説明

映像表示装置

【課題】表示映像のノイズの発生を防止することができる映像表示装置を提供する。
【解決手段】映像表示装置1は、第1のテレビ信号のデジタル映像データ及び第1の垂直同期信号を記憶するフレームメモリ13と、デジタル映像データ及び第2の垂直同期信号を出力する出力制御部14と、デジタル映像データを第2の垂直同期信号に同期して表示する液晶パネル16と、1フレームの前記デジタル映像データが前記フレームメモリに書き込まれた後に、出力制御部14がフレームメモリ13に書き込まれた1フレームのデジタル映像データを読み出すようするための情報として、第2の垂直同期信号と第1の垂直同期信号のタイミングのずれ情報であるタイミング情報を記憶するタイミング情報記憶部19と、第1の垂直同期信号とタイミング情報に基づいて、第2の垂直同期信号を出力させるように、出力制御部14を制御する制御部17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ信号に基づく映像を表示する映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エレベータシステムにおいて、監視カメラをエレベータかご内又はエレベータ乗り場に設置し、管理人室又は警備会社で、監視映像を表示又は記録することが行われている。また、エレベータかご内又はエレベータ乗り場などに映像表示装置を設置し(例えば、特許文献1参照)、これに監視映像などを表示させるシステム(例えば、簡易防犯システム)も普及しつつある。さらに、監視映像を表示させる映像表示装置に、ビルのインフォメーションビデオ(例えば、施設案内)などの利用者向け情報を表示することも行われている。ここで、監視カメラの映像は、例えば、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーによって撮影された映像である。また、インフォメーションビデオは、例えば、DVDプレーヤーやBlu−ray Discプレーヤーなどの再生装置(プレーヤー)を用いて情報記録媒体から再生された映像である。
【0003】
監視カメラ及び/又はプレーヤーと映像表示装置とからなるシステムを構成する場合には、NTSC(National Television System Committe)信号、PAL(Phase Alternation by Line)信号、又はSECAM(SEquential Couleur A Memoire)信号などのテレビ信号を用いることが、一般的かつ低コストである。そのため、監視カメラによる撮影信号及びプレーヤーによる再生信号としてはテレビ信号が用いられ、映像表示装置は入力されたテレビ信号に基づく映像を、液晶パネルなどの表示器に表示する。
【0004】
映像表示装置では、入力されたテレビ信号をデジタル映像データに変換し、垂直同期信号に基づいて1画面を認識し、液晶パネルの同期信号に同期して1画面の表示を行う。この処理を連続的に行うことで、映像が表示される。入力されるテレビ信号の同期信号と液晶パネルの同期信号とは必ずしも一致しないため、1又は2画面分のフレームメモリにテレビ信号から変換されたデジタル映像データを一旦保存し、フレームメモリからデジタル映像データを読み出して液晶パネルに映像を表示することが一般的である。
【0005】
ところが、フレームメモリを用いて、デジタル映像データの書き込みと、書き込まれたデジタル映像データの読み出しを行う場合には、1フレーム分のデジタル映像データの書き込みの途中で、データの読み出しを行ってしまうことがあり、この場合には、表示映像にノイズが発生することがあるという問題があった。この問題を解決するために、ディスプレイ(表示器)の垂直同期周波数にしたがって、フレームメモリからデータを読み出す装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−309545号公報(図2)
【特許文献2】特開2008−197394号公報(段落0008、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の装置においては、入力側のテレビ信号の垂直同期信号に同期してフレームメモリにデータを書き込み、表示器の垂直同期信号に同期してフレームメモリからデータを読み出している。このため、1フレーム分のフレームメモリを用いて映像を表示器に表示する場合には、1フレーム期間以内にデータの読み出しを行なうことが必要であり、表示器に出力する垂直同期信号は、入力側のテレビ信号の垂直同期信号に同期させることになる。したがって、入力側のテレビ信号が、プレーヤーの再生信号からカメラの撮影信号に切り替えられた場合には、表示器に出力する垂直同期信号をも切り替える必要がある。ところが、プレーヤーの垂直同期信号とカメラの垂直同期信号とのずれ方によっては、フレームメモリへの1フレームのデータの書き込みが完了する前に、データが読み出されてしまい、表示映像にノイズが発生してしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示映像のノイズの発生を防止することができる映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る映像表示装置は、第1のテレビ信号が入力され、前記第1のテレビ信号のデジタル映像データ及び前記第1のテレビ信号の第1の垂直同期信号を出力するビデオデコーダーと、前記デジタル映像データを記憶するフレームメモリと、第2の垂直同期信号に基づき前記フレームメモリから前記デジタル映像データを読み出し、読み出された前記デジタル映像データ及び前記第2の垂直同期信号を出力する出力制御部と、前記出力制御部から出力された前記デジタル映像データを、前記第2の垂直同期信号に同期して表示する表示器と、1フレームの前記デジタル映像データが前記フレームメモリに書き込まれた後に、前記出力制御部が前記フレームメモリに書き込まれた前記1フレームの前記デジタル映像データを読み出すようするための情報として、前記第2の垂直同期信号と前記第1の垂直同期信号のタイミングのずれ情報であるタイミング情報を記憶するタイミング情報記憶部と、前記ビデオデコーダーから前記第1の垂直同期信号が前記制御部に入力されるたびに、前記第1の垂直同期信号と前記タイミング情報に基づいて、前記第2の垂直同期信号を出力させるように、前記出力制御部を制御する制御部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の垂直同期信号とタイミング情報に基づいて第2の垂直同期信号を出力させるように、出力制御部を制御するので、フレームメモリに対するデジタル映像データの書き込み及び読み出しタイミングに起因する表示映像のノイズの発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る映像表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る映像表示装置の液晶パネルのライン数及び画素数の説明図である。
【図3】実施の形態1に係る映像表示装置における垂直同期信号のずれの説明図である。
【図4】実施の形態1に係る映像表示装置における初期設定の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る映像表示装置におけるフレームメモリへの書き込み及びフレームメモリからの読み出しの説明図である。
