説明

携帯電話

【課題】 通常の電話モードで通話する場合とテレビ電話モードで通話する場合との何れにおいても所望のように通話することができる携帯電話を提供することを目的とする。
【解決手段】 電話本体2に、音声を集音する音声入力部8と、画像を撮影する外側カメラ10と、電話本体2を操作者の目の近傍に位置させた状態で、通話相手から送信される画像または外側カメラ10で撮影された画像を表示する覗き込み型表示部11とが設けられるとともに、フリップ3に、音声を発する音声出力部9が設けられ、電話本体2とフリップ3は、通常電話モード位置、テレビ電話モード位置の間で相対位置が変わるように接続部1によって接続されている。携帯電話は、通常電話モード位置では、音声入力部8および音声出力部9を機能させる一方で、覗き込み型表示部11を機能させないようにし、テレビ電話モード位置では、音声入力部8および音声出力部10とともに、覗き込み型表示部11を機能させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ電話モードによる通話が可能な携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、発信側および受信側のそれぞれで撮影している画像を相互に送受信し、その画像を観賞しながら通話を行うテレビ電話が知られている。かかるテレビ電話によれば、例えば、電話機の表示画面に、お互いの顔を表示したり、通話相手に見せたい写真などを表示しながら通話を楽しむことができる。
【0003】
近年、こうしたテレビ電話機能を、一般家庭用の電話機やパーソナルコンピュータの他、PHSや携帯電話に搭載する試みもなされており、特許文献1には、その一例としてテレビ電話機能を備えた携帯電話が開示されている。こうした携帯電話によれば、在宅時に限らず、外出先からであっても自由にテレビ電話機能を利用して通話を楽しむことが可能になる。
【特許文献1】特開平08−321863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、携帯電話は、一般家庭用の電話機やパーソナルコンピュータのように、ある場所に設置されて使用されるものではなく、操作者が携帯電話自体を手に持って使用するため、画像を見ながら通話するという特性上、通常の電話モードで通話する場合とテレビ電話モードで通話する場合とで操作者に対する携帯電話の位置や角度が異なる場合がある。このため、通常の電話モードで通話する場合とテレビ電話モードで通話する場合との何れにおいても、所望のように通話することができる携帯電話の開発が強く望まれていた。
【0005】
従って、本発明の目的は、通常の電話モードで通話する場合とテレビ電話モードで通話する場合との何れにおいても所望のように通話することができる携帯電話を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、テレビ電話モードで通信するためのテレビ電話機能部と、画像を撮影するカメラ部と、音声を集音する音声入力部が設けられた第一の筐体と、音声を発する音声出力部が設けられた第二の筐体と、前記第一の筐体または前記第二の筐体を操作者の目の近傍に位置させた状態で前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号に基づいて画像を表示する表示部と、通常電話モード位置、テレビ電話モード位置の間で相対位置が変わるように前記第一の筐体と前記第二の筐体とを接続する接続部と、前記通常電話モード位置では前記音声入力部および前記音声出力部を機能させるとともに前記表示部を機能させないようにする一方、前記テレビ電話モード位置では前記音声入力部、前記音声出力部および前記表示部を機能させる切換制御部とを有することを特徴とする携帯電話によって達成される。
【0007】
本発明においては、第一の筐体または第二の筐体を操作者の目の近傍に位置させた状態で、通話相手から送信される画像またはカメラ部で撮影される画像を表示する表示部が設けられ、通常電話モード位置では、音声入力部および音声出力部のみを機能させる一方で、テレビ電話モード位置では、音声入力部および音声出力部とともに、表示部を機能させるように構成されている。このため、通常電話モード位置では、音声入力部および音声出力部を介して通話することができ、一方、テレビ電話モード位置では、音声入力部および音声出力部を介して通話しつつ、表示部を介して通話相手から送信される画像またはカメラ部で撮影される画像を観賞することができる。従って、通常の電話モードで通話する場合とテレビ電話モードで通話する場合との何れにおいても、所望のように通話することが可能になる。
【0008】
本発明の前記目的はまた、テレビ電話モードで通信するためのテレビ電話機能部と、画像を撮影するカメラ部と、音声を集音する音声入力部と、音声を発する音声出力部と、操作者の目の近傍に位置させた状態で前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号を表示するための表示部と、通常電話モードとテレビ電話モードを切換える切換制御部と、前記通常電話モードに設定されている状態で前記テレビ電話モードでの通信を受けたときに告知を行う告知部とを有することを特徴とする携帯電話によって達成される。
【0009】
本発明の前記目的はまた、テレビ電話モードで通信するためのテレビ電話機能部と、画像を撮影するカメラ部と、音声を集音する音声入力部と、音声を発する音声出力部と、操作者の目の近傍に位置させた状態で、前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号を表示するための表示部と、テレビ電話機能操作部と、通常電話時には、前記テレビ電話機能操作部を操作しても、前記テレビ電話機能操作部を機能させない操作制御部とを有することを特徴とする携帯電話によって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通常の電話モードで通話する場合とテレビ電話モードで通話する場合との何れにおいても所望のように通話することができる携帯電話を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明における携帯電話の第一実施例の外観図である。図1(a)は、操作者が第一のテレビ電話モードで携帯電話を操作している状態の側面図、図1(b)は、不使用時において携帯電話を折りたたんだ状態の側面図であり、各図において同一部分には同一符号を付す。
【0012】
図1(a)は、接続部1によって互いに折りたたみ可能に接続されている電話本体2とフリップ3が最大角度に開かれた状態を図示している。図1(a)の状態において、操作者4は表示部5を見ながらテンキーなどの携帯電話操作部6を操作できる。また、図1(a)の状態では、操作者4の顔を内側カメラ7で撮影しながら表示部5に表示される通話相手の顔を見てテレビ電話をすることができる。この表示部5には、内側カメラ7で撮影した画像の他、後述する外側カメラ10で撮影した画像や、テレビ電話モードでの通信によって通話相手から送信された画像を表示することも可能である。
【0013】
第一のテレビ電話モードでは、電話本体2に設けられたマイクロフォン等の音声入力部8で操作者4の声が集音されるとともに、フリップ3に設けられたスピーカ等の音声出力部9から相手の声を聞くことができる。第一のテレビ電話モードでは、後述の通常電話モードに比べ、音声入力部8の感度が高くなるとともに、音声出力部9の音量が大きくなるように切換えられる。
【0014】
上記の切換えのため、音声入力部8には、音声入力部8の近傍から発せられる音声を集音するための第一の音声入力装置(図示せず)と、音声入力部8から離れた位置から発せられる音声を集音するための第二の音声入力装置(図示せず)が設けられている。また、音声出力部9には、音声出力部9を耳の近傍に位置させて音声を聞くための第一の音声出力装置(図示せず)と、音声出力部9を耳から離れた場所に位置させて音声を聞くための第二の音声出力装置(図示せず)が設けられている。
【0015】
なお、上記のような構成に代え、音声入力部8および音声出力部9にはそれぞれ共通の音声入力装置および音声出力装置を用い、その入力信号および出力信号をそれぞれ電気的に切換えることによって、機能的に第一、第二の音声入力装置および第一、第二の音声出力装置をそれぞれ構成してもよい。
【0016】
また、第一のテレビ電話モードにおいては、内側カメラ7を外側カメラ10に切換えれば、自分の顔の代わりに操作者4が見ている外界を撮影して通話相手に送信することもできる。なお、外側カメラ10は、メインのカメラ撮影に使用するために設けられているものであり、接続部1の近傍に配置されるとともに、内側カメラ7よりも充実した光学性能を持つ。また、その光軸10aの方向が可変となっている。光軸10aの方向の切換えは、電話本体2の短手方向を回転軸として外側カメラ10を回転させることによって行われ、接続部1を挟んで音声入力部8と音声出力部9とがなす角度に応じて、自動的に制御される。例えば、図1(a)の状態のように、携帯電話を耳から離して自然に傾けて持ったときには、光軸10aが水平となるように外側カメラ10の角度が制御される。この結果、外側カメラ10の光軸10aと携帯電話操作部6の面とがなす角度θ10は鈍角となる。また、この状態のときの外側カメラ10の光軸10aは、表示部5の法線と平行にはならない。なお、内側カメラ7および外側カメラ10が撮影する画像の上下方向は、携帯電話を持ったときの上下方向と一致する。従って、この状態で外側カメラ10が撮影する画像情報は、以後の表示、転送、記録の際、この上下方向にて取り扱われる。なお、図1(a)の操作状態では、矢印で示すように、操作者は電話本体2を持って携帯電話を片手保持することが想定されている。
