説明

新規化合物951:CRTH2モジュレーターとしてのビフェニルオキシプロパン酸および中間体

本発明は、呼吸器障害、例えば喘息、鼻炎およびCOPDの処置用医薬として有用なアミド化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器障害の処置に有用な医薬化合物としてのある種のフェノキシ酢酸類およびその塩および溶媒和物、それらを含む医薬組成物、およびそれらの製造方法に関する。結晶形態も開示する。
【背景技術】
【0002】
WO2004/089885およびWO2006/021759は、CRTh2受容体で活性であり、喘息およびCOPDを含む種々の呼吸器疾患の処置に有用であることが期待される、アミドを有する化合物を含む一連の化合物を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明により、上記出願に開示されていないビアリールアミドがCRTh2受容体で活性であり、特に有益な生物学的特性を示すことが判明した。本発明の化合物は、ヒト肝細胞で測定したとき高いCRTh2効果と有益な長い半減期および低い代謝性ターンオーバーを併せ持つ。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の局面において、それ故、本発明は式(I):
【化1】

の化合物を(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸および(2R)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸の混合物、
またはその溶媒和物またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物として提供する。
【0005】
本発明の一態様において、化合物(I)は実質的に(S)エナンチオマーの形である。本発明の一態様において、化合物(I)は少なくとも90%(S)エナンチオマー、他の態様において少なくとも95%(S)エナンチオマー、および他の態様において少なくとも99%(S)エナンチオマーで存在する。
【0006】
本発明のさらなる態様は、それ故式(I):
【化2】

の化合物またはその溶媒和物またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物を含む。
【0007】
上記の通り、式(I)の化合物は他の立体異性体形で存在できる。互変異性体およびそれらの混合物を含む他の異性体も本発明の一局面を構成する。式(I)の化合物の他の異性体、特に(2R)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸は、CRTh2活性を示すことが期待され、当該(R)および(S)異性体の混合物も同様であることは理解されよう。
【0008】
上記式(I)の化合物は、溶媒和物、薬学的に許容される塩、または塩の溶媒和物に変換してよい。本発明の一態様において、本化合物は塩基付加塩の形である。塩基付加塩は、無機および有機塩基を含む薬学的に許容される非毒性塩基から製造される塩を含む。無機塩基由来の塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、亜鉛および他の金属塩を含み、これに限定されない。薬学的に許容される非毒性塩基由来の塩は、一級、二級または三級アミン類、天然に存在する置換アミン類、環状アミン類および塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、ベンザチン、カフェイン、コリン、クロロプロカイン、シクロプロカイン、N’N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチル−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メグルミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、三級ブチルアミン(2−メチルプロパン−2−アミン)、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等を含む置換アミン類、ならびに非毒性アンモニウムおよび四級アンモニウム、およびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムを含み、これらに限定されないカチオンの塩を含む。
【0009】
本発明の一態様において、式(I)の化合物は2−メチルプロパン−2−アミン塩の形である。水和物を含む溶媒和物は本発明のさらなる局面を構成し、2−メチルプロパン−2−アミン塩の溶媒和物のような塩の溶媒和物も同様である。
【0010】
本発明の化合物は、下記実施例に示す方法に従い製造できる。あるいは、本化合物はエナンチオマーの混合物として製造でき、それを付いて当分野で既知の技術を使用して、例えばクロマトグラフィーを使用して、分離および精製して、純粋なまたは実質的に純粋な(S)異性体を得ることができる。さらなる別法として、化合物(1f)のような中間体化合物の異性体を、脱エステル化前に分離できる。本明細書の実施例中に定義する式(1a)、(1c)、(1d)および(1f)の中間体化合物は新規であり、そして各々本発明の態様を構成する。さらなる局面において、本発明は式(I)の化合物の製造方法であって:
式(1d):
【化3】

