説明

木酢液加工用炭化炉及びこれを利用した木酢液製造方法

本発明は、木酢液加工用炭化炉、及び前記木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法である。さらに詳細には、熱損失が発生しない為、木酢液回収率が高く、かつ、実現可能な連続的な作業工程により、作業効率を向上させるだけでなく、環境汚染を画期的に防止する事が出来る能力を有する該木酢液加工用炭化炉に関する。破砕用チョッパー(chopper)により、原料を適当な大きさに加工し、密閉された燃焼室へ投入され、前記燃焼室に投入された原料をバーナ等の点火装置を用いて、炭化、及び乾燥させた後、冷却して別途保存する一方、炭化作業過程で発生する燃焼ガスに含有されている木酢液の主成分を低温凝縮する事により、木酢液を収集し、該木酢液の残液は、再燃焼室を介して、外部へ排出される燃焼ガス内の不燃焼揮発性物質の排出量を最小化する事が出来るように再燃焼され、同時に、前記燃焼ガスが、該燃焼室の温度を上昇する事が出来るような該燃焼室へ再循環される、該木酢液加工炭化炉、及び該木巣液加工炭化炉を利用する木酢液製造方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木酢液加工用炭化炉、及び該木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法に関する。
【0002】
さらに詳細には、本発明は、炭化原料等を投入して、木質炭化物と木酢液とを加工する事が出来る木酢液加工用炭化炉、及び木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、炭化物は、各種有機物の燃焼から生産される。即ち、無酸素、又は低酸素の条件の下で、高温(800〜850℃)で前記有機物の加熱が行われると、前記有機物が化学的分解され、水素と、メタン等の炭化水素と、一酸化炭素等を含有する可燃性ガス部、及び液状の酢酸、アセトン、メタノールのような有機化合物を含有する液状のタール(tar)部、又は油部のいずれか一方、及び、最後に、純炭素と、ガラスと、金属と、土砂とを含有する炭部の三つの群に分類されるという結果になる。
【0004】
前記可燃性ガス部と、液状のタール部、又は油部のどちらか一方とを除く、残りの前記炭部が、主に70から80%の炭素を含有する高炭素(C)炭化物で構成され、さらに、有機物の種類により大きく異なる不燃性のガラスと、金属材と、土砂等の多様なその他の構成材により構成される。
炭は、木、又は木材を炭化し、初期体積の約1/3の体積に縮小され、かつ、細胞膜を焼き焦がすこと(scorching)により慣習的に得られる黒い炭化被膜である。前記炭部は、炭化温度と焼成方法(炭化方法)により、模様、及び構成成分が異なる。炭は、一般的に、白炭と黒炭に大きく分類され、炭素(約85%)と、水分(約10%)と、灰(約3%)と、その他の成分(2%)とで構成される。
【0005】
木質炭化物のような炭は、主に炭素成分で構成される為、光、又は生物による酸化、及び分解が行われない性質を有する。特に、前記炭内に約3%の水準で含有される灰は、植物の成長と結実とに必須であり、かつ、植物により、地中から抽出されるミネラル成分を有する。灰が、前記木質炭化物のPHの決定要因を持ち、動植物に微量元素を供給する。従って、前記灰が、微生物の増殖に大きな影響を及ぼしていると知られている。
【0006】
前記木質炭化物を顕微鏡で観察すると、四方八方に繋がり、かつ、数ミクロンから数百ミクロンに至る多様な大きさを持つ無数の細いパイプ状の孔が観察される。前記微小の孔により、前記木質炭化物が、保水性と透水性に優れた性質を有する。さらに、該孔が、その大きさに相応してバクテリア、放射菌等の微生物の増殖と繁殖に対して好都合な構造を有する。その結果、有機物の分解が、該孔内で増殖した前記微生物により促進される性質を有する。
【0007】
前記木質炭化物は、内部表面積が広い為、高い吸着性を有し、農薬用化学物質等のような水に溶け難い環境汚染物質をよく吸着出来る。さらに、微生物が前記木質炭化物に付着している場合、前記木質炭化物は、広い微生物膜を介して、水、又は土壌/空気の浄化に有益な性質を有する。さらに、前記木質炭化物が、耐湿性を有する為、木造建築などの場所に設けられる土台の下部に生じる結露を防止する為の湿度調整剤など、非常に多様な用途において使用されている。最近の大韓民国における家庭の炭消費の広範囲な普及と一般化に伴い、前記木質炭化物の役割が環境保全型農業資材として、重要になってきている。
【0008】
前記木質炭化物の製造過程中に発生する煙を液化して、収集する事によって得られ、毒性と有害物質を取り除く為に6ヶ月以上熟成された木酢液が、農業では農業用化学物質の代替物として利用され、畜産業では糞尿の悪臭の除去、又は家畜の飼料として利用される。さらに、医薬品を調剤する為の原料として使用される場合、木酢液は、皮膚病(みずむし)とアトピー性皮膚炎に効果がある。
