説明

撮影装置および撮影方法

【課題】ノイズが目立つような条件下で撮影が行われた場合であっても、ノイズの軽減されたポストビューを表示し、品位を高める。
【解決手段】ENCD回路107は、フレームメモリ108の画像データから、ノイズが目立たない条件下で撮影された2枚目の画像データを判別して取得し、この2枚目の画像データのCb、Cr、HUEに、選択されたオフセット値OSVを加算することで、ポストビュー表示用画像データIM3を得る。そして、この画像データIM3を、ノイズの目立つIM1の代わりに、1枚目の画像データとして、2枚目の画像データとともに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置の画像表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、液晶の視野率指向性を利用して、複数の観測者が各自の目的に合わせて異なる画像を見ることが可能な液晶素子を開示している。ここでは、複数の方向別素子とその方向を制御する回路を組み合わせて、画面を分割するのではなく、画面の全領域に複数の画像を表示させている。
【特許文献1】特開平11−205822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高感度2枚撮影のフラッシュなし時のポストビューにはノイズが目立つ。ポストビュー確認時に、このノイズの目立つ画像をそのまま表示すると、見栄えが悪い。そこで本発明は、ノイズが目立つような条件下で撮影が行われた場合であっても、ノイズの軽減されたポストビューを表示し、品位を高める。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、フォーカスレンズを含む撮影レンズによって結像した被写体像を撮影素子で光電変換して画像データを取得する撮影部を備えた撮影装置であって、画像データの取得に関する少なくとも2つの異なる可変の撮影条件を設定する撮影条件設定部と、撮影条件設定部の設定した少なくとも2つの異なる撮影条件下において、画像データ中の所定エリアごとの測光値を算出する測光値算出部と、測光値算出部により算出された測光値に基づいて、撮影素子に対する入射光量および露光時間を規定する絞り値およびシャッタースピードを調節するAE調節部と、画像記録指示の入力に応じ、少なくとも2つの異なる撮影条件下において撮影部の取得した少なくとも2つの異なる記録用画像データを記録可能な記録部と、記録部の記録した少なくとも2つの異なる記録用画像データのうち、画質劣化が目立つ条件下で取得された第1の画像データおよび画質劣化が目立たない条件下で取得された第2の画像データを判別する判別部と、判別部の判別した第1の画像データおよび第2の画像データにおける所定エリアごとの測光値の差分を算出し、所定エリアごとの差分の平均値を算出する演算部と、差分の平均値と画像データの補正値との関係を規定する所定のテーブルを参照し、演算部の算出した平均値に対応する補正値を選択する選択部と、選択部の選択した補正値に基づいて第2の画像データを補正することで第3の画像データを得る補正部と、補正部によって得られた第3の画像データを、第1の画像データの記録後映像として表示する表示部と、を備える。
【0005】
この発明によると、画質劣化の目立たない方の第2の画像データ(例えば、高感度2枚撮影の内フラッシュ照射下で撮影された方)に補正処理を施して第3の画像データを得て、これを、画質劣化の目立つ方の第1の画像データ(例えば、高感度2枚撮影の内フラッシュ照射なしで撮影された方)のポストビューとして表示する。このため、ノイズの軽減されたポストビューを表示することができる。
【0006】
この撮影装置は、補正部により第2の画像データを補正することで第3の画像データを得る処理を行うか否かを切り替える切替部をさらに備えてもよい。
【0007】
切替部は、ユーザから補正の指示が入力された場合または第1の画像データの画質劣化が所定の閾値を超える場合、補正部による第3の画像データを得る処理に切り替えるとよい。
【0008】
本発明は、フォーカスレンズを含む撮影レンズによって結像した被写体像を撮影素子で光電変換して画像データを取得する撮影方法であって、画像データの取得に関する少なくとも2つの異なる可変の撮影条件を設定するステップと、設定した少なくとも2つの異なる撮影条件下において、画像データ中の所定エリアごとの測光値を算出するステップと、算出された測光値に基づいて、撮影素子に対する入射光量および露光時間を規定する絞り値およびシャッタースピードを調節するステップと、画像記録指示の入力に応じ、少なくとも2つの異なる撮影条件下において撮影部の取得した少なくとも2つの異なる記録用画像データを記録するステップと、記録した少なくとも2つの異なる記録用画像データのうち、画質劣化が目立つ条件下で取得された第1の画像データおよび画質劣化が目立たない条件下で取得された第2の画像データを判別するステップと、判別した第1の画像データおよび第2の画像データにおける所定エリアごとの測光値の差分を算出し、所定エリアごとの差分の平均値を算出するステップと、差分の平均値と画像データの補正値との関係を規定する所定のテーブルを参照し、演算部の算出した平均値に対応する補正値を選択するステップと、選択した補正値に基づいて第2の画像データを補正することで第3の画像データを得るステップと、第3の画像データを、第1の画像データの記録後映像として表示するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
