説明

新規有機半導体化合物、その製造方法、及びこれを含む有機半導体組成物、有機半導体薄膜及び素子

本発明は、新規多環芳香族有機半導体化合物、その製造方法、前記化合物を含む有機半導体組成物、有機半導体薄膜、及び電子、光学、または電子光学用素子に関する。本発明による新規有機半導体化合物は、高い決定性及び調節能力を有し、有機半導体素子製造時にドーピング条件の調節が容易であると共に、多様な用途として適用することができ、前記化合物は、低コストで大量生産が可能であり、且つ前記化合物の有機溶媒に対する溶解性が高くて、半導体素子などの製造において液状工程の適用が可能であり、さらに低コストで半導体素子及び太陽電池の大量生産が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族コア(core)を有する新規多環芳香族有機半導体化合物、その製造方法、前記化合物を含む有機半導体組成物、有機半導体薄膜、有機電界効果トランジスター、太陽電池など、電子、光学、または電子光学用デバイス(device)に関する。
【背景技術】
【0002】
容易に曲げることのできるプラスチック基板上に製作可能なフレクサブルディスプレイの具現は、有機半導体の登場により可能になった。単純な共役性高分子物質であるポリアセチレンが半導体特性を表しており、ドーピングすれば金属の電気伝導度を有することができるという研究結果が報告された以降、有機半導体素材に対する研究及び開発は、最近、有機発光素子(Organic Light Emitting Diodes)を中心に活発になされつつあり、有機発光素子が各種ポータブル電子製品に適用され常用化されて来て、このような発光素子の駆動素子までも有機物により製造しようとすることに至り、これにより有機薄膜トランジスター(Organic Thin Film Transistors)に対する技術開発が活発に進行されている。
【0003】
有機薄膜トランジスターの構造と動作原理は、基本的に非晶質や多結晶シリコンを利用したMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistors)と同一である。しかし有機薄膜トランジスターとMOSFETとの最も大きな差異点は、半導体物質としてシリコンではなく有機物半導体を使用するということである。数年前までは活性層(active layer)半導体物質により有機物半導体を利用し、基板はガラス板や電気抵抗が非常に低いシリコンウエハを、電極や絶縁層部分は金属と無機物酸化膜を使用した有機薄膜トランジスターが主に研究されたが、最近は、基板を含め、絶縁層、さらには電極までも高分子物質を使用した有機薄膜トランジスターの研究が活発になされつつあり、これを通じてフレクサブルディスプレイの実用化が早い速度で進行されている。
【0004】
これと共に、有機半導体の開発は、有機太陽電池を開発するのに核心をなす。シリコンを利用したp-n接合太陽電池が太陽電池の主流をなしている一方、シリコン太陽電池の性能と価格競争力の改善が限界に至ってしまった。よって、現在の太陽電池技術の限界性を乗り越える新しい太陽電池の開発が非常に必要になっている。シリコン太陽電池を乗り越える太陽電池としては、様々な可能性のある技術があるが、最も重要な方向はシリコンの太陽電池の経済性を画期的に改善できる有機太陽電池が最も可能性の高い方向の中の一つである。有機太陽電池の開発において一番重要な要素は、光を吸収できる光吸収層の開発及び、この時に発生する正孔と電子を受け継ぐことができるn型半導体とp型半導体層の開発である。p型半導体としては多様な有機高分子が開発されており、多様な選択が可能であるのに対し、n型半導体はまだ確かな技術的優秀性を有するシステムがない。染料感応太陽電池においてTiO2を利用してn型半導体を形成しており、ルテニウム(Ruthenium)有機金属化合物を利用した光感応剤を使っているが、この自体技術的に保護されており、さらに価格的にも安くない。最も究極的には、有機半導体の開発が高効率及び価格競争力を有する有機太陽電池開発に一番核心をなしている。
【0005】
有機半導体を利用した半導体素子及び太陽電池は、従来のSiなどの無機半導体を利用した半導体素子に比べて製造費用の低減を図るのが可能であり、柔軟性(flexibility)を有する半導体素子及び太陽電池としても期待されている。そして、有機半導体組成物として、例えば、ポリチオフェン、ルブレンなど、様々な有機半導体組成物が研究されており、これらの有機半導体組成物によりチャンネル形成領域を形成したトランジスターは、無定形シリコンによりチャンネル形成領域を形成したトランジスターのような程度の移動度を有することもあると報告されている[例えば、APL Vol.80, No.6, 1088-1090(2002)参照]。
【0006】
また、有機TFT、有機電界発光素子(有機EL素子)、太陽電池などに使われている有機半導体組成物の中、p型有機半導体は、正孔移動度が優秀なペンタセンであるが、導電性高分子などの多数の有機半導体組成物が知られている。
【0007】
ところで、これらの有機半導体組成物によってチャンネル形成領域を形成する場合、これらの有機半導体組成物は、有機溶媒に溶け難く、塗布プロセスの適用が困難であるため、真空蒸着法に基づいて膜を形成している。一方、これらの有機半導体組成物に、単なるアルキル鎖やその他の置換基を導入して、有機溶媒に親和性を有するようにすることで、これらの有機半導体組成物を有機溶媒に溶けるようにすることが可能である。実際にポリチオフェンにへキシル基を導入したポリ-3-へキシルチオペン(P3HT)は、クロロホルムやトルエンなどの有機溶媒に溶解し、スピンコーティング法などの塗布プロセスによってチャンネル形成領域を形成した例が報告されている[例えば、APL 69(26) 4108-4110(1996)参照]。
【0008】
一方、縮合多環式化合物であるポリアセン(POLYACENE)化合物は、ポリアセチレンやポリフェニレンなどと同様に、π-電子共役系を有する分子であり、さらに、ポリアセチレンなどに比べて理論的にバンドギャップが小さく、有機半導体組成物として優れた機能が期待されている化合物である。ポリアセン化合物に導入した置換基を、互いの分子や絶縁膜の表面の官能基と結合させる目的に利用することもでき、アセン骨格の距離、位置及び配列の制御やパターニングなどへの利用も可能である。ところで、ポリアセン化合物はベンゼン環が直線状に連結された化合物であり、置換基を有していないポリアセン化合物は、ベンゼン環の数が増加することによって、有機溶媒に溶けにくくなる性質を有している。特に、ベンゼン環が5個連続に縮合されているペンタセン以上のポリアセン化合物においては、大部分の有機溶媒に対して溶解性を失い、スピンコーティング法などにより均一な膜を形成させることは非常に難しく、たとえ可能であるとしても有機溶媒及び温度条件が極めて限定される(例えば、卜リクロロベンゼン、60〜180℃)。
【0009】
また、ベンゼン環の数が増加することによって、安定性が悪化し、ペンタセンは空気中の酸素により酸化されることが広く知られており、ペンタセンは酸化耐性が低い。ポリアセン化合物に置換基を導入した例として、2、3、9、10-テトラメチルペンタセンが報告されている[Wudl and Bao, Adv.Mater.Vol.15, No.3(1090-1093), 2003参照]。しかし、この 2、3、9、10-テトラメチルペンタセンは、少し加熱されたo-ジクロロベンゼンに少し(slightly)溶ける程度であり、実際には真空蒸着法でFETを構成するチャンネル形成領域を形成している。
【0010】
また、特開2004-256532にも、2、3、9、10-テトラメチルペンタセンや2、3-ジメチルペンタセンは、o-ジクロロベンゼンに溶解することが記載されている。しかし、120℃で溶解させており、実際に室温で溶解するという趣旨の記載はない。
【0011】
つまり、ペンタセンなどのポリアセン有機半導体化合物は、その生産費用が高く、〜300℃の減圧下で昇華され、空気中で300℃より高温で分解され、水性及び有機溶媒に対する溶解性が低くて、液状工程の適用が困難になり、気相工程が主に適用されるという短所がある。これにより、かかる問題点を解決することができる新しい有機半導体化合物の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004-256532
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】APL Vol.80, No.6, 1088-1090(2002)
【非特許文献2】APL 69(26) 4108-4110(1996)
【非特許文献3】Wudl and Bao, Adv.Mater.Vol.15, No.3(1090-1093), 2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
よって、本発明の目的は、前記のようなペンタセンのようなポリアセン有機半導体化合物の問題点を改善することができる新規有機半導体化合物を提供することにあり、具体的に、低温(例えば、室温)で有機溶媒に溶解させることができ、高い決定性及び調節能力を有して有機半導体素子製造時にドーピング条件の調節が容易であり、多様な用途として適用が可能であり、低コストで大量生産が可能であり、且つ有機溶媒に対する溶解性が高くて、半導体素子などの製造において液状工程の適用が可能であり、低コストで半導体素子の大量生産が可能である、新規多環芳香族有機半導体化合物及びその製造方法を提供する。また、本発明の目的は、前記新規多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体組成物、有機半導体薄膜、及び電子、光学、または電子光学用素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記のような目的を達成するために、本発明の一側面は、下記の化学式1にて示す、多環芳香族有機半導体化合物を提供する。
【0016】
[化学式1]
【0017】
【化1】


【0018】
前記の式中、
前記中心環Aは、置換可能な5-員不飽和環または5-員芳香族環、置換可能な6-員不飽和または芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または前記群から選択される2個以上の環が縮合された多環であり、式中の下記の部分において、
【0019】
【化2】


