説明

放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影プログラム、及び放射線画像撮影方法

【課題】画質の低下を抑制することができる、放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影プログラム、及び放射線画像撮影方法を提供する。
【解決手段】画素20の列毎に、バイアス線25が備えられており、複数のバイアス線25のうち、10mm間隔で設けられたバイアス線25Aが電流検出器120を介してバイアス電源110に接続されている。また、残りのバイアス線25Bは、電流検出器120を介さずに直接バイアス電源110に接続されている。画素20では、照射された放射線量に応じて放射線検知素子103で電荷が発生すると、発生した電荷に応じて、バイアス線25に電流が流れる。電流検出器120は、バイアス線25Aに流れる電流を検出し、制御部106は、検出した電流(電流値)が閾値以上になった場合を、放射線の照射開始のタイミングとして検出し、放射線画像の撮影を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影プログラム、及び放射線画像撮影方法に係り、特に照射された放射線に応じた放射線画像の撮影に用いられる放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影プログラム、及び放射線画像撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療診断等を目的とした放射線撮影を行う放射線画像撮影装置が知られている。当該放射線画像撮影装置は、放射線照射装置から照射され、被検体を透過した放射線を検出して放射線画像を撮影する。当該放射線画像撮影装置は、照射された放射線に応じて発生した電荷を収集して読み出すことにより放射線画像の撮影を行う。このような放射線画像撮影装置としては、いわゆるカセッテ等のFPD(Flat Panel Detector)パネルが挙げられる。
【0003】
このような放射線画像撮影装置として、放射線または、放射線が変換された光が照射されることにより検知した放射線に応じて電荷を発生する光電変換素子等による放射線検知素子と、当該放射線検知素子で発生した電荷を読み出すスイッチ素子と、を備えると共に、当該スイッチ素子から読み出された電荷に基づいて、放射線の照射(照射の開始や、停止等)を検出する検出部を備えたものが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、バイアス線に流れる電流を検出して、検出された電流の値に基づいて放射線の照射の開始を検出する放射線画像撮影装置が記載されている。また、例えば、特許文献2には、バイアス線に流れる電流を検出して、検出された電流値について常時積分処理を行い、積分地の変化量から放射線の曝射が開始されたか否かを判断する放射線画像撮影装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−268171号公報
【特許文献2】特開2010−264085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、バイアス線に流れる電流を検出し、検出した電流に基づいて放射線の照射を検出する技術では、バイアス線に接続された電流検出手段により、バイアス線に流れる電流を検出している。当該電流検出手段は、負荷(抵抗)であるため、電流(電荷)が流れる際にバイアス電圧の変動が発生する場合があると共に、バイアス電圧が変動しやすくなる。一般に、放射線検知素子としてフォトダイオード等が用いられるが、当該フォトダイオードの暗電流や、ゲインはバイアス電圧の変動に応じて変動するため、オフセットと感度が変動する場合がある。そのため、撮影された放射線画像に画像ムラ等が発生し、画質が低下する場合がある、という問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、画質の低下を抑制することができる、放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影プログラム、及び放射線画像撮影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線画像撮影装置は、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、及び前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電流を検出し、検出した電流の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の放射線画像撮影装置は、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電荷を予め定められた時間蓄積し、蓄積した電荷の電荷量の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、を備える。
【0010】
請求項3に記載の放射線画像撮影装置は、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線の電圧を検出し、検出した電圧の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、を備える。
【0011】
また、本発明は、請求項4に記載の放射線画像撮影装置のように、前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線に接続された画素に隣接する少なくとも1つの画素は、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線に接続されている。
【0012】
また、本発明は、請求項5に記載の放射線画像撮影装置のように、前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線の数は、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線の数以下である。
【0013】
また、本発明は、請求項6に記載の放射線画像撮影装置のように、前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線は、照射される放射線の照射野の幅以下の間隔で設けられている。
【0014】
また、本発明は、請求項7に記載の放射線画像撮影装置のように、前記複数の画素の各々から前記信号配線に出力された電荷に応じた画像情報を画素毎に取得し、前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線に接続された画素の画像情報を、当該画素に隣接し、かつ、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線に接続された画素の画像情報で補完する補完手段を備える。
【0015】
また、本発明は、請求項8に記載の放射線画像撮影装置のように、前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線に接続された画素から前記信号配線に出力された電荷に応じた画像情報と、当該画素に隣接し、かつ、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線に接続された画素から前記信号配線に出力された電荷に応じた画像情報と、をまとめて取得する取得手段を備える。
【0016】
また、本発明は、請求項9に記載の放射線画像撮影装置のように、前記バイアス線は、前記画素の行毎または列毎に設けられている。
【0017】
請求項10に記載の放射線画像撮影システムは、放射線照射装置と、前記放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する前記請求項1から前記請求項9のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置と、を備える。
【0018】
請求項11に記載の放射線画像撮影方法は、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、及び前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、を備えた放射線画像撮影装置により放射線画像を撮影する際に、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電流を検出する工程と、検出した電流の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する工程と、検出した前記照射状態に基づいて放射線画像の撮影を制御する工程と、を備える。
