説明

撮像装置及び車両周辺視認装置

【課題】 撮像素子のダイナミックレンジに因らず撮像映像を得ることが可能な撮像装置及び車両周辺視認装置を提供する。
【解決手段】 撮像素子22の前方に、予め定められた領域(画素)に分割され任意の領域(画素)の光透過率を制御可能な調光手段23を備える。調光手段23はドットマトリクス制御が可能な液晶フィルタを適用し、「白飛び」または「黒つぶれ」の領域がある場合には、該領域の光透過率を制御して表示部14に表示する。液晶フィルタの光透過率をT%、このとき撮像される映像信号の輝度値をSとしたとき、表示映像用の補正映像信号の輝度値DをD=S*(100/T)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置と車両周辺視認装置及びそれに関連する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の周辺領域を撮像装置で撮像し、車室内に設置された表示装置に表示する車両周辺視認装置が実用化されている(第1従来技術)。
【0003】
この車両周辺視認装置は、例えば、図10に示す如く、撮像部100の撮像素子101で受光した光を映像信号に変換し、この映像信号に対して自動利得制御部102が利得の制御を行った後にA/Dコンバータ103がデジタル信号に変換する。
【0004】
デジタル信号に変換された映像信号は、DSP104内に備えられた測光計算部104Aによって予め定められた領域(例えば、撮像範囲の中央等)の輝度値が計測され、計測された輝度値に基づいて自動露光制御部105が撮像素子の露光制御を行う。
【0005】
これによって撮像映像の明るさを最適化してエンコーダ106A及びデコーダ106Bを介する等してカメラ用電子制御ユニット107に入力する。カメラ用電子制御ユニット107は、入力された信号に基づいて、図11に示すような撮像映像等を表示部108に表示するようになっている。
【0006】
また、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に於いて、光学系の前に液晶層を複数個設置して、これを制御することでアイリスの代わりとし光の透過量を調節する撮像装置が提案されている(特許文献1、第2従来技術)。
【0007】
この撮像装置は、例えば、図12に示す如く、撮像装置120のレンズ鏡筒121と撮像素子122との間に複数の液晶調光素子123を配置することで、撮像素子122で受光される入射光の透過量を低く抑えるようになっており、非常に明るい環境下でも撮像可能となっている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−250026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の第1従来技術に於いては、例えば、他車両のヘッドライト等の撮像素子のダイナミックレンジを超える光が撮像装置に入射すると、表示映像全体が白く塗りつぶされてしまう「白飛び」が起こってしまい、撮像範囲に存在する他車両や障害物等を視認することが困難である。
【0010】
そこで、例えば、上述の第2従来技術を第1従来技術のような車両周辺視認装置に適用した例を考えることが可能である。
【0011】
これは、例えば、図11に示したような撮像範囲に撮像素子のダイナミックレンジを超える光源110がある場合に、複数の液晶調光素子123によって撮像範囲全体からの光透過率が低く抑えるものである。
【0012】
しかしながら、上述のように撮像範囲全体からの光透過率を低く抑えてしまうと、光源110が表示されている領域以外が黒く塗りつぶされてしまう「黒つぶれ」が起こってしまい、撮像範囲に存在する他車両や障害物等を視認することが困難となる。
【0013】
そこで、本発明の課題は、撮像素子のダイナミックレンジに因らず撮像映像を得ることが可能な撮像装置及び車両周辺視認装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決すべく、第1の発明は、予め定められた範囲からの光線を集光する光学系と、前記光学系によって集光された光線を映像信号に変換する撮像素子とを備える撮像装置に於いて、前記撮像素子の前方で、前記予め定められた範囲を複数の領域に分割して、前記領域毎の光透過率を調整する調光手段と、前記撮像素子からの前記映像信号に基づいて前記調光手段を制御する制御部とを備える撮像装置である。
【0015】
第2の発明は、前記調光手段は、透明電極で挟まれた液晶層を備えるものである。
【0016】
第3の発明は、前記制御部は、前記領域毎の輝度値が予め定められた範囲内の値となるように前記調光手段を制御する撮像装置である。
【0017】
