説明

操作反応出力装置

【課題】操作の強度や速度を検出する機能を有さない従来の操作入力装置の出力に基づいて、入力操作の態様に応じた操作反応を与える携帯電話端末を提供する。
【解決手段】携帯電話端末1は、操作入力に基づく操作入力通知20と、操作入力通知20に基づいて情報を表示するアプリケーション実行手段5における表示変化を示す表示変化通知50を受け付けて、操作入力に対する操作反応を指示する操作反応指示40を出力する操作反応出力手段4を備え、操作反応出力手段4は操作入力通知20の時間間隔と表示変化通知50が示す表示変化量に基づいて操作反応指示40を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の操作入力に対して操作反応を出力する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末は近年高機能化してきており、様々なアプリケーションを携帯電話端末上で実行することができるものが主流となっている。携帯電話端末上で実行できるアプリケーションには、例えばwebブラウザやメールアプリのように、テンキー等の操作子を介して利用者と携帯電話端末との間で対話的に処理を進めていくものが含まれる。現在普及している携帯電話端末のテンキー操作においては、キー押下時にビープ音等の音が操作のスピード等の態様によらず単調に出力されるのみであり、変化に乏しいものである。利用者と携帯電話端末との対話において、利用者による入力操作の態様に応じて携帯電話端末がリアルなフィードバックを利用者に与えることができれば、アプリケーション利用における娯楽性が現在よりも高まる。
【0003】
従来より、情報機器と利用者とが対話する際、利用者の入力操作の態様に応じたフィードバックを与えるために音などによる操作反応を出力する装置が提案されてきた。
【0004】
たとえば特許文献1に開示された操作反応音生成装置は、操作の強度や操作の速度から操作パラメータを取得し、それらに基づいて操作反応音を出力するものである。この発明によれば、たとえば利用者がキーを押下するときの強さや速度の違いに応じて操作反応を変化させることができる。
【0005】
また、特許文献2に開示されたキーボードは、キーの押し下げ圧力、押し下げ速度、押し下げ深さを複数段階に感知するセンサを備えたものである。この発明によれば、利用者がキーを押下するときの強さや速度や深さを操作パラメータとして出力することができるので、たとえば特許文献1に開示された操作反応音生成装置の入力装置として用いることにより、利用者がキーを押下するときの強さや速度や深さの違いに応じて操作反応を変化させることができる。
【特許文献1】特開2001−51759公報
【特許文献2】特開平9−305286公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された装置においては、操作の強度または速度を検出する機能を有する入力装置が必要であるが、現在の携帯電話が備えるテンキー等の操作入力装置はそのような機能をもたないという問題があった。また、特許文献2に開示されたキーボードは、従来の携帯電話のテンキーよりも機構が複雑であるため、このキーボードを操作入力装置として利用すると端末全体の重量やコストの増加を招いてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置の出力に基づいて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることのできる操作反応出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の操作反応出力装置は、操作入力に基づく操作入力通知を受け付けて、前記操作入力に対する反応を指示する操作反応指示を出力する操作反応出力手段を具備し、前回の前記操作入力通知と今回の前記操作入力通知との時間間隔に基づいて前記操作入力通知ごとに前記操作反応指示を決定することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、操作入力の時間間隔に基づいて操作反応を変化させることができるので、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができる。
【0010】
また本発明の操作反応出力装置は、前記操作入力通知に基づいて情報を表示するアプリケーション実行手段における表示変化を示す表示変化通知を受け付け、前記表示変化通知に基づいて前記操作反応指示を決定することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、操作入力に基づいて利用者に提示される表示の変化に応じて操作反応を変化させることができるので、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた、よりリアルな操作反応を与えることができる。
