説明

新規アセチレン化合物縮合物、重縮合物、それらを含む組成物、及びその硬化物

【課題】機械強度を向上し得る高密度に熱硬化可能なポリマーやオリゴマー材料の提供。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物又は重縮合物。
一般式(1)


一般式(1)中、A〜Aは単結合、炭化水素基又はヘテロ環の連結基を、Arは芳香環又はヘテロ芳香環の連結基を、X〜Xは単結合又は2価の連結基を、Rは水素原子、炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基を表す。Gは−NHR、又は −COOQを、Rは水素原子又は炭化水素基を、Qは水素原子、炭化水素基、又は塩を形成し得る金属元素又は有機アンモニウムを表す。a、m、n、nは1〜5の整数を、b〜bは0以上の整数を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶材料、非線形光学材料、電子材料、接着剤用材料、摺動剤用材料、写真用添加剤、ガス分離膜用材料等の機能性材料、医農薬中間体の原料として有用な、分子内に3個以上のアセチレン基を有する新規なアセチレン化合物縮合物、重縮合物、それらを含む組成物、及びその硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
エチニル基を有する化合物は医農薬中間体、液晶、電子材料などの機能性材料の原料として有用な化合物であり、特に近年では分子内に存在する炭素―炭素三重結合構造を利用した、様々な機能性材料に関する研究対象として注目されている。例えば、ポリイミドオリゴマーに熱硬化性と共に耐熱性および耐酸化性を付与する末端封止材料として使用されている(例えば特許文献1および非特許文献1〜3)。特許文献5にはアセチレン基を末端に持つ反応性モノマーについて記載がされている。
【0003】
電子材料分野では、例えば半導体用途などで使用される場合は、架橋温度が高く、吸湿による変形の少ないものが求められているが、これまで知られていたものでは充分な性能を発揮できなかった。
【特許文献1】米国特許第5,567,800号明細書
【特許文献2】特開2005−320417号公報
【特許文献3】特開2001−056469号公報
【特許文献4】特開2005−272352号公報
【特許文献5】WO2006/137369号公報
【非特許文献1】「ポリマー」(Polymer),1994年、第35巻、p.4874−4880
【非特許文献2】「ポリマー」(Polymer),1994年、第35巻、p.4857−4864
【非特許文献3】「機能材料」、2000年、第20巻12号、p.33−40
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高密度に熱硬化可能な分子内に3個以上のアセチレン基を有する新規なアセチレン化合物縮合物、重縮合物、それらを含む組成物、及びその硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記の事情に鑑み鋭意研究した結果、分子内にアセチレン基を3個以上有する新規なアセチレン化合物を見いだし、さらに、アセチレン基を有する(ポリ)アミンまたは(ポリ)カルボン酸とジカルボン酸又はジアミンとを脱水縮合させて高分子化合物を合成する際に、末端封止剤として分子内に2個以上のアセチレン基を有するアミンまたはカルボン酸を反応させることにより、分子内に存在するアセチレン基の量を多くしたポリマーを見出し、本発明に至ったものである。即ち本発明の上記課題は、具体的には下記の手段により達成された。
【0006】
<1>下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物又は重縮合物。
【0007】
一般式(1)
【化1】

【0008】
(一般式(1)中、A、A、A、A、Aは、それぞれ独立に単結合又は炭化水素基又はヘテロ環の連結基を表す。Arは芳香環又はヘテロ芳香環の連結基を表す。X、X、X、X、X、Xはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。Rは水素原子、炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基を表す。Gは−NHR、または −COOQを表す。Rは水素原子または炭化水素基を表す。Qは水素原子、炭化水素基、又は塩を形成しうる金属元素又は有機アンモニウムを表す。a、m、n、nはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。b、b、bはそれぞれ独立に0以上の整数を表す。)
<2>
前記一般式(1)において、Rが水素原子、脂肪族炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基であることを特徴とする<1>に記載の縮合物又は重縮合物。
<3>
前記2種の化合物が一般式(1)において、一方のGが−NHRであり、他方のGが−COOQであることを特徴とする請求項1に記載の縮合物又は重縮合物。
<4>
前記一般式(1)において、Ar、A、Aが置換基を有してもよいベンゼン環基又はフタルイミド環基であり、b、b、bが0であることを特徴とする<1>に記載の縮合物又は重縮合物。
【0009】
<5>
前記一般式(1)で表される化合物の一方がG=−COOQでmが1であり、他方がG=−NHでmが2であることを特徴とする<4>に記載の重縮合物。
<6>
前記一般式(1)で表される化合物の一方がG=−COOQでmが2であり、他方がG=−NHでmが1であることを特徴とする<4>に記載の重縮合物。
<7>
前記一般式においてAr、A、Aが非置換であることを特徴とする<5>又は<6>に記載の重縮合物。
<8>
前記一般式においてX、Xが単結合、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−、−CO−から構成される群から選ばれることを特徴とする<7>に記載の重縮合物。
【0010】
<9>
ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミドのいずれかからなるポリマーの主鎖にジアミン化合物の一部として前記一般式(1)においてG=−NHでmが2である化合物残基を含み、かつその末端に前記一般式(1)においてmが1である化合物残基を含むことを特徴とする<1>に記載の重縮合物。
<10>
ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミドのいずれかからなるポリマーの主鎖にジカルボン酸化合物の一部として前記一般式(1)G=−COOQでmが2である化合物残基を含み、かつその末端に前記一般式(1)においてmが1である化合物残基を含むことを特徴とする<1>に記載の重縮合物。
<11>
少なくとも前記<1>〜<10>のいずれかに記載の縮合物又は重縮合物を含む組成物。
<12>
前記<11>に記載の組成物を硬化させてなる硬化物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、架橋剤として有用な分子内に3個以上のアセチレン基を有する化合物を提供することができる。また、高分子の末端に複数のアセチレン基を持ち且つ側鎖中にもアセチレン基を持つポリマーを得ることができる。これらの化合物を用い硬化させた組成物はより高い架橋密度を持つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の一つの態様は、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物又は重縮合物である。
一般式(1)
【化2】

