説明

抗老化特性を有するアルキルグリコシドの又はアルキルグリコシドの混合物の化粧品組成物における活性剤としての使用、及び前記組成物を用いる化粧用ケアの方法

【課題】化学的及び物理的環境刺激(日光及び紫外線への曝露、ストレス、低栄養状態)に起因する外因性の皮膚の老化、及び遺伝的にプログラムされた老化に起因する内因性の皮膚の老化などの、皮膚の正常な機能に障害を与える老化に有効な抗皮膚老化剤を提供する。
【解決手段】抗老化特性を有する、メチルβ−D−マルトシド、メチルβ−D−マルトトリオシド、ドデシルβ−D−マルトシド、ドデシルβ−D−マルトトリオシドなどから選択されるアルキルグリコシド、及び該アルキルグリコシドの混合物を用いる化粧用組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、抗老化特性を有するアルキルグリコシドの及びアルキルグリコシドの混合物の新規な使用並びに前記アルキルグリコシドを含む化粧品組成物及び前記組成物を用いる化粧用ケアの方法に関する。
[関連技術]
【0002】
アルキルグリコシド及びそれらの用途は、特に、米国特許出願公開第2006/0046969号明細書及び国際公開第2006/107386号パンフレットの文書により知られている。
【0003】
国際公開2005/041983号パンフレットの特許出願には、炎症メカニズムを制御することを有利に意図する新規な医薬としての、水酸官能基がアルコキシラジカルで置換された還元性アルキル糖モノマーの使用が開示されている。
【0004】
上記特許出願には、抗炎症剤としての、糖モノマーで形成された限られた数の化合物の使用が記載されているに過ぎない。
【0005】
皮膚の老化は、環境的な外的要素及び遺伝的要素を含む生理的プロセスである。外因性の皮膚の老化は、たとえば化学的及び物理的環境刺激(日光及び紫外線への曝露、ストレス、低栄養状態)に起因し、これらは皮膚の正常な機能に障害を与える。内因性の皮膚の老化は、遺伝的にプログラムされた老化に起因する。
【0006】
本発明は、これらの2種の老化に関する。
【0007】
皮膚の老化と炎症との間には直接の関連が示されてきた。炎症は、あらゆる攻撃、たとえば化学的(紫外線、タバコ、汚染)、機械的又は感染による攻撃に対する生理的反応であり、これは、プロスタグランジン(PGE)又はサイトカイン(IL−8)型のメディエーターの放出をもたらす。これらの炎症促進性メディエーターは、特にしわの生成に関わるプロテアーゼ(エラスターゼ)を、また真皮及び表皮の成分、特に細胞外マトリックスを分解する酵素(メタロプロテアーゼ)を活性化することにより、皮膚の老化に直接の役割を果たす(Pillaiら、Int.J.Cosmet.Sci.,2005,27,17〜34頁)。
【0008】
その上、皮膚が徐々に弱化することによって皮膚の老化が現れ、皮膚は次いで外的攻撃に対してもはやバリアとしての役割を有効に果たせなくなる。紫外線にさらされた高齢の被曝者の皮膚細胞は、炎症促進性プロスタグランジン、特にPGE及びシクロオキシゲナーゼ−2を、若い被曝者の皮膚細胞に比べて、より大量に発現することも示されてきた。この研究により、高齢の被曝者においてのこれらの炎症マーカーの発現の増加が、光で誘起された皮膚の老化に重要な役割を果たしているであろうということが示唆される(Seoら、Mech Ageing Dev.2003(8〜9):903〜910頁)。
【0009】
したがって、ある種の炎症メディエーターに効果的に作用することにより炎症に起因する非病的発現に対処するのに適切であり、且つそれにより皮膚の老化を遅らせることができる活性剤を利用可能にすることが重要である。
[発明の目的]
【0010】
本発明の主目的は、内因性であれ外因性であれ、皮膚の老化などの炎症に起因する非病的発現に対処することができる新規な活性剤を提供することである。
【0011】
本発明の目的はまた、特に化粧品組成物における、敏感な皮膚のための新規な抗老化剤を提供することである。
【0012】
本発明の目的は最後にまた、簡単で費用がかからず、工業用及び化粧品用のスケールで用い得る解決策によって技術的課題を解決することである。
[発明の説明]
【0013】
本発明の第1の主題は、化粧品組成物における、皮膚の内因的及び/又は外因的老化の兆候の出現を阻止若しくは抑制し、又はその影響を遅延させることを意図した薬剤としての、少なくとも1種のアルキルグリコシド又は少なくとも2種のアルキルグリコシドの混合物の新規な使用に関し、アルキルグリコシド又は前記混合物のアルキルグリコシドは、一般式:
(S)−O−R
(式中、(S)は一連の2〜8個の同一又は異なる糖単位で形成されるオリゴ糖であり、Rは1〜24個の炭素原子を含むアルキル基である)
を有することを特徴とする。
【0014】
したがって、本発明により、少なくとも2種の糖単位を含むオリゴ糖で形成されるアルキルグリコシドが抗老化剤として使用でき、抗老化剤が身体のこれらの部位における老化作用を遅延させるために、アルキルグリコシドを化粧品組成物中に適用可能とできるということを実証することができる。
【0015】
