説明

映像管理装置、映像管理システムおよび映像管理方法

【課題】 予め関係者のデータを登録することなく、撮影画像の人物が関係者であるか否かを判定することができ、関係者のデータ管理が容易になる映像管理装置を提供する。
【解決手段】 映像管理装置3は、監視エリアを撮影した撮影画像に含まれる人物画像から人物の特徴量を算出する特徴量算出部9と、その人物画像の人物の特徴量と過去に算出した人物の特徴量(特徴量DB10に記憶された人物の特徴量)とを照合して、同一人物であるか否かを判定する特徴量照合部11と、同一人物であると判定された照合回数に基づいて、人物画像の人物が関係者であるか否かを判定する関係者判定部15とを備える。関係者であると判定された人物画像は、関係者画像として関係者DB16に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像の人物が関係者であるか否かを判定する機能を備えた映像管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マンションや学校などの特定の人物(関係者)が出入りする施設では、出入り口等に監視カメラを設置しておき、監視カメラで撮影した人物が関係者であるか否かをチェックする監視システムが用いられている。
【0003】
例えば、監視カメラで集合住宅への入館者を撮影し、撮影画像から入館者の顔画像を検出し、この入館者データと予め登録された居住者データに基づいて、この入館者が居住者(関係者)であるか否かを判定するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−120084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムにおいては、撮影画像の人物が関係者であるか否かの判定を行うために、予め関係者のデータ(居住者の顔画像などを含む居住者データ)を登録しておく必要がある。そのため、関係者(居住者)の数が多い場合や関係者の入れ替わりが頻繁な場合には、関係者のデータ管理が容易でないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、予め関係者のデータを登録することなく、撮影画像の人物が関係者であるか否かを判定することができる映像管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の映像管理装置は、監視エリアを撮影した撮影画像に含まれる人物画像に画像処理を施して、前記人物画像の人物の特徴量を算出する特徴量算出手段と、算出した前記人物の特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、前記人物画像の人物の特徴量と、過去に算出して前記特徴量記憶手段に記憶された人物の特徴量とを照合して、同一人物であるか否かを判定する特徴量照合手段と、前記特徴量照合手段により同一人物であると判定された照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定する関係者判定手段と、前記関係者判定手段により関係者であると判定された前記人物画像を、関係者画像として記憶する関係者画像記憶手段と、を備えた構成を有している。
【0007】
この構成により、監視エリアを撮影した画像(撮影画像)に写っている人物の特徴量と、過去に撮影した画像に写っていた人物の特徴量とを照合して、同一人物であると判定された照合回数に基づいて、関係者であるか否かが判定される。例えば、照合回数が所定の閾回数以上であれば、関係者であると判定される。これにより、関係者の画像データを予め登録しておかなくても、関係者であるか否かの判定を行うことができる。そして、関係者であると判定された人物の画像(人物画像)だけを関係者画像として記憶する。これにより、すべての画像データを記憶する場合に比べて、記憶容量の削減を図ることができる。
【0008】
また、本発明の映像管理装置は、前記関係者判定手段により関係者でないと判定された前記人物画像を、非関係者画像として記憶する非関係者画像記憶手段を備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、関係者でないと判定された人物の画像(人物画像)が非関係者画像として記憶される。これにより、不審者の画像検索を行うときには、非関係者画像だけを検索すれば済み、不審者の発見が容易になる。
【0010】
また、本発明の映像管理装置は、前記関係者判定手段により関係者でないと判定された場合に、前記監視エリアに非関係者が侵入したことを報知する報知手段を備えた構成を有している。
【0011】
この構成により、監視エリアを撮影した画像(撮影画像)に写っている人物が関係者でないと判定された場合には、その旨の報知が行われる。これにより、不審者の発見が容易になる。
