説明

抗変異原性を利用した抗紫外線刺激剤

【課題】従来技術では、生体防御機構であるメラニン合成を阻害するが紫外線の傷害を根本的に解決するものではないという問題がある。従って、本発明の目的は、紫外線などの外的因子による遺伝子損傷を修復する活性を有する素材を有効成分として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤と、その抗紫外線刺激剤を利用した化粧品、皮膚用外用剤、機能性食品及びトイレタリー材を提供することにある。
【解決手段】抗変異原性物質、例えば西洋わさび由来の抗変異原性物質を有効成分として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤、および該抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とする皮膚用外用剤、機能性食品及びトイレタリー材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗変異原性物質を有効成分として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤に関する。また、抗変異原性に優れた植物抽出物に関する。さらに詳しくは、西洋わさび(ワサビダイコン、Cochlearia armoracia L.)から得られる抽出物を含有する抗紫外線刺激剤であり、その抗紫外線刺激剤を含有する化粧品、皮膚用外用剤、機能性食品及びトイレタリー材に関し、抗変異原性効果、特には紫外線などの外的因子や発ガン性物質による遺伝子の損傷を修復する活性を向上する効果に優れた植物抽出物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シミ、ソバカス等皮膚への色素沈着は、紫外線を浴びることによりメラニンを合成するメラノーマ細胞内のチロシナーゼ活性が上昇し、メラニンを盛んに産生することに起因する。このメラニンは、動植物界に広く分布しているが、脊髄動物においては、メラノサイト中の細胞質顆粒メラノソームで、チロシンがチロシナーゼにより酸化されて、ドーパ、ドーパキノンが生合成され、更にドーパキノンは紫外線による自動酸化によってインドールキノン等になり、複雑な経路を経てメラニンが生合成されることが知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
従来、色素沈着、シミ、ソバカス等の予防・治療には、ハイドロキノン等の化学合成品を有効成分とする美白剤(特許文献1)を外用する処置が行なわれてきた。しかしながら、ハイドロキノン等の化学合成品は、皮膚刺激、アレルギー性等の副作用の危険性がある。また、コウジ酸(特許文献2)も美白剤として利用されているが、発がん性及び遺伝毒性との関係が示唆されている。このように、化学合成された美白剤には少なからず副作用などのリスクがある。
【0004】
副作用の危険性の少ない薬剤として、安全性の高い天然原料からの抽出物を有効成分とする美白剤の検討も行われている。例えば、動物からの美白剤として、ウシの胎盤から抽出した胎盤エキス(特許文献3)などがある。しかし、ウシが原料として使用されることから、牛海綿状脳症(BSE:Bovine Spongiform Encephalopathy)の影響が懸念されている。
【0005】
化学合成、天然物由来の美白剤の作用メカニズムとしては、メラノサイトにおけるメラニン合成の律速酵素であるチロシナーゼを阻害するものや、メラノサイト細胞の活性化を阻害するものが大半を占めている。しかし、メラニン合成は紫外線に対する生体の防御機構の重要な要であり、メラニン合成の阻害は生体システムのホメオスタシスの観点からもかならずしも適切なものではない。シミソバカスは過剰のメラニンが沈着して生じているのであり、メラニンの過剰生産を抑えることこそが重要である。
【0006】
紫外線は細胞DNAに損傷を誘発する。紫外線による色素沈着の原因の一つとしてDNAの損傷とその修復が上げられる。すなわち、DNA損傷で生じたチミジンダイマーなどの物質がメラノサイトを刺激し、チロシナーゼ活性を亢進させる。また、チミジンダイマー類似物質をモルモット皮膚にと賦しても色素沈着が生じることが報告されていることからも明らかである。
【0007】
植物からの美白剤も探索されているが、不用意に植物を選択し抽出物を得ようとすると植物毒の大半をしめるアルカロイドなどが混入するおそれがある。アルカロイドは、窒素を含むアルカリ性の分子で、神経ホルモンそっくりであるため、神経線維の末端部に入り込んで神経の作用を狂わせて、毒性を発揮する。そのため、植物の選択や有効成分の抽出方法には注意が必要である。
【0008】
安全な植物の選択として、特に食品用などに使用される植物、たとえば、西洋わさびなどが考えられるが、抗変異原性を有する物質を含む西洋わさびの抽出エキスが化粧品素材や機能性食品素材を作り出すことは、現在、当業者に知られていない。
【0009】
沢わさびやブロッコリーの抽出物がメチルスルフィニルタイプのイソチオシアネートを含みそれが化学発ガン抑制作用を有することや(非特許文献2、3、4)、大根がメイルチオアルキルイソチオシアネートを含み紫外線誘発の変異を修復する作用や(非特許文献5)、京野菜抽出物にもそのような作用があることが報告されている(非特許文献6、7、8)。一方、西洋わさびのフェネチルイソチオシアネートについては、化学発ガンに対する抑制作用が報告されているのみであり(非特許文献9、10、11)、紫外線障害に対する防御作用についての報告はない。
【0010】
【非特許文献1】FEBS Lett., 381、 165、1996
