説明

断層撮像(imagingtomography)のための方法及び装置

【課題】画像再構成におけるアーチファクトを低減することを可能とする方法及び装置の提供。
【解決手段】目的物の検査領域2を撮像するための方法は、複数の投影方向に沿って少なくとも一つのエネルギー入力ビーム3を検査領域2に照射するステップを具備し、少なくとも一つのエネルギー入力ビーム3は、複数の別個のエネルギー入力ビーム成分を備え、エネルギー入力ビーム3は、少なくとも二つのエネルギー入力ビーム成分が異なる断面を有し、一つの投影方向に平行する平行エネルギー入力ビーム成分5.1、5.2、5.3、…のグループ5が検査領域2を連続的に照射するように成形される。さらに、目的物を撮像するための装置が記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の投影方向に沿う少なくとも一つのエネルギー入力ビームで照射される目的物を撮像する方法に関し、特に、複数の投影方向に対応する複数の投影関数を含むラドンデータからの画像再構成に基づいて目的物を撮像する方法に関する。さらに、本発明は、本撮像方法を用いて目的物を撮像するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物質科学や医学的検査、考古学、建築技術、防衛に関する事柄についての技術等のような様々な技術領域において、サンプルの非破壊的な検査は、重要な任務である。例えばコンピュータ断層撮影(CT)によってサンプルの画像を得るための一つの方法は、異なる投影方向から目的平面を通過するX線照射に基づき、続いて、異なる投影方向にて得られた減衰データに基づいて、その目的平面の再構成が行なわれる。得られた減衰データの全体は、いわゆる、ラドン空間におけるラドンデータと呼ばれる。
【0003】
今日知られている最も適切で通常の再構成法は、反復再構成に基づく方法、又は、いわゆるフィルタ補正逆投影に基づく方法に要約できる。反復再構成法は、膨大な計算時間という極めて重大な欠点がある。一方、フィルタ補正逆投影法は、いわゆるフーリエスライス定理に基づき、再構成における内挿工程に由来する一般的な欠点を有し、空間周波数の増大に伴って増加する傾向にある誤差やアーチファクトを生ずる。フィルタ補正逆投影法のもう一つの問題は、画像データの再構成に用いられるべきラドンデータの離散化(discretization)に関連する。最適なフィルタ補正逆投影再構成を得るために、投影された照射線を検出器の検出素子に正確に整合させる必要がある。これは、一般的に不可能である。このため、フィルタ補正逆投影アルゴリズムを用いたラドンデータの再構成からの不確実性又は平滑化効果が発生する。
【0004】
T. Bortfeld等は、投影方向に沿った複数の投影からの2次元画像の再構成のためのアルゴリズムを示してきた(”Phys. Med. Biol.”、第44号、1999年、1105―1120頁)。このアルゴリズムによれば、投影は分解(decompositions)と表現され、上記のフィルタ補正逆投影再構成に作用される。投影は、例えば、ファンビームの形状(geometry)で計測され、互いに同一角度間隔をおいて分離された投影線に対応する減衰値が計測される。ファンビームの異なる投影方向で計測された単一の投影線は、画像再構成に用いられる平行な投影線を提供するために、再配置される。T. Bortfeld等のアルゴリズムは、実用的な実施がなされていない。このアルゴリズムは、理想的なファンビームの形状を仮定しており、実施には役に立たない。従って、このT. Bortfeld等のアルゴリズムは、通常のフィルタ補正逆投影のような内挿工程を必要とする。さらに、T. Bortfeld等のアルゴリズムは、再構成した画像にアーチファクトが発生するという重大な欠点を有する。
【0005】
フィルタ補正逆投影処理とT. Bortfeld等の方法の欠点は、公開されていない欧州特許出願(EP 04031043.5号)に記載されている画像再構成法によって回避できる。この方法によれば、画像関数は、予め決定された複数の投影方向に応じて計測された複数の投影関数を含むラドンデータから決定される。その画像関数は、投影関数の値を掛けた多項式の総和として決定される。実際の実施では、この画像再構成は、互いに等角度で配置された離散的な照射ビーム成分に対応する減衰値の計測に基づく。公開されていない欧州特許出願(EP 04031043.5号)によれば、この離散的なビーム成分は、図12に概略的に示した放射線源マスク211´を備えた放射線源210´を用いることによってファンビーム形状で発生される。放射線源マスク211´は、例えばタングステンによって形成され、貫通孔213´を有する遮蔽板212´を備える。放射線源211´の遮蔽板212´は、図12に示すように平面形状、もしくは円筒形状を有する。貫通孔213´は、放射線源から始まる投影線が、等しい円弧長間隔を開けて配置される検出素子が描く円周を横切るように配置される。
【0006】
T. Bortfeld等のアルゴリズムとは対照的に、公開されていない欧州特許出願(EP 04031043.5号)の画像再構成は、通常のフィルタ補正逆投影アルゴリズムに替わって用いられ得る。従って、フィルタ補正逆投影における内挿によって発生するアーチファクトは、回避することができた。それにも関わらず、欧州特許出願(EP 04031043.5号)による画像再構成は、実際には、再構成された画像にアーチファクト(いわゆるエリアシングアーチファクト)が発生するという欠点を有することが確認された。
【0007】
コンピュータ断層撮影における昨今の発達は、フラットパネル技術に基づく、いわゆるマルチスライスCTとCTシステムとを提供している。これらの発達に関しては、三つのさらに重要な問題がある。第一に、データ量がとても多く、このような量を用いた再構成時間はとても長く、又、そのようなデータを処理するためのコンピュータはとても高価である。第二に、検出器は平面形状であり、一般的に、通常のCT装置の円形状に適用されない。最後に、低コントラストな細部の分解能は、散乱放射線に起因して抑制される。
