説明

有機注入レーザ

電気的に刺激されたバンド内遷移がレイジングをもたらす単極有機注入レーザ。活性領域(140)は、少なくとも1つの有機注入層(144)と少なくとも1つの有機発光層(142)とを含む。それぞれの有機発光層は、伝導帯と価電子帯とによって規定されたエネルギーギャップの同じ側に第1のエネルギー準位と第2のエネルギー準位とを持っている。電荷キャリアは、活性領域に電圧がかけられる時に、有機注入層を通して有機発光層の第1のエネルギー準位に注入される。第1および第2のエネルギー準位の間のエネルギー差は、電荷キャリアが第1のエネルギー準位から第2のエネルギー準位に遷移する時に放射発光を引き起こす。反転分布が第1および第2のエネルギー準位の間で維持され、誘導放出とレイジングが引き起こされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機レーザに関する。さらに具体的には、本発明は電気的にポンピングされる有機注入レーザを対象とする。
【背景技術】
【0002】
[行政的権利]
本発明は、米国空軍科学研究局(United States Air Force Office of Scientific Research)によって与えられた規約第3396002の下で、米国政府の援助で作られた。米国政府は、本発明において特定の権利を有している。
【0003】
[研究協定]
請求された発明は、共同の大学−法人研究協定に対する以下の1つ以上の団体により、それらを代表して、および/または、それらに関連して作られた。すなわち、プリンストン大学、南カリフォルニア大学、およびユニバーサルディスプレイ社(Universal Display Corporation)である。この協定は、請求された発明が作られた日、およびその前に有効であり、そして、主張された発明は、協定の範囲内で着手された活動の結果として作られた。
【0004】
ここ15年の間、有機オプトエレクトロニクス・デバイスの活性媒体としての有機材料の研究と応用における研究的関心について、爆発的な増大が見られた。この研究は、発光性のOLEDを含む有機発光デバイス(OLED)のような、いくつかの発展をもたらした。有機材料を利用するオプトエレクトロニクス・デバイスは、多くの理由から、ますます望ましいものとなってきている。このようなデバイス作るために使われる材料の多くは比較的高価でなく、そのため、有機オプトエレクトロニクス・デバイスは無機デバイスを超えるコスト的利点の可能性を有する。加えて、柔軟性のような有機材料の固有の特性は、柔軟な基板上に製作するような特定の応用にそれらをよく適合させることができる。
【0005】
量子カスケードレーザ(QCL)のような無機単極(ユニポーラ)レーザが知られている。QCLは、QCLデバイスが単極である点で、通常の半導体ヘテロ構造レーザとは基本的に異なる。単極量子デバイスにおいては、フォトンを生成する電子またはホール遷移が、同じバンド中のサブバンドエネルギー準位間にある(すなわち、バンド内遷移)。非特許文献1での無機QCLデバイスの最初の実験的デモンストレーション以来、このようなデバイスの物理学的および技術的応用を理解のもとに進歩が成し遂げられた。非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4である。
【非特許文献1】Faistら著、「サイエンス誌(Science)」264,553号(1994年)
【非特許文献2】Faistら著、「ネイチャー誌(Nature)」387,777号(2002年)
【非特許文献3】Gmachlら著、「ネイチャー誌(Nature)」415,883号(2002年)
【非特許文献4】Paiellaら著、「IEEEフォトン技術学術誌(IEEE Photon. Tech. Lett.)」12,780号(2000年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、QCLは、低コストや分子レベルにおけるエネルギー準位の調節性のような、有機デバイスの多くの利益を享受しえない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電気的に刺激されたバンド内遷移がレイジングをもたらす単極有機注入レーザである。活性領域は少なくとも1つの有機注入層と少なくとも1つの有機発光層とを含む。それぞれの有機発光層は、伝導帯と価電子帯とによって規定されたエネルギーギャップの同じ側に第1のエネルギー準位と第2のエネルギー準位とを持っている。活性領域に電圧がかけられる時、電荷キャリアは有機注入層を通して有機発光層の第1のエネルギー準位に注入される。電荷キャリアが第1のエネルギー準位から第2のエネルギー準位に遷移する時、第1および第2のエネルギー準位の間のエネルギー差は放射発光を引き起こす。