【0012】
また、本発明の映像管理装置は、前記特徴量の照合を行う過去の期間を指定する期間指定手段を備え、前記特徴量照合手段は、前記人物画像の人物の特徴量と、指定された期間の前記人物の特徴量とを照合する構成を有している。
【0013】
この構成により、特徴量の照合を行う期間を指定することができるので、全期間について特徴量の照合を行う場合に比べて、特徴量の照合の処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0014】
また、本発明の映像管理装置は、前記人物画像の人物について、前記特徴量照合手段により同一人物であると判定された照合回数の統計データを算出する統計処理手段を備え、前記関係者判定手段は、前記統計データを用いて算出した前記照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定する構成を有している。
【0015】
この構成により、統計データを用いて照合回数を算出することができるので、すべての記憶された特徴量との照合を行って照合回数を求める場合に比べて、容易に照合回数を算出することができ、関係者であるか否かの判定の処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0016】
また、本発明の映像管理装置は、前記照合回数を検索条件として、前記関係者画像の検索を行う検索手段を備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、照合回数を検索条件として用いて関係者画像の検索を行うことができる。例えば、検索条件として入力すべき日時が定かでない場合であっても、照合回数を基準にして関係者画像の検索を行うことができる。
【0018】
また、本発明の映像管理装置は、前記監視エリアを撮影した撮影画像を記憶する撮影画像記憶手段を備え、前記関係者判定手段により関係者であると判定された場合には、前記人物画像が含まれている前記撮影画像が前記撮影画像記憶手段から削除される構成を有している。
【0019】
この構成により、関係者であると判定された場合には、その人物が写っている撮影画像が削除される。関係者の画像は、非関係者の画像に比べて、多くの枚数が撮影されるにもかかわらず、不審者の発見の際にはあまり参照されることがなく、その撮影画像を保存しておく必要性は低い。この場合、関係者が写っている撮影画像を削除することにより、すべての撮影画像を記憶する場合に比べて、記憶容量の削減を図ることができる。
【0020】
本発明の映像管理システムは、監視エリアを撮影する撮影装置と、前記撮影手段で撮影された映像を管理する映像管理装置とを備えた映像管理システムであって、前記映像管理装置は、前記撮影画像に含まれる人物画像に画像処理を施して、前記人物画像の人物の特徴量を算出する特徴量算出手段と、算出した前記人物の特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、前記人物画像の人物の特徴量と、過去に算出して前記特徴量記憶手段に記憶された人物の特徴量とを照合して、同一人物であるか否かを判定する特徴量照合手段と、前記特徴量照合手段により同一人物であると判定された照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定する関係者判定手段と、前記関係者判定手段により関係者であると判定された前記人物画像を、関係者画像として記憶する関係者画像記憶手段と、を備えた構成を有している。
【0021】
このシステムによっても、上記と同様に、関係者の画像データを予め登録しておかなくても、関係者であるか否かの判定を行うことができる。また、すべての画像データを記憶する場合に比べて、記憶容量の削減を図ることができる。
【0022】
本発明の映像管理方法は、監視エリアを撮影した撮影画像に含まれる人物画像に画像処理を施して、前記人物画像の人物の特徴量を算出し、前記人物画像の人物の特徴量と、過去に算出した人物の特徴量とを照合して、同一人物であるか否かを判定し、同一人物であると判定された照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定し、関係者であると判定された前記人物画像を、関係者画像として記憶するものである。
【0023】
