説明

投光装置、および当該投光装置を備えた車両用前照灯

【課題】所望の配光パターンを形成する。
【解決手段】本発明に係るヘッドランプシステム100は、励起光を受けて発光する発光部と、発光部に対応して設けられ、発光部からの光を所定の照明領域の一部に配光するリフレクタと、を有する光源ユニット1a〜1eを複数備えている。光源ユニット1a〜1eのそれぞれは、照明領域11を分割して投光する領域である投光スポット11a〜11eに向けて、発光部からの光を投光するものであり、照明領域11は、光源ユニット1a〜1eごとに投光される投光スポット11a〜11eが複数組み合わされることで形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源ユニットを備える投光装置に関するものであり、より詳細には、それぞれの光源ユニットによって照明領域を分割して投光することにより、所望の照明領域を形成し得る投光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などのヘッドランプ(車両用前照灯)には、ハロゲンランプが多く使用されていたが、近年、HIDランプ(High Discharge Lamp)を使用したヘッドランプが増加している。
【0003】
一般にヘッドランプは、上端縁にカットオフラインを有するロービーム用の配光パターンを形成し得る構成となっており、これにより対向車のドライバなどに幻惑などを与えないようにしつつ、ドライバの前方視認性を確保することができるように構成されている。
【0004】
最近では、消費電力が少ない発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を光源として使用したヘッドランプの開発が盛ん行われており、例えば、特許文献1には、図22に示されるように、異なる領域に向けて投光された各光源ユニットのパターン111a〜111cを組み合わせることで、所望の照明領域111を形成するヘッドランプ(以下、領域分割型のヘッドランプと称する)が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、図23に示されるように、各光源ユニットのパターン211a〜211dを重畳的に重ね合わせることで、所望の照明領域を形成するヘッドランプ(以下、重ね合わせ型のヘッドランプと称する)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−030570(2007年02月08日公開)
【特許文献2】特開2008−013014(2008年01月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、光源からの光を、リフレクタを用いて小さなスポットに投光するためには、光源の輝度が高く、且つ、リフレクタに対する光源の相対的なサイズが充分に小さいことが好ましい。
【0008】
しかしながら、ハロゲンランプ、HIDランプまたはLEDでは、必要な輝度が得られず、また、光源サイズを小径化することが困難であるため、小径のリフレクタを用いて小さな領域に投光することができない。
【0009】
従って、光源からの光を、より小さなスポットに投光するためには、大径のリフレクタを用いる必要があり、配置空間が制限されるヘッドランプでは実用化が困難であった。
【0010】
このため、特許文献1に開示されたヘッドランプでは、各光源ユニットのスポット径を制御することができず、小さな領域に分割して所望の照明領域を形成することは困難である。一方、より小さな領域に分割して投光するためには、大径のリフレクタを用いる必要があり、装置構成が大型化してしまうという問題点がある。
【0011】
また、特許文献2のような重ね合わせ型のヘッドランプでは、重ね合わされた領域について複数の光源から投光されており、無駄な光束が生じて照明効率が低下するという問題点がある。
【0012】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、所望の配光パターンを効率的に形成することができる投光装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る投光装置は、上記の課題を解決するために、励起光を受けて発光する発光部と、前記発光部に対応して設けられ、前記発光部からの光を所定の照明領域の一部に配光する配光部と、を有する光源ユニットを複数備え、前記光源ユニットのそれぞれは、前記照明領域が分割された領域である投光領域に向けて、前記発光部からの光を投光するものであり、前記照明領域は、前記光源ユニットごとに投光される前記投光領域が複数組み合わされることで形成されていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成では、光源ユニットは、励起光を受けて発光する発光部を有しているため、発光部のサイズを小さく形成することが可能となり、配光部に対する発光部のサイズを相対的に小さくすることができる。このため、小径の配光部を用いても高い配光特性が得られるので、各光源ユニットは、小さな領域に向けて発光部からの光を投光することができると共に、装置構成を小型化することができる。
【0015】
本発明に係る投光装置は、このような光源ユニットを複数備え、各光源ユニットは、照明領域が分割された領域である投光領域に向けて、発光部からの光を投光する。すなわち、各光源ユニットが、照明領域の異なる領域に向けて、発光部からの光を投光する。
【0016】
このため、光源ユニットごとに投光される小さな投光領域を複数組み合わせることで、所望の照明領域を形成することができる。
【0017】
また、上記の構成によれば、各光源ユニットが、ユニットごとに独立した投光領域に向けて選択的に投光することができるので、無駄な光束が生じず、効率的な投光が可能となる。
【0018】
それゆえ、本発明によれば、所望の配光パターンを効率的に形成することができる投光装置を実現することができる。
【0019】
また、本発明に係る投光装置では、前記複数の光源ユニットの光量を、個別に制御可能な光量制御部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
上記の構成では、複数の光源ユニットの光量を、個別に制御可能な光量制御部をさらに備えるため、光源ユニットごとの光量を制御することで、各光源ユニットに対応した投光領域ごとに光量を制御することが可能となる。
【0021】
このため、上記の構成によれば、照明領域のうち、明るくしたい領域は十分に明るく照明し、或いは、明るすぎると困る領域は暗くするといった領域ごとの最適な光量制御が可能となる。
【0022】
また、本発明に係る投光装置では、前記投光領域内の物体を検知する検知部をさらに備え、前記光量制御部は、前記検知部によって前記物体が検知されたとき、当該物体が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を制御することが好ましい。
【0023】
上記の構成では、投光領域内の物体を検知する検知部をさらに備えるため、光量制御部は、検知部によって物体が検知された投光領域に向けて投光する光源ユニットの光量を制御することで、物体に投光される光量を制御することが可能となる。
【0024】
このため、上記の構成によれば、例えば、検知された物体に投光する光量を増加させたり、或いは、減少させたりするなどの光量制御が可能となる。
【0025】
また、本発明に係る投光装置では、前記検知部によって検知された前記物体の種類を、画像認識により識別する識別部をさらに備え、前記光量制御部は、前記識別部によって識別された前記物体の種類に応じて、当該物体が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を制御することが好ましい。
【0026】
上記の構成では、検知部によって検知された物体の種類を、画像認識により識別する識別部をさらに備えるため、識別部によって識別された物体の種類に応じて、物体に対して投光する光量を制御することが可能となる。
【0027】
このため、上記の構成によれば、物体の種類に応じて、投光する光量を増加させたり、或いは、減少させたりするなどの光量制御が可能となる。
【0028】
また、本発明に係る投光装置では、前記複数の光源ユニットは、前記照明領域を、少なくとも横方向に分割して投光することが好ましい。
【0029】
上記の構成では、複数の光源ユニットは、照明領域を少なくとも横方向に分割して投光するため、照明領域の幅を容易に制御することができると共に、幅方向に分割された領域ごとに最適な光量制御が可能となる。
【0030】
また、本発明に係る投光装置では、前記複数の光源ユニットは、前記照明領域を、縦方向に分割して投光することが好ましい。
【0031】
上記の構成では、光源ユニットは、照明領域を横方向および縦方向に分割して投光するため、投光領域を組み合わせることで、あらゆる形状の照明領域を形成することができる。
【0032】
さらに、上記の構成によれば、照明領域の幅方向および高さ方向に分割された領域ごとに最適な光量制御が可能となる。
【0033】
また、本発明に係る投光装置では、前記励起光は、レーザ光であることが好ましい。
【0034】
上記の構成では、励起光としてレーザ光を用いているため、発光部を効率的に励起することが可能となる。
【0035】
さらに、上記の構成では、励起光が照射される発光部の照射範囲を小さくすることができるので、配光部に対する発光部のサイズを相対的に小さくすることが可能となる。
【0036】
このため、上記の構成によれば、配光部による投光特性を向上させることができるので、より小さな投光領域を組み合わせて、所望の照明領域を形成することができると共に、光の効率効率を向上させることができる。
【0037】
また、本発明に係る投光装置では、前記発光部は、前記励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を少なくとも含むことが好ましい。
【0038】
上記の構成では、発光部は、励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を少なくとも含むため、蛍光体が発する蛍光を照明光として利用することができる。また、異なる種類の蛍光体を発光部に含めることにより、異なる色の蛍光を発光させて、所望の色彩の照明光を生成することができる。
