説明

携帯型情報端末および情報処理システム

【課題】 表示する画像の領域を拡大し、表示対象の制限を緩和あるいは撤廃することのできる携帯型情報端末およびこれを用いた情報処理システムを得ること。
【解決手段】 携帯型情報端末100の表示部104を開くと、その内部には扉側に第1の液晶ディスプレイ111が配置されており、装置本体側には第2の液晶ディスプレイ112が配置されている。したがって、これらの液晶ディスプレイ111、112を使用して実質的に大画面で文字や画像等の情報を表示することができる。情報処理システムは、大画面用の画像を扱う大画面用サーバ123と小画面用の画像を扱う小画面用サーバ124を用意しており、これらを切り替えて使用することで、ディスプレイのサイズに対応することもできる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯型電話機あるいはPHSやモデムを使用した携帯型のコンピュータのように比較的小型で携帯することのできる携帯型情報端末およびこれを用いた情報処理システムに係わり、特にインターネットのような各種情報の表示を行うことのできる携帯型情報端末および情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯型電話機のような携帯型情報端末の発展は目覚しい。特に携帯型電話機はその通信端末としての機能を生かして、本来の電話機としての機能だけでなく、通信網を利用して各種の情報を表示する装置としての特徴を際立たせてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、携帯型電話機は胸のポケットに入るようにまで小型化され、また軽量化されているため、そのディスプレイの大きさはデスクトップタイプのパーソナルコンピュータのそれと比較すると大変小さい。このため、情報を表示する装置として活用しようとすると、せいぜい文字や簡単な図形あるいは簡単な写真や解像度の低い動画を表示するのが精一杯であった。
【0004】このように携帯型電話機やその他の携帯型情報端末はその外観としてのサイズに制限があったので、そのサイズよりも小さなサイズのディスプレイを備えるしかない。このため、デスクトップタイプのパーソナルコンピュータが大きな画面を使用して各種のホームページにアクセスして画像を自在に表示できるのに対して、予め携帯型電話機等の携帯型情報端末用に用意された簡単な画像構成のホームページしかアクセスすることができないという問題があった。
【0005】また、テキスト情報の表示を行う場合にも、その表示範囲が狭い関係で電子メールの内容や長い文章を表示する場合には頻繁に画面のスクロールやページの切り替えを行う必要があり、内容の把握が困難であった。また、小さな文字で表示しないと一度に表示する文字や記号の数が少ないので、これらの文字や記号を小さく、あるいは低品位で表示することになり、読みにくく疲れやすいといった問題があった。
【0006】そこで本発明の目的は、表示する画像の領域を拡大し、表示対象の制限を緩和あるいは撤廃することのできる携帯型情報端末およびこれを用いた情報処理システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明では、(イ)1つの面に展開可能な状態で折り畳まれた複数の構成面のうちの少なくとも2面に配置されたディスプレイと、(ロ)これらのディスプレイの少なくとも2つ以上が隣接するように展開された状態でこれらのディスプレイに対して1つに表示すべき画像を分担して表示させる表示手段とを携帯型情報端末に具備させる。
【0008】すなわち請求項1記載の発明では、携帯型情報端末の複数のディスプレイを展開可能な状態で折り畳まれた構造として、これらのディスプレイの少なくとも2つ以上が隣接するように展開された状態でこれらのディスプレイに本来1つに表示すべき画像を分担して表示させることで、画像の表示領域を拡大している。これにより、文字のみの表示しかできないといった制限を無くすことが可能になる。
【0009】請求項2記載の発明では、(イ)文字等の情報を表示する表示部と、(ロ)この表示部の表示を光学的に拡大して他の部位あるいは光学的な画像表示位置に表示する拡大手段とを携帯型情報端末に具備させる。
【0010】すなわち請求項2記載の発明では、携帯型情報端末自体に拡大する元となる情報を表示する表示部と、この表示部の表示を光学的に拡大して他の部位あるいは光学的な画像表示位置に表示する拡大手段を備えさせることで、画像の表示領域を拡大している。これにより、文字のみの表示しかできないといった制限を無くすことが可能になる。ここで光学的な画像表示位置とは、たとえばレンズを使用して虚像が空間的に表示されるその位置をいう。これに対して他の部位とは、たとえばスクリーンのように現実に画像が投影される場所をいう。