この方法によっても、上記と同様に、関係者の画像データを予め登録しておかなくても、関係者であるか否かの判定を行うことができる。また、すべての画像データを記憶する場合に比べて、記憶容量の削減を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、撮影画像の人物の特徴量と過去に記憶した人物の特徴量とを照合し、同一人物であると判定された照合回数に基づいて関係者であるか否かを判定することにより、予め関係者のデータを登録することなく、撮影画像の人物が関係者であるか否かを判定することができ、関係者のデータ管理が容易になるという効果を有する映像管理装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態の映像管理装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、映像管理装置がマンションや学校などの監視システム等に用いられる場合を例示する。この映像管理装置を用いたシステムは、映像管理システムであるともいえる。
【0026】
本発明の実施の形態の映像管理装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、映像管理装置の構成を示すブロック図であり、図2は、映像管理システムの全体の構成例を示す図である。
【0027】
ここでは、まず、図2を参照して映像管理システム全体の構成について説明する。図2(a)は、映像管理システムの構成の一例を示す図である。図2(a)に示すように、映像管理システム1は、マンションや学校などの監視エリアに設置される撮像装置2と、撮像装置2で撮影された映像を管理する映像管理装置3と、撮像装置2で撮影された映像や映像管理装置3での処理結果などを表示する映像表示装置4を備えている。なお、図2(b)に示すように、映像管理システム1は、撮像装置2で撮影した映像を録画する録画装置5を備えていてもよい。その場合、映像管理装置3には、撮像装置2で撮影された映像が録画装置5を介して入力される。
【0028】
図1に戻って、映像管理装置3の構成について説明する。図1に示すように、映像管理装置3は、撮像装置2で撮影された撮影画像が入力される画像入力部6と、撮影画像に画像処理を施して画像中の人物の顔画像を検出する顔検出部7を備えている。入力された撮影画像(原画像ともいう)と検出された顔画像のデータは、撮影日時のデータとともに原画像データベース8(原画像DB)に記憶される。ここでは、顔画像が、本発明の人物画像に相当し、原画像DB8が、本発明の撮影画像記憶手段に相当する。
【0029】
図3は、原画像DB8に記憶されるデータの一例を示す図である。図3に示すように、原画像DB8には、原画像(例えば、画像A)と、その原画像から検出された顔画像(例えば、画像a)と、その撮影日時(例えば、2008年9月19日7時30分)のデータが、それぞれ対応づけて記憶されている。
【0030】
映像管理装置3は、検出された顔画像に画像処理を施して特徴量を算出する特徴量算出部9を備えている。この特徴量算出部9は、例えば、顔画像に含まれる特徴点の局所特徴量を示す特徴量ベクトルを、その人物の特徴量として算出する。算出された特徴量のデータは、顔画像の識別情報(顔ID)とともに特徴量データベース10(特徴量DB)に記憶される。
【0031】
図4は、特徴量DB10に記憶されるデータの一例を示す図である。図4に示すように、特徴量DB10には、顔画像の識別情報(例えばID:0001など)と、その特徴量(例えば特徴量ベクトル(a1,b1,c1,d1,・・・)など)が、それぞれ対応づけて記憶されている。
【0032】
映像管理装置3は、特徴量算出部9で算出した特徴量(現在の撮影画像に移っている人物の特徴量)と、特徴量DB10に記憶された特徴量(過去に算出した人物の特徴量)とを照合して、同一人物であるか否かの判定を行う特徴量照合部11を備えている。また、この映像管理装置3には、特徴量の照合を行う期間(例えば過去1ヶ月など)を指定する期間指定部12が備えられている。なお、特に期間を指定しない場合には、過去の全期間について特徴量の照合が行われる。
【0033】
また、映像管理装置3は、特徴量照合部11により同一人物であると判定された回数(照合回数ともいう)の統計データを算出する統計処理部13を備えている。この統計処理部13で算出された統計データは、人物統計データベース14(人物統計DB)に記憶される。
【0034】
図5は、人物統計DB14に記憶されるデータの一例を示す図である。図5に示すように、人物統計DB14には、顔画像の識別情報(例えば、顔ID:0001)と、その顔画像について上述の特徴量の照合を行った結果、同一人物であると判定された回数(例えば、12回)と、同一人物であると判定された顔画像(例えば、画像a、画像g、画像i・・・など)のデータが、記憶されている。
【0035】
映像管理装置3は、特徴量照合部11により同一人物であると判定された回数(照合回数)に基づいて、その顔画像の人物が関係者であるか否かの判定を行う関係者判定部15を備えている。例えば、この関係者判定部15は、照合回数が所定の閾回数(例えば10回)以上である場合には、その顔画像の人物は関係者であると判定する。また、関係者判定部15は、照合回数が閾回数(例えば10回)未満である場合には、その顔画像の人物は不審者(非関係者)であると判定する。
