断震装置
【課題】地震の揺れが構造物に与える影響はS波による水平変形量が主要要因となる。従来の技術は免震や制震の装置を設けて揺れの周期を長くすることで振動を弱めているので、変形量が大きな地震に対して高コストとなる。大きな水平変位量の地震に対して、低コストで対処可能な断震装置を提供する。
【解決手段】上部フランジ2、下部フランジ3の間に多筒スパイラル状に形成されたスパイラル平板1を配し、該スパイラル平板1の中空部に所定の水平変位量に制御するストッパー4配置した、水平変位量制御型断震装置。
【解決手段】上部フランジ2、下部フランジ3の間に多筒スパイラル状に形成されたスパイラル平板1を配し、該スパイラル平板1の中空部に所定の水平変位量に制御するストッパー4配置した、水平変位量制御型断震装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や橋梁などの構造物を地震から守るための装置で、地盤と構造物の間に係着する断震装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物を地震から守る為に、免震や制震の装置を設ける場合が多くなっている。地震の周期と構造物の固有周期が近いほど構造物は大きく揺れるのは周知の通りである。構造物の固有周期を伸ばし揺れを少なくするためには、抑制装置が必要となる。鋼板とゴムを交互に重ねた積層型、球体等を利用した転がり支承型や滑り摩擦支承型等のアイソレーター(揺れを絶縁する装置)を設置している。これに加え構造物が応答した揺れを早く減衰させる目的で、鋼棒、鉛材、オイル、粘性体などの物性を利用して減衰するものや、摩擦を利用する減衰方式などのダンパー(揺れを早く減衰させる装置)を併設している。アイソレーターとダンパーという二つの機能を組み合わせる必要がある。つまり制震と減衰を各々の装置に分担させているのが大半である。免震装置、制振装置、減振装置と言われるように構造物に揺れが伝わることを前提としたものである。従って実用化には、構造物を耐震構造にしなければならない。装置は煩雑になり、かつ設置にも広い場所が必要となる。これら上記従来技術の例として、「非特許文献1」「非特許文献2」に開示されているものがある。
【非特許文献1】日本免震構造協会 編、「免震構造入門」オーム社出版、 平成8年7月30日
【非特許文献2】武田寿一 編、「構造物の免震・防振・制振」技報堂出版、 1988年5月1日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地震の揺れが構造物に与える影響はS波と呼ばれる水平動で変形させられることである。それが極限に達すると破壊する。従来この種の免震や制振の
装置を設置しても構造物には強い耐震力が求められ、コストも上がる。本発明はこれらを解決することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の免震や制振装置の課題を解決するために「請求項1」の本発明は、構造物に地震の揺れを伝えないようにした断振装置である。下層部の震動を遮断するために「ダルマ落とし」の原理が利用されている。平板をスパイラル状に巻き、軸方向の鉛直荷重を平板の面で密着し支える構造とした。水平方向の振動はスパイラル平板間で横に滑動させ、構造物の慣性を利用して地震の横揺れを遮断する装置である。建築物等の規模により、1個または2個以上を基礎構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置とした。材質は鋼材に限らず、復元力の大きい材料を使用することが出来る。
【0005】
摩擦を少なくするため、スパイラル平板間の接触面にはコーティングや滑り材を施す、潤滑剤に浸す、等の工夫により滑動機能を上げることが出来る。これに付随して複数のスパイラル平板型にして滑動を均等にしたり、復元力を補助するために勾配を付けて、構造物の重量により鉛直軸芯上に戻ろうとする力が働くような構造にすることが出来る。
【0006】
想定外の大きな地震で、断震設計の範囲を超えた場合、安全のため、スパイラル平板が塑性変形内で収まるように水平方向を制御するストッパーを設け、下部で対応する構造とすることが出来る。
【0007】
「請求項2」の本発明は、スパイラル平板の断面を分割し二筒または多筒コイル型にしてある。これにより、大きな撓りが得られるようになりコンパクトにすることが出来た。撓り(しなり)部分は上部、中央部、下部のいずれの位置に設けることも出来る。 復元力の大きい鋼材を使用する場合、強度が充分でも撓りを得るには直径を大きくする必要がある。スパイラル平板の各筒の巻き方向を同じにし、滑動面の厚みを揃えることで、撓りで隣接する箇所への移動が可能となる。接触面積は一体型と変わらず鉛直荷重に対する面圧も変わらない。これらの構造を備えた装置である。1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【0008】
「請求項3」の本発明は、スパイラル平板の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて上部では断面係数を小さくして撓りを重視し、下部方向に漸次又は段階的に大きくして撓りを少なくすると同時に復元機能をもたせ、且つ接触面を滑動させる構造を持つ装置である。構造物への地震の揺れを遮断する為に、よりしなやかに対応する機構を備えた装置である。上下を逆にしても同様である。1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【0009】