の化合物と式(1e):
【化4】

〔式中、Rはエステル形成基である。〕
の化合物を反応させ、続いて得られた誘導体を脱エステル化し、そして所望により薬学的に許容される塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を形成することを含む、方法を提供する。エステル形成基Rは、典型的にC1−6アルキル、好ましくはメチルである。本反応は、適当な溶媒中、高温で、一つの態様において本明細書の実施例に具体化した条件を使用して行うのが適切である。
【0011】
式(I)の化合物およびその塩/溶媒和物の結晶形態は、本発明のさらなる局面を構成する。本発明の一態様は、遊離酸形態の、およびここに定義し、例示する2−メチルプロパン−2−アミン塩としての式(I)の化合物の結晶形態に関する。
【0012】
ここに定義の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩/溶媒和物、および結晶形態は、次のものの処置に使用できる:
1. 呼吸器:次のものを含む気道の閉塞性疾患:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)および粉塵誘発性喘息、間欠性および永続性両方のおよび全ての重症度の、および気道過敏反応性の他の原因を含む、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に合併する線維症を含む、肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症および分泌状態と関連する慢性咳、および医原性咳の処置を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む、急性ウイルス感染;
【0013】
2. 骨および関節:原発性および、例えば、先天的股関節異形成症に二次性の両方の骨関節症/骨関節症に関連する、またはそれらを含む、関節炎(arthritides);頚部および腰部脊椎炎、および背下部および頚部痛;リウマチ性関節炎およびスチル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎および未分化脊椎関節症(spondarthropathy)を含む、血清反応陰性脊椎関節症;敗血症性関節炎および他の感染関連関節症(arthopathies)および骨障害、例えばポット病およびポンセ病を含む結核;尿酸塩痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患、およびカルシウムアパタイト関連腱、滑液包および滑膜炎症を含む、急性および慢性結晶誘発滑膜炎;ベーチェット病;原発性および二次性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局型強皮症;全身性エリテマトーデス、混合型結合組織疾患、および未分化結合組織疾患;皮膚筋炎および多発性筋炎を含む炎症性ミオパシー;リウマチ性多発筋痛症;どんな関節分布であれ特発性炎症性関節症(arthritides)を含む若年性関節炎および関連症候群、およびリウマチ熱およびその全身合併症;巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発動脈炎、および脈管炎(ウイルス感染、過敏症反応、クリオグロブリン、およびパラプロテインと関連するものを含む);背下部痛;家族性地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、および家族性アイルランド熱(Familial Hibernian Fever)、キクチ病;薬剤誘発性関節痛(arthalgias)、腱炎(tendonititides)、およびミオパシー;
【0014】
3. 傷害[例えば運動傷害]または疾患による筋骨格障害の疼痛および結合組織リモデリング:関節炎(arthitides)(例えばリウマチ性関節炎、骨関節症、痛風または結晶性関節症)、他の関節疾患(例えば、椎間板変性または側頭下顎関節変性)、骨リモデリング疾患(例えば、骨粗鬆症、ページェット病または骨壊死)、多発性軟骨炎、強皮症、混合型結合組織障害、脊椎関節症または歯周疾患(例えば、歯周炎);
【0015】
4. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む薬剤誘発性障害;
【0016】
5. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;自己免疫性;網膜に影響する変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0017】
6. 胃腸管:舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性を含む食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れて作用し得る食物関連アレルギー(例えば、偏頭痛、鼻炎または湿疹);
【0018】
7. 腹部:自己免疫性、アルコール性およびウイルス性を含む肝炎;肝臓の線維症および硬変;胆嚢炎;急性および慢性両方の膵炎;
【0019】
8. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0020】
9. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植後または輸血後の急性および慢性のもの;または慢性移植片対宿主病;
【0021】
10. CNS:CJDおよびnvCJDを含むアルツハイマー病および他の認知症になる障害;アミロイド症;多発性硬化症および他の脱髄症候群;脳アテローム性動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節および骨痛、癌および腫瘍侵襲に起因する疼痛、糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連ニューロパシーを含む神経障害性疼痛症候群を含む急性および慢性疼痛(中枢起源であれ末梢起源であれ急性、間欠性または永続性のもの);神経サルコイドーシス;悪性、感染性または自己免疫性過程の中枢および末梢神経系合併症;
【0022】
11. 橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群を含む他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0023】
12. 炎症性または免疫学的要素を伴う他の障害;後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群、および新生物随伴症候群を含む;
【0024】
13. 心血管:冠血管および末梢循環に影響するアテローム性動脈硬化症;心膜炎;心筋サルコイドを含む心筋炎、炎症性および自己免疫心筋症;虚血再灌流傷害;感染性(例えば梅毒性)を含む、心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎;脈管炎;深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む、静脈炎および血栓症を含む、近位および末梢静脈の障害;
【0025】
14. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖性系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的癌の処置;転移疾患および腫瘍再発および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;および
【0026】
15. 胃腸管:セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、判定不能大腸炎、過敏性腸障害、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー、例えば、偏頭痛、鼻炎および湿疹;
【0027】
16. PGDまたはその代謝物のレベルに関連する疾患。
【0028】
それ故、本発明は、治療に使用するための、前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を提供する。
好ましくは本発明の化合物は、ケモカイン受容体がCRTh2受容体サブファミリーに属する疾患の処置に使用する。
【0029】
本発明の化合物で処置できる特定の状態は、喘息、鼻炎、COPD、およびPGDまたはその代謝物のレベルが上昇している他の疾患である。本発明の化合物を喘息、鼻炎またはCOPDの処置に使用するのが好ましい。
【0030】
さらなる局面において、本発明は、治療に使用するための医薬の製造における、前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を提供する。
【0031】
さらなる局面において、本発明は、喘息、鼻炎またはCOPDの処置に使用される薬剤(例えば、吸入または経口ステロイド、吸入β2−受容体アゴニストおよび経口ロイコトリエン受容体アンタゴニスト)と組み合わせて治療に使用するための医薬の製造における、前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0032】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物を含む医薬組成物または製剤を、記載した状態の1種以上の処置のために、他の1種または多種の薬剤と同時にまたは連続的に、または組み合わせ製剤として投与する、組み合わせ治療に関する。
【0033】
特に、(限定されないが)リウマチ性関節炎、骨関節症、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、および炎症性腸疾患のような炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物を下記の薬剤と組み合わせてよい。
【0034】
局所用および全身用の何れかを問わず非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤(例えば、ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート類、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン)を含む非ステロイド性抗炎症剤(以後NSAID);選択的COX−2阻害剤(例えば、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブおよびエトリコキシブ);シクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素ドナー(CINOD);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路のいずれで投与するものであれ);メトトレキサート;レフルノミド;ヒドロキシクロロキン;d−ペニシラミン;オーラノフィンまたは他の非経腸または経口金製剤;鎮痛剤;ジアセレイン;関節内治療、例えばヒアルロン酸誘導体;および栄養補助食品、例えばグルコサミン。
【0035】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩とアルファ−、ベータ−、およびガンマ−インターフェロン;インシュリン様増殖因子I型(IGF−1);インターロイキン(IL)1〜17を含むIL、およびインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤、例えばアナキンラ;腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばインフリキシマブ;アダリムマブ、およびCDP−870)および免疫グロブリン分子(例えばエタネルセプト)およびペントキシフィリンのような低分子量薬剤を含むTNF受容体アンタゴニストを含むサイトカインまたはサイトカイン機能のアゴニストまたはアンタゴニスト(SOCS系のモジュレーターのようなサイトカインシグナリング経路に作用する薬剤を含む)の組み合わせに関する。
【0036】
加えて、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、Bリンパ球(例えば、CD20(リツキシマブ)、MRA−aILl6RおよびTリンパ球、CTLA4−Ig、HuMax Il−15)を標的とするモノクローナル抗体の組み合わせに関する。
【0037】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーについて)およびC−X−CファミリーについてCXCR1のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0038】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ドキシサイクリンのような薬剤を含む、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、すなわち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)およびMMP−9およびMMP−12の阻害剤の組み合わせに関する。
【0039】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、例えば;ジロートン;ABT−761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott−79175;Abbott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えばZeneca ZD−2138;化合物B−210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えばL−739,010;2−シアノキノリン化合物、例えばL−746,530;またはインドールまたはキノリン化合物、例えばMK−591、MK−886、およびBAY x 1005の組み合わせに関する。
【0040】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、フェノチアジン−3−1s、例えばL−651,392;アミジノ化合物、例えばCGS−25019c;ベンゾキサルアミン類、例えばオンタゾラスト;ベンゼンカルボキシミドアミド類、例えばBIIL 284/260;およびザフィルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast) (MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195のような化合物から成る群から選択される、ロイコトリエン(LT)B4、LTC4、LTD4、およびLTE4に対する受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
【0041】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;PDE4阻害剤、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、またはPDE5の阻害剤を含む選択的PDEアイソザイム阻害剤の組み合わせに関する。
【0042】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、経口的、局所的または非経腸的に適用する;ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチンの組み合わせに関する。
【0043】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール)または胃保護性ヒスタミン2型受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ヒスタミン4型受容体のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0044】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、アルファ−1/アルファ−2アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経刺激剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、ナファゾリンヒドロクロライド、オキシメタゾリンヒドロクロライド、テトラヒドロゾリンヒドロクロライド、キシロメタゾリンヒドロクロライド、トラマゾリンヒドロクロライドまたはエチルノルエピネフリンヒドロクロライドの組み合わせに関する。