第4の発明は、前記の撮像装置を車両に搭載し、前記車両の車室内で前記撮像装置によって撮像された撮像映像を表示する表示部を備える車両周辺視認装置である。
【0018】
第5の発明は、前記領域の光透過率をT、前記光透過率Tで撮像された映像信号の輝度をS、前記表示部のうち前記領域に対応する位置に表示される補正映像信号の輝度をDとすると、前記制御部は、D=S*(100/T)として前記表示部に表示する車両周辺視認装置である。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明に因れば、撮像素子の前方で、光学系が捉える範囲を複数の領域に分割して、領域毎の光透過率を調整する調光手段と、前記撮像素子からの映像信号に基づいて前記調光手段を制御する制御部とを備えているので、撮像素子のダイナミックレンジに因らず撮像映像を得ることが可能となる。
【0020】
第2の発明に因れば、前記調光手段は、透明電極で挟まれた液晶層を備えているので、簡単な構成で前記領域毎の光透過率を調整することが可能となる。
【0021】
第3の発明に因れば、前記制御部が、前記領域毎の輝度値が予め定められた範囲内の値となるように前記調光手段を制御するので、局所的に視認困難な「白飛び」や「黒つぶれ」のない撮像映像を得ることが可能となる。
【0022】
第4の発明に因れば、前記の撮像装置を車両に搭載し、前記車両の車室内で前記撮像装置によって撮像された撮像映像を表示する表示部を備えているので、撮像範囲に存在する他車両や障害物等を容易に視認することが可能となる。
【0023】
第5の発明に因れば、前記領域の光透過率をT、前記光透過率Tで撮像された映像信号の輝度をS、前記表示部のうち前記領域に対応する位置に表示される補正映像信号の輝度をDとすると、前記制御部は、D=S*(100/T)として前記表示部に表示するので、表示部のダイナミックレンジが撮像装置のダイナミックレンジよりも広い場合に、輝度値が連続的に変化する自然な映像を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<構成>
図1は、本撮像装置の適用例を示す図である。同図に示す如く、本撮像装置は、例えば、車両10の前端中央部に設置されて、車両周辺を撮像して車室内に表示する車両周辺視認装置として用いられる。
【0025】
具体的には、車両周辺視認装置は、撮像装置12と、車両10の車室内に設置されて撮像装置12によって撮像された撮像映像等を表示する表示部14と、表示部14の表示を制御するカメラ用電子制御ユニット(制御部)16とを備えている。
【0026】
撮像装置12は、例えば、図2に示す如く、光学系21と、撮像素子22と、調光手段23と、自動利得制御部24と、A/Dコンバータ25と、自動露光制御部26と、DSP(Digital Signal Processor)27と、エンコーダ28と、液晶駆動制御部29とを備えている。
【0027】
光学系21は、例えば、複数のレンズを有して車両10の周辺で予め定められた範囲からの光線を撮像素子22の受光面(図示省略)に集光するものである。
【0028】
撮像素子22は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等が適用されて、受光面(図示省略)に集光された光線を映像信号に変換するものである。
【0029】
調光手段23は、撮像素子22の受光面(図示省略)に集光される光の到達量を制御するものである。
【0030】
この調光手段23は、例えば、光学系21と撮像素子22との間に配されて、図3に示す如く、電極基板31A,31Bに挟持された液晶層31Cを備えた液晶フィルタが適用される。
【0031】
具体的には、例えば、両電極基板31A,31Bが、図4に示す如く、互いに対向配置された透明基板41A,41Bの対向面に、透明な走査電極42Aと透明な信号電極42Bとが互いに直交するように各々配され、後述する液晶駆動制御部29からの命令によって両電極42A,42B間に電場を印加することが可能となっている。
【0032】
そして、印加された電場によって、両電極42A,42B間、即ち、両電極基板31A,31B間に挟持された液晶層31Cの液晶分子(図示省略)の配向を変化させ、光透過率を制御するものである。
【0033】
ここで、走査電極42Aと信号電極42Bとが互いに交差することにより1つの領域(画素)が構成されるので、例えば、撮像素子22の受光面(図示省略)、即ち撮像装置12の撮像範囲を、図5に示す如く、4×4の領域(画素)に分割し、各々の領域(画素)毎に光透過率を制御することが可能となっている。
【0034】
ここで、図5に於いては、領域(画素)51Aのみが光透過率15%で、他の領域(画素)は光透過率100%となっている例を示している。尚、調光手段23の各領域(画素)は、必ずしも撮像範囲を4×4に分割するように分割されてなくとも良いのは勿論であり、任意の領域に分割されていても良い。