【0009】
さらに、木酢液は、園芸と、きのこの栽培と、健康飲料と、消臭剤等のようにその他の応用物としても使用されている。
一方で、前記木質炭化物と木酢液の製造の為の従来の装置は、多量の熱損失が発生し、原料を均一に加熱する事が出来ない為、木酢液の回収率が低いという結果になる。
さらに、前記従来の製造装置は、前記木酢液を回収する度に、最初から該従来の製造装置の設置をやり直さねばならない為、解体、及び設置を毎回繰り返すという不便を同時に伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題点を解決する為に発明されたものであって、その目的は、熱損失が発生しない為に木酢液の回収率が高く、実現可能な連続的な作業工程により作業効率を向上させるだけでなく、環境汚染を画期的に防止する事が出来る新しい木酢液加工用炭化炉の提供である。従って、前記木酢液加工用炭化炉は、破砕用チョッパー(chopper)により、適当な大きさに加工された原料を、密閉された燃焼室に投入し、前記燃焼室に投入された原料を、バーナ等の点火装置を用いて炭化、及び乾燥させた後、前記乾燥した材料を冷却し、別途保存する一方、炭化作業過程において発生する燃焼ガスに含有されている木酢液の主成分を低温で凝縮させて木酢液を回収し、再燃焼室を介して外部へ排出される燃焼ガス内の不燃焼揮発性物質の排出を最小化する事が出来るように再燃焼すると同時に、前記燃焼室の温度を高めるように、前記燃焼ガスを前記燃焼室へ再循環させるような構成である。
本発明のもう一方の目的は、前記木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、下記の木酢液加工用炭化炉を提供することにより、上記、及び他の目的を達成することが出来る:
破砕用チョッパー(chopper)により破砕された原料を投入する為の原料投入口10と;
前記原料投入口10を介して投入された原料を移送する移送スクリュー15と;
移送された原料を、点火装置30を用いて、炭化する為の炭化空間を設ける燃焼室20と;
前記燃焼室20から離れた空間に設置され、移送された炭化物が一定の温度に冷却されるように、一定の回転速度で回転しながら炭化物を所定時間移送する冷却スクリュー40と;
該冷却スクリューと連結し、炭化物を排出する排出管41と;
前記冷却スクリュー40から排出される高比重の燃焼ガスを低温凝縮し、木酢液を抽出する冷却塔50とを有する木酢液加工用炭化炉。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記木酢液加工用炭化炉が、冷却塔50内で凝縮しなかった燃焼ガスを強制的に収集し、再燃焼すると同時に、高温燃焼ガスを燃焼室20へ再循環させる再燃焼室60を有する。
【0013】
本発明の別の態様において、前記木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法は、炭化区間と、乾燥区間と、冷却区間と、移送区間とを有する密閉状態のスクリューコンベアが、一定の回転速度で回転しながら、炭化可能な原料を連続的に移送する事で、炭化物、及び木酢液を製造する方法である。特に、前記木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法が、原料投入口10を介して投入された原料を燃焼室20の炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25により、10〜500rpm、及び85〜800℃の燃焼条件の下で、炭化、及び乾燥する段階と;冷却スクリュー40により、前記炭化物を30〜50℃の温度に冷却する段階と;前記冷却された炭化物を排出し、再循環する段階と;前記燃焼室20から強制的に排出された前記燃焼ガスを冷却塔50で低温凝縮する事で、木酢液を抽出する段階とを有する。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法が、前記冷却塔50から凝縮しなかった燃焼ガスを強制的に収集し、再燃焼室60へ移送する段階と;同時に、前記再燃焼室60で発生する高温燃焼ガスを前記燃焼室20へ再循環する段階とを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る木酢液加工用炭化炉、及び該木酢液加工炭化炉を利用する木酢液製造方法において、密閉された燃焼室、及び再燃焼室を介して、同様の炭化、及び、乾燥作業を実施する。従って、木酢液加工用炭化炉、及び該木酢液加工炭化炉を利用する木酢液製造方法は、熱損失が発生しない為、木酢液の高回収率を達成し、連続的な作業工程により、作業効率を向上し、燃焼ガスを再燃焼、及び再循環させる為、環境汚染を大幅に削減出来る効果がある。