【0017】
図1(a)における携帯電話には、表示部5の他に、覗き込み型表示部11が音声入力部8の近傍に設けられている。覗き込み型表示部11においても、表示部5と同様に、外側カメラ10で撮影した画像や、テレビ電話モードでの通信によって通話相手から送信された画像を表示することが可能である。この覗き込み型表示部11は、図1(a)の状態で携帯電話が保持されているときに、操作者4からは容易に覗けない位置にあり、その使用は想定されていない。覗き込み型表示部11の機能は後述する。
【0018】
図1(b)は、不使用時において携帯電話を折りたたんだ状態を示しており、携帯電話は、このような不使用位置と、図1(a)に示す第一のテレビ電話モード位置と、覗き込み型表示部11を使用する後述の第二のテレビ電話モード位置との三つの位置の間で、電話本体2およびフリップ3の相対的な位置関係が変わるように折りたたみ可能となっている。なお、図1(b)の不使用位置における外側カメラ10の角度は、図1(a)に示す第一のテレビ電話モード位置における角度とは異なっていて、第二のテレビ電話モード位置と同じ角度になっている。これは、後述するように、接続部1を挟んで音声入力部8と音声出力部9とがなす角度が、不使用位置、第二のテレビ電話モード位置、第一のテレビ電話モード位置の順で広くなっていき、それに応じて、頻繁に外側カメラ10の角度が変更されるのを避けるため、不使用位置と第二のテレビ電話モード位置との間で外側カメラ10の角度を固定としたものである。
【0019】
なお、上記の構成に代え、不使用位置と第二のテレビ電話モード位置との間でも外側カメラ10の角度を変更するようにした上で、図1(b)の不使用位置における外側カメラ10の光軸10aを電話本体2の表面と垂直になるようにし、不使用位置においては、外側カメラ10のレンズ面が電話本体2の背面に対してフラットになるように構成することも可能である。
【0020】
以上のいずれの場合においても、第一のテレビ電話モード位置または第二のテレビ電話モード位置では、外側カメラ10は、光軸10aが電話本体2の背面と垂直にはならず、電話本体2の背面の法線方向に対し傾いた角度をとる。
【0021】
図2は、通常電話モードにおける第一実施例の携帯電話を操作者とともに示したものであり、図2(a)はその正面図、図2(b)はその上面図である。各図において図1と同一部分には同一符号を付す。
【0022】
図2における通常電話モードでは、図1(a)と同様、接続部1によって互いに折りたたみ可能に接続されている電話本体2とフリップ3が最大角度に開かれており、外側カメラ10の角度も図1(a)と同じである。なお、図2(a)に示される通常電話モードでは、矢印で示すように、図1(a)の操作状態と同様、操作者4は電話本体2を持って携帯電話を片手保持することが想定されている。
【0023】
また、図2の通常電話モードでは、覗き込み型表示部11の使用は想定されていない。図2(a)から分かるように、通常電話モードで携帯電話を持ったとき、覗き込み型表示部11は操作者4の目の前にはない。さらに、図2(b)から分かるように、通常電話モードでは、仮に携帯電話の持ち方を変えて覗き込み型表示部11を目の近傍に持ってきたとしても操作者4の目の視軸Aと覗き込み型表示部11の光軸11aとが一致しないため、操作者4から覗き込み型表示部11を容易に覗けない状態にある。
【0024】
図3は、第二のテレビ電話モード位置において使用されている第一実施例の携帯電話を操作者とともに示したものであり、図3(a)は、その正面図、図3(b)はその上面図である。各図において、図1および図2と同一部分には同一符号を付す。
【0025】
図3における第二のテレビ電話モード位置では、接続部1によって互いに折りたたみ可能に接続されている電話本体2とフリップ3の開き角度が図2の状態より狭くなっている。以下、この角度を「中開き角度」と称する。なお、接続部1には、この中開き角度への設定を容易にするためのクリック感覚を操作者4に与えるための機構が採用されている。また、矢印で示すように、図3(a)の第二のテレビ電話モード位置においては、操作者4がフリップ3を持って携帯電話を片手保持することが想定されている。
【0026】
図3(a)から分かるように、第二のテレビ電話モード位置の携帯電話は、電話本体2が顔の前に持ち上げられており、覗き込み型表示部11を自然な下目状態で覗き込むことが可能である。図3(b)から分かるように、第二のテレビ電話モード位置における覗き込み型表示部11と操作者4の目との位置関係は、覗き込み型表示部11の光軸11aと目の視軸Aとが容易に一致する位置関係にある。
【0027】
また、外側カメラ10の角度は図2(b)とは異なり、図3(b)では、光軸10aと携帯電話操作部6の面とがなす角度θ10が鋭角とされ、光軸10aが覗き込み型表示部11の光軸11aとほぼ平行になる角度に設定されている。このため、外側カメラ10が撮影する画面の方向と、操作者4の目が見る方向と、覗き込み型表示部11の覗き込み方向とが全て、ほぼ一致するようになっている。従って、外側カメラ10が撮影する画像が覗き込み型表示部11に表示された場合、その画像の中心と操作者4の目が見る被写界の中心がほぼ一致する。
【0028】
なお、外側カメラ10の角度は、外側カメラ10の焦点調整位置によって微調整されるように構成されており、例えば、遠距離に焦点を合わせる場合には、光軸10aが操作者4の目の視軸Aと平行になるように設定されるが、近距離に焦点を合わせる場合には、光軸10aが操作者4の目の視軸A側に傾くように設定される。
【0029】
また、図3(b)の第二のテレビ電話モード位置において外側カメラ10が撮影する画面の上下方向は、図1(a)の第一のテレビ電話モード位置において携帯電話を縦に持ったときに外側カメラ10が撮影する画面の上下方向と異なっている。具体的には、ほぼ90度異なっており、第二のテレビ電話モードにおいて外側カメラ10が撮影する画像情報は、以後の表示、転送、記録の際、この上下方向にて取り扱われる。
【0030】
なお、外側カメラ10は図示しない焦点調整機構を持っており、図1(a)の第一のテレビ電話モード位置では、外側カメラ10の焦点調節位置が遠距離を中心とした領域となるように自動設定されるのに対し、図3(b)の第二のテレビ電話モードでは、外側カメラ10の焦点調節位置は近距離を中心とした領域となるように自動設定される。これは、第二のテレビ電話モード位置では、ドキュメントやサンプルなどの操作者4の手元にある被写界を撮影することが多いことを想定している。勿論、図3(b)の第二のテレビ電話モード位置でも、外側カメラ10で遠方を撮影することがあるので、必要に応じ、焦点調節位置が遠距離を中心とした領域となるように手動調節またはオートフォーカス手段により焦点位置を切換えることは可能である。
【0031】
図4は、第二のテレビ電話モード位置における第一実施例の携帯電話の正面図である。図4では、携帯電話操作部6が、テンキー6aと方向指示キー6bに分けて図示されているが、その他の図1から図3と同一部分には同一符号を付し、特に補足のない限りは説明を省略する。
【0032】
テンキー6aは、通話先の電話番号などを入力するための入力インターフェースであり、方向指示キー6bは、メニュー選択や、外側カメラ10および内側カメラ7のレリーズ操作、ズーム操作などを行うための入力インターフェースである。
【0033】
本実施例において、表示部5は、第二のテレビ電話モード位置では使用されず、表示も行われないが、覗き込み型表示部11の機能の説明のため、図4においては、表示が行われる場合の画面を破線で示している。表示部5に表示される画面の上下方向を、覗き込み型表示部11を覗き込んだときに見える画像12の上下方向と比較すると、両者は互いに平行ではなく、ほぼ90度異なっている。また、覗き込み型表示部11を覗き込んだときに見える画像12の上下方向は、左右方向より長い。これは、表示部5によって表示される画面の上下方向も左右方向より長くなっていることに対応させたものである。このため、画面の縦横の比率は、表示部5を使用する場合および覗き込み型表示部11を使用する場合のいずれにおいても同じとなる。
【0034】
既に述べたように、第二のテレビ電話モード位置においては、操作者4がフリップ3を持って携帯電話を片手保持することが想定されている。また、第二のテレビ電話モード位置においては、操作者4が右手でフリップ3を持って右目で覗き込み表示部11を覗き込む場合と、操作者4が左手でフリップ3を持って左目で覗き込み表示部11を覗き込む場合が想定されている。このため、第一実施例の携帯電話には、第二のテレビ電話モード位置におけるテレビ電話機能操作部としてフリップ3の両側に、対称的に右手用操作部と左手用操作部が設けられている。