「請求項4」の本発明は、スパイラル平板の断面を分割し二筒または多筒コイル型多にしたことで目的の撓りが得られるようになりコンパクトにすることが出来た。また各々の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて漸次又は段階的に変え、スパイラル平板の厚みと滑動面を揃えることで、撓りで隣接する箇所への移動が可能となる。接触面積は一体型と変わらず鉛直荷重に対する面圧も変わらない。これらの構造を備えた装置である。1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【0010】
断震装置を設置するには 構造物1個に対して1台又は複数台配備する。後述の[図13]に示すように自動調心型の支承装置と合せて設置し補完することで、機能を充実させることができる。
【0011】
現実には断震装置に引張力が発生する場合がある。例えば屋外に設置する場合、風により引張力を生ずる。これに対処するには太ぼ(だぼ)ピン等(後述の図14参照)で接合することが出来る。塔状比の大きい構造物にあっても同様に太ぼ(だぼ)ピン等で接合することが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の通り地震から構造物等を守るよう構成されている。その結果次のような効果を奏している。地震で生ずる振動を構造物に伝えることなく遮断するので、構造物をコンパクトに設計出来て経済的である。この断震装置は堅牢で構造が単純であるため経年劣化が少ない。メンテナンスもジャッキアップ等での部品交換が容易であること等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明に係わる断震装置は、先に述べた通り構造物の断震効果が優れていることは明白である。また、工業的には問題なく量産することが可能であるため、十分な産業上の利用可能性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の効果を示すため、解りやすい実施例をあげるが、ここに掲げる例に限定されるものではない。以下の実施例で示される図の符号は次の通りである。
【実施例1】
【0015】
[図1] は断震装置の斜視図で一部断面表示してある。スパイラル平板(1)と ストッパー(4)を挟む上部フランジ(2)は 構造物に固定し一体化するためのものである。この装置を支える下部フランジ(3)は 地盤と一体化した基礎構造物に固定するためのものである。スパイラル平板(1)は、復元力を担う構造になっている。構造物と地盤を係着するための台の役目を持っている。地震動による水平滑動がスムーズに出来るように、スパイラル平板間(1)の接触面には摩擦を少なくするためコーティングや滑り材が施されている。
想定外の大きな地震に対して 断震設計の範囲を超えた場合、スパイラル平板が塑性変形内で収まるように水平方向を制御するストッパー(4)を 設けて安全を保つよう考慮された例である。
【実施例2】
【0016】
[図2] は断震装置の斜視図で スパイラル平板断面が変化したものである。スパイラル平板(1)を接触させ、震度に対応する断面形状を漸次変え、撓り具合を一定量変化させる構造になっている。接触面を滑動させ、上部で大きく撓って揺れを遮断し下方の弾力性で復元力を担う構造の例である。
【実施例3】
【0017】
[図3]、[図4] 、[図5] は断震装置のスパイラル平板を分割した多筒型で、斜視図、断面を表示してある。スパイラル平板(1)の 断面を複数に分割し多筒コイル状にしたこと示している。
[図4]は [図3]の部分詳細を示す。スパイラル平板(1)の 厚みと面を揃えたことで、撓み(たわみ)で隣接する部分に移動でき撓り量を多くとれることを示した例である。
【実施例4】
【0018】
[ 図6]、[ 図7]、[ 図8]、は平常時、振動時、最大振動時、に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
揺れに対する、スパイラル平板(1)の状態を順次に示したものである。[ 図6]、[ 図7] 、[ 図8]は、スパイラル平板(1)が 塑性変形内 又は所定の変形内に、収まっている状態を示している。
【実施例5】
【0019】
[図9]はスパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたものでスライドした状態を示す断面図である。復元力を補助するために、勾配を付けてある。構造物の重量により元に戻ろうとする力が加速され、スパイラル平板の鉛直軸上に戻る構造になっている。
[図10]はスパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたもので平常時の状態を示す断面図である。勾配を付けてあるのは復元力を補助するための例である。
【実施例6】
【0020】
[図11] は複数のスパイラル平板で構成されたものを示す。スパイラル平板(1)の水平移動方向を均等にするために複数のスパイラル平板で構成されたものを示す。各種の振動に対応するための装置例である。
【実施例7】
【0021】
[図12] は断震装置を複数台設置したものを示す。構造物に対して断震装置を1台又は複数台配備した例である。「スパイラル平板」の巻き方向は、右巻き、左巻きの方向をバランスよく配置することが出来る。
【実施例8】
【0022】
[図13] は断震装置の他に、構造物が地震の揺れに対して、元の位置に復元する力を補助する装置「支承装置」及び、風などの引張力で傾く作用を防ぐ装置「太ぼ(だぼ)ピン」を係着した構造の例を示す。
本発明は、以上の実施例でも示される通り、建造物等の断震装置として優れていることが分かる。また、各種装置との組合せで画期的で有効な利用が出来る事も分かる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】全体の斜視図で一部断面表示してある