【0020】
前記(mは、1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された、置換基Yを有することができる1個以上のピロール環を示し、
前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aに結合された1個以上の置換基であって、下記のものからなる置換基群G1から選択される置換基であるか;
(置換基群G1)
水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換または非置換されたC1-C50アルキル基、置換または非置換されたC1-C50アルコキシ基、置換または非置換されたC5-C50サイクロアルキル基、置換または非置換されたC5-C50ヘテロサイクロアルキル基、置換または非置換されたC6-C50アリール基、置換または非置換されたC2-C50ヘテロアリール基、アミン基、カルボキシ基、酸無水物、エステル基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カバモイル基、ヒドラジッド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオル基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、エテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリア基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基及びボリル基;
または、前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された1個以上の環を示し、ここでXは、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記それぞれのXは前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができ;
前記Yは、前記ピロール環に結合された置換基であって、前記置換基群G1から選択される置換基であるか、
または、前記Yは、前記ピロール環に縮合された環であって、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記Yは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0021】
本発明の他の側面は、前記本発明による新規多環芳香族有機半導体化合物を製造する方法を提供する。
【0022】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体組成物を提供する。
【0023】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体薄膜を提供する。
【0024】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む有機電界効果トランジスターを提供する。
【0025】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む有機太陽電池を提供する。
【0026】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む有機発光ダイオードを提供する。
【0027】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含むセンサーを提供する。
【0028】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む、下記のものから選択される電子、光学、または電子光学用素子を提供する。
【0029】
薄膜トランジスター(TFT)、集積回路(IC)構成要素、無線周波数識別(RFID)タグ、電気発光ディスプレイ、平面パネルディスプレイ、バックライト(backlight)、光検出器、論理回路、記憶素子、蓄電器、電荷注入層、ショットキー(Schottky)ダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止膜、伝導体基板またはパターン、光電導体及び電子写真素子。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、低温(例えば、室温)で有機溶媒に溶解させることができ、高い決定性及び調節能力を有し、有機半導体素子の製造時にドーピング条件の調節が容易であり、多様な用途として適用することができ、低コストで大量生産が可能であり、且つ有機溶媒に対する溶解性が高くて半導体素子などの製造において液状工程の適用が可能であり、低コストで半導体素子の大量生産が可能である、新規多環芳香族有機半導体化合物及びその製造方法が提供される。また、本発明により、前記新規多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体組成物、有機半導体薄膜、及び電子、光学、または電子光学用素子が提供される。前記新規多環芳香族有機半導体化合物を含む電子、光学、または電子光学用素子としては、有機電界効果トランジスター(OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽電池、センサー、薄膜トランジスター(TFT)、集積回路(IC)構成要素、無線周波数識別(RFID)タグ、電気発光ディスプレイ、平面パネルディスプレイ、バックライト(backlight)、光検出器、論理回路、記憶素子、蓄電器、太陽(PV)電池、電荷注入層、ショットキー(Schottky)ダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止膜、伝導体基板またはパターン、光電導体または電子写真素子などが挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
前記のような目的を達成するため、本発明の一側面は、下記の化学式1にて示す、多環芳香族有機半導体化合物を提供する。
【0032】
[化学式1]
【0033】
【化3】


【0034】
前記の式中、
前記中心環Aは、置換可能な5-員不飽和環または5-員芳香族環、置換可能な6-員不飽和または芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または前記群から選択される2個以上の環が縮合された多環であり、式中の下記の部分において、
【0035】
【化4】


【0036】
前記(mは、1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された、置換基Yを有することができる1個以上のピロール環を示し、
前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aに結合された1個以上の置換基であって、下記のものからなる置換基群G1から選択される置換基であるか;
(置換基群G1)
水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換または非置換されたC1-C50アルキル基、置換または非置換されたC1-C50アルコキシ基、置換または非置換されたC5-C50サイクロアルキル基、置換または非置換されたC5-C50ヘテロサイクロアルキル基、置換または非置換されたC6-C50アリール基、置換または非置換されたC2-C50ヘテロアリール基、アミン基、カルボキシ基、酸無水物、エステル基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カバモイル基、ヒドラジッド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオル基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、エテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリア基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基及びボリル基;
または、前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された1個以上の環を示し、ここでXは、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記それぞれのXは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができ;
前記Yは、前記ピロール環に結合された置換基であって、前記置換基群G1から選択される置換基であるか、
または、前記Yは、前記ピロール環に縮合された環であって、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記Yは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0037】
本発明の他の側面は、前記本発明による新規多環芳香族有機半導体化合物を製造する方法を提供する。
【0038】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体組成物を提供する。
【0039】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体薄膜を提供する。
【0040】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む有機電界効果トランジスターを提供する。
【0041】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む有機太陽電池を提供する。
【0042】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む有機発光ダイオードを提供する。
【0043】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含むセンサーを提供する。
【0044】
本発明のさらに他の側面は、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物または前記有機半導体薄膜を含む、下記のものから選択される電子、光学、または電子光学用素子を提供する。
【0045】
薄膜トランジスター(TFT)、集積回路(IC)構成要素、無線周波数識別(RFID)タグ、電気発光ディスプレイ、平面パネルディスプレイ、バックライト(backlight)、光検出器、論理回路、記憶素子、蓄電器、電荷注入層、ショットキー(Schottky)ダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止膜、伝導体基板またはパターン、光電導体及び電子写真素子。
【0046】
以下、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲を超えることなく、その形態及び詳細を多様に変更することができるということは、当業者なら容易に理解することができる。よって、本発明は、以下に示す実施例の記載内容に限定されるものではない。
【0047】
本願において、「芳香族環」の用語の意味は、少なくとも1個の芳香族環を含むことを意味し、「芳香族ヘテロ環」の意味は、少なくとも1個の芳香族環と、少なくとも一つのヘテロ環を含むことを意味する。
【0048】
本願において、「ヘテロ元素」の用語は、炭素及び水素元素以外の元素を意味するものであり、例えば、N、O、S及びPからなる群から選択される元素を意味するが、これに限定されるものではない。
【0049】
本発明の一側面は、下記の化学式1にて示す多環芳香族有機半導体化合物を提供する。
【0050】
[化学式1]
【0051】
【化5】


【0052】
前記の化学式1において、
前記の式中、
前記中心環Aは、置換可能な5-員不飽和または芳香族環、置換可能な6-員不飽和または芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環または2個以上の環が縮合された多環であり、式中の下記の部分において、
【0053】
【化6】


【0054】
前記(mは、1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された、置換基Yを有することができる1個以上のピロール環を示し、
前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aにそれぞれ結合されることができる1個以上の置換基であって、下記のものからなる置換基群G1からそれぞれ独立的に選択される置換基であるか;
(置換基群G1)
水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換または非置換されたC1-C50アルキル基、置換または非置換されたC1-C50アルコキシ基、置換または非置換されたC3-C50サイクロアルキル基、置換または非置換されたC2-C50ヘテロサイクロアルキル基、置換または非置換されたC6-C50アリール基、置換または非置換されたC5-C50ヘテロアリール基、アミン基、カルボキシ基、酸無水物、エステル基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カバモイル基、ヒドラジッド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオル基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、エテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリア基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基及びボリル基;
または、前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された1個以上の環を示し、ここで、Xは、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記それぞれのXは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができ;
前記Yは、前記ピロール環に結合された置換基であって、前記置換基群G1から選択される置換基であるか、
または、前記Yは、前記ピロール環に縮合された環であって、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記Yは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0055】
本発明の前記化学式1の化合物は、前記中心環Aの末端に少なくとも1個のピロール環が縮合されたものであって、共役電子系を有する有機半導体化合物である。
【0056】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な5-員不飽和環は、例えば、環上に1個以上の炭素-炭素2重結合または3重結合を含む5-員炭化水素環であって、当業界に公知されたすべての5-員不飽和環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0057】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な5-員芳香族環は、当業界に公知されたすべての5-員芳香族環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0058】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な6-員不飽和環は、例えば、環上に1個以上の炭素-炭素2重結合または3重結合を有する6-員炭化水素環であって、当業界に公知されたすべての6-員不飽和環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0059】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な6-員芳香族環は、例えば、ベンゼン環を有することができ、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0060】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な5-員不飽和ヘテロ環、例えば、N、O、S及びPからなる群から選択される1個以上のヘテロ元素を環元素として含み、環上に1個以上の炭素-炭素2重結合または3重結合を有する5-員炭化水素環であって、当業界に公知されたすべての5-員不飽和ヘテロ環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。
【0061】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な5-員芳香族ヘテロ環は、例えば、N、O、S及びPからなる群から選択される1個以上のヘテロ元素を環元素として含む5-員芳香族ヘテロ環であって、当業界に公知されたすべての5-員芳香族ヘテロ環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。例えば、前記5-員芳香族ヘテロ環は、ピロール環、フリール環、チオペニル環、1H-ホスホール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、ジチアゾール、チアトリアゾール、アザホスホール環、ジアザホスホール環、オキサホスホール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環などであることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、5-員芳香族ヘテロ環はピロール環であることができるが、これに制限されるものではない。
【0062】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な6-員不飽和ヘテロ環は、例えば、N、O、S及びPからなる群から選択される1個以上のヘテロ元素を環元素として含む6-員不飽和ヘテロ環であって、当業界に公知されたすべての6-員不飽和ヘテロ環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。例えば、前記6-員不飽和ヘテロ環は、下記の化学式2にて示す環であることができるが、これに限定されるものではない。
【0063】
[化学式2]
【0064】
【化7】