【0035】
但し、撮像素子22の受光面(図示省略)の画素配列と調光手段23の領域(画素)配列とが整数比で表され、且つ調光手段23の領域(画素)52の境界と撮像素子22の受光面(図示省略)の画素53の境界とが一致するように、調光手段23を各領域(画素)に分割する。
【0036】
これにより、撮像素子22の受光面(図示省略)の中の1つの画素53が、調光手段23の各領域(画素)のうち複数の領域(画素)からの光を同時に受光することを排除することが可能となる。
【0037】
自動利得制御部24は、後述する測光計算部27Bからの制御により撮像素子22から出力された映像信号の利得を予め定められたレベルまで増幅制御した後に出力するものである。
【0038】
A/Dコンバータ25は、自動利得制御部24で増幅制御されたアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換して出力するものである。
【0039】
DSP27は、デジタル信号処理部27Aと測光計算部27Bとを備えており、デジタル映像信号に対する各種の処理を実行する外、自動利得制御部24及び自動露光制御部26を制御するものである。
【0040】
デジタル信号処理部27Aは、ROM及びRAM等が接続された一般的なCPU内に於いて予め定められたソフトウェアプログラムによって動作する機能要素で、例えば、画素補間、ホワイトバランス調節、彩度調節、階調変換特性調節、ノイズ除去等の処理を実行するものである。
【0041】
測光計算部27Bは、撮像素子22によって得られた撮像映像のうち予め定められた領域(例えば、撮像範囲の中心)及び撮像映像全体の輝度を計算し、撮像映像が予め定められた輝度となるように自動利得制御部24及び自動露光制御部26を制御するものである。
【0042】
自動露光制御部26は、測光計算部27Bからの制御により撮像素子22の露光を制御可能となっている。
【0043】
エンコーダ28は、デジタル信号処理部27Aによって処理されたデジタル映像信号をNTSC信号に変換(符号化)して後述するカメラ用電子制御ユニット16に送出するものである。
【0044】
液晶駆動制御部29は、カメラ用電子制御ユニット16からの命令によって調光手段23の両電極42A,42B間に電場を印加するものである。
【0045】
表示部14は、例えば、車両10の内部に設置されて従来のカーナビゲーション装置に用いられるLCD(Liquid Crystal Display;液晶表示装置)等が適用されて撮像装置12により撮像された撮像映像等を表示するものである。
【0046】
カメラ用電子制御ユニット16は、ROM及びRAM等が接続された一般的なCPU内に於いて予め定められたソフトウェアプログラムによって動作する機能要素であり、信号補正部16Aを有している。
【0047】
カメラ用電子制御ユニット16は、例えば、エンコーダ28によって符号化されたNTSC信号を復号化してそのまま表示部14に表示するよう制御する機能を有する。
【0048】
更に、例えば、図5に示す如く、4×4の領域(画素)に分割された撮像映像のうち、後述する予め定められた閾値Wを上回る平均輝度値で表された領域(画素)または後述する予め定められた閾値Bを下回る平均輝度値で表された領域(画素)の有無を検出する。
【0049】
閾値Wを上回る平均輝度値で表された領域(画素)または閾値Bを下回る平均輝度値で表された領域(画素)が検出された場合には、該領域(画素)の光透過率を制御するよう液晶駆動制御部29に命令する。
【0050】
尚、光透過率の制御は自動的に常時行われるようにしても良いし、操作入力部(図示省略)を更に設けて、操作入力部(図示省略)からの入力によって光透過率の制御が行われるようにしても良い。ここでは、自動的に光透過率の制御が常時行われる場合を例に説明する。
【0051】
ここで、液晶駆動制御部29に対する命令は、例えば、図6に示す如く、撮像素子のダイナミックレンジでは「白飛び」となる輝度の閾値Wを超える輝度値W1を平均輝度値とする領域(画素)が検出された場合には、液晶フィルタの両電極42A,42B間、即ち、両電極板31A,31B間に挟持された液晶層31Cの液晶分子(図示省略)のうち該領域(画素)の配向を変化させて光透過率が5%低下するよう命令する。
【0052】
その結果、再びカメラ用電子制御ユニット16に送出された撮像映像に於いて、平均輝度値W1で表されていた領域(画素)が、平均輝度値W2(但し、W≦W2<W1)で表されている場合には、カメラ用電子制御ユニット16が、上述と同様の命令を下すことによって、液晶駆動制御部29に該領域(画素)の光透過率を制御させる。
【0053】
