説明

携帯端末装置

【課題】外部のスクリーンや壁等を必要とせず、プロジェクタ装置だけでも、常に映像を表示することが可能な携帯端末装置を提供する。
【解決手段】制御部11は、携帯電話機1のガイダンス等の映像を示す映像信号を生成して、この映像信号をレーザプロジェクタ装置4に出力したり、TVチューナ16からの映像信号をレーザプロジェクタ装置4に出力する。レーザプロジェクタ装置4は、制御部11から映像信号を入力し、この映像信号によって示されるガイダンス等の映像やTV放送の映像をスクリーンパネル3上に投影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザのレーザ光で2次元走査を行うことにより2次元映像を投影するレーザプロジェクタ装置を備える携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機等の携帯端末装置は、液晶表示装置や有機EL表示装置を備えており、その画面に各種のガイダンスやデータを表示する。
【0003】
ところが、液晶表示装置や有機EL表示装置は、携帯端末装置の筐体の大きさに合わせて、その画面のサイズを小さく設定されるため、画面上の表示内容を視認し難くなることがあった。
【0004】
このため、特許文献1、2では、投影用の小型プロジェクタを携帯端末装置に設け、この小型プロジェクタにより外部のスクリーンや壁等に拡大映像を投影することができるようにしている。
【特許文献1】特開2001−21992号公報
【特許文献2】特開2002−261889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2では、外部のスクリーンや壁等が無ければ、拡大映像を投影することができないことから、液晶表示装置や有機EL表示装置を併用しているが、プロジェクタと表示装置を共に設けるため、コストの上昇を免れず、また携帯用の機器でありながら、消費電力が大きくなった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、外部のスクリーンや壁等を必要とせず、プロジェクタ装置だけでも、常に映像を表示することが可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の携帯端末装置は、半導体レーザのレーザ光で2次元走査を行うことにより2次元映像を投影するレーザプロジェクタ装置を備える携帯端末装置において、前記レーザプロジェクタ装置による2次元映像が表示されるスクリーンを設け、このスクリーンを主表示画面としている。
【0008】
また、前記レーザプロジェクタ装置は、複数種の波長のレーザ光を出射するそれぞれの半導体レーザを備え、これらの半導体レーザのレーザ光で2次元走査を行うことによりカラーの2次元映像を投影している。
【0009】
更に、前記スクリーンの一辺近傍を携帯端末装置本体に回転可能に枢支し、スクリーンが携帯端末装置本体に重なるように回転されて折り畳まれ、スクリーンが逆方向に回転されて開かれるようにしている。
【0010】
また、前記スクリーンに開口部を設け、スクリーンが折り畳まれたときに、前記レーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位がスクリーンの開口部から露出するようにしている。
【0011】
更に、前記レーザプロジェクタ装置は、携帯端末装置本体に回転可能に支持され、該レーザプロジェクタ装置の回転によりレーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位が露出するようにしている。
【0012】
また、前記レーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位を開閉するシャッターを備えている。
【0013】
更に、前記レーザプロジェクタ装置からのレーザ光を検出する光検出部を前記スクリーンに設けている。
【0014】
また、前記光検出部を前記スクリーンに複数個設けている。
【0015】
更に、前記光検出部を前記スクリーンの四隅にそれぞれ設けている。
【0016】
また、前記光検出部によるレーザ光の検出タイミングに基づいて、前記レーザプロジェクタ装置から前記スクリーンへのレーザ光の投影状態を判定する判定手段を備えている。
【0017】
更に、有線通信もしくは無線通信により映像信号を受信する映像受信手段を備え、前記レーザプロジェクタ装置は、映像受信手段で受信された映像信号によって示される映像を前記スクリーンに投影している。
【0018】