別の態様によれば、本発明によって、きわめて予期されないことであるが、アルキル鎖が異なる長さを有する及び/又はより長い又はより短い一連の糖単位を有するオリゴ糖で形成されるアルキルグリコシドの混合物が、これらの化合物の混合物の効果と前記混合物を個別に試験して得られる結果とを比較した際に、相乗的な美容効果をもたらすということが実証される。
【0016】
したがって、この相乗効果により、一定用量で、単一のアルキルグリコシドを含む同じ組成物よりも優れた効果を示す、活性剤としてアルキルグリコシドのこれらの混合物を含む化粧品組成物の調製が可能になる。
【0017】
また、この相乗効果により、同一の美容効果を得つつ、アルキルグリコシドの総有効量を減少させることができるであろう。
【0018】
本発明によれば、オリゴ糖(S)は、一連の2個の糖単位(二糖類)又は3個の糖単位(三糖類)で形成することができる。
【0019】
好ましい実施形態によれば、糖単位は、ペントース又はヘキソース型の還元糖又はこれらの糖の誘導体、好ましくはウロン酸誘導体、硫酸誘導体又はデオキシ誘導体である。
【0020】
別の好ましい実施形態によれば、糖単位は、アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、フコースから選択される。
【0021】
本発明によれば、糖単位は、等しく良好に左旋性糖系列(L系列)又は右旋性糖系列(D系列)から選択できるが、より特に右旋性糖系列から選択される。
【0022】
別の特に好ましい実施形態によれば、糖単位はD−グルコースである。
【0023】
オリゴ糖を形成する一連の糖単位は、同一の糖単位の繰り返しから形成されてもよく、異なる糖単位から形成されてもよい。
【0024】
オリゴ糖を形成する一連の糖単位は、直鎖状でも分枝状でもよい。
【0025】
糖単位間の結合は、糖のヘミアセタール炭素(アノマー炭素、1番)のアルコール官能基の還元性基(水酸基)と、別の分子の酸基(遊離水素)との共有グリコシド結合によって形成される。
【0026】
この結合は等しく良好にα又はβ型であってよいが、好ましくはβ型である。
【0027】
グリコシド結合は1−3型、すなわち第1の糖の1番のアノマー炭素と第2の糖の3番の炭素の水酸基との結合、1−4型又は1−6型であってよい。
【0028】
結合は好ましくは1−4型である。
【0029】
本発明によるアルキルグリコシドの合成条件によって、オリゴ糖(S)とR1基との結合がα型又はβ型のいずれか一方である化合物を特に得ることが可能であり、或いは一部分がこのα型結合を有し、生じた部分が同じβ型結合を有する同じ化合物の混合物に到達することも可能である。
【0030】
本発明によれば、オリゴ糖(S)とR1基との結合は、等しく良好にα型又はβ型であってよいが、好ましくはβ型である。
【0031】
本発明によれば、R基は、飽和アルキル基、好ましくは飽和直鎖状アルキル基である。
【0032】
好ましくは、R基は、1〜18個の炭素原子を含むアルキル基であり、好ましくはメチル基又はドデシル基である。
【0033】
本発明によれば、オリゴ糖(S)は、マルトース、セロビオース、ラクトース及びマルトトリオースから選択できる。
【0034】
オリゴ糖は、左旋性(L−)又は右旋性(D−)であってよく、好ましくは(D−)系列のオリゴ糖から選択される。
【0035】
特に、オリゴ糖は、好ましくはβ−D−マルトース又はβ−D−マルトトリオースから選択できる。
【0036】
本発明によれば、アルキルグリコシドの少なくとも1種は、メチルβ−D−マルトシド、メチルβ−D−マルトトリオシド、ドデシルβ−D−マルトシド、ドデシルβ−D−マルトトリオシドから選択できる。
【0037】
第1の好ましい変形形態においては、使用は具体的に、特に2種のアルキルグリコシドからなる混合物に関し、混合物は、
− 一般式(S)−O−R
(式中、(S)は上記で定義されており、Rは1〜6個の炭素原子を含むアルキル基である)
のアルキルグリコシド
及び
− 一般式(S)−O−R
(式中、(S)は上記で定義されており、Rは8〜24個の炭素原子を含むアルキル基である)のアルキルグリコシド
を含み、混合物を形成する化合物の(S)基は異なっていてもよい。
【0038】
この変形形態においては、1/99〜99/1、好ましくは75/25〜25/75、より好ましくは約1の比で存在する2種のアルキルグリコシドからなる混合物が好ましく使用される。
【0039】
この変形形態によれば、R基は、飽和アルキル基、好ましくは飽和直鎖状アルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0040】
この変形形態によれば、R基は、飽和アルキル基、好ましくは飽和直鎖状アルキル基であり、特に好ましくはドデシル基である。
【0041】
第1の好ましい混合物は、メチルβ−D−マルトシドと一連の3個の糖単位で形成されるアルキルグリコシド、好ましくはドデシルβ−D−マルトトリオシドとによって形成される。
【0042】
第2の好ましい混合物は、メチルβ−D−マルトトリオシドと一連の2個の糖単位で形成されるアルキルグリコシド、好ましくはドデシルβ−D−マルトシドとによって形成される。
【0043】
特に、好ましい混合物は、ドデシルβ−D−マルトトリオシドを含むことを特徴とする2種のアルキルグリコシドの組合せによって形成される。
【0044】
