説明

携帯通信端末および通信制御プログラムと通信制御方法

【課題】いつ通じるか分からない通話先に発呼し続けることで生じる時間の浪費を軽減する。
【解決手段】発呼対象となる他の通信端末の電話番号と電子メールの宛先との関連を携予めメモリ13に登録しておき、携帯通信端末1から他の通信端末を発呼する際に、発呼対象として選択した通信端末の電話番号を一時記憶して他の通信端末からの応答の有無を確認する。応答が無ければ、携帯通信端末1の送話器2から入力される音声メッセージを電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換してメモリ13からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成し、音声ファイルを電子メールに添付して、発呼対象の電話番号に対応する電子メールの宛先を求め、携帯通信端末1における電子メールの送受信機能を利用して電子メールを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末および携帯通信端末の通信制御プログラムと携帯通信端末の通信制御方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、通信端末の使用者が、相手先の通信端末に対する発呼を行い、相手先が応答できないことがわかった場合に、早期の連絡が取れるように、一定時間毎に相手先の通信端末に対して再発呼を実行する技術が提案されている。
しかしながら、一定時間毎に相手先の通信端末に対する再発呼を行なったとしても、相手先の通信端末が携帯通信端末であって通信圏外に出ている場合、相手先の通信端末の電源が入っていない場合、あるいは、応答が可能な状況下にあっても相手が応答しないような場合には通話が成立せず、いつ通じるか分からない通話先に発呼し続けることとなり、時間を浪費してしまうといった不都合がある。
また、相手先がボイスメールサービス(留守番サービス)に加入していない場合には、要件を相手先に通知できないといった場合もある。
更に、相手先が通信端末の着信履歴を確認して不在着信履歴に残る通信相手に電話を掛け返しても、通信相手が電話に出ないときには通話が成立しない。この場合も、前記と同様、いつ通じるか分からない通話先に発呼し続けることとなり、時間の浪費といった不都合が生じる。また、場合によっては、通話を諦めるといったことにもなり兼ねない。
【0003】
ここで、移動体通信システムのボイスメールサービス設備を経由せずに音声メッセージを伝達するための技術としては、送話器からの音声メッセージをバイナリーテキスト変換でテキスト形式に変換して電子メールに添付するようにしたものが、例えば、特許文献1として公知である。
しかしながら、このものは、電子メールを利用して音声メッセージを伝達するものに過ぎず、通信状態を考慮して携帯通信端末の利便性を向上させるものではない。
【0004】
通信状態を考慮して携帯通信端末の利便性を向上させる技術としては、携帯通信端末の所有者が応答困難な状況下で着信が発生した際に、当該所有者のスケジュールを電子メールとして自動的に応答するようにした電話装置、更には、録音済みの音声メッセージを自動的に通信相手に送信するようにした電話装置が特許文献2として提案されている。
しかしながら、このものは、携帯通信端末を所有する当人が応答困難な状況を想定して考えられたものであって、通信先が応答困難な状況には対処できない。また、携帯通信端末を所有する当人が応答困難な状況を想定したものであるため、予め録音された音声メッセージを利用して応答できるに過ぎず、音声メッセージの内容が著しく制限されたものとなる不便さがある。
また、この携帯通信端末によって不在着信時の処理が行われたことに所有者自身が気付かない場合もあり、あるいは、通信対象となる相手すなわち最初に電話を掛けた人間が直ちに電子メールや音声メッセージを確認するといった保証もないので、通信が確立するまでの所要時間が冗長される可能性が高い。
更に、電子メールや音声メッセージの送信といった不在着信時の処理は、当然のことながら、受信側の携帯通信端末が着信を検知しないと起動されないので、受信側の通信端末に電源が投入されていない場合や受信側の携帯通信端末が通信圏外にあるような場合、特に、通信システムのボイスメールサービスの機能を利用できず、受信側の携帯通信端末による電子メールや音声メッセージの送信処理を電気通信事業者が代行できないような状況下にあっては、受信側の通信端末に電源が投入されたり受信側の携帯通信端末が通信圏内に戻るまでの間、何らの応答処理もなされない。この結果、受信側の通信端末が電子メールや録音済みの音声メッセージ利用した応答機能を備えていたとしても、電源非投入もしくは通信圏外の状況下では、其の機能は役に立たず、最初に電話を掛けた側の人間は、何らかの応答を期待して何回も電話を掛け直さなければならず、やはり、時間を浪費といった問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−174931号公報
【特許文献2】特開2006−345409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、通信先が応答困難な状況にも対処していつ通じるか分からない通話先に発呼し続けることで生じる時間の浪費を軽減すること、および、状況に応じた適切な音声メッセージやテキストメッセージを伝達すること、ならびに、受信側の通信端末に電源が投入されていない場合や受信側の携帯通信端末が通信圏外にあるような場合における通信確立までの所要時間を一刻でも短縮できる携帯通信端末および通信制御プログラムと通信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯通信端末は、音声による通話機能と添付ファイル付きの電子メールの送受信機能を有する携帯通信端末であり、前記課題を解決するため、特に、
他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージを記憶するテキストメッセージ記憶手段と、
当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを読み込んで電子メールに添付可能な音声ファイルの形式で一時記憶する音声ファイル生成手段と、
発呼対象となる他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて記憶した宛先データ記憶手段と、
発呼対象として選択された他の通信端末の電話番号を一時記憶する送信先一時記憶手段と、
発呼対象として選択された他の通信端末からの応答の有無を予め設定された判定条件に従って判定する応答状態判定手段と、
前記テキストメッセージ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成する電子メール生成手段と、
前記音声ファイル生成手段を作動させ、音声ファイル生成手段が生成した音声ファイルを前記電子メールに添付する音声ファイル添付手段と、
前記送信先一時記憶手段に記憶されている電話番号に対応する電子メールの宛先を前記宛先データ記憶手段から求め、この宛先に宛てて前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、
前記応答状態判定手段の判定結果が応答有りの場合には前記音声ファイル生成手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段を非作動として当該携帯通信端末の通話機能実現手段を起動する一方、前記応答状態判定手段の判定結果が応答無しの場合には、当該携帯通信端末の通話機能実現手段を非作動として前記音声ファイル生成手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段の作動を許容する動作選択手段を備えたことを特徴とする構成を有する。
【0008】
本発明による携帯通信端末の通信制御プログラムは、音声による通話機能と添付ファイル付きの電子メールの送受信機能を有し、データ記憶手段を備えた携帯通信端末の通信制御プログラムであり、前記と同様の課題を解決するため、特に、
前記携帯通信端末のマイクロプロセッサを、
他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージを前記データ記憶手段に記憶させるためのテキストメッセージ登録手段、
当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを読み込み電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換して前記データ記憶手段に一時記憶させる音声ファイル登録手段、
発呼対象となる前記他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて宛先データファイルとして前記データ記憶手段に記憶させる宛先データ登録手段、
発呼対象として選択された前記他の通信端末の電話番号を前記データ記憶手段に一時記憶させる送信先データ登録手段、
発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答の有無を予め設定された判定条件に従って判定する応答状態判定手段、