【0045】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストを含む抗コリン作動剤、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピンまたはテレンゼピンの組み合わせに関する。
【0046】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、ベータ−アドレナリン受容体アゴニスト(ベータ受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、またはピルブテロール、またはそのキラルエナンチオマーの組み合わせに関する。
【0047】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、クロモン、例えばクロモグリク酸ナトリウムまたはネドクロミルナトリウムの組み合わせに関する。
【0048】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、グルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロ酸モメタゾンの組み合わせに関する。
【0049】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、核ホルモン受容体、例えばPPARを調節する薬剤の組み合わせに関する。
【0050】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤または抗IgE(例えばオマリズマブ)のようなIg機能を調節するアンタゴニストまたは抗体の組み合わせに関する。
【0051】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、他の全身または局所適用抗炎症剤、例えばサリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオールの組み合わせに関する。
【0052】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、アミノサリチレートおよびスルファピリジン、例えばスルファサラジン、メサラジン、バルサラジド、およびオルサラジン;および免疫調節剤、例えばチオプリン類、およびコルチコステロイド、例えばブデソニドの組み合わせの組み合わせに関する。
【0053】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、抗細菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンまたはエファビレンツの組み合わせの組み合わせに関する。
【0054】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、心血管剤、例えばカルシウムチャネルブロッカー、ベータ−アドレナリン受容体ブロッカー、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニスト;脂質低下剤、例えばスタチンまたはフィブラート;血液細胞形態学のモジュレーター、例えばペントキシフィリン;血栓溶解、または抗凝血剤、例えば血小板凝集阻害剤の組み合わせに関する。
【0055】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、CNS剤、例えば抗鬱剤(例えば、セルトラリン)、抗パーキンソン剤(例えば、デプレニル、L−ドーパ、ロピニロール、プラミペキソール、MAOB阻害剤、例えばセレギリン(selegine)およびラサギリン、comP阻害剤、例えばタスマール、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストまたは神経型一酸化窒素合成酵素の阻害剤)、または抗アルツハイマー剤、例えばドネペジル、リバスチグミン、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリホナートの組み合わせに関する。
【0056】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、急性または慢性疼痛の処置のための薬剤、例えば、中枢性または末梢性に作用する鎮痛剤(例えばオピオイドまたはその誘導体)、カルバマゼピン、フェニトイン、バロプロ酸ナトリウム、アミトリプチリン(amitryptiline)または他の抗鬱剤、パラセタモール、または非ステロイド性抗炎症剤の組み合わせに関する。
【0057】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、非経腸または局所適用(吸入を含む)局所麻酔剤、例えばリグノカインまたはその誘導体の組み合わせに関する。
【0058】
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩はまた、ホルモン剤を含む抗骨粗鬆症、例えばラロキシフェン、またはビホスホネート類、例えばアレンドロネートと組み合わせても使用できる。
【0059】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と:(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)キナーゼ阻害剤、例えばチロシンキナーゼ(例えば、Btk、Itk、Jak3またはMAP、例えばゲフィチニブまたはイマチニブメシレート)、セリン/スレオニンキナーゼ(例えば、MAPキナーゼ、例えばp38、JNK、タンパク質キナーゼA、BまたはC、またはIKKの阻害剤)、または細胞サイクル制御に関与するキナーゼ(例えば、サイクリン依存性キナーゼ)の阻害剤;(viii)グルコース−6ホスフェートデヒドロゲナーゼ阻害剤;(ix)キニン−B.sub1.−またはB.sub2.−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風剤、例えばコルヒチン;(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノール;(xii)尿酸排泄促進剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンまたはベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進物質;(xiv)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(xv)血小板由来増殖因子(PDGF);(xvi)線維芽細胞増殖因子、例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)タキキニンNK.sub1.またはNK.sub3.受容体アンタゴニスト、例えばNKP−608C、SB−233412(タルネタント)またはD−4418;(xx)エラスターゼ阻害剤、例えばUT−77またはZD−0892;(xxi)TNF−アルファ変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤;(xxiii)P38の阻害剤;(xxiv)トール様受容体(TLR)の機能を調節する薬剤、(xxv)プリン作動性受容体の活性を調節する薬剤、例えばP2X7;または(xxvi)転写因子活性化の阻害剤、例えばNFkB、API、またはSTATSの組み合わせに関する。
【0060】
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩はまた癌の処置に既存の治療剤と組み合わせても使用でき、例えば適当な薬剤は次のものを含む:
(i)内科的腫瘍学において使用される、抗増殖性/抗新生物剤またはその組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンまたはニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシルまたはテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンまたはパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンまたはミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンまたはビノレルビン、またはタキソイド、例えばタキソールまたはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカンまたはカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンまたはヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドまたは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンまたはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールまたはエキセメスタン)または5α−レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii)癌細胞侵襲を阻害する薬剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤またはウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば:増殖因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツマブ、または抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ)または6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、または肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;
【0061】
(v)抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856またはWO98/13354に開示の化合物)、または他の機構により作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能またはアンジオスタチンの阻害剤);
(vi)血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4、またはWO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434またはWO02/08213に開示の化合物;
(vii)アンチセンス治療に使用する薬剤、例えば上記の標的の一つに指向するもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(viii)遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するためのアプローチ、GDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するものおよび化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を高めるもの、例えば多剤耐性遺伝子治療;または
(ix)免疫治療アプローチに使用する薬剤、例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのエキソビボおよびインビボアプローチ、例えばサイトカイン類、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用するアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用するアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチ。
【0062】
なおさらなる局面において、本発明は、CRTh2受容体活性の調節が有益であるヒト疾患または状態の処置用医薬の製造における、前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0063】
本明細書の文脈において、用語“治療”はまた反する具体的指示がない限り、“予防”も含む。用語“治療する”および“治療的”もこれに従い解釈すべきである。
【0064】
本発明は、なおさらに、PGD2またはその代謝物が仲介する疾患(ここで、プロスタノイドがその受容体(特にCRTh2)受容体に結合する)の処置方法であって、患者に治療的有効量の前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグを投与することを含む、方法を提供する。
【0065】
本発明はまた、炎症性疾患、特に乾癬を、該疾患を有するまたはリスクのある患者において処置する方法であって、該患者に治療的有効量の前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を投与することを含む、方法を提供する。
【0066】
上記の治療的使用のために、投与する投与量は、もちろん、用いる化合物、投与方式、望む処置および適応する障害により変化する。
【0067】
式(I)の化合物、そのプロドラッグおよび薬学的に許容される塩および溶媒和物はそれ自体で使用してよいが、一般に、式(I)の化合物/塩/溶媒和物(活性成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と一体となった医薬組成物の形で投与する。投与方式によって、本医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、さらに好ましくは0.10〜70%w、なおさらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0068】
本発明はまた、前記で定義の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物に関する。
【0069】
本医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカンエアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で局所的に(例えば肺および/または気道または皮膚に);または全身に、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤または顆粒剤の形で経口投与により、または溶液または懸濁液の形で非経腸投与により、または皮下投与によりまたは坐薬の形で直腸投与によりまたは経皮的に投与し得る。好ましくは本発明の化合物は経口投与する。
【0070】
ここで、本発明を次の非限定的実施例により説明し、その中で、特記しない限り、次のものが当てはまる:
(i)実施例および方法の表題および副題化合物は、Advanced Chemical Development Inc, CanadaのACD labs/name program (version 8.0)を使用して命名した;
(ii)特記しない限り、逆相分取HPLC(RPHPLC)は、Symmetry、NovaPakまたはEx-Terra逆相シリカカラムを使用して行った;
(iii)フラッシュカラムクロマトグラフィーは、順相シリカクロマトグラフィーを意味する;
(iv)溶媒をMgSOまたはNaSOで乾燥させた;
(v)蒸発を真空での回転蒸発で行い、後処理(work-up)工程を、乾燥剤のような残留固体の濾過による除去後に行った;
(vi)特記しない限り、操作は、10−40℃の範囲である環境温度および不活性ガス、例えばアルゴンまたは窒素の雰囲気下に行った;
(vii)収率は単に説明のためだけに記し、必ずしも得られる最大ではない;
(viii)式(I)の最終生成物の構造は、核(一般的にプロトン)磁気共鳴(NMR)およびマススペクトル法により確認した;ピーク多重度は次の通りである:s、1重;d、2重;t、3重;m、多重;br、ブロード;q、4重、quin、5重。H NMRデータを主要構造決定的プロトンについてデルタ価の形で引用し、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示す;
(ix)中間体を薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、赤外線(IR)またはNMR分析により特徴付けした;
(x)マススペクトル(MS):記載されているとき、一般的に親質量を示すイオンのみを報告する;MM=マルチモード;
(xi)次の略語を使用する:
【表1】