【図6】実施の形態1に係る映像表示装置において、切り替え部から出力されるテレビ信号をカメラの撮影信号からプレーヤーの再生信号に切り替えたときのずれ情報の取得処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係る映像表示装置において、切り替え部から出力されるテレビ信号をプレーヤーの再生信号からカメラの撮影信号に切り替えたときのずれ情報の取得処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1に係る映像表示装置におけるエレベータの速度と液晶パネルの垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の説明図である。
【図9】実施の形態1に係る映像表示装置において、ずれ情報を用いて、切り替え部から出力されるテレビ信号をプレーヤーの再生信号からカメラの撮影信号に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る映像表示装置における、切り替え部から出力されるテレビ信号をプレーヤーの再生信号からカメラの撮影信号に切り替えるときの処理(タイミング禁止情報を用いる処理)を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3に係る映像表示装置における、エレベータの速度と液晶パネルの垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の説明図である。
【図12】実施の形態3に係る映像表示装置における、エレベータの速度と液晶パネルの垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の他の例の説明図である。
【図13】実施の形態3に係る映像表示装置における、ずれ情報とエレベータ速度情報を用いて、切り替え部から出力されるテレビ信号をプレーヤーの再生信号からカメラの撮影信号に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態4に係る映像表示装置における、エレベータの「かご停止予定階床情報」及び「かご位置情報」と液晶パネルの垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の一例の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態5に係る映像表示装置における垂直同期信号のずれ(垂直同期周波数の差によるずれ)の説明図である。
【図16】実施の形態5に係る映像表示装置において、切り替え部から出力されるテレビ信号をプレーヤーの再生信号からカメラの撮影信号に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像表示装置1の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、映像表示装置1には、カメラ(撮像装置)2と、DVDやBlu−ray Discなどの情報記録媒体の再生装置(プレーヤー)3とが接続されている。また、映像表示装置1は、例えば、エレベータ用映像表示装置であり、エレベータシステムを制御するエレベータ制御部4が接続されている。エレベータ制御部4は、エレベータかご(図示せず)の運行制御や、エレベータドア(図示せず)の開閉制御などを行う。エレベータ制御部4は、エレベータの速度情報や、エレベータかごの現在位置を示すかご位置情報などを出力する。ただし、映像表示装置1は、エレベータシステム以外の他のシステム(例えば、システム動作と映像との同期を確保する必要があるシステム)の制御装置に連動させることもできる。
【0013】
図1に示されるように、映像表示装置1は、切り替え部11と、ビデオデコーダー12と、フレームメモリ13と、出力制御部14と、表示器の一例としての液晶パネル16と、制御部17と、ずれ記憶部18と、タイミング情報記憶部19とを有している。
【0014】
切り替え部11は、カメラ2又はプレーヤー3から出力されるテレビ信号(NTSC信号、PAL信号、又はSECAM信号など)が入力され、カメラ2から出力されたテレビ信号(撮影信号)又はプレーヤー3から出力されたテレビ信号(再生信号)のいずれかを選択的にビデオデコーダー12に出力する。
【0015】
ビデオデコーダー12は、切り替え部11から出力されたテレビ信号を、デジタル映像データ、ドットクロック、水平同期信号、及び垂直同期信号に変換し、デジタル映像データとして出力する。
【0016】
フレームメモリ13は、ビデオデコーダー12から出力されたデジタル映像データを、ドットクロック及び垂直同期信号に基づいて、1フレーム毎、記憶する。
【0017】
出力制御部14は、フレームメモリ13から1フレームのデジタル映像データを読み出し、表示用の(実施の形態1においては、液晶パネル16用の)ドットクロック、水平同期信号、及び垂直同期信号を生成して、液晶パネル16に出力する。また、出力制御部14は、液晶パネル16の描画について、現在、何ライン目の水平ラインを描画しているのかを示すライン情報を取得するライン情報取得部15を含む。
【0018】
ずれ記憶部18は、カメラ2の垂直同期信号とプレーヤー3の垂直同期信号のタイミングのずれを入力信号のずれ情報として記憶する。
【0019】
タイミング情報記憶部19は、ビデオデコーダー12に入力されるテレビ信号の垂直同期信号(第1の垂直同期信号)と、出力制御部14から出力される垂直同期信号(第2の垂直同期信号)のタイミングのずれが、フレームメモリ13に書き込み/読み出しされるデジタル映像データが書き込まれた後、正しく読み出されるタイミングのずれ(すなわち、ノイズを発生させない適切なずれの値)を示す「タイミング情報」を保持する。すなわち、1フレームのデジタル映像データがフレームメモリ13に書き込まれた後に、出力制御部14がフレームメモリ13に書き込まれた1フレームのデジタル映像データを読み出すようするための情報として、第2の垂直同期信号と第1の垂直同期信号のタイミングのずれ情報であるタイミング情報を保持する。また、タイミング情報記憶部19は、フレームメモリ13に書き込み/読み出しされるデジタル映像データが、正しく読み出されないタイミングのずれ(すなわち、ノイズを発生させる不適切なずれの値)を示す「タイミング禁止情報」を記憶してもよい。
【0020】
制御部17は、エレベータ制御部4から送信されるエレベータ速度情報と、ずれ記憶部18に記憶されているずれ情報、タイミング情報記憶部19に記憶される「タイミング情報」及び「タイミング禁止情報」に基づき、切り替え部11及び出力制御部14の制御を行う。
【0021】
次に、映像表示装置1の動作について説明する。まず、液晶パネル16の垂直同期信号をカメラ2又はプレーヤー3のテレビ信号に含まれる垂直同期信号(第1の垂直同期信号)に同期させる処理と、ずれ記憶部18に記憶させるずれ情報の取得処理について説明する。
【0022】
液晶パネルなどの一般的な表示器は、画面の左から右方向に1ラインずつ水平方向に描画する水平走査を、画面の上側のラインから下側のラインまで順次行う。すなわち、画面の1ラインずつ水平方向に左端から右端まで描画し、この1ラインの描画が終了したならば、次のラインの左端から右端までの描画に進むという動作を繰り返す。この「次のラインの描画に進む」タイミングが、水平同期のタイミングである。そして、最終的には、一番下のラインまで描画して、一番上のラインの描画に戻る。この「一番上のラインに戻る」タイミングが、垂直同期のタイミングである。