【0019】
請求項12に記載の放射線画像撮影方法は、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、を備えた放射線画像撮影装置により放射線画像を撮影する際に、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電荷を予め定められた時間蓄積する工程と、
蓄積した電荷の電荷量の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する工程と、検出した前記照射状態に基づいて放射線画像の撮影を制御する工程と、を備える。
【0020】
請求項13に記載の放射線画像撮影方法は、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、を備えた放射線画像撮影装置により放射線画像を撮影する際に、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線の電圧を検出する工程と、検出した電圧の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する工程と、検出した前記照射状態に基づいて放射線画像の撮影を制御する工程と、を備える。
【0021】
請求項14に記載の放射線画像撮影プログラムは、照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、及び前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線を通過する電荷量に基づいた物理量を検出し、検出した物理量に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、を備えた放射線画像撮影装置の前記照射検出手段として、コンピュータを機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、画質の低下を抑制することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係る放射線画像撮影システムの一例の概略構成を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係る放射線検出器の構成の一例を示す平面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る放射線検出器の一例の線断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置における、放射線画像の撮影の際に制御部で行われる処理の一例のフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図7】第2の実施の形態に係る放射線画像撮影装置における、放射線画像の撮影の際に制御部で行われる処理の一例のフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図9】第3の実施の形態に係る放射線画像撮影装置における、放射線画像の撮影の際に制御部で行われる処理の一例のフローチャートである。
【図10】第4の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図11】第5の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図12】第6の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図13】第7の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図14】第8の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【図15】比較例の放射線画像撮影装置の全体構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、各図面を参照して本実施の形態の一例について説明する。
【0025】
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態の放射線画像撮影装置を用いた放射線画像撮影システムの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態の放射線画像撮影システムの一例の概略構成図である。
【0026】
放射線画像撮影システム200は、放射線(例えばエックス線(X線)等)を被検体206に照射する放射線照射装置204と、放射線照射装置204から照射され、被検体206を透過した放射線を検出する放射線検出器10を備えた放射線画像撮影装置100と、放射線画像の撮影を指示すると共に、放射線画像撮影装置100から放射画像を取得する制御装置202と、を備えている。制御装置202の制御に基づいたタイミングで、放射線照射装置204から照射され撮影位置に位置している被検体206を透過することで画像情報を担持した放射線は放射線画像撮影装置100に照射される。
【0027】
次に、本実施の形態の放射線画像撮影装置100の概略構成について説明する。本実施の形態では、X線等の放射線を一旦光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器10に本発明を適用した場合について説明する。本実施の形態では、放射線画像撮影装置100は、間接変換方式の放射線検出器10を備えて構成されている。なお、図2では、放射線を光に変換するシンチレータは省略している。
【0028】
放射線検出器10には、光を受けて電荷を発生し、発生した電荷を蓄積する放射線検知素子103と、放射線検知素子103に蓄積された電荷を読み出すためのスイッチ素子であるTFTスイッチ4と、を含んで構成される画素20が複数、マトリックス状(行列状)に配置されている。本実施の形態では、シンチレータによって変換された光が照射されることにより、放射線検知素子103で電荷が発生する。
【0029】
画素20は、一方向(図2の横方向、以下「行方向」ともいう)及び当該行方向に対する交差方向(図2の縦方向、以下「列方向」ともいう)にマトリックス状に複数配置されている。図2では、画素20の配列を簡略化して示しているが、例えば、画素20は行方向及び列方向に1024個×1024個配置されている。
【0030】
また、放射線検出器10には、基板1(図3参照)上に、TFTスイッチ4をON/OFFするための複数の走査配線101と、上記放射線検知素子103に蓄積された電荷を読み出すための複数の信号配線3と、が互いに交差して設けられている。本実施の形態では、一方向の各画素列に信号配線3が1本ずつ設けられ、交差方向の各画素列に走査配線101が1本ずつ設けられており、例えば、画素20が行向及び列方向に1024個×1024個配置されている場合、信号配線3及び走査配線101はそれぞれ1024本ずつ設けられている。
【0031】
さらに、放射線検出器10には、各信号配線3と並列にバイアス線25(25A、25B)が設けられている。本実施の形態では、複数のバイアス線25のうち、一部のバイアス線25(25A)は、電流検出器120を介してバイアス電源110に接続されている。また、残りのバイアス線25(25B)は、電流検出器120を介さずにバイアス電源110に直接接続されている。
【0032】
本実施の形態では、バイアス線25Aを、10mm間隔で備えるように、放射線検出器10を構成している。具体的一例として、放射線検出器10の画素領域の大きさを行方向が14インチ(35.6cm)、列方向が17インチ(43.2cm)として形成し、画素20の1画素あたりの大きさを約150μm×約150μmとした場合では、バイアス線25のうち、60〜70ラインに1ラインがバイアス線25A、残りのラインがバイアス線25Bとして備えられている。このように、何ラインのバイアス線25に対して1ラインのバイアス線25Aを備えるかについては、画素20の大きさに応じて定められる。
【0033】