また、有線通信もしくは無線通信により電話通話を行う電話通信手段を備えている。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明の携帯端末装置によれば、レーザプロジェクタ装置による2次元画像が表示されるスクリーンを設けているので、外部のスクリーンや壁等が無くても、常に映像を表示することができる。また、このスクリーンを主表示画面とすることができ、液晶表示装置や有機EL表示装置を併用する必要がなく、これらの表示装置を省略して、コストや消費電力の低減を図ることができる。
【0020】
また、レーザプロジェクタ装置として、複数の半導体レーザのレーザ光で2次元走査を行うことによりカラーの2次元映像を投影している。
【0021】
更に、スクリーンが携帯端末装置本体に重なるように回転されて折り畳まれ、スクリーンが逆方向に回転されて開かれるようにしているので、スクリーンを設けたことにより装置が大型化することはない。
【0022】
また、スクリーンに開口部を設け、スクリーンが折り畳まれたときに、レーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位がスクリーンの開口部から露出するようにしているので、スクリーンを閉じた状態では、レーザ光をスクリーンの開口部を介して外部のスクリーンや壁等に投射することができる。
【0023】
更に、レーザプロジェクタ装置を携帯端末装置本体に回転可能に支持し、レーザプロジェクタ装置の回転によりレーザ出射部位が露出するようにしているので、装置全体の小型化が容易である。
【0024】
また、レーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位を開閉するシャッターを設けているので、レーザ光が不用意に出射されることを防止することができ、またレーザ出射部位の汚れを防止することができる。
【0025】
更に、レーザプロジェクタ装置からのレーザ光を検出する光検出部をスクリーンに設けている。あるいは、光検出部をスクリーンに複数個設けている。更には、光検出部をスクリーンの四隅にそれぞれ設けている。この場合は、光検出部によるレーザ光の検出タイミングに基づいて、レーザプロジェクタ装置からスクリーンへのレーザ光の投影状態を判定することが可能である。
【0026】
また、有線通信もしくは無線通信により映像信号を受信して、映像信号によって示される映像をスクリーンに投影している。例えば、テレビ放送を受信して、その映像をスクリーンに投影する。
【0027】
更に、有線通信もしくは無線通信により電話通話をしているので、本発明の携帯端末装置を携帯電話機として利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1(a)、(b)は、本発明の携帯端末装置の第1実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。また、図2(a)、(b)は、第1実施形態の携帯電話機を示す側面図である。
【0030】
本実施形態の携帯電話機1は、本体筐体2と、本体筐体2に対して開閉自在に枢支されたスクリーンパネル3と、本体筐体2の上面から一部突出したレーザプロジェクタ装置4とを備えている。
【0031】
本体筐体2の上面には、各種の操作キー5が配置されている。スクリーンパネル3は、その一辺の軸3aにより本体筐体2の一端側で枢支されており、図1(b)及び図2(b)に示すようにスクリーンパネル3が本体筐体2に重なるように矢印A方向に回転されて折り畳まれ、また図1(a)及び図2(a)に示すようにスクリーンパネル3が逆方向に回転されて開かれる。また、スクリーンパネル3には開口部3bが形成されており、図1(b)及び図2(b)に示すようにスクリーンパネル3が折り畳まれると、レーザプロジェクタ装置4の突出部4aが開口部3bを通じてスクリーンパネル3の上側に露出するようにされている。更に、スクリーンパネル3の4隅には、それぞれのフォトダイオード6が配置されている。
【0032】
図3は、携帯電話機1の概略構成を示すブロック図である。図3において、制御部11は、携帯電話機1全体を制御するものであって、操作キー5の操作による入力指示に応答して無線電話通信部12を制御したり、映像信号をレーザプロジェクタ装置4に出力する。また、制御部11は、スクリーンパネル3の4隅の各フォトダイオード6の受光出力を入力し、これらの受光出力に基づいてスクリーンパネル3の開閉程度を判定する。
【0033】
無線電話通信部12は、アンテナ13を通じて無線電話通信を行うものであり、規定の通信プロトコル等を実行して、相手の呼び出しや着呼応答を行い、音声信号を受信してスピーカ14に加えたり、マイクロホン15からの音声信号を送信する。
【0034】
TVチューナ16は、アンテナ13を通じて地上波デジタル放送等の放送信号を受信し、この放送信号を復調して、映像信号を制御部11を通じてレーザプロジェクタ装置4に出力する。
【0035】
