説明

振動片及び振動子の製造方法

【課題】本発明は、振動片及び振動子の製造方法に関する。
【解決手段】相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面12,14を有し、基部16及び基部16から厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部18を含む支持体10を用意する。支持体10は、複数の腕部18のそれぞれの第1の表面12に下部電極膜20が形成され、下部電極膜20上に圧電膜22が形成され、圧電膜22上に上部電極膜26が形成され、第2の表面14において複数の腕部18のそれぞれの少なくとも一部は露出領域30を有する。第2の表面14の露出領域30をエッチングする。エッチングによって厚みを減らして、複数の腕部18を厚みの方向に曲がりやすくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動片及び振動子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発振器などに使用される振動片の振動周波数を調整するために、レーザービームによって振動腕の金属膜の一部を除去することが知られている(特許文献1)。詳しくは、金属膜の一部を除去することで、その重さが減少して、振動周波数が調整される。しかしながら、重さによる調整では調整量が小さいために調整範囲に限界があった。
【特許文献1】特開2002−252546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、振動周波数の調整範囲を拡大することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動片の製造方法は、
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意し、
前記第2の表面の前記露出領域をエッチングする工程を含み、
前記エッチングによって前記厚みを減らして、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を低くする。本適用例によれば、腕部の厚みを調整し、曲げ剛性を調整することによって振動周波数を調整することができる。腕部の厚みによる周波数調整は重さによる調整よりも調整量が大きいので、振動周波数の調整範囲を拡大することができる。
[適用例2]本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記エッチングを行う前に、前記複数の前記腕部の前記第2の表面には錘金属膜が形成されており、
前記露出領域をエッチングする工程において、前記錘金属膜の表面もエッチングする。
[適用例3]本適用例に係る振動片の製造方法は、
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意し、
前記第2の表面の前記露出領域に補強金属膜を形成する工程を含み、
前記補強金属膜によって、前記複数の腕部を前記厚み方向に関する曲げ剛性を高くする。本適用例によれば、腕部の厚みを調整し、曲げ剛性を調整することによって振動周波数を調整することができ、腕部の厚みによる周波数調整は重さによる調整よりも調整量が大きいので、振動周波数の調整範囲を拡大することができる。
[適用例4]本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記支持体は、圧電材料から構成されてなる。
[適用例5]本適用例に係る振動子の製造方法は、
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意する工程と、
前記第2の表面の前記露出領域をエッチングし、前記エッチングによって前記厚みを減らして、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を低くする工程と、
前記振動片をパッケージの内部に収容する工程と、
前記パッケージの開口を塞ぐ蓋と、
を含む。
[適用例6]本適用例に係る振動子の製造方法は、
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意する工程と、
前記第2の表面の前記露出領域に補強金属膜を形成し、前記補強金属膜によって、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を高くする工程と、
前記振動片をパッケージの内部に収容する工程と、
前記パッケージの開口を塞ぐ蓋と、
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
(第1の実施の形態)
図1(A)〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法を説明する図である。本実施の形態では、支持体10を用意する。支持体10は、水晶などの圧電材料(例えば、Zカット板、ATカット板、Xカット板)から構成してもよいし、シリコンから構成してもよい。支持体10は、相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面12,14を有する。支持体10は、基部16及び基部16から厚み方向に直交して並んで延びる複数(奇数個)の腕部18を含む。腕部18の並ぶ方向において中間に位置する1つの腕部18の幅は、残りの腕部18の幅よりも広くてもよいし、同じであってもよい。ただし、全ての腕部18は、同じ厚みになっている。この形状は、板材をエッチング(ウエットエッチング及びドライエッチングの少なくとも一方)することによって得ることができる。
【0006】