【0071】
実施例1:(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化5】

a) 3−クロロ−5'−フルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−カルボン酸
4−ブロモ−2−クロロ安息香酸(1.1g)および5−フルオロ−2−メトキシフェニルボロン酸(0.94g)をトルエン(20mL)およびエタノール(20mL)に懸濁させた。水性2M 炭酸ナトリウム溶液(16mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.14g)を添加し、反応物を95℃で20時間加熱した。混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した(廃棄)。水性層を水性2M 塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、副題生成物をクリーム色固体として得た(1.25g)。
MS: APCI(-ve)279
【0072】
b) 2,2−ジメチルピロリジン塩酸塩
【化6】

10%Pd/C(0.5g)を含むエタノール(40mL)中の5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド(2g)溶液を、水素雰囲気下(4バール)で一夜撹拌した。混合物を窒素でフラッシュし、セライトを通して濾過し、濾液をジオキサン中4M HCl(5mL)で処理した。溶液を減圧下に濃縮し、トルエンと共沸蒸留して(x2)、副題生成物を灰白色固体として得た(2.10g)。
1H NMR: δ (CDCl3)9.52 (2H, bs), 3.46-3.37 (2H, m), 2.15-2.01 (2H, m), 1.91-1.85 (2H, t), 1.55 (6H, s)。
【0073】
c) 1−[(3−クロロ−5'−フルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル)カルボニル]−2,2−ジメチルピロリジン
【化7】

DCM(20mL)中の工程a)からの生成物(1.25g)を塩化オキサリル(0.44mL)および1滴のDMFで処理した。混合物をrtで1時間撹拌し、減圧下で濃縮して、油状物を得て、それをトルエンと共沸蒸留した。この酸クロライドをDCM(10mL)に溶解し、b)からの生成物(0.60g)、続いてトリエチルアミン(0.4mL)で処理し、反応物をrtで一夜撹拌した。有機層をDCMで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、副題生成物をクリーム色固体として得た(0.6g)。
MS: APCI(+ve)362
【0074】
d) 3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−オール
【化8】

DCM(10mL)中の工程c)からの生成物(0.6g)をDCM中1.0M三臭化ホウ素(5mL)で処理し、反応物をrtで一夜撹拌した。反応物をDCMで希釈し、氷水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、副題生成物を固体として得た(0.5g)。
MS: APCI(-ve)346
1H NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 7.69 (1H, d), 7.59 (1H, dd), 7.34 (1H, d), 7.19 (1H, dd), 7.05 (1H, td), 6.95 (1H, dd), 3.17 (2H, t), 1.87 - 1.71 (4H, m), 1.52 (6H, s)。
【0075】
e) メチル(2R)−2−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロパノエート
【化9】