以上では、本発明の好ましい実施例について図示、及び説明してきたが、本発明は、上記実施例に限られず、特許請求の範囲で請求された本発明の要旨を逸脱することなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも様々な変形実施が可能であることは言うまでもなく、そのような変更は記載の請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る木酢液加工用炭化炉の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る木酢液加工用炭化炉の燃焼室を示す側面図である。
【図3】図2の燃焼室に冷却スクリューが装着された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、添付の図面を参照し、さらに詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明に係る木酢液加工用炭化炉の構成を示す図であり、図2は、本発明に係る木酢液加工用炭化炉の燃焼室を示す側面図であり、図3は、図2の燃焼室に冷却スクリューが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図1に示されているように、破砕用チョッパー(chopper)を用いて、木酢液を抽出する為の原料として使用される木、又は木の実等を適当な大きさ(0.2〜1cm)に破砕し、破砕された原料を広い入口を持つ原料投入口10を介して投入する。
【0019】
前記原料投入口10を介して投入された原料は、モータ(図示せず)の駆動により作動する移送スクリュー15を介して、燃焼室20へ移送される。前記移送スクリュー15は、一定の回転速度(10〜500rpm)と、作業温度(85〜800℃)等の前記燃焼室20の作動条件に基づいて、1次加工された原料の投入速度を調節する。
【0020】
前記燃焼室20が、耐熱性の高い材料で形成され、かつ、密閉された構造を有する。前記燃焼室20の長さ方向には、炭化スクリュー21と乾燥スクリュー25とが前記燃焼室20の上下部分に各々に平行して多段配置(stack)されている。楕円状の密封部材22は、前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25の周りにおいて密封されている為、二重密閉構造を提供している。前記燃焼室20の一側に取り付けられているバーナ等のような点火装置30の燃焼炎により、前記設定温度を維持しながら、熱損失を発生することなく、原料が移送される過程で、該原料が、段階的に炭化、及び乾燥するようなスクリューコンベアによって、前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25は構成されている。
【0021】
前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25は、投入された原料が前記スクリューコンベアを介して一定区間において回転しながら、投入された順に炭化され、移送しながら炭化している間に前記原料から抜けずに凝縮した水分を乾燥させるという方法で、炭化、及び乾燥作業処理を行う。
【0022】
前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25を駆動する動力伝達装置(図示せず)が、前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25の長さ、及び外径によって、回転速度、及び温度を適切に調節するよう設定されている。前記条件は、炭化物が、前記燃焼室20内で一定時間移送されながら完全に燃焼することを意図したものである。
上記の回転速度で進行する為に、前記動力装置の役割が非常に重要である。なぜならば、前記スクリューコンベアに伝達される回転動力に適切な減速比率が適用される必要があるからである。
【0023】
より詳細には、前記燃焼室20の上下部分に各々に平行して多段配置(stack)されている前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25が対となり、前方の移送スクリュー15の端部から後方の移送連結管23aまで延び、軸方向に固定されている。撹拌羽を有する前記スクリューコンベアが、前記燃焼室20の長さ方向に沿って形成され、移送過程で前記炭化物の水分とガスが容易に排出されるように前記炭化物を撹拌する。前記スクリューコンベアが完全に外部の空気から遮断されるように、前記スクリューコンベアの外周縁が金属製の円筒部材で完全に密封されている。ここで、前記スクリューコンベアと前記密封部材の一定の間隔を維持している状態で、前記出入口を除いて、気密に封止されていると理解される。