前記データ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成する電子メール生成手段、
前記音声ファイル登録手段を作動させ、音声ファイル登録手段が前記データ記憶手段に一時記憶させた音声ファイルを前記電子メールに添付する音声ファイル添付手段、
前記送信先データ登録手段が前記データ記憶手段に一時記憶させた電話番号に対応する電子メールの宛先を前記宛先データファイルから求め、当該携帯通信端末における電子メールの送受信機能を利用して、前記求められた宛先に宛てて前記電子メールを送信する電子メール送信手段、および、
前記応答状態判定手段の判定結果が応答有りの場合には前記音声ファイル登録手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段を非作動として当該携帯通信端末の通話機能実現手段を起動する一方、前記応答状態判定手段の判定結果が応答無しの場合には、当該携帯通信端末の通話機能実現手段を非作動として前記音声ファイル登録手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段の作動を許容する動作選択手段として機能させることを特徴とした構成を有する。
【0009】
本発明による携帯通信端末の通信制御方法は、前記と同様の課題を解決するため、
他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージ、および、発呼対象となる前記他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先との関連を携帯通信端末のデータ記憶手段に予め登録しておき、
該携帯通信端末から前記他の通信端末を発呼する際に、発呼対象として選択した前記他の通信端末の電話番号を一時記憶し、
発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答の有無を確認し、応答が有れば当該携帯通信端末の通話機能を起動する一方、
発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答が無ければ、当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換して前記データ記憶手段に一時記憶し、かつ、前記データ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成して、前記データ記憶手段に一時記憶された音声ファイルを前記電子メールに添付すると共に、
発呼対象として記憶している電話番号に対応する電子メールの宛先を前記データ記憶手段から求め、当該携帯通信端末における電子メールの送受信機能を利用して、前記求められた宛先に宛てて前記電子メールを送信することを特徴とした構成を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯通信端末および通信制御プログラムと通信制御方法は、他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージ、および、発呼対象となる他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先との関連を携帯通信端末のデータ記憶手段に予め登録しておき、携帯通信端末から前記他の通信端末を発呼する際に、発呼対象として選択した前記他の通信端末の電話番号を一時記憶し、発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答の有無を確認し、応答が有れば当該携帯通信端末の通話機能を起動して通常の通話を開始させる一方、発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答が無ければ、当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換して前記データ記憶手段に一時記憶し、かつ、前記データ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成し、前記データ記憶手段に一時記憶された音声ファイルを前記電子メールに添付すると共に、発呼対象として記憶している電話番号に対応する電子メールの宛先を前記データ記憶手段から求め、当該携帯通信端末における電子メールの送受信機能を利用して、前記求められた宛先に宛てて前記音声ファイルを添付された電子メールを送信するようにしているので、通信先の通信端末が応答困難な状況、例えば、相手先の通信端末が携帯通信端末であって通信圏外に出ている場合、あるいは、相手先の通信端末の電源が入っていない場合、または、応答が可能な状況下にあっても相手が応答しないような場合であっても、相手先がボイスメールサービスに加入しているか否かに関わりなく、状況に応じた適切な音声メッセージつまり発呼を行なった時点でリアルタイムに生成された音声メッセージ(予め録音された音声メッセージではない)やテキストメッセージを、通常のメール送信機能を利用して伝達することが可能となり、いつ通じるか分からない通話先に発呼し続けることで生じる時間の浪費が解消され得る。
【0011】
この際、相手先の携帯通信端末がいつ通信圏内に戻るか、相手先の通信端末の電源がいつ入れられるか、相手先がいつ応答する気になるかは保証の限りではないが、テキストメッセージを書き込んだ電子メールや当該電子メールに添付された音声ファイルは、相手先の携帯通信端末が通信圏内に戻った時点あるいは相手先の通信端末の電源が投入された時点で、もしくは、相手先のユーザのダウンロード指令によって自動的に相手先の通信端末に取り込まれるので、少なくとも、受信側の通信端末が着信を検知しない限り電子メールの送信処理や音声メッセージの送信処理が行なわれなかった此れまでの電話装置と比べて通信が確立するまでの所要時間が短縮される可能性が高く、特に、最初に電話を掛けた側の人間が何らかの応答を期待して何回も電話を掛け直すことで生じる時間の浪費を解消するのに適する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための最良の形態について一例を挙げ、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
図1は本発明を適用した一実施形態の携帯通信端末1の主要な機能を簡略化して示した機能ブロック図、また、図2は携帯通信端末1の構成を簡略化して示したブロック図である。
【0014】
この実施形態の携帯通信端末1は、音声による通話機能と添付ファイル付きの電子メールの送受信機能を有する携帯通信端末であり、その主要部は、図1に示されるように、他の通信端末たとえば固定電話や他の携帯通信端末に伝達すべきテキストメッセージを記憶するためのテキストメッセージ記憶手段Aと、当該携帯通信端末1の送話器2から入力される音声メッセージを読み込んで電子メールに添付可能な音声ファイルの形式で一時記憶する音声ファイル生成手段Bと、発呼対象となる他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて記憶するための宛先データ記憶手段Cと、発呼対象として選択された他の通信端末の電話番号を一時記憶するための送信先一時記憶手段Dと、発呼対象として選択された他の通信端末からの応答の有無を予め設定された判定条件に従って判定する応答状態判定手段Eと、テキストメッセージ記憶手段Aからテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成する電子メール生成手段Fと、音声ファイル生成手段Bを作動させ、音声ファイル生成手段Bで生成された音声ファイルを電子メールに添付する音声ファイル添付手段Gと、送信先一時記憶手段Dに記憶されている電話番号に対応する電子メールの宛先を宛先データ記憶手段Cから求め、この宛先に宛てて電子メールを送信する電子メール送信手段Hと、応答状態判定手段Eの判定結果が応答有りの場合には音声ファイル生成手段Bと電子メール生成手段Fおよび音声ファイル添付手段Gと電子メール送信手段Hを非作動として当該携帯通信端末1の通話機能実現手段Iを起動する一方、応答状態判定手段Eの判定結果が応答無しの場合には、当該携帯通信端末1の通話機能実現手段Iを非作動として音声ファイル生成手段Bと電子メール生成手段Fおよび音声ファイル添付手段Gと電子メール送信手段の作動Hを許容する動作選択手段Jによって構成される。
【0015】
図2に示される通り、携帯通信端末1は、具体的には、マイクからなる通話用の送話器2およびスピーカからなる受話器3と送受信部4ならびにディスプレイ5を有する。
【0016】
ディスプレイ5は液晶モニタ等によって構成され、電話番号の選択表示や着信履歴等の表示、更には、作成過程にある電子メールの表示や受信された電子メールの表示等に利用される。
【0017】
従来と同様、携帯通信端末1の通常の利用に際しては、送話器2から入力された音声が音声処理部6でA/D変換され入出力回路7を経てマイクロプロセッサ8に転送され、更に、マイクロプロセッサ8で通信形式データに変換され、入出力回路7を経て送受信部4に送られ、送受信部4で変調されて、内蔵式もしくは伸縮式のアンテナ9を介して外部に送信される。
