説明

操作スイッチ

【課題】例えばジョグダイアル等の操作スイッチにおいて、操作部の、押圧方向に沿った移動を、適切に調整し、操作感の向上を実現する。
【解決手段】操作スイッチ(1)は、外界からの操作部(10)への押圧に起因して、操作部と台座部(20)との相対的な位置関係の変化に基づいて、押圧の有無を検出する操作スイッチであって、(i)操作部と、台座部とを近づける方向に付勢力を施す第1弾性体(23)と、操作部の移動に基づいて、押圧の有無を検出する検出手段(40)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばジョグダイアル等の操作スイッチの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばCD、DVD、又は、HDD等の記録媒体に、コンテンツ等の情報を記録したり再生したりする情報記録再生装置において、ボタン操作によるコンテンツの選択や、再生音量の調節や、コマ送り等の各種の操作を行うための、例えばジョグダイアル等の操作スイッチが一般的に普及している。
【0003】
このような操作スイッチについて、操作スイッチの操作部に固定された軸の下側に板バネを配置させ、操作部を下側へ押圧したり、押圧を解除したりすると、この板バネの先端にある各種の検出素子がオンとオフする技術が考案されている。
【0004】
また、特許文献1においては、変移を拡大するための機構に関する技術について開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−22445
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した技術においては、例えば人等の外界から押し下げ等の押圧が加えられる操作部の移動量が相対的に小さなレベルであるに対して、検出手段における、検出ストローク量は、機構的特性等の各種の物理的特性に対応して、相対的に大きなレベルが必要であるという必要条件からかけ離れてしまう。よって、上述した技術においては、操作感の向上が実現できないという技術的な問題点が生じてしまう。
【0007】
或いは、上述した技術においては、操作スイッチを重力に対して逆さまにした場合、検出ストローク量が変化してしまい、操作感の向上が実現できないという技術的な問題点が生じてしまう。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題を鑑みなされたものであり、例えばジョグダイアル等の操作スイッチにおいて、操作部の、押圧方向に沿った移動を、適切に調整し、操作感の向上を実現することが可能な操作スイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の操作スイッチは、外界からの操作部への押圧に起因して、前記操作部と台座部との相対的な位置関係の変化に基づいて、前記押圧の有無を検出する操作スイッチであって、前記操作部と、前記台座部とを近づける方向に付勢力を施す第1弾性体(浮き防止バネ)と、前記操作部の移動に基づいて、前記押圧の有無を検出する検出手段と、を備える。
【0010】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係る操作スイッチについて説明する。
【0012】
(操作スイッチの実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る操作スイッチについて説明する。
【0013】
本発明の操作スイッチに係る実施形態は、外界からの操作部への押圧に起因して、前記操作部と台座部との相対的な位置関係の変化に基づいて、前記押圧の有無を検出する操作スイッチであって、前記操作部と、前記台座部とを近づける方向に付勢力を施す第1弾性体(浮き防止バネ)と、前記操作部の移動に基づいて、前記押圧の有無を検出する検出手段と、を備える。
【0014】
本発明の操作スイッチに係る実施形態によれば、操作スイッチは、(a)例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる操作部と、(b)この操作部に、例えば係合する等して連結された台座部と、(c)検出手段と、を備える。そして、第1弾性体(浮き防止バネ)に基づいて、操作部と、台座部とを近づける方向に付勢力が施されている。言い換えると、操作部と、台座部とがお互いに引っ張り合っている。従って、近づける方向に付勢力が施された操作部、及び台座部が、例えば共に逆さまに配置されるなど重力に対して如何なる方向に配置されても、操作部に押圧が加えられない場合、操作部と、台座部とが離れることは殆ど又は完全にない。言い換えると、操作部と、台座部との相対的な位置関係が押圧以外に起因して変化することは殆ど又は完全ない。この結果、外界からの操作部への押圧に起因する、操作部の移動に基づいて、押圧の有無が検出される際に、検出手段における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【0015】
詳細には、例えば回転可能な操作部の軸が、台座部を基準にして、軸方向に移動可能である操作スイッチについて考察した場合、この操作スイッチの検出手段は、操作部の軸の移動と同期して反応する光学素子を有する。従って、この操作スイッチは、この光学素子が反応するための検出量(所謂、検出ストローク量)を、操作スイッチに対する重力の方向に影響されることなく、略一定にすることが可能である。
【0016】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の一の態様では、前記台座部は、前記操作部の移動において基準となる基準面を有し、前記操作部は、前記押圧の方向に沿って、前記基準面の上流側に第1操作部を有すると共に、前記押圧の方向を基準としての前記基準面の下流側に第2操作部を有し、前記第1弾性体は、前記基準面と、前記第2操作部との間に配置される。
【0017】
この態様によれば、基準面と、第2操作部との間に配置された第1弾性体(浮き防止バネ)に基づいて、操作部と、台座部とを近づける方向に付勢力を、より的確且つ適切に施すことが可能である。言い換えると、操作部と、台座部とをお互いにより適切に引っ張り合わせることが可能である。
【0018】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の他の態様では、(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、
前記検出手段は、前記操作部の移動に対応される前記作用部の移動に基づいて、前記押圧の有無を検出する。
【0019】
この態様によれば、操作スイッチは、(a)例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる操作部と、(b)この操作部に、例えば係合する等して連結された台座部と、(c)レバー部と、(d)検出手段と、を備える。レバー部は、(i)台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)支点と、(ii-2)操作部に当接する力点と、に対応した作用点において作用部を有し、(iii)支点部を支点として、作用部を移動可能である。検出手段は、作用部の移動量に基づいて、押圧の有無を検出する。