【0011】請求項3記載の発明では、(イ)インターネット網から比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得する大画面用データ取得手段と、(ロ)この大画面用データ取得手段の取得したデータをバイナリデータとして送信するデータ送信手段と、(ハ)この送信手段の送信したデータを受信し、1つに表示すべき画像を複数のディスプレイに分担して表示させる携帯型情報端末とを情報処理システムに具備させる。
【0012】すなわち請求項3記載の発明では、インターネット網から比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得し、これをバイナリデータで携帯型情報端末に送信し、これを携帯型情報端末側では複数のディスプレイに分担して表示させることで、たとえば処理能力が低い携帯型情報端末であっても画像等を含んだような比較的大きな画面の表示を容易に行うことが可能になる。
【0013】請求項4記載の発明では、(イ)インターネット網から比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得する大画面用データ取得手段と、(ロ)インターネット網から比較的小さな画面に表示するための小画面用のデータを取得する小画面用データ取得手段と、(ハ)これらのデータ取得手段の一方を表示先の装置の画面のサイズに応じて選択し、取得したデータをバイナリデータとしてその装置に送信するデータ送信手段とを情報処理システムに具備させる。
【0014】すなわち請求項4記載の発明では、従来と同様に携帯型情報端末等のために取得する小画面用データだけでなく、比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得可能にしている。そして、これらのデータ取得手段の一方を表示先の装置の画面のサイズに応じて選択し、取得したデータをバイナリデータとしてその装置に送信することで、それぞれの装置にあったデータの表示が行えることになる。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項3または請求項4記載の情報処理システムでデータ送信手段が送信したデータを受信した装置が大画面用のデータを外部の表示部に表示させることを特徴としている。
【0016】すなわち請求項5記載の発明では、携帯型情報端末自体で大画面を備えるのではなく、大画面用のデータを外部の表示部に表示させるようにしている。これにより、携帯型情報端末自体に大画面を備えることなく、このような表示が可能になる。しかも装置(携帯型情報端末)はバイナリデータを処理すればよいので、処理に際する負担を軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
【0018】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の一実施例における携帯型情報端末の外観を表わしたものである。本実施例の携帯型情報端末100は携帯型電話機であって、その上部にアンテナ101およびスピーカ102が配置されており、スピーカ102のすぐ下には電話番号等の簡単なデータを表示するための液晶ディスプレイ103が配置されている。この液晶ディスプレイ103の下には開閉自在の扉構造の表示部104が配置されている。表示部104の更に下にはダイヤル操作等の各種操作用のキー群105とマイク106が配置されている。表示部104の表面はプラスチックあるいは金属で覆われており、何らの表示も行われない。ただし、装置によってはこの部分に各種操作用のキー群105を追加的に配置していてもよい。また、液晶ディスプレイを通常のサイズとしてこの表側に配置することは可能である。この場合には電話番号等の簡単なデータを表示するための図1に示した液晶ディスプレイ103を省略してよい。
【0020】図2は、この携帯型情報端末の表示部を開いた状態を示したものである。表示部104を開くとその内部には扉側に第1の液晶ディスプレイ111が配置されており、装置本体側には第2の液晶ディスプレイ112が配置されている。したがって、これらの液晶ディスプレイ111、112を1つの画面として使用することで、実質的に大画面で文字や画像等の情報を表示することができる。