【0018】
また、アンテナ9で受信された通信電波は送受信部4で復調され、入出力回路7を経てマイクロプロセッサ8に転送され、音声データに変換されてから、入出力回路7を経て音声処理部6でD/A変換等の処理操作を受けて受話器3から音声として出力される。
【0019】
キー操作部10は、電話番号の入力操作等の場合にはテンキーとして使用され、また、電子メールの作成等に際してはテキストデータ入力用のカナキー等として利用される。
【0020】
ROM11には、通話や電子メールの送受信を実行するための制御プログラムに加え、本実施形態においては、更に、携帯通信端末1のマイクロプロセッサ8をテキストメッセージ記憶手段Aの一部を構成するテキストメッセージ登録手段,音声ファイル生成手段Bの主要部となる音声ファイル登録手段,宛先データ記憶手段Cの一部を構成する宛先データ登録手段,送信先一時記憶手段Dの一部を構成する送信先データ登録手段,応答状態判定手段E,電子メール生成手段F,音声ファイル添付手段G,電子メール送信手段Hの主要部および動作選択手段Jとして機能させるために必要とされる「通信制御プログラム」(図6〜図9参照)が格納されている。
【0021】
なお、ここでいう「一部」や「主要部」の意味合いは以下に示す通りである。
【0022】
まず、テキストメッセージ記憶手段Aについてであるが、テキストメッセージ記憶手段Aには、他の通信端末たとえば固定電話や他の携帯通信端末に伝達すべきテキストメッセージを記憶する機能がある。テキストメッセージを実際に記憶するのは携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つである不揮発性メモリ13であるが、この不揮発性メモリ13にテキストメッセージを書き込むためにはマイクロプロセッサ8が必要である。従って、図1におけるテキストメッセージ記憶手段Aの主要部を構成しているのが携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つである不揮発性メモリ13であり、テキストメッセージ記憶手段Aの「一部」であるテキストメッセージ登録手段つまりプログラムによって実現される機能を実行するのがマイクロプロセッサ8ということになる。
【0023】
また、音声ファイル生成手段Bには、携帯通信端末1の送話器2から入力される音声メッセージを読み込んで電子メールに添付可能な音声ファイルの形式で一時記憶する機能がある。音声メッセージを読み込んで電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換するのがマイクロプロセッサ8であり、変換された音声ファイルが携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つであるRAM12に一時記憶される。従って、図1における音声ファイル生成手段Bの「主要部」である音声ファイル登録手段つまりプログラムによって実現される機能を実行しているのがマイクロプロセッサ8であり、音声ファイル生成手段Bの一部が、携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つであるRAM12、特に、その音声ファイル記憶領域17’によって構成されていることになる。
【0024】
そして、宛先データ記憶手段Cには、発呼対象となる他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて記憶する機能がある。他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先を実際に記憶するのは携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つである不揮発性メモリ13であるが、この不揮発性メモリ13に他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて書き込むためにはマイクロプロセッサ8が必要である。従って、図1における宛先データ記憶手段Cの「一部」である宛先データ登録手段つまりプログラムによって実現される機能を実行するのはマイクロプロセッサ8であり、宛先データ記憶手段Cの主要部として機能するのが、携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つである不揮発性メモリ13ということになる。
【0025】
また、送信先一時記憶手段Dは発呼対象として選択された他の通信端末の電話番号を一時記憶するためのもので、その主要部は携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つであるRAM12、特に、その送信先データ一時記憶領域18’によって構成されるが、発呼対象として選択された他の通信端末の電話番号をRAM12に一時記憶させるためにはマイクロプロセッサ8が必要となる。従って、マイクロプロセッサ8は図1における送信先一時記憶手段Dの「一部」を構成する送信先データ登録手段つまりプログラムによって実現される機能を実行していることになる。
【0026】
また、電子メール送信手段Hには、宛先データ記憶手段Cの主要部を構成する不揮発性メモリ13から、送信先一時記憶手段Dの主要部を構成するRAM12に一時記憶された電話番号に対応する電子メールの宛先を検索して求め、この宛先に宛てて電子メールを送信する機能がある。不揮発性メモリ13のデータを検索し、RAM12に一時記憶された電話番号に対応する電子メールの宛先を求める処理はマイクロプロセッサ8のみによって実現されるが、実際に電子メールを送信するためには携帯通信端末1の送受信部4やアンテナ9等が必要となる。よって、図1における電子メール送信手段Hの「主要部」つまりプログラムによって実現される機能はマイクロプロセッサ8によって構成され、また、ハードウェアとして必要とされる送受信部4やアンテナ9等が、電子メール送信手段Hの他部を構成することになる。
【0027】
図1における応答状態判定手段E,電子メール生成手段F,音声ファイル添付手段G,動作選択手段Jは専らマイクロプロセッサ8の内部処理によって実現される機能であるから、マイクロプロセッサ8自体が応答状態判定手段E,電子メール生成手段F,音声ファイル添付手段Gとして機能しているといって差し支えない。
【0028】
図1に示される通話機能実現手段Iは携帯通信端末1を通常の通話の用途に利用するための機能実現手段であり、その詳細に関しては既に公知である。
【0029】
時計部14はマイクロプロセッサ8のクロック信号を分周する時計回路や水晶発振子等で構成され、年月日を含む現在時刻に連動して作動する。
【0030】
次に、テキストメッセージ記憶手段Aとして機能するスケジュール記憶ファイルの具体的な構成例を図3に示す。既に述べた通り、この実施形態にあっては、テキストメッセージ記憶手段Aの主要部は携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つである不揮発性メモリ13によって構成され、該不揮発性メモリ13の記憶領域の一部を用いて構築されたスケジュールファイル記憶領域16’に、図3に示されるようなスケジュール記憶ファイル16が保存されるようになっている。
スケジュール記憶ファイル16は、当該携帯通信端末1を利用するユーザのスケージュールを年月日を含む時刻に対応させて記憶するためのものである。この実施形態では、スケジュールの要約とスケジュールの詳細が年月日を含む時刻に対応して並列的に記憶されるようになっており、更に、スケジューに対応させて、スケジュールの通知の要否が設定できるようになっている。要否の値「1」はスケジュールの通知が必要であることを意味し、また、要否の値「0」はスケジュールの通知が不要であることを意味している。また、要約はスケジュールの具体的な内容を含まない簡略なもので、関係者以外に情報が漏れても実態的な被害の発生しない情報であり、詳細は其れよりも重要な内容である。
なお、この種のファイル構成に関しては、携帯通信端末の分野では既に「カレンダー/スケジュール機能」等の名称で公知である。
【0031】
次に、宛先データ記憶手段Cとして機能する宛先データ記憶ファイルの具体的な構成例を図4に示す。既に述べた通り、この実施形態にあっては、宛先データ記憶手段Cの主要部は携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つである不揮発性メモリ13によって構成されており、該不揮発性メモリ13の記憶領域の一部を用いて構築された宛先データ記憶領域15’に、図4に示されるような宛先データ記憶ファイル15が保存されるようになっている。