【0039】
このため、上記の構成によれば、所望の色彩の蛍光を投光可能な光源ユニットを実現することができる。
【0040】
本発明に係る車両用前照灯は、上記の課題を解決するために、上記投光装置を備えることを特徴としている。
【0041】
上記の構成では、車両用前照灯は、上記投光装置を備えるため、所望の配光パターンを効率的に形成することができる車両用前照灯を実現することができる。
【0042】
本発明に係る車両用前照灯は、上記の課題を解決するために、上記投光装置を備える車両用前照灯であって、前記光量制御部は、前記物体が対向車、または先行車であると前記識別部によって識別されたとき、当該対向車、または先行車が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を減少させることを特徴としている。
【0043】
上記の構成では、検知部によって検知された物体が対向車や先行車などであると識別されたとき、光量制御部は、光源ユニットを制御して、対向車や先行車などに対して投光される光量を減少させる。
【0044】
このため、上記の構成によれば、対向車や先行車のドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができるので、安全、且つ、快適な交通環境を実現することができる。
【0045】
また、本発明に係る車両用前照灯では、前記光量制御部は、前記物体が道路標識、または障害物であると前記識別部によって識別されたとき、当該道路標識、または障害物が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を増加させることが好ましい。
【0046】
上記の構成では、検知された物体が道路標識や障害物などであると識別されたとき、光量制御部は、道路標識や障害物などに対して投光する光量を増加させる。
【0047】
このため、上記の構成によれば、道路標識や障害物などを明るく照明することで、目視によって、道路標識を正確に読み取ることや、障害物などを正確に認識することが可能となるので、安全な交通環境を実現することができる。
【0048】
本発明に係る車両用前照灯は、上記の課題を解決するために、上記投光装置を備える車両用前照灯であって、前記光量制御部は、前記物体が歩行者、軽車両、または自動二輪であると前記識別部によって識別されたとき、当該歩行者、軽車両、または自動二輪が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットを点滅させることを特徴としている。
【0049】
上記の構成では、検知部によって検知された物体が歩行者、軽車両、または自動二輪であると識別されたとき、光量制御部は、光源ユニットを制御して、歩行者、軽車両、または自動二輪に対して投光される光を点滅させる。
【0050】
このため、上記の構成によれば、歩行者などに過剰な眩しさを与えずに、投光装置を備える車両の接近を注意喚起することができると共に、車両のドライバに対しても、歩行者などの存在を知らせることができるので、安全な交通環境を実現することができる。
【0051】
また、本発明に係る車両用前照灯では、前記光量制御部は、1Hz以上、10Hz以下の周波数で前記光源ユニットを点滅させることが好ましい。
【0052】
上記の構成では、光源ユニットを点滅させる周波数を、1Hz以上、10Hz以下とすることで、光源ユニットの点滅を歩行者やドライバなどが認識し易くなる。
【0053】
このため、上記の構成によれば、歩行者やドライバなどに対して、車両の接近または歩行者などの存在を効果的に知らせることができる。
【0054】
また、本発明に係る車両用前照灯では、前記歩行者、軽車両、または自動二輪と、前記投光装置が搭載された車両との距離を検出する距離検出部をさらに備え、前記光量制御部は、前記距離検出部によって検出された前記距離が小さくなるにつれて、前記光源ユニットを点滅させる周波数を上げることが好ましい。
【0055】
上記の構成によれば、距離検出部によって検出された距離が小さくなるにつれて、光量制御部は光源ユニットを点滅させる周波数を上げるため、歩行者やドライバなどに対して、車両の接近または歩行者などの存在をより効果的に知らせることができる。
【0056】
本発明に係る車両用前照灯は、上記の課題を解決するために、上記投光装置を備える車両用前照灯であって、前記照明領域は、第1の照明領域と、当該第1の照明領域の左側および右側近傍に位置する第2の照明領域とを含み、前記光量制御部は、前記投光装置が搭載された車両の走行速度または進行方向を含む走行状況に応じて、前記第2の照明領域に向けて投光する前記光源ユニットの点灯および消灯を制御することを特徴としている。
【0057】
上記の構成では、光量制御部は、投光装置が搭載された車両の走行速度または進行方向を含む走行状況に応じて、第1の照明領域の左側および右側近傍に位置する第2の照明領域に向けて投光する光源ユニットの点灯および消灯を制御する。
【0058】
このため、上記の構成によれば、走行状況に応じて、第2の照明領域を照らして広い範囲を照明するなどの制御が可能となるので、安全な運転環境を実現することができると共に、車両用前照灯の消費電力を低減することができる。
【0059】
また、本発明に係る車両用前照灯では、前記光量制御部は、前記車両の走行速度が所定の速度以下であるとき、前記第2の照明領域に向けて投光する各光源ユニットを点灯させることが好ましい。
【0060】
上記の構成では、車両の走行速度が所定の速度以下であるとき、光量制御部は、第2の照明領域に向けて投光する各光源ユニットを点灯させるため、第2の照明領域を照して広い範囲を照明することがきる。従って、例えば、市街地などにおける低速走行時には、第2の照明領域に向けて投光する各光源ユニットを点灯して車両の前方周辺も含めた広い範囲を照明し、一方、高速道路などにおける高速走行時には、第2の照明領域に向けて投光する各光源ユニットを消灯して、車両の前方のみを照明するなどの切り替えが可能となる。
【0061】
このため、上記の構成によれば、車両の走行速度に応じて、必要な範囲を照明することができるので、安全な運転環境の実現と、車両用前照灯の消費電力の低減とを両立することができる。
【0062】
また、本発明に係る車両用前照灯では、前記光量制御部は、前記車両が左折または右折するとき、当該車両が曲がる方向側に位置する前記第2の照明領域に向けて投光する前記光源ユニットを点灯させることが好ましい。
【0063】
上記の構成では、車両が左折または右折するとき、光量制御部は、当該車両が曲がる方向側に位置する第2の照明領域に向けて投光する前記光源ユニットを点灯させるため、車両が曲がる方向側に向けて照明する範囲を広げることができる。
【0064】
このため、上記の構成によれば、車両の進行方向に応じて、車両が曲がる方向を照明することができるので、ドライバの視認性を向上させて、安全な運転環境を実現することができる。
【0065】
また、本発明に係る車両用前照灯では、ドライバのハンドル操作の方向を検知する操作検知部をさらに備え、前記光量制御部は、前記操作検知部によって検知されたハンドル操作の方向に応じて、前記光源ユニットを点灯させることが好ましい。
【0066】
上記の構成よれば、ドライバによるハンドル操作の方向を検知する操作検知部をさらに備えるため、車両の曲がる方向をドライバによるハンドル操作に基づいて検知することができる。
【発明の効果】
【0067】
以上のように、本発明に係る投光装置は、励起光を受けて発光する発光部と、前記発光部に対応して設けられ、前記発光部からの光を所定の照明領域の一部に向けて配光する配光部と、を有する光源ユニットを複数備え、前記光源ユニットのそれぞれは、前記照明領域が分割された領域である投光領域に向けて、前記発光部からの光を投光するものであり、前記照明領域は、前記光源ユニットごとに投光される前記投光領域が複数組み合わされることで形成されている。
【0068】
それゆえ、本発明によれば、所望の配光パターンを効率的に形成することができる投光装置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施形態1に係るヘッドランプシステムの概略構成を示す平面図である。
【図2】図1に示されるヘッドランプシステムを示す斜視図である。
【図3】図2に示されるヘッドランプシステムが備える光源ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図4】基準平面において、図1に示されるヘッドランプシステムが照明する照明領域を示す模式図である。
【図5】(a)〜(c)は、基準平面において、図1に示されるヘッドランプシステムが照明する照明領域の変形例を示す模式図である。
【図6】(a)および(b)は、図1に示されるヘッドランプシステムが備えるリフレクタの配置例を示す正面図である。
【図7】実施形態2に係るヘッドランプシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示されるヘッドランプシステムが備える光源ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図9】図7に示されるヘッドランプシステムが備える光源ユニットの光量を個別に制御する処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)および(b)は、図9に示される処理によって光量が制御された光源ユニットの動作状態を示す模式図である。図9に示される処理によって制御された光源ユニットの光量変化を示す模式図である。
【図11】(a)および(b)は、図7に示されるヘッドランプシステムが備えるリフレクタの配置例を示す正面図である。
【図12】図8に示される光源ユニットが備えるリフレクタの変形例を示す正面図である。
【図13】実施形態3に係るヘッドランプシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示されるヘッドランプシステムが備える光源ユニットの光量を個別に制御する処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】(a)および(b)は、図14に示される処理によって光量が制御された光源ユニットの動作状態を示す模式図である。
