説明

新規なアゼチジン化合物

本発明は一般式(I)
【化1】


[式中、Hetは少なくとも1個の窒素原子を有し、場合により置換される4−、5−、6−または7−員の複素環式環であり;
R1は水素、ヒドロキシ、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニルであり;
R2およびR3はそれぞれ独立して水素、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ハロゲンおよびシアノから選択されるが、但しR2およびR3は共に水素ではなく;
R4はC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニルであり;
Arはピリジニル、1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、キノリニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,3−ベンゾジオキソリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、イソキノリニル、キナゾリニルおよびインダン−4−イルから選択される、場合により置換される芳香族環系であり;またはArは置換フェニルである]の化合物、もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩;前記化合物を含有する医薬組成物および治療での前記化合物の使用に関する。本発明はさらに式Iの化合物の製造法およびその製造で使用される新規な中間体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な式Iの化合物、前記化合物を含有する医薬組成物および治療での前記化合物の使用に関する。本発明はさらに式Iの化合物の製造法およびその製造で使用される新規な中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
タキキニンとしても知られているニューロキニンは末梢神経系および中枢神経系に存在するペプチド性神経伝達物質群からなる。3つの主要なタキキニンはサブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)およびニューロキニンB(NKB)である。少なくとも3つのタイプの受容体が3つの主要なタキキニンに関して知られている。アゴニストSP、NKAおよびNKBが有利である相対的選択性に基づいて、その受容体はそれぞれニューロキニン1(NK1)、ニューロキニン2(NK2)およびニューロキニン3(NK3)受容体として分類される。
【0003】
例えば呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、癌、炎症および/または胃腸疾患の治療において経口的に活性な血液脳関門を通過するデュアルNK1/NK2受容体が必要とされる。このような治療の治療指数を高めるために、毒性がまったくないか、または最小限であり、前記NK受容体に対して選択的であるこのような化合物を得ることが望ましい。さらに、前記薬剤が好ましい薬物動態特性および代謝特性を有し、それにより改善された治療性および安全性プロフィール、例えば肝酵素を阻害する特性の低下をもたらすことが必要であると考えられる。
【0004】
一方の薬剤の血漿中濃度が他の薬剤の同時投与により変わる場合、毒性のような深刻な問題が起こることはよく知られている。薬剤−薬剤相互作用と呼ばれるこの現象は一方の薬剤の代謝が肝酵素を阻害する特性を有する他の物質の同時投与により変化する場合に起こりうる。CYP(シトクロムP450)3A4は酸化した薬剤の大部分がこの酵素により生体内変換されるため、ヒト肝臓の中で最も重要な酵素である。したがって、このような肝酵素を阻害する特性をかなりの程度有する薬剤を使用することは望ましくない。今般、当該技術分野で知られている多くのNK受容体アンタゴニストはCYP3A4酵素をある程度阻害するため、それらの化合物を高い投与量で治療に使用すると危険性があることがわかった。したがって、改善された薬物動態特性を有する新規なデュアルNK1/NK2受容体が必要とされる。本発明はCYP3A4阻害アッセイで比較的高いIC50値が得られるような低レベルでCYP3A4酵素を阻害する特性を有する化合物を提供する。CYP3A4阻害を定量するための前記方法はBapiroらのDrug Metab. Dispos. 29, 30〜35(2001年)に記載されている。
【0005】
EP 0625509、EP 0630887、WO 95/05377、WO 95/12577、WO 95/15961、WO 96/24582、WO
00/02859、WO 00/20003、WO 00/20389、WO 00/25766、WO 00/34243、WO 02/51807およびWO 03/037889はタキキニンアンタゴニストであるピペリジニルブチルアミド誘導体を開示している。
【0006】
Roderick MacKenzie, A.らの「4−アミノ−2−(アリール)−ブチルベンズアミドおよびそれらの配座固定された類似体。ヒトニューロキニン−2(NK2)受容体の強力なアンタゴニスト。」、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、印刷中、オンラインで入手できる(2003年5月15日)は機能的なNK2受容体拮抗作用を有することがわかった化合物N−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミドを開示している。
【0007】
WO 96/05193、WO 97/27185およびEP 0962457はタキキニンアンタゴニスト活性を有するアゼチジニルアルキルラクタム誘導体を開示している。
EP 0790248はタキキニンアンタゴニストと呼ばれるアゼチジニルアルキルアザピペリドンおよびアゼチジニルアルキルオキサピペリドンを開示している。
WO 99/01451およびWO 97/25322はタキキニンアンタゴニストとして特許請求されているアゼチジニルアルキルピペリジン誘導体を開示している。
EP 0791592はタキキニン拮抗作用を有するアゼチジニルアルキルグルタルイミドを開示している。
【0008】
本発明の目的は治療において有用である新規なタキキニンアンタゴニストを提供することを目的とする。他の目的は血液脳関門を通過する特性、改善された薬物動態および代謝特性、そして/またはNK1/NK2受容体に対する改善された選択性を有する新規な化合物を提供することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は一般式(I)
【化1】