【0023】
図2は、実施の形態1に係る映像表示装置1の液晶パネル16のライン数及び画素数の説明図である。図2における有効画素21は、液晶パネル16において表示される部分(表示領域)の画素であって、例えば、パーソナルコンピュータで使用される画面サイズ1024×768ドットなどである。また、総画素28の範囲は、有効画素21及び表示されない部分(非表示領域)を含むすべての画素の範囲である。図2においては、水平同期のタイミングは、水平ラインの描画において、表示画素の位置が総画素28の範囲の右端から左端に移動するタイミングであり、垂直同期のタイミングは、表示画素の位置が総画素28の範囲の下端から上端に移動するタイミングである。
【0024】
水平フロントポーチ22は、水平同期信号から水平方向の有効画素21が表示される時点までの期間(水平画素数)を示す。水平バックポーチ23は、有効画素21の表示が終了する時点から水平同期期間が終了する時点までの期間(水平画素数)を示す。水平総ライン数24は、有効画素21の水平画素数、水平フロントポーチの水平画素数、水平バックポーチの水平画素数、及び水平同期信号期間の水平画素数の合計の画素数である。
【0025】
垂直フロントポーチ25は、垂直同期信号から垂直方向の有効画素21が表示される位置までの垂直画素数(ライン数)を示す。垂直バックポーチ26は、有効画素21の表示が終了する位置から垂直同期期間が終了する位置までの垂直画素数(ライン数)を示す。垂直総ライン数27は、有効画素21の垂直画素数、垂直フロントポーチの垂直画素数、垂直バックポーチの垂直画素数、及び垂直同期信号期間の垂直画素数の合計の画素数(ライン数)である。なお、総画素28は、有効画素、水平フロントポーチ、垂直フロントポーチ、水平バックポーチ、垂直バックポーチ、及び同期信号期間を含む総画素である。
【0026】
一般的な表示器においては、表示されない期間(ブランキング期間)としての、水平同期期間、垂直同期期間、フロントポーチ、及びバックポーチがある程度の余裕を持って設けられており、例えば、垂直バックポーチ26のライン数を調整することで、垂直描画期間を調整することができ、垂直同期周波数を調整することができる。すなわち、垂直バックポーチ26のライン数を少なくすると垂直同期周波数が上昇し、垂直バックポーチ26のライン数を多くすると、垂直同期周波数が低下する。したがって、表示器を用いる映像表示装置1は、カメラ2又はプレーヤー3から出力されるテレビ信号に応じて、液晶パネル16の垂直同期信号をずらすことができる。
【0027】
図3は、実施の形態1に係る映像表示装置1における垂直同期信号のずれの説明図である。図3において、水平右方向は時間軸方向である。図3において、カメラ2の垂直同期信号251,252,…,255は、一定周期256,257,…,260である。
【0028】
液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を、矢印266,267,…,270で示されるように増加させた場合は、液晶パネル16の垂直同期信号261,262,…,265は、カメラ2の垂直同期信号251,252,…,255に比べて遅れる。その結果、図3に示されるように、液晶パネル16の垂直同期信号261,262,…,265は、カメラ2の垂直同期信号251,252,…,255よりも遅れる方向にずれる。
【0029】
逆に、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を、矢印276,277,…,280で示されるように減少させた場合は、液晶パネル16の垂直同期信号271,272,…,275は、カメラ2の垂直同期信号251,252,…,255に比べて進む。その結果、図3に示されるように、液晶パネル16の垂直同期信号271,272,…,275は、カメラ2の垂直同期信号251,252,…,255よりも進む方向にずれる。ただし、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数の上限及び下限は、液晶パネル16の垂直バックポーチの範囲内に抑える必要があるため、液晶パネル16の垂直同期周波数の変更幅にも上限及び下限が存在する。
【0030】
図4は、実施の形態1に係る映像表示装置1の初期設定の処理を示すフローチャートである。同期処理が開始すると(ステップS301)、制御部17は、切り替え部11を制御して、カメラ2から出力されるテレビ信号を、ビデオデコーダー12に入力させる(ステップS302)。ビデオデコーダー12は、垂直同期信号をデジタル信号として出力することができるため、制御部17は、垂直同期信号が得られるのを待つ(ステップS303,S304)。制御部17は、ステップS304で垂直同期信号を確認すれば、出力制御部14に含まれるライン情報取得部15に、ライン情報(何ライン目の水平ラインを描画しているのか)を取得させる(ステップS305)。
【0031】
次に、制御部17は、取得されたライン情報がタイミング情報記憶部19に記憶されている「タイミング情報」より大きいか否かの判断をし(ステップS306)、大きい場合は、垂直描画期間のライン数(例えば、垂直バックポーチ26のライン数)を少なくして(ステップS307)、垂直同期周波数を上げ、逆に、小さい場合は、垂直描画期間のライン数(例えば、垂直バックポーチ26のライン数)を多くして(ステップS308)、垂直同期周波数を下げる。このとき、垂直描画期間のライン数の増減は、液晶パネル16の垂直描画期間の上限及び下限の範囲内とし、かつ、映像が乱れない範囲とする。このようにして、ビデオデコーダー12から出力される垂直同期信号に「タイミング情報」(ノイズを発生させないずれの値)だけずれて同期するように、液晶パネル16の垂直同期信号を設定することができる。
【0032】
なお、ステップS306の「タイミング情報」は、以下の判断要素にて決定する。また、フレームメモリ13にデータを書き込むビデオデコーダー12の処理は、カメラ2の垂直同期信号(第1の垂直同期信号)に同期して実行される。また、出力制御部14が、フレームメモリ13からデジタル映像データを読み出すタイミングは、出力制御部14が液晶パネル16にデジタル映像データを書き込むタイミングに依存し、液晶パネル16にデジタル映像データを書き込むタイミングは、液晶パネル16の垂直同期信号に応じて変更できる。
【0033】
図5は、実施の形態1に係る映像表示装置1におけるフレームメモリ13への書き込み及びフレームメモリ13からの読み出しの説明図である。図5において、水平右方向は時間軸方向である。カメラ2の垂直同期信号(第1の垂直同期信号)を符号401,402,…,405で示す場合、フレームメモリ13への書き込みは、符号406,407,…,409で示すタイミングで行われる。一方、液晶パネル16の垂直同期信号を符号411,412,…,415で示す場合、フレームメモリ13からの読み出しは、符号416,417,…,419のタイミングで行われる。この書き込み406,407,…,409の垂直同期信号401,402,…,405に対し、読み出し416,417,…,419の垂直同期信号411,412,…,415が遅れる方向にずれている場合には、フレームメモリ13に書き込まれたデータを正しく読み出すことができ、液晶パネル16の表示映像に、ノイズの無い良好な映像が表示される。このときのカメラ2の垂直同期信号401,402,…,405と、液晶パネル16の垂直同期信号411,412,…,415のずれの値(そのときのライン情報の値)431を「タイミング情報」として予め設定しておく。