【0035】
具体的には、右手用操作部として、覗き込み表示部11の表示を、通話相手から送られてくる画像と自分が外側カメラ10で撮影している画像との間で切換えるための右手用画像切換えボタン13、シャッタレリーズを行うための右手用レリーズボタン14、および、これらの操作を自分の携帯電話に対して行うか、相手の携帯電話に対して行うかを切換えるための右手用指示先切換えボタン15が設けられている。一方、左手用操作部として、表示部5を挟んで、これらと対称の位置に、左手用画像切換えボタン16、左手用レリーズボタン17および、左手用指示先切換えボタン18が設けられている。これらの右手用操作部と左手用操作部は、一方が有効とされると他方が無効とされ、また、その切換えは、重力検知部によって自動的に行われる。
【0036】
外側カメラ用ズーム操作ダイアル19は、表示部5と垂直な方向を回転軸として回転可能に構成されており、右手の操作でも左手の操作でも親指で回転させることが可能なようにフリップ3の端部に設けられている。ただし、右手で操作されている場合と左手で操作されている場合とで、テレ側への回転操作方向が逆になるように内部で回路的に切換え処理される。この切換えも重力検知部によって自動的に行われる。
【0037】
右手用機能ボタン19Rと左手用機能ボタン19Lは、ズーム操作ダイアル19の機能を切換えるためのもので、左右の切換は右手用画像切換えボタン13と左手用画像切換えボタン16等の関係と同様である。右手用機能ボタン19Rまたは左手用機能ボタン19Lを押しながらズーム操作ダイアル19を操作すると、ズーム操作ダイアル19の機能は、画面内カーソル操作用に切換わる。右手用機能ボタン19Rまたは左手用機能ボタン19Lを押しながら操作したとき、ズーム操作ダイアル19は回転方向だけでなく、フリップ3の内部への押し込み方向にスライド可能となり、さらに、回転方向と直交する方向にも傾斜可能となる。また、右手用機能ボタン19Rまたは左手用機能ボタン19Lを押すと、覗き込み型表示部11の画面内にカーソルマークが現れる。
【0038】
画面内カーソル操作用に切換わった状態で、ズーム操作ダイアル19を回転させるか、または、ズーム操作ダイアル19を回転方向と直交する方向に傾斜させると、覗き込み型表示部11の画面内に表示されるカーソルマークが上下左右に移動する。なお、カーソルマークの上下左右への移動方向は、右手用機能ボタン19Rを押しているか、左手用機能ボタン19Lを押しているかで反転する。また、覗き込み型表示部11の画面内に表示されるメニューやボタンにカーソルが重なった状態で、ズーム操作ダイアル19をフリップ3の内部へ押し込むように操作すると、それらのメニューやボタンをクリックする動作となる。
【0039】
上記のカーソルの動きは、第二のテレビ電話モードで通話している通話相手の画面内にも現れる。従って、視野を共有して通信している相手に対し、所望の部分を視覚的に指定することができる。
【0040】
重力検知部による右手操作と左手操作の検出情報は、以上のような操作部の切換えだけでなく、覗き込み型表示部11の表示制御部にも伝えられ、表示される画像の天地が右手操作の場合と左手操作の場合とで反転するように切換えが行われる。
【0041】
第二のテレビ電話モード用としてフリップ3に設けられている上記の操作部13ないしズーム操作ダイアル19、ならびに、右手用機能ボタン19Rおよび左手用機能ボタン19Lは、通常電話モードまたは第一のテレビ電話モードでは非動作とされる。
【0042】
図5は、第一実施例における電話本体2の側断面図であり、覗き込み表示部11の構成の詳細を示す。図1から図4と同一部分には同一符号を付し、特に補足のない限りは説明を省略する。
【0043】
図5において、覗き込み型表示部11は、液晶表示装置などからなる表示素子111と、その拡大虚像を見るためのアイピースなどからなる接眼光学系112を有する。図4に示すように、覗き込み型表示部11は、その長手方向が電話本体2の長手方向と直交するように配置されているため、図5では、表示素子111の短手方向の断面が見えている。これに対し、仮に、図4において、覗き込み型表示部11を、その長手方向が電話本体2の長手方向と平行になるように配置したとすると、図5では、表示素子111の長手方向の断面が見えることになり、電話本体2の厚さ方向に、よりスペースを必要とする結果となる。これから分かるように、第一実施例のように、覗き込み型表示部11を、その長手方向が電話本体2の長手方向と直交するように配置して、覗き込み型表示部11を覗き込んだときに見える画像12が縦長となる構成は、電話本体2の厚さを薄くすることにつながり、覗き込み型表示部11をコンパクトに配置する上で効果がある。
【0044】
接眼光学系112は、電話本体2の表面近傍に設けられており、その光軸11aは、図3(b)に示すように、第二のテレビ電話モード位置において操作者4の瞳の方向を向くように、電話本体2の表面の法線方向よりも接続部1側に傾いている。また、接眼光学系112の近傍には、操作者4が近視や遠視でも覗き込み型表示部11に表示される画像を観察しやすいようにするため、接眼光学系112を光軸11aの方向に移動させて視度を調節する視度調節機構113が設けられている。
【0045】
さらに、覗き込み型表示部11には、接眼光学系112の光軸11aを屈曲させるためのミラー等の反射光学系114が設けられており、この結果、接眼光学系112から表示素子111に至る光路は、電話本体2の音声入力部9側の端部(図5では左側)に向かって屈曲する。また、接眼光学系112の光軸11aが反射光学系114となす角度θ11は鋭角になるように設定され、好ましくは、0°<θ11<45°になるように設定される。以上の構成も、覗き込み型表示部11をコンパクトに配置する上で効果がある。
【0046】
表示素子111は、透過型の素子であって、その背後に照明部115が設けられている。上記のように接眼光学系112から表示素子111に至る光路が携帯電話端部に向かって屈曲しているので、照明部115は、さらに電話本体2の音声入力部8側の端部に近い位置に配置されることになり、発熱を伴う照明部115の放熱を図る上で効果がある配置となる。
【0047】
また、この照明部115は、その明るさを制御する明るさ制御部(図示せず)を有し、明るさ制御部は、外側カメラ10から出力される画像信号のレベルの平均値に基づいて照明部115への供給電力を制御する。これによって、覗き込み型表示部11の表示明るさは、外側カメラ10が撮像する被写界の明るさに応じて変化することになり、図3(b)のように、右目で覗き込み型表示部11を覗き、左目で被写界を見ているときでも、操作者4の両目に入る光の強さがアンバランスになるのが防止される。操作者4の左目が見ている被写界と外側カメラ10が撮像する被写界が同一方向なので、このような構成により、極めて合理的な明るさ制御ができる。
【0048】
図6は、本発明における携帯電話の第一実施例の機能ブロック図である。図6において、右手用機能ボタン19Rおよび左手用機能ボタン19Lは、スペースの都合で図示していないが、右手用/左手用操作部28内に存在する。その他、図1から図5と同一部分には同一符号を付し、特に補足のない限りは説明を省略する。
【0049】
図6において、制御部20は、携帯電話の機能全体を制御するものであり、各機能ブロックが接続されている。不使用時において、携帯電話が図1(b)のように折りたたまれた状態では、折曲角度検知部21がこれを検知し、制御部20に検知結果の信号を送る。制御部20は、これに応じて入出力切換部22を制御し、入出力部23を非動作状態とする。
【0050】
通常電話モードとするために、携帯電話を図1(a)のように最大角度に開くと、折曲角度検知部21がこれを検知し、制御部20は、これに応じて入出力切換部22を制御して入出力部23を通常電話モードに設定させる。具体的には、音声入力部8を低感度に設定するとともに、音声出力部9を小音量に設定し、図2のように携帯電話を顔の近傍に位置させた状態で通話するのに適切な設定とする。また、表示部5を動作状態とするとともに、覗き込み型表示部11を非動作状態とする。この状態において、表示部5を見ながら携帯電話操作部6を操作し、通話相手の電話番号を入力して発信すれば通信部24が機能して通常電話が可能となる。
【0051】
また、通常電話モードでは、カメラ切換部25がカメラ部26の外側カメラ10を制御し、その光軸角度を図1の状態に設定する。従って、携帯電話操作部6を操作してカメラモードへの切換えを行えば、写真撮影を行うことができる。カメラモードでは、カメラ部26が動作し、通常は外側カメラ10が被写界を撮影するとともに、画像信号を入出力部23の表示画面に表示する。外側カメラ10はズーム機能を有しているので、携帯電話操作部6の操作でズーミングを行うこともできる。表示部5を見て構図を決め、携帯電話操作部6を操作してレリーズを行うと、カメラ部26からの画像信号は記録部27に記録される。記録部27の画像は、携帯電話操作部6の操作により再生して表示部5に表示することもできる。
【0052】