【0065】
(前記の式において、E及びE'は、CR10、C(R10)2、N、NR10、P、PR10、OまたはSであり、前記E及びE'のうち、少なくとも一つはN、NR10、P、PR10、OまたはSであり、前記R10は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基などの置換基である)。
【0066】
前記中心環Aに対して定義された、置換可能な6-員芳香族ヘテロ環は、例えば、N及びPからなる群から選択される1個以上のヘテロ元素を環元素として含む6-員芳香族ヘテロ環であって、当業界に公知されたすべての6-員不飽和ヘテロ環を含み、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる。例えば、前記6-員芳香族ヘテロ環は、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、ピリミジン、ホスフィニン、ジホスフィニン、アザホスフィニン、アザジホスフィニン、ジアザホスフィニンなどであることができるが、これらに制限されるものではない。
【0067】
前記中心環Aは、前記に例示されたすべての置換可能な5-員不飽和環、置換可能な6-員不飽和または芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または2個以上の環が互いに縮合可能な位置で縮合された多環を含むことができる。このような前記中心環Aの例として、下記のものを例として挙げることができるが、これに制限されるものではない。ベンゼン環、トルエン環、ナフタリン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペンタレン環、インデン環、非フェニレン環、ペナレン環、アズレン環、ヘプタレン環、アセナフチレン環、フルオレン環、テトラセン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、エチル-クリセン環、ピセン環、フェリレン環、ペンタペン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサペン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ヘプタペン環、ヘプタセン環、ピラントレン環、オバレン環、フロランセン環、ベンゾフロランセン環、及びこれらの誘導体からなる群から選択される環;及びピロール環、フリール環、チオペニル環、1H-ホスホール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール、チアトリアゾール、アザホスホール環、ジアザホスホール環、オキサホスホール環、ピュラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、ピリミジン、ホスフィニン、ジホスフィニン、アザホスフィニン、アザジホスフィニン、ジアザホスフィニン、インドル環、アイソインドリル環、ベンゾフラン環、アイソベンゾフラン環、キノリル環、アイソキノリル環、キノキサリンイル環、カバーゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、1,7-フェナントロリン環、1,8-フェナントロリン環、1,10-フェナントロリン環、2,9-フェナントロリン環、2,8-フェナントロリン環、2,7-フェナントロリン環、1-フェナジン環、2-フェナジン環、1-フェノサイアジン環、2-フェノサイアジン環、3-フェノサイアジン環、4-フェノサイアジン環、10-フェノサイアジン環、1-フェノキサジン環、2-フェノキサジン環、3-フェノキサジン環、4-フェノキサジン環、10-フェノキサジン環、2-オキサゾリル環、4-オキサゾリル環、5-オキサゾリル環、2-オキサダイアゾリル環、5-オキサダイアゾリル環、3-フラザン環、2-チエニル環、3-チエニル環及びこれらの誘導体からなる群から選択される環;及び下記環または下記環から選択される2個以上が縮合された環及び下記1個以上の環と前記定義した1個以上の環とが縮合された環:
【0068】
[化学式3]
【0069】
【化8】



【0070】
(前記の式において、E及びE'は、CR10、C(R10)2、N、NR10、P、PR10、OまたはSであり、前記E及びE'のうち、少なくとも一つはN、NR10、P、PR10、Oまたは Sであり、前記R10は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基などの置換基である)。
【0071】
前記「誘導体」との用語は、前記並べた環の水素が、前述のような置換基にて置換されたもの、またはヘテロ環の場合、ヘテロ元素の位置が異なっているものを指す。
【0072】
本願に記載の「アルキル基」との用語、または前記置換基群G1において、前記「置換または非置換されたC1-C50アルキル基」に対して、その例として、メチル基、エチル基、プロピル基、アイソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、アイソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-へキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、ハイドロキシメチル基、1-ハイドロキシエチル基、2-ハイドロキシエチル基、2-ハイドロキシアイソブチル基、1, 2-ダイハイドロキシエチル基、1, 3-ダイハイドロキシアイソプロピル基、2,3-ダイハイドロキシ-t-ブチル基、1, 2,3-トリハイドロキシプロピル基、クロロメチル基、1-クロロエチル基、2-クロロエチル基、2-クロロアイソブチル基、1, 2-ダイクロロエチル基、1, 3-ダイクロロアイソプロピル基、2,3-ダイクルロ-t-ブチル基、1, 2,3-トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1-ブロモエチル基、2-ブロモエチル基、2-ブロモアイソブチル基、1, 2-ダイブロモエチル基、1, 3-ダイブロモアイソプロピル基、2,3-ダイブロモ-t-ブチル基、1, 2,3-トリブロモプロピル基、アイオドメチル基、1-アイオドエチル基、2-アイオドエチル基、2-アイオドアイソブチル基、1, 2-ダイアイオドエチル基、1, 3-ダイアイオドアイソプロピル基、2,3-ダイアイオド-t-ブチル基、1, 2,3-トリアイオドプロピル基、アミノメチル基、1-アミノエチル基、2-アミノエチル基、2-アミノアイソブチル基、1, 2-ダイアミノエチル基、1, 3-ダイアミノアイソプロピル基、2,3-ダイアミノ-t-ブチル基、1, 2,3-トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1-シアノエチル基、2-シアノエチル基、2-シアノアイソブチル基、1, 2-ダイシアノエチル基、1, 3-ダイシアノアイソプロピル基、2,3-ダイシアノ-t-ブチル基、1, 2,3-トリシアノプロピル基、ナイトロメチル基、1-ナイトロエチル基、2-ナイトロエチル基、2-ナイトロアイソブチル基、1, 2-ダイナイトロエチル基、1, 3-ダイナイトロアイソプロピル基、2,3-ダイナイト-t-ブチル基、1, 2,3-トリナイトロプロピル基、サイクロプロピル基、サイクロブチル基、サイクロペンチル基、サイクロへキシル基、4-メチルサイクロへキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、1-ノルボニル基及び2-ノルボニル基を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。例えば、置換または非置換されたC1-C10アルキル基であることができるが、これに制限されるものではない。
【0073】
本願に記載の「アルケニル基」または「アルキニル基」の用語について、その例として、炭素-炭素2重結合または3重結合を含む前記アルキル基において例示されたものを挙げることができる。例えば、置換または非置換されたC2-C10アルケニル基またはアルキニル基を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0074】
本願に記載の「アルコキシ基」の用語、または前記置換基群G1において、前記「置換または非置換されたC1-C50アルコキシ基」は-OR'にて表示される基であり、前記R'の例としては、前記アルキル基において例示されたものを挙げることができる。望ましくは、置換または非置換されたC1-C10アルコキシ基であることができるが、これらに制限されるものではない。
【0075】
前記置換基群G1において、前記置換または非置換されたC3-C50サイクロアルキル基は、望ましくは、(C3〜12)シクロアルキルであることができ、具体的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、2, 5-シクロヘキサジエニル、非シクロ[2.2.2]オクチル、アダマント-1-イル、デカヒドロナフチル、オキソシクロへキシル、ジオキソシクロへキシル、チオシクロへキシル、2-オキソ非シクロ[2.2.1]ヘプト-1-イルなどを含むが、これらに制限されるものではない。
【0076】
前記置換基群G1において、前記置換または非置換されたC2-C50ヘテロサイクロアルキル基は、望ましくは、ヘテロ(C3〜12)シクロアルキルは、ピペリジル、4-モルポルリル、4-ピペラジニル、ピロリジニル、パーヒドロピロリジニル、1,4-ジアザパーヒドロエピニル、1, 3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニルなどを含むが、これらに制限されるものではない。
【0077】
前記置換基群G1において、前記置換または非置換されたC6-C50アリール基は、ベンゼン環、トルエン環、ナフタリン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペンタレン環、インデン環、非フェニレン環、ペナレン環、アズレン環、ヘプタレン環、アセナフチレン環、フルオレン環、テトラセン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、エチル-クリセン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタペン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサペン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ヘプタペン環、ヘプタセン環、ピラントレン環、オバレン環、フロランセン環、ベンゾフロランセン環、9-アントリル基、2-アントリル基、9-フェナントリル基、2-フェナントリル基、1-ピレンイル基、クライセンイル基、ナフタセンイル基及びコロニル基及びこれらの誘導体からなる群から選択されることができるが、これらに制限されるものではない。
【0078】
前記置換基群G1において、前記置換または非置換されたC5-C50ヘテロアリール基は、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、ピラジンイル基、2-ピリジンイル基、3-ピリジンイル基、4-ピリジンイル基、1-インドルリル基、2-インドルリル基、3-インドルリル基、4-インドルリル基、5-インドルリル基、6-インドルリル基、7-インドルリル基、1-アイソインドルリル基、2-アイソインドルリル基、3-アイソインドルリル基、4-アイソインドルリル基、5-アイソインドルリル基、6-アイソインドルリル基、7-アイソインドルリル基、2-フリル基、3-フリル基、2-ベンゾフランイル基、3-ベンゾフランイル基、4-ベンゾフランイル基、5-ベンゾフランイル基、6-ベンゾフランイル基、7-ベンゾフランイル基、1-アイソベンゾフランイル基、3-アイソベンゾフランイル基、4-アイソベンゾフランイル基、5-アイソベンゾフランイル基、6-アイソベンゾフランイル基、7-アイソベンゾフランイル基、キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1-アイソキノリル基、3-アイソキノリル基、4-アイソキノリル基、5-アイソキノリル基、6-アイソキノリル基、7-アイソキノリル基、8-アイソキノリル基、2-キノキサリンイル基、5-キノキサリンイル基、6-キノキサリンイル基、1-カーバゾリル基、2-カーバゾリル基、3-カーバゾリル基、4-カーバゾリル基、9-カーバゾリル基、1-フェナントリジンイル基、2-フェナントリジンイル基、3-フェナントリジンイル基、4-フェナントリジンイル基、6-フェナントリジンイル基、7-フェナントリジンイル基、8-フェナントリジンイル基、9-フェナントリジンイル基、10-フェナントリジンイル基、1-アクリジンイル基、2-アクリジンイル基、3-アクリジンイル基、4-アクリジンイル基、9-アクリジンイル基、1,7-フェナントロリン-2-イル基、1,7-フェナントロリン-3-イル基、1,7-フェナントロリン-4-イル基、1,7-フェナントロリン-5-イル基、1,7-フェナントロリン-6-イル基、1,7-フェナントロリン-8-イル基、1,7-フェナントロリン-9-イル基、1,7-フェナントロリン-10-イル基、1,8-フェナントロリン-2-イル基、1,8-フェナントロリン-3-イル基、1,8-フェナントロリン-4-イル基、1,8-フェナントロリン-5-イル基、1,8-フェナントロリン-6-イル基, 1,8-フェナントロリン-7-イル基、1,8-フェナントロリン-9-イル基、1,8-フェナントロリン-10-イル基、1, 9-フェナントロリン-2-イル基、1, 9-フェナントロリン-3-イル基、1, 9-フェナントロリン-4-イル基、1, 9-フェナントロリン-5-イル基、1, 9-フェナントロリン-6-イル基、1, 9-フェナントロリン-7-イル基、1, 9-フェナントロリン-8-イル基、1, 9-フェナントロリン-10-イル基、1,10-フェナントロリン-2-イル基、1,10-フェナントロリン-3-イル基、1,10-フェナントロリン-4-イル基、1,10-フェナントロリン-5-イル基、2,9-フェナントロリン-1-イル基、2,9-フェナントロリン-3-イル基、2,9-フェナントロリン-4-イル基、2,9-フェナントロリン-5-イル基、2,9-フェナントロリン-6-イル基、2,9-フェナントロリン-7-イル基、2,9-フェナントロリン-8-イル基、2,9-フェナントロリン-10-イル基、2,8-フェナントロリン-1-イル基、2,8-フェナントロリン-3-イル基、2,8-フェナントロリン-4-イル基、2,8-フェナントロリン-5-イル基、2,8-フェナントロリン-6-イル基、2,8-フェナントロリン-7-イル基、2,8-フェナントロリン-9-イル基、2,8-フェナントロリン-10-イル基、2,7-フェナントロリン-1-イル基、2,7-フェナントロリン-3-イル基、2,7-フェナントロリン-4-イル基、2,7-フェナントロリン-5-イル基、2,7-フェナントロリン-6-イル基、2,7-フェナントロリン-8-イル基、2,7-フェナントロリン-9-イル基、2,7-フェナントロリン-10-イル基、1-フェナジンイル基、2-フェナジンイル基、1-フェノサイアジンイル基、2-フェノサイアジンイル基、3-フェノサイアジンイル基、4-フェノサイアジンイル基、10-フェノサイアジンイル基、1-フェノキサジンイル基、2-フェノキサジンイル基、3-フェノキサジンイル基、4-フェノキサジンイル基、10-フェノキサジンイル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、2-オキサダイアゾリル基、5-オキサダイアゾリル基、3-フラザンイル基、2-チエニル基、3-チエニル基、2-メチルピロール-1-イル基、2-メチルピロール-3-イル基、2-メチルピロール-4-イル基、2-メチルピロール-5-イル基、3-メチルピロール-1-イル基、3-メチルピロール-2-イル基、3-メチルピロール-4-イル基、3-メチルピロール-5-イル基、2-t-ブチルピロール-4-イル基、3-(2-ペニルプロピル)ピロール-1-イル基、2-メチル-1-インドリル基、4-メチル-1-インドリル基、2-メチル-3-インドリル基、4-メチル-3-インドリル基、2-t-ブチル-1-インドリル基、4-t-ブチル-1-インドリル基、2-t-ブチル-3-インドリル基、及び4-t-ブチル-3-インドリル基を挙げることができる。
【0079】
前記本発明に係る化学式1にて表示される多環芳香族化合物は、ピロール環が1個以上縮合された前記中心環Aを含み、前記化合物に含まれた環部分がπ-共役電子系を含むことで、優秀な決定性、半導体的な性質、熱安定性(thermal stability)、及び光化学安定性(photochemical stability)を有する。ここで、前記本発明による化学式1にて表示される化合物は、有機半導体として有用に使われることができる。
【0080】
前記本発明による一具現例において、本発明の前記化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式4にて表示される化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0081】
[化学式4]
【0082】
【化9】