【0013】
(一般式(1)中、A、A、A、A、Aは、それぞれ独立に単結合又は炭化水素基又はヘテロ環の連結基を表す。Arは芳香環又はヘテロ芳香環の連結基を表す。前記A、A、A、A、Aが、それぞれ単結合の場合は、それぞれX、X、X、X、Xも単結合を表す。
一般式(1)中、Aは単結合又は{(n+l)又は(n+n)又は(n+n+m)}価の炭化水素基、ヘテロ環基を表す。A、Aは、それぞれ独立に単結合又は2価の炭化水素基又はヘテロ環を表す。Aは単結合又は{2価又は(n+1)又は(n+m+1)}の炭化水素基又はヘテロ環を表す。
は単結合又は(m+1)価の炭化水素基又はヘテロ環基を表す。Arは{(a+1)又は(a+n)または(a+n+m)}価の芳香環基又はヘテロ芳香環基を表す。X、X、X、X、X、Xはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。Rは水素原子、炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基を表す。Gは−NHR、または −COOQを表す。Rは水素原子または炭化水素基を表す。Qは水素原子、炭化水素基、又は塩を形成しうる金属元素又は有機アンモニウムを表す。a、m、n、nはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。b、b、bはそれぞれ独立に0以上の整数を表す。)
【0014】
前記A、A、A、Aにおけるそれぞれの炭化水素基又はヘテロ環基は無置換でも任意の位置で置換されたものでもよい。無置換の炭化水素基としては炭素数1〜20の直鎖または分岐の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香環基が挙げられる。前記直鎖または分岐の脂肪族基としては、アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、ドデシルなど)、アルケニレン基(例えばプロペニル、ブテニルなど)などが、脂環式基としては、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、メンチルなど)、シクロアルケニル基(例えばシクロへキセニルなど)、脂環式多環基(例えばボルニル、ノルボニル、ノルボルネニル、デカリニル、アダマンチル、ジアマンチル、トリアマンチル、ビスアダマンチルなど)、スピロ環(例えばスピロ[3.4]オクタン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[5.5]ウンデカンなど)などが挙げられる。芳香環基の芳香環としては、例えばベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、インデン、インダン、ビフェニルなどが挙げられる。
【0015】
また前記ヘテロ環基の前記無置換のヘテロ環としては、無置換のヘテロ芳香環、無置換のヘテロ脂環化合物が挙げられる。無置換のヘテロ芳香環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、クロメン、クロマン、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ジベンゾフラン、フタルイミド、チオフタルイミド、キノキサリン、カルバゾールなどが挙げられる。無置換のヘテロ脂環化合物としては、例えば、オキセタン、チエタン、アゼチジン、オキソラン、チオラン、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、チアゾリン、ピラン、オキサン、チアン、ピペリジン、モルホリン、クマラン、クロマン、ピロリドンなどが挙げられる。
【0016】
任意に置換されてもよい炭化水素基、或いは任意に置換されてもよいヘテロ環基としては、上記で例示した無置換の炭化水素基、或いは無置換のヘテロ環基に対して、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アミド基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、炭素数1〜20のアシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ブチロイル、イソブチロイル、ベンゾイル、シンナモイル等)、炭素数1〜20のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチロイルオキシ、イソブチロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、シンナモイルオキシなど)、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、N−メチルアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル、ナフチルなど)、ヒドロキシル基、シリル基等で任意の位置で置換された構造を持つ炭化水素基、或いはヘテロ環基が挙げられる。
【0017】
これらの中でも、A、A、A、Aとしては、高引張弾性率、高ガラス転移点が得られるという観点等から、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、脂環式多環基、又はベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フタルイミドなどの芳香環の基が好ましく、アルキル基、シクロヘキシル、ノルボニル、アダマンチル、又はベンゼン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、フタルイミドの芳香環の基がより好ましく、原料の入手性や製造の容易性の観点で、特にベンゼン、ベンゾイミダゾール、フタルイミドの芳香環の基が好ましい。
【0018】
は単結合又は(m+1)価の炭化水素基又は、ヘテロ環基を表す。Aが単結合の場合は、Xも単結合を表す。Aは無置換でも任意の位置で置換されたものでもよく、無置換の炭化水素基としては炭素数1〜20の直鎖または分岐の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香環基が挙げられる。前記直鎖または分岐の脂肪族基としては、アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、ドデシルなど)、アルケニレン基(例えばプロペニル、ブテニルなど)などが、脂環式基としては、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、メンチルなど)、シクロアルケニル基(例えばシクロへキセニルなど)、脂環式多環基(例えばボルニル、ノルボニル、ノルボルネニル、デカリニル、アダマンチル、ジアマンチル、トリアマンチル、ビスアダマンチルなど)、スピロ環(例えばスピロ[3.4]オクタン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[5.5]ウンデカンなどの基)などが挙げられる。Aの前記芳香環基の芳香環としては、例えばベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、インデン、インダン、ビフェニルなどが挙げられる。
【0019】
またAは、(m+1)価の無置換又は任意に置換されていてもよいヘテロ環基であってもよい。無置換のヘテロ環基のヘテロ環としては、ヘテロ芳香環、ヘテロ脂環化合物が挙げられる。ヘテロ芳香環としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、クロメン、クロマン、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ジベンゾフラン、フタルイミド、チオフタルイミド、キノキサリン、カルバゾールなどが挙げられる。ヘテロ脂環化合物としては、オキセタン、チエタン、アゼチジン、オキソラン、チオラン、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、チアゾリン、ピラン、オキサン、チアン、ピペリジン、モルホリン、クマラン、クロマン、ピロリドンなどが挙げられる。
【0020】
任意に置換されてもよい炭化水素基、或いは任意に置換されてもよいヘテロ環基としては、前記無置換の炭化水素基又は無置換のヘテロ環基に対して、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アミド基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、炭素数1〜20のアシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ブチロイル、イソブチロイル、ベンゾイル、シンナモイル等)、炭素数1〜20のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチロイルオキシ、イソブチロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、シンナモイルオキシなど)、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、N−メチルアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル、ナフチルなど)、ヒドロキシル基、シリル基等で任意の位置で置換された構造を持つ炭化水素基、或いはヘテロ環基が挙げられる。
【0021】
これらの中でも、高引張弾性率、高ガラス転移点が得られるという観点から、Aとしては、単結合、(m+1)価のアルキル基、シクロアルキル、脂環式多環基又は、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ベンゾイミダゾール、フタルイミドなどの芳香環の基が好ましく、原料の入手性や製造の容易性の観点で、特に単結合が好ましい。
【0022】
Arは{(a+1)又は(a+n)または(a+n+m)}価の芳香環又はヘテロ芳香環の連結基を表す。Arは無置換でも任意の位置で置換されたものでもよい。無置換の芳香環としては、ベンゼン、インデン、インダン、ナフタリン、フルオレン、アントラセン、ビフェニル、テトラリンなどが、無置換のヘテロ芳香環としてはフラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、クロメン、クロマン、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ジベンゾフラン、フタルイミド、チオフタルイミド、キノキサリン、カルバゾールなどが挙げられる。
【0023】
これらの中でも、高い引張弾性率と高い耐熱性(ガラス転移点)が得られるという観点から、Ar連結基の芳香環としては、ベンゼン、インデン、インダン、ナフタリン、ビフェニルが、Ar連結基のヘテロ芳香環としては、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フタルイミド、キノキサリン、カルバゾールなどが好ましく、芳香環としては、ベンゼン、ビフェニル、ナフタリンが、ヘテロ芳香環としては、ピリジン、トリアジン、インドール、キノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、フタルイミドがより好ましい。原料の入手性や製造の容易性の観点で、特に、ベンゼン、ベンゾイミダゾール、フタルイミドが好ましい。
【0024】
Ar連結基の芳香環またはヘテロ芳香環は他の置換基によって置換されていてもよい。その置換基としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−リールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイト基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−Ν−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、アルキルアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、モノアリールホスフォノ基、ジアルキルホスフォノオキシ基、ジアリールホスフォノオキシ基、アルキルアリールホスフォノオキシ基、モノアルキルホスフォノオキシ基、モノアリールホスフォノオキシ基、モルホリノ基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
【0025】
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。アラルキル基としては、上記のアルキル基に上記のアリール基が置換したものを挙げることができる。
【0026】
これら置換基のうち、原料の入手性や製造の容易性の観点で、好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl)、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、シアノ基が挙げられる。
【0027】
これら置換基のうち、より好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、アセトキシ基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基)が挙げられる。
【0028】
これらの中でも、原料の入手性や製造の容易性の観点で、Arとしては、{(a+1)又は(a+n)または(a+n+m)}価のハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、炭素数6〜10のアリール基、アリーロキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基で置換された、或いは無置換のベンゼン、ビフェニル、ナフタリン、ピリジン、トリアジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、フタルイミド、インドール、キノリンの基が好ましく、(a+1)価のクロル原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、アラルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基で置換された、或いは無置換のベンゼン、ビフェニル、ピリジン、トリアジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、フタルイミドの基がより好ましく、更に、{(a+1)又は(a+n)または(a+n+m)}価の炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、アラルキル基、シアノ基で置換された、或いは無置換のベンゼン、ビフェニル、ベンゾイミダゾール、フタルイミドの基がより好ましい。特に、{(a+1)又は(a+n)または(a+n+m)}価の無置換のベンゼン、ビフェニル、ベンゾイミダゾール、フタルイミドの基が好ましい。
【0029】
は単結合、又は2価の連結基を表すが、その構造は特に限定されない。例えば、Xとしては具体的には炭素数1〜20のアルキレン(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2,2−プロピレン、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロ−2,2−プロピレン、ブチレン、2,2−ジメチルプロピレン、オクチレン、ドデシレンなど)、炭素数1〜20のアルケニレン(例えば、エチレニレン、プロペニレン、ブチレニレン、ヘキセニレン、ドデセニレンなど)、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−、−OCOO−、−OCS−、−NRCS−、−NRCSNR−、−OCSO−、−SO−、−SO−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CS−、及び単結合から構成される群から選ばれる一つまたは二つ以上を併用することができる。
【0030】
中でも、高い引張弾性率と高い耐熱性(ガラス転移温度)が得られることから、Xが単結合、炭素数1〜8のアルキレン、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−がより好ましく、さらには−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−が特に好ましい。
【0031】
、X、X、Xは、それぞれ単結合、2価の連結基を表すが、その構造は特に限定されない。例えば、具体的には炭素数1〜20のアルキレン(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2,2−プロピレン、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロ−2,2−プロピレン、ブチレン、2,2−ジメチルプロピレン、オクチレン、ドデシレンなど)、炭素数1〜20のアルケニレン(例えば、エチレニレン、プロペニレン、ブチレニレン、ヘキセニレン、ドデセニレンなど)、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−、−OCOO−、−OCS−、−NRCS−、−NRCSNR−、−OCSO−、−SO−、−SO−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CS−、及び単結合から構成される群から選ばれる一つまたは二つ以上を併用することができる。中でも、高い引張弾性率と高い耐熱性(ガラス転移温度)が得られることから、X、X、X、Xはそれぞれ単結合、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−がより好ましく、特に単結合が好ましい。
【0032】
は1価の水素原子、炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基を表す。炭化水素基及びヘテロ環基は任意の位置で置換されてもよい。無置換の炭化水素基としては炭素数1〜20の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の脂環式多環基、炭素数6〜20の芳香環基等が挙げられる。前記無置換の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、ドデシル、ヘキサデシルなどのアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、メンチルなどのシクロアルキル基、ボルニル、ノルボニル、ノルボルネニル、デカリニル、アダマンチル、ジアマンチル、トリアマンチル、ビスアダマンチルなどの脂環式多環基、スピロ[3.4]オクタン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[5.5]ウンデカンなどのスピロ環基などが挙げられる。前記無置換の芳香環基としては、例えばベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、インデン、インダン、ビフェニルなどの基が挙げられる。
無置換のヘテロ環基としては、ヘテロ芳香環基、ヘテロ脂環基が挙げられる。ヘテロ芳香環基のヘテロ芳香環としては、例えばフラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、クロメン、クロマン、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ジベンゾフラン、フタルイミド、チオフタルイミド、キノキサリン、カルバゾールなどが挙げられる。ヘテロ脂環基のヘテロ脂環としては、例えばオキセタン、チエタン、アゼチジン、オキソラン、チオラン、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、チアゾリン、ピラン、オキサン、チアン、ピペリジン、モルホリン、クマラン、クロマン、ピロリドンなどが挙げられる。
【0033】
任意に置換されていてもよい炭化水素基、任意に置換していてもよいヘテロ環基としては、上記無置換の炭化水素基、或いは無置換のヘテロ環基に、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アミド基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、炭素数1〜20のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ペンチルカルボニルオキシ、ウンデシルカルボニルオキシなど)、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、N−メチルアセチルアミノ、プロピオニルアミノなど)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル)、ヒドロキシル基、シリル基等が任意の位置で置換した構造を持つ炭化水素基、或いはヘテロ環基などが挙げられる。アルキルシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジイソプロピルメチルシリルなどが挙げられる。
【0034】
これらの中でも、Rとしては本発明の縮合物及び重縮合物の溶剤溶解性が優れ、かつ熱硬化が容易になることから、水素原子、任意に置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、又はアルキルシリル基が好ましく、水素原子、無置換又は、任意に置換されていてもよいアルキル基又はシクロアルキル基がより好ましく、原料の入手性や製造の容易性の観点から、水素原子が特に好ましい。
【0035】
Gは−NHR、または −COOQを表す。R及びRはそれぞれ水素原子、無置換または任意に置換されてもよい環状または非環状の炭化水素基を表す。無置換の炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシルなど)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等)、シクロアルキレン基(例えばシクロへキセニルなど)、芳香環基(例えばベンゼン、ナフタレン、フルオレンなどの基)、脂環式多環基(例えばボルニル、ノルボニル、デカリニル、アダマンチル、ジアマンチルなど)などが挙げられる。
【0036】
任意に置換されてもよい環状または非環状の炭化水素基としては、上で例示した無置換の炭化水素基に対してハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アミド基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル)、ヒドロキシル基、シリル基等が任意の位置で置換された構造を持つ炭化水素基が挙げられる。
【0037】
Qは水素原子、環状又は非環状の炭化水素基、塩を形成し得る金属元素又は有機アンモニウムを表し、環状又は非環状の炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル、イシプロピル、ブチル、オクチル、ヘキサデシルなど)、フェニル基、ナフチル基などがあり、金属塩を形成しうる金属元素としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等の1価のアルカリ金属等が挙げられる。また、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土金属等の多価金属も挙げられる。多価金属の場合は、前記一般式(1)の化合物と多価金属が2:1や3:1等1:1ではない塩を形成する場合を含む。また、前記一般式(1)の化合物と多価金属と他の酸(例えば、酢酸、炭酸水素酸等の弱酸など)との複合塩を形成してもよい。
【0038】
有機アンモニウムとしてはアンモニウム、メチルアンモニウムやエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム等の1級アンモニウム、ジメチルアンモニウムやメチルエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、モルホリニウム、ピローリニウム、ピペリジニウム等の2級アンモニウム、ジメチルエタノールアンモニウムやトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム、N−エチルモルホリニウム、N−メチルピローリニウム、N−ブチルピローリニウム、N−メチルピペリジニウム、N−エチルピペリジニウム、N−ブチルピペリジニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、ピリジニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピコリニウム、ルチジニウム、1,5−ジアザビシクロ−[4、3、0]−5− ノネニウム、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセニウム等の3級アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウムトリブチルメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム類、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリアミルアンモニウム、ベンジルエチルジブチルアンモニウム、フェネチルトリエチルアンモニウム、フェネチルトリブチルアンモニウム、フェネチルブチルジエチルアンモニウム等のアラルキルトリアルキルアンモニウム類、ジエチルピロリニウム、ジブチルピロリニウム、ジヘキシルピロリニウム、メチルベンジルピロリニウム、ジエチルピロリジニウム、ジブチルピロリジニウム、ジヘキシルピロリジニウム、エチルベンジルピロリジニウム、ジエチルピペリジニウム、ジブチルピペリジニウム、ジヘキシルピペリジニウム、メチルベンジルピペリジニウム、ジエチルインドリニウム、ジブチルインドリニウム、ジヘキシルインドリニウム、エチルベンジルインドリニウム、ジエチルモルホリニウム、ジブチルモルホリニウム、ジヘキシルモルホリニウム、メチルベンジルモルホリニウム、ジエチルチアジニウム、ジブチルチアジニウム、ジヘキシルチアジニウム、エチルベンジルチアジニウム、ブチルピリジニウム、ヘキシルピリジニウム、オクチルピリジニウム、ラウリルピリジニウム、ベンジルピリジニウム、テトラメチルピペラジニウム、テトラエチルピペラジニウム、ジメチルジブチルピペラジニウム、ジメチルジヘキシルピペラジニウム、ジメチルジベンジルピペラジニウム、テトラメチルイミダゾリジニウム、テトラエチルイミダゾリジニウム、ジメチルジブチルイミダゾリジニウム、ジメチルジヘキシルイミダゾリジニウム、ジメチルジベンジルイミダゾリジニウム等の環状オニウム類、テトラフェニルアンモニウム等のテトラアリールアンモニウム類が挙げられる。また、特開2004−226794号公報、特開2004−233854号公報等に記載のオニウム化合物等も挙げることができる。好ましくはQとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、炭素数1〜12のアルキル基(例えばメチル、ブチル、オクチル、ドデシルなど)、さらに好ましくは水素原子、ナトリウム、メチル基である。
【0039】
、m、n、nはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。中でも原料の入手性や製造の容易性の観点から、a、m、n、nはそれぞれ1〜3が好ましく、更にa、m、n、nは、それぞれ1または2が好ましく、特にa、mはそれぞれ1または2が、n、nは1が好ましい。
【0040】
、b、bはそれぞれ独立に0以上の整数を表すが、原料の入手性や製造の容易性の観点からそれぞれ0〜3が好ましく、それぞれ0〜2がより好ましく、それぞれ0〜1が更に好ましく、特に0が好ましい。
【0041】
前記一般式(1)で表される化合物について、
本発明でX〜Xが−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CS−を表す場合の新規アセチレン化合物の製造方法は一般的なエーテル結合、チオエーテル結合、置換アミンを合成する方法であれば特に限定されるものではない。例えば「ケミカルレビュー」(Chemical Reviews)、1951年、第49巻、273〜412頁や日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応(III)」(丸善株式会社刊)、1699〜1875頁、日本化学会編「実験化学講座第4版21巻 有機合成II」(丸善株式会社刊)、149〜353頁等に記載の方法を用いて好適に製造することが出来る。
【0042】
本発明でX〜Xが−OCO−、−NRCO−、−OCS−、−NRCS−、−NRCONR’−、−NRCOO−、−OCONR−、−OCOO−、−NRCSNR’−または―OCSO―基を表す新規アセチレン化合物の製造方法は、対応する構造を持つカルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルバミン酸エステル基、チオカルボン酸基、チオカルボン酸エステル基を持つアミノ基を1個有する化合物と、分子内にアミノ基、ヒドロキシル基、チオール基を持つエチニル基を一つ以上有する化合物とを縮合反応させる方法を用いて製造することができる。
【0043】
以下に本発明の前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0044】
【化3】