一方、第一のテレビ電話モードでの通話を行うために携帯電話操作部6を操作すると、入出力切換部22は入出力部23を制御し、音声入力部8を高感度に設定するとともに、音声出力部9を大音量に設定し、図1(a)のように携帯電話を顔から離した状態で通話するのに適切な設定とする。なお、第一のテレビ電話モードにおいても、表示部5が動作状態とされるとともに、覗き込み型表示部11は非動作状態とされる。表示部5には、通常、外側カメラ10または内側カメラ7で撮影した画像と、第一のテレビ電話モードで通信している相手から送信される画像との双方が表示される。表示部5の表示可能領域は、メイン表示するためのメイン表示領域と、メイン表示領域よりも表示面積の小さいサブ表示領域とに分割されており、メイン表示領域に外側カメラ10または内側カメラ7で撮影した画像が表示され、サブ表示領域に通信している相手から送信される画像が表示される。なお、表示部5の表示状態は、携帯電話操作部6を操作することによって切換えることが可能であり、例えば、外側カメラ10または内側カメラ7で撮影した画像のみを表示したり、通信している相手から送信される画像のみを表示することもできる。
【0053】
また、第一のテレビ電話モードでの通話を行う場合には、外側カメラ10の光軸角度10aは図1の状態に設定される。制御部20は、第一のテレビ電話モードで通話を行う操作によってカメラ部26を制御し、通常は内側カメラ7を動作状態として自分の顔が撮像されるようにするとともに、外側カメラ10を非動作状態とする。しかし、携帯電話操作部6の操作で、外側カメラ10を動作状態とし、内側カメラ7を非動作状態とするように任意に切換を行うこともできる。
【0054】
第二のテレビ電話モードでの通話を行うために携帯電話を図3のように中開き角度にすると、折曲角度検知部21がこれを検知し、制御部20は、これに応じて入出力切換部22を制御して入出力部23を第二のテレビ電話モードに設定させる。具体的には、音声入力部8を低感度に設定するとともに、音声出力部9を小音量に設定し、図3のように携帯電話を顔の近傍に位置させてテレビ電話を行うのに適切な設定とする。また、覗き込み型表示部11を動作状態とするとともに、表示部5を非動作状態とする。なお、覗き込み型表示部11においても、表示部5と同様に、右手用画像切換ボタン13または左手用画像切換ボタン16の操作によって、表示状態を切り換えることが可能である。
【0055】
また、第二のテレビ電話モードで通話を行う場合には、制御部20は、カメラ部26を制御し、外側カメラ10を動作状態とするとともに、外側カメラ10の光軸角度10aを図3の状態に設定する。
【0056】
第二のテレビ電話モードにおいて通信を開始するには、まず、第一のテレビ電話モードにおいて表示部5を見ながら携帯電話操作部6を操作し、通話相手の電話番号を入力して発信する。そして、通信部24が機能して電話が繋がれば、第二のテレビ電話モードに切換えるべく、携帯電話の開き角度を中開き角度にする。
【0057】
第二のテレビ電話モードへの切換操作は、上記のように通信開始の直後に行う他、当初、第一のテレビ電話モードで通話を開始し、途中で第二のテレビ電話モードに切換える際も同様である。また、当初、通常電話モードで通話を開始し、途中で第二のテレビ電話モードに切換える際も同様である。すなわち、いずれの場合においても、回線が繋がっている状態において、電話本体2とフリップ3の開き角度を最大角度から中開き角度にすることによって、第二のテレビ電話モードへの切換が行われる。
【0058】
第二のテレビ電話モードにおける通話中の操作は、右手用/左手用操作部28によって行う。右手用/左手用操作部28には、既に述べた右手用画像切換ボタン13、右手用レリーズボタン14、右手用指示先切換ボタン15、左手用画像切換ボタン16、左手用レリーズボタン17および、左手用指示先切換ボタン18が含まれている。これらの右手用操作部と左手用操作部は、一方が有効とされると他方が無効とされるが、この切換えは、重力検知部29によって自動的に行うことができる。具体的には、操作者が携帯電話を顔に近づけたときに、重力検知部29によって右手用操作部と左手用操作部のどちらが上に位置しているかが検知され、その検知結果が制御部20に送られる。その後、制御部20によって左右切換部30が制御され、上に位置している側の操作部を有効とし、下に位置している側の操作部を無効とするように右手用/左手用操作部28が設定される。
【0059】
また、制御部20は、重力検知部29の検知結果に基づき、ズーム操作ダイアル19のテレ側への回転操作方向が右手操作の場合と左手操作の場合とで逆になるよう内部で回路的に処理し、外側カメラ10のズーム機構を制御する。さらに、制御部20は、重力検知部29の検知結果に基づき、覗き込み型表示部11の表示制御部を制御し、表示される画像の天地が右手操作の場合と左手操作の場合とで逆になるように覗き込み型表示部11の設定を切り換える。
【0060】
上述のように、通常は電話本体2とフリップ3の開き角度を最大角度から中開き角度にすることによって、第二のテレビ電話モードへの切換が行われるが、通常電話をしている途中で、通話相手が第二のテレビ電話モードへの切換を行ったときは、電話本体2とフリップ3が図2のように最大角度に開いていても第二のテレビ電話モードにおける受信に切換わる。そして、覗き込み型表示部11の表示も始まる。しかし、受信側がこのことに気付かないと困るので、入出力部23にはランプ等の警告部31が設けられており、これが点滅することによって第二のテレビ電話モードへの切換が行われたことを警告する。警告部31は、音声入力部8近辺の携帯電話の外壁に設けられており、その点滅は図2の状態で通話している操作者4の目に入る。これに気付いて操作者4が電話本体2とフリップ3の開き角度を中開き角度にすれば、警告部31の点滅は止まる。なお、通常電話をしている途中での第二のテレビ電話モードへの切換は警告部31による他、音声出力部9から短時間、警告音を発することによっても行われる。
【0061】
警告部31は、電話本体2とフリップ3が第二のテレビ電話モード位置にない状態において、通話相手が第二のテレビ電話モードに設定した状態で電話をかけてきた場合にも機能する。この場合、警告部31を見た操作者4は、第二のテレビ電話モードにおける着信であることを了解して、電話本体2とフリップ3の開き角度を中開き角度に設定して受信を行う。当初、警告部31の点滅に気付かず、誤って第二のテレビ電話モード位置以外で受信を開始したとしても、上記のように、途中から第二のテレビ電話モードに切換わった場合と同様、警告部31の点滅が目に入るのでこれに気付くことができる。
【0062】
方位検知部32は、外側カメラ10の光軸10aがどの方位を向いているかを検知するもので、その結果は制御部20に伝えられるとともに、必要に応じ通信部24から通話相手先にも伝えられる。
【0063】
図7は、図6の制御部20の機能を示すフローチャートであり、電源をオンした際の動作を説明するためのものである。フローがスタートすると、ステップS1で携帯電話が不使用状態から開かれるか、または、操作部のいずれかが操作されて電源がオンになったかどうかをチェックし、オンになっていれば、ステップS2に進んで無操作タイマーにリセットスタートをかける。なお、この無操作タイマーは、後のステップにおいて、操作者によって何らかの操作が行われた場合には、その時点で改めてリセットされ、そこからカウントが開始される。そして、ステップS3で音声入力部8を低感度入力に、音声出力部9を小音量出力に、それぞれ設定し、通常電話モードまたは第二のテレビ電話モードに対応可能な状態にする。
【0064】
ステップS4では、折曲角度検知部21の検知結果が第二のテレビ電話モードの角度(中開き角度)かどうかをチェックする。第二のテレビ電話モードの角度であればステップS5に進み、機能させる表示部として覗き込み型表示部11を選択する。つまり、覗き込み型表示部11を動作状態とするとともに、表示部5を非動作状態とする。この際、覗き込み型表示部11の照明部115を動作状態とするとともに、表示部5のバックライトを非動作状態とする。
【0065】
次いで、ステップS6で、外側カメラ10の光軸10aを第二のテレビ電話モード位置での角度、すなわち、図3(b)の角度に設定するとともに、その焦点調節位置を、近距離を中心とした領域となるように設定する。さらに、図3(a)の状態において、外側カメラ10が撮像する画像情報の上下方向が、以後の表示、転送、記録の際の上下方向となるように画像データの取り扱いを設定する。
【0066】
ステップS7では、右手用/左手用操作部28、ズーム操作ダイアル19のテレ側操作回転方向および覗き込み型表示部11の天地方向を右手持ち用に設定し、ステップS8で、左手持ちかどうかをチェックする。そして、左手持ちであった場合には、ステップS9で、ステップS7の設定をすべて左手用に変更してステップS10に進む。一方、ステップS8で左手持ちでなかったときは、ステップS7の設定をそのままにしてステップS10に進む。
【0067】
ステップS10では、電源オン後の携帯電話の各操作を受付け可能にする。次いで、ステップS11に進み、無操作タイマーがタイムアップしたかどうかをチェックし、タイムアップしていれば、ステップS12で電源を自動的にオフして、ステップS1に戻る。一方、ステップS11で無操作タイマーがタイムアップしていなければ、ステップS3に戻り、モード変更や左右の持ち替えに対応する。
