したときカメラアーム3を摺動することでカメラ4が通路7の側部へ退避するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施例では、出口扉2の近傍から入口扉1の方向に向けてカメラ4を配置するようにしたため、カメラ4から被写体である入場者8までの距離を長く取ることができ、複雑な機構や制御を必要とすることなく1台のカメラ4で身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像を撮影することができるようになるという効果が得られる。
【0035】
また、カメラ4を通路7の中央部に配置するようにしたため、進入してくる入場者8の顔画像を正面から撮影することができ、品質が良好な入場者8の顔画像を撮影することができるようになるという効果が得られる。
さらに、出口扉2を開放するとともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の側部に退避させるようにしため、入場者8の進行を妨げることがないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例における扉システムの構成を示す平面図
【図2】実施例における扉システムの構成を示す正面図
【図3】実施例における扉システムの構成を示す側面図
【図4】実施例における出口扉およびカメラアームの動作の説明図
【図5】実施例における扉システムの制御系の構成を示すブロック図
【図6】実施例における扉システムの動作を示すフローチャート
【図7】実施例における顔画像撮影の説明図
【図8】従来の扉システムの構成を示す説明図
【図9】従来の扉システムの構成を示す説明図
【図10】従来の扉システムの構成を示す説明図
【図11】従来の扉システムの問題を示す説明図
【符号の説明】
【0037】
1 入口扉
2 出口扉
3 カメラアーム
4 カメラ
5 側面パネル
6 扉装置
7 通路
8 入場者
11 入場者検知部
12 入口扉開閉部
13 生体情報読取部
14 出口扉開閉部
15 記憶部
16 制御部
20 生体認証サーバ
21 生体情報データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔画像等の生体情報を取得するカメラを備え、その生体情報により本人であることを確認する生体認証を行って扉の開閉を制御する扉装置および扉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の扉装置および扉システムは、通用門や建屋の入口の近傍に入場しようとする者の顔画像を撮影するカメラを設置し、そのカメラで撮影した顔画像を登録者の顔画像と照合する生体認証を行い、その結果により入場を許可するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来の扉装置および扉システムにおいては、図8に示すように生体認証の精度を向上させるため、入場者の正面から撮影し、また入場者の通行を妨げないように入場者の進行方向(矢印Bが示す方向)に対して直角を成すように扉101の近傍にカメラ100を設置するようにしている。この場合、入場者は自己の身長に合わせて顔がカメラ100の正面に位置するように顔の高さや角度を調整するようにしている。
【0003】
また、入場者が自己の身長に合わせて顔がカメラの正面に位置するように顔の高さや角度を調整することを不要にするため、図9に示すように上下方向に複数のカメラ100を設置し、入場者の顔画像を撮影するようにしている。
さらに、図10に示すように1台のカメラ100を接近する入場者に向けて扉101の近傍に設置し、被写体となる入場者までの距離を大きくすることで顔の高さや角度を調整することを不要にしている。
【特許文献1】特開2006−309490号公報(段落「0016」〜段落「0025」、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術において、入場者の進行方向に対して直角を成すように扉101の近傍にカメラ100を設置するようにした場合、図11(a)に示すようにカメラ100から被写体となる入場者までの距離が極めて短いため、身長の高い入場者はカメラの高さに合わせて屈む必要があり、またカメラの画角に収まらない身長の低い利用者は本システムを利用することができないという問題がある。
【0005】
また、図11(b)に示すように入場者の身長に合わせて上下方向に複数のカメラ100を設置した場合、上記問題を解決することができるようになるが複雑な機構や制御が必要になるとともに装置が高価になるという問題がある。