本実施形態によれば、特に好ましい混合物は、ドデシルβ−D−マルトトリオシドとメチルβ−D−マルトシドとによって形成される混合物である。
【0045】
第2の好ましい実施形態においては、アルキルグリコシドの混合物は、4種のアルキルグリコシドからなる。
【0046】
好ましくは、4種のアルキルグリコシドは、実質的に等しい比率で混合物中に存在する。
【0047】
特に、好ましい混合物は、メチルβ−D−マルトシド、メチルβ−D−マルトトリオシド、ドデシルβ−D−マルトシド、ドデシルβ−D−マルトトリオシドによって形成される。
【0048】
アルキルグリコシドは、皮膚の老化に関して美容的に有効な効果をもたらすために充分な量で用いられる。
【0049】
上記で定義されるアルキルグリコシド又は少なくとも2種のアルキルグリコシドの混合物は、特に、皮膚の内因的及び/又は外因的老化の兆候の出現を阻止若しくは抑制し、又はその影響を遅延させるために化粧品組成物中において有効な量で活性剤として用いられる。
【0050】
本発明によれば、活性剤は、活性剤を含む化粧品組成物に対して0.001重量%〜10重量%、前記組成物に対して特に0.01重量%〜5重量%の量で存在する。
【0051】
本発明の第2の主題は、抗老化効果を有する活性剤として少なくとも2種のアルキルグリコシドの混合物を含むことを特徴とする化粧品組成物に関し、前記混合物のアルキルグリコシドは一般式:
(S)−O−R
((S)は一連の2〜8個の同一若しくは異なる糖単位で形成されるオリゴ糖であり、Rは1〜24個の炭素原子を含むアルキル基である)を有する。
【0052】
本発明による最後の主題においては、前記混合物は、特に本発明の最初の2つの主題に関連する前述の考察のすべてで定義される通りである。
【0053】
特に好ましくは、2種のアルキルグリコシドの混合物は、これが特に
− 一般式(S)−O−R(式中、(S)は上記で定義されており、Rは1〜6個の炭素原子を含むアルキル基である)のアルキルグリコシド;及び
− 一般式(S)−O−R(式中、(S)は上記で定義されており、Rは8〜24個の炭素原子を含むアルキル基である)のアルキルグリコシド
を含むように選択され、混合物を形成する化合物の(S)基は相互に異なってもよい。
【0054】
本発明によれば、組成物は、さらに好ましくは、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤を含む。
【0055】
特に、化粧品として許容される賦形剤は、顔料、着色剤、ポリマー、界面活性剤、レオロジー促進剤、香料、電解質、pH調整剤、抗酸化剤、防腐剤及びこれらの混合物を含む群から選択できる。
【0056】
好ましい実施形態によれば、組成物は、顔又は体の皮膚の全部若しくは一部に適用されるように意図されている。
【0057】
特に、上記組成物は、セラム、ローション、エマルジョン、好ましくはリッチクリーム又はヒドロゲル、好ましくはマスクであってよく、又はスティックの形態で提供され得る。
【0058】
本発明によれば、組成物は、好ましくは、上記混合物の1種を0.001重量%〜10重量%、特に上記混合物の1種を0.01重量%〜5重量%含む。
【0059】
本発明による組成物は、有利には、皮膚の構造の維持を促進すること及び/又は真皮若しくは表皮の表層の細胞外マトリックスの劣化を制限すること及び/又は皮膚の保護、修正又は再構成効果を得ることを目的とする活性によって、皮膚の老化の影響、特にしわの生成を軽減する又は遅延させることを意図した、鎮静化、緩和又は弛緩活性を有する物質から選択することができる1種又は複数の他の化粧品用活性剤を含んでもよい。
【0060】
組成物はまたさらに、皮膚美白化活性を有する物質、痩身活性を有する物質、湿潤化活性を有する物質、肌色、特に顔の輝きを高めるために皮膚の微小循環を刺激する活性を有する物質、脂性皮膚の手入れのための脂漏調節活性を有する物質、皮膚を浄化又は純化するための物質、抗フリーラジカル活性を有する物質に含まれる1種又は複数の化粧品用活性剤を含んでもよい。
【0061】
最後に、本発明によれば、組成物は、微生物増殖阻止特性、特に前記組成物中において有効な防腐効果をもたらすのに効果的な濃度で、ある量のアルキルグリコシドを含む。
【0062】
したがって、他のいかなる防腐剤をも含まず、上記アルキルグリコシド又はアルキルグリコシドの混合物からなり、その細菌、真菌又は酵母などの種々の微生物に対する活性スペクトルが、化粧品組成物の保存及びその微生物学的安定性をもたらすことを可能にする活性剤を含む化粧品組成物を調製することが可能である。
【0063】
好ましい実施形態においては、そのようなアルキルグリコシドの混合物を含む化粧品組成物は、パラベン族の化合物又はその誘導体を含まない。
【0064】
本発明の第3の主題は、皮膚の内因的及び/又は外因的老化の兆候の出現を阻止若しくは抑制し、又はその影響を緩和することを目的とする化粧用ケアの方法に関し、前記方法は上記で定義した組成物の体又は顔の少なくとも一部分への適用を含む。
【0065】