【0020】
従って、作用部における移動量、及び作用部における作用力を、所定の適切な値に設定可能である。具体的には、所謂、てこの原理を利用して、レバー部における支点と、力点との距離(以下、適宜「力点距離」と称す)、及び、支点と作用点との距離(以下、適宜「作用点距離」と称す)に基づいて、力点における移動量と、作用点における移動量との割合が決定可能である。或いは、力点距離、及び、作用点距離に基づいて、力点における押圧力と、作用点における作用力との割合が決定可能である。
【0021】
より具体的には、作用点距離を、力点距離より長くした場合、作用点における移動量を、力点における移動量より、長くすることが可能である。詳細には、例えば回転可能な操作部に含まれる軸が、台座部を基準にして、軸方向に移動可能である操作スイッチについて考察した場合、この操作スイッチの検出手段は、操作部の軸の移動と同期して反応する光学素子を有する。従って、この操作スイッチは、この光学素子が反応するための検出量(所謂、検出ストローク量)よりも短い距離の軸の移動を検出することが可能である。他方、作用点距離を、力点距離より短くした場合、作用点における移動量を、力点における移動量より、短くすることが可能である。
【0022】
或いは、作用点距離を、力点距離より長くした場合、作用点における作用力を、力点における押圧力より、小さくすることが可能である。他方、作用点距離を、力点距離より短くした場合、作用点における作用力を、力点における押圧力より、大きくすることが可能である。
【0023】
仮に、レバー部が存在しないで、てこの原理が利用できない場合、外界からの操作部への押圧に直接的に起因する、操作部の移動量に基づいて、押圧の有無が検出されるため、操作部の移動量のスケール(所謂、目盛り)と、検出手段における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)のスケールとが、1対1に対応付けられてしまう。よって、例えば人等の外界から押し下げ等の押圧が加えられる操作部の移動量が相対的に小さなレベルであるに対して、検出手段における、検出ストローク量は、機構的特性等の各種の物理的特性に対応して、相対的に大きなレベルが必要であるという必要条件からかけ離れてしまう。或いは、例えば人等の外界から押し下げ等の押圧が加えられる操作部における押圧力が相対的に大きなレベルであるに対して、検出手段の検出部材にかかる力は、例えば部材の強度等の物理的特性に対応して、相対的に小さなレベルが必要であるという必要条件からかけ離れてしまう。
【0024】
これに対して、本実施形態によれば、例えば剛体のレバー部における支点、力点、及び作用点を介して、言い換えると、作用部における移動量、及び作用部における作用力を、所定の適切な値に設定することで、外界からの操作部への押圧に起因する、作用部の移動量に基づいて、押圧の有無が検出される。従って、操作部の移動量のスケールと、検出手段における押圧の有無を検出するための検出ストローク量のスケールとを、適切な割合で対応付けることが可能である。具体的には、作用点距離を、力点距離の約5倍にした場合、力点における移動量を、作用点における移動量の、約1/5倍に短くすることが可能である。この結果、このように、てこの原理を利用することで、操作部の、押圧方向に沿った移動量を、顕著に小さくすることが可能である。ひいては、この結果、操作感度、即ち、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御における操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。或いは、作用点距離を、力点距離の約5倍にした場合、作用点における作用力を、力点における押圧力の、約1/5倍に小さくすることが可能である。
【0025】
更に、本実施形態では、例えば剛体のレバー部を備えるので、検出手段が押圧の有りを検出した後も、レバー部は、外界から更なる押圧力を受けても、たわんでしまうことが殆ど又は完全にない。この結果、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる際、人が、スイッチの構造的な性質としてたわみを感じることが殆ど又は完全にないという操作感の顕著な向上を実現することができる。
【0026】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の他の態様では、(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、前記検出手段は、光学方式に対応した光の光路と、前記光路を遮蔽可能な前記操作部又は前記作用部との相対的な位置関係に基づいて、前記押圧の有無を検出する。
【0027】
この態様によれば、光学式の検出手段に基づいて、経年変化は幾分存在する程度で、当該検出手段を半永久的に使用することが可能である。加えて、押圧がなされた場合の、接触に起因する摩擦音や接触音、又は、摩擦感や接触感(所謂、クリック音やクリック感)が殆ど又は完全にない。この結果、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる際、人が、スイッチの構造的な性質としてたわみを感じることが殆ど又は完全にないという操作感の顕著な向上を実現することができる。
【0028】
この検出手段に係る態様では、前記検出手段は、(i)前記操作部又は前記作用部によって、前記光路が遮蔽されている状態の場合、前記押圧が無いことを検出し、(i)前記操作部又は前記作用部によって、前記光路が遮蔽されていない状態の場合、前記押圧が有ることを検出するように構成してもよい。
【0029】
このように構成すれば、操作スイッチにおいて、押圧が存在しない時間が大半を占める場合、光路が遮蔽されているので、検出手段に有される受光素子の受光量の総量を小さくすることが可能である。この結果、検出手段に有される受光素子における、省力化に加えて、効率的な利用を実現することが可能である。
【0030】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の他の態様では、(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、前記検出手段は、磁気方式に対応した磁場と、前記磁場を遮蔽可能な前記操作部又は前記作用部との相対的な位置関係に基づいて、前記押圧の有無を検出する。
【0031】
この態様によれば、検出手段は、磁場に基づいて、操作スイッチの周辺からの外乱光の影響を殆ど又は完全になくしつつ、押圧の有無を検出することが可能である。更に経年変化はあるものの、当該検出手段を、半永久的に使用することができる。
【0032】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の他の態様では、(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、前記検出手段は、接触方式に対応した接触部と、前記接触部と接触可能な前記操作部又は前記作用部との相対的な位置関係に基づいて、前記押圧の有無を検出する。
【0033】
