説明

操作対象候補入力提示装置および操作対象候補提示プログラム

【課題】従来のデジタル情報機器で操作対象コンテンツのユーザ入力支援技術は、特定カテゴリに関する階層情報の入力支援、また、複数カテゴリの横断的入力が可能なものは、入力時の提示カテゴリの候補が独立提示され、既入力情報に依存した候補の提示機能がなく、存在しない候補を提示する可能性がある。
【解決手段】操作対象のコンテンツに関わるデータの検索を行うコンテンツ検索の検索結果と、操作対象の操作に関わるデータの検索を行う操作検索の検索結果および操作とコンテンツの対応を記載した操作−コンテンツ対応表の内容から操作対象候補を検索する操作対象候補検索を行い、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部で操作対象候補検索の入力および操作対象候補の提示を行い、機器の操作に関するコンテンツ候補の入力を支援する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多機能デジタル情報機器においてユーザの意図する動作を実行するため、機器の操作対象のコンテンツおよび指定操作を提示する操作対象候補入力提示装置およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション・システム、ハードディスク(HDD)レコーダー、デジタルTV、携帯電話などに代表される各種デジタル情報機器では、他社との差別化のために様々な機能が搭載され、製品の複雑化、多機能化が進んでいる。このため、ユーザが意図する動作を実行するためには、多岐に渡る機能に関する情報を入力することによって所望の操作対象のコンテンツおよび操作を機器に伝達する必要が有り、簡潔な操作でデジタル情報機器の機能を自由に利用することが困難になってきている。
【0003】
このような複雑な操作を備えたデジタル情報機器に対して、少ない入力で操作対象のコンテンツの候補および操作の候補を提示することにより、ユーザの目的に合致した機器の操作対象のコンテンツおよび操作を指定する技術が求められており、機器の操作対象のコンテンツに関するユーザの入力を支援するための技術として、従来から下記の特許文献1および非特許文献1のような技術が開示されている。
【0004】
特許文献1は、階層構造を持つ施設名称の入力を支援する目的のためのものである。例えば「あいちけんちょう」のような読みを入力した場合、最上位の階層の名称である「愛知県庁」、「愛知県町村会館」、「愛知県調理師養成学校」を提示し、ここで、ユーザが「愛知県庁」を選択すると、「愛知県庁」の下位の名称が検索される装置が開示されている。
【0005】
また、非特許文献1は、複数のカテゴリ(“住所”、“ジャンル/エリア”等)にまたがる情報の入力を支援する目的のためのものである。同文献の18ページ〜19ページに示されているように、ユーザが文字を入力すると携帯電話等に搭載された文字入力のように予測変換を行なう。また、入力文字に応じて、“名称”、“ヨミ仮名”、“ジャンル”、“住所/エリア”、“電話”等のカテゴリを表示し、例えば、入力文字に“住所/エリア”と合致する単語がある場合には、該当するカテゴリをチェックして該当するカテゴリにおける候補を提示することを可能としている。さらに、“住所”のカテゴリを持つ「川崎市」のような語と“ジャンル”のカテゴリを持つ「コンビニ」のように異なるカテゴリを持つ語を同時に入力して候補の検索を行なうことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3781632号(特開2002−310712号)公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「サイバーナビカタログ ‘08 Vol.2」(パイオニア株式会社 2008年5月発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示された従来の技術は、特定のカテゴリに関する階層情報の入力を支援する手段のみしか提供しておらず、複数のカテゴリを横断的に入力する場合が考慮されていないという課題があった。また、非特許文献1に示された従来の技術では、複数のカテゴリの横断的な入力を可能にしているものの、入力時に提示されるそれぞれのカテゴリに関する候補がカテゴリごとに独立に提示され、既に入力された情報に依存した候補の提示を支援する機能がないため、最終的には検索結果が存在しない候補を提示してしまう可能性があるという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、操作対象に関する複数のカテゴリそれぞれが階層構造を持つような場合にも、複数のカテゴリにまたがった横断的な入力を容易にし、かつ、実際に存在して操作可能な操作対象に絞って候補を提示することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る操作対象候補入力提示装置は、