2−ヒドロキシ−プロパン酸メチルエステル(6.66g)をMeCN(34mL)に溶解し、溶液を5℃に冷却した。トリエチルアミン(9.8mL)、続いてトリメチルアミンヒドロクロライド(0.62g)を添加した。MeCN(34mL)中のp−トルエンスルホニルクロライド(11.6g)の溶液(完全に溶かすために超音波処理)を、反応温度を5℃以下に維持しながら20分間にわたり添加した。反応物をセライトを通して濾過し、さらにMeCNを通して洗浄した。濾液をほとんど乾固するまで濃縮し(浴30℃)、ジエチルエーテルおよび水に分配した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を除去して、副題生成物を黄色油状物として得て、それは冷凍庫中で固化した(13.71g)。
1H NMR: δ (CDCl3)7.82 (2H, d), 7.35 (2H, d), 4.95 (1H, q), 3.67 (3H, s), 2.45 (3H, s), 1.51 (3H, d)。
【0076】
f) メチル(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパノエート
【化10】

工程d)からの中間体(2.83g)をMeCN(30mL)に溶解した。工程e)からの生成物(2.11g)および炭酸カリウム(2.25g)を添加し、混合物を65℃で16時間加熱した。混合物をrtに冷却し、ジエチルエーテルで抽出し(x2)、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物を、溶離剤としてイソヘキサン3:1 酢酸エチルを使用するシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、副題生成物を無色油状物として得た(2.29g)。
MS: APCI(+ve)434
【0077】
g) (2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化11】

工程e)からの生成物を水性2M 水酸化ナトリウム溶液(10mL)およびテトラヒドロフラン(10mL)で処理し、1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した(廃棄)。水性層を2M 塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物を、逆相分取HPLC(溶離剤として0.2%水性TFA中25−95%MeCNの勾配を使用するXterraカラム)で精製して、表題生成物を白色固体として得た(1.70g)。
MS: APCI(-ve)418
1H NMR: δ (D6-DMSO)7.81 (1H, s), 7.66-7.63 (1H, d), 7.42-7.14 (3H, m), 7.01-6.96 (1H, m), 4.93-4.86 (1H, q), 3.19-3.15 (2H, m), 1.86-1.73 (4H, m)1.52 (6H, s), 1.45-1.42 (3H, d)。
【0078】
実施例2:(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩
【化12】

実施例1工程g)からの生成物(1.20g)を酢酸エチルに溶解し、tert−ブチルアミン(1当量)を添加し、揮発物を真空で除去した。得られた固体をMeCN(30mL)から再結晶して、表題生成物を結晶性白色固体として得た(0.51g)。
MS: APCI(-ve)418
1H NMR: δ (D6-DMSO)8.04 (1H, bm), 7.73 (1H, d), 7.32 (1H, d), 7.18 (1H, dd), 7.07 (1H, td), 6.88 (1H, dd), 4.42-4.40 (1H, q), 3.18 (2H, t), 1.84-1.75 (4H, m)1.51 (6H, s), 1.33 (3H, d), 1.19 (9H, s)。
【0079】
実施例3:大規模合成(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩
a) 3−クロロ−5'−フルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−カルボン酸
【化13】

4−ブロモ−2−クロロ安息香酸(205g)および5−フルオロ−2−メトキシフェニルボロン酸(161g)を、10L反応容器中のトルエン(2L)およびエタノール(2L)に溶解した。炭酸ナトリウム(2Lの2M水溶液)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15.39g)を添加した。反応物を75℃で16時間加熱した。反応物を水(2.5L)およびTBME(2L)で希釈し、撹拌した。さらに水(0.5L)を添加し、混合物をさらに5分間撹拌して、固体を完全に溶解させた。水性層を分離し、セライトパッドを通して濾過し、15℃に冷却した。溶液を濃HCl(532mL、最終pH1)の添加により1時間にわたりpH1まで酸性化した。固体を濾取し、氷冷水(400ml)で洗浄して、黄褐色固体を得た。これを、72時間、真空オーブン中、45℃でCaCl上で乾燥させて、副題生成物を得た(237g)。
MS: APCI(-ve)279
1H NMR: δ (D6-DMSO)7.84 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.21 - 7.30 (m, 2H), 7.14 - 7.18 (m, 1H), 3.78 (s, 3H)。
この工程を同等規模で繰り返して、さらに228gを得た(合計465g)。
【0080】
b) 2,2−ジメチルピロリジン
【化14】

2,2−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール1−オキシド(0.31L)をEtOAc(3L)に溶解し、Pd/C(32g)を添加した。反応物を水素雰囲気下(4バール)で16時間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過した。新鮮なPd/C触媒を添加し(32g)、水素化をさらに24時間続けた。混合物をセライトを通して濾過した。新鮮なPd/C触媒を添加し(32g)、水素化をさらに24時間続けた混合物をセライトを通して濾過した。新鮮なPd/C触媒を添加し(32g)、水素化をさらに24時間続けた。混合物をセライトを通して濾過した。新鮮なPd/C触媒を添加し(32g)、水素化をさらに24時間続けた。混合物をセライトを通して濾過した。新鮮なPd/C触媒を添加し(32g)、水素化をさらに24時間続けた。混合物をセライトを通して濾過して、EtOAC中の副題生成物の溶液(3.17L)を得て、それをさらに操作せずに使用した。
NMRによる一部の分析は、本溶液が0.74Mの濃度を有することを示した。GCMSは出発物質の完全な消費を確認した。
GCMS MW 99 (100%)
1H NMR d (CDCL3)2.90 (t, 2H), 1.74 (quintet, 2H), 1.46 (t, 2H), 1.09 (s, 6H)。
【0081】
c) 1−[(3−クロロ−5'−フルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル)カルボニル]−2,2−ジメチルピロリジン
【化15】

