説明

改ざん検証機能付き証明書及び該証明書を用いた改ざん検証方法並びに改ざん検証プログラム

【課題】 可視証明書の改ざんを証明書単独で検証する仕組みの提供。
【解決手段】 識別IDが記録されたRFIDタグ302が漉き込まれた証明書の改ざんを検出する改ざん検証に関し、証明書に、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録したRFIDタグ302を漉き込み、且つ識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷し、前記証明書に印刷された各文字と重畳して印刷された識別IDの一部を連結して識別IDを取得し、該取得した識別IDと前記RFIDタグに記録した識別IDとを比較し、該比較の結果、識別IDが一致しない場合に前記重畳印刷された文字が改ざんされたと判断するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等に文字情報を印刷した証明書の改ざんを検出することができる改ざん検証機能付き証明書及び該証明書を用いた改ざん検証方法並びに改ざん検証プログラムに係り、特に住民票や印鑑証明書など紙に印刷した証明書とRFIDタグを組み合わせることにより改ざんを容易に発見することができる改ざん検証機能付き証明書及び該証明書を用いて改ざんを検出方法並びに改ざん検証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に住民票や印鑑証明書など紙に印刷した証明書(印刷物)は、改ざんが許されないものであるが、例えば該証明書をコンピュータ技術を用いてカラー情報として読み取り又は複写し、改ざんすることが考えられる。従来技術における前記改ざん防止技術としては、例えば図5に示す如く、複写時には文字が浮き上がる特性を持つ改ざん防止用紙102を用いて文字101を印刷し、その用紙102が不正にコピー103が行われた際に「無効」等の無効を示す文字105を浮かびあがらせるものが提案されている。
【0003】
この改ざん防止手法の他の例としては、例えば下記特許文献に記載の如く、RFIDタグと可視証明書(印刷物)を組み合わせて改ざんの発見をする仕組みが提案されている。この従来技術は、図6に示す如く、身分証明書やクレジットカード等で改ざんを防止するため、暗号化された識別IDを磁気的又は電子的に記録し且つ印刷された写真等に本人の指紋パターンなどをフーリエ変換したものを重ねて印刷したカード102を用意し、該カード102から識別IDをカード磁気読み取り202を行い、更に復号化203を行って識別ID204を得ると共に、該カード102から写真等を読み取り207を行い、この読み取った写真等の画像データに含まれる指紋パターンなどを逆フーリエ変換208を行い、予め登録した所有者本人の指紋パターン211をフーリエ変換212を行ったものを差し引く処理209を実行してID情報210を抽出し、前述の磁気的等により読み取ったID情報204と画像情報から得たID情報210を比較処理205を行うことによって、改ざんを発見することが記載されている。
【特許文献1】特開平10−275203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の改ざん防止用紙を用いる手法は、印刷物を可視することができ、コピー機等を用いずに見た目に同一内容のものを印刷、例えば電子的写真技術を用いてコピーすることができ、このような証明書と同等の印刷物を発行部署以外で作成しても役所などの発行物と区別できないと言う不具合があった。
【0005】
後述の特許文献記載の技術は、作成時に使用した本人固有の指紋などが読み取り時に必要であるが、役所等の公的機関が発行する証明書(住民票や印鑑証明書)には証明書の使用時に役所固有の識別物を持ち出すことは不可能であるため、改ざん確認時に証明書だけで改ざんされているか否かを発見することができないと言う不具合があった。更に後述の技術は、重畳方式が写真など2次元情報への重畳であり、証明書などの文字情報だけの場合、適用することができないと言う不具合があった。
【0006】
本発明の目的は、前記従来技術の不具合を除去することであり、可視化された証明書に対する改ざんを検出でき、更に可視化された証明書が改ざんされた場合でもどの文字が改ざんされたかを検出できるようにした改ざん検証機能付き証明書及び該証明書を用いた改ざん検証方法並びに改ざん検証プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、RFIDタグを漉き込んだ紙の上に証明書内容事項を印刷した改ざん検証機能付き証明書であって、前記RFIDタグが、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録し、前記証明書が、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷されていることを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明は、書き換え不可型RFIDタグと書き換え可能型RFIDタグをそれぞれ漉き込んだ紙の上に証明書内容事項を印刷した改ざん検証機能付き証明書であって、識別IDを記録した書き換え不可型RFIDタグと、前記証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データを書き換え可能に記録した書き換え可能型RFIDタグと、前記証明書が、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷されていることを第2の特徴とする。