【0012】
また本発明の操作反応出力装置と、操作入力通知の時間を計測する計時手段と、時間間隔と操作反応指示との対応関係を記憶する記憶素子を具備する情報端末を構成する。
【0013】
上記構成によれば、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができる情報端末を提供することができる。
【0014】
また本発明の操作反応出力装置と、操作入力通知の時間を計測する計時手段と、時間間隔と操作反応指示との対応関係を記憶する記憶素子と、操作入力を受け付ける操作入力装置と、操作反応指示に基づいて表示を行う表示装置とを具備する携帯型情報端末を構成する。
【0015】
上記構成によれば、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができる携帯型情報端末を提供することができる。
【0016】
また、本発明の操作反応出力装置と、操作入力通知の時間を計測する計時手段と、時間間隔と操作反応指示との対応関係を記憶する記憶素子と、操作入力を受け付ける操作入力装置および音声入力装置と、操作反応指示に基づいて表示を行う表示装置と、操作反応指示に基づいて音声を出力する音声出力装置と、操作反応指示に基づいて振動するバイブレータとを具備する携帯電話端末を構成する。
【0017】
上記構成によれば、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができる携帯型情報端末を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作入力の時間間隔に基づいて操作反応指示を決定するので、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の操作反応出力装置は、ユーザーが入力操作装置を操作した時間間隔と、アプリケーションによって変化した表示状態に基づいて、音やLED、バイブレーションなどによって、ユーザーに操作反応を返すものである。
【0020】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の構成要素には同一符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における操作反応出力装置10の概略構成図である。図1において、操作反応出力装置10は操作反応出力手段4、アプリケーション実行手段5を備え、操作入力装置2、出力装置6が接続されている。本発明の実施の形態における操作反応出力装置10は携帯電話端末1の一部を構成する。
【0022】
アプリケーション実行手段5は、操作入力に基づく操作入力通知20を受け付けて情報を表示するアプリケーションを実行し、表示の変化を示す表示変化通知50を出力する。アプリケーション実行手段5が実行するアプリケーションには、メール、チャット、webブラウザ等の対話的に処理を進めていくアプリケーションが含まれる。
【0023】
操作反応出力手段4は、操作入力通知20と表示変化通知50に基づいて操作入力に対する操作反応を指示する操作反応指示40を出力する。このとき操作反応出力手段4は、操作入力通知20の時間間隔、および表示変化通知50に基づいて操作反応を決定する。
【0024】
操作入力装置2はキーやボタン、マイクなどから構成され、ユーザーの操作入力を受け付け、操作入力通知20を操作反応出力手段4に通知する。
【0025】
出力装置6はスピーカーなどの音声出力装置、バイブレーターなどの振動子、LED(Light Emitting Diode)などの表示装置で構成され、操作反応指示40に基づいて、音、光、画像、振動などを出力する。
【0026】
なお、本発明の実施の形態において「操作入力」とは、キーやボタン等の操作子の押下または離反を指す。また、本発明の実施の形態において「操作反応」とは、操作入力に対する反応として操作入力ごとに出力される音、光、振動を指す。また、本発明の実施の形態において「操作反応を決定する」という記述は、操作反応の内容を決定することと、操作反応を出力するかしないかを決定すること、の両方の意味を持つものとする。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態の操作反応出力装置10を搭載した携帯電話端末1の構成図である。図2において携帯電話端末1は入力デバイス管理部21、十字キー22、テンキー23、マイク24、計時手段3、操作反応パターン蓄積手段41、ウインドウ管理部51、メールアプリ52、出力デバイス管理部61、スピーカー62、バイブレータ63、第1LED64、第2LED65、表示デバイス管理部71、LCD(Liquid Crystal Display)72、無線通信部8を備える。