図1(A)に示すように、複数の腕部18のそれぞれの第1の表面12に下部電極膜20を形成する。腕部18の並ぶ方向において奇数番目(以下、単に「奇数番目」という。)の複数の腕部18上の下部電極膜20は、相互に電気的に接続されるように形成する。腕部18の並ぶ方向において偶数番目(以下、単に「偶数番目」という。)の腕部18が複数ある場合(図示せず)には、偶数番目の複数の腕部18上の下部電極膜20は、相互に電気的に接続されるように形成する。下部電極膜20は、基部16上に至るように形成し、基部16上で下部電極膜20を電気的に接続する。下部電極膜20の形成は、スパッタリングによって導電膜を形成し、その後、導電膜をエッチングによってパターニングするプロセスを含んでもよい。あるいは、パターニングされたマスクを支持体10に形成してから、支持体10のマスクに覆われていない領域に導電膜を形成してもよい。
【0007】
図1(B)に示すように、下部電極膜20上に圧電膜22を形成する。圧電膜22は、ZnO、AlN、PZTなどの水晶よりも圧電性の高い材料から形成する。圧電膜22は、下部電極膜20の、腕部18上の部分の全体を覆っている。圧電膜22は、下部電極膜20の、基部16上の部分に開口24を有するように形成する。開口24は、奇数番目(又は偶数番目)の腕部18上にある下部電極膜20を電気的に接続する部分に配置する。圧電膜22の形成には、材料を除いて、下部電極膜20を形成する技術を適用することができる。
【0008】
図1(C)に示すように、圧電膜22上に上部電極膜26を形成する。奇数番目の複数の腕部18上の上部電極膜26は、相互に電気的に接続されるように形成されている。偶数番目の腕部18が複数ある場合(図示せず)には、偶数番目の複数の腕部18上の上部電極膜26は、相互に電気的に接続されるように形成されている。上部電極膜26は、基部16上に至るように形成し、基部16上で上部電極膜26を電気的に接続する。また、上部電極膜26は、圧電膜22の開口24を介して、下部電極膜20と電気的に接続させる。詳しくは、奇数番目の腕部18上にある下部電極膜20と、偶数番目の腕部18上にある上部電極膜26とを電気的に接続し、偶数番目の腕部18上にある下部電極膜20と、奇数番目の腕部18上にある上部電極膜26とを電気的に接続する。上部電極膜26の形成には、下部電極膜20を形成する技術を適用することができる。
【0009】
図2に示すように、複数の腕部18の第2の表面14には錘金属膜28を形成する。錘金属膜28は、腕部18の、基部16とは反対側の先端部に形成する。錘金属膜28は、第2の表面14において複数の腕部18のそれぞれの少なくとも一部は露出領域30を有するように形成する。第2の表面14には、錘金属膜28を除いて、電極膜が形成されていない。
【0010】
図3に示すように、第2の表面14の露出領域30をエッチングする。エッチングには、CF、Cなどのプラズマガスを使用したドライエッチングを適用することができる。露出領域30をエッチングするときに、腕部18の側面(第1及び第2の表面12,14を接続する面)もエッチングされてもよい。また、露出領域30をエッチングするときに、錘金属膜28の表面がエッチングされるとしても、錘金属膜28を残すようにエッチングを止める。錘金属膜28がマスクになるので、支持体10(腕部18)の錘金属膜28にて覆われた部分は、表面がエッチングされず、錘金属膜28にて覆われた部分の表面と、エッチングされた部分の表面とで段が形成される。支持体10の錘金属膜28にて覆われた部分(腕部18の先端部)は、エッチングされた部分よりも厚くなっているので錘としての効果がある。
【0011】
本実施の形態によれば、第2の表面14の露出領域30をエッチングするので、腕部18の厚みが減り、複数の腕部18を厚み方向に曲がりやすくすることができる。そして、複数の腕部18の厚みを調整することによって、腕部18の厚み方向の曲がりやすさを調整し、振動周波数を調整することができる。複数の腕部18の厚みによる周波数調整は重さによる調整よりも調整量が大きいので、振動周波数の調整範囲を拡大することができる。
【0012】
複数の腕部18の曲がりにくさ・曲がりやすさの指標として、厚み方向に関する曲げ剛性EIを用いる。図9のように腕部18(広義には、梁)に曲げモーメントM(Sは中立面を指す。)が加わった際に、腕部18が曲率1/ρ(=dθ/dx)で静的にたわんでいる場合は、
1/ρ=M/EI
の関係を有する。曲げ剛性EIが高いほど曲がりにくい。
【0013】
なお、Eは材料固有のヤング率、Iは断面2次モーメントである。
【0014】
断面2次モーメントIは、微小断面要素dAに、曲げた際に引張応力が0である中立軸AXからの距離yの2乗を、掛けた値の総和であり、式で表わすと次のように定義される。
【0015】
I=∫dA
図10のように、中立軸AXに平行な辺の長さ(幅)b、中立軸AXに垂直な辺の長さ(厚み)tの長方形の断面を有する腕部18の断面2次モーメントIは、I=bt/12となる。したがって、厚み方向に関する断面2次モーメントおよび曲げ剛性は、腕部18の厚みtの3乗に比例するため、厚みを調整することで、厚み方向の曲がりやすさを大きく制御することができる。
【0016】
なお、腕部の厚み方向の振動周波数F、腕部18の長さL、腕部18の厚み(振動する方向の厚み)tは、
F=k・t/L(k:比例定数)
の関係を有する。
【0017】
なお、腕部18の厚みの変化は、幅方向の振動周波数に影響しない。
【0018】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る振動子の製造方法を説明する図である。本実施の形態では、上述したプロセスによって、第2の表面14の露出領域30をエッチングし、エッチングによって厚みを減らして、複数の腕部18が厚み方向に曲がりやすくなった振動片1を得る。
【0019】
