説明

撮像装置、運転者監視装置および顔部測距方法

【課題】顔部品の距離を精度良く測定することのできる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置1は、二つの光学系で同一の被写体の画像をそれぞれ撮影するカメラ部3と、カメラ部3で撮影した画像に含まれる顔部を構成する複数の顔部品を検出する顔部品検出部9と、検出された複数の顔部品の輝度値を計算する顔部品輝度計算部10と、複数の顔部品の輝度値に基づいて、カメラ部の露光制御値を求める露光制御値決定部12を備えている。撮像装置1の測距部17は、この露光制御値を用いてカメラ部3で撮影した画像に基づいて、顔部品の距離測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した画像に含まれる顔部を測距する機能を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被写体までの距離を測定する(測距する)機能を備えた撮像装置として、ステレオカメラが用いられている。ステレオカメラは、複数の光学系を持っており、それぞれの光学系では光軸が異なっている。そのため、同一被写体をステレオカメラで撮影したときに、それぞれの光学系で撮像される画像に視差が発生し、この視差を求めることにより被写体までの距離が求められる。例えば、複数の光学系のうち1つの光学系で撮像された画像を基準画像として、残りの光学系で撮影された画像を参照画像とする。そして、基準画像の一部の画像をテンプレートとしてブロックマッチングを行って、参照画像での類似点を求めることにより視差を求め、この視差に基づいて被写体までの距離を計算する。
【0003】
視差を正しく求めるためには、被写体を撮影した画像の輝度が適切でなければならない。適切でない輝度の一例として、露光時間が適切な時間より長く、飽和が発生する場合がある。この場合には、それぞれの被写体が明るさに応じた適正な輝度とならず、視差を正しく求めることができず、その結果、正しく測距することができない。また、適切でない輝度の他の例として、露光時間が適切な時間より短く、輝度が小さい場合がある。この場合には、ランダムノイズに対する輝度の比(S/N比)が小さく、視差の精度が低くなり、その結果、測距精度が低くなる。
【0004】
そこで、従来、顔部の輝度を適切にする撮像装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この従来の撮像装置は、撮影した画像から複数の切り出し領域(例えば3つの顔検出領域枠)を設定し、それぞれの切り出し領域において顔が含まれるかどうかを検出する。そして、顔が含まれる領域の輝度が適正になるように自動露光を行う。例えば、顔検出された領域が1つの顔検出領域枠のみであった場合には、その顔検出領域枠の領域の輝度が適正になるように、絞りとシャッタースピードが決定される。また、2つの顔検出領域枠に顔が検出された場合においては、それらの顔検出領域枠の領域内の平均輝度が適正になるように絞りとシャッタースピードが決定される。更に、3つすべての顔検出領域枠に顔が検出された場合においては、それらすべての顔検出領域枠の領域の平均輝度が適正になるように絞りとシャッタースピードが決定される。また、何れの顔検出領域枠にも顔が検出されなかった場合には、3つの顔検出領域枠内の平均輝度が適正になるように絞りとシャッタースピードが決定される。
【特許文献1】特開2007−81732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の撮像装置においては、あらかじめ切り出し領域が設定されるため、その切り出し領域に本来の被写体(顔部)の他に高輝度被写体(ライトなど)が含まれる場合には、その高輝度被写体の分だけ露光時間が短くなるように制御される。その結果、顔部の輝度が小さくなり、S/N比が小さくなってしまうため、視差の精度が低くなり、測距精度が低くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、顔部の輝度を適切にするように露光制御を行うことができ、顔部までの距離を正確に測定することのできる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮像装置は、少なくとも二つの光学系で同一の被写体の画像をそれぞれ撮影するカメラ部と、前記カメラ部で撮影した画像から、前記画像に含まれる顔部を構成する複数の顔部品を検出する顔部品検出部と、検出された前記複数の顔部品の輝度値を計算する顔部品輝度計算部と、前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を求める露光制御値決定部と、前記顔部品の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を補正する露光制御値補正部と、補正された前記露光制御値を用いて前記カメラ部で撮影した少なくとも二つの画像に基づいて、前記複数の顔部品の距離測定を行う測距部と、
を備えた構成を有している。この構成により、顔部品(目頭、目尻、唇端など)の輝度値に基づいて、露光制御値(絞り値、露光時間、利得など)が適切に求められる。このようにして、顔部品の輝度が適切になるように露光制御が行われるので、顔部品の視差を精度良く求めることができ、顔部品の距離を精度良く測定することができる。
【0008】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値決定部は、前記複数の顔部品の輝度値のうちの最大の輝度値が所定の輝度目標値になるように、前記カメラ部の露光制御値を求める構成を有している。この構成により、複数の顔部品の輝度値のうちの最大輝度値を目標値として用いるので、平均輝度値を目標値に用いる場合に比べて、照明条件の変化に対して適切な露光制御を容易に行うことが可能になる。したがって、照明条件が変化した場合(例えば、被写体の「正面からの照明」から「側面からの照明」に変化した場合)であっても、顔部品の輝度が適切になるように露光制御を行うことが容易になる。
【0009】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値決定部は、前記複数の顔部品のうち対称的に配置された一対の顔部品の輝度値の差が所定の閾値より大きい場合には、前記一対の顔部品を除いた他の顔部品のうちの最大の輝度値が輝度目標値になるように、前記カメラ部の露光制御値を求める構成を有している。この構成により、対称的に配置された一対の顔部品(例えば、左目尻と右目尻)の輝度値の差が大きい場合には、その顔部品は目標値として用いられない。つまり、過度に大きな輝度値や過度に小さな輝度値の顔部品は、目標値から除外される。このように、適正な輝度値の範囲内にある(輝度値の差が小さい)顔部品の輝度値を目標値として用いて露光制御を行うことにより、適切な露光制御を行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明の撮像装置では、前記カメラ部で撮影した画像に含まれる顔部を検出する顔検出部と、検出された前記顔部の輝度値を計算する顔輝度計算部と、前記顔部の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を補正する露光制御値補正部と、を備え、前記露光制御値補正部は、前記カメラ部で撮影した少なくとも二つの画像に含まれる顔部品の輝度値が同一になるように、前記カメラ部の露光制御値を補正する構成を有している。この構成により、視差の計算に利用する顔部の輝度値の差が小さくなるように、露光制御値(絞り値、露光時間、利得など)が補正される。したがって、顔部品の視差を精度良く求めることができ、顔部品の距離を精度良く測定することができる。