【0028】
十字キー22は、上下左右方向の操作入力を受け付けて入力デバイス管理部21へ通知する操作入力装置である。テンキー23は、押下または離反の操作入力を受け付けて入力デバイス管理部21へ通知する操作入力装置である。マイク24は、音声を受け付けて電気信号に変換し音声信号として出力する音声入力装置である。
【0029】
入力デバイス管理部21は、十字キー22、テンキー23、マイク24を管理する部分である。入力デバイス管理部21は、十字キー22およびテンキー23が通知した操作入力の内容を受け付けて操作入力通知20を出力する。また、入力デバイス管理部21は、マイク24から音声信号を受け付けて送話信号240を出力する。入力デバイス管理部21は、CPU(図示せず)上で動作するデバイスドライバ等で構成される。
【0030】
計時手段3は、時間を計測して現在時刻を示す時間情報30を出力する。操作反応パターン蓄積手段41は操作反応を決定するための情報を記憶素子(図示せず)上に蓄積する。操作反応出力手段4は、操作反応パターン蓄積手段41の蓄積内容および時間情報30に基づいて操作反応指示40を出力する。操作反応出力手段4は、CPU(図示せず)上で動作するソフトウエアで構成される。操作反応パターン蓄積手段41は、ROM(Read Only Memory)などの記憶素子で構成される。
【0031】
ウインドウ管理部51は、ウインドウの表示およびウインドウに対する操作入力イベントを管理する部分である。ウインドウ管理部51は、アプリケーションの表示内容520を表示装置のための表示データ70に変換して出力する。また、ウインドウ管理部51は、操作入力通知20を受け付けて文字列に変換し、入力文字列510をアプリケーションへ渡す。さらに、ウインドウ管理部51は、表示データ70の変化に基づいて表示変化通知50を出力する。ウインドウ管理部51は、CPU(図示せず)上で動作するウインドウライブラリやウインドウマネージャ、文字入力のフロントエンドプロセッサ等で構成される。
【0032】
メールアプリ52は、電子メールの作成と送受信を対話的に行うためのアプリケーションである。メールアプリ52は、入力文字列510を受け付けてメールデータを作成し、作成した内容を表示内容520として出力する。またメールアプリ52は、作成完了したメールデータを送信メール801として出力する。またメールアプリ52は、受信メール802の内容を表示内容520として出力する。
【0033】
なお、ウインドウ管理部51、メールアプリ52は、図1におけるアプリケーション実行手段5に相当する。
【0034】
スピーカー62は、出力デバイス管理部61が出力する音声信号を空気振動に変換して提示する音声出力装置である。バイブレータ63は出力デバイス管理部61の指示に基づいて振動を提示する。第1LED64、第2LED65は、出力デバイス管理部61の指示に基づいて光の提示を行う。
【0035】
出力デバイス管理部61は、操作反応指示40に基づいてバイブレータ63、第1LED64、第2LED65に動作の指示を与える。また、出力デバイス管理部61は、受話信号620を音声信号としてスピーカー62へ出力する。さらに出力デバイス管理部61は、スピーカー62へ出力する音信号に残響等の特殊効果を付与する機能を備える。出力デバイス管理部61は、CPU(図示せず)上で動作するデバイスドライバやサウンドカード等で構成される。
【0036】
LCD72は、表示デバイス管理部71の指示に基づいて表示データ70を視認可能に提示する表示装置である。表示デバイス管理部71は、表示データ70を受け付け、LCD72に表示の指示を与える。表示デバイス管理部71は、VRAM等の記憶素子とCPU(図示せず)上で動作するデバイスドライバ等で構成される。
【0037】
無線通信部8は、携帯電話端末1を無線通信回線(図示せず)と接続して通信を行う部分である。無線通信部8は、送信メール801を受け付けて無線通信回線へ送信し、無線通信回線から受信した受信メール802を出力する。また無線通信部8は、送話信号240を受け付けて無線通信回線へ送信し、無線通信回線から受信した受話信号620を出力する。
【0038】