【0036】
なお、この関係者判定部15は、人物統計DB14の統計データを利用して、照合回数を計算してもよい。例えば、特徴量照合部11によって、ある顔画像の人物が顔画像aの人物と同一であると判定された場合、顔画像aの照合回数の統計データは「12回」であるので(図5参照)、その顔画像の人物と同一人物であると判定される回数(照合回数)は「13回」であると計算することができる。
【0037】
この関係者判定部15で関係者であると判定された人物の顔画像は、関係者データベース16(関係者DB)に記憶され、不審者であると判定された人物の顔画像は、不審者データベース17(不審者DB)に記憶される。ここでは、関係者DB16が、本発明の関係者画像記憶手段に相当し、不審者DB17が、本発明の非関係者画像記憶手段に相当する。
【0038】
図6は、関係者DB16および不審者DB17に記憶されるデータの一例を示す図である。図6に示すように、関係者DB16には、関係者であると判定された人物の顔画像(例えば、画像a)と、その顔画像の識別情報(例えば、顔ID:0001)と、照合回数(例えば、12回)と、その撮影日時(例えば、2008年9月19日7時30分)などのデータが、それぞれ対応づけて記憶されている。また、不審者DB17には、関係者でないと判定された人物の顔画像(例えば、画像c)と、その顔画像の識別情報(例えば、顔ID:0003)と、照合回数(例えば、1回)と、その撮影日時(例えば、2008年9月20日12時30分)などのデータが、それぞれ対応づけて記憶されている。
【0039】
この映像管理装置3は、関係者判定部15により関係者でないと判定された場合に、施設内に不審者が侵入したことを報知する不審者報知部18を備えている。不審者の報知は、例えば、映像表示装置4の画面上で不審者の画像を強調表示することによって行われてもよく、あるいは、警告音などを発することにより行われてもよい。
【0040】
また、この映像管理装置3は、各DBに記憶されたデータの管理などを行う制御部19を備えている。この制御部19は、関係者判定部15により関係者であると判定された場合に、その人物が写っている撮影画像(原画像)を原画像DB8から削除する制御を行う。また、この制御部19は、映像表示装置4へ送る画像データを表示出力部20へ出力する制御を行う。
【0041】
さらに、この映像管理装置3は、関係者DB16や不審者DB17などのデータ検索機能を備えている。この制御部19は、検索条件入力部21から入力された検索条件に基づいて、関係者DB16や不審者DB17などのデータ検索を実行する。この場合、照合回数を検索条件として利用することができる。なお、照合回数のほかに、撮影日時などが検索条件として使用されてよいことは言うまでもない。ここでは、この制御部19が、本発明の検索手段に相当する。
【0042】
以上のように構成された映像管理装置3について、図面を用いてその動作を説明する。
【0043】
図7は、映像管理装置3の動作の流れを示すフロー図である。図7に示すように、撮影装置で撮影された撮影画像が入力されると(S1)、その撮影画像に画像処理を施して画像中の人物の顔画像を検出する処理が行われる(S2)。そして、入力された撮影画像(原画像)と検出された顔画像のデータが、撮影日時のデータとともに原画像DB8に記憶される(S3)。
【0044】
つぎに、検出された顔画像に画像処理を施して特徴量を算出する処理が行われ(S4)、算出された特徴量のデータが、顔画像の顔IDとともに特徴量DB10に記憶される(S5)。
【0045】
つづいて、撮影画像に移っている人物の特徴量と、過去に算出した人物の特徴量(予め指定された期間の特徴量)とを照合して、同一人物であるか否かの判定を行う(S6)。また、このとき、同一人物であると判定された回数(照合回数)の統計データを算出する処理(統計処理)を行う(S7)。
【0046】
そして、同一人物であると判定された回数(照合回数)に基づいて、その人物が関係者であるか否かの判定が行われる(S8)。関係者であると判定された場合には、関係者DB16に顔画像などのデータが記憶され(S9)、原画像DB8から撮影画像(原画像)のデータが削除される(S10)。一方、関係者でないと判定された場合には、不審者DB17に顔画像などのデータが記憶され(S11)、不審者報知部18によって施設内に不審者が侵入したことが報知される(S12)。
【0047】
このような本発明の実施の形態の映像管理装置3によれば、撮影画像の人物の特徴量と過去に記憶した人物の特徴量とを照合し、同一人物であると判定された照合回数に基づいて関係者であるか否かを判定する。これにより、予め関係者のデータを登録することなく、撮影画像の人物が関係者であるか否かを判定することができ、関係者のデータ管理が容易になる。
【0048】