さらに、図11(c)に示すように接近する入場者に向けて扉101の近傍にカメラ100を設置した場合、カメラ100から入場者までの距離を長くとることにより、1台のカメラ100で身長の高低に関わらず入場者の顔画像を撮影することができるようになるが、図11(d)に示すように接近する入場者を斜め前方から撮影するため、生体認証を行うために必要な顔画像の品質を得ることができず、生体認証の精度が低下するという問題がある。また、撮影した顔画像の揺らぎについての閾値を調整して生体認証を行うようにしてもその生体認証の処理に多くの時間を必要とするという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを目的とし、1台のカメラで入場者の身長の高低に関わらず生体認証を行うために充分な品質の顔画像を撮影することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、入場者の顔画像を生体情報として読取る生体情報読取機と、その生体情報読取機で読取った生体情報で行う生体認証の結果に基づいて開放および閉塞させる扉を有する扉装置において、生体情報読取機を支持するとともに扉を閉塞したとき生体情報読取機を扉の中央部近傍へ移動させ、扉を開放したとき生体情報読取機を扉の側部へ移動させる生体情報読取機支持部を設け、扉を閉塞させたとき扉の中央部近傍に移動した生体情報読取機で扉に向かう入場者の顔画像を始めとする正面からの生体情報画像を撮影できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、1台のカメラで身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像等の生体情報を撮影することができるようになるという効果が得られる。
また、進入してくる入場者の顔画像等の生体情報を正面から撮影することができるようになり、生体認証を行う上で品質が良好な入場者の顔画像等の生体情報を撮影することができるようになるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による扉装置および扉システムの実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
図1は実施例における扉システムの構成を示す平面図、図2は実施例における扉システムの構成を示す正面図、図3は実施例における扉システムの構成を示す側面図である。
図において、1は入口扉であり、扉システムの入口に設けられた扉である。この入口扉1は図示しない超音波センサ等で構成された近接センサで入場者の接近を検知すると開放してその入場者が扉システムに入場できるようにするものである。入口扉1は、2枚の板状の扉板で構成され、それぞれの扉板は扉システムの入口の両側に設けられた支柱に回動自在に支持されている。
【0011】
2は出口扉であり、扉システムの出口に設けられた扉である。この出口扉2は開放された入口扉1から入場した入場者の顔をカメラで撮影し、その顔画像で行う生体認証の結果、既に登録されていると判定されたとき、開放してその入場者の通過を許可するためのものである。
3は出口扉2の上方に設けられたカメラアーム(生体情報読取機支持部)であり、4はカメラアーム3に載置された生体情報読取機としてのカメラである。カメラ4は、CCD(Charge Coupled Dvives)付カメラ等で構成され、開放された入口扉1から入場する入場者の顔を撮影して生体情報である顔画像(イメージデータ)を取得するためのものである。
【0012】
5は側面パネルであり、入口扉1から出口扉2の間の側面を形成して入場者の不正な入退を防止するためのものである。したがって、この側面パネル5は入口扉1から入場する入場者を出口扉2へ導く通路7を形成し、図中矢印Aが示す方向に入場者を進行させるように誘導する。
6は扉装置であり、入口扉1、出口扉2、カメラアーム3、およびカメラ4を制御するものである。この扉装置6は、入場者の接近を検知して入口扉1を解放して入場者を通路7に誘導するとともにその入場者の顔をカメラ4で撮影して入場者の顔画像を取得し、取得した顔画像により本人であることが確認できると出口扉2を開放して入場者の通過を許可する制御を行うものである。なお、扉装置6の構成は後述する。
【0013】
ここで、出口扉2およびカメラ4を載置するカメラアーム3の構成を図4の実施例における出口扉およびカメラアームの動作の説明図に基づいて説明する。
図4の(a)は出口扉2が閉塞されている状態を示し、(b)は出口扉2が半開している状態を示し、(c)は出口扉2が全開している状態を示している。なお、(a)〜(c)は出口扉2の近傍の平面図を示している。
【0014】
出口扉2は、図4に示すように2枚の板状の扉板で構成され、それぞれの扉板は通路7の出口の両側に設けられた支柱に回動自在に支持されている。カメラアーム3は一方の扉板が支持される支柱に回動自在に支持され、その扉板と連動して回動できるように構成されている。