[式中、Hetは少なくとも1個の窒素原子を有し、場合により置換される4−、5−、6−または7−員の複素環式環であり;
R1は水素、ヒドロキシ、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニルであり;
R2およびR3はそれぞれ独立して水素、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ハロゲンおよびシアノから選択されるが、但しR2およびR3は共に水素ではなく;
R4はC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニルであり;
Arはピリジニル、1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、キノリニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,3−ベンゾジオキソリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、イソキノリニル、キナゾリニルおよびインダン−4−イルから選択され、場合により置換される芳香族環系であり;またはArは置換フェニルである]の化合物、もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩を提供する。
【0010】
本発明の一態様において、複素環式環Hetは環の窒素原子の1個で残りの分子に結合する。このような複素環式環の例は場合により置換される1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカノ、場合により置換されるピペリジノ、場合により置換されるアゼパノ、場合により置換されるピロリジノ、場合により置換されるモルホリノ、場合により置換されるオキサゼパノ、場合により置換されるチオモルホリノ、場合により置換されるチアゼパノお
よび場合により置換されるピペラジノである。
【0011】
本発明の他の態様において、Hetは場合によりヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、オキソ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、シアノ、1,3−ジオキソラン−2−イル、C1−C4アルコキシ、場合によりC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニルでモノまたはジ置換されるアミノ、場合によりC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニルでN−置換されるアシルアミノ、場合によりC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、1個もしくは2個のフッ素原子でN−置換される、またはC1−C4アルキルおよびヒドロキシでジ置換される(C1−C4アルキルスルホニル)アミノにより置換されるピペリジノ;場合によりその3−位でフルオロ、ヒドロキシまたはオキソにより置換されるピロリジノ;場合によりその硫黄原子で1個または2個の酸素により置換されるモルホリノまたはチオモルホリノ;あるいは場合により4−窒素原子でC1−C4アルキルにより置換されるピペラジノである。
【0012】
Arは場合によりその炭素原子の1個またはそれ以上で独立してシアノ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4アルキルチオ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、C1−C4アルキルスルホニルまたはC1−C4アシルから選択される1個またはそれ以上の基により置換される。
【0013】
本発明の一態様において、Arは独立してシアノ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4アルキルチオ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、C1−C4アルキルスルホニルまたはC1−C4アシルから選択される1個またはそれ以上の基により置換されるフェニルである。
【0014】
本発明の他の態様において、Arはその3−および5−位で独立してハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、シアノおよびニトロから選択される基により置換されるフェニルである。場合により、Arはさらにその2−および/または4−位で独立してハロゲン、C1−C4アルキルおよびC1−C4アルコキシから選択される基により置換される。
【0015】
本発明の一態様において、R1は水素である。
本発明の一態様において、R2およびR3は共にクロロであるか、または一方がフルオロであり、他方が水素である。本発明の他の態様において、R2およびR3は共にクロロであり、フェニル環の3−および4−位に結合するか、またはR2は4−位に結合するフルオロであり、R3は水素である。
【0016】
本発明の一態様において、R4はメチルである。
本発明の一態様において、式Iの化合物はS−エナンチオマーまたはラセミ体である。本発明の他の態様において、式Iの化合物はS−エナンチオマーである。
【0017】
本発明の他の態様は、
Hetはチオモルホリノ、モルホリノまたはオキシドチオモルホリノであり;
R1はHであり;
R2はフルオロであり、R3は水素であり、フルオロは好ましくはp−位に存在し;
Arは3−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルであり;そして
R4は上記で定義された通りである式Iの化合物に関する。
【0018】
本発明の他の見地において、次の化合物:
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−3,5−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド;
N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
5−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ベンゾチオフェン−7−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
2−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルキノリン−4−カルボキサミド;
【0019】
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
7−クロロ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボキサミド;
N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−2−メトキシ−N−メチルキノリン−4−カルボキサミド;
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
【0020】
N−[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)ア
ゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
【0021】
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イル
アゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
【0022】
3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1,4−オキサゼパン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3,5−ジブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチルベンズアミド;
【0023】
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イル
アゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{2−(4−シアノフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3,5−ジクロロ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチルベンズアミド;
N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−オキシドチオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
【0024】
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
【0025】
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
N−[(2S)−4−[3−(4−アセチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]−3−シアノ−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[(2S)−4−[3−(4−シアノピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩が提供される。
【0026】
本発明は上記で定義されたような式Iの化合物の使用およびその塩に関する。医薬組成物で使用される塩は薬学的に許容しうる塩であるが、他の塩は式Iの化合物の製造において有用である。
【0027】
本発明の化合物は様々な無機および有機酸と塩を生成することができ、このような塩もまた本発明の範囲内である。このような酸付加塩の例は酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、エタンスルホン酸塩、
フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩(p−トルエンスルホン酸塩)およびウンデカン酸塩である。非毒性の生理学的に許容しうる塩が好ましいが、他の塩もまた例えば生成物を単離または精製するのに有用である。
【0028】
薬学的に許容しうる塩は相当する酸から慣用の方法で製造することができる。薬学的に許容されない塩は中間体として有用であり、それらは本発明の別の態様である。
酸付加塩はスルホン酸塩重合体のようなポリマー塩の形態であってもよい。
【0029】
塩は慣用の手段により、例えば遊離塩形態の生成物をその塩が不溶性であるか、もしくは溶媒である水のような溶媒もしくは媒質中で1当量もしくはそれ以上の適切な酸と反応させ、溶媒もしくは媒質を真空化でもしくは凍結乾燥により除去することにより形成されるか、または既存の塩のアニオンを適切なイオン交換樹脂の他のアニオンと交換することにより形成することができる。
【0030】
式Iの化合物は1個またはそれ以上のキラル中心を有し、本発明はすべての光学異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーを包含すると理解される。式(I)の化合物は単独の立体異性体、すなわち単独のエナンチオマー(R−エナンチオマーまたはS−エナンチオマー)および/またはジアステレオマーの形態であってよい。また、式(I)の化合物はラセミ混合物、すなわちエナンチオマーの等モル混合物であってもよい。
【0031】
本発明はまた、式Iの化合物のありとあらゆる互変異性体に関すると理解される。
幾つかの化合物は配座異性体の混合物として存在してもよい。本発明の化合物は配座異性体混合物および個々の配座異性体の両方を包含する。
本明細書および特許請求の範囲で本発明を詳しく説明するために使用される様々な用語の定義を下記に挙げる。
誤解を避けるために、本明細書では、ある基が「前記で定義された通りである」または「上記で定義された通りである」により限定される場合、当該基は最初に記載した最も広い定義およびその基の好ましい定義のそれぞれ及びすべてを包含すると理解される。
【0032】
特に断りがなければ、「アルキル」なる用語は直鎖状および分枝鎖状のC1-4アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチルまたはt−ブチルを包含する。アルキル基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよく、例えばジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。
本明細書で使用される「C3−C4シクロアルキル」はシクロプロピルまたはシクロブチルのような環状アルキルである。シクロアルキルは未置換であってもよい。シクロアルキル基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。
【0033】
本明細書で使用される「C2−C4アルケニル」は直鎖状または分枝状のアルケニル基、例えばビニルである。アルケニル基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。
本明細書で使用される「C2−C4アルキニル」は直鎖状または分枝状のアルキニル基、例えばエチニルである。アルキニル基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。
本明細書で使用される「C1−C4ヒドロキシアルキル」は1〜4個の炭素原子およびヒド
ロキシル基を含有するヒドロキシアルキル基である。ヒドロキシアルキル基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。
【0034】
特に断りがなければ、本明細書で使用される「アルコキシ」なる用語はC1−C4アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシを包含する。アルコキシ基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。
特に断りがなければ、本明細書で使用される「アルキルチオ」なる用語はC1−C4アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオまたはt−ブチルチオを包含する。アルキルチオ基の1個またはそれ以上の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。
【0035】
特に断りがなければ、本明細書において「ハロゲン」なる用語はクロロ、ブロモ、フルオロおよびヨードを包含する。
特に断りがなければ、本明細書において「アルキルスルホニル」なる用語はC1−C4アルキルスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、i−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、i−ブチルスルホニル、s−ブチルスルホニルまたはt−ブチルスルホニルを包含する。
特に断りがなければ、本明細書において「アルキルスルフィニル」なる用語はC1−C4アルキルスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、i−プロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、i−ブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニルまたはt−ブチルスルフィニルを包含する。
特に断りがなければ、本明細書において「アシル」なる用語はC1−C4アシル基、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルおよびイソブチリルを包含する。
本明細書で使用される「遊離塩基」なる用語はその中性形態、すなわち化合物が塩として存在していない時の化合物を意味する。
【0036】
医薬製剤
本発明の一態様によれば、呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、癌、炎症および/または胃腸疾患の予防および/または治療に使用される単独エナンチオマー、ラセミ体または遊離塩基としてのその混合物またはその薬学的に許容しうる塩の式Iの化合物を含有する医薬製剤が提供される。
【0037】
本発明の医薬組成物は治療するのが望ましい疾患状態に対して標準法で例えば経口、局所、非経口、口腔、経鼻、膣内または直腸投与により、あるいは吸入または通気法により投与することができる。これらの目的のために、本発明の化合物は当該技術分野で知られている手段により例えば錠剤、ペレット、カプセル剤、水性または油性の液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、鼻腔用スプレー、座剤、微細粉末、または吸入用エアロゾールもしくはネブライザーの形態、および非経口(静脈内、筋肉内または注入を含む)使用のために滅菌した水性もしくは油性の液剤または懸濁剤、または無菌の乳剤に製剤化される。
本発明の化合物の他に、本発明の医薬組成物はさらに本明細書に記載の1種またはそれ以上の疾患状態を治療するのに有用な1種またはそれ以上の薬剤を含有することができ、あるいはそれと(同時にまたは連続的に)併用投与することができる。
【0038】
本発明の医薬組成物は通常、ヒトに例えば0.01〜25mg/kg体重(好ましくは0.1〜5mg/kg体重)の1日量を受け取るように投与される。この1日量は必要に応じて分割量で投与され、その投与化合物の正確な量および投与経路は当該技術分野で知られている原理に従って治療する患者の体重、年齢および性別や治療する特定の疾患状態に依存する。
【0039】
典型的には、単位投与形態は約1mg〜500mgの本発明の化合物を含有する。例えば、経口投与用錠剤またはカプセル剤は好都合には250mg(典型的には5〜100mg)以下の式(I)の
化合物またはその薬学的に許容しうる塩を含有する。他の例では、吸入投与の場合、式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩は5〜100mgの1日量を単回投与で、または2〜4回に分割して投与することができる。さらに他の例では、静脈内もしくは筋肉内注射または注入による投与の場合、10%w/w(典型的には5%w/w)以下の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を含有する滅菌溶液または懸濁液を使用することができる。
【0040】
医療および製薬での使用
本発明は有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を患者に投与することを含むNK1およびNK2受容体で作用するタキキニンの拮抗作用が有益である疾患状態を治療または予防する方法を提供する。本発明はまた、NK1およびNK2受容体で作用するタキキニンの拮抗作用が有益である疾患状態で使用される薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0041】
式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容しうる塩または溶媒和物は呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、癌および/または胃腸疾患の予防または治療に使用される薬剤の製造において使用することができる。このような疾患の例は喘息、アレルギー性鼻炎、肺疾患、咳、風邪、炎症、慢性閉塞性肺疾患、気道反応性、蕁麻疹、高血圧症、リウマチ性関節炎、浮腫、血管形成、疼痛、片頭痛、緊張性頭痛、精神病、鬱病、不安症、アルツハイマー病、統合失調症、ハンチントン舞踏病、膀胱運動亢進症、尿失禁、摂食障害、躁うつ病、物質依存症、運動障害、認識力障害、肥満症、ストレス障害、排尿障害、躁病、軽躁病および攻撃性、双極性障害、癌、癌腫、線維筋肉痛、非心臓性胸痛、胃腸運動亢進症、胃喘息、クローン病、胃内容排出障害、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、嘔吐、胃喘息、胃運動障害または胃食道逆流症(GERD)である。
【0042】
薬理試験
FLIPRおよび結合アッセイで使用される細胞のトランスフェクションおよび培養
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)K1細胞(ATCCから入手した)にヒトNK2受容体(pRc/CMVのhNK2R cDNA;インビトロジェン社)またはヒトNK3受容体(pcDNA3.1/Hygro(+)/IRES/CD8のhNK3R;アストラゼネカEST−Bio(英国, Alderley Park)で修飾したインビトロジェン社製ベクター)を安定にトランスフェクションした。細胞にカチオン性脂質試薬LIPOFECTAMINE(登録商標)(インビトロジェン社)をトランスフェクションし、選択はhNK2R導入細胞については1mg/mlのジェネティシン(G418、インビトロジェン社)、またhNK3R導入細胞については500μg/mlのハイグロマイシン(インビトロジェン社)を使用して行なった。単細胞クローンを蛍光標示式細胞分取器(FACS)により集め、FLIPRアッセイ(下記参照)で機能性を試験し、培養液中で拡大し、そして後で使うために凍結保存した。ヒトNK1受容体を安定にトランスフェクションしたCHO細胞はアストラゼネカR&D(米国ウィルミントン)から入手した。ヒトNK1受容体cDNA(肺組織のRNA−PCRから得られる)をpRcCMV(インビトロジェン社)にサブクローニングした。トランスフェクションはリン酸カルシウムにより、選択は1mg/mlのG418を使用して行なった。hNK1R、hNK2RおよびhNK3Rを安定にトランスフェクションしたCHO細胞を5%CO2の加湿インキュベーターにおいてグルタマックスI、10%ウシ胎仔血清(FBS)、hNK1RおよびhNK2Rを発現する細胞のために200μg/mlのジェネティシン並びにhNK3Rを発現する細胞のために500μg/mlのハイグロマイシンを補足した1%ペニシリン/ストレプトマイシン(PEST)を含むNut Mix F12(HAM)中で培養した。細胞をT175フラスコで増殖させ、ルーチン的に70〜80%コンフルエントの時点で20〜25継代まで継代培養した。
【0043】
ヒトNK1/NK2/NK3受容体活性化を阻害する選択された試験化合物の活性評価(FLIPRアッセイ)
NK1/NK2/NK3受容体が関与する細胞内Ca2+増加として測定されたNK1/NK2/NK3受容体活性化を阻害する本発明の化合物の活性は次の手順により評価した:
ヒトNK1、NK2またはNK3受容体を安定にトランスフェクションしたCHO細胞を黒壁/透明な底部の96−ウェルプレート(Costar 3904)において3.5×104の細胞/ウェルで平板培養し、37℃のCO2−インキュベーターにおいて標準培地で約24時間増殖させた。
FLIPRアッセイの前に、37℃のCO2−インキュベーターにおいて1時間暗いままにしたグルタマックスI、22mMのHEPES、2.5mMのプロベニシド(Sigma P−8761)および0.04%プルロニックF−127(Sigma P−2443)を含むNut Mix F12(HAM)からなる負荷培地で各96−ウェルプレートの細胞に4μMのCa2+感受性色素Fluo−3(TEFLABS 0116)を負荷した。次に、マルチチャンネルピペットを使用して細胞をアッセイ緩衝液(20mMのHEPES、2.5mMのプロベニシドおよび0.1%BSAを含有するHanks平衡塩溶液(HBSS))で3回洗浄し、最後の洗浄の終わりに150μlを残した。アッセイ緩衝液中の試験化合物の連続希釈液(最終DMSO濃度を1%以下に維持した)をFLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)により自動的にピペットで各試験ウェルに注入し、2分間のプレインキュベーション期間に蛍光強度(励起488nmおよび発光530nm)をFLIPR CCDカメラにより記録した。次に、50μlのサブスタンスP(NK1特異的)、NKA(NK2特異的)またはPro−7−NKB(NK3特異的)アゴニスト溶液(最終濃度はEC60濃度に近い)をすでに200μlのアッセイ緩衝液(試験化合物またはビヒクルを含有する)を含有する各ウェルにFLIPRにより加え、蛍光をさらに2分間連続して監視した。アゴニストを加えた後のピーク相対蛍光強度として反応を測定し、各化合物について10種の濃度−反応曲線からIC50を計算した。次に、IC50を次の式:
B=IC50/1+(アッセイで使用したアゴニストのEC60濃度/EC50アゴニスト)
pKB=−logKB
に従ってpKB値に変換した。
【0044】
ヒトNK1/NK2/NK3受容体に対する化合物の解離定数(Ki)の測定(結合アッセイ)
次の方法に従ってヒトNK1、NK2またはNK3受容体を安定にトランスフェクションしたCHO細胞から膜を作成した。
細胞をAccutase(登録商標)溶液で剥離し、5%FBSを含有するPBS中で遠心分離により収穫し、PBS中で2回洗浄し、そして50mMのトリス−HCl、300mMのKCl、10mMのEDTA−N2(pH7.4;4℃)中で1×108細胞/mlの濃度に再び懸濁した。細胞懸濁液をUltra Turrax(30秒、12,000rpm)で均質化した。ホモジネートを38,000×g(4℃)で遠心分離し、ペレットを50mMのトリス−HCl(pH7.4)中で再び懸濁した。均質化を1回繰り返し、ホモジネートを氷上で45分間インキュベートした。ホモジネートを再び上記のように遠心分離し、50mMのトリス−HCl(pH7.4)中で再び懸濁した。この遠心分離工程を全部で3回繰り返した。最後の遠心分離工程の後、ペレットを50mMのトリス−HCl中で再び懸濁し、デュアルポット(10ストローク)で均質化して均質な溶液にし、一定量をタンパク質測定のために採取した。膜を等分し、使用するまで−80℃で冷凍した。放射性リガンド結合アッセイは96−ウェルマイクロタイタープレート(非結合表面プレート、Corning 3600)において室温で最終アッセイ容量が200μl/ウェルのインキュベーション緩衝液(0.1%BSA、40mg/Lのバシトラシン、20個のピル/Lの完全EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(ロシュ社)および3mMのMnCl2を含有する50mMのトリス緩衝液(pH7.4;室温))を使用して行なわれる。競合的結合曲線は増加量の試験化合物を加えることにより作成した。試験化合物を溶解し、DMSOで連続的に希釈し、アッセイの最終DMSO濃度を1.5%にした。非特異的結合を測定するために50μlの非標識ZD 6021(非選択的NK−アンタゴニスト、最終濃度10μM)を加えた。全結合のために、インキュベーション緩衝液中の1.5%DMSO(最終濃度)を50μl使用した。[3H−Sar, Met(O2)−サブスタンスP](4nMの最終濃度)をhNK1rの結合実験で使用した。hNK2rに対しては[3H−SR48968](3nMの最終濃度)、そしてhNK3rの結合実験では[3H−SR142801](3nMの最終濃度)を使用した。50μlの放射性リガンド、DMSOで希釈した3μlの試験化合物
および47μlのインキュベーション緩衝液を5〜10μgの細胞膜と100μlのインキュベーション緩衝液中で混合し、マイクロプレートシェーカーにおいて室温で30分間インキュベートした。
【0045】
次に、膜を0.1%BSAおよび0.3%ポリエチレンイミン(Sigma P−3143)に予め浸漬したフィルターマットB(ワラック社)上に、マイクロ9
6ハーベスター(Skatron Instruments社、ノルウェー)を使用して急速ろ過により集めた。フィルターをハーベスターにより氷冷洗浄緩衝液(3mMのMnCl2を含有する50mMのトリス−HCl、pH7.4、4℃)で洗浄し、50℃で30〜60分間乾燥した。MeltilexシンチレーターシートをMicrosealer(ワラック社、フィンランド)を使用してフィルター上に溶かし、フィルターをβ−液体シンチレーションカウンター(1450 Microbeta、ワラック社、フィンランド)で計数した。
Cheng−Prusoff式(Biochem. Pharmacol. 22:3099〜3108(1973年))を使用して非標識リガンドのKi値を計算した:Ki=IC50/(1+(L/Kd))(式中、Lは使用した放射
性リガンドの濃度であり、そしてKdは飽和結合により測定された受容体に対する放射性リガンドの親和性である)。Excel Fit を使用してデータを4つのパラメーターの式に適合させた。
【0046】
結果
一般に、試験された本発明の化合物はNK1受容体でpKBの範囲が7〜9の統計的に有意な拮抗作用を示した。NK2受容体の場合、pKBの範囲は7〜9であった。一般に、NK3受容体での拮抗作用は7.5未満のpKBであった。
一般に、試験された本発明の化合物は統計的に有意なCYP3A4阻害を低レベルで示した。BapiroらのDrug Metab. Dispos., 29, 30〜35(2001年)に従って試験されたIC50値は一般に2μMより大きかった。したがって、試験された本発明の化合物は選択的なデュアルNK1/NK2受容体アンタゴニストであると同時に低レベルのCYP3A4阻害を示すことがわかった。
【0047】
生物学的評価
スナネズミの足踏み(NK1特異的試験モデル)
雄のスナネズミ(60〜80g)をチャールズリバー社(ドイツ)から購入した。到着次第、それらを温度および湿度が制御された保持室に10匹のグループで収容し、餌と水を自由に与えた。動物を実験前に少なくとも7日間収容条件に慣れさせた。各動物は一度だけ使用し、実験直後に心臓の中断または致命的なペントバルビタールナトリウムの過剰投与により致死させた。
【0048】
スナネズミにイソフルランで麻酔をかけた。潜在的なCNS透過性NK1受容体アンタゴニストを腹腔内的、静脈内的または皮下的に投与した。アゴニストで刺激する前に化合物をいろいろな時点(典型的には30〜120分間)で与えた。
イソフルランを使用してスナネズミに軽く麻酔をかけ、ブレグマ上の皮膚を小さく切開した。10ピコモルのASMSP(選択的NK1受容体アゴニスト)を長さ4mmの針を有するハミルトンシリンジを使用して5μlの容量で脳室内に投与した。傷を閉じて固定し、動物を小さいプラスチックケージに入れて目を覚まさせた。ケージを水で満たされた1片のプラスチックチューブ上に置いて圧力変換器を通してコンピューターに接続した。後ろ足で踏んだ数を記録した。
【0049】
糞塊排出(NK2特異的試験モデル)
式Iの化合物の生体内効果(NK2)は例えばThe Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 559〜564(2001年)に記載のようにスナネズミを使用してNK2受容体アゴニストが誘発する糞塊排出を測定することにより定量することができる。
【0050】
製造法
他の見地において、本発明はa)式(III)
【化2】

の化合物を式(IV)
【化3】

(式中、R1〜R4、HetおよびArは前記で定義された通りである)の化合物と反応させ;その条件は式(III)の化合物の還元アルキル化が式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(IV)の化合物のアルデヒド基の炭素原子との間にN−C結合を生成するようなものであり;または
【0051】
b)式(III)の化合物を式(V)
【化4】

(式中、R1〜R4、HetおよびArは前記で定義された通りであり、そしてLは式(III)の化合
物のアルキル化が式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(V)の化合物のL基が隣接している炭素原子との間にN−C結合を生成するような基である)の化合物と反応させ;または
c)式(VI)
【化5】

(式中、R1〜R4、HetおよびArは前記で定義された通りである)の化合物を式(VII)
【化6】

(式中、L'は脱離基である)の化合物と反応させ;
【0052】
必要に応じて他の何れかの官能基を保護し、そして
i)何れかの保護基を除去し;
ii)場合により何れかの酸化可能な原子を酸化し;
iii)場合により薬学的に許容しうる塩を生成する
工程を含む式(I)の化合物またはその塩の製造法を提供する。
【0053】
保護基は一般に当該基の保護に応じて適切に文献に記載の、または熟練した化学者に知られている基の何れかから選択され、慣用の方法により導入および除去することができる;例えばTheodora W. Greeneの「有機化学の保護基」を参照。除去の方法は分子の他の場所にある基に対して最小限の障害で保護基の除去を行なうように選択される。
【0054】
式(I)の化合物の様々な任意の置換基のうちの特定のものは標準的な芳香族置換反応により導入することができ、あるいは上記工程の前または直後に慣用の官能基変成により生成することができることもまた理解されよう。このような手順の試薬および反応条件は化学分野でよく知られている。
【0055】
式(III)および(IV)の化合物は還元アルキル化条件下で反応させる。反応は典型的には極端でない温度、例えば0〜100℃において実質的に不活性な溶媒、例えばジクロロメタン中で行なわれる。典型的な還元剤にはシアノホウ水素化ナトリウムのようなホウ水素化物がある。
【0056】
式(III)および(V)の化合物はアルキル化条件下で反応させる。典型的には、式(V)の化合物において、Lはハロゲンまたはアルキルスルホニルオキシのような脱離基である。反応は典型的には高められた温度、例えば30〜130℃において実質的に不活性な溶媒、例えばDMF中で行なわれる。
【0057】
式(III)の化合物は知られているか、または慣用の方法で製造することができる。式(IV)の化合物は例えば式(VII)の化合物を慣用のアシル化条件下で式(VIII)
【化7】

(式中、R1〜R4は前記で定義された通りである)の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0058】
式(V)の化合物は例えば式(VII)の化合物を慣用のアシル化条件下で式(IX)
【化8】

(式中、R1〜R4およびLは前記で定義された通りである)の化合物と反応させることによ
り製造することができる。
【0059】
式(VI)および(VII)の化合物は慣用のアシル化条件下で反応させることができ、ここで
【化9】

は酸または活性化酸誘導体である。このような活性化酸誘導体は文献でよく知られている。これらは現場で酸から生成することができ、またはこれらは製造し、単離してから反応させることができる。典型的には、L'はクロロであり、それにより酸塩化物を形成する。典型的には、アシル化反応は極端でない温度において非求核性塩基、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、ジクロロメタンのような実質的に不活性な溶媒中で行なわれる。
【0060】
式(VIII)および(IX)の化合物は知られているか、または慣用の方法で製造することができる。
式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の特定の化合物は新規であり、本発明の一部を形成する。
【0061】
したがって、本発明の他の態様は中間体:
[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン;
[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル]メチルアミン;
[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン;
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン;
1−{1−[3−(4−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール;
[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]メチルアミン;
{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルアミン;
1−{1−[(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール;
1−[(3S)−4−[(3−シアノ−1−ナフトイル)(メチル)アミノ]−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]アゼチジン−3−イル;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド;
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;もしくは
これらのエナンチオマーまたはそれら何れかの塩である。
【実施例】
【0062】
本発明の化合物は配座異性体が存在するため非常に複雑なNMRスペクトルを示すことが多いことに留意すべきである。これはアミドおよび/またはアリール結合の周囲の回転が遅いことから起こると考えられる。次の略語は化合物のNMRデータを表示するのに使用される:s−1重項;d−2重項;t−3重項;qt−4重項;qn−5重項;m−多重項;b−幅広い;cm−幅広いピークを含む複雑な多重項。
【0063】
次の実施例により本発明を詳しく説明するが、これらに限定されない。
次の略語は実験の説明で使用される:DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、TBTU(N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムテトラフルオロボレート)、NMO(4−メチルモルホリンN−オキシド)およびTHF(テトラヒドロフラン)。
【0064】
〔実施例1〕
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミドアセテート
【化10】