【0068】
ステップS4での折曲角度検知部21のチェックの結果、第二のテレビ電話モード位置での角度(中開き角度)でなかったときは、携帯電話が最大角度に開かれていることを意味するから、ステップS13に移行し、機能させる表示部として表示部5を選択する。つまり、表示部5を動作状態とするとともに、覗き込み型表示部11を非動作状態とする。この際、表示部5のバックライト照明を動作状態とするとともに、覗き込み型表示部11の照明部115を非動作状態とする。
【0069】
さらに、ステップS14において、外側カメラ10の光軸10aを第一のテレビ電話位置での角度、すなわち、図1(a)の角度に設定するとともに、その焦点調節位置を、遠距離を中心した領域となるように設定する。また、図1(a)の状態において、外側カメラ10が撮像する画像情報の上下方向が、以後の表示、転送、記録の際の上下方向となるように画像データの取り扱いを設定する。
【0070】
次いで、ステップS15に進み、テレビ電話モードであるかどうかをチェックする。携帯電話が最大角度に開かれている状態でテレビ電話モードであったときは、第一のテレビ電話モードであることを意味するため、ステップS16に進んで、音声入力部8を高感度入力に、音声出力部9を大音量出力に、それぞれ設定変更してステップS10に移行する。一方、ステップS15でテレビ電話モードでなかった場合は、通常電話モードであるから、音声入力部8および音声出力部9の入出力レベルを変更せずにステップS10に移行する。
【0071】
図8は、テレビ電話モードまたは通常電話モードでの通信処理を示すフローチャートである。本フローは、操作者が発信ボタンを押して、通話相手に対し、通話を試みるとスタートする。
【0072】
自分の携帯電話の開き角度を中開き角度に設定し、第二のテレビ電話モードで相手と通信する場合には、まず、ステップS20において、自分の携帯電話および相手の携帯電話の状態を相互に通知するための準備設定を行う。本ステップでは、以後のステップにおいて、自分が携帯電話を操作した場合や相手が携帯電話を操作した場合に、それを相互に通信するための準備設定が行われる。このため、後のステップで携帯電話の設定変更などがあったときには、それが速やかに通話相手に伝えられる。
【0073】
次いで、ステップS21において、自分の携帯電話が通常電話モードに設定されているか否かをチェックする。ここでは、第二のテレビ電話モードに設定されているため、ステップS22に進み、警告部31によって警告がなされている否かをチェックする。この時点では、警告は行われていないため、ステップS23に進み、自分の携帯電話が中開き角度に設定されているか否かをチェックする。
【0074】
第二のテレビ電話モードで通信する場合には、自分の携帯電話は中開き角度に設定されているため、ステップS24に進み、相手に対して、自分の携帯電話が第二のテレビ電話モードに設定されていることを通知する。
【0075】
次いで、ステップS25において、第二のテレビ電話モードによる通信が開始され、以後、自分または相手が携帯電話の動作モードを切換えるか、通話を終了して回線を切断するまで、第二のテレビ電話モードによる通信が継続される。
【0076】
次に、ステップS26において、通信が継続された状態で自分の携帯電話が中開き角度に設定されたか否かをチェックする。第二のテレビ電話モードで通信を開始したときは、中開き角度に設定された状態でステップS26に至るため、ステップS27に進み、警告部31による警告がオフされる。この時点では、警告部31による警告はなされていないため、警告がオフされた状態が継続され、ステップS28に進む。
【0077】
ステップS28においては、通話が終了して回線を切断したか否かをチェックする。回線を切断していれば、第二のテレビ電話モードによる通信処理を終了する。一方、回線を切断していなければ、ステップS21に戻り、第二のテレビ電話モードでの通信が続けられている限り、ステップS21ないしS27の処理を繰り返す。このようにして、第二のテレビ電話モードによる通信処理が実行される。
【0078】
これに対して、自分の携帯電話の動作モードを通常電話モードに設定し、通常電話モードで相手と通信する場合には、まず、第二のテレビ電話モードで相手と通信する場合と同様に、ステップS20において、自分の携帯電話および相手の携帯電話の状態を相互に通知するための準備設定を行う。
【0079】
次いで、ステップS21において、自分の携帯電話が通常電話モードに設定されているか否かをチェックする。ここでは、通常電話モードに設定されているため、ステップS29に進み、相手に対して、自分の携帯電話が通常電話モードに設定されていることを通知する。
【0080】
次に、ステップS30において、通常電話モードによる通信が開始され、以後、自分または相手が携帯電話の動作モードを切換えるか、通話を終了して回線を切断するまで、通常電話モードによる通信が継続される。
【0081】
次いで、ステップS31において、通信が継続された状態で相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に設定されたか否かをチェックする。相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に変更されていなければ、ステップS28に進み、回線が切断されたか否かをチェックする。
【0082】
一方、相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に変更された場合、すなわち、相手が第二のテレビ電話モードによる通話への切換えを希望している場合には、ステップS32に進み、自分の携帯電話の警告部31を動作させて警告を行い、操作者(自分)に対して、相手が第二のテレビ電話モードでの通話を希望している旨を通知する。
【0083】
警告を行うと、ステップS25に進み、自分の携帯電話の動作モードを第二のテレビ電話モードに切り換える。この時点では、まだ、自分の携帯電話の開き角度は、中開き角度以外の角度に設定された状態であるが、ステップS25においては、自分の携帯電話の開き角度が中開き角度以外の角度であっても自分の携帯電話の動作モードを強制的に第二のテレビ電話モードに切り換え、第二のテレビ電話モードによる通信を開始する。
【0084】
次いで、ステップS26において、自分の携帯電話の開き角度が中開き角度に設定されたか否かをチェックし、中開き角度に変更されていれば、ステップS27に進んで、警告部31による警告を停止する。
【0085】
一方、中開き角度に変更されていなければ、ステップS28に進み、回線を切断したか否かをチェックする。回線を切断していなければ、ステップS21に戻り、続くステップS22において、警告部31による警告が行われているかをチェックする。この時点では、警告31による警告は継続されているため、ステップ23の自分の携帯電話が中開き角度に設定されているか否かのチェックは行わず、ステップS24に進む。その後は、自分の携帯電話の開き角度が中開き角度に設定されるまで、警告部31による警告が継続されるとともに、回線が切断されるまで通話相手との通信が行われる。以上のようにして、通常電話モードによる通信処理が実行される。
【0086】
また、自分の携帯電話の動作モードを第一のテレビ電話モードに設定し、第一のテレビ電話モードで相手と通信する場合には、まず、第二のテレビ電話モードで相手と通信する場合と同様に、ステップS20において、自分の携帯電話および相手の携帯電話の状態を相互に通知するための準備設定を行う。
【0087】
次いで、ステップS21において、自分の携帯電話が通常電話モードに設定されているか否かをチェックする。ここでは、第一の電話モードに設定されているため、ステップS22およびS23を経て、警告中であるか否か、自分の携帯電話の開き角度が中開き角度に設定されているか否かを順次チェックする。
【0088】
第一のテレビ電話モードで通話する場合には、自分の携帯電話の開き角度は最大角度に設定されているため、ステップS33に進み、相手に対して、自分の携帯電話が第一のテレビ電話モードに設定されていることを通知し、ステップS34で、第一のテレビ電話モードによる通信を開始する。
【0089】
次に、ステップS35において、通信が継続された状態で相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に設定されたか否かをチェックする。相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に変更されていなければ、ステップS28に進み、回線を切断したか否かをチェックする。
【0090】
一方、相手が第二のテレビ電話モードによる通話への切換えを希望し、相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に変更された場合には、ステップS36に進み、自分の携帯電話の警告部31による警告を行う。
【0091】