【0011】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値には、絞り値と露光時間と利得とが含まれており、前記露光制御値補正部は、前記二つの光学系のそれぞれの前記絞り値と前記露光時間とを同一とし、前記二つの画像に含まれる顔部品の輝度値が同一となるように前記二つの光学系のそれぞれの前記利得を補正する。この構成により、視差演算に利用する二つの光学系の輝度差をなくすことができるので、視差演算の精度が高くなり、距離演算の精度を高くすることができる。
【0012】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値決定部は、前記複数の顔部品の輝度値から選択された輝度値に応じて輝度目標値を設定し、前記選択された輝度値が前記輝度目標値になるように、前記カメラ部の露光制御値を求める構成を有している。この構成により、顔部品の輝度値に応じて目標値が適切に設定される。
【0013】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値決定部は、前記選択された輝度値が所定の閾値より大きい場合には、前記選択された輝度値が前記閾値より小さい場合に比べて、前記輝度目標値を小さい値に設定する構成を有している。この構成により、輝度値が大きい場合には目標値を小さくすることにより、すばやく短時間で適切な輝度値になるように露光制御が行われる。したがって、輝度が高すぎて測距精度が低い期間を短縮することができる。
【0014】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値決定部は、前記顔部品の輝度値が所定の飽和基準値より大きいことを示す飽和信号の有無に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を求める頻度を制御する構成を有している。この構成により、飽和信号の有無に基づいて、適切なタイミングで露光制御値の決定が行われる。
【0015】
また、本発明の撮像装置では、前記露光制御値決定部は、前記飽和信号が有の場合には、前記画像が撮影されるたびに前記カメラ部の露光制御値を求める構成を有している。この構成により、輝度の飽和が発生したときは直ちに露光制御値の演算を行うことにより、すばやく短時間で適切な輝度値になるように露光制御が行われる。したがって、輝度が高すぎて測距精度が低い期間を短縮することができる。
【0016】
本発明の運転者監視装置は、少なくとも二つの光学系で被写体である運転者の画像をそれぞれ撮影するカメラ部と、前記カメラ部で撮影した画像から、前記運転者の顔部を構成する複数の顔部品を検出する顔部品検出部と、検出された前記複数の顔部品の輝度値を計算する顔部品輝度計算部と、前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を求める露光制御値決定部と、前記露光制御値を用いて前記カメラ部で撮影した少なくとも二つの画像に基づいて、前記運転者の複数の顔部品の距離測定を行う測距部と、前記複数の顔部品の距離測定結果に基づいて、前記運転者の顔モデルを作成する顔モデル作成部と、作成された前記顔モデルに基づいて、前記運転者の顔向きを追跡する処理を行う顔追跡処理部と、を備えた構成を有している。この構成により、顔部品(目頭、目尻、唇端など)の輝度値に基づいて、露光制御値(絞り値、露光時間、利得など)が適切に求められる。このようにして、顔部品の輝度が適切になるように露光制御が行われるので、顔部品の視差を精度良く求めることができ、顔部品の距離を精度良く測定することができる。そして、顔部品の正確な距離を用いて顔向きを追跡するので、精度良く顔向きを追跡することができる。
【0017】
本発明のる顔部測距方法は、少なくとも二つの光学系で同一の被写体の画像をそれぞれ撮影し、前記撮影した画像に含まれる顔部を構成する複数の顔部品を検出し、検出された前記複数の顔部品の輝度値を計算し、前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、画像撮影のための露光制御値を求め、前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、画像撮影のための露光制御値を補正し、補正された前記露光制御値を用いて撮影した少なくとも二つの画像に基づいて、前記顔部の距離測定を行う。この方法によっても、上記の撮像装置と同様に、顔部品の輝度が適切になるように露光制御が行われるので、顔部品の視差を精度良く求めることができ、顔部品の距離を精度良く測定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、顔部品の輝度に基づいて露光制御値を求める露光制御値決定部を設けることにより、顔部品の距離を精度良く測定することができるという効果を有する撮像装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態の撮像装置について、図面を用いて説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、カメラ付き携帯電話機、デジタルスチルカメラ、車載用カメラ、監視用カメラ、三次元計測器、立体画像入力カメラ等に用いられる撮像装置の場合を例示する。
【0021】
まず、本実施の形態の撮像装置の構成を、図1〜図6を参照して説明する。図1は、本実施の形態の撮像装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮像装置1は、二つの光学系2(第1および第2の光学系2)を有するカメラ部3と、CPUやマイコンなどで構成される制御部4を備えている。
【0022】
ここでは、まず、二つの光学系2の構成について説明する。第1の光学系2(図1では、上側の光学系2)は、第1の絞り5、第1のレンズ6、第1の撮像素子7、第1の回路部8を有しており、また、第2の光学系2(図1では、下側の光学系2)は、第2の絞り5、第2のレンズ6、第2の撮像素子7、および第2の顔路部を有している。そして、この二つの光学系2は、それぞれ同一の被写体の画像を撮影できるように構成されいる。
【0023】
カメラ部3で同一の被写体を撮影した場合、第1の光学系2では、第1の絞り5を通過した第1のレンズ6への入射光が、第1の撮像素子7の撮像面上に結像され、第1の回路部8により撮像素子7からの電気信号に対してノイズ除去、利得制御、およびアナログ/デジタル変換などの処理が行われて、第1の画像として出力される。また、第2の光学系2でも同様に、第2の絞り5を通過した第2のレンズ6への入射光は第2の撮像素子7の撮像面上に結像され、第2の回路部8により撮像素子7からの電気信号に対してノイズ除去、利得制御、およびアナログ/デジタル変換などの処理が行われされ、第2の画像として出力される。
【0024】
第1の画像および第2の画像は、制御部4に入力される。制御部4では、後述のように各種の処理が実行されて、第1の露光制御値および第2の露光制御値が出力される。この第1の露光制御値および第2の露光制御値は、カメラ部3に入力され、カメラ部3における露光制御に用いられる。なお、第1の画像および第2の画像は、外部にも出力される。