機器の操作に関するコンテンツの候補の入力を支援する操作対象候補入力提示装置であって、
操作対象のコンテンツに関わるデータの検索を行うコンテンツ検索部と、
操作対象の操作に関わるデータの検索を行う操作検索部と、
操作とコンテンツの対応を記載した操作−コンテンツ対応表と、
前記コンテンツ検索部の検索結果と前記操作検索部の検索結果、および前記操作−コンテンツ対応表からの内容から操作対象候補を検索する操作対象候補検索部と、
操作対象候補検索部への入力および操作対象候補の提示を行う操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部と、
を備える。
【0011】
また、この発明に係る操作対象候補提示プログラムは、
機器の操作に関するコンテンツの候補の入力を支援するためコンピュータに、
操作対象のコンテンツに関わるデータの検索を行うコンテンツ検索ステップ、
操作対象の操作に関わるデータの検索を行う操作検索ステップ、
前記コンテンツ検索部の検索結果と前記操作検索部の検索結果、および操作とコンテンツの対応を記載した操作−コンテンツ対応表の内容から操作対象候補を検索する操作対象候補検索ステップ、
操作対象候補検索部への入力および操作対象候補の提示を行う操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部での操作対象候補提示選択ステップ
を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る操作対象候補入力提示装置および操作対象候補提示プログラムは、機器の操作に関するコンテンツ候補の入力を支援するものであり、
操作対象のコンテンツに関わるデータの検索を行うコンテンツ検索の検索結果と、
操作対象の操作に関わるデータの検索を行う操作検索の検索結果および操作とコンテンツの対応を記載した操作−コンテンツ対応表の内容から操作対象候補を検索する操作対象候補検索を行い、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部で操作対象候補検索の入力および操作対象候補の提示を行うように構成されているため、デジタル情報機器におけるコンテンツおよび操作の指定を容易にし、かつ、実際に存在して操作可能な操作対象の候補に絞って候補を提示するための操作対象候補入力提示技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1の操作対象候補入力提示装置の基本構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1の操作対象候補入力提示装置が適用されるデジタル情報機器の構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1の操作対象候補入力提示装置における操作対象候補提示選択ユーザインタフェース例を示す図である。
【図4】この発明が適用されるデジタル情報機器の機能を呼び出すための画面例を示す図である。
【図5】操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの入力・提示例で「かな」文字が入力された状態を示す図である。
【図6】操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの入力・提示例図5で「中央」が選択された状態を示す図である。
【図7】操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの入力・提示例図6で「中央図書館」が選択された状態を示す図である。
【図8】操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの入力・提示例図7で「神奈川県」が選択された状態を示す図である。
【図9】操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの入力・提示例図8で「鎌倉市」が選択された状態を示す図である。
【図10】操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの入力・提示例図9で「御成町20−35」が選択された状態を示す図である。
【図11】コンテンツ検索部の検索結果の例を示す図である。
【図12】操作−コンテンツ対応表を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1における動作の流れ図である。
【図14】機能実行部により表示される操作選択画面の例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態2における操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの例を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態3における操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の基本構成を示す構成図である。