この態様によれば、押圧がなされた場合の、接触に起因する摩擦音や接触音、又は、摩擦感や接触感(所謂、クリック音やクリック感)を、例えば人等の外界に与えることが可能である。更に、この態様によれば、検出手段は、接触部と作用部との接触に基づいて、操作スイッチの周辺からの外乱光の影響を殆ど又は完全になくしつつ、押圧の有無を検出することが可能である。更に、この態様によれば、光学式の検出手段と比較して、部品コストを低減することが可能である。
【0034】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の他の態様では、(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、前記操作部又は前記作用部と、前記台座部との間に付勢力を施す第2弾性体を有する。
【0035】
この態様によれば、外界からの操作部への押圧に起因する、操作部の移動に基づいて、押圧の有無が検出される前に、レバー部の作用部と、台座部との相対的な位置関係を、第2弾性体の付勢力に基づいて、一定にすることが可能である。
【0036】
この結果、外界からの操作部へ押圧される前に、検出手段における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【0037】
ひいては、この結果、操作感度、即ち、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフのスイッチの制御における操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。
【0038】
特に、作用部における移動量、及び作用部における作用力を、所定の適切な値に設定可能である。即ち、所謂、てこの原理を利用して、レバー部における支点と、力点との距離(力点距離)、及び、支点と作用点との距離(作用点距離)に基づいて、力点における移動量と、作用点における移動量との割合が決定可能である。或いは、力点距離、及び、作用点距離に基づいて、力点における押圧力と、作用点における作用力との割合が決定可能である。この結果、第2弾性体の弾性係数等の弾性特性を、てこの原理を利用しない場合と比較して、小さいレベルにすることが可能である。尚、第2弾性体は、上述した検出手段に含まれるようにしてもよい。この結果、部品点数を低減することが可能である。
【0039】
このレバー部に係る態様では、前記力点は、前記支点と、前記作用点との間に位置するように構成してもよい。
【0040】
このように構成すれば、作用点距離を、力点距離より長くすることが可能である。従って、作用点における移動量を、力点における移動量より、長くすることが可能である。詳細には、例えば回転可能な操作部の軸が、台座部を基準にして、軸方向に移動可能である操作スイッチについて考察した場合、この操作スイッチの検出手段は、操作部の軸の移動と同期して反応する光学素子を有する。従って、この操作スイッチは、この光学素子が反応するための検出量(所謂、検出ストローク量)よりも短い距離の軸の移動を検出することが可能である。
【0041】
このレバー部に係る態様では、前記作用点は、前記支点と、前記力点との間に位置するように構成してもよい。
【0042】
このように構成すれば、作用点距離を、力点距離より短くすることが可能である。従って、作用点における移動量を、力点における移動量より、短くすることが可能である。詳細には、例えば回転可能な操作部の軸が、台座部を基準にして、軸方向に移動可能である操作スイッチについて考察した場合、この操作スイッチの検出手段は、操作部の軸の移動と同期して反応する光学素子を有する。従って、この操作スイッチは、この光学素子が反応するための検出量(所謂、検出ストローク量)よりも長い距離の軸の移動を検出することが可能である。
【0043】
このレバー部に係る態様では、(i)前記力点と前記支点との距離を示す力点距離と、(ii)前記作用点と前記支点との距離を示す作用点距離とは、所定の割合であるように構成してもよい。
【0044】
このように構成すれば、力点距離と、作用点距離との所定の割合に基づいて、作用部における移動量、及び作用部における作用力を、所定の適切な値に設定することが可能である。そして、外界からの操作部への押圧に起因する、作用部の移動量に基づいて、押圧の有無が検出される。従って、操作部の移動量のスケールと、検出手段における押圧の有無を検出するための検出ストローク量のスケールとを、所定の割合に基づいて、適切な割合で対応付けることが可能である。
【0045】
このレバー部に係る態様では、前記台座部は、前記作用部の移動を制限するストッパ部を有するように構成してもよい。
【0046】
このように構成すれば、台座部は、作用部の移動を制限するストッパ部を有する。この結果、外界からの操作部への押圧に起因する、作用部の移動に基づいて、押圧の有無が検出される際に、検出手段における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【0047】
本発明の操作スイッチに係る実施形態の他の態様では、前記操作部は、軸を中心にして回転可能である。
【0048】
この態様によれば、例えばジョグシャトル等の操作スイッチは、オンとオフとを検出するスイッチとして機能することに加えて、例えば音量等の各種の値を変動可能なレベル調整手段として機能することが可能である。また、操作部と軸とを一体的に成形することで、部品点数を低減することが可能であるので、製造コストの低減を実現することが可能である。
【0049】
このレバー部に係る態様では、前記操作部は、前記押圧の方向に凸部(軸)を有し、前記レバー部は、前記凸部と当接するように構成してもよい。
【0050】
このように構成すれば、外界からの操作部への押圧の動作を、凸部を介して、レバー部に、迅速且つ効率的に伝達し、ひいては、操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。
【0051】
このレバー部に係る態様では、前記レバー部は、剛体のレバーであるように構成してもよい。
【0052】
このように構成すれば、剛体のレバー部を備えるので、検出手段が押圧の有りを検出した後も、レバー部は、外界から更なる押圧力を受けても、たわんでしまうことが殆ど又は完全にない。
【0053】
仮に、例えば剛体のレバー部の代わりに、例えば、板バネで、てこの原理を利用する場合、検出手段が押圧の有りを検出した後も、板バネは、付勢力を受けたわんでしまい、検出ストローク量が多くなったりして変化してしまう。よって、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる際、人が、スイッチの構造的な性質としてたわみを感じることが殆ど又は完全にないという操作感が悪化してしまう可能性が生じてしまう。
【0054】
これに対して、この態様によれば、剛体のレバー部を備えるので、検出手段が押圧の有りを検出した後も、レバー部は、外界から更なる押圧力を受けても、たわんでしまうことが殆ど又は完全にない。この結果、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる際、人が、スイッチの構造的な性質としてたわみを感じることが殆ど又は完全にないという操作感の顕著な向上を実現することができる。