塩化チオニル(0.177L)を、トルエン(4L)中の工程a)からの生成物(453g)の懸濁液に添加し、反応物を75℃で16時間加熱した。揮発物を蒸発させ、残渣をトルエン(1L)と共沸蒸留して、ベージュ色固体を得た。これを酢酸エチル(1L)に溶解し、30分間にわたり酢酸エチル(0.5L)および工程b)からの生成物(2.62L)中のトリエチルアミン(0.45L)の混合物に、10℃で滴下した。反応温度は添加により17℃に上昇した。反応物を23℃で1時間撹拌し、次いで水(2L)、1N HCl(2L)、飽和水性NaHCO(2L)、および塩水(2L)で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させて、乾燥後、副題生成物を無色固体として得た(550g)。
MS: APCI(+ve)362/364
【0082】
d) 3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−オール
【化16】

c)からの生成物(550g)を48%臭化水素酸(4.5L)に懸濁し、95℃で12時間加熱し、次いで23℃に冷却し、72時間撹拌した。固体を濾取し、水(4L)で洗浄し、次いで定量になるまで乾燥させて、527gの固体を得た。固体を水(5L)に懸濁し、一夜激しく撹拌した。固体を濾取し、濾液がpH7になるまで水で洗浄した。固体濾過ケーキをイソヘキサンで洗浄し、真空オーブン中、45℃で72時間で乾燥させて、副題生成物を得た(496g)。
MS: APCI(+ve)348
1H NMR δ (D6-DMSO)9.77 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.19 (dd, 1H), 7.05 (td, 1H), 6.95 (dd, 1H), 3.17 (t, 2H), 1.75 - 1.85 (m, 4H), 1.52 (s, 6H)。
【0083】
e) メチル(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパノエート
【化17】

工程d)からの生成物(206.4g)をNMP(1L)に溶解し、カリウムtert−ブトキシド(65.9g)を(6x10gおよび1x5.9g)で少しずつ添加した。温度は添加中に35℃に上がった。反応物をRTで30分間撹拌し、次いで3時間にわたり、NMP(1L)中のメチル(2R)−2−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロパノエート(実施例1e、169g)溶液に、20℃の温度を維持しながら滴下した。反応物を半分に分け、それぞれ個々に水(10L)を添加し、ジエチルエーテルで抽出した(5L)。各水溶液を塩類化し(salinified)(1.5KgのNaCl添加)、ジエチルエーテル抽出物を合わせた。合わせた有機物を乾燥させ(NaSO)、溶媒蒸発により粗生成物を得た(〜300g)。この粗生成物を合成を繰り返して製造したさらなるバッチの粗生成物(〜310g)と合わせ、大規模分取HPLC(Kromasilシリカ10μm 60Å、25cm×150mm、イソヘキサン中20%酢酸エチル、100ml/分。ランタイム20分。280nm)で精製して、表題生成物を得た(307g)
MS: APCI(+ve)434
【0084】
f) (2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸結晶性遊離酸
【化18】

激しく撹拌しているTHF(3L)中の工程e)からの生成物(307g)の溶液に、水(0.6L)中の水酸化リチウム(148g)を添加し、反応物をRTで45分間撹拌した。水性20%塩水溶液(2.5L)を添加し、層を分離した。有機フラクションを真空で濃縮し、残渣を水(6L)に再溶解し、撹拌している混合物を濃HClでpH1に酸性化した。得られた沈殿を濾過し、濾液がpH6になるまで数回水で洗浄した。イソヘキサンを濾過ケーキを通して流して過剰の水を除去し、固体を、真空オーブン中、48時間、40℃で乾燥させて、表題生成物を粗製形で得た(259g)。
MS: APCI(+ve)420
MeCN(1.3L)を添加し、混合物を74.5℃(内部温度)に22分間、透明溶液が得られるまで加熱した。混合物をこの温度で10分間撹拌し、次いで直線的に20℃に1時間にわたり冷却し、次いでさらに1時間、20℃で撹拌した。得られた固体を濾過し、MeCN(250mL)およびイソヘキサン(500mL)で洗浄し、40℃で真空下に72時間乾燥させて、副題生成物を得た(216g)。
MS: APCI(+ve)420
1H NMR δ (D6-DMSO)13.12 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.64 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.18 (td, 1H), 6.99 (dd, 1H), 4.90 (q, 1H), 3.17 (t, 2H), 1.94 - 1.66 (m, 4H), 1.52 (s, 6H), 1.44 (d, 3H)。
【0085】
g) (2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩
【化19】

MeCN(1.5L)中で撹拌している工程f)からの遊離酸生成物(215.4g)の懸濁液に、RTで、MeCN(1L)中のtert−ブチルアミン(0.054L)を一度に添加した。温度が23℃から28℃に上がった。均質溶液が一瞬得られ、その後固体が沈殿した。混合物を1時間撹拌し、次いで実施例2の表題生成物(tert−ブチルアミン塩)のさらなるバッチ(36g)と合わせ、混合物を16時間撹拌した。次いで固体を濾取し、氷冷MeCN(500mL)で洗浄し、定量になるまで40℃で真空下に乾燥させて、表題生成物を得た(280g)。
MS: APCI(+ve)420
1H NMR δ (D6-DMSO)8.17 (s, 2H), 8.06 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.07 (td, 1H), 6.89 (dd, 1H), 4.44 (q, 1H), 3.18 (t, 2H), 1.89 - 1.69 (m, 4H), 1.49 (s, 6H), 1.33 (d, 3H), 1.18 (s, 9H)。
【0086】
実施例4:(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸結晶性遊離酸
【化20】

