指紋プリビュー品質ならびに細分化
解像度に関係なく、画像の品質をリッジフローに基づいて決定するものであって、リアルタイムで処理でき、指紋の細分化等の細分化を含み、これにより、4指の平面、2本の親指又は全指の画像を有する独立した指紋について画像品質の判断を提供するものである。指紋品質モジュールは、一以上のスキャン装置から、一以上の品質、掌性、履歴情報分析およびバウンディングボックスの割り当てについて後に判断が行われる、リッジフローを含んだ画像を受け取る。
【発明の詳細な説明】
【関連出願のデータ】
【0001】
本出願は、その全体が参照のため本出願に取り込まれる、”リアルタイムによる指紋の品質および細分化”と題する2006年4月26日出願の米国特許出願番号60/795、215に基づいて、合衆国特許法119条(e)による優先権を主張する。
【背景】
【0002】
本発明は、概ね、品質の決定ならびに細分化に関するものである。より具体的に述べると、本発明の例示的実施形態は、指紋、手形あるいは足跡の画像情報等の生体認証画像情報の品質ならびに細分化についての決定に関するものである。
【0003】
ライブスキャン型装置は、指の配置および画像の忠実度を得るため、操作者を補助する操作プリビューモードを提供する。しかし、これらには、処理能力、タイミングの制限ならびに処理条件が存在するので、これらの装置および関連する品質の評価指標(quality metrics)は、登録アプリケーション又は指紋自動識別システム(Automatic Fingerprint Identification System (AFIS))、ならびに、それらに関連するマッチングエンジンにより用いられる他の洗練された品質の尺度と関連する出力を提供することができない。かかるハードウエアの制限は、残りの手の構造から指紋を動的に細分化し、指紋と斑点(smudges)、粒子(particles)、遺留指紋(latent prints)等の画像の背景を分離する能力を無力化してしまう。
【0004】
これに代え、ライブスキャン型装置は、画像のコントラストに基づく品質の指標ならびに細分化用の静的スキャナプラテン領域(static scanner platen areas for segmentation)を用いる。登録ならびにAFIS/マッチングアプリケーションで用いられている指紋の品質指標には、通常、500ppiおよび1000ppiの最大解像度を使ったスキャニングが要求されるので、プリビュー機能用には適さない。
【0005】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【0006】
本発明のある例示的な側面は、解像度と無関係にリッジフロー検出技術を提供することによって、このギャップを解決するものである。次に、リッジフローの強度、リッジフローの連続性および隣接する画像コントラストとの組み合わせを通じて指紋の品質を決定するためリッジフローマップが用いられる。このリッジフローマップは、細分化の基礎として用いることもできる。
【0007】
本発明の他の例示的側面は、解像度に関係なく画像の品質を決定するためのリッジフローに基づくシステムならびに方法であって、リアルタイムで処理でき、指紋の細分化等の細分化処理を含み、これにより、4指の平面(four finger flat)、2本の親指(dual thumb)又は全指(whole hand image)の画像を有する独立した指紋に関する画像品質の判断を提供するものである。
【0008】
例えば、本発明のある例示的な側面は、リッジフローを含む指、手又は他の生体認証情報を示す画像データ等の解像度の低いプリビュー画像データを提供するライブスキャン指紋装置を用いた、登録アプリケーションを対象としている。
【0009】
さらに、本発明の他の側面は、一以上のスキャン装置から、一以上の品質、掌性、履歴情報分析およびバウンディングボックスの割り当てについて後に判断が行われる、リッジを含んだ画像を受け取る指紋品質モジュールに関する。
【0010】
本発明の更に別の側面は、リッジフローの判断に関するものである。
【0011】
本発明の別の側面は、指紋画像の細分化に関するものである。
【0012】
本発明の他の例示的側面は、指紋画像等の入力画像の品質を決定することに関する。
【0013】
本発明の更に別の例示的側面は、画像の解像度に基づき、リッジフロー処理を変更することに関する。
【0014】
本発明の別の例示的側面は、受け取り画像に基づいてフィードバックを決定し、与えることに関する。
【0015】
本発明の更に別の例示的側面は、一以上の指紋を識別し、必要に応じて、指の途中の皺(inter-digit crease)の部分で先端部分を切り取ることに関する。
【0016】
本発明の他の例示的側面は、バウンディングボックスを決定し、識別された指紋の周囲に配置することに関するものである。
【0017】
本発明の別の側面は、ライブスキャン型装置において、リアルタイムで指紋の品質を判断することに関するものである。
【0018】
本発明のこれらのおよび他の特徴ならびに効果は、ここで記載され、実施形態における以下の記載から明らかである。
【詳細な説明】
【0019】
本発明の例示的なシステムならびに方法は、画像品質および細分化について説明する。しかし、本発明を必要以上に不明瞭にすることを避けるため、以下の説明においては、よく知られた構成が省略され、ブロック図の形式で示される装置については周知であるので要約される。説明の目的において、本発明について完全な理解を提供するため多数の具体的詳細が示されている。しかしながら、理解されるように、本発明は、ここで説明される具体的詳細を超えた様々な方法で動作可能である。
【0020】
また、ここで表されている例示的な実施形態は、同一場所にあるシステムの様々な部品を示しているが、前記システムのかかる様々な部品は、LANおよび/又はインターネット、あるいは、専用システム内の離れた部分に配置しても良いことが理解される。したがって、このシステムの部品を、モデム等の一以上の装置と組み合わせ、あるいは、通信ネットワーク等の配信ネットワークの特定ノード上に配置してもよいことを理解すべきである。以下の説明ならびに計算効率の観点から理解されるように、前記システムの前記部品は、当該システムの動作に影響を及ぼすことなく、配信ネットワーク内のいずれの場所にも配置可能である。
【0021】
さらに、部品を接続するさまざまなリンクを有線又は無線、または、そのいずれの組み合わせとし、あるいは、接続されたエレメントに対してデータを供給および/またはそこからデータ供給を受けることができる、他のいずれの既存または将来開発されるエレメントとすることが可能であることを理解すべきである。これらの有線又は無線リンクをセキュアリンクとすることもでき、暗号化情報をやりとりすることも可能である。
【0022】
ここで用いられるモジュールという文言は、当該エレメントに関する機能を実行可能な、既存または将来開発されるいずれのハードウエア、ソフトウエア、あるいはその組み合わせを表すことができる。また、本発明は、例示的な実施形態の内容について説明をしているが、本発明のそれぞれの側面は別個に特許請求可能であることを理解すべきである。ここで述べられている実施形態は、指紋の品質ならびに細分化に関するものであるが、本システムおよび方法は、指、手、足又はそれらいずれかの部分の画像に含まれるがこれらには限定されない、リッジフロー等のいかなる周期的又は反復パターンを含むいずれのタイプの画像についても同様に機能することも理解すべきである。
【0023】
図1は、指紋品質システム1の例示的実施形態を示している。かかる指紋品質システム1は、一以上のフラットベッドスキャナ又は自動書類スキャナ15、ホールハンドスキャナ(whole hand scanner)20、個別指紋スキャナ25、スラップスキャナ(slap scanner)30、シングル指紋ロールスキャナ(single fingerprint roll scanner) 35、他の光学式又は非光学式スキャナ40、音声兼画像フィードバック装置45、一以上のユーザインターフェース55、デモグラフィックデータ供給装置65および記憶装置60と接続可能な指紋品質モジュール100を備えており、当該指紋品質モジュール100からの情報は出力装置50を介して出力可能である。
【0024】
前記指紋品質モジュール100は、さまざまなソースからの入力を受け取る。例えば、前記フラットベッドスキャナ又は自動書類スキャナ15は、検討のため前記指紋品質モジュール100に送られる対応画像により、情報を指紋カード10上にデジタル化する。スラップスキャンが撮影可能なホールハンドスキャナ20等の前記ライブスキャン型装置、個別指紋スキャナ25、およびスラップスキャナ30は、生体構造の一部を含むリッジフローのスキャン結果に対応する画像情報を取り込むこともできる。同様に、前記シングル指紋ロールスキャナには、指紋品質モジュール100に対するロールプリントに対応する画像情報が入力される。
【0025】
これに加え、あるいは、これに代えて、前記指紋品質モジュール100は、静電式、超音波等の他の光学又は非光学式スキャナ40、あるいは、リッジフロー情報を含む画像データを送信可能ないずれのソースから画像データを受け取ることもできる。
【0026】
一般に、リッジフロー検出を促進するため、いずれの入力画像を選択的に前処理することができる。例えば、コントラスト、画質(sharpness)あるいはサンプリングを調整するため、入力画像を前処理することができる。かかる画像は、機能拡張又は概要化(skeletonization)ために前処理することができる。
【0027】
動作中、前記指紋品質モジュール100は、入力装置の一つから画像を受け取ってリッジフローを検出する。リッジフローが一旦認識され、それが検出された場合、例えば、システム1の動作環境に基づいて、指、指先、かかと、手、手のひら等又はいずれの領域であるか、すなわち、前記画像内のどの領域かを特定することができる。
【0028】
次に、指紋品質モジュール100は、一以上の判断を行い、前記画像の品質について記録し、識別された領域に対してバウンディングボックスを割り当て、前記画像の掌性を判断し、取り込まれた一連の画像について履歴情報分析を実行する。例えば、前記画像は、指紋品質モジュール100においてリアルタイムで受け取ることができる。前記指紋品質モジュール100がスキャン結果の数フレームに渡って分析を実行することができ、これにより、例えば、前記画像の品質に関するトレンディング情報(trending information)が構築されるよう、一連の画像を記憶装置60の協力を得て記憶することができる。このトレンディング情報は、次に、指紋被採取者(fingerprintee)に対して音声又は画像によるフィードバックを供給するのを補助するため用いてもよく、および/又は、何時”良好な画像”を取り込むことができるかを予測するため動的に用いることができる。
【0029】
品質についての判断、バウンディングボックスの割り当て、掌性の判断および履歴情報分析の一以上の結果によるが、指紋品質モジュール100は、一以上の前記音声および/又は画像フィードバック装置45ならびにユーザインターフェース55を介して、フィードバックを提供することができる。例えば、前記音声および/又は画像フィードバック装置45は、スキャンが成功したかどうか、プラテン上で指を動かすことが要求されるか、強く押すのか弱く押すのか、手をまっすぐにするのか等、を示すため、指紋被採取者に対してフィードバックを提供するために用いてもよい。かかるフィードバックは、音声の合図および/又はシステム1の特定の動作環境に基づき多数の言語を伴った、音声および/又は画像および/又はグラフィックであってもよい。
【0030】
さらに、指紋品質モジュール100は、ユーザインターフェース55を介してフィードバックを提供することができる。例えば、ユーザインターフェース55は、プラテンの清掃が必要である、一以上のスキャン装置に問題がある、スキャンがうまくいったかならびに指紋情報の採取がうまくいったか否か、システムの動作状況、又は、動作に関するいずれの一般情報、あるいは、指紋品質モジュール100により処理される情報を示す命令を含んだ、フィードバック情報を使い、システム操作者により用いることができる。
【0031】
デモグラフィックデータ供給装置65と協働するユーザインターフェース55は、一以上のデモグラフィックデータ、他の生体測定データ、通常のいずれの情報と、様々なスキャン装置から受け取った一以上の画像を関連づけることを許容する。この情報は、これらには限定されないが、名前、パスポート番号、社会保障番号、スキャンに関連づけられた日および時刻、スキャン箇所に関する情報、あるいは、画像の識別、分類、カテゴリー分け又はフラグ立てを補助するために用いることができる通常のいずれの情報を含んでもよい。前記情報は、次に、デモグラフィックデータを用いて、例えば、記憶装置60内に記憶し、あるいは、出力装置50を介して出力してもよい。
【0032】
出力装置50は、例えば、指紋品質モジュールが、印刷、オフラインでの処理、識別、分析、比較、ファイルの保管(archiving)あるいは必要に応じた出力を可能にするため、デモグラフィック・メタデータ付き又は無しの一以上の画像を出力することを許容する。
図2は、指紋品質モジュール100の詳細を概説している。具体的には、指紋品質モジュール100は、その全てがリンク5によって接続された、掌性モジュール110、細分化モジュール120、サンプリングモジュール130、プロセッサ140、メモリ150、および、入出力モジュール160、シーケンスチェッキングモジュール170、品質決定モジュール180、リッジフローモジュール190、コントラストモジュール195および自動読み込みモジュール197を備えている。
【0033】
後で詳細について述べるように、複数の指の痕跡画像から指紋の細分化を実施する制限のない方法が例示的に挙げられている。
前述のように、プロセスは、指紋画像の受け取りから開始される。かかる画像を受け取り、リッジフローモジュール190と協働することにより、指紋画像の各画素リッジフローの強さ、連続性、ならびに角度等が判断される。これに代え、あるいは、これに加え、所定グリッドを横切る前記画像内の所定位置についての、強さ、角度、ならびに連続性を判断することができる。以下に、リッジフローに関する特定の方法を説明するが、受け取った画像内の様々な位置におけるリッジフローの一以上の強度、連続性ならびに角度を示す情報を出力することが可能なものでああれば、リッジフローを判断するためのどのような方法も用いることが可能であることを理解すべきである。
【0034】
細分化モジュール120は、指先の位置を識別するために必要な判断を実行する。細分化のために用いることができる様々な方法には、指の部分のバウンディングボックスを正確に識別することが唯一の条件であるものが存在する。
【0035】
品質決定モジュール180は、一以上のコントラストについての指紋画像領域の解析、リッジフローの強度および近くのリッジフロー(local ridge flow)に基づいて品質の測定基準を決定するため、リッジフロー情報ならびに細分化情報を用いる。これらの要素は、指先毎に品質の記録を生成するため組み合わせてもよい。かかる品質の記録ならびにフィードバックモジュール165との協働に基づき、適切なフィードバックを必要に応じて判断することができ、適切な目的地に転送することができる。
【0036】