図4に示される宛先データ記憶ファイル15には、発呼対象となる他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とが関連づけて記憶される。この実施形態では、電子メールの宛先として電話番号と電子メールアドレスが記憶され、更に、該他の通信端末に通信サービスを提供する電気通信事業者を特定するための事業者特定情報と、当該携帯通信端末1を利用する所有者のスケジュールに関する開示範囲を規定するための値とが電話番号に対応して設定されるようになっている。図5に示すように、開示範囲を規定するための値「1」はスケジュールの要約とスケジュールの詳細を共に通信相手に送信すべきことを示し、開示範囲を規定するための値「2」はスケジュールの要約のみを通信相手に送信すべきことを示すものである。同様に、開示範囲を規定するための値「3」はスケジュールの空き時間を通信相手に送信すべきことを示し、開示範囲を規定するための値「4」は固定的なデフォルトメッセージを通信相手に送信すべきことを示している。
名前の欄は通信相手の名称であり、発呼時における電話番号の選択等の作業に際し、電話番号に代わる選択肢としてディスプレイ5に表示される値である。管理番号は、通信相手の名称,電話番号(電子メールの宛先の1つでもある),電子メールアドレス,事業者特定情報,スケジュールの開示範囲を1セットのデータとして取り扱うための管理番号である。
なお、この種のファイル構成に関しては、携帯通信端末の分野では既に「電話帳」等の名称で公知であるが、本実施形態にあっては、事業者特定情報とスケジュールの開示範囲が新たに追加されている。
【0032】
次に、図6〜図9に示した「通信制御プログラム」のフローチャート(以下、通信制御処理という)を参照して、テキストメッセージ登録手段,音声ファイル登録手段,宛先データ登録手段,送信先データ登録手段,応答状態判定手段E,電子メール生成手段F,音声ファイル添付手段G,電子メール送信手段Hおよび動作選択手段Jとして機能する携帯通信端末1のマイクロプロセッサ8の処理動作と、本実施形態における「通信制御プログラム」ならびに通信制御方法と、テキストメッセージ記憶手段A,音声ファイル生成手段B,宛先データ記憶手段C,送信先一時記憶手段D,通話機能実現手段Iについて具体的に説明する。
【0033】
なお、この段階では既に図4に示されるような宛先データ記憶ファイル15に通信相手の名称,電話番号,電子メールアドレス,事業者特定情報,スケジュールの開示範囲からなる何セットかのデータが既に登録され、また、図3に示されるようなスケジュール記憶ファイル16にも当該携帯通信端末1のユーザのスケジュールが幾つか登録されているものとする。キー操作部10とマイクロプロセッサ8を利用して行われる宛先データ記憶ファイル15やスケジュール記憶ファイル16に対するデータの書き込み処理については一般的なものであるので、宛先データ登録手段やテキストメッセージ登録手段として機能するマイクロプロセッサ8の動作に関しては説明を省略する。
【0034】
また、当該携帯通信端末1自体に通信サービスを提供している電気通信事業者を特定する事業者特定情報は予め不揮発性メモリ13もしくはROM11に記憶されているものとする。
【0035】
通信制御処理を開始したマイクロプロセッサ8は、まず、キー操作部10に対する直接的な数値の入力操作、もしくは、ディスプレイ5に表示される名前に対して行われる選択操作等によって、発呼対象となる電話番号が入力されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0036】
そして、発呼対象となる電話番号の入力が検知されなければ、マイクロプロセッサ8は、ステップS1の判定処理とステップS37の通常処理のみを繰り返し実行して、発呼対象となる電話番号の入力を待機する。
【0037】
ステップS37の通常処理は、通話機能実現手段Iを利用した通常の通話あるいは発呼の中断処理や電子メールの作成もしくは送受信処理、更には、宛先データ記憶ファイル15やスケジュール記憶ファイル16へのデータの登録作業等に関するもので、これらの処理操作に関しては既に公知である。
【0038】
一方、発呼対象となる電話番号の入力がステップS1の判定処理で検出された場合には、まず、送信先一時記憶手段Dの一部を構成する送信先データ登録手段として機能するマイクロプロセッサ8が、携帯通信端末1のデータ記憶手段の1つであるRAM12における送信先データ一時記憶領域18’すなわち送信先一時記憶手段Dの主要部に、ステップS1で検出した発呼対象の電話番号を一時記憶させる(ステップS2)。
【0039】
次いで、マイクロプロセッサ8は、発呼開始後の経過時間Tの計測を開始し(ステップS3)、発呼回数計数カウンタCの値を一旦0に初期化した後(ステップS4)、該カウンタCの値を1インクリメントして(ステップS5)、発呼対象の電話番号に対して1回の発呼を実行する(ステップS6)。
【0040】
そして、応答状態判定手段Eとして機能するマイクロプロセッサ8が、発呼対象として選択された通信端末からの応答の有無を判定する(ステップS7)。
【0041】
ここで、ステップS7の判定結果が真となった場合、つまり、発呼対象として選択された他の通信端末からの応答があり、通信相手との間の接続が確立した場合には、従来と同様、通信相手との通話を開始することが可能であるので、動作選択手段Jとして機能するマイクロプロセッサ8は、他の通信端末からの応答が有ったものと見做し、音声ファイル生成手段B,電子メール生成手段F,音声ファイル添付手段G,電子メール送信手段Hを非作動の状態としたまま当該携帯通信端末1の通話機能実現手段Iを起動し、従来と同様にして、当該携帯通信端末1と発呼先の通信相手との間での通話を実現させる(ステップS37参照)。
【0042】
これに対し、ステップS7の判定結果が偽となった場合、つまり、発呼対象として選択された他の通信端末からの応答が確認されなかった場合には、応答状態判定手段Eとして機能するマイクロプロセッサ8は、応答の有無に関わる判定を保留したまま、更に、キー操作部10に対してユーザによるオンフック操作が行われているか否か(ステップS8)、最初の発呼を開始してからの経過時間Tが予め決められた許容時間の設定値t0に達しているか否か(ステップS9)、発呼回数計数カウンタCの値が予め決められた許容発呼回数c0に達しているか否かを判定し(ステップS10)、ステップS8〜ステップS10に至る全ての判定結果が偽となった場合に限り、発呼回数計数カウンタCの値を改めて1インクリメントし(ステップS5)、発呼対象の電話番号に対して更に1回の発呼を実行する(ステップS6)。
【0043】
従って、最初の発呼を開始してからの経過時間Tが予め決められた許容時間の設定値t0に達するまでの間に発呼対象として選択された他の通信端末からの応答が確認された場合、あるいは、予め決められた許容発呼回数c0の範囲で実行される発呼に応えて他の通信端末からの応答が確認された場合にあっては、応答状態判定手段Eとして機能するマイクロプロセッサ8は、予め設定された判定条件の範囲内で他の通信端末からの応答が確認されたものと見做し、従来と同様にして当該携帯通信端末1の通話機能実現手段Iを起動して当該携帯通信端末1と発呼先の通信相手との間での通話を開始させることになる(ステップS37参照)。
【0044】
ステップS5〜ステップS10の処理が繰り返し実行される間に、ユーザがキー操作部10に対してオンフック操作を行うようにすれば、従来と同様、ユーザの意図によって発呼処理を停止させることも可能である(ステップS37参照)。
【0045】
これに対し、ステップS5〜ステップS10の処理が繰り返し実行される間にステップS9もしくはステップS10の判定処理が真となった場合には、応答状態判定手段Eとして機能するマイクロプロセッサ8は、発呼対象として選択された通信端末からの応答が得られないものと見做す。
【0046】
この場合、動作選択手段Jとして機能するマイクロプロセッサ8は、当該携帯通信端末1の通話機能実現手段Iを非作動の状態としたまま、音声ファイル生成手段B,電子メール生成手段F,音声ファイル添付手段G,電子メール送信手段Hの作動を許容する。
【0047】
ステップS9もしくはステップS10の判定処理が真となって、発呼対象として選択された通信端末からの応答が得られないと判定された場合には、まず、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8が、宛先データ記憶手段Cの主要部を構成する不揮発性メモリ13における宛先データ記憶領域15’に登録されている図4のような宛先データ記憶ファイル15を検索し(ステップS11)、送信先一時記憶手段Dの主要部を構成するRAM12の送信先データ一時記憶領域18’に現時点で一時記憶されている電話番号すなわち発呼対象の電話番号が、宛先データ記憶ファイル15に既に登録されているか否かを判定することになる(ステップS12)。
前述のステップS1の処理で検出された電話番号が、ディスプレイ5に表示される名前に対して行われる選択操作によって発呼対象として選択された場合には、当然、発呼対象の電話番号が宛先データ記憶ファイル15に登録済みであるが、ユーザがメモを見ながらキー操作部10に対する直接的な数値入力操作を行なって電話番号を指定したような場合には、発呼対象の電話番号が宛先データ記憶ファイル15に登録されていないといった場合もあり得るからである。
【0048】
そこで、ステップS12の判定結果が偽となった場合、つまり、発呼対象の電話番号が宛先データ記憶ファイル15に登録されていないことが明らかとなった場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、ディスプレイ5に「発呼対象の電話番号や電子メールアドレスが登録されていません。メッセージを伝達できない場合があります。音声メッセージの入力を開始しますか?」等のアラートメッセージを表示し(ステップS18)、キー操作部10を利用したユーザの応答操作を待機する(ステップS19)。