なお、この発明の各実施の形態の説明においては、対象とするデジタル情報機器としてカーナビゲーション・システムを例に説明するが、この発明の内容が適用可能なデジタル情報機器はカーナビゲーション・システムに限定されるものではない。
【0015】
図1において、
1010は、この発明の操作対象候補入力提示装置における、操作対象候補提示選択ユーザインタフェースを呼び出すデジタル情報機器の機能呼び出し画面、
1020は、ユーザからの入力を受け付けて、その受け付けたユーザ入力および選択した操作対象候補の表示を行うための操作対象候補提示選択ユーザインタフェース、
1030は、操作対象の候補を検索する操作対象候補検索部、
1040は、操作対象のコンテンツとその操作対象に対して実行可能な操作との対応を記載した操作−コンテンツ対応表、
1050は、この発明の操作対象候補入力提示装置が適用されるデジタル情報機器において可能な操作の一覧を取得するための操作検索部、
1060は、デジタル情報機器において可能な操作の一覧とその検索のための索引を格納した操作データ部、
1070は、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020からの入力を操作対象候補検索部1030を経て受け取り、コンテンツを検索するためのコンテンツ検索部である。
【0016】
住所検索部1080、施設名検索部1090、ジャンル検索部1100は、カーナビゲーション・システムにおいて行先等に関するナビコンテンツ1130に関する情報およびその検索用の索引を格納した住所データ1140、施設名データ1150、ジャンルデータ1160を検索するための、コンテンツ検索部1070の下位機能である。同様に、楽曲検索部1110、映像検索部1120は、AV(Audio Visual)コンテンツ1170に関する情報およびその検索用の索引を格納した楽曲データ1180、映像データ1190を検索するための、コンテンツ検索部1070の下位機能である。
なお、情報に関するコンテンツ(「メール」、「ネット」、「電話」等に関する機能のコンテンツ)およびその検索部については、ナビコンテンツ1130、AVコンテンツ1170と同様であるので記載および説明を省略する。
また、1121は、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020により選択された操作対象と操作に関する機能を実行するための機能実行部であり、1131は、実行された操作やそのコンテンツの履歴を格納した履歴データ部である。
【0017】
図2は、この発明の実施の形態1を実現するためのデジタル情報機器の構成図である。 図2において、
2010は、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020への入力を行うためのタッチパネル、マイク等の入力装置である。
2020は、制御装置であり、この発明の基本構成の機能呼び出し画面1010、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020、操作対象候補検索部1030、操作検索部1050、コンテンツ検索部1070、機能実行部1121における処理および全体の動作に関する制御を行うために用いられ、少なくともCPU(Central Processing Unit)2030および主記憶装置2040から構成される。なお、デジタル情報機器の機能実行そのものに関する詳細なハードウェア構成は、この発明を実現するために必要となる構成要素でないため記載を省略する。
【0018】
2050は、2次記憶装置であり、本装置の動作を実現するためのプログラムの格納、検索対象の住所データ1140、施設名データ1150、ジャンルデータ1160、楽曲データ1180、および映像データ1190等のデータ類の格納、操作対象候補検索部1030の中間的な検索結果の格納等のために使用される。操作−コンテンツ対応表1040もこの2次記憶装置に格納され、必要に応じて主記憶装置2040に読み込まれる。また、2次記憶装置2050は、この発明を実行するための処理の過程で主記憶装置2040の補助記憶として使用されることもある。
2060は、ディスプレイ等の表示装置2070、音声出力装置2080を含む出力装置であり、ユーザが入力した内容および選択した候補に関する操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020の表示、および、処理の途中過程の状況や警告等の出力に使用される。
【0019】
2090は記録媒体駆動装置、2100はCD−ROM、DVD等の記録媒体である。本装置を構成するプログラムやデータが記録媒体2100に格納されている際には、記録媒体駆動装置2090において読み出され、制御装置2020を通じて、2次記憶装置2050に格納され、動作に応じて制御装置2020により主記憶装置2040に読み出されて実行される。
