説明

折り畳み式携帯電話機

【課題】折り畳まれた状態にある間における着信の有無および/または留守番電話機能によるメッセージの有無を、確認可能にした折り畳み式携帯電話機を提供すること。
【解決手段】折り畳み式携帯電話機が折り畳まれていることを検出し、該検出信号により着信の有無および/または留守番電話機能によるメッセージの有無を表示するか否かを決定する折り畳み式携帯電話機の制御方法であり、そして、折り畳み式携帯電話機において、折り畳んだ状態でも見える位置に実装された着信表示手段と、該折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態を検出する開閉検出手段と、着信の有無を検出する着信検出制御部とを有し、着信検出制御部の出力により前記着信表示手段を作動せしめる、折り畳み式携帯電話機である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳み式携帯電話機に関し、特に外部から確認可能な着信有無表示機能付きの折り畳み式携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型軽量化や操作性のよさ等を目指して機構的および機能的に多種多様な携帯電話機が出現している。その一つとして筐体を分割することによって折り畳み式とし、バッグやポケットへの収納を容易にした携帯電話機も多く採用される傾向にある。
【0003】
このような折り畳み式携帯電話機では、複数の筐体の折り畳みによって対向する面に配設されたLCD等の表示部の表示によって操作確認を行っている。折り畳んでいる間に着信が有った場合や、留守番伝言の有無その他の情報は、筐体を開いてこの表示部により確認しなければならない。このような事情を考慮して、電源のオン・オフおよび着信表示手段を筐体を折り畳んだ際に外部から確認可能な部位に設けた折り畳み式携帯電話機も開示されている(特開平4−111655号公報)。この従来技術では、胸ポケットに収納した状態で目視確認可能である上端面に電源スイッチおよびその操作に応じて点灯または消灯する表示装置および着信表示装置を設けたことを特徴とするものである。
【0004】
通常使用されている携帯電話システムでは、携帯電話機の電源がオフの場合または基地局の電界が弱く回線の確認が不可能である場合には、ネットワーク側の留守番電話機能によりメッセージの録音をするサービスが行われている。従来の携帯電話機にあってはこのようなメッセージが存在することを、携帯電話機の電源が投入された際または通話可能圏に復帰した際に確認するには、折り畳み状態を開いてLCD(表示部)を確認しなければならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、折り畳まれた状態にある間における着信および/または留守番電話機能におけるメッセージの有無を、容易に確認可能にした折り畳み式携帯電話機を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、折り畳み式携帯電話機において、折り畳まれた状態でも見える位置に実装された着信表示手段と、該折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態を検出する開閉検出手段と、着信の有無を検出する着信検出制御部と、留守番電話機能を有し、折り畳まれた状態であって、前記留守番電話機能によりメッセージが確認された際に前記着信表示手段の発光色を変化させる折り畳み式携帯電話機によって解決され、また、折り畳み式携帯電話機において、折り畳まれた状態でも見える位置に実装された着信表示手段と、該折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態を検出する開閉検出手段と、着信の有無を検出する着信検出制御部と、留守番電話機能を有し、折り畳まれた状態であって、前記留守番電話機能によりメッセージが確認された際に前記着信表示手段の点灯を作動させ、振動との組み合わせにより着信があった事実を表示する折り畳み式携帯電話機によって解決される。
【0007】
なお、留守番電話機能が、ネットワーク側に存在し、前記メッセージの有無について該携帯電話機の自動発呼により確認された際に、着信表示手段を作動せしめること、または、前記着信表示手段は、着信ランプであること、または、前記着信表示手段は、発光ダイオードであること、または、前記着信表示手段は、上下いずれかの筐体の端部に設けられること、ができる。
【0008】
本発明にかかる折り畳み式携帯電話機では、折り畳んだ状態で見える位置にランプが実装されており、折り畳み状態で着信が有ったとき、着信終了後ランプを点滅または点灯させることで、折り畳んだ状態でも着信が有ったかどうかを確認可能である。したがって、カバンの中などに入れておいて着信時に応答しなかった場合においても着信があったかどうかを閉じている状態でも確認できることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を示す添付図を参照しつつ本発明を詳述する。図1(A)は下筐体20および上筐体21からなり、上筐体21に外部から目視確認可能な着信表示手段としての着信ランプ1を備えた、本発明にかかる折り畳み式携帯電話機の実施例の折り畳んだ外観斜視図である。また図(B)は、この折り畳み式携帯電話機を通話可能であるように開いた状態の斜視図である。