[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン塩酸塩(方法1を参照;89mg、0.21ミリモル)をDMF(2mL)に溶解し、得られた溶液に3,5−ジクロロ安息香酸(44mg、0.23ミリモル)、TBTU(80mg、0.25ミリモル)およびDIPEA(108mg、0.84ミリモル)を所定の順番で加えた。溶液を室温で1.5時間攪拌し、水で希釈し、次にNaHCO3を加えて中和した。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去して79mgの粗生成物を得た。生成物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。43mg(37%)の表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, CD3CN):1.3−1.8 (cm, 3H), 2.0−4.6 (cm, 23H), 6.8−7.7 (cm, 5H), 8.0 (d, 1H);LCMS:m/z 560 (M+1) +
【0065】
〔実施例2〕
3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルア
ゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド二塩酸塩
【化11】

[(2S)−2−(フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩(方法4を参照;292mg、0.68ミリモル)、3,5−ジブロモ安息香酸(215mg、0.77ミリモル)およびDIPEA(350mg、2.71ミリモル)をDMF(20mL)に溶解し、得られた溶液にTBTU(250mg、0.78ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、次に溶媒を蒸発させて除去した。残留物を酢酸エチルで希釈し、次にNaHCO3水溶液で3回洗浄した。有機溶液を同様の方法により製造した他の表題化合物(遊離塩基として)(68mg)と合一した。次に、合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去して344mgを得た。生成物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。集めたフラクションを凍結乾燥し、残留物を水およびアセトニトリルの混合物に溶解した。溶液を塩酸(2M)で酸性にし、再び凍結乾燥した。267mg(55%)の表題化合物を灰色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD):1.8−2.1 (cm, 2H), 2.7−4.8 (cm, 21H), 6.9−7.8 (cm, 7H);LCMS:m/z 584 (M+1) +
【0066】
〔実施例3〜18〕
下表にまとめた次の化合物を実施例1および実施例2の方法と同様にして適当なアミンおよび酸中間体(下記を参照)を使用して合成した:N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−3,5−ジフルオロ−N−メチルベンズアミドアセテート(実施例3)、N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドアセテート(実施例4)、5−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ベンゾチオフェン−7−カルボキサミドアセテート(実施例5)、3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミドアセテート(実施例6)、3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドアセテート(実施例7)、2−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルキノリン−4−カルボキサミドアセテート(実施例8)、3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドジアセテート(実施例9)、N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドジアセテート(実施例10)、7−クロロ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボキサミドアセテート(実施例11)、N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−2−メトキシ−N−メチルキノリン−4−カルボキサミド(実施例12)、3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(実施例13)、3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−
ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドアセテート(実施例14)、N−[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(実施例15)、N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(実施例16)、N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドジアセテート(実施例17)。
【0067】
下記の実施例で使用したアミンおよび酸中間体は商業的に入手可能であることが多く、そうでなければその合成は次の参照方法(方法)または次の引用文献に記載されている:実施例3(方法1を参照)、実施例4(方法1を参照)、実施例5(方法1および方法9を参照)、実施例6(方法1を参照)、実施例7(方法1およびWO 00/34243を参照)、実施例8(方法1およびJ. Prakt. Chem.,264(1902年)を参照)、実施例9(方法3およびWO 00/34243を参照)、実施例10(方法3を参照)、実施例11(方法1および方法10を参照)、実施例12(方法2およびJ. Med. Chem.,4893(1992年)を参照)、実施例13(方法4を参照)、実施例14(方法5およびWO 00/34243)、実施例15(方法6を参照)、実施例16(方法7を参照)および実施例17(方法8を参照)。
【0068】
【表1】

【表2】

【表3】

【0069】
〔実施例18〕
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(3−ヒドロキシピロリジ
ン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドアセテート
【化12】

3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド(WO 00/02859を参照;38mg、0.089ミリモル)をCH2Cl2(3mL)に溶解し、得られた溶液に数滴のメタノールに溶解した1−アゼチジン−3−イルピロリジン−3−オール二塩酸塩(方法12を参照;20mg、0.093ミリモル)を加えた。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(25mg、0.118ミリモル)を加え、溶液を室温で一晩攪拌した。混合物をCH2Cl2で希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相カラムクロマトグラフィーにより処理した。19mg(35%)の表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD):0.8−4.9 (cm, 25H), 6.4−7.9 (cm, 7H), 7.9−8.1 (m, 1H), 8.4 (s, 1H);LCMS:m/z 551 (M+1) +
【0070】
〔実施例19〕
N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化13】

N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法20を参照;189mg、0.43ミリモル)、1−アゼチジン−3−イル−4−フルオロピペリジン二塩酸塩(WO 97/27185を参照;139mg、0.56ミリモル)およびトリエチルアミン(154mg、1.52ミリモル)をメタノール(10mL)に溶解した。シアノホウ水素化ナトリウム(191mg、3.04ミリモル)および塩化亜鉛(178mg、1.30ミリモル)のメタノール溶液(5mL)を加え、混合物を室温で20分間攪拌した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物を水および酢酸エチルに分配した。有機溶液をNaHCO3水溶液(1M)、次にブラインで洗浄した。溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させて除去した。生成物をメタノールおよびCH2Cl2のグラジエント溶媒(0%MeOH〜20%MeOH)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより処理した。120mg(48%)の表題化合物をゴム状物として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3):1.4−1.9 (cm, 6H), 2.1−2.4 (cm, 6H), 2.6−3.5 (cm, 10H), 3.6−3.8 (m, 1H), 4.6−4.8 (bd, 1H), 6.8−7.5 (m, 6H), 7.8 (s, 1H);LCMS:m/z 578 (M+1) +
【0071】
〔実施例20〕
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
【化14】

3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(方法19を参照;2.38g、6.3ミリモル)および4−アゼチジン−3−イルモルホリン二塩酸塩(WO 00/63168を参照;1.49g、6.9ミリモル)をCH2Cl2(120mL)およびDIPEA(1.63g、12.6ミリモル)と一緒に混合した。混合物を攪拌してすべての化学物質を溶解した。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(1.87g、8.8ミリモル)を加え、溶液を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、残留物を酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。相を分離し、水溶液を酢酸エチルで抽出した。合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。残留物を少量のアセトニトリルで希釈し、溶液を冷凍庫で一晩保存した。結晶をろ過により集め、さらにアセトニトリルから結晶させて物質を母液から得た。全部で1.43g(45%)の表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD):1.4−4.2 (cm, 31H), 7.0−7.6 (cm, 6H);LCMS:m/z 505 (M+1) +
物質はヘプタン、イソプロピルアルコール、トリエチルアミンおよびギ酸の混合物(70/30/0.1/0.05)を移動相として使用する分析用キラルHPLC(Chiralpak AD、250×4.6mm)により光学純度99.6%(エナンチオマー過剰)であることがわかった。
【0072】
〔実施例21〕
N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化15】

N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法20を参照;0.40g、0.91ミリモル)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、得られた溶液に1−アゼチジン−3−イルピペリジン−4−オールジアセテート(相当する二塩酸塩の代わりに二酢酸塩を使用することを除けば方法15を参照;0.28g、1.0ミリモル)およびDIPEA(0.76g、5.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で数分間攪拌し、次にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.43g、2.0ミリモル)を加えた。溶液を室温で一晩攪拌し、次に溶媒を蒸発させて除去した。残留物を酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。相を分離し、水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合一した有機溶液を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させて除去した。残留物を溶離剤としてメタノールおよびCH2Cl2の混合物を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を水およびアセトニトリルの混合物に溶解し、溶液を凍結乾燥した。0.32g(60%)の表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):1.4−3.8 (cm, 24H), 6.8−7.5 (cm, 6H), 7.9 (s, 1H); LCMS:m/z 576 (M+1) +
【0073】
〔実施例22〕
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド
【化16】

3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド(方法21を参照;146mg、0.40ミリモル)をCH2Cl2(8mL)に溶解し、得られた溶液に4−アゼチジン−3−イルモルホリン二塩酸塩(WO 00/63168を参照;62mg、0.44ミリモル)およびDIPEA(179mg、1.39ミリモル)を5滴の酢酸と一緒に加えた。混合物を25分間攪拌し、次にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(118mg、0.55ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。相を分離し、水溶液を酢酸エチルで抽出した。合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。残留物を溶離剤としてメタノールおよびCH2Cl2の混合物(グラジエント:0〜20%メタノール)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより処理した。124mg(63%)の表題化合物を油状物として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3):1.4−1.8 (cm, 2H), 2.2−3.8 (cm, 21H), 6.7 (s, 1H), 6.8−7.2 (m, 5H), 7.3 (s, 1H);LCMS:m/z 494 (M+1) +
物質はメタノール、トリエチルアミンおよび酢酸の混合物(100/0.1/0.05)を移動相として使用する分析用キラルHPLC(Chirobiotic V、250×4.6mm)により光学純度95%(エナンチオマー過剰)であることがわかった。
【0074】
〔実施例23〜39〕
下表にまとめた次の化合物を実施例18、実施例19、実施例20、実施例21および実施例22の方法と同様にして適当なアミンおよびアルデヒド中間体(下記を参照)を使用して合成した:3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例23)、3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例24)、3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドジアセテート(実施例25)、3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドジアセテート(実施例26)、3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド(実施例27)、3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例28)、3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例29)、3−シアノ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(実施例30)、3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−5,6,7,8−テトラ
ヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(実施例31)、3−シアノ−N−[(2S)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(実施例32)、3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド(実施例33)、3−シアノ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1,4−オキサゼパン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(実施例34)、3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドアセテート(実施例35)、3,5−ジブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチルベンズアミド(実施例36)、3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド二塩酸塩(実施例37)、3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド二塩酸塩(実施例38)、6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド(実施例39)。
【0075】
下記の実施例で使用したアミンおよびアルデヒド中間体の合成は次の参照方法(方法)または次の引用文献に記載されている:実施例23(WO 00/63168およびWO 00/02859を参照)、実施例24(WO 96/05193およびWO 00/02859を参照)、実施例25(方法13およびWO00/02859を参照)、実施例26(方法15およびWO 00/02859を参照)、実施例27(WO 96/05193および方法17を参照)、実施例28(WO 96/05193および方法18を参照)、実施例29(方法14およびWO 00/02859を参照)、実施例30(方法15および方法19を参照)、実施例31(WO 00/63168および方法22を参照)、実施例32(方法13および方法19を参照)、実施例33(WO 00/63168および方法23を参照)、実施例34(WO 96/05193および方法19を参照)、実施例35(WO 00/63168および方法28を参照)、実施例36(方法15および方法24を参照)、実施例37(WO 00/63168および方法25を参照)、実施例38(WO 00/63168および方法26を参照)および実施例39(WO 00/63168および方法27を参照)。
【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
【表6】

【0079】
〔実施例40〕
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドジアセテート
【化17】

3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例24を参照;127mg、0.20ミリモル)を酢酸(10mL)に溶解し、得られた溶液に過酸化水素(0.04mLの30%水溶液、0.35ミリモル)を加えた。混合物を室温で3日間攪拌し、水で希釈した。混合物を凍結乾燥することにより溶媒を除去して残留物を得、それをアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。52mg(35%)の表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): 1.2−2.2 (m, 3H), 1.9 (s, 3H), 2.3−3.6 (m, 20H), 4.4 (c m, 1H), 6.4−7.6 (m, 2H), 7.4 (dd, 1H), 7.6−8.2 (5H), 8.6 (d, 1H); LCMS:m/z 583 (M+1) +
【0080】
〔実施例41〕
3−シアノ−N−{2−(4−シアノフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドアセテート
【化18】

3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例28を参照;60mg、0.10ミリモル)をアセトニトリル(3mL)およびCH2Cl2(1mL)の混合物に溶解し、得られた溶液に触媒量のFeCl3を冷却しながら加えた。混合物を5分間攪拌し、次に過沃素酸(26mg、0.11ミリモル)を加えて0℃で一晩攪拌を続けた。さらに触媒量のFeCl3および追加の過沃素酸(26mg、0.11ミリモル)を加えた。反応混合物を0℃で2時間攪拌し、次にNa2S2O3を加えることによりクエンチした。混合物をCH2Cl2で3回抽出し、有機物を水で2回洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、生成物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。25mg(41%)の表題化合物を淡黄色の固体として得た。1H NMR:(400 MHz, CDCl3):1.4−2.0 (cm, 3H), 2.0 (s, 3H), 2.1−4.3 (cm, 20H), 6.4−8.0 (cm, 9H), 8.2 (s, 1H);LCMS:
m/z 540 (M+1)+
【0081】
〔実施例42〜47〕
下表にまとめた次の化合物を実施例40および実施例41の方法と同様にして適当なチオモルホリン中間体(下記を参照)を使用して合成した:3,5−ジクロロ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチルベンズアミドアセテート(実施例42)、N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−オキシドチオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドアセテート(実施例43)、3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドアセテート(実施例44)、3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例45)、3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドアセテート(実施例46)およびN−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドアセテート(実施例47)。
【0082】
下記の実施例で使用したチオモルホリン中間体の合成は次の参照された実施例に記載されている:実施例42(実施例1を参照)、実施例43(実施例4を参照)、実施例44(実施例7を参照)、実施例45(実施例27を参照)、実施例46(実施例9を参照)および実施例47(実施例10を参照)。
【0083】
【表7】

【0084】
【表8】

【0085】
〔実施例48〕
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドジアセテート
【化19】

3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミドジアセテート(実施例25を参照;35mg、0.058ミリモル)を数滴のアセトン−水(1:1)に溶解し、得られた溶液にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(43mg、0.17ミリモル)を加えた。混合物をマイクロ波シングルノードで10分間加熱し、次に溶媒を蒸発させて除去した。残留物をCH2Cl2に溶解し、溶液をNaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去して油状物を得、それをアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。35mg(89%)の表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD):1.4−2.2 (cm, 3H), 1.9 (s, 6H), 2.3−4.0 (cm, 20H), 6.4−7.8 (cm, 7H), 8.0−8.2 (cm, 1H), 8.6 (d, 1H);LCMS:m/z 563 (M+1) +
【0086】
〔実施例49〕
下表にまとめた次の化合物を実施例48の方法と同様にして適当なケタール誘導体(実施例15を参照)を使用して合成した:N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0087】
【表9】

【0088】
〔実施例50〕
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド
【化20】

三フッ化ジエチルアミノ硫黄(7mg、0.044ミリモル)を乾燥CH2Cl2に溶解し、アルゴン下、−65℃で攪拌しながら冷却した。次に、乾燥CH2Cl2(0.5mL)に溶解した3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド(実施例26;40mg、0.071ミリモル)を加えた。外部冷却を取り除き、溶液を1時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(6mL)に滴下してクエンチした。有機溶液を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、5mg(12%)の表題化合物を油状物として得た。1H NMR (500MHz, CD3OD):1.8−2.6 (cm, 7H), 2.6−3.3 (cm, 7H), 3.4−4.4 (cm, 9H), 5.0−5.3 (cm, 1H), 7.0−8.4 (cm, 7H), 8.4−8.6 (m, 1H), 8.9−9.0 (d, 1H);LCMS:m/z 567 (M+1) +
【0089】
〔実施例51〕
下表にまとめた次の化合物を実施例50の方法と同様にして適当なアルコール誘導体(実施例14を参照)を使用して合成した:3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド。
【0090】
【表10】

