説明

撮像装置

【課題】フラット発光時に適正露出のストロボ撮影を可能にする。
【解決手段】閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能な撮像装置において、撮影感度を変更する感度変更手段を有し、前記感度変更手段が、前記フラット発光によるストロボ撮影時には、前記撮影感度を自動調整する(ステップ101〜103)撮像装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影を可能にする撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッタスピードが遅くなることにより手ブレを抑えるためにISO感度を自動調整するものや、ストロボ到達距離を稼ぐために被写体距離に応じてISO感度を自動調整する(特許文献1)などの技術が提案されている。
【特許文献1】昭和64−61175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フラット発光は閃光発光に比べ、ガイドナンバーが落ちる。同調秒時より長いシャッタ秒時における閃光発光ではガイドナンバーがシャッタ秒時により変更されることはない。しかし、フラット発光においては、シャッタ秒時によりスリット幅が異なるので、ガイドナンバーが異なる。製品によっては、取り扱い説明書にシャッタ秒時に応じたガイドナンバーの対応表を用意しているものもある。
【0004】
以上のことより、従来では、撮影条件(同調秒時及びそれより長いシャッタ秒時では閃光発光、同調秒時より速いシャッタ秒時ではフラット発光)によりガイドナンバーが異なることで、同調秒時近辺でストロボ光が届いたり、届かなかったりすることの切りムラが発生していた。
【0005】
また、マニュアル発光を用いる場合などは、シャッタ秒時によりガイドナンバーが異なると適正露光を得るための距離や絞り値を算出するのにいちいち取り扱い説明書の対応表を参照しなくてはならなく、適正露出を得るのに使用者に手間をかけるものであった。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、フラット発光時に適正露出のストロボ撮影を行うことのできる撮像装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能な撮像装置において、撮影感度を変更する感度変更手段を有し、前記感度変更手段が、前記フラット発光によるストロボ撮影時には、前記撮影感度を自動調整する撮像装置とするものである。
【0008】
同じく上記目的を達成するために、本発明は、閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能であり、かつ、任意に設定された絞り値により適正露出が得られるシャッタ秒時を算出する絞り優先自動露出モードを有する撮像装置において、撮影感度を変更する感度変更手段を有し、前記感度変更手段が、前記絞り優先自動露出モードでのフラット発光によるストロボ撮影時には、前記算出されたシャッタ秒時に応じて、前記撮影感度を自動調整する撮像装置とするものである。
【0009】
同じく上記目的を達成するために、本発明は、閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能であり、かつ、任意のシャッタ秒時と絞り値を選択可能とするマニュアル露出モードを有する撮像装置において、撮影感度を変更する感度変更手段を有し、前記感度変更手段が、前記マニュアル露出モードでのフラット発光によるストロボ撮影時には、前記任意に設定されるシャッタ秒時に応じて、前記撮影感度を自動調整する撮像装置とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フラット発光時に適正露出のストロボ撮影を行うことができる撮像装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1および2に記載の通りである。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の実施例1に係わる電子スチルカメラの回路構成を示すブロック図である。図1において、1は交換可能なレンズであり、ズームレンズの場合もある。このレンズ1の内部には、例えばステッピングモータおよびAF(オートフォーカス)レンズ駆動部を有している。そして、マイクロコンピュータ16との通信によりフォーカスレンズの位置を変化させる制御が行われ、ピント合わせが行われる。フォーカス演算に用いるデフォーカス量は、後述のAFセンサ24の出力を用いて演算する。また、レンズ1内には絞り駆動部があり、マイクロコンピュータ16の制御によって光学的な絞り値が変化させられる。上記マイクロコンピュータ16はレンズ1と通信することで、該レンズ1より現在のズーム位置(焦点距離情報)、現在の距離環位置(被写体距離)の情報を収得することが可能である。