以後、分割された領域全てが「白飛び」となる平均輝度値の閾値W未満となるように、液晶駆動制御部29に光透過率を制御するよう命令する。
【0054】
また、「黒つぶれ」となる輝度の閾値Bを下回る輝度値B1を平均輝度値とする領域(画素)が検出された場合には、液晶フィルタの両電極42A,42B間、即ち、両電極板31A,31B間に挟持された液晶層31Cの液晶分子(図示省略)のうち該領域(画素)の配向を変化させて光透過率が5%上昇するよう命令する。
【0055】
その結果、再びカメラ用電子制御ユニット16に送出された撮像映像に於いて、輝度値B1で表されていた領域(画素)が、平均輝度値B2(但し、B≧B2>B1)で表されている場合には、カメラ用電子制御ユニット16が、上述と同様の命令を下すことによって、液晶駆動制御部29に該領域(画素)の光透過率を制御させる。
【0056】
以後、分割された領域全てが「黒つぶれ」となる平均輝度値の閾値Bより高くなるように、液晶駆動制御部29に光透過率を制御するよう命令する。
【0057】
ここで、液晶フィルタの光透過率が100%であるにも拘わらず、「黒つぶれ」となっている場合には、カメラ用電子制御ユニット16が自動露光制御部26に露光量を多くするようDSP27を介して命令し、その後、液晶駆動制御部29に光透過率を制御させることで「白飛び」及び「黒つぶれ」のない撮像映像を得るようにする。
【0058】
こうして得られた撮像映像は、分割された領域の境目で輝度値が不連続に変化しており、不自然な映像となっている。そこで、表示部14のダイナミックレンジが撮像素子22のダイナミックレンジよりも広い場合に、信号補正部16Aに於いて、以下のようにして表示映像用の補正映像信号に補正して表示部14に送出することによって、領域の境目でも輝度値が不連続に変化しない自然な映像を表示することが可能となる。
【0059】
分割された領域(画素)のうち任意の領域(画素)に於ける調光手段23の光透過率をT%とし、この光透過率T%で撮像された映像信号の輝度値をSとすると、S*(100/T)=Dとして表示映像用の補正映像信号の輝度値とする。
【0060】
こうすることによって、例えば、光透過率50%で撮像された映像信号の輝度値S1は、D=S1*(100/50)=S1*2となり、撮像素子22のダイナミックレンジでは表すことが不可能な輝度値S1*2を表示部14に表示することが可能となる。
【0061】
つまり、表示部14のダイナミックレンジが撮像素子22のダイナミックレンジよりも広い場合に、撮像素子22のダイナミックレンジでは飽和信号となるような輝度値の映像を表示部14のダイナミックレンジで表示することが可能となる。
【0062】
尚、信号補正部16Aによって変換された補正映像信号は、必ずしも表示部14に表示されなくとも良く、所定の映像処理を施したり、映像処理を施された後に表示部14に表示されるようにしても良い。
【0063】
<動作>
上記構成の車両周辺視認装置の動作を、図7を参照しながら説明する。
【0064】
車両10の前端中央部に設置された撮像装置12の光学系(図示省略)は、撮像範囲からの光線を集光(ステップST01)して撮像素子22の受光面(図示省略)で撮像する(ステップST02)。ここで得られた映像信号は、自動利得制御部24によって増幅され利得制御が行われた(ステップST03)後にA/Dコンバータ25でデジタル信号に変換(ステップST04)され、デジタル信号処理部27Aに入力される。
【0065】
デジタル信号処理部27Aは、入力されたデジタル信号に対して画素補間、ホワイトバランス調節、彩度調節、階調変換特性調節、ノイズ除去等の処理を実行(ステップST05)する。
【0066】
その後、更にエンコーダ28AによってNTSC信号に符号化(ステップST06)して、デコーダ28Bに送出し、デコーダ28Bは送出されたNTSC信号を復号化(ST07)してカメラ用電子制御ユニット16に送出する。
【0067】
尚、エンコーダ28Aによる符号化及びデコーダ28Bによる復号化は必ずしも必要ではなく、デジタル信号処理部27Aに於ける処理が実行された後にカメラ用電子制御ユニット16に送出されても良い。
【0068】
カメラ用電子制御ユニット16は、4×4の領域(画素)に分割された撮像映像のうち、予め定められた閾値の範囲を超える輝度値で表された領域(画素)の有無を検出し、光透過率を制御するか否かの判断を行う(ステップST08)。
【0069】
予め定められた閾値の範囲を超える輝度値で表された領域(画素)が検出されず光透過率の制御を行わない場合、カメラ用電子制御ユニット16は、NTSC信号を復号化した後に信号補正部16Aによって補正映像信号に補正(ステップST10)し表示部14に表示する(ステップST11)。
【0070】
