説明

映像監視システム

【課題】本発明は、異常状態を外部に通知し、当該異常状態を解消するための支援を行うことが可能な映像監視システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による映像監視システムは、映像記録装置10は、外部の異常の有無を検出する異常検出手段14と、電話装置30への音声信号を入力する音声入力手段16と、電話装置30からの音声信号を出力する音声出力手段17と、電話装置30との通話が可能となるように制御を行う制御手段13とを有し、電話装置30は、映像記録装置10からの音声信号を出力する音声出力手段31と、映像記録装置10への音声信号を入力する音声入力手段32とを有し、制御手段13は、異常検出手段14が外部の異常を検出すると、電話装置30に対して自動的に発呼し、音声入力手段17,32および音声出力手段16,31を介した映像記録装置10と電話装置30との間の通話を可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像監視システムに関し、特に、異常状態を外部に通知し、当該異常状態を解消するための支援を行う映像監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、犯罪防止のために、被監視現場にカメラを設置して当該カメラが撮像した映像を遠隔地から監視するシステムや、映像記録装置が備えるハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD、以下、HDDとも称する)等の記録媒体に映像を記録し、記録された映像を再生することによって過去の状況を確認して、事件解決の手掛かりとするようなシステムがある。
【0003】
上記のシステムとしては、例えば、異常が発生した場合に、異常な状態を検出して外部に通知するとともに、映像を高精細・高記録レートで記録するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、異常が発生した場合に、異常発生の旨のメールを遠隔地へ送信する監視システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO06/092854
【特許文献2】特開2002−252715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のシステムは、カメラが設置された被監視現場と、カメラが撮像した映像を監視する監視センターとを備えて実現されているが、このようなシステムでは監視センターに監視者を常駐させるための費用負担が生じるため、システムを運用するために多くの費用を支出することができない小規模店舗等に対し適用して実現することは難しい。
【0007】
また、特許文献2に記載の監視システムでは、監視カメラが撮像した映像をメールで送信することによって異常状態を通知しているため、監視センターに監視者を常駐させるための費用負担は発生せず、安価に監視システムを実現することができる。また、特許文献2に記載の監視システムでは、異常が発生した旨が通知されるのみであり、現在の状態を知るためには被監視現場に滞在する者に対して別途電話をかけて状況を確認する等の手段が必要となる。しかし、例えば店舗で店員が強盗と直面している状況を想定すると、異常発生の通知を受けて店舗に電話をかけても、店員が応答できる状態ではない場合があり得ることが容易に推測できる。
【0008】
このように、従来では、異常が発生した場合に、その旨を外部に通知することに主眼が置かれており、異常状態を解消することを目的とはしていなかった。しかし、上記の異常状態において、例えば店員が外部に対して容易に救助依頼を行えるようにすることが望まれる。また、異常状態発生時には、被監視現場の者(例えば上記の店員)や異常状態の通知を受けた者の両者ともが、冷静に判断・対処することができない状況も想定される。そのような状況を想定して対処する方法を習得するために、模擬訓練等を実施することがあるが、実際に緊迫した状況では想定した対処方法を失念することもあり、対策が求められている。
【0009】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、異常状態を外部に通知し、当該異常状態を解消するための支援を行うことが可能な映像監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明による映像監視システムは、監視映像を記録する映像記録装置と、映像記録装置と通信回線を介して接続された電話装置とを備え、映像記録装置は、外部から監視映像の信号を入力する映像入力手段と、外部の異常の有無を検出する異常検出手段と、電話装置への音声信号を入力する第1の音声入力手段と、電話装置からの音声信号を出力する第1の音声出力手段と、通信回線を介して電話装置と通信を行う通信手段と、電話装置との通話が可能となるように制御を行う制御手段とを有し、電話装置は、映像記録装置からの音声信号を出力する第2の音声出力手段と、映像記録装置への音声信号を入力する第2の音声入力手段とを有し、制御手段は、異常検出手段が外部の異常を検出すると、電話装置に対して自動的に発呼し、第1,第2の音声入力手段および第1,第2の音声