【0025】
第1の露光制御値には、第1の絞り値、第1の露光時間、第1の利得が含まれており、第1の光学系2では、この第1の露光制御値に基づいて露光制御が行われる。すなわち、第1の光学系2では、第1の絞り値に基づいて第1の絞り5の開度が制御され、第1の露光時間に基づいて第1の撮像素子7の電子シャッターが制御され、第1の利得に基づいて第1の回路部8の利得が制御される。
【0026】
また、第2の露光制御値には、第2の絞り値、第2の露光時間、第2の利得が含まれており、第2の光学系2では、この第2の露光制御値に基づいて露光制御が行われる。すなわち、第2の光学系2では、第2の絞り値に基づいて第2の絞り5の開度が制御され、第2の露光時間に基づいて第2の撮像素子7の電子シャッターが制御され、第2の利得に基づいて第2の回路部8の利得が制御される。
【0027】
この場合、第1と第2の光学系2は、画像の水平方向に離れて配置されている。そのため、画像の水平方向に視差が発生する。また、第1の画像および第2の画像には、種々の補正(キャリブレーション)が施される。例えば、第1の画像および第2の画像には、シェーディングが補正され、光軸中心が画像の同一位置(例えば、画像中心)となるように補正され、光軸中心周りの歪みがないように補正され、倍率が補正され、視差が発生する方向が画像の水平方向になるように補正される。
【0028】
つぎに、制御部4の構成について説明する。図1に示すように、制御部4は、カメラ部3で撮影した画像から複数の顔部品(目頭、目尻、唇端など)を検出する顔部品検出部9と、それらの顔部品の輝度を計算する顔部品輝度計算部10と、複数の顔部品の輝度のうち最大の輝度値を選択する顔部品輝度選択部11と、顔部品の輝度値に基づいて露光制御値を求める露光制御値決定部12と、顔部品の輝度値が所定の飽和基準値より大きい場合に飽和信号を作成する飽和信号作成部13を備えている。
【0029】
また、制御部4は、第1の光学系2で撮影した画像から顔部を検出する第1の顔検出部14と、その顔部の輝度値を計算する第1の顔輝度計算部15と、第2の光学系2で撮影した画像から顔部を検出する第2の顔検出部14と、その顔部の輝度値を計算する第2の顔輝度計算部15と、これらの顔部の輝度値に基づいて露光制御値の補正を行う(その結果、後述するように、第1の露光制御値と第2の露光制御値が生成される)露光制御値補正部16と、補正された露光制御値を用いてカメラ部3で撮影された画像に基づいて顔部の測距を行う測距部17を備えている。この測距部17は、顔部を構成する顔部品の測距を行う機能も備えている。そして、測定された顔部の距離(または顔部品の距離)は、外部に出力されるように構成されている。
【0030】
ここで、制御部4の各構成のうち本発明に特徴的なものについて、図面を用いて詳しく説明する。図2は、顔部品検出部9における処理(顔部品検出処理)の一例を示す図である。図2では、カメラ部3(第1の光学系2)で撮影した人物の画像から6つの顔部品(図2で、斜線を付した領域)が検出されたときの例が示されている。この例では、「右目頭」付近の正方形領域が第1の顔部品a、「左目頭」付近の正方形領域が第2の顔部品b、「右目尻」付近の正方形領域が第3の顔部品c、「左目尻」付近の正方形領域が第4の顔部品d、「右唇端」付近の正方形領域が第5の顔部品e、「左唇端」付近の正方形領域が第6の顔部品fとして検出されている。この場合、汗などで濡れた額にライトの光が反射して高輝度領域Rが存在していたとしても、そのような領域(額付近の領域)は顔部品として検出されない。顔部品検出部9は、これらの顔部品a〜fの位置(顔部品位置ともいう)を、顔部品輝度計算部10、飽和信号作成部13および測距部17に出力する。
【0031】
なお、図2では、顔部品の数が6つである場合を例示したが、顔部品の数がこれに限定されないことは言うまでもない。また、ここでは、正方形の領域を顔部品としたが、顔部品の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、長方形、三角形、台形などの他の形状や、顔部品を曲線で囲んだ形状などでもよい。
【0032】
図3は、露光制御値決定部12の構成を示すブロック図である。図3に示すように、露光制御値決定部12は、目標値設定部18と露光制御演算部19から構成される。目的値設定部18は、顔部品輝度選択部11で選択された輝度値に基づいて輝度目標値を設定する機能を備えており、露光制御演算部19は、顔部品輝度選択部11で選択された輝度値が輝度目標値になるように露光制御値を決定する機能を備えている。なお、この露光制御値決定部12の詳しい動作については、図面を用いて後述する。
【0033】
図4は、顔検出部14における処理(顔検出処理)の一例を示す図である。図4では、カメラ部3(第1の光学系2や第2の光学系2)で撮影した人物の画像から顔部が検出されたときの例が示されている。例えば、人物の顔すべてを含む大きな四角形(顔に外接する四角形など)の領域Xが顔部として検出される。この場合には、人物の顔から離れた部分にライトなどの高輝度領域Pが存在していたとしても、その高輝度領域Pを含まないような領域Xを顔部として検出することができる。また、人物の顔の一部を含む小さな四角形(顔に内接する四角形など)の領域Yを顔部として検出してもよい。この場合には、人物の顔の近くにライトなどの高輝度領域Qが存在していたとしても、その高輝度領域Qを含まないような領域Yを顔部として検出することができる。また、人物の顔の輪郭を検知し、顔の輪郭で囲まれた領域を顔部として検出してもよい。
【0034】
図5は、露光制御値補正部16の構成を示すブロック図である。図5に示すように、露光制御値補正部16は、「第1の絞り値」および「第2の絞り値」として、補正前の絞り値(同一の絞り値)を出力するように構成されている。また、露光制御値補正部16は、「第1の露光時間」および「第2の露光時間」として、補正前の露光時間(同一の露光時間)を出力するように構成されている。そして、この露光制御値補正部16は、「第1の利得」として補正前の利得を出力し、また、「第2の利得」として、第1の顔輝度から第2の顔輝度を減算し、その減算結果を比例積分制御した結果をオフセットとして求めて、このオフセットを補正前の利得に加算した結果を出力するように構成されている。
【0035】
図6は、測距部17におけるブロックマッチング処理の一例を示す図である。図6に示すように、測距部17では、第1の画像上の顔部品(例えば、第1の顔部品a)が示す領域をテンプレートとして、第2の画像上の対応する位置(例えば、第1の顔部品aに対応する位置m)から水平方向(視差が発生する方向)に所定の位置nまで1画素づつずらしながら、ブロックマッチングを行う。そして、類似度が最も高いずらし量を第1の視差Δ1とする。さらに、三角測量の原理を用いて下記の式1を用いて、第1の距離L1を求める。
L=(f×B)/(p×Δ) (式1)
【0036】
この式1において、Lは被写体の距離である。また、fは第1のレンズ6の焦点距離であり、Bは第1と第2の光学系2の光軸間の距離である。また、pは撮像素子7の画素の水平方向の間隔であり、Δは視差である。視差Δの単位は、撮像素子7の画素の水平方向の間隔である。
【0037】