【0045】
【化4】

【0046】
【化5】

【0047】
【化6】

【0048】
【化7】

【0049】
【化8】

【0050】
【化9】

【0051】
【化10】

【0052】
【化11】

【0053】
【化12】

【0054】
【化13】

【0055】
【化14】

【0056】
【化15】

【0057】
【化16】

【0058】
【化17】

【0059】
【化18】

【0060】
【化19】

【0061】
【化20】

【0062】
【化21】

【0063】
【化22】

【0064】
【化23】

【0065】
前記一般式(1)で表される化合物を少なくとも2種反応させて縮合物を得る場合には、−(G)m基が−NHRの化合物と、−(G)m基が −(COOQ)又は−COOQの化合物とを縮合させる方法、或いは前記一般式(1)における−(G)m基が−(NHRの化合物と、−(G)m基が −COOQの化合物とを縮合させる方法が好ましい。
また、前記一般式(1)における−(G)m基が−NHRの2種の化合物を後述のジ、トリ、又はテトラカルボン酸又はそれらの無水物化合物、ジイソシアネート類、ジチオイソシアネート類、或いはアルデヒド化合物を介して縮合させる方法、或いは前記一般式(1)における−(G)m基が −COOQの2種の化合物と後述のジ、トリ、又はテトラアミノ化合物、或いはジ、トリ、又はテトラオール化合物を介して縮合させる方法も好適に用いられる。
更に具体的には、一般式(1)で表される化合物を直接反応させる方法と、反応させたい化合物の一方をより活性な中間体に変化させた後、他方の化合物を反応させる方法が存在する。それらについて順に説明する。
【0066】
1)一般式(1)で表される化合物を直接反応させる方法の説明
一般式(1)で表される化合物を反応させる際には、必要に応じて、反応系に触媒を添加して行ってもよく、触媒の存在下で行う事が好ましい。具体的には、塩化水素、臭化水素、硫酸やリン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、カンファー−10−スルホン酸などの有機酸、アンバーライト、アンバーリスト等の酸性イオン交換樹脂等の酸触媒、ジシクロヘキシルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノピロリル)−カルボジイミド等の縮合剤を用いる方法で行ってもよい。
【0067】
反応に使用しうる溶媒としては、工程操作上の問題等を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明のアミド化、エステル化、チオエステル化工程において分解して反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、ピリジン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒およびニトリル系溶媒である。これらの溶媒は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。
【0068】
反応温度は−30℃から300℃の範囲が好ましいが、より好ましくは0℃から200℃、さらに好ましくは20℃から150℃である。反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが、0.5から12時間の範囲が好ましく、0.5から6時間の範囲がさらに好ましい。反応における雰囲気としては充分に乾燥された不活性ガス雰囲気が好ましい。水分の存在は反応速度を低下させてしまうため、できる限り低減する事が好ましい。不活性ガスの具体例として窒素やアルゴンなどの希ガス類を好適に用いることができる。
【0069】
反応混合物から本発明のアセチレン化合物を単離する方法としては、例えば有機溶媒による抽出後、クロマトグラフィー、晶析あるいは再結晶等による分離精製方法を挙げることができる。有機溶剤により抽出した溶媒を冷却することでアセチレン化合物が析出する場合は通常の固液分離によりアセチレン化合物を単離することができる。あるいは適当な溶媒系からアセチレン化合物を晶析し、これを固液分離により単離することも可能である。
【0070】
アセチレン化合物を抽出する有機溶剤としてはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテール、メチルーt−ブチルエーテル、メトキシベンゼン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸n―ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒が挙げられるが、工業的規模での大量製造適性、安全性、入手の容易さ等の観点からエステル系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤が好ましい。好ましく使用される有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン(o―体、m−体、p−体あるいはこれらの任意の割合の混合物のいずれであっても良い)、メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、クロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等が挙げられるが、これらの中でもトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチルがより好ましく、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチルがさらに好ましい溶剤である。上記溶媒は一種類または二種類以上を混合して使用しても良い。
【0071】
アセチレン化合物を晶析する有機溶剤としては、例えば上記で説明した有機溶剤と他の有機溶剤との混合系が挙げられる。混合する他の有機溶剤としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテール、メチルーt−ブチルエーテル、メトキシベンゼン等のエーテル系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、2−プロパノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶剤が挙げられるが、工業的規模での大量製造適性、安全性、入手の容易さ等の観点からエステル系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤及び水が好ましい。好ましく使用される有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン(o―体、m−体、p−体あるいはこれらの任意の割合の混合物のいずれであっても良い)、2−プロパノール、t−ブタノール、メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、ヘキサン、ヘプタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジイソプロピルエーテール、メチルーt−ブチルエーテル、メトキシベンゼンがより好ましく、トルエン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルーt−ブチルエーテル、水がさらに好ましい。上記溶媒は一種類または二種類以上を混合して使用しても良い。
【0072】
2)反応させたい化合物の一方をより活性な中間体に変化させた後、他方の化合物を反応させる方法についての説明
【0073】
活性な中間体に変化させる化合物としては、−(G〕m基が−NHRの化合物と、−(G〕m基が −(COOQ)又は−COOQの化合物のどちらでも構わないが、反応性の観点から−(COOQ)又は−COOQの化合物を活性化させる方法のほうがより好ましい。
【0074】
活性化させる方法としては、−(COOQ)又は−COOQ基を−(COL)又は−COLに置換して合成する方法が好ましい。
活性化剤としては、Lが塩素である化合物の場合は塩素、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リン、N−クロロコハク酸イミド、四塩化炭素等が、Lが臭素である場合は、臭素、N−ブロモコハク酸イミドや四臭化炭素等が、Lがスルホニル誘導体である場合は塩化メタンスルホニルや塩化―p−トルエンスルホニル等が、酸無水物である場合は、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソプロピル等のクロロ炭酸アルキル等が挙げられる。
この中でも、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化メタンスルホニルを用いる方法が好ましい。上記活性化剤は反応系に反応開始から加えておくことも可能であるが、反応系中に滴下する方法がより好ましい。
【0075】
−(COOQ)又は−COOQ基を−(COL)又は−COLに置換する際には、必要に応じて反応系に塩基を添加しても良い。使用できる塩基としては特に限定されるものではなく、有機塩基、無機塩基ともに使用できる。
−(COOQ)又は−COOQ基を−(COL)又は−COLに置換して合成する際の上記活性化剤の使用量としては、高い収率で目的の化合物が得られること、および使用された上記活性化剤の未反応量が少ないという観点から、0.5から20倍モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.8から3.0倍モル、さらに好ましくは0.9から2.2倍モルである。
【0076】
反応に使用しうる溶媒としては、工程操作上の問題等を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明のハロゲン化、酸無水物化、スルホニル誘導体化工程において反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、ピリジン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒およびニトリル系溶媒である。これらの溶媒は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。
【0077】
反応温度は−30℃から50℃の範囲が好ましいが、より好ましくは−20℃から30℃、さらに好ましくは−10℃から20℃である。反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが、0.5から12時間の範囲が好ましく、0.5から6時間の範囲がさらに好ましい。反応における雰囲気としては充分に乾燥された不活性ガス雰囲気が好ましい。水分の存在はG=−(COL)又は−COLの化合物の分解に繋がるため、できる限り低減する事が好ましい。不活性ガスの具体例として窒素やアルゴンなどの希ガス類を好適に用いることができる。
上記方法で合成した活性中間体は取り出すことも可能ではあるが、反応系内で発生させてそのまま次の−NHRの化合物で表される化合物との反応に使用してもよい。
【0078】
次に、G=−(COL)又は−COLの化合物とG=−NHRで表される化合物との反応について説明する。
G=−(COL)又は−COLの化合物に対するG=−NHRの化合物で表される化合物の使用量は、目的とする化合物が高い収率で得られること、および原料として使用される各化合物の未反応物量が低いという利点が得られることから、0.1から10倍モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.7から3.0倍モル、さらに好ましくは0.8から2.2倍モルである。
【0079】
でG=−NHR表される化合物の添加方法としては特に限定はしないが、添加により発熱を伴うことがあるので滴下する方法がより好ましい。
反応に使用しうる溶媒としては、G=−(COL)又は−COLの化合物を単離せずにそのまま用いる場合はG=−(COL)又は−COLの化合物を合成した際に使用した溶媒をそのまま用いて構わない。G=−(COL)又は−COLの化合物を一旦単離して新たに仕込む場合の溶媒としては、工程操作上の問題等を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明のアミド化、エステル化、チオエステル化工程において分解して反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、ピリジン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒およびニトリル系溶媒である。これらの溶媒は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。
【0080】
反応温度は−30℃から100℃の範囲が好ましいが、より好ましくは−10℃から80℃、さらに好ましくは0℃から50℃である。 反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが、0.1から12時間の範囲が好ましく、0.5から6時間の範囲がさらに好ましい。 反応における雰囲気としては充分に乾燥された不活性ガス雰囲気が好ましい。水分の存在はG=−(COL)又は−COLの化合物の分解に繋がるため、できる限り低減する事が好ましい。不活性ガスの具体例として窒素やアルゴンなどの希ガス類を好適に用いることができる。
反応終了後にアセチレン化合物を取り出す条件としては1)で記載した反応終了後の取り出し条件と同一である。
【0081】
また、本発明でXが−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CS−を表す場合の新規アセチレン化合物の製造方法は一般的なエーテル結合、チオエーテル結合、置換アミンを合成する方法であれば特に限定されるものではない。例えば「ケミカルレビュー」(Chemical Reviews)、1951年、第49巻、273〜412頁や日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応(III)」(丸善株式会社刊)、1699〜1875頁、日本化学会編「実験化学講座第4版21巻 有機合成II」(丸善株式会社刊)、149〜353頁等に記載の方法を用いて好適に製造することが出来る。
【0082】
以下に本発明の前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物の具体例を示すが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0083】
【化24】