【0021】図3は、本実施例の携帯型情報端末を使用してインターネットのホームページ(URL:uniform resource locators)をアクセスするための情報処理システムの概要を表わしたものである。各携帯型情報端末1001、……100Nは、それぞれ該当する基地局1211、……121Mを介してWAP(wireless application protocol)サーバ122に接続されるようになっている。WAPサーバ122は、基地局1211、……121Mのうちの対応するものを介して各携帯型情報端末1001、……100Nのうちのインターネットの所定のホームページにアクセスしたものに対して、1画面ごとのバイナリデータを送信する機能を有するサーバである。なお、ここでバイナリデータとは、必ずしもビットマップデータであることを意味せず、テキストデータ等のデータがバイナリで送信されるものであればよい。
【0022】WAPサーバ122は、大画面用サーバ123および小画面用サーバ124を介して、インターネット網125に接続されている。インターネット網125には、図示しないモデムやルータを介して通常のデスクトップ型あるいはラップトップ型等のパーソナルコンピュータ126も接続されている。
【0023】周知のように、パーソナルコンピュータ126は、モデムやルータを介してインターネット網125の該当するURLのHTML(hypertext markup language)等で記述されたデータを直接ダウンロードしてそのディスプレイ127に表示する。これに対して本実施例の各携帯型情報端末1001、……100Nは、WAPサーバ122を介してバイナリデータを受信して表示することで画像処理の負担の軽減を図っている。
【0024】従来の携帯型電話機では、そのディスプレイのサイズが小型であったため、インターネット網125から文字を主体とし携帯型電話機専用に記述されたホームページからデータを小画面用サーバ124にダウンロードしている。そして、これを前記した各画面ごとの情報を表示するためのバイナリデータに直接変換して基地局1211、……121Mのうちの対応するものに送信することにしている。
【0025】本実施例でもこの手法で小画面用サーバ124にダウンロードされたデータを基地局1211、……121Mのうちの対応するものに送信してもよいが、WAPサーバ122に総括的に送信してここから基地局1211、……121Mのうちの対応するものに送信するようにしている。大画面用サーバ123はパーソナルコンピュータ126がアクセスするのと全く同じタイプのホームページをダウンロードし、これをWAPサーバ122に転送するようにしている。WAPサーバ122、大画面用サーバ123および小画面用サーバ124は図示しないが共にCPU(中央処理装置)を搭載しており、同じく図示しない記憶媒体に格納された制御用のプログラムを用いてそれぞれ所定の制御動作を行うようになっている。
【0026】図4は、いずれかの携帯型情報端末がホームページにアクセスした場合の本実施例のWAPサーバの制御の要部を表わしたものである。図3に示した各携帯型情報端末1001、……100Nのうちの任意のものがホームページにアクセスするためにURLを指定してくると(ステップS141:Y)、要求先の携帯型情報端末100が大画面モードであるか、それ以外としての小画面モードであるかを判別する(ステップS142)。ここで大画面モードとは、図2で示したような従来のディスプレイよりも大きな表示部104で表示するモードである。すなわち、本実施例の携帯型情報端末100がホームページの表示を要求した場合には、大画面モードによる処理が要求されているものとWAPサーバ122は判別する。これに対して、従来の小型の1画面のディスプレイで表示する携帯電話(図示せず)からホームページのアクセスがあった場合には、小画面モードであるとの判別が行われる。なお、大画面と小画面を切り替えることのできる携帯型情報端末が使用される場合には、どちらのサイズで表示を行うかによってモードが異なることになる。
【0027】図5は、大画面と小画面を切り替えることのできる携帯型情報端末におけるデータの処理の様子を表わしたものである。大画面を表示するための大画面モードであれば(ステップS161:Y)、大画面用サーバ123を使用してデータを取得し、大画面のディスプレイに対してこれを表示する(ステップS162)。たとえば、図2に示す第1の液晶ディスプレイ111と第2の液晶ディスプレイ112で大画面を構成する場合には、たとえば同一の画像情報をこれらに2分割して表示することになる。表示する画面が全体として大きいので、テキスト情報であればより多くのものが表示可能であるし、画像データやこれに他のデータを組み合わせたものも表示可能である。なお、1つの画像を2つに分割して表示するには、たとえば1ページ分のビットマップメモリに表示された画像データを2つの領域に分割して読み出したり、あるいは2つのビットマップメモリに1ラインを半分に区切りながら読み込んで読み出す等の慣用的な手法を用いればよい。