同様にして、第2の顔部品b、第3の顔部品c、第4の顔部品d、第5の顔部品e、第6の顔部品fについても、ブロックマッチングを行って、それぞれ第2の視差Δ2、第3の視差Δ3、第4の視差Δ4、第5の視差Δ5、第6の視差Δ6を求める。そして、式1を用いて、それぞれ第2の距離L2、第3の距離L3、第4の距離L4、第5の距離L5、第6の距離L6を求める。
【0038】
以上のように構成された第1の実施の形態の撮像装置1について、図7および図8を用いてその動作を説明する。
【0039】
図7は、撮像装置1を用いて測距を行うときの制御部4の動作の流れを示すフロー図である。この撮像装置1は、上位装置(例えば、この撮像装置1を用いた運転者監視装置など)やユーザからの命令等によって動作が開始される(S10)。
【0040】
制御部4では、まず、カメラ部3によって撮影した画像の読み込みが行われる(S11)。この場合、第1の光学系2から第1の画像が読み込まれ、第2の光学系2から第2の画像が読み込まれる。読み込んだ画像は、適宜、RAM(Random Read Memory)などに一時的に保存される。
【0041】
次に、顔部品検出部9に、第1の画像が入力され、顔部品が検出される(S12)。そして、顔部品検出部9から、検出した顔部品の位置が出力される。例えば、図2のように、6つの顔部品a〜fの位置が出力される。顔部品輝度計算部10には、第1の画像と顔部品の位置が入力され、ぞれぞれの顔部品の輝度平均が計算される(S13)。そして、顔部品輝度計算部10から、顔部品の輝度値(例えば、顔部品a〜fのそれぞれの平均輝度値)が出力される。
【0042】
顔部品輝度選択部11に、顔部品の輝度値(顔部品a〜fの輝度値)が入力されると、その中から最大の輝度値が選択される(S14)。なお、この顔部品輝度選択部11では、左右対称の顔部品(例えば、右唇端と左唇端:顔部品eおよびf)の輝度値の差が大きい場合には、それらの顔部品を除いた他の顔部品(例えば、顔部品a〜d)の輝度値の中から最大の輝度値が選択されてもよい。顔部品輝度選択部11で選択された輝度値は、露光制御値決定部12に出力される。
【0043】
飽和信号作成部13には、第1の画像と顔部品の位置が入力され、飽和が発生しているか否かを示す飽和信号が生成される(S15)。例えば、6つの顔部品a〜fのいずれかの領域で飽和が発生していた場合には、飽和の発生「有」を示す飽和信号Hが生成され、顔部品a〜fのいずれかの領域でも飽和が発生していなかった場合には、飽和の発生「無」を示す飽和信号Lが生成される。そして、飽和信号作成部13で作成された飽和信号は、露光制御値決定部12に出力される。
【0044】
そして、露光制御値決定部12には、選択された輝度値と飽和信号が入力され、カメラ部3の露光制御値(補正前の露光制御値:補正前の絞り値、補正前の露光時間、補正前の利得)が求められる(S16)。
【0045】
ここで、図8を参照して、露光制御値決定部12の動作を詳しく説明する。図8は、露光制御値決定部12における処理の流れを示すフロー図である。図8に示すように、露光制御値決定部12の動作が開始されると(S161)、飽和信号がL(飽和の発生「無」)であるか否かの判断が行われる(S162)。
【0046】
飽和信号がH(飽和の発生「有」)であった場合には、カウンタNの値を「0」に初期化する(S163)。一方、飽和信号がL(飽和の発生「無」)であった場合には、カウンタNの初期化は行わない。
【0047】
次に、カウンタNの値が「0」であるか否かの判定が行われる(S164)。カウンタの値が「0」であった場合には、露光演算の処理が行われる。具体的には、まず、目標値設定部18で、選択された輝度値に基づいて、輝度目標値が設定される(S165)。例えば、選択された輝度値が所定の閾値未満である場合には、輝度目標値を第1の目標値(所定の目標値)に設定する。一方、選択された輝度値が閾値以上である場合には、輝度目標値を第2の目標値(第1の目標値より小さい目標値)に設定する。
【0048】
そして、露光制御演算部19において、選択された輝度値と輝度目標値に基づいて、露光制御値(補正前の露光制御値)が決定される。例えば、選択された輝度値が輝度目標値になるように、露光制御値(補正前の絞り値、補正前の露光時間、補正前の利得)が決定され、露光制御値決定部12から出力される。一方、ステップS164において、カウンタの値が「0」でなかった場合には、上記の露光演算の処理(ステップS165、S166)は行われない。この場合には、前回出力した露光制御値と同じ露光制御値が、露光制御値決定部12から出力される。
【0049】
最後に、カウンタNに「1」を加算して「4」で除算したときの剰余を、新たなカウンタNに設定し(S168)、露光制御値決定部12は動作を終了する(S169)。
【0050】
なお、ここでは、ステップS168において、カウンタNに「1」を加算して「4」で除算したときの剰余を取り、ステップS164において、カウンタNが「0」かどうかを判断し、カウンタNが「0」のときのみ、露光演算の処理(ステップS165、S166)を実行する場合を例示した。つまり、画像読込みの4回に1回だけ露光演算の処理(目標値設定、露光制御演算)が行われる場合を例示した。
【0051】
しかし、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えば、ステップS168で「3」で除算してもよく、また、除算の数値を適宜変更してもよい。このように、数回(例えば4回)に1回だけ露光演算を行うことにより、毎回演算を行うときと比較して、撮像装置1全体での演算時間を短縮することができる。そして、除算の数値が大きいほど、撮像装置1全体での演算時間が短縮される。したがって、露光制御値(露光時間など)の設定から、その露光制御値(露光時間など)が反映された画像を取り込むまでにある程度の待機時間が必要な場合には、除算の数値を変更することにより、待機時間を適宜調整することができる。
【0052】
また、この場合、ステップS162において飽和信号39がHのとき(飽和の発生が「有」のとき)、ステップS163においてカウンタNが0に初期化され、ステップS164においてカウンタNが0であると判断され、露光演算の処理(ステップS165、S166)が実行される。これにより、飽和信号がHときは(飽和の発生が「有」のときは)、目標値設定(ステップS165)および露光制御演算(ステップS166)が、必ず実行される。なお、被写体の明るさが変化しない場合には、露光制御値(露光時間など)が反映された画像を取り込むまで飽和信号の状態が変化しないため(飽和信号がHのままであるため)、ステップS162の処理を省略してもよい。なお、ここでは、飽和の発生が「有」のときに露光制御演算が常に行われる場合を例示したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えば、飽和の発生が「有」のときにN=0に初期化したのち3回だけ露光制御演算を止めてもよい。
【0053】
図7に戻って、制御部4の動作の説明を続ける。第1の顔検出部14には、第1の画像が入力され、その画像の中から第1の顔部を検出する処理が行われる(S17)。そして、第1の顔検出部14から、第1の顔部の位置が出力される。例えば、図4のように、顔部の領域Yの位置が出力される。第1の顔輝度計算部15には、第1の画像と第1の顔部の位置が入力され、第1の顔部(例えば領域Y)の輝度平均が計算される(S18)。そして、第1の顔輝度計算部15から、第1の顔部の輝度値(領域Yの平均輝度値)が出力される。
【0054】