この発明によると、画質劣化の目立たない方の第2の画像データに補正処理を施して第3の画像データを得て、これを、画質劣化の目立つ方の第1の画像データのポストビューとして表示する。このため、ノイズの軽減されたポストビューを表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るカメラ100のブロック図である。
【0011】
カメラ100にはユーザがこのカメラ100を使用するときに種々の操作を行うためのキーマトリクス120が設けられている。このキーマトリクス120には、カメラ100を作動させるための電源投入用の電源スイッチ、撮影の開始を指示するレリーズスイッチ、オート撮影やマニュアル撮影等を選択するためのモードダイヤル、各種のメニューの設定や選択あるいはズームを行うための十字キー、閃光発光用スイッチ、十字キーで選択されたメニューの実行やキャンセル等を行うための情報位置指定キーなどが備えられている。
【0012】
また、カメラ100には、演算部141、画像圧縮部142、画像伸張部143、サムネイル作成部144、記録媒体アクセス部145、フレームメモリコントロール部146、EEPROM147が備えられている。EEPROM147には、このカメラ100固有の固体データ、演算部141で実行されるプログラム、各種画像処理やAE/AF制御の基準となるパラメータ等が格納されている。
【0013】
また、カメラ100は、AC電源あるいは電源電池からの電力を各回路に供給する電源回路48を備えている。
【0014】
また、カメラ100には、外部データI/F139が備えられており、この外部データI/F139は、カメラ100により撮影された被写体の画像信号を、接続端子が備えられたパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力し、およびこのような外部装置からカメラ100に画像信号を入力することにより、その外部装置との間のデータ通信を担う。
【0015】
システムコントロール部112は、レリーズスイッチやモードダイヤル等の各種のボタンやキーからの入力に基づいてデジタルカメラ100内の各回路を統括制御する。
【0016】
カメラ100には、透過型または半透過型の液晶パネル71および液晶パネル71を背面側から照明するバックライトユニット70が配設されており、省電力モードの場合には、システムコントロール部112によりそのバックライトユニット70の明るさ(輝度)が制御され、バックライトユニット70の消費電力が低減されるようになっている。また、省電力モードは、キーマトリクス120の情報位置指定キーを押して液晶パネル71にメニュー画面を表示させ、そのメニュー画面で所定の操作を行うことによってオン/オフを設定することができるようになっている。
【0017】
液晶駆動回路148は、ENCD回路107で生成されたカラー映像信号YCを3色のRGB信号に変換して液晶パネル71に出力する。
【0018】
ENCD107で生成されたカラー映像信号YCは、ビデオ出力回路83で表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換された後、LCDやテレビなどの表示装置に出力され、CCD102で光電変換・撮影した被写体画像を映像として出力することが可能である。
【0019】
また、デジタルカメラ100は、フォーカスレンズおよびズームレンズを含むレンズ101からの被写体光を光電変換してアナログ画像信号を出力するCCD102、CCD102からのアナログ信号に対してCDS処理・ゲイン処理などを行う撮像回路103、撮像回路103からのアナログ信号をデジタルのR,G,B画像データにA/D変換するA/D変換部104を備える。
【0020】
モードダイヤルなどによって静止画撮影モードが設定されると、システムコントロール部112は、動画(スルー画)を表示部に表示させ、撮影画角を確認可能にする。即ち、レンズ101を通過した光は、CCD102に入射する。CCD102の受光面には、フォトセンサが平面的に配列されており、該受光面上の有効画素領域に結像された被写体像は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。こうして蓄積された信号電荷は、図示せぬドライバ回路から与えられるパルス信号に基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出され、それぞれ撮像回路103に加えられる。
【0021】
A/D変換部104は、撮像回路103から供給された画像信号をデジタル画像データに変換し、補正回路105に出力する。
【0022】