【0013】
2はクイックリターンミラーであり、露光の際にマイクロコンピュータ16の指示で不図示のアクチュエータによりアップダウンする。このクイックリターンミラー2はAF光学系に光を導くためにハーフミラーで構成されていて、サブミラーもこれに連動する。3はフォーカッシングスクリーンであり、撮影者はペンタプリズム4とファインダ光学系を通して該フォーカシングスクリーン3を観察することで、レンズ1を通して得た像のピントや構図の確認が可能となる。
【0014】
5はフォーカルプレーンシャッタであり、マイクロコンピュータ16の制御で後述のCCD6の露光時間を自由に制御できる。フォーカルプレーンシャッタ5は一般的には先幕、後幕から構成され、2枚の幕の間隔で自由な露光時間が制御される。6は撮像素子であるところのCCDであり、レンズ1によってCCD6上に結像された画像を光電変換して電気信号として取り出す。7はクランプ/CDS回路、8はAGC回路であり、これらはCCD6からのアナログ信号をA/D変換する前の基本的アナログ処理を行う。マイクロコンピュータ16により、クランプレベルやAGC基準レベルの変更も可能である。
【0015】
9はA/D変換部であり、AGC回路8からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。この際、設定されているISO感度に応じた変換を行う。10は映像信号処理回路であり、デジタル化された画像データに、フィルター処理、色変換処理、ガンマー/ニー処理を行い、メモリコントローラ13に出力する。他方、この映像信号処理回路10はD/A変換部を内蔵しており、CCD6から入力される映像信号や、メモリコントローラ13から逆に入力される画像データをアナログ信号に変換し、液晶駆動回路11を通して液晶表示部12に出力することも可能である。これらの機能切り換えはマイクロコンピュータ16とのデータ交換により行われ、ホワイトバランス情報をマイクロコンピュータ16に出力可能である。その情報を基にマイクロコンピュータ16はホワイトバランス調整を行う。また、映像信号処理回路10は、ごみ検知用の画像を作成する処理機能と、作成された画像同士を比較する機能を有する。
【0016】
また、映像信号処理回路10は、マイクロコンピュータ16の指示により、何もせずにメモリコントローラ13を通してバッファメモリ19に画像データを保存することも可能である。また、映像信号処理回路10は、JPEGなどの圧縮処理する機能も持っている。連写の場合は一旦、バッファメモリ19に撮影データを格納し、処理時間がある場合にメモリコントローラ13を通して未処理の画像データを読み出し、映像信号処理回路10で画像処理や圧縮処理を行い、連写スピードを稼ぐ。連写枚数は、バッファメモリの大きさに大きく左右される。マイクロコンピュータ16は、撮影前に設定されているISO感度、画像サイズ、画質に応じた、画像サイズの予測値データをもとに、メモリコントローラ13を通して、メモリの容量を確認して撮影可能残数を演算し、表示部材に表示する。
【0017】
メモリコントローラ13は、映像信号処理回路10から入力された未処理のデジタル画像データをバッファメモリ19に格納し、処理済みのデジタル画像をメモリ14に格納する。また、逆にバッファメモリ19やメモリ14から画像データを映像信号処理回路部10に出力する。また、外部インターフェイス15から送られてくる映像をメモリ14に記憶したり、メモリ14に記憶されている画像を外部インターフェイス15から出力したりする。メモリ14は取り外し自由である場合もある。
【0018】
ごみ検知に用いる画像と撮影情報は、バッファメモリ19に格納する。または、取り外し可能なメモリ14に格納するということも考えられる。
【0019】
17は電源であり、各ICや駆動系に必要な電源を供給する。18はスイッチ入力部であり、マイクロコンピュータ16に各種の操作部材の状態を伝える。マイクロコンピュータ16はスイッチ入力部18の変化に応じて各部をコントロールする。20は操作部材の一つであるレリーズ釦であり、スイッチ20a(SW1)と20b(SW2)により構成される。スイッチSW1のみオンの状態はレリーズ釦20の半押し状態であり、スイッチSW2も共にオンの場合はレリーズ釦20の全押し状態であって撮影が行われる。スイッチ入力部18には、レリーズ釦20の他に、不図示の、ISO設定釦、画像サイズ設定釦、画質設定釦、情報表示釦など接続されている。
【0020】
21は液晶駆動回路であり、マイクロコンピュータ16の表示内容命令に従って外部液晶表示部22やファインダ内液晶表示部23を駆動する。また、ファインダ内液晶表示部23には、不図示のLEDなどのバックライトが配置されており、そのLEDも液晶駆動回路21で駆動される。なお、画像データを表示するための液晶表示部12と表示内容命令を表示するための外部液晶表示部22は、同一の液晶表示装置にて兼用しても構わない。