【0009】
更に本発明は、前記何れかの改ざん検証機能付き証明書において、前記証明書に印刷する文字数が前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換した文字数より多いとき、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換した文字の最後まで前記印刷文字と重畳して印刷され、残りの印刷文字に前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換した文字の最初から順次重畳して印刷されていることを第3の特徴とする。
【0010】
また本発明は、識別IDが記録されたRFIDタグが漉き込まれた証明書の改ざんを検出する改ざん検証方法であって、前記証明書に、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録した前記RFIDタグを漉き込み、且つ前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷し、前記証明書に印刷された各文字と重畳して印刷された識別IDの一部を連結して識別IDを取得し、該取得した識別IDと前記RFIDタグに記録した識別IDとを比較し、該比較の結果、識別IDが一致しない場合に前記重畳印刷された文字が改ざんされたと判断することを第4の特徴とする。
【0011】
更に本発明は、前記第4の特徴による改ざん検証方法において、前記分割された識別IDと各文字とを重畳して印刷するとき、前記識別IDと文字をそれぞれフーリエ変換して周波数ドメイン情報に変換し、該変換した周波数ドメイン情報について重畳して印刷する文字どうしを加算したものを逆フーリエ変換にて印刷イメージに変換して印刷し、前記証明書の改ざんを検出するとき、印刷イメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報から文字のみのイメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報を減算して、識別IDを得ることを第5の特徴とする。
【0012】
また本発明は、識別IDが記録されたRFIDタグが漉き込まれた証明書の改ざんをコンピュータを用いて検出する改ざん検証プログラムであって、前記コンピュータに、前記証明書に漉き込んだRFIDタグに、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録する機能と、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割する機能と、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷する機能と、前記証明書に印刷された各文字と重畳して印刷された識別IDの一部を連結して識別IDを取得する機能と、該取得した識別IDと前記RFIDタグに記録した識別IDとを比較する機能と、該比較の結果、識別IDが一致しない場合に前記重畳印刷された文字が改ざんされたと判断する機能とを実行させることを第6の特徴とする。
【0013】
前記第6の特徴の改ざん検証プログラムにおいて、分割された識別IDと各文字とを重畳して印刷する機能が、前記識別IDと文字をフーリエ変換して周波数ドメイン情報に変換する機能と、該変換した周波数ドメイン情報を加算したものを逆フーリエ変換にて印刷イメージに変換して印刷する機能を含み、前記証明書の改ざんされたと判断する機能が、印刷イメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報から文字のみのイメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報を減算して、識別IDを得ること機能とを含むこと第7の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、証明書に漉き込んだRFIDタグが、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録し、前記証明書が、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷し、このRFIDタグから得られる識別IDと印刷文字に含ませた識別IDを比較することによって、可視化された文字の改ざんを容易に検証することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明による改ざん検証機能付き証明書及び該証明書を用いた改ざん検証方法並びに改ざん検証プログラムを図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるRFIDタグを漉き込んだ証明書用紙の外観図、図2は本実施形態によるRFIDタグに記録した情報と印刷した可視情報との関係図、図3は本実施形態によって印刷を行う可視イメージの作成方法を示す図、図4は本実施形態による改ざん検証方法の作成方法を示す図。