【0028】ステップS161で、大画面モードではなく小画モードであると判断された場合には(N)、小画面用サーバ124を使用してデータを取得し、小画面のディスプレイに対してこれを表示することになる(ステップS163)。小画面のディスプレイには、文字や記号を中心とした全体的に小さな画像が表示可能である。
【0029】図4に戻って説明を続ける。大画面モードであると判別された場合には(ステップS142:Y)、大画面用サーバ123を使用して通常のパーソナルコンピュータ126が使用するホームページをアクセスさせてそのデータを大画面用サーバ123から受け取り、これをコンパイルしてバイナリデータに変換し、該当する各携帯型情報端末100に送信することになる(ステップS143)。小画面モードの場合には(ステップS142:N)、小画面用サーバ124を使用して、いわゆるモバイル用のホームページにアクセスしてそのデータを受け取り、これをコンパイルしてバイナリデータに変換し、該当する各携帯型情報端末100に送信することになる(ステップS144)。
【0030】なお、本実施例の携帯型情報端末100のディスプレイのようにその第1の液晶ディスプレイ111と第2の液晶ディスプレイ112の隣接部分に表示のできない隙間部分があるような場合には、ホームページの製作側および表示側が予め2画面で分割して表示する(すなわち、2画面があたかも連続して1画面を実質的に構成しているというような表示形態を採らない)ことを前提として画像情報の処理を行うことが好ましい場合がある。たとえば、1つのページに画像データが複数あるような場合には、これらが第1の液晶ディスプレイ111と第2の液晶ディスプレイ112の境界を跨がないように片方に寄せて表示するような処理である。この意味で、画像は2つに分割されて表示されると言ってもよいし、2つに分担して表示されると言ってもよい。ホームページ製作側で2つの液晶ディスプレイ111、112で表示に不具合が生じないような工夫を前もって行ってもよいし、WAPサーバ122側で画像の片寄せ等の処理を行ってもよい。WAPサーバ122側で対応できないようなデータの場合には、インターネット網125にアクセスする段階で、パーソナルコンピュータ126が取得する通常の記述形式以外の複数ディスプレイ用の大画面用のデータを用意し、これを取得するようにしてもよい。
【0031】図6は、予め2画面で分割して表示するモードとしての画面分割モードとこれ以外の表示モードの切り替えを行うことのできるWAPサーバの制御の要部を表わしたものである。この例のWAPサーバ122では、携帯型情報端末100が画面分割モードで表示を要求しているかどうかを判別し(ステップS181)、画面分割モードで表示を要求している場合には、分割処理を行ったホームページにアクセスするか、ホームページのデータの中のビットマップイメージ等からなる画像の表示位置を移動させる等の処理を行うことで2画面表示用に分割し、それぞれの画面ごとのバイナリデータを作成してその携帯型情報端末100に送信する(ステップS182)。したがって、携帯型情報端末100側ではこれら分割されたバイナリデータをそれぞれ対応するディスプレイに表示すればよい。画面分割モードによる表示が要求されていない場合には、1画面のバイナリデータが送信される(ステップS183)。これを受信した携帯型情報端末100が1つのディスプレイを有している場合には、これをそのまま表示することになる。
【0032】なお、図6で説明したWAPサーバ122が行った画面の分割処理を、携帯型情報端末100が直接行うことは、単純に2分割して表示する処理であれば前記したように可能である。また、本実施例では説明をよりよく理解できるようにサーバをWAPサーバ122、大画面用サーバ123および小画面用サーバ124の3つに区分けた例を示して説明したが、これらが同一のサーバとして構成されることはもちろん可能である。
【0033】第1の変形例
【0034】図7は、本発明の携帯型情報端末の第1の変形例を表わしたものである。この第1の変形例の携帯型情報端末200は、ヒンジ機構201によって左右に開閉できる折り畳み構造になっている。図示のように開いた状態で第1の液晶ディスプレイ211と第2の液晶ディスプレイ212が近接して配置され、これらを使用して大画面で各種情報を表示することができる。この変形例では、第1の液晶ディスプレイ211の下に通常のキー群202が配置されており、第2の液晶ディスプレイ212の下側には指で各方向に倒すことで位置情報を入力するポインティングデバイス203や、パッドの上を指等で押さえることで位置情報を入力するポインティングデバイス204が配置されており、カーソルキー205と併せて画像等の操作性を向上させている。したがって、1つの画像情報が2つに分割されてその境界部分が見難い場合でも、画像を左右にスクロールさせる等の手法で、この境界部分の画像の状態を把握することができる。
