説明

撮像装置、撮影制御方法及びプログラム

【課題】笑顔検出を伴う撮影において、その開始/終了のタイミングを適正に制御することで、高品質の画像を得る。
【解決手段】撮像装置は、被写体像を撮像し画像信号を得る撮像部6と、画像信号に基づく画像及び所定の指標を表示可能な表示部5と、所定の操作入力を受け付ける操作入力部3と、所定のモードに設定されている場合に、上記操作入力部3により操作入力がなされたときに被写体の笑顔検出を開始し、該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行った後、被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すよう制御する制御部1とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルスチルカメラ等の撮像装置に係り、特に被写体の笑顔を検出し適正なオートフォーカス(AF; Auto Focus)、自動露光(AE; Auto Exposure)、オートホワイトバランス(AWB; Auto White Balance)等の撮影制御を行う撮像装置、撮影制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置では、AF機能が搭載されている。このAF機能は、被写体に自動的に合焦させるものであり、一般的にはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子により被写体像を撮像し、撮像画像のコントラストに基づいてフォーカス位置を自動的に決定する場合が多い。そして、今日では、ユーザが所望とする撮像画像中の位置にフォーカスを合わせるべく、所定のAF検波可能枠の中でAFポイントを適宜設定できるスポットAFも可能となっている。このスポットAFに撮影モードが設定されている場合には、ユーザは、AF検波可能枠の中で所望とするAFポイントを選択し、所定の操作入力により当該AFポイントを画面上で設定した後、通常の撮影動作を行う。
【0003】
さらに、今日では、所定のAF検波可能枠の中で設定AFポイントに被写体の顔が位置しているか否か、即ち所謂顔検出を行うことも可能となってきている。
【0004】
この種の技術について、例えば特許文献1では、特定の撮影目的被写体に適応させた撮影制御により、高品質な画像撮影を実現する撮像装置が開示されている。同技術では、例えば人物の顔などの特定の目的被写体に適応させた撮影制御を実行する撮像装置において、撮影目的被写体が壁などの遮蔽物によって、一時的に撮影画像から消えた場合においても、人物の顔などの特定の撮影目的被写体に適応させた撮影制御を継続して行う。
【0005】
さらに、被写体の顔のみならず、笑顔をも検出する撮像装置に関わる技術研究が進められている。この場合、笑顔検出は、例えば、被写体の主要部位が予め定められた所定の条件を満たしているか否かに基づいて行うことになる。
【0006】
【特許文献1】特開2007−104235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、笑顔検出の伴う撮影について、一瞬の笑顔を逃さずに撮影を行うためには、該笑顔が検出されたタイミングで瞬時に撮影を行う必要があるが、該撮影の開始/終了のタイミングを適正に制御することについては、特に提案がなされていない。
【0008】
そこで、本発明は、被写体の笑顔検出を伴う撮影において、その開始/終了のタイミングを適正に制御することで、高品質の画像を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点に係る撮像装置によれば、撮像手段が被写体像を撮像し画像信号を得る。表示手段は画像信号に基づく画像及び所定の指標を表示可能である。操作入力手段は所定の操作入力を受け付けることができる。そして、制御手段は、所定のモードに設定されている場合において、操作入力手段により操作入力がなされたときには、被写体の笑顔検出を開始し、該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行った後、被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すように制御する。
【0010】
従って、操作入力がなされて、所定の終了条件を満たすまで、笑顔検出、撮影制御、撮像が繰り返され、笑顔の被写体に係る画像が得られる。尚、上記所定の終了条件とは、上記操作入力手段による操作入力、撮影枚数の上限への到達、或いは上記操作入力がなされてから所定時間の経過の少なくともいずれかであってもよい。
【0011】
本発明の第2の観点による撮影制御方法は、撮像手段により被写体像を撮像し画像信号を得て、表示手段により上記画像信号に基づく画像及び所定の指標を表示し、操作入力手段により所定の操作入力を受け付ける。そして、制御手段により所定のモードに設定されている場合において、上記操作入力手段により操作入力がなされたときには、被写体の笑顔検出を開始し、該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行った後、被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すように制御する。