【0034】
一方、液晶パネル16の垂直同期信号がカメラ2の垂直同期信号とほぼ一致している場合、例えば、図5の垂直同期信号421,422,…,425のタイミングで、液晶パネル16の垂直同期信号が動作した場合、フレームメモリ13からの読み出しは、符号426,427,…,429で示すタイミングで行われる。この場合には、フレームメモリ13への書き込みとフレームメモリ13からの読み出しがほぼ同じ時点から開始され、フレームメモリ13に書き込まれたデータをフレーム単位で正しく読み出しできない状態となり、液晶パネル16の表示映像にノイズが発生してしまう。このときのカメラ2の垂直同期信号と、液晶パネル16の垂直同期信号のずれの値(そのときのライン情報の値)を「タイミング禁止情報」として予め設定しておく。
【0035】
図6は、実施の形態1に係る映像表示装置1において、切り替え部11から出力されるテレビ信号をカメラ2の撮影信号からプレーヤー3の再生信号に切り替えたときのずれ情報の取得処理を示すフローチャートである。図6は、液晶パネル16の垂直同期信号が、カメラ2の垂直同期信号に対して、「タイミング情報」(すなわち、図5の符号431の期間)だけずれて同期している状態において、切り替え部11を切り替え、プレーヤー3から出力されるテレビ信号を、ビデオデコーダー12に入力する場合を示す。
【0036】
図6に示されるように、ずれ情報の取得処理を開始すると(ステップS321)、制御部17は、切り替え部11を制御して、プレーヤー3から出力されるテレビ信号を、ビデオデコーダー12に入力させる(ステップS322)。ビデオデコーダー12は、垂直同期信号をデジタル信号として出力することができるため、制御部17は、垂直同期信号が得られるのを待つ(ステップS323,S324)。制御部17は、ステップS324で垂直同期信号が確認されれば、出力制御部14に含まれるライン情報取得部15に、ライン情報(何ライン目の水平ラインを描画しているのか)を取得させる(ステップS325)。
【0037】
制御部17は、このときのライン情報を、テレビ信号をカメラ2の撮影信号からプレーヤー3の再生信号に切り替えたときのずれ情報として、ずれ記憶部18に記憶させる(ステップS331)。次に、制御部17は、このずれ情報が「タイミング情報」より大きいか否かの判断をし(ステップS326)、大きいと判断した場合には、垂直描画期間のライン数を少なくし(ステップS327)、小さいと判断した場合には、垂直描画期間のライン数を多くする(ステップS328)。このときのライン数の増減は、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数の上限と下限の範囲内で行い、且つ、映像が乱れない範囲とする。このようにして、ビデオデコーダー12から出力される垂直同期信号に同期するように、液晶パネル16の垂直同期周波数を設定することができ、テレビ信号をカメラ2の撮影信号からプレーヤー3の再生信号に切り替えたときのずれ情報を取得することができる。
【0038】
図7は、実施の形態1に係る映像表示装置1において、切り替え部11から出力されるテレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替えたときのずれ情報の取得処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、ステップS311の処理が追加されている点において、図4のフローチャートと相違する。図7は、液晶パネル16の垂直同期信号が、プレーヤー3の垂直同期信号に「タイミング情報」だけずれて同期している状態において、切り替え部11を切り替え、カメラ2から出力されるテレビ信号を、ビデオデコーダー12に入力する場合を示す。
【0039】
図7に示されるように、ずれ情報の取得処理が開始すると(ステップS301)、制御部17は、切り替え部11を制御して、カメラ2から出力されるテレビ信号を、ビデオデコーダー12に入力させる(ステップS302)。ビデオデコーダー12は、垂直同期信号をデジタル信号として出力することができるため、垂直同期信号が得られるのを待つ(ステップS303,S304)。ステップS304で垂直同期信号が確認されれば、出力制御部14に含まれるライン情報取得部15は、ライン情報(何ライン目の水平ラインを描画しているのか)を取得する(ステップS305)。
【0040】
制御部17は、このときのライン情報を、テレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替えたときのずれ情報として、ずれ記憶部18に記憶させる(ステップS311)。次に、制御部17は、このずれ情報が「タイミング情報」より大きいか否かの判断をし(ステップS326)、大きいと判断した場合には、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を少なくし(ステップS327)、小さいと判断した場合には、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を多くする(ステップS328)。このときのライン数の増減は、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数の上限と下限の範囲内で行い、且つ、映像が乱れない範囲とする。このようにして、ビデオデコーダー12から出力される垂直同期信号に同期するように、液晶パネル16の垂直同期周波数を設定することができ、テレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替えたときのずれ情報を取得することができる。
【0041】
ただし、一般的には、切り替え部11で切り替える対象が2つの場合は、一方から他方に切り替えたときのずれ情報は、前記他方から前記一方に切り替えたときのずれ情報と絶対値が同じ値となり、符号が逆になる。例えば、切り替え部11がカメラ2からプレーヤー3へ切り替えたときのずれ情報が「100」である場合には、切り替え部11がプレーヤー3からカメラ2へ切り替えたときのずれ情報は「−100」になる。また、切り替える対象が3つ以上の場合も同様に、それぞれの切り替えについて、同様の処理にて、ずれ情報を取得することができる。
【0042】
次に、カメラ2とプレーヤー3のそれぞれのずれ情報と、エレベータの速度信号を用いて、液晶パネル16に表示する映像を切り替える処理を説明する。
【0043】
一般に、エレベータ動作情報に基づいて、映像ソース蓄積装置から対応する映像信号を読み出し、エレベータかご内の映像表示装置に表示させるシステムにおいては、映像表示の切り替えをエレベータの動作に連動するように構成している(例えば、特許文献1参照)。しかし、入力信号の同期信号のずれによって映像が切り替わるタイミングが異なるので、エレベータの動作に映像切り替えのタイミングを正確に同期させることができないことがある。実施の形態1に係る映像表示装置においては、ビデオデコーダー12から出力される出力側の垂直同期信号をずらしながら、入力側のテレビ信号を切り替えることによって、フレームメモリ12の読み出し、書き込みタイミングを調整することができ、書き込み途中に読み出してしまうことによって発生する表示映像のノイズの発生を極力回避できるようにしている。
【0044】