【0049】
ここで、ステップS19の判定結果が偽となった場合、つまり、ユーザがメッセージの伝達を中止する操作を行った場合には、マイクロプロセッサ8は、この時点で通信制御処理を中断し、ステップS1の判定処理とステップS37の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0050】
また、ステップS19の判定結果が真となった場合、つまり、無理を承知の上でユーザがメッセージの伝達を望む操作を行なった場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、送信先一時記憶手段Dの主要部を構成するRAM12の送信先データ一時記憶領域18’に現時点で一時記憶されている電話番号、すなわち、発呼対象の電話番号それ自体を、電子メールの宛先としてRAM12内の宛先記憶レジスタRmに一時記憶させる(ステップS20)。
適切な電子メールの宛先に関わる情報や当該通信相手に通信サービスを提供している電気通信事業者を特定する事業者特定情報が存在しないため、電子メールの宛先としての選択肢が電話番号以外にないからである。
【0051】
一方、ステップS12の判定結果が真となった場合、すなわち、発呼対象の電話番号が宛先データ記憶ファイル15に既に登録されていることが明らかとなった場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、更に、送信先データ一時記憶領域18’に記憶されている発呼対象の電話番号に基いて図4のような宛先データ記憶ファイル15を検索し、当該発呼対象の電話番号に対応して事業者特定情報が登録されているか否か、つまり、発呼対象の通信相手に通信サービスを提供している電気通信事業者が既知であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0052】
発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報が登録されておらず、ステップS13の判定結果が偽となった場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、更に、送信先データ一時記憶領域18’に記憶されている発呼対象の電話番号に基いて図4のような宛先データ記憶ファイル15を検索し、発呼対象の電話番号に対応して電子メールアドレスが登録されているか否か、要するに、発呼対象の通信相手に対して通常の電子メールを使用してテキストメッセージや音声ファイルを送信できるか否かを判定する(ステップS16)。
【0053】
ステップS16の判定結果が偽となった場合には、発呼対象の電話番号それ自体は宛先データ記憶ファイル15に登録されているものの発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報や電子メールアドレスが登録されていないことを意味する。従って、この場合、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、前記と同様、ディスプレイ5にアラートメッセージを表示してキー操作部10を利用したユーザの応答操作を待機し(ステップS18,ステップS19)、ユーザがメッセージの伝達を望まない操作を行なった場合には当該時点で通信制御処理を中断してステップS1の判定処理とステップS37の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰し、また、ユーザが無理を承知の上でメッセージの伝達を望む操作を行なった場合には、発呼対象の電話番号それ自体を電子メールの宛先としてRAM12内の宛先記憶レジスタRmに一時記憶させる(ステップS20)。
【0054】
これに対し、ステップS16の判定結果が真となった場合、つまり、発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報は登録されていなくても発呼対象の電話番号に対応する電子メールアドレスが図4のような宛先データ記憶ファイル15に登録されていることが明らかとなった場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、発呼対象の電話番号に対応する電子メールアドレスを宛先データ記憶ファイル15から読み出し、この電子メールアドレスを電子メールの宛先としてRAM12内の宛先記憶レジスタRmに一時記憶させることになる(ステップS17)。
【0055】
一方、前述のステップS13の判定結果が真となり、発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報が宛先データ記憶ファイル15に登録されていることが確認された場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、更に、送信先データ一時記憶領域18’に記憶されている発呼対象の電話番号に基いて図4のような宛先データ記憶ファイル15を検索し、発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報を読み込んで、この事業者特定情報と当該携帯通信端末1に通信サービスを提供している電気通信事業者の事業者特定情報とが一致しているか否か、すなわち、電気通信事業者に依存した格別なサービス例えばホットメール等を利用した電子メールの送受信が当該携帯通信端末1と発呼先の通信端末との間で実行可能であるか否かを判定することになる(ステップS14)。
【0056】
発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報と当該携帯通信端末1に通信サービスを提供している電気通信事業者の事業者特定情報とが一致しておらずステップS14の判定結果が偽となった場合には、電気通信事業者に依存した格別なサービスを利用することはできないので、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、前記と同様、発呼対象の通信相手に通常の電子メールを使用してテキストメッセージや音声ファイルを送信できるか否かを判定し(ステップS16)、通常の電子メールの使用が可能であれば発呼対象の電話番号に対応する電子メールアドレスを宛先データ記憶ファイル15から読み出して電子メールの宛先としてRAM12内の宛先記憶レジスタRmに一時記憶させる一方(ステップS17)、通常の電子メールの使用ができない場合には、ディスプレイ5にアラートメッセージを表示した上でキー操作部10を利用したユーザの応答操作を待機し(ステップS18,ステップS19)、ユーザがメッセージの伝達を望まない操作を行なった場合には当該時点で通信制御処理を中断してステップS1の判定処理とステップS37の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰し、また、ユーザが無理を承知の上でメッセージの伝達を望む操作を行なった場合には発呼対象の電話番号それ自体を電子メールの宛先としてRAM12内の宛先記憶レジスタRmに一時記憶させることになる(ステップS20)。
【0057】
また、これとは逆にステップS14の判定結果が真となった場合には、発呼対象の電話番号に対応した事業者特定情報と当該携帯通信端末1に通信サービスを提供している電気通信事業者の事業者特定情報とが一致していること、要するに、電子メールの送受信に際して電気通信事業者に依存した格別なサービスが利用可能であることを意味するので、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、安価で確実な方法つまりホットメール等を利用した電子メールの送信処理を行なうことを前提として、発呼対象の電話番号それ自体を電子メールの宛先としてRAM12内の宛先記憶レジスタRmに一時記憶させる(ステップS15)。
【0058】
次いで、音声ファイル生成手段Bの主要部を構成する音声ファイル登録手段として機能するマイクロプロセッサ8が、当該携帯通信端末1の送話器2から入力されるユーザの肉声すなわち音声メッセージを順次読み込んで電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換し、携帯通信端末1におけるデータ記憶手段の1つであるRAM12に設けられた音声ファイル記憶領域17’に一時記憶させる(ステップS21)。
【0059】
そして、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8が、先ほど求めて一時記憶していた送り先、つまり、送信先データ一時記憶領域18’に記憶されている電話番号に対応する電子メールの宛先を、RAM12の宛先記憶レジスタRmから読み込み、この送り先に当てた電子メールを生成し、更に、音声ファイル添付手段Gとして機能するマイクロプロセッサ8が、音声ファイル記憶領域17’に一時記憶されている音声ファイルを此の電子メールに添付ファイルの形式で添付し(ステップS22)、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8が、此の電子メールのタイトルとして「伝言メッセージ」等の文字ストリングスを設定する(ステップS23)。