【図16】実施形態4に係るヘッドランプシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示されるヘッドランプシステムが備える光源ユニットの点灯を制御する処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】光源ユニットの点灯状態を説明するための模式図であり、(a)は直進時の基準平面における配光パターンを示し、(b)は右折時の基準平面における配光パターンを示している。
【図19】図18(b)に示される右折時の配光パターンを示す上面図である。
【図20】光源ユニットの点灯状態の変形例を説明するための模式図であり、(a)は高速走行時の基準平面における配光パターンを示し、(b)は低速走行時の基準平面における配光パターンを示している。
【図21】図20(b)に示される低速走行時の配光パターンを示す上面図である。
【図22】従来の領域分割型のヘッドランプの配光パターンを示す模式図である。
【図23】従来の重ね合わせ型のヘッドランプの配光パターンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
〔実施形態1〕
本発明に係る投光装置の第1の実施形態について、図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る投光装置を、自動車(車両)のハイビーム用前照灯であるヘッドランプシステムに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0071】
ただし、本発明に係る投光装置は、ロービーム用の前照灯、自動車以外の車両用前照灯、或いは、その他の照明装置に適用することも可能である。
【0072】
1.ヘッドランプシステム100の構成
まず、本実施形態に係るヘッドランプシステム100の構成について、図1〜図3を参照して説明する。
【0073】
図1は、本実施形態に係るヘッドランプシステム100の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1に示されるヘッドランプシステム100を示す斜視図である。図1および図2に示されるように、ヘッドランプシステム100は、光源ユニット1を備えている。本実施形態では、光源ユニット1は、5つの光源ユニット1a〜1eからなり、光源ユニット1a〜1eは、投光方向に対して直行する方向に一列に並んで、金属ベース7上に配置されている。この光源ユニット1は、搭載される自動車(以下、搭載車両と称する)の前側両端部に、それぞれ1つずつ配置されている。
【0074】
ヘッドランプシステム100は、光源ユニット1a〜1eごとに投光される投光スポット(投光領域)11a〜11eを複数組み合わせることで、所望の照明領域11を形成する。
【0075】
以下では、光源ユニット1、および金属ベース7の構成について説明するが、光源ユニット1については、各光源ユニット1a〜1eの構成が略同一であるため、光源ユニット1aについてのみ説明する。
【0076】
(1)光源ユニット1
図3は、図2に示されるヘッドランプシステム100が備える光源ユニット1aの概略構成を示す断面図である。図3に示されるように、光源ユニット1aは、レーザ素子2と、集光レンズ3と、発光部4と、リフレクタ(配光部)5とを備えている。
【0077】
(1−1)レーザ素子2
レーザ素子2は、励起光を出射する励起光源として機能する発光素子である。レーザ素子2は、1チップに1つの発光点を有するものであってもよく、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。
【0078】
励起光としてレーザ光を用いることにより、励起光が照射される発光部4の照射範囲を小さくすることができるため、発光部4のサイズを小さくすることが可能となり、また、発光部4を効率的に励起することができる。
【0079】
このレーザ素子2は、複数設けられていてもよい。この場合、複数のレーザ素子2のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。本実施形態のように、レーザ素子2を1つのみ用いてもよいが、高出力のレーザ光を得るためには、複数のレーザ素子2を用いる方が容易である。レーザ素子2が複数設けられている場合、各レーザ素子2から異なる波長のレーザ光を発振させて、複数種のレーザを混合していてもよく、例えば、青色レーザと緑色レーザ、或いは、青紫色レーザと青色レーザなどの組み合わせが考えられる。
【0080】
レーザ素子2のレーザ光の波長は、例えば、405nm(青紫色)または450nm(青色)であるが、これらに限定されず、発光部4に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択されればよい。
【0081】
本実施形態では、レーザ素子2は、直径9mmの金属パッケージに実装され、出力1Wで、波長405nm(青紫色)のレーザ光を発振する。
【0082】
なお、レーザ素子2には配線9が接続されており、配線9を介して、電力などがレーザ素子2に供給される。
【0083】
(1−2)集光レンズ3
集光レンズ3は、レーザ素子2から発振されたレーザ光が発光部4に適切に照射されるように、当該レーザ光の照射範囲を調節するためのレンズである。集光レンズ3は、リフレクタ5に設けられた窓部6を介して、レーザ光を発光部4に適照射する。
【0084】
本実施形態では、集光レンズ3は、発光部4におけるレーザ光の照射範囲が直径0.3mmになるように、レーザ素子2から発振されたレーザ光を集光する。
【0085】
なお、本実施形態では、集光レンズ3は、1つのレンズから構成されているが、複数のレンズを用いて集光レンズ3を構成してもよい。
【0086】
(1−3)発光部4
発光部4は、レーザ素子2から発振されたレーザ光を受けて蛍光を発するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体(蛍光物質)を含んでいる。具体的には、発光部4は、封止材の内部に蛍光体が分散されているもの、または蛍光体を固めたものである。
【0087】
この発光部4は、金属ベース7上であり、且つ、リフレクタ5のほぼ焦点位置に配置されている。このため、発光部4から出射した蛍光は、リフレクタ5の反射曲面によって反射されることで、その光路が制御される。発光部4の上面にレーザ光の反射を防止する反射防止構造が形成されていてもよい。なお、発光部4を、リフレクタ5の焦点位置からずれた位置に配置することで、意図的に光源ユニット1aの投光範囲(スポット径)を制御することができる。
【0088】
また、発光部4は、レーザ光が照射される面である照射面の延長面Eが、開口部5Aにおけるリフレクタ5の端部と接するように、金属ベース7に設けられた傾斜部7a上に傾いて配置されている。このため、発光部4から発せられた蛍光は、直接外部に漏れることなく、効率的にリフレクタ5で反射して配光することができる。
【0089】
さらに、傾斜部7aを設けることにより、外部から発光部4の発光点を直接見ることができないので、外部から見たときに一点だけが明るいことに起因する幻惑の発生などを防止することができる。
【0090】
発光部4の蛍光体として、例えば、酸窒化物系蛍光体(例えば、サイアロン蛍光体)またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。これらの蛍光体は、レーザ素子2から発せられた高い出力(および/または光密度)のレーザ光に対しての熱耐性が高く、レーザ照明光源に最適である。ただし、発光部4の蛍光体は、上述のものに限定されず、窒化物蛍光体など、その他の蛍光体であってもよい。
【0091】
また、自動車用のヘッドランプシステム100の照明光は、所定の範囲の色度を有する白色にしなければならないことが、法律により規定されている。そのため、発光部4には、照明光が白色となるように選択された蛍光体が含まれている。
【0092】
例えば、青色、緑色および赤色の蛍光体を発光部4に含め、405nmのレーザ光を照射すると白色光が発生する。また、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光部4に含め、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光)を照射することでも白色光が得られる。
【0093】
発光部4の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂などの樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
【0094】
本実施形態では、レーザ素子2によって発振された波長405nmのレーザ光を受けて、白色の蛍光を発するように、発光部4は、赤色蛍光体(CaAlSiN:Eu)、緑色蛍光体(β−SiAlON:Eu)、および青蛍光体((BaSr)MgAl1017:Eu)の3種類のRGB蛍光体を含んでいる。また、発光部4は、一辺の長さが1mmの正方形で、厚さ0.1mmの薄膜状となるように、蛍光体の粉末を樹脂に混合させて、傾斜部7aに塗布されている。
【0095】
このような発光部4を備えることにより、本実施形態では、各発光部4から80ルーメンの蛍光を得ることができる。また、発光部4を、320cd/mmという高輝度な点光源として形成することができる。
【0096】
なお、発光部4として、レーザ光を乱反射して散乱する散乱体を、リフレクタ5の焦点近傍に配置してもよい。発光部4として散乱体を用いた場合、レーザ素子2からのレーザ光を受けた散乱体がレーザ光を散乱させ、リフレクタ5によって散乱されたレーザ光が、照明光として投光される。この場合、白色光を出力するために、1つのリフレクタ5について出射する光の波長が異なる複数のレーザ素子2を組み合わせて用いてもよい。
【0097】
(1−4)リフレクタ5
リフレクタ5は、発光部4によって発せられた蛍光を反射して、所定の照明領域11の一部に配光する。このリフレクタ5は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。
【0098】
リフレクタ5は、放物線の対称軸を回転軸として、当該放物線を回転させることによって形成される曲面(放物曲面)を、上記の回転軸に平行な平面で切断することによって得られる部分曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいる。また、リフレクタ5は、発光部4によって発せられた蛍光を配光する方向に半円形の開口部5Aを有している。