【非特許文献2】FFIジャーナル、192,27,2001
【非特許文献3】Proc. Natl. Acad. Sci. US., 91, 3147, 1994
【非特許文献4】Proc. Natl. Acad. Sci. US., 99, 7610, 2002
【非特許文献5】J. Agric. Food Chem., 49, 5755, 2001
【非特許文献6】Environ.Mutagen Res., 26, 259, 2004
【非特許文献7】Biosci. Biotechnol. Biochem., 64, 2575, 2000
【非特許文献8】Biosci. Biotechnol. Biochem., 62, 1161, 1998
【非特許文献9】Carcinogenesis, 21, 2287, 2000
【非特許文献10】Pharmaceutical Res., 20, 1351, 2003
【非特許文献11】Carcinogenesis, 25, 765, 2004
【特許文献1】特開平06-256150
【特許文献2】特開平06-016532
【特許文献3】特開2001-253831
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術では、生体防御機構であるメラニン合成を阻害するが紫外線の傷害を根本的に解決するものではないという問題がある。従って、本発明の目的は、紫外線などの外的因子による遺伝子損傷を修復する活性を有する素材を有効成分として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤と、その抗紫外線刺激剤を利用した化粧品、皮膚用外用剤、機能性食品及びトイレタリー材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、非常に意外なことに、食品用植物である西洋わさびの抽出物が、紫外線に対する変異修復活性を亢進する作用を有することを見い出し本発明を完成したものである。
【0013】
また、本発明者らは、上記有効成分を含有する西洋わさびの抽出物が、西洋わさびから得られるが、根茎から酵素を抽出単離した後の残渣からも得られることを見出した。西洋わさびは、通常、食用として根が用いられているが、酵素単離後の捨てられる残渣を利用することにより廃材の有効利用が期待される。
【0014】
即ち、本発明者らは上記知見を元に鋭意検討した結果、以下に示すような手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
1.抗変異原性物質を有効成分として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤。
2.抗変異原性物質が植物由来であることを特徴とする1の抗紫外線刺激剤。
3.抗変異原性物質が西洋わさび由来であることを特徴とする1または2の抗紫外線刺激剤。
4.西洋わさび由来の抗変異原性物質が、西洋わさびの葉、西洋わさびの茎及び西洋わさびの根からなる群より選ばれる1種又は2種以上の混合物から抽出されることを特徴とする3の抗紫外線刺激剤。
5.西洋わさび由来の抗変異原性物質が、西洋わさびの親油性抽出物であることを特徴とする3または4の抗紫外線刺激剤。
6.西洋わさび由来の抗変異原性物質が、イソチオシアネート類であることを特徴とする3〜5のいずれかの抗紫外線刺激剤。
7.イソチオシアネート類がフェネチルイソチオシアネートであることを特徴とする6の抗紫外線刺激剤。
8.西洋わさびが、Cochlearia armoracia L.由来の西洋わさびであることを特徴とする3〜7のいずれかの抗紫外線刺激剤。
9.化学合成フェネチルイソチオシアネートを抗変異原性物質として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤。
10.1〜9のいずれかの抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とする皮膚用外用剤。
11.1〜9のいずれかの抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とする機能性食品。
12.1〜9のいずれかの抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とするトイレタリー材。
13.西洋わさびの親油性抽出物を含有することを特徴とする皮膚用外用剤。
14.西洋わさびの親油性抽出物を含有することを特徴とする機能性食品。
15.西洋わさびの親油性抽出物を含有することを特徴とするトイレタリー材。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、安全性に優れた植物由来の抗変異原性作用に優れた抗紫外線刺激剤を提供できる。また抗紫外線刺激剤を含む化粧品、皮膚用外用剤、機能性食品及びトイレタリー材を提供することができる。また、バイオマス利用による地球環境の保全効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明において、抗紫外線刺激剤とは紫外線により誘発される遺伝子の損傷を修復するものであり、ガン、老化の抑制あるいはそれらの予防を目的として利用できるものである。
【0017】
本発明において、抗紫外線刺激剤を有効成分として含有する皮膚用外用剤とは、抗紫外線刺激剤を有効成分とした化粧品であり、抗変異原性化粧料であり、抗紫外線刺激皮膚用外用剤である。本発明において、皮膚用外用剤とは、シミ、ソバカス等の予防又は治療に有効な皮膚用化粧品素材を言い、医薬部外品としてのローション、乳液、クリーム、パック剤、石鹸等の薬用化粧品および医薬品としてのローション、乳液、クリーム、軟膏等の皮膚外用剤を含むものである。