サンプリングモジュール130は、受け取った画像の上下サンプリング(up or down-sampling)を可能にする。例えば、受け取った画像の解像度によるが、上下サンプリングのいずれかを行うことは、演算の観点から有利である。
【0037】
シーケンスチェッキングモジュール170は、受け取った指紋画像のシーケンスのチェックを実行する。通常のシーケンスチェックは、各指紋のスキャンに対応する画像が、例えば、人差し指から小指という特定の順序で受け取られることを示す。順序外で小指の画像が受け取られていたと判断された場合、あるいは、ある指が誤って2回画像化されていた場合には、前記フィードバックモジュール165との協働により、適切なフィードバックが判断され、適切な目的地に転送される。
【0038】
自動キャプチャモジュール197は、品質決定モジュール180とともに協動し、何時、画像がある品質基準に達することができるかについて動的に判断することが可能である。例えば、トレンディング情報は、指紋品質システム、具体的には、指紋品質モジュール100が、スキャン装置の一つから、何時、”良好な”品質のスキャンを受け取ることできるか予測するため、履歴情報を分析するとともに、解析することができる。例えば、指紋被採取者が、当初、プラテンを軽く押しているがプラテン上の圧力が継続的に増加していることをトレンディング情報が示している場合には、そこで指紋を読み込むべき理想のポイントが存在する。このように、このキャプチャモジュール197は、履歴情報を追跡し、画像キャプチャシーケンス時間内に特定ポイントにおける画像を取り込む。
【0039】
図3は、本発明による指紋品質システムの動作についての例示的な方法を概説しているフローチャートである。より具体的には、制御は、ステップS300で開始され、ステップS310へと続く。ステップS305においては、画像を受け取る。次に、ステップS310において、受け取った画像についてリッジフローが決定される。次に、ステップS315においては、受け取った画像についてリッジフロー配列が構築される。次に、制御は、ステップS320へと続く。
【0040】
ステップS320においては、受け取り画面の一以上の領域が識別される。これらの領域は、これらに限定されないが、指、指先、かかと、手、手のひら、あるいは、識別のためそれに対して指紋品質システムが割り当てられる、いずれの領域を含んでもよい。次に、制御は、ステップS325、S335、S340およびS345の一以上へと続く。
【0041】
より具体的には、ステップS325において画像の品質が決定される。画像の品質が決定されると、ステップS330においては、例えば前記品質を指先毎に記録する。次に、制御は、ステップS350へと続く。
【0042】
ステップS355においては、識別された領域に対し一以上のバウンディングボックスが割り当てられる。かかるバウンディングボックスは、識別領域の周囲に配置されるものである。より具体的にいうと、バウンディングボックスは、システムにとって特別関心のある、指、手、手のひら、下部素性(foot feature)等の周囲の関心領域(region of interest)を識別する。バウンディングボックスは、一以上のリッジフローデータを、ユーザ入力あるいはシステムに適用可能と考えられる他のデータを用いることにより決定される。前記ボックスの正確な範囲は、関心の特徴(feature of interest)の最小領域、あるいは、システムにより要求されたより大きい範囲であってもよい。
【0043】
ステップS340においては、掌性の決定(handedness determination)が実行される。これにより、例えば、受け取り画像において右手か左手かあるいはその一部が示されているかどうかをシステムが決定することが可能となる。次に、制御はステップS350へと続く。
【0044】
ステップS345においては、履歴情報の分析が行われる。前述のように、この履歴情報の分析は、システムが、複数の受け取り画像についてのトレンディング情報を動的に追跡し、一以上のトレンドに基づいて特定のアクションを起こすきっかけを与えることを可能にする。制御は、さらにステップS350へと続く。
【0045】
ステップS350においては、いずれかの先行するステップに基づき、一以上のシステムのユーザならびに指紋被採取者に対してフィードバックを与えるべきか否かの決定がなされる。フィードバックが必要であるという決定がなされた場合には、フィードバックが与えられるステップS355へと続く。そうでない場合には、制御は、さらなるスキャンが必要かどうかの決定がなされる、ステップS360へとジャンプする。追加のスキャンが必要である場合、制御は、ステップS305まで戻る。そうでない場合、制御は、制御シーケンスが終了するステップS370へと続く。
上に示された例示的な方法は、解像度と無関係に用いることができる。したがって、ここで述べられる様々な方法は、以下に詳細に述べられている同じ指紋画像であって解像度が異なる様々なバージョンにおいて動作可能な特定のリッジフロー、細分化および品質の計算を用い、様々な解像度の画像データを受け入れるため、変更可能である。解像度が同じでない場合でも、各バージョンの処理は、同様のリッジフロー検出結果をもたらす。前記プロセスの忠実度の維持を補助するため、選択された細分化プロセスおよび品質決定プロセスの両方において、解像度が変化しないようにすべきである。ここで述べられる細分化ならびに品質決定方法は、この忠実度を支持するため、解像度が変化しない方法により述べられる。
【0046】
このことは、迅速にフィードバックの決定を可能にする、この情報をリアルタイムで処理する能力とともに、リッジフローの細分化ならびに品質スコア処理の全ての側面において、解像度とは無関係であり、副解像度出力(sub-resolution output)ならびにフル解像度出力間の相関関係の度合いが高い。リッジフローをベースにした品質ならびに指における指先の位置を迅速に決定することにより、指紋品質システムは、頻繁に低解像度のプリビューデータを生成する画像キャプチャ装置を充分に利用することが可能となる。
【0047】
図4は、リッジフローを判断するための例示的な方法の詳細を概説する。 具体的に言うと、制御は、ステップS400で開始され、ステップS410へと続く。ステップS410においては、ポイントのグリッドが選択される。次に、ステップS420においては、様々な角度における所定数の周波数分のグリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数が決定される。さらに、ステップS430においては、ステップS420の決定に基づいて、周波数ならびに角度がサブウインドウ内の隣接するリッジフロートと最もよくマッチする、ピークの相関値の配列が決定される。次に、制御は、ステップS440へと続く。
【0048】
ステップS440においては、相関マップからサブウインドウ内のピークのリッジフロー角度(あるとすれば)が決定される。次に、ステップS450においては、生のリッジフローマップの平滑化ならびに平均化が任意に実行される。次に、制御は、制御シーケンスが終了するステップS460へと続く。
【0049】
図5は、例示的な細分化方法を示している。具体的に言うと、制御は、ステップS500で開始され、ステップS505へと続く。ステップS5050においては、隣接するリッジフローを複数のグループに集める(clustered into groups)。次に、ステップS510においては、各グループを分類する。さらに、ステップS515においては、小さな孤立したクラスターを無視する。次に制御は、ステップS520へと続く。
【0050】
ステップS520においては、大きなクラスタの方向が決定される。次に、ステップS525においては、主な配向角度が決定される。さらに、ステップS530において、クラスターは、被検セグメントの配向角度を介して接続可能となるよう、セグメントクラスタグループ化される。次に、制御は、ステップS535へと続く。
【0051】
ステップS535においては、セグメント化されていない、全てのクラスタグループが除去される。次に、ステップS540においては、セグメント化された各クラスタグループの最後のクラスタが、先端として認識される。次に、ステップS545において、識別された先端が長すぎるかどうかの判断がなされる。識別された先端が長すぎると判断された場合、制御は、先端を切り取るステップS550へと続くとともに、ステップS555へと続く。そうでない場合、つまり、識別された先端が長すぎない場合、制御は、各チップについてバウンディングボックスが決定されるステップS555へと続く。次に、制御は、制御シーケンスが終了するステップS560へと続く。
【0052】
図6は、本発明の例示的な実施形態による指に特化した細分化方法(finger-specific segmentation methodology)を概説する。制御は、ステップS600で開始され、ステップS605へと続く。ステップS605においては、隣接するリッジフローのプロテクションがクラスタ化され、複数のグループにされる。次に、ステップS610においては、各グループを分類する。さらに、ステップS615においては、小さな孤立したクラスタを除去可能である。次に制御は、ステップS620へと続く。
【0053】
ステップS620においては、大きなクラスタの方向が決定される。次に、ステップS625においては、主な配向角度が決定される。かかる主配向角度は、例えば、手等に対応可能である。かかる大きなクラスタの方向は、通常、こぶし等の指の一部を表すクラスタに対応している。ステップS630において、クラスタは、指の配向角度を介して接続可能となるようグループ化される。次に、ステップS635においては、指のクラスタグループでない、全てのクラスタグループが除去される。次に、各指の最も先のクラスタが、指先として認識される。次に、制御は、ステップS645へと続く。
【0054】
ステップS645においては、識別された先端が長すぎるかどうかの判断がなされる。先端が長すぎると判断された場合、制御は、指の途中の皺の部分で先端部分を切り取る、ステップS650へと続く。次に、制御は、ステップS655へと続く。
【0055】
識別された先端が長すぎない場合、制御は、各チップ用のバウンディングボックスが決定される、ステップS655にジャンプする。次に、制御は、制御シーケンスが終了する、ステップS660へと続く。
図7は、指紋等の入力画像の品質を決定するための例示的な方法を概説している。制御は、ステップS700で開始され、ステップS705へと続く。ステップS705においては、リッジフローの検出結果が識別され、受け取った細分化情報に基づいて目標となる指紋と関連づけられる。次に、ステップS710においては、各々の検出結果についてステップS715からS725が実行される。
【0056】
ステップS715においては、識別された検出結果の平均コントラストが決定される。次に、ステップS720において、各リッジフロー検出結果についてのフーリエ係数のピークが決定される。次に、ステップS725においては、各リッジフロー検出結果ならびに近隣との間のピーク角度の一致が判断される。次に、制御は、ステップS730へと続く。
【0057】
ステップS730においては、前記の結果が結合され、品質スコアに分類される。次に、ステップS735においては、全ての指紋が処理されたか否かの判断が行われる。全ての指紋が処理された場合、制御は、制御シーケンスが終了する、ステップS750へと続く。そうでない場合は、ステップS740にジャンプする。
【0058】
ステップS740において、次の目標となる指紋が選択されるとともに、制御はステップS705へと戻る。
【0059】
より詳細な実施形態において、品質を決定する最初のステップは、目標の指紋に属する、全てのリッジフロー検出結果を識別することである。この情報は、細分化プロセスから直接もたらされる。画像のコントラスト、検出強度、および角度の一致について全ての識別ブロックが、各指紋毎に処理される。かかる画像コントラストは、フーリエ解析のDC成分(DC component)から派生するものであってもよい。現在のブロックと画像の背景間の差を、この測定基準の基礎としてもよい。かかる差が大きければ大きいほど、コントラストも大きくなり、品質スコアも大きくなる。
【0060】
二番目の測定基準は、ピーク検出の相対強度である。フーリエ係数の値を、理想値と比較するようにしてもよい。係数が大きければ大きいほど、リッジフローが一層顕著となり、品質スコアが高くなる。
【0061】
最後の判断は、ピーク検出角度の近隣での一致である。検出された角度は、各ブロック毎に隣接するピーク角度と比較される。ほとんどの角度が一致する場合、この結果により品質スコアは高くなる。
【0062】
次に、全ての指先のリッジフローブロックについて品質を測定し、意味のある値にするため、これら3つの測定基準を組み合わせてもよい。かかるスコアリング方法の1つは、スコアが0から100という結果を生じさせ、ここでは、100が最も良好な画像を表すものである。
【0063】
図8は、解像度に拘わらずリッジフローの検出を行う例示的な方法を示している。制御は、ステップS800で開始され、ステップS805へと続く。ステップS805においては、入力画像の解像度に基づいて、グリッド間隔が決定される。次に、ステップS810においては、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数が調節される。次に制御は、制御シーケンスが終了するステップS815へと続く。
【0064】
図9から図16は、最上段の左隅に初期画像を示し、フィードバックの結果、最下段の右に最後に取り込まれた画像が示されている、様々なプリビュー画像シーケンスを表している。より具体的に言うと、図9において、初期画像910は、押圧が軽すぎると識別される。この時点において、指紋被採取者に対し、より強くプラテンを押すよう指示を出すことができ、この結果、指紋被採取者が強く押して、キャプチャ920において良好なキャプチャを達成することができる。また図示したように、バウンディングボックス930について予備的な判断がなされる。
【0065】
図10において、初期画像は濃すぎる。したがって、ユーザに対し、例えば、スキャナをもうすこし軽く押すようフィードバックを与えることにより、画像1020で示した良好なキャプチャが最終的に得られる。
【0066】
図11において、初期画像110は、右手が反時計回り方向に回転していることを示している。かかる検出がなされると、指紋品質システムは、指紋被採取者に対し、指紋被採取者の手をまっすぐにすること、あるいは、手を少し縦方向に向けることを要求するフィードバックを提供してもよい。キャプチャにおけるこの動的なプロセスならびにフィードバックは、例えば、良好なキャプチャ1120が達成されるまで続く。
【0067】
図12は、その一部がスキャナの右側にずれていると識別された初期画面1210を示している。繰り返しになるが、手の位置を動的に監視することにより、指紋被採取者に対し、良好なキャプチャ1220が得られるポイントになるまで、すこし手を中央に位置させるようフィードバックを与えてもよい。
【0068】
図13は、縦方向において手を中央に位置させる必要があることを示す初期画面1310を示している。指紋被採取者に対してフィードバックを与えることにより、スキャナ装置の中央に手を移動させ、スキャナ装置の中央に手が位置する最終的なキャプチャ1320を得ることができる。