【0012】
従って、操作入力がなされて、所定の終了条件を満たすまで、笑顔検出、撮影制御、撮像が繰り返され、笑顔の被写体に係る画像が得られるように撮影が制御される。
【0013】
本発明の第3の観点によるプログラムは、コンピュータが、所定のモードに設定されている場合に、操作入力手段により操作入力がなされたときに被写体の笑顔検出を実行する笑顔検出手段と、該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行う撮影制御手段と、被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すよう制御する主制御手段として機能する。
【0014】
従って、プログラムに基づくソフトウェア処理により、操作入力を検出してから所定の終了条件を満たすまで、笑顔検出、撮影制御、撮像が繰り返され、笑顔の被写体に係る画像が得られるように撮影が制御される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被写体の笑顔検出を伴う撮影において、その開始/終了のタイミングを適正に制御することで、高品質の画像を得ることが可能な撮像装置、撮影制御方法、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という)について詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置は、笑顔検出を伴う撮影において、その開始/終了のタイミングを適正に制御するもので、終了のタイミングについては枚数制限、シャッタ釦操作、時間制限等に基づいて制御する。
【0017】
先ず、図1には本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成を示し説明する。
【0018】
この図1に示されるように、第1の実施の形態に係る撮像装置は、全体の制御を司る制御部1、操作入力部3、記憶部4、表示部5、撮像部6からなる。
【0019】
そして、制御部1は、記憶部4に格納されている制御プログラム2を読み出し実行することで、スマイル検出機能2a、3A制御機能2b、主制御機能2cを奏する。尚、この制御部1が、各機能2a乃至2cを奏するとき、笑顔検出手段、撮影制御手段、主制御手段としての役割を果たすことになる。
【0020】
以下、図2のシーケンス図を参照して、各部の作用を説明する。
【0021】
制御部1は、先ず主制御機能2cにより、スルー画像を表示部5に表示してシーン選択をユーザに促すと共にスマイルモードの選択を受け付ける。
【0022】
ここで、「スマイルモード」とは、被写体の笑顔検出(以下、単に「スマイル検出」という)を伴う撮影を実行するモードをいう。
【0023】
こうして、ユーザにより撮影シーンが選択され、スマイルモードが選択されると、制御部1は主制御機能2cにより該選択に基づいて設定を行う(ステップS1)。
【0024】
続いて、操作入力部3に概念上含まれるシャッタ釦がユーザにより深押しされると、制御部1は、レリーズオンを検出し、スマイル検出機能2aにより、該スマイルモードでの撮影(処理)を開始し(ステップS2)、以降、後述するような所定の終了条件を満たすまで、3A制御機能2bにより、撮像1…撮像nの各処理として、スマイル検出、撮影制御、撮影、画像の保存の各処理を繰り返すことになる(ステップS3,…S4)。
【0025】
ここで、この「スマイル検出」は、撮影する主要被写体の主要部位において、該主要部位が予め定められた所定の条件を満たすか否かに基づいて行われる。より詳細には、被写体の眼の中の白目部分の大きさ(面積)や、口の中の白色部分の大きさ(面積)などに基づいて、スマイル検出がなされる。但し、これら手法に限定されるものではない。
【0026】
こうして、次の終了条件にいずれかが満たされると、スマイルモードでの撮影(処理)を終了することになる(ステップS5)。
【0027】
即ち、この第1の実施の形態に係る撮像装置では、
・枚数制限(例えば、所定枚数に至るまでS3,4を実行し、その後、終了する)
・シャッタ釦の深押し(深押しのタイミングにて終了する)
・時間制限(タイマによる計時で所定時間を超えた場合に終了する)
のいずれかの条件を満たした場合に、制御部1は主制御機能2cによりスマイルモードでの撮影(処理)を終了することとしている。この各条件に、所定の優先順位を定めるようにしてもよいし、他の終了条件を更に追加してもよいことは勿論である。
【0028】
尚、上記「スマイル検出」を実行するためには、被写体の「顔検出」も前提として必要となる場合があるが、その手法としては、平均的な顔画像をテンプレートで予め用意しておき、入力された画像と該テンプレートと画像とのマッチングを行う等、公知の手法を採用することが可能であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0029】