図3は、本発明の実施の形態における携帯電話端末1の外観を示す図である。LCD72は、表示データ70を構成するウインドウ701、スクロールバー702を表示する。またLCD72は、ウインドウ701内に、送信メール801または受信メール802の内容である表示内容520を表示する。利用者はテンキー23を操作することにより、送信メール801を作成することができるようになっている。また、利用者は十字キー22を操作することにより、受信メール802をスクロールさせながら閲覧することができるようになっている。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態における携帯電話端末1の、操作反応パターン蓄積手段41が保持している操作反応パターン表T410の内容を示す図である。操作反応パターン表T410は、操作反応出力手段4が操作反応を決定するために参照する情報である。操作反応パターン表T410は、操作入力通知20の時間間隔tの条件(F110、F120、F130)と、表示変化通知50に含まれる表示変化量Nの条件(F101、F102)との組合せごとに、出力すべき操作反応指示40の内容(F111、F121、F131、F112、F122、F132)を格納した表形式のデータである。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態における携帯電話端末1の、操作反応出力手段4が操作入力通知20または表示変化通知50を受け取った時の処理手順を表すフローチャートである。
【0041】
図5において、操作反応出力手段4はステップS1001において、受信した通知が操作入力手段からの操作入力通知20であった場合はステップS1002へ進み、ウィンドウ管理部からの表示変化通知50であった場合はステップS1004に進む。操作入力通知20を受信した操作反応出力手段4は、ステップS1002において、計時手段より時間情報30を取得する。ステップS1003において、操作反応出力手段4は前回取得した時間情報30と今回取得した時間情報との差分より、操作入力通知の時間間隔を計算する。
【0042】
表示変化通知50を受信した操作反応出力手段4は、ステップS1004において、表示変化通知50から表示変化量を取得し、ステップS1005に進む。ステップS1005において、ステップS1004で取得した表示変化量と、操作入力通知20を受信したときにステップS1003にて計算した操作入力通知の時間間隔を基に、図4の操作反応パターン表T410を参照して、操作反応指示を選択する。その後、操作反応出力手段4は選択した操作反応指示を出力手段6に出力する。
【0043】
図6は、本発明の実施の形態における携帯電話端末1の、テンキー23から文字を入力した際のウインドウ701の表示例を示す図である。ウインドウ701は、カーソル703を備え、操作入力によって入力された文字列をカーソル703の位置に順次表示するようになっている。
【0044】
図7は、本発明の実施の形態における携帯電話端末1の、テンキー23から文字を入力した際の操作反応出力例を説明する図である。図7(a)は、操作入力の例を示す図であり、テンキー23の押下による操作入力(K201〜K209)と、入力デバイス管理部21が出力する操作入力通知20(D201〜D209)を示している。図7(a)の操作入力(K201〜K209)には、テンキー23の表面に印刷されている文字を記してあり、押下されたキーとの対応がわかるようにしてある。横軸は計時手段3が出力する時間情報30が示す時刻(t300〜t309)を示している。
【0045】
図7(b)は、図7(a)に示す操作入力に基づいてLCD72がカーソル703の位置に表示する文字(K501〜K509)と、表示変化通知50(D501〜D509)を示す図である。ここで、表示変化通知50(D501〜D509)の縦方向の長さは表示変化量Nを表している。
【0046】
図7(c)は、図7(a)に示す操作入力に対する操作反応として、スピーカー62が提示する音出力(A201〜A209)、第1LED64の点灯状態(L204〜L208)、第2LED65の点灯状態(M204〜M209)、バイブレータ63が提示する振動(V204〜V207)を示す図である。ここで、音出力(A201〜A209)に記されたアルファベット「d」、「m」、「p」、「b」は、出力される音の種類を表している。また、LEDの点灯状態(L204〜L208、M204〜M209)に記されたアルファベット「g」、「r」は光の色がそれぞれ緑、赤であることを表している。また、振動(V204〜V207)に記されたアルファベット「v」はバイブレータがオンになっていることを表している。
【0047】
以下、図2、図4〜7を用いて本発明の実施の形態における携帯電話端末1において、「たまごは」とユーザーが入力を行った際の動作を詳細に説明する。
【0048】
図6(a)に示す表示状態において、テンキー23の「た」が押下されたとすると(図7(a)K201)、入力デバイス管理部21はキー「た」が押下されたことを示す操作入力通知D201を時刻t301において出力する。ウインドウ管理部51は操作入力通知D201を受け付けて、カーソル703の位置に文字「た」を表示するために表示データ70を出力する(図7(b)K501)。またウインドウ管理部51は、1文字分の表示が変化したので、時刻t301’において表示変化量N=1を示す表示変化通知D501を出力する。