THF(200mL)中の実施例3工程e)からの生成物(21.4g)の溶液に、水(40mL)中の水酸化リチウム(10.35g)の溶液を激しく撹拌しながら添加した。45分間後、水性20%塩水溶液(160mL)を添加し、層を分離した。有機フラクションを真空で濃縮し、残渣を水(400mL)に再溶解し、撹拌しながら濃HClでpH2に酸性化した。得られた沈殿を濾過し、濾液がpH6になるまで数回の水で洗浄した。イソヘキサンを濾過ケーキを通して流して過剰の水を除去し、固体を、真空オーブンで、40℃で乾燥させて、表題生成物を粗製形で得た(〜20g)。この固体の一部(1g)を、溶解するまでMeCN(5mL)中で加熱還流し、続いてRTに冷却し、16時間撹拌し、得られた固体を回収し、真空で乾燥させて、表題生成物を得た(0.759g)。
MS: APCI(+ve)420
1H NMR δ (D6-DMSO)13.13 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.64 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.23 - 7.13 (m, 1H), 6.99 (dd, 1H), 4.90 (q, 1H), 3.17 (t, 2H), 1.89 - 1.70 (m, 4H), 1.52 (s, 6H), 1.44 (d, 3H)。
【0087】
物理的形態データ
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施例2(2−メチルプロパン−2−アミン塩)の多形AのX線粉末回折パターン
【図2】実施例4(遊離酸)の多形AのX線粉末回折パターン
【図3】実施例4(遊離酸)の多形BのX線粉末回折パターン
【発明を実施するための形態】
【0089】
装置詳細:
XRPDデータを、PANalytical CubiX PRO機またはPhilips X-Pert MPD機のいずれかを使用して集めた。
【0090】
XRPD - PANalytical CubiX PRO
データを、PANalytical CubiX PRO機で、θ−θ配置で、2°〜40° 2θのスキャン範囲にわたり、0.02°増分あたり100秒間暴露で回収した。X線を45kVおよび40mAで操作した銅長高精度焦点チューブにより生じさせた。銅X線の波長は1.5418Åであった。データを0バックグラウンドホルダーに回収し、そこに、〜2mgの化合物を入れた。ホルダーはシリコンの単結晶から成り、それを、非回折平面に沿って切断し、次いで光学的平面仕上げに研磨した。この表面へのX線投射は、Bragg消光により打ち消された。
【0091】
Philips X-Pert MPD
データをPhilips X-Pert MPD機で、θ−θおよびθ−2θ配置で、2°〜40° 2θのスキャン範囲にわたり、0.03°増分あたり100秒間暴露で回収した。X線を45kVおよび40mAで操作した銅長高精度焦点チューブにより生じさせた。銅X線の波長は1.5405Å(Kα1)および1.5444Å(Kα2)であった。データを0バックグラウンドホルダーに回収し、そこに、〜2mgの化合物を入れた。ホルダーはシリコンの単結晶から成り、それを、非回折平面に沿って切断し、次いで光学的平面仕上げに研磨した。この表面へのX線投射は、Bragg消光により打ち消された。
【0092】
DSCサーモグラムを、アルミニウムパンおよび穿孔した蓋を有する、TA Q1000 Differential Scanning Calorimeterを使用して測定した。サンプル重量は0.5〜5mgの範囲で変わった。工程を窒素ガス流下(50ml/分)、1分あたり10℃上昇する一定温度上昇率で25〜300℃の試験温度で行った。
【0093】
GVSプロファイルを、Dynamic Vapour Sorption DVS-1装置で測定した。固体サンプル約1−5mgをガラス容器に入れ、サンプル重量をデュアルサイクルの間測定した(10%RHのステップで40〜90〜0〜90〜0%相対湿度(RH))
【0094】
当業者には、2シータ値が使用する装置および実験の厳密な性質によって僅かに変化し得ることは当然である。本発明は、ここに定義のものと実質的に類似の2シータ値を有する結晶形態を包含する。
【0095】
実施例2の分析:(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩多形A
実施例2多形Aのサンプルを実施例2に記載の方法により得て、XRPD、DSCおよびGVSにより分析した。
DSCで測定した実施例2多形Aの融点は157−165℃の開始と共に起こり、GVSで測定して、0%−80%のRHで0.6%の水取り込みであった。実施例2多形AのXRPD回折パターンを図1に示す。
大規模経路(実施例3g)から製造した多形形態は、XRPDによるとこの実施例2多形Aと同一であった。
10種の溶媒中、室温で7日間行ったスラリー実験は、先に決定された多形Aの結晶を生した。試験した溶媒は:アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよび水であった。
【0096】
実施例4の分析:(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸遊離酸多形A
実施例4多形Aのサンプルを実施例4に記載の方法により得て、XRPD、DSCおよびGVSにより分析した。
DSCで測定した実施例4多形Aの融点は、180℃(±2℃)で起こる一吸熱事象を、GVSで測定して、0%−80%のRHで0.7%の水取り込みと共に示した。実施例4多形AのXRPD回折パターンを図2に示す。
大規模経路(実施例3f)から製造した多形形態は、XRPDによるとこの実施例4多形Aと同一であった。
酢酸エチル、MeCNおよびn−ヘプタン中、RT、および酢酸エチル中、50℃で9日間行ったスラリー実験は、先に決定された多形Aの結晶を生じた。
【0097】
実施例4の製造および分析:(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸遊離酸多形B
実施例4多形Aで、水中、RTおよび水およびMeCN中、50℃で9日間のスラリー実験により、多形Bが生じた。多形BはまたエタノールスラリーのRTでのゆっくりの蒸発に続き形成された。
DSCで測定した実施例4多形Bの融点は、188℃(±2℃)。
【0098】
物理的形態データ
図1は、実施例2、多形AのX線粉末回折パターンである。
図2は、実施例4、多形AのX線粉末回折パターンである。
図3は、実施例4、多形BのX線粉末回折パターンである。
【0099】
薬理学的データ
リガンド結合アッセイ
[H]PGDを、Perkin Elmer Life Sciencesから、100−210Ci/mmolの特異的活性で購入した。全ての他の化学試薬は分析グレードであった。
rhCRTh2/Gα16を発現するHEK細胞を、慣用的に10%ウシ胎児血清(HyClone)、1mg/ml ジェネテシン、2mM L−グルタミンおよび1%非必須アミノ酸を含むDMEM中に維持した。膜製造のために、接着トランスフェクトHEK細胞を、二層組織培養ファクトリーでコンフルエンスまで増殖させた(Fisher, catalogue number TKT-170-070E)。受容体発現の最大レベルを、培養の最後の18時間に500mM 酪酸ナトリウムを添加することにより誘発させた。接着細胞を1回リン酸緩衝化食塩水(PBS、50ml/細胞ファクトリー)で洗浄し、細胞ファクトリー当たり50mlの氷冷膜ホモジネーション緩衝液[20mM HEPES(pH7.4)、0.1mM ジチオスレイトール、1mM EDTA、0.1mM フェニルメチルスルホニルフルオライドおよび100μg/ml バシトラシン]の添加により脱着させた。細胞を220xgで10分間、4℃の遠心分離によりペレット化し、元の容量の半分の新鮮な膜ホモジネーション緩衝液に再懸濁し、全ての時間にわたりチューブを氷上に維持しながら、Polytronモホゲナイザーで2x20秒間バーストした。未破壊細胞を、220xgで10分間、4℃の遠心分離により除去し、膜フラクションを90000xgで30分間、4℃の遠心分離によりペレット化した。最終ペレットを、使用細胞ファクトリーあたり4mlの膜ホモジネーション緩衝液に再懸濁し、タンパク質含量を測定した。膜を、適当に分けて−80℃で貯蔵した。
【0100】
全アッセイをCorning透明底、白色96ウェルNBSプレート(Fisher)で行った。アッセイ前に、CRTh2を含むHEK細胞膜をSPA PVT WGAビーズ(Amersham)にコートした。コーティングのために、膜をビーズと典型的に25μg膜タンパク質/mgビーズで、4℃で、一夜一定に撹拌しながらインキュベートした。(最適なコーティング濃度を膜の各バッチについて決定した)ビーズを遠心分離(800xgで7分間、4℃)によりペレット化し、1回アッセイ緩衝液(5mM 塩化マグネシウム含有50mM HEPES pH7.4)で洗浄し、最後にアッセイ緩衝液に10mg/mlのビーズ濃度で懸濁させた。
各アッセイは、20μlの6.25nM[H]PGD、アッセイ緩衝液および10μlの化合物溶液の両方中の20μl膜飽和SPAビーズまたは13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PGD、非特異的結合測定用、Cayman chemical company)を含んだ。
【0101】
化合物およびDK−PGDをDMSOに溶解し、同じ溶媒で必要な最終濃度の100倍に希釈した。アッセイ緩衝液を添加して、10%DMSOの最終濃度を得て(ここで、化合物は必要最終濃度の10倍である)、これがアッセイプレートに添加する溶液である。アッセイプレートをRTで2時間インキュベートし、Wallac Microbeta液体シンチレーションカウンターで計数した(1分/ウェル)。
式(I)の化合物は8.4のpIC50を有した。
【0102】
ヒト肝細胞を使用する代謝性内因性クリアランス(CLint)の測定
化合物ストックをジメチルスルホキシド中、100倍インキュベーション濃度(100μM)で調製した。この100μMストックの10μlを、490μlの肝細胞懸濁液緩衝液(血清無し)を含むバイアルに入れた。ヒト肝細胞を200万生存細胞/mlの濃度で含むバイアルを、5分間、振盪しながら(80振盪/分)、水浴中、37℃で、薬剤/緩衝液混合物を含むバイアルと共にプレインキュベートした。500μlの肝細胞懸濁液を500μlの薬剤/緩衝液混合物(1%v/v ジメチルスルホキシドで1μMの最終基質濃度となる)に添加することにより反応を開始させた。一定量(40μl)を5、15、30、45、60、75、90および120分に採り、80μlの氷冷メタノールでクエンチした。その後サンプルを1時間、−20℃で凍結させ、次いで2000gで20分間、4℃で遠心分離した。上清を除去し、MS/MSにより分析して、ClintをMS/MS応答対時間プロットの自然対数の傾斜から概算した。ヒトにおける肝細胞充実性(hepatocellularity)および肝臓重量を説明する生理学的倍率を使用して(Ito and Houston, 2004)、肝臓血液クリアランス(Clh)をRiley et al., 2005に概説の方法を使用して予測した。このアッセイで<2μl/分/e細胞の内因性クリアランスを示す典型的酸薬剤は、1日1回間隔に一致する確固たる半減期を示す。実施例1:Clint=<1μl/分/e(n=3)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸および(2R)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸の混合物としての、式(I):
【化1】