すなわち、本実施の形態では、学校やマンションなどの監視エリアを撮影した画像(撮影画像)に写っている人物の特徴量と、過去に撮影した画像に写っていた人物の特徴量とを照合し、同一人物であると判定された照合回数に基づいて、関係者であるか否かが判定される。例えば、照合回数が所定の閾回数以上(例えば10回以上)であれば、関係者であると判定される。これにより、関係者の画像データを予め登録しておかなくても、関係者であるか否かの判定を行うことができる。そして、関係者であると判定された人物の画像(人物画像)だけを関係者画像として、関係者DB16に記憶する。これにより、すべての画像データを記憶する場合に比べて、関係者DB16の記憶容量の削減を図ることができる。
【0049】
また、本実施の形態では、関係者でないと判定された人物の画像(人物画像)が非関係者画像として、不審者DB17に記憶される。これにより、不審者の画像検索を行うときには、非関係者画像だけを検索すれば済み、不審者の発見が容易になる。
【0050】
また、本実施の形態では、たとえ不審者DB17が無くても、監視エリアを撮影した画像(撮影画像)に写っている人物が関係者でないと判定された場合には、不審者報知部18によってその旨の報知が行われる。これにより、不審者の発見が容易になる。また、不審者DB17の非関係者画像と比較して一致した場合に、不審者報知部18によって、その旨の報知を行ってもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、期間指定部12によって特徴量の照合を行う期間を指定することができるので、全期間について特徴量の照合を行う場合に比べて、特徴量の照合の処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、統計データを用いて照合回数を算出することができるので、すべての記憶された特徴量との照合を行って照合回数を求める場合に比べて、容易に照合回数を算出することができ、関係者であるか否かの判定の処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、照合回数を検索条件として用いて関係者画像の検索を行うことができる。例えば、検索条件として入力すべき日時が定かでない場合であっても、照合回数を基準にして関係者画像の検索を行うことができる。
【0054】
また、本実施の形態では、関係者であると判定された場合には、その人物が写っている撮影画像が、原画像DB8から削除される。関係者の画像は、非関係者の画像に比べて、多くの枚数が撮影されるにもかかわらず、不審者の発見の際にはあまり参照されることがなく、その撮影画像を保存しておく必要性は低い。この場合、関係者が写っている撮影画像を削除することにより、すべての撮影画像を記憶する場合に比べて、原画像DB8の記憶容量の削減を図ることができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0056】
例えば、以上の説明では、人物画像として顔画像(人物の顔の画像)を用いる場合について例示したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、人物の顔以外の画像や人物の全体の画像を人物画像として用いてもよい。
【0057】
また、以上の説明では、各データベース(原画像DB8、特徴量DB10、人物統計DB14、関係者DB16、不審者DB17)が別々に構成された場合を例示したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、これらのデータベースは、まとめて1つのHDD等で構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明にかかる映像管理装置は、予め関係者のデータを登録することなく、撮影画像の人物が関係者であるか否かを判定することができ、関係者のデータ管理が容易になるという効果を有し、マンションや学校などの監視システム等に用いられ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施の形態における映像管理装置の構成を示すブロック図
【図2】映像管理システムの構成例を示す図
【図3】原画像データベースの説明図
【図4】特徴量データベースの説明図
【図5】人物統計データベースの説明図
【図6】関係者データベースおよび不審者データベースの説明図
【図7】本実施の形態における映像管理装置の動作説明のためのフロー図
【符号の説明】
【0060】
1 映像管理システム
2 撮像装置
3 映像管理装置
6 画像入力部
7 顔検出部
8 原画像DB
9 特徴量算出部
10 特徴量DB
11 特徴量照合部
12 期間指定部
13 統計処理部
14 人物統計DB
15 関係者判定部
16 関係者DB
17 不審者DB
18 不審者報知部
19 制御部