【0008】
上記の欠点は、通常のCT撮像のみだけでなく、ラドンデータに関連する全ての再構成法に由来する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、目的物を撮像するための改善された方法を提供することにあり、上記の通常の技術の欠点を回避し、特に、画像再構成におけるアーチファクトを低減する。さらには、その撮像方法は、平面検出器に用いることができるように改善される。さらには、本発明の目的は、特にエリアシングアーチファクトが低減された検査領域の改善された撮像方法が可能な、改善された撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面によれば、検査領域を照射するためのエネルギー入力ビームは、少なくとも2つの異なる断面を有する、複数の個別で離散的なエネルギー入力ビーム成分で提供される。エネルギー入力ビーム成分は、検査領域を通過する。一つの又は異なるエネルギー入力ビームに属する平行なエネルギー入力ビーム成分のグループは、検査領域を通過するステップレス(step-less)な照射を提供する。検査領域がそれぞれの投影方向に応じた照射で完全に覆われるように、エネルギー入力ビームは、平行なエネルギー入力ビーム成分が隣り合って配置されるように形成される。
【0011】
本発明者達は、アーチファクト(特にエリアシングアーチファクト)が通常の技術によって発生されることを確認した。要求される等しい角度間隔で投影線が配置される場合、それに対応するエネルギー入力ビーム成分は、エネルギービームのその投影方向に直交する参照平面を非等間隔にある点にて横切る。従って、公開されていないEP 04031043.5号に記載の画像再構成アルゴリズムと、T. Bortfeld等の通常のアルゴリズムとは、一様でないサンプリングを特徴とする。等しい断面を有する通常のエネルギービーム成分で、この一様でないサンプリングは、ほとんどの場合、隣り合う平行エネルギービーム成分との間で重畳又は間隙が生じてしまう。本発明者達は、これら重畳又は間隙は通常の撮像方法で得られるエリアシングアーチファクトに起因することを確認した。
【0012】
非一様なサンプリングを用いた上記の技術とは反対に、本発明に係る撮像方法は、検査領域の連続的な照射を提供する。エネルギービーム成分が異なる断面を有する投影方向に平行なとき、非一様なサンプリングは補正される。従って、平行なエネルギービーム成分は、お互い隣接している。エリアシングアーチファクトが抑制されるように、あらゆる二重照射又は意図しないシャドーイング(shadowing)は回避される。
【0013】
本発明に係るエネルギー入力ビームの成形は、検査領域を照射することによって得られる減衰値を計測するための検出器の構造に関して、さらなる重要な利益を有する。検査領域に対して連続的な照射を行なうために、中央のエネルギー入力ビーム成分から離れるにつれ、エネルギー入力ビーム成分の断面は増加する。着目したエネルギー入力ビーム成分と中央のエネルギー入力ビーム成分との間の角度が増大するにつれ、その着目したエネルギー入力ビーム成分の断面は減少する。平行なエネルギー入力ビーム成分のグループの中央部から境界部へ行くにつれて断面が減少ことによって、そのエネルギー入力ビーム成分のグループに直交する直線、線形(一次元)、又は平面(2次元)検出器上に、等しい断面を有するエネルギー入力ビーム成分の投影が生ずる。結果として、それぞれのエネルギー入力ビーム成分は、検出素子のグループのさらなるキャリブレーション又はリサイジング(resizing)を省略できるように、検出器の同じ番号の検出素子で検出される。
【0014】
通常のコンピュータ断層撮影は等しい断面を有するビームでの検査領域の照射に基づくように規定されるが、本発明者達はこのコンセプトを破ってきた。それにも関らず、“コンピュータ断層撮影”という用語は、本発明に関る撮像方法の実施形態を説明するために、以下でも用いることにした。
【0015】
ここで用いられる“検査領域”(ROI)という用語は、概して、検査下での目的物又はそれの一部を示す。ROIは、2次元又3次元的な存在として記述されうる。“投影方向”という用語は、概して、ROIを通過するエネルギー入力の直線的な経路を示す。投影方向は、用いられる座標系に関する角度によって規定される。ファンビーム又はコーンビームを考慮する場合、“投影方向”という用語は、ファンビーム又はコーンビームに含まれる中央の(又は主要な)ビーム成分を指す。
【0016】
ROIで計測されたラドンデータは、ROIを通過する複数の予め決定された投影方向に対応して決定される投影関数のセットから得られる。そのデータは、ある数の“投影”によって収集される。これら投影は、ビーム成分によって覆われる経路に沿う興味ある効果を積分することによって表される。十分な数の積分された“投影”を計測することによって、その目的物の特徴がラドンデータに基づいて再構成される。
【0017】
投影関数の値は、概して、それぞれの投影方向に沿ってROIを通過するエネルギー入力ビームの相互作用(減衰、例えば吸収や散乱、反射による減衰)によって決定される。投影関数は一次元関数であるが、全ての利用可能な投影方向に対応する投影関数の全体は、高次元の空間(ラドン空間)を張る。
【0018】