【0018】
本発明において、抗紫外線刺激剤を有効成分として含有する機能性食品とは、抗紫外線刺激剤を有効成分とした機能性食品であり、抗変異原性機能性食品であり、抗紫外線刺激機能性食品である。本発明において、機能性食品とは、栄養以外の生理作用を生かした加工食品であり、抗変異原性物質、特に西洋わさび由来の抗変異原性がふくまれる機能性食品である。西洋わさび由来の抗変異原性として、西洋わさびからの親油性抽出物、特にイソチオシアネート類を含んだ西洋わさびの抽出物を含有する機能性食品である。
【0019】
本発明において、抗紫外線刺激剤を有効成分として含有するトイレタリー材とは、抗紫外線刺激剤を有効成分としたトイレタリー材であり、抗変異原性トイレタリー材であり、抗紫外線刺激トイレタリー材である。本発明において、トイレタリー材とは、人体、衣類、住居等の健康、衛生、快適のために用いられる商品であり、抗変異原性物質、特に西洋わさび由来の抗変異原性がふくまれるトイレタリー材である。西洋わさび由来の抗変異原性として、西洋わさびからの親油性抽出物、特にイソチオシアネート類を含んだ西洋わさびの抽出物を含有するトイレタリー材である。
【0020】
本発明の抗変異原性物質は、変異原物質を直接あるいは間接的に失活させたり、また、変異原物質によって生じた突然変異の修復を助ける化学物質などをいう。発がんのイニシエーションに関与する変異原物質の活性を抑制し、発がんのリスクを低減化させる機能がるものも含まれる。本発明には、このような一般に知られている抗変異原性物質を利用することができる。また、天然由来の抗変異原性として一般的に知られているものをもちいてもよい。本発明においては、これらの抗変異原性物質を用いることで、紫外線刺激に対して抵抗性を付与することができる。好ましくは、植物性の抗変異原性物質がよく、更に好ましくは、西洋わさび由来の抗変異原性物質がよく、特に好ましくは、西洋わさびの親油性抽出物がよい。また、西洋わさびの抽出物中にはイソチオシアネートが含まれるのがよく、好ましくは、フェネイチルイソチオシアネートが含まれているのがよい。また、フェネイチルイソチオシアネートは、西洋わさび由来のフェネイチルイソチオシアネートと同構造または同様の効果を示す誘導体であれば、化学合成されたフェネイチルイソチオシアネートまたはその誘導体であってもよい。
【0021】
本発明では、重要な発明の開示の一つとして、西洋わさび抽出物に紫外線に対する抗変異原性作用があることを見出している。これらの作用の一機序として、西洋わさびに含まれるフェネイチルイソチオシアネートの関与が推測される。メラニン色素は紫外線刺激に対して、表皮基底層及び毛根部、外毛根鞘に存在する色素細胞(メラノサイト)内の小器官であるメラノソームで生成される。メラニン色素の生成過程は、色素細胞(メラノサイト)内でチロシンにチロシナーゼが活性作用して、チロシンが酸化され、ドーパ、ドーパキノンに変換、更に自動酸化しドーパクロム、5,6-ジヒドロキシインドールを経て重合し、最終的にメラニン色素になる。かくして生成されたメラニンは、色素細胞(メラノサイト)の樹枝状突起から基底細胞に分泌され、基底細胞が分裂し、有棘細胞となると共に上昇し角質層に達する。さらにこのメラニンに紫外線が照射されると、既存のメラニンが酸化され、一時的に黒くなることも報告されている。西洋わさび抽出物にふくまれるフェネチルイソチオシアネートが、これらのメラニン色素の生成過程における最初の引き金である紫外線傷害を修復する活性を亢進し、ひいては過剰のメラニンの生成を抑えシミソバカスの生成を抑制する作用を示すことが推測される。
【0022】
本作用機序、すなわち、抗変異性物質がメラニン色素の生成過程における最初の引き金である紫外線傷害を修復する活性を亢進し、ひいては過剰のメラニンの生成を抑えシミソバカスの生成を抑制する作用を示したのは本発明が始めてである。
【0023】
本発明では、西洋わさび抽出物中に、新鮮重1gの葉から抽出した抽出物中に約0.01〜100mgのイソチオシアネート類が含有される。イソチオシアネート類とは、アブラナ科植物多く含まれる硫黄化合物であり、置換アルキルイソチオシアネート、メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネエート、メチルチオアルキルイソシアネートに分類できる。辛み成分としてのアリルイソチオシアネートがよく知られている。また、最近、沢さわびやブロッコリーに含まれるメチルスルフィニルイソチオシアネートに抗酸化、肝臓解毒作用促進、ガン予防など種々の生理作用が、また大根のメチルチオアルキルイソシアネートの発ガン予防作用が注目されている。これらの植物中のイソチオシアネート類には、抗酸化作用、抗変異原性、抗がん性、抗菌作用などがあることが知られているが、これらの作用を利用し、抗紫外線刺激剤、皮膚用外用剤、機能性食品、トイレタリー材として用いる本発明がはじめてである。
【0024】
本発明に西洋わさびを利用する場合には、アリルイソチオシアネートは刺激性があるので、本発明に利用時は刺激性が感じられない程度、皮膚刺激性が感じられない程度に取り除いても良い。フェネチルイソチオシアネートの分離方法は、西洋わさびの根茎、あるいは葉、茎をすり潰した後、有機溶媒で抽出して得られるものである。
【0025】
本発明で用いた西洋わさびは、好ましくはCochlearia armoracia L.由来の西洋わさびである。その根茎を摺りおろして、ローストビーフの薬味として辛味料に使用したり、酵素を単離する原料植物としての用途が知られているが、この抽出物が紫外線による変異を修復する活性を亢進するものとして有効であるということは全く知られていない。