<構成説明>
【0016】
本実施形態によるRFIDタグを漉き込んだ証明書は、図1に示す如く、用紙に書き換え不可能なRFIDタグ301と書き換えが可能なRFIDタグ302を漉き込み、且つ文字情報を可視的印刷303として印刷して構成される。前記RFIDタグは、書き換え可能なRFIDタグ302のみであっても良い。前記書き換え不可能なRFIDタグ301を設ける理由は、一般にRFIDタグの内容改ざんが技術的に不可能とされているが書き換え技術が出てくる可能性を考慮し、書き換え不可のRFIDタグ302に識別番号を持つことによって書き換え型RFIDタグ301が改ざんされた場合に、証明書としては改ざんされたものとして発見するためである。
【0017】
前記書き換え不可能RFIDタグ301に書き込む情報は、図2の符号401に示す如く、固有な数字の集合(固有番号)である識別ID、例えば「456」であり、書き換え可能なRFIDタグ302に書き込む内容は、符号402に示す如く、後述する用紙に印刷する文字数(分解数)と、この文字毎の文字コード/印字位置X(X座標)/印字位置Y(Y座標)/大きさ(文字ポイント)の各項目である。具体的に説明すると、符号403に示す如く、用紙の可視的内容が「和歌山県他」の5文字のとき、前記分解数が「5」、1文字目の文字コードが「和」、印字位置Xが「10」、印字位置Yが「20」、大きさが「20」の如く格納される。
【0018】
また本実施形態による証明書は、図2の符号404に示す如く、前記識別IDをフーリエ変換したものを文字情報、例えば「和歌山県他」に重畳して印刷する。この識別IDは暗号化して重畳する場合と暗号化なしのどちらかを選択でき、暗号化する場合の重畳方法は、識別IDを役所等の発行主体の電子証明書の秘密鍵で暗号化するのが好ましい。
【0019】
前記暗号化済みの識別IDは、印刷された文字(画像も含む)に重畳して印刷を行うが暗号化された識別IDも暗号強度から128バイト以上を採用するため識別IDが128バイト以上になることもある。長い識別IDの重畳による可視的差が出ないように暗号化された識別IDと印刷文字を互いにN個のグループに分ける。Nは可視化の差が出ない最小の任意の数でよいが、暗号化された識別IDの長さと印刷文字の数との少ない数とする。ここでは印刷文字数の方が識別IDの長さより小さい場合で説明する。この場合、印刷文字数がNとなる。
<印刷動作説明>
【0020】
この暗号化済みの識別IDの印刷手順は、図3に示す如く、何も文字を印字していない状態の証明書(用紙)のRFIDタグ301から識別IDを読み取り(ステップ501)、次いで該証明書に印刷する文字を読み込み(ステップ502)、この読み込んだ文字数を一文字ずつに分解し、その文字の印刷位置/大きさを書き換え可能なRFIDタグ302に書き込み(ステップ504)、次いで文字数をカウントしてRFIDタグ302に書き込み(ステップ505)、更に前記読み込んだ識別IDをN個に分解し(ステップ505:この分解したものを識別ID1,2,3・・・と呼ぶ)、印刷文字の順番を特定するための順序IDを準備する(ステップ506。これを順序ID1,2,3と呼ぶ)。この順序IDは、順序を表すIDで公開された数字(整数等)から成り、これら識別IDと順序IDとを連結する。
【0021】
次いで当該印刷処理手順は、前記文字数Nが順序IDより大きいか否かを判定し(ステップ507)、大きいと判定したとき、最初の印刷文字をイメージ展開並びにフーリエ変換処理を行って周波数ドメインの情報に変換し(ステップ508)、更に識別ID1と順序ID1を連結した物を前記周波数ドメインの情報でエネルギーの強い周波数成分に加算し(ステップ509)、この加算した結果を逆フーリエ変換で周波数ドメインから2次元の画像に変換し(ステップ510)、印字位置と大きさの情報を元に印刷を行う(ステップ511)。本処理は、前記ステップ507において、前記文字数Nが順序IDより大きくないと判定したとき、即ち前記ステップ508〜509により全ての文字の印刷を行ったことを判定したとき、書き換え可能RFIDタグ302へ記録したデータ(識別ID)を秘密鍵を用いて暗号化して処理を終了する(ステップ512)。
【0022】
前記処理によって印字された文字は、暗号化された識別IDと順序IDが重畳されているが可視的には重畳していないものと同様のものを印字することができる。
<改ざん検証動作説明>
【0023】
次に本実施形態による証明書の改ざん検証方法を図4を参照して説明する。本実施形態による改ざん検証方法は、前述の実施形態により作成した証明書の可視化された内容に改ざんがないかを検証するものであって、まず、役所等の発行主体の電子証明書の公開鍵を入手しておき、この公開鍵を用いてRFIDタグの暗号化の解読(ステップ602)し、次いでRFIDタグから文字コード/分解数N/印刷(印字)位置/大きさを読み取り(ステップ603)、更に証明書全体をイメージスキャナで読み取る(ステップ604)。この証明書全体を読み込んだイメージデータを印刷全体イメージと呼ぶ。
【0024】