【0083】
前記の式中、
前記中心環A、X及びYは、前記化学式1に対して定義したものと同一であり、nは0または1以上の整数であり、例えば、0または1〜6の整数;0または1〜4の整数であることができるが、これに制限されるものではない。
【0084】
本発明の具現例において、前記化学式4の化合物において、前記Xが前記中心環Aに縮合された環である場合、それぞれのXは、前記化学式1のXに対して定義された環であることができ、望ましくは、不飽和環、アリール、またはヘテロアリールであることができる。
【0085】
前記化学式4の化合物において、前記中心環Aは、前記化学式に対して定義または例示されたものと同一であり、例えば、前記中心環Aは、前記に例示されたすべての置換可能な5-員不飽和環、置換可能な6-員不飽和または芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または2個以上の環が互いに縮合可能な位置で縮合された多環を含むことができる。このような前記中心環Aの例として、下記の不飽和環、アリール及びヘテロアリール環を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。ベンゼン環、トルエン環、ナフタリン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペンタレン環、インデン環、非フェニレン環、フェナレン環、アズレン環、ヘプタレン環、アセナフチレン環、フルオレン環、テトラセン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、エチル-クリセン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタペン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサペン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ヘプタペン環、ヘプタセン環、ピラントレン環、オバレン環、フロランセン環、ベンゾフロランセン環、及びこれらの誘導体からなる群から選択される環;及びピロール環、フリール環、チオペニル環、1H-ホスホール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール、チアトリアゾール、アザホスホール環、ジアザホスホール環、オキサホスホール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、ピリミジン、ホスフィニン、ジホスフィニン、アザホスフィニン、アザジホスフィニン、ジアザホスフィニン、インドル環、アイソインドルリル環、ベンゾフラン環、アイソベンゾフランイル環、キノリル環、アイソキノリル環、キノキサリンイル環、カバーゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、1,7-フェナントロリン環、1,8-フェナントロリン環、1,10-フェナントロリン環、2,9-フェナントロリン環、2,8-フェナントロリン環、2,7-フェナントロリン環、1-フェナジン環、2-フェナジン環、1-フェノサイアジン環、2-フェノサイアジン環、3-フェノサイアジン環、4-フェノサイアジン環、10-フェノサイアジン環、1-フェノキサジン環、2-フェノキサジン環、3-フェノキサジン環、4-フェノキサジン環、10-フェノキサジン環、2-オキサゾリル環、4-オキサゾリル環、5-オキサゾリル環、2-オキサダイアゾリル環、5-オキサダイアゾリル環、3-フラザン環、2-チエニル環、3-チエニル環、及びこれらの誘導体からなる群から選択される環;及び下記環または下記環から選択される2個以上が縮合された環、及び下記1個以上の環と前記定義した1個以上の環とが縮合された環:
【0086】
[化学式3]
【0087】
【化10】



【0088】
(前記の式において、E及びE'は、CR10、C(R10)2、N、NR10、P、PR10、OまたはSであり、前記E及びE'のうち、少なくとも一つはN、NR10、P、PR10、OまたはSであり、前記R10は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基などの置換基である)。
【0089】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式4にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式5にて表示される化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0090】
[化学式5]
【0091】
【化11】


【0092】
前記の式中、Y及びXは、前記化学式1に対して定義されたものと同一であり、nは、0、1、2、3または4である。
【0093】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式5にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式6にて表示される化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0094】
[化学式6a]
【0095】
【化12】

【0096】
[化学式6b]
【0097】
【化13】


【0098】
[化学式6c]
【0099】
【化14】


【0100】
前記の式中、
前記環Cy1及びCy2は、それぞれ前記ピロール環にそれぞれ縮合された環であって、例えば、前記中心環Aに対して例示した不飽和環、アリール環、またはヘテロアリール環であることができ;
m'は、0または1であり;
R1及びR2は、互いに同一であるか異なり、前記化学式1において定義されたYと同一である。
【0101】
前記環Cy1及びCy2は、例えば、前記中心環Aに対して例示した不飽和環、アリール環またはヘテロアリール環であることができる。
【0102】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式6にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化合物であることができるが、これに制限されるものではない。
【0103】
【化15】

【0104】
【化16】

【0105】
前記R1及びR2は、前記で定義されたものと同一である。
【0106】
本発明の他の具現例において、本発明の前記化学式5に表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式7にて表示される化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0107】
[化学式7a]
【0108】
【化17】