出力手段を介した映像記録装置と電話装置との間の通話を可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、映像記録装置は、外部から監視映像の信号を入力する映像入力手段と、外部の異常の有無を検出する異常検出手段と、電話装置への音声信号を入力する第1の音声入力手段と、電話装置からの音声信号を出力する第1の音声出力手段と、通信回線を介して電話装置と通信を行う通信手段と、電話装置との通話が可能となるように制御を行う制御手段とを有し、電話装置は、映像記録装置からの音声信号を出力する第2の音声出力手段と、映像記録装置への音声信号を入力する第2の音声入力手段とを有し、制御手段は、異常検出手段が外部の異常を検出すると、電話装置に対して自動的に発呼し、第1,第2の音声入力手段および第1,第2の音声出力手段を介した映像記録装置と電話装置との間の通話を可能とするため、異常状態を外部に通知し、当該異常状態を解消するための支援を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1による映像監視システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態1による映像監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態2による映像監視システムの構成図である。
【図4】本発明の実施形態2による映像監視システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0014】
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1による映像監視システムの構成図である。図1に示すように、本実施形態1による映像監視システムは、映像(監視映像)を記録する映像記録装置10と、映像記録装置10とインターネット20および公衆電話回線網21を含む通信回線を介して接続された電話装置30とを備えている。
【0015】
映像記録装置10は、外部(被監視現場)から映像(監視映像)の信号を入力するカメラ18(映像入力手段)と、外部の異常の有無を検出する異常検出手段14と、電話装置30への音声信号を入力する音声入力手段17(第1の音声入力手段)と、電話装置30からの音声信号を出力する音声出力手段16(第1の音声出力手段)と、インターネット20および公衆電話回線網21を介して電話装置30と通信を行う通信手段11と、電話装置30との通話が可能となるように制御を行う制御手段13とを備えている。
【0016】
音声出力手段16としては、例えばスピーカーがあり、音声入力手段17としては、例えばマイクがある。音声出力手段16および音声入力手段17は、通信手段11に接続されており、通信手段11を介して外部に通信可能に構成されている。
【0017】
音声入力手段17に入力された音声信号は、ディジタル変換した後に、音声データとして例えばHDDを媒体とした記録手段15に記録することが可能である。また、記録手段15は、カメラ18から入力された映像の信号をディジタル変換した後に記録することも可能である。
【0018】
カメラ18は、異常検出手段14に接続されており、異常検出手段14は、カメラ18から入力された映像の信号に含まれる映像の動きの変化に基づいて外部の異常の有無を検出し、検出結果を制御手段13に出力している。
【0019】
また、映像記録装置10は音声通知手段12を備えており、音声通知手段12は、異常検出手段14が外部の異常を検出すると、予め設定された所定の音声通知メッセージを、通信手段11を介して電話装置30に通知することが可能である。具体的な音声通知メッセージとしては、「強盗が現れました」等のメッセージが通知される。
【0020】
また、映像記録装置10は音声助言手段19を備えており、音声助言手段19は、予め設定された複数の音声助言メッセージを、電話装置30の操作に基づいて音声出力手段16から出力する。具体的な音声助言メッセージとしては、「緊急ボタンを押してください」等のメッセージが出力される。
【0021】
通信手段11は、インターネット20を介して映像表示装置40に接続されている。映像表示装置40において、映像モニタ42は、カメラ18にて撮像された映像を表示することができる。また、音声出力手段41は、音声入力手段17に入力された音声を出力することができる。また、記録手段15に記録された映像信号および音声信号も、映像モニタ42および音声出力手段41にそれぞれ表示・出力することができる。
【0022】
また、通信手段11は、インターネット20を介して公衆電話回線網21に接続されており、電話装置30に対して発呼し通話を可能としている。なお、本実施形態1では、電話装置30として、有線接続される電話機や、無線接続される携帯電話機等の使用が可能である。
【0023】
本実施形態1では、インターネット20を介して通話を可能にするために、インターネット20を利用した音声の双方向通話を可能にするVoIP(Voice over Internet Protocol)技術が適用されている。当該技術を適用すると、通信手段としてインターネット20に接続することができる手段さえ備えれば、電話装置30との通話が実現可能である。このように、本実施形態1では、映像記録装置10に備えられた通信手段11によって、被監視現場の映像を、インターネット20を用いて伝送して遠隔地にて映像監視することができるだけでなく、音声通話をすることもできるため、別途音声通話専用の通信手段や通信回線を備える必要がなく、安価に音声通話を実現することができる。