なお、本実施の形態では、放射線画像撮影装置100における放射線の照射領域に応じて、上述のように、バイアス線25Aを、10mm間隔で備えるようにしている。本実施の形態では、放射線画像撮影装置100における放射線の照射領域(照射野)を最小で被検体206の指1本程度としており、約10mm程度としている。そのため、10mm間隔でバイアス線25Aを備えることにより、1つの照射領域(照射野)に対して、少なくとも1ラインのバイアス線25Aが備えられることになる。このように、各照射領域毎に少なくとも1ラインのバイアス線25Aを備えることにより、放射線の照射の検出精度を向上させることができる。なお、照射領域(照射野)が10mmと異なる場合は、当該照射領域に応じた間隔で、少なくとも照射領域(照射野)に1ラインのバイアス線25Aが備えられるように、照射野の幅(列方向の幅)以下の間隔で備えられるように、構成すればよい。
【0034】
各画素20の放射線検知素子103は、画素20の列毎にバイアス線25(25Aまたは25B)に接続されており、バイアス線25を介してバイアス電源110からバイアス電圧が印加されている。
【0035】
走査配線101には、各TFTスイッチ4をスイッチング(駆動)するための駆動信号が流れる。このように駆動信号が各走査配線101に流れることによって、各TFTスイッチ4がスイッチングされる。
【0036】
信号配線3には、各画素20のTFTスイッチ4のスイッチング状態に応じて、各画素20に蓄積された電荷に応じた電気信号が流れる。より具体的には、各信号配線3には、当該信号配線3に接続された画素20の何れかのTFTスイッチ4がONされることにより蓄積された電荷量に応じた電気信号が流れる。
【0037】
各信号配線3には、各信号配線3に流れ出した電気信号を検出する信号検出回路105が接続されている。なお、本実施の形態で電気信号の「検出」とは、電気信号をサンプリングすることを示している。
【0038】
また、各走査配線101には、各走査配線101にTFTスイッチ4をON/OFFするための駆動信号を出力する走査配線駆動回路104が接続されている。図2では、信号検出回路105及び走査配線駆動回路104を1つに簡略化して示しているが、例えば、信号検出回路105及び走査配線駆動回路104を複数設けて所定本(例えば、256本)毎に信号配線3または走査配線101を接続する。例えば、信号配線3及び走査配線101が1024本ずつ設けられている場合、走査配線駆動回路104を4個設けて256本ずつ走査配線101を接続し、信号検出回路105も4個設けて256本ずつ信号配線3を接続する。
【0039】
信号検出回路105は、各信号配線3毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路50を内蔵している。信号検出回路105では、各信号配線3より入力される電気信号を増幅回路50により増幅し、A/D(アナログ/デジタル)変換回路54によりデジタル信号へ変換する。
【0040】
増幅回路50は、チャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ等のアンプ52と、アンプ52に並列に接続されたコンデンサCと、アンプ52に並列に接続された電荷リセット用のスイッチSW1と、を備えて構成されている。
【0041】
増幅回路50では、電荷リセット用のスイッチSW1がオフの状態で画素20のTFTスイッチ4により電荷(電気信号)が読み出され、コンデンサCにTFTスイッチ4により読み出された電荷が蓄積され、蓄積される電荷量に応じてアンプ52から出力される電圧値が増加するようになっている。
【0042】
また、制御部106は、電荷リセット用スイッチSW1に電荷リセット信号を印加して電荷リセット用のスイッチSW1のオン/オフを制御するようになっている。なお、電荷リセット用のスイッチSW1がオン状態とされると、アンプ52の入力側と出力側とが短絡され、コンデンサCの電荷が放電される。
【0043】
A/D変換回路54は、S/H(サンプルホールド)スイッチSWがオン状態において、増幅回路50から入力されたアナログ信号である電気信号をデジタル信号に変換する機能を有するものである。A/D変換回路54は、デジタル信号に変換した電気信号を制御部106に順次出力する。
【0044】
なお、本実施の形態のA/D変換回路54には、信号検出回路105に備えられた全ての増幅回路50から出力された電気信号が入力される。すなわち、本実施の形態の信号検出回路105は、増幅回路50(信号配線3)の数にかかわらず、1つのA/D変換回路54を備えている。
【0045】
この信号検出回路105及び走査配線駆動回路104には、制御部106が接続されている。本実施の形態の制御部106は、信号検出回路105において変換されたデジタル信号に対してノイズ除去などの所定の処理を施すとともに、放射線の照射開始のタイミングを検出して、検出したタイミングに基づいて、信号検出回路105に対して信号検出のタイミングを示す制御信号を出力し、走査配線駆動回路104に対して駆動信号の出力のタイミングを示す制御信号を出力する機能を有している。
【0046】
本実施の形態の制御部106は、マイクロコンピュータによって構成されており、CPU(中央処理装置)、ROMおよびRAM、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部を備えている。制御部106は、ROMに記憶されたプログラムをCPUで実行することにより、放射線画像の撮影のための制御を行う。
【0047】
制御部106は、電流検出器120で検出されたバイアス線25Aに流れる電流の電流値を、予め定められた放射線検出用の閾値と比較し、閾値以上となったか否かにより放射線の照射開始タイミングを検出する。放射線検出器10に放射線が照射されて画素20の放射線検知素子103で電荷が発生すると、発生した電荷(電荷量)に応じて、各バイアス線25に電流が流れる。そのため、本実施の形態では、バイアス線25のうち、バイアス線25Aに流れる電流値と放射線検出器10に照射された放射線量との関係を予め得ておき、照射開始タイミングを検出するための放射線検出用の電流値を閾値として予め定めている。なお、放射線検知素子103で発生した電荷(電荷量)が増加すると、バイアス線25Aを流れる電流の電流値も増加するため、照射された放射線量が増加するにつれ、バイアス線25Aを流れる電流の電流値も増加する。
【0048】
また、制御部106は、照射開始タイミングを検出すると、放射線画像の撮影を開始するように走査配線駆動回路104及び信号検出回路105を制御し、画素20の放射線検知素子103が発生した電荷を所定の期間蓄積し、所定の期間経過後に、順次、走査配線101にオン信号を出力させて各画素20毎に信号配線3を介して電気信号(画像情報)を読取って、画像情報に基づいて放射線画像を生成する。
【0049】
本実施の形態では、制御部106で放射線画像を生成する際に、バイアス線25Bに放射線検知素子103が接続された画素20(図2では、信号配線3(D3)に接続された画素20)から得られた画像情報を当該画素20の隣接列の画素20(図2では、信号配線3(D2)に接続された画素20及び信号配線3(D4)に接続された画素20)から得られた画像情報により、補完する処理(補完処理)を行って、照射された放射線が示す放射線画像を生成する。バイアス線25Aに放射線検知素子103が接続された画素20では、電流検出器120が負荷(抵抗)であるため、バイアス電圧V=電流I×抵抗Rに基づいて、電荷が流れる際に負荷(抵抗)に応じてバイアス電圧の変動が発生する。放射線検知素子103の暗電流、ゲインは、バイアス電圧で変動するため、本実施の形態では、バイアス線25Aに接続された画素20のオフセット及び感度が変動する。そのため、バイアス線25Aに接続された画素20のオフセット及び感度の変動を、隣接するバイアス線25Bに接続された画素20により補完する。具体的には、本実施の形態の制御部106では、信号配線3(D3)に接続された画素20の画像情報を、行方向に隣接する画素20(信号配線3(D2)に接続された画素20及び信号配線3(D4)に接続された画素20)の平均値で置き換えてオフセット、感度の変動分を補正した画像情報として、放射線画像を生成する。
【0050】
電流検出器120では、バイアス線25Aに流れる電流を検出する機能を有している。本実施の形態では、電流検出器120は、照射された放射線(放射線の線量)に応じてバイアス電源110と画素20(放射線検知素子103)との間を流れる電流の電流値を検出する機能を有している。電流検出器120は、このようにバイアス線25Aに流れる電流を検出することができるものであればその構成等は特に限定されない。なお、本実施の形態では、電流検出器120で検出された電流値は、制御部106に出力されるように構成されている。