【0021】
24はAFセンサであり、マイクロコンピュータ16にデフォーカス情報を出力する。すると、それに基づいてマイクロコンピュータ16とレンズ1とで通信が行われ、内部のAFレンズ駆動回路を用いてピント合わせが行われる。25はAEセンサであり、ファインダスクリーン上を測光し、レンズ1を通した被写体の輝度を測光する。
【0022】
26は外付けのストロボ装置であり、マイクロコンピュータ16とストロボ装置26内の後述するストロボマイコン200とにより双方向通信が行われ、ストロボ制御が行われる。このストロボ装置26は、シャッタ5の先幕が走行し、後幕が走行しない全開状態での閃光発光、先幕、後幕がスリット露光時のフラット発光、の切り換えが可能となっている。
【0023】
次に、図2を用いて、ストロボ装置26でのフラット発光動作の説明を行う。ストロボマイコン200は、マイクロコンピュータ16より通信で指示された所定発光レベルに応じて、端子DA0に所定のコンパレート電圧を設定する。次に、端子Y1にHi(ハイレベルを意味する)を、端子Y0にLo(ローレベルを意味する)を、それぞれ出力し、データセレクタ230の入力端子D2を選択する。このとき、Xe管31は未だ発光していないので、第2の受光素子35の光電流はほとんど流れず、コンパレータ231の反転入力端子に入力されるモニタ回路234の出力は発生せず、コンパレータ231の出力はHiであるので発光制御回路212は導通状態となる。
【0024】
次に、ストロボマイコン200は端子TRIGよりトリガー信号を出力する。すると、トリガー回路211が高圧を発生したXe管31を励起し、フラット発光が開始される。また、ストロボマイコン200は積分回路236に積分開始を指示する。この指示を受ける積分回路236は光量積分用の第1の受光素子38の対数圧縮された光電出力の積分を開始する。また同時に、ストロボマイコン200は発光時間をカウントする内蔵のタイマが起動する。
【0025】
フラット発光が開始されると、フラット発光の発光レベル制御用の第2の受光素子35からの光電流が多くなり、モニタ回路234の出力が上昇する。そして、コンパレータ231の非反転入力を設定されている所定のコンパレート電圧より高くなると、コンパレータ231の出力がLoに反転し、発光制御回路212がXe管31の発光電流を遮断する。これにより、放電ループが断たれるが、ダイオード209およびコイル206により環流ループが形成され、発光電流は回路の遅れによるオーバーシュートが収まった後、徐々に減少する。
【0026】
発光電流の減少に伴って発光レベルが低下するので、第2の受光素子35の光電流が減少し、モニタ回路234の出力も低下する。そして、所定のコンパレート電圧以下に低下すると、再びコンパレータ231の出力がHiに反転し、発光制御回路212が再度導通してXe管31の放電ループが形成され、発光電流が増加して発光レベルも増加する。
【0027】
このように、端子DA0に設定された所定のコンパレート電圧を中心に、コンパレータ231が短い周期で発光レベルの増加減少を繰り返し、結果的には、所望するほぼ一定の発光レベルで発光を継続させるフラット発光制御が行われる。
【0028】
前述したタイマのカウントにより、所定の発光時間が経過すると、ストロボマイコン200は、端子Y1,Y0をLo,Loに設定する。これにより、データセレクタ230の入力端子D0、すなわちLo入力が選択され、その出力は強制的にLoとなり、発光制御回路212はXe管31の放電ループを遮断する。これによりフラット発光は終了する。
【0029】
上記タイマのカウント値は、フォーカルプレーン式のシャッタ5のシャッタ秒時により決定する。先幕、後幕のスリットでCCD6に対する露光量をコントロールする場合は、スリット幅が大きい秒時ほどカウント値は大きく設定される。また、同調秒時以上の時は、フラットシャッタ幕にストロボ光がけられないので、フラット発光である必要はなく、一般的な閃光発光を行う。閃光発光動作では、モニタ回路234の出力とコンパレート電圧の比較は行われず、発光制御回路212は1回の発光につき1度だけ導通する。
【0030】
先幕、後幕のスリットでCCD6に対する露光量をコントロールする場合に、上記説明したフラット発光を行う場合は、ストロボ装置26の発光した光がすべてCCD6に届かないことにより無駄な光が多くなるので、閃光発光よりフラット発光はガイドナンバーが小さくなる。また、フラット発光は一定の強さで発光しているので、シャッタ秒時に応じたスリット幅が異なる理由で、シャッタ秒時によりガイドナンバーが異なる。
【0031】
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施例1に係わる電子スチルカメラの動作について説明する。