本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、以下の説明的記述に照らして明確に分かるであろう。この記述は単に説明の目的で与えられる本発明の種々の典型的な実施形態を参照してなされるもので、したがって決して本発明の範囲を限定するものではない。実施例においては、特記しない限り、すべての百分率は重量基準であり、温度は度(摂氏)であり、圧力は大気圧である。
【実施例】
【0066】
合成及び試験のための材料及び方法
【0067】
1.化合物の合成
特記しない限り、種々のアルキルグリコシドは、Takeoらによって記載された方法に従って合成する(Carbohydrate Research、48(1976)197〜208頁)。
【0068】
ここで用いる合成方法はグリコシル化ステップ(アルキル鎖のグラフト化)のみにおいてその出版物と異なり、ここではベンゼンをジクロロメタン(CHCl)で置き換え、酢酸水銀をHgO/HgBRの混合物で置き換える。このステップは下に例示する化合物のそれぞれについて具体的に記載される。
【0069】
充分な収率をもって反応を完結させるための反応用化合物の選択、触媒の選択及び反応条件の選択は、当技術分野においてよく知られている。
【0070】
次に試験するために合成する生成物は下記の通りである。
DP2−1:メチルβ−D−マルトシド、実施例1に従って調製
DP2−8:オクチルβ−D−マルトシド
DP2−12:ドデシルβ−D−マルトシド、ACROS ORGANICS由来
DP3−1:メチルβ−D−マルトトリオシド、実施例2に従って調製
DP3−12:ドデシルβ−D−マルトトリオシド、実施例3に従って調製
DP7−1:メチルβ−D−マルトヘプタノース
【0071】
本発明の化合物の抗炎症活性を他の既知の化合物と比較するために、既知の抗炎症作用を有し、国際公開第2005/0419893号パンフレットの特許出願に記載されたアルキルグリコシドを合成する。
【0072】
これらの化合物は下記の通りである。
DP1−8:n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、ACROS ORGANICS由来
DP1−12:n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド、ACROS ORGANICS由来
2.プロスタグランジンPGE2及びインターロイキンIL−8の放出の定量
【0073】
角化細胞がインターロイキン−1βの刺激によってIL−8を発現して放出することが示されてきた。
【0074】
PGEは細胞組織障害に関連する炎症反応の重要なマーカーであり、単球白血球、マクロファージ又は角化細胞を含む多様な細胞によって産生される。
【0075】
インドメタシン又は植物抽出物などの種々の薬剤は、皮膚の角化細胞によるPGEの放出を調節することができる。
【0076】
a)試験の原理
オリゴ糖の存在下で24時間刺激した不死化角化細胞(HaCaT)の細胞株培養上清中へのIL−8及びPGEマーカーの放出を定量する。
【0077】
HaCaTは80%コンフルエンスまで培養される。
【0078】
評価すべき生成物とともに24時間にわたって、IL−8単独の場合にはIL−1と並列刺激によって処理を行う。
【0079】
陽性対照は、それぞれのマーカーの放出を特異的に阻害する試薬によってカラムを処理することにより、用いられる。
【0080】
マーカーを含む培養上清を集め、分析の日まで−20℃に保存する。
分析は、それぞれのマーカーに個別のキットを用いて行う。
【0081】
b)用いるキット及び試薬
キット
ELISA AbC204/3キット(Abcys)によるヒトIL−8の分析
Parameter PGE2キット(R&D system)によるPGE2の分析
試薬
インターロイキン−1β:組換えヒトIL−1β、R&D Systems
コレカルシフェロール(ビタミンD):Sigma
インドメタシン:Sigma
【0082】
c)細胞の調製及び処理
これらのHaCaTを10,000細胞/ウェル(補充KSFM培地、Gibco)の割合で96ウェルマイクロプレートに播種する。
プレートを培養器(37℃、5%CO)に24時間置く。
当初DMSO中1mM原液の形態であるオリゴ糖を、培地においての適当な希釈の後に細胞に加える。
並行して、IL−8については細胞を25ng/mlのIL−1βで刺激する。
IL−8の放出を阻害する陽性対照として、1つのカラムを0.39μg/mlのコレカルシフェロール(ビタミンD)で処理し、IL−1βで刺激する。
対照カラムは処理及びIL−1βによる刺激を行わない。
PGE2の放出を阻害する陽性対照として、1つのカラムをインドメタシンで処理する。
それぞれの濃度の生成物、陽性対照及び処理しない対照を、4又は6ウェルのHaCaTについて評価する。
【0083】
d)マーカーの分析
24時間の処理後に、培養上清を集め、−20℃で保存する。
分析はそれぞれのキットに記載された方法に従い、免疫酵素試験法によって実施される。この方法は、450nmにおける分光学的測定によって、上清中に存在するIL−8及びPGEの相対的量を分析することを可能にする。
IL−8標準品及びPGE標準品(7濃度、2重測定)について2倍希釈系列で得られる吸光度(OD)値を対数グラフにプロットする。
直線を得るために、pg/mlで表したIL−8及びPGE2の既知濃度をx軸に、吸光度値をy軸にプロットする。