エレベータ制御部4はエレベータかごの速度制御を行い、現在の速度情報を周期的に制御部17に送信する。その速度情報に基づいて、液晶パネル16に表示する映像をプレーヤー3からカメラ2に切り替えるときの動作を、図8及び図9を用いて説明する。
【0045】
図8は、実施の形態1に係る映像表示装置1におけるエレベータの速度と液晶パネル16の垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の説明図である。図8において、水平右方向は時間軸方向であり、点511〜514を結ぶ線の縦軸の位置は、垂直同期信号(垂直同期周波数)を示す。図8において、エレベータ速度は、エレベータを停止させるときの速度の変化の例を示している。このとき、時間の経過に伴い、エレベータ速度は、5km/h台(期間501)、4km/h台(期間502)、3km/h台(期間503)というように、徐々に低下しているが、減速の仕方はエレベータシステムで予め決められており、エレベータがいずれのフロアに停止するときも、同じ減速の仕方で停止する。ここで、エレベータの速度が4km/hになったときに、切り替え部11から出力される信号を、プレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替える処理を開始する場合を説明する。
【0046】
図9は、実施の形態1における、ずれ情報を用いて、切り替え部11から出力されるテレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。図9に示されるように、処理が開始されると(ステップS551)、制御部17は、Flag1及びFlag2を初期値0にする(ステップS552)。Flag1及びFlag2は、同期処理完了判断に使用するフラグである。また、制御部17は、切り替え部11から出力されるテレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替えるときのずれ情報を、ずれ記憶部18から取得する(ステップS552)。
【0047】
ビデオデコーダー12は、プレーヤー3からの垂直同期信号をデジタル信号として出力し(ステップS553、S554)、制御部17は、垂直同期信号が得られるのを待つ。制御部17は、ステップS554で垂直同期信号が確認されれば、ライン情報をライン情報取得部15から取得する(ステップS555)。
【0048】
制御部17は、取得されたライン情報が、「タイミング情報+(ずれ情報/2)」より大きいか否かを判断し(ステップS556)、大きいと判断した場合には、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を少なくし(ステップS557)、「Flag1=1」とする(ステップS558)。制御部17は、ステップS556で小さいと判断した場合は、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を多くし(ステップS559)、Flag2=1とする(ステップS560)。
【0049】
制御部17は、「Flag1=1かつFlag2=1であるか」の判断を行い(ステップS561)、判断がNoの場合は、まだライン情報が、「タイミング情報+(ずれ情報/2)」に達していないため、処理をステップS553に戻す。制御部17は、ステップS561の判断がYesの場合、垂直同期信号が、プレーヤー3の垂直同期信号とカメラ2の垂直同期信号のずれの半分、すなわち、「タイミング情報+(ずれ情報/2)」に調整されたことになるので、切り替え部11から出力されるテレビ信号をカメラ2の撮影信号に切り替える(ステップS562)。このとき、液晶パネル16の表示映像は、プレーヤー3の映像からカメラ2の映像に切り替わる。
【0050】
この時点では、垂直同期周波数をプレーヤー3の垂直同期周波数とカメラ2の垂直同期周波数のずれ(差)の半分までずらした状態である。この後は、制御部17は、液晶パネル16の垂直同期信号を、カメラ2の垂直同期信号に徐々に近づけ、カメラ2の垂直同期信号にする処理を行う。ビデオデコーダー12は、カメラ2からの垂直同期信号をデジタル信号として出力しており、制御部17は、垂直同期信号が得られるのを待つ(ステップS563,S564)。ステップS564で垂直同期信号が確認されれば、ライン情報をライン情報取得部15から取得する(ステップS565)。
【0051】
制御部17は、このときのライン情報が、「タイミング情報」より大きいか判断し(ステップS566)、大きいと判断した場合には、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を少なくし(ステップS567)、ステップS566で小さいと判断した場合には、液晶パネル16の垂直描画期間のライン数を多くする(ステップS568)。制御部17は、ステップS567及びステップS568の処理後、処理をステップS563に戻し、繰り返しライン数の調整を行い、最終的にライン情報は、「タイミング情報」に収束する。
【0052】
図9の処理を、図8の「液晶パネルの垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)」で説明すると、時点511でエレベータ速度が4km/hになったときに、図9のステップS551からの処理を開始し、徐々に垂直同期信号をずらす。傾斜した線512は、液晶パネル16の垂直同期信号(垂直同期周波数)が徐々にカメラ2の垂直同期信号に近づいていることを示す。そして、図8の時点513で、ずれは半分(プレーヤーとカメラの垂直同期周波数の中間位置)まで到達すると、図9のステップS562で切り替え部11がカメラ2側に切り替わる。ここから、カメラ2の垂直同期信号で液晶パネル16の垂直同期信号の調整が行われ、点514でカメラ2の垂直同期信号に、「タイミング情報」分だけずれた状態で液晶パネル16の垂直同期信号が収束し、調整が終了する。
【0053】
以上に説明したように、実施の形態1に係る映像表示装置によれば、入力されるテレビ信号の垂直同期信号(第1の垂直同期信号)とタイミング情報に基づいて、出力制御部14から出力される垂直同期信号(第2の垂直同期信号)を出力させるように制御するので、フレームメモリ13へのデジタル映像データの書き込み途中に、フレームメモリ13からデジタル映像データを読み出してしまうことによって発生する表示映像のノイズの発生を防止することができる。
【0054】
また、実施の形態1に係る映像表示装置によれば、プレーヤー3からカメラ2への切り替えのときに、液晶パネル16の垂直同期信号を、プレーヤー3の垂直同期信号とカメラ2の垂直同期信号のずれを考慮してあわせるようにできるため、液晶パネル16の表示映像に表示されるノイズの発生を抑えることができる。
【0055】
また、実施の形態1に係る映像表示装置によれば、液晶パネル16の垂直同期信号を液晶パネル16の表示されない部分(非表示部分)のライン数を変更することで調整しているので、液晶パネル16の表示が乱れることなく同期信号の調整を行うことができる。
【0056】
なお、上記説明においては、プレーヤー3からカメラ2への切り替え処理では、ライン情報が、「タイミング情報+(ずれ情報/2)」に達したときに切り替え部11をカメラ2側に切り替える場合を説明したが、ライン情報が、「タイミング情報+(ずれ情報/N)」(Nは1以上)となったときに切り替えるようにしてもよい。例えば、N=1の場合、「タイミング情報+(ずれ情報)」となったときにカメラ2側に切り替わり、この後の液晶パネルの垂直同期信号の調整は不要になる。
【0057】
実施の形態2.