【0032】
ステップ300から動作を開始し、まずステップ301では、電源OFF用のタイマがタイムアウトしたかどうかの判定を行う。タイムアウトした場合は電源OFFの処理のためにステップ320に進み、タイムアウトしていない場合はステップ302に進む。
【0033】
タイムアウトしていないとしてステップ302へ進むと、ここでは各種の設定指示を行うスイッチ入力部18からの信号によりカメラのモードなどの各種の設定を行う。撮影モード等の設定もここで行う。ここで、マイクロコンピュータ16はストロボ装置26と通信し、このストロボ装置26の設定状態や充電完了状態の情報を判定する。そして、次のステップ303にて、測光センサ25を用いて被写体の輝度を測定し、適正露出を得るためのシャッタ秒時や絞り値を演算する。ここでは上記ステップ302にて得られたストロボ装置26の情報も加味し、ストロボ撮影を行うか、ストロボ撮影を行う場合はシャッタ秒時により閃光発光を行うか、もしくは、フラット発光を行うかの判定も行う。
【0034】
次のステップ304では、AFセンサ24を用いて被写体のデフォーカスを検知する。続くステップ305では、上記ステップ302にて設定した状態や各種の設定状態を外部液晶表示部22やファインダ内液晶表示部23(以下、これら表示部を表示部材とも記す)などに表示する。また、上記ステップ302にて設定された、ISO感度、画像サイズ、画質に応じた画像サイズの予測値データを基に、メモリコントローラ13を通してメモリの容量を確認し、撮影可能残数を演算して表示部材に表示する。また、上記ステップ302で検出されたピントの状態や上記ステップ303で演算されたシャッタ秒時、絞り値や、ストロボ装置26の充電完了状態なども表示部材に表示する。
【0035】
次のステップ306では、レリーズ釦20が半押し状態かどうかの判定を行い、半押しのスイッチSW1のみがオンの状態時にはタイマ更新のためにステップ307に進む。一方、半押しされていない、つまりスイッチSW1がオンしていない状態であればステップ301に戻り、以下同様の動作を繰り返す。
【0036】
スイッチSW1がオンしているとしてステップ306からステップ307に進むと、ここでは、電源OFF用のタイマの更新を行う。そして、次のステップ308にて、レリーズが可能状態であり、かつ、レリーズ釦20が完全に押された(スイッチSW1とスイッチSW2の両方がオン)になったかどうかの判定を行う。レリーズ釦20が完全に押された状態の場合は画像を撮影するためにステップ309に進み、そうでない場合はステップ301に戻る。
【0037】
ステップ309へ進むと、ここではクイックリターンミラー2を制御してミラーアップ状態にするとともに、レンズ1と通信し、上記ステップ303で演算された絞り値にレンズ1の絞りを制御する。次のステップ310では、上記ステップ303にて演算されたシャッタ時間によりシャッタ5を制御し、CCD6からの画像をクランプCDS7、AGC回路8およびA/D変換部9を介して取り込む。この際、ストロボ撮影の場合は、シャッタ制御のタイミングに合わせてストロボの発光制御も行う。
【0038】
次のステップ311では、クイックリターンミラー2を制御し、ミラーダウンを行うとともにレンズ1と通信を行い、レンズ1の絞りを開放状態に制御する。次のステップ312では、AGC回路8に設定されたISO値に対するゲイン値を送る。この際、撮影がストロボ撮影の場合は、後述の図4のフローチャートを実行することにより設定されるゲイン値をAGC回路8に送る。そして、感度調整し、メモリコントロール13に画像信号を送り、バッファメモリ19に画像を一時保管する。
【0039】
次のステップ313では、映像信号処理回路10の出力であるホワイトバランス情報を基に、適正な色になるように、映像信号処理回路10で用いるRとBのゲインを演算により決定して制御する。続くステップ314では、バッファメモリ19に格納された未処理の画像を映像信号処理回路10の負荷が画像処理できるレベルであるときに処理し、圧縮して、メモリ14に格納する動作を開始する。連写等の場合は、バッファメモリ19に画像がどんどん格納されるが、画像処理は停止した状態になることもある。
【0040】
次のステップ315では、撮影可能枚数(記録枚数)の算出を行う。そして、次のステップ316にて、上記ステップ314にて処理された画像信号を液晶駆動回路11に送り、液晶表示部12に表示する。また、上記ステップ303,304,315にて決定した撮影情報を液晶駆動回路21に送り、外部液晶表示部22に表示する。次のステップ317では、同様に上記撮影情報をファインダ内液晶表示部23に表示する。
【0041】
ステップ318では、メモリ14に記憶可能な領域が存在するかどうかと未処理のバッファメモリ19上の画像も考慮して、撮影可能であるかどうかの判定を行う。その結果、撮影可能である場合はステップ301に戻る。一方、撮影可能でない場合はステップ319に進み、上記ステップ318にて撮影不可能状態であると判定されたことの情報を表示する。そして、次のステップ301に戻る。