2110は通信装置であり、ネットワークに接続された外部の装置から更新データ、更新プログラム等、新たなコンテンツを入手するための通信に用いられる。
ここでは、簡単のため、それぞれ1つの制御装置、記録媒体駆動装置、2次装置、通信装置で処理が実行されるとして説明するが、複数の制御装置、記録媒体駆動装置および2次記憶装置に分散して処理が実行される構成としても良い。
【0020】
図3は、この発明の実施の形態1の操作対象候補入力提示装置における操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020の例を示す図である。図3において、3010は、操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020の全体画面(以下、入力アシスト画面と呼ぶ)、3020は、操作対象候補を選択するための入力、および選択した候補を表示するための入力・表示エリア、3030は、入力・表示エリア3020に表示する文字の入力を行なうための入力文字ボタンエリア、3040は入力・表示エリア3020に表示する文字の集合を切り替えるための入力文字切換ボタンエリア、3060は、入力アシスト画面1020を呼び出した画面に表示を切り替えるための「戻る」ボタン、3080は、音声認識を用いた入力を可能にするための「声で入力」ボタンである。なお、以下では、入力・表示エリア3020への入力は、入力文字ボタンエリア3030の各文字ボタンによって行なわれるとして説明するが、音声認識によって文字を入力する場合にもこの発明の効果は同様である。
【0021】
また、図3において、3090は、表示中のこの画面3010が入力アシスト画面であり、現在アクティブになっていることを表示する入力アシスト」ボタンである。デジタル情報機器の表示装置2070に表示されている画面が、入力アシスト画面以外の画面である場合には、同じ位置に「入力アシスト」ボタンが表示され、押下時には、入力アシスト画面3010が呼び出される。
【0022】
また、図3において、3100は、「サブメニュー」ボタンであり、現在表示されている画面において操作可能な機能のサブメニューを表示するために用いる。3110は、入力・表示エリア3020に入力された内容に応じて操作対象候補検索部1030で検索された候補の一覧を表示する候補一覧表示エリア、3120は、候補一覧表示エリアに候補が表示しきれない場合に、候補一覧表示エリアをスクロールして他の候補を表示可能にするためのスクロール・バー、3130は、候補一覧表示エリアに現在表示されている候補の種別を表すカテゴリ・タブ、3140は、入力・表示エリア3020に表示されている内容で入力内容を確定する場合に押下する「決定」ボタンである。
【0023】
図4は、この発明におけるデジタル情報機器の機能を呼び出すための画面の例である。4010は、デジタル情報機器がカーナビゲーション・システムである場合の初期画面を表しており、4020は、CD、DVD、TVなどの視聴等を行なう機能を選択する「AV機能」ボタン、4030は、目的地、経由地、自宅などを設定するための「ナビ機能」ボタン、4040は、メール、ネット接続、電話などの機能を呼び出すための「情報機能」ボタンである。また、4060は、音声入力を起動するための「声で入力」ボタン、4070は、この発明における主要な画面である、入力アシスト画面3010を呼び出すための「入力アシスト」ボタン、4080は、現在選択中の機能のサブ機能を呼び出すための「サブメニュー」ボタン、4050は、画面上で選択された機能を実行するための「決定」ボタンである。
【0024】
この発明における操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020の入力・提示例について図5〜図10を用いて説明する。図5は、入力文字切換ボタンエリア3040で「かな」が選択された状態で、入力文字ボタンエリア3030で「ち」、「ゅ」、「う」が押下され、入力・表示エリア3020に文字列「ちゅう」が表示された状態を示している。このとき、カテゴリ・タブ3130で、「施設名」5010が選択されていた場合に、候補一覧表示エリア3110に、読みに「ちゅう」を含む「+中部」、「+中央」、「+中国」、「+中越」が表示される。ここで、候補一覧表示エリア3110に表示されている各文字列の先頭に付加されている「+」は、各候補に下位項目があることを表している。
【0025】
ここで、カテゴリ・タブ3130でのタブの選択は、履歴データ部1131に格納されたカテゴリごとの実行の頻度が最も高いカテゴリ(この場合は“施設名”)が自動的に選択されたものとする。また、候補一覧表示エリア3110への候補の表示も同様に、履歴データ部1131に格納されたコンテンツの項目の頻度に基づいて、頻度が高い項目の順に自動的に表示されるものとする。
【0026】