【0099】
リフレクタ5のほぼ焦点の位置に配置された発光部4からの光は、放物曲面の反射面を有するリフレクタ5によって、平行に近い光線束を形成して開口部5Aから前方に配光される。これにより、発光部4からの光を狭い立体角内に効率的に配光させて、投光スポット11aに投光することができ、その結果、光の利用効率を高めることができる。
【0100】
また、レーザ素子2は、リフレクタ5の外部に配置されており、リフレクタ5には、レーザ光を透過または通過させる窓部6が設けられている。この窓部6は、貫通孔であってもよく、或いは、レーザ光を透過可能な透明部材を含むものであってもよい。例えば、レーザ光を透過し、且つ、白色光(発光部4の蛍光)を反射するフィルターを設けた透明板を窓部6として設けてもよい。この構成によれば、発光部4から発せられた蛍光が、窓部6から漏れることを防止することができる。
【0101】
本実施形態では、樹脂製のハーフパラボラミラーの内面にアルミニウムがコーティングされた半円形のリフレクタ5を用いており、奥行きが8.3mm、開口部5Aの半径が10mmである。
【0102】
なお、リフレクタ5は、閉じた円形の開口部を有するパラボラミラー、またはその一部を含むものであってもよい。また、パラボラミラー以外にも、楕円形状や自由曲面形状、或いは、マルチファセット化されたもの(マルチリフレクタ)を用いることができる。さらに、リフレクタ5の一部に放物曲面ではない部分を含めてもよい。
【0103】
また、図示はしていないが、光源ユニット1aは、リフレクタ5の開口部5Aに光の配光を制御するレンズなどを備えていてもよい。
【0104】
このような構成によれば、高輝度、且つ、サイズの小さな発光部4を有する光源ユニット1a〜1eを実現して、各光源ユニット1a〜1eの投光特性を向上させることができる。
【0105】
(2)金属ベース7
金属ベース7は、光源ユニット1a〜1eを支持する支持部材であり、金属(例えば、銅や鉄)からなっている。このため、金属ベース7は熱伝導性が高く、金属ベース7上に配置されたレーザ素子2および発光部4において発生した熱を、効率的に放熱することができる。
【0106】
なお、発光部4を支持する部材は、金属からなるものに限定されず、金属以外の熱伝導性が高い物質(ガラス、サファイアなど)を含んでいてもよい。ただし、発光部4が塗布される傾斜部7aの表面は、反射面として機能することが好ましい。傾斜部7aの表面が反射面であることにより、発光部4の照射面から入射したレーザ光が蛍光に変換された後に、当該反射面によって反射されることで、リフレクタ5へ向かわせることができる。また、発光部4の照射面から入射したレーザ光を上記の反射面で反射させ、再び発光部4の内部に向かわせて蛍光に変換することができる。
【0107】
2.ヘッドランプシステム100の配光特性
次に、ヘッドランプシステム100の配光特性について、図4を参照して説明する。自動車用のヘッドランプは、その光度、光軸の向き、および/または配光の分布などを示す配光特性基準が定められている。配光特性基準は、国ごとに異なるので、様々な配光特性基準に対応した配光パターンを形成する必要がある。
【0108】
図4は、基準平面20においてヘッドランプシステム100が照明する照明領域11を示す模式図である。なお、基準平面20は、ヘッドランプシステム100が搭載された車両の進行方向に、約25mだけ離れた位置に設置された垂直な平面である。
【0109】
図4に示されるように、ヘッドランプシステム100は、基準平面20上の規定領域A(例えば、ハイビーム用の配光特性基準に相当)を照明する場合、ヘッドランプシステム100の5つの光源ユニット1a〜1eは、規定領域Aのそれぞれ異なる領域を照明する投光スポット11a〜11eに向けて投光する。そして、投光スポット11a〜11eを組み合わせることで、規定領域Aに対応した照明領域11を形成する。
【0110】
このように、ヘッドランプシステム100は、光源ユニット1a〜1eによって、照明領域11を分割して投光する領域分割型のヘッドランプであり、光源ユニット1a〜1eは、上述したように、レーザ光を受けて蛍光を発する発光部4を有している。このため、発光部4のサイズを小さく形成することが可能となるので、リフレクタ5に対する発光部4のサイズを相対的に小さくすることができると共に、高い輝度の蛍光を投光スポット11a〜11eに投光することが可能となる。
【0111】
ヘッドランプシステム100は、このような光源ユニット1a〜1eを備えているため、光源ユニット1a〜1eごとに投光される小さな投光スポット11a〜11eを複数組み合わせることで、所望の照明領域11を形成することができる。
【0112】
また、ヘッドランプシステム100によれば、各光源ユニット1a〜1eが、ユニットごとに独立した小さな投光スポット11a〜11eに向けて選択的に投光して照明領域11を形成するので、無駄な光束が生じず、効率的な投光が可能となる。
【0113】
さらに、光源ユニット1a〜1eごとの光量を制御することで、照明領域11の部分的な光量調整を容易に行うことが可能となる。例えば、規定領域Aの中央付近をより明るく照らしたい場合、規定領域Aの中央付近に投光する光源ユニット1b〜1dの個々の出力を上げて、投光スポット11b〜11dの光量を増加させることにより、規定領域Aの中央付近をより明るく照らすなどの光量調整を容易に行うことができる。なお、光源ユニット1a〜1eごとの光量を制御する処理については、後述の実施形態2で詳細に説明する。
【0114】
3.実施形態1の総括
以上のように、本実施形態に係るヘッドランプシステム100は、レーザ光を受けて発光する発光部4と、発光部4に対応して設けられ、発光部4からの光を所定の照明領域11の一部に配光するリフレクタ5と、を有する光源ユニット1a〜1eを備え、光源ユニット1a〜1eのそれぞれは、照明領域11が分割された領域である投光スポット11a〜11eに向けて、各発光部4からの光を投光するものであり、照明領域11は、光源ユニット1a〜1eごとに投光される投光スポット11a〜11eが複数組み合わされることで形成されている。
【0115】
ヘッドランプシステム100が備える各光源ユニット1a〜1eは、レーザ光を受けて発光する発光部4をそれぞれ有しているため、発光部4のサイズを小さく形成することが可能となり、リフレクタ5に対する発光部4のサイズを相対的に小さくすることができる。このため、小径のリフレクタ5を用いても高い配光特性が得られるので、各光源ユニット1a〜1eは、小さなスポットに発光部4からの光を投光することができると共に、装置構成を小型化することが可能となる。
【0116】
ヘッドランプシステム100は、このような光源ユニット1a〜1eを備え、各光源ユニット1a〜1eは、照明領域11を分割して投光する領域である投光スポット11a〜11eに向けて、各発光部4からの光を投光する。このため、光源ユニット1a〜1eごとに投光される小さな投光スポット11a〜11eを複数組み合わせることで、所望の照明領域11を形成することができる。
【0117】
また、ヘッドランプシステム100によれば、各光源ユニット1a〜1eが、ユニットごとに独立した投光スポット11a〜11eに向けて選択的に投光することができるので、無駄な光束が生じず、効率的な投光が可能となる。
【0118】
それゆえ、本実施形態によれば、所望の配光パターンを効率的に形成することができるヘッドランプシステム100を実現することができる。
【0119】
4.変形例
次に、本実施形態に係るヘッドランプシステム100の変形例について、図5および図6を参照して説明する。
【0120】
(1)照明領域11の変形例
図5(a)〜(c)は、基準平面20においてヘッドランプシステム100が照明する照明領域11の変形例を示す模式図である。
【0121】
図5(a)に示されるように、例えば、規定領域Aの中央付近をより明るく照らしたい場合、規定領域Aの中央付近に投光される投光スポット11b〜11dの間隔を狭めた照明領域12を形成してもよい。
【0122】
このように、ヘッドランプシステム100によれば、各光源ユニット1a〜1dが、ユニットごとに独立した投光スポット11a〜11eに向けて投光するので、投光スポット11a〜11eの位置を変更することで、部分的に光量が制御された照明領域12を容易に形成することができる。
【0123】
また、図5(b)に示されるように、投光スポット11a〜11iを組み合わせることにより、規定領域Bに対応する照明領域13を形成してもよい。この場合、照明領域13は、横方向および縦方向に9つの領域に分割されて、投光スポット11a〜11iに対応する各光源ユニット(図示省略)によって投光される。このように、投光スポット11a〜11iを用いて横方向および縦方向に分割して投光することにより、所望の照明領域13を形成することができる。
【0124】
さらに、図5(c)に示されるように、投光スポット11a〜11gを組み合わせることにより、ロービーム用の配光特性基準に相当する規定領域Cに対応する照明領域14を形成してもよい。この場合、上端縁にカットオフラインを形成するために、一列に配置された投光スポット11a〜11e上に投光スポット11fおよび11gを配置することで、ロービーム用の配光特性基準に対応した照明領域14を形成することができる。
【0125】
このように、照明領域を横方向および縦方向に分割して投光する投光スポット11a〜11iなどを適宜組み合わせることにより、あらゆる形状の照明領域を形成することができる。
【0126】
(2)リフレクタ5の配置例
図6(a)および(b)は、ヘッドランプシステム100が備えるリフレクタ5の配置例を示す正面図である。
【0127】
図6(a)に示されるように、リフレクタ5a〜5iを配置する場合、一列に配置されたリフレクタ5a〜5e上に、リフレクタ5f〜5iを千鳥配置してもよい。これにより、図5(b)に示される規定領域Bに対応した照明領域13を形成することができる。
【0128】
また、図6(b)に示されるように、リフレクタ5a〜5e上に、リフレクタ5f〜5iを千鳥配置する際、リフレクタ5a〜5eと、リフレクタ5f〜5iとを、互いの円周部分が当接する向きで配置することが好ましい。これにより、ヘッドランプシステム100におけるリフレクタ5a〜5iの占める体積が小さくなるので、装置構成を小型化することができる。