補正回路105は、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、YC処理回路、輝度・色差信号生成回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、撮影画像に対する輪郭補正を含む画像処理を行う輪郭処理部、画像のノイズ低減処理を行うノイズ低減処理部等を含む画像処理手段であり、システムコントロール部112からのコマンドに従って画像データを処理する。
【0023】
補正回路105から出力された画像データは、バッファとして機能するFIFOメモリ106に蓄えられる。
【0024】
FIFOメモリ106からENCD回路107に出力された画像データは、輝度信号(HUE信号)および色差信号(Cr、Cb信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、フレームメモリ108に格納される。
【0025】
アクチュエーター駆動回路111は、システムコントロール部112からの指令に応じ、アクチュエーター113を制御してレンズ101あるいは図示しない絞りを駆動することにより被写体への合焦調整および露出調整を行う。なお、レンズ101の駆動源は、アクチュエーター113に限定する必然性はなく、モーターであってもよい。
【0026】
また、カメラ100には、画像圧縮部142、画像伸長部143、サムネイル作成部144、記録媒体I/F部150が備えられている。画像圧縮部142は、レリーズスイッチが全押し(S2オン)されたことに応じてフレームメモリ108に格納された記録用画像データを、バスライン140を介して読み出して圧縮し、記録媒体I/F部150を経由して記録媒体(メモリーカード)200に格納する。この際、サムネイル作成部144は、記録用画像データを間引いて縮小画像を作成し、記録用画像データとともに同一の画像ファイルに格納する。記録媒体200への画像ファイルの記録は、記録媒体アクセス部145によって制御される。
【0027】
画像伸長部143は、記録媒体アクセス部145による、記録媒体200に格納された画像データの読み出しにあたり、記録媒体200固有の識別番号(ID)を抽出し、その記録媒体200に格納された画像データを読み出して伸張する。フレームメモリコントロール部146は、伸張された画像データをフレームメモリ108に格納する。
【0028】
図2は、演算部141の詳細な構成を示す。AE演算部151は、レリーズスイッチの半押しに応じ、撮影画面(被写体画像)を、例えば図4に示すように、5×4=20個のエリアに分割する。そして、AE演算部151は、フレームメモリ108に格納された画像データに基づき、各エリア毎にR、G、B信号の輝度成分を色別に積算して、その積算値と、その時の絞り値、電子シャッタのシャッタースピードとから、標準の撮影感度設定時の各エリアの測光値を算出して、各エリアの測光値をAE値保持部152に格納する。
【0029】
なお、システムコントロール部112は、得られた測光値に基づいて図示しない絞りの絞り値(F値)およびCCD102の電子シャッタ(シャッタースピード)を含む露出値を所定のプログラム線図に従って決定する(AE動作)。レリーズスイッチが全押しされると、その決定した絞り値に基づいて絞りを駆動し、絞りの開口径を制御するとともに、決定したシャッタースピードに基づき、CCD102での電荷蓄積時間を制御する。
【0030】
AE動作は、絞り優先AE、シャッタ速度優先AE、プログラムAEなどがあるが、いずれにおいても、被写体輝度を測定し、この被写体輝度の測光値に基づいて決められた露出値、すなわち絞り値とシャッタースピードとの組み合わせで撮影を行うことにより、適正な露光量で撮影されるように制御しており、面倒な露出決定の手間を省くことができる。
【0031】
図4は、エリアごとの測光値の算出例を示したものであり、当然のことながら、エリアの分割数および各エリアの測光値の一群(AE値)は、これに限定されるものではない。また、各エリアが円、楕円、矩形、半月形状等の任意の形状になるように分割してもよい。さらに、測光値を算出する方法として、R、G、B信号の輝度成分を色別に積算処理する代わりに、YC変換処理回路により変換された画像データの輝度信号Yを積算処理してもよい。
【0032】
AE演算部151は、後述する所定の異なる2度のタイミングで算出したAE値であるAE1およびAE2を、それぞれAE値保持部152に送り、AE値保持部152で異なる2つのAE値であるAE1およびAE2が保持される。
【0033】
差分計算部153は、AE値保持部152に保持された異なる2つのAE値(AE1およびAE2)に基づき、エリアごとの測光値の差分値の一群Dを算出する。
【0034】
平均化部154は、差分計算部153の計算したエリアごとの測光値の差分値の一群Dから、平均値AVを求める。
【0035】
テーブル選択部155は、予めEEPROM147に記憶された演算テーブルTおよび平均化部154の求めた平均値AVに基づき、画像信号のCb・Cr(色差),HUE(色相)成分に対するオフセット値OSVを選択する。後述するが、一例を挙げると、この画像信号とは、高感度2枚撮りにおけるフラッシュありの状態で撮影された、ノイズの目立たない画像信号である。
【0036】