【0024】
電話装置30は、映像記録装置10からの音声信号を出力する音声出力手段31(第2の音声出力手段)と、映像記録装置10への音声信号を入力する音声入力手段32(第2の音声入力手段)と、操作手段33とを備えており、操作手段33を操作することによって操作信号を映像記録装置10に送信することが可能である。操作手段33としては、具体的にダイヤルボタンを使用し、ダイヤルボタンを押下することによって操作信号を映像記録装置10に送信する。映像記録装置10は、電話装置30から受信した操作信号に基づき、音声助言手段19から音声出力手段16を介して音声助言メッセージを出力する。
【0025】
図2は、本実施形態1による映像監視システムの動作を示すフローチャートである。なお、図2では、例えば、映像記録装置10を小規模店舗に適用し、強盗が店舗内(被監視現場)に出現してカメラ18が強盗を撮像した場合を想定しているものとする。
【0026】
図2に示すように、異常検出手段14は、カメラ18から入力された映像の変化を取得し(ステップS201)、当該映像の変化に基づいて店舗内(外部)の異常の有無を検出する(ステップS202)。検出の結果、店舗内が異常であると判断されると、制御手段13は、予め設定された通報先の電話装置30に対して発呼を行う(ステップS203)。このとき、店舗の管理者が所持する電話装置30の電話番号を通報先として設定しておくと、管理者に店舗の異常状態をいち早く通報することができる。
【0027】
ステップS203にて発呼を受けた電話装置30(例えば、店舗の管理者が所持する電話装置)が応答すると(ステップS204の「Y」)、制御手段13は、映像記録装置10の音声出力手段16および音声入力手段17と、電話装置30の音声出力手段31および音声入力手段32との間の通話が可能となるように制御する(ステップS205)。すなわち、制御手段13は、異常検出手段14が外部の異常を検出すると、電話装置30に対して自動的に発呼し、音声出力手段16,31および音声入力手段17,32を介した映像記録装置10と電話装置30との間の通話を可能とする。ステップS205にて通話が可能になると、音声通知手段12は、音声通知メッセージを電話装置30に対して送信(通知)する(ステップS206)。
【0028】
また、ステップS204にて発呼先の電話装置30から応答がない場合は(ステップS204の「N」)、通報先を変更する(ステップS207)。なお、通報先である電話装置30の電話番号は、予め複数の候補を設定してもよく、制御手段13は、第1の候補から応答がない場合は第2の候補に発呼し、第2の候補から応答がない場合は第3の候補に発呼するなど、応答があるまで複数の候補に対して順次に発呼するようにしてもよい。
【0029】
以上のことから、本実施形態1による映像監視システムでは、例えば、強盗の出現を管理者に即座に通知することができ、また、通知を受けた管理者は音声通知メッセージを聞くことによって被監視現場(例えば、店舗内)の異常状態の概要を認識することができる。また、映像記録装置10は、被監視現場の状態が異常になると自動的に電話装置30に発呼して電話装置30との通話を可能とするため、被監視現場の人物が身動きできない状況(例えば、店舗内の店員が強盗に遭遇している状況)であっても、被監視現場の人物は如何なる操作も必要とせずに電話装置30(電話装置30を所持する管理者)と通話することができ、管理者に指示を仰ぐなどして緊急事態でも適切に対応することができる。また、電話装置30を所持する管理者は、被監視現場の状況の詳細を確認することができる。また、管理者は、電話装置30に備えられた操作手段33を操作することによって、映像記録装置10の音声助言手段19から音声助言メッセージを出力して適切な助言を行うことができ、特に緊迫して両者(例えば、店員と管理者)が動揺している状況で失念しがちなアドバイスも適切に実施することができるため、冷静な対処が求められる状況では特に有効である。このように、本実施形態1によれば、異常状態を外部に通知し、当該異常状態を解消するための支援を行うことが可能となる。
【0030】
なお、本実施形態1では、異常検出手段14が異常を検出した場合に、音声通知手段12から電話装置30に対して特定の音声通知メッセージを送信するよう構成しているが、予め複数の音声通知メッセージを設定してもよい。すなわち、異常検出手段14は検出の結果を複数得ることを可能にし、音声通知手段12は複数の検出の結果の各々に対応する音声通知メッセージを電話装置30に対して通知するようにしてもよい。
【0031】
また、映像記録装置10は、異常検出手段14における検出の結果を電子メールで送信するようにしてもよい。
【0032】
また、電話装置30からの音声を認識する音声認識手段(図示せず)を映像記録装置10に備え、電話装置30を所持する人物(管理者)は、電話装置30の音声入力手段32から音声を入力することによって映像記録装置10を操作するようにしてもよい。
【0033】