【0049】
操作反応出力手段4は、まず時刻t301において操作入力通知D201を受け付けて図5に示すフローチャートの処理を開始する。ステップS1001の判断では、通知の種別が操作入力通知であることからステップS1002へ進む。ステップS1002で操作反応出力手段4は計時手段3から時間情報30を取得し、時刻t301を得る。ステップS1003で、操作反応出力手段4は前回取得した時間情報(時刻t300)と今回取得した時間情報(時刻t301)との差から操作入力通知の時間間隔t=2.0秒を得る。
【0050】
操作反応出力手段4は、次に時刻t301’において表示変化通知D501を受け付けて再び図5に示すフローチャートの処理を開始する。ステップS1001の判断では、通知の種別が表示変化通知であることからステップS1004へ進む。操作反応出力手段4はステップS1004において、表示変化通知D501から表示変化量Nを取得し、ステップS1005に進む。操作反応出力手段4は、ステップS1005において操作反応パターン表T410(図4)を参照し、時間間隔t=2.0および表示変化量N=1に合致する操作反応指示40の内容を選択する。t≧1.0(F110)とN<10(F101)がそれぞれに合致するので、操作反応出力手段4は「SOUND:default,SFX:off,LED:off,VIBRATOR:off」(F111)を選択し、ステップS1006でこれを操作反応指示40として出力する。
【0051】
出力デバイス管理部61は、操作反応出力F111を受け付け、操作反応出力F111に従ってスピーカー62、バイブレータ63、第1LED64、第2LED65を制御する。まず、音出力内容を表す記述「SOUND」の右辺が「default」であることから、出力デバイス管理部61はスピーカー62へデフォルトの操作音(A201)を出力する。ここで言う「デフォルトの操作音」とは、あらかじめ利用者が設定メニュー等を用いて選択した操作音(たとえば0.1秒間鳴動する2kHzの正弦波によるビープ音)を意味する。
【0052】
また出力デバイス管理部61は、特殊効果の付与を表す記述「SFX」の右辺が「off」であることから、出力音に特殊効果を与えずにそのまま出力する。また出力デバイス管理部61は、LEDの点灯を表す「LED」の右辺が「off」であることから第1LED64、第2LED65ともに点灯しない。また出力デバイス管理部61は、バイブレータの振動を表す「VIBRATOR」の右辺が「off」であることから、バイブレータ63の駆動を行わない。
【0053】
同様の処理により、携帯電話端末1は、操作入力K202〜K203に対してデフォルトの操作音A202〜A203のみを操作反応として出力する。
【0054】
操作入力K204〜K207は、文字「こ」を表示するためにテンキー23「か」が連打されている部分である。操作入力K204〜K207において、操作入力によって生じる表示変化D504〜D507は、「か」から「き」、「き」から「く」、「く」から「け」、「け」から「こ」という1文字ずつの変化である。したがって、操作入力K204〜K207に基づく表示変化D504〜D507における表示変化量Nの値は、操作入力K201〜K203に基づくそれぞれの表示変化D501〜D503の場合と同じく1である。しかしながら、操作入力K204〜K207の時間間隔が操作入力K201〜K203とは異なり、t=0.2秒となっている。したがって、図5のステップS1005の処理において操作反応出力手段4は操作反応パターン表T410に基づいて操作反応指示の内容「SOUND:machinegun.wav,SFX:off,LED:alternate,VIBRATOR:on」(F131)を選択し、ステップS1006でこれを操作反応指示40として出力する。
【0055】
ここで、「machinegun.wav」は機関銃の銃声の波形を格納したファイルの名称である。また、「LED:alternate」は、第1LED64、第2LED65の発光色を交互に切り替えることを表している。また、「VIBRATOR:on」はバイブレータ63を駆動することを表している。
【0056】
以上の操作反応指示40の出力により、操作反応としてスピーカー62が機関銃の銃声を出力し(A204〜A207)、第1LED64と第2LED65が緑と赤に交互に点灯し(L204〜L207、M204〜M207)、バイブレータ63が振動する(V204〜V207)。
【0057】