その後は、通常電話モードで通話している間に相手の携帯電話の開き角度が中開き角度に変更された場合と同様にして、自分の携帯電話の開き角度が中開き角度に設定されるまで、警告部31による警告が継続されるとともに、回線が切断されるまで通話相手との通信が行われる。
【0092】
図9は、図8に示されるステップS25の第二のテレビ電話モード通信処理、および、ステップS34の第一のテレビ電話モード通信処理の内容を示すフローチャートである。
【0093】
テレビ電話モードによる通信処理を実行するにあたっては、まず、ステップS40において、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7で撮影している画像を相手の携帯電話に送信するとともに、相手の携帯電話で撮影している画像を送信してもらい、自分の携帯電話で受信する。この結果、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11には、自分の携帯電話で撮影した画像と相手の携帯電話で撮影した画像との双方が表示される。
【0094】
次いで、ステップS41において、自分が、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11の表示画面を変更するための操作を実行したか否かをチェックする。例えば、表示部5または覗き込み型表示部11の表示画面をスクロールするための操作や、表示画面内に表示されているカーソルを移動させるための操作を実行したり、あるいは、表示画面を拡大、縮小するためのズーム処理を実行すると、表示画面を変更するための操作を実行した場合に該当し、ステップS45に進む。
【0095】
ステップS45に進むと、操作内容に従って、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11の表示内容を変更するための画面処理を実行し、ステップS46に進む。ステップS45については、後述の図10で詳述する。
【0096】
ステップS46においては、第二のテレビ電話モードまたは第一のテレビ電話モードによる通信処理を実行し、通話可能な状態とする。こうして、通話可能な状態に設定されると、図8のステップS28で、回線を切断したことが検知されるまで、通話可能な状態が維持される。
【0097】
一方、ステップS41において、自分が、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11の表示画面を変更するための操作を実行していなければ、ステップS42に進み、相手が、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11の表示画面を変更するための操作を実行したか否かをチェックする。操作を実行した場合には、ステップS45に進み、操作を実行していない場合には、ステップS43に進む。
【0098】
ステップS43においては、自分が、相手の携帯電話の表示画面を変更するための操作を実行したか否かをチェックし、操作を実行した場合には、ステップS45に進む。
【0099】
これに対して、操作を実行していない場合には、ステップS44に進み、相手が、相手の携帯電話の表示画面を変更するための操作を実行したか否かをチェックする。本実施例においては、図8のステップS20で、自分の携帯電話および相手の携帯電話の状態を相互に通知するための準備設定を実行しているため、自分が直接関与していない操作であっても、その操作内容を示す情報が相手の携帯電話から送信される。このため、ステップS44では、送信された情報に基づいて、相手が相手の携帯電話の表示画面を変更するための操作を実行したか否かをチェックすることができる。
【0100】
ステップS44において、相手が相手の携帯電話の表示画面を変更するための操作を実行した場合には、ステップS45に進み、操作を実行していない場合には、ステップS47に進む。
【0101】
ステップS47においては、自分が、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7を操作したか否かをチェックする。例えば、外側カメラ10または内側カメラ7のレリーズ操作やズーム操作を実行すると、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7を操作した場合に該当し、ステップS50に進む。
【0102】
ステップS50においては、操作内容に従って、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7を動作させるためのカメラ操作処理を実行し、ステップS46に進む。ステップS50については、後述の図11で詳述する。
【0103】
一方、自分が、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7を操作していなければ、ステップS48に進み、相手が、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7を操作したか否かをチェックする。操作を実行した場合には、ステップS50に進み、操作を実行していない場合には、ステップS49に進む。
【0104】
ステップS49においては、自分が、相手の携帯電話のカメラを操作したか否かをチェックし、操作を実行した場合には、ステップS50に進み、操作を実行していない場合には、ステップS46に進む。
【0105】
図10は、図9に示されるステップS45の画面処理の内容を示すフローチャートである。
【0106】
画面処理を実行するにあたっては、まず、ステップS61において、表示画面を変更するための操作を自分が実行したのか、それとも相手が実行したのかをチェックする。自分が操作した場合には、ステップS62に進み、相手が操作した場合には、ステップS63に進む。
【0107】
ステップS62においては、操作の対象が、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に表示されている画像か、相手の携帯電話の表示部に表示されている画像かをチェックする。操作の対象が、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に表示されている画像である場合には、ステップS63に進む。
【0108】
ステップS63においては、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7で撮影した画像(以下、「自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7で撮影した画像」を「自分の携帯電話の撮影画像」ということがある。)を表示するための操作を実行したか否かをチェックする。自分の携帯電話の撮影画像を表示するための操作を実行している場合には、ステップS64に進む。
【0109】
ステップS64においては、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に、自分の携帯電話の撮影画像が表示されていなければ、その画像を表示する。これに対し、ステップS64に至った時点で、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に、自分の携帯電話の撮影画像と相手からの送信画像との双方が表示されている場合には、その状態を維持する。なお、相手からの送信画像がメイン表示領域に表示され、自分の携帯電話の撮影画像がサブ表示領域に表示されている場合には、これらの表示を逆に切り換える。
【0110】
一方、ステップS63において、相手の携帯電話からの送信画像を表示するための操作を実行している場合には、ステップS65に進み、相手からの送信画像を自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に表示し、相手の携帯電話から方位情報が送信されていれば、その方位情報も併せて表示する。なお、このステップS65においても、自分の携帯電話の撮影画像と相手からの送信画像との双方が表示されている場合には、その状態が維持され、メイン表示領域に自分の携帯電話の撮影画像が表示されている場合には、相手からの送信画像を表示するように表示態様が切り換えられる。
【0111】
次いで、ステップS66において、操作内容に従って表示画面の変更処理を実行する。変更処理が終了すると、ステップS67に進んで、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7が向いている方位を示す方位情報を取得できているか否かをチェックする。
【0112】
方位情報を取得できていれば、ステップS68に進み、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7の方位情報を表示する。一方、地磁気などの影響で方位情報を取得できていない場合には、方位情報の表示処理は実行せず、ステップS69に進む。 ステップS69においては、相手の携帯電話が自分の携帯電話から送信する情報を活用できるか否かをチェックする。ここに、「相手の携帯電話が自分の携帯電話から送信する情報を活用できる」とは、例えば、「スクロールした」という情報を自分の携帯電話から相手の携帯電話に送信したときに、相手の携帯電話が、送信された情報を「スクロールした」ことを示す情報として正しく認識できることを意味する。通常、携帯電話には、個々を識別するための識別情報が付与されているため、ステップS69においては、相手の携帯電話から送信されてくる識別情報が、自分の携帯電話から送信する情報を活用できる機種のものであるかを判定することによって、チェック処理を行う。