図9(実施の形態1)のフローチャートの処理では、ステップS555及びS565で取得するライン情報が「タイミング禁止情報」と一致した場合であって、ライン数の増加(S559,S568)、減少(S557,S567)を緩やかに行うので、比較的長い時間、表示映像にノイズが現われてしまう。実施の形態2においては、取得するライン情報が「タイミング禁止情報」と一致した場合に調整するライン数を、「タイミング禁止情報」を超えるようなライン数とし、表示映像にノイズが発生する状態から即座に脱するように構成してもよい。
【0058】
図10は、実施の形態2に係る映像表示装置において、切り替え部11から出力されるテレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ4の撮影信号に切り替えるときの処理(タイミング禁止情報を用いる処理)を示すフローチャートである。図10において、図9と同じ処理については、同じ符号を付す。他の点において、実施の形態2は、実施の形態1と同じである。したがって、実施の形態2の説明においては、図1をも参照する。
【0059】
図10において、ステップS551〜S556の処理の後に、制御部17は、ライン情報が「タイミング禁止情報」と一致するか否かを判断し(ステップS581)、一致する場合には、「タイミング禁止情報」を超えるように、ライン数を少なくする処理を行う(ステップS582)か、又は、ライン情報が「タイミング禁止情報」と一致するか否かを判断し(ステップS583)、一致する場合には、「タイミング禁止情報」を超えるように、ライン数を多くする処理を行う(ステップS584)。
【0060】
さらに、図10において、ステップS557〜S566の処理の後に、制御部17は、ライン情報が「タイミング禁止情報」と一致するか否かを判断し(ステップS591)、一致する場合には、「タイミング禁止情報」を超えるように、ライン数を少なくする処理を行う(ステップS592)か、又は、ライン情報が「タイミング禁止情報」と一致するか否かを判断し(ステップS593)、一致する場合には、「タイミング禁止情報」を超えるように、ライン数を多くする処理を行う(ステップS594)。
【0061】
以上に説明したように、実施の形態2に係る映像表示装置によれば、液晶パネル16の垂直同期信号の調整のためにライン数をずらす際に生じる可能性のある表示映像のノイズ発生を抑えることができる。また、実施の形態2に係る映像表示装置においては、取得するライン情報が「タイミング禁止情報」と一致した場合に調整するライン数を、「タイミング禁止情報」を超えるようなライン数とする処理を行うので、表示映像にノイズが発生する状態から即座に脱することができる。
【0062】
実施の形態3.
図8(実施の形態1)に示す動作においては、エレベータ速度情報は、プレーヤー3から、カメラ2への切り替えイベントとしてのみ使用していたが、例えば、切り替えの完了をエレベータ速度4km/h台の期間で完了するように、垂直同期信号を変更する際に用いる係数を調整するように構成してもよい。例えば、図9のフローチャートのステップS557,S559,S567,S568で実行される垂直描画期間のライン数の減少、増加について、これらの処理1回につき減少又は増加するライン数を、ずれ情報と、エレベータの速度4km/hが持続する時間を用いて、算出して決めてもよい。
【0063】
一例とし、ずれ情報が「120(ライン)」であり、カメラ2及びプレーヤー3の垂直同期周波数が約60Hzであり、エレベータの速度4km/h台である時間が2秒である場合、120ラインずれている状態を、2秒間で120回発生する垂直同期でずらす必要がある。このため、1回の垂直同期信号で、垂直描画期間のライン数を1ライン増加又は減少すれば、2秒間で垂直描画期間の120ラインずらす処理が完了する。したがって、プレーヤー3からカメラ2への切り替えは、エレベータ速度4km/h台の時間である2秒の半分、すなわち、1秒の時点で切り替わるようになる。
【0064】
図11は、実施の形態3に係る映像表示装置における、エレベータの速度と液晶パネル16の垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の説明図である。図11において、水平右方向は時間軸方向であり、点611〜614を結ぶ線の縦軸の位置は、垂直同期信号(垂直同期周波数)を示す。図11でエレベータ速度が4km/hになったとき(時点611)に、図9のステップS551から処理を開始し、徐々に同期信号をずらす処理を行う。傾斜した線612は、垂直同期信号(垂直同期周波数)が徐々にカメラ2の垂直同期信号(垂直同期周波数)に近づいていることを示す。そして、図11の時点613で、ずれが半分の値(プレーヤーとカメラの垂直同期周波数の中間位置)になると、図9のステップS562で切り替え部11が、出力するテレビ信号をカメラ2からのテレビ信号に切り替える。このとき、エレベータ速度は4km/hの期間602の半分の位置である。ここから、カメラ2の垂直同期信号で液晶パネル16の垂直同期信号の調整が行われ、時点614でカメラ2の垂直同期信号に、「タイミング情報」分だけずれた状態で液晶パネル16の垂直同期信号が収束し、調整が終了する。このとき、エレベータ速度は、3km/h台に移行する(図11の期間603)。
【0065】
また、図11においては、液晶パネル16の垂直同期信号(垂直同期周波数)を緩やかに変更した場合を説明したが、図12に示されるように、ずれ情報に基づいてまず半分の値(プレーヤーとカメラの垂直同期周波数の中間位置)にずらし(図12の時点623)、エレベータの速度が3km/hになったとき(時点624)、図9のステップS562で切り替え部11から出力されるテレビ信号をカメラ2からのテレビ信号に切り替えるように構成してもよい。
【0066】
図12は、実施の形態3に係る映像表示装置における、エレベータの速度と液晶パネル16の垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の他の例の説明図である。図12において、水平右方向は時間軸方向であり、点621〜625を結ぶ線の縦軸の位置は、垂直同期信号(垂直同期周波数)を示す。また、図13は、実施の形態3に係る映像表示装置における、ずれ情報とエレベータ速度情報を用いて、切り替え部11から出力されるテレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ2の撮影信号に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、ステップS631の処理が追加されている点で、図9のフローチャートと相違する。
【0067】
図12の時点621でエレベータ速度が4km/hになったときに、図13のステップS551からの処理を開始し、液晶パネルの垂直同期信号(垂直同期周波数)を徐々にずらす処理を行う。図12の傾斜した線622は、液晶パネルの垂直同期信号(垂直同期周波数)が徐々にカメラ2の垂直同期信号(垂直同期周波数)に近づいていることを示す。そして、図12の時点623で、ずれは半分になり、図13のステップS631で待機する。
【0068】
ステップS631で、エレベータ速度が指定の速度(ここでは、3km/h)になったとき、図9のステップS562で切り替え部11から出力されるテレビ信号をカメラ2からのテレビ信号に切り替える。このとき、図12は、時点624であり、ここから、カメラ2の垂直同期信号で液晶パネル16の垂直同期信号の調整が行われ、図12の時点625でカメラ2の垂直同期信号に、「タイミング情報」分だけずれた状態で液晶パネル16の垂直同期信号が収束し、調整が終了する。
【0069】
以上に説明したように、実施の形態3に係る映像表示装置においては、安全のため常に一定の速度変化を行うエレベータ速度に同期して画面切り替えを行うことで、エレベータがフロアへ停止するとき、又はフロアから発進するときに、常に同じタイミングで映像の切り替えを行うことができる。
【0070】
実施の形態4.