【0129】
〔実施形態2〕
本発明に係る投光装置の第2の実施形態について、図7〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、光源ユニットごとの光量を制御するヘッドランプシステム120について説明する。
【0130】
なお、上記実施形態と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0131】
1.ヘッドランプシステム120の構成
まず、本実施形態に係るヘッドランプシステム120の構成について、図7および図8を参照して説明する。
【0132】
図7は、本実施形態に係るヘッドランプシステム120の概略構成を示すブロック図である。図7に示されるように、ヘッドランプシステム120は、光源ユニット21と、カメラ30と、光量調整部40と備えている。本実施形態では、光源ユニット21は、5つの光源ユニット21a〜21eからなり、光源ユニット21a〜21eは、投光方向に対して直行する方向に一列に並んで、筐体27の内部に納められている。
【0133】
以下では、光源ユニット21、筐体27、カメラ30、および光量調整部40の構成について説明するが、光源ユニット21については、各光源ユニット21a〜21eの構成が略同一であるため、光源ユニット21aについてのみ説明する。
【0134】
(1)光源ユニット21
図8は、図7に示されるヘッドランプシステム120が備える光源ユニット21aの概略構成を示す断面図である。図8に示されるように、光源ユニット21aは、レーザ素子2と、集光レンズ3と、発光部4と、リフレクタ(配光部)25とを備えている。
【0135】
(1−1)レーザ素子2
本実施形態では、レーザ素子2は、直径9mmの金属パッケージに実装され、出力2Wで、波長405nm(青紫色)のレーザ光を発振するように調整されている。レーザ素子2は、出力2Wで、波長405nm(青紫色)のレーザ光を発振するように調整されている。
【0136】
(1−2)集光レンズ3
集光レンズ3は、発光部4におけるレーザ光の照射範囲が直径0.6mmになるように、レーザ素子2から発振されたレーザ光を集光する。本実施形態では、集光レンズ3は、リフレクタ25の頂点部に設けられた窓部6を介して、発光部4にレーザ光を集光する。
【0137】
(1−3)発光部4
発光部4は、金属からなる支柱8の一端に固定されて、断面が放物線形状であるリフレクタ25のほぼ焦点の位置に配置されている。支柱8の他端はリフレクタ25を貫通して、熱伝導性が高い放熱部材(図示省略)に接続されている。このため、レーザ光によって発熱する発光部4の熱を、支柱8および放熱部材に伝播し、効率よく放熱することができる。
【0138】
本実施形態では、レーザ素子2によって発振された波長405nmのレーザ光を受けて、白色の蛍光を発するように、発光部4は、赤色蛍光体(CaAlSiN:Eu)、緑色蛍光体(β−SiAlON:Eu)、および青蛍光体((BaSr)MgAl1017:Eu)の3種類のRGB蛍光体を含んでいる。また、発光部4は、直径1mmの円形で、厚さ0.1mmの薄膜状となるように、蛍光体の粉末を樹脂に混合させて、支柱8に塗布されている。
【0139】
このような発光部4を備えることにより、本実施形態では、各発光部4から200ルーメンの蛍光を得ることができる。また、発光部4を、200cd/mmという高輝度な点光源として形成することができる。
【0140】
(1−4)リフレクタ25
リフレクタ25は、放物線の対称軸を回転軸として、当該放物線を回転させることによって得られる曲面(放物曲面)の少なくとも一部を含んでおり、発光部4によって発せられた蛍光を反射する方向に円形の開口部25Aを有している。
【0141】
ここで、発光部4は、リフレクタ25の開口部25Aより内側(リフレクタ25の反射面の頂点側)に配置されているため、発光部4から発せられた光は、必ずリフレクタ25に反射された後に、開口部25Aから外部に出射される。したがって、外部から直接発光部4における発光点を見ることができないので、外部から見たときに一点だけが明るいことに起因する幻惑の発生などを防止することができる。
【0142】
本実施形態では、樹脂製のパラボラミラーの内面にアルミニウムがコーティングされた円形のリフレクタ25を用いており、奥行きが8.0mm、開口部25Aの半径が15mmである。
【0143】
このような構成によれば、高輝度、且つ、サイズの小さな発光部4を有する光源ユニット21a〜21eを実現して、各光源ユニット21a〜21eの投光特性を向上させることができる。
【0144】
(2)筐体27
筐体27は、その内部に、各光源ユニット21a〜21eを収容するハウジングである。筐体27からその外部に向けて、光源ユニット21a〜21eが備える各レーザ素子2に接続された配線9が出ており、配線9は、光量調整部40に接続されている。
【0145】
(3)カメラ30
カメラ30は、照明領域31(図10(a)および(b)を参照)を含む、車両前方の周辺画像を連続的に撮影するものであり、例えば、室内前方のルームミラー近傍に配置される。カメラ30には、テレビフレームレートで動画像を撮影する撮影装置を用いることができる。
【0146】
カメラ30は、光源ユニット21a〜21e(図10(a)および(b)を参照)が点灯された時点から撮影を開始し、撮影した動画像を光量調整部40に出力する。
【0147】
(4)光量調整部40
光量調整部40は、カメラ30によって撮影された物体の種類に応じて、光源ユニット21a〜21e(図10(a)および(b)を参照)の光量を制御する。光量調整部40は、検出部(検知部)41と、識別部42と、光量制御部43とを備えている。
【0148】
(4−1)検出部41
検出部41は、カメラ30によって撮影された動画像を解析して、投光スポット31a〜31e内の物体を検出する。具体的には、検出部41は、カメラ30から動画像を取得したとき、予め座標情報が設定された、各投光スポット31a〜31eに対応した動画像中の領域である検出領域ごとに物体を検出する。
【0149】
そして、検出部41は、検出領域内に物体が検出された場合、物体が検出された検出領域を示す検出信号を識別部42に出力する。
【0150】
(4−2)識別部42
識別部42は、検出部41から出力された検出信号に示される検出領域内の物体の種類を識別する。具体的には、識別部42は、検出部41から検出信号を取得したとき、検出信号に示される検出領域内の物体の移動速度、形状、位置などの特徴点を抽出し、特徴点を数値化した特徴値を算出する。
【0151】
そして、識別部42は、図示しないメモリに記憶された、物体の種類ごとの特徴点が数値化された基準値を管理する基準値テーブルを参照して、当該基準値テーブルに、算出した特徴値との誤差が所定閾値以内である基準値を検索する。例えば、基準値テーブルには、対向車、先行車、道路標識、または想定される障害物などに対応する基準値が管理されている。算出した特徴値との誤差が所定閾値以内の基準値が特定された場合、識別部42は、当該基準値で示される物体を、検出部41によって検出された物体であるものと判定する。
【0152】
識別部42は、上記の判定結果に基づいて、基準値で示される物体の種類、および当該物体が検出された検出領域を示す識別信号を光量制御部43に出力する。
【0153】
(4−3)光量制御部43
光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類に応じて、検出領域に対応する投光スポット31a〜31eに投光する光量を個別に制御する。具体的には、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類が、対向車や先行車などであるとき、当該対向車や先行車などが検出された検出領域に対応する投光スポット31a〜31eに向けて投光する光源ユニット21a〜21eの出力を低下させる。
【0154】
一方、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類が、道路標識や障害物などであるとき、当該道路標識や障害物などが検出された検出領域に対応する投光スポット31a〜31eに向けて投光する光源ユニット21a〜21eの出力を上昇させる。
【0155】
なお、光源ユニット21a〜21eの出力をゼロにすることで、光源ユニット21a〜21eを消灯させることができる。このため、光量制御部43は、光源ユニット21a〜21eの出力を制御することで、光源ユニット21a〜21eの点灯および消灯を個別に切り替えることができる。
【0156】
2.光源ユニット21の光量制御
次に、ヘッドランプシステム120における光源ユニット21a〜21eの光量を個別に制御する処理について、図9および図10を参照して説明する。図9は、ヘッドランプシステム120が備える光源ユニット21a〜21eの光量を個別に制御する処理の流れを示すフローチャートであり、図10(a)および(b)は、図9に示される処理によって光量が制御された光源ユニット21a〜21eの動作状態を示す模式図である。
【0157】
図9に示されるように、光源ユニット21a〜21eが点灯されたとき、カメラ30は撮影を開始する(S1)。このとき、カメラ30は、光源ユニット21a〜21eが投光する照明領域31全体が撮影可能な画角で車両前方を撮影し、撮影した動画像を光量調整部40に出力する。
【0158】
次に、検出部41は、カメラ30によって撮影された動画像を解析して、投光スポット31a〜31e内の物体を検出する(S2)。具体的には、検出部41は、カメラ30から動画像を取得したとき、各投光スポット31a〜31eに対応した動画像中の検出領域ごとに物体を検出する。
【0159】
そして、検出部41は、検出領域内に物体が検出された場合、物体が検出された検出領域を示す検出信号を識別部42に出力する。図10(a)に示される場合、検出部41は、投光スポット31eに対応した検出領域を示す検出信号を識別部42に出力する。
【0160】
次に、識別部42は、検出部41から出力された検出信号に示される検出領域内の物体の種類を識別する(S3)。具体的には、識別部42は、検出部41から検出信号を取得したとき、検出信号に示される検出領域内の物体の移動速度、形状、位置などの特徴点を抽出して数値化した特徴値を算出する。
【0161】