【図2】全体の斜視図で スパイラル平板断面が変化したもの。
【図3】全体の斜視図、スパイラル平板を分割した多筒型で一部断面表示してある。
【図4】[図3]の部分詳細を示す斜視図である。
【図5】スパイラル平板を多筒スパイラルに構成され断面を示す。
【図6】平常時に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
【図7】振動時に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
【図8】最大振動時に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
【図9】スパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたものでスライドした状態を示す断面図である。
【図10】スパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたもので平常時の状態を示す断面図である。
【図11】複数のスパイラル平板で構成されたものを示す。
【図12】断震装置を複数台設置したものを示す。
【図13】断震装置に引張力に対処した構造の一例と支承装置とを合せて設置されたものを示す。
【符号の説明】
【0024】
1 スパイラル平板
2 上部フランジ
3 下部フランジ
4 ストッパー
5 自動調心型の支承装置
6 太ぼ(だぼ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や橋梁などの構造物を地震から守るための装置で、地盤と構造物の間に係着する断震装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物を地震から守る為に、免震や制震の装置を設ける場合が多くなっている。地震の周期と構造物の固有周期が近いほど構造物は大きく揺れるのは周知の通りである。構造物の固有周期を伸ばし揺れを少なくするためには、抑制装置が必要となる。鋼板とゴムを交互に重ねた積層型、球体等を利用した転がり支承型や滑り摩擦支承型等のアイソレーター(揺れを絶縁する装置)を設置している。これに加え構造物が応答した揺れを早く減衰させる目的で、鋼棒、鉛材、オイル、粘性体などの物性を利用して減衰するものや、摩擦を利用する減衰方式などのダンパー(揺れを早く減衰させる装置)を併設している。アイソレーターとダンパーという二つの機能を組み合わせる必要がある。つまり制震と減衰を各々の装置に分担させているのが大半である。免震装置、制振装置、減振装置と言われるように構造物に揺れが伝わることを前提としたものである。従って実用化には、構造物を耐震構造にしなければならない。装置は煩雑になり、かつ設置にも広い場所が必要となる。これら上記従来技術の例として、「非特許文献1」「非特許文献2」に開示されているものがある。
【非特許文献1】日本免震構造協会 編、「免震構造入門」オーム社出版、 平成8年7月30日
【非特許文献2】武田寿一 編、「構造物の免震・防振・制振」技報堂出版、 1988年5月1日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地震の揺れが構造物に与える影響はS波と呼ばれる水平動で変形させられることである。それが極限に達すると破壊する。従来この種の免震や制振の
装置を設置しても構造物には強い耐震力が求められ、コストも上がる。本発明はこれらを解決することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の免震や制振装置の課題を解決するために「請求項1」の本発明は、構造物に地震の揺れを伝えないようにした断振装置である。下層部の震動を遮断するために「ダルマ落とし」の原理が利用されている。平板をスパイラル状に巻き、軸方向の鉛直荷重を平板の面で密着し支える構造とした。水平方向の振動はスパイラル平板間で横に滑動させ、構造物の慣性を利用して地震の横揺れを遮断する装置である。建築物等の規模により、1個または2個以上を基礎構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置とした。材質は鋼材に限らず、復元力の大きい材料を使用することが出来る。
【0005】
摩擦を少なくするため、スパイラル平板間の接触面にはコーティングや滑り材を施す、潤滑剤に浸す、等の工夫により滑動機能を上げることが出来る。これに付随して複数のスパイラル平板型にして滑動を均等にしたり、復元力を補助するために勾配を付けて、構造物の重量により鉛直軸芯上に戻ろうとする力が働くような構造にすることが出来る。
【0006】
想定外の大きな地震で、断震設計の範囲を超えた場合、安全のため、スパイラル平板が塑性変形内で収まるように水平方向を制御するストッパーを設け、下部で対応する構造とすることが出来る。
【0007】
「請求項2」の本発明は、スパイラル平板の断面を分割し二筒または多筒コイル型にしてある。これにより、大きな撓りが得られるようになりコンパクトにすることが出来た。撓り(しなり)部分は上部、中央部、下部のいずれの位置に設けることも出来る。 復元力の大きい鋼材を使用する場合、強度が充分でも撓りを得るには直径を大きくする必要がある。スパイラル平板の各筒の巻き方向を同じにし、滑動面の厚みを揃えることで、撓りで隣接する箇所への移動が可能となる。接触面積は一体型と変わらず鉛直荷重に対する面圧も変わらない。これらの構造を備えた装置である。1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【0008】