図5で、候補一覧表示エリア3110の「+中央」5020が選択され、入力装置2010が持つ「選択」ボタン等により選択が確定されたものとする。
【0027】
このとき、図6に表示が切り換わり、入力アシスト画面3010の入力・表示エリア3020には、選択された文字列「中央」が表示される。また、候補一覧表示エリア3110には、「中央」の下位項目である「+中央三井信託銀行」、「中央コンタクト」、「+中央図書館」、「+中央労働金庫」が表示される。ここで、候補一覧表示エリア3110に表示されている各文字列の先頭に付加されている「+」は、前記と同様に各候補に更に下位項目があることを表している。
【0028】
図6で、候補一覧表示エリア3110の「+中央図書館」5030が選択され、入力装置2010が持つ「選択」ボタン等により選択が確定されたものとする。
【0029】
このとき、図7に表示が切り換わり、入力アシスト画面3010の入力・表示エリア3020には、選択された文字列「中央図書館」が表示される。また、入力・表示エリア3020にユーザが入力文字ボタンエリア3030の文字ボタン「か」を押下すと、入力・表示エリア3020は、「中央図書館 か」という表示となる。ここで、ユーザは「中央図書館」の指定において、住所を使って詳細に検索したいと考え、カテゴリ・タブ3130において「住所」タブ5040を選択したものとする。そのため、図7の候補一覧表示エリアには、読みが「か」で始まる「+神奈川県」、「+香川県」、「+鹿児島県」が表示される。ここで、候補一覧表示エリア3110に表示されている各文字列の先頭に付加されている「+」は、前記と同様に各候補に更に下位項目があることを表している。
【0030】
図7で、候補一覧表示エリア3110の「+神奈川県」5050をユーザが選択し、入力装置2010が持つ「選択」ボタン等により選択が確定されたものとする。
【0031】
このとき、図8に表示が切り換わり、入力アシスト画面3010の入力・表示エリア3020には、選択された文字列「神奈川県」が、既に選択された「中央図書館」の後ろに続けて表示される。
【0032】
図8で、候補一覧表示エリア3110の「+鎌倉市」5051をユーザが選択し、入力装置2010が持つ「選択」ボタン等により選択が確定されたものとする。
【0033】
このとき、図9に表示が切り換わり、入力アシスト画面3010の入力・表示エリア3020には、選択された文字列「鎌倉市」が、既に選択された「中央図書館 神奈川県」の後ろに続けて表示される。
【0034】
図9で、候補一覧エリア3110には、候補が1つのみになった状態となり、5060の「御成町20−35」が表示される。ここで、5060の「御成町20−35」をユーザが選択し、入力装置2010が持つ「選択」ボタン等により選択が確定されたものとする。(なお、「+鎌倉市」の下位の項目は、「御成町20−35」の1つであるので、図9)の段階で、「鎌倉市御成町20−35」と表示して、ユーザによる操作の手間を削減する構成としても良い。)
【0035】
このとき、図10に表示が切り換わり、入力アシスト画面3010の入力・表示エリア3020には、選択された文字列「御成町20−35」が、既に選択された「中央図書館 神奈川県 鎌倉市」の後ろに続けて表示される。
【0036】
図10で、「決定」ボタン3140が押下されると、入力アシスト画面3010の呼び出し元の機能呼び出し画面1010が、図4に示したカーナビゲーション・システムの初期画面4010の、「ナビ」機能が選択された状態であれば、実行可能な「目的地の設定」、「経由地の設定」、「自宅の設定」等の操作の一覧を表示する画面に切り換わる。
【0037】
図13は、この発明の実施の形態1における動作の流れ図を例示したものである。図4の「入力アシスト」ボタン4070が選択された場合には、図13のステップS8010において、図3に例示したような入力アシスト画面3010が表示される。
【0038】
次に、ステップS8020で、入力・表示エリア3020に文字入力があったか、候補一覧表示エリア3110で候補選択が行われたか、または「決定」ボタン3140が押下されたかを判定する。
【0039】
ステップS8020で、入力・表示エリア3020への文字入力があった場合には、ステップS8030において、操作対象候補検索部1030を呼び出す。
【0040】
次に、ステップS8040では、操作対象候補検索部1030がコンテンツ検索部1070を呼び出す。コンテンツ検索部1070は、入力アシスト画面3010の呼び出し元に応じて、ナビコンテンツ1130、AVコンテンツ1170を検索するための下位の検索部を呼び出す。なお、検索のための索引、および検索の方式については、公知の技術を用いることとし、ここでは詳細な説明を省略する。
【0041】