【0084】
【化25】

【0085】
【化26】

【0086】
【化27】

【0087】
【化28】

【0088】
【化29】

【0089】
【化30】

【0090】
【化31】

【0091】
【化32】

【0092】
【化33】

【0093】
本発明の前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる重縮合物としては、ポリアミン、ポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド、ポリチオアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアゾメチン、ポリオキサゾール、ポリイミダゾール等が挙げられ、好ましくはポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド、更に好ましくは、ポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸である。
前記重縮合体は単独でもブロック共重縮合体であっても良い。基幹骨格は芳香族、脂肪族のいずれでもよく、主鎖又は側鎖にシリコーン、フルオレン等を含んでもよいが、芳香族であることが望ましい。
【0094】
前記アセチレン化合物を構成単位として含む重合体としては、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種と、分子内に−COOH基、−COOR’基、−CSOH基、−COSH基、−CSSH基、−NCO基、−NSO基のいずれかを2つ持つ化合物、酸無水物、さらに分子内にアミノ基を2個以上持つ置換または無置換の炭化水素化合物(アミン化合物)、及び/又はポリオール化合物を必要に応じてアルデヒド化合物と共に反応させる事により調整することができる。
【0095】
分子内に−CHO基、−COOH基、―COOR’基、−CSOH基、−COSH基、−CSSH基、−NCO基、−NSO基のいずれかを2つ持つ化合物としては、ジアルデヒド類(例えばテレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、フタルアルデヒド、4−メチルフタルアルデヒド、4−メチルイソフタルアルデヒド、2,5−ジメチルテレフタルアルデヒド、1,4−シクロヘキサンジアルデヒド、2−フルオロ−1,4−ベンゼンジアルデヒド、3−メトキシ−1,4−ベンゼンジアルデヒド、1,6−ヘキサンジアルデヒド、4,4’−ジアルデヒドビフェニル、2,2−ビス(4−アルデヒドフェニル)プロパン、1,3−ジアセチルベンゼン、1,4−ジアセチルシクロヘキサンなど)、ジカルボン酸類(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−メチルイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−フルオロ−1,4−ベンゼンジカルボン酸、3−メトキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシビフェニルエーテル、3,3’−ジカルボキシビフェニル、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3−カルボキシフェニル)スルホン、3,3’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシ−3−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−クロルフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシ−3−クロルフェニル)スルホン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、マロン酸、エチルマロン酸、マレイン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ルチジン酸、ジピコリン酸など)、ジエステル類(例えばイソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、フタル酸ジメチル、4−メチルフタル酸ジメチル、4−メチルイソフタル酸ジメチル、2,5−ジメチルテレフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、2−フルオロ−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジメチル、3−メトキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジメチル、1,6−ヘキサンジカルボン酸ジメチル、4,4’−ジメトキシカルボニルビフェニル、2,2−ビス(4−メトキシカルボニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)プロパン、ビス(4−メトキシカルボニルフェニル)スルホン、4,4’−ジメトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシカルボニルビフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシカルボニルビフェニル、2,2−ビス(3−メトキシカルボニルフェニル)プロパン、ビス(3−メトキシカルボニルフェニル)スルホン、3,3’−ジメトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシカルボニル−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、4,4’−ジメトキシカルボニル−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(4−メトキシカルボニル−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−メトキシカルボニル−3−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジメトキシカルボニル−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシカルボニル−3,3’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(4−メトキシカルボニル−3−クロルフェニル)プロパン、ビス(4−メトキシカルボニル−3−クロルフェニル)スルホン、4,4’−ジメトキシカルボニル−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、2,2−ジメチルコハク酸ジメチル、2,3−ジメチルコハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、ルチジン酸ジメチル、ジピコリン酸ジメチルなど)、
ジチオカルボン酸類(例えばヘキサンジチオーs−酸、ヘキサンジチオジカルボン酸)、ジイソシアネート類(例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジシアネートなど)、ジチオイソシアネート類(例えば1,4−フェニレンジチオイソシアネート、1,3−フェニレンジチオイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソチオシアネート、5−メチルー1,3−フェニレンジチオイソシアネートなど)などが挙げられる。これらは単独、または二種以上を併用することができる。
【0096】
本発明の重合体に使用可能なアミン化合物は特に限定されないが、高い引張弾性率と高い耐熱性(ガラス転移温度)が得られるという観点から、ジアミン化合物が望ましい。具体的には、以下のジアミン化合物が例示される。p − フェニレンジアミン、m − フェニレンジアミン、o − フェニレンジアミン、1,4−ジアミノ−2−メチルベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メチル−ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−クロル−ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−アセチルアミノ−ベンゼン、1,3−ビスアミノエチル−ベンゼン、ヘキサメチレンジアミン、
【0097】
3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロルビフェニル、2 , 2 ´ − ジフルオロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジフルオロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ −ジフルオロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジフルオロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ジクロロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジクロロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ジクロロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジクロロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ジブロモ− 4 , 4´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジブロモ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2´ − ジブロモ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジブロモ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリフルオロメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミンビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリフルオロメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ −ビス( トリフルオロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリフルオロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリクロロメチル)− 4 , 4 ´ − ジアミンビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリクロロメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリクロロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリクロロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ −ビス( トリブロモメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミンビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリブロモメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリブロモメチル) − 5, 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリブロモメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、3 ,4 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、3 , 3 ’− ジアミノジフェニルスルフィド、3 , 4 ’ − ジアミノジフェニルスルフィド、4 , 4 ’− ジアミノジフェニルスルフィド、3 , 3 ’ − ジアミノジフェニルスルホン、3 , 4 ’ −ジアミノジフェニルスルホン、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−クロルフェニル)スルホン、ビス( 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − フルオロ− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − フルオロ− 3 −アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − クロロ− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス(5 − クロロ− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − ブロモ− 4 − アミノフェニル)スルホン、ビス( 5 − ブルモ− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリフルオロメチル− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリフルオロメチル− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリクロロメチル− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリクロロメチル− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリブルモメチル− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリブロモメチル− 3 − アミノフェニル)スルホン、3 , 3 ’ − ジアミノベンゾフェノン、4 , 4 ’ − ジアミノベンゾフェノン、3 , 4 ’ − ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、3, 3 ’ − ジアミノジフェニルメタン、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルメタン、3 , 4 ’ − ジアミノジフェニルメタン、2 , 2 − ジ( 3 − アミノフェニル) プロパン、2, 2 − ジ( 4 − アミノフェニル) プロパン、2 − ( 3 − アミノフェニル) − 2 − ( 4 − アミノフェニル) プロパン、2 , 2 − ジ( 3 − アミノフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3− ヘキサフルオロプロパン、2 , 2 − ジ( 4 − アミノフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 ,3 − ヘキサフルオロプロパン、2 − ( 3 − アミノフェニル) − 2 − ( 4 − アミノフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−クロルフェニル)プロパン、
【0098】
1, 1 − ジ( 3 − アミノフェニル) − 1 − フェニルエタン、1 , 1 − ジ( 4 − アミノフェニル) − 1 − フェニルエタン、1 − ( 3 − アミノフェニル) − 1 − ( 4 − アミノフェニル) − 1 − フェニルエタン、1 , 3 − ビス( 3 −アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 4− ビス( 3 − アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4 − アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 3 − アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4− アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4− ビス( 3 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 3 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、2 , 6 − ビス( 3 − アミノフェノキシ) ベンゾニトリル、2 , 6 − ビス(3 − アミノフェノキシ) ピリジン、
【0099】
4 ,4 ’ − ビス( 3 − アミノフェノキシ) ビフェニル、4 , 4 ’ − ビス( 4 − アミノフェノキシ) ビフェニル、ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] ケトン、ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] ケトン、ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] スルフィド、ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] スルフィド、ビス〔4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 3 −アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − フルオロ− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − フルオロ− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − クロロ− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − クロロ− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5− ブロモ− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − ブロモ− 3 −アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリフルオロメチル− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリフルオロメチル− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリクロロメチル− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリクロロメチル− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリブロモメチル− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリブロモメチル− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] エーテル、ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル]エーテル、ビス〔4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕メタン、2 , 2 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] プロパン、2 , 2 −ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] プロパン、2 , 2 − ビス[ 3 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン、2 ,2 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン、
【0100】
1 ,3 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ)ベンゾイル] ベンゼン、1 , 3 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ベンゼン、1 , 3 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、1 , 3 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、
【0101】
4 ,4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ジフェニルエーテル、4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 − アミノーα , α ージメチルベンジル) フェノキシ] ベンゾフェノン、4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 − アミノーα ,α ージメチルベンジル) フェノキシ] ジフェニルスルホン、4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 −アミノフェノキシ) フェノキシ] ジフェニルスルホン、3 , 3 ’ − ジアミノ− 4 , 4 ’ − ジフェノキシベンゾフェノン、3 , 3 ’ − ジアミノ− 4 , 4 ’ − ジビフェノキシベンゾフェノン、3 , 3’ − ジアミノ− 4 − フェノキシベンゾフェノン、3 , 3 ’ − ジアミノ− 4 − ビフェノキシベンゾフェノン、
6 ,6 ’ − ビス( 3 − アミノフェノキシ)3 , 3 , 3 , ’ 3 , ’ − テトラメチル− 1 , 1 ’ − スピロビインダン、6 , 6 ’ − ビス(4 − アミノフェノキシ) 3 , 3 , 3 , ’ 3 , ’ − テトラメチル− 1 , 1 ’ − スピロビインダン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノプロピル) テトラメチルジシロキサン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノブチル) テトラメチルジシロキサン、α , ω − ビス( 3 − アミノプロピル) ポリジメチルシロキサン、α , ω − ビス( 3 − アミノブチル) ポリジメチルシロキサン、ジアミノポリシロキサンなどを単独、または二種以上を併用することができる。
【0102】
上記例示したアミン化合物は、適宜単独で、又は混合して使用することができる。また、アミン化合物は、上記アミン化合物の芳香環上の水素原子の一部、若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンであってもよい。また、分岐を導入する目的で、アミン化合物の一部をトリアミン化合物、テトラアミン化合物と代えてもよい。このようなトリアミン化合物の具体例としては、例えばパラローズアニリン等が挙げられる。
【0103】
本発明の重縮合体に使用可能な酸無水物としては、特に限定されないが、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。ピロメリット酸二無水物、3 − フルオロピロメリット酸二無水物、3 − クロロピロメリット酸二無水物、3− ブロモピロメリット酸二無水物、3 − トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3− トリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3 − トリブロモメチルピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ジフルオロピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ジクロロピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ジブロモピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ビストリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ビストリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3 , 6− ビストリブロモメチルピロメリット酸二無水物、2 , 2 ’ , 3 , 3 ’ − ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3 , 3 ’ , 4 , 4 ’ − ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2 , 2 ’, 3 , 3 ’ − ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3 , 3 ’ , 4 , 4 ’ − ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) エーテル二無水物、ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) エーテル二無水物、ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) スルフィド二無水物、ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) スルフィド二無水物、ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) スルホン二無水物、ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) スルホン二無水物、2 , 2 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) プロパン二無水物、2 , 2 − ビス(3 , 4 − ジカルボキシフェニル) プロパン二無水物、2 , 2 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 −ヘキサフルオロプロパン二無水物、2 , 2 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン二無水物、1 , 3 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、1 , 3 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、1 , 4 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、1 , 4 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、4 , 4 ’ − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) ビフェニル二無水物、2 , 2 − ビス[ ( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) フェニル] プロパン二無水物、9 , 9 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) フルオレン酸二無水物、9 ,9 − ビス[ 4 − ( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) フェニル] フルオレン酸二無水物、4 , 4 ´ − ビフェニレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、p − フェニレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、p − メチルフェニレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、p − ( 2 , 3 − ジメチルフェニレン) ビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 1 , 4 − ナフタレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、2 , 6 − ナフタレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、2 , 2 − ビス[ 4 − ( トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル] プロパン、2 , 2 − ビス[ 4 − ( トリメリット酸モノエステル酸無水物) フェニル] ヘキサフルオロプロパン、1 , 2 , 5 , 6− ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2 , 3 , 5 , 6 − ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3 , 4 , 9 , 1 0 − ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1 , 3 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 3 , 3 − テトラメチルジシロキサン二無水物、1 − ( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) − 3 − ( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 3 , 3 − テトラメチルジシロキサン二無水物、1 , 2 , 5 , 6 − ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2 , 3 , 6 , 7 − ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1 , 4, 5 , 8 − ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物など。
【0104】
上記例示した酸無水物は、適宜単独で、又は混合して用いることができる。また、上記テトラカルボン酸二無水物のいずれも、それらの芳香環上の水素原子の一部、若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換して用いることもできる。また、酸無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
【0105】
本発明の重合体にポリオールを使用する場合の使用可能なポリオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロルフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−クロルフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−4−メチル−ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−4−クロル−ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−4−アセトキシ−ベンゼン、1,3−ビスヒドロキシエチル−ベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンポリオール、ヘキサンポリオール、シクロヘキサンポリオール、1,6−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ネオペンチルグリコールなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらは単独、または二種以上を併用することができる。
【0106】
本発明の重合体にアルデヒド化合物を使用する場合の使用可能なアルデヒド化合物としては、特に限定されないが、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トリオキサン、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらは単独、または二種以上を併用することができる。これらの中でもホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが好ましい。本発明の重合体には、その他の構成単位として、ジカルボン酸類、ジエステル類、ジウレア類、ジイソシアネート類などを含むこともできる。
【0107】
本発明の重合体の製造方法としては、特に制限されないが、上記アセチレン化合物と上記の単量体または単量体混合物とを用いることによって、本発明の重合体を調製することができる。例えば、本発明にかかるポリイミド系重合体を製造する方法としては、ポリアミド酸を経由した後に閉環してイミド化する方法、ポリイソイミドを経由する方法、一部をイミド化した後にさらにポリアミド酸を経由してブロックポリイミドとする方法等が利用できるが、本発明に含まれるポリイミド系重合体を製造する上では特に制限されない。ジアミン等のアミン化合物を溶解した有機溶媒中に、酸無水物を分散し、攪拌することで完全に溶解させ重合させる方法、酸無水物を有機溶媒中に溶解及び/または分散させた後、アミン化合物を用いて重合させる方法、酸無水物とアミン化合物の混合物を有機溶媒中で反応させて重合する方法など、公知の重合方法を用いることができる。
イミド化においては、ポリアミド酸の環化により水が生成するが、この水は、ベンゼン、トルエン、キシレンやテトラリン等と共沸させて反応系外に除去することにより、イミド化を促進することが好ましく、更に、無水酢酸等の脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物のような脱水剤を使用すれば、イミド化反応が進行し易くなる。
【0108】
又、必要に応じて反応系に重縮合促進剤を加え、反応を速やかに完結させることもでき、このような重縮合促進剤としては、塩基性重縮合促進剤及び酸性重縮合促進剤を例示することができ、両者を併用することもできる。前記塩基性重縮合促進剤としては、例えばN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等を挙げることができ、酸性重縮合促進剤としては、例えば安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、リン酸、p−フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クロトン酸等を挙げることができる。
【0109】
上記の重縮合促進剤の使用量は、ジアミン或いはジアミン成分に対して1〜50モル%、好ましくは5〜35モル%であって、これらの重縮合促進剤を用いることにより、反応温度を低く設定することができるため、しばしば着色を引き起こす原因とされている加熱による副反応が防げるだけでなく、反応時間も大幅に短縮でき、経済的である。
ポリアミド酸の重合温度として60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良く、しかもポリアミド酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
【0110】
重合体の製造に用いることができる溶媒としては、例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類等が挙げられる。通常はこれらの溶媒を単独で用いるが、必要に応じて2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
【0111】
本発明のまた別の態様は、前記一般式(1)で表されるアセチレン化合物の内の少なくとも一つのアセチレン化合物を構成単位として含む重合体含む組成物である。該組成物に用いられるものとしては、重合体の溶液、及び前記重合体の溶液とフィラー等粒子との混合物、重合体固体とフィラー等粒子との混合物、前記重合体の溶液を繊維等に浸漬させたもの等が挙げられる。硬化処理が容易である観点から、重合体の溶液であることが好ましい。
【0112】
重合体の溶液に用いる溶媒としては、特に限定はされないが、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち重合体の溶解性が良好であるという観点から、好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、ピリジン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒およびニトリル系溶媒である。これらの溶媒は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。
【0113】
以下に本発明の前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる重縮合物の具体例を示すが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0114】
【化34】