【0055】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
【0056】
以上説明したように、本発明の操作スイッチに係る実施形態によれば、外界からの操作部への押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化に基づいて、押圧の有無を検出する操作スイッチであって、第1弾性体と、検出手段と、を備える。この結果、外界からの操作部への押圧に起因する、操作部の移動に基づいて、押圧の有無が検出される際に、検出手段における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【実施例】
【0057】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【0058】
(1) 光学式の操作スイッチ
(1−1) 基本構成
次に、図1から図3を参照して、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成を示した概観斜視図(図1(a))、及び側面図(図1(b))である。図2は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成を示した中心軸を含む断面図(図2(a))、及び、光学式の操作スイッチに有されるレバー部、及び光学検出素子を中心にした、概観斜視図(図2(b))である。図3は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成を示した側面図である。
【0059】
図1及び図2に示されるように、本実施例に係る光学式の操作スイッチ1は、(i)例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる操作部10と、(ii)この操作部10に、例えば係合する等して連結された台座部20と、(iii)レバー部30と、(iv)光学式検出素子40と、を備えて構成されている。
【0060】
図1(a)に示されるように、例えば円盤状の操作部10は、台座部20の上を回転可能であると共に、台座部20を基準として、上下方向の移動可能である。また、操作部10には、ジョグダイアル11が設けられている。
【0061】
図2(a)に示されるように、操作スイッチ1の中心には、押圧の方向に沿って形成された軸受21がある。この軸受21は、台座部20に有されるジョグホルダ22に固定されている。この軸受21の中に操作部10の軸12が挿入され、操作部10が軸12と共に、台座部20の上を回転する構造となっている。また、操作部10の軸12は、台座部20を基準として、上下方向にも動くことが可能であり、軸12の下に配置されたレバー部30が、操作部10及び軸12を支え持っている。図2(b)に示されるように、レバー部30の先端付近には、後述される遮光用リブが設けられ、光学式検出素子40に対向して配置することが可能である。この遮光用リブが、光学式検出素子40の前を透過したり、又は、光学式検出素子40を遮蔽したりすることにより、押圧に起因した、操作部10と台座部20との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御を行うことが可能である。尚、操作部10に設けられたジョグダイアル11と軸12とを一体的に成形することで、部品点数を低減することが可能であるので、製造コストの低減を実現することが可能である。また、操作部10は、回転しなくてもよい。また、本発明に係る作用部の一具体例が、この後述される遮光用リブによって、構成されている。
【0062】
また、図2(b)に示されるように、台座部20は、レバー部30の移動を制限するストッパ部26を有する。
【0063】
特に、レバー部30は、操作部10を支えるので、一定の位置に保持される必要がある。そのため、レバー部30は、後述されるSWバネで支えられている。また、押圧操作において素早いオン−オフの操作を可能にするために、レバー部30は、出来る限り質量が小さく、強度のあるものが好ましい。そこで、レバー部30は、金属の代わりに、スーパーエンジニアリングプラスチックを選定することが好ましい。また、軸12の材料も、同様にスーパーエンジニアリングプラスチックを選定することが好ましい。
【0064】
また、特に、図2(a)及び図3に示されるように、台座部20は、操作部10の移動において基準となる基準面25を有する。また、操作部10は、押圧の方向に沿って、基準面25の図中の下側にバネ受け部13を有する。浮き防止バネ23が、基準面25と、バネ受け部13との間に配置される。尚、本発明に係る第2操作部の一具体例がバネ受け部13によって、構成されている。また、本発明に係る第1弾性体の一具体例が浮き防止バネ23によって、構成されている。
【0065】
この結果、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23に基づいて、バネ受け部13を固定している操作部10と、基準面25を固定している台座部20とを近づける方向に付勢力を、より的確且つ適切に施すことが可能である。言い換えると、操作部10と、台座部20とをお互いにより適切に引っ張り合わせることが可能である。
【0066】
詳細には、操作スイッチを、垂直に置いて使用したり、逆さまに置いて使用したりする場合、操作部10が台座部20から浮いてしまったり、離れてしまったりすることで検出ストローク量が多少増加し感触がフカフカしてしまうことを効果的に防止することが可能である。
【0067】
特に、図2(a)及び図2(b)に示されるように、レバー部30の先端部分と、当該レバー部30の先端部分と係合するストッパ部26との間、SWバネ24が配置されている。尚、本発明に係る第2弾性体の一具体例がSWバネ24によって、構成されている。
【0068】
この結果、外界からの操作部10への押圧に起因する、操作部10の移動に基づいて、押圧の有無が検出される前に、レバー部30の遮光用リブと、台座部との相対的な位置関係を、第2弾性体の付勢力に基づいて、一定にすることが可能である。
【0069】
以上の結果、外界からの操作部へ押圧される前に、検出手段における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【0070】
詳細には、上述したように、軸12の中心部に浮き防止バネ23を備え、常時、操作部10を台座部20に密着させ、この浮き防止バネ23により常に下方向に、レバー部30に、力が加わっていることでレバー部30が下がった状態になってしまう。この下がった状態を効果的に防止するために、上述したように、レバー部30の先端部にレバー部30の位置を一定に保つよう、下から上へ持ち上げるSWバネ24を搭載しているのである。
【0071】
(1−2) 動作原理
次に、図4及び図5を参照して、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理について説明する。ここに、図4は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理を図式的に示した模式図である。図5は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理の一又は他の具体例を概念的に示した模式図(図5(a)から図5(c))である。