図11は、コンテンツ検索部1070の検索結果の例を示したものであり、施設名「中央図書館」を選択した際に、“施設名”、“住所”、“ジャンル”、および地図上の位置の対応関係が取得される。この構成を用いて、必ず地図上の位置、すなわち、操作対象として存在する候補が表示されることになる。また、図11において、施設名、住所の欄で、「/」で区切られている部分は、階層構造をもっていることを表している。また、「中央図書館」に対して、図11に示す検索結果が得られることが示すように、ナビコンテンツ1130、AVコンテンツ1170における索引およびその検索方式は、中間一致が可能な方式であるものとする。
【0042】
入力アシスト画面3010の呼び出し元がナビコンテンツ1130である場合には、住所検索部1080、施設名検索部1090、ジャンル検索部1100を呼び出し、入力アシスト画面3010の呼び出し元がAVコンテンツ1170である場合には、楽曲検索部1110、映像検索部1120を呼び出す。なお、図4に示す機能呼び出し画面で選択されている機能が「情報」4040の場合についても同様な動作を行なうため、ここでは記載を省略する。
【0043】
次に、ステップS8050において、操作対象候補検索部1030が操作検索部1050を呼び出し、当該デジタル情報機器全体で実行可能な操作の一覧を取得する。
【0044】
次に、ステップS8060において、図12に例示した操作−コンテンツ対応表1040を操作対象候補検索部1030が呼び出す。操作−コンテンツ対応表1040には、図12に示すようにコンテンツの種別と当該コンテンツに対して可能な操作の一覧が記載されており、入力アシスト画面3010の呼び出し元での機能の選択状態と、ステップS8060で読み込んだ操作を照合して、現時点で可能な操作の一覧を操作対象候補検索部1030の検索結果として生成する。
【0045】
次に、ステップS8070では、操作対象候補検索部1030の検索結果から、現時点で操作可能なコンテンツの項目の候補を候補一覧表示エリア3110に表示し、ステップS8020に戻る。
【0046】
また、ステップS8020で、候補一覧表示エリア3110で候補選択が行なわれた場合には、ステップS8080で、入力・表示エリア3020において、すでに確定した文字列についてはそのまま保持しておき、その文字列の後ろに表示された現在入力中の文字列を、選択された候補の文字列で置換する。例えば、図7において候補一覧表示エリア3110で「+神奈川県」が選択された場合に、図8において入力・表示エリア3020に「中央図書館 か」の代わりに「中央図書館 神奈川県」が表示される場合が該当する。
【0047】
次に、ステップS8090において、候補一覧表示エリア3110にステップS8020で選択された候補の下位項目を表示し、ステップS8020に戻る。例えば、図7において候補一覧表示エリア3110で「+神奈川県」が選択された場合に、図8において候補一覧表示エリア3110に「+鎌倉市」、「+横浜市」、「+平塚市」、「+横須賀市」が表示される場合が該当する。
【0048】
また、ステップS8020で、「決定」ボタン3140が押下された場合には、ステップS8100において、機能実行部1121を呼び出す。ここで、機能実行部1121では、現在のコンテンツに対して実行可能な操作の一覧を図14に例示するような操作選択画面9010を表示する。ユーザが、操作選択画面に表示された操作候補の中から候補9030を選択して「決定」ボタン3140を押下すると、既に、選択されたコンテンツの項目9020に対してデジタル情報機器における実際の操作(この場合は、カーナビゲーション・システムにおける「目的地を設定する」9030という操作)が行なわれる。
【0049】
この実施の形態1は上記のように構成されているため、デジタル情報機器におけるコンテンツおよび操作の指定を容易にし、かつ、実際に存在して操作可能な操作対象の候補に絞って候補を提示するための操作対象候補入力提示装置を実現することができる。
【0050】
実施の形態2.
図15は、この発明の実施の形態2における操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020の入力アシスト画面3010の例である。基本的な動作については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0051】
図15において、10010は、現在、入力・表示エリア3020に表示されているコンテンツの項目に対して実行可能な操作の項目を表示した実行可能操作項目エリアである。図15では、「中央図書館 神奈川県鎌倉市」に対して「目的地設定」、「登録地設定」等の操作が可能であり、「目的地設定」が選択された状態を示している。この状態で、「決定ボタン」3140を押下すると、「中央図書館 神奈川県鎌倉市」に対して、コンテンツ検索が行なわれ、図11に例示した検索結果をもとに、該当する地図上の位置が目的地として設定される。
【0052】
この実施の形態は上記のように構成されているため、少ないユーザ操作でデジタル情報機器に対するコンテンツおよび操作の指定を容易にし、かつ、実際に存在して操作可能な操作対象の候補に絞って候補を提示する操作対象候補入力提示装置を実現することができる。
【0053】
実施の形態3.