図4は、レーザプロジェクタ装置4の概略構成を示す斜視図である。このレーザプロジェクタ装置4は、レーザ光を出射する半導体レーザ21と、半導体レーザ21の駆動回路22と、半導体レーザ21からのレーザ光を平行光にするコリメートレンズ23と、レーザ光を反射してその向きを変更するミラー24と、レーザ光を反射して主走査方向及び副走査方向に2次元走査する2次元ミラースキャナ25と備えている。
【0036】
2次元ミラースキャナ25は、MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)であり、レーザ光を反射するミラーと、ミラーをX軸とY軸周りに高速かつ高精度で回転させて、レーザ光を2次元走査するアクチュエータとを備えている。
【0037】
図1(a)及び図2(a)に示すように2次元ミラースキャナ25により2次元走査されたレーザ光は、レーザプロジェクタ装置4の突出部4aからスクリーンパネル3に投射され、このスクリーンパネル3上に映像が投影される。
【0038】
制御部11は、携帯電話機1のガイダンス等の映像を示す映像信号を生成して、この映像信号をレーザプロジェクタ装置4に出力したり、TVチューナ16からの映像信号をレーザプロジェクタ装置4に出力する。レーザプロジェクタ装置4は、制御部11から映像信号を入力し、この映像信号によって示されるガイダンス等の映像やTV放送の映像をスクリーンパネル3上に投影する。
【0039】
このような投影に際しては、図1(a)及び図2(a)に示すようにレーザ光の投射範囲がスクリーンパネル3に調度収まるように、2次元ミラースキャナ25による2次元走査がなされる。
【0040】
制御部11は、スクリーンパネル3上側2隅の各フォトダイオード6の受光出力に基づき該各フォトダイオード6によるレーザ光の受光タイミングを検出して、これらの受光タイミングが1主走査ラインの走査開始タイミングと走査終了タイミングに一致するか否かを判定する。同様に、制御部11は、スクリーンパネル3下側2隅の各フォトダイオード6の受光出力に基づき該各フォトダイオード6によるレーザ光の受光タイミングを検出して、これらの受光タイミングが1主走査ラインの走査開始タイミングと走査終了タイミングに一致するか否かを判定する。
【0041】
そして、制御部11は、図5に示すように上側2隅の各フォトダイオード6の受光タイミングが上側主走査ラインL1の走査開始タイミングと走査終了タイミングに一致し、かつ下側2隅の各フォトダイオード6の受光タイミングが下側主走査ラインL2の走査開始タイミングと走査終了タイミングに一致するように、2次元ミラースキャナ25による主走査方向の走査角度を制御する。
【0042】
また、スクリーンパネル3上側では該パネル3から2次元ミラースキャナ25までの距離が長く、スクリーンパネル3下側になるほど2次元ミラースキャナ25までの距離が徐々に短くなるので、スクリーンパネル3の上側から下側へと主走査ラインが移行するにつれて、2次元ミラースキャナ25による主走査方向の走査角度が徐々に狭くされて、スクリーンパネル3上の主走査ラインの長さが一定にされる。
【0043】
制御部11は、上側から下側へと主走査ラインが移行するにつれて、2次元ミラースキャナ25による主走査方向の走査角度が徐々に狭くされて、スクリーンパネル3上の主走査ラインの長さが一定となるように、2次元ミラースキャナ25による主走査方向の走査角度を制御する。
【0044】
これにより、レーザ光の投射範囲がスクリーンパネル3に調度収まることになる。
【0045】
あるいは、制御部11は、本体筐体2に対するスクリーンパネル3の開き角度αが一定角度に調節されて、レーザ光の投射範囲がスクリーンパネル3に調度収まるように、パネル3上の表示により該パネル3の開き角度αの調整を利用者に促す。
【0046】
本体筐体2に対するスクリーンパネル3の開き角度αが一定角度に調節され、レーザ光の投射範囲がスクリーンパネル3に調度収まる場合は、図5に示すようにレーザ光による上側主走査ラインL1の走査開始タイミングと走査終了タイミングで、スクリーンパネル3の上側2隅の各フォトダイオード6がレーザ光をそれぞれ受光し、かつレーザ光による下側主走査ラインL2の走査開始タイミングと走査終了タイミングで、スクリーンパネル3の下側2隅の各フォトダイオード6がレーザ光をそれぞれ受光する。このとき、制御部11は、上側2隅の各フォトダイオード6の受光タイミングが上側主走査ラインL1の走査開始タイミングと走査終了タイミングに一致し、かつ下側2隅の各フォトダイオード6の受光タイミングが下側主走査ラインL2の走査開始タイミングと走査終了タイミングに一致することから、スクリーンパネル3の開き角度αが一定角度であると判定し、この旨をレーザプロジェクタ装置4を介してスクリーンパネル3に表示する。利用者は、この表示を見て、スクリーンパネル3の開き角度αが適切であると知ることができる。
【0047】