【0072】
図4に示されるように、例えば人が、操作部10を、(i-1)図4中の下側方向に押圧したり、(i-2)押圧を解除したり、即ち、操作部10を離したりすることによって、レバー部30と操作部10の軸12とが当接する力点が、上下方向に動き、レバー部30の先端付近に設けられた遮光用リブ34が、(ii-1)光学式検出素子40を透過したり、又は、(ii-2)光学式検出素子40を遮蔽したりする。このことにより、押圧に起因した、操作部10と台座部20との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御を行うことが可能である。
【0073】
具体的には、先ず、操作部10が押圧される前に、レバー部30の先端付近に設けられた遮光用リブが、光学式検出素子40を遮蔽したオフの状態にある。次に、操作部10を、図4中の下側方向に押圧した場合、レバー部30と操作部10の軸12とが当接する力点が、下側方向に動く。次に、レバー部30に設けられた遮光用リブ34が、光学式検出素子40を遮蔽したオフの状態から、光学式検出素子40の前を遮蔽しない、即ち、光が光学式検出素子40に到達することが可能なオンの状態になる。このことにより、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御を行うことが可能である。
【0074】
具体的には、作用部における移動量、及び作用部における作用力を、所定の適切な値に設定可能である。即ち、所謂、てこの原理を利用して、レバー部における支点と、力点との距離(力点距離)、及び、支点と作用点との距離(作用点距離)に基づいて、力点における移動量と、作用点における移動量との割合が決定可能である。或いは、力点距離、及び、作用点距離に基づいて、力点における押圧力と、作用点における作用力との割合が決定可能である。
【0075】
より具体的には、図5(a)及び図5(b)に示されるように、作用点距離を、力点距離より長くした場合、作用点における移動量を、力点における移動量より、長くすることが可能である。詳細には、例えば回転可能な操作部に含まれる軸が、台座部を基準にして、軸方向に移動可能である操作スイッチについて考察した場合、この操作スイッチの検出手段は、操作部の軸の移動と同期して反応する光学素子を有する。従って、この操作スイッチは、この光学素子が反応するための検出量(所謂、検出ストローク量)よりも短い距離の軸の移動を検出することが可能である。
【0076】
例えば、作用点距離を、力点距離の約5倍にした場合、力点における移動量を、作用点における移動量の、約1/5倍に短くすることが可能である。この結果、このように、てこの原理を利用することで、操作部の、押圧方向に沿った移動量を、顕著に小さくすることが可能である。ひいては、この結果、操作感度、即ち、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御における操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。
【0077】
詳細には、検出素子に、光学タイプのフォトインタラプタを採用した場合、この検出素子が、オンとオフとを、認識するには少なくとも約0.5mmの移動量が必要となってしまう。そこで、上述した図4に示されるように、レバー部30の先端付近に、光学タイプのフォトインタラプタを配置し、てこの原理を利用することで、操作部10の軸12とレバー部とが当接する力点における移動量を、約1/5倍にすることが可能になる。この結果、操作部のストローク量を約0.1mmにすることができるので、操作感の向上を実現することが可能である。
【0078】
また、作用点距離を、力点距離より長くした場合、作用点における作用力を、力点における押圧力より、小さくすることが可能である。例えば、作用点距離を、力点距離の約5倍にした場合、作用点における作用力を、力点における押圧力の、約1/5倍に小さくすることが可能である。従って、前述したSWバネ24に掛かる荷重は、てこの原理に基づいて、レバー部30の力点に掛かる荷重の約1/5倍の荷重にすることで、力点に掛かる荷重と釣り合う。この結果、SWバネ24の弾性係数等の弾性特性を、てこの原理を利用しない場合と比較して、小さいレベルにすることが可能である。例えば、SWバネには、直径の小さいバネを選定し、SWバネを格納するための空間を狭くすることができ、操作スイッチにおける省スペース化を実現することが可能である。
【0079】
他方、図5(c)に示されるように、作用点距離を、力点距離より短くした場合、作用点における移動量を、力点における移動量より、短くすることが可能である。また、作用点距離を、力点距離より短くした場合、作用点における作用力を、力点における押圧力より、大きくすることが可能である。
【0080】
(2) 本発明に係る実施例の作用効果の検討
次に、図6を参照して、本発明に係る実施例の作用効果について検討する。ここに、図6は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理を概念的に示した模式図(図6(a))、及び、比較例に係る光学式の操作スイッチの動作原理を概念的に示した模式図(図6(b))である。
【0081】
図6(a)に示されるように、本実施例に係る、操作スイッチは、上述したように、(a)例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる操作部10と、(b)この操作部10に、例えば係合する等して連結された台座部20と、(c)レバー部30と、(d)光学式検出素子40と、(e)を備える。
【0082】
レバー部30は、(i)台座部20と当接する支点31を有すると共に、(ii-1)支点31と、(ii-2)操作部10に当接する力点32と、に対応した作用点に作用部33aを有し、(iii)支点31を支点として、作用部33aを移動可能である。
【0083】
光学式検出素子40は、作用部33aの移動量に基づいて、押圧の有無を検出する。
【0084】
従って、作用部33aにおける移動量、及び作用部33aにおける作用力を、所定の適切な値に設定可能である。具体的には、所謂、てこの原理を利用して、レバー部30における支点31と、力点32との距離(力点距離)、及び、支点31と作用部33aとの距離(作用点距離)に基づいて、力点32における移動量と、作用部33aにおける移動量との割合が決定可能である。或いは、力点距離、及び、作用点距離に基づいて、力点32における押圧力と、作用部33aにおける作用力との割合が決定可能である。
【0085】
より具体的には、作用点距離を、力点距離より長くした場合、作用部33aにおける移動量を、力点32における移動量より、長くすることが可能である。詳細には、回転可能な操作部10に含まれる軸12が、台座部20を基準にして、軸方向に移動可能である操作スイッチ1について考察した場合、この操作スイッチ1の光学式検出素子40は、操作部10の軸12の移動と同期して反応する光学素子を有する。従って、この操作スイッチは、この光学素子が反応するための検出量(所謂、検出ストローク量)よりも短い距離の軸12の移動を検出することが可能である。他方、作用点距離を、力点距離より短くした場合、作用部33aにおける移動量を、力点32における移動量より、短くすることが可能である。