操作入力K208は、文字「こ」に濁点「゛」を付与するためにテンキー23「゛」が押下されている部分である。操作入力K208において、操作入力よって生じる表示変化D508は「こ」から「ご」への1文字の変化である。したがって、操作入力K208に基づく表示変化K508における表示変化量Nの値は、操作入力K201〜K207に基づく表示変化D501〜D507の場合と同じく1であるが、操作入力の時間間隔はt=0.7秒となっている。したがって、図5のステップS1005の処理において操作反応出力手段4は操作反応パターン表T410に基づいて操作反応指示の内容「SOUND:pistol.wav,SFX:off,LED:LED1=green,VIBRATOR:off」(F121)を選択し、ステップS1006でこれを操作反応指示40として出力する。
【0058】
ここで、「pistol.wav」はピストルの銃声の波形を格納したファイルの名称である。また、「LED:LED1=green」は、第1LED64を緑色に点灯することを表している。そして操作反応として、スピーカー62がピストルの銃声を出力し(A208)、第1LED64が緑色に点灯する(L208)。
【0059】
以上の操作入力(K201〜K208)の結果、図6(b)に示すように、ウインドウ701内には文字列「たまご」(704)が表示され、カーソル703は最下行の右端に移動する。
【0060】
ここで文字「は」を入力するための操作入力「K209」が行われると、図6(c)に示すように、ウインドウ701の右端に文字「は」(705)が表示されるとともに表示全体が上方向へスクロールし、カーソル703が最下行の左端へ移動する。文字「は」(705)の表示とスクロールにより、表示データ70にはウインドウ701全体にわたる62文字分の表示変化が生じたので、ウインドウ管理部51は図7(b)の表示変化通知D509において表示変化量Nの値を62と通知する。操作入力K209の時間間隔は操作入力K208の時間間隔と同じくt=0.7秒であるが、表示変化通知D509の表示変化量N=62が表示変化通知D508の表示変化量N=1と異なるため、操作反応出力手段4は操作入力K208に基づく操作反応とは異なる操作反応を決定する。すなわち、図5のステップS1005の処理において操作反応出力手段4は操作反応パターン表T410に基づいて操作反応指示の内容「SOUND:bullet.wav,SFX:reverb,LED:LED2=red,VIBRATOR:off」(F122)を選択し、ステップS1006でこれを操作反応指示40として出力する。
【0061】
ここで、「bullet.wav」は銃弾がかすめたときの音(擬音「バキューン」の「キューン」に相当する部分)の波形を格納したファイルの名称である。また、「SFX:reverb」は出力音に残響の特殊効果を付与することを表している。また、「LED:LED2=red」は、第2LED65を赤色に点灯することを表している。そして操作反応として、銃弾がかすめたときの音(A209)に残響(斜線部分)が付与された音をスピーカー62が出力し、第2LED65が赤色に点灯する(M209)。
【0062】
なお、仮に操作入力K209の時間間隔(時刻t309とt308との差)がもっと短く、たとえば0.2秒であった場合には、操作反応出力手段4は操作反応パターン表T410に基づいて「SOUND:explosion.wav,SFX:reverb+pan,LED:LED2=red,VIBRATOR:on」(F132)を選択することになる。この場合、スピーカー62が爆発音(explosion.wav)に残響(reverb)と、三次元音響における仮想スピーカーの定位位置をウインドウ701のスクロール方向である上方向へ移動させる特殊効果(pan)を付与した音を出力し、バイブレータ63が振動する(VIBRATOR:on)ことになる。
【0063】
以上説明したとおり、本発明の実施の形態における操作反応出力装置10を搭載した携帯電話端末1は、操作入力に基づく操作入力通知20の時間間隔が長い場合と短い場合とで、音、光、振動による操作反応が変化する。また、本発明の実施の形態における形態電話端末1は、操作入力に基づく操作入力通知20の時間間隔が同じであっても、操作入力に基づく表示変化が多い場合と少ない場合とで、操作反応が変化する。
【0064】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態における携帯電話端末は、操作入力の時間間隔、および操作入力に基づいて利用者に提示される表示の変化に応じて操作反応が変化するので、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて、入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができる。
【0065】