【0115】
【化35】

【0116】
【化36】

【0117】
【化37】

【0118】
【化38】

【0119】
【化39】

【0120】
本発明のまた別の態様は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物、及び/又は重縮合物を含む組成物である。該組成物としては、少なくとも前記一般式(1)〜前記一般式(3)で表されるいずれかのアセチレン化合物の内の少なくとも一つのアセチレン化合物を構成単位として含むポリマーを少なくとも含有する組成物であり、該組成物が最終製品或いはその中間製品として用いられる、液晶材料、非線形光学材料、電子材料(例えば、半導体保護膜、フレキシブルプリント配線回路用基板など)、接着剤用材料、摺動剤用材料、写真用添加剤、ガス分離膜用材料等の機能性材料や医農薬中間体の原料等の各種業界の用途、目的等により適宜他の添加剤の種類や添加量を各種業界の要求に合わせて選択し添加することができる。
【0121】
<その他添加剤>
他の添加剤としては、例えば、重合性化合物、樹脂、架橋性樹脂、溶剤、重合開始剤、着色剤、重合阻害剤、充填剤、シランカップリング剤、離型剤などが挙げられる。
【0122】
該重合性化合物としては、例えば、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態を有する。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
【0123】
その他、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0124】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
【0125】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた特開2004−252201号に記載の1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0126】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類、更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載の、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類等も挙げられる。
【0127】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。その他、特開2004−252201、特開2007−138105、特開2007−177177等に記載の重合性化合物も使用することができる。
【0128】
また、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
【0129】
また、重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物材料が知られており、これらも本発明の組成物に適宜適用することができる。
【0130】
また、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;高沸点オレフィン類;等も挙げられる。
【0131】
必要に応じて添加される樹脂としては、例えば、アルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリケタール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、シリコーン樹脂、セルロース変性樹脂、ワックス類等を適宜選択して添加することができる。
【0132】
本発明の組成物にはその硬化性や硬化速度等を調節するために架橋剤を添加してもよい。該架橋剤としては、熱架橋するもの、光架橋するもの、紫外線架橋するもの、電子線架橋するもの等が適用でき、架橋反応によって膜硬化を行えるものであれば特に限定されないが、例えばポリイソシアナート、ポリイミド前駆体、エポキシ樹脂、メチロール基並びにアルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたメラミン化合物やグアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、メチロール基並びにアルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物が挙げられ、特に多官能エポキシ樹脂が好ましい。
【0133】
エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであれば特に限定はなく用いることができる。これらの化合物の例としては、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノール−A−テトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物等が挙げられる。
【0134】
また、市場で入手可能なものとして例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン830CRP(大日本インキ社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂;EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂;エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂;YSLV−80DE(東都化成社製)等のエーテル型エポキシ樹脂;EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂;NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂;ESN−165S(東都化成社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂;YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂;デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物;エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂;その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が例示される。
【0135】
上記エポキシ樹脂の配合量としては特に限定されず、使用する目的に応じ上述したエポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートとの種類、配合量等に合わせて適宜調整される。
【0136】
<熱硬化剤>
本発明の組成物中には、更にエポキシ樹脂等の熱硬化を促進する目的により、熱硬化剤を含有してもよい。上記熱硬化剤は、加熱により硬化性樹脂中の不飽和結合やエポキシ基等を反応させ、架橋させるためのものであり、硬化後の硬化物の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。上記熱硬化剤としては特に限定されないが、本発明の組成物を用いて例えば100〜150℃の比較的低い硬化温度にて硬化させる場合に、低温反応性に優れるアミン及び/又はチオール基を含有することが好ましい。
【0137】
上記アミン及び/又はチオール基を含有する熱硬化剤としては、例えば1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]やアジピン酸ジヒドラジド等の有機酸ジヒドラジド化合物;ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニルー4−メチルー5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−イミダゾリン−2−チオール、2−2’−チオジエタンチオール、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
【0138】
本発明の組成物中には、必要に応じて溶剤を添加してもよい。溶剤としては、該組成物を硬化させる場合等の反応の進行を妨げず、かつ本発明の組成物の保存安定性等に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばアミド系溶剤(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶剤(例えばスルホラン)スルホキシド系溶剤(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶剤(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶剤(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶剤(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶剤(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶剤(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、ピリジン系溶剤(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶剤(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶剤(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくはアミド系溶剤、スルホン系溶剤、スルホキシド系溶剤、ウレイド系溶剤、エーテル系溶剤、ハロゲン系溶剤、ピリジン系溶剤、およびニトリル系溶剤であり、更に好ましくはアミド系溶剤、エーテル系溶剤、ハロゲン系溶剤、およびニトリル系溶剤であり、更に好ましくはアミド系溶剤およびニトリル系溶剤である。これらの溶剤は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。該溶剤の本発明の組成物への添加量は、用途分野、及びその分野に対して必要とされる特性に応じて選択されるが、一般に組成物全体に対して0〜90質量%、好ましくは、0〜80質量%、より好ましくは0〜70質量%であり、溶剤を用いない方が好ましい場合もある。
【0139】
また、本発明の組成物には、重合性化合物の重合促進や、架橋剤の反応促進等の目的で光重合開始剤や熱重合開始剤等の重合開始剤を添加してもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、特開2004−252201号明細書に記載の光開始剤、米国特許第4 , 9 5 0 , 5 8 1 号記載の過酸化化合物、米国特許第4 , 9 5 0 , 5 8 1 号に記載のような芳香族のスルホニウム、ホスホニウム若しくはヨードニウム塩、又はシクロペンタジエニル− アレーン− 金属錯塩、例えば、欧州特許第7 8 0 , 7 2 9 号に記載されているオキシムスルホン酸エステル、欧州特許第4 9 7 , 5 3 1 号及び第4 4 1 , 23 2 号に記載のような、ピリジニウム及び(イソ)キノリニウム塩などが挙げられる。また、G . B u h r , R . D am m e l a n d C . L i n d l e y , P o l y m . M a t e r . S c i . E n g . 61 , 2 6 9 ( 1 9 8 9 ) 、及び欧州特許第0 2 2 7 8 8 号公報に記載のような、その他のハロメチルトリアジン; 米国特許第4 , 3 7 1 , 6 0 6 号及び第4 , 3 7 1 , 6 0 7 号明細書に記載のような、ハロメチルオキサゾール光開始剤; E . A . B a r t m a n n , Sy n t h e s i s 5 , 4 9 0 ( 1 9 9 3 ) に記載のような1 , 2 − ジスルホン; ヘキサアリールビスイミダゾール、及びヘキサアリールビスイミダゾール/ 共開始剤系( 例えば、2 − メルカプトベンズチアゾール、フェロセニウム化合物) 、又はチタノセン( 例えば、ビス( シクロペンタジエニル) − ビス( 2 , 6 − ジフルオロ− 3 − ピリルフェニル) チタンと組み合わせたo − クロロヘキサフェニル− ビスイミダゾールとの混合物) を用いることもできる。光増感剤を併用してもよく、該光増感剤としては例えば、トリエタノールアミン、4 − ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン類、ベンゾフェノン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。
【0140】
熱重合開始剤としては、例えば、2 , 2 ’ − アゾビス(4 − メトキシ− 2 , 4 − ジメチルバレロニトリル) 、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペンタアザジエンのようなアゾ化合物、有機過酸化物( 例えば、ヒドロペルオキシド、ペルオキシカルボナート、t e r t − ブチルヒドロペルオキシド) 等が挙げられる。熱重合開始剤としては、中でも気泡が発生しない有機過酸化物の使用が好ましい。有機過酸化物は汎用に使用されているものが使用でき、例えば、ペルオキシジカーボナート、ペルオキシエステル、ペルオキシケタール、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシドなど、各種の過酸化物が挙げられる。このような有機過酸化物は1 種を用いても2 種以上を併用してもよく、また溶媒で希釈したり、粉体に吸着させて用いてもよい。重合開始剤は、組成物全量に対して0.01〜10質量% 使用することが好ましい。前記割合が0 . 01質量% 未満では、加熱時の硬化が不充分となる傾向があり、1 0 質量% を超えると硬化反応に影響を及ぼし好ましくない場合がある。
【0141】
また、本発明の組成物には、保存中の望ましくない反応を抑制する等の目的で、重合抑制剤や連鎖移動剤、UV吸収剤や安定剤等の公知慣用の添加剤を適宜添加することもできる。該重合抑制剤としては、例えばヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p − メトキシフェノール、立体障害性フェノール、例えば2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− p − クレゾールが挙げられる。 また、暗所での貯蔵の際の安定性を増大させるには、例えば、銅化合物( 例えば、ナフテン酸、ステアリン酸若しくはオクトエ酸銅) 、リン化合物( 例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル若しくは亜リン酸トリベンジル) 、第四級アンモニウム化合物( 例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド若しくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド) 、ヒドロキシルアミン誘導体( 例えば、N − ジエチルヒドロキシルアミン) を加えてもよい。前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン、アミン、ベンゾチアゾールが挙げられる。
【0142】
また、光安定剤を少量加えることもでき、該光安定剤としては、U V 吸収剤( 例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミド又はヒドロキシフェニル− s − トリアジン型のもの) が挙げられる。これらの化合物は、立体障害性アミンの存在又は不在下で、単独で用いることもできるし、混合物として用いることもできる。 前記U V 吸収剤及び光安定剤としては、例えば、2 − ( 2 ’ − ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール、2 − ヒドロキシベンゾフェノン、置換又は非置換安息香酸のエステル、アクリラート、立体障害性アミン、オキサルアミド、2 − ( 2 − ヒドロキシフェニル) − 1 , 3, 5 − トリアジン、亜リン酸エステル及びホスホン酸エステルなどが挙げられる。
【0143】
本発明の組成物には、その他成分として、接着性を向上させるために、公知慣用のシランカップリング剤や流れ改質剤、付着促進剤を混合することもできる。そのようなシランカップリング剤として、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス( 2 − メトキシエトキシ) シラン、ビニルトリクロルシラン( K A − 1 0 0 3、信越化学) 、2 − ( 3 , 4 エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン( K BM − 3 0 3 、信越化学) 、p − スチリルトリメトキシシラン( K B M − 1 4 0 3 、信越化学) 、3 − メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン( K B M − 5 0 2 、信越化学) 、3 − アクリロキシプロピルトリメトキシシラン( K B M − 5 1 0 3 、信越化学) 、3 − アミノプロピルトリエトキシシラン、3− アミノプロピルトリメトキシシラン( K B M − 9 0 3 、信越化学)、N − ( 2 − アミノエチル) − 3 − アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N − ( 2 − アミノエチル) − 3 − アミノプロピルトリメトキシシラン、3 − グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3 − グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3 − クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3 − クロロプロピルトリメトキシシラン、及び3 − メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0144】
<フィラー>
また、本発明の組成物には、粘度調整や保存安定性、硬化物の剛性や粘弾性、嵩密度や膨張率の調節などの目的に応じて充填剤(フィラー)を添加してもよい。該フィラーとしては特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、酸化アルミニウム( アルミナ) 、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、石膏、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸カリウム、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素、米国特許第5 , 0 1 3 , 7 6 8 号明細書に記載のガラス微小球、又は微粉化ガラス繊維等の無機フィラー、或いはまた、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びこれらと共重合可能なモノマー類を共重合した共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子等の公知の有機フィラー等が挙げられる。
【0145】
<着色剤>
また、本発明の組成物には、質感や視認性、デザイン性等の観点から染料や顔料等の着色剤を添加してもよい。染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、トリアリールメタン系、カルボニウム系、アントラキノン系、ナフトキノン系、キノンイミン系、アゾメチン系、アゾ系、金属錯塩アゾ系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、メチン系、アジン系、オキサジン系、チアジン系、アンスラピリドン系、スクワリリウム系、ピリリウム塩系、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0146】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開2004−252201号公報等に開示されている色素も使用できる。
多くの染料は重合系の感度の低下を生じる場合があり、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。
【0147】
本発明において必要に応じて添加される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)、特開2004−252201号明細書、特開2007−138105号明細書、特開2007−177177号明細書等に記載されている顔料が利用できる。
【0148】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0149】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0150】