このように、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置では、被写体の笑顔検出を伴う撮影において、制御部1が主制御機能2cにより、その開始/終了のタイミングを適正に制御することで、高品質の画像を得ることが可能となる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0031】
図3には本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の構成を示し説明する。
【0032】
これは、前述した第1の実施の形態に係る撮像装置を更に具現化したものである。
【0033】
この図2に示されるように、第1の実施の形態に係る撮像装置には、撮影レンズ、絞り、フォーカスレンズ等を概念上含むレンズ部11が配設されている。そして、このレンズ部11を介して入射する被写体光の光路上には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子12が配置されている。この撮像素子12の出力は、アナログ信号処理部13、アナログ/ディジタル(A/D; Analog/Digital)変換部14を介してディジタル信号処理部15の入力に接続されている。そして、このディジタル信号処理部15の出力は、液晶パネル17、記録デバイス19の入力に電気的に接続されている。
【0034】
レンズ部11には、それを構成する絞りの調整やフォーカスレンズの移動を行うためのアクチュエータ20が機械的に接続されている。そして、該アクチュエータ20は、その駆動制御を行うためのモータドライバ21に接続されている。
【0035】
さらに、この撮像装置には、全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)23が配設されており、該CPU23は、モータドライバ21、タイミングジェネレータ(TG; Timing Generator)22、操作部24、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)25、プログラムROM(Read Only Memory)26、RAM(Random Access Memory)27、タッチパネル16と接続されている。尚、CPU23がプログラムROM26に格納された制御プログラムを読み出し、実行することで、制御手段、特にスマイル検出手段、撮影制御手段、主制御手段等として機能する。
【0036】
タッチパネル16と液晶パネル17とでタッチスクリーン18が構成される。
【0037】
記録デバイス19は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)等のディスクやメモリカード等の半導体メモリその他のリムーバブルな記録媒体であり、撮像装置本体に対して着脱自在となっている。EEPROM25は、設定された各種情報その他の電源がオフにされたときも保持すべきデータ等を記憶する為のものである。プログラムROM26は、CPU23が実行するプログラム、該プログラムを実行する上で必要なデータを記憶する為のものである。そして、RAM27は、CPU23が各種処理を実行する際のワークエリアとして必要なプログラムやデータを一時記憶する為のものである。
【0038】
このような構成において、CPU23は、プログラムROM26に記録されているプログラムを実行することにより撮像装置を構成する各部を制御し、タッチパネル16からの信号や、操作部24からの信号に応じて、所定の処理を実行する。操作部24は、ユーザによって操作されるもので、該操作に対応した信号をCPU23に供給する。
【0039】
すなわち、タッチパネル16の任意の位置に指が触れる等して押下されると、つまりユーザにより所定の操作入力がなされると、該タッチパネル16より押下された位置の座標が検出され、当該座標に係る信号がCPU23に送出され、該CPU23は該座標に対応する所定の情報を取得し、該情報に基づいて所定の処理を実行する。
【0040】
レンズ部1を介して被写体光が入射すると、撮像素子12は被写体光を撮像し、光電変換し、アナログの画像信号を出力する。このとき、モータドライバ21は、CPU23の制御に基づきアクチュエータ20を駆動する。この駆動により、レンズ部11は、撮像装置の筐体から露出/収納される。また、この駆動により、レンズ部11を構成する絞りの調整や、レンズ部11を構成するフォーカスレンズの移動が行われる。
【0041】
さらに、タイミングジェネレータ22は、CPU23の制御に基づいて、タイミング信号を撮像素子12に供給する。このタイミング信号により撮像素子12における露出時間等が制御される。撮像素子12は、このタイミングジェネレータ22から供給されるタイミング信号に基づいて動作することにより、レンズ部11を介して入射する被写体からの光を受光して光電変換を行い、受光量に応じた電気信号としてのアナログの画像信号をアナログ信号処理部13に供給する。アナログ信号処理部13は、CPU23の制御に基づいて、撮像素子12から送出されたアナログの画像信号に対してアナログ信号処理(増幅等)を行い、その結果得られる画像信号を、A/D変換部14に供給する。