【0091】
〔実施例52〕
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド
【化21】

1−[(3S)−4−[(3−シアノ−1−ナフトイル)(メチル)アミノ]−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(方法16;87mg、0.16ミリモル)および1−メチルピペラジン(1mL、9.0ミリモル)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、得られた混合物をマイクロ波シングルノードで5分間加熱した。溶媒を蒸発させて除去し、生成物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。5mg(5%)の表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR:(500 MHz, CD3OD):1.2−4.0 (cm, 29H), 6.5−8.0 (cm, 8H), 8.4 (d, 1H);LCMS:m/z 564 (M+1)+
【0092】
〔実施例53〜54〕
下表にまとめた次の化合物を実施例52の方法と同様にして適当なアミンおよびメシレート中間体(下記を参照)を使用して合成した:N−[(2S)−4−[3−(4−アセチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]−3−シアノ−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例53)、3−シアノ−N−[(2S)−4−[3−(4−シアノピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドアセテート(実施例54)。
【0093】
下記の実施例で使用したアミンおよびメタンスルホネート中間体の合成は次の参照方法(方法)または次の引用文献に記載されている:実施例53(WO 96/05193および方法16を参照)および実施例54(Synth.Commun., 1757〜1767(1990年)および方法16を参照)。
【0094】
【表11】

【0095】
出発物質の製造
上記実施例の出発物質は商業的に入手可能であるか、または標準的な方法により既知物質から容易に製造される。例えば、次の反応は幾つかの出発物質の例示であるが、これらに限定されない。
【0096】
方法1
[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩
【化22】

(a) 4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]チオモルホリン
1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(J. Org. Chem., 56,6729(1991年)を参照;10g、31.5ミリモル)、チオモルホリン(3.9g、38ミリモル)およびDIPEA(4.9g、38ミリモル)の混合物を一晩還流した。揮発物質を蒸発させて除去し、残留物をCH2Cl2およびNaHCO3水溶液に分配した。有機層をNaHCO3水溶液で2回洗浄し、次にクエン酸水溶液(1M;3×70mL)で抽出した。水層を冷却し、次にNaHCO3水溶液、次に2M NaOH水溶液でpHを調整した。混合物をCH2Cl2−EtOAc−エタノールの混合物で抽出し、有機溶液をMgSO4上で乾燥し、蒸発させて除去した。9.3g(91%)の4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]チオモルホリンを淡黄色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.5 (m, 4H), 2.7 (m, 4H), 2.8 (t, 2H), 3.0 (qn, 1H), 3.4 (m, 2H), 4.4 (s, 1H
), 7.1−7.4 (m, 10H);LCMS:m/z 325 (M+1)+
【0097】
(b) 4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩
4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]チオモルホリン(1.0g、3.1ミリモル)を窒素下でCH2Cl2に溶解し、0℃で攪拌しながら1−クロロエチルクロロホルメート(1.3g、9.2ミリモル)を加えた。混合物を90分間攪拌し、次にメタノール(1mL)を加えた。溶液を20分間還流し、溶媒を蒸発させて除去した。残留物にアセトン(10mL)、次にイソプロパノール(10mL)を加え、混合物を30分間還流し、次に室温で一晩放置した。混合物を冷却し、沈殿物をろ過により集めた。250mg(51%)の4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩を淡褐色の固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO−d6): 2.4−3.8 (cm, 8H),
4.0 (b, 2H), 4.3 (m, 1H), 4.5 (b, 2H) 9.2 (b, 1H), 10.4 (b, 1H)。
【0098】
(c) t−ブチル[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメート
t−ブチル[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート(WO 95/05377を参照;610mg、1.8ミリモル)を1,2−ジクロロエタン(20mL)に溶解し、得られた溶液に4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン塩酸塩(430mg、1.9ミリモル)を加え、次にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(480mg、2.2ミリモル)を加えた。混合物を室温で5時間攪拌し、次にトリエチルアミン(0.73mL、5.2ミリモル)を加えた。反応混合物を2時間攪拌し、次にCH2Cl2およびNaHCO3水溶液に分配した。有機層を水で洗浄し、合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去して油状物を得、それをアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相カラム上のクロマトグラフィーにより処理した。適当なフラクションをエーテルで抽出した。有機溶液をMgSO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させて除去した。266mg(31%)のt−ブチル[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4 (s, 9H), 1.5−3.5 (c m, 23H), 7.0 (dd, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 1H);LCMS:m/z 488 (M+1) +
【0099】
(d) [(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩
t−ブチル[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメート(260mg、0.53ミリモル)をエーテル(15mL)に溶解し、攪拌しながらHCl(15mLの4Mジオキサン溶液)を滴加した。混合物を室温で1時間攪拌し、次に溶媒を蒸発させて除去した。270mg(100%)の[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩を白色の固体として得た。1H NMR (300MHz, CD3OD):1.9−2.2 (b, 2H), 2.7 (s, 3H), 3.0−4.8 (cm, 19H), 7.4 (d, 1H), 7.6 (m, 2H);LCMS:m/z 388 (M+1) +
【0100】
方法2
{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルアミンジアセテート
【化23】

[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン塩酸塩(方法1を参照;270mg、0.54ミリモル)を酢酸に溶解し、得られた溶液に過酸化水素(0.05mLの35%水溶液、0.54ミリモル)を加えた。混合物を室温で2.5時間攪拌し、溶媒を蒸発させて除去した。残留物をエタノール(50mL)に溶解し、得られた溶液にMP−カーボネート樹脂(0.86g;3.18ミリモル/gのポリマー結合樹脂)を加えた。混合物を30分間攪拌し、次にろ過してから溶媒を蒸発させて除去した。生成物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。140mg(49%)の{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルアミンジアセテートを得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.6−1.8 (m, 2H), 1.9 (s, 6H), 2.3−2.4 (m, 1H), 2.4−2.5 (m, 7H), 2.7−3.0 (m, 10H), 3.1 (m, 1H), 3.6 (m, 2H), 7.0 (dd, 1H), 7.2 (d, 1H), 7.3 (d, 1H), 8.2 (s, 2H);LCMS:m/z 404 (M+1)+
【0101】
方法3
2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン塩酸塩
【化24】

(a) t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルカルバメート
[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(方法17bを参照;11.2g、190ミリモル)をTHF(350mL)に溶解し、溶液にトリエチルアミン(8.7ml、100ミリモル)を加えた。混合物を外部の氷浴で冷却し、ジ−t−ブチルジカーボネート(15g、218ミリモル)を加えた。氷浴を取り除き、反応混合物を室温にし、次に一晩攪拌した。エーテルを加え、混合物を水で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、溶媒を蒸発させて除去した。16.5g(29%)のt−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルカルバメートを黄色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4 (s, 9H), 2.2−2.4 (m, 2H), 2.5−2.7 (cm, 3H), 2.8−3.8 (cm, 3H), 4.8−5.0 (cm, 2H), 5.5−5.7
(m, 1H), 6.9 (t, 2H), 7.1 (b, 2H)。
【0102】
(b) 1−[(t−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]−1,2,3−トリデオキシ−2−(4−フルオロフェニル)ペンチトール
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルカルバメート(17.0g、57.9ミリモル)をアセトン、t−ブタノールおよび水の混合物(190mL、2:1:1)に溶解した。OsO4(3ml、2.5%t−ブタノール溶液)を室温で加え、10分間攪拌した後、NMO(27.1g、231ミリモル)を加えた。混合物を一晩攪拌し、次に20%重亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応混合物を急冷した。混合物を15分間攪拌し、次に水で希釈した。溶液をCH2Cl2で抽出し、有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、回転蒸発器で濃縮した。19.4g(100%)の粗製1−[(t−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]−1,2,3−トリデオキシ−2−(4−フルオロフェニル)ペンチトールを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.3 (s, 9H), 1.4−1.8 (cm, 2H), 2.0−3.6 (cm, 11H), 6.9 (t, 2H), 7.1 (b, 2H)。
【0103】
(c) t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート
1−[(t−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]−1,2,3−トリデオキシ−2−(4−フルオロフェニル)ペンチトール(19.4g、59.2ミリモル)をTHFおよび水の混合物(3:1)に溶解し、溶液にNaIO4(17.7g、82.9ミリモル)を加えた。6時間攪拌した後、反応混合物を水で希釈し、その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、回転蒸発器で濃縮した。t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメートを黄色の油状物として得た。13C NMR (100MHz, CDCl3):28.4 (s), 35.1 (d), 38 (m), 47.3 (d), 54.6 (d), 79.8 (s), 115.7 (d), 129.4 (d), 137.2 (s), 155.8 (m), 160.7 (s), 163.2 (s), 200.6 (d)。
【0104】
(d) t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメート
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート(0.50g、1.7ミリモル)および4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩(0.45g、2.0ミリモル)をメタノール(30mL)に溶解した。シアノホウ水素化ナトリウム(0.71g、11.2ミリモル)および塩化亜鉛(0.77g、5.6ミリモル)のメタノール性溶液(15mL)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物を飽和NaHCO3水溶液および酢酸エチルに分配した。有機溶液を分離し、溶媒を蒸発させた。生成物をアセトニトリルおよび0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。350mg(41%)のt−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートを淡黄色の油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.3 (s, 9H), 1.6−1.7 (m, 2H), 2.0 (s, 1H), 2.3−2.7 (m, 12H), 2.8−3.6 (m, 6H), 3.6−3.7 (m, 2H), 6.9−7.1 (m, 4H), 10.2−10.4 (b,1H);LCMS:m/z 438 (M+1)+
【0105】
(e) 2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン塩酸塩
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメート(0.27g、0.62ミリモル)をHClおよびジオキサンの混合物(4M HCl、ジオキサン中)に溶解した。溶液を室温で一晩攪拌し、次に揮発物質を蒸発させて除去した。0.26g(100%)の2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン塩酸塩を固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD):1.8−2.1 (2H), 2.7 (s, 3H), 2.9−4.6 (m, 18H), 7.2 (t, 2H), 7.4 (m, 2H);LCMS:m/z 338 (M+1)+
【0106】
方法4
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩
【化25】

(a) t−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルカルバメート
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett., 265〜270(2001年)を参照;1.19g、6.16ミリモル)をTHF(50mL)に溶解
し、溶液にトリエチルアミン(0.69g、6.7ミリモル)を加えた。混合物を外部の氷浴で冷却し、次にジ−t−ブチルジカーボネート(1.6g、7.4ミリモル)を加えた。氷浴を取り除き、反応混合物を室温にし、次に5時間攪拌した。エーテルを加え、混合物を水で2回洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、溶媒を蒸発させて除去した。2g(100%)のt−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルカルバメートを固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4 (s, 9H), 2.3−2.4 (m, 2H), 2.8−3.6 (cm,
6H), 4.9−5.0 (cm, 2H), 5.6−5.7 (m, 1H), 7.0 (m, 2H), 7.1 (b, 2H)。
【0107】
(b) t−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート
t−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルカルバメート(1.8g、6.1ミリモル)をアセトン(32mL)、t−ブタノール(16mL)および水(8mL)の混合物に溶解した。溶液を室温で攪拌しながらOsO4(0.64mLの2.5% t−ブタノール溶液、0.06ミリモル)および4−メチルモルホリンN−オキシド(3.2g、27ミリモル)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(60mL)を加え、混合物を20分間攪拌し、次に水(100mL)で希釈した。溶液をCH2Cl2で2回抽出し、合一した有機溶液をブラインで洗浄した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物(2.4g)をTHF(28mL)および水(12mL)の混合物に溶解し、過沃素酸ナトリウム(1.44g、6.7ミリモル)を加えた。溶液を室温で4.5時間攪拌し、次に水およびブラインで希釈した。混合物をCH2Cl2で2回抽出し、合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、1.58g(87%)のt−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメートを得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.4 (s, 9H), 2.6−2.8 (m, 5H), 3.2−3.6 (cm, 3H), 7.0 (m, 2H), 7.1 (b, 2H), 9.7 (s, 1H)。
【0108】
(c) t−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメート
t−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート(1.57g、5.3ミリモル)および4−アゼチジン−3−イルモルホリン(0.83g、5.8ミリモル)をDIPEA(1.4g、10.6ミリモル)と一緒にCH2Cl2(60mL)に溶解した。混合物を20分間攪拌し、次にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(1.6g、7.4ミリモル)を加えた。混合物を室温で6時間攪拌し、次に溶媒を蒸発させて除去した。残留物をNaHCO3水溶液および酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機溶液をMgSO4上で乾燥し、次に蒸発させて除去した。生成物をメタノールおよびCH2Cl2の混合物(5%〜20%メタノール)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより処理し、440mg(20%)のt−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.3 (s, 9H), 1.4−1.6 (m, 2H), 2.1−2.3 (b, 5H), 2.5−3.8 (cm, 16H), 6.9 (t, 2H), 7.0−7.1 (b, 2H);LCMS:m/z 422 (M+1)+
【0109】
(d) [(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩
t−ブチル[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−メチルカルバメート(0.44g、1.04ミリモル)を酢酸エチルのHCl−飽和溶液に溶解した。混合物を室温で1時間攪拌し、次に溶媒を蒸発させて除去した。450mgの[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン二塩酸塩を泡状物として得た。1H NMR (500MHz, CD3OD):2.0 (m, 1H), 2.2 (m, 1H), 2.7 (s, 3H), 3.0−5.0 (cm, 18H), 7.2 (t, 2H), 7.5 (t, 2H);LCMS:m/z 322 (M+1) +
【0110】
方法5
1−{1−[3−(4−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール二塩酸塩
【化26】

(a) t−ブチル{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメート
4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩の代わりに1−アゼチジン−3−イルピペリジン−4−オール二塩酸塩(方法15を参照)を使用することを除けば方法3dと同様にして化合物を合成した(収率69%)。1H NMR (400MHz, CDCl3): 1.4 (s, 9H), 1.4−3.8 (cm, 25H), 7.0 (t, 2H), 7.0−7.2 (b, 2H), LCMS: m/z 436 (M+1) +
【0111】
(b) 1−{1−[3−(4−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール二塩酸塩
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートの代わりに1−t−ブチル{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメートを使用することを除けば方法3eと同様にして化合物を合成した(収率98%)。1H
NMR (400MHz, CD3OD):1.8−2.2 (b, 6H), 2.7 (s, 3H), 3.0−4.8 (m, 15H), 7.0−7.2
(m, 2H), 7.3−7.4 (m, 2H)。 LCMS: m/z 336 (M+1) +
【0112】
方法6
[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]メチルアミントリフレート
【化27】

(a) t−ブチル[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]メチルカルバメート
4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩の代わりに8−アゼチジン−3−イル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン塩酸塩(方法13を参照)を使用することを除けば方法3dと同様にして化合物を合成した(収率70%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4 (s, 9H), 1.4−3.6 (cm, 25H), 3.9−4.0 (m, 2H), 6.9−7.0 (t, 2H), 7.1−7.2 (b, 2H)。 LCMS:m/z 478 (M+1) +
【0113】
(b) [4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イ
ル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]メチルアミントリフレート
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートおよびHClの代わりにt−ブチル{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメートおよびトリフルオロ酢酸を使用することを除けば方法3eと同様にして化合物を合成した(収率100%)。LCMS:m/z 378 (M+1)+
【0114】
方法7
{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルアミン二塩酸塩
【化28】

(a) t−ブチル{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメート
4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩およびt−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメートの代わりに1−アゼチジン−3−イル−4−フルオロピペリジン二塩酸塩(WO 97/27185を参照)およびt−ブチル[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート(WO 95/05377を参照)を使用することを除けば方法3dと同様にして化合物を合成した(収率13%)。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.3 (s, 9H), 1.5−3.6 (cm, 23H), 4.6−4.8 (bd, 1H), 6.9−7.1 (dd, 1H), 7.2 (m, 1H), 7.4 (d, 1H)。LCMS:m/z 489 (M+1)+
【0115】
(b) {(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルアミン二塩酸塩
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートの代わりにt−ブチル{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメートを使用することを除けば方法3eと同様にして化合物を合成した(収率100%)。1H NMR (500MHz, CD3OD):1.9−2.4 (m, 6H), 2.7 (s, 3H), 3.1−5.1 (cm, 15H), 7.4 (d, 1H), 7.7 (m, 2H)。LCMS:m/z 389 (M+1)+
【0116】
方法8
1−{1−[(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール二塩酸塩
【化29】

