説明

放射性硝酸塩廃液処理装置

【課題】放射線管理区域内に設置され、且つ高い硝酸塩濃度の廃液を効率的に微生物処理することができる放射性硝酸塩廃液処理装置を提供する。
【解決手段】硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液11中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽12と、該脱窒槽12で処理された脱窒処理液24を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽14とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、前記脱窒槽12及び前記再曝気槽14から排出される余剰汚泥26A、26Bを溶解する汚泥溶解槽81を有してなり、該汚泥溶解槽81に汚泥溶解剤として過酢酸80を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源22として前記脱窒槽12に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水中に含まれる硝酸を除去することが可能な放射性硝酸塩廃液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再処理工場などの原子力施設から発生する硝酸塩廃液は高濃度(塩濃度が1%以上)であると共に、放射性であるため、そのままでは放流できず、最終的にはセメント固化体などに成型して埋設処分することになっている。
【0003】
近年、セメント固化体が硝酸塩を含有する場合、この硝酸塩が漏水し、周辺の地下水、土壌環境を汚染することが懸念され、硝酸塩を分解することが検討されている。
【0004】
硝酸塩を処理する方法として、電気還元法、化学還元法、生物還元法などがあるが、電気還元法では、重金属のよる阻害、アンモニアの発生等の問題を有している。
また、化学還元法では、発熱反応、アンモニアの発生等の問題を有している。
【0005】
一方、生物還元法では、常温常圧で処理ができると共に、アンモニアの発生もないため、生物処理により硝酸塩を処理する方法が検討されている(特許文献1)が、特許文献1の方法では使用する炭素源が1種類であるために、硝酸還元処理に伴って発生する余剰汚泥量が増え、2次廃棄物処分費が増大するという課題を有している。
【0006】
図6は、従来の生物を利用した放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
図6に示すように、従来の放射性硝酸塩廃液処理装置100は、図示しない原子力施設から発生する硝酸塩廃液101中の硝酸を窒素ガスに還元処理する脱窒槽102と、脱窒された脱窒液103を活性汚泥と曝気混合する再曝気槽104と、該再曝気槽104から排出された脱窒処理液である再曝気液105を沈澱した汚泥106と処理液107とに分離する沈澱槽108とを有するものである。
【0007】
前記脱窒槽102には、図示しない脱窒菌を多量に含有する活性汚泥が含まれており、該脱窒槽102において硝酸廃液中の硝酸イオンは嫌気性微生物(脱窒菌)の働きにより下記式(1)の反応で窒素ガス(N2)に還元され、硝酸廃液中から除去される。
この時、脱窒槽102には、炭素源121として例えばメタノールと、pH調整剤120が供給される。また、脱窒槽102内は攪拌機110により攪拌されている。
NO3-+5/6CH3OH→1/2N2+5/6CO2+7/6H2O+OH-・・・(1)
【0008】
その後、再曝気液105は再曝気槽104から沈澱槽108を経て、処理液107として図示しない後の工程に送られる。また、沈澱槽108に沈澱した汚泥106は、循環ポンプ111によって余剰汚泥131として回収される。また、沈澱槽108に沈澱した汚泥106の一部は、返送汚泥供給ライン112を介して脱窒槽102に返送され、再利用されている。再利用されない汚泥は余剰汚泥131として系外に引き抜かれ、図示しない処分工程に送られる。
【0009】
また、微生物含有汚泥中の嫌気性脱窒菌により、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を窒素に還元するための微生物処理工程を含む複数の処理槽を持った硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置が利用されている(特許文献2)。
【0010】
【特許文献1】特許第3697037号公報
【特許文献2】特開2007−105627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の硝酸塩廃液処理装置100では、硝酸塩廃液101中の硝酸塩の濃度が低い場合(塩濃度が1%未満)には、脱窒菌が死滅することはなかったが、硝酸塩廃液101中の硝酸塩の濃度が高濃度(例えば、1〜7%程度)の場合には、生物脱窒反応に伴うpHの上昇により前記脱窒菌が死滅してしまうおそれがある、という問題がある。
【0012】
また、硝酸塩廃液101中の硝酸塩の濃度が高濃度(例えば、1〜7%程度)の場合には、浸透圧の上昇により生体内から水が浸出し、生態を維持できずに死滅するので、汚泥フロックの微細化が発生し、汚泥106が沈殿槽108において沈殿しなくなり、この結果、処理液107と共に後側に流出してしまう、という問題がある。
【0013】
また、脱窒槽102において供給する炭素源121を変更(例えば酢酸などの有機酸や糖類等)することにより、微生物の増殖が発生し、余剰汚泥131の発生量が増大し、処分量が増加する、という問題がある。
【0014】
この余剰汚泥131の発生量の増大は、原子力施設にとっては、二次廃棄物は固化体として埋設処分されるため、処分するために膨大な費用がかかる、いわゆる、二次廃棄物量を削減する必要がある、という問題がある。