【0069】
図14は、指同士がくっつきすぎているためにバウンディングボックスが一部重複している初期画像1410を示している。フィードバックを用いることにより、キャプチャ1420に示した良好なキャプチャができるようになるまで、一連のキャプチャ中に指同士がもう少し離れる。
【0070】
図15は、指同士が離れすぎて、スキャニング位置の外にある初期画像1510を示している。繰り返すが、例えば、フィードバックを用いることにより、指紋被採取者に対し、指同士をもう少しくっつけ、図1520に示した良好なキャプチャが可能になるよう指示することができる。
【0071】
図16は、手が動いたためにキャプチャの質が不十分である初期画像1610を示している。ユーザの手があまり動かなければ、キャプチャ1620に示した良好な最終キャプチャとなる。
【0072】
実際の指紋に関する説明として図17を参照すると、サンプルの指紋についてリッジフロー検出が例示的に示されている。しかし、異なる数の角度において、他の数の正弦波(sinusoids)も用いることが可能であることを理解すべきである。上記検出は、例えば、20列、20行毎に画像全体に渡りグリッド1710を構築することにより行われる。かかるグリッドは、リッジフローに関するローカルトレンドについての分析のための中心点を示している。各グリッド点1710ならびに画像については、リッジフローのために画像の小さいサブウインドウを分析することができる。各サンプル位置において、画像データの小さい矩形のウインドウは、例えば16の異なる角度の周りを回る特定周波数の5つの正弦波と比較される。16の異なる角度において、これらの5つの周波数のそれぞれについてフーリエ係数が演算される。一連の比較結果のそれぞれは、ある周波数において達成されたピークならびに隣接するリッジフローに最も相性がよい角度を伴う、80個の係数による配列である。これは、サンプル位置と比較するとポーション1810における正弦波の係数値が小さく、ポーション1820における正弦波が、ポーション1810の係数値よりも大きく、サンプル位置と比較するとポーション1830における正弦波の係数値が小さい、図18において見ることができる。
【0073】
指紋画像における全てのウインドウについて相関値が決定されると、画像内の各ウインドにおいて検出されたピークのリッジフロー角度(存在する場合)を識別するため、得られた相関マップを処理することができ、これにより、生のリッジフローマップが作成される。このデータは、図19に示された平均化リッジフローマップであって、各種矢印1910によって強調されている平均化されたリッジフローを生成するのに、特異点ならびに平滑化点又は平均化点を除去するため、さらに分析可能である。図19において見られるように、かかる矢印は、リッジフローの隣接するピーク角度を図式的に示すとともに、各矢印が、そのグリッド位置についての80の係数から識別されたピーク角度を表している。
【0074】
例えば、図20ならびに図21を参照すると、以下の例示的な一連のステップに基いて、複数の指による押圧痕からの指先の細分化を実行することができる。
【0075】
全ての隣接するリッジフロー検出結果を集め、
小さいクラスタを除去し、
各クラスタについての配向角度を識別し、
全てのクラスタについて配向角度(手の配向角度)の中央値を識別し、
この角度に沿った全てのクラスタを識別し、それらを指内にグループ化し、および
正確な指先の長さを識別するため、指先を後処理する。
【0076】
図20を参照し、さらに詳しく述べると、リッジフロー検出結果2010は、”2”で示された近似する配向角度を有する隣接した検出結果をグループ化したものである。図20で見られるように、”1”および”2”として識別され、そのように分類された、リッジフロー検出結果について2つのクラスタが存在する。
【0077】
2020等の小さく隔離されたクラスタは、除去され、あるいは、無視されるが、大きなクラスタは、クラスタの方向を判断するため処理される。次に、全てのクラスタからの中間の角度が、手についての全体的な配向角度として選択される。これらのクラスタは、配向角度に沿って位置するグループを識別するため再度処理され、手の配向角度に沿って位置するこれらのクラスタは、図21において見られるように、指2110中にグループ化される。次に、各々の色が別のクラスタを表すクラスタ化されたリッジフロー検出結果ならびに指のグループは、手の配向角度の線2020に沿って位置するクラスタとして認識される。指とクラスタが関係付けられると、最も上のクラスタを、例えば指先2030として識別するため、各グループを処理することができる。指先の長さが普通の指の長さを超えている場合、前記クラスタは、指の途中の皺部分で切り取られる。
【0078】
指先、指、手のひら、あるいは、他の目標となる指を切り取る例示的な効果の1つは、目標となる特徴に直接関連する画像領域のみを分離することにある。例えば、指先を、指の途中の皺部分の長さで切り取ってもよい。ある例示的な方法では、指の幅と指先の長さを関連づけるため擬人化ルール(anthropomorphic rule)を用いてもよい。第二の例示的な方法においては、一般に指途中の皺の部分と関連付けられているリッジフローの途絶を識別するため、リッジフローマップを解析してもよい。
【0079】
結局、前記結果は、指先とともに指先のバウンディングボックスを作り出した、全てのリッジフロー検出結果を識別したものである。リッジフローの検出は、上記検出を解像度から分離するので、本発明の他の側面と同様に、これは、入力画像の解像度とは無関係に実行可能である。
【0080】
図22から図27を参照すると、制限のない例が示されている。具体的には、画像を覆うグリッドを生成することは、入力された指先の画像の解像度と直接関連する。解像度が低下すると、グリッドの空間は、例えば、直線的に小さくなる。500ppiの空間が12X12画素とすると、250ppiは、6X6画素に相当する。例えば、図22と図23の比較において、解像度が変化してもグリッドポイントが物理的に常に同じポイント上にあるのと同様に、画素の間隔が変化してもグリッドポイントの配置は同じ位置にある。解像度が500ppiから低下すると、処理ウインドウならびにフーリエ係数の周波数は、目標となる解像度に対して直線的に減少する。例えば、フル解像度のウインドウが23X13画素であり23画素の長さ中に3周期する正弦派をサポートする場合、半分の解像度のウインドウの場合、11X6画素であり、かかる11画素の長さ中に3周期することになる。
【0081】
図24から図27に見られるように、図24は、100%の解像度である当初の500ppiを有する目標正弦波を表したものである。図25は、80%の解像度を有する目標正弦波を表したものであり、図26は、60%の解像度であり、図27は、50%、すなわち、250ppiの解像度である。
【0082】
以下の部分では、本発明の設計ならびに実行プロセスの一部として開発された暫定的なテスト製品について説明する。
図28は、指紋の画像と目標となる正弦波間(様々な角度−様々な軸および周波数−水平軸)の相関関係を表したものである。画像の配列における各”セル”は、特定周波数の正弦波を用いたリッジフロー演算に対する反応であって、特定の角度で示されたものを表している。
【0083】
データの最初の列は、DCターム(DC term)、つまり、サンプリングされたウインドウの平均的な画素値である。残りの列については、画素の輝度が、係数に関連する、すなわち、画素の輝度が高いほど、画像のサブウインドウと目標正弦波間の相関が高い。最初から最後まで各列をたどると、輝度のピークには、指先のリッジフローの一般的なトレンドに対応して指先の中心付近を移動するというトレンドが存在する。
【0084】
図29は、この画像を拡張した場合を表したものである。同じ入力画像について4つの独立した例が、4つの異なる解像度により示されている。500ppiの画像は、期待される結果の基準ならびにトレンド(角度と周波数間の)を表している。250ppiならびに170ppiの結果は、500ppiの画像中のトレンドをほぼ追随するものである。125ppiの結果は、全体のトレンドを追随するものであるが、125ppiの解像度では平均的な指におけるリッジフローの分析ができないために減衰が存する。
【0085】
上述のシステムならびに方法は、画像処理装置、指紋処理装置等、あるいは、画像処理能力を有するプログラムされ独立した汎用コンピュータ上で実行可能である。さらに、本発明のシステムならびに方法は、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路エレメント(peripheral integrated circuit element(s))、ASICまたは他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリートエレメント回路等の配線で接続された電気回路又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、PALモデム等のプログラマブル論理回路によっても実行可能である。一般に、本発明に基づく様々な通信方法、プロトコルならびに技術を実施するため、ここで示す方法を順次実行可能である状態機械(state machine)を実現可能ないずれの装置を、本発明による画像処理システムを実現するのとして用いることができる。
【0086】
さらに、開示された方法は、様々なコンピュータまたはワークステーションプラットホーム上で使用可能なポータブルソースコードを提供する、オブジェクトまたはオブジェクト指向のソフトウエア開発環境を用いてソフトウエアによりただちに実行可能である。これに代え、開示されたシステムは、標準的な論理回路またはVLSI設計を用いたハードウエアにより、その一部または全部を実行するようにしてもよい。本発明にかかるシステムを実行するためソフトウエアまたはハードウエアのいずれを用いるかは、システムの速度および/または性能要件、特定の機能、ならびに、用いられる特定のソフトウエアまたはハードウエアシステムあるいはマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータシステムによって決定される。ここで示されるシステムならびに方法は、コンピュータおよび画像処理技術の一般的な知識、ならびに、ここで述べられている機能の説明から、適用可能な技術分野の当業者により、既知のいずれの、あるいは、将来開発されるシステムまたは構造、装置、および/またはソフトウエアを用いたハードウエアおよび/またはソフトウエアを用いてただちに実行可能である。
【0087】
また、開示されたシステムならびに方法は、プログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実行されるソフトウエアによりただちに実行することができる。これらの場合、本発明のシステムならびに方法は、パーソナルコンピュータに組み込まれたアプレット、JAVA(商標)またはCGIスクリプト等のプログラム、サーバーまたはグラフィックワークステーションに存する資源、専用の指紋処理システムに組み込まれたルーチン、すなわちプラグイン等として実行可能である。かかるシステムは、当該システムおよび/または方法を、通信送受信機のハードウエアおよびソフトウエアシステム等のソフトウエアおよび/またはハードウエアシステム中に物理的に組み入れることにより実行することもできる。
【0088】
したがって、本発明により、資源を共有するシステムおよび方法が提供されることは明らかである。本発明は、多くの実施形態を伴って説明されているが、多くの代替手段、修正、変更が存在し、あるいは、そのことについて、適用可能な分野の当業者にとって明確であることは確実である。したがって、本発明の精神ならび範囲内にある、かかる全ての代替手段、修正、均等物ならびに変更を包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0089】
本発明の実施形態は、以下の図面を参照することにより詳述される。
【図1】図1は、本発明による、指紋品質決定システムを例示している。
【図2】図2は、本発明による、指紋品質決定システムの詳細を例示している。
【図3】図3は、本発明により品質を決定する例示的な方法を概説している。
【図4】図4は、本発明による、リッジフローを実行する例示的な方法を概説している。
【図5】図5は、本発明により細分化を実行する例示的な方法を概説している。
【図6】図6は、本発明により細分化を実行する、より具体的な例示方法を概説している。
【図7】図7は、本発明により品質を決定する例示方法を概説している。
【図8】図8は、本発明による、解像度に基づきリッジフローを変更する例示的な方法を概説している。
【図9】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図10】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図11】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図12】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図13】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図14】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図15】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図16】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図17】図17は、本発明によるリッジフロー検出グリッドを示している。
【図18】図18は、本発明による係数の相関関係を示している。
【図19】図19は、本発明による平均のリッジフローを例示している。
【図20】図20は、本発明による例示的なクラスタのグループ分けを例示している。
【図21】図21は、本発明による細分化された指紋を例示している。
【図22】図22は、本発明によるグリッドの配置を例示している。
【図23】図23は、本発明によるグリッド配置の別の例を示している。
【図24】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図25】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図26】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図27】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図28】図28は、本発明による例示的なリッジフロー検出で用いられている80個の係数を例示している。
【図29】図29は、本発明によるリッジフロー検出における4つの異なる解像度において用いられている80個の係数を例示している。
【関連出願のデータ】
【0001】
本出願は、その全体が参照のため本出願に取り込まれる、”リアルタイムによる指紋の品質および細分化”と題する2006年4月26日出願の米国特許出願番号60/795、215に基づいて、合衆国特許法119条(e)による優先権を主張する。