同様に、第2の顔検出部14には、第2の画像が入力され、その画像の中から第2の顔部を検出する処理が行われる(S19)。そして、第2の顔検出部14から、第2の顔部の位置が出力される。第2の顔輝度計算部15には、第2の画像と第2の顔部の位置が入力され、第2の顔部の輝度平均が計算される(S20)。そして、第2の顔輝度計算部15から、第2の顔部の輝度値が出力される。
【0055】
露光制御値補正部16には、露光制御値決定部12で求めた露光制御値(補正前の露光制御値)、第1の顔部の輝度値、第2の顔部の輝度値が入力され、露光制御値の補正が行われて、補正後の露光制御値(第1の露光制御値と第2の露光制御値)が出力される(S21)。例えば、第1の露光制御値として、補正前と同一の露光制御値(絞り値、露光時間、利得)が出力され、第2の露光制御値として、補正前と同一の絞り値、補正前と同一の露光時間、補正前の利得にオフセットを加算した利得が出力される。
【0056】
そして、測距部17には、補正後の露光制御値を用いて撮影した画像(第1の画像、第2の画像)とその画像から検出した顔部品の位置(例えば、6つの顔部品a〜fの位置)が入力され、それらの顔部品の測距が行われる(S22)。そして、測距部17からは、それらの顔部品(例えば、6つの顔部品a〜f)の距離が出力される。
【0057】
最後に、制御部4では、動作を終了するか否かの判断が行われ(S23)、終了すると判断されたときには、制御部4は、動作を終了する(S24)。
【0058】
このような第1の実施の形態の撮像装置1によれば、以下のような作用効果が奏される。すなわち、本実施の形態の撮像装置1では、画像から顔部品を検知し、それぞれの顔部品の輝度平均を求め、その中で最も大きいものに基づき露光制御を行うことにより、顔部品を適切な輝度とし、顔部品の正確な視差を求め、それゆえ顔部品の正確な距離を求めることができる。
【0059】
また、本実施の形態の撮像装置1では、2つの光学系2により撮像された画像から顔部を検知し、それぞれ2つの光学系2に対する顔部の平均輝度を求め、両者が同一となるように、それぞれの光学系2の利得を制御する。このようにして、顔部において、2つの光学系2の輝度を同一とするため、顔部を正確にブロックマッチングでき、顔部の正確な視差を求めることができ、それゆえ顔部を正確に測距できる。
【0060】
具体的には、第1の実施の形態の撮像装置1は、顔部品検出部9により顔位置に関する情報である顔部品位置を認識し、顔部品輝度計算部10により顔部品位置に基づき顔部品輝度を演算し、露光制御値決定部12が顔部品輝度に基づき作成された顔部品輝度選択値を用いて露光制御を行い、測距部17が第1の画像と第2の画像とに基づき顔部の一部である顔部品位置の距離を作成する。
【0061】
これにより、画像内の顔位置以外に高輝度箇所(例えば、図4の高輝度領域P)があっても、顔部の輝度を適切に制御できる。一方、従来の撮像装置では、あらかじめ領域を分割して、顔が含まれる領域を検知するため、顔近傍に高輝度領域が含まれると、この高輝度領域を含んだ輝度の情報に基づいて露光制御することになり、顔部の輝度が過小になってしまい(S/N比が小さくなってしまい)、視差精度が低く、測距精度が低下してしまう。これに対して、本実施の形態では、顔部の輝度が過大にならず(飽和することなく)、また、顔部の輝度が過小にならないため(S/N比が大きいため)、視差精度が高くなり、測距精度が向上する。
【0062】
しかも、本実施の形態では、顔位置以外の高輝度箇所が1箇所だけでなく、複数の高輝度領域(例えば、図4の高輝度領域PとQ)があっても、顔位置の輝度に基づき露光制御することにより、顔位置の輝度を適切に制御できる。さらに、それら複数の高輝度箇所の輝度が異なっていても、また、高輝度箇所が顔の近傍にあっても、顔位置の輝度に基づき露光制御することにより、顔位置の輝度を適切に制御できる。
【0063】
また、第1の実施の形態に係る撮像装置1では、顔部品検出部9により顔部品の位置を認識し、顔部品輝度計算部10により顔部品の輝度を演算し、露光制御値決定部12がその中から選択した顔部品の輝度を用いて露光制御を行い、測距部17が第1の画像と第2の画像とに基づき顔部品の距離を求める。
【0064】
これにより、顔部の領域の中で測距に利用しない高輝度箇所(例えば、図2の高輝度領域R)があっても、顔部品の領域の輝度に基づき露光制御するため、顔部品の輝度を適切に制御できる。一方、従来の撮像装置では、あらかじめ領域を分割して、顔が含まれる領域を検知するため、顔部の領域の中で測距に利用しない高輝度箇所があると、この高輝度領域を含んだ輝度の情報に基づいて露光制御することになり、顔位置の輝度が過小になってしまい(S/N比が小さくなってしまい)、視差精度が低く、測距精度が低下してしまう。これに対して、本実施の形態では、顔部品の位置の輝度が過大にならず(飽和することなく)、顔部品の輝度が過小にならないため(S/N比が大きいため)、視差精度が高く、測距精度が向上する。
【0065】
さらに、露光調整のための輝度を求める領域と距離を求める領域とが同一の顔部品領域であり、それぞれの領域を個別に検知する必要がない。そのため、その分だけ領域検知に要する演算時間を短縮でき、高速に(短時間で)測距することができる。また、この領域検知の処理は、同一の演算器で実行することができるので、その分だけ(演算器の共通化の分だけ)装置のコストを削減することができる。
【0066】
また、第1の実施の形態に係る撮像装置1では、顔部品検出部9により顔部品の位置を認識し、顔部品輝度計算部10により顔部品の輝度を演算し、顔部品輝度選択部11により顔部品の輝度値のうち一番大きい輝度値を選択し、露光制御値決定部12がその選択された輝度値を用いて露光制御を行い、測距部17が第1の画像と第2の画像に基づき顔部品の距離を求める。
【0067】
これにより、顔部品の輝度値の最大値を用いて露光制御するため、照明条件が変化しても常に顔部品の輝度を適切に制御できる。この点について、以下、図9を参照して詳しく説明する。
【0068】
図9は、第1の実施の形態の撮像装置1において、照明条件を変えたときの顔全体の輝度平均と顔部品の輝度平均の一例を示す表である。図9に示すように、条件1Aおよび1Bは、本実施の形態の撮像装置1を用いたときの輝度平均であり、条件2A条件2Bは、従来の撮像装置を用いたときの輝度平均(比較例1とする)である。
【0069】
条件1Aおよび条件2Aは、人物のほぼ前面から照明が照射されたときの輝度平均を示している。このとき、人物の右側にある顔部品(例えば、右目頭a、右目尻c、右唇端e)の輝度と、左側にある顔部品(例えば、左目頭b、左目尻d、左唇端f)の輝度の差は小さい。一方、条件1Bおよび条件2Bは、人物の左側から照明が照射されたときの輝度平均を示している。このときには、人物の右側にある顔部品の輝度に比べて、左側にある顔部品の輝度が大きくなる。
【0070】
第1の実施の形態の撮像装置1を用いたときの輝度平均は、輝度目標値が顔部品a〜fの輝度値の最大値(図9で、丸印で囲まれた数値「130」)に設定される。つまり、条件1Aおよび条件1Bのいずれの場合でも、顔部品の最大輝度が「130」になるように制御される。一方、比較例1では、輝度目標値が顔全体の平均輝度(図9で、丸印で囲まれた数値「50」)に設定される。つまり、条件2Aおよび条件2Bのいずれの場合でも、顔全体の平均輝度が「50」になるように制御される。この場合、条件1Bと条件2B(左側からの照明)では、同じような露光制御が行われるが、条件1Aと条件1B(正面からの照明)を比べると、本実施の形態のほうが比較例1より輝度平均が大きく(S/N比が大きく)、視差精度が高く、測距精度が向上している。