【0015】
また、放射性硝酸塩廃液を処理する設備は、放射線管理区域内に設置する必要があるため、その処理設備をコンパクトにする必要がある、という要望がある。
【0016】
また、これと共に、二次廃棄物量を削減する必要がある、という要望がある。
【0017】
さらには、放射線管理区域内に設置する微生物処理システムとしては、反応、性能の安定化を図る必要がある、という要望がある。
【0018】
本発明は、前記問題に鑑み、放射線管理区域内に設置され、且つ高い硝酸塩濃度の廃液を効率的に微生物処理することができる放射性硝酸塩廃液処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、前記脱窒槽及び前記再曝気槽から排出される余剰汚泥を溶解する汚泥溶解槽を有してなり、該汚泥溶解槽に汚泥溶解剤を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源として前記脱窒槽に供給することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0020】
第2の発明は、第1の発明において、前記汚泥溶解剤が、過酢酸又はpH12以上の硝酸塩廃液であることを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0021】
第3の発明は、硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、前記脱窒槽及び前記再曝気槽から排出される余剰汚泥を溶解する汚泥溶解槽を有してなり、該汚泥溶解槽に過酢酸を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源として前記脱窒槽に供給すると共に、酢酸を脱窒槽に供給することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0022】
第4の発明は、硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、前記脱窒槽及び前記再曝気槽から排出される余剰汚泥を溶解する汚泥溶解槽を有してなり、該汚泥溶解槽にpH12以上の硝酸塩廃液を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源として前記脱窒槽に供給すると共に、硝酸塩廃液を脱窒槽に供給することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0023】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記脱窒槽が、前記硝酸塩廃液のpHを調整するpH調整剤を供給するpH調整手段と、前記活性汚泥で処理された脱窒液を、汚泥を含む固形分と脱窒処理液とに分離する第一の固液分離手段と、該第一の固液分離手段の下部側に設けられ、前記脱窒槽内に酸素を含まないガスを供給するガス供給手段とを有すると共に、前記再曝気槽が、前記活性汚泥で処理された脱窒処理液を、余剰汚泥と処理液とに更に分離する第二の固液分離手段と、該第二の固液分離手段の下部側に設けられ、前記再曝気槽内に空気を供給する空気供給手段と、を有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0024】
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、前記脱窒槽の脱窒液のpHが、7.0〜10.0であることを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0025】
第7の発明は、第1又は2の発明において、前記脱窒槽において、前記微生物が前記脱窒液中の前記硝酸と反応することにより生成される窒素ガス及び二酸化炭素を前記脱窒槽に循環させるガス循環ラインを有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0026】
第8の発明は、第5の発明において、前記第一の固液分離手段及び前記第二の固液分離手段が、固液分離膜であることを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0027】
第9の発明は、第4の発明において、前記汚泥溶解槽から排出される硝酸塩廃液中の有機炭素を分析する全有機炭素測定装置と、前記汚泥溶解槽から排出される硝酸塩廃液中の窒素化合物における窒素の量を測定する全窒素計測装置とを有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【0028】
第10の発明は、第1乃至9のいずれか一つの発明において、前記脱窒槽の上流側に調整槽を設けてなり、前記調整槽が、電気伝導度を測定する電気伝導(EC)計と、工業用水導入ラインと、該工業用水導入ラインに介装され、前記電気伝導計の測定値に基づいて工業用水供給量を調整する工業用水供給量調整バルブとを有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置にある。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、余剰汚泥一部を汚泥溶解槽に供給し、ここで汚泥溶解剤として過酢酸等を用いて分解させることにより、増殖した微生物を死滅させると共に、該死滅させた微生物が有機物であるので、脱窒槽に供給する炭素源して用いることができる。
【0030】