【0024】
上述のように、前記原料投入口10へ投入される前記材料が、前記燃焼室20の上部に形成されている前記炭化スクリュー21により、一定の回転速度、及び温度で炭化されながら移送され、前記移送連結管23aを介して、前記乾燥スクリュー25へ移送される。
好ましくは、前記移送連結管23aが、前記炭化スクリュー21の移送路と乾燥スクリュー25の移送路を互いに連結するように構成され、かつ、前記移送連結管23aが、前記炭化スクリュー21から前記スクリューコンベアによって移送された炭化物が堆積することなく、円滑に前記乾燥スクリュー25へ直ちに移送されるような適切な直径を有する。
【0025】
前述のように、前記乾燥スクリュー25は、炭化作業工程中に、炭化され、移送された原料から抜けなかった凝縮された水分を乾燥させる装置である。前記乾燥スクリュー25は、前記炭化スクリュー21と同じ回転速度で回転しながら、炭化物を移送する。
前記のように移送された炭化物が、前記冷却スクリュー40へ移送され、前記排出管41を介して排出される。前記冷却スクリュー40は、前記炭化スクリュー21及び乾燥スクリュー25が設置されている前記燃焼室20から離れた空間に設けられている。
即ち、前記乾燥スクリュー25により移送された高温の炭化物が、直ちに排出されず、他の移送連結管23bを介して前記冷却スクリュー40へ移送される。
【0026】
ここで、前記冷却スクリュー40は、前記炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25と同様の形態の前記スクリューコンベアを有する。
前記スクリューコンベアが完全に外部の空気から遮断されるように、該スクリューコンベアの外周縁が金属製の円筒部材で完全に密封されている。ここで、前記スクリューコンベアと前記密封部材の一定の間隔を維持している状態で、前記出入口を除いて、気密に封止されていると理解される。
【0027】
即ち、上記のような配置は、排出された前記炭化物が継続的に高温の熱を相当時間放出する場合、良質の炭化物を得る事が困難となり、かつ、前記炭化物の抽出の際に、作業者の安全性を脅かす可能性を生じ、かつ、火災発生の危険性を高めるので、前記冷却スクリューが、一定の回転速度で回転しながら前記炭化物を一定期間冷却することを意図したものである。
【0028】
前記冷却スクリュー40内における前記炭化物の移送時に、前記高温炭化物が時間の経過によって冷却される。前記炭化物は30〜50℃の温度に冷却される。
火災発生の恐れを防止する為に、上記のように炭化され、排出された前記炭化物が、密閉状態の下で、少なくとも20日間、別個の保存装置に保存される。前記保存装置内に保存された前記炭化物は、濾過材と堆肥として再利用される。
【0029】
このように、気体として分離された高比重の燃焼ガスが、空気より重い性質を有する為、高圧の送風装置(図示せず)により、移送用配管51に沿って冷却塔50へ流入するように強制的に送風される一方で、前記炭化物が前記保存装置内に保存される。
前記冷却塔50へ流入する前記燃焼ガスが、前記木酢液の円滑な抽出を可能とする揮発成分と油脂成分等の前記木酢液の主成分の低温凝縮を行う。
【0030】
外部へ排出される煙を最小限にする為に、前記冷却塔50の内部温度を35℃より低くなるよう維持する。上記のように使用される冷却システムが、前記冷却塔50の内部の温度を下げる為に、還流冷却方式で冷却水を循環させる。
前記冷却塔50の下部には、高純度の木酢液をもたらす為に、凝縮し、抽出される前記木酢液を一次濾過する濾過装置55が設けられている。
【0031】
前記濾過装置55を通過した木酢液が、排出管41を介して排出される場合、前記木酢液は、2〜4℃の低温で、3週間〜1年間保存される。その為、不純物を取り除き、比重差に基づいて層分離された純粋な木酢液が保存される。
一方で、前記冷却塔50を介して流入した前記燃焼ガスが、多量の環境汚染を誘発するような不燃焼揮発性物質を含有する為、凝縮しなかった燃焼ガスは、前記冷却塔50から強制的に収集され、前記再燃焼室60へ移送される。
【0032】
上述のように、前記再燃焼室60へ移送された前記燃焼ガスが、燃焼装置(図示せず)により、前記再燃焼室60で再燃焼される。その結果、前記燃焼ガス内の不燃焼揮発性物質が完全に酸化され、純粋な煙のみが前記排出管62を介して排出される。従って、生じる可能性のある環境汚染を根本的に防止出来る。
【0033】
同時に、前記再燃焼室60から発生する前記高温燃焼ガスが、再循環用配管61を介して前記再燃焼室20へ再循環する為の前記の構造により、前記燃焼室20内の前記炭化物は、前記初期温度より高い温度で炭化される。従って、前記再燃焼室60の前記温度が上昇する。よって、前記炭化物が均一な炭化作業過程を経た後、排出される事によって、高品質の木酢液を抽出する事が出来る。