【0026】
西洋わさびからの有効成分の抽出において、植物体全体から抽出操作を行ってもよい。また、植物体を根、茎、葉と分別して抽出操作を行ってもよいし、それぞれを組み合わせて抽出操作を実施してもよい。本発明では、使用わさびの根、茎、葉のうち、特に根茎に有効成分があることを見いだしているので、好ましくは根茎から抽出操作を行うのがよい。西洋わさびは、その根茎を摺りおろして、ローストビーフの薬味として辛味料に使用するや酵素単離する原料としての用途が知られているが、その残渣は捨てられているので、その有効利用が期待されている。西洋わさび残渣を利用することで、西洋わさびの生産者や、バイオマス分野の産業に大きく貢献することが期待できる。
【0027】
西洋わさびの植物体は、生の状態、凍結された状態、凍結乾燥された状態のいずれから抽出操作を行ってもよい。好ましくは、生の状態から抽出作業を行うのがよい。生または凍結された西洋わさびから抽出作業を行う場合には、まず、破砕をしても良い。破砕にはミキサー、ホモジナイザー、乳鉢などを用いて破砕すればよい。凍結乾燥されたものは、凍結乾燥操作後、粉状に破砕しても良い。
【0028】
破砕された植物体は溶媒を用いて、抽出操作を行う。抽出方法として、室温,冷却又は加熱した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留などの蒸留法を用いて抽出する方法、圧搾して抽出物を得る圧搾法、超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出する方法などを用いてもよく、これらの方法を単独で、又は2種以上を組み合わせて抽出を行っても良い。好ましくは、細かく裁断した原料1gに対して、5〜100mlの溶媒を用い、1時間から1か月間、好ましくは1〜5日間、室温或いは加熱下で行うことが望ましい。
【0029】
抽出に用いられる溶媒は、有効成分が効果的に抽出される溶媒であれば特に限定されるものではないが、水または、エタノール等の低級アルコールのように水と混和する有機溶媒、またはそれらの混液、または水と混和しない有機溶媒たとえば酢酸エチル等を用いてもよい。そのほかにも例を挙げるならば、メタノール,イソプロパノール,イソブタノール,n-ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2-エチルブタノール,n-オクチルアルコール等の1価アルコール類、グリセリン,エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコール,1,3-ブチレングリコール,へキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,メチル-n-プロピルケトン等のケトン類,酢酸イソプロピル等のエステル類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,n-ブチルエーテル等のエーテル類、スクワラン,ワセリン,パラフィンワックス,パラフィン油などの炭化水素類、オリーブ油,小麦胚芽油,米油,ゴマ油,マカダミアンナッツ油,アルモンド油,ヤシ油等の植物油脂、牛脂,豚脂,鯨油等の動物油脂などが例示される。また、リン酸緩衝生理食塩水等の無機塩類を添加した極性溶媒、界面活性剤を添加した溶媒を用いることもでき、特に限定されない。
【0030】
また、段階的に抽出操作を行っても良い。たとえば、エタノール等の低級アルコールのように水と混和する有機溶媒で抽出操作を行い、エバポレーターなどで濃縮し、水と混和しない有機溶媒たとえば酢酸エチル等と水を加え、有機層と水層に分離しても良い。この場合、有機層に抗変異原性作用がある成分が抽出されるが、水層にはその配糖体が含まれている可能性がある。例えば、水層の成分は、洗顔用途、化粧水用途及び入用剤用途など水と親和性が必要な美白剤が所望される場合に利用が期待でき、また、有機層のものはクリーム及び乳液など油と親和性が必要な美白剤が所望される場合に利用が期待できるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
このようにして得られた西洋わさびの抽出物は、そのまま用いることもできるが、その効果を失わない範囲で、脱臭や脱色などの精製操作を加えたりして用いてもよい。また、抽出物中の有効成分の濃度を高めるために、所望により、得られた抽出物を更に、濃縮、液液分配、吸着クロマトグラフィー、順相もしくは逆相クロマトグラフィー等の手段に付すことも可能である。これらの抽出物や精製物又は分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾固物とすることもでき、さらに、アルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で用いることができる。
【0032】