【0051】
図3には、本実施形態に係る間接変換方式の放射線検出器10の構造を示す平面図が示されており、図4には、図3の放射線画像撮影用の画素20のA−A線断面図が示されている。
【0052】
図4に示すように、放射線検出器10の画素20Aは、無アルカリガラス等からなる絶縁性の基板1上に、走査配線101(図3参照)、ゲート電極2が形成されており、走査配線101とゲート電極2は接続されている(図3参照)。この走査配線101、ゲート電極2が形成された配線層(以下、この配線層を「第1信号配線層」ともいう)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜を用いて形成されているが、これらに限定されるものではない。
【0053】
この第1信号配線層上には、一面に絶縁膜15が形成されており、ゲート電極2上に位置する部位がTFTスイッチ4におけるゲート絶縁膜として作用する。この絶縁膜15は、例えば、SiN 等からなっており、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)成膜により形成される。
【0054】
絶縁膜15上のゲート電極2上には、半導体活性層8が島状に形成されている。この半導体活性層8は、TFTスイッチ4のチャネル部であり、例えば、アモルファスシリコン膜からなる。
【0055】
これらの上層には、ソース電極9、及びドレイン電極13が形成されている。このソース電極9及びドレイン電極13が形成された配線層には、ソース電極9、ドレイン電極13とともに、信号配線3が形成されている。ソース電極9は信号配線3に接続されている(図3参照。)。ソース電極9、ドレイン電極13、及び信号配線3が形成された配線層(以下、この配線層を「第2信号配線層」ともいう)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜が用いて形成されるが、これらに限定されるものではない。当該ソース電極9及びドレイン電極13と半導体活性層8との間には不純物添加アモルファスシリコン等による不純物添加半導体層(図示省略)が形成されている。これらによりスイッチング用のTFTスイッチ4が構成される。なお、TFTスイッチ4は後述する下部電極11により収集、蓄積される電荷の極性によってソース電極9とドレイン電極13が逆となる。
【0056】
これら第2信号配線層を覆い、基板1上の画素20が設けられた領域のほぼ全面(ほぼ全領域)には、TFTスイッチ4や信号配線3を保護するために、TFT保護膜層30が形成されている。このTFT保護膜層30は、例えば、SiN 等からなっており、例えば、CVD成膜により形成される。
【0057】
このTFT保護膜層30上には、塗布型の層間絶縁膜12が形成されている。この層間絶縁膜12は、低誘電率(比誘電率εr=2〜4)の感光性の有機材料(例えば、ポジ型感光性アクリル系樹脂:メタクリル酸とグリシジルメタクリレートとの共重合体からなるベースポリマーに、ナフトキノンジアジド系ポジ型感光剤を混合した材料など)により1〜4μmの膜厚で形成されている。
【0058】
本実施の形態に係る放射線検出器10では、この層間絶縁膜12によって層間絶縁膜12上層と下層に配置される金属間の容量を低く抑えている。また、一般的にこのような材料は平坦化膜としての機能も有しており、下層の段差が平坦化される効果も有する。本実施の形態に係る放射線検出器10では、この層間絶縁膜12及びTFT保護膜層30のドレイン電極13と対向する位置にコンタクトホール17が形成されている。
【0059】
層間絶縁膜12上には、コンタクトホール17を埋めつつ、画素領域を覆うように放射線検知素子103の下部電極11が形成されており、この下部電極11は、TFTスイッチ4のドレイン電極13と接続されている。この下部電極11は、後述する半導体層21が1μm前後と厚い場合には導電性があれば材料に制限がほとんどない。このため、Al系材料やITO等導電性の金属を用いて形成すれば問題ない。
【0060】
一方、半導体層21の膜厚が薄い場合(0.2〜0.5μm前後)、半導体層21で光の吸収が十分でないことによる、TFTスイッチ4への光照射によるリーク電流の増加を防ぐため、遮光性メタルを主体とする合金、若しくは積層膜とすることが好ましい。
【0061】
下部電極11上には、フォトダイオードとして機能する半導体層21が形成されている。本実施の形態では、半導体層21として、n+層、i層、p+層(n+アモルファスシリコン、アモルファスシリコン、p+アモルファスシリコン)を積層したPIN構造のフォトダイオードを採用しており、下層からn+層21A、i層21B、p+層21Cを順に積層して形成する。i層21Bは、光が照射されることにより電荷(一対の自由電子と自由正孔)が発生する。n+層21A及びp+層21Cは、コンタクト層として機能し、下部電極11及び後述する上部電極22とi層21Bをと電気的に接続する。
【0062】
各半導体層21上には、それぞれ個別に上部電極22が形成されている。この上部電極22には、例えば、ITOやIZO(酸化亜鉛インジウム)などの光透過性の高い材料を用いている。本実施の形態に係る放射線検出器10では、上部電極22や半導体層21、下部電極11を含んで放射線検知素子103が構成されている。
【0063】
層間絶縁膜12、半導体層21及び上部電極22上には、上部電極22に対応する一部で開口27Aを持ち、各半導体層21を覆うように、塗布型の層間絶縁膜23が形成されている。
【0064】
この層間絶縁膜23上には、バイアス線25(25A、25B)がAl若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした合金あるいは積層膜で形成されている。バイアス線25(25A、25B)は、開口27A付近にコンタクトパッド27が形成され、層間絶縁膜23の開口27Aを介して上部電極22と電気的に接続される。
【0065】
このように形成された放射線検出器10の表面には、シンチレータが備えられる。例えば、必要に応じてさらに光吸収性の低い絶縁性の材料により保護膜が形成されて、放射線検出器10の表面に光吸収性の低い接着樹脂を用いてGOS等からなるシンチレータが貼り付けられる。また例えば、射線検出器10の表面にCSI等からなるシンチレータが直接蒸着される。
【0066】
次に、図5を参照して、上記構成の放射線画像撮影装置100による放射線画像を撮影する際の動作の流れについて、放射線の照射開始の検出動作を中心に説明する。本実施の形態では、制御装置202からの指示に基づいて、制御部106の制御により放射線画像の撮影を行う。制御部106では、制御装置202から撮影指示を受け付けると、放射線画像撮影プログラムがCPUにより実行されることにより以下の処理が実行される。当該処理の流れの一例のフローチャートを図5に示す。
【0067】
撮影指示を受け付けると、ステップ100では、電流検出器120にバイアス線25Aを流れる電流の検出を開始させる。次のステップ102では、電流検出器120で検出された電流値と上述した放射線の照射開始タイミングの検出用の閾値と比較し、検出された電流値が閾値以上になったか否かを判断する。
【0068】
放射線照射装置204から放射線が照射されると、照射された放射線は、シンチレータに吸収され、可視光に変換される。なお、放射線は、放射線検出器10の表側、裏側の何れから照射されてもかまわない。シンチレータで可視光に変換された光は、各画素20の放射線検知素子103に照射される。放射線検知素子103では、光が照射されると内部に電荷が発生する。照射された放射線量が増加すると、放射線検知素子103で発生する電荷量が増加する。さらに、増加した電荷量に応じて、バイアス線25を流れる電流が多くなり、電流検出器120で検出される電流値が大きくなる。検出された電流値が閾値未満である場合は、未だ放射線が照射されていないとみなせるため、否定されて待機状態になる。
【0069】
一方、検出された電流値が閾値以上である場合は、肯定されてステップ104へ進み、放射線の照射開始タイミングを検出して、ステップ106へ進み、放射線画像の撮影を開始させる。具体的には、制御部106は、放射線検出器10に電荷の蓄積を指示する。放射線検出器10の画素20では、TFTスイッチ4がオフ状態のままであるため、電荷が蓄積された状態になる。
【0070】