【0042】
その後、A/D変換部14は、CPU23の制御に基づいて、アナログ信号処理部13からのアナログの画像信号をA/D変換し、その結果得られるディジタルの画像データをディジタル信号処理部15に供給することになる。ディジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいてA/D変換部14からのディジタルの画像信号に対し、ノイズ除去処理等のディジタル信号処理を施し、液晶パネル17に供給して表示させる。
【0043】
ディジタル信号処理部15は、A/D変換部14からのディジタルの画像信号を、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等で圧縮し、その結果、得られる圧縮されたディジタルの画像信号を、記録デバイス19に供給して記録させる。
【0044】
更に、ディジタル信号処理部15は、記録デバイス19に記録された圧縮された画像データを伸張し、その結果得られる画像データを液晶パネル17に供給して表示させる。つまり、ディジタル信号処理部15は、A/D変換部14からの画像データを、液晶パネル17に供給し、これにより液晶パネル11では所謂スルー画が表示される。その他、ディジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいて、フォーカスの制御に用いるフォーカス枠(AF枠)の画像を生成し、液晶パネル17に供給して表示させる。
【0045】
その後、ユーザが操作部24に概念上含まれるシャッタボタンを押下すると、操作部24からレリーズ信号がCPU23に供給される。このようにして、レリーズ信号がCPU23に供給されると、該CPU23はディジタル信号処理部15を制御し、A/D変換部14からディジタル信号処理部15に供給された画像データを圧縮させ、この圧縮された画像データを記録デバイス19に記録させることになる。
【0046】
この撮像装置は、AF機能を有している。この実施の形態に係る撮像装置では、撮像素子12によって撮像された画像上にAF枠が設定され、そのAF枠の内部の画像に基づいてフォーカスが制御される。このAF機能では、AF枠を、液晶パネル17に表示された画像上の任意の位置に設定することができるようになっており、さらに、液晶パネル17と一体的に構成されたタッチパネル16に対する操作だけで、その位置やサイズ等の制御を行うことができるようになっている。AF処理は、CPU23がプログラムROM26のプログラムを読み出して実行することで実現される。さらに、この撮像装置は、AE機能、AWB機能を有している。これらの機能についても、CPU23がプログラムROM26のプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0047】
ここで、特に特徴的なのは、以下の点である。即ち、CPU23は、スマイルモードでの撮影の開始及び終了のタイミングを制御する。この例では、操作部24に概念上含まれるシャッタ釦の深押しによりスマイルモードでの撮影を開始し、例えば枚数制限、シャッタ釦の深押し、時間制限のいずれかの条件を満たした場合に、スマイルモードでの撮影(処理)を終了する。この各条件に、所定の優先順位を定めるようにしてもよいし、他の終了条件を更に追加してもよいことは勿論である。従って、この撮像装置によれば、被写体の笑顔検出を伴う撮影において、CPU23が、その開始/終了のタイミングを適正に制御することで、高品質の画像を得ることが可能となる。
【0048】
次に、図4には本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の概観図を示し説明する。
【0049】
図4(a)は該撮像装置の後方斜視図であり、図4(b)は前方斜視図である。
【0050】
撮像装置の前面はレンズカバーで覆われており、該前面のレンズカバー57が下方に開かれると、レンズ部11に概念上含まれる撮影レンズ55とAFイルミネータ56が露呈するように配置されている。このAFイルミネータ56は、セルフタイマランプを兼ねている。撮像装置の上面には、ズームレバー(TELE/WIDE)51とシャッタボタン52、再生ボタン53、パワーボタン54が配置されている。更に、撮像装置の後面には、タッチスクリーン18が設けられている。ズームレバー51、シャッタボタン52、再生ボタン53、パワーボタン54は、操作部24に概念上含まれる。
【0051】
以下、図5のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置による特徴的な処理について詳細に説明する。ここでは、図6を適宜参照する。尚、以下の一例の処理は、第2の実施の形態に係る撮影制御方法にも相当するものである。
【0052】
スマイルモードに設定され、処理を開始すると、先ず静止画定常状態表示が液晶パネル17にてなされる(ステップS11)。この様子は、図6にて画面100で示される通りである。同画面100には、AF枠100aが表示されている。
【0053】