図16は、この発明の実施の形態3における操作対象候補提示選択ユーザインタフェース1020の入力アシスト画面3010の例である。基本的な動作については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0054】
図16において、11010は、現在、入力・表示エリア3020に表示されているコンテンツの項目に対して実行可能な操作を表示したものである。図16では、入力アシスト画面3010がナビ機能のサブ機能である「目的地の設定」の設定から呼び出され、これまでのユーザ操作で指定した「中央図書館 神奈川県鎌倉市」に対して、11010に示された「へ行く」という操作(目的地の設定)が可能であることを示している。この状態で、「決定ボタン」3140を押下すると、「中央図書館 神奈川県鎌倉市」に対して、コンテンツ検索が行なわれ、図11に例示した検索結果をもとに、該当する地図上の位置が目的地として設定される。
【0055】
この実施の形態は上記のように構成されているため、少ないユーザ操作でデジタル情報機器に対するコンテンツおよび操作の指定を容易にし、かつ、実際に存在して操作可能な操作対象の候補に絞って候補を提示する操作対象候補入力提示装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明は、カーナビゲーション・システム、ハードディスク(HDD)レコーダー、デジタルTV、携帯電話などの各種デジタルデジタル情報機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1010;機能呼び出し画面、1020;操作対象候補提示選択ユーザインタフェース、1030;操作対象候補検索部、1040;操作−コンテンツ対応表、1050;操作検索部、1060;操作データ部、1070;コンテンツ検索部、1080;住所検索部、1090;施設名検索部、1100;ジャンル検索部、1120;映像検索部、1121;機能実行部、1130;ナビコンテンツ、1131;履歴データ部、1140;住所データ、1150;施設名データ、1160;ジャンルデータ、1110;楽曲検索部、1170;AVコンテンツ、1180;楽曲データ、1190;映像データ、2010;入力装置、2020;制御装置、2030;CPU、2040;主記憶装置、2050;2次記憶装置、2060;出力装置、2070;表示装置、2080;音声出力装置、2090;記録媒体駆動装置、2100;記録媒体、2100;記録媒体、2110;通信装置、3010;入力アシスト画面、3020;入力・表示エリア、3030;入力文字ボタンエリア、3040;入力文字切換ボタンエリア、3060;「戻る」ボタン、3080,4060;「声で入力」ボタン、3090,4070;「入力アシスト」ボタン、3100,4080;「サブメニュー」ボタン、3110;候補一覧表示エリア、3120;スクロール・バー、3130;カテゴリ・タブ、3140,4050;「決定」ボタン、4010;初期画面、4020;「AV機能」ボタン、4030;「ナビ機能」ボタン、4040;「情報機能」ボタン、9010;操作選択画面、10010;実行可能操作項目エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の操作に関するコンテンツの候補の入力を支援する操作対象候補入力提示装置であって、
操作対象のコンテンツに関わるデータの検索を行うコンテンツ検索部と、
操作対象の操作に関わるデータの検索を行う操作検索部と、
操作とコンテンツの対応を記載した操作−コンテンツ対応表と、
前記コンテンツ検索部の検索結果と前記操作検索部の検索結果、および前記操作−コンテンツ対応表からの内容から操作対象候補を検索する操作対象候補検索部と、
操作対象候補検索部への入力および操作対象候補の提示を行う操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部と、
を備えることを特徴とする操作対象候補入力提示装置。
【請求項2】
操作対象候補検索部において、カテゴリごとの使用頻度を記録する履歴データ部を備え、
使用頻度の高いカテゴリを優先して表示することを特徴とする請求項1記載の操作対象候補入力提示装置。
【請求項3】
操作対象候補検索部において、操作対象候補ごとの使用頻度を記録する履歴データ部を備え、
使用頻度の高い操作対象を優先して表示することを特徴とする請求項1記載の操作対象候補入力提示装置。
【請求項4】
操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部において、操作対象候補を選択後に、選択された操作対象候補に対して実行可能な操作の一覧を操作対象候補表示エリアに表示し、表示された操作を選択・決定することで実行可能としたことを特徴とする請求項1記載の操作対象候補入力提示装置。
【請求項5】
操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部において、操作対象候補を表示中に、選択された操作対象候補に対して実行可能な操作の一覧を操作対象候補提示選択ユーザインタフェースの全体画面に表示エリアを設けて表示し、表示された操作を選択・決定することで実行可能としたことを特徴とする請求項1記載の操作対象候補入力提示装置。
【請求項6】
操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部において、選択された操作対象候補を表示するエリア内に、選択された操作対象候補に対して実行可能な操作を表示し、表示された操作を決定することで実行可能としたことを特徴とする請求項1記載の操作対象候補入力提示装置。
【請求項7】
機器の操作に関するコンテンツの候補の入力を支援するためコンピュータに、
操作対象のコンテンツに関わるデータの検索を行うコンテンツ検索ステップ、
操作対象の操作に関わるデータの検索を行う操作検索ステップ、
前記コンテンツ検索部の検索結果と前記操作検索部の検索結果、および操作とコンテンツの対応を記載した操作−コンテンツ対応表の内容から操作対象候補を検索する操作対象候補検索ステップ、
操作対象候補検索部への入力および操作対象候補の提示を行う操作対象候補提示選択ユーザインタフェース部での操作対象候補提示選択ステップ
を実行させるための操作対象候補提示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−53498(P2012−53498A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1681(P2009−1681)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】