【0042】
上記ステップ301にて電源OFF用のタイマがタイムアウトしたと判定した場合はステップ320に進む。そして、ステップS320にて、液晶駆動回路11により液晶表示部12での画像表示を消灯し、液晶表示のバックライトも消灯する。次のステップ321では、上記ステップ314で開始した画像処理と圧縮とメモリ格納のすべてを終了し、バッファメモリ19に撮影画像領域が空になるのを待つ。そして、次のステップ322にて、電源回路17に指示を出し、必要無い電源は落とし、ステップ323で一連の処理を終了する。
【0043】
次に、上記ステップ303内にて実行される処理の一部の動作について、図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0044】
ステップ100より動作を開始し、まずステップ101では、ストロボ撮影を行うかどうかの判定を行う。ストロボ撮影を行う場合はステップ102に進む。ストロボ撮影でない場合はステップ104に進んでこの処理を終了する。
【0045】
ステップ102では、ストロボ撮影が、閃光発光であるか、フラット発光であるかの判定を行い、閃光発光の場合はステップ104に進んでこの処理を終了する。また、フラット(FP)発光の場合はステップ103に進み、閃光発光のガイドナンバーと同等のガイドナンバーが得られるようにISO感度を自動的にアップする。この感度アップ量は上記ステップ312でAGC回路8に送られることになる。
【0046】
上記実施例1によれば、フラット発光によるストロボ撮影の場合は、閃光発光時のガイドナンバーと同等のガイドナンバーが得られるようにISO感度を自動的にアップするようにしている。換言すると、ISO感度を自動的に調整することにより閃光発光時とフラット発光時のガイドナンバーを揃えるようにしている。よって、従来のように、同調秒時及びそれより長いシャッタ秒時では閃光発光、同調秒時より速いシャッタ秒時ではフラット発光によりガイドナンバーが異なることによる、同調秒時近辺でストロボ光が届いたり、届かなかったりして切りムラが発生する、といったことがなくなり、失敗写真を減らすことが可能になる。
【実施例2】
【0047】
次に、図5のフローチャートを用いて本発明の実施例2における主要部分の動作について説明する。このフローチャートは、上記図3のステップ303内での処理の一部である。なお、その他の動作は、図3と同様であるのでその説明は省略する。
【0048】
図5は、使用者により任意に設定された絞り値を用いて適正露出が得られるシャッタ秒時を算出する絞り優先自動露出モードにおいて、フラット発光によるストロボ撮影が行われる場合の動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップ500より動作を開始し、まずステップ501では、撮影モードが絞り優先自動露出モードであり、かつ、フラット発光によるストロボ撮影時であるかどうかの判定を行う。その結果、絞り優先自動露出モードであり、かつ、フラット発光によるストロボ撮影時であればステップ502に進む。それ以外の場合はステップ503に進み、この処理を終了する。
【0050】
ステップ502へ進むと、ここでは絞り優先自動露出モードにおいて算出されたシャッタ秒時によりガイドナンバーが異ならないように、該シャッタ秒時に応じたISO感度とするための感度アップ量を自動的に算出する。そして、ステップ503にてこの処理を終了する。上記の感度アップ量は、図3のステップ312にてAGC回路8に送られることになる。
【0051】
上記実施例2によれば、ISO感度を自動的に調整することにより、シャッタ秒時によりガイドナンバーが異ならないようにしているので、従来のように、絞り優先自動露出モードにおいて、その時のシャッタ秒時により適正露光を得るための距離や絞り値を算出するのにいちいち取り扱い説明書の対応表を参照する、といった必要がなくなり、距離や絞り値の算出を簡単に行えるものとすることができる。つまり、使用者に手間をかけることなく、適正露出のストロボ撮影を行うことのできる電子スチルカメラとすることができる。
【実施例3】
【0052】
次に、図6のフローチャートを用いて本発明の実施例3における主要部分の動作について説明する。このフローチャートは、上記図3のステップ303内での処理の一部である。なお、その他の動作は、図3と同様であるのでその説明は省略する。
【0053】
図6は、任意のシャッタ秒時と絞り値が選択可能なマニュアル露出モードにおいて、フラット発光によるストロボ撮影時の主要部分の動作を示すフローチャートである。
【0054】