(a) t−ブチル{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメート
4−アゼチジン−3−イルチオモルホリン二塩酸塩およびt−ブチル[2−(4−フルオロフ
ェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメートの代わりに1−アゼチジン−3−イルピペリジン−4−オール二塩酸塩(方法15を参照)およびt−ブチル[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル]メチルカルバメート(WO 95/05377を参照)を使用することを除けば方法3dと同様にして化合物を合成した(収率35%)。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.3 (m, 2H), 1.4 (s, 9H), 1.5−3.8 (cm, 23H), 7.0 (dd, 1H), 7.2−7.4 (m, 2H), LCMS: m/z 487 (M+1)+
【0117】
(b) 1−{1−[(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール二塩酸塩
t−ブチル[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルカルバメートの代わりにt−ブチル{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルカルバメートを使用することを除けば方法3eと同様にして化合物を合成した(収率100%)。1H NMR (500 MHz, CD3OD): 1.8−2.2 (m, 6H), 2.7 (s, 3H), 3.2−4.8 (cm, 17H), 7.4 (dd, 1H), 7.6−7.7 (m, 2H)。LCMS: m/z 387 (M+1) +
【0118】
方法9
5−シアノ−1−ベンゾチオフェン−7−カルボン酸
【化30】

(a) エチル5−シアノ−1−ベンゾチオフェン−7−カルボキシレート
過塩素酸N−[2−シアノ−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−イリデン]−N−メチルメタンアミニウム(Collect. Czech. Chem. Commun., 32, 5, 1704(1967年)を参照;5.84g、23.2ミリモル)および2−チエニル酢酸エチル(3.95g、23.2ミリモル)を0℃でキノリン(117mL)と混合した。ナトリウムエトキシド(1.97g、27.9ミリモル)を加え、混合物を0℃で30分間、次に室温で15分間攪拌した。反応混合物を窒素下で5時間75℃まで加熱し、次に0℃まで冷却した。塩酸(200mLの2M水溶液)を加え、混合物をクロロホルムで3回抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(ヘキサン−酢酸エチル、8:1)。2.3g(43%)のエチル5−シアノ−1−ベンゾチオフェン−7−カルボキシレートを淡黄色の固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):1.5 (t, 3H), 4.5 (qt, 2H), 7.5 (d, 1H), 7.7 (d, 1H), 8.3 (m, 2H)。
【0119】
(b) 5−シアノ−1−ベンゾチオフェン−7−カルボン酸
エチル5−シアノ−1−ベンゾチオフェン−7−カルボキシレート(5.6g、24.3ミリモル)をTHF(96mL)に溶解し、得られた溶液に0℃でNaOH水溶液(14mLの水中における1.07gのNaOH;26.7ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、次に大部分の溶媒を蒸発させて除去した。残留物をNaOH水溶液(0.1M)に溶解した。溶液をクロロホルムで3回洗浄し、2M
HClで酸性にし、次に酢酸エチルで抽出した。有機溶液を分離し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(CH2Cl2−MeOH−NH4OH、8:2:0.5)。4.3g(85%)の5−シアノ−1−ベンゾチオフェン−7−カルボン酸を淡褐色の固体として得た。1H NMR (500MHz, DMSO−d6):7.7 (d, 1H), 8.1 (d, 2H), 8.3 (d,
1H), 8.7 (s, 1H), 14 (b, 1H); LCMS: m/z 202 (M−1) -
【0120】
方法10
7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボン酸
【化31】

(a) 5−クロロ−2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド
5−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズアルデヒド(J. Org. Chem., 56, 5451(1991年)を参照;20.0g、107ミリモル)を臭化水素酸(100mLの47%水溶液)中で懸濁した。混合物を6時間還流し、次に室温まで冷却した後、水(300mL)で希釈した。生成した沈殿物をろ過により集め、水で洗浄した。自然乾燥した後、固体物質をCH2Cl2(4×150mL)で浸漬することにより精製した。6.0g(32%)の5−クロロ−2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒドを固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):5.7 (s, 1H), 7.1 (d, 1H), 7.2 (d, 1H), 9.8 (s, 1H), 11.0 (s, 1H)。
【0121】
(b) 7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボアルデヒド
5−クロロ−2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド(6.0g、34.7ミリモル)をDMF(100mL)に溶解し、溶液に1,2−ジブロモエタン(8.0g、42.5ミリモル)および炭酸カリウム(10.0g、70ミリモル)を加えた。混合物を100℃で1時間攪拌し、室温まで冷却し、次に水(200mL)で希釈した。酢酸エチル(200mL)で2回抽出した後、合一した有機溶液をブラインで洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、固体残留物をメタノールで処理した。ろ過し、乾燥した後、6.5g(94%)の7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボアルデヒドを得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):4.3−4.4 (m, 4H), 7.1 (d, 1H), 7.3 (d, 1H), 10.3 (s, 1H)。
【0122】
(c) 7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボン酸
7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボアルデヒド(6.25g、31.4ミリモル)をアセトン(150mL)に溶解し、溶液を5℃まで冷却した。硫酸中におけるCrO3の溶液(4M、4M H2SO4中、12.5mL、50ミリモル)を2分間にわたって滴加し、混合物を30分間還流した。水(150mL)を加え、次に大部分のアセトンを蒸発させて除去した。混合物をエーテル(150mL)で抽出し、有機溶液をNaOH溶液(0.5M、150mL)で抽出した。水溶液を2M塩酸で酸性にし、次にエーテル(150mL)で抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をCH2Cl2で処理した。ろ過し、乾燥した後、5.2g(77%)の7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボン酸を得た。1H NMR (400MHz, アセトン−d6):4.3−4.4 (m, 4H), 7.1 (d, 1H), 7.3 (d, 1H), 11−12 (b, 1H)。
【0123】
方法11
塩化3−シアノ−1−ナフトイル
【化32】

3−シアノ−1−ナフトエ酸(Bioorg. Med. Chem. Lett.,2769(2001年)を参照;1.1g、5.6ミリモル)をCH2Cl2(10mL)中でスラリーにし、次に攪拌しながら塩化オキサリルを加えた。1滴のDMFを加え、混合物を窒素下、室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させて除去し、1.2g(100%)の塩化3−シアノ−1−ナフトイルを淡黄色の固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):7.7−7.8 (m, 1H), 7.8−7.9 (m, 1H), 8.0−8.1 (m, 1H), 8.5 (s, 1H), 8.7 (s, 1H), 8.8 (d, 1H)。
【0124】
方法12
1−アゼチジン−3−イルピロリジン−3−オール二塩酸塩
【化33】

(a) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピロリジン−3−オール
1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(J. Org. Chem., 56, 6729(1991年)を参照;310mg、0.98ミリモル)をアセトニトリル(3.5mL)に溶解した。ピロリジン−3−オール(104mg、1.2ミリモル)およびトリエチルアミン(124mg、1.2ミリモル)を加え、混合物をマイクロ波シングルノードで10分間加熱した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物を酢酸エチルに溶解した。溶液を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。280mg(93%)の1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピロリジン−3−オールを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):1.6−1.8 (m, 1H), 2.1−2.3 (m, 2H), 2.4−2.6 (m, 2H), 2.6−2.8 (m, 1H), 2.9−3.0 (m, 2H), 3.1−3.2 (m, 1H),
3.3−3.4 (m, 2H), 4.3 (m, 1H), 4.4 (s, 1H), 7.1−7.5 (m, 10H); LCMS: m/z 309 (M+1) +
【0125】
(b) 1−アゼチジン−3−イルピロリジン−3−オール
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピロリジン−3−オール(310mg、0.98ミリモル)をエタノール(20mL)に溶解した。炭素上の水酸化パラジウムおよび活性炭上のパラジウムの混合物を加え、得られた混合物に濃HCl(0.1mL)を滴加した。混合物を水素(5気圧)下、室温で一晩攪拌し、次に触媒をセライト(登録商標)でろ去した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をCH2Cl2で摩砕した。154mg(79%)の1−アゼチジン−3−イルピロリジン−3−オール二塩酸塩を固体として得た。13C NMR (75MHz, D2O): 48.8 (s), 65.1
(s), 67.7 (s), 70.9 (s), 76.2 (s), 85.7 (s); LCMS: m/z 143 (M+1) +
【0126】
方法13
8−アゼチジン−3−イル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン塩酸塩
【化34】

(a) 8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン
ピロリジン−3−オールの代わりに1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンを出発物質として使用することを除けば方法12aと同様にして化合物を合成した(収率72%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.6−1.8 (m, 4H), 2.3−2.3 (m, 4H), 2.9 (t, 2H), 3.0 (qn, 1H), 3.4 (t, 2H), 3.9 (s, 4H), 4.4 (s, 1H), 7.1−7.5 (m, 10H); LCMS: m/z 365 (M+1) +
【0127】
(b) 8−アゼチジン−3−イル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン塩酸塩
8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(0.5g、1.4ミリモル)を窒素下で乾燥CH2Cl2に溶解し、0℃で得られた溶液に1−クロロエチルクロロホルメート(0.45mL、4.1ミリモル)を加えた。混合物を1.5時間攪拌し、次にメタノールを加えた。溶液を20分間加熱還流し、次に溶媒を蒸発させて除去した。残留物をアセトンで摩砕し、その沈殿物をイソプロピルアルコールから再結晶した。235mg(73%)の8−アゼチジン−3−イル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン塩酸塩を固体として得た。LCMS:m/z 199 (M+1) +
【0128】
方法14
チオモルホリン1,1−ジオキシド二塩酸塩
【化35】

(a) 4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]チオモルホリン1,1−ジオキシド
ピロリジン−3−オールの代わりにチオモルホリン1,1−ジオキシド(J. Chem. Soc.,3433(1949年)を参照)を使用することを除けば方法12aと同様にして化合物を合成した(収率19%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.7−2.8 (m, 4H), 2.8−2.9 (m, 2H), 3.0−3.1 (m, 4H), 3.2 (qn, 1H), 3.4 (m, 2H), 4.4 (s, 1H), 7.1−7.4 (m, 10H); LCMS: m/z 357 (M+1) +
【0129】
(b) チオモルホリン1,1−ジオキシド二塩酸塩
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピロリジン−3−オールの代わりに4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]チオモルホリン1,1−ジオキシドを使用することを除けば方法12bと同様にして化合物を合成した(収率89%)。1H NMR (400MHz, D2O):3.2−3.4 (b, 4H), 3.4−3.5 (m, 4H), 4.2 (m, 1H), 4.2−4.4 (4H)。
【0130】
方法15
1−アゼチジン−3−イルピペリジン−4−オール二塩酸塩
【化36】

(a) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペリジン−4−オール
ピロリジン−3−オールの代わりにピペリジン−4−オールを使用することを除けば方法12aと同様にして化合物を合成した(収率73%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.5−1.6 (m, 2H), 1.8 (m, 2H), 2.0 (m, 2H), 2.6 (m, 2H), 2.8−3.0 (m, 3H), 3.4 (m, 2H), 3.6−3.7 (m, 1H), 4.4 (s, 1H), 7.1−7.5 (m, 10H); LCMS: m/z 323 (M+1) +
【0131】
(b) 1−アゼチジン−3−イルピペリジン−4−オール二塩酸塩
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピロリジン−3−オールの代わりに1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペリジン−4−オールを使用することを除けば方法12bと同様にして化合物を合成した(収率89%)。1H NMR (400MHz, DMSO−d6): 1.6−5.0 (cm, 13H), 9.0−9.4 (b, 1H), 9.8−10.2 (b, 1H), 12.0−12.8 (b, 1H)。
【0132】
方法16
1−[(3S)−4−[(3−シアノ−1−ナフトイル)(メチル)アミノ]−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]アゼチジン−3−イルメタンスルホネート
【化37】

(a) 3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド(WO 00/02859を参照;1.0g、2.3ミリモル)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、得られた溶液にアゼチジン−3−オール塩酸塩(0.24g、2.2ミリモル)およびトリエチルアミン(0.30mL、2.2ミリモル)を加えた。40分間攪拌した後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.65g、3.1ミリモル)を加え、溶液を室温で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物を飽和NaHCO3水溶液および酢酸エチルに分配した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物を塩酸(1M)に溶解した。溶液をCH2Cl2で洗浄し、NaOH水溶液(2M)でアルカリ性にし、次にCH2Cl2で抽出した。溶媒を蒸発させて除去し、0.85g(80%)の3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミドを白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO−d6): 0.8−4.4 (cm, 16H), 6.4−8.2 (cm, 8H), 8.6 (d, 1H); LCMS: m/z 482 (M+1) +
【0133】
(b) 1−[(3S)−4−[(3−シアノ−1−ナフトイル)(メチル)アミノ]−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]アゼチジン−3−イルメタンスルホネート
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド(0.20g、0.41ミリモル)をCH2Cl2に溶解し、得られた溶液にトリエチルアミン(0.17mL、0.41ミリモル)を加えた。混合物を0℃まで冷却した後、注意しながら塩化メタンスルホニル(0.03mL、0.41ミリモル)を加えた。混合物を冷却しながら30分間、次に室温で1時間攪拌した。反応混合物をCH2Cl2で希釈し、次
に塩酸(1M)、飽和NaHCO3、次にブラインで洗浄した。有機溶液をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。0.21g(92%)の1−[(3S)−4−[(3−シアノ−1−ナフトイル)(メチル)アミノ]−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]アゼチジン−3−イルメタンスルホネートを固体として得た。LCMS:m/z 560 (M+1)+
【0134】
方法17
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
【化38】

(a) 2−(4−フルオロフェニル)−N−メチルペンタ−4−エンアミド
2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン酸(Bioorg. Med. Chem. Lett., 1893(2000年);4.20g、21.6ミリモル)をCH2Cl2(75mL)に溶解し、得られた溶液にTBTU(7.29g、22.7ミリモル)を加えた。混合物を室温で15分間攪拌し、次にメチルアミン(11.9mLの2M THF溶液、23.8ミリモル)およびDIPEA(11.2g、86.5ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、その後CH2Cl2(50mL)で希釈し、次に水で数回洗浄した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル、1:1)により処理した。3.5g(78%)の2−(4−フルオロフェニル)−N−メチルペンタ−4−エンアミドを油状物として得、それは間もなく結晶化した。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.5 (qn, 1H), 2.7 (d, 3H), 2.9 (qn, 1H), 3.4 (t, 1H), 4.9−5.1 (m, 2H), 5.6−5.8
(m, 1H), 6.0−6.2 (b, 1H), 7.0 (m, 2H), 7.3 (m, 2H)。
【0135】
(b) [2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン
水素化リチウムアルミニウム(0.11g、2.9ミリモル)を窒素下で攪拌しながらエーテル(15mL)中でスラリーにした。2−(4−フルオロフェニル)−N−メチルペンタ−4−エンアミド(0.20g、5mLのエーテル中、0.97ミリモル)の溶液を注意しながら加え、混合物を室温で一晩攪拌した。水(0.11mL)、次にNaOH溶液(0.11mLの15%水溶液)、さらに再び水(0.33mL)を滴加した。混合物を10分間攪拌し、次にろ過した。ろ過ケークをエーテルで洗浄し、合一した溶液を水で数回洗浄した。有機溶液をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。0.16g(86%)の[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミンを油状物として得た。1HNMR (400MHz, CDCl3):2.4−2.6 (m, 5H), 2.7−2.9 (m, 3H),
4.9−5.0 (m, 2H), 5.6−5.8 (m, 1H), 7.0 (m, 2H), 7.1 (m, 2H);LCMS:m/z 194 (M+1)+
【0136】
(c) 3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチ
ル−1−ナフタミド
[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(1.0g、5.2ミリモル)をCH2Cl2に溶解し、0℃で攪拌しながらDIPEA(1.5g、11.4ミリモル)および塩化3−シアノ−1−ナフトイル(方法11;1.1g、5.17ミリモル)を加えた。混合物を冷却しながら短時間攪拌し、次に室温で2時間攪拌した。混合物を水で2回、KHSO4水溶液で1回、次にブラインで洗浄した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(メタノール−CH2Cl2、5:95)。1.55g(80%)の3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−1−ナフタミドを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.1−4.9 (cm, 8H), 5.0−5.1 (m,
2H), 5.6−5.8 (m, 1H), 6.4−8.0 (cm, 9H), 8.2 (s, 1H)。
【0137】
(d) 3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−1−ナフタミド(1.5g、4.03ミリモル)をアセトン(30mL)、t−ブタノール(15mL)および水(7.5mL)の混合物に溶解し、室温で攪拌しながらOsO4(0.40mLの2.5% t−ブタノール溶液、0.04ミリモル)を加えた。4−メチルモルホリンN−オキシド(2.08g、17.8ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(15mL)を加え、混合物を5分間攪拌し、次に濃縮した。残留物を水(100mL)で希釈し、次にCH2Cl2で3回抽出した。合一した有機溶液をブラインで洗浄し、溶媒を蒸発させて除去した。残留物をTHF(21mL)および水(7mL)の混合物に溶解し、次に過沃素酸ナトリウム(0.95g、4.43ミリモル)を加えた。溶液を室温で一晩攪拌し、次に水(150mL)およびブライン(75mL)で希釈した。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、合一した有機溶液を水、次にブラインで洗浄した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(酢酸エチル−ヘプタン、7:3)。1.43g(95%)の3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミドを無色の油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.4−4.4 (cm, 8H), 6.8−8.0 (cm, 9H), 8.2 (s, 1H), 9.8 (s, 1H)。
【0138】
方法18
3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
【化39】