振動子の製造方法では、パッケージ32を用意する。パッケージ32は、振動片1を固定するための底部34と、底部34を囲む枠壁部36と、を含む。パッケージ32は、その全体を金属で形成してもよいが、主としてセラミックス等の非金属で形成する場合には、枠壁部36の上端面はメタライズされている。底部34には、真空引きを行うための通気孔38が形成されている。パッケージ32(底部34)の内面には固定電極40が形成されている。パッケージ32(底部34)の外面には外部端子42が形成されている。固定電極40と外部端子42は図示しない配線で電気的に接続されている。外部端子42は、ハンダなどによって回路基板の配線パターン(図示せず)に実装される。パッケージ32の枠壁部36には、ロウ接合によってリング44を固定しておく。
【0020】
そして、振動片1をパッケージ32の内部に収容する。振動片1は、第1の表面12を底部34に向けて、上部電極膜26が固定電極40に対向するように配置する。振動片1は、腕部18が基部16から枠壁部36に向かって延びるように固定する。基部16を底部34に固定して、腕部18をパッケージ32から浮かす。底部34は、腕部18の先端部と対向する領域が低くなっており、腕部18が曲がっても底部34に接触し難いようになっている。
【0021】
パッケージ32と振動片1の固定は接合部材46によって図る。接合部材46は、導電性樹脂材料やハンダ等の金属材料であってもよい。金属材料は加熱してもガスが出ないので好ましい。接合部材46は、基部16とパッケージ32を接合し、腕部18をパッケージ32から浮いた状態に保持する。接合部材46は、基部16にある上部電極膜26と固定電極40を電気的及び機械的に接合する。
【0022】
リング44には、蓋48を固定する。蓋48は、振動片1が固定されるパッケージ32とオーバーラップしてパッケージ32の開口を塞ぐ。蓋48は、表面及び裏面を貫通する貫通穴50を有する。貫通穴50は、円形の開口形状をなしている。蓋48は、ガラス又は樹脂などの材料からなる光透過性部材52を含む。光透過性部材52は、貫通穴50の内面に密着してなる。
【0023】
パッケージ32の開口を蓋48によって塞いだ後に、パッケージ32に形成された通気孔38を介して、蓋48によって塞がれたパッケージ32内を真空にし、その後、ロウ材54で通気孔38を塞ぐ。
【0024】
振動子の製造方法は、腕部18の先端部にある錘金属膜28の一部を除去する工程をさらに含む。この工程は、パッケージ32の開口を蓋48によって塞いだ後(例えばさらに真空引き工程後)に行う。この工程は、光透過性部材52を通して、錘金属膜28に対してレーザービームを照射して行う。こうすることで、錘金属膜28を軽くすることができる。錘金属膜28が形成された腕部18の先端部の重さが重いほど腕部18の振動周波数が低くなり、軽いほど腕部18の振動周波数が高くなる。これを利用して周波数調整を行うことができる。上述した腕部18のエッチングによる周波数調整を粗調といい、錘金属膜28のトリミングによる周波数調整を微調ということができる。
【0025】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る製造方法により製造された振動子の動作を説明する断面図である。本実施の形態により製造される振動子は、上記プロセスから自明な構成を含む。
【0026】
本実施の形態では、上部電極膜26と下部電極膜20は、クロス配線によって交流電源に接続され、駆動電圧としての交番電圧が印加されるようになっている。奇数番目の腕部18の上部電極膜26と偶数番目の腕部18の下部電極膜20が同電位であり、奇数番目の腕部18の下部電極膜20と偶数番目の腕部18の上部電極膜26が同電位である。上部電極膜26と下部電極膜20の間に電圧を印加し、圧電膜22を伸縮させることで、支持体10の腕部18を屈曲振動させる。腕部18は、第1又は第2の表面14が向く方向に屈曲する。基本波モードの固有振動周波数で駆動すると、奇数番目の腕部18と偶数番目の腕部18は、互いに逆相振動となるように励振されて屈曲振動する。
【0027】
振動子を使用して、発振器又はセンサを構成することができる。振動子を含む発振回路で発振器を構成すると、周波数精度の高い交流信号を得ることができる。また、振動子を使用したセンサは、物理量に応じて振動片の周波数が変動することを利用してその物理量を検出するセンサである。例えば、温度、加速度によって発生する応力、角速度によって発生するコリオリ力などを検出するセンサが例に挙げられる。
【0028】
(第1の変形例)
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法の第1の変形例を説明する図である。この変形例では、下部電極膜(図示せず)、圧電膜122及び上部電極膜126を有する第1の表面112に錘金属膜128を形成し、第2の表面(図6の裏面)には錘金属膜を形成しない。腕部118の第2の表面の全体が、支持体110の材料が露出する露出領域であってもよい。この支持体110の第2の表面の露出領域に対してエッチングを行う。この場合、エッチング後の第2の表面は平坦になる。その他の内容は、上記実施の形態で説明した内容を適用することができる。この変形例でも、腕部118の厚みを減らして周波数調整を行うことができる。
【0029】
(第2の変形例)
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法の第2の変形例を説明する図である。この変形例では、第2の表面214に錘金属膜が形成されない支持体210を用意し、第2の表面214の露出領域230に対してエッチングを行い、その後、第2の表面214に錘金属膜228を形成する。その他の内容は、上記実施の形態で説明した内容を適用することができる。この変形例でも、腕部218の厚みを減らして周波数調整を行うことができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る振動片の製造方法を説明する図である。本実施の形態で用意する支持体310は、第2の表面314に錘金属膜が形成されない点を除き、第1の実施の形態で用意する支持体10と同じである。腕部318の第2の表面314の全体が、支持体310の材料が露出する露出領域330であってもよい。