また、脱窒槽において、活性汚泥で処理された脱窒液を、汚泥を含む固形分と脱窒処理液とに分離する第一の固液分離手段を有すると共に、再曝気槽において処理された再曝気液を、汚泥を含む固形分と再曝気処理液とに更に分離する第二の固液分離手段とを有しているため、微細化した汚泥が処理液と共に各々流出するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0032】
本発明による実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置を示す概念図である。
図1に示すように、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aは、硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液11中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽12と、該脱窒槽12で処理された脱窒処理液24を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽14とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、前記脱窒槽12及び前記再曝気槽14から排出される余剰汚泥26A、26Bを溶解する汚泥溶解槽81を有してなり、該汚泥溶解槽81に汚泥溶解剤として過酢酸80を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源22として前記脱窒槽12に供給するものである。
【0033】
ここで前記脱窒槽12が、硝酸塩廃液11のpHを調整するpH調整剤21を供給するpH調整手段(図示せず)と、脱窒槽12に炭素源22を供給する炭素源供給手段(図示せず)と、前記活性汚泥で処理された脱窒液23を汚泥(余剰汚泥26A)を含む固形分と処理液とに分離する第一の固液分離手段である第一の固液分離膜25と、該第一の固液分離膜25の下部側に設けられ、脱窒槽12内に酸素を含まないガス(例えば、窒素ガス(N2)、炭酸ガス(CO2)の何れか一方又は両方)を供給するガス供給手段30とを有すると共に、再曝気槽14が、前記活性汚泥で処理された脱窒処理液24を再曝気処理し、再曝気液29を余剰汚泥26Bと再曝気処理液27とに更に分離する第二の固液分離膜28と、該第二の固液分離手段である第二の固液分離膜28の下部側に設けられ、前記再曝気槽14内に空気をブロワ35により供給する空気供給手段34とを有するものである。
また、前記第一の固液分離膜25と第二の固液分離膜28の下部には、各々ガス供給手段30と空気供給手段34とを有し、供給ガスの上昇に伴って、活性汚泥混合液が分離膜表面を通過する際に、液のみが膜を透過して固液分離が行われる。膜の表面には分離された後の活性汚泥が付着するが、膜表面は前記供給ガス流によって常に洗浄されるため、膜表面に付着した活性汚泥は洗浄除去され、常に清浄な膜表面で固液分離を行うことが出来る。なお、図1中、符号P1は脱窒処理液24を再曝気槽14に供給する脱窒処理液供給ポンプ、符号P2は再曝気処理液27を送出する再曝気処理液供給ポンプを図示する。
【0034】
本実施例では、脱窒槽12と再曝気槽14からの余剰汚泥26A、26Bの一部を余剰汚泥供給ラインL1により汚泥溶解槽81に供給し、ここで汚泥溶解剤として過酢酸80を用いて分解させることにより、増殖した微生物を死滅させると共に、該死滅させた微生物が有機物であるので、脱窒槽12に供給する炭素源22として用いるようにしている。
【0035】
また、汚泥溶解剤として過酢酸80を用いているので、その分解により酢酸が生成され、この酢酸も炭素源22としてなるので、別途炭素源を添加又は炭素源の添加の削減となる。
すなわち、本来の脱窒反応に寄与するものを余剰汚泥から得ることができるものとなる。よって、余剰汚泥の溶解に過酢酸80を用いるのみならず、分解物の有機物と酢酸は脱窒槽12の炭素源22として用いることができるので、有効利用を図ることができる。
なお、微生物を死滅させるものとして、過酢酸以外に、例えば塩素やオゾン等を用いることもできるが、これらは余剰汚泥の溶解には寄与するものの、その後に脱窒槽に供給することはできず、悪影響のみを与えることとなり、好ましくない。
【0036】
また、余剰汚泥は、溶解された後、炭素源として再利用され、炭酸ガスとして放出されるので、二次廃棄物の発生量の低減を図ることもできる。
【0037】
さらに、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、第一の固液分離膜25と第二の固液分離膜27とを、それぞれ脱窒槽12と再曝気槽14に設けているため、微細化した汚泥は完全に脱窒液23、又は再曝気液29と分離することができることとなる。これにより、汚泥の流出を防ぐことができる。ここで、第一の固液分離膜25と第二の固液分離膜27の種類としては特に限定されるものではないが、例えば平膜、中空糸膜等の公知の固液分離膜を用いるようにすればよい。
【0038】
この結果、微細化した汚泥を脱窒処理液24、又は再曝気処理液27と完全に分離することで、排出される再曝気処理液27の浮遊物質(SS)濃度の低減化を図ることができる。
【0039】
また、脱窒槽12内に第一の固液分離膜25を設置することにより、脱窒菌の流出を防止できると共に、他の菌の混入もないことから、脱窒槽12内で増殖する脱窒菌のみが大量に槽内に存在することになる。その結果、十分な量の汚泥を確保することができ、脱窒槽12内の汚泥濃度を高濃度に維持することができるため、脱窒槽12の脱窒性能を高く維持することができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0040】
また、脱窒槽12内の汚泥濃度を高濃度に維持することできるため、脱窒槽12の脱窒性能を高くすることができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0041】