西洋わさびの抽出物に、他のチロシナーゼ阻害作用、メラニン生成抑制作用及び/又は抗酸化作用などを有する薬剤を併用しても構わない。他の薬剤と併用することで相乗効果が期待できる。併用する場合は、安全性の高い薬剤を併用するのが好ましい。より好ましくは、天然由来の薬剤または天然由来の薬剤を模倣した薬剤を併用するのが好ましい。例えば、アスコルビン酸などは、天然に存在し食品用途にも利用されているので、比較的併用しやすい。本発明で使用しても差し支えないL−アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸モノステアレート,L−アスコルビン酸モノパルミテート,L−アスコルビン酸モノオレエート等のアスコルビン酸モノアルキル若しくはモノアルケニルエステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル,L−アスコルビン酸-2-硫酸エステル等のアスコルビン酸モノエステル誘導体、L−アスコルビン酸ジステアレート,L−アスコルビン酸ジパルミテート,L−アスコルビン酸ジオレエート等のL−アスコルビン酸ジアルキル若しくはジアルケニルエステル誘導体、L−アスコルビン酸トリステアレート,L−アスコルビン酸トリパルミテート,L−アスコルビン酸トリオレエート等のL−アスコルビン酸トリアルキル若しくはトリアルケニルエステル誘導体、L−アスコルビン酸トリリン酸エステル等のL−アスコルビン酸トリエステル誘導体等を挙げることが出来る。これらのL−アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体のうち、特に好ましいものは、L−アスコルビン酸,L−アスコルビン酸リン酸エステル及びこれらの塩である。コケモモ由来のアルブチンも天然するので比較的安全と考えられるので、併用しても差し支えない。アルブチンの構造を模倣したものまたはその誘導体と併用してもよい。
【0033】
本発明における西洋わさび抽出物は、そのまま、抗変異原性を有する皮膚用外用剤として使用することができ、更に通常の化粧料、医薬部外品等に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、紫外線防御剤、低級アルコール、多価アルコール、防菌防腐剤、保湿剤、粉体、着色料、香料、水溶性高分子、緩衝材等をその剤形にあわせ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することも可能である。この場合、当該抽出物は、チロシナーゼ阻害剤、メラニン生成抑制剤、美白剤、皮膚用外用剤の全組成中に、抽出に用いた植物の乾燥固形分として0.0001〜20重量%、特に0.01〜10重量%配合するのが望ましいが、これに限定されるものではない。
【0034】
油性成分の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0035】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。界面活性剤を用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜10質量%である。界面活性剤は1種以上を用いることが可能である。
【0036】
紫外線防御剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等の紫外線散乱剤が挙げられる。
【0037】
上記のヒドロキシ酸及びその塩並びにそれらの誘導体としては、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸カリウムナトリウム、グリコール酸等が挙げられる。グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等が挙げられる。
【0038】
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる
【0039】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0040】
保湿剤としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸等のムコ多糖類又はそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチン等のタンパク質又はそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、テアニン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、ピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体又はその塩、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖及びそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、ムチン、尿素、リン脂質、糖脂質、セラミド等が挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンを用いても良い。保湿剤を配合することによって、肌あれ改善効果並びに保湿効果を付与し、使用感の良好な皮膚外用剤が得られる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが好まし
い。
【0041】
本発明で用いる粉体、着色料の例としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体で、これらの粉体も前記同様に本発明の効果を妨げない範囲で、粉体の複合化や一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。例えば、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などによって事前に表面処理されていてもいなくてもかまわないし、必要に応じて一種、又は二種以上の表面処理を併用することができる。本発明ではこれらの粉体の1種以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