また、スクリーンパネル3の開き角度αが一定角度を超えた状態では、スクリーンパネル3と2次元ミラースキャナ25間の距離が長くなり、レーザ光の投射範囲がスクリーンパネル3からはみ出し、スクリーンパネル3の上側2隅の各フォトダイオード6の受光タイミングが上側主走査ラインL1の走査開始タイミングと走査終了タイミングから外れ、かつ下側2隅の各フォトダイオード6の受光タイミングも下側主走査ラインL2の走査開始タイミングと走査終了タイミングから外れる。このとき、制御部3は、そのような受光タイミングのずれに基づいて、スクリーンパネル3の開き角度αが一定角度を超えていると判定し、この旨をレーザプロジェクタ装置4を介してスクリーンパネル3に表示する。利用者は、この表示を見て、スクリーンパネル3の開き角度αが小さくなるように調節することができる。
【0048】
更に、スクリーンパネル3の開き角度αが一定角度未満の状態では、スクリーンパネル3と2次元ミラースキャナ25間の距離が短くなり、レーザ光の投射範囲がスクリーンパネル3よりも狭くなり、上側主走査ラインL1の走査期間においてスクリーンパネル3の上側2隅の各フォトダイオード6が受光せず、かつ下側主走査ラインL2の走査期間において下側2隅の各フォトダイオード6も受光しなくなる。このとき、制御部3は、1主走査ラインの走査期間において各フォトダイオード6が受光しないことから、スクリーンパネル3の開き角度αが一定角度未満であるとみなし、この旨をレーザプロジェクタ装置4を介してスクリーンパネル3に表示する。利用者は、この表示を見て、スクリーンパネル3の開き角度αが大きくなるように調節することができる。
【0049】
従って、利用者は、スクリーンパネル3上に表示されたスクリーンパネル3の開き角度αの程度を見ながら、スクリーンパネル3の開き角度αを一定角度に調節することができる。
【0050】
尚、スクリーンパネル3の1隅だけにフォトダイオード6を設けても、このフォトダイオード6の受光タイミングに基づいてスクリーンパネル3の開き角度αの大小を判定することができる。また、スクリーンパネル3の開き角度αの大小に応じてレーザ光の受光タイミングが変化するパネル3上の位置であれば、どのような位置にフォトダイオード6を配置しても、このフォトダイオード6の受光タイミングに基づいて開き角度αの大小を判定することができる。
【0051】
一方、図6(a)、(b)に示すようにスクリーンパネル3が折り畳まれ、レーザプロジェクタ装置4の突出部4aが開口部3bを通じてスクリーンパネル3の上側に露出した状態では、レーザプロジェクタ装置4のレーザ光を開口部3bを介して外部のスクリーンや壁等に投射し、拡大映像を投影することができる。
【0052】
このような携帯電話機1においては、図7(a)、(b)に示すようにスクリーンパネル3の開口部3bに、レーザプロジェクタ装置4の突出部4aのレーザ光出射部位を開閉するシャッター26を設けても良い。このシャッター26は、くの字型片であり、その一辺が開口部3bの一縁で枢支されて、開閉自在となっている。スクリーンパネル3が折り畳まれて、シャッター26が閉じられた状態では、レーザ光が不用意に出射されることを防止することができ、またレーザ出射部位の汚れを防止することができる。図8に示すようにシャッター26が開かれた状態では、レーザプロジェクタ装置4のレーザ光を投射して、拡大映像を外部のスクリーンや壁等に投影することができる。
【0053】
また、図4のレーザプロジェクタ装置4はモノクロ画像を投影するものであるが、この代わりに図9に示すようなカラー画像を投影することが可能なレーザプロジェクタ装置4Aを適用しても構わない。このカラー用のレーザプロジェクタ装置4Aは、相互に波長が異なる赤、緑、青のレーザ光を出射するそれぞれの半導体レーザ21R、21G、21Bと、それぞれの駆動回路22R、22G、22Bと、各色のレーザ光を平行光にするコリメートレンズ23R、23G、23Bと、半導体レーザ21Rからのレーザ光を反射するミラー24Rと、半導体レーザ21Gからのレーザ光を反射しかつミラー24Rからのレーザ光を透過するハーフミラー24Gと、半導体レーザ21Bからのレーザ光を反射しかつミラー24R及びハーフミラー24Gからのレーザ光を透過するハーフミラー24Bと、各色のレーザ光を反射して主走査方向及び副走査方向に2次元走査する2次元ミラースキャナ25とを備えている。各ミラー24R、24G、24Bにより各色のレーザ光が同一光軸に重ねられて2次元ミラースキャナ25のミラー上に入射し、各色のレーザ光が2次元走査されてスクリーンパネル3上に投射され、カラー画像がスクリーンパネル3上に投影される。
【0054】
図10(a)、(b)は、本発明の携帯端末装置の第2実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。
【0055】