【0034】
即ち、前記燃焼室20は、初期の発熱に必要な熱を供給されれば、その後において、それ以上の熱は不要である。さらに、前記燃焼室の温度が、前記再燃焼室60から供給される前記高温の燃焼ガスの前記熱により上昇する為、上述のように、上記炭化物の炭化が高温で行われる。
その結果、本発明に係る前記木酢液加工用炭化炉は燃料消費削減に寄与する。
【符号の説明】
【0035】
10:原料投入口
15:移送スクリュー
20:燃焼室
21:炭化スクリュー
22:密封部材
23a、23b:移送連結管
25:乾燥スクリュー
30:点火装置
40:冷却スクリュー
41:排出管
50:冷却塔
51:移送用配管
55:濾過装置
60:再燃焼室
61:再循環用配管
62:煙排出管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕チョッパー(chopper)により破砕された原料を投入する為の原料投入口10と;
前記原料投入口10を介して投入された前記原料を移送する為の移送スクリュー15と;
該移送スクリュー15により移送された前記原料を、発火装置30を用いて、炭化する為の炭化空間を設ける為の燃焼室20と;
前記燃焼室20から離れた空間に設置される前記移送された炭化物が一定の温度に冷却されるように、一定の回転速度で回転しながら、所定時間、前記炭化物を移送する前記冷却スクリュー40と;
該冷却スクリュー40に連結され、前記炭化物を排出する排出管41と;
前記冷却スクリュー40から排出される前記高比重の燃焼ガスを低温凝縮させ、木酢液を抽出する冷却塔50とを有する木酢液加工用炭化炉。
【請求項2】
前記冷却塔50から前記燃焼室20へ排出される凝縮しなかった燃焼ガスを強制的に収集し、再燃焼すると同時に、高温燃焼ガスを再循環させる再燃焼室60を有する請求項1に記載の木酢液加工用炭化炉。
【請求項3】
耐熱性の高い材料で形成され、かつ、密閉された状態に形成された前記燃焼室20と、
前記原料が、スクリューコンベアにより一定区間において回転されながら、投入される順に炭化され、かつ、移送しながら炭化している間に前記原料から抜けずに凝縮した水分を乾燥させるように前記燃焼室20の上下に、その長さ方向に配置されている炭化スクリュー21及び乾燥スクリュー25と、
前記炭化スクリュー21及び乾燥スクリュー25の周囲を密封し、二重密閉構造を構成する楕円状の密封部材22とを備える請求項1に記載の木酢液加工用炭化炉。
【請求項4】
前記冷却塔50の下部に、高純度の木酢液を生産する為の木酢液の一次濾過を行う濾過装置55が設けられている請求項1に記載の木酢液加工用炭化炉。
【請求項5】
炭化物と木酢液が、一定の回転速度で回転し、密閉状態に配され、かつ、炭化区間、乾燥区間、冷却区間及び、移送区間により構成されるスクリューコンベアにより、炭化可能な原料の連続的な移送によって製造される木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法であって、
原料投入口10を介して投入される原料を、燃焼室20の炭化スクリュー21、及び乾燥スクリュー25により、10〜500rpm、及び85〜800℃の燃焼条件の下で、炭化、及び乾燥する段階と;
冷却スクリュー40により、炭化物を30〜50℃の温度に冷却する段階と;
前記冷却された炭化物を排出し、再循環する段階と;
前記燃焼室20から強制的に排出された燃焼ガスを冷却塔50で低温凝縮し、木酢液を抽出する段階とを有する木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法。
【請求項6】
さらに、前記冷却塔50から凝縮しなかった燃焼ガスを強制的に収集し、再燃焼室60へ移送する段階と、
これと同時に、前記再燃焼室60から前記燃焼室20へ結果として移送される高温燃焼ガスを再循環する段階とを有する請求項5に記載の木酢液加工用炭化炉を利用する木酢液製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−531381(P2010−531381A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514616(P2010−514616)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003631
【国際公開番号】WO2009/002089
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(508169410)
【Fターム(参考)】