【0086】
或いは、作用点距離を、力点距離より長くした場合、作用部33aにおける作用力を、力点32における押圧力より、小さくすることが可能である。他方、作用点距離を、力点距離より短くした場合、作用部33aにおける作用力を、力点32における押圧力より、大きくすることが可能である。
【0087】
仮に、図6(b)に示されるように、レバー部30が存在しない場合、外界からの操作部10への押圧に直接的に起因する、操作部10の移動量に基づいて、押圧の有無が検出されるため、操作部10の移動量のスケール(所謂、目盛り)と、例えば光学式又は接触式検出素子40aにおける押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)のスケールとが、1対1に対応付けられてしまう。よって、例えば人等の外界から押し下げ等の押圧が加えられる操作部の移動量が相対的に小さなレベルであるに対して、検出手段における、検出ストローク量は、機構的特性等の各種の物理的特性に対応して、相対的に大きなレベルが必要であるという必要条件からかけ離れてしまう。或いは、例えば人等の外界から押し下げ等の押圧が加えられる操作部における押圧力が相対的に大きなレベルであるに対して、接触式検出素子40aの検出部材にかかる力は、例えば部材の強度等の物理的特性に対応して、相対的に小さなレベルが必要であるという必要条件からかけ離れてしまう。
【0088】
これに対して、本実施例によれば、例えば剛体のレバー部30における支点31、力点32、及び作用点を介して、言い換えると、作用部33aにおける移動量、及び作用部33aにおける作用力を、所定の適切な値に設定することで、外界からの操作部10への押圧に起因する、作用部33aの移動量に基づいて、押圧の有無が検出される。従って、操作部10の移動量のスケールと、光学式検出素子40における押圧の有無を検出するための検出ストローク量のスケールとを、適切な割合で対応付けることが可能である。具体的には、作用点距離を、力点距離の約5倍にした場合、力点32における移動量を、作用部33aにおける移動量の、約1/5倍に短くすることが可能である。この結果、このように、てこの原理を利用することで、操作部10の、押圧方向に沿った移動量を、顕著に小さくすることが可能である。ひいては、この結果、操作感度、即ち、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御における操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。或いは、作用点距離を、力点距離の約5倍にした場合、作用部33aにおける作用力を、力点32における押圧力の、約1/5倍に小さくすることが可能である。
【0089】
更に、本実施例では、例えば剛体のレバー部を備えるので、光学式検出素子40が押圧の有りを検出した後も、レバー部30は、外界から更なる押圧力を受けても、たわんでしまうことが殆ど又は完全にない。この結果、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる際、人が、スイッチの構造的な性質としてたわみを感じることが殆ど又は完全にないという操作感の顕著な向上を実現することができる。
【0090】
(3) 本発明に係る他の実施例
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係る、他の実施例について説明する。
【0091】
(3−1) 他の実施例(その1)
次に、図7を参照して、本発明に係る、他の実施例(その1)について説明する。ここに、図7は、本発明の操作スイッチに係る接触式の操作スイッチの一及び他の具体例における動作原理を概念的に示した一及び他の模式図(図7(a)及び図7(b))である。
【0092】
図7(a)に示されるように、本発明の操作スイッチに係る接触式の操作スイッチの一具体例は、接触式検出素子40bを備え、台座部20は、操作部10の移動において基準となる基準面25を有する。また、操作部10は、押圧の方向に沿って、基準面25の図中の下側にバネ受け部13を有する。浮き防止バネ23が、基準面25と、操作部10の下面との間に配置される。尚、本発明に係る第1操作部の一具体例が操作部10の下面によって、構成されている。本発明に係る第1弾性体の一具体例が浮き防止バネ23によって、構成されている。
【0093】
この結果、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23に基づいて、操作部10と、台座部20とを近づける方向に付勢力を、より的確且つ適切に施すことが可能である。言い換えると、操作部10と、台座部20とをお互いにより適切に引っ張り合わせることが可能である。また、接触式検出素子40bを使用した場合、押圧がなされた場合の、接触に起因する摩擦音や接触音、又は、摩擦感や接触感(所謂、クリック音やクリック感)を、例えば人等の外界に与えることが可能である。更に、この結果、検出素子は、接触部と作用部との接触に基づいて、操作スイッチの周辺からの外乱光の影響を殆ど又は完全になくしつつ、押圧の有無を検出することが可能である。更に、この結果、光学式検出素子と比較して、部品コストを低減することが可能である。また、上述したSWバネは、接触式検出素子40bに含まれるようにしてもよい。この結果、部品点数を低減することが可能である。
【0094】
尚、接触式検出素子40bの代わりに、磁気式検出素子を使用してよい。この結果、磁場に基づいて、操作スイッチの周辺からの外乱光の影響を殆ど又は完全になくしつつ、押圧の有無を検出することが可能である。
【0095】
図7(b)に示されるように、本発明の操作スイッチに係る接触式の操作スイッチの他の具体例においては、台座部20は、操作部10の移動において基準となる基準面25を有する。また、操作部10は、押圧の方向に沿って、基準面25の図中の下側にバネ受け部13を有する。浮き防止バネ23が、基準面25と、バネ受け部13との間に配置される。尚、本発明に係る第2操作部の一具体例がバネ受け部13によって、構成されている。浮き防止バネ23が、基準面25と、バネ受け部13との間に配置される。尚、本発明に係る第1弾性体の一具体例が浮き防止バネ23によって、構成されている。
【0096】
この結果、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23に基づいて、操作部10と、台座部20とを近づける方向に付勢力を、より的確且つ適切に施すことが可能である。言い換えると、操作部10と、台座部20とをお互いにより適切に引っ張り合わせることが可能である。
【0097】