また、第一の固液分離膜25及び第二の固液分離膜27を設けることにより、硝酸塩廃液11中に含まれる粒子状の放射性物質も再曝気液29から分離することができるため、外部に排出される再曝気処理液27の放射能濃度を低くすることができ、再曝気処理液27の放射能濃度の低減化を図ることができる。
【0042】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、脱窒槽12の脱窒液23中のpHは、7.0〜10.0に調整するのがよい。またpHを8.0〜9.5、更にはpHを8.0〜9.0とするのが好ましい。これは、脱窒液23中のpHが10.0を超えると、微生物が死滅するからである。また、pHが7.0未満であると、微生物の窒素ガスの還元処理の反応の反応速度が低下するためである。
【0043】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、脱窒槽12の第一の固液分離膜25の下部側(槽の底面側)には、脱窒槽12の脱窒液23中に酸素ガスを含まないガス(例えば窒素ガス等)を散気管30により供給するようにしている。これは、硝酸塩廃液11中に酸素が存在すると、嫌気性微生物の窒素ガスの還元処理の反応が良好に進行しないためである。
【0044】
また、前記散気管30を介して脱窒槽12内の脱窒液23中に窒素ガスを供給することにより、脱窒槽12内の脱窒液23を強制的に攪拌することができ、微生物の窒素ガスの還元処理の反応を促進することができる。また、第一の固液分離膜25の下方側から散気管30を介して窒素ガスを供給するようにしているので、第一の固液分離膜25に付着する活性汚泥を除去することとなり、ガス洗浄効果により膜の目詰りを防止することができる。
【0045】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、ガス供給手段より窒素ガス(N2ガス)を供給するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば炭酸ガス(CO2ガス)や不活性ガス等の酸素を含まないガスであればいずれでもよい。
【0046】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、脱窒槽12で発生した窒素ガス(N2)、二酸化炭素ガス(CO2)はガス排出ライン31を介して外部に放出される。
【0047】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、活性汚泥は、当初、下水汚泥や産業排水処理で用いられている汚泥を種汚泥として投入し、活性汚泥濃度が例えば約5,000〜20,000mg/L程度に達するまで増殖させたものを用いることができる。活性汚泥は、粒状担体や繊維状担体により保持することもできるが、本発明の好適な実施の形態ではこれらの各種担体を用いず、浮遊性の活性汚泥を用いることが好ましい。
【0048】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、炭素源22として、前記余剰汚泥分解物を用いることができるが、別途外部から供給する場合には、リン酸等の有機酸を用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、pH調整剤21として硫酸、塩酸等を用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、活性汚泥中に含まれる微生物としては、脱窒槽12では、脱窒性能が発揮される公知の嫌気性微生物を用いることができる。また再曝気槽14では再曝気用の公知の好気性微生物を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0051】
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aにおいては、固液分離手段として固液分離膜を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、汚泥と液体とを分離できるようなものであればよい。
【0052】
以上説明したように、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aによれば、余剰汚泥26A、26Bの一部を汚泥溶解槽81に供給し、ここで汚泥溶解剤として過酢酸80を用いて分解させることにより、増殖した微生物を死滅させると共に、該死滅させた微生物が有機物であるので、脱窒槽12に供給する炭素源22とすることができる。
また、汚泥溶解剤として過酢酸80を用いているので、その分解により酢酸が生成され、この酢酸も炭素源22としてなるので、別途炭素源を添加又は炭素源の添加の削減となる。
【0053】
さらに、第一の固液分離膜25及び第二の固液分離膜27を、それぞれ脱窒槽12及び再曝気槽14内に設けているため、微細化した汚泥は脱窒処理液24及び再曝気処理液27と完全に分離することができる。このため、汚泥の流出を防ぐことができる。また再曝気槽14から排出され、別途処理される再曝気処理液27中の浮遊物質(SS)濃度を改善することができる。
【0054】
また、脱窒槽12内に十分な量の汚泥を確保することができるため、脱窒槽12内の汚泥濃度を高濃度に維持することできるため、脱窒槽12の脱窒性能を高く維持することができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0055】
また、脱窒槽12において、前記嫌気性微生物が脱窒液23中の前記硝酸と反応することにより生成される窒素ガス(N2)及び二酸化炭素ガス(CO2)を脱窒槽12内に循環させるガス循環ライン(図示せず)をガス排出ライン31Aの一部から分岐して設けるようにしている。