【0010】
図(B)では、下筐体20の下端側の内部には磁石10が埋設されている。そして表示部Dの設けられている上筐体21の上端側の、折り畳んだ際に磁石10の磁力を受ける部位にはリードスイッチ11が埋設されている。この磁石10およびリードスイッチ11の取り付け筐体は、上下筐体相互に反対であっても差し支えない。
【0011】
これらの磁石10およびリードスイッチ11によって開閉検出手段の実施例を示すものである。したがって、折り畳み式携帯電話機が折り畳まれて磁石10がリードスイッチ11に接近すると、リードスイッチ11が磁石10の磁力を検出してオン(閉)状態となり、開かれているときはオフ(開)となる。この開閉検出手段のリードスイッチ11は、図2に示すような機能にしたがって作動し、折り畳み式携帯電話機が折り畳まれている際に、開閉検出制御部12で検出した信号K1を出力するものである。
【0012】
図3は本発明にかかる折り畳み式携帯電話機の動作を示すブロック図である。例えば、磁石10およびリードスイッチ11からなる開閉検出手段Aは、折り畳み携携帯電話の開閉状態、すなわち閉じているか、開いているかを検出し、折り畳み状態検出信号K1を出力する。着信検出制御部3は、着信の有無を検出し、折り畳み状態検出信号K1が入力された場合にのみ着信終了後、着信有無検出信号C1を出力する。着信ランプ1は、着信検出信号C1が入力されると点滅または点灯せしめられる。
【0013】
図4は、本発明にかかる折り畳み式携帯電話機の実施例の動作を示すフロー図である。フローに従って、折り畳み式携帯電話機が折り畳み状態にあるか否かの判定が行われる(ステップS10)。折り畳まれていない場合には、着信ランプ1は消灯している(ステップS11)。折り畳み式携帯電話機が折り畳み状態にある場合に、着信の有無が判定される(ステップS12)。着信がなければ着信ランプは消灯(ステップS11)のままであるが、着信があった場合は、続いて着信応答の有無が判定される(ステップS13)。操作者が着信応答を行った場合には、着信ランプを点灯させる必要はないため着信ランプは消灯(ステップS11)のままである。
【0014】
着信があったにもかかわらず着信応答がなされない場合には、着信は終了となる(ステップS14)が、その結果着信ランプの点滅または点灯により着信が有った旨の表示を行う(ステップS15)。かかる機能によって、折り畳み式携帯電話機が折り畳み状態にある間に着信があったにもかかわらず操作者が応答できなかった場合に、着信ランプを点灯せしめることにより着信が有った事実を表示する。
【0015】
図5は、本発明にかかる折り畳み式携帯電話機において留守番電話、すなわちメッセージ(伝言)の記録・再生の設定が可能である他の実施例の動作を示すフロー図である。フローにしたがって、折り畳み式携帯電話機が折り畳み状態にあるか否かの判定が行われる(ステップS20)。折り畳まれていない場合には、着信ランプは消灯している(ステップS21)。
【0016】
折り畳み式携帯電話機が折り畳み状態にある際に、留守番電話の設定の有無が判定される(ステップS22)。留守番電話の設定がなされていない場合については後述する。留守番電話の設定がなされている場合に、着信が検出される(ステップS23)と、メッセージの録音が可能である旨の自動応答を行う(ステップS24)。
【0017】
次いで、留守番電話のメッセージの有無が判定される(ステップS25)。メッセージが存在しないと判定された場合には、格別の表示を行う必要はないため、着信ランプは消灯のままである(ステップS21)。留守番電話のメッセージが存在すると判定された場合には、その事実を操作者に告知するために着信ランプを点灯または点滅させる(ステップS26)。
【0018】
他方、この折り畳み式携帯電話機が、折り畳み状態にあり、かつ留守番電話の設定が成されていない場合は、図4のステップS12において「有り」と判定された場合に相当し、以後同様に動作し着信検出が行われる(ステップS31)。このような着信検出に対して着信応答の有無が判定され、操作者の応答が有った場合には、着信ランプを点灯させる必要はないため着信ランプは消灯(ステップS21)のままである。
【0019】
着信があったにもかかわらず着信応答がなされない場合には、着信は終了となる(ステップS33)が、その結果着信ランプの点滅または点灯により着信が有った旨の表示を行う(ステップS36)。なお、これまで着信があったことの表示は、着信ランプの点滅または点灯で表示するものとしているが、この点灯には、発光色を変更すること、または振動等との組み合わせにより告知することも含まれる。
【0020】
上述の留守番電話機能が折り畳み式携帯電話機に内蔵されている場合には、内蔵メモリにメッセージが録音されており常に作動可能であるため、図5のフロー図に従って着信表示手段により告知される。これに対して、ネットワーク側の留守番電話機能を利用する場合に、折り畳み式携帯電話機が通話圏外にあるかもしくは電源がオフ状態から通話可能になった際に、制御チャンネル構造および位置番号が同じ場合には、メッセージの有無について自動発呼により問い合わせを実行する。なお、制御チャンネル構造および位置番号が異なる場合には、位置登録により情報を取得し、その後同様に実行する。