したがって、出口扉2が閉塞されているとき、カメラ4は通路7の中央部の近傍に位置するように移動自在に構成され、出口扉2に向かって進行する入場者8の顔を正面から撮影した顔画像を取得することができるようになっている。また、出口扉2を開放するとき、その出口扉2とともにカメラ4は通路7の側部(あるいは出口扉2の側部)に移動して退避するため、入場者8の進行の妨げにならないようになっている。
【0015】
図5は実施例における扉システムの制御系の構成を示すブロック図である。
図5において、11は入場者検知部であり、入口扉1の近傍に設けられた図示しない近接センサで入場者の接近を検知するものである。
12は入口扉開閉部であり、図示しないモータ等の駆動手段、入口扉1を回動させて開放または閉塞させる扉開閉手段等で構成されたものである。この入口扉開閉部12は、入場者検知部11で入場者を検知したとき、その入場者を通路7に誘導するために入口扉1を開放し、図示しないセンサ等で入場者が入口扉1を通過して通路7に侵入したことを検知したとき、入口扉1を閉塞させる。
【0016】
13は生体情報読取部であり、入口扉1を通過して通路7に侵入した入場者の顔をカメラ4で撮影し、入場者の顔画像を取得するものである。
14は出口扉開閉部であり、図示しないモータ等の駆動手段、出口扉2を回動させて開放または閉塞させる扉開閉手段等で構成されたものである。この出口扉開閉部14は、後述する生体認証サーバから入場者の顔画像で行う生体認証の結果、その生体認証に成功した旨、すなわち入場者の顔画像が既に登録されていると判定された旨の通知を受信したとき、その入場者の通過を許可するために出口扉2を開放し、図示しないセンサ等で入場者が出口扉2を通過したことを検知したとき、出口扉2を閉塞させる。
【0017】
15は記憶部であり、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され情報を記憶し、記憶した情報を読取ることができるものである。この記憶部15には扉装置6全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)等を記憶する。
16は制御部であり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の演算および制御手段等で構成されたものである。この制御部16は入場者検知部11、入口扉開閉部12、生体情報読取部13、出口扉開閉部14、記憶部15、および後述する生体認証サーバとの間の通信の制御を行う図示しない通信部を含めて扉装置6全体の動作を記憶部15に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
【0018】
20は生体認証サーバであり、CPU等の演算および制御手段である制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段である記憶部および通信手段である通信部等を備えるものであり、通信回線30を介して扉装置6と相互に通信可能に接続されている。
21は生体情報データベースであり、生体認証サーバ20の記憶部に備えられたものである。この生体情報データベース21は扉システムの通過を許可された入場者の顔画像を予め記憶させておくものである。
【0019】
生体認証サーバ20の制御部は、記憶部に記憶された生体認証処理プログラム(ソフトウェア)に基づいて扉装置6から受信した入場者の顔画像と生体情報データベース21に記憶された顔画像とを照合してその入場者が扉システムの通過を許可された者であることを確認する生体認証処理を行い、その生体認証処理の結果を扉装置6へ通知する。
このように扉システムは、扉装置6、生体認証サーバ20、生体情報サーバ21等で構成されている。なお、本実施例においては生体認証サーバ20と生体情報データベース21は扉装置6と離れた場所に設置されている別装置として記載されているが、生体認証サーバ20と生体情報データベース21を扉装置6内に含めるようにしても構わない。さらには、生体認証サーバ20と生体情報データベース21とを生体情報読取部13と一体の構成としても構わない。
【0020】
上述した構成の作用を図6の実施例における扉システムの動作を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。
なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
【0021】
S1:まず、扉装置6の制御部16の指示により入口扉開閉部12は入口扉1を閉塞し、また出口扉開閉部14は図4(a)に示すように出口扉2を閉塞させ、その出口扉2とともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の中央部に配置するようにしておくものとする。
扉装置6の入場者検知部11が入口扉1に接近する入場者を検知すると制御部16の指示により入口扉開閉部12は入口扉1を開放する。
【0022】