顔料の粒径は0.01μmから10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μmから1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μmから1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径を0.01μm以上にすると、分散物の画像記録層塗布液中での安定性が増し、また、10μm以下にすると画像記録層の均一性が良好になる。
【0151】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0152】
この他に、必要に応じて公知の添加物を本発明の組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、マット剤、例えば、欧州特許第4 3 8 , 1 2 3 号、英国特許第2 , 1 8 0 , 3 5 8 号公報、及び特開平6 − 6 8 , 3 0 9 号公報に記載されたチオール、チオエーテル、ジスルフィド、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシド又はホスフィン等の促進剤や助開始剤並びに自動酸化剤、光学的光沢剤、湿潤剤、平滑助剤、分散剤、凝集防止剤、消泡剤、レベリング剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等の可塑剤、その他添加剤等などを更に用いてもよい。
【0153】
前記で挙げた添加剤は、用途分野、及びその分野に対して必要とされる特性に応じて選択するのが好ましい。上記の添加剤は、当技術に慣用されるものであり、そのため、添加剤の添加量としては、それぞれの用途において常用される量を添加するのが好ましい。
【0154】
本発明のまた別の態様は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物、及び/又は重縮合物を含む組成物を硬化させてなる硬化物である。該硬化物を得る方法としては前記本発明の組成物、又はその溶液を加熱乾燥させたもの、或いは本発明の組成物の粉体を溶融し固化させたものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0155】
本発明の組成物は、保存時は重合を生じることなく保存安定性に優れ、架橋基や重合性基に応じて、熱、光、紫外線、電子線等のエネルギー付与によって効率的に重合を開始し、該重合性化合物が短時間で効率的に重合し、或いは本発明のポリマーや化合物の側鎖、主鎖、或いは末端に結合されている架橋基が架橋して硬化した樹脂硬化物となり、有機溶媒に不溶となり、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性や機械的強度等が向上するものである。したがって、有機溶媒に可溶な状態時に、各種のマトリックス樹脂として、様々な成形手段で多くの成形物の成形に適用することが可能で、汎用性が高く、成形後に架橋硬化させることにより、非常に高い耐溶剤性、耐薬品性、機械的強度を発揮することができるもので、優れた樹脂材料として活用され、機械的部材や電気抵抗体等として好適なものである。そのため、本発明の組成物は、印刷インク( 例えば、スクリーン印刷インク、オフセット、フレキソ印刷インク) として、透明仕上げ( 例えば、木材又は金属に対する白色若しくは有色仕上げ) として、粉末コーティング( 特に、紙、木材、金属又はプラスチックに対するコーティング材料) として、建築、物のマーキングや道路マーキング、写真複製手法、ホログラフ記録の材料、画像記録手法、又は印刷原版の製造、スクリーン印刷マスクの製造のための日光硬化性コーティングとして、歯科充填用組成物として、接着剤として、感圧接着剤として、積層用樹脂として、液体及びフィルム状のエッチングレジスト、はんだレジスト、電気めっきレジスト又は永久レジストとして、プリント回路板や電子回路用の光構成性誘電体として、様々な表示用途用として、プラズマ表示パネルや電気発光表示装置の製造工程での構造の形成用として、カラーフィルタの製造用( 例えば、米国特許第5 , 8 5 3, 4 4 6 号明細書、欧州特許第8 6 3 , 5 3 4 号、特開平9 − 2 4 4 2 3 0 号、同1 0 −6 2 9 8 0 号、同8 − 1 7 1 8 6 3 号公報、米国特許第5 , 8 4 0 , 4 6 5 号明細書、欧州特許第8 5 5 , 7 3 1 号、特開平5 − 2 7 1 5 7 6 号、特開平5 − 6 7 4 0 5 号公報に記載のカラーフィルタ) として、光学スイッチ、光学格子( 干渉格子) 、光回路の製造用として、大量硬化( 透明成形用型でのU V 硬化) 又はステレオリトグラフィ手法による三次元的物品の製造用( 例えば、米国特許第4 , 5 7 5 , 3 3 0 号明細書に記載のような)、複合材料( 例えば、ガラス繊維及び/ 又はその他の繊維並びに他の助剤を少なくとも含むスチレン系ポリエステル) その他の厚層組成物の製造用として、電子部品及び集積回路のコーティング又は密封のためのレジストとして、或いは、光ファイバー用として、又は光学レンズ( 例えば、コンタクトレンズ、フレネルレンズ製造のためのコーティング) として用いることができる。本発明の感光性組成物は、更に、医用機器、補助具、インプラントの製造にも好適に用いることができる。更に、ドイツ国特許第1 9 , 7 0 0 , 0 6 4号及び欧州特許第6 7 8 , 5 3 4 号公報に記載のような、サーモトロピック特性を有するゲルの製造用にも好適に用いることができる。
【0156】
しかも、成型後に、架橋硬化させることにより、非常に高い耐溶剤性、耐薬品性、機械的強度を発揮することができ、優れた樹脂材料として活用される。なかでも、電気抵抗体用材料や防湿コーティング用材料、例えば特開2006−225481号公報、特開2006−176548号公報、特開2006−169398号公報、特開2005−194370号公報、特開2005−036158号公報等に記載の摺動材として特に好適である。例えば、カーボン抵抗体のバインダー樹脂や、半導体の防湿コート材料などにも用いることができる。可変抵抗器用の抵抗体として用いるには、たとえば、カーボンと混合して抵抗体ペーストを作り、その後、焼成すれば良い。
【0157】
本発明においては、加熱により架橋構造を形成させる態様であることが好ましい。エネルギー付与が加熱により行われる場合であれば、加熱手段としては、例えば、ヒーターを用いたオーブン、ホットプレート、赤外線や可視光を用いた光熱変換による加熱等を用いることができる。 また、加熱処理は、形成される硬化物の種類によっても異なるが、50℃〜500℃で0.1秒〜60分程度加熱することにより行われる。
【0158】
エネルギー付与が光照射により行われる場合であれば、光照射手段としては、例えば、低圧〜超高圧までの各水銀灯、メタルハライドランプ、Xeランプなどの紫外から可視域までの光源等を用いることができる。
また、該方法で得られる硬化物の形状としては、膜、ペレット、繊維状のもの、その他各種成型物などがあるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0159】
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実験で出発原料として用いたアセチレン化合物は、それぞれ特願2007−242585号、特願2007−256372号、特願2007−256373号特願2007−256501号に記載の合成法に基づき合成した。
得られた化合物は特性評価のため、H−NMR,MSの各種スペクトルの測定を行った。各特性の測定条件は次の通りとした。
<試験方法>
【0160】
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(H−NMR):BRUKER社製AV400Mを用いて共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−dを用いた。
(2)質量分析(MS):Applied Biosystems社製APIQSTAR Pulsar iを用いてESI法で測定した。
【0161】
<合成例1>化合物(1)−1の合成
1000ml3ッ口フラスコに3,5−ジアミノ安息香酸10g(65.7mmol)、t−ブタノール150ml、1NNaOH水溶液150mlを加えて攪拌し、溶解を確認した。氷冷しながら二炭酸ジ−t−ブチル29.4g(134.7mmol)を滴下し攪拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、トルエン300mlを加え、塩酸を加えて中和後分液した。水200mlを加え分液した後油層中にトリエチルアミン6.7g(65.7mmol)を加え窒素雰囲気下攪拌した。この反応液に氷冷下メタンスルホニルクロリド 7.5g(65.7mmol)を滴下し、氷冷中で30分攪拌した。この反応液に3−エチニルアニリン 7.7g(65.7mmol)とトリエチルアミン6.7g(65.7mmol)をトルエン10ml中で混合した溶液を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、水200mlを加え分液した。得られたトルエン層にメタンスルホン酸22.1g(230mmol)を室温で攪拌した。HPLCで原料の消失を確認した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた有機層をエバポレーターで濃縮して(1)−17.74gを得た(収率47%)。
【0162】
<合成例2>化合物(1)−18の合成
合成例1と同様に合成して(1)−18を得た。収率は33%だった。
【0163】
<合成例3>化合物(1)−30の合成
1000ml3ッ口フラスコに2,4−ジアミノフェノール・ジハイドロクロライド酸12.95g(65.7mmol)、t−ブタノール150ml、1NNaOH水溶液150mlを加えて攪拌し、溶解を確認した。氷冷しながら二炭酸ジ−t−ブチル29.4g(134.7mmol)を滴下し攪拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、トルエン300mlを加え、塩酸を加えて中和後分液した。水200mlを加え分液した後油層中に、クロロ炭酸フェニル10.29g(65.7mmol)とピリジン15.59g(197.1mmol)を氷冷下加え、室温で攪拌した。原料の消失をHPLCで確認した後3−エチニルフェノール7.76g(65.7mmol)とトリエチルアミン7.31g(72.27mmol)を添加し80℃で5時間反応させた。得られたトルエン層にメタンスルホン酸22.1g(230mmol)を室温で攪拌した。HPLCで原料の消失を確認した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた有機層を濃縮したのち水中に添加し固体を析出させた。(1)−308.54gを得た(収率32%)。
【0164】
<合成例4>化合物(1)−34の合成
合成例1と同様にして化合物(1)−34を合成した。収率は28%だった。
【0165】
<合成例5>化合物(1)−54の合成
4,5−ジアミノフタル酸10g(51.0mmol)、t−ブタノール150ml、1NNaOH水溶液150mlを加えて攪拌し、溶解を確認した。氷冷しながら二炭酸ジ−t−ブチル29.4g(134.7mmol)を滴下し攪拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、トルエン300mlを加え、塩酸を加えて固体を析出させ、濾過により取り出した。取り出した固体をN−メチルー2−ピロリドン100mlで溶解し全量と4−エチニルアニリン5.97g(51.0mmol)、ピリジン12.1g(153mmol)、無水酢酸30gを加え12時間加熱還流し析出した固体を濾過により取り出した。得られた固体にアセトニトリル、メタンスルホン酸22.1g(230mmol)を加え室温で攪拌した。HPLCで原料の消失を確認した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた有機層をエバポレーターで濃縮したのち水中に添加し固体を析出させた。得られた固体を濾過し、(1)−545.93gを得た(収率42%)。
【0166】
<合成例6>化合物(1)−62の合成
4−フルオロー3,5−ジアミノ安息香酸10g(58.8mmol)をN−メチルー2−ピロリドン100mlに溶解し、トリエチルアミン 5.95g(58.8mmol)を順に入れ、攪拌した。氷冷下メタンスルホニルクロリド 6.7g(58.8mmol)を滴下し、氷冷中で30分攪拌した。この反応液に3−エチニルアニリン 6.87g(58.8mmol)とトリエチルアミン5.95g(58.8mmol)をアセトニトリル5ml中で混合した溶液を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、水250mlと酢酸エチル250mlを加え分液した。得られた酢酸エチル層に1規定塩酸水溶液を加え分液した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた固体全量にメタノールを80ml加え、攪拌しながら加熱還流した。完溶を確認した後2時間氷冷し、得られた結晶を濾過して(1)−625.6g(20.8mmol)を得た(収率35.4%)。
【0167】
<合成例7>(1)−26の合成
合成例3と同様の手順で(1)−26を合成した。収率は27%だった。
【0168】
<合成例8>(2)−1の合成
1000ml3ッ口フラスコに窒素気流下、5−(t−ブチルカルボキシ)アミノイソフタル酸18.5g(65.7mmol)、N―メチル−2−ピロリドン200g、トリエチルアミン13.4g(131.4mmol)を加え攪拌した。この反応液に氷冷下メタンスルホニルクロリド 15g(131.4mmol)を滴下し、氷冷中で30分攪拌した。この反応液に3−エチニルアニリン 15.4g(131.4mmol)とトリエチルアミン13.4g(131.4mmol)をN―メチル−2−ピロリドン30ml中で混合した溶液を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、トルエン300mlと水200mlを加え分液した。得られたトルエン層にメタンスルホン酸22.1g(230mmol)を加え室温で攪拌した。HPLCで原料の消失を確認した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた有機層をエバポレーターで濃縮して(2)−18.47gを得た(収率34%)。
【0169】
<合成例9>(2)−2の合成
合成例8と同様の手順で(2)−2を合成した。収率は43%だった。
<合成例10>(2)−9の合成
合成例8と同様の手順で(2)−9を合成した。収率は25%だった。
【0170】
<合成例11>(2)−15の合成
2,4−ジブロモアニリン5g(19.9mmol)と3−エチニルフェノール2.58g(21.8mmol)をN―メチルピロリドン20mlに溶解し、カリウムーt−ブトキシド6.73g(60mmol)を加え190℃で6時間攪拌した。得られた反応液に酢酸エチル50ml、5wt%重層水溶液50mlを順次加え分液し、得られた油層を濃縮し粗体を得た。 得られた粗体をメタノールで再結晶し、(2)−15を2.0g得た(収率30.9%)。
【0171】
<合成例12>(2)−13の合成
合成例11と同様の手順で合成して(2)−13を得た。収率は25%だった。
<合成例13>(2)−14の合成
合成例11と同様の手順で合成して(2)−14を得た。収率は37%だった。
<合成例14>(2)−17の合成
合成例11と同様の手順で合成して(2)−17を得た。収率は11%だった。
<合成例15>(2)−27の合成
合成例8と同様の手順で合成して(2)−27を得た。収率は31%だった。
<合成例16>(2)−49の合成
合成例8と同様の手順で合成して化合物(2)−49を得た。収率は46%だった。
【0172】
<合成例17>(3)−3の合成
2000mL3ッ口フラスコに5−アミノイソフタル酸ジメチル52g、テトラヒドロフラン600mL、ピリジン21gを入れ、15分間撹拌した。該2000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、テトラヒドロフラン100mLを用いて希釈したクロロ炭酸フェニル41gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、そのまま室温で3時間撹拌を続けた。
続いて3−エチニルー5−メチルアニリン30gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下した。続いてテトラヒドロフラン100mLを用いて希釈したトリエチルアミン76gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、4時間加熱還流した。
室温に戻した後、水酸化ナトリウム25gをイオン交換水200mLから調整した水酸化ナトリウム水溶液を、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、40℃に加熱し、2時間撹拌を続けた。内温が10℃以下になるまで氷冷し、3M塩酸160mLを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、氷冷を継続したまま30分間撹拌を続けた。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン200mLに溶解させ、800mLのアセトニトリルを入れた2000mL3ッ口フラスコに30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(3)−3を49.2g得た。(収率58%)。
【0173】
<合成例18>(3)−6の合成
合成例15と同様の手順で合成して化合物(3)−6を得た。収率は65%だった。
<合成例19>(3)−8の合成
合成例15と同様の手順で合成して化合物(3)−8を得た。収率は53%だった。
【0174】
<合成例20>(3)−43の合成
5−アミノイソフタル酸10g(55mmol)、4−エチニル安息香酸無水物9.5g(55mmol)をNMP50mlに溶解し、ピリジン13g(165mmol)を加え90℃で5時間反応させた。反応液を冷却後塩酸水溶液中にゆっくりと添加し、得られた固体を濾過により取り出した。乾燥後(3)−43 10.1gを得た。(収率55%)。
【0175】
<合成例21>(4)−1の合成
2000mL3ッ口フラスコに3,5−ジアミノ安息香酸61g、N−メチル−2−ピロリドン600mLを入れ、15分間撹拌した。該2000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、クロロ炭酸フェニル143gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、そのまま室温で30分間撹拌を続けた。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをN−メチル−2−ピロリドン600mLに溶解させ、2000mL3ッ口フラスコに移した。
続いて3−エチニルアニリン60gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下した。続いてトリエチルアミン153gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、4時間加熱還流した。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン200mLに溶解させ、150mLの酢酸エチルを添加、100mLの更にヘキサンを30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(4)−1を81g得た。(収率46%)。
【0176】
<合成例22>(4)−5の合成
合成例21と同様の手順で化合物(4)−5を得た。収率は42%だった。
<合成例23>(4)−20の合成
合成例21と同様の手順で化合物(4)−20を得た。収率は34%だった。
<合成例24>(4)−22の合成
合成例21と同様の手順で化合物(4)−22を得た。収率は31%だった。
<合成例25>(4)−26の合成
合成例21と同様の手順で化合物(4)−26を得た。収率は21%だった。
【0177】
<合成例26>(4)−33の合成
3,5−ジブロモ安息香酸5g(17.9mmol)と3−エチニルフェノール4.23g(35.8mmol)をN―メチルピロリドン20mlに溶解し、カリウムーt−ブトキシド10.1g(90mmol)を加え190℃で6時間攪拌した。得られた反応液に酢酸エチル50ml、5wt%重層水溶液50mlを順次加え分液し、得られた油層を濃縮し粗体を得た。
得られた粗体をメタノールで再結晶し、(4)−33を1.50g得た(収率23.6%)。
【0178】
<合成例27>(4)−40の合成
3,5−ジアミノ安息香酸8.37g(55mmol)、4−エチニル安息香酸無水物19.0g(110mmol)をNMP80mlに溶解し、ピリジン26g(329mmol)を加え90℃で5時間反応させた。反応液を冷却後塩酸水溶液中にゆっくりと添加し、得られた固体を濾過により取り出した。乾燥後(4)−40 12.1gを得た。(収率48%)
<合成例28>(4)−47の合成
合成例26と同様の手順で化合物(4)−47を得た。収率は53%だった。
【0179】
<実施例1>
以下の化合物(5)−1を合成する
【化40】