【0113】
相手の携帯電話が、自分の携帯電話から送信する情報を活用できない場合には、自分の携帯電話の表示画面の変更内容を示す情報を送信しても、これを正しく認識することができないため、画面処理を終了する。
【0114】
これに対して、相手の携帯電話が、自分の携帯電話から送信する情報を活用できる場合には、ステップS70に進んで、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11の表示状況を送信した後に、ステップS71において、どのように表示画面をスクロールしたかや、どのようにカーソルを移動させたか、あるいは、表示画面を拡大、縮小したかなどを示す画面操作情報を送信し、最後に、ステップS72において、自分の携帯電話の方位情報を送信する。なお、ステップS72の方位情報については、先のステップS67で、方位情報を取得できている場合にのみ、送信処理が実行される。
【0115】
相手の携帯電話に対して、表示状況、画面操作内容および方位情報が送信されると、相手の携帯電話側で、送信された表示状況、画面操作内容および方位情報に基づいて、相手の携帯電話の表示部の表示態様が変更される。こうして、相手の携帯電話の表示部に、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11と同一の表示内容が表示されると、画面処理が終了する。
【0116】
これらに対して、ステップS62において、操作の対象が、相手の携帯電話の表示部に表示されている画像である場合には、ステップS73に進み、相手の携帯電話が自分の携帯電話に対応し、操作互換性を有しているか否かをチェックする。ここに、「相手の携帯電話が自分の携帯電話に対応する」とは、相手の携帯電話が自分の携帯電話から送信する情報を活用できることを含む他、自分の携帯電話を操作することによって、相手の携帯電話を操作できることを意味する。例えば、「スクロールせよ」という情報を自分の携帯電話から相手の携帯電話に送信したときに、それに応答して、相手の携帯電話が相手の携帯電話の表示画面をスクロールできる場合が、これに該当する。ステップS73においては、相手の携帯電話から送信されてくる識別情報が、自分の携帯電話と対応する機種のものであるかを判定することによって、対応するものであるかのチェック処理を行う。
【0117】
ステップS73において、相手の携帯電話が自分の携帯電話と対応する場合には、ステップS74に進み、操作内容に従う指示信号を相手の携帯電話に送信する。こうして、相手の携帯電話の表示画面が自分の携帯電話の操作内容に従って変更される。次いで、ステップS75において、相手の携帯電話から自分の携帯電話に対して、相手の携帯電話の表示画面の変更状況を示す情報が送信され、これを受信して、相手の携帯電話の表示画面の変更内容を確認する。
【0118】
一方、ステップS73において、相手の携帯電話が自分の携帯電話と対応していない場合には、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に、相手の携帯電話を操作できない旨の警告メッセージを表示し、画面処理を終了する。
【0119】
図11は、図9に示されるステップS50のカメラ操作処理の内容を示すフローチャートである。
【0120】
カメラの操作処理を実行するにあたっては、まず、ステップS81において、カメラ操作を自分が実行したのか、それとも相手が実行したのかをチェックする。自分が操作した場合には、ステップS82に進み、相手が操作した場合には、ステップS83に進む。
【0121】
ステップS82においては、操作の対象が、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7であるか、それとも、相手の携帯電話のカメラであるかをチェックする。操作の対象が、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7である場合には、ステップS83に進む。
【0122】
ステップS83においては、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7のレリーズ処理を実行するための操作が行われているか否かをチェックする。レリーズ処理を実行するための操作が行われていれば、ステップS84に進んでレリーズ処理を実行し、レリーズ処理を実行するための操作が行われていなければ、レリーズ処理は実行せず、ステップS85に進む。
【0123】
ステップS85においては、自分の携帯電話の外側カメラ10または内側カメラ7のズーム処理を実行するための操作が行われているか否かをチェックする。ズーム処理を実行するための操作が行われていれば、ステップS86に進んでズーム処理を実行し、ズーム処理を実行するための操作が行われていなければ、ズーム処理は実行せず、ステップS87に進む。
【0124】
ステップS87においては、相手の携帯電話が自分の携帯電話から送信する情報を活用できるか否かをチェックする。このステップS87は、先の図10のステップS69と同様の処理を実行する。
【0125】
ステップS87において、相手の携帯電話が自分の携帯電話から送信する情報を活用できる場合には、ステップS88およびS89に進んで、レリーズ情報の送信処理およびズーム情報の送信処理を順次実行する。ステップS88では、レリーズ処理によって撮影した画像の画像情報を、ステップS89では、ズーム処理後の焦点距離の情報を、それぞれ、自分の携帯電話から相手の携帯電話に送信する。
【0126】
一方、ステップS87において、相手の携帯電話が自分の携帯電話から送信する情報を活用できない場合には、ステップS88およびS89の処理は実行せず、カメラ操作処理を終了する。
【0127】
これらに対し、ステップS82において、操作の対象が相手の携帯電話のカメラである場合には、ステップS90に進み、相手の携帯電話が自分の携帯電話に対応し、操作互換性を有しているか否かをチェックする。このステップS90は、先の図10のステップS73と同様の処理を実行する。
【0128】
ステップS90において、相手の携帯電話が自分の携帯電話と対応する場合には、ステップS91に進み、操作内容に従う指示信号を相手の携帯電話に送信する。こうして、自分の携帯電話の操作内容に従って、相手の携帯電話のカメラが操作され、例えば、レリーズ処理のための操作を実行していれば、相手の携帯電話でカメラのレリーズ処理が実行され、ズーム処理のための操作を実行していれば、相手の携帯電話でカメラのズーム処理が実行される。
【0129】
次いで、ステップS92において、相手の携帯電話から自分の携帯電話に対して、レリーズ処理によって撮影された画像の画像情報や、ズーム処理後の焦点情報などが送信され、これを受信して、相手の携帯電話のカメラの操作状況を確認する。
【0130】
一方、ステップS90において、相手の携帯電話が自分の携帯電話と対応していない場合には、自分の携帯電話の表示部5または覗き込み型表示部11に、相手の携帯電話のカメラを操作できない旨の警告メッセージを表示し、カメラ操作処理を終了する。
【0131】
図12は、本発明における携帯電話の第二実施例の外観図である。図12(a)は、操作者が第一のテレビ電話モードで携帯電話を操作している状態の側面図、図12(b)は、不使用時において携帯電話を折りたたんだ状態の側面図であり、各図において、図1ないし図11に示された第一実施例と同一部分には、同一符号を付す。
【0132】
図12に示されるように、第二実施例にかかる携帯電話は、電話本体2に、携帯電話操作部6および音声出力部9が設けられ、フリップ3に、表示部5、内側カメラ7、音声入力部8、外側カメラ10および覗き込み型表示部11が設けられている。
【0133】
本実施例にかかる携帯電話は、音声出力部9が電話本体2側に設けられるとともに、音声入力部8、外側カメラ10および覗き込み型表示部11がフリップ3側に設けられている点を除き、第一実施例にかかる携帯電話と同様の構成を有している。また、その機能ブロックや各部の機能および処理も、図6ないし図11に示された第一実施例にかかる携帯電話と同様である。
【0134】
第一のテレビ電話モードで通信する場合には、操作者4は、携帯電話の開き角度を最大角度に設定するとともに、矢印で示すように、電話本体2を片手で保持し、携帯電話を操作者の目から離した状態で、フリップ3に設けられた表示部5に表示される画像を見ながら相手と通話する。このとき、音声入力部8の入力状態は、高感度入力に設定され、音声出力部9の出力状態は、大音量出力に設定される。また、表示部5が動作状態とされるとともに、覗き込み型表示部11が非動作状態とされ、外側カメラ10は、図1(a)に示される場合と同様に、その光軸10aが水平となるように、角度が制御される。