【0035】なお、この変形例では携帯型情報端末200を閉じた状態でキー群202やポインティングデバイス203等がかち合わないようにこれらの配置されている面を多少窪ませている。
【0036】第2の変形例
【0037】図8は、本発明の携帯型情報端末の第2の変形例を表わしたものである。この第2の変形例の携帯型情報端末300は、2つのヒンジ機構301、302を用いることでZ字型に折り畳みできるようになっており、通常は比較的小さい液晶ディスプレイ304を表示に用いて折り重ねた状態で使用する。このとき、操作キー305が操作に使用される。
【0038】図9は、この携帯型情報端末を開いた状態を表わしたものである。携帯型情報端末300が同一平面上に開かれると、操作キー305を操作できる状態で、第1の液晶ディスプレイ311と第2の液晶ディスプレイ312が近接して配置される。したがって、これらを使用して大画面で各種情報を表示することができる。
【0039】もちろん、この第2の変形例で3つの面の液晶ディスプレイを同じ大きさのものにすることも可能である。この場合には簡単な情報を折り畳んだ状態の1つの液晶ディスプレイで見て、大画面を必要とする場合には携帯型情報端末を広げて3つの画面に情報を表示することになる。また、次に説明する第3の変形例の場合と同様に例えば3つの液晶ディスプレイの両端に位置するディスプレイに左右の画像を1つずつ表示し、これらをそれぞれ別々の目で見ることで立体視を行うことも可能になる。
【0040】第3の変形例
【0041】図10は、本発明の携帯型情報端末の第3の変形例を表わしたものである。この第3の変形例の携帯型情報端末400は、従来から使用されている比較的小さなディスプレイ401を備えた携帯型情報端末本体402の上部に、画像表示用ジャック403を備えている。この画像表示用ジャック403に、頭部固定タイプの表示器404の端子を接続すると、液晶や光学系を使用したその表示部405を通して比較的大画面の画像が単眼あるいは両眼で視覚的に得られることになる。両眼で画像を再現する場合には、立体視用のホームページから画像を取得し、これを必要に応じて左右の画像に分離して左右2つのディスプレイに分担して表示させることで画像の立体視が可能になる。
【0042】この第3の変形例では、画像表示用ジャック403に他の大画面タイプのCRTや液晶ディスプレイ等からなる表示装置(図示せず)を接続すれば、それと同様に大画面の画像でインターネットのホームページ等を表示することができる。携帯型情報端末本体402は、画像表示用ジャック403に表示用のこれらの機器を接続するかどうかで、図4で説明した大画面モードであるかどうかを判別して、画像の取得の種類が異なることになる。
【0043】この第3の変形例では、表示される大画面の画像の継ぎ目が生じることはない。特に図10に示した装置は外出先でもの表示器404で気軽に大画面で解像度の高い情報を取得することができる。しかもWAPサーバ122側で画面ごとの画像情報をバイナリデータに変換して携帯型情報端末本体402に送ってきているので、たとえば動画情報や特殊な変換処理要する情報であっても、WAPサーバ122側でこれらの処理を全部引きうけて高速処理を行うことができる。したがって、先の実施例および他の変形例とも共通するが、プラグイン等のプログラムのダウンロードや高速のCPUあるいは画像処理用の回路を受信側で必要とせずに、大画面で解像度の高い情報を容易に取得することができる。このため、取得する情報の種類および通信速度環境によっては家庭に備えているパーソナルコンピュータでホームページをアクセスするよりも、携帯型情報端末本体402からWAPサーバ122を介して家庭のディスプレイやテレビジョンに接続する方がより良好な条件で画像情報を得ることができることになる。
【0044】第4の変形例
【0045】図11は、本発明の携帯型情報端末の第4の変形例を表わしたものである。この第4の変形例の携帯型情報端末500は、内部に透過型液晶板501とこれに表示された画像を表示パネル502に拡大して表示する図示しない光源および光学系を備えている。携帯型情報端末本体503は、このように画像を拡大して表示するときに電源505と接続される。この変形例では電源505が携帯型情報端末本体503のスタンドを兼ねている。
【0046】この第4の変形例の携帯型情報端末500は、特に短時間の表示以外は電源505を用意する必要があるものの、壁やノートあるいは白い紙等の身近な場所や物を使用して、拡大された画像を容易に得ることができるので、プレゼンテーション等に最適である。