【0109】
[化学式7b]
【0110】
【化18】


【0111】
前記の式中、
前記環Cy1、Cy2及びCy3は、前記ピロール環のそれぞれに縮合された環であって、例えば、前記中心環Aに対して例示されたものと同一なものを含むことができ、R1、R2及びR3は、互いに同一であるか異なり、前記化学式1において定義されたYと同一である。
【0112】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式7にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化合物であることができるが、これに制限されるものではない。
【0113】
【化19】

【0114】
前記R1、R2、及びR3は、前記定義されたものと同一である。
【0115】
本発明の他の具現例において、本発明の前記化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式8の化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0116】
[化学式8]
【0117】
【化20】


【0118】
式中、Y及びXは、前記化学式1に対して定義されたものと同一であり、Y1は、前記化学式1において定義されたYと同一であり、Y及びY1は、互いに同一であるか異なることができ、mは、0または1であり、nは、0、1、2、3または4である。
【0119】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式8にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式9にて表示される化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0120】
[化学式9]
【0121】
【化21】


【0122】
前記の式中、
mは、0または1であり、
前記環Cy1及びCy2、R1及びR2は、前記定義されたものと同一である。
【0123】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式8にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化合物であることができるが、これに制限されるものではない。
【0124】
【化22】

【0125】
前記R1、R2、及びR3は、前記定義されたものと同一である。
【0126】
本発明の他の具現例において、本発明の前記化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式10の化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0127】
[化学式10]
【0128】
【化23】

【0129】
前記の式中、
前記Y、Y1及びXnは、前記定義されたものと同一であり、nは、0、1、2、3、または4である。
【0130】
本発明の他の具現例において、本発明の前記化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式11の化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0131】
[化学式11]
【0132】
【化24】


【0133】
前記の式中、
前記Yは、前記定義されたものと同一であり、X1、X2及びX3は、互いに同一であるか異なり、それぞれ前記Xに対して定義されたものと同一であり、p、qまたはrは、それぞれ独立的に0、1、2、または3である。
【0134】
本発明の他の具現例において、本発明の前記化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式12の化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0135】
[化学式12]
【0136】
【化25】

【0137】
前記の式中、
前記Yは、前記定義されたものと同一であり、X4は、前記Xに対して定義されたものと同一である。
【0138】
本発明の他の具現例において、本発明の前記化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体和合物は、下記の化学式13の化合物であることができるが、これに限定されるものではない。
【0139】
[化学式13]
【0140】
【化26】


【0141】
前記Yは、前記化学式1のYに対して定義されたものと同一であり、X5及びX6は、同一であるか異なり、前記Xに対して定義されたものと同一である。
【0142】
本発明の具現例において、本発明の前記化学式1〜13の化学式にて示すことができる多環芳香族有機半導体化合物を以下に示すが、下記の例示化合物により本発明が限定されるのではない。
【0143】
【化27】

【0144】
【化28】

【0145】
【化29】


【0146】
【化30】

【0147】
前記本発明による化学式1〜13にて表示される本発明による多環芳香族有機半導体化合物は、通常の合成方法を利用して合成されることができ、前記化合物のより詳細な合成経路は、後述する合成例の反応式を参照する。
【0148】
本発明の他の側面において、前記本発明による新規多環芳香族有機半導体化合物を製造する方法を提供する。具体的に、本発明は、実際的な合成方法により、窒素が含有された多環芳香族化合物の効果的な合成方法を提供する。
【0149】
前記のような置換基を有する多環芳香族化合物の効果的な合成のため、様々な方法が提案されている。既に100余年前からFischer indole合成法と言って、関連技術が報告されている(Org.Prep.Proced.Int.1933, 25,609)。ここで、本発明者は、この方法を改善してhydrazineを利用する新しい方法を開発した。下記の両反応式から分かるように、アリールヒドラジド(aryl hydrazide)をケトン化合物と反応させて、インドル(indole)を一つまたは一つ以上を形成させることができた。窒素に、置換基としてBoc(t-butyloxycarbonyl)機能基を置換させる場合、非常に容易に反応が進行されることが分かった。
【0150】
【化31】

【0151】
前記反応は、下記反応式の化合物4のように、ベンゼンの両方にヒドラジン(hydrazine)を形成させて多環構造を形成するが、HClのような酸の存在下で高効率に進行されることを観察することができた。
【0152】
【化32】

【0153】
この時、この効果をさらに増進させるため、下記反応式のように、本発明では、Bocの代りに、最も新しい置換基を窒素に添加したが、カルボベンジルオキシ(Carbobenzyloxy=Cbz)機能基を利用する場合、硫酸触媒下で、メタノール溶媒下で95%以上の転換収率を得ることができた。
【0154】
【化33】

【0155】
一層改善され、カルバゾール(carbazole)を容易に、且つ経済的に合成できる方法を提供するが、下記反応式から分かるように、窒素の位置にCbz機能基を有するヒドラジドにシクロヘキサノンを反応させれば、テトラヒドロN-Cbz(tetrahydro-N-Cbz)を得ることができ、これは2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(2,3-dichloro-5,6-dicyano-1,4-benzoquinone=DDQ)のような酸化剤と反応させることで、N-Cbz-カルバゾールを非常に高い収率で得ることができる。
【0156】
【化34】

【0157】
前記方法は、ピロ[2,3-f]インドル(pyrro[2,3-f]indole)システムを合成できる方法で応用されたが、下記反応式から分かるように、Cu(I)触媒下で1,4-ジアイオードベンゼン(diiodobenzene)をベンジルカルバゼイト(benzyl carbazate)と反応させて、bis-ヒドラジド(bis-hydrazide)を合成した後、これをケトンと反応させてピロ[2,3-f]インドルとピロ[3, 3-e]インドルを高い収率で経済的に合成することができる。
【0158】
【化35】

【0159】
また、本発明者は、アリールヒドラジン(aryl hydrazine)、アリールヒドラジド(aryl hydrazide)、ケトン、アルデヒド、及びアセタールなどとの反応を通じる多環芳香族化合物を合成する新しい方法論を開発したが、これは多様な多環芳香族化合物群を合成できる新しい方法論であって、高純度で大量の化合物を経済的に合成することができる技術を提供する。
【0160】
ここで、本発明の一具現例において、前記本願による化学式1の多環芳香族有機半導体化合物は、下記の化学式1'の化合物と下記の化学式2'とを酸の存在下で反応させることを含む製造方法によって製造されることができる。
【0161】
[化学式1']
【0162】
【化36】

