説明

接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路

本発明は、接触式ICカードに電源を供給する電源インターフェース回路を具現するにあたって、さらに簡単な構成で且つ安定して電源を供給することができる技術に関する。本発明による電源インターフェース回路は、外部から供給される電源制御信号を反転及び増幅して出力する電源制御部と、前記電源制御部の出力信号によって相補型トランジスタ部の接地端子側トランジスタのオン/オフ動作を制御するスイッチングダイオード部と、前記電源制御部から直接入力される制御信号と前記スイッチングダイオード部を介して入力される制御信号によって相補型トランジスタが互いに相反する動作を行いながら電源端子電圧を電源出力部側に伝達するか、または当該電源出力部のカード電源端子を接地電圧のレベルにミューティングさせる相補型トランジスタ部と、前記相補型トランジスタ部の動作によって、当該相補型トランジスタ部を介して入力される電圧をICカードのカード電源端子に出力するか、またはカード電源端子を接地電圧のレベルに維持する電源出力部と、を備えて構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なカード読み取り機に適用される電源インターフェース回路の設計技術に関し、特に、接触式ICカードに電源を供給する電源インターフェース回路を具現するにあたって、さらに簡単な構成で安定した電源を供給することができる接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、接触式ICカードと非接触式ICカードとに分けられる。接触式ICカードは、カードの8ピン端子を介してカードリーダーと物理的に連結されて通信を行うのに対し、非接触式ICカードは、所定範囲内で無線周波数信号を利用してカードリーダーと通信を行う。前記接触式ICカードは、汎用加入者識別モジュール(USIM)や加入者識別モジュール(SIM)を内蔵したICカード端末機または各種モバイル機器やゲーム機などに適用される。また、前記接触式ICカードには、バッテリーがなく、カードリーダーに連結された状態だけで電源インタペース回路から供給される電源により活性化され、連結状態が解除されれば、供給される電源が遮断され、不活性化状態を維持する。
【0003】
このために、接触式ICカードのリーダーは、接触式ICカードと連結される時、所定レベルの電圧を供給し、連結が遮断される時には、電源供給を遮断するカード電源インターフェース回路を具備する。
【0004】
従来の接触式ICカード読み取り機の電源インターフェース回路は、ワンチップ(One Chip)インターフェース素子で具現されたが、接触式ICカードと分離した状態でも、電源出力端の電圧がゼロレベルを安定して維持せず、所定レベル(約1V)以上に維持されることがあり、接触式ICカードに悪い影響を及ぼすという問題点があった。
【0005】
また、従来の接触式ICカード読み取り機の電源インターフェース回路の場合、回路構成の特性上、空間を多く占めるので、小型化及びコスト低減を図ることが困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ICカード読み取り機に適用され、接触式ICカードに電源を供給する電源インターフェース回路を具現するにあたって、回路を簡単で且つ安価で具現し、接触式ICカードと分離した状態で電源出力端の電圧をゼロレベルに安定して維持することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、外部から供給される電源端子電圧をスイッチングダイオード部及び相補型トランジスタ部に伝達する電源入力部と、外部から供給される電源制御信号を反転及び増幅して出力する電源制御部と、前記電源制御部の出力信号によって相補型トランジスタ部の接地端子側トランジスタのオン/オフ動作を制御するスイッチングダイオード部と、前記電源制御部から直接入力される制御信号と前記スイッチングダイオード部を介して入力される制御信号によって相補型トランジスタが互いに相反する動作を行いながら前記電源端子電圧を電源出力部側に伝達するか、当該電源出力部のカード電源端子を接地電圧のレベルにミューティングさせる相補型トランジスタ部と、前記相補型トランジスタ部の動作によって、当該相補型トランジスタ部を介して入力される電圧をICカードのカード電源端子に出力するか、カード電源端子を接地電圧のレベルで維持する電源出力部と、を備えて構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、IC読み取り機や汎用加入者識別モジュール(USIM)、加入者識別モジュールなどに適用可能な電源インターフェース回路を具現するにあたって、回路を簡単に具現し、製品の小型化及び原価低減に寄与することができるという効果がある。
【0009】