水溶性高分子としては通常の化粧料に使用されるものが用いられ、例えば寒天、アルゲコロイド、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。水溶性高分子を加えることによって、皮膜形成能による皮膚からの水分蒸散の抑制又は水分保持能による保湿性が保たれ、使用感の良好な皮膚外用剤が得られる。
【0043】
本発明の皮膚外用剤の用途としては特に限定は無いがスキンケア製品、頭髪製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、紫外線防御製品等が好ましいものとして挙げられる。例えば、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、クレンジング料、洗顔料、アクネ対策化粧料、エッセンスなどの基礎化粧料、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、ネイルカラー、口紅などのメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、ヘアトニック、セット剤、ボディーパウダー、育毛剤、デオドラント、脱毛剤、石鹸、ボディシャンプー、入浴剤、ハンドソープ、香水などが挙げられる。また、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、酸化セリウムなどの無機系紫外線防御剤を配合したサンスクリーン剤、ファンデーションなどもあげられる。また、本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であり、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状等に適用が可能である。
【0044】
本発明の、抗紫外線刺激剤を機能性食品として利用する場合には、特に限定はされないが、例として、錠剤、散剤、顆粒剤、調味料、食用油、菓子類、パン類、麺、パスタ類等の固形食品、スープ状及びゼリー状の食品、大豆発酵豆乳等の豆乳、スポーツ飲料等の飲料等にすればよい。また、ペットフード、飼料、餌料等の、ヒト以外の動物の摂取に適した形態とすることもできる。
【0045】
本発明の、抗紫外線刺激剤をトイレタリー用品として利用する場合には、例えば、シェービングフォーム、化粧綿、ウェットティッシュ、汗拭きシート、室内用芳香剤、防カビ剤、浴用剤、ハンドソープ、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ボディシャンプー 、ボディローション、洗顔料、歯磨、洗口液、洗浄剤、消臭・防臭剤、芳香剤、トイレットペーパー、ペーパータオル 、脱臭剤、除菌剤、インソール、生理用品 、おむつ、綿棒、ティシュペーパーなどの形態にすればよい。このような製品形態にすることにより、皮膚接触や、呼吸により抗紫外線刺激剤を人体に取り込むことができる。
【実施例】
【0046】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0047】
西洋わさび抽出物中のイソチオシアネート類のHPLC分析方法
使用カラム:YMC,ODS-H 80,φ4.6×75 mm,S-4 μm,80 A
溶出液:30%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸(A液)
90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸(B液)
A液:B液 (67.5:32.5)に設定(49.5% アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸溶液)
検出波長:254 nm
検出時間:AITC:4.2分,MTBITC:7.5分,PEITC:9.9分
サンプルはn-ヘキサンに溶解し1 mg/ml溶液とし,その10μmをHPLC分析した.
【0048】
西洋わさび抽出物中のイソチオシアネート類のGC−MS分析方法
Column:DB-5(φ0.2 mm×25 m, 0.33μm film thickness; J&W Scientific Folsom, CA, USA)
Source:250℃,Interface:200℃
Voltage:70 eV,Current:400 μA
Sample inject conc.:5 mg/ml(1μm )

サンプルはクロロホルムに溶解した.ガスクロマトグラフィーの昇温条件は初温60℃(5分間保持),昇温速度10℃/分,終温280℃(3分間保持)に,質量計測は45-600 m/zに設定した.
【0049】
紫外線刺激に対する抗変異原性試験方法
1.使用器具, 装置
ふ卵器: Yamato, Incubator IC-42
振盪恒温水槽器: Yamato, Water bath incubator, BT-45
紫外線照射装置:ナショナル, GL-6の殺菌灯を45 cmの高さに装着したもの.
高圧蒸気滅菌器:トミー精工, SS-320
乾熱滅菌器: Yamato, DK-42
変異原性試験に使用する器具:乾熱滅菌または高圧蒸気滅菌したもの.
【0050】
2. 試薬
KH2PO4,Na2HPO4,NaCl,KOH,ジメチルスルホキシド(DMSO),(NH4)2SO4,クエン酸 3Na・H2O,MgSO4・7H2O,Nutrient broth No.2(Oxoid),Bacto-agar,Bacto-nutrient broth(Difco),グルコース(局方, 第一製薬)
【0051】
3. 培地
(1) 試験菌株前培養用培地
Nutrient broth No.2を5 gとり,蒸留水200mlに溶解し,5 mlずつアルミキャップ付試験管に分注する.高圧蒸気滅菌した後,放冷,ビニールテープで密封して4℃で保存した.