【0163】
前記の式中、A、Xn、mは、前記化学式1に対して定義された通りであり;Bは、-CO-O-R'3にて表示され、R'3は、C1〜C20の炭化水素基であって、酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される一つ以上のヘテロ原子が含むことができるC1〜C20の炭化水素基であり;
【0164】
[化学式2']
R'1-CO-CH2-R'2
【0165】
前記の式中、R'1及びR'2のそれぞれは、水素またはC1〜C20の炭化水素基であって、酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される一つ以上のヘテロ原子が含むことができるC1〜C20の炭化水素基であり、前記R'1とR'2が前記C1〜C20の炭化水素基である場合、互いに結合して3個以上の環元素を有する3-員以上の環を形成することができる。
【0166】
非制限的な例として、前記化学式1'のBにおいて、R'3は、メチル、エチル、プロピル、t-ブチルまたはベンジルであることができるが、これらに制限されるものではない。
【0167】
前記本発明による化学式1にて表示される本発明による多環芳香族有機半導体化合物の熱安定性は、TGA(Thermo Gravimetric Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)を利用した熱分析を通じて化合物のTd(分解温度)及びTm(融点)を測定することで分かる。前記本発明による化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体化合物は、熱安定性が優秀な多環芳香族有機半導体として有用に使われることができる。
【0168】
また、前記本発明による化学式1にて表示される多環芳香族有機半導体化合物のPL(photoluminescence)スペクトラムを評価することで、各化合物の発光特性を評価することができる。例えば、本発明による前記多環芳香族有機半導体化合物の発光特性は、適切な溶媒を使って溶液状態で評価することができ、このような本発明による多環芳香族有機半導体化合物は、可視光線領域ないし赤外線領域で優秀な発光特性を示す。
【0169】
また、前記本発明による化学式1にて表示される本発明による多環芳香族有機半導体化合物の決定性は、ペンタセンに近接している決定性を示している。
【0170】
本発明の他の側面により、前記本発明による前記化学式1にて表示される一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体組成物が提供される。
【0171】
本発明の他の側面により、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体薄膜が提供される。
【0172】
本発明の他の側面により、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含む、電子、光学、または電子光学用素子が提供される。
【0173】
これに関して、本発明の具現例により、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含む、有機電界効果トランジスター(OFET)などの有機半導体素子が提供される。
【0174】
本発明の前記有機電界効果トランジスターなどの有機半導体素子は、ソース/ドレイン電極、ソース/ドレイン電極とソース/ドレイン電極により狭持(interposed or sandwiched)されたチャンネル形成領域、ゲート絶縁層、及びゲート絶縁層を介してチャンネル形成領域と対向して設置されたゲート電極からなることができ、本発明の前記化学式1にて表示される一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機半導体薄膜によりチャンネル形成領域が構成されることができる。
【0175】
ここで、前記本発明による有機電界効果型トランジスターの具体的な構造として、以下の4種の構造を例示することができる。
【0176】
つまり、第1の構造を有する有機電界効果型トランジスターは、いわゆるボトム(bottom)ゲート/ボトムコンタクト型の有機電界効果型トランジスターであり、(A)基板(基体;base)上に形成されたゲート電極、(B)ゲート電極及び基体上に形成されたゲート絶縁層、(C)ゲート絶縁層上に形成されたソース/ドレイン電極、及び(D)ソース/ドレイン電極の間として、ゲート絶縁層上に形成された本発明の有機半導体薄膜からなるチャンネル形成領域を具備している。
【0177】
さらに、第2の構造を有する有機電界効果型トランジスターは、いわゆるボトムゲート/トップ(top)コンタクト型の有機電界効果型トランジスターであり、(A)基体上に形成されたゲート電極、(B)ゲート電極及び基体上に形成されたゲート絶縁層、(C)ゲート絶縁層上に形成された、本発明の有機半導体薄膜からなるチャンネル形成領域、及び(D)有機半導体薄膜上に形成されたソース/ドレイン電極を具備している。
【0178】
さらに、第3の構造を有する有機電界効果型トランジスターは、いわゆるトップゲート/トップコンタクト型の有機電界効果型トランジスターであり、(A)基体上に形成された、本発明の有機半導体薄膜からなるチャンネル形成領域、(B)有機半導体薄膜上に形成されたソース/ドレイン電極、(C)ソース/ドレイン電極及び有機半導体薄膜上に形成されたゲート絶縁層、及び(D)ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極を具備している。
【0179】
また、第4の構造を有する有機電界効果型トランジスターは、いわゆるトップゲート/ボトムコンタクト型の有機電界効果型トランジスターであり、(A)基体上に形成されたソース/ドレイン電極、(B)ソース/ドレイン電極及び基体上に形成された、本発明の有機半導体薄膜からなるチャンネル形成領域、(C)有機半導体薄膜上に形成されたゲート絶縁層、及び(D)ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極を具備している。
【0180】
前記本発明による有機電界効果型トランジスターの具体的な構造及び製造方法などは、当業界における周知のものから当業者が適宜選択することが可能であり、例えば、参照特許文献[大韓民国公開特許10-2006-0125496号]を参照することができ、前記参照特許文献の全文は、本願に参考文献として挿入されているものにする。
【0181】
本発明の具現例により、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含む、下記の有機発光素子が提供され、その製造方法は下記のものを含むことができる。
【0182】
第1の電極の上部に、前記本発明による化学式1にて表示される有機発光化合物を含む有機薄膜を形成する段階;
【0183】
前記有機薄膜を燒成させる段階;及び前記有機薄膜の上部に第2の電極を形成させる段階。
【0184】
前記有機薄膜の形成方法は、蒸着、スピンコーティング、インクジェットプリンティング、及びスプレイプリンティングを含む湿式放射、または熱伝写方法を用いることができる。
【0185】
前記本発明による化学式1の多環芳香族有機半導体化合物は、有機発光素子の有機膜、特に発光層、正孔注入層、または正孔輸送層に使用すれば望ましい。
【0186】
本発明による有機電界発光素子は、溶液塗布法により製造する場合、有機膜の安定性が劣化する従来の有機電界発光素子の場合とは違って、優秀な溶解性と熱安定性を有しながらも、安定した有機膜の形成が可能な有機発光化合物を含み、優秀な駆動電圧、効率、色純度、及び輝度などの向上した発光特性を提供することができる。
【0187】
本発明による有機発光素子の構造は非常に多様である。前記第1の電極と第2の電極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子阻止層、電子輸送層、及び電子注入層からなる群から選択された一つ以上の層をさらに含むことができる。
【0188】
より具体的に、本発明による有機発光素子の具現例は、第1の電極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2の電極からなる構造を有するか、または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2の電極からなる構造を有することができ、または第1の電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/第2の電極の構造を有することができる。この時、前記発光層、正孔注入層及び正孔輸送層のうち、一つ以上は本発明による前記多環芳香族有機半導体化合物を含むことができる。
【0189】
前記本発明による有機発光素子の具体的な構造及び製造方法などは、当業界における周知のものから当業者が適宜選択することができ、例えば、参照特許文献[大韓民国公開特許10-2008-0047209号]を参照することができ、前記参照特許文献の全文は、本願に参考文献として挿入されているものにする。
【0190】
例えば、前記本発明による化学式1の多環芳香族有機半導体化合物を含む有機発光素子は、前記本発明による化学式1の化合物を発光層のドーパントとして使い、次のような構造を有する有機発光素子を製作することができる。ITO/-NPD(500Å)/本発明による化学式1の多環芳香族有機半導体化合物+ADN(500Å)/Alq3(200Å)/LiF(10Å)/Al(2000Å)。アノードは、コーニング(Corning)社の15Ω/cm2(1000Å)ITOガラス基板を50mm x 50mm x 0.7mmの大きさで切り、アセトンイソプロピルアルコールと純水物の中で、各15分間に亘って超音波洗浄した後、30分間に亘ってUVオゾン洗浄して使用する。前記基板の上部にN,N'-ジ(ナフタリン-1-イル)-N,N'-ジペニルベンジディン(-NPD)を真空蒸着して500Åの正孔注入層を形成する。前記正孔注入層の上部に、本発明による化学式1の多環芳香族有機半導体化合物を真空蒸着して、500Å厚さの発光層を形成する。以後、前記発光層の上部に有機錯化合物(例:tri-8-hydroxyquinolinato aluminum,Alq3等)を200Å程度の厚さで真空蒸着して、電子輸送層を形成する。前記電子輸送層の上部にLiF10Å(電子注入層)とAl2000Å(カソード)を順次に真空蒸着して、有機発光素子を製造する。前記製造された有機発光素子に対して、PR650(Spectroscan) Source Measurement Unitを利用して、駆動電圧、輝度、効率をそれぞれ評価する。
【0191】
本発明の具現例において、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含む、有機太陽電池が提供される。
【0192】
前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含む有機太陽電池は、当業界における周知の方法によって製造されることができ、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を伝導性基板に塗布して活性層として使用することができる。
【0193】
本発明の具現例において、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含むセンサーが提供される。前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を、既存の各種半導体センサーで使用されていた既存の有機半導体化合物を取り替えて使用することができ、このようなセンサーの種類、構造及び製造方法は、当業者が適宜選択することができる。
【0194】
本発明の具現例により、前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物またはこれを含む有機半導体薄膜を含む、薄膜トランジスター(TFT)、集積回路(IC)構成要素、無線周波数識別(RFID)タグ、電気発光ディスプレイ、平面パネルディスプレイ、バックライト(backlight)、光検出器、論理回路、記憶素子、蓄電器、太陽(PV)電池、電荷注入層、ショットキー(Schottky)ダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止膜、伝導体基板、またはパターン、光電導体、または電子写真素子が提供される。前記本発明による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を利用して、前記のような各種素子を製造することができ、このような素子の種類、構造、及び製造方法は、当業者が適宜選択することができる。
【0195】
以下において、本発明の実施例を具体的に例示するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0196】
【0197】
実施例1:化合物No.1の合成
【0198】
下記の反応式1の反応経路に従って、本発明による化合物No.1を合成した。
【0199】
[反応式1]
【0200】
【化37】

【0201】
中間体化合物s3の合成:室温で丸いフラスクに化合物s1(2,6-ジブロモナフタリン)360mg(1.26mmol)と化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸tert-ブチルエステル)314mg(1.51mmol)、Cs2CO3 573mg(1.76mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、及び5mol%のPd(OAc)2、5mLの無水トルエンを満たした。前記反応混合物を30分間撹拌し、一晩中還流させた。反応の完了後、収得された反応混合物をカラムクロマトグラフィー(column chromatography)を利用して精製分離し、58%の収率で前記中間体化合物s3を395mg収得した。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.68-7.51(m、6H)、7.10-7.02(m、2H)、6.68-6.65(m、8H)、1.39(s、18H)。
【0202】
化合物No.1の合成:室温で10mLのEtOHに前記収得された中間体s3(ジアリールヒドラザイド)を280mg(0.52mmol)入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を8時間に亘って還流しながら加熱し、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。反応後、収得された溶液をCH2Cl2 50mLを利用して何回も抽出した。前記抽出溶液を組み合わせた混合溶液をMgSO4で乾燥させた後、濃縮させてカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、57%の収率で本発明による目標化合物No.1を90mg得た。1HNMR(400MHz、CDCl3) δ 11.52(bs、2H)、8.21-8.18(m、2H)、7.53-7.38(m、6H)、7.09-7.07(m、2H)。
【0203】
前記反応は、下記の参照文献を参考して行うことができる。
【0204】
1) 化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸 tert-ブチルエステル)の合成:Wolter, M.;Klapars, A.;Buchwald, S.L.Org.Lett..2001, 3, 3803.
【0205】
2) ジアリールヒドラザイドとカルバゾール誘導体との合成のための一般的な手順:Lim, Y.-K.;Choi, S.;Park, K.-B.;Cho, C.-G.J.Org.Chem.2004, 69, 2603。
【0206】
実施例2:化合物No.2の合成
【0207】
下記の反応式2の反応経路に従って、下記の本発明による化合物No.2を合成した。
【0208】
[反応式2]
【0209】
【化38】