【0060】
次いで、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8が時計部14から年月日を含む現在時刻を読み込み(ステップS24)、テキストメッセージ記憶手段Aの主要部として機能する不揮発性メモリ13のスケジュールファイル記憶領域16’に登録されている図3のようなスケジュール記憶ファイル16をサーチして(ステップS25)、現在時刻に対応するユーザのスケージュールが既にスケジュール記憶ファイル16に登録されているか否かを判定する(ステップS26)。
【0061】
ここで、ステップS26の判定結果が偽となった場合、つまり、現在時刻に対応するユーザのスケージュールがスケジュール記憶ファイル16に登録されていないことが明らかとなった場合には、電子メールに書き込んで通信相手に送信すべきスケジュールの要約や詳細が登録されていないことは明らかであるので、電子メール送信手段Hの主要部として機能するマイクロプロセッサ8は、「伝言メッセージ」等のタイトルを設定されて音声ファイルのみを添付された空の電子メールを、宛先記憶レジスタRmに記憶されている電子メールの宛先つまり通信相手の通信端末に宛てて送信する(ステップS33)。
【0062】
前述した通り、電子メールの宛先としては通信相手の電子メールアドレスが設定される場合と通信相手の電話番号が設定される場合とがある(ステップS15,ステップS17,ステップS20参照)。
【0063】
通信相手の電子メールアドレスが宛先として設定されている場合、あるいは、通信相手の電話番号が宛先として設定されている場合であっても発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報と当該携帯通信端末1に通信サービスを提供している電気通信事業者の事業者特定情報とが一致していて電気通信事業者に依存した格別なサービスが利用できる場合にあっては、通信相手の通信端末に電子メールを確実に送達することができるが、通信相手の電話番号が宛先として設定されていても発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報と当該携帯通信端末1に通信サービスを提供している電気通信事業者の事業者特定情報とが一致しない場合、もしくは、発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報が不明である場合には、通信相手の通信端末に電子メールを送達できない可能性が高い。
【0064】
この実施形態では、電気通信事業者に依存した格別なサービスと通常の電子メールのサービスが共に利用できる状況下にあっては、通常の電子メールのサービスに優先して電気通信事業者に依存したホットメール等の格別なサービスを利用するようにしているので、全体としての通信費用を廉価に抑えることができる(ステップS14〜ステップS15,ステップS16〜ステップS17参照)。
【0065】
これに対し、ステップS26の判定結果が真となった場合、つまり、現在時刻に対応するユーザのスケージュールがスケジュール記憶ファイル16に登録されていることが明らかとなった場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、更に、スケジュール記憶ファイル16を参照して当該スケージュールに対応して設定されているスケジュールの通知の要否の値が「1」であるか否か、つまり、このスケジュールについて通信相手に知らせる必要があるか否かを判定することになる(ステップS27)。
【0066】
ステップS27の判定結果が偽となった場合すなわちスケジュールについて通信相手に知らせる必要がないと判定された場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8によるスケジュール記憶ファイル16からのテキストデータの読み込みは非実行とされ、前記と同様、電子メール送信手段Hの主要部として機能するマイクロプロセッサ8が、「伝言メッセージ」等のタイトルを設定されて音声ファイルのみを添付された空の電子メールを、宛先記憶レジスタRmに記憶されている電子メールの宛先つまり通信相手の通信端末に宛てて送信することになる(ステップS33)。
【0067】
一方、ステップS27の判定結果が真となった場合、つまり、スケジュールについて通信相手に知らせる必要があると判定された場合には、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、更に、RAM12の送信先データ一時記憶領域18’に記憶されている電話番号に対応して図4のような宛先データ記憶ファイル15に登録されている開示範囲の値を読み込み(ステップS28)、まず、この値が「1」であるか否かを判定する(ステップS29)。
【0068】
開示範囲の値が「1」である場合にはスケジュールの要約とスケジュールの詳細を共に通信相手に送信する必要があることを意味するので、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、テキストメッセージ記憶手段Aの主要部として機能するスケジュール記憶ファイル16から現在時刻に対応して登録されているスケジュールの要約とスケジュールの詳細を選択的に読み込み、「伝言メッセージ」等のタイトルを設定されて音声ファイルのみを添付された空の電子メールの本文としてスケジュールの要約とスケジュールの詳細を書き込む(ステップS34)。
【0069】
また、開示範囲の値が「1」でなければ、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、更に、この開示範囲の値が「2」であるか否かを判定する(ステップS30)。
【0070】
開示範囲の値が「2」である場合にはスケジュールの要約のみを通信相手に送信する必要があることを意味するので、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、テキストメッセージ記憶手段Aの主要部として機能するスケジュール記憶ファイル16から現在時刻に対応して登録されているスケジュールの要約のみを選択的に読み込み、「伝言メッセージ」等のタイトルを設定されて音声ファイルのみを添付された空の電子メールの本文としてスケジュールの要約のみを書き込む(ステップS35)。
【0071】
更に、開示範囲の値が「2」でなければ、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、この開示範囲の値が「3」であるか否かを判定する(ステップS31)。
【0072】
開示範囲の値が「3」である場合にはスケジュールの空き時間を通信相手に送信する必要があることを意味するので、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、スケジュール記憶ファイル16に登録されているスケジュールの時間帯を現在時刻を起点として時系列に沿って将来に向けて検索することによって最初のスケジュールの空き時間を求め(ステップS36)、「伝言メッセージ」等のタイトルを設定されて音声ファイルのみを添付された空の電子メールの本文としてスケジュールの空き時間をテキスト形式で書き込む(ステップS37)。
例えば、図3に示される宛先データ記憶ファイル15の例で現在時刻が2008/7/22/9:30であったとすれば、次のスケジュールが開始されるのは2008/7/22/14:00からであるから、電子メールに書き込まれるスケジュールの空き時間は2008/7/22/10:00〜2008/7/22/14:00ということになる。
【0073】
また、開示範囲の値が「3」でなければ、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、この開示範囲の値が「4」であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0074】
開示範囲の値が「4」である場合には固定的なデフォルトメッセージを通信相手に送信する必要があることを意味するので、電子メール生成手段Fとして機能するマイクロプロセッサ8は、テキストメッセージ記憶手段Aの一部として機能する不揮発性メモリ13の他の記憶領域に予め登録されているデフォルトメッセージを選択的に読み込み、「伝言メッセージ」等のタイトルを設定されて音声ファイルのみを添付された空の電子メールの本文としてデフォルトメッセージをテキスト形式で書き込む(ステップS38)。
【0075】
そして、最終的に、電子メール送信手段Hの主要部として機能するマイクロプロセッサ8が、ステップS34,ステップS35,ステップS37もしくはステップS38で生成された電子メールを、宛先記憶レジスタRmに記憶されている電子メールの宛先つまり通信相手の通信端末に宛てて送信する(ステップS33)。
【0076】