【0071】
ここで、比較例1において単に輝度目標値を大きくすることも考えられる。条件3Aおよび条件3Bは、単に輝度目標値を大きくした(輝度目標値を「106」にした)ときの輝度平均(比較例2という)を示している。この比較例2の場合、条件3A(正面からの照明)では、適切に輝度を高めることができるが、条件3B(左側からの照明)では、輝度が過大になり(飽和が発生し)、視差精度が低く、測距精度が低下してしまう。これに対して、本実施の形態では、照明の条件が変わっても(正面からの照明であっても、側面からの照明であっても)、常に、顔部品の輝度が適切に保たれる。
【0072】
なお、ヒストグラムなどを用いることにより、従来の撮像装置で平均輝度を用いるものと比べて改善を図ることも考えられる。しかし、ヒストグラム演算は複雑である。したがって、ヒストグラムを利用した場合と比較して、第1の実施の形態のように平均輝度を用いた場合のほうが演算時間を短縮することができる。
【0073】
また、第1の実施の形態に係る撮像装置1では、第1の顔検出部14が第1の画像上の第1の顔領域を検知し第1の顔位置を作成し、第1の顔輝度計算部15が第1の顔輝度を演算し、第2の顔検出部14が第2の画像上の顔領域を検知し第2の顔位置を作成し、第2の顔輝度計算部15が第2の顔輝度を演算し、第1の顔輝度と第2の顔輝度とが同一となるように、第1の利得を補正前利得に保ちつつ、補正前利得にオフセットを加算したものを第2の利得とする。
【0074】
これにより、第1の光学系2で撮像される第1の画像と第2の光学系2で撮像される第2の画像とで同一の被写体における輝度を同一とすることにより、正確にブロックマッチングを行うことができ、正確に視差演算し、正確に距離演算することができる。第1の画像と第2の画像との輝度の違いの原因として、光学系2のばらつき、撮像素子7のばらつき、回路部8(利得器)のばらつき、アナログデジタル変換器のばらつきなどがある。本実施の形態の撮像装置1では、製造時に測定を行いオフセットを作成し、オフセットを加算したものを第2の利得とすることにより、これらのばらつきの影響を低減できる。
【0075】
ところで、第1の画像16と第2の画像26との輝度の違いの原因として、回路部8(利得器)などが温度特性を持ち、第1と第2の光学系2の温度が異なることにより利得が異なることが考えられる。また、光学系2の経年変化、撮像素子7の経年変化、利得器の経年変化、アナログデジタル変換器の経年変化などの原因により、輝度が異なることが考えられる。このような場合、第1の実施の形態の撮像装置1によれば、第1の画像と第2の画像との輝度の違いを補償することにより、正確にブロックマッチングを行い、正確に視差演算し、正確に距離演算することができる。
【0076】
なお、第1の実施の形態では、露光制御量(絞り値、露光時間、利得)のうち、第2の利得を補正し、第1の画像と第2の画像との輝度の違いを補償することにより、正確にブロックマッチングを行い、正確に視差演算し、正確に距離演算を行う。ここで、利得に代えて、絞り値や露光時間を変化させても同様に第1の画像と第2の画像との輝度の違いを補償でき、正確にブロックマッチングを行い、正確に視差演算し、正確に距離演算を行うことができる。ただし、第1のカメラ部と第2のカメラ部とで絞り値が異なるとき、第1のカメラ部と第2のカメラ部との焦点深度が異なり、第1の画像と第2の画像とのぼけ具合が異なるため、ブロックマッチングにおいて精度悪化の原因となる。また、第1のカメラ部と第2のカメラ部とで露光時間が異なり、被写体が高速に移動するとき、第1のカメラ部と第2のカメラ部とで露光される長さが異なり、第1の画像と第2の画像との被写体ぶれ具合が異なるため、ブロックマッチングにおいて精度悪化の原因となる。そのため、露光制御量(絞り値、露光時間、利得)のうち、利得を補正することにより、第1の画像と第2の画像との輝度の違いを補償することが望ましい。
【0077】
なお、本実施の形態では、顔部品輝度選択部11が顔部品の輝度値の中で最も大きい輝度値を選択し、露光制御値決定部12がその選択された輝度値に基づき露光制御を行う例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、顔部品輝度選択部11は、左右一対の顔部品の輝度値の中で左右の差が大きいものを省き、残りの顔部品輝度値のうち一番大きい顔部品の輝度値を選択し、露光制御値決定部12がこの選択された顔部品の輝度値に基づき露光制御してもよい。
【0078】
図10は、顔部品の輝度を選択するときの変形例を示す図である。条件4Aおよび条件4Bは、変形例の輝度平均を示しており、条件4Aは、人物のほぼ前面から照明が照射されたときの輝度平均を示し、条件4Bは、人物の左側から照明が照射されたときの輝度平均を示している。条件4Aでは、左右一対の顔部品の輝度値の中で左右の差が大きい組がないため、第1の実施の形態と同様(条件1Aと同様)、顔部品の輝度の最大値が130(丸で囲まれた数値)になるように制御される。一方、条件4Bでは、左右一対の顔部品の輝度値の中に左右の差が大きい組があるため、これらの組が除かれる。この例では、第3の顔部品cと第4の顔部品dの輝度の組(×が書かれた数値)と、第5の顔部品eと第6の顔部品fの輝度の組(×が書かれた数値)が除かれて、残りの顔部品aと第2の顔部品bの輝度のうちの最大の輝度値が選択され、顔部品の輝度が130(第2の顔部品bの輝度値、丸で囲まれた数値)になるように制御される。このように、左右の輝度差が大きい顔部品の組を省いて、残りの顔部品の輝度値を用いて測距を行うことにより、露光時間が長くなり、輝度が大きくなる。これにより、信頼性の高い顔部品(左右の輝度差の小さい顔部品)の輝度値を適切に大きくすることができ、それらの顔部品の測距の精度を向上できる。
【0079】
また、第1の実施の形態の撮像装置1では、露光制御値決定部12において、目標値設定部18が第1の画像から選択された顔部品の輝度値に応じて目標値を設定し、露光制御演算部19が顔部品の輝度値を目標値に一致するように露光制御値(補正前の露光制御値)を決定する。ここで、目標値設定部18は、選択された輝度値が所定の閾値未満の場合には、目標値を所定の第1の目標値に設定し、また、選択された輝度値が所定の閾値以上の場合には、目標値を所定の第2の目標値(第1の目標値より小さい)に設定する。これにより、輝度が大きくいときは目標値を小さくして、すばやく輝度値を適切に調整でき、視差演算精度が低い期間を短縮でき、測距精度が低い期間を短縮できる。そのため、より長い期間だけ、精度良く視差演算でき、精度良く距離演算できる。
【0080】
また、第1の実施の形態の撮像装置1では、飽和信号作成部13が第1の画像に基づき顔部品位置に飽和箇所があるかどうかを示す飽和信号を作成し、露光制御値決定部12は、選択された顔部品の輝度値と飽和信号とに基づいて露光制御値(補正前の露光制御値)を決定する。そして、この露光制御値決定部12は、飽和信号がLのときは(飽和が発生していないときは)、画像を4枚だけ取り込む毎に露光制御演算を行い、飽和信号がHのときは(飽和が発生しているときは)、カウンタNを0に初期化し、直ちに露光処理演算行う。これにより、飽和が発生したときは直ちに露光制御演算を行って、すばやく輝度値を適切に調整することができ、輝度が高く測距精度が低い期間を短縮でき、測距精度が低い期間を短縮できる。そのため、より長い期間だけ、精度良く視差演算でき、精度良く距離演算できる。