【0210】
中間体化合物s7の合成:室温で丸いフラスクに化合物s6(2,6-ジブロモアントラセン)444mg(1.32mmol)と化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸 tert-ブチルエステル)329mg(1.55mmol)、Cs2CO3 602mg(1.85mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、及び5mol%のPd(OAc) 2、5mLの無水トルエンを満たした。前記反応混合物を30分間撹拌し、一晩中還流させた。前記反応の完了後に収得された反応混合物をカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、55%の収率で前記中間体化合物s7を429mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.01-6.78(m、14H)、6.40(bs、2H)、1.38(s、18H)。
【0211】
化合物No.2の合成:室温で10mLのEtOHに、前記で収得した中間体化合物s7(ジアリールヒドラザイド)を320mg(0.54mmol)入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を8時間に亘って還流しながら加熱し、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。前記反応の結果、収得された溶液をCH2Cl2 50mLを利用して何回も抽出した。前記抽出溶液を組み合わせた混合溶液をMgSO4で乾燥させた後に濃縮し、カラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、45%の収率で本発明による目標化合物No.2を87mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.19-8.02(m、4H)、7.91-7.84(m、2H)、7.52-7.43(m、6H)、7.24-7.16(m、2H)。
【0212】
実施例3:化合物No.3の合成
【0213】
下記の反応式3の反応経路に従って、下記の本発明による化合物No.3を合成した。
【0214】
[反応式3]
【0215】
【化39】

【0216】
中間体化合物s11の合成:室温で丸いフラスクに化合物s10(2,7-ジブロモフェナントレン)350mg(1.04mmol)と化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸 tert-ブチルエステル)260mg(1.25mmol)、Cs2CO3 476mg(1.46mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、5mol%のPd(OAc)2、及び5mLの無水トルエンを満たした。前記反応混合物を30分間撹拌し、一晩中還流させた。前記反応の結果、収得された反応混合物をカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、48%の収率で中間体化合物s11を295mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.82-8.80(m、2H)、7.60-7.52(m、6H)、7.12-7.04(m、2H)、6.70-6.63(m、8H)、1.39(s、18H)。
【0217】
前記化合物s10(2,7-ジブロモフェナントレン)の合成に関して、J.W.;Tour, J.M.TetrahedronLett.2004, 45, 2801を参照することができる。
【0218】
化合物No.3の合成:室温で8mLのEtOHに前記収得した中間体化合物s11(ジアリールヒドラザイド)を128mg(0.22mmol)入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を8時間に亘って還流しながら加熱し、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。結果溶液を多様な時間に亘ってCH2Cl2 30mLを持って抽出した。混合溶液をMgSO4で乾燥させた後に凝縮し、カラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、46%の収率で本発明による目標化合物s13を36 mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 11.52(bs、2H)、8.92-8.90(m、2H)、8.21-8.18(m、2H)、7.85-7.55(m、6H)、7.35-7.29(m、4H)。
【0219】
実施例4:化合物No.4の合成
【0220】
下記の反応式4の反応経路に従って、下記の本発明による化合物No.4を合成した。
【0221】
[反応式4]
【0222】
【化40】

【0223】
中間体化合物s15の合成:室温で丸いフラスクに化合物s14(2,7-ジブロモ-9H-カルバゾール)268mg(0.82mmol)と、化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸 tert-ブチルエステル)206mg(0.99mmol)、Cs2CO3 376mg(1.15mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、5mol%のPd(OAc)2、及び5mLの無水トルエンを満たした。前記反応混合物を30分間撹拌し、一晩中還流させた。反応の完了後、に収得された結果、混合物をカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、45%の収率で中間体化合物s15を214mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 11.22(bs、1H)、8.22-8.18(m、2H)、7.56-7.45(m、4H)、7.17(m、2H)、6.78-6.74(m、2H)、6.67-6.63(m、4H)、6.43-6.36(m、4H)、1.38(s、18H)。
【0224】
化合物No.4の合成:室温で10mLのEtOHに化合物s15(ジアリールヒドラザイド)を208mg(0.36mmol)入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を 8時間に亘って還流しながら加熱し、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。その結果、溶液をCH2Cl2 30mLを利用して何回も抽出した。前記抽出後、溶液を互いに組み合わせて収得した混合溶液をMgSO4で乾燥させた後に濃縮し、カラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、51%の収率で本発明による目標化合物No.4を65mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 11.25-11.22(m、3H)、8.18-8.12(m、2H)、7.55-7.42(m、8H)、7.22-7.18(m、2H)。
【0225】
一方、前記化合物s14(2,7-ジブロモ-9H-カルバゾール)の製造は、Freeman, A.W.;Urvoy, M.;Criswell, M.E.J.Org.Chem.2005, 70, 5014.を参考して遂行することができる。
【0226】
実施例5:化合物No.5の合成
【0227】
下記の反応式5の反応経路に従って、本発明による化合物No.5を合成した。
【0228】
[反応式5]
【0229】
【化41】

【0230】
中間体化合物s19の合成:室温で丸いフラスクに化合物s18(2,7-ジブロモピレン) 430mg(1.19mmol)と化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸 tert-ブチルエステル)300mg(1.44mmol)、Cs2CO3 547mg(1.68mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、5mol%のPd(OAc)2、5mLの無水トルエンを満たした。前記反応の完了後、収得された混合物を30分間撹拌して一晩中還流させた。その結果、混合物をカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、46%の収率で前記中間体化合物s19を337mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.72-7.70(m、2H)、7.53-7.48(m、6H)、7.42-7.38(m、4H)、7.30-7.02(m、2H)、6.68-6.64(m、2H)、1.38(s、18H)。
【0231】
化合物No.5の合成:室温で10mLのEtOHに前記収得された中間体化合物s19(ジアリールヒドラザイド)を248mg(0.40mmol)を入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を8時間に亘って還流しながら加熱し、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。その結果溶液をCH2Cl2 40mLを利用して何回も抽出した。前記抽出溶液を組み合わせて収得した混合溶液をMgSO4で乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィーを利用して浄化して52%の収率で本発明による化合物No.5を80mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 11.53(bs、2H)、8.22-8.18(m、2H)、7.90-7.72(m、6H)、7.52-7.22(m、6H)。
【0232】
前記化合物s18(2,7-ジブロモピレン)の製造時、Lee, H.;Harvey, R.G.J.Org.Chem.1986, 51, 2847を参照して遂行することができる。
【0233】
実施例6:化合物No.6の合成
【0234】
下記の反応式6の反応経路に従って、本発明による化合物No.6を合成した。
【0235】
[反応式6]
【0236】
【化42】

【0237】
中間体化合物s23の合成:室温で丸いフラスクに化合物s22(3,8-ジブロモ-1,10-フェナントロリン)322mg(0.95mmol)と化合物s2(N-フェニル-ヒドラジンカルボキシ酸 tert-ブチルエステル)238mg(1.15mmol)、Cs2CO3 436mg(1.34mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、5mol%のPd(OAc)2、5mLの無水トルエンを満たした。前記反応混合物を30分間撹拌して一晩中還流させた。前記反応の完了後、収得された混合物をカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離して、65%の収率で前記中間体化合物s23を366mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.23(s、2H)、7.52-7.38(m、6H)、7.12-7.05(m、4H)、6.67-6.65(m、4H)、1.38(s、18H)。
【0238】
化合物No.6の合成:室温で8mLのEtOHに前記収得された中間体化合物s23(ジアリールヒドラザイド)を218mg(0.37mmol)を入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を8時間に亘って還流しながら加熱して、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。前記反応の結果、収得された溶液をCH2Cl2 30mLを利用して何回も抽出した。前記抽出した溶液を組み合わせた混合溶液をMgSO4で乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、38%の収率で本発明による目標化合物No.6を50mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 11.52(bs、2H)、8.82(s、2H)、8.20-8.18(m、2H)、7.58-7.38(m、6H)、7.22-7.18(m, 2H)。
【0239】
前記化合物s22(3,8-ジブロモ-1,10-フェナントロリン)の製造時、Ciszek, J.W.;Tour, J.M., Tetrahedron Lett.2004, 45, 2801を参照して遂行することができる。
【0240】
実施例7:化学物No.7の合成
【0241】
下記の反応式7の反応経路に従って、本発明による化合物No.7を合成した。
【0242】
[反応式7]
【0243】
【化43】

【0244】
中間体化合物s28の合成:室温で丸いフラスクに化合物s26(2-ブロモ-ナフタリン)439mg(2.12mmol)と化合物s27(ジ-tert-ブチル1,1'-(1,4-フェニレン)bis(ヒドラジンカルボキシ酸塩))344mg(1.01mmol)、Cs2CO3 800mg(2.44mmol)、5mol%のP(t-Bu)3-HBF4、5mol%のPd(OAc)2、15mLの無水トルエンを満たした。前記反応混合物を30分間撹拌して一晩中還流させた。前記反応の結果、混合物をカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、44%の収率で中間体化合物s28を 264mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.92-7.88(m、4H)、7.64-7.35(m、8H)、6.82-6.58(m、6H)、1.39(s、18H)。
【0245】
化合物No.7の合成:室温で8mLのEtOHに前記収得された中間体化合物s28(ジアリールヒドラザイド)を202mg(0.34mmol)を入れた溶液に、conc.HClを何滴か添加した。前記反応混合物を8時間に亘って還流しながら加熱して、室温まで冷やした後、NaHCO3を添加して中和し、水を入れて希釈させた。前記反応の結果、溶液を CH2Cl2 30mLを利用して何回も抽出した。前記抽出溶液を組み合わせた混合溶液を MgSO4で乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィーを利用して精製分離し、42%の収率で本発明による目標化合物No.7を51mg得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 11.52(bs、2H)、8.56-8.52(m、2H)、7.98-7.96(m、2H)、7.72-7.42(m、8H)、7.10-7.08(m、2H)。
【0246】
実施例8
【0247】
下記反応式及び合成結果を示す表1から分かるように、本願による前記多環芳香族有機半導体化合物の1で、Bocの代りに非常に新しい置換基を窒素に添加した。Carbobenzyloxy(Cbz)機能基を利用する場合、硫酸触媒下で、メタノール溶媒下で次の転換収率を得ることができた。
【0248】
【表1】