(a) {2−(4−ブロモフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルアミン
3−(4−ブロモフェニル)−4−(メチルアミノ)ブタン−1−オール(Chem. Pharm. Bull.,
46, 242(1998年)を参照;1.77g、6.86ミリモル)をアルゴン下、0℃でCH2Cl2(100mL)に溶解した。イミダゾール(1.22g、17.9ミリモル)を加え、混合物を10分間攪拌し、次にトリイソプロピルクロロシラン(3.16g、16.4ミリモル)を冷却しながら加えた。混合物を室温で48時間攪拌し、次に水(100mL)およびブラインで2回洗浄した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(CH2Cl2−メタノール−NH4OH、15:1:0.1)。2.17g(75%)の{2−(4−ブロモフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルアミンを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):0.9−1.1 (m, 21H), 1.6−1.9 (m, 2H), 2.4 (s, 3H), 2.7−2.8 (m, 2H), 3.0−3.1 (m, 1H), 3.4−3.6 (m, 2H), 7.1 (d, 2H), 7.4 (d, 2H)。
【0139】
(b) t−ブチル{2−(4−ブロモフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルカルバメート
{2−(4−ブロモフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルアミン(0.95g、2.3ミリモル)および4−ジメチルアミノピリジン(0.34g、2.8ミリモル)を窒素下で乾燥CH2Cl2(10mL)に溶解した。Boc−無水物(1.1g、5.1ミリモル)を0℃で加え、混合物を室温で48時間攪拌し、次にブラインで2回洗浄した。溶液をNa2SO4上で乾燥し、
溶媒を蒸発させて除去した。残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(ヘキサン−エーテル、40:1〜8:1)。1.66g(73%)のt−ブチル{2−(4−ブロモフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルカルバメートを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):0.9−1.1 (m, 21H), 1.4 (s, 9H), 1.7−1.9
(m, 2H), 2.7 (m, 3H), 3.2−3.6 (m, 5H), 7.0−7.1 (m, 2H), 7.3−7.4 (m, 2H)。
【0140】
(c) t−ブチル{2−(4−シアノフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルカルバメート
t−ブチル{2−(4−ブロモフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルカルバメート(1.16g、2.25ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.62g、0.68ミリモル)およびトリ−o−トリルホスフィン(1.03g、3.38ミリモル)をアルゴン下でアセトニトリル(3mL)およびDMF(3mL)と一緒に混合した。シアン化亜鉛(0.16g、1.35ミリモル)を加え、混合物を81℃で24時間攪拌し、濃縮した。酢酸エチルを残留物に加え、スラリーをマイクロフィルターを通してろ過した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−エーテル、10:1)により精製した。0.43g(41%)のt−ブチル{2−(4−シアノフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルカルバメートを固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):0.9−1.1 (m, 21H), 1.4 (s, 9H), 1.7−1.9 (m, 2H), 2.7 (m, 3H), 3.2−3.6 (m, 5H), 7.3−7.4 (m, 2H), 7.5−7.6 (m, 2H); MS: m/z 361 (M+1) +
【0141】
(d) 4−{3−ヒドロキシ−1−[(メチルアミノ)メチル]プロピル}ベンゾニトリル
t−ブチル{2−(4−シアノフェニル)−4−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]ブチル}メチルカルバメート(0.37g)を0℃でTHF(8mL)に溶解した。塩酸(8mlの6M溶液)を加え、
混合物を室温で一晩攪拌した。揮発物質を蒸発させて除去し、次にメタノール(5×50mL)を加えた後、共沸的に除去した。残留物を水に溶解し、Na2CO3(固体)を加えて溶液をpH8〜9までアルカリ性にし、次に酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2−MeOH−NH4OH、9:1:0.1)により精製した。0.10g(60%)の4−{3−ヒドロキシ−1−[(メチルアミノ)メチル]プロピル}ベンゾニトリルを固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):1.9−2.0 (m, 2H), 2.5 (s, 3H), 2.8−2.9 (m, 3H), 3.4−3.7 (m, 3H), 3.7 (m, 1H), 7.3 (d, 2H), 7.6 (d, 2H); LCMS: m/z 205 (M+1) +
【0142】
(e) 3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
4−{3−ヒドロキシ−1−[(メチルアミノ)メチル]プロピル}ベンゾニトリル(0.55g、2.69ミリモル)およびDIPEA(0.77g、5.9ミリモル)をCH2Cl2(5mL)に溶解した。塩化3−シアノ−1−ナフトイル(方法11を参照;0.58g、2.69ミリモル)を攪拌および冷却(外部の氷浴)しながら少しずつ加えた。混合物を冷却しながら2時間攪拌し、次にCH2Cl2(10mL)で希釈した。溶液を水で2回、飽和KHSO4水溶液で2回、次にブラインで洗浄した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより処理した(CH2Cl2−MeOH、9:1)。0.70g(67%)の3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−N−メチル−1−ナフタミドを白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4−2.5 (cm, 2H), 2.6 (s, 3H), 3.1−4.6 (cm, 6H), 6.4−7.8 (cm, 8H),
7.9 (d, 1H), 8.2 (s, 1H);LCMS:m/z 384 (M+1)+
【0143】
(f) 3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−N−メチル−1−ナフタミド(0.70g、1.8ミリモル)をCH2Cl2(15mL)に溶解し、得られた溶液にデス・マーチ
ン・ペルヨージナン(0.85g、2.0ミリモル)を少しずつ加えた。混合物を室温で一晩攪拌
し、次に飽和NaHCO3溶液(30mL)に溶解したチオ硫酸ナトリウム(1.9g、12ミリモル)を加えた。混合物を2時間激しく攪拌し、次に有機溶液をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン、4:1)により精製した。0.50g(43%)の3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミドを白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.7 (s, 3H), 2.9−4.4 (cm, 5H), 6.4−7.8 (cm, 8H), 7.9 (d, 1H), 8.2 (s, 1H), 9.8 (s, 1H); LCMS: m/z 382 (M+1) +
【0144】
方法19
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
【化40】

(a) 3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett., 265〜270(2001年)を参照;300mg、1.55ミリモル)をCH2Cl2(30mL)に溶解し、得られた溶液にDIPEA(440mg、3.40ミリモル)を塩化3−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニル(WO 00/34243を参照;341mg、1.55ミリモル)と一緒に加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、CH2Cl2(20mL)で希釈し、次に水、KHSO4水溶液、最後にブラインで洗浄した。溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。残留物を溶離剤としてヘプタンおよび酢酸エチルの混合物(7:3)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより処理し、460mg(78%)の3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):0.8−4.2 (cm, 16H), 4.8−5.1 (m, 2H), 5.6−5.8 (m, 1H), 6.7−7.4 (cm, 6H); LCMS: m/z 377 (M+1) +
【0145】
(b) 3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(460mg、1.22ミリモル)を窒素下でアセトン(8mL)、t−ブチルアルコール(4mL)および水(2mL)の混合物に溶解した。OsO4(2.5% t−ブチルアルコール溶液、0.165mL、0.01ミリモル)を4−メチルモルホリン−4−オキシド(630mg、5.4ミリモル)と一緒に加えた。溶液を室温で5時間攪拌し、次にNaHSO3水溶液(39%、12mL)を加えた。混合物を15分間攪拌し、水(50mL)で希釈し、次にCH2Cl2で3回抽出した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。残留物(570mg)をTHF(7mL)および水(3mL)の混合物に溶解し、得られた溶液に過沃素酸ナトリウム(287mg、1.34ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、水(50mL)およびブライン(30mL)で希釈し、次にCH2Cl2で2回抽出した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。415mg(89%)の3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4−4.2 (cm, 16H), 6.6−7.4 (cm, 6H), 9.7 (s, 1H); LCMS: m/z 379 (M+1) +
【0146】
方法20
N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化41】

(a) N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett., 265〜270(2001年);300mg、1.55ミリモル)をDMF(3mL)に溶解し、得ら
れた溶液に3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸(440mg、1.71ミリモル)、TBTU(548mg、1.71ミリモル)およびDIPEA(803mg、6.21ミリモル)を所定の順番で加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、NaHCO3水溶液(飽和、25mL)で希釈し、次に酢酸エチルで3回抽出した。合一した有機溶液を水で3回洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物を溶離剤としてヘプタンおよび酢酸エチルの混合物(4:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより処理した。576mg(85%)のN−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.2−2.4 (cm, 2H), 2.7 (s, 2H), 2.9−3.9 (cm, 4H), 4.9−5.1 (m, 2H), 5.4−5.8 (m, 1H), 6.8−7.1 (cm, 3H), 7.2−7.5 (3H), 7.9 (s, 1H); LCMS: m/z 434 (M+1) +
【0147】
(b) N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(570mg、1.32ミリモル)をアセトン(10mL)、t−ブチルアルコール(5mL)および水(2.5mL)の混合物に溶解した。OsO4(2.5% t−ブチルアルコール溶液、0.190mL、0.013ミリモル)を4−メチルモルホリン−4−オキシド(680mg、5.8ミリモル)と一緒に加えた。溶液を室温で一晩攪拌し、次に飽和NaHSO3水溶液(10mL)を加えた。混合物を15分間攪拌し、水(50mL)で希釈し、次にCH2Cl2で3回抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、次に溶媒を蒸発させた。残留物(643mg)をTHF(7mL)および水(3mL)の混合物に溶解し、得られた溶液に過沃素酸ナトリウム(309mg、1.45ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、水(75mL)およびブライン(40mL)で希釈し、次に酢酸エチルで3回抽出した。合一した有機溶液を水で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。生成物を溶離剤としてヘプタンおよび酢酸エチルの混合物(1:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。398mg(69%)のN−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.6−3.9 (cm, 8H), 6.8−7.6 (cm, 6H), 7.9 (s, 1H), 9.8 (s, 1H); LCMS: m/z 436 (M+1) +
【0148】
方法21
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド
【化42】

(a) 3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミド
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett., 265〜270(2001年)を参照;150mg、0.78ミリモル)をCH2Cl2(5mL)に溶解し、得られた溶液にDIPEA(221mg、1.71ミリモル)および塩化3,5−ジクロロベンゾイル(178mg、0.85ミリモル)を所定の順番で加えた。混合物を室温で4時間攪拌し、CH2Cl2(20mL)で希釈し、次に水(10mL)、KHSO4水溶液(1M、10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、214mg(75%)の3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミドを油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):2.2−2.4 (cm, 2H), 2.6 (s, 2H), 2.9−3.9 (cm, 4H), 4.9−5.1 (m, 2H), 5.5−5.8 (m, 1H), 6.7 (s, 1H), 6.9−7.4 (cm, 6H); LCMS: m/z 367 (M+1) +
【0149】
(b) 3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミド(210mg、0.57ミリモル)をアセトン(4mL)、t−ブチルアルコール(2mL)および水(1mL)の混合物に溶解した。OsO4(2.5% t−ブチルアルコール溶液、0.080mL、0.006ミリモル)を4−メチルモルホリン−4−オキシド(296mg、2.52ミリモル)と一緒に加えた。溶液を窒素下、室温で一晩攪拌し、次にNaHSO3水溶液(39%、6mL)を加えた。混合物を30分間攪拌し、水(25mL)で希釈し、次にCH2Cl2で2回抽出した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。残留物(256mg)をTHF(3mL)および水(1mL)の混合物に溶解し、得られた溶液に過沃素酸ナトリウム(135mg、0.63ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、水(25mL)で希釈し、次にCH2Cl2で2回抽出した。合一した有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。146mg(69%)の3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミドを油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.6−3.9 (cm, 8H), 6.4−7.4 (cm, 7H), 9.8 (s, 1H); LCMS: m/z 369 (M+1) +
【0150】
方法22
3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
【化43】

(a)塩化(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エノイル
(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン酸(Tetrahedron Letters, 6617〜662
0(2002年)を参照;1.2g、6.0ミリモル)をCH2Cl2(15mL)に溶解し、得られた溶液に塩化オキサリル(1.1g、9.0ミリモル)、次に1滴のDMFを加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させて除去し、1.2g(98%)の塩化(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エノイルを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.6 (q, 1H), 2.9 (q, 1H), 4.1 (t, 1H), 5.0−5.2 (m, 2H), 5.6−5.8 (m, 1H), 7.1 (t, 2H), 7.3 (m, 2H)。
【0151】
(b)(2S)−N−エチル−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エンアミド
350mgの気体が消費されるまでエチルアミン流を氷冷したCH2Cl2(5mL)に導入した。塩化(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エノイル(0.24g、5mLのCH2Cl2中、1.1ミリモル)の溶液を滴加した。混合物を室温で1時間攪拌し、次にCH2Cl2(10mL)で希釈した。溶液をKHSO4水溶液(8mL、1M)、NaOH(8mL、1M)、次にブラインで洗浄した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。0.15g(59%)の(2S)−N−エチル−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エンアミドを得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.1 (t, 3H), 2.5 (m, 1H), 2.8−3.0 (m, 2H), 3.2−3.4 (m, 3H), 5.0−5.1 (m, 2H), 5.6−5.8 (m, 1H), 7.0 (t, 2H), 7.3 (m, 2H)。
【0152】
(c)(2S)−N−エチル−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−アミン
LiAlH4(36mg、0.95ミリモル)を窒素下、0℃でエーテル(5mL)に加えた。エーテル(2mL)に溶解した(2S)−N−エチル−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エンアミド(140mg、0.63ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。水(0.04mL)、次にNaOH水溶液(0.16mL、1M)を加え、混合物を30分間攪拌した。セライト(登録商標)、MgSO4およびCH2Cl2を加え、固体物質をろ過により除去した。溶媒を蒸発させて除去し、0.13g(100%)の(2S)−N−エチル−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−アミンを得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.0 (m, 3H), 2.2−2.9 (m, 5H), 3.2−3.4 (m, 2H), 4.9−5.1 (m, 2H), 5.6−5.7 (m, 1H), 7.0−7.4 (m, 4H). LCMS: m/z 208 (M+1) +
【0153】
(d) 3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
(2S)−N−エチル−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−アミン(0.13g、0.63ミリモル)をCH2Cl2に溶解し、溶液にDIPEA(0.18g、1.4ミリモル)、次にCH2Cl2(2mL)に溶解した塩化3−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニル(WO 00/34243を参照;0.15g、0.66ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、次にCH2Cl2で希釈した。溶液を水、KHSO4水溶液(10mL、1M)およびブラインで洗浄した。溶液を乾燥した後、溶媒を蒸発させて除去した。生成物をメタノール−CH2Cl2のグラジエント溶媒(0%メタノール〜5%メタノール)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。0.13g(53%)の3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):0.8−1.3 (m, 3H), 1.5−4.2 (cm, 15H), 5.0 (m, 2H), 5.6−5.8 (m, 1H), 6.9−7.4 (m, 6H)。LCMS: m/z 391 (M+1) +
【0154】
(e) 3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミドの代わりに3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを使用することを除けば方法21bと同様にして化合物を合成した(収率70%)。1H NMR (500MHz, CDCl3):0.9−4.2 (cm, 18H), 5.9 (s, <1H), 6.9−7.5 (cm, 6H), 8.0 (s, <1H), 9.7 (m, 1H)。LCMS: m/z 393 (M+1) +
【0155】
方法23
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
【化44】