反転分布が第1および第2のエネルギー準位の間で維持され、誘導放出とレイジングが引き起こされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここに使われるように、また一般的に当技術分野の当業者によって理解されるように、第1の「最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital)」(HOMO)または「最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)」(LUMO)のエネルギー準位は、もし第1のエネルギー準位が真空のエネルギー準位により近いならば、第2のHOMOまたはLUMOのエネルギー準位よりも「大きい」か、または「高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は真空レベルに対して負のエネルギーとして測られるので、高い方のHOMOエネルギー準位は、より小さな絶対値を持っているIP(より小さな負の値であるIP)に対応する。同様に、高い方のLUMOエネルギー準位は、より小さな絶対値を持っている電子親和力(EA)(より小さな負の値であるEA)に対応する。最高部が真空レベルである従来のエネルギー準位ダイアグラム(ここで使われるようなもの)において、材料のLUMOエネルギー準位は同じ材料のHOMOエネルギー準位より高い。「より高い」HOMOまたはLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMOまたはLUMOエネルギー準位よりも、このようなダイアグラムの最高部から近いように見られる。
【0009】
ここに使われるように、「有機」という用語は、ポリマー(重合体)材料と、さらに有機オプトエレクトロニクス・デバイスを製造するために使うことのできる小分子の有機材料を含む。「小分子」とは、重合体ではない何らかの有機材料のことを言い、「小分子群」とは、実際には非常に大きいもののことである。小分子は何らかの環境における繰り返し単位を含むことができる。例えば、長鎖アルキル基を置換基として使用することは、「小分子」階級から分子を取り除かない。小分子は、例えば重合体バックボーン上のペンダント群として、あるいはそのバックボーンの一部として、ポリマー中に組み入れることもできる。小分子群は、コア部分上に構築された一連の化学殻から成るデンドリマーのコア部分としての役割も果たすことができる。デンドリマーのコア部分は、螢光性または燐光性の小分子発光体でありうる。デンドリマーは「小分子」であることが可能で、OLEDの分野で現在使われる全てのデンドリマーは小分子であるとみられている。一般に、小分子は一つの分子量による明確な化学式を持っているが、ポリマーは分子から分子へと(分子毎に)変動しうる化学式と分子量を持っている。
【0010】
過去三十年にわたって、多くの有機材料は、光学的にポンピング(駆動)される時にレーザ発光を示すことが示されてきた。分子材料をベースとする液体色素レーザが、上記と同じ期間にわたって使われてきた。そして1997年に、光学的にポンピングされた有機半導体薄膜からのレイジングがデモンストレーション(実演)された。Koslovら著の「ネイチャー誌(Nature)」389,362号(1997年)である。レイジング作用は、小分子量の有機半導体の真空蒸着された薄膜の、光学的にポンピングされたスラブ型導波路構造を持った有機レーザで実演された。V.G. Kozlovらの「Conf. on Lasers and Electro-optics CLEO '97, CPD-18, Opt. Soc. Am., Baltimore, MD」(1997年5月)である。分子有機材料とポリマー薄膜からのレイジングは可視スペクトルに及び、単にレイジング媒体に改変を加えることによって、近IR(近赤外)にまで延びることが示された。V. G. Kozlov、V. Bulovic、P. E. Burrows、V. Khalfin、およびS. R. Forrestの「Unique optical properties of organic lasers」presented at CLEO '98, San Francisco」(1998年)である。
【0011】
(小分子およびポリマー材料の両方を含んだ)有機材料をレイジング媒体として使うことにはいくつかの利点がある。すなわち、線幅が極めて狭いこと、レイジング種を化学的に改変することによってレイジング波長が調整可能であること、そしてレイジング波長は広範囲にわたって温度に依存しないこと、である。Koslozらの「Appl. Phys. Lett. 71, 2575」(1997年)による。それ故、有機レーザは、この高度に多様な材料システムの基本的な光学的および電子的特性のプローブ(探針)としての役割を果たすだけでなく、光子システムおよび光学遠隔測定法の波長標準としてこのようなデバイスの実用的な応用も存在する。例えば、光学的にポンピングされたDCM2ドープAlq有機薄膜レーザの温度依存性をGaAsベースのレーザと比較することができる。光学的にポンピングされたレイジングのための敷居値と、さらに温度関数としての分子性有機薄膜のレイジング波長は、従来のGaAsベースのレーザとは対照的に最小の温度依存を示す。これらのパラメータの変化のほぼ完全な欠如(スロープ効率を含めた)は、有機薄膜における励起状態での孤立した量子的特性によるものである。これらの分子状態は、周囲環境のそれらから大部分孤立しており、無機半導体で起こるような広範囲のエネルギーバンドにおける電子共有の欠如をもたらす。
【0012】