【0249】
実施例9
【0250】
下記の反応式及び合成結果を示す表2から分かるように、窒素にCbz機能基を有するhydrazideにcyclohexanoneを反応させれば、tetrahydro-N-Cbzを得ることができ、これは2,3-dichloro-5,6-dicyano-1,4-benzoquinone(DDQ)のような酸化剤と反応させることで、N-Cbz-Carbazoleを非常に高い収率で得ることができる。
【0251】
【表2】

【0252】
実施例10
【0253】
下記の反応式及び合成結果を示す表3から分かるように、Cu(I)触媒下で1,4-diiodobenzeneをbenzyl carbazateと反応させてbis-hydrazideを合成した後、これをケトンと反応させてpyrro[2,3-f]indoleとpyrro[3, 3-e]indoleを高い収率で経済的に合成することができる。
【0254】
【表3】

【0255】
実施例11:本発明による有機半導体化合物を利用した太陽電池の製造
【0256】
二酸化チタン(TiO2)粉末1gを水5mL、イソプロピルアルコール5mLに交ぜた後、これにアセチルアセトン70μg、界面活性剤、ポリエチレングリコールを若干量更に添加した。乳鉢で前記混合物を20分間よく粉砕した後、透明伝導性基板上に10μmの厚さで塗布した。前記二酸化チタン薄膜を450℃で30分間焼結した後、常温で冷却した。前記実施例1で合成された有機半導体化合物No.1をクロロホルム溶媒に溶かした後、これをスピンコーター(spin coater)を利用して二酸化チタン薄膜上に塗布した。相手電極としてアルミニウムを前記二酸化チタン薄膜上に塗布された化合物No.1の薄膜上に蒸着し、太陽電池セルを完成した。このように製造された太陽電池をAM 1.5、100mW/cm2の光を照射し、太陽電池の光転換効率を測定した結果、2.51%が得られた。
【0257】
実施例12:本発明による有機半導体化合物を利用した太陽電池の製造
【0258】
poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)を伝導性透明電極上にspin coaterを利用して薄膜形成した後、120℃で20分間焼結させた。前記実施例2において合成された本発明による有機半導体化合物No.2をクロロホルム溶媒に溶かした後、これをspin coaterを利用して二酸化チタン上に塗布した。相手電極として金を前記化合物No.2薄膜上に蒸着して太陽電池セルを完成した。このように作られた太陽電池をAM 1.5、100mW/cm2の光を照射して太陽電池の転換効率を測定した結果、4.02%が得られた。
【0259】
実施例13:本発明による有機半導体化合物を利用した太陽電池の製造
【0260】
酸化亜鉛ナノ粉末1gを水5mL、イソプロピルアルコール5mLに交ぜた後、これにアセチルアセトン70μg、界面活性剤、polyethyleneglycolの若干量を更に添加した。乳鉢でこの混合物を20分間よく下ろした後、透明伝導性基板上に10μmの厚さで塗布した。前記酸化亜鉛薄膜を250℃で30分間焼結した後、常温で冷却した。前記実施例5において合成された有機半導体化合物No.5をクロロホルム溶媒に溶かした後、これをspin coaterを利用して酸化亜鉛上に塗布した。相手電極としてアルミニウムを前記化合物No.5が薄膜上に蒸着して太陽電池セルを完成した。このように作られた太陽電池をAM 1.5、100 mW/cm2の光を照射して太陽電池の転換効率を測定した結果、5.43%が得られた。
【0261】
以上、実施例を挙げて本発明を詳細に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、多様な形態で変形されることができ、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有するによって 様々な変形が可能であることは自明である。
【産業上の利用可能性】
【0262】
本発明による多環芳香族コア(core)を有する新規多環芳香族有機半導体化合物を利用して前記化合物を含む有機半導体組成物、有機半導体薄膜、有機電界効果トランジスター、太陽電池など、電子、光学、または電子光学用デバイス(device)に利用することができ、前記電子、光学、または電子光学用デバイスは、薄膜トランジスター(TFT)、集積回路(IC)構成要素、無線周波数識別(RFID)タッグ、電気発光ディスプレイ、平面パネルディスプレイ、バックライト(backlight)、光検出器、論理回路、記憶素子、蓄電器、電荷注入層、ショットキー(Schottky)ダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止膜、伝導体基板またはパターン、光電導体及び電子写真素子などから選択される素子に応用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1:
[化学式1]
【化1】



前記の式中、
前記中心環Aは、置換可能な5-員不飽和または芳香族環、置換可能な6-員不飽和または芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または前記群から選択される2個以上の環が縮合された多環であり、式中の下記の部分において、
【化2】



前記(mは、1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された、置換基Yを有することができる1個以上のピロール環を示し、
前記Xnにおいて、nは、0または1以上の整数であり、前記Xは、前記中心環Aにそれぞれ結合されることができる置換基であって、下記のものからなる置換基群G1からそれぞれ独立的に選択される置換基であるか;
(置換基群G1)
水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換または非置換されたC1-C50アルキル基、置換または非置換されたC1-C50アルコキシ基、置換または非置換されたC5-C50サイクロアルキル基、置換または非置換されたC5-C50ヘテロサイクロアルキル基、置換または非置換されたC6-C50アリール基、置換または非置換されたC2-C50ヘテロアリール基、アミン基、カルボキシ基、酸無水物、エステル基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カバモイル基、ヒドラジッド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオル基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、エテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリア基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基及びボリル基;または、前記Xn(nは、0または1以上の整数)は、前記中心環Aの末端にそれぞれ縮合された1個以上の環を示し、ここでXは、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記それぞれのXは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができ;
前記Yは、前記ピロール環に結合された置換基であって、前記置換基群G1から選択される置換基であるか、
または、前記Yは、前記ピロール環に縮合された環であって、5-員芳香族環、置換可能な6-員芳香族環、置換可能な5-員不飽和または芳香族ヘテロ環、及び置換可能な6-員不飽和または芳香族ヘテロ環からなる群から選択される1個の環であるか、または2個以上の環が縮合された多環を示し、この場合、前記Yは、前記置換基群G1から選択される1個以上の置換基を有することができる;
にて示される多環芳香族有機半導体化合物。
【請求項2】
前記中心環A、Xn及びYに対して定義した5-員不飽和または芳香族ヘテロ環及び6-員不飽和または芳香族ヘテロ環に含まれたヘテロ元素がN、O、S及びPからなる群から選択される一つ以上の元素である、請求項1に記載の多環芳香族有機半導体化合物。
【請求項3】
下記の化学式1'の化合物と、下記の化学式2'の化合物:
[化学式1']
【化3】



前記の式中、A、Xn、mは、前記請求項1において定義された通りであり;Bは、-CO-O-R'3にて示され、R'3は、C1〜C20の炭化水素基であって、酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される一つ以上のヘテロ原子が含むことができるC1〜C20の炭化水素基であり;
[化学式2']
R'1-CO-CH2-R'2
前記の式中、R'1及びR'2のそれぞれは、水素、または、C1〜C20の炭化水素基であって、酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される一つ以上のヘテロ原子が含むことができるC1〜C20の炭化水素基であり、前記R'1とR'2が前記C1〜C20の炭化水素基である場合、互いに結合して3個以上の環元素を有する3-員以上の環を形成することができる;
を酸の存在下で反応させることを含む、請求項1に記載の多環芳香族有機半導体化合物の製造方法。
【請求項4】
前記化学式1'のBにおいて、R'3は、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、またはベンジルである、請求項3に記載の多環芳香族有機半導体化合物の製造方法。
【請求項5】
溶媒中に溶解または分散された請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む、有機半導体組成物。
【請求項6】
請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物を含む、有機半導体薄膜。
【請求項7】
請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物、または請求項6による有機半導体薄膜を含む、電子、光学、または電子光学用素子。
【請求項8】
請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物、または請求項6による有機半導体薄膜を含む、有機電界効果トランジスター(OFET)。
【請求項9】
請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物、または請求項6による有機半導体薄膜を含む、有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項10】
請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物、または請求項6による有機半導体薄膜を含む、有機太陽電池。
【請求項11】
請求項1または2による一つ以上の多環芳香族有機半導体化合物、または請求項6による有機半導体薄膜を含む、センサー。
【請求項12】
請求項7において、下記のものから選択される電子、光学、または電子光学用素子:
薄膜トランジスター(TFT)、集積回路(IC)構成要素、無線周波数識別(RFID)タグ、電気発光ディスプレイ、平面パネルディスプレイ、バックライト(backlight)、光検出器、論理回路、記憶素子、蓄電器、電荷注入層、ショットキー(Schottky)ダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止膜、伝導体基板、またはパターン、光電導体及び電子写真素子。

【公表番号】特表2012−513459(P2012−513459A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543427(P2011−543427)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007749
【国際公開番号】WO2010/074520
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(511153965)ルミナノ カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】