また、異常検出手段14による検出の結果を用いて、各種の防犯および事件解決の手掛かりを残すような対策を講じることができる。例えば、記録手段15への映像の記録を節約するために、通常時は低解像度でコマ落としした映像を記録するようにし、異常検出手段14が異常を検出した時のみ高解像度でコマ落とし無しの映像を記録するようにしてもよい。また、被監視現場に、犯人に向けて防犯用塗装ボールを送出する装置を設置している場合は、異常検出手段14が異常を検出すると、防犯用塗装ボールを送出するようにしてもよい。また、異常検出手段14が異常を検出すると、被監視現場である店舗の自動ドアをロックして犯人の逃走を阻止するようにしてもよい。また、被監視現場である店舗の外に防犯ライトなどを設置している場合は、異常検出手段14が異常を検出すると、防犯ライトを点灯させて店舗外に異常事態発生を表示することができる。
【0034】
〈実施形態2〉
図3は、本発明の実施形態2による映像監視システムの構成図である。なお、本実施形態2では、例えば、映像記録装置50を車両に搭載した場合における映像監視システムを想定しているものとする。図3に示すように、本実施形態2では、映像記録装置50に衝撃(外部の変化)を検出する衝撃センサー59を備え、異常検出手段54は衝撃センサー59が衝撃を検出した時に異常を検出することを特徴としている。また、映像記録装置50と電話装置70とは、携帯電話回線網80(通信回線)を介して接続されている。その他の構成は、実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0035】
音声助言手段60は、音声助言メッセージを複数設定されている。具体的な音声助言メッセージとしては、(1)「エンジンを止め、周囲の交通に注意して車から離れてください」、(2)「負傷者の安全を確保してください」、(3)「周囲の状況に注意してドアロックをしないで車から離れてください」を設定する。上記(1),(2),(3)の音声助言メッセージは、例えば、電話装置70の操作手段73として使用されるダイヤルボタンの1番,2番,3番のそれぞれに対応させ、各ダイヤルボタンを押下したときに、当該押下したボタンに対応する音声助言メッセージを映像記録装置50の音声出力手段56から出力するようにしてもよい。
【0036】
通信手段51は、無線通信可能なように携帯電話回線網80(通信回線)に接続されている。従って、車両で移動する場合であっても、当該車両が無線通信可能な範囲に存在しているときには本実施形態2は有効である。また、電話装置70も携帯電話回線網80に接続されており、通信手段51を備える映像記録装置50と、電話装置70とは、携帯電話回線網80を介して接続されている。
【0037】
図4は、本実施形態2による映像監視システムの動作を示すフローチャートである。図4に示すように、衝撃センサー59が衝撃を検出すると(ステップS401)、異常検出手段54は異常を検出し、検出の結果を制御手段53に出力する。制御手段53は、異常検出手段54から異常である旨の結果が入力されると、予め設定された通報先の電話装置70に対して発呼を行う(ステップS402)。
【0038】
ステップS401にて発呼を受けた電話装置70が応答すると(ステップS403の「Y」)、制御手段53は、映像記録装置50の音声出力手段56および音声入力手段57と、電話装置70の音声出力手段71および音声入力手段72との間の通話が可能となるように制御する(ステップS404)。すなわち、制御手段53は、電話装置70から応答を受けると、映像記録装置50と電話装置70との間の通話を可能とする。ステップS404にて通話が可能になると、音声通知手段52は、音声通知メッセージを電話装置70に対して送信(通知)する(ステップS405)。
【0039】
また、ステップS403にて発呼先の電話装置70から応答がない場合は(ステップS403の「N」)、通報先を変更する(ステップS406)。なお、実施形態1と同様に、応答があるまで予め設定された複数の候補に対して順次に発呼するようにしてもよい。
【0040】
映像記録装置50から音声通知メッセージを受けた電話装置70側の人物は、音声通知メッセージや車両の運転手との会話を通じて、映像記録装置50側のある程度の状況を把握し、例えば、火災等の可能性が考えられる場合は、操作手段73であるダイヤルボタンの1番を押下し、「エンジンを止め、周囲の交通に注意して車から離れてください」との音声助言メッセージを、映像記録装置50の音声出力手段56から出力させる。また、例えば、負傷者がいる場合は、ダイヤルボタンの2番を押下し、「負傷者の安全を確保してください」との音声助言メッセージを音声出力手段56から出力させる。また、例えば、地震に遭遇したような場合は、ダイヤルボタンの3番を押下し、「周囲の状況に注意してドアロックをしないで車から離れてください」との音声助言メッセージを音声出力手段56から出力させる。
【0041】