【0047】なお、実施例では携帯型電話機を中心に説明したが、無線あるいは有線の通信回線を使用する携帯型情報端末全体に本発明を適用することができることは当然である。また、実施例および第1〜第3変形例ではディスプレイとして液晶ディスプレイを使用したが、液晶以外のディスプレイを使用することは自由である。また、これらのディスプレイはカラーを表示できるものであっても、モノクロ画像を表示するものであっても構わないことは当然である。更に実施例ではWAPサーバを使用したが、このような特別のプロトコルを使用するサーバに本発明を限定するものでなく、要は携帯型情報端末側の負担を軽くするための画像処理を行う中間画像変換手段であればよい。
【0048】また、第4の変形例では透過型の液晶あるいは物体に現われる情報を拡大して表示することにしたが、反射型の液晶あるいは物体に現われる情報を拡大して表示するようにすることも可能であり、本発明がこれらに適用されることも当然である。更に第4の変形例では携帯型情報端末500に接続した電源505を単に電源を供給する装置として説明したが、この装置内に光学的な拡大機構を用意し、携帯型情報端末500側から表示すべき画像データを受け取って、図11に示したと同様に壁等に対して拡大された画像を表示するようにしてもよい。この場合には、携帯型情報端末500は外部から電源の供給を受ける必要は必ずしもなく(充電器と一体とすれば携帯型情報端末500を充電するというメリットはある)、表示する画像データを受信する端子を備えていればよいことになる。この場合には図10に示した第3の変形例における画像の外部表示と共通する概念となる。
【0049】なお、本実施例および変形例で使用したディスプレイそれぞれは1つずつの液晶ディスプレイ等の部品で構成されていてもよいし、1つの液晶ディスプレイとして説明したものが複数の液晶ディスプレイ等の複数の部品で構成されていてもよい。それぞれのディスプレイを小型化することにより製造のコストダウンを図ることも可能である。第3の変形例の表示器404は、単眼用のものとして示したが、両眼用のものでもよい。また、画像表示用ジャック403を使用して表示器404と有線で接続したが、無線で接続するようにすることも可能なことは当然である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明によれば、携帯型情報端末を開閉あるいは折り畳みできる構造として、それらの2以上の面にディスプレイを配置することにしたので、携帯型情報端末自体を大画面表示していない状態でコンパクトな形状にすることができる。そして大きな画像の表示を必要とするときに、これらのディスプレイの少なくとも2つ以上が隣接するように展開された状態でこれらのディスプレイに同時に画像を表示させることで、画像の表示領域を拡大し、各種の情報を余裕を持って表示することができる。しかも、携帯型情報端末用の表示面が拡大するだけでなく入力操作を行う面も従来に比して大幅に拡張することが可能である。したがって、単に電話機としての機能を発揮させるだけでなく、小さなサイズのコンピュータとしてメモ帳、情報の入力および処理装置として広範な用途に活用することができる。
【0051】また請求項2記載の発明によれば、携帯型情報端末自体に拡大する元となる情報を表示する表示部と、この表示部の表示を光学的に拡大して他の部位あるいは光学的な画像表示位置に表示する拡大手段を備えさせたので、壁等の他の部位に拡大画像を表示することができ、光学的な条件が整えば十分大きな画像を得ることができる。
【0052】更に求項3記載の発明によれば、インターネット網から比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得し、これをバイナリデータで携帯型情報端末に送信し複数のディスプレイに分担して表示させることで、たとえば処理能力が低い携帯型情報端末であっても画像等を含んだような比較的大きな画面あるいは高解像度の表示を容易に行うことができる。
【0053】また請求項4記載の発明によれば、従来と同様に携帯型情報端末等のために取得する小画面用データだけでなく、比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得するようにしている。このため、装置にあったデータの表示が行え、既存のシステムとコンパチブルであるだけでなく、1つの携帯型情報端末がたとえば折り畳み式のものである場合には、小規模なデータについては折り畳んだコンパクトな状態で表示を行い、大規模あるいは複雑な表示データについては机上等で装置を広げた状態で表示面積に余裕を持たせた状態で表示を行うことができるという効果がある。