図4に示すように、演算テーブルTは、平均値AVの値の範囲ごとに対応するCb・Cr(色差),HUE(色相)成分のオフセット値を規定している。演算テーブルTに格納される値は、予め経験的に定められた好ましい値であるとする。
【0037】
図5はカメラ100の実行する撮影/ポストビュー表示処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、キーマトリクス120から撮影モードが指定されたときに開始する。
【0038】
S1では、キーマトリクス120から「高感度2枚撮り」モードその他の、異なる条件下で連写が行われるモード(以下「別条件連写撮影」という)が指定されているか否かを判断する。別条件連写撮影が指定されている場合はS2に進む。なお、別条件連写撮影が指定されていない場合は、レリーズスイッチの半押しあるいは全押しに応じて通常の撮影処理を行い、得られた記録用画像を表示する。
【0039】
S2では、レリーズスイッチが半押しされたか否かを判断する。半押しされた場合はS2に進む。
【0040】
S3では、レリーズスイッチの半押しに応じて第1のAE値(AE1)を算出する。
【0041】
S4では、AE1に基づいて絞り値やシャッタースピードなどを設定する(第1のAE動作)。
【0042】
S5では、上記第1のAE動作の後、レリーズスイッチの全押しに応じて、別条件連写撮影における1つ目の条件(ノイズが目立つ条件)で1枚目の記録用画像データを取得する。例えば、別条件連写撮影が「高感度2枚撮り」モードであれば、フラッシュを照射せずかつ撮影感度が高い(例えばISO感度400以上)という条件下で1枚目の記録用画像データを取得する。この条件下で取得された1枚目の画像データIM1はフレームメモリ108に格納される。
【0043】
S6では、1枚目の記録用画像データの取得完了に応じて、別条件連写撮影における2つ目の条件(ノイズが目立たない条件)下における第2のAE値(AE2)を算出する。
【0044】
S7では、AE2に基づいて絞りやシャッタースピードなどを制御する(AE動作)。
【0045】
S8では、上記第2のAE動作の下、別条件連写撮影における2つ目の条件(ノイズが目立たない条件)で2枚目の記録用画像データを取得する。例えば、別条件連写撮影が「高感度2枚撮り」モードであれば、フラッシュを照射しかつ撮影感度が低い(例えばISO感度400未満)状態で2枚目の記録用画像データを取得する。この条件の下で取得された2枚目の画像データIM2はフレームメモリ108に格納される。
【0046】
S9では、液晶パネル71に2枚目の画像データIM2を表示させる。
【0047】
S10では、S3で算出されたAE1が、AE値保持部152に格納される。S10は、AE1の算出の完了直後に実行される。
【0048】
S11では、S6で算出されたAE2が、AE値保持部152に格納される。そして、差分計算部153は、差分の一群Dを算出する。S11は、AE2の算出の完了直後に実行される。
【0049】
S12では、平均化部154が、差分の一群Dから平均値AVを算出する。
【0050】
S13では、テーブル選択部155は、演算テーブルTを参照し、算出された平均値AVの属する範囲に対応するCb・Cr(色差),HUE(色相)成分のオフセット値OSVを選択する。
【0051】
図4では、平均値AV=14であるから、この平均値の属する範囲「11〜20」に対応するオフセット値OSVとして、「Cb=5」、「Cr=5」、「HUE=4」が選択されている。
【0052】
S14では、ENCD回路107は、フレームメモリ108の画像データから、ノイズが目立たない条件下で撮影された2枚目の画像データを判別して取得し、この2枚目の画像データのCb、Cr、HUEに、選択されたオフセット値OSVを加算することで、ポストビュー表示用画像データIM3を得る(図3参照)。そして、この画像データIM3を、ノイズの目立つIM1の代わりに、1枚目の画像データとして、2枚目の画像データとともに表示する。
【0053】
例えば、図6に示すような、1枚目の画像データIM1および2枚目の画像データIM2が、それぞれS5・S8で得られたとする。従来では、IM1およびIM2がそのまま表示されるのであるが、フラッシュなしの高感度撮影といった、暗くてノイズが目立つ条件下で撮影された画像IM1は、見栄えが悪く、品位が損なわれる。
【0054】
そこで、図7に示すように、本処理は、ノイズが目立つ画像IM1の代わりに、ノイズが目立たない画像IM2をオフセット処理することで得たポストビュー表示用画像データIM3を表示する。画像データIM3は、照度を擬似的に1枚目の条件に合わせたものであり、かつ、ノイズが目立たない画像IM2をオフセット補正したものだから、ノイズが目立たず、見栄えがよい。ノイズが目立たない画像IM2はそのまま表示される。
【0055】
なお、実際に設定された撮影条件がノイズの目立つ条件であるか否かを判別する閾値を予めEEPROM147に格納しておき、実際に設定された撮影条件がこの閾値を超えた場合はS14の処理を行い、実際に設定された撮影条件がこの閾値を超えない場合は、従来と同様、1枚目の画像IM1をそのまま表示(S16)してもよい。S14またはS16の処理のいずれを行うかを、キーマトリクス120を介してユーザが任意に選択できるようにしてもよい。