以上のことから、本実施形態2による映像監視システムでは、例えば、車両の運転中に事故が発生した場合に、即座に外部の人物に通知することができる。また、通知を受けた人物は、音声通知メッセージを聞くことによって、車両の運転手がどのような状況に遭遇しているのか概要を認識することができる。また、映像記録装置50は、衝撃センサー59が衝撃を検出すると自動的に電話装置70に発呼して電話装置70との通話を可能とするため、車両の運転手は身動きできない状況(例えば、運転手が事故に遭遇して電話操作等が困難な状況)であっても、如何なる操作も必要とせずに電話装置70(通知を受けた電話装置70を所持する人物)と通話することができ、事故の状況を詳細な説明や、救急車の出動の依頼をすることができる。また、電話装置70を所持する人物は、通話だけでなく、電話装置70に備えられた操作手段73を操作することによって、映像記録装置50の音声助言手段60から音声助言メッセージを出力し、特に緊迫して両者(例えば、車両の運転手と通知を受けた人物)が動揺した状況で失念しがちなアドバイスも適切に実施することができる。このように、本実施形態2によれば、異常状態を外部に通知し、当該異常状態を解消するための支援を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
10 映像記録装置、11 通信手段、12 音声通知手段、13 制御手段、14 異常検出手段、15 記録手段、16 音声出力手段、17 音声入力手段、18 カメラ、19 音声助言手段、20 インターネット、21 公衆電話回線網、30 電話装置、31 音声出力手段、32 音声入力手段、33 操作手段、40 映像表示装置、41 音声出力手段、42 映像モニタ、50 映像記録装置、51 通信手段、52 音声通知手段、53 制御手段、54 異常検出手段、55 記録手段、56 音声出力手段、57 音声入力手段、58 カメラ、59 衝撃センサー、60 音声助言手段、70 電話装置、71 音声出力手段、72 音声入力手段、73 操作手段、80 携帯電話回線網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視映像を記録する映像記録装置と、
前記映像記録装置と通信回線を介して接続された電話装置と、
を備え、
前記映像記録装置は、
外部から前記監視映像の信号を入力する映像入力手段と、
前記外部の異常の有無を検出する異常検出手段と、
前記電話装置への音声信号を入力する第1の音声入力手段と、
前記電話装置からの音声信号を出力する第1の音声出力手段と、
前記通信回線を介して前記電話装置と通信を行う通信手段と、
前記電話装置との通話が可能となるように制御を行う制御手段と、
を有し、
前記電話装置は、
前記映像記録装置からの音声信号を出力する第2の音声出力手段と、
前記映像記録装置への音声信号を入力する第2の音声入力手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記異常検出手段が前記外部の異常を検出すると、前記電話装置に対して自動的に発呼し、前記第1,第2の音声入力手段および前記第1,第2の音声出力手段を介した前記映像記録装置と前記電話装置との間の通話を可能とすることを特徴とする、映像監視システム。
【請求項2】
前記映像記録装置は、前記異常検出手段が前記異常を検出すると、予め設定された所定の音声通知メッセージを前記電話装置に対して通知する音声通知手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の映像監視システム。
【請求項3】
前記異常検出手段は、前記検出の結果を複数得ることが可能であり、
前記音声通知手段は、複数の前記検出の結果の各々に対応する前記音声通知メッセージを前記電話装置に対して通知することを特徴とする、請求項2に記載の映像監視システム。
【請求項4】
前記映像記録装置は、前記電話装置から入力された操作信号に基づいて、予め設定された所定の音声助言メッセージを前記第1の音声出力手段から出力する音声助言手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の映像監視システム。
【請求項5】
前記音声助言手段は、前記音声助言メッセージを複数設定されていることを特徴とする、請求項4に記載の映像監視システム。
【請求項6】
前記異常検出手段は、前記映像入力手段から入力された前記監視映像の信号に含まれる映像の動きの変化に基づいて前記外部の異常の有無を検出することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の映像監視システム。
【請求項7】
前記映像記録装置は、前記外部の変化を検出するセンサーをさらに備え、
前記異常検出手段は、前記センサーが前記変化を検出したときに異常を検出することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の映像監視システム。
【請求項8】
前記通信回線は、公衆電話回線または携帯電話回線を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の映像監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−234377(P2012−234377A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102666(P2011−102666)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】