【0052】
(2) SEM寒天平板
a)KH2PO4 100 g,クエン酸 3Na・H2O 5 g,MgSO4・7H2O 1 gを蒸留水に順次溶解し,KOHでpH 7.0に調整し,1,000 ml とした.冷蔵保存.
b)Bacto-nutrient broth 1.6 gを蒸留水100 mlに溶解し冷蔵した.
c)グルコース4.0 gを蒸留水90 ml に溶解した.
d)Bacto-agar 15 gを蒸留水800 ml に懸濁した.
a)の100 ml,b),c),d)を高圧蒸気滅菌後,約60℃に放冷したのちd)にc)を混和する.さらにこれにa)を100 mlおよびb)を10 ml 加えてよく混和したのち,90 mm ガラスシャーレに30 ml ずつ分注する.寒天が固化後,ふ卵器内にシャーレを倒立し,37℃,2日間静置させ寒天平板の水分を調節して使用した.
【0053】
(3) 軟寒天
Bacto-agar 0.7 g,NaCl 0.6 g を蒸留水100 ml に懸濁し,高圧蒸気滅菌した.使用時,電子レンジで加温,溶解した後,約40℃に保温.
【0054】
(4) リン酸緩衝液(1/15 PBS, pH 7.4)
Na2HPO4 7.571 g を蒸留水800 ml に溶解したものに,KH2PO4 1.814 g を蒸留水 200 mlに溶解したものを加え,pH 7.4 に調整した.高圧蒸気滅菌後,放冷,冷蔵保存した.
【0055】
(5)試験菌株
トリプトファン要求性のEscherichia coli B/r WP2株を使用した.
【0056】
(6) 試験菌株菌懸濁液の調製
凍結菌懸濁液から前培養用培地に接種し,37℃で14時間前培養した.冷却遠心機で遠沈集菌し(3,000 rpm, 10分),PBSで2回洗浄した後,PBSに再懸濁した.
【0057】
(7) 被験物質溶液の調製
試料をDMSOに溶解して一定濃度とし,使用した.無試料対照としてDMSOを使用した.
【0058】
(8)試験菌株の紫外線照射
90 mmガラスシャーレ中に試験菌株菌懸濁液 5 mlを均一に広げ,紫外線(254 nm)照射装置の中央に置き,シャーレのふたを取った状態で5秒毎に撹拌しながら,約20秒間照射(20 J/m2)した.
【0059】
(9) 抗変異原性試験
紫外線照射した試験菌株菌懸濁液を,変異活性の検出の場合はその5倍希釈液を,生存率の検出の場合は1x106倍希釈液を調製して用いた.アルミキャップ付試験管に被験物質溶液 50μm ,PBS 0.5 ml,調製した菌懸濁液 200μm を分注し,軟寒天 2 mlを加えすばやく混和後SEM寒天平板に重層して均一に広げ,固化した後,ふ卵器中で37℃,48時間培養した.
【0060】
(10) 相対変異活性(RMA)の計算
各試料濃度につき2枚の寒天培地を用い,変異活性検定および生存率検定の寒天平板上に出現したコロニーを計数し,コロニー数の平均値を求めた.次に,相対変異活性(RMA:Relative mutagenic activity)を以下の計算式により求めた.