ここで用いられる“エネルギー入力ビーム”(又は“放射ビーム)という用語は、ROIを通過する直線(又は重要な直線)に沿って進む物理量の全種類を示す。伝達されるエネルギーは、ROIとの相互作用によって変化する。特に、”エネルギー入力ビーム“という用語は、X線等の電磁放射、粒子放射、音波を含む。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、エネルギー入力ビーム成分は、異なるエネルギー入力ビーム又は特定の一つのエネルギー入力ビームに属し、隣接するエネルギー入力ビーム成分との間に間隙及び重畳なくROIを照射する平行なエネルギー入力ビーム成分のグループを提供する。本発明のこの実施形態に係る重要な利益は、特定の効果的な方法によってエリアシングアーチファクトが抑制されうるという事実によって得られる。実際には、エネルギー入力ビーム成分の境界は、関数、より正確には、特定のビーム成形技術に依存する連続関数において跳躍しない。2つのエネルギー入力ビーム成分との間の物理量(例えば、電磁場強度)が、隣り合うエネルギービーム成分の中央におけるそれぞれの物理量に比して50%以上でない場合、間隙及び重畳のない(又は完全なる照射)の特徴が満たされる。
【0020】
本発明は、エネルギー入力ビームの成形は通常の撮像技術、例えば、通常のコンピュータ断層撮影による撮像技術によって実行可能であるという更なる重要な利益がある。従って、本発明の好ましい実施形態に係る成形されたエネルギー入力ビームは、少なくとも一つのビーム源によって発生されたファンビーム又はコーンビームであり、当該ファンビーム又はコーンビームはその傾きを示す特定のビーム角度を有する。
【0021】
エネルギー入力ビームがビームマスクによって成形される場合、予め決定されたビーム角度範囲内にあり、予め決定された断面を有するエネルギー入力ビーム成分を提供する正確で再現性のある入力方法に関して、特定の利益を得ることが出来る。ビームマスクは貫通孔を有し、貫通孔はエネルギー入力ビーム成分の一部を通過させ、一方、エネルギー入力ビームの残りの部分は遮蔽される。ビームマスクは、ビーム源の近くに配置され、ビーム源、例えばX線源とともに移動する。この場合、ビームマスクは、ビーム源マスクと呼ばれる。ビームマスクは、撮像装置に固定される場合、フレームマスクと呼ばれる。典型的には撮像方法に基づくラドンデータのために用いられるビーム源の幾何学的なサイズのために、ビームマスクは、エネルギー入力ビームの鋭いプロファイリング(profiling)を与える。本発明者達は、ビーム源(ビームマスクが接続されている)から1メートル又はそれ以上の範囲でさえも、ROIに連続的な照射が行なわれることを確認した。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、ビームマスク(移動可能な源マスク又は固定されたフレームマスク)は、貫通孔を有する遮蔽物質で形成された平面状の固体のプレートを備える。この固体のプレートは、X線エミッターから距離sの位置に配置される。貫通孔は全て同じサイズである。これらは位置s=scotθ(θは、別個のビーム成分の向きを示す)に配置される。平面状のビームマスクがファンビーム又はコーンビームの中心の投影方向に対して垂直に配置される場合、その同じサイズの貫通孔は、自動的に、エネルギー入力ビームの境界にて断面が減少するエネルギー入力ビーム成分を与える。平面状のビームマスクは、単純な構造であるという特定の利益を有し、幅広い応用性を有する。平面状のビームマスクの代わりに、ビームマスクは、貫通孔を有し、湾曲した、例えば円筒形状の遮蔽物質で形成されてもよい。この場合、貫通孔は、異なる断面を有するエネルギー入力ビーム成分を与えるために、異なるサイズを有する。円筒状のビームマスクは、ビーム源に対して別個に調節された正確な断面を規定することが可能という点に関して特定の利益を有する。
【0023】
ビームマスクの湾曲した形状と貫通孔の直径とは、投影方向に対して直交する面上のあらゆるビーム成分の投影が同じサイズとなるように、変更することができる。
【0024】
本発明に係る撮像方法がエネルギー入力ビーム源に対するビームマスクの調節を含む場合、撮像と再構成との結果は、ビームマスクの適切な調節によって改善される。
【0025】
本発明の更なる有益な実施形態によれば、エネルギー入力ビームは、エネルギー入力ビーム成分のプロファイルに関してだけでなく、エネルギー入力ビームの外側の境界に関しても成形される。本発明に係る撮像方法は、エネルギー入力ビームのビーム角度を設定するという更なる工程を有する。この実施形態は、検査される特定の目的物に対するビーム源(ビームマスクと組み合わせて)の調節に関して、特定の利益を有する。小さい目的物を照射するために、ビーム角度は、照射線量全体が低減されるように、小さくすることができる。
【0026】
好ましくは、ビーム角度は、ダイアフラム又はシャッターとして供される開口によって設定される。開口は単純な構造を有する。さらに開口は、本発明への適用のために、例えば通常のCT装置のような通常の撮像装置に簡単に搭載されうる。開口の更なる利点は、ビーム角度を調節するための2つの案の有用性によって向上する。第一の案では、ビーム角度は、開口の直径を設定することによって調節される。このことにより、開口の検査下における目的物への柔軟な適用が行なわれる。第二の案では、ビーム角度は、開口とビーム源との距離を設定することにより調節される。距離が減少するにつれ、ビーム角度は大きくなる。2つの案を併用することも可能である。
【0027】
本発明に係る第2の好ましい実施形態によれば、少なくとも一つのエネルギー入力ビームは、エネルギー入力ビーム成分を提供する平行なペンシルビームの分布を備える。この場合、平行なエネルギー入力ビーム成分のそれぞれのグループは、一つのエネルギー入力ビームのみに属する。このエネルギー入力ビームは、例えば、通常のCT撮像装置において知られている線状のビーム源によって生成される。
【0028】
異なる断面を有する少なくとも二つのペンシルビームを提供するためのエネルギー入力ビームの成形は、線状のビーム源の出力を変更することによって、又は、適当な形状を有するビームマスクによって行われる。
【0029】