次のステップ108では、各画素20の画像情報を取得する。本実施の形態では、放射線照射開始を検出してから所定時間経過したことを図示を省略したタイマーに基づいて判断し、所定時間経過した場合は、画素20における電荷の蓄積を終了して、各画素20から蓄積された電荷を読み出す。電荷の読み出しは、具体的には、TFTスイッチ4のゲート電極2に走査配線101を介して順次オン信号を印加することにより、画素20のTFTスイッチ4が順次オンされ、各画素20に蓄積された電荷量に応じた電気信号を信号配線3に出力させることにより電荷を読み出すことにより画像情報を取得する。
【0071】
次のステップ110では、上述したように、バイアス線25Bに接続された画素20の画像情報を、隣接するバイアス線25Aに接続された画素20の画像情報の平均値により補完し、補完した画像情報を用いて、放射線画像を生成し、次のステップ112では、生成した放射線画像を制御装置202に出力した後、本処理を終了する。
【0072】
以上、説明したように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、画素20の列毎に、バイアス線25が備えられており、複数のバイアス線25のうち、10mm間隔で設けられたバイアス線25Aが電流検出器120を介してバイアス電源110に接続されている。また、残りのバイアス線25Bは、電流検出器120を介さずに直接バイアス電源110に接続されている。画素20では、照射された放射線量に応じて放射線検知素子103で電荷が発生すると、発生した電荷に応じて、バイアス線25に電流が流れる。電流検出器120は、バイアス線25Aに流れる電流を検出し、制御部106は、検出した電流(電流値)が閾値以上になった場合を、放射線の照射開始のタイミングとして検出し、放射線画像の撮影を開始させる。
【0073】
このように、本実施の形態では、複数のバイアス線25のうちの一部であるバイアス線25Aのみが電流検出器120に接続されている。負荷(抵抗)である電流検出器120に接続されたバイアス線25Aにはバイアス電圧に変動が生じ、バイアス線25Aに接続された画素20において、オフセット及び感度の変動が発生する。一方、バイアス線25Bは、電流検出器120を介さずにバイアス電源110に直接接続されているため、上述のようなバイアス電圧の変動による、オフセット及び感度の変動が発生しない。従って、オフセット及び感度の変動が発生しない画素20の領域が得られる。すなわち、画質の低下が発生しない領域が得られるため、例えば、画像ムラ等の発生を抑制することができ、放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
【0074】
また、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、制御部106が、バイアス線25Aに接続された画素20の画像情報を、当該画素20に隣接するバイアス線25Bに接続された画素20の画像情報により補完するため、より、放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
【0075】
ここで、比較例として、全てのバイアス線25が電流検出器120に接続されている放射線画像撮影装置1000を図13に示す。なお、全てのバイアス線25が電流検出器120に接続されているため、制御部106では、上述した本実施の形態の放射線画像撮影装置100の制御部106における画像情報の補完は行われない。このように、全てのバイアス線25が電流検出器120に接続されている場合、電流検出器120の負荷(抵抗)により、全てのバイアス線25にバイアス電圧の変動が生じ、当該バイアス電圧の変動により、各画素20では、オフセット及び感度の変動が発生した。その結果、生成された放射線画像には、アーチファクト(画像ムラ)が発生した。
【0076】
一方、本実施の形態の放射線検出器10では、上述したように、バイアス電圧の変動の影響を受ける画素20の数を、比較例に比べて少なくすることができ、さらに画像情報の補完を行うことにより、放射線画像の画質の低下を抑制し、画像ムラ等が視認されないようにすることができる。
【0077】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0078】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第1の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25Aの接続先が第1の実施の形態と異なるため、異なる構成及び動作についてここでは説明する。
【0079】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図6に示す。図6に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25Aが電荷蓄積部122に接続されており、電荷蓄積部122を介してバイアス電源110に接続されている。一方、バイアス線25Bは、電荷蓄積部122を介さずにバイアス電源110に直接接続されている。
【0080】
電荷蓄積部122は、バイアス線25Aに流れる電荷を所定の時間蓄積する機能を有している。本実施の形態では、電荷蓄積部122は、照射された放射線(放射線の線量)に応じてバイアス電源110と画素20(放射線検知素子103)との間を流れる電荷を所定の時間蓄積する機能を有している。電荷蓄積部122は、このようにバイアス線25Aに流れる電荷を所定の時間蓄積することができるものであればその構成等は特に限定されないが、本実施の形態では、具体的一例として、チャージアンプ(図示省略)により構成している。
【0081】
本実施の形態の制御部106で行われる処理は、第1の実施の形態の処理(図5参照)と略同様であるため、ここでは、異なる部分のみ説明する。本実施の形態では、図5に示した第1の実施の形態の処理と、ステップ100及びステップ102のみが異なるため、異なるステップのみ図7に示す。
【0082】
本実施の形態では、ステップ100では、制御部106が電荷蓄積部122で蓄積された電荷量を検出し、次のステップ102では、検出した電荷量を、予め定められた放射線検出用の閾値と比較し、閾値以上となったか否かにより放射線の照射開始タイミングを検出する。上述のように、放射線検出器10に放射線が照射されると、画素20で発生した電荷(電荷量)に応じて、各バイアス線25に電荷が流れる。そのため、本実施の形態では、バイアス線25のうち、バイアス線25Aに流れる電荷量と放射線検出器10に照射された放射線量との関係を予め得ておき、照射開始タイミングを検出するための放射線検出用の電荷量を閾値として予め定めている。なお、放射線検知素子103で発生した電荷(電荷量)が増加すると、バイアス線25Aを流れる電荷量も増加するため、照射された放射線量が増加するにつれ、バイアス線25Aを流れる電荷量も増加する。
【0083】
このように、本実施の形態では、バイアス線25のうちの一部であるバイアス線25Aのみが電荷蓄積部122に接続されているため、電荷蓄積部122が負荷(抵抗)となることにより発生するバイアス電圧の変動の影響を受ける画素20の数を減らすことができる。従って、第1の実施の形態と同様に、画素20のオフセット及び感度の変動を抑制し、放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
【0084】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0085】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25Aの接続先が第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なるため、異なる構成及び動作についてここでは説明する。
【0086】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図8に示す。図8に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25Aが電圧検出器124に接続されており、電圧検出器124を介してバイアス電源110に接続されている。一方、バイアス線25Bは、電圧検出器124を介さずにバイアス電源110に直接接続されている。
【0087】
電圧検出器124は、バイアス線25Aの電圧を検出する機能を有している。本実施の形態では、電圧検出器1240は、照射された放射線(放射線の線量)に応じてバイアス電源110と画素20(放射線検知素子103)との間の電圧(電流値)を検出する機能を有している。電圧検出器124は、このようにバイアス線25Aの電圧を検出することができるものであればその構成等は特に限定されない。なお、本実施の形態では、電圧検出器124で検出された電圧値は、制御部106に出力されるように構成されている。