入口扉1が開放されると入場者は入口から通路7に進入するものとする。
このとき、カメラ4は通路7の中央部に配置されているため、進入してくる入場者の顔画像を正面から撮影することができるようになっている。
S2:入口扉開閉部12が入口扉1を開放すると制御部16の指示により生体情報読取部13はカメラ4で入場者の画像の撮影を開始し、その画像に入場者の顔が存在することを確認する顔検出を行う。
【0023】
ここで、顔検出は、例えば複数人の顔画像から生成しておいた平均顔画像と撮影した画像との相関を求め、その相関値が所定の閾値を超えているとき撮影した画像に入場者の顔が存在することを確認するものとするが、その他の公知の顔検出技術を採用してもよい。
なお、本実施例では、顔検出を生体情報読取部13で行うようにしたが制御部16で行うようにしてもよい。
【0024】
また、入場者が入口扉1を通過したことを図示しないセンサ等で検知すると制御部16の指示により入口扉開閉部12は入口扉1を閉塞させ、新たな入場者の入場を抑制するものとする。
S3:生体情報読取部13が行う顔検出の結果、撮影した画像に入場者の顔が存在することが確認できると処理をS4へ移行する。一方、撮影した画像に入場者の顔の存在を確認できない場合、処理をS2へ移行して入場者の画像の撮影および顔検出を継続する。
【0025】
S4:撮影した画像に入場者の顔が存在することが確認できると制御部16はその画像を入場者の顔画像として記憶部15に記憶させて保存するととものその顔画像の品質を確認する。
この顔画像の品質の確認は、撮影した顔画像が生体認証に適する品質を有するか否かを判別することを目的とし、撮影した顔画像の明るさ、コントラストや顔画像による生体認証に必要になる目、鼻、口等の顔の構成物(特徴点)が捕捉されていること、顔の正面からの揺らぎ(例えば、上下左右のずれ)等の項目を数値化し、それぞれの項目およびこれらの組み合わせの数値が所定の閾値を超えていることを確認するものとする。
【0026】
S5:顔画像の品質を確認した結果、品質が確保できていると判定されると入場者の撮影を終了して処理をS6へ移行し、一方品質が不十分であると判定されると処理をS3へ移行して入場者の画像の撮影および顔検出を継続する。
S6:顔画像の品質が確保できていると判定されると制御部16は記憶部15に記憶させておいた顔画像とともにその顔画像による生体認証を行うことを依頼する通知を生体認証サーバ20へ送信する。
【0027】
生体認証サーバ20は受信した顔画像と生体情報データベース21に予め登録された入場者の顔画像とを照合する生体認証処理を行う。なお、この生体認証処理は、テンプレートと呼ばれる生体認証用の形式に変換された情報を用いる処理としてもよく、公知の顔画像による生体認証処理を採用することができる。
生体認証処理を行った生体認証サーバ20は、撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に予め登録されているか否か、すなわち入場者が扉システムの通過を許可された者であるか否かの生体認証処理の結果を扉装置6へ送信する。
【0028】
S7:生体認証処理の結果を受信した扉装置6の制御部16は、その生体認証処理の結果により撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に予め登録されていると判定すると処理をS8へ移行し、登録されていないと判定すると処理をS9へ移行する。
S8:撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に予め登録されていると判定されると制御部16の指示により出口扉開閉部14は図4(c)に示すように出口扉2を開放するとともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の側部に退避させる。このように入場者の顔画像を撮影するためのカメラ4は通路7から退避するため、入場者の進行を妨げないようになっている。
【0029】
入場者は開放された出口扉2を通過し、本扉システムを退出するものとする。図示しないセンサ等により出口扉2を通過したことを検知した制御部16の指示により出口扉2を閉塞するともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の中央部に配置して次の入場者を待機する。
S9:撮影された入場者の顔画像が生体情報データベース21に登録されていないと判定されると制御部16の指示により出口扉開閉部14は出口扉2を開放することなく閉塞させたままとして入場者の通過を許可しない認証NG処理を行うものとする。
【0030】
このとき、制御部16の指示により入口扉1を開放して入場者を入口から退出させるようにしてもよく、また入口扉1を閉塞させたままとしてその入場者を退出できないようにしてもよい。