【0056】
あるいは、オフセット補正する画像としない画像を任意に選択可能にするとともに、補正する方に選択された画像については、さらに、「手動で補正する」あるいは上記閾値に応じて「自動で補正する」のうちいずれか一方を選択可能にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】カメラのブロック図
【図2】演算部のブロック図
【図3】ENCD回路での処理内容を示す図
【図4】AE値の平均値の算出例、演算テーブルの一例およびオフセット値の選択例を示す図
【図5】撮影/ポストビュー表示処理の流れを示すフローチャート
【図6】従来のポストビュー表示を示す図
【図7】オフセット補正後のポストビュー表示を示す図
【符号の説明】
【0058】
71:液晶パネル、101:レンズ、102:CCD、103:撮像回路、107:ENCD回路、141:演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズを含む撮影レンズによって結像した被写体像を撮影素子で光電変換して画像データを取得する撮影部を備えた撮影装置であって、
前記画像データの取得に関する少なくとも2つの異なる可変の撮影条件を設定する撮影条件設定部と、
前記撮影条件設定部の設定した少なくとも2つの異なる撮影条件下において、前記画像データ中の所定エリアごとの測光値を算出する測光値算出部と、
前記測光値算出部により算出された測光値に基づいて、前記撮影素子に対する入射光量および露光時間を規定する絞り値およびシャッタースピードを調節するAE調節部と、
画像記録指示の入力に応じ、前記少なくとも2つの異なる撮影条件下において前記撮影部の取得した少なくとも2つの異なる記録用画像データを記録可能な記録部と、
前記記録部の記録した少なくとも2つの異なる記録用画像データのうち、画質劣化が目立つ条件下で取得された第1の画像データおよび画質劣化が目立たない条件下で取得された第2の画像データを判別する判別部と、
前記判別部の判別した前記第1の画像データおよび前記第2の画像データにおける前記所定エリアごとの測光値の差分を算出し、前記所定エリアごとの差分の平均値を算出する演算部と、
差分の平均値と画像データの補正値との関係を規定する所定のテーブルを参照し、前記演算部の算出した平均値に対応する補正値を選択する選択部と、
前記選択部の選択した補正値に基づいて前記第2の画像データを補正することで第3の画像データを得る補正部と、
前記補正部によって得られた第3の画像データを、前記第1の画像データの記録後映像として表示する表示部と、
を備える撮影装置。
【請求項2】
前記補正部により前記第2の画像データを補正することで前記第3の画像データを得る処理を行うか否かを切り替える切替部をさらに備える請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記切替部は、ユーザから補正の指示が入力された場合または前記第1の画像データの画質劣化が所定の閾値を超える場合、前記補正部による前記第3の画像データを得る処理に切り替える請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
フォーカスレンズを含む撮影レンズによって結像した被写体像を撮影素子で光電変換して画像データを取得する撮影方法であって、
前記画像データの取得に関する少なくとも2つの異なる可変の撮影条件を設定するステップと、
設定した少なくとも2つの異なる撮影条件下において、前記画像データ中の所定エリアごとの測光値を算出するステップと、
算出された測光値に基づいて、前記撮影素子に対する入射光量および露光時間を規定する絞り値およびシャッタースピードを調節するステップと、
画像記録指示の入力に応じ、前記少なくとも2つの異なる撮影条件下において前記撮影部の取得した少なくとも2つの異なる記録用画像データを記録するステップと、
記録した少なくとも2つの異なる記録用画像データのうち、画質劣化が目立つ条件下で取得された第1の画像データおよび画質劣化が目立たない条件下で取得された第2の画像データを判別するステップと、
判別した前記第1の画像データおよび前記第2の画像データにおける前記所定エリアごとの測光値の差分を算出し、前記所定エリアごとの差分の平均値を算出するステップと、
差分の平均値と画像データの補正値との関係を規定する所定のテーブルを参照し、前記演算部の算出した平均値に対応する補正値を選択するステップと、
選択した補正値に基づいて前記第2の画像データを補正することで第3の画像データを得るステップと、
前記第3の画像データを、前記第1の画像データの記録後映像として表示するステップと、
を備える撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−177673(P2008−177673A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7152(P2007−7152)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】