なお、本発明の実施の形態において操作入力はテンキーの押下または離反によるものであるとしたが、操作を検知する入力装置を利用した操作入力であれば何であってもよく、たとえばキーの押下や離反、ボタンの押下や離反、鍵盤の押下や離反であってもよいし、スイッチやジョイスティックやデジタイザの操作であってもよいし、マウスの移動やドラッグやマウスボタンの押下やマウスボタンの離反やシングルクリックやダブルクリックやトリプルクリックであってもよいし、ジョグダイヤルやハンドルやつまみ等の回転操作子の操作であってもよいし、タッチパネル等の接触検出による操作であってもよいし、タブレット上での位置指定操作やペンのポイント操作や移動操作であってもよいし、発声の検出や音声認識を利用した操作であってもよいし、画像認識や筋電位検出や磁界検出や静電容量検出やデータスーツやデータグローブ等による身体の部分の変位による操作であってもよいし、可視光や赤外線や紫外線等の電磁波の照射や遮断による操作であってもよいし、可聴音や超音波や超低周波等の空気の振動の照射や遮断による操作であってもよいし、固体の振動による操作であってもよいし、呼気の吹付けによる操作であってもよいし、上顎と下顎の相対位置の変化による操作であってもよい。
【0066】
なお、本発明の実施の形態において、音出力内容の違い、音出力に特殊効果を付与するか付与しないかの違い、点灯するLEDの個数、LEDの色や点滅パターンの違い、によって操作反応を変化させるとしたが、これに限るものではなく、たとえば音量、音質、バランスの違いによって変化させてもよいし、音出力の立ち上がり時間や減衰時間や音の大きさを変化させてもよい。また、出力タイミングを変化させてもよいし、LEDの輝度や点滅周期を変化させてもよいし、輝度や色の変化スピードを変化させてもよい。特に操作入力の時間間隔が短い場合に音の大きさを小さくすると、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく快適な操作感を与えることが出来、反対に入力の時間間隔が短い場合に音の大きさを大きくすると、ユーザの緊迫感の高まり具合に呼応した、より娯楽性のある操作感を与えることができる。
【0067】
なお、本発明の実施の形態における操作反応は音または光または振動であるとしたが、認知可能な方法による提示であれば何であってもよく、たとえば動画等の画像による提示であってもよいし、身体の一部の圧迫や伸張や接触によるものであってもよいし、身体の表面に電流を流すものであってもよいし、風圧によるものであってもよいし、熱によるものであってもよい。
【0068】
なお、本発明の実施の形態における操作入力の時間間隔はキー押下の時間間隔であるとしたが、これに限るものではなく、キー押下から離反までの時間間隔であってもよいし、キー離反からキー押下までの時間間隔であってもよいし、前回のキー離反から今回のキー離反までの時間間隔であってもよいし、N回前(N>1)のキー押下またはN回前(N>1)のキー離反から今回のキー押下までの時間間隔であってもよいし、N回前(N>1)のキー押下またはN回前(N>1)のキー離反から今回のキー離反までの時間間隔であってもよい。
【0069】
なお、本発明の実施の形態において、操作入力の時間間隔は前回および今回の操作入力時の時刻を時間情報から取得してその差から求めるとしたが、これに限るものではなく、たとえば所定の時間間隔で出力される信号や通知をカウントすることにより操作入力の時間間隔を求めてもよい。
【0070】
なお、本発明の実施の形態において、操作反応出力手段はソフトウエアであるとしたが、これに限るものではなく、たとえば電子回路や光素子等で構成されるハードウエアやファームウエアであってもよい。
【0071】
なお、本発明の実施の形態において、操作反応出力手段は図5に示すフローチャートに基づいて動作するとしたが、これに限るものではない。
【0072】
なお、本発明の実施の形態において、操作反応出力手段は図4に示す操作反応パターン表を参照して操作反応を決定するとしたが、これに限るものではなく、表以外のデータを参照して操作反応を決定してもよいし、操作反応の決定動作を記述したプログラムの実行によって操作反応を決定するようにしてもよい。
【0073】
なお、本発明の実施の形態において、表示変化の量は文字数であるとしたが、これに限るものではなく、たとえば画素数であってもよいし、表示されるオブジェクトの数であってもよいし、明度または彩度または色相の変化量であってもよいし、RGB値の変化量であってもよいし、それらを組み合わせたものであってもよい。
【0074】