また、接触式ICカードと分離した状態で、電源出力端の電圧を確実で且つ安定してゼロレベルに維持することができ、製品の信頼性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路のブロック図である。
【図2】本発明による接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。図1は、本発明による接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路のブロック図である。同図に示すように、電源制御部1、電源入力部2、スイッチングダイオード部3、相補型トランジスタ部4及び電源出力部5で構成する。
【0012】
電源入力部2は、外部から所定レベルの電源端子電圧を供給されて、これをスイッチングダイオード部3及び相補型トランジスタ部4に伝達する。
【0013】
電源制御部1は、外部から供給される電源制御信号EN_CARD_VCCを反転させ、所定レベルに緩衝増幅し、当該増幅した信号をスイッチングダイオード部3と相補型トランジスタ部4に出力する。
【0014】
スイッチングダイオード部3は、前記電源制御部1の出力信号によって相補型トランジスタ部4の接地端子側トランジスタのオン/オフ動作を制御する。
【0015】
相補型トランジスタ部4は、前記電源制御部1から直接入力される制御信号と前記スイッチングダイオード部3を介して入力される制御信号によって相補型トランジスタが互いに相反する動作を行いながら前記電源入力部2を介して入力される電源端子電圧を電源出力部5側に伝達するか、当該電源出力部5のカード電源端子CARD_VCCを接地電圧のレベルにミューティングさせる。
【0016】
電源出力部5は、前記相補型トランジスタ部4の動作によって、電圧を出力するモードでは当該相補型トランジスタ部4を介して入力される電圧をICカードのカード電源端子CARD_VCCに出力し、電圧を出力しないモードでは、当該カード電源端子CARD_VCCが接地電圧のレベルに維持される。
【0017】
以下、図1の各部の作用を図2の回路図を参照してさらに詳しく説明する。電源入力部2Aは、外部から所定レベルの電源端子電圧5Vを入力されて、これをスイッチングダイオード部3のアノード共通アクセスポイントに供給し、電源入力部2Bも外部から当該電源端子電圧5Vを入力されて、これを相補型トランジスタ部4上のPNP型トランジスタQ1のエミッタに供給する。
【0018】
このような状態で、接触式ICカード(図示せず)の電源端子が電源出力部5のカード電源端子CARD_VCCに接触すれば、ICカード読み取り機の制御装置が当該事実を認識し、電源制御信号EN_CARD_VCCを「ハイ」に出力する。
【0019】
この時、電源制御部1は、インバータI1を利用して前記「ハイ」の電源制御信号EN_CARD_VCCを「ロウ」に変換する。
【0020】
これにより、前記電源制御部1のインバータI1から出力される「ロウ」信号が相補型トランジスタ部4のトランジスタQ1のベース側に伝達され、当該トランジスタQ1がオンにされる。
【0021】
この時、前記電源制御部1のインバータI1の出力端子側が「ロウ」なので、前記電源入力部2Aを介して供給される電源端子電圧5Vは、スイッチングダイオード部3のダイオードD1を介して当該インバータI1の出力端子側に供給され、前記相補型トランジスタ部4のNPN型トランジスタQ2のベースが「ロウ」状態となる。これにより、前記トランジスタQ2がオフにされる。
【0022】
したがって、前記電源入力部2Bを介して入力される電源端子電圧5Vが、前記トランジスタQ1を介して電源出力部5のコンデンサC2に充電され、当該充電電圧が前記カード電源端子CARD_VCCに出力される。これにより、前記カード電源端子CARD_VCC及び前記接触式ICカードの電源端子を介して当該接触式ICカードに電源端子電圧5Vが伝達される。
【0023】
これにより、前記ICカードが活性化されるので、前記ICカード読み取り機の制御装置との通信が可能になる。したがって、前記ICカード読み取り機の制御装置は、前記ICカードからデータを読み出すか、または書き込むことができる。
【0024】
前記ICカード読み取り機の制御装置と前記ICカードとの通信が完了すれば、当該ICカード読み取り機の制御装置は、前記電源制御信号EN_CARD_VCCを「ロウ」に出力する。また、前記「ロウ」の電源制御信号EN_CARD_VCCは、前記電源制御部1のインバータI1により「ハイ」に変換される。
【0025】
これにより、前記電源制御部1のインバータI1から出力される「ハイ」信号が相補型トランジスタ部4のトランジスタQ1のベース側に伝達され、当該トランジスタQ1がオフにされる。これにより、前記電源入力部2Bを介して入力される電源端子電圧5Vが当該トランジスタQ1によって遮断される。
【0026】
この時、前記電源制御部1のインバータI1の出力端子側が「ハイ」なので、前記電源入力部2Aを介して入力される電源端子電圧5Vは、スイッチングダイオード部3のダイオードD2を介して前記相補型トランジスタ部4のトランジスタQ2のベースに供給され、これにより、当該トランジスタQ2がオンにされる。