【0031】
本実施の形態では、第2の表面314の露出領域330に補強金属膜356を形成する。例えば、SiO、Au、Cr、Al等で成膜することで補強金属膜356を形成する。補強金属膜356によって、複数の腕部318を厚み方向に曲がりにくくする。つまり、腕部318及び補強金属膜356からなる部分が、元々の腕部318よりも厚くなるので剛性が高まる。これにより、周波数を上げることができる。本実施の形態によれば、腕部318を曲がりにくくすることによって振動周波数を調整することができる。その後、上記振動片1を使用して振動子を製造する方法には、第1の実施の形態で説明した内容が該当する。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1(A)〜図1(C)は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る振動子の製造方法を説明する図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る製造方法により製造された振動子の動作を説明する断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法の第1の変形例を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法の第2の変形例を説明する図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態に係る振動片の製造方法を説明する図である。
【図9】図9は、腕部の曲げモーメントとたわみを表わす図である。
【図10】図10は、断面2次モーメントを説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1…振動片、 10…支持体、 12…第1の表面、 14…第2の表面、 16…基部、 18…腕部、 20…下部電極膜、 22…圧電膜、 24…開口、 26…上部電極膜、 28…錘金属膜、 30…露出領域、 32…パッケージ、 34…底部、 36…枠壁部、 38…通気孔、 40…固定電極、 42…外部端子、 44…リング、 46…接合部材、 48…蓋、 50…貫通穴、 52…光透過性部材、 54…ロウ材、 110…支持体、 112…第1の表面、 118…腕部、 126…上部電極膜、 128…錘金属膜、 210…支持体、 214…第2の表面、 218…腕部、 228…錘金属膜、 230…露出領域、 310…支持体、 310…支持体、 314…第2の表面、 318…腕部、 330…露出領域、 356…補強金属膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意し、
前記第2の表面の前記露出領域をエッチングする工程を含み、
前記エッチングによって前記厚みを減らして、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を低くする振動片の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された振動片の製造方法において、
前記エッチングを行う前に、前記複数の前記腕部の前記第2の表面には錘金属膜が形成されており、
前記露出領域をエッチングする工程において、前記錘金属膜の表面もエッチングする振動片の製造方法。
【請求項3】
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意し、
前記第2の表面の前記露出領域に補強金属膜を形成する工程を含み、
前記補強金属膜によって、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を高くする振動片の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された振動片の製造方法において、
前記支持体は、圧電材料から構成されてなる振動片の製造方法。
【請求項5】
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意する工程と、
前記第2の表面の前記露出領域をエッチングし、前記エッチングによって前記厚みを減らして、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を低くする工程と、
前記振動片をパッケージの内部に収容する工程と、
前記パッケージの開口を塞ぐ蓋と、
を含む振動子の製造方法。
【請求項6】
相互に反対を向いて厚みを定義する第1及び第2の表面を有し、基部及び前記基部から前記厚み方向に直交して並んで延びる複数の腕部を含む支持体であって、前記複数の腕部のそれぞれの前記第1の面に下部電極膜が形成され、前記下部電極膜上に圧電膜が形成され、前記圧電膜上に上部電極膜が形成され、前記複数の腕部のそれぞれの少なくとも一部に、前記第2の表面が露出している露出領域を有する支持体を用意する工程と、
前記第2の表面の前記露出領域に補強金属膜を形成し、前記補強金属膜によって、前記複数の腕部の前記厚み方向に関する曲げ剛性を高くする工程と、
前記振動片をパッケージの内部に収容する工程と、
前記パッケージの開口を塞ぐ蓋と、
を含む振動子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−171118(P2009−171118A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5768(P2008−5768)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】