続いて、CPU23は、操作部24に概念上含まれるシャッタ釦52が半押しされたか否かを検出し(ステップS12)、該シャッタ釦52が半押しされていなければ上記静止画定常状態の表示を継続し、一方、シャッタ釦52が半押しされると(ステップS12をYesに分岐)、スキャンAFを実施し、AFロックを行い、該状態を液晶パネル17にて表示する(ステップS13)。この様子は、図6にて画面101,102で示される通りである。即ち、AFスキャン中には画面101に示されるように、AF枠101a,101bが表示され、AFスキャンが終了し、AFロック状態となると、画面102にてロックされたAF枠102aが特定され、表示されることになる。
【0054】
そして、CPU23は、シャッタ釦52が深押しされたか否かを判断し(ステップS14)、深押しされていないと判断すれば(ステップS14をNoに分岐)、上記ステップS12に戻り、上記処理を繰り返す。一方、シャッタ釦52が深押しされたものと判断すれば、スマイル検出を実行する(ステップS15)。このとき、図6に画面103で示されるように、スマイル検出の対象となる顔にAF枠103aがかけられている。このスマイル検出の対象となる顔は、例えば、先のAFロック時に決定される。
【0055】
ここで、スマイル検出は、CPU23が、プログラムROMのプログラムを読み出すことで実行される。例えば、上記AF枠が定められた、つまりAFロックされた被写体の顔について、注目部位を特定し、該注目部位が予め定められた所定の条件を満たしているかを判断し、該条件を満たしたときに笑顔であるものと検出する。この注目部位としては被写体の眼や口、より詳細には眼の中の白目部分の大きさ(面積)、及び/又は口の横方向の長さ、白色部分の大きさ(面積)などがある。但し、これに限定されない。
【0056】
こうして、スマイル検出がなされたタイミングで撮影制御、ここではAF、AE、AWBの3A制御を実施する(ステップS16)。その後、被写体像を撮像素子12により撮像し、アナログ信号処理部13、A/D変換部14によりディジタルの画像データに変換した後、ディジタル信号処理部15により前述したような所定の信号処理を施し、処理後の画像データを記録デバイス19に記録することになる(ステップS17)。
【0057】
尚、フローチャート中は、不図示であるが、ここでオートレビューを行うことも可能である。その場合、オートレビューがオンされている場合には、液晶パネル17に図6に画面104で示されるようなオートレビュー表示を行なうことになる。
【0058】
続いて、CPU23は、シャッタ釦52が深押しされているか否かを判断する(ステップS18)。ここで、該シャッタ釦52が深押しされていれば(ステップS18をYesに分岐)、処理を終了する。一方、シャッタ釦52が深押しされていないと判断されると(ステップS18をNoに分岐)、続いてCPU23は撮影枚数上限に到達したか否かを判断する(ステップS19)。ここで、CPU23は、該上限に到達しているものと判断した場合には(ステップS19をYesに分岐)処理を終了する。
【0059】
一方、撮影枚数の上限に到達していないものと判断した場合には(ステップS19をNoに分岐)、CPU23は、所定時間が経過したか(タイムアウト)否かを判断し(ステップS20)、該所定時間を経過したものと判断した場合には(ステップS20をYesに分岐)、処理を終了する。そして、CPU23は、所定時間を経過していないものと判断した場合には(ステップS20をNoに分岐)、上記ステップS15に戻り、上記処理を繰り返すことになる。つまり、これら終了条件のいずれも満たさない限りにおいてはスマイル検出、3A制御、撮像・記録の処理を繰り返すことになる。
【0060】
ここでは、シャッタ釦52の深押し、撮影枚数上限への到達の可否、所定時間経過の可否の順に判断することとしたが、これに限定されず、任意の順に優先度を定めて終了条件を判断することができる。更に、他の終了条件を加味することもできる。
【0061】
尚、複数の顔について笑顔検出がなされた場合には、ユーザによるタッチパネル16の操作により選択された被写体の顔を最優先し、その他、選択された顔に近い、或いは被写体距離が同じ顔を優先的に扱い、優先順位従って、予め定められた数の顔にAF枠を設定するようにしてもよいことは勿論である。また、特にユーザによる選択がなされていないような場合には、画面中央に近い顔を優先的に扱ったり、顔領域が大きい顔を優先的に扱ったりすることで定められた優先順位に基づいて、所定の数だけの顔のAF枠を設定するようにしてもよいことは勿論である。
【0062】
以上説明したように、本発明の第1及び第2の実施の形態によれば、スマイルモードに設定され笑顔検出を伴う撮影を実施する場合において、シャッタ釦の深押し等に同期してスマイル検出、3A制御、撮像・記録といった処理を所定の終了条件を満たすまで繰り返し、シャッタ釦の深押し、撮影枚数上限への到達、所定時間の経過等の所定の終了条件を満たすと、一連の処理を終了するように、撮影の開始/終了のタイミングを適正に制御することで、高品質の画像を得ることができる。
【0063】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