次いで本処理は、前記文字数Nが順序IDより大きいか否かを判定し(ステップ507)、大きいと判定したとき、N番目の文字の印刷位置と大きさを基に前記印刷全体イメージの該当部分を特定して切り出し(ステップ606:切り出した印刷文字の画像データを印刷文字イメージNと呼ぶ)、前記ステップ604により読み取った印刷全体イメージから文字イメージを作成し(ステップ607:この文字イメージを原本文字イメージNと呼ぶ)、前記印刷文字イメージNにフーリエ変換を施して周波数ドメインの情報を作成(ステップ608)すると共に前記原本文字イメージNにフーリエ変換を施して周波数ドメインの情報を作成し(ステップ609)、前記ステップ608及び609で作成した周波数ドメインの減算により差を取って識別IDN(N文字目の識別ID)と順序IDN(N文字目の順序ID)を合成したものを抽出する。
【0025】
前記ステップ605において、前記文字数Nが順序IDより大きくないと判定したとき、即ち前記ステップ606〜610により全ての文字に対する識別IDN及び順序IDNの抽出を終了したとき、前記抽出した全ての文字のN個に分かれた識別IDを合成し(ステップ611)し、前記ステップ601で書き換え不可なRFIDタグから読み取った識別IDと比較し(ステップ612)、該ステップ612により書き換え不可なRFIDタグから読み取った識別IDと画像イメージとして読み取った識別IDとが不一致のときには改ざんがあったと判定する(ステップ618)。
【0026】
前記ステップ612において識別IDが一致したとき、本処理は、次いで順序ID(1〜N)が順番に並んでいるかの判定(ステップ613)と、この順序IDが連番か否かを判定し(ステップ614)、該ステップ613及び614において順番でないとき及び連番でないと判定したときには改ざんがあったと判定する(ステップ618)。
【0027】
前記ステップ614において順序IDが連番であると判定したとき、本処理は、前記ステップ606で読み取った印刷文字イメージNで切り取った残りのイメージが空白か否かを検証し(ステップ615)、空白を検出したときに改ざんなしとて処理を終了する(ステップ617)。前記ステップ615における検証は、RFIDタグの一文字ごとの印刷位置/大きさの情報から証明書全体から印刷した部分をのぞいた部分を抽出してその部分は空白(白紙)であることを確認する処理である。
【0028】
本実施形態においては、分割数Nが識別IDの長さに比べて大きい場合、分解された識別ID1,2,3・・・がN個に満たないため、同じIDが複数個存在することになり、この場合読みとった文字全体量は改ざんされていないと判断できる。更に本実施形態においては文字間に順序が入れ替わっていても認識IDが復元されることを防止するため、ステップ612及び614において順序IDを検証して順序ID順に並んでいること並びにを含めて検証することにより改ざんの有無を証明することができる。
【0029】
更に本実施形態においては、改ざんがあった場合、RFIDタグに記載されている識別IDと順序IDと印刷文字から検出した識別番号と順序IDを比較することにより改ざん位置を特定することができる。このことは改ざんが限定的な場合は証明書として使用することが可能な場合もあるので改ざん位置が特定できる効果がある。
【0030】
前記図3及び図4を参照して説明した処理手順は、フローの各ステップをそれぞれプログラムコード化して完成したプログラムをCD−ROMなどの記録媒体に記録しておけば、証明書の改ざん検知者がコンピュータに記録媒体を装着し、プログラムをインストールして実行させることにより本実施形態を実現することが出来る。また、インターネットのホームページなどに本実施形態にプログラムを掲載し、ダウンロードして使用できるようにすれば汎用化することもできる。
【0031】
尚、前述の実施形態による各処理はコンピュータシステムを用いて行われるものであって、このコンピュータシステムには、RFIDタグへの情報のリードライト装置、証明書の印刷装置、証明書のイメージデータを読み取るイメージリーダが含まれるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明による改ざん検証機能付き証明書及び該証明書を用いた改ざん検証方法並びに改ざん検証プログラムは、役所の証明書以外にも可視文書の改ざんの有無を証明する技術として使用することができ、可視文書が文字列から構成されていればどのような文書でも改ざんの有無を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態によるRFIDタグを漉き込んだ証明書用紙の外観図。
【図2】本実施形態によるRFIDタグに記録した情報と印刷した可視情報との関係図。
【図3】本実施形態によって印刷を行う可視イメージの作成方法を示す図。
【図4】本実施形態による改ざん検証方法の作成方法を示す図。
【図5】従来技術による可視証明書の改ざん検証方式を説明するための図。
【図6】従来の身分証明書などの可視情報と磁気情報による改ざん検証方式を説明するための図。
【符号の説明】
【0034】
301:書き換え不能なRFIDタグ、302:書き換え可能なRFIDタグ、303:可視的印刷。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを漉き込んだ紙の上に証明書内容事項を印刷した改ざん検証機能付き証明書であって、