離散化された投影線に基づく上記の再構成アルゴリズムは、実際の投影方向に直交する参照平面を非等間隔に配置された交点にて横切る投影線に応じた減衰値の計測を必要とする。従って、等しい断面を有するエネルギービーム成分の効果についての上記の考察は、平行なペンシルビームに対しても同様に有効である。本発明に係るこの実施形態では、平行なペンシルビームは、特定のエネルギー入力ビームのエネルギー入力ビーム成分を表す。上記のようにビームマスクによってペンシルビームの断面を調節することが可能であるが、好ましくは、平行なペンシルビームの異なる断面は、ビーム源の出力を変更することによって調節される。
【0030】
平行なペンシルビームは、好ましくは、移動するX線ビームエミッターによって生成される。この場合、X線を発生するための電子流は、ペンシルビームの断面を調節するために、変更される。
【0031】
検査下における目的物のラドンデータの完全なセットを得るために、ROIは、複数の投影方向に沿って照射されなければならない。この照射は、複数のビーム源によって生成される複数のエネルギー入力ビームによって行なわれる。この実施形態では、ビーム源は、撮像される目的物の周囲に分布される。しかしながら、本発明に係る好ましい実施形態によれば、投影方向は、目的物に対して移動するビーム源によって設定される。好ましくは、エネルギービーム源は、目的物の周りの円周上を移動する。有益なことに、この実施形態は、通常の撮像技術、特に通常のコンピュータ断層撮影に完全に互換性がある。
【0032】
本発明に係る撮像方法は、ROIを通過するエネルギービームの減衰値を計測することが可能なあらゆるタイプの検出器によって実行することができる。本発明に係る好ましい実施形態によれば、直線状又は平面状の少なくとも一つの検出器は、減衰値を計測するために用いられ、通常の検出技術への互換性と単純(平面)な形状を有する検出器の有効性という点に関して利益がある。さらには、エネルギー入力ビームが平行なペンシルビームのグループを有する場合、全ての平行なペンシルビームの減衰値は、一つの検出器で同時に計測可能である。ファンビーム又はコーンビームで、複数の検出器又は一つの検出器のみが用いられる。後者の場合、検出器は、移動するエネルギービーム源に応じて移動可能である。
【0033】
本発明は、データの取り扱いに関して他の重要な利益を提供する。エネルギー入力ビーム成分の断面の調節により、減衰値は、予め決定された検出器の検出素子のグループによって計測される。この検出素子のグループは、全てのビーム成分に対して全て同じサイズを有する。処理されるデータの量が減少するように、これら予め決定されたグループのみがリサイジングなしに読み出される。
【0034】
画像再構成を終えるために、本発明に係る好ましい実施形態の撮像方法は、計測された減衰値を画像再構成処理にかける工程を有する。傾いた投影による線量源弱効果を補正するため、それぞれの減衰値に寄与するビーム成分の厚さによって減衰値を分配することによって、減衰値はスケーリングされる。好ましくは、画像再構成処理は、上記のアルゴリズムの一つを含む。EP 04031043.5号とT. Bortfeld等の文献とは、参照によって本明細書に取り入れられる。特に、画像再構成アルゴリズムの実行に関する記載が取り入れられる。
【0035】
本撮像方法と装置とは、例えば、CT等の医用撮像における様々な応用で用いることができるということは、本発明の重要な利点である。しかしながら、光断層撮影や、産業用の検査や生物学の研究等のためのあらゆる多次元撮像等のような、多くの実現性の高い応用がある。好ましくは、画像関数は、X線コンピュータ断層撮影(CT)装置や、中性子を用いた透過検出システムにおいて検出されたラドンデータに基づいて決定される。
【0036】
本発明に係る第2の局面によれば、上記の目的は、検出装置を備える撮像装置によって解決される。この検出装置は、別個のエネルギー入力ビーム成分を有する上記のエネルギー入力ビームを生成するための少なくとも一つのエネルギー入力ビーム源を備える。検出装置は、エネルギー入力ビーム成分の断面を調節するための成形器をさらに備える。本発明に係る好ましい実施形態によれば、成形器は、エネルギービーム源とROIとの間、好ましくはエネルギービーム源の面前に配置され、貫通孔が形成されたビームマスクを有する。若しくは、成形器は、例えば、X線源の電子流を変更するための電流制御装置のような、エネルギービーム源の変更操作のための制御装置を有する。
【0037】
本発明に係る更なる好ましい実施形態によれば、撮像装置は、放射線源マスクとエネルギー入力ビーム源との間の距離を調節するための第1調節器と、ビーム角度開口の直径及び/若しくは開口とエネルギー入力ビーム源との間の距離を調節するための第2調節器と、の少なくとも一つを備える。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、画像再構成におけるアーチファクトが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明は、コンピュータ断層撮影における適用を参照しながら以下に記述される。本発明は、上記適用とは異なる類似の方法で実行され得ることを強調しておく。さらに、好ましい実施形態の以下の記載は、主にエネルギービームの成形の工程について述べる。本発明を実行するために用いられるCT若しくは他の撮像装置、又は画像再構成のアルゴリズムの詳細は、通常の技術やEP 04031043.5号から知りうる範囲については記述しない。
【0040】
本発明に係るビームの成形は、図1に概略的に示されている。図1は、目的物の断面を撮像する場合における2次元断面を示す。円2は、再構成されるROIを表す。円2上にある黒点21は、X線放射ビーム成分(矢印)の一つをそれぞれ含む複数の放射ビームを発生するためのX線源の位置である。白点31は、例えば9つの離散的なビーム成分5.1から5.9(又は投影線)の分布を示し、これは、離散的なサンプリングに基づく上記のアルゴリズムに要求されるような平行なエネルギー入力ビーム成分のグループ5を構成する。同時に白点31は、検出器のビンの仮想の位置を示す。現実の配置では、X線源と検出器とはROIの外側に位置する(図3、図12)。