そして、識別部42は、基準値テーブルを参照して、算出した特徴値との誤差が所定閾値以内である基準値を検索する。算出した特徴値との誤差が所定閾値以内の基準値が特定された場合、識別部42は、検出部41によって検出された物が、当該基準値で示される物体であるものと判定する。
【0162】
識別部42は、上記の判定結果に基づいて、基準値で示される物体の種類および当該物体が検出された検出領域を示す識別信号を光量制御部43に出力する。図10(a)に示される場合、識別部42は、物体の種類を対向車Fであると判定すると共に、当該対向車Fが検出された投光スポット31eに対応した検出領域を示す検出信号を光量制御部43に出力する。
【0163】
次に、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類に応じて、検出領域に対応した投光スポット31a〜31eごとに、投光する光量を制御する(S4)。具体的には、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類が対向車や先行車などであるとき、図10(b)に示されるように、対向車Fが検出された検出領域に対応する投光スポット31eに向けて投光する光源ユニット21eの出力を低下させる。これにより、対向車Fのドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができるので、安全、且つ、快適な交通環境を実現することができる。
【0164】
一方、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類が、道路標識や障害物などであるとき、当該道路標識や障害物などが検出された検出領域に対応する投光スポット31a〜31eに向けて投光する光源ユニット21a〜21eの出力を上昇させる。これにより、道路標識や障害物などが明るく照明されるので、目視によって道路標識を正確に読み取ることや、障害物などを正確に認識することが可能となり、安全な交通環境を実現することができる。
【0165】
なお、動画像中の物体の種類を識別する手法は、上記のものに限られず、公知の手法を適用してもよい。
【0166】
また、基準値テーブルには、対向車、先行車、道路標識、および障害物などに対応した基準値のほか、例えば、歩行者、軽車両(例えば、自転車)または自動二輪などに対応した基準値が管理されていてもよい。これにより、識別部42によって識別された物体の種類に応じた最適な光量制御が可能となる。なお、歩行者、軽車両または自動二輪などに対する光源ユニット21a〜21eの光量を個別に制御する処理については、後述の実施形態3で詳細に説明する。
【0167】
3.実施形態2の総括
以上のように、本実施形態に係るヘッドランプシステム120は、レーザ光を受けて発光する発光部4と、発光部4に対応して設けられ、発光部4からの光を所定の照明領域11の一部に配光するリフレクタ25と、を有する光源ユニット21a〜21eを備え、光源ユニット21a〜21eのそれぞれは、照明領域11が分割された領域である投光スポット31a〜31eに、各発光部4からの光を投光するものであり、照明領域31は、光源ユニット21a〜21eごとに投光される投光スポット31a〜31eが複数組み合わされることで形成されていると共に、光源ユニット21a〜21eの光量を個別に制御する光量制御部43を備えている。
【0168】
ヘッドランプシステム120では、光源ユニット21a〜21eの光量を個別に制御することで、各光源ユニット21a〜21eに対応した投光スポット31a〜31eごとに光量を調整することが可能となる。
【0169】
それゆえ、本実施形態によれば、照明領域31のうち、明るくしたい領域は十分に明るく照明し、或いは、明るすぎると困る領域は暗くするといった領域ごとの最適な光量制御が可能なヘッドランプシステム120を実現することができる。
【0170】
また、本実施形態に係るヘッドランプシステム120は、投光スポット31a〜31e内の物体を検知する検出部41をさらに備え、光量制御部43は、検出部41によって物体が検知されたとき、物体が検知された投光スポット31a〜31eを投光する光源ユニット21a〜21eの光量を制御する。
【0171】
このヘッドランプシステム120によれば、光量制御部43は、検出部41によって検知された物体に対して投光する光量を制御することが可能となるため、例えば、検知された物体に投光する光量を増加させたり、或いは、減少させたりするなどの光量制御が可能となる。
【0172】
また、本実施形態に係るヘッドランプシステム120は、検出部41によって検知された物体の種類を、画像認識により識別する識別部42をさらに備え、光量制御部43は、識別部42によって識別された物体の種類に応じて、当該物体が検知された投光スポット31a〜31eに投光する光源ユニット21a〜21eの光量を制御する。
【0173】
このヘッドランプシステム120によれば、識別部42によって識別された物体の種類に応じて、物体に対して投光する光量を制御することが可能となるため、物体の種類に応じて、投光する光量を増加させたり、或いは、減少させたりするなどの光量制御が可能となる。
【0174】
4.変形例
次に、本実施形態に係るヘッドランプシステム120の変形例について、図11〜図14を参照して説明する。
【0175】
(1)リフレクタ25の配置例
図11(a)および(b)は、ヘッドランプシステム120が備えるリフレクタ25の配置例を示す正面図である。
【0176】
図11(a)に示されるように、リフレクタ25a〜25iを配置する場合、一列に配置されたリフレクタ25a〜25e上に、リフレクタ25f〜25iを千鳥配置してもよい。これにより、図5(b)に示される規定領域Bに対応した照明領域13を形成することができる。
【0177】
また、図11(b)に示されるように、リフレクタ25a〜25gを配置する場合、リフレクタ25aを囲むようにリフレクタ25b〜25gを、リフレクタ25aの外周に沿って配置してもよい。
【0178】
(2)リフレクタ25の変形例
図12は、ヘッドランプシステム120が備えるリフレクタ25の変形例を示す正面図である。図12に示されるように、リフレクタ35は、一つの大きなパラボラミラーの内部が4つの領域35a〜35dに分割されており、それぞれの領域35a〜35dごとに光量を個別に制御することができる。すなわち、リフレクタ35は、4つに分割された領域35a〜35dごとに発光部4が配置され、それぞれが独立した光源ユニットとして機能する。
【0179】
このため、リフレクタ35によれば、装置構成を小型化することができると共に、デザイン面での自由度を向上させたヘッドランプシステムを実現することができる。
【0180】
〔実施形態3〕
本発明に係る照明装置の第3の実施形態について、図13〜図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、歩行者などに対して投光される光を点滅させることで、搭載車両の接近を注意喚起するヘッドランプシステム140について説明する。
【0181】
なお、上記実施形態と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0182】
1.ヘッドランプシステム140の構成
まず、本実施形態に係るヘッドランプシステム140の構成について、図13を参照して説明する。
【0183】
図13は、本実施形態に係るヘッドランプシステム140の概略構成を示すブロック図である。図13に示されるように、ヘッドランプシステム120は、光源ユニット21と、カメラ30と、光量調整部60と備えている。
【0184】
(1)光量調整部60
光量調整部60は、カメラ30によって撮影された物体の種類に応じて、光源ユニット21a〜21e(図10(a)および(b)を参照)の光量を制御する。光量調整部60は、距離検出部44を備えている点において、実施形態2の光量調整部40と主に異なっている。
【0185】
(1−1)距離検出部44
距離検出部44は、カメラ30によって撮影された物体と搭載車両との距離を検出する。具体的には、距離検出部44は、物体が歩行者、軽車両、または自動二輪など(以下、歩行者等と称する)であることを示す識別信号が識別部42から出力されたとき、カメラ30によって撮影された動画像を解析して、歩行者等と搭載車両との距離を検出する。そして、距離検出部44は、検出した歩行者等と搭載車両との距離を光量制御部43に出力する。
【0186】
(1−2)光量制御部43
光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類に応じて、検出領域に対応する投光スポット31a〜31eに投光する光量を個別に制御する。具体的には、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類が、歩行者等であるとき、当該歩行者等が検出された検出領域に対応する投光スポット31a〜31eに向けて投光する光源ユニット21a〜21eを点滅させる。
【0187】
例えば、光量制御部43は、光源ユニット21a〜21eが備えるレーザ素子2に対して供給する電流を変調することによって、特定の光源ユニット21a〜21eを点滅させる。
【0188】
2.光源ユニット21の光量制御
次に、ヘッドランプシステム140における光源ユニット21a〜21eの光量を制御する処理について、図14および図15を参照して説明する。
【0189】
図14は、ヘッドランプシステム140が備える光源ユニット21a〜21eの光量を個別に制御する処理の流れを示すフローチャートであり、図15(a)および(b)は、図14に示される処理によって光量が制御された光源ユニット21a〜21eの動作状態を示す模式図である。
【0190】
図14に示されるように、光源ユニット21a〜21eが点灯されたとき、カメラ30は撮影を開始する(S11)。このとき、カメラ30は、光源ユニット21a〜21eが投光する照明領域31全体が撮影可能な画角で搭載車両前方を撮影し、撮影した動画像を光量調整部60に出力する。
【0191】
次に、検出部41は、カメラ30によって撮影された動画像を解析して、投光スポット31a〜31e内の物体を検出する(S12)。具体的には、検出部41は、カメラ30から動画像を取得したとき、各投光スポット31a〜31eに対応した動画像中の検出領域ごとに物体を検出する。
【0192】