【背景】
【0002】
本発明は、概ね、品質の決定ならびに細分化に関するものである。より具体的に述べると、本発明の例示的実施形態は、指紋、手形あるいは足跡の画像情報等の生体認証画像情報の品質ならびに細分化についての決定に関するものである。
【0003】
ライブスキャン型装置は、指の配置および画像の忠実度を得るため、操作者を補助する操作プリビューモードを提供する。しかし、これらには、処理能力、タイミングの制限ならびに処理条件が存在するので、これらの装置および関連する品質の評価指標(quality metrics)は、登録アプリケーション又は指紋自動識別システム(Automatic Fingerprint Identification System (AFIS))、ならびに、それらに関連するマッチングエンジンにより用いられる他の洗練された品質の尺度と関連する出力を提供することができない。かかるハードウエアの制限は、残りの手の構造から指紋を動的に細分化し、指紋と斑点(smudges)、粒子(particles)、遺留指紋(latent prints)等の画像の背景を分離する能力を無力化してしまう。
【0004】
これに代え、ライブスキャン型装置は、画像のコントラストに基づく品質の指標ならびに細分化用の静的スキャナプラテン領域(static scanner platen areas for segmentation)を用いる。登録ならびにAFIS/マッチングアプリケーションで用いられている指紋の品質指標には、通常、500ppiおよび1000ppiの最大解像度を使ったスキャニングが要求されるので、プリビュー機能用には適さない。
【0005】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【0006】
本発明のある例示的な側面は、解像度と無関係にリッジフロー検出技術を提供することによって、このギャップを解決するものである。次に、リッジフローの強度、リッジフローの連続性および隣接する画像コントラストとの組み合わせを通じて指紋の品質を決定するためリッジフローマップが用いられる。このリッジフローマップは、細分化の基礎として用いることもできる。
【0007】
本発明の他の例示的側面は、解像度に関係なく画像の品質を決定するためのリッジフローに基づくシステムならびに方法であって、リアルタイムで処理でき、指紋の細分化等の細分化処理を含み、これにより、4指の平面(four finger flat)、2本の親指(dual thumb)又は全指(whole hand image)の画像を有する独立した指紋に関する画像品質の判断を提供するものである。
【0008】
例えば、本発明のある例示的な側面は、リッジフローを含む指、手又は他の生体認証情報を示す画像データ等の解像度の低いプリビュー画像データを提供するライブスキャン指紋装置を用いた、登録アプリケーションを対象としている。
【0009】
さらに、本発明の他の側面は、一以上のスキャン装置から、一以上の品質、掌性、履歴情報分析およびバウンディングボックスの割り当てについて後に判断が行われる、リッジを含んだ画像を受け取る指紋品質モジュールに関する。
【0010】
本発明の更に別の側面は、リッジフローの判断に関するものである。
【0011】
本発明の別の側面は、指紋画像の細分化に関するものである。
【0012】
本発明の他の例示的側面は、指紋画像等の入力画像の品質を決定することに関する。
【0013】
本発明の更に別の例示的側面は、画像の解像度に基づき、リッジフロー処理を変更することに関する。
【0014】
本発明の別の例示的側面は、受け取り画像に基づいてフィードバックを決定し、与えることに関する。
【0015】
本発明の更に別の例示的側面は、一以上の指紋を識別し、必要に応じて、指の途中の皺(inter-digit crease)の部分で先端部分を切り取ることに関する。
【0016】
本発明の他の例示的側面は、バウンディングボックスを決定し、識別された指紋の周囲に配置することに関するものである。
【0017】
本発明の別の側面は、ライブスキャン型装置において、リアルタイムで指紋の品質を判断することに関するものである。
【0018】
本発明のこれらのおよび他の特徴ならびに効果は、ここで記載され、実施形態における以下の記載から明らかである。
【詳細な説明】
【0019】
本発明の例示的なシステムならびに方法は、画像品質および細分化について説明する。しかし、本発明を必要以上に不明瞭にすることを避けるため、以下の説明においては、よく知られた構成が省略され、ブロック図の形式で示される装置については周知であるので要約される。説明の目的において、本発明について完全な理解を提供するため多数の具体的詳細が示されている。しかしながら、理解されるように、本発明は、ここで説明される具体的詳細を超えた様々な方法で動作可能である。
【0020】
また、ここで表されている例示的な実施形態は、同一場所にあるシステムの様々な部品を示しているが、前記システムのかかる様々な部品は、LANおよび/又はインターネット、あるいは、専用システム内の離れた部分に配置しても良いことが理解される。したがって、このシステムの部品を、モデム等の一以上の装置と組み合わせ、あるいは、通信ネットワーク等の配信ネットワークの特定ノード上に配置してもよいことを理解すべきである。以下の説明ならびに計算効率の観点から理解されるように、前記システムの前記部品は、当該システムの動作に影響を及ぼすことなく、配信ネットワーク内のいずれの場所にも配置可能である。
【0021】
さらに、部品を接続するさまざまなリンクを有線又は無線、または、そのいずれの組み合わせとし、あるいは、接続されたエレメントに対してデータを供給および/またはそこからデータ供給を受けることができる、他のいずれの既存または将来開発されるエレメントとすることが可能であることを理解すべきである。これらの有線又は無線リンクをセキュアリンクとすることもでき、暗号化情報をやりとりすることも可能である。
【0022】
ここで用いられるモジュールという文言は、当該エレメントに関する機能を実行可能な、既存または将来開発されるいずれのハードウエア、ソフトウエア、あるいはその組み合わせを表すことができる。また、本発明は、例示的な実施形態の内容について説明をしているが、本発明のそれぞれの側面は別個に特許請求可能であることを理解すべきである。ここで述べられている実施形態は、指紋の品質ならびに細分化に関するものであるが、本システムおよび方法は、指、手、足又はそれらいずれかの部分の画像に含まれるがこれらには限定されない、リッジフロー等のいかなる周期的又は反復パターンを含むいずれのタイプの画像についても同様に機能することも理解すべきである。
【0023】
図1は、指紋品質システム1の例示的実施形態を示している。かかる指紋品質システム1は、一以上のフラットベッドスキャナ又は自動書類スキャナ15、ホールハンドスキャナ(whole hand scanner)20、個別指紋スキャナ25、スラップスキャナ(slap scanner)30、シングル指紋ロールスキャナ(single fingerprint roll scanner) 35、他の光学式又は非光学式スキャナ40、音声兼画像フィードバック装置45、一以上のユーザインターフェース55、デモグラフィックデータ供給装置65および記憶装置60と接続可能な指紋品質モジュール100を備えており、当該指紋品質モジュール100からの情報は出力装置50を介して出力可能である。
【0024】
前記指紋品質モジュール100は、さまざまなソースからの入力を受け取る。例えば、前記フラットベッドスキャナ又は自動書類スキャナ15は、検討のため前記指紋品質モジュール100に送られる対応画像により、情報を指紋カード10上にデジタル化する。スラップスキャンが撮影可能なホールハンドスキャナ20等の前記ライブスキャン型装置、個別指紋スキャナ25、およびスラップスキャナ30は、生体構造の一部を含むリッジフローのスキャン結果に対応する画像情報を取り込むこともできる。同様に、前記シングル指紋ロールスキャナには、指紋品質モジュール100に対するロールプリントに対応する画像情報が入力される。
【0025】
これに加え、あるいは、これに代えて、前記指紋品質モジュール100は、静電式、超音波等の他の光学又は非光学式スキャナ40、あるいは、リッジフロー情報を含む画像データを送信可能ないずれのソースから画像データを受け取ることもできる。
【0026】
一般に、リッジフロー検出を促進するため、いずれの入力画像を選択的に前処理することができる。例えば、コントラスト、画質(sharpness)あるいはサンプリングを調整するため、入力画像を前処理することができる。かかる画像は、機能拡張又は概要化(skeletonization)ために前処理することができる。
【0027】
動作中、前記指紋品質モジュール100は、入力装置の一つから画像を受け取ってリッジフローを検出する。リッジフローが一旦認識され、それが検出された場合、例えば、システム1の動作環境に基づいて、指、指先、かかと、手、手のひら等又はいずれの領域であるか、すなわち、前記画像内のどの領域かを特定することができる。
【0028】
次に、指紋品質モジュール100は、一以上の判断を行い、前記画像の品質について記録し、識別された領域に対してバウンディングボックスを割り当て、前記画像の掌性を判断し、取り込まれた一連の画像について履歴情報分析を実行する。例えば、前記画像は、指紋品質モジュール100においてリアルタイムで受け取ることができる。前記指紋品質モジュール100がスキャン結果の数フレームに渡って分析を実行することができ、これにより、例えば、前記画像の品質に関するトレンディング情報(trending information)が構築されるよう、一連の画像を記憶装置60の協力を得て記憶することができる。このトレンディング情報は、次に、指紋被採取者(fingerprintee)に対して音声又は画像によるフィードバックを供給するのを補助するため用いてもよく、および/又は、何時”良好な画像”を取り込むことができるかを予測するため動的に用いることができる。
【0029】
品質についての判断、バウンディングボックスの割り当て、掌性の判断および履歴情報分析の一以上の結果によるが、指紋品質モジュール100は、一以上の前記音声および/又は画像フィードバック装置45ならびにユーザインターフェース55を介して、フィードバックを提供することができる。例えば、前記音声および/又は画像フィードバック装置45は、スキャンが成功したかどうか、プラテン上で指を動かすことが要求されるか、強く押すのか弱く押すのか、手をまっすぐにするのか等、を示すため、指紋被採取者に対してフィードバックを提供するために用いてもよい。かかるフィードバックは、音声の合図および/又はシステム1の特定の動作環境に基づき多数の言語を伴った、音声および/又は画像および/又はグラフィックであってもよい。
【0030】
さらに、指紋品質モジュール100は、ユーザインターフェース55を介してフィードバックを提供することができる。例えば、ユーザインターフェース55は、プラテンの清掃が必要である、一以上のスキャン装置に問題がある、スキャンがうまくいったかならびに指紋情報の採取がうまくいったか否か、システムの動作状況、又は、動作に関するいずれの一般情報、あるいは、指紋品質モジュール100により処理される情報を示す命令を含んだ、フィードバック情報を使い、システム操作者により用いることができる。
【0031】
デモグラフィックデータ供給装置65と協働するユーザインターフェース55は、一以上のデモグラフィックデータ、他の生体測定データ、通常のいずれの情報と、様々なスキャン装置から受け取った一以上の画像を関連づけることを許容する。この情報は、これらには限定されないが、名前、パスポート番号、社会保障番号、スキャンに関連づけられた日および時刻、スキャン箇所に関する情報、あるいは、画像の識別、分類、カテゴリー分け又はフラグ立てを補助するために用いることができる通常のいずれの情報を含んでもよい。前記情報は、次に、デモグラフィックデータを用いて、例えば、記憶装置60内に記憶し、あるいは、出力装置50を介して出力してもよい。
【0032】
出力装置50は、例えば、指紋品質モジュールが、印刷、オフラインでの処理、識別、分析、比較、ファイルの保管(archiving)あるいは必要に応じた出力を可能にするため、デモグラフィック・メタデータ付き又は無しの一以上の画像を出力することを許容する。
図2は、指紋品質モジュール100の詳細を概説している。具体的には、指紋品質モジュール100は、その全てがリンク5によって接続された、掌性モジュール110、細分化モジュール120、サンプリングモジュール130、プロセッサ140、メモリ150、および、入出力モジュール160、シーケンスチェッキングモジュール170、品質決定モジュール180、リッジフローモジュール190、コントラストモジュール195および自動読み込みモジュール197を備えている。
【0033】
後で詳細について述べるように、複数の指の痕跡画像から指紋の細分化を実施する制限のない方法が例示的に挙げられている。
前述のように、プロセスは、指紋画像の受け取りから開始される。かかる画像を受け取り、リッジフローモジュール190と協働することにより、指紋画像の各画素リッジフローの強さ、連続性、ならびに角度等が判断される。これに代え、あるいは、これに加え、所定グリッドを横切る前記画像内の所定位置についての、強さ、角度、ならびに連続性を判断することができる。以下に、リッジフローに関する特定の方法を説明するが、受け取った画像内の様々な位置におけるリッジフローの一以上の強度、連続性ならびに角度を示す情報を出力することが可能なものでああれば、リッジフローを判断するためのどのような方法も用いることが可能であることを理解すべきである。
【0034】
細分化モジュール120は、指先の位置を識別するために必要な判断を実行する。細分化のために用いることができる様々な方法には、指の部分のバウンディングボックスを正確に識別することが唯一の条件であるものが存在する。
【0035】
品質決定モジュール180は、一以上のコントラストについての指紋画像領域の解析、リッジフローの強度および近くのリッジフロー(local ridge flow)に基づいて品質の測定基準を決定するため、リッジフロー情報ならびに細分化情報を用いる。これらの要素は、指先毎に品質の記録を生成するため組み合わせてもよい。かかる品質の記録ならびにフィードバックモジュール165との協働に基づき、適切なフィードバックを必要に応じて判断することができ、適切な目的地に転送することができる。
【0036】
サンプリングモジュール130は、受け取った画像の上下サンプリング(up or down-sampling)を可能にする。例えば、受け取った画像の解像度によるが、上下サンプリングのいずれかを行うことは、演算の観点から有利である。
【0037】
シーケンスチェッキングモジュール170は、受け取った指紋画像のシーケンスのチェックを実行する。通常のシーケンスチェックは、各指紋のスキャンに対応する画像が、例えば、人差し指から小指という特定の順序で受け取られることを示す。順序外で小指の画像が受け取られていたと判断された場合、あるいは、ある指が誤って2回画像化されていた場合には、前記フィードバックモジュール165との協働により、適切なフィードバックが判断され、適切な目的地に転送される。
【0038】