本実施形態の携帯電話機31では、本体筐体32と、本体筐体32に対して開閉自在に枢支されたスクリーンパネル33と、本体筐体32下端に設けられたレーザプロジェクタ装置34とを備えている。
【0056】
レーザプロジェクタ装置34は、本体筐体32と同一の幅と厚みを有する筐体状のものであり、図11(a)に示すようにその一端面にレーザ光出射部位34aと回転軸34bを有し、回転軸34bが本体筐体32側で回転自在に支持されて、レーザプロジェクタ装置34が本体筐体32に対して回転可能になっている。図11(b)に示すようにレーザプロジェクタ装置34は、図9のレーザプロジェクタ装置4Aと同様にカラー用のものであり、3個の半導体レーザ35、3個のコリメートレンズ36、3個のミラーもしくはハーフミラー37、及び2次元ミラースキャナ38等を備えている。
【0057】
図12に示すようにスクリーンパネル33が開かれて、レーザプロジェクタ装置34が本体筐体32に対して90度回転されると、レーザプロジェクタ装置34のレーザ光出射部位34aが露出してスクリーンパネル33と対向し、レーザ光出射部位34aからスクリーンパネル33へとレーザ光を投射して、スクリーンパネル33上に映像を投影することが可能になる。
【0058】
特に、大型のレーザプロジェクタ装置34を用いる場合は、本実施形態のように本体筐体32一端にレーザプロジェクタ装置34を設けることにより、携帯電話機31全体をコンパクトにまとめることができる。
【0059】
図13は、本発明の携帯端末装置の第3実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。
【0060】
本実施形態の携帯電話機41では、本体筐体42と、本体筐体42とは別体のレーザプロジェクタ装置43と、レーザプロジェクタ装置43筐体に対して開閉自在に枢支されたスクリーンパネル44とを備えている。
【0061】
本体筐体42は、携帯電話機41として動作するのに必要な全ての機能を備えており、操作キーの操作に応じて発呼や着信応答を行い、受信した音声を再生したり、入力音声を送信することができる。
【0062】
レーザプロジェクタ装置43は、コード45を介して本体筐体42に接続されており、携帯電話機41のガイダンス等の映像を示す映像信号を本体筐体42から入力して、この映像をスクリーンパネル44に投影する。コード45は、レーザプロジェクタ装置43もしくは本体筐体42に対して接離可能に接続される。
【0063】
また、レーザプロジェクタ装置43は、地上波デジタル放送等の放送信号を受信して映像信号に復調するTVチューナ等を内蔵しており、この映像信号によって示される映像をスクリーンパネル44に投影する。従って、図14(a)、(b)に示すようにコード45を取り外して、レーザプロジェクタ装置43単体の状態でも、地上波デジタル放送等の放送信号を受信して、その映像を投影することが可能である。
【0064】
尚、図15に示すように本体筐体42とレーザプロジェクタ装置43間を近距離無線通信により接続しても構わない。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の携帯端末装置の第1実施形態である携帯電話機を示す斜視図であり、(a)はスクリーンパネルを開いた状態を示し、(b)はスクリーンパネルを閉じた状態を示す。
【図2】図1の携帯電話機を示す側面図であり、(a)はスクリーンパネルを開いた状態を示し、(b)はスクリーンパネルを閉じた状態を示す。
【図3】図1の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の携帯電話機におけるレーザプロジェクタ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】図1の携帯電話機におけるスクリーンパネル上の4隅のフォトダイオードによるレーザ光の検出状態を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、スクリーンパネルを閉じた状態で投影を行っている携帯電話機を示す斜視図及び側面図である。
【図7】(a)、(b)は、図1の携帯電話機の変形例を示す斜視図及び側面図である。
【図8】図7の携帯電話機におけるシャッターを開いた状態を示す斜視図である。
【図9】カラー用のレーザプロジェクタ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の携帯端末装置の第2実施形態である携帯電話機を示す斜視図であり、(a)はスクリーンパネルを開いた状態を示し、(b)はスクリーンパネルを閉じた状態を示す。
【図11】(a)、(b)は、図10の携帯電話機におけるレーザプロジェクタ装置を示す斜視図及び透視図である。