【0081】
なお、第1の実施の形態の撮像装置1では、第1の光学系2が、第1の絞り値、第1の露光時間、第1の利得に基づき撮影を行い、第2の光学系2が、第2の絞り値、第2の露光時間、第2の利得に基づき撮像を行う例について説明したが、これらの露光制御値のうちいくつかは固定されていてもよい。また、絞り値を変化させる機構を持たない光学系2であってもよい。
【0082】
また、第1の実施の形態の撮像装置1では、第2の画像から第2の顔位置を作成した例について説明したが、第1の顔位置から視差分だけずらした位置を第2の顔位置としてもよい。この視差は逐次演算してもよい。また、被写体の距離がほぼ一定しているものとして、この視差は一定の値であってもよい。
【0083】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、脇見運転や居眠運転の検知システム等に用いられる運転者監視装置の場合を例示する。
【0084】
まず、本実施の形態の運転者監視装置の構成を、図11〜図13を参照して説明する。図11は、運転者監視装置の概略図であり、図12は、運転者監視装置の正面図である。図11および図12に示すように、運転者監視装置20のカメラユニット21は、ステアリングホイール22を支持するステアリングコラム23の上に取り付けられており、このカメラユニット21は、運転者の画像を正面から撮影できるように配置されている。この場合、カメラユニット21は、第1の実施の形態の撮像装置1と、運転者を照射する複数の補助照明24(近赤外のLED等)から構成されている。そして、撮像装置1からの出力は、電子制御ユニット25に入力されるように構成されている。
【0085】
図13は、運転者監視装置20の構成を説明するためのブロック図である。上述のように、運転監視装置は、カメラユニット21と電子制御ユニット25で構成されており、カメラユニット21は、撮像装置1と補助照明24を備えている。電子制御ユニット25は、撮像装置1から入力される画像と距離に基づいて複数の顔部品特徴点の3次元位置を演算する顔モデル作成部26と、運転者の顔向きを順次撮影された画像から逐次的に推定する顔追跡処理部27と、顔モデル作成部26と顔追跡処理部27との処理結果より運転者の顔向きを判定する顔向き判定部28を備えている。また、この電子制御ユニット25は、撮影条件等を含めて撮像装置1の動作を全体的に制御する全体制御部29と、この全体制御部29の制御結果に基づいて補助照明24の発光を制御する照明発光制御部30を備えている。
【0086】
以上のように構成された運転者監視装置20について、図14を用いてその動作を説明する。
【0087】
本実施の形態の運転者監視装置20では、まず、電子制御ユニット25の全体制御部29から撮像装置1へ撮影を許可する信号が出力され(S200)、その信号に基づいて撮像装置1が、運転者を正面から約25度見上げた角度で正面画像を取得する(S201)。また、その信号に同期して、照明発光制御部30によって補助照明24が制御され、運転者に近赤外光を一定時間照射する。例えば30フレームの期間、撮像装置1により運転者を撮影した画像と距離が取得され、顔モデル作成演算回路に入力される(S202)。顔モデル作成演算回路は、取得した距離から複数の顔部品の3次元位置を演算によって求める(S203)。このようにして、演算により得られた複数の顔部品の3次元位置情報と、3次元位置情報を取得した顔部品の周辺の画像を同時に取得する(S204)。
【0088】
顔追跡処理部27では、パーティクルフィルタを用いて運転者の顔向きを逐次的に推定する(S205)。例えば、1フレーム前の顔の位置からある方向に顔が動いたと予測する。そして、顔モデル作成部26で取得した顔部品の3次元位置情報をもとに、予測した動きによる顔部品が移動した位置を推定し、その推定した位置での現在の取得画像と、顔モデル作成部26で取得済みの顔部品の周辺の画像とをテンプレートマッチングにより相関をとる。1フレーム前の顔向きの確率密度や運動履歴にもとづいて、現在の顔向きを複数パターン予測し、その予測パターンごとに上述と同様にテンプレートマッチングによる相関値を得る。
【0089】
顔向き判定部28は、推定した顔の向きと、その顔向きでのパターンマッチングの相関値より現在の顔向きを判定し、外部に出力する(S206)。これにより、例えば、車両情報や車両周辺情報をもとに、運転者の脇見等を判定し、運転者に対し警報等を発し、注意を喚起させることが可能となる。
【0090】
なお、顔向き判定部28は、運転者が大きく顔を振った場合など、取得済みのテンプレートマッチングの元画像と現在の画像が異なる等の理由によってパターンマッチングの相関値より正しく顔向きを判定できないと判断された場合には、その時点での顔部品の3次元位置情報と、テンプレートマッチングの元画像となるその周辺画像を取得し直し、上記と同様の処理を行って運転者の顔向きを判定する。
【0091】
このような第2の実施の形態の運転者監視装置20によれば、適切な輝度とし、正確な視差を求め、それゆえ正確な距離を求めることができる撮像装置1を用いて顔向きを検知する。そして、この正確な距離を用いて顔向きを検知するため、正確に顔向きを検知できる。
【0092】
運転者監視装置20において顔向きを検知するときには、目などの顔部品の距離情報が必要であるが、額などの距離情報は不要である。このとき、従来の装置では、顔部の他にライトなどの高輝度被写体が含まれないときであっても、顔部の一部、例えば、額に反射などの高輝度部があると、その高輝度部の分だけ露光時間が短くなり、それゆえ、目などの顔部品において、輝度が小さく(S/N比が小さく)、視差の精度が低くなり、測距精度が低下する。そのため、この測距結果を用いて運転者監視装置20で行う顔向き検知の精度は低くなってしまう。
【0093】
これに対して、第2の実施の形態の運転者監視装置20では、第1の実施の形態の撮像装置1から、正確な画像と距離を取得する。そして、顔モデル作成部26が距離に基づき顔モデルを作成し、顔追跡処理部27が顔モデルと所定の時間間隔で運転者の顔を順次撮影された画像とから顔向きを逐次的に推定する。これにより、顔部の輝度を適切に制御し、精度良く視差演算して、精度良く距離演算した画像と距離を用いて顔向きを検知するので、精度良く運転さの顔向きを検知することができる。
【0094】
なお、第2の実施の形態の運転者監視装置20では、運転者を照射する補助照明24を撮像装置1の近傍に配置した例について説明したが、補助照明24の配置位置はこの例に限らず、運転者を照射できる位置であれば、設置位置は問わない。
【0095】
また、第2の実施の形態の運転者監視装置20では、顔向き判定の結果を脇見判定に使用した例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、取得した画像から黒目の3次元位置を検出して、視線方向を検出することも可能であり、また、様々な運転支援システムへ顔向き判定結果、視線方向判定結果を利用することも可能である。
【0096】
また、第2の実施の形態の運転者監視装置20では、撮像装置1が顔部品検知と測距を行い、電子制御ユニット25において顔向きを検知したが、これらの機能の分担はこれに限定されない。例えば、電子制御ユニット25が顔部品検知と測距を行ってもよい。また、撮像装置1の機能の一部を、電子制御ユニット25が持っていてもよい。