「請求項3」の本発明は、スパイラル平板の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて上部では断面係数を小さくして撓りを重視し、下部方向に漸次又は段階的に大きくして撓りを少なくすると同時に復元機能をもたせ、且つ接触面を滑動させる構造を持つ装置である。構造物への地震の揺れを遮断する為に、よりしなやかに対応する機構を備えた装置である。上下を逆にしても同様である。1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【0009】
「請求項4」の本発明は、スパイラル平板の断面を分割し二筒または多筒コイル型多にしたことで目的の撓りが得られるようになりコンパクトにすることが出来た。また各々の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて漸次又は段階的に変え、スパイラル平板の厚みと滑動面を揃えることで、撓りで隣接する箇所への移動が可能となる。接触面積は一体型と変わらず鉛直荷重に対する面圧も変わらない。これらの構造を備えた装置である。1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の構造物の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【0010】
断震装置を設置するには 構造物1個に対して1台又は複数台配備する。後述の[図13]に示すように自動調心型の支承装置と合せて設置し補完することで、機能を充実させることができる。
【0011】
現実には断震装置に引張力が発生する場合がある。例えば屋外に設置する場合、風により引張力を生ずる。これに対処するには太ぼ(だぼ)ピン等(後述の図14参照)で接合することが出来る。塔状比の大きい構造物にあっても同様に太ぼ(だぼ)ピン等で接合することが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の通り地震から構造物等を守るよう構成されている。その結果次のような効果を奏している。地震で生ずる振動を構造物に伝えることなく遮断するので、構造物をコンパクトに設計出来て経済的である。この断震装置は堅牢で構造が単純であるため経年劣化が少ない。メンテナンスもジャッキアップ等での部品交換が容易であること等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明に係わる断震装置は、先に述べた通り構造物の断震効果が優れていることは明白である。また、工業的には問題なく量産することが可能であるため、十分な産業上の利用可能性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の効果を示すため、解りやすい実施例をあげるが、ここに掲げる例に限定されるものではない。以下の実施例で示される図の符号は次の通りである。
【実施例1】
【0015】
[図1] は断震装置の斜視図で一部断面表示してある。スパイラル平板(1)と ストッパー(4)を挟む上部フランジ(2)は 構造物に固定し一体化するためのものである。この装置を支える下部フランジ(3)は 地盤と一体化した基礎構造物に固定するためのものである。スパイラル平板(1)は、復元力を担う構造になっている。構造物と地盤を係着するための台の役目を持っている。地震動による水平滑動がスムーズに出来るように、スパイラル平板間(1)の接触面には摩擦を少なくするためコーティングや滑り材が施されている。
想定外の大きな地震に対して 断震設計の範囲を超えた場合、スパイラル平板が塑性変形内で収まるように水平方向を制御するストッパー(4)を 設けて安全を保つよう考慮された例である。
【実施例2】
【0016】
[図2] は断震装置の斜視図で スパイラル平板断面が変化したものである。スパイラル平板(1)を接触させ、震度に対応する断面形状を漸次変え、撓り具合を一定量変化させる構造になっている。接触面を滑動させ、上部で大きく撓って揺れを遮断し下方の弾力性で復元力を担う構造の例である。
【実施例3】
【0017】
[図3]、[図4] 、[図5] は断震装置のスパイラル平板を分割した多筒型で、斜視図、断面を表示してある。スパイラル平板(1)の 断面を複数に分割し多筒コイル状にしたこと示している。
[図4]は [図3]の部分詳細を示す。スパイラル平板(1)の 厚みと面を揃えたことで、撓み(たわみ)で隣接する部分に移動でき撓り量を多くとれることを示した例である。
【実施例4】
【0018】
[ 図6]、[ 図7]、[ 図8]、は平常時、振動時、最大振動時、に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
揺れに対する、スパイラル平板(1)の状態を順次に示したものである。[ 図6]、[ 図7] 、[ 図8]は、スパイラル平板(1)が 塑性変形内 又は所定の変形内に、収まっている状態を示している。
【実施例5】
【0019】
[図9]はスパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたものでスライドした状態を示す断面図である。復元力を補助するために、勾配を付けてある。構造物の重量により元に戻ろうとする力が加速され、スパイラル平板の鉛直軸上に戻る構造になっている。
[図10]はスパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたもので平常時の状態を示す断面図である。勾配を付けてあるのは復元力を補助するための例である。
【実施例6】
【0020】