pg/mlで表したIL−8及びPGEの相対的濃度を決定するために、それぞれの試料について測定した吸光度値を次にグラフにプロットする。
【0084】
3.総タンパク質の分析
それぞれのウェルの培養マイクロプレートについてタンパク質分析を行う。
【0085】
a)試験の原理
HaCaTの処理又は非処理の後に細胞ペレット中に存在する総タンパク質を(mg/mlで)分析することにより、それぞれのウェル中の細胞におけるIL−8及びPGEの分析とタンパク質量を、タンパク質1ミリグラム(mg)当たりのマーカーのピコグラム(pg)で表して、関連付けることができる。
【0086】
b)使用するキット及び試薬
キット
比色法により、BCA、すなわちBiCinchoninic Acidテスト(BC Assay UP40840A Uptima、Interchim)を用いる。
試薬
分析はビシンコニン酸(試薬A)及び硫酸銅(試薬B)の2種の溶液から出発して行われる。これらの試薬の混合物はそれぞれ50:1の比率で、緑色の溶液を形成し、Cuにより紫色に還元される。UptimaのBCA分析キットにはこれらの2試薬が存在する。
希釈系列調製のため、キットにはまた、標準タンパク質溶液(0.05%NaN中BSA 2mg/ml)が備えられている。
【0087】
c)タンパク質の分析
24時間の処理後に、96ウェルプレートの培養上清を回収する。
ウェルをPBS(リン酸緩衝生理食塩液)で洗浄した後に、プレートを数時間凍結する。
マイクロプレートを解凍した後に、次いで試薬A+Bの混合物を200μl/ウェルの量で加える。
プレートを遮光下にインキュベーター(37℃、5%CO)に30分間入れる。次いで570nmで吸光度を測定できる。
並行して、BSA2mg/mlの原液から2倍希釈の較正系列を調製する。
【0088】
結果の表現
6ウェルについての吸光度値を、較正系列(570nmで決定される吸光度によって分かるタンパク質量)によって得られる直線を用いて、HaCaTの1ウェル当たりのタンパク質のmg量に変換する。
最後に、それぞれのウェル及びそれぞれの処理条件について、IL−8及びPGEの放出の定量分析をpg/mlで得る。
この分析は、mg/mlで表したタンパク質量に関連する。したがってIL−8に関する最終的な定量的結果はpg/mgタンパク質で表される。
IL−8産生阻害率(%)は、下記で計算される。
【0089】
【数1】

【0090】
[例示的な実施形態]
実施例1:メチルマルトシドの合成
D−マルトース5gのピリジン220mlへの溶液を調製し、無水酢酸80ml(80ml)を加える。
本方法に特有の中間ステップは、2,2’,3,3’,4’,6,6’−ヘプタ−O−アセチル−α−D−マルトシルブロミド(2.05g)のジクロロメタン(16.5ml)溶液にメタノール5.5mlを加えるところにあり、メタノール5.5ml、微粉末状に粉砕したCaSO(2g)、黄色粉末状HgO(1g)及びHgBr(49mg)を加える。
本合成方法によりメチルβ−D−マルトシドが得られる。
合成の全体収率は75.4%である。
【0091】
実施例2:メチルマルトトリオシドの合成
D−マルトトリオース5gのピリジン150ml(150ml)への溶液を調製し、無水酢酸50mlを加える。
本方法に特有の中間ステップは、本方法の最初のステップの最後に得られる2,2’,2’’,3,3’,3’’,4’,4’’,6,6’,6’’−デカ−O−アセチル−α−D−マルトトリオシルブロミド(2.878g)のジクロロメタン(20ml)溶液にメタノール6mlを加え、微粉末状に粉砕したCaSO(2g)、黄色粉末状HgO(1g)及びHgBr(49mg)を加えるところにある。
Takeoらによる合成方法を合成が完了するまで実施し、最終的にメチルβ−D−マルトトリオシドを得る。
合成方法の全体収率は85%である。
【0092】
実施例3:ドデシルマルトトリオシドの合成
D−マルトトリオース1.5g(2.97mmol)のピリジン50mlへの溶液を調製し、これに無水酢酸15mlを加える。
本合成方法に特有のステップは、本方法の最初のステップの最後に得られる2,2’,2’’,3,3’,3’’,4’,4’’,6,6’,6’’−デカ−O−アセチル−α−D−マルトトリオシルブロミド(2.93g)のジクロロメタン20ml溶液にドデカノール6.75mlを加え、微粉末状に粉砕したCaSO(2.02g)、黄色粉末状HgO(1.017g)及びHgBr(50.6mg)を加えるところにある。
Takeoらによる合成方法を合成が完了するまで実施し、最終的にドデシルβ−D−マルトトリオシドを得る。
合成の全体収率は77.1%である。
【0093】
実施例4:単独で試験したアルキルグリコシドの抗炎症活性
a)IL−8の放出の定量
試験はアルキルグリコシドの濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。陰性対照は純DMSOである。
得られた結果を下表1に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
b)PGEの放出の定量
試験はアルキルグリコシドの濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
得られた結果を下表2に示す。