そして、検出部41は、検出領域内に物体が検出された場合、物体が検出された検出領域を示す検出信号を識別部42に出力する。図15(a)に示される場合、検出部41は、投光スポット31eに対応した検出領域を示す検出信号を識別部42に出力する。
【0193】
次に、識別部42は、検出部41から出力された検出信号に示される検出領域内の物体の種類を識別する(S13)。具体的には、識別部42は、検出部41から検出信号を取得したとき、検出信号に示される検出領域内の物体の移動速度、形状、位置などの特徴点を抽出して数値化した特徴値を算出する。
【0194】
そして、識別部42は、基準値テーブルを参照して、算出した特徴値との誤差が所定閾値以内である基準値を検索する。算出した特徴値との誤差が所定閾値以内の基準値が特定された場合、識別部42は、検出部41によって検出された物が、当該基準値で示される物体であるものと判定する。
【0195】
識別部42は、上記の判定結果に基づいて、基準値で示される物体の種類および当該物体が検出された検出領域を示す識別信号を光量制御部43および距離検出部44に出力する。図15(a)に示される場合、識別部42は、物体の種類を歩行者Pであると判定する。そして、当該歩行者Pが検出された投光スポット31eに対応した検出領域を示す検出信号を光量制御部43および距離検出部44に出力する。
【0196】
次に、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類に応じて、検出領域に対応した投光スポット31a〜31eごとに、投光する光量を調整する(S14)。具体的には、光量制御部43は、識別部42から出力された識別信号に示される物体の種類が歩行者Pであるとき、図15(b)に示されるように、歩行者Pが検出された検出領域に対応する投光スポット31eに向けて投光する光源ユニット21eを点滅させる。これにより、歩行者Pに過剰な眩しさを与えずに、搭載車両の接近を注意喚起することができると共に、搭載車両のドライバに対しても、歩行者Pの存在を知らせることができる。
【0197】
ここで、光源ユニット21eを点滅させる周波数は、1Hz以上、10Hz以下であることが好ましい。光源ユニット21eを点滅させる周波数を、1Hz以上、10Hz以下とすることで、光源ユニット21eの点滅を歩行者Pや搭載車両のドライバなどが認識し易くなる。このため、歩行者Pや搭載車両のドライバなどに対して、搭載車両の接近または歩行者Pなどの存在を効果的に知らせることができる。
【0198】
次に、光量制御部43は、距離検出部44から出力された歩行者Pと搭載車両との距離の変化に基づいて、光源ユニット21eを点滅させる周波数を変更する。具体的には、距離検出部44によって検出された歩行者Pと搭載車両との距離が小さくなるにつれて、光量制御部43は、光源ユニット21eを点滅させる周波数を上げる(S15)。例えば、歩行者Pが遠い場合には光源ユニット21eを点滅させる周波数を3Hz程度とし、歩行者Pが最も接近した場合には光源ユニット21eを点滅させる周波数を30Hz程度まで徐々に上げることにより、歩行者Pとドライバに対して危険を注意喚起する高い効果が得られる。
【0199】
これにより、歩行者Pやドライバなどに対して、搭載車両の接近または歩行者Pの存在をより効果的に知らせることができる。
【0200】
3.実施形態3の総括
以上のように、本実施形態に係るヘッドランプシステム140は、物体が歩行者P等であると識別部42によって識別されたとき、光量制御部43は、歩行者P等が検知された投光スポット31eに向けて投光する光源ユニット21eを点滅させる。
【0201】
このため、本実施形態によれば、歩行者Pなどに過剰な眩しさを与えずに、搭載車両の接近を注意喚起することができると共に、搭載車両のドライバに対しても、歩行者Pなどの存在を知らせることができるので、安全な交通環境を実現するヘッドランプシステム140を実現することができる。
【0202】
〔実施形態4〕
本発明に係る照明装置の第4の実施形態について、図16〜図21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、搭載車両の走行状況に応じて、照明する範囲を変更するヘッドランプシステム160について説明する。
【0203】
なお、上記実施形態と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0204】
1.ヘッドランプシステム160の構成
まず、本実施形態に係るヘッドランプシステム160の構成について、図16を参照して説明する。
【0205】
図16は、本実施形態に係るヘッドランプシステム160の概略構成を示すブロック図である。図16に示されるように、ヘッドランプシステム140は、光源ユニット61と、光量調整部80と備えている。
【0206】
(1)光源ユニット61
光源ユニット61は、6つの光源ユニット21a〜21fからなり、光源ユニット21a〜21fは、投光方向に対して直行する方向に一列に並んで、筐体27の内部に納められている。
【0207】
(2)光量調整部80
光量調整部80は、ヘッドランプシステム160が搭載される搭載車両の走行状況に応じて、光源ユニット21a〜21fごとの光量を制御する。光量調整部80は、ハンドル操作検知部45と、光量制御部43とを備えている。
【0208】
(2−1)ハンドル操作検知部45
ハンドル操作検知部45は、ドライバによるハンドル操作を検知する。具体的には、ハンドル操作検知部45は、ドライバのハンドル操作量(操舵角)を検出し、検出した操作量が所定閾値以上であるか否かを判定する。検出した操作量が所定閾値以上である場合、ハンドル操作検知部45は、ハンドルが切られた方向(左右)を示す検知信号を光量制御部43に出力する。
【0209】
(2−2)光量制御部43
光量制御部43は、光源ユニット21a〜21fの光量を個別に制御する。光量制御部43は、搭載車両の直進時おいて、光源ユニット21b〜21eを点灯させると共に、ハンドル操作検知部45から出力された検知信号に応じて、光源ユニット21aまたは21fを点灯させる。具体的には、光量制御部43は、ハンドル操作検知部45から検知信号が出力されたとき、検知信号に示されるハンドルが切られた方向側に位置する光源ユニット21aまたは21fを点灯させることで、搭載車両の曲がる方向を照明させる。
【0210】
2.ヘッドランプシステム160の点灯制御
次に、ヘッドランプシステム160の点灯制御について、図17〜図19を参照して説明する。
【0211】
図17は、図16に示されるヘッドランプシステム160が備える光源ユニット21a〜21fの点灯を制御する処理の流れを示すフローチャートであり、図18は、光源ユニット21a〜21fの点灯状態を説明するための模式図であり、(a)は直進時の基準平面20における配光パターンを示し、(b)は右折時の基準平面20における配光パターンを示している。
【0212】
図17に示されるように、光源ユニット21b〜21eが点灯されたとき、ハンドル操作検知部45は、ドライバのハンドル操作の検出を開始する(S21)。このとき、図18(a)に示されるように、直進時の基準平面20における配光パターンは、投光スポット31b〜31eによって形成される照明領域31A(第1の照明領域)となる。
【0213】
次に、ハンドル操作検知部45は、ドライバのハンドル操作を検出し、検出した操作量が所定閾値以上であるか否かを判定する(S22)。ハンドル操作量が所定閾値以上である場合(S22でYES)、ハンドル操作検知部45は、ハンドルが切られた方向を示す検出信号を光量制御部43に出力する。
【0214】
一方、検出したハンドル操作量が所定閾値未満である場合(S22でNO)、ハンドル操作検知部45は、ハンドル操作の検出を継続する。
【0215】
次に、光量制御部43は、ハンドル操作検知部45から検知信号が出力されたとき、検知信号に示されるハンドルが切られた方向側に位置する投光スポット31aまたは31fに向けて投光する光源ユニット21aまたは21fを点灯させる。例えば、ハンドルが右側に切られた場合、光量制御部43は、投光スポットは31fに向けて投光する光源ユニット21fを点灯させる。このとき、図18(b)に示されるように、基準平面20における配光パターンは、投光スポット31b〜31eによって形成される照明領域31Aと、投光スポット31fによって形成される照明領域31C(第2の照明領域)とが組み合わされたものとなる。
【0216】
図19は、図18(b)に示される右折時の配光パターンを示す上面図である。図19に示されるように、右折時において、光源ユニット21fを点灯させることにより、搭載車両Mが曲がる方向に向けて照明する範囲を広げることができる。このため、搭載車両Mの曲がる方向を照明することができるので、ドライバの視認性を向上させて安全な運転環境を実現することができる。
【0217】
なお、ハンドルが左側に切られた場合、光量制御部43は、投光スポットは31aに向けて投光する光源ユニット21aを点灯させる。このとき、基準平面20における配光パターンは、図18(b)に示される投光スポット31b〜31eによって形成される照明領域31Aと、投光スポット31aによって形成される照明領域31B(第2の照明領域)とが組み合わされたものとなる。
【0218】
3.実施形態4の総括
以上のように、本実施形態に係るヘッドランプシステム160では、光量制御部43は、搭載車両Mが左折または右折するとき、搭載車両Mが曲がる方向側に位置する照明領域31Bまたは31Cに向けて投光する光源ユニット21aまたは21fを点灯させる。
【0219】
このため、ヘッドランプシステム160では、搭載車両Mが曲がる方向側に向けて照明する範囲を広げることができる。
【0220】
また、ヘッドランプシステム160では、ドライバによるハンドル操作の方向を検知するハンドル操作検知部45をさらに備えるため、搭載車両Mの曲がる方向をドライバによるハンドル操作に基づいて検知することができる。このため、ドライバによるハンドル操作に基づいて、搭載車両Mの進行方向を特定することができる。
【0221】
それゆえ、本実施形態によれば、搭載車両Mが曲がる方向を照明することができるので、ドライバの視認性を向上させて、安全な運転環境を提供するヘッドランプシステム160を実現することができる。
【0222】
なお、搭載車両Mの進行方向を特定する手法としては、ドライバによるハンドル操作を検知するほか、例えば、車載カメラでセンターラインの直進性をモニターして、センターラインの位置変化に基づいて、搭載車両Mの進行方向を特定してもよい。