このようにして扉システムは許可された入場者だけを扉システムを通過させるようにするが、入場者の顔画像を撮影するときの作用を図7の実施例における顔画像撮影の説明図に基づいて説明する。
【0031】
本実施例では、図7(a)の扉システムの側面図に示すように出口扉2の近傍から入口扉1の方向に向けてカメラ4を配置するようにしたため、カメラ4から被写体である入場者8までの距離を長く取ることができ、1台のカメラ4で身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像を撮影することができるようになる。
また、図7(b)扉システムの平面図に示すようにカメラ4を通路7の中央部に配置するようにしたため、進入してくる入場者8の顔画像を正面から撮影することができ、品質が良好な入場者8の顔画像を撮影することができるようになる。
【0032】
なお、本実施例では、生体認証サーバ20で入場者の生体認証処理を行うようにしたが扉装置6の記憶部15に生体情報データベース21を備え制御部16で入場者の生体認証処理を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、顔画像を生体情報とする例で説明したが顔の検出を必要とする虹彩の画像、顔皮膚の画像としてもよい。
【0033】
さらに、本実施例では、出口扉2の上方にカメラアーム3およびカメラ4を設けるようにしたが出口扉2の上部にカメラ4を埋め込むようにしてもよい。
また、カメラアーム3が回動してカメラ4が通路7から退避するように構成したが、カメラアーム3を開閉する扉の近傍に摺動自在に支持し、出口扉2が閉塞したときカメラアーム3を摺動することでカメラ4が通路7の中央部近傍に移動させ、出口扉2が開放したときカメラアーム3を摺動することでカメラ4が通路7の側部へ退避するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施例では、出口扉2の近傍から入口扉1の方向に向けてカメラ4を配置するようにしたため、カメラ4から被写体である入場者8までの距離を長く取ることができ、複雑な機構や制御を必要とすることなく1台のカメラ4で身長の高い入場者から身長の低い入場者の顔画像を撮影することができるようになるという効果が得られる。
【0035】
また、カメラ4を通路7の中央部に配置するようにしたため、進入してくる入場者8の顔画像を正面から撮影することができ、品質が良好な入場者8の顔画像を撮影することができるようになるという効果が得られる。
さらに、出口扉2を開放するとともにカメラアーム3を回動させてカメラ4を通路7の側部に退避させるようにしため、入場者8の進行を妨げることがないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例における扉システムの構成を示す平面図
【図2】実施例における扉システムの構成を示す正面図
【図3】実施例における扉システムの構成を示す側面図
【図4】実施例における出口扉およびカメラアームの動作の説明図
【図5】実施例における扉システムの制御系の構成を示すブロック図
【図6】実施例における扉システムの動作を示すフローチャート
【図7】実施例における顔画像撮影の説明図
【図8】従来の扉システムの構成を示す説明図
【図9】従来の扉システムの構成を示す説明図
【図10】従来の扉システムの構成を示す説明図
【図11】従来の扉システムの問題を示す説明図
【符号の説明】
【0037】
1 入口扉
2 出口扉
3 カメラアーム
4 カメラ
5 側面パネル
6 扉装置
7 通路
8 入場者
11 入場者検知部
12 入口扉開閉部
13 生体情報読取部
14 出口扉開閉部
15 記憶部
16 制御部
20 生体認証サーバ
21 生体情報データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場者の顔画像を生体情報として読取る生体情報読取機と、その生体情報読取機で読取った生体情報で行う生体認証の結果に基づいて開放および閉塞させる扉を有する扉装置において、
生体情報読取機を支持するとともに扉を閉塞したとき生体情報読取機を扉の中央部近傍へ移動させ、扉を開放したとき生体情報読取機を扉の側部へ移動させる生体情報読取機支持部を設け、
扉を閉塞させたとき扉の中央部近傍に移動した生体情報読取機で扉に向かう入場者の顔画像を始めとする正面からの生体情報画像を撮影できるようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項2】
請求項1の扉装置において、
前記生体情報読取機支持部は、一の端部が扉の側部の支柱に回動自在に支持され、他の端部に生体情報読取機が固着されていることを特徴とする扉装置。
【請求項3】
請求項1の扉装置において、
前記生体情報読取機支持部は、開閉する扉の近傍に摺動自在に支持され、生体情報読取機が固着された端部を扉の開閉とともに扉の中央部近傍と扉の側部との間を移動させるようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項4】