(a) 3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−1−ナフタミド
3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸の代わりに3−シアノ−1−ナフトエ酸(Bioorg. Med. Chem. Lett., 2769(2001年)を参照)を使用することを除けば方法20aと同様にして化合物を合成した(収率87%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):1.4−4.9 (cm, 8H), 5.0−5.1 (m, 2H), 5.7−5.8 (m, 1H), 6.4 (s, <1H), 6.8−8.0 (cm, 9H), 8.2 (s, 1H)。
【0156】
(b) 3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの代わりに3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−1−ナフタミドを使用することを除けば方法20bと同様にして化合物を合成した(収率78%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.4−2.6 (m, 1H), 2.7 (s, 3H), 2.8−4.4 (cm, 4H), 6.2 (s, <1H), 6.8−7.8 (cm, 9H), 8.2 (s, 1H), 9.8 (s, 1H)。
【0157】
方法24
3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド
【化45】

(a) 3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミド
3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸の代わりに3,5−ジブロモ安息香酸を使用することを除けば方法20aと同様にして化合物を合成した(収率100%)。1H NMR (500MHz, CDCl3):2.2−3.2 (cm, 6H), 3.4 (m, 1H), 3.6−3.8 (m, 1H), 5.0 (m, 2H), 5.5−5.8 (m, 1H), 6.8−8.4 (cm, 7H)。
【0158】
(b) 3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド
N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの代わりに3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミドを使用することを
除けば方法20bと同様にして化合物を合成した(収率96%)。1H NMR (400MHz, CDCl3):2.6−3.9 (cm, 8H), 6.8−8.2 (cm, 7H), 9.8 (s, 1H)。
【0159】
方法25
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド
【化46】

(a) 3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミド
塩化3,5−ジクロロベンゾイルの代わりに塩化3−ブロモ−5−ヨードベンゾイル(方法11と同様にして製造した)を使用することを除けば方法21aと同様にして化合物を合成した(収率84%)。1H NMR (500MHz, CDCl3):2.2−3.8 (cm, 8H), 5.0 (m, 2H), 5.5−5.8 (m, 1H), 6.8−7.4 (cm, 6H), 7.8 (s, 1H), 8.0 (s, <1H)。
【0160】
(b) 3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミドの代わりに3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミドを使用することを除けば方法21bと同様にして化合物を合成した(収率100%)。1H NMR (500MHz, CDCl3):2.6−3.2 (cm, 4H), 3.4−3.9 (cm, 2H), 4.0−4.2 (cm, 2H), 6.8−8.2 (cm, 7H), 9.8 (s, 1H)。
【0161】
方法26
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
【化47】

(a) 4−フルオロ−2−メチル安息香酸
4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリル(19.8g、150ミリモル)、KOH(24.3g、380ミリモル)および水(300mL)の混合物を2日間加熱還流した。次に、混合物を冷却しながら濃HClで酸性にした。生成物をろ過により集め、ろ過ケークを水で洗浄した。固体物質をフード中で数日間放置して乾燥した。20.8g(92%)の4−フルオロ−2−メチル安息香酸を固体物質として得た。1H NMR (300MHz, DMSO−d6):2.5 (s, 3H), 7.0−7.2 (m, 2H), 7.9 (t, 1H), 12.8 (b, 1H)。
【0162】
(b)メチル4−フルオロ−2−メチルベンゾエート
4−フルオロ−2−メチル安息香酸(19.8g、128ミリモル)およびHCl−飽和メタノール溶
液(500mL)の混合物を2時間加熱還流した。溶媒を蒸発させて除去し、残留物をNaHCO3水溶液およびCH2Cl2に分配した。有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。15.3g(71%)の4−フルオロ−2−メチル安息香酸メチルを桜色の油状物として得た。1H NMR
(300MHz, CDCl3):2.6 (s, 3H), 3.9 (s, 3H), 6.9−7.0 (m, 2H), 7.9 (t, 1H)。
【0163】
(c) (4−フルオロ−2−メチルフェニル)メタノール
4−フルオロ−2−メチルベンゾエート(15.3g、91ミリモル)を窒素流下でTHFに溶解した。LiAlH4(4.4g、110ミリモル)を少しずつ加えながら混合物を0℃まで冷却し、次に室温で1時間攪拌した。0℃まで冷却しながら水(4.4mL)、15%NaOH水溶液(4.4mL)、さらに水(13.2mL)を所定の順番で滴加した。混合物を2時間攪拌し、次に固体物質をろ去した。溶媒を蒸発させて除去し、11.5g(90%)の(4−フルオロ−2−メチルフェニル)メタノールを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.4 (s, 3H), 4.6 (s, 2H), 6.8−6.9 (m, 2H), 7.3 (t, 1H)。
【0164】
(d) 1−(クロロメチル)−4−フルオロ−2−メチルベンゼン
(4−フルオロ−2−メチルフェニル)メタノール(11.5g、82ミリモル)をCH2Cl2(100mL)に溶解した。混合物を0℃まで冷却した後、SOCl2(10.7g、90ミリモル)を加え、0℃で30分間、次に室温で1.5時間攪拌した。溶媒および過剰のSOCl2を蒸発させて除去し、次にCH2Cl2を加えた。溶媒および残留する微量のSOCl2をもう1回蒸発させた。13.0g(100%)の1−(クロロメチル)−4−フルオロ−2−メチルベンゼンを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.4 (s, 3H), 4.6 (s, 2H), 6.8−7.0 (m, 2H), 7.3 (m, 1H)。
【0165】
(e) (4−フルオロ−2−メチルフェニル)アセトニトリル
1−(クロロメチル)−4−フルオロ−2−メチルベンゼン(12.8g、81ミリモル)をCH2Cl2(50mL)に溶解し、得られた溶液に硫酸水素テトラブチルアンモニウム(1.4g、4.0ミリモル)、NaOH(0.32g、8.1ミリモル)および水(50mL)の混合物、次にシアン化カリウム水溶液(5.0g、77ミリモル)を加えた。混合物を5分間攪拌し、次に水層のpHを監視し、水酸化ナトリウム水溶液(5M)を滴加してアルカリ性に調整した。混合物を1時間還流し、室温で一晩攪拌し、次にCH2Cl2(50mL)で希釈した。有機層を水で3回洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、生成物をCH2Cl2を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。11.1g(92%)の(4−フルオロ−2−メチルフェニル)アセトニトリルを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.3 (s, 3H), 3.6 (s, 2H), 6.8−7.0
(m, 2H), 7.3 (m, 1H)。
【0166】
(f) 2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブタンニトリル
THF(25mL)に溶解した(4−フルオロ−2−メチルフェニル)アセトニトリル(6.0g、40ミリモル)を窒素流下でTHF(25mL)中におけるNaH(2.1g、60%鉱油中、52ミリモル)の懸濁液に加えた。次に、混合物を加熱還流し、反応を開始した。外部加熱なしに反応を1時間進行させると目に見える気体発生が止まった。混合物を冷却し、次にTHF(25mL)に溶解した2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(10.9g、52ミリモル)を加えた。混合物を0℃で30分間、次に室温で一晩攪拌した。混合物をNH4Cl水溶液に注ぎ、それをエーテルで2回抽出した。合一した有機溶液をNa2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。生成物をCH2Cl2を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、8.1g(72%)の2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブタンニトリルを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):1.4−2.2 (m, 8H), 2.4 (s, 3H), 3.4−3.6 (m, 2H), 3.8−4.0 (m, 2H), 4.2 (m, 1H), 4.6 (m, 1H), 6.8−7.0 (m, 2H), 7.4 (m, 1H)。
【0167】
(g) [2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イ
ルオキシ)ブチル]アミン
2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブタンニトリル(4.5g、16ミリモル)をエタノール(40mL)および濃NH4OH水溶液(20mL)に溶解した。水(茶さじ1杯)中で懸濁したラネーニッケル(登録商標)を加え、混合物を交互に排気し、H2でフラッシュした。次に、混合物をH2下、室温で気体の消費が終わるまで攪拌した。触媒を磁石で取り除き、混合物をろ過し、溶媒を蒸発させた。4.1g(90%)の[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]アミンを淡青色の油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.4−2.0 (m, 8H), 2.4 (d, 3H), 3.2−3.8 (m, 6H), 4.4−4.6 (d, 1H), 6.9 (d, 2H), 7.1−7.2 (b, 1H)。
【0168】
(h) 3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]アミン(0.40g、1.4ミリモル)、3−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(WO 00/34243を参照;0.32g、1.6ミリモル)およびDCC(0.35g、1.7ミリモル)をCH2Cl2(5mL)と混合した。混合物を室温で一晩攪拌し、次にろ過し、溶媒を蒸発させた。生成物をメタノールおよびCH2Cl2(0%〜2%メタノール)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。600mg(91%)の3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを泡状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.0−1.9 (m, 9H), 2.0−2.1 (m, 1H), 2.4 (d, 3H), 2.6−2.8 (m, 4H), 3.2−3.8 (m, 7H), 4.4−4.5 (d, 1H), 6.0−6.2 (m, 1H), 6.9 (m, 2H), 7.1−7.3 (m, 2H), 7.4 (s, 1H)。LCMS: m/z 463 (M−1) -
【0169】
(i) 3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]アミン(0.60g、1.3ミリモル)、Ag2O(1.5g、6.5ミリモル)およびヨードメ
タン(1.8g、12.9ミリモル)をDMF(10mL)と混合した。混合物を室温で3日間攪拌し、ろ過し、CH2Cl2(150mL)で希釈した。溶液をKCN水溶液(10mL;5%)で3回、次に水で3回洗浄した。溶媒を除去し、残留物を酢酸エチルおよびエーテルの1:1混合物に溶解した。溶液を水で3回洗浄し、MgSO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。460mg(74%)の3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):1.0−4.5 (cm, 30H), 6.4−7.4 (cm, 5H)。
【0170】
(j) 3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(460mg、0.96ミリモル)を4−トルエンスルホン酸(37mg、0.2ミリモル)と一緒にメタノール(10mL)に溶解し、溶液を室温で一晩攪拌した。NaHCO3水溶液をCH2Cl2と一緒に加え、有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。350mg(92%)の3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを油状物として得た。1H
NMR (300MHz, CDCl3):1.0−2.3 (cm, 6H), 2.4 (s, 3H), 2.6 (s, 3H), 2.7−4.5 (cm,
10H), 6.4−7.4 (cm, 5H)。
【0171】
(k) 3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド(350mg、0.89ミリモル)をデス・マーチン・ペルヨージナン(410mg、0.98ミリモル)と一緒にCH2Cl2(15mL)に溶解し、混合物を室温で4時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液に溶解したチオ硫酸ナトリウム(0.84g、5.2ミリモル)を加え、混合物を1時間激しく攪拌した。有機層をNaHCO3水溶液、次にブラインで洗浄した。溶液をNa2SO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。310mg(89%)の3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを油状物として得た。1H
NMR (300MHz, CDCl3):1.0−4.5 (cm, 19H), 6.6−7.4 (cm, 5H), 9.8 (s, 1H)。LCMS:
m/z 391 (M−1) -
【0172】
方法27
6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド
【化48】

(a) 1−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)エタノン
5−アセチルインダン(6.3g、39ミリモル)をCH2Cl2(150mL)に溶解してから塩化アルミニウム(13.0g、97ミリモル)を1分間加えるとHCl気体の激しい発生が観察され、それをチューブで排出した。混合物を室温で5分間攪拌し、次にCH2Cl2(50mL)に溶解した臭素(9.0g、56ミリモル)を2分間加えた。さらに室温で2時間攪拌し、次に反応混合物を氷(200g)に注いだ。フラスコを追加のCH2Cl2(100mL)で洗浄した。有機溶液をブラインで2回洗浄し、乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。8.8g(93%)の1−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)エタノンを固体物質として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.1−2.2 (q, 2H), 2.6 (s, 3H), 2.9 (t, 2H), 3.1 (t, 2H), 7.7 (s, 1H), 7.9 (s, 1H)。
【0173】
(b) 7−ブロモインダン−5−カルボン酸
1−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)エタノン(8.6g、36ミリモル)をジメトキシエタン(100mL)に溶解し、溶液にNaClO水溶液(200mL;1M、200ミリモル)およびNaOH水溶液(20mL;10M、200ミリモル)を加えた。混合物を50℃まで1時間加熱し、次に水(200mL)で希釈した。ピロ亜硫酸ナトリウム(5.7g、30ミリモル)を加えた。混合物をエーテルで洗浄し、濃HClで酸性にし、次にエーテル(150mL)で2回抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。固体残留物を冷CH2Cl2(−40℃)で処理し、ろ過し、乾燥した。7.1g(82%)の7−ブロモインダン−5−カルボン酸を固体物質として得た。1H NMR (300MHz, CD3OD):2.0−2.2 (q, 2H), 2.9 (t, 2H), 3.1 (t, 2H), 7.8 (s, 1H), 7.9 (s, 1H)。
【0174】
(c) 7−ブロモインダン−5−カルボキサミド
7−ブロモインダン−5−カルボン酸(2.9g、12ミリモル)および塩化オキサリル(2.0g
、16ミリモル)をCH2Cl2(50mL)と混合し、DMF(100mg)を加えた。1時間後、室温で混合物を濃NH4OH水溶液(20mL)およびエタノール(100mL)の混合物に注いだ。揮発物質を蒸発させて除去し、残留物を酢酸エチル(100mL)および水(50mL)に分配した。有機層をブラインで洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて除去し、固体残留物を冷CH2Cl2で処理し、ろ過し、乾燥した。2.0g(68%)の7−ブロモインダン−5−カルボキサミドを固体物質として得た。1H NMR (300MHz, CD3CO CD3):2.0−2.2 (m, 2H), 2.8−2.9 (d, 2H), 2.9−3.0 (t, 1H), 3.0−3.1 (t, 1H), 6.5 (b, 1H), 7.4 (b, 1H), 7.7 (s, 1H), 7.9 (s, 1H)。
【0175】
(d) 7−ブロモインダン−5−カルボニトリル
7−ブロモインダン−5−カルボキサミド(1.94g、8.1ミリモル)をCH2Cl2(50mL)中で懸濁し、POCl3(1.5g、9.8ミリモル)を加えた。CH2Cl2(10mL)に溶解したトリエチルアミン(3.5g、34.6ミリモル)を1分間加えると発熱反応が観察された。混合物を室温で30分間攪拌し、次に氷(50g)に注いだ。フラスコ中に残留する物質をCH2Cl2(50mL)および水(25mL)で洗浄した。有機層をブラインで2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、次に溶媒を蒸発させた。固体残留物を冷メタノールで処理し、次にろ過した。物質を冷メタノールで洗浄し、次に乾燥した。1.2g(66%)の7−ブロモインダン−5−カルボニトリルを固体物質として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.1−2.2 (q, 2H), 2.9−3.1 (m, 4H), 7.4 (s, 1H), 7.6
(s, 1H)。
【0176】
(e) 6−シアノインダン−4−カルボン酸
高圧(最大12バール)用に設計されたフラスコ中で7−ブロモインダン−5−カルボニトリル(1.18g、5.3ミリモル)をDMF(50mL)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(0.1g、0.14ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.1g、0.38ミリモル)、トリエチルアミン(1.0g、9.9ミリモル)および水(5mL)と混合した。攪拌しながらフラスコを
交互に排気し、一酸化炭素を入れた。この操作を4回繰り返し、次に6バールの圧力が得られるまで一酸化炭素を導入した。反応混合物を90℃まで60時間加熱し、次に室温まで冷却した。内容物をエーテル(100mL)および水(200mL)でビーカーに移した。有機層を分離し、沈殿したPdをデカンテーションにより除去した。水層を濃HClで酸性にし、次にエーテル(50mL)で3回抽出した。合一した有機溶液をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させた。固体残留物を冷CH2Cl2で処理し、ろ過し、次に乾燥した。0.6g(60%)の6−シアノインダン−4−カルボン酸を固体物質として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.1−2.2 (q, 2H), 3.0 (t, 2H), 3.4 (t, 2H), 7.7 (s, 1H), 8.2 (s, 1H)。
【0177】
(f) 6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド
6−シアノインダン−4−カルボン酸(150mg、0.8ミリモル)および塩化オキサリル(130mg、1.0ミリモル)をCH2Cl2(20mL)と混合し、DMF(100mg)を加えた。1時間後、室温で[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(Bioorg.Med.Chem.
Lett., 265〜270(2001年);200mg、1.0ミリモル)およびトリエチルアミン(200mg、2.0ミリモル)を所定の順番で混合物に加えた。混合物を室温で20分間攪拌し、次に溶媒を蒸発させた。生成物をヘキサンおよび酢酸エチル(1:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。180mg(62%)の6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミドを油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3):2.0−2.1 (m, 2H), 2.2 (t, 1H), 2.4 (m, 2H), 2.6 (s, 4H), 2.8−3.4 (m, 4H), 3.7 (dd, 1H), 3.8−3.9 (dd, 1H), 4.9−5.1 (m, 2H), 5.4−5.8 (m, 1H), 6.8−7.1 (m, 4H), 7.2 (m, 1H), 7.5 (s, 1H)。
【0178】
(g) 6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルベンズアミドの代わりに6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミドを使用することを除けば方法21bと同様にして化合物を合成した(収率89%)。1H NMR (300MHz, CDCl3):0.9−4.2 (cm, 14H), 5.9 (s, <1H), 6.6−8.2 (cm, 6H), 8.0 (s, <1H), 9.8 (s, 1H)。
【0179】
方法28
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
【化49】