【0088】
本実施の形態の制御部106で行われる処理は、第1の実施の形態の処理(図5参照)と略同様であるため、ここでは、異なる部分のみ説明する。本実施の形態では、図5に示した第1の実施の形態の処理と、ステップ100及びステップ102のみが異なるため、異なるステップのみ図9に示す。
【0089】
本実施の形態では、本実施の形態は、ステップ100では、制御部106は、電圧検出器124で検出されたバイアス線25Aの電圧値の検出を開始し、次のステップ102では、検出した電圧値を、予め定められた放射線検出用の閾値と比較し、閾値以上となったか否かにより放射線の照射開始タイミングを検出する。放射線検出器10に放射線が照射されて画素20の放射線検知素子103で電荷が発生すると、発生した電荷(電荷量)に応じて、各バイアス線25に電流が流れ、電圧値が変化する。そのため、本実施の形態では、バイアス線25のうち、バイアス線25Aの電圧値と放射線検出器10に照射された放射線量との関係を予め得ておき、照射開始タイミングを検出するための放射線検出用の電圧値を閾値として予め定めている。なお、発生した電荷(電荷量)が増加すると、バイアス線25Aを流れる電流も増加し、電圧値も増加するため、照射された放射線量が多くなるにつれ、バイアス線25Aの電圧値も増加する。
【0090】
このように、本実施の形態では、バイアス線25のうちの一部であるバイアス線25Aのみが電圧検出器124に接続されているため、電圧検出器124が負荷(抵抗)となることにより発生するバイアス電圧の変動の影響を受ける画素20の数を減らすことができる。従って、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、画素20のオフセット及び感度の変動を抑制し、放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
【0091】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0092】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第1の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25(25A、25B)の配線の仕方が第1の実施の形態と異なるため、異なる構成についてここでは説明する。
【0093】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図10に示す。図10に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25(25A、25B)が、画素20の行毎に、走査配線101に沿って走査配線101と略並行に設けられている。
【0094】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、上述したように具体的一例として、放射線検出器10の画素領域の大きさを行方向が14インチ、列方向が17インチとして形成している。このように、行方向の長さが列方向の長さに比べて短い場合、バイアス線25を画素20の行方向に、走査配線101に沿って走査配線101と略並行に設けることにより、第1の実施の形態(図2参照)のように画素20の列方向に、信号配線3に沿って信号配線3と略並行に設ける場合に比べて、バイアス線25の長さ(配線長)を短くすることができる。
【0095】
このように、本実施の形態では、放射線検出器10の行方向が列方向に比べて短いため、バイアス線25を画素20の行毎に、走査配線101に沿って走査配線101と略並行に設けることにより、バイアス線25の長さ(配線長)を短くすることができる。これにより、抵抗を減少させることができるため、バイアス線25Aに発生するバイアス電圧の変動を抑制することができる。従って、バイアス線25Aに接続された画素20のオフセット及び感度の変動を抑制し、放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
【0096】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0097】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第1の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、電流検出器120に接続されているバイアス線25Aの設け方(ライン数)が第1の実施の形態と異なるため、異なる構成についてここでは説明する。
【0098】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図11に示す。図11に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、バイアス線25において1ラインおきにバイアス線25Aが電流検出器120に接続されており、電流検出器120を介してバイアス電源110に接続されている。すなわち、本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、電流検出器120を介してバイアス電源110に接続されているバイアス線25Aと、電流検出器120を介さずにバイアス電源110に直接接続されているバイアス線25Bとが、交互に設けられている。
【0099】
このように、本実施の形態では、バイアス線25においてバイアス線25Aが1ラインおきに設けられることにより、より多くのバイアス線25Aが電流検出器120に接続されると共に、より小さい領域毎に放射線の照射の検出を行うことができるようになるため、放射線の照射(照射開始のタイミング)の検出精度を向上させることができる。
【0100】
なお、本実施の形態では、1ラインずつ交互にバイアス線25Aとバイアス線25Bとを設けたがこれに限らず、例えば2ラインずつ交互にバイアス線25Aとバイアス線25Bとを設けるようにしてもよい。なお、隣接する複数のラインをバイアス線25Aとする場合、画像情報の補完がしにくくなったり、上述した画像ムラが視認しやすくなったりするため、隣接させられるバイアス線25Aのライン数は、放射線画像撮影装置100の特性や所望の画質等に応じて予め定めればよい。また、バイアス線25において2ラインおきにバイアス線25Aを設けるようにしてもよい。どのような間隔で設けるかは、特に限定されないが、放射線の検出精度及び所望の画質等に応じて予め定めればよい。また、放射線画像撮影装置100内における配置位置に応じて、バイアス線25Aを設ける間隔等を異ならせるようにしてもよい。
【0101】
なお、画質の向上の観点から、バイアス線25Aのライン数は、バイアス線25Bのライン数以下であることが好ましい。
【0102】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態について説明する。
【0103】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第1の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、画素20から電荷(画像情報)を読み出す読み出し方が第1の実施の形態と異なるため、異なる構成及び動作についてここでは説明する。
【0104】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図12に示す。なお図12に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成そのものは、第1の実施の形態の放射線画像撮影装置100(図2参照)と同一構成である。
【0105】
本実施の形態では、制御部106の制御により、2画素×2画素を1つの画素40とみなして、4つの画素20の電荷(画像情報)まとめて取得する、いわゆるビニング処理を行って電荷(画像情報)を読み出す。
【0106】
本実施の形態では、図12に示すように、バイアス線25Aに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報と、バイアス線25Bに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とをまとめて、1つの画像情報として取得する。
【0107】