【0096】
【表2】

【0097】
結論
DP3−12及びDP7−8の例外はあるが、試験した化合物はすべて従来技術に記載された生成物よりも高い抗IL−8活性及び従来技術の化合物と同等若しくはこれより大きなPEG阻害活性を示す。
それにもかかわらず、DP3−12は両方のマーカーに作用し、DP7−8はPGEマーカーに特有に向けられた抗炎症活性を示す。
実施例5:メチルオリゴ糖(DPx−1)及びドデシルオリゴ糖(DPy−12)を含む混合物の抗炎症活性(x=2又は3、y=2又は3、及びx=y又はx≠y)
【0098】
a)IL−8放出阻害活性
試験はアルキルグリコシドの総濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
試験した種々の混合物の阻害率を下表3に示す。
【0099】
【表3】

【0100】
混合物の抗炎症活性に関する相乗効果の可能性を示すために、それぞれの混合物の存在下に細胞から放出されるIL−8のレベルと、この混合物を形成するそれぞれの化合物の存在下に細胞から放出されるIL−8の同じレベルに関連して、相対的な差を評価する。
混合物の作用下で放出されるIL−8が、単独で試験したそれぞれの化合物の存在下で測定されるIL−8の放出に対して顕著に低下するならば、相乗効果がある。
得られた結果を下表4に示す。
【0101】
【表4】

【0102】
b)PGE放出阻害活性
試験はアルキルグリコシドの濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
試験した種々の混合物の阻害率をそれぞれの混合物について表5に示す。
【0103】
【表5】

【0104】
結論
メチルオリゴ糖と長いアルキル鎖を有するオリゴ糖とを含む混合物のIL−8放出阻害による抗炎症活性は、この混合物を形成する2種の化合物それぞれの活性よりも大きい。これらの混合物は、IL−8の放出阻害の相乗効果をもたらし、その結果としてそれぞれの個別の化合物よりも顕著に高い抗炎症活性をもたらす。
一方、これらの混合物は、中程度の抗PGE活性のみを示し、特に相乗効果はない。
【0105】
実施例6:ドデシルマルトトリオシド(DP3−12)及びドデシルオリゴ糖(DPz−n)を含む混合物の抗炎症活性(z=2又は3、n=1又は12)
a)IL−8放出阻害活性
試験はアルキルグリコシドの濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
試験したそれぞれの混合物について阻害率を下表6に示す。
【0106】
【表6】

【0107】
実施例5のように、混合物B、C及びEのそれぞれの活性を、この混合物を形成するそれぞれの化合物の活性と関連して比較することにより、相乗効果の可能性を評価する。
得られた結果を下表7に示す。
【0108】
【表7】

【0109】
混合物の作用下で放出されるIL−8が、単独で試験したそれぞれの化合物について得られる値と比較して顕著に低下するときには、相乗効果がある。
【0110】
b)PGE放出阻害活性
試験はアルキルグリコシドの総濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
阻害率はそれぞれの混合物について下表8に示す。
【0111】
【表8】

【0112】
結論
ドデシルマルトトリオシドを含む混合物の抗炎症活性は、単独で試験したそれぞれの化合物について得られた活性よりも大きい。
混合物中にドデシルマルトトリオシドが存在することにより、IL−8放出阻害の相乗効果をもたらし、その結果、個別に試験したそれぞれの化合物よりも顕著に高い抗炎症活性をもたらす。ドデシルマルトトリオシド自体は単独で用いた場合にはIL−8放出に対して非常に小さい効果しかないことに注目されたい(実施例4参照)。
一方、これらの混合物は、中程度の抗PGE2活性のみを示し、相乗効果はない。
実施例7:4種のアルキルグリコシド:DP2−1、DP2−12、DP3−1及びDP3−12(1:1:1:1:1)の混合物の抗炎症活性
【0113】
a)IL−8放出阻害活性
試験はアルキルグリコシドの総濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
下表9は、個別に試験したそれぞれの化合物と比較した混合物の阻害率を含む。
【0114】
【表9】

【0115】
実施例5及び6のように、混合物Fの活性を、この混合物を形成するそれぞれの化合物の活性と関連して比較することにより、相乗効果の可能性を評価する。
得られた結果を下表10に示す。
【0116】
【表10】

【0117】
b)PGE放出阻害活性
試験はアルキルグリコシドの総濃度1μMで、培地において希釈した後に実施される。
下表11は、個別に試験したそれぞれの化合物と比較した混合物の阻害率を含む。
【0118】
【表11】

【0119】
結論
本発明の4種のアルキルグリコシドの混合物は、IL−8の放出の阻害する相乗効果をもたらし、その結果として個別に取り上げたそれぞれの化合物の活性よりも顕著に高い抗炎症活性をもたらす。同一の濃度で、混合物の抗PGE抗炎症活性は顕著であり、強度において混合物を形成するそれぞれの化合物の活性に匹敵する。