(a)メチル3−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレート
メチル3−ニトロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレート(Zh Obshch Khim;877〜884(1948年)を参照;1.4g、3ミリモル)(その位置異性体であるメチル4−ニトロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレートを不純物(1:1)として含む)をメタノール(50mL)に溶解した。溶液を窒素でフラッシュし、Pd/C(5%)触媒(0.19g)を加えた。混合物をH2下、室温で気体の消費が終わるまで攪拌した。触媒をろ過により除去し、次に溶媒を蒸発させた。CH2Cl2およびトリエチルアミン(98:2)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより生成物をその4−アミノ位置異性体および副生成物から分離した。0.24g(39%)のメチル3−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレートを油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.7−1.8 (m, 4H),
2.7 (m, 2H), 2.9 (m, 2H), 3.8 (s, 3H), 6.6 (d, 1H), 7.0 (d, 1H)。
【0180】
(b)メチル3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレート
メチル3−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレート(0.34g、1.7ミリモル)を48%テトラフルオロホウ酸水溶液(10mL)に溶解し、得られた溶液を水(10mL)で希釈した。水(1mL)に溶解した亜硝酸ナトリウム(0.13g、1.9ミリモル)を外部の氷−水浴で冷却しながら滴加した。生成した沈殿物をろ過により単離し、次に希テトラフルオロホウ酸で洗浄した。固体物質をデシケーターにおいてP2O5上で乾燥し、0.27gの淡褐色の粉末を得た。このジアゾニウム塩中間体の一部(93mg)を気体が発生するまで130℃まで加熱した。さらに130℃まで5分間加熱し、室温まで冷却した後、残留物をエーテルおよび飽和NaHCO3溶液に分配した。水層をエーテルで抽出し、合一した有機溶液をNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、27mg(23%)のメチル3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレートを油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3):1.8 (m,
4H), 2.8 (m, 2H), 3.0 (m, 2H), 3.8 (s, 3H), 6.9 (m, 1H), 7.4 (m, 1H)。
【0181】
(c) 3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸
メチル3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキシレート(37mg、0.18ミリモル)、LiOH(27mg、1.1ミリモル)、水(2mL)およびTHF(1mL)の混合物を室温で一晩攪拌し、次にエーテルおよび水に分配した。水層をエーテルで3回、次に酢酸エチルで繰り返し抽出した。合一した有機溶液をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させて除去した。15mg(43%)の3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を白色の固体として得た。1H NMR (500MHz, CD3CO CD3):1.8 (m, 4H), 2.8 (m, 2H), 3.1 (m, 2H),
7.0 (m, 1H), 7.6 (m, 1H)。
【0182】
(d) 3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸の代わりに3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を使用することを除けば方法20aと同様にして化合物を合成した(収率77%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3):1.4−4.2 (cm, 16H), 4.8−5.0 (m, 2H),
5.6−5.7 (m, 1H), 6.2−8.2 (cm, 6H)。
【0183】
(e) 3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの代わりに3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを使用することを除けば方法20bと同様にして化合物を合成した(収率68%)。1H NMR (500MHz, CDCl3): 1.6−4.2 (cm, 16H), 6.2−7.8 (cm, 6H), 9.8 (s, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、Hetは少なくとも1個の窒素原子を有し、場合により置換される4−、5−、6−または7−員の複素環式環であり;
R1は水素、ヒドロキシ、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニルであり;
R2およびR3はそれぞれ独立して水素、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ハロゲンおよびシアノから選択されるが、但しR2およびR3は共に水素ではなく;
R4はC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニルであり;
Arはピリジニル、1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、キノリニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,3−ベンゾジオキソリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、イソキノリニル、キナゾリニルおよびインダン−4−イルから選択される、場合により置換される芳香族環系であり;またはArは置換フェニルである]の化合物、もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩。
【請求項2】
Hetは1個またはそれ以上の窒素原子を含有し、場合により置換される4、5、6または7−員の複素環式環であり;
R1は水素、ヒドロキシまたはC1−C4アルキルであり;
R2およびR3は独立して水素、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、CF3またはシアノであるが、但し共に水素ではなく;
R4はC1−C4アルキルであり;
Arはピリジニル、1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、キノリニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,3−ベンゾジオキソリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、イソキノリニル、キナゾリニルおよびインダン−4−イルから選択される、場合により置換される芳香族環系であり;またはArは置換フェニルである
請求項1記載の化合物、もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩。
【請求項3】
Arは1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、キノリニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,3−ベンゾジオキソリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、1−ベン
ゾ[b]チオフェン−4−イル、1−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、イソキノリニ
ル、キナゾリニルおよびインダン−4−イルから選択される、場合により置換される芳香族環系である請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Arは独立してシアノ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4アルキルチオ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、C1−C4アルキルスルホニルまたはC1−C4アシルから選択される1個またはそれ以上の基により置換される請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Arは置換フェニルである請求項1または2記載の化合物。
【請求項6】
Arはその3−および5−位で独立してハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、シアノおよびニトロから選択される基により置換されるフェニルである請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Arはさらにその2−および/または4−位で独立してハロゲン、C1−C4アルキルおよびC1−C4アルコキシから選択される基により置換される請求項6記載の化合物。
【請求項8】
複素環式環Hetは環の窒素原子の1個で残りの分子に結合する請求項1〜7の何れかに記載の化合物。
【請求項9】
複素環式環Hetは場合により置換されるピペリジノ、場合により置換されるアゼパノ、場合により置換されるピロリジノ、場合により置換されるモルホリノ、場合により置換されるオキサゼパノ、場合により置換されるチオモルホリノ、場合により置換されるチアゼパノおよび場合により置換されるピペラジノからなる群より選択される請求項1〜8の何れかに記載の化合物。
【請求項10】
複素環式環Hetは場合によりヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、オキソ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、シアノ、1,3−ジオキソラン−2−イル、C1−C4アルコキシ、場合によりC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニルでモノまたはジ置換されるアミノ、場合によりC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニルでN−置換されるアシルアミノ、場合によりC1−C4アルキル、C3−C4シクロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、1個もしくは2個のフッ素原子でN−置換される、またはC1−C4アルキルおよびヒドロキシでジ置換される(C1−C4アルキルスルホニル)アミノにより置換されるピペリジノである請求項9記載の化合物。
【請求項11】
複素環式環Hetは場合によりその3−位でフルオロ、ヒドロキシまたはオキソにより置換されるピロリジノである請求項9記載の化合物。
【請求項12】
複素環式環Hetは場合によりその硫黄原子で1個または2個の酸素により置換されるモルホリノまたはチオモルホリノである請求項9記載の化合物。
【請求項13】
複素環式環Hetは場合により4−窒素原子でC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、C3−C4シクロアルキル、C1−C4アルキルスルホニルまたはC1−C4アシルにより置換されるピペラジノである請求項9記載の化合物。
【請求項14】
R1は水素である請求項1〜13の何れかに記載の化合物。
【請求項15】
R2およびR3は共にクロロである請求項1〜14の何れかに記載の化合物。
【請求項16】
R2およびR3は共にクロロであり、フェニル環の3−および4−位に結合する請求項15記載の化合物。
【請求項17】
R2はフルオロであり、R3は水素である請求項1〜14の何れかに記載の化合物。
【請求項18】
R2は4−位に結合するフルオロであり、R3は水素である請求項17記載の化合物。
【請求項19】
R4はメチルである請求項1〜18の何れかに記載の化合物。
【請求項20】
Hetはチオモルホリノ、モルホリノまたはオキシドチオモルホリノであり;
R1はHであり;
R2はフルオロであり;
R3は水素であり;
Arは3−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルである
請求項1記載の化合物。
【請求項21】
化合物はS−エナンチオマーである請求項1〜20の何れかに記載の化合物。
【請求項22】
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−3,5−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド;
N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
5−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ベンゾチオフェン−7−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
2−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルキノリン−4−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
7−クロロ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−2,3−ジヒドロ−
1,4−ベンゾジオキシン−5−カルボキサミド;
N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−2−メトキシ−N−メチルキノリン−4−カルボキサミド;
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒド
ロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1,4−オキサゼパン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3,5−ジブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチルベンズアミド;
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{2−(4−シアノフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3,5−ジクロロ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチルベンズアミド;
N−[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−オキシドチオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−
オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−オキソピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−{2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−1−ナフタミド;
N−[(2S)−4−[3−(4−アセチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]−3−シアノ−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[(2S)−4−[3−(4−シアノピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]−N−メチル−1−ナフタミド
から選択される請求項1記載の化合物、もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩。
【請求項23】
a)式(III)
【化2】

の化合物を式(IV)
【化3】

(式中、R1〜R4、HetおよびArは請求項1〜22で定義された通りである)の化合物と反応させ;その条件は式(III)の化合物の還元アルキル化が式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(IV)の化合物のアルデヒド基の炭素原子との間にN−C結合を形成するものであり;または
b)式(III)の化合物を式(V)
【化4】

(式中、R1〜R4、HetおよびArは上記で定義された通りであり、そしてLは式(III)の化合物のアルキル化が式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(V)の化合物のL基が隣接している炭素原子との間にN−C結合を形成する基である)の化合物と反応させ;または
c)式(VI)
【化5】

(式中、R1〜R4、HetおよびArは上記で定義された通りである)の化合物を式(VII)
【化6】

(式中、L’は脱離基である)の化合物と反応させ;
必要に応じて他の何れかの官能基を保護し、そして
i)何れかの保護基を除去し;
ii)場合により何れかの酸化可能な原子を酸化し;
iii)場合により薬学的に許容しうる塩を生成する
工程を含む請求項1〜22の何れかに記載の化合物の製造法。
【請求項24】
[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン;
[(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル]メチルアミン;
[2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−チオモルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン;
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]メチルアミン;
1−{1−[3−(4−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブチル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール;
[4−[3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]メチルアミン;
{(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3−(4−フルオロピペリジ
ン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}メチルアミン;
1−{1−[(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(メチルアミノ)ブ
チル]アゼチジン−3−イル}ピペリジン−4−オール;
1−[(3S)−4−[(3−シアノ−1−ナフトイル)(メチル)アミノ]−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブチル]アゼチジン−3−イル;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[2−(4−シアノフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3,5−ジクロロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−エチル−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
3−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−1−ナフタミド;
3,5−ジブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルベンズアミド;
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−5−ヨード−N−メチルベンズアミド;
3−シアノ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド;
6−シアノ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチルインダン−4−カルボキサミド;
3−フルオロ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド
から選択される化合物、もしくはそのエナンチオマーまたはそれらの何れかの塩。
【請求項25】
活性成分として治療的に有効な量の単独エナンチオマー、ラセミ体もしくはその混合物としての、遊離塩基またはその薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物形態の請求項1〜22の何れかに記載の化合物を場合により希釈剤、賦形剤または不活性担体と共に含有する医薬製剤。
【請求項26】
呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、癌、炎症および/または胃腸疾患の予防または治療に使用される薬剤の製造における単独エナンチオマー、ラセミ体もしくはその混合物としての、遊離塩基またはその薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物形態の請求項1〜22の何れかに記載の化合物の使用。
【請求項27】
喘息、アレルギー性鼻炎、肺疾患、咳、風邪、炎症、慢性閉塞性肺疾患、気道反応性、蕁麻疹、高血圧症、リウマチ性関節炎、浮腫、血管形成、疼痛、片頭痛、緊張性頭痛、精神病、鬱病、不安症、アルツハイマー病、統合失調症、ハンチントン舞踏病、膀胱運動亢進症、尿失禁、摂食障害、躁うつ病、物質依存症、運動障害、認識力障害、肥満症、ストレス障害、排尿障害、躁病、軽躁病および攻撃性、双極性障害、癌、癌腫、胃腸運動亢進症、胃喘息、クローン病、胃内容排出障害、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、嘔吐、胃運動障害または胃食道逆流症(GERD)の予防または治療に使用される薬剤の製造における請求項26記載の使用。
【請求項28】
有効な量の単独エナンチオマー、ラセミ体もしくはその混合物としての、遊離塩基またはその薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物形態の請求項1〜22の何れかに記載の化合物を投与することからなる呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、癌および/または胃腸疾患を予防または治療する方法。
【請求項29】
胃腸運動亢進症、胃喘息、クローン病、胃内容排出障害、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、嘔吐、胃運動障害または胃食道逆流症(GERD)の予防または治療のための請求項28記載の方法。
【請求項30】
治療に使用される請求項1〜22の何れかに記載の化合物。
【請求項31】
呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、癌、炎症および/または胃腸疾患の予防または治療に使用される請求項30記載の化合物。
【請求項32】
喘息、アレルギー性鼻炎、肺疾患、咳、風邪、炎症、慢性閉塞性肺疾患、気道反応性、蕁麻疹、高血圧症、リウマチ性関節炎、浮腫、血管形成、疼痛、片頭痛、緊張性頭痛、精神病、鬱病、不安症、アルツハイマー病、統合失調症、ハンチントン舞踏病、膀胱運動亢進症、尿失禁、摂食障害、躁うつ病、物質依存症、運動障害、認識力障害、肥満症、ストレス障害、排尿障害、躁病、軽躁病および攻撃性、双極性障害、癌、癌腫、線維筋肉痛、非心臓性胸痛、胃腸運動亢進症、胃喘息、クローン病、胃内容排出障害、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、嘔吐、胃運動障害または胃食道逆流症(GERD)の予防または治療に使用される請求項31記載の化合物。

【公表番号】特表2006−527267(P2006−527267A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517025(P2006−517025)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000901
【国際公開番号】WO2004/110344
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】