激しくポンピングされた二重ヘテロ接合構造の使用のような、無機半導体での電気的に誘発されたレーザ発光を達成するのに適用された従来の技術は、有機半導体でのレーザ発光を成功裏に発生させることには適していない。有機材料において、薄膜の抵抗、ポーラロン(polaron)消光と吸収、および一重線エキシトン消滅にかかわる損失は、有機薄膜が従来のアプローチによってレイジングしきい値に達することを妨げる要因である。M. A. Baldo、R. J. Holmes、およびS. R. Forrestの「Prospects for electrically pumped organic lasers」Phys. Rev. B, 第66巻, 035321頁(2002年);V. G. Kozlov、G. Parthasarathy、P. E. Burrows、V. B. Khalfin、J. Wang、S. Y. Chou、およびS. R. Forrestの「Structures for Organic Diode Lasers and Optical Properties of Organic Semiconductors Under Intense Optical and Electrical Excitations」IEEE J. Quant. Electron., 第36巻, 第18頁(2000年)による。
【0013】
レイジングを達成するための光学的なポンピングは比較的簡単である一方で、有機材料のための電気的注入によるレイジングも長い間探求されてきたのにもかかわらず、依然として今日まで成功していない。従来のレーザ型構造の電気的注入を、有機材料で達成するのが難しい基本的な理由が存在する。ベル(Bell)研究所からの、電気的注入によるレイジングの詳細な研究に動機付けられたSchonらの報告である。Baldoら著「Phys Rev. B 66」035321頁(2002)による。ポーラリトン(polariton)(すなわち電荷)−エキシトン二分子のエキシトンのプロセスが、エキシトンがまず作られ、次に共振空胴において放射性再結合が起こる有機ヘテロ構造において、究極的にレイジングが起きることを防止する、ということを、その解析が示した。すなわち、発光のプロセスは、有機半導体においては、無機半導体と比べて基本的に異なりうる。なぜならば、前者のケースでは、強固に拘束されたエキシトンの形成が、従来の光生成プロセスにおける必須の中間状態であるからである。
【0014】
本発明の実施形態は、完全に異なるアプローチ−有機材料における電気的注入によってレイジングを達成すること−を考慮する。このアプローチの下では、従来の有機発光に関与するエキシトン生成は望ましくなく、回避される。むしろ、発光は、注入されたエネルギー遷移の分子間プロセスを通して起こる。このようなデバイスは、単極有機注入レーザ(UPOIL)と言うことができ、それによって、バンド間電子遷移がレイジングをもたらす。有機材料においては、むしろ、異種の有機材料の最低非占有分子軌道(LUMO)間、または最高占有分子軌道(HOMO)間に存在する大きなエネルギーギャップを、このような放射遷移を達成するために利用することができる。
【0015】
単極デバイスの主要な利点は、キャリア−キャリア再結合とキャリア−キャリア消滅メカニズムの欠如である。他の利点は、コンタクトの間のキャリアによって移動された電流経路において、数多くの続いて起こる光学遷移を導入する能力を含んでいる。
【0016】
単極光学遷移には不利点もある。それは、連続したエネルギー準位の間、またはサブバンドの間のエネルギーギャップの完全な欠如に主に関連し、大きなkベクトル交換を伴った、追加的で非放射的な散乱メカニズムを許容することである。単極レーザにおける反転分布は、個々のエネルギー準位の間またはサブバンドの間のキャリア輸送、および結晶中の位置を調整することによって達成され、それによってエネルギー的により高いエネルギーバンドにおけるキャリアを濃縮する。一方、より低いエネルギー準位のものを速やかに減少させ、それによって元の順位は、遷移を許容される光双極子を共有する。このようにして数を達成する最も良い手段は、構造の遷移特性を調整することによる。すなわち、専ら高いエネルギー準位においてキャリアの共鳴トンネル現象を通して効率的に注入するが、一方で、低いエネルギー準位からのキャリアに対して共鳴散乱メカニズムを提供することによる。実際に、何らかの遷移に関連した、反転分布につながるキャリア濃度のアンバランスが適している。
【0017】
有機分子半導体は、ヘテロ構造が非常に異なった材料から製造できるという相対的な容易さに起因して、単極光学デバイスのための機会を提供する。さらに、これらのヘテロ構造は多くの種類のバンド配列、タイプI、タイプIIと、適切な有機単極注入レーザを構築できる飛び飛びのギャップを提供する。有機UPOILのための材料の成功した選択は、層間の分子レベルエネルギーの適切な一致につながる界面処理技術によって、有機材料を特定することによる。具体的に、エネルギー一致は、発光分子の注入層(インジェクタ)LUMO(HOMO)からLUMO+1(HOMO−1)準位への電子(ホール)の注入、および、発光層のLUMO(HOMO)からの電子(ホール)の抜き取りのために必要とされ、続いて薄いトンネリングバリアを通してエネルギー構築コレクタ/インジェクタ中への放射の分子間緩和がおこる。
【0018】