【0021】
このような確認動作によりメッセージの存在が確認された場合に、着信ランプ等の表示手段により表示する。このような表示手段は、前述のように上下いずれかの筐体の端部に設けられるため、胸ポケットに収納したまま確認することができる。表示手段として発光ダイオード等による発光を利用することにより、例えば、離れた位置に置かれていたり、あるいはバッグ等に収納していても、開放することにより、発光の確認が一瞥できるため、容易に確かめられ、迅速な対応が可能となる。
【0022】
【発明の効果】
折り畳み式携帯電話機を折り畳んだ状態で着信が有ったかどうかの有無を、着信後ランプを点滅または点灯することで確認できる。また留守番電話機能によるメッセージが存在することを表示することができるため、格別の操作を伴うことなしに確認することが可能となり、操作者による迅速かつ適切な対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(A)は、本発明にかかる折り畳み式携帯電話機を折り畳んだ状態を示す斜視図であり、図(B)は、開いた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる折り畳み式携帯電話機による開閉検出信号発生例を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる折り畳み式携帯電話機による開閉検出に応じて着信ランプを点灯せしめるためのブロック図である。
【図4】本発明にかかる折り畳み式携帯電話機による着信応答表示の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる折り畳み式携帯電話機による留守番電話のメッセージ有無表示のための動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 着信表示手段(着信ランプ)
3 着信検出制御部
10 磁石
11 リードスイッチ
12 開閉検出制御部
A 開閉検出手段
K1 開閉検出信号
C1 着信検出信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式携帯電話機において、
折り畳まれた状態でも見える位置に実装された着信表示手段と、
該折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態を検出する開閉検出手段と、
着信の有無を検出する着信検出制御部と、
留守番電話機能を有し、
折り畳まれた状態であって、前記留守番電話機能によりメッセージが確認された際に前記着信表示手段の発光色を変化させることを特徴とする折り畳み式携帯電話機。
【請求項2】
折り畳み式携帯電話機において、
折り畳まれた状態でも見える位置に実装された着信表示手段と、
該折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態を検出する開閉検出手段と、
着信の有無を検出する着信検出制御部と、留守番電話機能を有し、
折り畳まれた状態であって、前記留守番電話機能によりメッセージが確認された際に前記着信表示手段の点灯を作動させ、振動との組み合わせにより着信があった事実を表示することを特徴とする折り畳み式携帯電話機。
【請求項3】
留守番電話機能が、ネットワーク側に存在し、前記メッセージの有無について該携帯電話機の自動発呼により確認された際に、着信表示手段を作動せしめることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の折り畳み式携帯電話機。
【請求項4】
前記着信表示手段は、着信ランプであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の折り畳み式携帯電話機。
【請求項5】
前記着信表示手段は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の折り畳み式携帯電話機。
【請求項6】
前記着信表示手段は、上下いずれかの筐体の端部に設けられることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の折り畳み式携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2004−48739(P2004−48739A)
【公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−178538(P2003−178538)
【出願日】平成15年6月23日(2003.6.23)
【分割の表示】特願2000−274554(P2000−274554)の分割
【原出願日】平成10年8月25日(1998.8.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】