自動キャプチャモジュール197は、品質決定モジュール180とともに協動し、何時、画像がある品質基準に達することができるかについて動的に判断することが可能である。例えば、トレンディング情報は、指紋品質システム、具体的には、指紋品質モジュール100が、スキャン装置の一つから、何時、”良好な”品質のスキャンを受け取ることできるか予測するため、履歴情報を分析するとともに、解析することができる。例えば、指紋被採取者が、当初、プラテンを軽く押しているがプラテン上の圧力が継続的に増加していることをトレンディング情報が示している場合には、そこで指紋を読み込むべき理想のポイントが存在する。このように、このキャプチャモジュール197は、履歴情報を追跡し、画像キャプチャシーケンス時間内に特定ポイントにおける画像を取り込む。
【0039】
図3は、本発明による指紋品質システムの動作についての例示的な方法を概説しているフローチャートである。より具体的には、制御は、ステップS300で開始され、ステップS310へと続く。ステップS305においては、画像を受け取る。次に、ステップS310において、受け取った画像についてリッジフローが決定される。次に、ステップS315においては、受け取った画像についてリッジフロー配列が構築される。次に、制御は、ステップS320へと続く。
【0040】
ステップS320においては、受け取り画面の一以上の領域が識別される。これらの領域は、これらに限定されないが、指、指先、かかと、手、手のひら、あるいは、識別のためそれに対して指紋品質システムが割り当てられる、いずれの領域を含んでもよい。次に、制御は、ステップS325、S335、S340およびS345の一以上へと続く。
【0041】
より具体的には、ステップS325において画像の品質が決定される。画像の品質が決定されると、ステップS330においては、例えば前記品質を指先毎に記録する。次に、制御は、ステップS350へと続く。
【0042】
ステップS355においては、識別された領域に対し一以上のバウンディングボックスが割り当てられる。かかるバウンディングボックスは、識別領域の周囲に配置されるものである。より具体的にいうと、バウンディングボックスは、システムにとって特別関心のある、指、手、手のひら、下部素性(foot feature)等の周囲の関心領域(region of interest)を識別する。バウンディングボックスは、一以上のリッジフローデータを、ユーザ入力あるいはシステムに適用可能と考えられる他のデータを用いることにより決定される。前記ボックスの正確な範囲は、関心の特徴(feature of interest)の最小領域、あるいは、システムにより要求されたより大きい範囲であってもよい。
【0043】
ステップS340においては、掌性の決定(handedness determination)が実行される。これにより、例えば、受け取り画像において右手か左手かあるいはその一部が示されているかどうかをシステムが決定することが可能となる。次に、制御はステップS350へと続く。
【0044】
ステップS345においては、履歴情報の分析が行われる。前述のように、この履歴情報の分析は、システムが、複数の受け取り画像についてのトレンディング情報を動的に追跡し、一以上のトレンドに基づいて特定のアクションを起こすきっかけを与えることを可能にする。制御は、さらにステップS350へと続く。
【0045】
ステップS350においては、いずれかの先行するステップに基づき、一以上のシステムのユーザならびに指紋被採取者に対してフィードバックを与えるべきか否かの決定がなされる。フィードバックが必要であるという決定がなされた場合には、フィードバックが与えられるステップS355へと続く。そうでない場合には、制御は、さらなるスキャンが必要かどうかの決定がなされる、ステップS360へとジャンプする。追加のスキャンが必要である場合、制御は、ステップS305まで戻る。そうでない場合、制御は、制御シーケンスが終了するステップS370へと続く。
上に示された例示的な方法は、解像度と無関係に用いることができる。したがって、ここで述べられる様々な方法は、以下に詳細に述べられている同じ指紋画像であって解像度が異なる様々なバージョンにおいて動作可能な特定のリッジフロー、細分化および品質の計算を用い、様々な解像度の画像データを受け入れるため、変更可能である。解像度が同じでない場合でも、各バージョンの処理は、同様のリッジフロー検出結果をもたらす。前記プロセスの忠実度の維持を補助するため、選択された細分化プロセスおよび品質決定プロセスの両方において、解像度が変化しないようにすべきである。ここで述べられる細分化ならびに品質決定方法は、この忠実度を支持するため、解像度が変化しない方法により述べられる。
【0046】
このことは、迅速にフィードバックの決定を可能にする、この情報をリアルタイムで処理する能力とともに、リッジフローの細分化ならびに品質スコア処理の全ての側面において、解像度とは無関係であり、副解像度出力(sub-resolution output)ならびにフル解像度出力間の相関関係の度合いが高い。リッジフローをベースにした品質ならびに指における指先の位置を迅速に決定することにより、指紋品質システムは、頻繁に低解像度のプリビューデータを生成する画像キャプチャ装置を充分に利用することが可能となる。
【0047】
図4は、リッジフローを判断するための例示的な方法の詳細を概説する。 具体的に言うと、制御は、ステップS400で開始され、ステップS410へと続く。ステップS410においては、ポイントのグリッドが選択される。次に、ステップS420においては、様々な角度における所定数の周波数分のグリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数が決定される。さらに、ステップS430においては、ステップS420の決定に基づいて、周波数ならびに角度がサブウインドウ内の隣接するリッジフロートと最もよくマッチする、ピークの相関値の配列が決定される。次に、制御は、ステップS440へと続く。
【0048】
ステップS440においては、相関マップからサブウインドウ内のピークのリッジフロー角度(あるとすれば)が決定される。次に、ステップS450においては、生のリッジフローマップの平滑化ならびに平均化が任意に実行される。次に、制御は、制御シーケンスが終了するステップS460へと続く。
【0049】
図5は、例示的な細分化方法を示している。具体的に言うと、制御は、ステップS500で開始され、ステップS505へと続く。ステップS5050においては、隣接するリッジフローを複数のグループに集める(clustered into groups)。次に、ステップS510においては、各グループを分類する。さらに、ステップS515においては、小さな孤立したクラスターを無視する。次に制御は、ステップS520へと続く。
【0050】
ステップS520においては、大きなクラスタの方向が決定される。次に、ステップS525においては、主な配向角度が決定される。さらに、ステップS530において、クラスターは、被検セグメントの配向角度を介して接続可能となるよう、セグメントクラスタグループ化される。次に、制御は、ステップS535へと続く。
【0051】
ステップS535においては、セグメント化されていない、全てのクラスタグループが除去される。次に、ステップS540においては、セグメント化された各クラスタグループの最後のクラスタが、先端として認識される。次に、ステップS545において、識別された先端が長すぎるかどうかの判断がなされる。識別された先端が長すぎると判断された場合、制御は、先端を切り取るステップS550へと続くとともに、ステップS555へと続く。そうでない場合、つまり、識別された先端が長すぎない場合、制御は、各チップについてバウンディングボックスが決定されるステップS555へと続く。次に、制御は、制御シーケンスが終了するステップS560へと続く。
【0052】
図6は、本発明の例示的な実施形態による指に特化した細分化方法(finger-specific segmentation methodology)を概説する。制御は、ステップS600で開始され、ステップS605へと続く。ステップS605においては、隣接するリッジフローのプロテクションがクラスタ化され、複数のグループにされる。次に、ステップS610においては、各グループを分類する。さらに、ステップS615においては、小さな孤立したクラスタを除去可能である。次に制御は、ステップS620へと続く。
【0053】
ステップS620においては、大きなクラスタの方向が決定される。次に、ステップS625においては、主な配向角度が決定される。かかる主配向角度は、例えば、手等に対応可能である。かかる大きなクラスタの方向は、通常、こぶし等の指の一部を表すクラスタに対応している。ステップS630において、クラスタは、指の配向角度を介して接続可能となるようグループ化される。次に、ステップS635においては、指のクラスタグループでない、全てのクラスタグループが除去される。次に、各指の最も先のクラスタが、指先として認識される。次に、制御は、ステップS645へと続く。
【0054】
ステップS645においては、識別された先端が長すぎるかどうかの判断がなされる。先端が長すぎると判断された場合、制御は、指の途中の皺の部分で先端部分を切り取る、ステップS650へと続く。次に、制御は、ステップS655へと続く。
【0055】
識別された先端が長すぎない場合、制御は、各チップ用のバウンディングボックスが決定される、ステップS655にジャンプする。次に、制御は、制御シーケンスが終了する、ステップS660へと続く。
図7は、指紋等の入力画像の品質を決定するための例示的な方法を概説している。制御は、ステップS700で開始され、ステップS705へと続く。ステップS705においては、リッジフローの検出結果が識別され、受け取った細分化情報に基づいて目標となる指紋と関連づけられる。次に、ステップS710においては、各々の検出結果についてステップS715からS725が実行される。
【0056】
ステップS715においては、識別された検出結果の平均コントラストが決定される。次に、ステップS720において、各リッジフロー検出結果についてのフーリエ係数のピークが決定される。次に、ステップS725においては、各リッジフロー検出結果ならびに近隣との間のピーク角度の一致が判断される。次に、制御は、ステップS730へと続く。
【0057】
ステップS730においては、前記の結果が結合され、品質スコアに分類される。次に、ステップS735においては、全ての指紋が処理されたか否かの判断が行われる。全ての指紋が処理された場合、制御は、制御シーケンスが終了する、ステップS750へと続く。そうでない場合は、ステップS740にジャンプする。
【0058】
ステップS740において、次の目標となる指紋が選択されるとともに、制御はステップS705へと戻る。
【0059】
より詳細な実施形態において、品質を決定する最初のステップは、目標の指紋に属する、全てのリッジフロー検出結果を識別することである。この情報は、細分化プロセスから直接もたらされる。画像のコントラスト、検出強度、および角度の一致について全ての識別ブロックが、各指紋毎に処理される。かかる画像コントラストは、フーリエ解析のDC成分(DC component)から派生するものであってもよい。現在のブロックと画像の背景間の差を、この測定基準の基礎としてもよい。かかる差が大きければ大きいほど、コントラストも大きくなり、品質スコアも大きくなる。
【0060】
二番目の測定基準は、ピーク検出の相対強度である。フーリエ係数の値を、理想値と比較するようにしてもよい。係数が大きければ大きいほど、リッジフローが一層顕著となり、品質スコアが高くなる。
【0061】
最後の判断は、ピーク検出角度の近隣での一致である。検出された角度は、各ブロック毎に隣接するピーク角度と比較される。ほとんどの角度が一致する場合、この結果により品質スコアは高くなる。
【0062】
次に、全ての指先のリッジフローブロックについて品質を測定し、意味のある値にするため、これら3つの測定基準を組み合わせてもよい。かかるスコアリング方法の1つは、スコアが0から100という結果を生じさせ、ここでは、100が最も良好な画像を表すものである。
【0063】
図8は、解像度に拘わらずリッジフローの検出を行う例示的な方法を示している。制御は、ステップS800で開始され、ステップS805へと続く。ステップS805においては、入力画像の解像度に基づいて、グリッド間隔が決定される。次に、ステップS810においては、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数が調節される。次に制御は、制御シーケンスが終了するステップS815へと続く。
【0064】
図9から図16は、最上段の左隅に初期画像を示し、フィードバックの結果、最下段の右に最後に取り込まれた画像が示されている、様々なプリビュー画像シーケンスを表している。より具体的に言うと、図9において、初期画像910は、押圧が軽すぎると識別される。この時点において、指紋被採取者に対し、より強くプラテンを押すよう指示を出すことができ、この結果、指紋被採取者が強く押して、キャプチャ920において良好なキャプチャを達成することができる。また図示したように、バウンディングボックス930について予備的な判断がなされる。
【0065】
図10において、初期画像は濃すぎる。したがって、ユーザに対し、例えば、スキャナをもうすこし軽く押すようフィードバックを与えることにより、画像1020で示した良好なキャプチャが最終的に得られる。
【0066】
図11において、初期画像110は、右手が反時計回り方向に回転していることを示している。かかる検出がなされると、指紋品質システムは、指紋被採取者に対し、指紋被採取者の手をまっすぐにすること、あるいは、手を少し縦方向に向けることを要求するフィードバックを提供してもよい。キャプチャにおけるこの動的なプロセスならびにフィードバックは、例えば、良好なキャプチャ1120が達成されるまで続く。
【0067】
図12は、その一部がスキャナの右側にずれていると識別された初期画面1210を示している。繰り返しになるが、手の位置を動的に監視することにより、指紋被採取者に対し、良好なキャプチャ1220が得られるポイントになるまで、すこし手を中央に位置させるようフィードバックを与えてもよい。
【0068】
図13は、縦方向において手を中央に位置させる必要があることを示す初期画面1310を示している。指紋被採取者に対してフィードバックを与えることにより、スキャナ装置の中央に手を移動させ、スキャナ装置の中央に手が位置する最終的なキャプチャ1320を得ることができる。
【0069】
図14は、指同士がくっつきすぎているためにバウンディングボックスが一部重複している初期画像1410を示している。フィードバックを用いることにより、キャプチャ1420に示した良好なキャプチャができるようになるまで、一連のキャプチャ中に指同士がもう少し離れる。
【0070】
図15は、指同士が離れすぎて、スキャニング位置の外にある初期画像1510を示している。繰り返すが、例えば、フィードバックを用いることにより、指紋被採取者に対し、指同士をもう少しくっつけ、図1520に示した良好なキャプチャが可能になるよう指示することができる。
【0071】
図16は、手が動いたためにキャプチャの質が不十分である初期画像1610を示している。ユーザの手があまり動かなければ、キャプチャ1620に示した良好な最終キャプチャとなる。