具体的には、制御部106は、走査配線駆動回路104により2ラインずつ走査配線101をオン状態にさせ、さらに信号配線3から出力された電気信号(画像情報)を2ラインずつ合算することにより、画素40の画像情報として取得する。
【0108】
例えば、図12に示した場合では、走査配線101(Gn)及び走査配線101(Gn+1)をオン状態して、信号配線3(D3)に出力された画素20An及び画素20An+1が合算された電気信号(画像情報)と、信号配線3(D4)に出力された画素20Bn及び画素20Bn+1が合算された電気信号(画像情報)と、を合算することにより、画素40(40A)の画像情報として制御部106が取得する。
【0109】
なお、ビニングにより取得した画像情報を画素40の画像情報として放射線画像を生成してもよいし、まとめて取得した画素20の数(図12では「4」)で除算することにより平均化した画像情報をまとめて取得した画素20各々の画像情報として放射線画像を生成してもよい。なお、後者とする場合、バイアス線25Aに接続された画素20が含まれる領域のみビニングを行うようにしてもよい。例えば、図12に示す場合では、信号線3(D1)及び信号線(D2)に接続されている画素20についてビニングを行わないようにしてもよい。
【0110】
このように、バイアス線25Aに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とバイアス線25Bに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とを合算して、1つの画像情報として取得することにより、バイアス電圧の変動の影響によるオフセット及び感度の変動による画像情報の変動を小さくすることができる。そのため、本実施の形態の制御部106では、第1の実施の形態で上述した制御部106で行っていた画像情報の補完が不要になる。
【0111】
なお、本実施の形態では、行方向に隣接する画素20については、それぞれの信号線3に出力された電気信号(画像情報)を合算するいわゆる、デジタルビニングを行っているがこれに限らず、画素20において、同一の信号線3に電荷が出力されるように放射線検出器10を構成し、いわゆる、アナログビニングを行うようにしてもよい。
【0112】
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態について説明する。
【0113】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第2の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、画素20から電荷(画像情報)を読み出す読み出し方が第2の実施の形態と異なるため、異なる構成及び動作についてここでは説明する。
【0114】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図13に示す。なお図13に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成そのものは、第2の実施の形態の放射線画像撮影装置100(図6参照)と同一構成である。
【0115】
本実施の形態では、第6の実施の形態と同様に、制御部106の制御により、2画素×2画素を1つの画素40とみなして、4つの画素20の電荷(画像情報)まとめて取得する、いわゆるビニング処理を行って電荷(画像情報)を読み出す。
【0116】
本実施の形態では、図13に示すように、バイアス線25Aに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報と、バイアス線25Bに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とをまとめて、1つの画像情報として取得する。
【0117】
従って、本実施の形態の放射線画像撮影装置100においても第6の実施の形態と同様に、バイアス線25Aに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報と、バイアス線25Bに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とを合算して、1つの画像情報として取得することにより、バイアス電圧の変動の影響によるオフセット及び感度の変動による画像情報の変動を小さくすることができる。そのため、本実施の形態の制御部106では、上述した制御部106で行っていた画像情報の補完が不要になる。
【0118】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態について説明する。
【0119】
本実施の形態の画素200及び放射線画像撮影装置100は、は、第2の実施の形態と略同一の構成及び動作であるため、同一部分については、説明を省略する。本実施の形態の放射線画像撮影装置100では、画素20から電荷(画像情報)を読み出す読み出し方が第2の実施の形態と異なるため、異なる構成及び動作についてここでは説明する。
【0120】
本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成の一例の構成図を図14に示す。なお図14に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置100の全体構成そのものは、第2の実施の形態の放射線画像撮影装置100(図7参照)と同一構成である。
【0121】
本実施の形態では、第6の実施の形態と同様に、制御部106の制御により、2画素×2画素を1つの画素40とみなして、4つの画素20の電荷(画像情報)まとめて取得する、いわゆるビニング処理を行って電荷(画像情報)を読み出す。
【0122】
本実施の形態では、図14に示すように、バイアス線25Aに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報と、バイアス線25Bに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とをまとめて、1つの画像情報として取得する。
【0123】
従って、本実施の形態の放射線画像撮影装置100においても第6の実施の形態と同様に、バイアス線25Aに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報と、バイアス線25Bに接続された画素20から出力された電荷に応じた画像情報とを合算して、1つの画像情報として取得することにより、バイアス電圧の変動の影響によるオフセット及び感度の変動による画像情報の変動を小さくすることができる。そのため、本実施の形態の制御部106では、上述した制御部106で行っていた画像情報の補完が不要になる。
【0124】
なお、上述した各実施の形態では、電流検出器120で検出した電流値、電荷蓄積部122で蓄積した電荷量、または電圧検出器124で検出した電圧値に基づいて放射線(照射開始のタイミング)を検出していたがいずれを用いるかは、放射線検出器10に求められる特性(リアルタイム性や感度等)に基づいて定めればよい。電流値及び電圧値に基づいて検出を行う場合では、照射された放射線量が少なく、変動の絶対値が小さい場合には、蓄積した電荷量に基づいて検出を行う場合に比べて検出感度がやや劣るものの、変動の検出のリアルタイム(即時)性に優れているため、リアルタイム性を重視する場合に用いることが好ましい。一方、蓄積した電荷量に基づいて検出を行う場合では、電流値または電圧値に基づいて検出を行う場合に比べてリアルタイム性にやや劣るものの、変動の絶対値が小さい場合においても変動量を積分できることから検出感度に優れているため、検出感度を重視する場合に用いることが好ましい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0125】
また、上述した各実施の形態では、電流検出器120で検出した電流値、電荷蓄積部122で蓄積した電荷量、または電圧検出器124で検出した電圧値を、制御部106で閾値と比較することにより放射線(照射開始のタイミング)を検出していたがこれに限らず、それぞれ電流検出器120、電荷蓄積部122、電圧検出器124で閾値と比較し、閾値以上になった場合にその旨を示す信号を制御部106に出力するようにしてもよい。
【0126】
また、上述した各実施の形態では、放射線画像撮影装置100の制御部106が放射線の照射開始のタイミングを検出する場合について説明したがこれに限らず、放射線照射装置204からの放射線の照射停止のタイミングの検出や、所定量の放射線が照射されたタイミングの検出等に適用してもよい。