特に、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23は、操作部10を、基準面25から下側へ押し込むように、操作部10と、台座部20とに付勢力を与えている。従って、操作部10に、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる場合、浮き防止バネ23は、伸張する方向に変形する。言い換えると、浮き防止バネ23に掛かる荷重が小さくなる。従って、人が操作部10を押圧した場合、吸い込まれるような押圧をアシスト(補助)してくれる力を体感することが可能である。この結果、操作感度、即ち、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御における操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。
【0098】
以上の結果、近づける方向に付勢力が施された操作部10、及び台座部20が、例えば共に逆さまに配置されるなど重力に対して如何なる方向に配置されても、操作部10に押圧が加えられない場合、操作部10と、台座部20とが離れることは殆ど又は完全にない。言い換えると、操作部10と、台座部20との相対的な位置関係が押圧以外に起因して変化することは殆ど又は完全ない。この結果、外界からの操作部10への押圧に起因する、操作部10の移動に基づいて、押圧の有無が検出される際に、光学式検出素子40における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【0099】
(3−2) 他の実施例(その2)
次に、図8を参照して、本発明に係る、他の実施例について説明する。ここに、図8は、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの一及び他の具体例における動作原理を概念的に示した一及び他の模式図(図8(a)及び図8(b))である。尚、図8に示された、他の実施例において、上述の図6及び図7において説明した構成要素と概ね同様の構成要素には、同様の符号番号を付し、それらの説明は適宜、省略する。また、前述した光学式検出素子の図示は、便宜上、省略する。
【0100】
図8(a)に示されるように、本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの一具体例においては、台座部20は、操作部10の移動において基準となる基準面25を有する。また、操作部10は、押圧の方向に沿って、基準面25の図中の下側にバネ受け部13を有する。浮き防止バネ23が、基準面25と、バネ受け部13との間に配置される。尚、本発明に係る第2操作部の一具体例がバネ受け部13によって、構成されている。浮き防止バネ23が、基準面25と、バネ受け部13との間に配置される。尚、本発明に係る第1弾性体の一具体例が浮き防止バネ23によって、構成されている。
【0101】
この結果、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23に基づいて、操作部10と、台座部20とを近づける方向に付勢力を、より的確且つ適切に施すことが可能である。言い換えると、操作部10と、台座部20とをお互いにより適切に引っ張り合わせることが可能である。
【0102】
特に、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23は、操作部10を、基準面25から下側へ押し込むように、操作部10と、台座部20とに付勢力を与えている。従って、下側へ押し込まれた操作部10を、レバー部30が支え持っている。従って、操作部10と、レバー部30との間に隙間の空間を完全になくすことができる。更に、従って、操作部10に、例えば人から押し下げられる等の外界から押圧が加えられる場合、浮き防止バネ23は、伸張する方向に変形する。言い換えると、浮き防止バネ23に掛かる荷重が小さくなる。従って、人が操作部10を押圧した場合、吸い込まれるような押圧をアシスト(補助)してくれる力を体感することが可能である。この結果、操作感度、即ち、押圧に起因した、操作部と台座部との相対的な位置関係の変化を入力情報としたオン−オフを検出するスイッチの制御における操作感度を大きく向上させ、人による、より迅速且つ適切なスイッチの制御を実現可能である。
【0103】
特に、他の実施例において、作用部33aにおける移動量、及び作用部33aにおける作用力を、所定の適切な値に設定可能である。即ち、所謂、てこの原理を利用して、レバー部30における支点31と、力点32との距離(力点距離)、及び、支点31と作用点33との距離(作用点距離)に基づいて、力点32における移動量と、作用点33における移動量との割合が決定可能である。或いは、力点距離、及び、作用点距離に基づいて、力点32における押圧力と、作用点33における作用力との割合が決定可能である。この結果、SWバネ24の弾性係数等の弾性特性を、てこの原理を利用しない場合と比較して、小さいレベルにすることが可能である。例えば、SWバネには、直径の小さいバネを選定し、SWバネを格納するための空間を狭くすることができ、操作スイッチにおける省スペース化を実現することが可能である。
【0104】
以上の結果、近づける方向に付勢力が施された操作部10、及び台座部20が、例えば共に逆さまに配置されるなど重力に対して如何なる方向に配置されても、操作部10に押圧が加えられない場合、操作部10と、台座部20とが離れることは殆ど又は完全にない。言い換えると、操作部10と、台座部20との相対的な位置関係が押圧以外に起因して変化することは殆ど又は完全ない。この結果、外界からの操作部10への押圧に起因する、操作部10の移動に基づいて、押圧の有無が検出される際に、光学式検出素子40における押圧の有無を検出するための検出量(所謂、検出ストローク量)が、変化することを殆ど又は完全になくすことが可能である。
【0105】
図8(b)に示されるように、上述した図8(a)又は図7(b)と概ね同様にして、本発明の操作スイッチに係る接触式の操作スイッチの他の具体例においては、台座部20は、操作部10の移動において基準となる基準面25を有する。また、操作部10は、押圧の方向に沿って、基準面25の図中の下側にバネ受け部13を有する。浮き防止バネ23が、基準面25と、バネ受け部13との間に配置される。
【0106】
この結果、上述の図8(a)又は図7(b)における具体例と概ね同様にして、基準面25と、バネ受け部13との間に配置された浮き防止バネ23に基づいて、操作部10と、台座部20とを近づける方向に付勢力を、より的確且つ適切に施すことが可能である。言い換えると、操作部10と、台座部20とをお互いにより適切に引っ張り合わせることが可能である。
【0107】
特に、操作部10の軸を押し上げるように配置された弾性力を有するレバー部30aは、操作部10の軸に付勢力を与えている。従って、操作部10と、レバー部30aとの間に隙間の空間を殆ど又は完全になくすことができる。
【0108】
上述した実施例では、操作スイッチの一例として、検出ストローク量を有し、回転操作が可能なジョグダイアル等の操作スイッチについて説明したが、本発明は、このような操作スイッチを備える操作パネルや、このような操作スイッチを備える情報機器に応用されてよい。
【0109】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う操作スイッチもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成を示した概観斜視図(図1(a))、及び側面図(図1(b))である。