【0072】
実際の指紋に関する説明として図17を参照すると、サンプルの指紋についてリッジフロー検出が例示的に示されている。しかし、異なる数の角度において、他の数の正弦波(sinusoids)も用いることが可能であることを理解すべきである。上記検出は、例えば、20列、20行毎に画像全体に渡りグリッド1710を構築することにより行われる。かかるグリッドは、リッジフローに関するローカルトレンドについての分析のための中心点を示している。各グリッド点1710ならびに画像については、リッジフローのために画像の小さいサブウインドウを分析することができる。各サンプル位置において、画像データの小さい矩形のウインドウは、例えば16の異なる角度の周りを回る特定周波数の5つの正弦波と比較される。16の異なる角度において、これらの5つの周波数のそれぞれについてフーリエ係数が演算される。一連の比較結果のそれぞれは、ある周波数において達成されたピークならびに隣接するリッジフローに最も相性がよい角度を伴う、80個の係数による配列である。これは、サンプル位置と比較するとポーション1810における正弦波の係数値が小さく、ポーション1820における正弦波が、ポーション1810の係数値よりも大きく、サンプル位置と比較するとポーション1830における正弦波の係数値が小さい、図18において見ることができる。
【0073】
指紋画像における全てのウインドウについて相関値が決定されると、画像内の各ウインドにおいて検出されたピークのリッジフロー角度(存在する場合)を識別するため、得られた相関マップを処理することができ、これにより、生のリッジフローマップが作成される。このデータは、図19に示された平均化リッジフローマップであって、各種矢印1910によって強調されている平均化されたリッジフローを生成するのに、特異点ならびに平滑化点又は平均化点を除去するため、さらに分析可能である。図19において見られるように、かかる矢印は、リッジフローの隣接するピーク角度を図式的に示すとともに、各矢印が、そのグリッド位置についての80の係数から識別されたピーク角度を表している。
【0074】
例えば、図20ならびに図21を参照すると、以下の例示的な一連のステップに基いて、複数の指による押圧痕からの指先の細分化を実行することができる。
【0075】
全ての隣接するリッジフロー検出結果を集め、
小さいクラスタを除去し、
各クラスタについての配向角度を識別し、
全てのクラスタについて配向角度(手の配向角度)の中央値を識別し、
この角度に沿った全てのクラスタを識別し、それらを指内にグループ化し、および
正確な指先の長さを識別するため、指先を後処理する。
【0076】
図20を参照し、さらに詳しく述べると、リッジフロー検出結果2010は、”2”で示された近似する配向角度を有する隣接した検出結果をグループ化したものである。図20で見られるように、”1”および”2”として識別され、そのように分類された、リッジフロー検出結果について2つのクラスタが存在する。
【0077】
2020等の小さく隔離されたクラスタは、除去され、あるいは、無視されるが、大きなクラスタは、クラスタの方向を判断するため処理される。次に、全てのクラスタからの中間の角度が、手についての全体的な配向角度として選択される。これらのクラスタは、配向角度に沿って位置するグループを識別するため再度処理され、手の配向角度に沿って位置するこれらのクラスタは、図21において見られるように、指2110中にグループ化される。次に、各々の色が別のクラスタを表すクラスタ化されたリッジフロー検出結果ならびに指のグループは、手の配向角度の線2020に沿って位置するクラスタとして認識される。指とクラスタが関係付けられると、最も上のクラスタを、例えば指先2030として識別するため、各グループを処理することができる。指先の長さが普通の指の長さを超えている場合、前記クラスタは、指の途中の皺部分で切り取られる。
【0078】
指先、指、手のひら、あるいは、他の目標となる指を切り取る例示的な効果の1つは、目標となる特徴に直接関連する画像領域のみを分離することにある。例えば、指先を、指の途中の皺部分の長さで切り取ってもよい。ある例示的な方法では、指の幅と指先の長さを関連づけるため擬人化ルール(anthropomorphic rule)を用いてもよい。第二の例示的な方法においては、一般に指途中の皺の部分と関連付けられているリッジフローの途絶を識別するため、リッジフローマップを解析してもよい。
【0079】
結局、前記結果は、指先とともに指先のバウンディングボックスを作り出した、全てのリッジフロー検出結果を識別したものである。リッジフローの検出は、上記検出を解像度から分離するので、本発明の他の側面と同様に、これは、入力画像の解像度とは無関係に実行可能である。
【0080】
図22から図27を参照すると、制限のない例が示されている。具体的には、画像を覆うグリッドを生成することは、入力された指先の画像の解像度と直接関連する。解像度が低下すると、グリッドの空間は、例えば、直線的に小さくなる。500ppiの空間が12X12画素とすると、250ppiは、6X6画素に相当する。例えば、図22と図23の比較において、解像度が変化してもグリッドポイントが物理的に常に同じポイント上にあるのと同様に、画素の間隔が変化してもグリッドポイントの配置は同じ位置にある。解像度が500ppiから低下すると、処理ウインドウならびにフーリエ係数の周波数は、目標となる解像度に対して直線的に減少する。例えば、フル解像度のウインドウが23X13画素であり23画素の長さ中に3周期する正弦派をサポートする場合、半分の解像度のウインドウの場合、11X6画素であり、かかる11画素の長さ中に3周期することになる。
【0081】
図24から図27に見られるように、図24は、100%の解像度である当初の500ppiを有する目標正弦波を表したものである。図25は、80%の解像度を有する目標正弦波を表したものであり、図26は、60%の解像度であり、図27は、50%、すなわち、250ppiの解像度である。
【0082】
以下の部分では、本発明の設計ならびに実行プロセスの一部として開発された暫定的なテスト製品について説明する。
図28は、指紋の画像と目標となる正弦波間(様々な角度−様々な軸および周波数−水平軸)の相関関係を表したものである。画像の配列における各”セル”は、特定周波数の正弦波を用いたリッジフロー演算に対する反応であって、特定の角度で示されたものを表している。
【0083】
データの最初の列は、DCターム(DC term)、つまり、サンプリングされたウインドウの平均的な画素値である。残りの列については、画素の輝度が、係数に関連する、すなわち、画素の輝度が高いほど、画像のサブウインドウと目標正弦波間の相関が高い。最初から最後まで各列をたどると、輝度のピークには、指先のリッジフローの一般的なトレンドに対応して指先の中心付近を移動するというトレンドが存在する。
【0084】
図29は、この画像を拡張した場合を表したものである。同じ入力画像について4つの独立した例が、4つの異なる解像度により示されている。500ppiの画像は、期待される結果の基準ならびにトレンド(角度と周波数間の)を表している。250ppiならびに170ppiの結果は、500ppiの画像中のトレンドをほぼ追随するものである。125ppiの結果は、全体のトレンドを追随するものであるが、125ppiの解像度では平均的な指におけるリッジフローの分析ができないために減衰が存する。
【0085】
上述のシステムならびに方法は、画像処理装置、指紋処理装置等、あるいは、画像処理能力を有するプログラムされ独立した汎用コンピュータ上で実行可能である。さらに、本発明のシステムならびに方法は、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路エレメント(peripheral integrated circuit element(s))、ASICまたは他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリートエレメント回路等の配線で接続された電気回路又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、PALモデム等のプログラマブル論理回路によっても実行可能である。一般に、本発明に基づく様々な通信方法、プロトコルならびに技術を実施するため、ここで示す方法を順次実行可能である状態機械(state machine)を実現可能ないずれの装置を、本発明による画像処理システムを実現するのとして用いることができる。
【0086】
さらに、開示された方法は、様々なコンピュータまたはワークステーションプラットホーム上で使用可能なポータブルソースコードを提供する、オブジェクトまたはオブジェクト指向のソフトウエア開発環境を用いてソフトウエアによりただちに実行可能である。これに代え、開示されたシステムは、標準的な論理回路またはVLSI設計を用いたハードウエアにより、その一部または全部を実行するようにしてもよい。本発明にかかるシステムを実行するためソフトウエアまたはハードウエアのいずれを用いるかは、システムの速度および/または性能要件、特定の機能、ならびに、用いられる特定のソフトウエアまたはハードウエアシステムあるいはマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータシステムによって決定される。ここで示されるシステムならびに方法は、コンピュータおよび画像処理技術の一般的な知識、ならびに、ここで述べられている機能の説明から、適用可能な技術分野の当業者により、既知のいずれの、あるいは、将来開発されるシステムまたは構造、装置、および/またはソフトウエアを用いたハードウエアおよび/またはソフトウエアを用いてただちに実行可能である。
【0087】
また、開示されたシステムならびに方法は、プログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実行されるソフトウエアによりただちに実行することができる。これらの場合、本発明のシステムならびに方法は、パーソナルコンピュータに組み込まれたアプレット、JAVA(商標)またはCGIスクリプト等のプログラム、サーバーまたはグラフィックワークステーションに存する資源、専用の指紋処理システムに組み込まれたルーチン、すなわちプラグイン等として実行可能である。かかるシステムは、当該システムおよび/または方法を、通信送受信機のハードウエアおよびソフトウエアシステム等のソフトウエアおよび/またはハードウエアシステム中に物理的に組み入れることにより実行することもできる。
【0088】
したがって、本発明により、資源を共有するシステムおよび方法が提供されることは明らかである。本発明は、多くの実施形態を伴って説明されているが、多くの代替手段、修正、変更が存在し、あるいは、そのことについて、適用可能な分野の当業者にとって明確であることは確実である。したがって、本発明の精神ならび範囲内にある、かかる全ての代替手段、修正、均等物ならびに変更を包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0089】
本発明の実施形態は、以下の図面を参照することにより詳述される。
【図1】図1は、本発明による、指紋品質決定システムを例示している。
【図2】図2は、本発明による、指紋品質決定システムの詳細を例示している。
【図3】図3は、本発明により品質を決定する例示的な方法を概説している。
【図4】図4は、本発明による、リッジフローを実行する例示的な方法を概説している。
【図5】図5は、本発明により細分化を実行する例示的な方法を概説している。
【図6】図6は、本発明により細分化を実行する、より具体的な例示方法を概説している。
【図7】図7は、本発明により品質を決定する例示方法を概説している。
【図8】図8は、本発明による、解像度に基づきリッジフローを変更する例示的な方法を概説している。
【図9】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図10】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図11】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図12】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図13】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図14】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図15】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図16】異なる品質ならびにそれに伴う例示的なフィードバック指示についてのスラップスキャン画像を示している。
【図17】図17は、本発明によるリッジフロー検出グリッドを示している。
【図18】図18は、本発明による係数の相関関係を示している。
【図19】図19は、本発明による平均のリッジフローを例示している。
【図20】図20は、本発明による例示的なクラスタのグループ分けを例示している。
【図21】図21は、本発明による細分化された指紋を例示している。
【図22】図22は、本発明によるグリッドの配置を例示している。
【図23】図23は、本発明によるグリッド配置の別の例を示している。
【図24】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図25】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図26】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図27】本発明による、異なる解像度におけるターゲットとされる正弦波を例示している。
【図28】図28は、本発明による例示的なリッジフロー検出で用いられている80個の係数を例示している。
【図29】図29は、本発明によるリッジフロー検出における4つの異なる解像度において用いられている80個の係数を例示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解像度を問わず、入力された画像について画像の品質を決定する方法であって、
受け取った画像についてリッジフロー(ridge flow)を判断するステップ、
リッジフローの配列を構築するステップ、および
前記画像の一以上の領域を識別するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像の品質を決定し、記録する(scoring)ステップを備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像の一部に対し、バウンディングボックス(bounding box)を割り当てるステップを備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像の掌性(handedness)を判断するステップを備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、さらに、複数の受け取り画像について、品質の履歴分析、掌性の判断およびバウンディングボックスの割り当ての、一以上を実行するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、さらに、画像の解像度に基づき、前記画像についてのグリッド間隔を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項7】