例えば、図8に示す如く、撮像範囲に存在する他車両がヘッドライトを点灯している等して、予め定められた閾値の範囲を超える輝度値で表された領域(画素)81A,81Bが検出され光透過率の制御を行う場合、カメラ用電子制御ユニット16は、液晶駆動制御部29に対して、領域(画素)81A,81Bの光透過率が5%低下するように命令する(ステップST09)。
【0071】
以後、上記のステップST02〜ST09を、撮像映像の輝度値が予め定められた閾値の範囲に収まるまで反復し、NTSC信号を復号化した後に信号補正部16Aによって補正映像信号に補正(ST10)し表示部14に表示する(ST11)。
【0072】
{変形例}
尚、本実施の形態に於いては、撮像装置12を車両10の前端中央部に設置した場合について述べたが、例えば、図9に示す如く、撮像装置12を車両10の後端中央部に設置しても構わないのは勿論である。
【0073】
また、本実施の形態に於いては、撮像装置12を車両10に取り付けた車両周辺視認装置について述べたが、その他、建築物や道路等の監視装置等に於ける撮像装置としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮像装置の適用例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両周辺視認装置の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る調光手段の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る調光手段の電極基板を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る撮像装置の調光手段の正面図である。
【図6】光透過率の制御を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両周辺視認装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両周辺視認装置の動作を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両周辺視認装置の変形例を示す図である。
【図10】第1従来技術の車両周辺視認装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第1従来技術の車両周辺視認装置の表示映像の一例を示す図である。
【図12】第2従来技術の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
10 車両
12 撮像装置
14 表示部
16 カメラ用電子制御ユニット
21 光学系
22 撮像素子
23 調光手段
27A,27B 透明電極
26C 液晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた範囲からの光線を集光する光学系と、
前記光学系によって集光された光線を映像信号に変換する撮像素子と
を備える撮像装置に於いて、
前記撮像素子の前方で、前記予め定められた範囲を複数の領域に分割して、前記領域毎の光透過率を調整する調光手段と、
前記撮像素子からの前記映像信号に基づいて前記調光手段を制御する制御部と
を備える、撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記調光手段は、透明電極で挟まれた液晶層を備える、撮像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の撮像装置であって、
前記制御部は、前記領域毎の輝度値が予め定められた範囲内の値となるように前記調光手段を制御する、撮像装置。
【請求項4】
車両に搭載された請求項1乃至請求項3の何れか記載の撮像装置と、
前記車両の車室内で前記撮像装置によって撮像された撮像映像を表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と
を備える、車両周辺視認装置。
【請求項5】
請求項4記載の車両周辺視認装置であって、
前記領域の光透過率をT%、前記光透過率T%で撮像された映像信号の輝度をS、前記表示部のうち前記領域に対応する位置に表示される補正映像信号の輝度をDとすると、
前記制御部は、D=S*(100/T)として前記表示部に表示する、
車両周辺視認装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−208610(P2007−208610A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24397(P2006−24397)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】