ここでの実施形態で説明した材料は、約1eVの放出を達成するのに使うことができるが、この概念は容易に他の材料およびエネルギーに広げることができる。UPOILにより、単一のキャリア遷移だけ(エキシトンの中間構造を含めない)が、光共振器中で光を生成するために必要である。分子間振動電子状態モードでの競争に因って、より緩い基準で低温度発光を達成することができるが、室温でのレイジング作用も達成することができると期待さる。近IR(近赤外)でのレイジング、または可視の赤色領域でのレイジングでさえもが、他の波長よりも一層容易に室温において達成できる、と期待される。
【0019】
図1Aは有機VCSEL100の一実施形態を示す。この図は必ずしも一定の縮尺通りに描かれていない。デバイス100は、分布ブラッグ反射器(DBR)(distributed Bragg reflector)120と121との間に形成された共振器を有する。伝導性基板110は第1の電極としての役割を果たし、第2の電極170は共振器の反対側に形成される。図1Aの具体的な構造において、DBR120とDBR121とは伝導性である。
【0020】
活性領域140は、少なくとも1つの有機発光層142と少なくとも1つの有機注入層144とを含む。活性領域140の反対側には、電子およびホール電荷輸送層130および131がある。さらに以下で説明するように、輸送層は、発光体層中への注入を容易にするのに十分なエネルギーで、活性領域に電荷キャリアを輸送するよう選ばれる。
【0021】
従来のレーザ技術で知られているように、共振器の長さは、活性領域によって発光される波長において強め合う干渉を最適化するよう設定されうる。一方のDBR121は可能な限り共振波長を反射するよう最適化されるが、他方のDBR120は部分的に反射性である。しかし、共振波長のいくらかの透過(101)を許容する。
【0022】
図1Bは有機VCSEL100の他の実施形態を示す。この実施形態では、DBR120’と121’とは非伝導性である。透明電極171とl72(例えばITO)は共振空胴内側、DBRと活性領域140の間に置かれる。同じく、非伝導性基板111、バッファまたはスペーサー層150と151、およびキャッピング層170も示されている。
【0023】
図1Aおよび図1Bにおける実施形態の特徴は組み合わせることもできる。例えば、DBRが伝導性であるが基板が非伝導性であるならば、透明電極はDBRと基板との間に配置することができる。
【0024】
一般に、基板110/111は堅いもの、柔軟なもの、透過性のもの、不透明なもの、あるいは反射性のものでありうる。ここでに使われる「透過性の」というのは、構造によって発光された波長の光が、実質的な振幅の損失なしに基板材料を通して透過する、ということを示す。基板材料の例としては、ガラス、プラスチック、および石英がある。もし基板が不透明または反射性ならば、孔または開口が基板中にエッチングでき、光透過のための経路を提供する。基板110/111の材料と厚さは、要求される構造的、熱的、および光学的特性を獲得するように選ぶことができる。
【0025】
分散ブラッグ反射器は、異なった屈折率を持った2つの材料で構成された周期的な構造であって、伝導性あるいは非伝導性とすことができる。DBR層のための例としての材料はTiO/SiO多層スタックを含むが、他のDBR材料を使うことができる。DBR層は、例えばスパッタ堆積またはプラズマ堆積(蒸着)によって作ることができ、そしてそれが堆積されるのに応じ偏光解析法を使ってインシチュでモニターすることができる。他の例として、DBR層として使われる誘電材料は熱的蒸着によって堆積させることができる。反射性層は典型的なDBR必要条件を念頭において設計することができる。すなわち、それぞれの誘電体層の厚さは、反射される光の波長を、前記波長での誘電材料の屈折率の4倍で割った値に等しい(波長/(4xn))ということである。
【0026】
共振する極小共振器の光路長は、閉じ込められる光の半波長の整数倍(m×波長/2)に等しくなければならない(ここで、mは整数であり、波長は材料内の光のものである)。さらに、関連する波長のフォトンは、共振状態の空洞を通して往復移動での正味の位相ずれを経験しない。
【0027】
デバイス100/100は他の構造を含むことができる。誘電体スペーサー層を、有機活性領域スタック140の堆積からのポーラリトンDBRスタックへのダメージを減らす手段として含めることができる。誘電体スペーサーを、1つ以上のキャリア注入層130/131と透明電極171/172との間に形成することもできる。さらに、誘電体スペーサーは、ポーラリトンDBRスタック中に活性領域を結合させる特性を調整するための手段として機能することができる。誘電体スペーサー層は、もし光路に含まるならば、活性領域から発光される共振波長光に対して透明でなければならない。誘電体スペーサーにおいて使用するのに適切な材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、フッ化リチウム、酸化テルル、および酸化チタンを含む。
【0028】
本発明の実施形態に使われる材料を堆積するための技術は、当技術分野でよく知られている。例えば、有機層を堆積するための方法は熱的蒸着による。金属層を堆積する方法は熱的または電子ビーム蒸着による。インジウムスズ酸化物(ITO)(透明電極材料)を堆積する方法は電子ビーム蒸着またはスパッタリングによる。しかしながら、本発明は、材料層を堆積する何らかの適切な方法の使用を考慮する。