【0041】
離散的なサンプリングを用いた上記の再構成アルゴリズムは、一つの放射ビーム成分の一つに応じてそれぞれ計測された複数の減衰値を含む投影関数(図2参照)の計測を要求する。複数の投影関数は、複数の投影方向に沿って計測される。一例として、投影方向“x”(矢印)が示されている。ビーム5を発生するためのX線源と検出器との位置に応じて、ビーム成分5.1から5.9は反対方向(+x/−x)で示されている。ヘリカルコンピュータ断層撮影における3次元撮像のために、全ての放射ビーム成分は、同じ方向に揃えることができる。
【0042】
等角度で配置されたエネルギー入力ビーム成分によるROIへの必要な照射は、投影方向に垂直な参照平面(y―z)において、非等間隔で配置された交点(図6、7)で交差することに関連付けられる。エネルギー入力ビーム成分を特定の投影方向に対応する平行な成分のグループに再配置した後でも、これら平行な成分は、参照平面に交点を有し、均等に分布されていない。この特徴は、図1に示される。着目点(白点31)の間隔は、中央のビーム成分5.5からの距離が長くなるにつれて小さくなる。
【0043】
本発明によれば、エネルギー入力ビーム成分(ここでは、X線ビーム成分)の断面は、中央のビーム成分5.5からの距離が長くなるにつれて小さくなるように選択される。さらに、断面は、照射によってROIが全体的に覆われ、それぞれの白点31がそれぞれのビーム成分の中間に位置するように選択される。
【0044】
一つの与えられたビーム成分の直径dは、
【数1】

【0045】
によって定義される。ここで、θj、2mは、等しいデータ収集位置間の角度に対応し、選択された位置に依存する。dは、撮像の分解能についての大きさである。
【0046】
エネルギー入力ビーム成分の供給の更なる詳細を以下に述べる。
【0047】
本発明がコンピュータ断層撮影に適用される場合、撮像装置は現行の医療用CT装置のように構成される。投影データを収集するためのCTシステムにおける連続的なファン又はコーンビーム3の方向づけは、図2に概略的に示される。CTシステム(完全には描写されていない)は、リング形状の放射線源キャリア220を含む。X線管(放射線源210)と平面検出器310とは、放射線源キャリア220内を、例えば0.3から0.5秒の間に完全に一周回り終えるように回転する。検出器310は、例えば、1から64列(又は256列、又はそれ以上)の検出素子列(検出素子が一列以上の場合、マルチスライスCTと呼ばれる)を備える。検出素子列は、一列あたり約700、又は1000の検出素子を有する。一回転する間に、データは、必要な投影の数、例えば、約1000回、に従って読みだされる。検査下における目的物、例えば被検体は、連続的に移動するテーブル上に載置された状態でCTリングを通過する。この方法によって、いわゆるヘリカル、又はスパイラルCTデータセットは収集される。なぜなら、収集されるデータは螺旋上にあるからである。検出器310は、放射線源からの投影方向に対して垂直な平面状の参照面上に配置される検出素子の直線的(一次元)若しくは平面的(二次元)配列を有する。
【0048】
以下に示すように、平行なビーム成分の選択は、例えばROIを完全に覆うために、通常のCTシステムで行なわれうる。参照はファンビームに対してなされ、一方、コーンビームは、類似の方法で扱われる。図2と図3とに示すように、それぞれのファンビーム3は、ファンビーム成分4.1、4.2、4.3…の束として示される。ファンビーム成分4.1、4.2、4.3…のそれぞれは、直線的なペンシルビームとみなすことができる。一方、これらペンシルビーム自体は同じ投影方向ではないが、それぞれの必要な投影方向に応じた離散的な投影プロファイルの定義は、図3に示されるコンセプトに従う。
【0049】
図3は、それぞれがファンビーム成分4.1から4.7を有する複数のファンビーム(例えばファンビーム3)を示す。黒点21は、図示されたX線放射ファンビームを生成するX線源の位置を示す。図示した放射線源210の位置に対応する第1の主要な投影方向について、ファンビーム成分4.5は、検出器(検出アレイ)の検出素子311(又は検出素子のグループ)で検出される直線的なペンシルビームとして、ROI2を通過する。ファンビーム成分4.5に平行する他の投影線の減衰値を得るために、例えば、放射線源210の移動後の位置におけるファンビーム3´のファンビーム成分4.3´又はファンビーム3´´のファンビーム成分4.1´´は、検出素子312又は313にてそれぞれ検出される。検出素子の位置と放射線源の位置との適切な選択、具体的には、円弧状に等間隔な位置で、同じ投影を有し平行なファンビーム成分を用いて計測された減衰値は、離散的な投影プロファイルを構成するために用いられうる。ファンビーム成分4.5、4.3´、及び4.1´´は、それぞれファンビーム3、3´、及び3´´内において異なる相対的な位置を有する。以下に示すビームマスクを用いることによって、ファンビーム成分4.5、4.3´、及び4.1´´は、異なる断面(ビームの中央から端にかけて減少する)を有し、その結果、図1に示される断面の分布は、平行なビーム成分のグループにて得られる。
【0050】
このコンセプトは、例えば図8に記載のCT装置によって収集された投影データからの画像関数の再構成のために用いることができる。放射線源210と検出器との位置と、検出器内の検出素子311、312、313、…の位置とが、それぞれ選択されたファンビームの中心投影方向に基づいて得られるように、平行なビーム成分のグループに対応する離散化された投影プロファイルを構成するための積分された減衰値は、単純に、CT装置で得られた生データの収集と検出された積分された減衰値の再配置とで得られる。