【0056】
この結果、脱窒槽12で発生した窒素ガス(N2)及び二酸化炭素ガス(CO2)をガス循環ラインに介装されたブロワにより散気管30に送給し、脱窒槽12に導入することができる。
これにより、脱窒槽12内の微生物反応で発生した窒素ガス(N2)、二酸化炭素ガス(CO2)を再循環させて脱窒槽内で再利用して用いることにより、図1に示すような酸素を含まないガスを供給する窒素ガス供給手段を別途設ける必要がなくなる。この結果、窒素ガス供給手段及びガス購入費を削減することができる。
【0057】
[試験例]
本実施例に係る装置を用い、原水硝酸態窒素濃度が6700〜9200mg/L(塩濃度:4.0〜5.5%)のものを、炭素源としてメタノールと酢酸を用いて、試験温度20〜25℃(室温)で脱窒試験を行った。
脱窒槽に第一の固液分離膜を設けない場合には、脱窒性能が2kg−N/m3/dであったものが、脱窒槽に第一の固液分離膜を設けた場合には、脱窒性能が7kg−N/m3/dに向上した。
脱窒槽に第一の固液分離膜を設けた場合の脱窒性能である7kg−N/m3/dを維持すると同時に、余剰汚泥の発生量を2/3以下に、また、炭素源添加量(過酢酸+酢酸)を1/2以下に低減することができた。
【実施例2】
【0058】
本発明による実施例2に係る放射性硝酸塩廃液処理装置について、図2を参照して説明する。
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Bは、前記図1に示した実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aの構成と略同様であるため、前記図1に示した実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置と同一構成には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図2は、本発明の実施例2に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。図2に示すように、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Bは、汚泥溶解槽81に添加する汚泥溶解剤としてpH12以上の硝酸塩廃液(原液)83を用いるようにしたものである。
本実施例では、過酢酸の代わりに、アルカリ性(pH12以上)の硝酸塩廃液(原液)を用いるようにしているので、余剰汚泥26A、26Bがアルカリ条件下で溶解し、有機物の溶解液となる。この溶解液は硝酸塩廃液11として脱窒槽12に供給され、有機物は炭素源として利用される。
【0059】
また、硝酸塩廃液(原液)83は汚泥溶解槽81の溶解により、pHが低下することとなり脱窒槽12で添加するpH調整剤21の使用量の削減を図ることができる。
【実施例3】
【0060】
本発明による実施例3に係る放射性硝酸塩廃液処理装置について、図3を参照して説明する。
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置は、前記図1に示した実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成と略同様であるため、前記図1に示した実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置と同一構成には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図3は、本発明の実施例3に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
図3に示すように、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Cは、前記汚泥溶解槽81から排出される硝酸塩廃液11中の有機炭素を分析する全有機炭素測定装置(TOC)84と、前記硝酸塩廃液11中の窒素化合物における窒素の量を測定する全窒素計測装置(T−N)85とを有するものである。
【0061】
この計測結果をもとに、TOC/T−Nの値が7.5〜11(C/Nとして3.0〜4.5)の範囲となるように、脱窒槽12に別途添加する炭素源22の添加量の増減を調整するようにしている。
これにより、過剰な炭素源22の供給がなくなり、適切な炭素源の供給を行うことができ、安定した脱窒反応が行われることとなる。
よって、炭素源添加量の低減を図ると共に、二次廃棄物の発生量の低減も図ることができる。
【実施例4】
【0062】
本発明による実施例4に係る放射性硝酸塩廃液処理装置について、図4を参照して説明する。
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置は、前記図1に示した実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成と略同様であるため、前記図1に示した実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置と同一構成には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図4は、本発明の実施例4に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Dは、図1に示す実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Aの脱窒槽12の上流側に、硝酸塩廃液(原水:塩濃度30〜40%)50を供給する調整槽51を設けており、調整槽51には、電気伝導度を測定する電気伝導計(EC計)52と、工業用水導入ライン53と、該工業用水導入ライン53に前記電気伝導計52の測定値に基づいて希釈する水の流量を調整する工業用水供給量調整バルブ54とを有するものである。