実施の形態1(図8)及び実施の形態3(図11、図12)の動作説明においては、エレベータ速度情報に基づき液晶パネル16の垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)を説明した。しかし、液晶パネル16の垂直同期信号を、エレベータ制御部4が出力する、次に停止する階床情報(「かご停止予定階床情報」と言う)と、現在のかごの位置情報(「かご位置情報」と言う)を用いて制御してもよい。
【0071】
利用者が各階のエレベータ乗り場でエレベータの搭乗ボタンを押したとき又は利用者がエレベータかご内でエレベータの停止階ボタンを押したときに、エレベータ制御部4は、そのときのエレベータかごの速度とそのときのかど位置情報とに基づいて、搭乗希望階又は停止希望階でエレベータが停止可能かどうかを判断し、停止可能であれば、次に停止する階床情報である「かご停止予定階床情報」として登録する。このような制御方法は、高速エレベータにおいて、エレベータを所望の階に安全に停止させるための方法である。例えば、エレベータかごが1階に向かって下降しており、10階を通過しているときに、エレベータかご内の利用者が9階の停止階ボタンを押した場合、エレベータ制御部4は、エレベータを希望階に安全に停止できないと判断して、次に停止する階床情報である「かご停止予定階床情報」として登録しない。また、例えば、エレベータかごが1階に向かって下降しており、10階を通過しているときに、エレベータかご内の利用者が6階の停止階ボタンを押した場合は、エレベータを希望階に安全に停止できると判断して、次に停止する階床情報である「かご停止予定階床情報」に登録する。
【0072】
実施の形態4においては、停止する階床情報である「かご停止予定階床情報」と、現在のかごの位置情報の差を用いて、液晶パネル16の垂直同期信号のずれを制御する場合を説明する。
【0073】
図14は、実施の形態4に係る映像表示装置における、エレベータの「かご停止予定階床情報」及び「かご位置情報」と液晶パネル16の垂直同期信号のずらし方(垂直同期周波数の変更の仕方)の一例の説明図である。図14において、水平右方向は時間軸方向であり、点671〜675を結ぶ線の縦軸の位置は、垂直同期信号(垂直同期周波数)を示す。図14は、エレベータかごが10階(10F)を通過しているときに、「かご停止予定階床情報」では「1階停止」する予定で動作している場合を示す。すなわち、「かご位置情報」が10階(符号661)のときには、「かご停止予定階床情報」は「1階停止」(符号651)の予定である。ここで、エレベータかごが9階通過中に、エレベータかご利用者が6階で停止するよう求め、6階に安全に停止できると判断された場合、「かご停止予定階床情報」は、「6階停止」に切り替わる。
【0074】
「かご停止予定階床情報」と「かご位置情報」の差を用いて、例えば、この差が「2階」になったときに液晶パネル16の垂直同期信号のずらしを開始し、差が「1階」になったときにカメラ2に表示する映像をカメラ2に切り替えるように構成した場合、図14において、時点671で、徐々に同期信号がずれはじめ、時点673でプレーヤー3からカメラ2に切り替わる。それから、カメラ2の垂直同期信号で液晶パネル16の垂直同期信号の調整が行われ、図14の時点674でずらしの処理が終了する。
【0075】
以上に説明したように、実施の形態4に係る映像表示装置によれば、エレベータかごが停止する情報に基づき液晶パネル16に表示する映像の切り替え準備を行い、エレベータかごの現在位置に基づいて画面切り替えを行うことで、フロアへの停止のとき、常に同じタイミングで映像の切り替えを行うことができる。
【0076】
また、実施の形態4に係る映像表示装置によれば、エレベータの速度情報だけでなく、エレベータの停止予定に基づいて、映像切り替えを行うことができ、エレベータの動きに連動した多彩な映像切り替えができる。
【0077】
さらに、実施の形態4に係る映像表示装置によれば、実施の形態1及び3で説明したエレベータ速度情報と、「かご停止予定階床情報」と「かご位置情報」の差の情報を組み合わせて映像の切り替えを行ってもよく、この場合には、さらに多彩な映像切り替えを行うことができる。
【0078】
実施の形態5.
実施の形態1(図5)においては、カメラ2の垂直同期信号と液晶パネル16の垂直同期信号とが、ほぼ同じ垂直同期周波数で発生する場合を説明したが、テレビ信号であるNTSC信号、PAL信号、及びSECAM信号の垂直同期周波数はそれぞれ、約60Hz、約50Hz、及び約50Hzである。これに対し、液晶パネル16の垂直同期周波数は、種々の値が存在するが、一般的には60Hzである。
【0079】
カメラ2の出力信号がNTSC信号であり、液晶パネル16の垂直同期周波数が60Hzである場合には、図5の例で説明した処理によって、ノイズのない映像を液晶パネル16に表示できる。しかし、カメラ2の出力信号がPAL信号又はSECAM信号(いずれの垂直同期周波数も50Hz)であり、液晶パネル16の垂直同期周波数が60Hzである場合には、垂直同期周波数の差が10Hzと大きいので、すべての信号について同期あわせを行うことができない。実施の形態5においては、このような場合の処理を説明する。なお、実施の形態5の説明においても、図1を参照する。
【0080】
図15は、実施の形態5に係る映像表示装置における、垂直同期信号のずれ(垂直同期周波数の差によるずれ)の説明図である。図15において、水平右方向は時間軸方向である。図15に示されるように、PAL方式又はSECAM方式の(「PAL/SECAM」と記す。)カメラ2から出力される垂直同期信号のタイミングは、PAL/SECAMカメラ2から出力される垂直同期信号の5回に1回だけ、60Hzの液晶パネル16の垂直同期信号のタイミングに近いタイミングとなる。図15の例では、カメラ2の垂直同期信号701と液晶パネル16の垂直同期信号721の組(領域741で囲う部分)と、カメラ2の垂直同期信号706と液晶パネル16の垂直同期信号727の組(領域742で囲う部分)のタイミングでのみ、垂直描画期間のライン数の増減処理を実行する。すなわち、NTSC信号の垂直同期信号の周期と、PAL信号又はSECAM信号の垂直同期信号の周期との最小公倍数で示される時間ごとに、垂直描画期間のライン数の増減処理を行う。
【0081】
図16は、実施の形態5に係る映像表示装置において、切り替え部11から出力されるテレビ信号をプレーヤー3の再生信号からカメラ4の撮影信号に切り替えるときの処理を示すフローチャートである。図16において、図9に示される処理と同じ処理には、同じ符号を付す。図16は、ステップS801,…,S804の処理及びステップS811,…,S814の処理が追加されている点が、図9に示される処理と相違する。
【0082】
図16のステップS801,…,S804の処理においては、制御部17は、カウンタNを初期化して0にし(ステップS801)、N>4であるか否かの判断をし(ステップS802)、判断結果がNoであれば、N=N+1として(ステップS803)、処理をステップS553に戻す。また、ステップS802で判断結果がYesであれば、制御部17は、N=0とした上で(ステップS804)、処理をステップS555に進める。
【0083】