【0127】
また、上記各実施の形態では、間接変換方式の場合について説明したがこれに限らず、放射線を直接、半導体層で電荷に変換して蓄積する直接変換方式の場合に適用してもよい。この場合、直接変換方式における放射線検知素子は、放射線が照射されることにより電荷を発生する。
【0128】
その他、本実施の形態で説明した放射線画像撮影装置100、放射線検出器10等の構成、動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0129】
また、本実施の形態では、本発明の放射線は、特に限定されるものではなく、X線やγ線等を適用することができる。
【符号の説明】
【0130】
3 信号配線
4 TFTスイッチ
10 放射線検出器
20 画素
25(25A、25B) バイアス線
100 放射線画像撮影装置
103 放射線検知素子
104 走査配線駆動回路
105 信号検出回路
106 制御部
120 電流検出器
122 電荷蓄積部
124 電圧検出器
200 放射線画像撮影システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、及び前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、
バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、
前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電流を検出し、検出した電流の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、
を備えた放射線画像撮影装置。
【請求項2】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、
バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、
前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電荷を予め定められた時間蓄積し、蓄積した電荷の電荷量の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、
を備えた放射線画像撮影装置。
【請求項3】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、
バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、
前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線の電圧を検出し、検出した電圧の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、
を備えた放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線に接続された画素に隣接する少なくとも1つの画素は、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線に接続されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線の数は、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線の数以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線は、照射される放射線の照射野の幅以下の間隔で設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記複数の画素の各々から前記信号配線に出力された電荷に応じた画像情報を画素毎に取得し、前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線に接続された画素の画像情報を、当該画素に隣接し、かつ、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線に接続された画素の画像情報で補完する補完手段を備えた、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
前記照射検出手段によって放射線の照射を検出する際に使用されるバイアス線に接続された画素から前記信号配線に出力された電荷に応じた画像情報と、当該画素に隣接し、かつ、放射線の照射を検出する際に使用されないバイアス線に接続された画素から前記信号配線に出力された電荷に応じた画像情報と、をまとめて取得する取得手段を備えた、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
前記バイアス線は、前記画素の行毎または列毎に設けられている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項10】
放射線照射装置と、
前記放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する前記請求項1から前記請求項9のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置と、
を備えた放射線画像撮影システム。
【請求項11】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、及び前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、を備えた放射線画像撮影装置により放射線画像を撮影する際に、
前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電流を検出する工程と、
検出した電流の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する工程と、
検出した前記照射状態に基づいて放射線画像の撮影を制御する工程と、
を備えた放射線画像撮影方法。
【請求項12】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、を備えた放射線画像撮影装置により放射線画像を撮影する際に、
前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線に流れる電荷を予め定められた時間蓄積する工程と、
蓄積した電荷の電荷量の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する工程と、
検出した前記照射状態に基づいて放射線画像の撮影を制御する工程と、
を備えた放射線画像撮影方法。
【請求項13】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、を備えた放射線画像撮影装置により放射線画像を撮影する際に、
前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線の電圧を検出する工程と、
検出した電圧の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する工程と、
検出した前記照射状態に基づいて放射線画像の撮影を制御する工程と、
を備えた放射線画像撮影方法。
【請求項14】
照射された放射線の線量に応じた電荷を発生する放射線検知素子、及び前記放射線検知素子で発生された電荷を読み出して信号配線に出力するスイッチ素子を各々備え、かつ行列状に配列された複数の画素と、バイアス電源から印加されたバイアス電圧を前記複数の画素の前記放射線検知素子に供給する複数のバイアス線と、前記複数のバイアス線のうち、一部のバイアス線を通過する電荷量に基づいた物理量を検出し、検出した物理量に基づいて放射線の照射状態を検出する照射検出手段と、を備えた放射線画像撮影装置の前記照射検出手段として、コンピュータを機能させるための放射線画像撮影プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−51657(P2013−51657A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189930(P2011−189930)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】