【0135】
図13は、通常電話モードにおける第二実施例の携帯電話を操作者とともに示したものであり、図13(a)はその正面図、図13(b)はその上面図である。各図において、図1ないし図11に示された第一実施例と同一部分には、同一符号を付す。
【0136】
通常電話モードで通信する場合には、携帯電話の開き角度を最大角度に設定するとともに、操作者4は、矢印で示すように、フリップ3を片手で保持し、電話本体2に設けられた音声出力部9を耳の近傍に、フリップ3に設けられた音声入力部8を口の近傍に、それぞれ位置させた状態で相手と通話する。このとき、音声入力部8の入力状態は、低感度入力に設定され、音声出力部9の出力状態は、小音量出力に設定される。また、第一のテレビ電話モードで通話する場合と同様に、表示部5が動作状態とされるとともに、覗き込み型表示部11が非動作状態とされる。
【0137】
図14は、第二のテレビ電話モード位置において使用されている第二実施例の携帯電話を操作者とともに示したものであり、図14(a)は、その正面図、図14(b)はその上面図である。各図において、図1ないし図11に示された第一実施例と同一部分には、同一符号を付す。
【0138】
第二のテレビ電話モードで通信する場合には、操作者4は、携帯電話の開き角度を中開き角度に設定するとともに、矢印で示すように、電話本体2を片手で保持し、電話本体2に設けられた音声出力部9を耳の近傍に、フリップ3に設けられた覗き込み型表示部11を目の近傍に、それぞれ位置させた状態で相手と通話する。このとき、音声入力部8の入力状態および音声出力部9の出力状態は、通常電話モードで通話する場合と同様に、それぞれ、低感度入力、小音量出力に設定される。また、表示部5および覗き込み型表示部11の動作状態は、第一のテレビ電話モードや通常電話モードで通信する場合とは異なり、表示部5が非動作状態とされるとともに、覗き込み型表示部11が動作状態とされる。さらに、外側カメラ10は、図3(b)に示される場合と同様に、その光軸10aが覗き込み型表示部11の光軸11aとほぼ平行になる角度に設定され、外側カメラ10が撮影する画面の方向と、操作者4の目が見る方向と、覗き込み型表示部11の覗き込み方向とが全て、ほぼ一致するような状態に設定される。
【0139】
以上のような構成を有する第二実施例にかかる携帯電話においても、図1ないし図11に示された第一実施例にかかる携帯電話と同様の効果を得ることが可能である。
【0140】
本発明は、以上の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明における携帯電話の第一実施例の外観図である。
【図2】通常電話モードにおける第一実施例の携帯電話を操作者とともに示したものである。
【図3】第二のテレビ電話モード位置において使用されている第一実施例の携帯電話を操作者とともに示したものである。
【図4】第二のテレビ電話モード位置における第一実施例の携帯電話の正面図である。
【図5】第一実施例における電話本体の側断面図である。
【図6】本発明における携帯電話の第一実施例の機能ブロック図である。
【図7】図6の制御部の機能を示すフローチャートである。
【図8】テレビ電話モードまたは通常電話モードでの通信処理を示すフローチャートである。
【図9】図8に示されるステップS25の第二のテレビ電話モード通信処理、および、ステップS34の第一のテレビ電話モード通信処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】図9に示されるステップS45の画面処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】図9に示されるステップS50のカメラ操作処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】本発明における携帯電話の第二実施例の外観図である。
【図13】通常電話モードにおける第二実施例の携帯電話を操作者とともに示したものである。
【図14】第二のテレビ電話モード位置において使用されている第二実施例の携帯電話を操作者とともに示したものである。
【符号の説明】
【0142】
1 接続部
2 電話本体
3 フリップ
4 操作者
5 表示部
6 携帯電話操作部
7 内側カメラ
8 音声入力部
9 音声出力部
10 外側カメラ
11 覗き込み型表示部
13 右手用画像切換ボタン
14 右手用レリーズボタン
15 右手用指示先切換ボタン
16 左手用画像切換ボタン
17 左手用レリーズボタン
18 左手用指示先切換ボタン
19 ズーム操作ダイアル
19R 右手用機能ボタン
19L 左手用機能ボタン
20 制御部
21 折曲角度検知部
22 入出力切換部
23 入出力部
24 通信部
25 カメラ切換部
26 カメラ部
27 記録部
28 右手用/左手用操作部
29 重力検知部
30 左右切換部
31 警告部
32 方位検知部
111 表示素子
112 接眼光学系
113 視度調節機構
114 反射光学系
115 照明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ電話モードで通信するためのテレビ電話機能部と、画像を撮影するカメラ部と、音声を集音する音声入力部が設けられた第一の筐体と、音声を発する音声出力部が設けられた第二の筐体と、前記第一の筐体または前記第二の筐体を操作者の目の近傍に位置させた状態で前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号に基づいて画像を表示する表示部と、通常電話モード位置、テレビ電話モード位置の間で相対位置が変わるように前記第一の筐体と前記第二の筐体とを接続する接続部と、前記通常電話モード位置では前記音声入力部および前記音声出力部を機能させるとともに前記表示部を機能させないようにする一方、前記テレビ電話モード位置では前記音声入力部、前記音声出力部および前記表示部を機能させる切換制御部とを有することを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記切換制御部は、前記通常電話モード位置と前記テレビ電話モード位置の位置変化に応じて切換え制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
前記表示部は、前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号を表示する表示素子と、前記表示素子の拡大虚像を見るための接眼光学系を有することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記表示部は、表示用の照明部を有し、
前記切換制御部は、前記照明部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項5】
操作者の目が前記表示部から離れた状態でも視認可能な位置に設けられ、前記テレビ電話モードでの通信であることを告知する告知部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項6】
前記通常電話モード位置に設定されている状態で、前記テレビ電話モードでの通信を受けたときには、前記通信を前記テレビ電話モードで受信するとともに、前記告知部を動作させることを特徴とする請求項5に記載の携帯電話。
【請求項7】
前記テレビ電話モード位置に設定されている状態では、前記告知部を動作させないことを特徴とする請求項6に記載の携帯電話。
【請求項8】
テレビ電話モードで通信するためのテレビ電話機能部と、画像を撮影するカメラ部と、音声を集音する音声入力部と、音声を発する音声出力部と、操作者の目の近傍に位置させた状態で前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号を表示するための表示部と、通常電話モードとテレビ電話モードを切換える切換制御部と、前記通常電話モードに設定されている状態で前記テレビ電話モードでの通信を受けたときに告知を行う告知部とを有することを特徴とする携帯電話。
【請求項9】
前記テレビ電話モードに設定されている状態では、前記告知部を動作させないことを特徴とする請求項8に記載の携帯電話。
【請求項10】
テレビ電話モードで通信するためのテレビ電話機能部と、画像を撮影するカメラ部と、音声を集音する音声入力部と、音声を発する音声出力部と、操作者の目の近傍に位置させた状態で、前記テレビ電話機能部または前記カメラ部からの画像信号を表示するための表示部と、テレビ電話機能操作部と、通常電話時には、前記テレビ電話機能操作部を操作しても、前記テレビ電話機能操作部を機能させない操作制御部とを有することを特徴とする携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−201823(P2007−201823A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17983(P2006−17983)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】