【0054】更に請求項5記載の発明によれば、請求項3または請求項4記載の情報処理システムでデータ送信手段が送信したデータを受信した装置が大画面用のデータを外部の表示部に表示させることにした。これにより、携帯型情報端末自体に大画面を備えることなく、視覚的に大画面と見える表示あるいは光学的に実際に拡大した表示が可能になる。しかも装置(携帯型情報端末)はバイナリデータを処理するので、処理に際する負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における携帯型情報端末の外観を表わした平面図である。
【図2】本実施例の携帯型情報端末の表示部を開いた状態を示した平面図である。
【図3】本実施例の携帯型情報端末を使用してインターネットのホームページをアクセスするための情報処理システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図4】いずれかの携帯型情報端末がホームページにアクセスした場合の本実施例のWAPサーバの制御の要部を表わした流れ図である。
【図5】大画面と小画面を切り替えることのできる携帯型情報端末におけるデータの処理の様子を表わした流れ図である。
【図6】予め2画面で分割して表示するモードとしての画面分割モードとこれ以外の表示モードの切り替えを行うことのできるWAPサーバの制御の要部を表わした流れ図である。
【図7】本発明の携帯型情報端末の第1の変形例を表わした平面図である。
【図8】本発明の携帯型情報端末の第2の変形例を表わした斜視図である。
【図9】図8に示した携帯型情報端末を開いた状態を表わした平面図である。
【図10】本発明の携帯型情報端末の第3の変形例を表わした概略構成図である。
【図11】本発明の携帯型情報端末の第4の変形例を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
100、200、300、400、500 携帯型情報端末
111、211、311 第1の液晶ディスプレイ
112、212、312 第2の液晶ディスプレイ
121 基地局
122 WAPサーバ
123 大画面用サーバ
124 小画面用サーバ
125 インターネット網
404 頭部固定タイプの表示器4
405 表示部
501 透過型液晶板
502 表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 1つの面に展開可能な状態で折り畳まれた複数の構成面のうちの少なくとも2面に配置されたディスプレイと、これらのディスプレイの少なくとも2つ以上が隣接するように展開された状態でこれらのディスプレイに対して1つに表示すべき画像を分担して表示させる表示手段とを具備することを特徴とする携帯型情報端末。
【請求項2】 文字等の情報を表示する表示部と、この表示部の表示を光学的に拡大して他の部位あるいは光学的な画像表示位置に表示する拡大手段とを具備することを特徴とする携帯型情報端末。
【請求項3】 インターネット網から比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得する大画面用データ取得手段と、この大画面用データ取得手段の取得したデータをバイナリデータとして送信するデータ送信手段と、この送信手段の送信したデータを受信し、1つに表示すべき画像を複数のディスプレイに分担して表示させる携帯型情報端末とを具備することを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】 インターネット網から比較的大きな画面に表示するための大画面用のデータを取得する大画面用データ取得手段と、前記インターネット網から比較的小さな画面に表示するための小画面用のデータを取得する小画面用データ取得手段と、これらのデータ取得手段の一方を表示先の装置の画面のサイズに応じて選択し、取得したデータをバイナリデータとしてその装置に送信するデータ送信手段とを具備することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】 前記データ送信手段が送信したデータを受信した装置が前記大画面用のデータを外部の表示部に表示させることを特徴とする請求項3または請求項4記載の情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2001−175609(P2001−175609A)
【公開日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−361269
【出願日】平成11年12月20日(1999.12.20)
【出願人】(599142578)株式会社マックスネット (1)
【Fターム(参考)】