請求項2の扉装置において、
前記生体情報読取機支持部は、扉の閉塞動作とともに回動して生体情報読取機を扉の中央部近傍へ移動させ、扉の開放動作とともに回動して生体情報読取機を扉の側部へ移動させ、扉を閉塞させたとき扉の中央部近傍に移動した生体情報読取機で扉に向かう入場者の正面の顔画像を撮影できるようにするとともに扉を開放させたとき入場者の進行を妨げないようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3または請求項4の扉装置において、
生体情報読取機で読取った入場者の生体情報を生体認証サーバへ送信し、該生体認証サーバから受信した生体認証の結果に応じて扉を開閉するようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項6】
入場者の顔画像を生体情報として取得し、その生体情報に基づいて予め登録されている入場者であることを認証すると扉を開放する扉システムにおいて、
入場が許可された入場者の生体情報を予め登録しておく生体情報データベースを備え、受信した生体情報を該生体情報データベースに登録された生体情報と照合して登録されていることを確認する生体認証を行い、その結果を返送する生体認証サーバと、
請求項1から請求項4のいずれかの扉装置を備え、
扉装置が生体情報読取機で読取った入場者の生体情報を生体認証サーバへ送信し、該生体認証サーバから受信した生体認証の結果に応じて扉を開閉するようにしたことを特徴とする扉システム。
【請求項1】
入場者の顔画像を生体情報として読取る生体情報読取機と、その生体情報読取機で読取った生体情報で行う生体認証の結果に基づいて開放および閉塞させる扉を有する扉装置において、
生体情報読取機を支持するとともに扉を閉塞したとき生体情報読取機を扉の中央部近傍へ移動させ、扉を開放したとき生体情報読取機を扉の側部へ移動させる生体情報読取機支持部を設け、
扉を閉塞させたとき扉の中央部近傍に移動した生体情報読取機で扉に向かう入場者の顔画像を始めとする正面からの生体情報画像を撮影できるようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項2】
請求項1の扉装置において、
前記生体情報読取機支持部は、一の端部が扉の側部の支柱に回動自在に支持され、他の端部に生体情報読取機が固着されていることを特徴とする扉装置。
【請求項3】
請求項1の扉装置において、
前記生体情報読取機支持部は、開閉する扉の近傍に摺動自在に支持され、生体情報読取機が固着された端部を扉の開閉とともに扉の中央部近傍と扉の側部との間を移動させるようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項4】
請求項2の扉装置において、
前記生体情報読取機支持部は、扉の閉塞動作とともに回動して生体情報読取機を扉の中央部近傍へ移動させ、扉の開放動作とともに回動して生体情報読取機を扉の側部へ移動させ、扉を閉塞させたとき扉の中央部近傍に移動した生体情報読取機で扉に向かう入場者の正面の顔画像を撮影できるようにするとともに扉を開放させたとき入場者の進行を妨げないようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3または請求項4の扉装置において、
生体情報読取機で読取った入場者の生体情報を生体認証サーバへ送信し、該生体認証サーバから受信した生体認証の結果に応じて扉を開閉するようにしたことを特徴とする扉装置。
【請求項6】
入場者の顔画像を生体情報として取得し、その生体情報に基づいて予め登録されている入場者であることを認証すると扉を開放する扉システムにおいて、
入場が許可された入場者の生体情報を予め登録しておく生体情報データベースを備え、受信した生体情報を該生体情報データベースに登録された生体情報と照合して登録されていることを確認する生体認証を行い、その結果を返送する生体認証サーバと、
請求項1から請求項4のいずれかの扉装置を備え、
扉装置が生体情報読取機で読取った入場者の生体情報を生体認証サーバへ送信し、該生体認証サーバから受信した生体認証の結果に応じて扉を開閉するようにしたことを特徴とする扉システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−138490(P2009−138490A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318489(P2007−318489)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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