RMA(%)=(資料群の平均変異コロニー数/試料群の平均生存菌数)÷(無試料群の平均変異コロニー数/無試料群の平均生存菌数)×100
【0061】
西洋わさび抽出物の調製
西洋わさび根茎100gを細かく裁断し、室温で30分放置後、アセトン100ml、ヘキサン300mlを加えて室温下、2時間抽出し抽出液を濾別した。残渣はさらにヘキサン200mlを加えて、同様に再抽出した。抽出液を集めて減圧濃縮し、西洋わさび抽出物0.25gを得た。
【0062】
実施例1 イソチオシアネート分析結果
HPLC分析とGC-MS分析により,西洋ワサビ抽出物からアリルイソチオシアネート(AITC),4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート(MTBITC)は検出されなかったが,GC-MS分析によりフェネチルイソチオシアネート(PEITC)の存在が示唆されたため,HPLCによる確認をおこなったところ,PEITCと保持時間が一致したため、PEITCを含有すると考えられ,HPLCによる定量的分析により,西洋わさび根茎抽出物は5〜30%のPEITCを含むと考えられた。
【0063】
実施例2 抗変異原性試験
葉抽出物の生物的抗変異原性を2,000μg/plate の濃度で試験すると,いずれもRMA 50%以下を示す強い活性はみとめられずこれらサンプルは活性をかった。一方、根茎抽出物は100, 300, 1,000μg/plate の濃度で試験すると,いずれもRMA 50%以下を示す強い活性が濃度依存的に認められたた。根茎抽出物からはGC-MSによる分析でPEITCを含有することが明らかになっているため、この生物的抗変異原性はPEITCによるものであると推測された。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
表1の結果から、西洋わさび根茎抽出液に抗変異原性、すなわち紫外線刺激に対する遺伝子損傷を修復する活性の亢進作用を見出し、その主成分はPEITCであることを突き止めた。
【0066】
実施例3 美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。コントロールとして、西洋わさび抽出液を含まない美容液も常法により製造した。
【0067】
(組成) (重量%)
ソルビット 4.0
ジプロピレングリコール 6.0
ポリエチレングリコール 1500 5.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
メチルセルロース 0.2
西洋ワサビ抽出液 1.0
精製水 全体で100となる量
【0068】
実施例4 乳液の製造
以下に示す組成の乳液を常法により製造した。コントロールとして、西洋わさび抽出液を含まない乳液も常法により製造した。
【0069】
(組成) (重量%)
グリセリルエーテル 1.5
ショ糖脂肪酸エステル 1.5
モノステアリン酸ソルビタン 1.0
スクワラン 7.5
ジプロピレングリコール 5.0
西洋わさび抽出液 2.0
精製水 全体で100となる量
【0070】
実施例5 クリームの製造
以下に示す組成のクリームを常法により製造した。コントロールとして、西洋わさび抽出液を含まないクリームも常法により製造した。
【0071】
(組成) (重量%)
プロピレングリコール 6.0
フタル酸ジブチル 19.0
ステアリン酸 5.0
モノステアリン酸グリセリン 5.0
モノステアリン酸ソルビタン 12.0
モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン 38.0
エデト酸ナトリウム 0.03
西洋わさび抽出液 2.0
精製水 全体で100となる量
【0072】
実施例6 美白効果試験
前記調製した実施例3〜5の美容液、乳液、クリームを、それぞれ15人の女性に肌のくすみの改善の程度を観察する目的に朝晩一回ずつ使用させた。使用する前の肌のくすみの程度と、使用して10週間後の肌のくすみの程度について、表2に示す評価基準に基づいて評価した。
【0073】
【表2】

【0074】
結果を表3に示す。尚、表3中の有効とは使用前後の評価が1段階以上上昇したものであある。表3の結果の通り、本発明に係る化粧料組成物は、肌のくすみを改善する優れた美白効果を有することが分かった。また、使用期間中に被験者の肌に異常は観察されなかった。
【0075】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明により、安全性に優れた植物由来の紫外線に対する遺伝子損傷修復活性促進作用に優れた抗紫外線刺激剤、化粧品、皮膚用外用剤、機能性食品及びトイレタリー用品を提供することができ、産業界に大きく寄与することが期待される。また、バイオマスを利用することから、バイオマス産業界にも大きく寄与することが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗変異原性物質を有効成分として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤。
【請求項2】
抗変異原性物質が植物由来であることを特徴とする請求項1記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項3】
抗変異原性物質が西洋わさび由来であることを特徴とする請求項1または2記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項4】
西洋わさび由来の抗変異原性物質が、西洋わさびの葉、西洋わさびの茎及び西洋わさびの根からなる群より選ばれる1種又は2種以上の混合物から抽出されることを特徴とする請求項3に記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項5】
西洋わさび由来の抗変異原性物質が、西洋わさびの親油性抽出物であることを特徴とする請求項3または4に記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項6】
西洋わさび由来の抗変異原性物質が、イソチオシアネート類であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項7】
イソチオシアネート類がフェネチルイソチオシアネートであることを特徴とする請求項6に記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項8】
西洋わさびが、Cochlearia armoracia L.由来の西洋わさびであることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の抗紫外線刺激剤。
【請求項9】
化学合成フェネチルイソチオシアネートを抗変異原性物質として含有することを特徴とする抗紫外線刺激剤。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とする皮膚用外用剤。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とする機能性食品。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載の抗紫外線刺激剤を有効成分として含有することを特徴とするトイレタリー材。
【請求項13】
西洋わさびの親油性抽出物を含有することを特徴とする皮膚用外用剤。
【請求項14】
西洋わさびの親油性抽出物を含有することを特徴とする機能性食品。
【請求項15】
西洋わさびの親油性抽出物を含有することを特徴とするトイレタリー材。

【公開番号】特開2007−31316(P2007−31316A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214394(P2005−214394)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】