【0029】
一例として、第1のDBRはガラス基板上に成長される。DBRはスパッタ堆積またはプラズマ堆積によって作ることができ、その層が堆積されるのに応じ偏光解析法を使ってインシチュでモニターすることができる。次に、図3〜図6に関連して説明するような、また透明電極を持ったデバイスが、第1のDBR上に作られる。
【0030】
図2は広域レーザ200の実施形態であり、電極210と270、電荷輸送層230と231、および有機発光層242と有機注入層244を備えた活性領域240を含む。反射器220と221は、放射出力201を伴う共振器のそれぞれの終端に含まれる。図1Aと図1Bの実施形態のために説明した方法と材料は、この実施形態でも使うことができる。さらに、当技術分野でよく知られているように、広域レーザは、キャリアおよび/または光の閉じ込めを促進するためのストライプ状幾何学的配置のような、もしくは、単一光学モードを促進するための、および/または共振波長を調整するための分散フィードバック構造のような、様々な構造を利用することができる。広域レーザの一例として、活性領域は図3〜図6で説明する原理に従って動作する。
【0031】
図1A、図1B、および図2は共振構造の個々の例を示す一方で、広く多様な共振構造が当技術分野によく知られており、そして本発明の実施形態に関連して使用することができる、ということが理解されよう。例えば、部分的に反射性の層が、内部にホールを備えた反射性材料から作られうる。反射性(または部分的に反射性)の層は、内側または外側とすることができる。当技術で知られている他の変更も利用することができる。
【0032】
他の実施形態では、非共振デバイスを作ることができ、それは、そこに必ずしも共振空胴が存在しないという点で、共振デバイスとは異なっている。共振なしでは、発光した光の強い角度依存性が存在しない。それ故、標準OLEDの単純な均等拡散パターン(Lambertian pattern)となる。しかしながら、このようなデバイスは、標準のOLEDの光の発光が、一般に、エキシトンの放射崩壊からの結果であるが、本発明の実施形態はバンド内遷移に依存していると理解されるという点で、標準OLEDとは異なっている(すなわち、伝導体または価電子帯の中の遷移であって、バンドギャップを横断する(越える)電荷キャリアを含まない)。
【0033】
有機材料の狭いバンド(<1eV)は、個々の分子上に主として局在化される電荷をもたらす。それ故、提案されたレイジングは、ラジカルイオンMのバンド内遷移からのものであり(すなわちここでは、中性分子のLUMOが、ほぼラジカル陰イオンのHOMOと同じエネルギー状態にある)、それは通常、Mの対応する遷移より低いエネルギーであり、LUMO遷移に対するそのLUMO+1に関連する。注入は励起状態(M*または(M*に対するものである。この段階の効率は、ヘテロ接合におけるエネルギー準位の適切な配列に依存する。量子カスケードレーザで使用されるようなヘテロ接合間の超格子構造ミニバンドは、まだ有機材料を使って実現されるに至っていない。代案として、次第に電子親和力が低くなる薄膜を、次の活性領域の前でMのエネルギーを上げるのに使うことができる。さらに、低い温度のテトラセン(tetracene)、ペンタンセン(pentancene)、ルブレン(rubrene)のような高純度有機物質においてバンド状のホール輸送が実践されたので、印加電圧は、次の活性領域において励起状態の(M*に直接に電荷を注入することをも容易にする。
【0034】
もし、伝導帯中または価電子帯中で、電荷キャリアがバンドギャップを横断することなく、電荷キャリアの遷移から光が発せられるならば、レーザはUPOILであると思われる。図3は、電子のバンド内遷移を利用するUPOILの一発光周期の間のエネルギー準位ダイアグラムを示す。各層はキャリア輸送層332、第1の注入層342、第1の発光体層344、第2の注入層342を含む。発光体のLUMO+1エネルギー準位から発光体のLUMOエネルギー準位までの電子の遷移の結果として、フォトンが発せられる。電子は、キャリア輸送層332から注入層342を通してトンネリングすることによって発光体層344に注入されて、UPOILがもたらされる。我々は、このようなヘテロ構造におけるトンネリングを、我々の研究室において有機分子線蒸着(organic molecular beam deposition:OMBD)の極めて高い真空プロセスによって調査した。そして、これが、30オングストローム厚さより薄い有機層に対する電荷輸送のための効率的なメカニズムでありうることを見出した。
【0035】
LUMO+1からLUMOへの遷移は非常に速くなければならない。なぜならば、LUMO(「最低非占有分子軌道」)は、定義上、電子のための多数の可能サイトを持っているからである。この速い遷移は、LUMOエネルギー準位からHOMOエネルギー準位へ移動する電子に基づいた光放出とは対照的であって、それ(LUMOからHOMOへ移動する電子による光放出)は一般に、電子がそこに移動できるHOMOエネルギー準位における空の状態を提供するために、エキシトンを形成するためのホールと電子が最初にペアを作ることを必要とする。
【0036】