以上に述べた通り、この実施形態では、発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報と当該携帯通信端末1に通信サービスを提供している電気通信事業者の事業者特定情報とが一致していない場合や発呼対象の電話番号に対応する事業者特定情報が不明である場合、つまり、ステップS14の判定結果もしくはステップS13の判定結果が偽となる場合においては、通信相手の電子メールアドレスを宛先として通常の電子メールのサービスを利用してテキストメッセージや音声ファイルを送信するようにしているので、電気通信事業者に依存した格別なサービスが利用できない状況下にあっても通常の電子メールのサービスを利用して確実にメッセージを伝達することができる。
【0077】
しかも、通信先の通信端末が応答困難な状況、例えば、相手先の通信端末が携帯通信端末であって通信圏外に出ている場合、あるいは、相手先の通信端末の電源が入っていない場合、または、応答が可能な状況下にあっても相手が応答しないような場合であっても、相手方の事情や都合とは関わりなく、状況に応じた適切な音声メッセージつまり発呼を行なった時点でユーザがリアルタイムに生成した音声ファイルと、テキストメッセージ記憶手段Aとして機能するスケジュール記憶ファイル16に予め登録されていたスケジュールの要約や其の詳細、または、不揮発性メモリ13の他の記憶領域に予め登録されていたデフォルトメッセージ、あるいは、スケジュール記憶ファイル16に登録されたスケジュールの時間帯を検索することによって求められたスケジュールの空き時間を表すテキストメッセージを伝達することができる。
【0078】
つまり、通信相手となる通信端末が着信を検知しない場合であっても、発呼側のユーザが必要とする音声メッセージやテキストメッセージを無条件に送り付けることができるので、発呼側のユーザは、いつ通じるか分からない通信先に向けて無駄な発呼を繰り返すといった必要がなくなり、時間の浪費を解消することができる。
【0079】
この際、相手先の携帯通信端末がいつ通信圏内に戻るか、相手先の通信端末の電源がいつ入れられるか、相手先がいつ応答する気になるかは保証の限りではないが、テキストメッセージを書き込んだ電子メールや当該電子メールに添付された音声ファイルは、相手先の携帯通信端末が通信圏内に戻った時点あるいは相手先の通信端末の電源が投入された時点で、もしくは、相手先のユーザのダウンロード指令によって自動的に相手先の通信端末に取り込まれるので、少なくとも、受信側の通信端末が着信を検知しない限り電子メールの送信処理や音声メッセージの送信処理が行なわれなかった此れまでの電話装置、つまり、受信側が電源非投入もしくは通信圏外の状況下では電子メールや音声メッセージの送信処理の機能が一切利用できなかった此れまでの電話装置と比べれば、通信が確立するまでの所要時間が短縮される可能性が高い。
【0080】
従って、特に、最初に電話を掛けた側の人間が何らかの応答を期待して何回も電話を掛け直すことで生じる時間の浪費を効果的に節約することができる。
【0081】
また、電子メールの本文をなすテキストメッセージの内容は、スケジュールに関する開示範囲を規定する値を整数「1」〜「4」の範囲で通信相手に合わせて設定することにより、スケジュールの要約とスケジュールの詳細、または、スケジュールの要約のみ、あるいは、スケジュールの空き時間のみ、もしくは、「後で電話を下さい。」等の固定的なデフォルトメッセージのうちから自由に選ぶことができるので、通信相手の信頼性に応じたメッセージを送信することができる。
【0082】
更に、通信相手に合わせて設定する開示範囲の値とは別にスケジュール毎に通信相手に対するスケジュールの通知の要否を設定することができるので、外部に流したくないスケジュールに対応させて非通知を意味する数値「0」を設定しておけば、仮に、開示範囲の値を誤って設定したとしても、重要な情報が外部に漏れる心配はない。
【0083】
この実施形態では、最初の発呼を開始してからの経過時間Tと発呼回数計数カウンタCの値を参照して応答の有無や発呼の打ち切りを判定しているが、応答の有無や発呼の打ち切り規準となる判定条件は時間または発呼回数の何れか一方で十分である。
【0084】
以上の実施形態では、携帯通信端末の一例として携帯電話機を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。
電話機能と音声の録音機能および電子メールの送信機能を有する装置であれば、いかなる装置に適用することも可能である。
【0085】
発明の実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明を適用した一実施形態の携帯通信端末の機能を簡略化して示した機能ブロック図である。
【図2】同実施形態の携帯通信端末の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図3】同実施形態におけるスケジュール記憶ファイルの具体的な構成例を示した概念図である。
【図4】同実施形態における宛先データ記憶ファイルの具体的な構成例を示した概念図である。
【図5】同実施形態における宛先データ記憶ファイルで利用される開示範囲を規定するための値と開示範囲の関係を示した概念図である。
【図6】同実施形態の携帯通信端末のマイクロプロセッサによって実行される通信制御処理の概略を示したフローチャートである。
【図7】通信制御処理の概略を示したフローチャートの続きである。
【図8】通信制御処理の概略を示したフローチャートの続きである。
【図9】通信制御処理の概略を示したフローチャートの続きである。
【符号の説明】
【0087】
1 携帯通信端末
2 送話器
3 受話器
4 送受信部(電子メール送信手段の他部)
5 ディスプレイ
6 音声処理部
7 入出力回路
8 マイクロプロセッサ(テキストメッセージ登録手段,音声ファイル登録手段,宛先データ登録手段,送信先データ登録手段,応答状態判定手段,電子メール生成手段,音声ファイル添付手段,電子メール送信手段の主要部,通話機能実現手段,動作選択手段)
9 アンテナ(電子メール送信手段の他部)
10 キー操作部
11 ROM
12 RAM(携帯通信端末のデータ記憶手段の1つ)
13 不揮発性メモリ(携帯通信端末のデータ記憶手段の1つ)
14 時計部
15 宛先データ記憶ファイル
15’ 宛先データ記憶領域
16 スケジュール記憶ファイル
16’ スケジュールファイル記憶領域
17’ 音声ファイル記憶領域
18’ 送信先データ一時記憶領域
A テキストメッセージ記憶手段
B 音声ファイル生成手段
C 宛先データ記憶手段
D 送信先一時記憶手段
E 応答状態判定手段
F 電子メール生成手段
G 音声ファイル添付手段
H 電子メール送信手段
I 通話機能実現手段
J 動作選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声による通話機能と添付ファイル付きの電子メールの送受信機能を有する携帯通信端末であって、
他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージを記憶するテキストメッセージ記憶手段と、
当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを読み込んで電子メールに添付可能な音声ファイルの形式で一時記憶する音声ファイル生成手段と、
発呼対象となる他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて記憶した宛先データ記憶手段と、
発呼対象として選択された他の通信端末の電話番号を一時記憶する送信先一時記憶手段と、
発呼対象として選択された他の通信端末からの応答の有無を予め設定された判定条件に従って判定する応答状態判定手段と、
前記テキストメッセージ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成する電子メール生成手段と、
前記音声ファイル生成手段を作動させ、音声ファイル生成手段が生成した音声ファイルを前記電子メールに添付する音声ファイル添付手段と、
前記送信先一時記憶手段に記憶されている電話番号に対応する電子メールの宛先を前記宛先データ記憶手段から求め、この宛先に宛てて前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、
前記応答状態判定手段の判定結果が応答有りの場合には前記音声ファイル生成手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段を非作動として当該携帯通信端末の通話機能実現手段を起動する一方、前記応答状態判定手段の判定結果が応答無しの場合には、当該携帯通信端末の通話機能実現手段を非作動として前記音声ファイル生成手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段の作動を許容する動作選択手段を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記テキストメッセージ記憶手段は、前記携帯通信端末のユーザのスケージュールを時刻に対応させて記憶するスケジュール記憶ファイルによって構成され、