【0051】
本発明に係る異なる断面を有する成形されたビーム成分を提供することの効果は、図4と図5とにさらに詳述される。図4は、EP 04031043.5号において記述された、図12に係る放射線源マスクの効果を示す。等しい断面を有するビーム成分を提供するため、この放射線源マスクは異なる直径dの貫通孔を有する。中央の貫通孔からの距離が増すにつれ、直径dは増す。結果として、検出面におけるビーム成分の投影は増加する。例えば、投影7.1´は、投影7.2´よりも大きい。この効果は、図6に示すように、本発明に係るビームの成形によって補正される。検出面への全ての投影7.1、7.2、及び7.3は、同じ大きさである。
【0052】
図6と図7とは、本発明に係るビームマスク211を用いたビーム成形の実施形態を示す。7つの離散化されたビーム成分4.1から4.7は、放射線源マスク211を備えた放射線源210を用いることによって、ファンビーム形状で生成される。図6によれば、放射線源マスク211は、貫通孔213が形成された、例えばタングステンを材料とする遮蔽板212を備える。貫通孔213は、放射線源210から始まる投影線が予め決定された位置にある検出素子によって形成される円周を横切るように配置される。特に、検出素子は、円周上に沿って等間隔で配置される。図12に示す遮蔽板212´とは対照的に、平板における貫通孔213は、同一の直径dを有する。遮蔽板212の厚さは、タングステンの場合、約100μmから約5mmの範囲内である。図6は、明確さのみのために、7つのビーム成分を示した。実際は、遮蔽板212は、例えば、約100μmの直径を有する約200個の貫通孔を含む。貫通孔の大きさは、得るべき画像の解像度に応じて選択される。
【0053】
中央のビーム成分4.4は、マスク板に直交し、それに対応して、検出面(図示せず)に直交する。従って、中央のビーム成分4.4の断面は、直径dに等しい。一方、境界にあるビーム成分4.1は、マスク板に対して傾いている。従って、ビーム成分4.1の断面は減少する。一般に、中央の貫通孔から境界まで(m番目の貫通孔まで)番号を付すと、m番目のビーム成分に対応する断面は、
【数2】

【0054】
である。図7によれば、放射線源マスク211は、貫通孔を有する、例えばタングステンの(半)円筒状の遮蔽部材212を有する。円筒状の遮蔽部材212は、円筒の軸をCTリングの軸に平行するように配置される。円筒状の部材にある貫通孔213は、異なるビーム成分の断面を正確に与えるために、異なる直径を有する。
【0055】
図8は、撮像装置100の実施形態を概略的に示す図である。撮像装置100は、エネルギー発生器200と検出器300とを備える計測装置と、計測装置に接続された再構成装置400とを有する。さらに、保持装置500が提供される。保持装置500は、例えば、検査下における目的物1を配置するための、及び、エネルギー発生器200と検出器300とに対する目的物の位置関係を調節するための、CTシステムにおいて知られているキャリアテーブル、又は他のあらゆるテーブル、又はサブストレイトホルダー(substrate holder)である。コントロール装置やディスプレイ等のような構成要素(図示せず)が、公知技術の装置からそれ自体が知られるように提供される。
【0056】
エネルギー発生器200は、例えば、通常のCT装置から知られるように、放射線源キャリア220(例えば、ガイドレール又はガントリ)に配置された、移動可能なX線源のようなエネルギー入力源210を有する。検出器は、エネルギー入力源210に対向するように、放射線源キャリア220に移動可能に配置された検出列310を有する。この構造により、ROI(図中の紙面に平行)を通過する投影方向は、構成要素210と310との組み合わせが保持装置500の周りを回転することによって設定される。若しくは、目的物1の周囲に検出列が分布した検出器は、放射線源キャリア220に対して固定される。
【0057】
図9は、放射線源キャリア220の様々な実施形態の更なる詳細を示す。第一に、ファンビーム成分4.1、4.2、…を備える離散化されたファンビーム3は、放射線源マスク211と結合された放射線源によって発生される。放射線源マスク211は、上述のように、放射線源のエネルギー分布関数を成形するために適用される。放射線源マスクは、放射線源(例えばX線管)に、特に放射線源210の出力窓215の枠214に、クリップや留め金、調節可能なキャリア(図10参照)の様な着脱可能な固定要素によって固定される。第二に、保護機能は、複数の放射窓223が概略的に示されたリング形状の遮蔽板222によって実現されうる。リング形状の遮蔽板222は、遮蔽板222の幾何学的特性を実用的応用、特に使用するマスクに適用するために放射線源キャリア220に着脱可能に固定される。例えば、リング形状の遮蔽板222は、直径6mm(CTリングの直径80cm)の放射窓223を有する。
【0058】
リング形状の遮蔽板222の放射窓223に、図9に一つだけ示したフレームマスク224が装着された場合、上記の放射線源マスク211はなくても良い。実際、放射線源211とフレームマスク224とは、同時に提供される必要はない。
【0059】
上記のマスクによって発生された離散的なファンビームで、例えば対応する投影線に沿う減衰の積分値を検出する検出器の検出素子からの信号は、放射線源と検出器との決まった位置のみにて読み出される。読み出し位置は、リング形状の放射線源キャリア上の円弧長であり、このことは、図3に示したような同じ投影方向でファンビーム成分を選択する条件を満足する。
【0060】