21 検索条件入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視エリアを撮影した撮影画像に含まれる人物画像に画像処理を施して、前記人物画像の人物の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
算出した前記人物の特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、
前記人物画像の人物の特徴量と、過去に算出して前記特徴量記憶手段に記憶された人物の特徴量とを照合して、同一人物であるか否かを判定する特徴量照合手段と、
前記特徴量照合手段により同一人物であると判定された照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定する関係者判定手段と、
前記関係者判定手段により関係者であると判定された前記人物画像を、関係者画像として記憶する関係者画像記憶手段と、
を備えたことを特徴とする映像管理装置。
【請求項2】
前記関係者判定手段により関係者でないと判定された前記人物画像を、非関係者画像として記憶する非関係者画像記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像管理装置。
【請求項3】
前記関係者判定手段により関係者でないと判定された場合に、前記監視エリアに非関係者が侵入したことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像管理装置。
【請求項4】
前記特徴量の照合を行う過去の期間を指定する期間指定手段を備え、
前記特徴量照合手段は、前記人物画像の人物の特徴量と、指定された期間の前記人物の特徴量とを照合することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の映像管理装置。
【請求項5】
前記人物画像の人物について、前記特徴量照合手段により同一人物であると判定された照合回数の統計データを算出する統計処理手段を備え、
前記関係者判定手段は、前記統計データを用いて算出した前記照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の映像管理装置。
【請求項6】
前記照合回数を検索条件として、前記関係者画像の検索を行う検索手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の映像管理装置。
【請求項7】
前記監視エリアを撮影した撮影画像を記憶する撮影画像記憶手段を備え、
前記関係者判定手段により関係者であると判定された場合には、前記人物画像が含まれている前記撮影画像が前記撮影画像記憶手段から削除されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の映像管理装置。
【請求項8】
監視エリアを撮影する撮影装置と、前記撮影手段で撮影された映像を管理する映像管理装置とを備えた映像管理システムであって、
前記映像管理装置は、
前記撮影画像に含まれる人物画像に画像処理を施して、前記人物画像の人物の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
算出した前記人物の特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、
前記人物画像の人物の特徴量と、過去に算出して前記特徴量記憶手段に記憶された人物の特徴量とを照合して、同一人物であるか否かを判定する特徴量照合手段と、
前記特徴量照合手段により同一人物であると判定された照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定する関係者判定手段と、
前記関係者判定手段により関係者であると判定された前記人物画像を、関係者画像として記憶する関係者画像記憶手段と、
を備えたことを特徴とする映像管理システム。
【請求項9】
監視エリアを撮影した撮影画像に含まれる人物画像に画像処理を施して、前記人物画像の人物の特徴量を算出し、
前記人物画像の人物の特徴量と、過去に算出した人物の特徴量とを照合して、同一人物であるか否かを判定し、
同一人物であると判定された照合回数に基づいて、前記人物画像の人物が関係者であるか否かを判定し、
関係者であると判定された前記人物画像を、関係者画像として記憶することを特徴とする映像管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−92287(P2010−92287A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262039(P2008−262039)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】