の化合物、またはその溶媒和物またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物。
【請求項2】
(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸が少なくとも95%存在する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸および(2R)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸が2−メチルプロパン−2−アミン塩の形である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式(I):
【化2】

の化合物またはその溶媒和物またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物。
【請求項5】
請求項4に記載の式(I)の化合物のアミン塩。
【請求項6】
(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩:
【化3】

である、請求項5に記載の塩。
【請求項7】
CuKα放射線を使用して測定して、次の2シータ値の少なくとも1個のピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる化合物(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩の結晶形態:14.6、17.4および21.1。
【請求項8】
実質的に図1に示すX線粉末回折パターンにより特徴付けられる化合物(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸2−メチルプロパン−2−アミン塩の結晶形態。
【請求項9】
CuKα放射線を使用して測定して、次の2シータ値の少なくとも1個のピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる化合物(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸の結晶形態:15.0、19.2および21.4。
【請求項10】
実質的に図2に示すX線粉末回折パターンにより特徴付けられる化合物(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸の結晶形態。
【請求項11】
CuKα放射線を使用して測定して、次の2シータ値の少なくとも1個のピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる化合物(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸:10.6、13.2および15.1。
【請求項12】
実質的に図3に示すX線粉末回折パターンにより特徴付けられる化合物(2S)−2−({3'−クロロ−4'−[(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸の結晶形態。
【請求項13】
治療に使用するための、請求項1から12のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
プロスタグランジンD2が仲介する疾患の処置方法であって、患者に治療的有効量の請求項1から12のいずれかに記載の式(I)の化合物、または溶媒和物、薬学的に許容される塩または塩の溶媒和物を投与することを含む、方法。
【請求項15】
呼吸器疾患を、該疾患を有するまたはリスクのある患者において処置する方法であって、治療的有効量の請求項1から12のいずれかに記載の式(I)の化合物、または溶媒和物、薬学的に許容される塩または塩の溶媒和物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
疾患が喘息、鼻炎またはCOPDである、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
呼吸器障害の処置に使用するための、請求項1から12のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
喘息、鼻炎またはCOPDの処置に使用するための、請求項1から12のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項19】
式(1a):
【化4】

の化合物。
【請求項20】
式(1c):
【化5】

の化合物。
【請求項21】
式(1d):
【化6】

の化合物。
【請求項22】
式(1f):
【化7】

の化合物。
【請求項23】
式(I)の化合物の製造方法であって:
式(1d):
【化8】

の化合物と式(1e):
【化9】

〔式中、Rはエステル形成基である。〕
の化合物を反応させ、続いて得られた誘導体を脱エステル化しそして、所望により薬学的に許容される塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を形成することを含む、方法。
【請求項24】
請求項1から6のいずれかに記載の式(I)の化合物である第一活性成分および:
− PDE4阻害剤;
− 選択的β2アドレナリン受容体アゴニスト;
− ケモカイン受容体機能のモジュレーター;
− p38キナーゼ機能の阻害剤;
− グルココルチコイド;
− 抗コリン剤および
− 非ステロイド性グルココルチコイド受容体アンタゴニスト
の1個以上から選択される第二活性剤を組み合わせて含む、医薬製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−532340(P2010−532340A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514144(P2010−514144)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050525
【国際公開番号】WO2009/004379
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】