発光体層におけるLUMO+1からLUMOへの遷移を呈する一実施形態として、注入層のLUMOエネルギー準位は、注入層から注入を行う有機発光層のLUMO+1エネルギー準位よりも最高で0.2eV少ない。最高で0.2eV少ないことに起因するエネルギー障壁は、デバイス性能に重要な逆効果を与えることを想定されないような、十分に小さいものである。他の実施形態では、注入層のLUMOエネルギー準位が発光体層のLUMO+1エネルギー準位より低くない。もし注入層のLUMOエネルギー準位が発光体層のLUMO+1エネルギー準位より低くないならば、電子が注入層から発光体層のLUMO+1エネルギー準位中に容易に移動することができる。しかしながら、注入層のLUMOエネルギー準位が発光体層のLUMO+1エネルギー準位よりたとえ少しでも低ければ、電子は、特に印加電圧バイアスの下で、発光体層のLUMO+1エネルギー準位にさらに遷移することが可能である。
【0037】
UPOILにおけるLUMO+1エネルギー準位からLUMOエネルギー準位への発光のための適切なエネルギー準位を持った材料の例は、注入層としてはBCP(bathocuproine)であり、発光体層としてはアズレン(C10)である。BCPは、−3.2eVのLUMOエネルギー準位を持つ。ナフタリンの異性体であるアズレンは、SあるいはLUMO+1から発光する有機分子の中にあり、そのSは異常に低いエネルギーを持つ。SからSへの量子収率は〜0.046であり、SからSへのそれは〜4×10−6であり、SからSへのそれは<10−6ある。Sは、振動電子状態遷移を通して、〜1.7psの崩壊時間で非放射的にSへと崩壊する。HOMO、LUMO、およびLUMO+1エネルギーは、7.4eV、5.64eV、および3.9eVである。
【0038】
バソキュプロイン(Bathocuproine:BCP)は広いエネルギーギャップを持っており、バリア材料として良好に機能する。多くのホール輸送材料およびいくつかの電子輸送材料も、OLEDおよび薄膜トランジスタとして特定されてきた。それらは輸送層としての候補であり、低温でバンド輸送を伴うことができる。局所的なホールのための活性層は、その陽イオンラジカルDが1〜2eV範囲で発光するドナーDであるか、または電子のために蛍光Aを持ったアクセプタである。それに応じて、本発明の実施形態のように、発光体層のLUMO+1エネルギー準位とLUMOエネルギー準位とのエネルギー差、および/または、発光体層のHOMO−1とエネルギー準位HOMOエネルギー準位とのエネルギー差は、1から2eVである。
【0039】
有機塩からの発光を考慮すれば追加的な柔軟性がある。注入層のLUMOエネルギー準位と発光体層のLUMO+1エネルギー準位との適切な関係を持つ材料のペアは、それらのLUMOエネルギー準位に大きな差を持ちうる。実施形態の例として、注入層のLUMOエネルギー準位は、発光体層のLUMOエネルギー準位より少なくとも1.0eV高い。
【0040】
同じ構成の多数の期間が、フォトン発光を強め、またレーザ構造で必要とされるよう利得を導入するために繰り返されうる。例えば、図4はバイアス下での多数のエミッタ(発光体)を示す。電子は、電荷輸送層432から注入され、バリア444を通過し発光体層442中にトンネリングする。電子がLUMO+1からLUMOへとそれぞれの発光体で崩壊するにつれて、フォトンが発せられる。
【0041】
図5は本発明の同じ原理を示すが、ホールに対するものである。ホールは、キャリア輸送層532からバリア542を通して発光体544に注入され、ホールがHOMO−1からHOMOへと落ち込んでフォトンを発する。HOMO−1からHOMOへの遷移はに非常に速くなければならない。なぜならば、HOMO(「最高占有分子軌道」)は、定義上、空きのHOMO−1サイトに落ることが可能な多数の電子を持っているからである。この速い遷移は、LUMOエネルギー準位からHOMOエネルギー準位へ移動する電子に基づいた光放出とは対照的であって、それ(LUMOからHOMOへ移動する電子による光放出)は一般に、HOMOエネルギー準位のホールの空きを埋めるためのLUMOエネルギー準位における電子を提供するために、エキシトンを形成するためのホールと電子が最初にペアを作ることを必要とする。有機注入層の例は、銅(II)フタロシアニン(CuPc)、および亜鉛フタロシアニン(ZnPc)を含む。
【0042】
図6は、バイアス下でのエミッタ(発光体)におけるホール遷移の多数の期間を示す。ホールは、電荷輸送層632から発光体642へ注入され、バリア644を通してトンネリングする。それぞれの時間でホールがHOMO−1からHOMOに遷移し、フォトンが発せられる。そして、このプロセスは次の発光体層と注入層に対して繰り返される。
【0043】
発光体層におけるHOMO−1からHOMOへの遷移を示した実施形態は、LUMOとLUMO+1の間の伝導帯エネルギー準位に対する説明と類似している。実施形態として、注入層のHOMOエネルギー準位は、注入層から注入を行う発光層のHOMO−1エネルギー準位よりも最高で0.2eV高い。他の実施形態では、注入層のHOMOエネルギー準位は、発光体層のHOMO−1エネルギー準位より低くない。もし注入層のHOMOエネルギー準位が発光体層のHOMO−1エネルギー準位より低くないならば、ホールが注入層から発光体層のHOMO−1エネルギー準位中に容易に移動することができる。しかしながら、注入層のHOMOエネルギー準位が発光体層のHOMO−1エネルギー準位よりたとえ少しでも低ければ、ホールは、印加電圧バイアスの下で、発光体層のHOMO−1エネルギー準位にさらに遷移することが可能である。