【0097】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明にかかる撮像装置は、顔部品の距離を精度良く測定することができるという効果を有し、運転者の顔向きを検知する運転者監視装置等に用いられ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1の実施の形態における撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】顔部品検出部における処理(顔部品検出処理)の説明図
【図3】露光制御値決定部の構成を示すブロック図
【図4】顔検出部における処理(顔検出処理)の説明図
【図5】露光制御値補正部の構成を示すブロック図
【図6】測距部におけるブロックマッチング処理の説明図
【図7】第1の実施の形態における撮像装置の動作を説明するためのフロー図
【図8】露光制御の動作を説明するためのフロー図
【図9】第1の実施の形態において照明条件を変えたときの顔全体の輝度平均と顔部品の輝度の一例を示す図
【図10】顔部品の輝度を選択するときの変形例を(第1の実施の形態と比較して)示す図
【図11】第2の実施の形態における運転者監視装置の一例を示す概略図
【図12】運転者監視装置の正面図
【図13】運転者監視装置の構成を示すブロック図
【図14】第2の実施の形態における運転者監視装置の動作を説明するためのフロー図
【符号の説明】
【0100】
1 撮像装置
2 光学系
3 カメラ部
4 制御部
9 顔部品検出部
10 顔部品輝度計算部
11 顔部品輝度選択部
12 露光制御値決定部
13 飽和信号作成部
14 顔検出部
15 顔輝度計算部
16 露光制御値補正部
17 測距部
18 目標値設定部
19 露光制御演算部
20 運転者監視装置
21 カメラユニット
25 電子制御ユニット
26 顔モデル作成部
27 顔追跡処理部
28 顔向き判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの光学系で同一の被写体の画像をそれぞれ撮影するカメラ部と、
前記カメラ部で撮影した画像から、前記画像に含まれる顔部を構成する複数の顔部品を検出する顔部品検出部と、
検出された前記複数の顔部品の輝度値を計算する顔部品輝度計算部と、
前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を求める露光制御値決定部と、
補正された前記露光制御値を用いて前記カメラ部で撮影した少なくとも二つの画像に基づいて、前記複数の顔部品の距離測定を行う測距部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記露光制御値決定部は、前記複数の顔部品の輝度値のうちの最大の輝度値が所定の輝度目標値になるように、前記カメラ部の露光制御値を求める請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記露光制御値決定部は、前記複数の顔部品のうち対称的に配置された一対の顔部品の輝度値の差が所定の閾値より大きい場合には、前記一対の顔部品を除いた他の顔部品のうちの最大の輝度値が輝度目標値になるように、前記カメラ部の露光制御値を求める請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記カメラ部で撮影した画像に含まれる顔部を検出する顔検出部と、
検出された前記顔部の輝度値を計算する顔輝度計算部と、
前記顔部の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を補正する露光制御値補正部と、を備え、
前記露光制御値補正部は、前記カメラ部で撮影した少なくとも二つの画像に含まれる顔部品の輝度値が同一になるように、前記カメラ部の露光制御値を補正する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記露光制御値には、絞り値と露光時間と利得とが含まれており、
前記露光制御値補正部は、前記二つの光学系のそれぞれの前記絞り値と前記露光時間とを同一とし、前記二つの画像に含まれる顔部品の輝度値が同一となるように前記二つの光学系のそれぞれの前記利得を補正する請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記露光制御値決定部は、前記複数の顔部品の輝度値から選択された輝度値に応じた輝度目標値を設定し、前記選択された輝度値が前記輝度目標値になるように、前記カメラ部の露光制御値を求める請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記露光制御値決定部は、前記選択された輝度値が所定の閾値より大きい場合には、前記選択された輝度値が前記閾値より小さい場合に比べて、前記輝度目標値を小さい値に設定する請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記露光制御値決定部は、前記顔部品の輝度値が所定の飽和基準値より大きいことを示す飽和信号の有無に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を求める頻度を制御する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記露光制御値決定部は、前記飽和信号が有の場合には、前記画像が撮影されるたびに前記カメラ部の露光制御値を求める請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
少なくとも二つの光学系で被写体である運転者の画像をそれぞれ撮影するカメラ部と、
前記カメラ部で撮影した画像から、前記運転者の顔部を構成する複数の顔部品を検出する顔部品検出部と、
検出された前記複数の顔部品の輝度値を計算する顔部品輝度計算部と、
前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、前記カメラ部の露光制御値を求める露光制御値決定部と、
前記露光制御値を用いて前記カメラ部で撮影した少なくとも二つの画像に基づいて、前記運転者の複数の顔部品の距離測定を行う測距部と、
前記複数の顔部品の距離測定結果に基づいて、前記運転者の顔モデルを作成する顔モデル作成部と、
作成された前記顔モデルに基づいて、前記運転者の顔向きを追跡する処理を行う顔追跡処理部と、
を備えたことを特徴とする運転者監視装置。
【請求項11】
少なくとも二つの光学系で同一の被写体の画像をそれぞれ撮影し、
前記撮影した画像に含まれる顔部を構成する複数の顔部品を検出し、
検出された前記複数の顔部品の輝度値を計算し、
前記複数の顔部品の輝度値に基づいて、画像撮影のための露光制御値を求め、
前記露光制御値を用いて撮影した少なくとも二つの画像に基づいて、前記顔部の距離測定を行うことを特徴とする顔部測距方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−204304(P2010−204304A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48499(P2009−48499)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】