【0027】
したがって、前記電源出力部5のコンデンサC2及びカード電源端子CARD_VCC側の残留電圧が前記トランジスタQ2を介して接地端子に迅速にミューティングされる。これにより、前記カード電源端子CARD_VCCの電圧レベルがゼロ(“0”)レベルに安定して維持される。
【0028】
これにより、前記ICカードが不活性化状態に置かれるようになり、ICカード読み取り機の制御装置との通信が不可能になる。したがって、前記ICカード読み取り機の制御装置は、前記ICカードからデータを読み出したり、書き込んだりすることができない。
【0029】
前記電源入力部2A、2Bは、説明の便宜上、各々異なる符号を付与して表現したが、実質的に図1のように1つの電源入力部2で具現される。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施例について詳しく説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義する本発明の基本概念に基づいてさらに多様な実施例で具現されることができ、このような実施例も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0031】
1 電源制御部
2 電源入力部
3 スイッチングダイオード部
4 相補型トランジスタ部
5 電源出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される電源制御信号を反転及び増幅して出力する電源制御部と、
前記電源制御部の出力信号によって相補型トランジスタ部の接地端子側トランジスタのオン/オフ動作を制御するスイッチングダイオード部と、
前記電源制御部から直接入力される制御信号と前記スイッチングダイオード部を介して入力される制御信号によって相補型トランジスタが互いに相反する動作を行いながら電源端子電圧を電源出力部側に伝達するか、または当該電源出力部のカード電源端子を接地電圧のレベルにミューティングさせる相補型トランジスタ部と、
前記相補型トランジスタ部の動作によって、当該相補型トランジスタ部を介して入力される電圧をICカードのカード電源端子に出力するか、またはカード電源端子を接地電圧のレベルに維持する電源出力部と、を備えて構成されることを特徴とする接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路。
【請求項2】
前記電源制御部は、電源制御信号を反転及び増幅するインバータを備えることを特徴とする請求項1に記載の接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路。
【請求項3】
前記スイッチングダイオード部は、
アノードが電源入力端子側に接続され、カソードが前記電源制御部の出力端側に接続された第1ダイオードと、
アノードが電源入力端子側に接続され、カソードが前記相補型トランジスタ部の接地端子側トランジスタのベースに接続された第2ダイオードと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路。
【請求項4】
前記相補型トランジスタ部は、
エミッタが電源入力部の電源端子に接続され、ベースが前記電源制御部の出力端に接続され、コレクタが電源出力部の電源入力端に接続されたPNP型トランジスタと、
コレクタが前記PNP型トランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記スイッチングダイオード部の出力端に接続され、エミッタが接地端子に接続されたNPN型トランジスタと、で構成されることを特徴とする請求項1に記載の接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路。
【請求項5】
電源出力部は、当該入力端子が接触式ICカードのカード電源端子に接続され、当該アクセスポイントがコンデンサを介して接地端子に接続されることを特徴とする請求項1に記載の接触式集積回路カード読み取り機の電源インターフェース回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−513720(P2012−513720A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543418(P2011−543418)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007451
【国際公開番号】WO2010/074443
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(511152577)サムスン エス.ディー.エス シーオー., エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】