本発明の実施の代表的な例である実施例4のアルキルグリコシド及び実施例5〜7のアルキルグリコシドの混合物は、炎症マーカーであるIL−8及びPGEに対して顕著な阻害活性を示す。この特徴的な活性は、抗炎症用途のために意図された皮膚科学的組成物又は抗老化特性若しくは鎮静性化粧用組成物において、これらの物質を活性剤としての使用のために有益なものにする。
【0120】
実施例8:本発明による2種のグリコシドの混合物を含む抗老化化粧用エマルジョン
下記の処方の百分率は、最終組成物に対する重量で表している。
− 界面活性剤 5
− 脂肪アルコール 2
− ワックス 1.5
− オイル 11.5
− シリコーンオイル 1
− ポリマー 0.35
− 塩基 0.15
− メチルβ−D−マルトトリオシド 0.1
− ドデシルβ−D−マルトトリオシド 0.1
− 水 100までの適量
【0121】
実施例9:本発明による4種のグリコシドの混合物を含む抗老化セラム
下記の処方の百分率は、最終組成物に対する重量で表している。
− グリコール 16
− ポリマー 9
− ポリマーゲル 8
− 塩基 0.1
− 錯化剤 0.1
− 皮膚軟化剤 1.8
− 可溶化剤 0.3
− 香料 0.1
− アルコール 5
− メチルβ−D−マルトシド 0.05
− ドデシルβ−D−マルトシド 0.05
− メチルβ−D−マルトトリオシド 0.05
− ドデシルβ−D−マルトトリオシド 0.05
− 水 100までの適量
【0122】
実施例10:本発明による2種のグリコシドを含む抗老化ローション
下記の処方の百分率は、最終組成物に対する重量で表している。
− グリコール 8.5
− 湿潤化剤 0.5
− リン酸緩衝液 6
− 錯化剤 0.2
− 塩基 0.5
− アルコール 5
− 可溶化剤 0.2
− 香料 0.05
− メチルβ−D−マルトシド 0.1
− ドデシルβ−D−マルトトリオシド 0.1
− 水 100までの適量
【0123】
実施例11:本発明による4種のアルキルグリコシドの混合物を含む抗老化クリームゲル
下記の処方の百分率は、最終組成物に対する重量で表している。
− グリコール 21
− ポリマー 1.6
− 錯化剤 0.1
− シリコーン 1.8
− 皮膚軟化剤 1.5
− アルコール 2
− ポリマーゲル 0.1
− 塩基 0.05
− 湿潤化剤 1.5
− メチルβ−D−マルトシド 0.05
− ドデシルβ−D−マルトシド 0.05
− メチルβ−D−マルトトリオシド 0.05
− ドデシルβ−D−マルトトリオシド 0.05
− 水 100までの適量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品組成物において、皮膚の老化の兆候の出現を阻止若しくは抑制し、又はその影響を遅延させるための、少なくとも1種のアルキルグリコシド又は少なくとも2種のアルキルグリコシドの混合物を含む薬剤において、
アルキルグリコシド又は前記混合物のアルキルグリコシドは、一般式:
(S)−O−R
(式中、(S)は一連の2〜8個の同一又は異なる糖単位で形成されるオリゴ糖であり、Rは1〜24個の炭素原子を含むアルキル基である)
を有することを特徴とする薬剤。
【請求項2】
基が、飽和アルキル基、好ましくは飽和直鎖状アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
基が、1〜18個の炭素原子を含むアルキル基、好ましくはメチル又はドデシル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項4】
(S)が、一連の2個の糖単位(二糖類)又は3個の糖単位(三糖類)で形成されるオリゴ糖であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項5】
糖単位が、ペントース又はヘキソース型の還元糖又はウロン酸誘導体、硫酸塩誘導体若しくはデオキシ誘導体から選択されるこれらの糖の誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項6】
糖単位が、アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、フコースから選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項7】
糖単位が、D−グルコースであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項8】
オリゴ糖(S)が、マルトース、セロビオース、ラクトース及びマルトトリオースから選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項9】
糖単位が、右旋性糖系列(D系列)から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項10】
オリゴ糖が、β−D−マルトース又はβ−D−マルトトリオースであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項11】