請求項6の方法であって、さらに、前記画像解像度に基づき、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数(Fourier coefficient frequency)を変更するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項8】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像についてグリッドのポイントを選択するステップ、ならびに、異なる角度における所定数の周波数分の前記グリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項9】
請求項8の方法であって、さらに、異なる角度における前記所定数の周波数ならびに隣接するリッジフロー間のピークの相関に基づき、相関マップを決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項10】
請求項1の方法であって、さらに、相関マップからピークのリッジフロー角度を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項11】
請求項1の方法であって、さらに、相関マップを平均化するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項12】
請求項1の方法において、前記方法は、リアルタイムで実行されること、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項13】
画像品質決定方法であって、
平均コントラストを決定するステップ、
ピークのフーリエ係数を決定するステップ、および
リッジフロー検出と隣接するリッジフロー検出間のピーク角度の一致を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項14】
請求項13の方法であって、さらに、前記受け取り画像を記録するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項15】
請求項13の方法において、前記受け取り画像は、細分化情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項16】
請求項13の方法において、前記受け取り画像は、リッジフロー情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項17】
請求項13の方法であって、さらに、前記画像決定方法に基づき、フィードバックを決定し、与えるステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項18】
細分化方法であって、
隣接するリッジフローの検出結果をグループに集めるステップ、
一以上の大きなクラスタの方向を決定するステップ、
主な配向角度(dominant orientation angle)を決定するステップ、および
被検セグメントの配向角度(suspected segment orientation angle)を介して接続可能な前記一以上の大きなクラスタをグループ分けするステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項19】
請求項18の方法であって、さらに、セグメント化されていないクラスタグループを除去するステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項20】
請求項18の方法であって、さらに、セグメント化された各クラスタグループの最後のクラスタを、指の先端として認識するステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項21】
請求項20の方法であって、さらに、前記指の先端を切り取るステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項22】
請求項20の方法であって、さらに、各指の先端に対してバウンディングボックスを決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項23】
解像度を問わず、入力された画像について画像の品質を決定するモジュールであって、
受け取った画像のリッジフローを決定し、リッジフロー配列を構築するとともに前記画像の一以上の領域を識別するため適用されるリッジフローモジュール、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定モジュール。
【請求項24】
請求項23のシステムであって、さらに、前記画像の品質を決定し、記録するため適用される品質決定モジュール、を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項23のシステムにおいて、前記リッジフローモジュールは、さらに、前記画像の一部にバウンディングボックスを割り当てるため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項23のシステムであって、さらに、前記画像の掌性を決定するため適用される掌性モジュール(handedness module)を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項23のシステムであって、さらに、一以上の品質について複数の受取り画像の履歴分析、掌性の判断およびバウンディングボックスの割り当てを実行するため適用される自動キャプチャモジュールを備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項23のシステムであって、さらに、画像の解像度に基づき、前記画像のグリッドの間隔を決定するために適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項28のシステムであって、さらに、前記画像の解像度に基づき、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数を変更するため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項23のシステムであって、さらに、前記画像についてグリッドのポイントを選択するとともに、異なる角度における所定数の周波数分の前記グリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数を決定するため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項23のシステムであって、さらに、異なる角度における前記所定数の周波数ならびに隣接するリッジフロー間のピークの相関に基づき、相関マップを決定するため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項23のシステムであって、さらに、相関マップからピークのリッジフロー角度を決定するために適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項23のシステムであって、さらに、相関マップを平均化するために適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項23のシステムであって、さらに、本システムは、リアルタイムで動作すること、
を特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項23のシステムであって、さらに、前記入力画像を再度サンプリングするため適用されるサンプリングモジュールを備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項36】
解像度を問わず、入力画像について画像の品質を決定するシステムであって、
受け取った画像についてリッジフローを判断する手段、
リッジフローの配列を構築する手段、および
前記画像の一以上の領域を識別する手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項37】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像の品質を決定し、記録する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像の一部に対し、バウンディングボックスを割り当てる手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像の掌性を判断する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項36のシステムであって、さらに、一以上の品質について複数の受取り画像の履歴分析、掌性の判断およびバウンディングボックスの割り当てを実行する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項41】
請求項36のシステムであって、さらに、画像の解像度に基づき、前記画像についてのグリッド間隔を決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項42】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像解像度に基づき、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数を変更する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項43】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像についてグリッドのポイントを選択するとともに、異なる角度における所定数の周波数分の前記グリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数を決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項44】
請求項43のシステムであって、さらに、異なる角度における前記所定数の周波数ならびに隣接するリッジフロー間のピークの相関に基づき、相関マップを決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項45】
請求項36のシステムであって、さらに、相関マップからピークのリッジフロー角度を決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項36のシステムであって、さらに、相関マップを平均化する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項36のシステムにおいて、前記システムは、リアルタイムで動作すること、
を特徴とするシステム。
【請求項48】
画像品質決定システムであって、
受け取った画像において、各検出毎にリッジフロー検出結果を判断する手段、
平均コントラストを決定する手段、
ピークのフーリエ係数を決定する手段、および
リッジフロー検出ならびに隣接するリッジフロー検出間のピーク角度の一致を決定する手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項49】
請求項48のシステムであって、さらに、前記受け取り画像を記録する手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項50】
請求項48のシステムにおいて、前記受け取り画像は、細分化情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項51】
請求項48のシステムにおいて、前記受け取り画像は、リッジフロー情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項52】
請求項48のシステムであって、さらに、前記画像決定方法に基づき、フィードバックを決定し、与える手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項53】
細分化システムであって、
隣接するリッジフローの検出結果を集めて(clustering)グループにする手段、
一以上の大きなクラスタの方向を決定する手段、
主な配向角度を決定する手段、および
被検セグメントの配向角度を介して接続可能な前記一以上の大きなクラスタを一以上のセグメントクラスタグループにする手段、を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項54】
請求項53のシステムであって、さらに、セグメント化されていないクラスタグループを除去する手段を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項55】
請求項53のシステムであって、さらに、各セグメントクラスタグループの最後のクラスタを、指の先端として認識する手段を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項56】
請求項55のシステムであって、さらに、前記指の先端を切り取る手段を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項57】
請求項55のシステムであって、さらに、各指の先端に対するバウンディングボックスを決定する手段、を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項58】
コンピュータ可読媒体であって、
その上に、請求項1から請求項22のいずれかの機能を実行するための命令を記憶したこと、
を特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項1】
解像度を問わず、入力された画像について画像の品質を決定する方法であって、
受け取った画像についてリッジフロー(ridge flow)を判断するステップ、
リッジフローの配列を構築するステップ、および
前記画像の一以上の領域を識別するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像の品質を決定し、記録する(scoring)ステップを備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像の一部に対し、バウンディングボックス(bounding box)を割り当てるステップを備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像の掌性(handedness)を判断するステップを備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、さらに、複数の受け取り画像について、品質の履歴分析、掌性の判断およびバウンディングボックスの割り当ての、一以上を実行するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、さらに、画像の解像度に基づき、前記画像についてのグリッド間隔を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項7】