図16のステップS811,…,S814の処理においては、制御部17は、再度カウンタNを初期化して0にし(ステップS811)、N>4であるか否かの判断をし(ステップS812)、判断結果がNoであれば、N=N+1として(ステップS813)、処理をステップS563に戻す。また、ステップS812で判断結果がYesであれば、制御部17は、N=0とした上で(ステップS814)、処理をステップS565に進める。
【0084】
以上に説明したように、実施の形態5に係る映像表示装置においては、ステップS801,…,S804の処理及びステップS811,…,S814の処理を追加して、PAL/SECAMカメラ2の垂直同期信号の5回に1回だけ同期処理を実行することによって、PAL/SECAMカメラ2の垂直同期信号を、垂直同期周波数60Hzの液晶パネル16の垂直同期信号に見かけ上同期させることができる。このため、実施の形態5に係る映像表示装置によれば、フレームメモリ13への書き込み及びフレームメモリ13からの読み出しのタイミングを制御することによって、液晶パネル16に表示される映像のノイズの発生を低減することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 映像表示装置、 2 カメラ、 3 プレーヤー、 4 エレベータ制御部、 11 切り替え部、 12 ビデオデコーダー、 13 フレームメモリ、 14 出力制御部、 15 ライン情報取得部、 16 液晶パネル、 17 制御部、 18 ずれ記憶部、 19 タイミング情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のテレビ信号が入力され、前記第1のテレビ信号のデジタル映像データ及び前記第1のテレビ信号の第1の垂直同期信号を出力するビデオデコーダーと、
前記デジタル映像データを記憶するフレームメモリと、
第2の垂直同期信号に基づき前記フレームメモリから前記デジタル映像データを読み出し、読み出された前記デジタル映像データ及び前記第2の垂直同期信号を出力する出力制御部と、
前記出力制御部から出力された前記デジタル映像データを、前記第2の垂直同期信号に同期して表示する表示器と、
1フレームの前記デジタル映像データが前記フレームメモリに書き込まれた後に、前記出力制御部が前記フレームメモリに書き込まれた前記1フレームの前記デジタル映像データを読み出すようするための情報として、前記第2の垂直同期信号と前記第1の垂直同期信号のタイミングのずれ情報であるタイミング情報を記憶するタイミング情報記憶部と、
前記ビデオデコーダーから前記第1の垂直同期信号が前記制御部に入力されるたびに、前記第1の垂直同期信号と前記タイミング情報に基づいて、前記第2の垂直同期信号を出力させるように、前記出力制御部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記表示器の垂直描画期間における非表示部分のライン数を増減することによって、前記第2の垂直同期信号のタイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記タイミング情報記憶部は、1フレームの前記デジタル映像データの前記フレームメモリへの書き込みが完了する前に、前記デジタル映像データの読み出しを開始させる前記第1の垂直同期信号と前記第2の垂直同期信号のタイミングのずれ情報であるタイミング禁止情報を記憶し、
前記制御部は、前記第1の垂直同期信号、前記タイミング情報、及び前記タイミング禁止情報に基づいて、前記第2の垂直同期信号を出力させるよう制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の垂直同期信号の周期を、前記第1の垂直同期信号の周期と前記表示器が対応可能な垂直同期信号の周期の最小公倍数の周期にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項5】
第2のテレビ信号及び第3のテレビ信号が入力され、前記制御部からの制御信号に応じて、前記第2のテレビ信号又は前記第3のテレビ信号のいずれかを前記第1のテレビ信号として前記ビデオデコーダーに供給する切り替え部と、
前記第2のテレビ信号の垂直同期信号と前記第3のテレビ信号の垂直同期信号のタイミングのずれを記憶するずれ記憶部と
を備え、
前記出力制御部は、前記表示器の何ライン目を描画しているのかを示すライン情報を取得するライン情報取得部を含み、
前記切り替え部が、出力される信号を前記第2のテレビ信号から前記第3のテレビ信号に切り替える前に、
前記制御部は、前記ずれ記憶部に記憶されているずれ情報に基づき、前記第2のテレビ信号の垂直同期信号と前記第3のテレビ信号の垂直同期信号のずれを減少させる方向に、前記出力制御部から出力される前記第2の垂直同期信号を制御し、
前記ずれ情報の任意の部分まで制御が完了した時点で、前記制御部は前記切り替え部に、出力される信号を前記第2のテレビ信号から前記第3のテレビ信号に切り替えるように構成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、
エレベータかごの運行制御を行うエレベータ制御部からのエレベータ速度情報を受け取り、
前記エレベータ速度情報に基づくタイミングで、前記切り替え部から出力される信号を前記第2のテレビ信号から前記第3のテレビ信号に切り替える
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記エレベータ速度情報に基づき、エレベータ速度の範囲内で前記第2の垂直同期信号の調整が完了するように、前記第2の垂直同期信号を調整するパラメータを制御する手段を有することを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、
エレベータかごの運行制御を行うエレベータ制御部からのエレベータかごが停止する予定の階床の情報とエレベータかごの現在の位置情報を受け取り、
エレベータかごが停止する予定の階床の情報とエレベータかごの現在の位置情報の差に基づき、前記第2のテレビ信号から、前記第3のテレビ信号の切り替え制御を行う
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2のテレビ信号を第1のテレビ信号として出力するように前記切り替え部を制御し、
前記第1のテレビ信号が前記ビデオデコーダーに入力され、前記ビデオデコーダーから出力される第1の垂直同期信号に基づいて、前記制御部が前記出力制御部から前記タイミング情報に基づくタイミングだけずらすように第2の垂直同期信号を出力するように調整を完了した状態から、
前記制御部は、前記第3のテレビ信号を第1のテレビ信号として出力するように前記切り替え部を制御し、
前記第3のテレビ信号が前記切り替え部を介して第1のテレビ信号として前記ビデオデコーダーに入力し、
前記制御部は、前記ビデオデコーダーから出力される第1の垂直同期信号を受信したときに、前記ライン情報取得部からライン情報を取得し、
前記ライン情報を前記第2のテレビ信号から第3のテレビ信号の垂直同期信号のずれ情報として、前記ずれ記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−112901(P2011−112901A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269819(P2009−269819)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】