アルキルグリコシドの少なくとも1種が、メチルβ−D−マルトシド、メチルβ−D−マルトトリオシド、ドデシルβ−D−マルトシド、ドデシルβ−D−マルトトリオシドから選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項12】
混合物が、特に2種のアルキルグリコシドからなり、該混合物が
一般式(S)−O−R
(式中、(S)は上記で定義されており、Rは1〜6個の炭素原子を含むアルキル基である)のアルキルグリコシド及び
一般式(S)−O−R
(式中、(S)は上記で定義されており、Rは8〜24個の炭素原子を含むアルキル基である)のアルキルグリコシドを含み、
混合物を形成する化合物のオリゴ糖基(S)が異なっていてもよいことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項13】
混合物を構成する2種のアルキルグリコシドが、1/99〜99/1、好ましくは75/25〜25/75、さらに好ましくは約1の比で存在することを特徴とする請求項12に記載の薬剤。
【請求項14】
基が、飽和アルキル基、好ましくは飽和直鎖状アルキル基、特に好ましくはメチル基であることを特徴とする請求項12又は13に記載の薬剤。
【請求項15】
基が飽和アルキル基、好ましくは飽和直鎖状アルキル基、特に好ましくはドデシル基であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項16】
混合物が、メチルβ−D−マルトシド及び一連の3個の糖単位で形成されるアルキルグリコシド、好ましくはドデシルβ−D−マルトトリオシドによって形成されることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項17】
混合物が、メチルβ−D−マルトトリオシド及び一連の2個の糖単位で形成されるアルキルグリコシド、好ましくはドデシルβ−D−マルトシドによって形成されることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項18】
アルキルグリコシドの混合物が、4種のアルキルグリコシドからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項19】
4種のアルキルグリコシドが、混合物中に実質的に等しい量比で存在することを特徴とする請求項18に記載の薬剤。
【請求項20】
混合物が、メチルβ−D−マルトシド、メチルβ−D−マルトトリオシド、ドデシルβ−D−マルトシド、ドデシルβ−D−マルトトリオシドによって形成されることを特徴とする請求項18又は19に記載の薬剤。
【請求項21】
薬剤が、薬剤を含む組成物に対し0.001重量%〜10重量%、前記組成物に対し特に0.01重量%〜5重量%の量で存在することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項22】
化粧品用活性剤として請求項1〜21のいずれか一項に記載の少なくとも2種のアルキルグリコシドの混合物を含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項23】
少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
化粧品として許容される賦形剤が顔料、染料、ポリマー、界面活性剤、レオロジー促進剤、香料、電解質、pH調整剤、抗酸化剤、防腐剤及びこれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
顔又は体の皮膚の全部若しくは一部に適用されるように意図されていることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、セラム、ローション、エマルジョン、好ましくはリッチクリーム若しくはヒドロゲル、好ましくはマスクとして処方され又はスティックの形態で提供され得ることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記混合物の1種を0.001重量%〜10重量%、特に前記混合物の1種を0.01重量%〜5重量%含むことを特徴とする請求項22〜26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物中において抗微生物特性及び特に微生物増殖阻止効果をもたらすのに有効な濃度となる量のアルキルグリコシドを含むことを特徴とする請求項22〜27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
請求項22〜28のいずれか一項に記載の組成物を体又は顔の少なくとも一部に適用することを含む、皮膚の内因的及び/又は外因的老化の兆候の出現を阻止若しくは抑制し、又はその影響を緩和することを目的とする化粧用ケアの方法。

【公開番号】特開2009−249383(P2009−249383A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−90359(P2009−90359)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)
【出願人】(509094104)ユニベルシテ・ド・ピカルディ・ジュール・ヴェルヌ (2)
【Fターム(参考)】