【0044】
もしデバイスがそれぞれの段階において同じエネルギー準位間隔を持つ(それぞれの発光体層が、同じLUMO+1エネルギー準位とLUMOエネルギー準位の差、またはHOMO−1エネルギー準位とHOMOエネルギー準位の差を持つ)よう設計されるならば、フォトンはすべて同じエネルギーとなるであろう。
【0045】
輸送層332、432、532、および632は、中性分子または材料の薄膜とすることができるが、有機塩のイオンも使うことができる。
【0046】
本発明の実施形態によって製造されたデバイスは、通信デバイス、プリンタ、エッチングシステム、計測デバイス、光学メモリーデバイス、表示デバイス、およびセンサデバイスを含んだ多種多様な消費者製品に組み込むことができる。本発明のデバイスは、波長分割多重化、光学ヘテロダイン、および光学クロック用途のための波長基準としても使うことができる。ここで説明した実施形態は、摂氏18度から摂氏30度のような人間にとって快適な温度範囲で、また室温(摂氏20〜25度)で、動作するように作ることができる。
【0047】
ここで説明した種々の実施形態が専ら例示によるものであり、発明の範囲を制限するように意図されたものでない、ということが理解される。例えば、ここで説明した材料および構成の多くを、本発明の精神から逸脱することなく、他の材料で代用することができる。別の例として、フォトンを生成するバンド内遷移は、LUMO+2からLUMO+1、またはHOMO−2からHOMO−1のような、他のサブバンド間においてもあり得る。本発明が機能する理由に対応した様々な理論が、限定のために意図されたものでない、ということが理解される。
【0048】
本発明についてのいくつかの実施形態をここで詳細に示し、および/または、説明した。しかしながら、本発明の改良および変更は、本発明の精神と対象とする範囲から逸脱することなく、上述の教示によって、また添付の請求項の範囲内でカバーされる、ということが認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1A】有機垂直キャビティ面発光レーザ(vertical-cavity surface-emitting laser:VCSEL)の一実施形態の断面図である。
【図1B】有機垂直キャビティ面発光レーザ(vertical-cavity surface-emitting laser:VCSEL)の一実施形態の断面図である。
【図2】有機広域レーザの一実施形態の断面図である。
【図3】放射発光を引き起こす電子のバンド内遷移を示すエネルギーバンドダイアグラムである。
【図4】バイアス下における一連の有機発光体を通した電子の経路を示すエネルギーバンドダイアグラムである。
【図5】放射発光を引き起こすホールのバンド内遷移を示すエネルギーバンドダイアグラムである。
【図6】バイアス下における一連の有機発光体を通したホールの経路を示すエネルギーバンドダイアグラムである。
【符号の説明】
【0050】
100 デバイス
110 基板
111 非伝導性基板
120、121 DBR
130、131 電子およびホール電荷輸送層(キャリア注入層)
140 活性領域
142 有機発光層
144 有機注入層
150、151 スペーサー層
170 第2の電極(キャッピング層)
171、172 透明電極
200 広域レーザ
201 放射出力
210 電極
220 反射器
230、231 電荷輸送層
240 活性領域
242 有機発光層
244 有機注入層
332 キャリア輸送層
342 注入層(第1および第2)
344 発光体層
432 電荷輸送層
442 発光体層
444 バリア
532 キャリア輸送層
542 バリア
544 発光体
632 電荷輸送層
642 発光体
644 バリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と;
第2の電極と;
第1の反射器および第2の反射器を有する共振器と;
前記共振器に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電気的に接続された活性領域と;
を有し、前記活性領域は、
伝導帯と価電子帯とによって規定されたエネルギーギャップの同じ側に第1のエネルギー準位と第2のエネルギー準位とを持っている有機発光層と、
前記有機発光層と直接接触している有機注入層と、
を備え、