【0223】
また、照明領域31Bおよび31Cに向けて投光する光源ユニットの数は本実施形態のように各1つずつであってもよく、或いは複数であってもよい。
【0224】
4.変形例
次に、本実施形態に係るヘッドランプシステム160の変形例について、図20および図21を参照して説明する。
【0225】
上述の説明では、光量制御部43は、搭載車両Mの進行方向に応じて、光源ユニット21aおよび21fの一方を点灯させたが、例えば、搭載車両Mの走行速度に応じて、光源ユニット21aおよび21fを同時に点灯させてもよい。
【0226】
図20は、光源ユニット21a〜21fの点灯状態の変形例を説明するための模式図であり、(a)高速走行時の基準平面20における配光パターンを示し、(b)は低速走行時の基準平面20における配光パターンを示している。
【0227】
光量制御部43は、搭載車両Mの走行速度が所定の速度より高いとき、光源ユニット21b〜21eを点灯せる。このとき、図20(a)に示されるように、基準平面20における配光パターンは、投光スポット31b〜31eによって形成される照明領域31A(第1の照明領域)となる。
【0228】
一方、搭載車両Mの走行速度が所定の速度以下であるとき、光量制御部43は、光源ユニット21aおよび21fを同時に点灯させる。このとき、図20(b)に示されるように、基準平面20における配光パターンは、投光スポット31b〜31eによって形成される照明領域31Aと、投光スポット31aによって形成される照明領域31B(第2の照明領域)と、投光スポット31fによって形成される31C(第2の照明領域)とが組み合わされたものとなる。
【0229】
図21は、図20(b)に示される低速走行時の配光パターンを示す上面図である。図21に示されるように、低速走行時において、光源ユニット21aおよび21fを同時に点灯させることにより、搭載車両Mの前方周辺も含めた広い範囲を照明することができる。
【0230】
従って、例えば、高速道路などにおける高速走行時には、光源ユニット21aおよび21fを消灯して、搭載車両Mの前方のみを照明し、市街地などにおける低速走行時には、光源ユニット21aおよび21fを同時に点灯して搭載車両Mの前方周辺も含めた広い範囲を照明するなどの切り替えが可能となる。
【0231】
このため、車両の走行速度に応じて、必要な範囲を照明することができるので、安全な運転環境の実現と、ヘッドランプシステム160の消費電力の低減とを両立することができる。
【0232】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0233】
〔補足〕
なお、本発明は、以下のように表現することができる。すなわち、本発明に係る投光装置は、レーザで励起された蛍光体を光源とし、投光手段(リフレクタ、レンズ)にて投光する投光装置であり、複数の投光手段を有し、それぞれの投光手段にて異なる領域に投光することにより所望の配光を得ることを特徴としている。
【0234】
また、本発明に係る投光装置は、高輝度光源を複数個用いた投光装置であり、照射エリアを複数の投光手段により分割して投光することを特徴としている。
【0235】
また、本発明に係る投光装置は、照明領域をモニターする手段をさらに有し、分割された照明領域の一部を、状況に応じて光量を増減させることを特徴としている。
【産業上の利用可能性】
【0236】
本発明は、各種の照明装置、特に車両用のヘッドランプに好適に適用することができ、これらの配光特性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0237】
1 光源ユニット(複数の光源ユニット)
1a〜1e 光源ユニット
5 リフレクタ(配光部)
5a〜5i リフレクタ(配光部)
11〜14 照明領域
11a〜11i 投光スポット(投光領域)
21a〜21f 光源ユニット
25 リフレクタ(配光部)
25a〜25i リフレクタ(配光部)
31 照明領域
31A 照明領域(第1の照明領域)
31B 照明領域(第2の照明領域)
31C 照明領域(第2の照明領域)
31a〜31f 投光スポット(投光領域)
35 リフレクタ(配光部)
41 検出部(検知部)
42 識別部
43 光量制御部
44 距離検出部
45 ハンドル操作検知部(操作検知部)
100 ヘッドランプシステム(投光装置/車両用前照灯)
120 ヘッドランプシステム(投光装置/車両用前照灯)
140 ヘッドランプシステム(投光装置/車両用前照灯)
160 ヘッドランプシステム(投光装置/車両用前照灯)
F 対向車(物体)
P 歩行者(物体)
M 搭載車両(車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を受けて発光する発光部と、
前記発光部に対応して設けられ、前記発光部からの光を所定の照明領域の一部に配光する配光部と、を有する光源ユニットを複数備え、
前記光源ユニットのそれぞれは、前記照明領域が分割された領域である投光領域に向けて、前記発光部からの光を投光するものであり、
前記照明領域は、前記光源ユニットごとに投光される前記投光領域が複数組み合わされることで形成されていることを特徴とする投光装置。
【請求項2】
前記複数の光源ユニットの光量を、個別に制御可能な光量制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の投光装置。
【請求項3】
前記投光領域内の物体を検知する検知部をさらに備え、
前記光量制御部は、前記検知部によって前記物体が検知されたとき、当該物体が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を制御することを特徴とする請求項2に記載の投光装置。
【請求項4】
前記検知部によって検知された前記物体の種類を、画像認識により識別する識別部をさらに備え、
前記光量制御部は、前記識別部によって識別された前記物体の種類に応じて、当該物体が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を制御することを特徴とする請求項3に記載の投光装置。
【請求項5】
前記複数の光源ユニットは、前記照明領域を、少なくとも横方向に分割して投光することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の投光装置。
【請求項6】
前記複数の光源ユニットは、前記照明領域を、縦方向に分割して投光することを特徴とする請求項5に記載の投光装置。
【請求項7】
前記励起光は、レーザ光であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の投光装置。
【請求項8】
前記発光部は、前記励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の投光装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の投光装置を備えることを特徴とする車両用前照灯。
【請求項10】
請求項4に記載の投光装置を備える車両用前照灯であって、
前記光量制御部は、前記物体が対向車、または先行車であると前記識別部によって識別されたとき、当該対向車、または先行車が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を減少させることを特徴とする車両用前照灯。
【請求項11】
前記光量制御部は、前記物体が道路標識、または障害物であると前記識別部によって識別されたとき、当該道路標識、または障害物が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットの光量を増加させることを特徴とする請求項10に記載の車両用前照灯。
【請求項12】
請求項4に記載の投光装置を備える車両用前照灯であって、
前記光量制御部は、前記物体が歩行者、軽車両、または自動二輪であると前記識別部によって識別されたとき、当該歩行者、軽車両、または自動二輪が検知された前記投光領域に向けて投光する前記光源ユニットを点滅させることを特徴とする車両用前照灯。
【請求項13】
前記光量制御部は、1Hz以上、10Hz以下の周波数で前記光源ユニットを点滅させることを特徴とする請求項12に記載の車両用前照灯。
【請求項14】
前記歩行者、軽車両、または自動二輪と、前記投光装置が搭載された車両との距離を検出する距離検出部をさらに備え、
前記光量制御部は、前記距離検出部によって検出された前記距離が小さくなるにつれて、前記光源ユニットを点滅させる周波数を上げることを特徴とする請求項12または13に記載の車両用前照灯。
【請求項15】
請求項2に記載の投光装置を備える車両用前照灯であって、
前記照明領域は、第1の照明領域と、当該第1の照明領域の左側および右側近傍に位置する第2の照明領域とを含み、
前記光量制御部は、前記投光装置が搭載された車両の走行速度または進行方向を含む走行状況に応じて、前記第2の照明領域に向けて投光する前記光源ユニットの点灯および消灯を制御することを特徴とする車両用前照灯。
【請求項16】
前記光量制御部は、前記車両の走行速度が所定の速度以下であるとき、前記第2の照明領域に向けて投光する各光源ユニットを点灯させることを特徴とする請求項15に記載の車両用前照灯。
【請求項17】
前記光量制御部は、前記車両が左折または右折するとき、当該車両が曲がる方向側に位置する前記第2の照明領域に向けて投光する前記光源ユニットを点灯させることを特徴とする請求項15に記載の車両用前照灯。
【請求項18】
ドライバのハンドル操作の方向を検知する操作検知部をさらに備え、
前記光量制御部は、前記操作検知部によって検知されたハンドル操作の方向に応じて、前記光源ユニットを点灯させることを特徴とする請求項17に記載の車両用前照灯。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図10】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−32136(P2013−32136A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8483(P2012−8483)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】