なお、本発明の実施の形態において、表示変化は文字の入力やスクロールによって生じる表示変化であるとしたが、これに限るものではなく、たとえば図形描画による表示変化であってもよいし、XMLやHTMLやスクリプト言語等で記述されたコンテンツに対するリンクやボタン選択等の操作による表示変化であってもよいし、画像や動画を含むコンテンツの再生操作による表示変化であってもよいし、ウインドウのサイズや形状の変化であってもよいし、ウインドウの個数変化であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の操作反応出力装置は、操作入力の強度や速度を検知する機能を備えない従来の操作入力装置を用いて入力操作の態様に応じた操作反応を与えることができるという効果を有し、利用者による入力操作に基づいて対話的に情報処理を行う情報機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話端末の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態における携帯電話端末の詳細構成図
【図3】本発明の実施の形態における携帯電話端末の外観図
【図4】本発明の実施の形態における携帯電話端末の操作反応パターン表を示す図
【図5】本発明の実施の形態における携帯電話端末の操作反応出力手段のフローチャート
【図6】(a)本発明の実施の形態における携帯電話端末の第1の画面表示例の図(b)本発明の実施の形態における携帯電話端末の第2の画面表示例の図(c)本発明の実施の形態における携帯電話端末の第3の画面表示例の図
【図7】(a)本発明の実施の形態における携帯電話端末の第1の操作反応出力の図(b)本発明の実施の形態における携帯電話端末の第2の操作反応出力例の図(c)本発明の実施の形態における携帯電話端末の第3の操作反応出力例の図
【符号の説明】
【0077】
1 携帯電話端末
10 操作反応出力装置
2 入力装置
20 操作入力通知
21 入力デバイス管理部
22 十字キー
23 テンキー
24 マイク
240 送話信号
3 計時手段
30 時間情報
4 操作反応出力手段
40 操作反応指示
41 操作反応パターン蓄積手段
5 アプリケーション実行手段
50 表示変化通知
51 ウインドウ管理部
510 入力文字列
52 メールアプリ
520 表示内容
6 出力手段
61 出力デバイス管理部
62 スピーカー
620 受話信号
63 バイブレータ
64 第1LED
65 第2LED
70 表示データ
701 ウインドウ
702 スクロールバー
703 カーソル
71 表示デバイス管理部
72 LCD
8 無線通信部
801 送信メール
802 受信メール
T410 操作反応パターン表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力に基づく操作入力通知を受け付けて、前記操作入力に対する反応を指示する操作反応指示を出力する操作反応出力手段、を具備する操作反応出力装置において、
前記操作反応出力手段は、前回の前記操作入力通知と今回の前記操作入力通知との時間間隔に基づいて前記操作入力通知ごとに前記操作反応指示を決定することを特徴とする操作反応出力装置。
【請求項2】
請求項1記載の操作反応出力装置であって、
前記操作反応出力手段は、前記操作入力通知に基づいて情報を表示するアプリケーション実行手段における表示変化を示す表示変化通知を受け付け、
前記操作反応出力手段は、前記表示変化通知に基づいて前記操作反応指示を決定することを特徴とする操作反応出力装置。
【請求項3】
請求項1ないし2のいずれか一項記載の操作反応出力装置と、前記操作入力通知の時間を計測する計時手段と、前記時間間隔と前記操作反応指示との対応関係を記憶する記憶素子を具備する情報端末。
【請求項4】
請求項1ないし2のいずれか一項記載の操作反応出力装置と、前記操作入力通知の時間を計測する計時手段と、前記時間間隔と前記操作反応指示との対応関係を記憶する記憶素子と、前記操作入力を受け付ける操作入力装置と、前記操作反応指示に基づいて表示を行う表示装置とを具備する携帯型情報端末。
【請求項5】
請求項1ないし2のいずれか一項記載の操作反応出力装置と、前記操作入力通知の時間を計測する計時手段と、前記時間間隔と前記操作反応指示との対応関係を記憶する記憶素子と、前記操作入力を受け付ける操作入力装置および音声入力装置と、前記操作反応指示に基づいて表示を行う表示装置と、前記操作反応指示に基づいて音声を出力する音声出力装置と、前記操作反応指示に基づいて振動するバイブレータとを具備する携帯型情報端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−301994(P2006−301994A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−123239(P2005−123239)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】