前記RFIDタグが、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録し、
前記証明書が、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とが重畳して印刷されていることを特徴とする改ざん検証機能付き証明書。
【請求項2】
書き換え不可型RFIDタグと書き換え可能型RFIDタグをそれぞれ漉き込んだ紙の上に証明書内容事項を印刷した改ざん検証機能付き証明書であって、
識別IDを記録した書き換え不可型RFIDタグと、
前記証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データを書き換え可能に記録した書き換え可能型RFIDタグと、
前記証明書が、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とが重畳して印刷されていることを特徴とする改ざん検証機能付き証明書。
【請求項3】
前記証明書に印刷する文字数が前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換した文字数より多いとき、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換した文字の最後まで前記印刷文字と重畳して印刷され、残りの印刷文字に前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換した文字の最初から順次重畳して印刷されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検証機能付き証明書。
【請求項4】
識別IDが記録されたRFIDタグが漉き込まれた証明書の改ざんを検出する改ざん検証方法であって、
前記証明書に、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録した前記RFIDタグを漉き込み、且つ前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割し、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷し、
前記証明書に印刷された各文字と重畳して印刷された識別IDの一部を連結して識別IDを取得し、該取得した識別IDと前記RFIDタグに記録した識別IDとを比較し、該比較の結果、識別IDが一致しない場合に前記重畳印刷された文字が改ざんされたと判断することを特徴とする改ざん検証方法。
【請求項5】
前記分割された識別IDと各文字とを重畳して印刷するとき、前記識別IDと文字をそれぞれフーリエ変換して周波数ドメイン情報に変換し、該変換した周波数ドメイン情報について重畳して印刷する文字どうしを加算したものを逆フーリエ変換にて印刷イメージに変換して印刷し、
前記証明書の改ざんを検出するとき、印刷イメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報から文字のみのイメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報を減算して、識別IDを得ることを特徴とする請求項4に記載の改ざん検証方法。
【請求項6】
識別IDが記録されたRFIDタグが漉き込まれた証明書の改ざんをコンピュータを用いて検出する改ざん検証プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記証明書に漉き込んだRFIDタグに、識別IDと該証明書に印刷される文字単位の文字コードと印刷位置等の属性データとを記録する機能と、前記識別ID又は該識別IDをフーリエ変換したデータを印刷文字数の数で分割する機能と、該分割した識別ID及び文字とを重畳して印刷する機能と、前記証明書に印刷された各文字と重畳して印刷された識別IDの一部を連結して識別IDを取得する機能と、該取得した識別IDと前記RFIDタグに記録した識別IDとを比較する機能と、該比較の結果、識別IDが一致しない場合に前記重畳印刷された文字が改ざんされたと判断する機能とを実行させることを特徴とする改ざん検証プログラム。
【請求項7】
前記分割された識別IDと各文字とを重畳して印刷する機能が、前記識別IDと文字をフーリエ変換して周波数ドメイン情報に変換する機能と、該変換した周波数ドメイン情報を加算したものを逆フーリエ変換にて印刷イメージに変換して印刷する機能を含み、
前記証明書の改ざんされたと判断する機能が、印刷イメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報から文字のみのイメージデータをフーリエ変換して得た周波数ドメイン情報を減算して、識別IDを得ること機能とを含むこと特徴とする請求項6に記載の改ざん検証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−319729(P2006−319729A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141028(P2005−141028)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】