前記電子メール生成手段は、発呼時の現在時刻に対応するスケジュールのテキストデータを選択的に読み込むように構成されていることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記スケジュール記憶ファイルは、スケジュールの要約とスケジュールの詳細を並列的に記憶するように構成され、
前記宛先データ記憶手段は、電話番号に対応してスケジュールの開示範囲を記憶するように構成され、
前記電子メール生成手段は、前記送信先一時記憶手段に記憶されている電話番号に対応する開示範囲を前記宛先データ記憶手段から求め、この開示範囲に基いてスケジュールの要約のみ,スケジュールの要約と詳細,スケジュールの空き時間,固定的なデフォルトメッセージのうちの何れか一つのみを選択的に読み込むように構成されていることを特徴とする請求項2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記スケジュール記憶ファイルは、スケジュールに対応してスケジュールの通知の要否を記憶するように構成され、
前記電子メール生成手段は、前記スケジュール記憶ファイルから発呼時の現在時刻に対応するスケジュールの通知の要否を確認し、要通知の場合にはテキストデータを読み込み一方、否通知の場合にはテキストデータの読み込みを非実行とするように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3のうち何れか一項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記宛先データ記憶手段は、前記他の通信端末に対応する電子メールの宛先として該他の通信端末の電話番号と該他の通信端末の電子メールアドレスを記憶すると共に、該他の通信端末に通信サービスを提供する電気通信事業者を特定するための事業者特定情報を記憶するように構成され、
前記電子メール送信手段は、前記宛先データ記憶手段から送信先一時記憶手段に記憶されている電話番号に対応して記憶されている事業者特定情報を求め、この事業者特定情報で特定される事業者が当該携帯通信端末に通信サービスを提供する電気通信事業者と異なる場合には前記送信先一時記憶手段に記憶されている電話番号に対応する電子メールアドレスを宛先とする一方、一致する場合には、前記送信先一時記憶手段に記憶されている電話番号を宛先として前記電子メールを送信するように構成されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4のうち何れか一項に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
音声による通話機能と添付ファイル付きの電子メールの送受信機能を有し、データ記憶手段を備えた携帯通信端末の通信制御プログラムであって、
前記携帯通信端末のマイクロプロセッサを、
他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージを前記データ記憶手段に記憶させるためのテキストメッセージ登録手段、
当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを読み込み電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換して前記データ記憶手段に一時記憶させる音声ファイル登録手段、
発呼対象となる前記他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先とを関連づけて宛先データファイルとして前記データ記憶手段に記憶させる宛先データ登録手段、
発呼対象として選択された前記他の通信端末の電話番号を前記データ記憶手段に一時記憶させる送信先データ登録手段、
発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答の有無を予め設定された判定条件に従って判定する応答状態判定手段、
前記データ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成する電子メール生成手段、
前記音声ファイル登録手段を作動させ、音声ファイル登録手段が前記データ記憶手段に一時記憶させた音声ファイルを前記電子メールに添付する音声ファイル添付手段、
前記送信先データ登録手段が前記データ記憶手段に一時記憶させた電話番号に対応する電子メールの宛先を前記宛先データファイルから求め、当該携帯通信端末における電子メールの送受信機能を利用して、前記求められた宛先に宛てて前記電子メールを送信する電子メール送信手段、および、
前記応答状態判定手段の判定結果が応答有りの場合には前記音声ファイル登録手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段を非作動として当該携帯通信端末の通話機能実現手段を起動する一方、前記応答状態判定手段の判定結果が応答無しの場合には、当該携帯通信端末の通話機能実現手段を非作動として前記音声ファイル登録手段と前記電子メール生成手段および音声ファイル添付手段と電子メール送信手段の作動を許容する動作選択手段として機能させることを特徴とした携帯通信端末の通信制御プログラム。
【請求項7】
前記テキストメッセージ登録手段は、前記携帯通信端末のユーザのスケージュールを時刻に対応させて前記データ記憶手段に記憶させ、
前記電子メール生成手段は、発呼時の現在時刻に対応するスケジュールのテキストデータを選択的に読み込むようにされていることを特徴とする請求項6記載の携帯通信端末の通信制御プログラム。
【請求項8】
前記テキストメッセージ登録手段は、スケジュールの要約とスケジュールの詳細を並列的に前記データ記憶手段に記憶させ、
前記宛先データ登録手段は、電話番号に対応させてスケジュールの開示範囲を前記データ記憶手段に記憶させ、
前記電子メール生成手段は、前記データ記憶手段に一時記憶されている電話番号に対応する開示範囲を前記データ記憶手段から求め、この開示範囲に基いてスケジュールの要約のみ,スケジュールの要約と詳細,スケジュールの空き時間,固定的なデフォルトメッセージのうちの何れか一つのみを選択的に読み込むようにされていることを特徴とする請求項7記載の携帯通信端末の通信制御プログラム。
【請求項9】
前記テキストメッセージ登録手段は、スケジュールに対応してスケジュールの通知の要否を前記データ記憶手段に記憶させ、
前記電子メール生成手段は、前記データ記憶手段から発呼時の現在時刻に対応するスケジュールの通知の要否を確認し、要通知の場合にはテキストデータを読み込み一方、否通知の場合にはテキストデータの読み込みを非実行とするようにされていることを特徴とする請求項7または請求項8のうち何れか一項に記載の携帯通信端末の通信制御プログラム。
【請求項10】
前記宛先データ登録手段は、前記他の通信端末に対応する電子メールの宛先として該他の通信端末の電話番号と該他の通信端末の電子メールアドレスを前記データ記憶手段に記憶させると共に、該他の通信端末に通信サービスを提供する電気通信事業者を特定するための事業者特定情報を前記データ記憶手段に記憶させ、
前記電子メール送信手段は、前記データ記憶手段に一時記憶憶されている電話番号に対応して記憶されている事業者特定情報を求め、この事業者特定情報で特定される事業者が当該携帯通信端末に通信サービスを提供する電気通信事業者と異なる場合には前記一時されている電話番号に対応する電子メールアドレスを宛先とする一方、一致する場合には、前記一時記憶されている電話番号を宛先として前記電子メールを送信するようにされていることを特徴とする請求項6,請求項7,請求項8または請求項9のうち何れか一項に記載の携帯通信端末の通信制御プログラム。
【請求項11】
他の通信端末に伝達すべきテキストメッセージ、および、発呼対象となる前記他の通信端末の電話番号と該他の通信端末に対応する電子メールの宛先との関連を携帯通信端末のデータ記憶手段に予め登録しておき、
該携帯通信端末から前記他の通信端末を発呼する際に、発呼対象として選択した前記他の通信端末の電話番号を一時記憶し、
発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答の有無を確認し、応答が有れば当該携帯通信端末の通話機能を起動する一方、
発呼対象として選択された前記他の通信端末からの応答が無ければ、当該携帯通信端末の送話器から入力される音声メッセージを電子メールに添付可能な音声ファイルの形式に変換して前記データ記憶手段に一時記憶し、かつ、前記データ記憶手段からテキストメッセージを選択的に読み込んで電子メールの本文を生成して、前記データ記憶手段に一時記憶された音声ファイルを前記電子メールに添付すると共に、
発呼対象として記憶している電話番号に対応する電子メールの宛先を前記データ記憶手段から求め、当該携帯通信端末における電子メールの送受信機能を利用して、前記求められた宛先に宛てて前記電子メールを送信することを特徴とした携帯通信端末の通信制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−87818(P2010−87818A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254255(P2008−254255)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】