【図2】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成を示した中心軸を含む断面図(図2(a))、及び、光学式の操作スイッチに有されるレバー部、及び光学検出素子を中心にした、概観斜視図(図2(b))である。
【図3】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの基本構成を示した側面図である。
【図4】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理を図式的に示した模式図である。
【図5】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理の一又は他の具体例を概念的に示した模式図(図5(a)から図5(c))である。
【図6】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの動作原理を概念的に示した模式図(図6(a))、及び、比較例に係る光学式の操作スイッチの動作原理を概念的に示した模式図(図6(b))である。
【図7】本発明の操作スイッチに係る接触式の操作スイッチの一及び他の具体例における動作原理を概念的に示した一及び他の模式図(図7(a)及び図7(b))である。
【図8】本発明の操作スイッチに係る光学式の操作スイッチの一及び他の具体例における動作原理を概念的に示した一及び他の模式図(図8(a)及び図8(b))である。
【符号の説明】
【0111】
1 操作スイッチ
10 操作部
20 台座部
23 浮き防止バネ
24 SWバネ
30 レバー部
31 支点
32 力点
33 作用点
33a 作用部
34 遮光用リブ
40 光学式検出素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外界からの操作部への押圧に起因して、前記操作部と台座部との相対的な位置関係の変化に基づいて、前記押圧の有無を検出する操作スイッチであって、
前記操作部と、前記台座部とを近づける方向に付勢力を施す第1弾性体と、
前記操作部の移動に基づいて、前記押圧の有無を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする操作スイッチ。
【請求項2】
前記台座部は、前記操作部の移動において基準となる基準面を有し、
前記操作部は、前記押圧の方向に沿って、前記基準面の上流側に第1操作部を有すると共に、前記押圧の方向を基準としての前記基準面の下流側に第2操作部を有し、
前記第1弾性体は、前記基準面と、前記第2操作部との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の操作スイッチ。
【請求項3】
(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、
前記検出手段は、前記操作部の移動に対応される前記作用部の移動に基づいて、前記押圧の有無を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の操作スイッチ。
【請求項4】
(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、
前記検出手段は、光学方式に対応した光の光路と、前記光路を遮蔽可能な前記操作部又は前記作用部との相対的な位置関係に基づいて、前記押圧の有無を検出することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項5】
前記検出手段は、(i)前記操作部又は前記作用部によって、前記光路が遮蔽されている状態の場合、前記押圧が無いことを検出し、(i)前記操作部又は前記作用部によって、前記光路が遮蔽されていない状態の場合、前記押圧が有ることを検出することを特徴とする請求項4に記載の操作スイッチ。
【請求項6】
(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、
前記検出手段は、磁気方式に対応した磁場と、前記磁場を遮蔽可能な前記操作部又は前記作用部との相対的な位置関係に基づいて、前記押圧の有無を検出することを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項7】
(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、
前記検出手段は、接触方式に対応した接触部と、前記接触部と接触可能な前記操作部又は前記作用部との相対的な位置関係に基づいて、前記押圧の有無を検出することを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項8】
(i)前記台座部と当接する支点において支点部を有すると共に、(ii-1)前記支点、及び、(ii-2)前記操作部に当接する力点に対応した作用点において作用部を有し、(iii)前記支点部を支点として、前記作用部を移動可能なレバー部を更に備え、
前記操作部又は前記作用部と、前記台座部との間に付勢力を施す第2弾性体を有することを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項9】
前記力点は、前記支点と、前記作用点との間に位置することを特徴とする請求項3から8のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項10】
前記作用点は、前記支点と、前記力点との間に位置することを特徴とする請求項3から8のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項11】
(i)前記力点と前記支点との距離を示す力点距離と、(ii)前記作用点と前記支点との距離を示す作用点距離とは、所定の割合であることを特徴とする請求項3から10のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項12】
前記台座部は、前記作用部の移動を制限するストッパ部を有することを特徴とする請求項3から11のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項13】
前記操作部は、軸を中心にして回転可能であることを特徴とする請求項1から12のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項14】
前記操作部は、前記押圧の方向に凸部を有し、
前記レバー部は、前記凸部と当接することを特徴とする請求項3から13のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。
【請求項15】
前記レバー部は、剛体のレバーであることを特徴とする請求項3から14のうちのいずれか一項に記載の操作スイッチ。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−97871(P2008−97871A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275203(P2006−275203)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】