【0180】
100ml3つ口フラスコに窒素気流下、化合物(4)−1 4.38g(10mmol)、アセトニトリル 20ml、トリエチルアミン 1.01g(10mmol)を順に入れ、攪拌した。氷冷下メタンスルホニルクロリド 1.15g(10mmol)を滴下し30分攪拌した。この反応液に化合物(2)−1 3.90g(10mmol)とトリエチルアミン1.15g(10mmol)をアセトニトリル10ml中で混合した溶液を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、水100mlと酢酸エチル100mlを加え分液した。得られた酢酸エチル層に1規定塩酸水溶液を加え分液した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製し、褐色固体5.76gを得た(収率72%)。
【0181】
得られた化合物の物性値は以下であった。
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.40(s,3H)、8.90(s,4H)、8.38(s,2H)、8.27(s,1H)、8.24(s,1H)、7.87(s,2H)、7.81(s,4H)、7.62(d,4H)、7.29(t,4H)、7.14(d,4H)、4.10(s,4H)
MS:M=799.25

<実施例2>
【0182】
以下の化合物(5)−2を合成する。
【化41】

【0183】
実施例1において、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−5を10mmol、化合物(2)−1の代わりに化合物(2)−2を10mmol用いた以外は実施例(1)と同様にして化合物(5)−2を合成した。収量は6.53g(81.6%)であった。得られた化合物の物性値は以下であった。
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.40(s,3H)、8.90(s,4H)、8.38(s,2H)、8.27(s,1H)、8.24(s,1H)、7.87(s,2H)、7.61(d,8H)、7.40(s,8H)、3.06(s,4H)
MS:M=799.25
【0184】
<実施例3>
以下の化合物(6)−1を合成する
【化42】

【0185】
100ml3つ口フラスコに窒素気流下、化合物(4)−1 8.76g(20mmol)、アセトニトリル 40ml、トリエチルアミン 2.01g(20mmol)を入れ攪拌した。氷冷下メタンスルホニルクロリド 2.30g(20mmol)を滴下し30分攪拌した(溶液1)。
【0186】
200ml3つ口フラスコに窒素気流下化合物(1)−12.70g(10mmol)とアセトニトリル40ml、トリエチルアミン1.15g(10mmol)を添加し攪拌溶解した。氷冷下上で作成した溶液1を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、水150mlと酢酸エチル150mlを加え分液した。得られた酢酸エチル層に1規定塩酸水溶液を加え分液した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーで生成し、褐色固体6.91gを得た(収率63%)。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0187】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.40(s,3H)、8.90(s,8H)、8.27(s,3H)、7.87(s,6H)、7.81(s,5H)、7.62(d,5H)、7.29(t,5H)、7.14(d,5H)、4.10(s,5H)
MS:M=1091.35
【0188】
<実施例4>(6)−30の合成
【化43】

【0189】
実施例3に於いて、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−25を10mmol用いた以外は実施例3と同様にして化合物(6)−30を合成した。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,3H)、8.90(s,8H)、8.27(s,3H)、7.87(s,6H)、7.78(s,4H)、7.62(d,1H)、7.29(t,1H)、7.14(d,5H)、6.92(d,4H)、4.10(s,1H)、3.06(s,4H)
MS:M=1163.38
【0190】
<実施例5>(6)−6の合成
【化44】

【0191】
実施例3に於いて、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−5を10mmol、化合物(1)−1の代わりに化合物(1)−18を10mmol用いた以外は実施例3と同様にして化合物(4)を合成した。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,3H)、8.90(s,8H)、8.27(s,3H)、7.87(s,6H)、7.81(s,1H)7.62(d,1H)、7.61(d,8H)、7.40(d,8H)、7.29(t,1H)、7.16(d,1H)、3.06(s,4H)、1.60(m,5H)、1.10(m,5H)
MS:M=1173.43
【0192】
<実施例6>化合物(7)―8の合成
【化45】

【0193】
100ml3つ口フラスコに窒素気流下化合物(3)−6 3.24g(10mmol)とジメチルアセトアミド40ml、トリエチルアミン2.53g(22mmol)を添加し攪拌溶解した。この溶液中に氷冷下塩化チオニル2.38g(20mmol)を内温を10℃以下に保ちながら滴下した。滴下終了後氷冷のまま30分攪拌した。
200ml3つ口フラスコに窒素雰囲気下(2)−17を6.5g(20mmol)とジメチルアセトアミド50mlを添加し攪拌して溶解させた。この溶液に氷冷下上で作成した溶液1を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、水150mlと酢酸エチル150mlを加え分液した。得られた酢酸エチル層に1規定塩酸水溶液を加え分液した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーで生成し、褐色固体2.91gを得た(収率31%)。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0194】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,2H)、8.90(s,2H)、8.38(s,2H)、8.24(s,1H)、7.61(d,2H)7.40(d,2H)、7.27(d,4H)、7.19(d,4H)、7.14(d,4H)、7.08(s,4H)、3.06(s,5H)
MS:M=938.27
【0195】
<実施例7>(7)−11の合成
【化46】

【0196】
実施例6に於いて、化合物(2)−17の代わりに化合物(2)−14を同モル量、化合物(3)―6の代わりに化合物(3)−8を同モル量用いた以外は実施例6と同様にして化合物(4)を合成した。収量は2.87g(収率22%)。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0197】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,2H)、8.90(s,2H)、8.38(s,3H)、8.24(s,1H)、7.61(d,2H)7.40(d,2H)、7.27(s,4H)、7.19(t,4H)、7.14(d,4H)、6.90(d,4H)、6.39(s,1H)、2.48(q,1H)、1.70(q,2H)、1.49(m,2H)、1.46(m,1H)、1.45(q,2H)、1.43(m,1H)、1.39(m,2H)、0.08(s,36H)
MS:M=1308.51
【0198】
<実施例8>(7)−20の合成
【化47】

【0199】
実施例6に於いて、化合物(2)−17の代わりに化合物(2)−48を同モル量、化合物(3)−6の代わりに化合物(3)−43を同モル量用いた以外は実施例3と同様にして化合物(7)−20を合成した。収量は2.59g(収率28%)。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0200】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,2H)、8.58(s,2H)、8.43(s,4H)、8.29(s,1H)、8.24(s,1H)、8.10(d,1H)、8.06(s,2H)7.85(d,1H)、3.06(s,1H)、2.51(s,4H)、1.67(s,24H)
MS:M=925.28
【0201】
<実施例9>(7)−18の合成
【化48】

【0202】
実施例6に於いて、化合物(2)−17の代わりに化合物(2)−13を同モル量、化合物(3)−6の代わりに化合物(3)−3を同モル量用いた以外は実施例1と同様にして化合物(7)−18を合成した。収量は2.13g(収率17%)。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0203】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,2H)、8.90(s,2H)、8.38(s,2H)、8.24(s,1H)、7.62(s,1H)、7.42(s,1H)、7.31(s,4H)、7.27(s,4H)、7.07(s,4H)、7.02(s,4H)、6.39(s,2H)、3.06(s,5H)、2.35(s,3H)
MS:M=1263.93
【0204】
<実施例10>(5)−20の合成
【化49】

【0205】
実施例1に於いて、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−40を10mmol、化合物(2)−1の代わりに化合物(2)−9を10mmol用いた以外は実施例1と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は5.10g(収率62.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0206】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,3H)、9.20(s,1H)、8.29(s,2H)、8.27(s,1H)、8.10(d,2H)、8.07(s,2H)、7.92(s,1H)、7.85(d,2H)、7.61(d,4H)、7.40(d,4H),3.06(s,5H)
MS:M=821.19
【0207】
<実施例11>(5)−22の合成
【化50】

【0208】
実施例1に於いて、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−40を20mmol、化合物(2)−1の代わりに化合物(2)−17を20mmol用いた以外は実施例1と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は5.59g(収率73.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0209】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,1H)、9.77(s,2H)、8.29(d,2H)、8.27(s,1H)、8.10(d,2H)、8.07(s,2H)、7.85(d,2H)、6.98(t,2H)、6.76(d,2H)、6.62(s,2H)、6.20(s,2H)、5.40(s,1H)、3.06(s,4H)
MS:M=765.20
【0210】
<実施例12>(5)−16の合成
【化51】

【0211】
実施例11に於いて、化合物(2)−17の代わりに化合物(2)−15を20mmol、化合物(4)−40の代わりに化合物(4)−20を20mmol用いた以外は実施例11と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は2.93g(収率34.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0212】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,1H)、8.90(s,4H)、8.27(s,1H)、8.23(d,1H)、7.81(s,2H)、7.29(t,2H)、7.19(t,2H)、7.16(d,2H)、7.14(d,2H)、7.08(s,2H)、6.90(d,2H)、6.62(d,1H)、6.56(s,1H)、5.45(s,2H)、3.06(s,2H)、1.47(s,12H)
MS:M=861.32
【0213】
<実施例13>(5)−18の合成
【化52】

【0214】
実施例11に於いて、化合物(2)−17の代わりに化合物(2)−27を20mmol、化合物(4)−40の代わりに化合物(4)−26を20mmol用いた以外は実施例1と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は4.71g(収率48.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0215】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,3H)、8.90(s,4H)、8.27(s,1H)、8.12(d,2H)、7.87(s,2H)、7.61(d,4H)、7.40(d,4H)、7.36(s,1H)、7.14(d,2H)、6.98(t,2H)、3.06(s,2H)、0.08(s,18H)
MS:M=979.31
【0216】
<実施例14>(6)−4の合成
【化53】

【0217】
100ml3つ口フラスコに窒素気流下、化合物(4)−1 8.76g(20mmol)、N、N−ジメチルアセトアミド 30ml、トリエチルアミン 2.21g(21mmol)を順に入れ、攪拌した。氷冷下メタンスルホニルクロリド 2.30g(21mmol)を滴下し30分攪拌した。
200ml3つ口フラスコに窒素気流下化合物(1)−30 2.68g(10mmol)とトリエチルアミン1.15g(10mmol)をN、N−ジメチルアセトアミド20ml中で混合した溶液を滴下した。HPLCで原料の消失を確認した後、水100mlと酢酸エチル100mlを加え分液した。得られた酢酸エチル層に1規定塩酸水溶液を加え分液した後、重曹水溶液で中和し蒸留水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製し、褐色固体6.10gを得た(収率55%)。
【0218】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,1H)、8.90(s,6H)、8.27(s,1H)、7.87(s,2H)、7.81(s,4H)、7.62(d,4H)、7.35(d,1H)、7.29(t,4H)、7.23(t,2H)、7.20(t,2H)、7.14(d,4H)、7.05(d,1H)、7.03(d,1H)、4.08(s,4H)、3.06(s,1H)
MS:M=1108.33
【0219】
<実施例15>(6)−28の合成
【化54】

【0220】
実施例14に於いて、化合物(1)−30の代わりに化合物(1)−54を、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−22を等モル量用いた以外は実施例1と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は3.92g(収率35.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0221】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,2H)、8.90(s,8H)、8.49(s,2H)、8.31(s,2H)、7.87(d,2H)、7.81(s,2H)、7.80(d,2H)、7.62(d,2H)、7.40(d,2H)、7.29(t,4H)、7.14(d,4H)、4.08(s,4H)、3.06(s,1H)
MS:M=1117.33
【0222】
<実施例16>(6)−22の合成
【化55】

【0223】
実施例14に於いて、化合物(1)−30の代わりに化合物(1)−54同モル量、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−33を同モル量用いた以外は実施例14と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は4.24g(収率45.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0224】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,3H)、8.05(s,2H)、7.81(s,1H)、7.62(d,1H)、7.29(t,1H)、7.19(t,4H)、7.14(d,5H)、7.08(s,4H)、6.90(s,6H)、4.08(s,1H)、3.06(s,4H)
MS:M=941.25
【0225】
<実施例17>(6)−18の合成
【化56】

【0226】
実施例14に於いて、化合物(1)−30の代わりに化合物(1)−34を、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−5を等モル量用いた以外は実施例1と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は3.60g(収率32.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0227】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,3H)、8.90(s,8H)、8.27(s,3H)、7.87(s,6H)、7.69(s,1H)、7.61(d,8H)、7.51(d,1H)、7.40(d,8H)、6.72(d,1H)、3.73(s,3H)、3.06(s,5H)
MS:M=1121.36
【0228】
<実施例18>(6)−29の合成
【化57】

【0229】
実施例14に於いて、化合物(1)−30の代わりに化合物(1)−26を、化合物(4)−1の代わりに化合物(4)−47を等モル量用いた以外は実施例14と同様にして化合物を合成した。得られた化合物の収量は3.57g(収率24.1%)であった。得られた化合物の物性は以下の通りであった。
【0230】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):10.25(s,2H)、8.29(s,4H)、8.27(s,2H)、8.10(d,4H)、7.85(d,4H)、7.59(d,1H)、7.43(s,1H)、7.23(t,2H)、7.20(t,1H)、7.05(d,1H)、6.79(d,2H)、3.06(s,1H)、2.48(q,4H)、1.70(m,8H)、1.49(m,8H)、1.46(m,8H)、1.45(m,8H)、1.39(m,8H)
MS:M=1480.52
【0231】
<重縮合ポリマーの合成>
<実施例19>(8)−1の合成
【化58】