図10は放射線源マスク211を備えた放射線源210とビーム角度開口216との組み合わせの実施形態を示す。調節可能なキャリア217は、構成要素211と216との少なくとも一つを保持するために放射窓215の枠214に配置される。たいてい、調節可能なキャリア217は、少なくとも一つの調節装置として使用される。ビーム角度開口216は、中央孔を備えた遮蔽板によって形成される。ビーム角度開口216と放射線源210の放射線エミッター210.1との間の直径及び/又は垂直距離は、放射ビームのビーム角度αを規定するために調整可能なキャリア217で調節されうる。放射線源マスク211は、ビーム成分4.1、4.2を規定するために上記のように成形される。放射線源マスク211と放射線エミッター210.1との間の距離は、必要な撮像解像度を得るために変更可能である。調整可能なキャリア217は、手動又は電気的、例えば圧電駆動装置で操作されうる。
【0061】
本発明に係る更なる実施形態によれば、検査下における目的物は、図10に示すように放射線源210のそれぞれの位置において同時に放出される直線で平行なペンシルビーム6.1、6.2、6.3、…に照射される。直線で平行なペンシルビーム6.1、6.2、6.3、…を有するビーム5は、放射場上に分布され、線状に延びた放射線源によって規定される。平行なペンシルビーム6.1、6.2、6.3、…は、上記のように、放射線源に備えられるマスクによって成形される。若しくは、第1世代のCTシステムとして知られる、一つのペンシルビームを放射しながら移動する放射線源を用いることも可能である。この場合、ペンシルビームの断面は、放射線源210の電流制御装置218によって制御される。図10の実施形態は、離散化された投影プロファイルが図3に示すような成分選択を再配置することなく、検出器310で直接的に計測することができるという特有の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るビーム成形の実施形態の概略図。
【図2】検査時における、目的物を通るファンビームの方向づけを示す図。
【図3】検査時における、目的物を通るファンビームの方向づけを示す図。
【図4】同じ断面を有するビーム成分を用いた通常の放射の効果を示す図。
【図5】本発明に係る、異なる断面を有するビーム成分を用いた放射の効果を示す概略図。
【図6】本発明に係る、ビーム成形マスクを用いた実施形態を示す概略図。
【図7】本発明に係る、ビーム成形マスクを用いた実施形態を示す概略図。
【図8】本発明に係る撮像装置の実施形態を示す概略図。
【図9】検査時における、目的物を通るファンビームの方向づけを示す別の図。
【図10】本発明に係る、ビーム角度開口とビーム源マスクとを有するビーム源の組み合わせを示す概略図。
【図11】検査時における、目的物を通るペンシルビームの方向づけを示す別の図。
【図12】公開されていないEP04031043.5号に係るビーム成形マスクを示す概略図。
【符号の説明】
【0063】
1…目的物、2…ROI(検査領域)、3…エネルギー入力ビーム、4.1〜4.7、6.1〜6.7…エネルギー入力ビーム成分、5…平行エネルギー入力ビーム、5.1〜5.7…平行エネルギー入力ビーム成分、100…撮像装置、200…エネルギー発生器、210…エネルギー入力ビーム源(放射線源)、211…放射線源マスク、212…遮蔽板、213…貫通孔、220…放射線源キャリア、222…遮蔽板、224…フレームマスク、300…検出器、500…保持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的物の検査領域を撮像するための撮像方法であって、
複数の投影方向に沿って少なくとも一つのエネルギー入力ビームを前記検査領域に照射するステップを具備し、前記少なくとも一つのエネルギー入力ビームは複数の別個のエネルギー入力ビーム成分を備え、
前記ステップは、
前記エネルギー入力ビーム成分の少なくとも2つが前記検査領域を照射するように前記エネルギー入力ビームを成形するステップによって特徴づけられ、前記少なくとも2つのエネルギー入力ビーム成分は異なる断面を有し、前記投影方向の一つに平行する平行エネルギー入力ビーム成分のグループは前記検査領域を連続的に照射する撮像方法。
【請求項2】
前記平行エネルギー入力ビーム成分のグループは、前記それぞれのクループに属する前記エネルギー入力ビームが重なることなしに、前記検査領域を完全に照射する、請求項1記載の撮像方法。
【請求項3】
前記エネルギー入力ビームは、ファンビーム又はコーンビームである、請求項1又は2記載の撮像方法。
【請求項4】
前記エネルギー入力ビームを成形するステップは、前記エネルギー入力ビームを、エネルギー入力遮蔽物質で形成され貫通孔を有するビームマスクに通過させる、請求項1から3の何れか一つに記載の撮像方法。
【請求項5】
前記エネルギー入力ビームを成形するステップは、前記エネルギー入力ビームを、全て同じサイズの貫通孔を有する平面状のビームマスク又は、異なるサイズの貫通孔を有する曲面状のビームマスクに通過させる、請求項4記載の撮像方法。
【請求項6】
前記ビームマスクとエネルギー入力ビーム源との間の距離を調節するステップをさらに備える請求項4及び5の少なくとも一方に記載の撮像方法。
【請求項7】
前記エネルギー入力ビームを成形するステップは、前記エネルギー入力ビームのビーム角度を調節するステップをさらに備える請求項1から6の何れか一つに記載の撮像方法。
【請求項8】
前記ビーム角度は開口に配置される、請求項7記載の撮像方法。
【請求項9】
前記開口の直径と、前記開口の直径と、前記開口と前記エネルギー入力ビーム源との間の距離との少なくとも一つを調節するステップをさらに備える、請求項8記載の撮像方法。
【請求項10】
前記エネルギー入力ビームの前記エネルギー入力ビーム成分は、平行なペンシルビームの分布を備える、請求項1又は2記載の撮像方法。
【請求項11】
前記エネルギー入力ビームを成形するステップは、前記ペンシルビームの異なる断面を提供するための放射線源モジュレーションを備える、請求項10記載の撮像方法。
【請求項12】