[図11] は複数のスパイラル平板で構成されたものを示す。スパイラル平板(1)の水平移動方向を均等にするために複数のスパイラル平板で構成されたものを示す。各種の振動に対応するための装置例である。
【実施例7】
【0021】
[図12] は断震装置を複数台設置したものを示す。構造物に対して断震装置を1台又は複数台配備した例である。「スパイラル平板」の巻き方向は、右巻き、左巻きの方向をバランスよく配置することが出来る。
【実施例8】
【0022】
[図13] は断震装置の他に、構造物が地震の揺れに対して、元の位置に復元する力を補助する装置「支承装置」及び、風などの引張力で傾く作用を防ぐ装置「太ぼ(だぼ)ピン」を係着した構造の例を示す。
本発明は、以上の実施例でも示される通り、建造物等の断震装置として優れていることが分かる。また、各種装置との組合せで画期的で有効な利用が出来る事も分かる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】全体の斜視図で一部断面表示してある
【図2】全体の斜視図で スパイラル平板断面が変化したもの。
【図3】全体の斜視図、スパイラル平板を分割した多筒型で一部断面表示してある。
【図4】[図3]の部分詳細を示す斜視図である。
【図5】スパイラル平板を多筒スパイラルに構成され断面を示す。
【図6】平常時に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
【図7】振動時に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
【図8】最大振動時に於ける断震装置の断面の状態を示す図である。
【図9】スパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたものでスライドした状態を示す断面図である。
【図10】スパイラル平板に中心に向かって勾配が付いたもので平常時の状態を示す断面図である。
【図11】複数のスパイラル平板で構成されたものを示す。
【図12】断震装置を複数台設置したものを示す。
【図13】断震装置に引張力に対処した構造の一例と支承装置とを合せて設置されたものを示す。
【符号の説明】
【0024】
1 スパイラル平板
2 上部フランジ
3 下部フランジ
4 ストッパー
5 自動調心型の支承装置
6 太ぼ(だぼ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が長方形の「つる巻ばね状」で、コイル間隔をなくして接触面を滑動させる構造の「スパイラル平板」を、上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを特徴とする断震装置。
【請求項2】
「スパイラル平板」を二筒または多筒コイル状にし、接触面を滑動させる構造で、上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【請求項3】
「スパイラル平板」の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて漸次又は段階的に変え、接触面を滑動させる構造で上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【請求項4】
「スパイラル平板」を二筒または多筒コイル状にし、且つ 各々の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて漸次又は段階的に変え、接触面を滑動させる構造で上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【請求項1】
断面が長方形の「つる巻ばね状」で、コイル間隔をなくして接触面を滑動させる構造の「スパイラル平板」を、上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを特徴とする断震装置。
【請求項2】
「スパイラル平板」を二筒または多筒コイル状にし、接触面を滑動させる構造で、上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【請求項3】
「スパイラル平板」の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて漸次又は段階的に変え、接触面を滑動させる構造で上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【請求項4】
「スパイラル平板」を二筒または多筒コイル状にし、且つ 各々の断面形状を「厚み」及び又は「幅」にて漸次又は段階的に変え、接触面を滑動させる構造で上部及び下部フランジ等で両端を固定した装置の、1個または2個以上を、基礎構造物と建築物等の間に係着することを、特徴とする断震装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−287264(P2009−287264A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140326(P2008−140326)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(308018257)有限会社 カワモト設計 (1)
【出願人】(508160691)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(308018257)有限会社 カワモト設計 (1)
【出願人】(508160691)
【Fターム(参考)】
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