その状況で、もし前記第1の電極と前記第2の電極に電圧がかけられるならば、電荷キャリアが前記第1のエネルギー準位から前記第2のエネルギー準位に遷移して放射発光を引き起こすことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記第1のエネルギー準位はLUMO+1であり、前記第2のエネルギー準位はLUMOであることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記有機注入層のLUMOは、前記有機発光層のLUMO+1よりも最高で0.2eV少ないことを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記有機注入層のLUMOは、最低で、前記有機発光層のLUMO+1であることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記有機注入層はBCPを有し、前記発光体層はアズレンを有することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1のエネルギー準位はHOMO−1であり、前記第2のエネルギー準位はHOMOであることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記有機注入層のHOMOは、前記有機発光層のHOMO−1より最高で0.2eV高いことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記有機注入層のHOMOは、前記有機発光層のHOMO−1より高くないことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記有機注入層のHOMOは、前記有機発光層のHOMOより少なくとも1.0eV低いことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記有機注入層は、銅(II)フタロシアニン(CuPc)、および亜鉛フタロシアニン(ZnPc)から成るグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記有機発光層のHOMO−1とHOMOのエネルギー差は1から2eVであることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1の反射器と前記第2の反射器は、電荷キャリアが前記第1のエネルギー準位から前記第2のエネルギー準位に遷移する時に引き起こされる放射発光の波長において反射性であり、前記第1および第2の反射器は、活性領域に放射発光の少なくともいくらかをフィードバックさせることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスは垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)であることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1および第2の反射器は分布ブラッグ反射器(DBR)であることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の電極は前記第1の反射器と前記活性領域との間にあることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の反射器は前記第1の電極と前記活性領域との間にあることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスは広域レーザであることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記有機注入層は、非バイアス状態で前記第1のエネルギー準位、前記第2のエネルギー準位、および前記有機発光層のエネルギーギャップの少なくとも一部に重なるエネルギーギャップを持った有機分子を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
もし前記第1の電極と前記第2の電極に電圧がかけられるならば、前記電荷キャリアが、注入される有機注入層を通して前記有機発光層の第1のエネルギー準位中にトンネルすることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記有機注入層は30オングストローム厚さ未満であることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
もし前記第1の電極と前記第2の電極に電圧がかけられるならば、前記電荷キャリアが前記有機注入層を通して前記有機発光層の第1のエネルギー準位中に注入されることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記活性領域は、少なくとも追加の有機発光層と少なくとも追加の有機注入層とをさらに有し、その有機発光層とその有機注入層とは、繰り返しの順序で配列されることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−524870(P2008−524870A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548290(P2007−548290)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/045062
【国際公開番号】WO2006/068883
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(591003552)ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ (68)
【Fターム(参考)】