前記投影方向は、前記目的物に対して前記エネルギー入力ビーム源を移動させた後に設定される、請求項1から11の少なくとも一つに記載の撮像方法。
【請求項13】
複数の積分された減衰値は、少なくとも一つの一次元状の線形検出器、又は少なくとも一つの2次元状の平面検出器によって計測される、請求項1から記載の12の少なくとも一つに記載の撮像方法。
【請求項14】
前記エネルギー入力ビーム成分は、前記平行なペンシルビームを有し、前記同じ投影方向を有する全てのエネルギー入力ビーム成分の前記積分された減衰値は、前記検出器によって同時に計測される、請求項13記載の撮像方法。
【請求項15】
前記検出器の検出素子の排他的に予め決定されたグループは、前記積分された減衰値を得るために読み出される、請求項13又は14記載の撮像方法。
【請求項16】
前記複数の投影方向に対応する複数の投影関数を決定するステップを備え、前記複数の投影関数のそれぞれは、前記投影方向に平行且つ参照平面を横切るエネルギー入力ビーム成分で計測された積分された減衰値を備え、前記参照平面は非等間隔な交点にあるこの投影方向に垂直である、請求項1から15の少なくとも一つに記載の撮像方法。
【請求項17】
前記複数の積分された減衰値を、前記それぞれのビーム成分の断面によって分配することによってスケーリングにかけるステップと、
前記複数のスケーリングされた減衰値を画像再構成処理にかけるステップと、
を備える請求項1から16の少なくとも一つに記載の撮像方法。
【請求項18】
前記積分された減衰値は、ラドンデータを提供するために、X線コンピュータ断層撮影装置、光断層撮影、又は中性子を用いた透過検出システムによって計測される、請求項1から17の少なくとも一つに記載の撮像方法。
【請求項19】
複数の投影方向に対応する投影関数を計測するための計測装置を具備し、前記計測装置は、少なくとも一つのエネルギー入力ビーム成分を発生するための少なくとも一つのエネルギー入力ビーム源と、検出器とを含む目的物の検査領域を撮像するための撮像装置において、
異なる断面と、前記投影方向の一つに平行な平行エネルギー入力ビーム成分のグループとを有する少なくとも2つの前記エネルギー入力ビーム成分が、前記検査領域を照射するように前記エネルギー入力ビームを成形する成形器をさらに備える、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項20】
前記成形器は、エネルギー入力遮蔽物質で形成され貫通孔を有するビームマスクを備える、請求項19記載の撮像装置。
【請求項21】
ビームマスクは、前記少なくとも一つのエネルギー入力ビーム源と前記検査領域との間に配置される、請求項20記載の撮像装置。
【請求項22】
前記成形器は、全て同じサイズの貫通孔を有する平面状のビームマスク又は、異なるサイズの貫通孔を有する曲面状のビームマスクを備える、請求項20又は21記載の撮像装置。
【請求項23】
前記ビームマスクと前記エネルギー入力ビーム源との間の距離を調節するための第1調節器をさらに備える、請求項20から22の少なくとも一つに記載の撮像装置。
【請求項24】
前記エネルギー入力ビーム源は、ファンビーム又はコーンビームを生成するために調節される、請求項19から23の少なくとも一つに記載の撮像装置。
【請求項25】
前記エネルギー入力ビームのビーム角度を設定するための開口をさらに備える、請求項19から24の少なくとも一つに記載の撮像装置。
【請求項26】
前記開口の直径と、前記開口と前記エネルギー入力ビーム源との間の距離との少なくとも一つを調節するための第2調節器をさらに備える、請求項25記載の撮像装置。
【請求項27】
前記検出器は、少なくとも一つの一次元状の線形検出器、又は少なくとも一つの2次元状の平面検出器を備える、請求項19から26の少なくとも一つに記載の撮像装置。
【請求項28】
前記エネルギー入力ビーム源は、前記目的物に対して移動可能である、請求項19から27の少なくとも一つに記載の撮像装置。
【請求項29】
前記エネルギー入力ビーム源は、平行なペンシルビームを生成するために調節される、請求項19から23の少なくとも一つに記載の撮像装置。
【請求項30】
前記エネルギー入力ビーム源は、移動可能な放射エミッターを備え、
前記成形器は、前記放射エミッターを制御するための電流制御装置を備える、
請求項29記載の撮像装置。
【請求項31】
計測された投影関数に基づいて画像関数を再構成するために再構成サーキットをさらに備える、請求項19から30の少なくとも一つに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−541807(P2008−541807A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512741(P2008−512741)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004781
【国際公開番号】WO2006/125570
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(398061245)ヘルムホルツ・ツェントルム・ミュンヒェン・ドイチェス・フォルシュンクスツェントルム・フューア・ゲズントハイト・ウント・ウムベルト(ゲーエムベーハー) (19)
【氏名又は名称原語表記】Helmholtz Zentrum Muenchen Deutsches Forschungszentrum fuer Gesundheit und Umwelt (GmbH)
【出願人】(507386287)ザ・ステイト・オブ・オレゴン・アクティング・バイ・アンド・スルー・ザ・ステイト・ボード・オブ・ハイアー・エドゥケイション・オン・ビハーフ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・オレゴン (3)
【Fターム(参考)】