【0064】
例えば、複数の被写体の顔についてAF枠が設定されている場合において、スマイルモード下で複数の撮像を行うとき、各AF枠の顔にてスマイル検出がなされたタイミングで順番に複数の撮像を繰り返すことで、各被写体が笑った画像を得るようにすることも可能である。このとき、AF枠に優先順位を定め、該優先順位に基づいて撮像を実施するようにしてもよい。以上によれば、一度のスマイルモード下の撮影により、画面上の各被写体が笑った画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の概念図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置による特徴的な処理について詳細に説明するシーケンス図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の構成を示す図
【図4】(a)は本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の後方斜視図、(b)は本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の前方斜視図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置による特徴的な処理について詳細に説明するフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置による特徴的な処理について詳細に説明する画面遷移を含めた概念図。
【符号の説明】
【0066】
1…制御部、2…制御プログラム、2a…スマイル検出機能、2b…3A制御機能、2c…主制御機能、3…操作入力部、4…記憶部、5…表示部、11…レンズ部、12…撮像素子、13…アナログ信号処理部、14…A/D変換部、15…ディジタル信号処理部、16…タッチパネル、17…液晶パネル、18…タッチスクリーン、19…記録デバイス、20…アクチュエータ、21…モータドライバ、22…タイミングジェネレータ、23…CPU、24…操作部、25…EEPROM、26…プログラムROM、27…RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像し画像信号を得る撮像手段と、
上記画像信号に基づく画像及び所定の指標を表示可能な表示手段と、
所定の操作入力を受け付ける操作入力手段と、
所定のモードに設定されている場合において、上記操作入力手段により操作入力がなされたときには、被写体の笑顔検出を開始し、該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行った後、被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すように制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記所定の終了条件とは、上記操作入力手段による操作入力である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
上記所定の終了条件とは、撮影枚数の上限への到達である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
上記所定の終了条件とは、上記操作入力がなされてから所定時間の経過である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像手段により被写体像を撮像し画像信号を得るステップと、
表示手段により上記画像信号に基づく画像及び所定の指標を表示するステップと、
操作入力手段により所定の操作入力を受け付けるステップと、
制御手段により所定のモードに設定されている場合において、上記操作入力手段により操作入力がなされたときには、被写体の笑顔検出を開始し、該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行った後、被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すように制御するステップとを備えた
ことを特徴とする撮影制御方法。
【請求項6】
コンピュータが、
所定のモードに設定されている場合に、操作入力手段により操作入力がなされたときに被写体の笑顔検出を実行する笑顔検出手段と、
該笑顔検出の結果、笑顔が検出された場合には所定の撮影制御を行う撮影制御手段と、
被写体像を撮像し、所定の終了条件を満たすまで、該笑顔検出並びに撮影制御、撮像を繰り返すよう制御する主制御手段として機能する
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−10776(P2009−10776A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171249(P2007−171249)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】