【0063】
調整槽51に設けた電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値に基づいて工業用水導入ライン53に設けた工業用水供給量調整バルブ54を制御し、調整槽51に供給される水の流量を調整するようにしている。
具体的には、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が高い場合には、工業用水供給量調整バルブ54を開き、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が低い場合には、工業用水供給量調整バルブ54を閉じる。
【0064】
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Dにおいては、硝酸塩廃液(原水:塩濃度30〜40%)を希釈して例えば4%程度の高塩濃度状態で生物処理する場合、このときの電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値の制御範囲は、50〜70mS/cm、更には53〜68mS/cmとするのが好ましい。
【0065】
また、本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置10Dにおいては、硝酸塩廃液(原液)50を調整槽51に送給する硝酸廃液供給ライン55に硝酸塩廃液供給ポンプP4を設けている。電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値に基づいて硝酸塩廃液供給ポンプP4を制御して調整槽51に送給される硝酸塩廃液(原液)50の供給量を調整するようにしている。
具体的には、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が高い場合には、硝酸塩廃液供給ポンプP4を停止して硝酸塩廃液(原液)50を調整槽51に供給するのを停止し、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が低い場合には、硝酸塩廃液供給ポンプP4を稼働して硝酸塩廃液(原液)50を調整槽51に供給する。
【0066】
よって、処理設備からの高濃度の硝酸塩廃液の濃度は常に一定となるわけではないため、硝酸塩廃液(原液)50の濃度が一定でない場合でも、硝酸塩廃液(原液)50中の塩濃度の変動を脱窒槽12に伝えるのを防止することができるため、塩濃度が大きく変動した場合における脱窒性能の著しく低下するのを防止することができる。
【0067】
また、一定の塩濃度の硝酸塩廃液(希釈液)11を硝酸塩廃液供給ポンプP5を介して脱窒槽12に供給することができるため、脱窒性能を安定にすることができる。
【実施例5】
【0068】
本発明による実施例5に係る放射性硝酸塩廃液処理装置を用いた生物処理システムについて、図5を参照して説明する。
本実施例に係る放射性硝酸塩廃液処理装置は、前記図1〜4に示した実施例1〜4に係る放射性硝酸塩廃液処理装置を用いることができ、説明は省略する。
本実施例に係る生物処理システム60は、図5に示すように、硝酸塩廃液(原液)50を工業用水61で希釈する希釈装置62と、希釈された硝酸塩廃液11中の硝酸イオンを微生物処理して窒素還元すると共に、再曝気する生物処理装置(実施例1〜4の放射性硝酸塩廃液処理装置)63と、生物処理装置63で処理された生物処理液から汚泥65と処理液70とを分離し、分離した汚泥65中の水分を脱水する汚泥脱水装置67と、脱水汚泥68を焼却する焼却装置69とからなる。
【0069】
希釈装置62は、前述した実施例4の図4に示すような原水を希釈する調整槽51で行われる。
生物処理装置63は、前述した汚泥溶解槽81を有する脱窒槽12と再曝気槽14とからなる放射性硝酸塩廃液処理装置である。
また、汚泥脱水装置67は、生物処理装置63の脱窒槽と再曝気槽とから排出される余剰汚泥を脱水するものであり、焼却装置69は、汚泥脱水装置67から排出される2次廃棄物である脱水汚泥68を焼却し、焼却灰71としている。
【0070】
高塩濃度の硝酸廃液を生物処理する生物処理装置63においては、余剰汚泥脱水時に汚泥に付着する水の塩濃度が高いため、2次廃棄物(焼却灰)が増加することがあるが、余剰汚泥脱水装置67において、工業用水61を加えて高塩濃度の付着水を洗い流し、洗い流された洗浄水72を硝酸塩廃液11の希釈する希釈装置62における希釈水として使用するようにしている。
よって、希釈装置62で用いる工業用水61の一部を脱水時の洗浄に使用するため、追加の工業用水61を用いる必要がない。また、付着水の塩濃度を下げることで、2次廃棄物量(焼却灰)を約1/2程度にまで低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明に係る放射性硝酸塩廃液処理装置を用いれば、再処理工場などの原子力施設から排出される高い硝酸塩濃度の廃液を効率的に微生物処理し、微細化した汚泥が処理液と共に各々流出するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例1に係る放射性硝酸塩廃液処理装置を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例2に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施例3に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例4に係る放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例5に係る放射性硝酸塩廃液処理装置を用いた生物処理システムの構成を示す概略図である。