ステップ600より動作を開始し、まずステップ601では、撮影モードがマニュアル露出モードであり、かつ、フラット発光によるストロボ撮影時であるかどうかの判定を行う。その結果、マニュアル露出モードであり、かつ、ストロボ撮影時であればステップ602に進む。それ以外の場合はステップ603に進み、この処理を終了する。
【0055】
ステップ602へ進むと、ここではマニュアル操作により使用者が設定したシャッタ秒時によってガイドナンバーが異ならないように、該シャッタ秒時に応じたISO感度とするための感度アップ量を自動的に算出する。そして、ステップ603にてこの処理を終了する。上記の感度アップ量は、図3のステップ312にてAGC回路8に送られることになる。
【0056】
上記実施例3によれば、ISO感度を自動的に調整することにより、シャッタ秒時によりガイドナンバーが異ならないようにしているので、従来のように、マニュアル露出モードにおいて、シャッタ秒時により適正露光を得るための距離や絞り値を算出するのにいちいち取り扱い説明書の対応表を参照する、といった必要がなくなり、距離や絞り値の算出を簡単に行えるものとすることができる。つまり、使用者に手間をかけることなく、適正露出のストロボ撮影を行うことのできる電子スチルカメラとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1に係わる電子スチルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図2】図1のストロボ装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1に係わる一連の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップ303内での処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例2に係わる主要部分の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例3に係わる主要部分の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 レンズ
5 フォーカルプレーン式のシャッタ
6 CCD
10 映像信号処理回路
11 液晶駆動回路
12 液晶表示部
13 メモリコントロール
14 メモリ
16 マイクロコンピュータ
21 液晶駆動回路
22 外部液晶表示部
23 ファインダ内液晶表示部
24 AFセンサ
25 AEセンサ
26 ストロボ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能な撮像装置において、
撮影感度を変更する感度変更手段を有し、
前記感度変更手段は、前記フラット発光によるストロボ撮影時には、前記撮影感度を自動調整することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記感度変更手段は、前記フラット発光によるストロボ撮影時には、ガイドナンバーが前記閃光発光によるストロボ撮影時と同等になるように、前記撮影感度を自動的に上げることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能であり、かつ、任意に設定された絞り値により適正露出が得られるシャッタ秒時を算出する絞り優先自動露出モードを有する撮像装置において、
撮影感度を変更する感度変更手段を有し、
前記感度変更手段は、前記絞り優先自動露出モードでのフラット発光によるストロボ撮影時には、前記算出されたシャッタ秒時に応じて、前記撮影感度を自動調整することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
閃光発光とフラット発光のいずれかにて発光するストロボ手段を用いてのストロボ撮影が可能であり、かつ、任意のシャッタ秒時と絞り値を選択可能とするマニュアル露出モードを有する撮像装置において、
撮影感度を変更する感度変更手段を有し、
前記感度変更手段は、前記マニュアル露出モードでのフラット発光によるストロボ撮影時には、前記任意に設定されるシャッタ秒時に応じて、前記撮影感度を自動調整することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記感度変更手段は、前記シャッタ秒時によりガイドナンバーが変化しないように、前記撮影感度を自動調整することを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−96879(P2007−96879A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284732(P2005−284732)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】