請求項6の方法であって、さらに、前記画像解像度に基づき、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数(Fourier coefficient frequency)を変更するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項8】
請求項1の方法であって、さらに、前記画像についてグリッドのポイントを選択するステップ、ならびに、異なる角度における所定数の周波数分の前記グリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項9】
請求項8の方法であって、さらに、異なる角度における前記所定数の周波数ならびに隣接するリッジフロー間のピークの相関に基づき、相関マップを決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項10】
請求項1の方法であって、さらに、相関マップからピークのリッジフロー角度を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項11】
請求項1の方法であって、さらに、相関マップを平均化するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項12】
請求項1の方法において、前記方法は、リアルタイムで実行されること、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項13】
画像品質決定方法であって、
平均コントラストを決定するステップ、
ピークのフーリエ係数を決定するステップ、および
リッジフロー検出と隣接するリッジフロー検出間のピーク角度の一致を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項14】
請求項13の方法であって、さらに、前記受け取り画像を記録するステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項15】
請求項13の方法において、前記受け取り画像は、細分化情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項16】
請求項13の方法において、前記受け取り画像は、リッジフロー情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項17】
請求項13の方法であって、さらに、前記画像決定方法に基づき、フィードバックを決定し、与えるステップ、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定方法。
【請求項18】
細分化方法であって、
隣接するリッジフローの検出結果をグループに集めるステップ、
一以上の大きなクラスタの方向を決定するステップ、
主な配向角度(dominant orientation angle)を決定するステップ、および
被検セグメントの配向角度(suspected segment orientation angle)を介して接続可能な前記一以上の大きなクラスタをグループ分けするステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項19】
請求項18の方法であって、さらに、セグメント化されていないクラスタグループを除去するステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項20】
請求項18の方法であって、さらに、セグメント化された各クラスタグループの最後のクラスタを、指の先端として認識するステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項21】
請求項20の方法であって、さらに、前記指の先端を切り取るステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項22】
請求項20の方法であって、さらに、各指の先端に対してバウンディングボックスを決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする細分化方法。
【請求項23】
解像度を問わず、入力された画像について画像の品質を決定するモジュールであって、
受け取った画像のリッジフローを決定し、リッジフロー配列を構築するとともに前記画像の一以上の領域を識別するため適用されるリッジフローモジュール、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定モジュール。
【請求項24】
請求項23のシステムであって、さらに、前記画像の品質を決定し、記録するため適用される品質決定モジュール、を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項23のシステムにおいて、前記リッジフローモジュールは、さらに、前記画像の一部にバウンディングボックスを割り当てるため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項23のシステムであって、さらに、前記画像の掌性を決定するため適用される掌性モジュール(handedness module)を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項23のシステムであって、さらに、一以上の品質について複数の受取り画像の履歴分析、掌性の判断およびバウンディングボックスの割り当てを実行するため適用される自動キャプチャモジュールを備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項23のシステムであって、さらに、画像の解像度に基づき、前記画像のグリッドの間隔を決定するために適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項28のシステムであって、さらに、前記画像の解像度に基づき、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数を変更するため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項23のシステムであって、さらに、前記画像についてグリッドのポイントを選択するとともに、異なる角度における所定数の周波数分の前記グリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数を決定するため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項23のシステムであって、さらに、異なる角度における前記所定数の周波数ならびに隣接するリッジフロー間のピークの相関に基づき、相関マップを決定するため適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項23のシステムであって、さらに、相関マップからピークのリッジフロー角度を決定するために適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項23のシステムであって、さらに、相関マップを平均化するために適用されること、
を特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項23のシステムであって、さらに、本システムは、リアルタイムで動作すること、
を特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項23のシステムであって、さらに、前記入力画像を再度サンプリングするため適用されるサンプリングモジュールを備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項36】
解像度を問わず、入力画像について画像の品質を決定するシステムであって、
受け取った画像についてリッジフローを判断する手段、
リッジフローの配列を構築する手段、および
前記画像の一以上の領域を識別する手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項37】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像の品質を決定し、記録する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像の一部に対し、バウンディングボックスを割り当てる手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像の掌性を判断する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項36のシステムであって、さらに、一以上の品質について複数の受取り画像の履歴分析、掌性の判断およびバウンディングボックスの割り当てを実行する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項41】
請求項36のシステムであって、さらに、画像の解像度に基づき、前記画像についてのグリッド間隔を決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項42】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像解像度に基づき、処理ウインドウならびにフーリエ係数周波数を変更する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項43】
請求項36のシステムであって、さらに、前記画像についてグリッドのポイントを選択するとともに、異なる角度における所定数の周波数分の前記グリッドポイントの周囲のサブウインドウについて、各画像グリッドポイント毎にフーリエ係数を決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項44】
請求項43のシステムであって、さらに、異なる角度における前記所定数の周波数ならびに隣接するリッジフロー間のピークの相関に基づき、相関マップを決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項45】
請求項36のシステムであって、さらに、相関マップからピークのリッジフロー角度を決定する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項36のシステムであって、さらに、相関マップを平均化する手段を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項36のシステムにおいて、前記システムは、リアルタイムで動作すること、
を特徴とするシステム。
【請求項48】
画像品質決定システムであって、
受け取った画像において、各検出毎にリッジフロー検出結果を判断する手段、
平均コントラストを決定する手段、
ピークのフーリエ係数を決定する手段、および
リッジフロー検出ならびに隣接するリッジフロー検出間のピーク角度の一致を決定する手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項49】
請求項48のシステムであって、さらに、前記受け取り画像を記録する手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項50】
請求項48のシステムにおいて、前記受け取り画像は、細分化情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項51】
請求項48のシステムにおいて、前記受け取り画像は、リッジフロー情報を含むこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項52】
請求項48のシステムであって、さらに、前記画像決定方法に基づき、フィードバックを決定し、与える手段、を備えたこと、
を特徴とする画像品質決定システム。
【請求項53】
細分化システムであって、
隣接するリッジフローの検出結果を集めて(clustering)グループにする手段、
一以上の大きなクラスタの方向を決定する手段、
主な配向角度を決定する手段、および
被検セグメントの配向角度を介して接続可能な前記一以上の大きなクラスタを一以上のセグメントクラスタグループにする手段、を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項54】
請求項53のシステムであって、さらに、セグメント化されていないクラスタグループを除去する手段を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項55】
請求項53のシステムであって、さらに、各セグメントクラスタグループの最後のクラスタを、指の先端として認識する手段を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項56】
請求項55のシステムであって、さらに、前記指の先端を切り取る手段を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項57】
請求項55のシステムであって、さらに、各指の先端に対するバウンディングボックスを決定する手段、を備えたこと、
を特徴とする細分化システム。
【請求項58】
コンピュータ可読媒体であって、
その上に、請求項1から請求項22のいずれかの機能を実行するための命令を記憶したこと、
を特徴とするコンピュータ可読媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2009−535687(P2009−535687A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507656(P2009−507656)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/024531
【国際公開番号】WO2007/123557
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(500167917)アウェア, インコーポレイテッド (39)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/024531
【国際公開番号】WO2007/123557
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(500167917)アウェア, インコーポレイテッド (39)
【Fターム(参考)】
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