【0232】
不活性ガスで置換した200mLの3つ口フラスコに、3,3’−ジアミノジフェニルメタンを0.023mol、化合物(1)−1を0.004mol、(2)−2を0.0004molとり、N−メチル−2−ピロリドン110mLを加えて溶解する。この反応液を15℃で撹拌しながら、イソフタロイルクロリドを加え、室温で2時間撹拌し、ポリアミドの溶液を得た。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリアミドフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について測定を行った。結果を表1に示す。
【0233】
<測定条件>
・5%重量減少温度 TG/DTAを測定し算出した
セイコーインストルメンツ社製EXSTAR6000の測定セル内に合成したポリマー2mgを収容し、流量200ml/分のN 2 気流下、30℃から550℃までを10℃/分の昇温速度で昇温を行うことで、TG/DTA測定を行った。
・湿度膨張係数:
5mm×30mm幅のフィルムを30mmの長さに切り出したサンプルを用いた。測定装置はキーエンス社製レーザースキャンマイクロメーターを組み込んだ自作の装置を用い、サンプルをセットし1Nの荷重を掛けた装置を30℃の一定環境下に制御されたチャンバーの中に入れ、湿度を10%RH〜80%RHまで変化させてフィルム幅の変化を測定し、湿度膨張係数を以下の式により求めた。
<湿度膨張係数>=((フィルム幅変化)/(初期フィルム幅))/(湿度変化)
【0234】
<実施例20>(8)−2の合成
【化59】

【0235】
実施例19に於いて、化合物(2)−1の代わりに化合物(4)−1を0.004mmol用いた以外は実施例19と同様にしてポリアミドの溶液を得た。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリアミドフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0236】
<実施例21>(8)−3の合成
【化60】

【0237】
不活性ガスで置換した200mLの3つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを0.023mol、化合物(1)−1、(2)−1をそれぞれ0.004molとり、N−メチル−2−ピロリドン110mLを加えて溶解する。この反応液を15℃で撹拌しながら、ピロメリット酸無水物0.023molを加え、室温で2時間撹拌した。この後に無水酢酸0.05mol、ピリジン0.005molを加えて室温で1時間撹拌、その後に60℃に加熱して3時間撹拌し、ポリイミドの溶液を得た。
得られた溶液をアセトニトリル300mL中に滴下し、生じた沈殿物を濾過、乾燥することで、(8)−3の粉末を得た。この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、(8)−3を両末端に有するポリイミドの溶液を得た。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリイミドフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0238】
<実施例22,23,24>(8)−5、6、7の合成
実施例21と同様にして(8)−5,6,7を合成した。
【0239】
<実施例25> 例示化合物(8)−8の合成
3ッ口フラスコに、ポリリン酸120g、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル22.5g、(1)−13gを加え、100℃まで加熱、続いて16.6gのイソフタル酸を入れ、200℃に加熱し、12時間撹拌を続けた。更にポリリン酸10g、2.3gの例示化合物(2)−1を添加し、12時間撹拌を続けた。
得られた反応液を500mLのイオン交換水を入れたビーカー中に投入し、得られた目的生成物の固体を炭酸水素ナトリウム水溶液、ついでイオン交換水、メタノールで洗浄したのち濾別して、平均分子量約30000の(8)−8を得た。この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリベンゾイミダゾールのフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0240】
<実施例26>例示化合物(8)−10の合成
3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル22.5gの代わりに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル22.7gを用いた点以外は、実施例25と同様である。得られたポリベンゾオキサゾールのフィルムの測定値を表1に示す。
【0241】
<実施例27>例示化合物(8)−12の合成
【化61】

【0242】
100ml3つ口フラスコに窒素雰囲気下、ハイドロキノン、(3)−1、(2)−1、ピリジンを入れNMP20mlを添加し溶解した。内温を15℃以下に保ったままこの溶液にテレフタロイルクロリドを添加した。80℃まで昇温後12時間反応させた後、反応液を水で再沈して濾過して目的物を取り出した。この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリエステルのフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0243】
<実施例28>例示化合物(8)−13の合成
不活性ガスで充分に置換した300mlの3ッ口フラスコに、フェニレンジアミン0.023mol、(1)−1を0.004mol入れる。ジイソシアン酸1,3−フェニレン(0.023mol)をNMP30mlに溶解し、溶液をかき混ぜながらフラスコ中に滴下する。130℃で3時間反応させたのち溶液を得、これを水中に落として生成ポリマーを沈殿、乾燥させることで、(8)−13を得た。この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリウレタンのフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0244】
<比較例1>
下記化合物(A’)の合成
【化62】

【0245】
特許文献WO2006/137369に従い上記化合物を合成した。この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリウレタンのフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0246】
<比較例2>下記化合物(B’)の合成
以下の方法に従い化合物(B’)を合成した。
【化63】


(B’)
【0247】
100ml4つ口フラスコに(1)−1 3.0g(11.9mmol)とNMP 20gを仕込み、窒素気流下溶解させた。4−エチニル無水フタル酸4.11g(23.9mmol)を分割投入し、室温で4時間攪拌を行い、アミド酸溶液を合成した。続いて、ピリジン0.19g(2.39mmol)、無水酢酸7.32g(71.6mmol)を滴下した。室温で数時間攪拌し、析出した結晶を濾過して乾燥を行い化合物B‘ 5.01gを得た(収率75%)。得られた化合物の物性値は以下の通りであった。
【0248】
H―NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.40(s,1H)、8.29(s,2H)、8.27(s,1H)、8.10(d,2H)、8.07(s,2H)、7.85(d,2H)、7.81(s,1H)、7.62(d,1H)、7.29(t,1H)、7.14(d,1H)、4.08(s,1H)、3.06(s,2H)
MS:M=559.12
【0249】
この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリウレタンのフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0250】
<比較例3>
下記化合物(C’)の合成
【化64】

【0251】
100mL4つ口フラスコに、(1)−1 4.5g(11.9mmol)とNMP 20gを仕込み、窒素気流下で溶解させた。4−エチニル無水フタル酸2.05g(11.9mmol)を分割投入し、室温で4時間反応させ、アミド酸溶液を合成した。続いてピリジン0.95g(1.19mmol)、無水酢酸3.66g(35.8mmol)を滴下した。室温で5時間撹拌し、析出した結晶を濾過して乾燥を行ない、化合物(C’) 4.44g(収率70%)を得た。
この粉末10gを50mLのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。その溶液を石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたポリウレタンのフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について実施例19と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0252】
<比較例4>
下記化合物の合成
【化65】

【0253】
実施例21において、(2)−1を3−エチニルベンゼンにした以外は実施例21と同様にしてイミドオリゴマーを単離した。得られた粉末を実施例21と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0254】
<比較例5>
下記化合物の合成
【化66】

【0255】
実施例21において、(2)−1を4−エチニルフタル酸無水物に変更した以外は実施例21と同様にしてイミドオリゴマーを単離した。得られた粉末を実施例21と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0256】
<比較例6>下記化合物の合成
【化67】

【0257】
実施例21において、(1)−1を使用しなかった以外は実施例21と同様にしてイミドオリゴマーを単離した。得られた粉末を実施例21と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0258】
<比較例7>下記化合物の合成
【化68】

【0259】
実施例21において、(2)−1を使用しなかった以外は実施例21と同様にしてイミドオリゴマーを単離した。得られた粉末を実施例21と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0260】
<比較例8>
【化69】

【0261】
実施例20において、(2)−1を3−エチニルベンゼンにした以外は実施例20と同様にしてポリアミド酸溶液を得た。得られた溶液を実施例20と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0262】
<比較例9>
【化70】

【0263】
実施例25において、(2)−1を3−エチニルベズアルデヒドにした以外は実施例25と同様にしてポリベンゾイミダゾールを単離した。得られた粉末を実施例25と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0264】
<比較例10>
【化71】

【0265】
実施例26において、(2)−1を3−エチニルベンズアルデヒドにした以外は実施例26と同様にしてポリベンゾオキサドールを単離した。得られた粉末を実施例26と同様にしてフィルム化し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0266】
<性能評価>
実施例及び比較例4〜7により得られたフイルムについて5%質量減少温度と湿度膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
【0267】
【表1】

【0268】
上記表1から明らかなように、本発明により得られた化合物から作成したフイルムは従来知られている化合物から作成したフイルムよりもより高い5%質量減少温度とより小さい湿度膨張係数をもち優れていることがわかる。
【0269】
<実施例29>
<重縮合した化合物のフィルム作成>
実施例1で得られたアセチレン化合物2gを20gのN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた。得られた溶液2gをUワニス(宇部興産製)10gに添加し、これを塗布液として石英ガラス板上にブレードを用いて塗布、乾燥、300℃で熱硬化処理を行った。得られたフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について測定を行った。結果を表2に示す。
【0270】
<実施例30〜40>
実施例29において、実施例2〜14で合成したアセチレン化合物をそれぞれ用いた以外は実施例29と同様にしてフィルム作成を実施した。得られたフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について測定を行った。結果を表2に示す。
【0271】
<比較例11〜13>
実施例29において、実施例1で得られたアセチレン化合物の代わりに比較例1〜3で得られたアセチレン化合物を使用した以外は実施例21と同様にしてフィルム作成を実施した。得られたフィルムの5%質量減少温度と湿度膨張係数について測定を行った。結果を表2に示す。
【0272】
【表2】

【0273】
上記表2から明らかなように、本発明により得られた化合物から作成したフイルムは従来知られている化合物から作成したフイルムよりもより高い5%質量減少温度とより小さい湿熱膨張係数をもち優れていることがわかる。
【0274】
<実施例41、42>
実施例21で得られたポリイミド溶液に以下のシランカップリング剤を添加した組成物を作成し、実施例21と同様にガラスの上に塗布、乾燥した。
得られたフィルムについて、ガラスとの密着性試験を測定し、結果を表3に纏めた。
密着性試験:フィルムの表面にJIS K−5400に従ってカッターで傷を入れて1mm角の碁盤目を100個作り、セロハン接着テープ(積水化学製、#252、25mm幅、SP粘着力:750gf/25mm幅)を付着させた。このテープの一端を基材の表面に直角に保ち、瞬間的に剥離して残った基盤目の数を表す。100個の基盤目全てが剥離した状態が0、全て剥離しない状態が100である。
【0275】
<比較例14〜16>
実施例41において、実施例21で得られた化合物の代わりに比較例4、6、7で合成した化合物をそれぞれ使用して実施例41と同様に組成物を作成し、ガラスの上に塗布、乾燥した。
得られたフィルムについて、ガラスとの密着性試験を実施し、結果を表3に纏めた。
【0276】
【表3】


上記表3から分かるように、本発明により得られた化合物から作成した組成物は従来知られている化合物から作成した組成物よりも高い密着性を持ち優れていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0277】
本発明により提供されるアセチレン化合物により機械強度を向上しうる新しい熱硬化可能なポリマーやオリゴマーを与えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも2種をGを反応性基として反応させて得られる縮合物又は重縮合物。
一般式(1)
【化1】


(一般式(1)中、A、A、A、A、Aは、それぞれ独立に単結合又は炭化水素基又はヘテロ環の連結基を表す。Arは芳香環又はヘテロ芳香環の連結基を表す。X、X、X、X、X、Xはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。Rは水素原子、炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基を表す。Gは−NHR、または −COOQを表す。Rは水素原子または炭化水素基を表す。Qは水素原子、炭化水素基、又は塩を形成し得る金属元素又は有機アンモニウムを表す。a、m、n、nはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。b、b、bはそれぞれ独立に0以上の整数を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)において、Rが水素原子、脂肪族炭化水素基、ヘテロ環基又はアルキルシリル基であることを特徴とする請求項1に記載の縮合物又は重縮合物。
【請求項3】
前記2種の化合物が一般式(1)において、一方のGが−NHRであり、他方のGが−COOQであることを特徴とする請求項1に記載の縮合物又は重縮合物。
【請求項4】
前記一般式(1)において、Ar、A、Aが置換基を有してもよいベンゼン環基又はフタルイミド環基であり、b、b、bが0であることを特徴とする請求項1に記載の縮合物又は重縮合物。
【請求項5】
前記一般式(1)で表される化合物の一方がG=−COOQでmが1であり、他方がG=−NHでmが2であることを特徴とする請求項4に記載の縮合物。
【請求項6】
前記一般式(1)で表される化合物の一方がG=−COOQでmが2であり、他方がG=−NHでmが1であることを特徴とする請求項4に記載の縮合物。
【請求項7】
前記一般式においてAr、A、Aが非置換であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の縮合物。
【請求項8】
前記一般式においてX、Xが単結合、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−、−CO−から構成される群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載の縮合物。
【請求項9】
ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミドのいずれかからなるポリマーの主鎖にジアミン化合物の一部として前記一般式(1)においてG=−NHでmが2である化合物残基を含み、かつその末端に前記一般式(1)においてmが1である化合物残基を含むことを特徴とする請求項1に記載の重縮合物。
【請求項10】
ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミドのいずれかからなるポリマーの主鎖にジカルボン酸化合物の一部として前記一般式(1)G=−COOQでmが2である化合物残基を含み、かつその末端に前記一般式(1)においてmが1である化合物残基を含むことを特徴とする請求項1に記載の重縮合物。
【請求項11】
少なくとも前記請求項1〜前記請求項10のいずれか1項に記載の縮合物又は重縮合物を含む組成物。
【請求項12】
前記請求項11に記載の組成物を硬化させてなる硬化物。

【公開番号】特開2010−6760(P2010−6760A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169199(P2008−169199)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】