【図6】従来の生物を利用した放射性硝酸塩廃液処理装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0073】
10A〜10D 放射性硝酸塩廃液処理装置
11 硝酸塩廃液
12 脱窒槽
14 再曝気槽
21 pH調整剤
22 炭素源
23 脱窒液
24 脱窒処理液
25 第一の固液分離手段
26A、26B 固形分(余剰汚泥)
27 再曝気処理液
28 第二の固液分離手段
29 再曝気液
30 散気管
31 ガス排出ライン
34 空気供給手段
35 ブロワ
51 調整槽
52 電気伝導計(EC計)
53 工業用水導入ライン
54 工業用水供給量調整バルブ
55 硝酸廃液供給ライン
61 工業用水
62 希釈装置
63 生物処理装置
65 汚泥
67 汚泥脱水装置
68 脱水汚泥
69 焼却装置
70 処理液
71 焼却灰
72 洗浄水
81 汚泥溶解槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、
該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、
前記脱窒槽及び前記再曝気槽から排出される余剰汚泥を溶解する汚泥溶解槽を有してなり、
該汚泥溶解槽に汚泥溶解剤を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源として前記脱窒槽に供給することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記汚泥溶解剤が、過酢酸又はpH12以上の硝酸塩廃液であることを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項3】
硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、
該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、
前記脱窒槽及び前記再曝気槽から排出される余剰汚泥を溶解する汚泥溶解槽を有してなり、
該汚泥溶解槽に過酢酸を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源として前記脱窒槽に供給すると共に、酢酸を脱窒槽に供給することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項4】
硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、
該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する放射性硝酸塩廃液処理装置であって、
前記脱窒槽及び前記再曝気槽から排出される余剰汚泥を溶解する汚泥溶解槽を有してなり、
該汚泥溶解槽にpH12以上の硝酸塩廃液を供給して余剰汚泥を溶解させ、汚泥溶解物を炭素源として前記脱窒槽に供給すると共に、硝酸塩廃液を脱窒槽に供給することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記脱窒槽が、
前記硝酸塩廃液のpHを調整するpH調整剤を供給するpH調整手段と、
前記活性汚泥で処理された脱窒液を、汚泥を含む固形分と脱窒処理液とに分離する第一の固液分離手段と、
該第一の固液分離手段の下部側に設けられ、前記脱窒槽内に酸素を含まないガスを供給するガス供給手段とを有すると共に、
前記再曝気槽が、
前記活性汚泥で処理された脱窒処理液を、余剰汚泥と処理液とに更に分離する第二の固液分離手段と、
該第二の固液分離手段の下部側に設けられ、前記再曝気槽内に空気を供給する空気供給手段と、
を有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
前記脱窒槽の脱窒液のpHが、7.0〜10.0であることを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項7】
請求項1又は2において、
前記脱窒槽において、前記微生物が前記脱窒液中の前記硝酸と反応することにより生成される窒素ガス及び二酸化炭素を前記脱窒槽に循環させるガス循環ラインを有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項8】
請求項5において、
前記第一の固液分離手段及び前記第二の固液分離手段が、固液分離膜であることを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項9】
請求項4において、
前記汚泥溶解槽から排出される硝酸塩廃液中の有機炭素を分析する全有機炭素測定装置と、
前記汚泥溶解槽から排出される硝酸塩廃液中の窒素化合物における窒素の量を測定する全窒素計測装置とを有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一つにおいて、
前記脱窒槽の上流側に調整槽を設けてなり、
前記調整槽が、
電気伝導度を測定する電気伝導(EC)計と、
工業用水導入ラインと、
該工業用水導入ラインに介装され、前記電気伝導計の測定値に基づいて工業用水供給量を調整する工業用水供給量調整バルブと
を有することを特徴とする放射性硝酸塩廃液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−186437(P2009−186437A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29554(P2008−29554)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】