【図12】図10の携帯電話機におけるレーザプロジェクタ装置筐体を90度回転させた状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の携帯端末装置の第3実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。
【図14】図13の携帯端末装置におけるレーザプロジェクタ装置を示す斜視図であり、(a)はスクリーンパネルを開いた状態を示し、(b)はスクリーンパネルを閉じた状態を示す。
【図15】図13の携帯電話機の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 携帯電話機
2 本体筐体
3 スクリーンパネル
4 レーザプロジェクタ装置
5 操作キー
6 フォトダイオード
11 制御部
12 無線電話通信部
13 アンテナ
14 スピーカ
15 マイクロホン
16 TVチューナ
21、21A、21G、21B 半導体レーザ
22、22A、22G、22B 駆動回路
23、23A、23G、23B コリメートレンズ
24、24A ミラー
24G、24B ハーフミラー
25 2次元ミラースキャナ
26 シャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザのレーザ光で2次元走査を行うことにより2次元映像を投影するレーザプロジェクタ装置を備える携帯端末装置において、
前記レーザプロジェクタ装置による2次元映像が表示されるスクリーンを設け、このスクリーンを主表示画面としたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記レーザプロジェクタ装置は、複数種の波長のレーザ光を出射するそれぞれの半導体レーザを備え、これらの半導体レーザのレーザ光で2次元走査を行うことによりカラーの2次元映像を投影することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記スクリーンの一辺近傍を携帯端末装置本体に回転可能に枢支し、スクリーンが携帯端末装置本体に重なるように回転されて折り畳まれ、スクリーンが逆方向に回転されて開かれることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記スクリーンに開口部を設け、スクリーンが折り畳まれたときに、前記レーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位がスクリーンの開口部から露出することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記レーザプロジェクタ装置は、携帯端末装置本体に回転可能に支持され、該レーザプロジェクタ装置の回転によりレーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位が露出することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記レーザプロジェクタ装置のレーザ出射部位を開閉するシャッターを備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記レーザプロジェクタ装置からのレーザ光を検出する光検出部を前記スクリーンに設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記光検出部を前記スクリーンに複数個設けたことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記光検出部を前記スクリーンの四隅にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記光検出部によるレーザ光の検出タイミングに基づいて、前記レーザプロジェクタ装置から前記スクリーンへのレーザ光の投影状態を判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項11】
有線通信もしくは無線通信により映像信号を受信する映像受信手段を備え、
前記レーザプロジェクタ装置は、映像受信手段で受信された映像信号によって示される映像を前記スクリーンに投影することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項12】
有線通信もしくは無線通信により電話通話を行う電話通信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−284438(P2009−284438A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137117(P2008−137117)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】