説明

枚葉収納容器及びそれに用いる緩衝支持部材

【課題】 極めて薄いシンウエハーを安全にかつ確実に支持することができると共に容易に出し入れできるようにする。
【解決手段】 内部に1枚のシンウエハー4Aを収納する容器本体2と、当該容器本体2に取り付けられる蓋体3とを備えた枚葉収納容器1である。容器本体2側に位置して蓋体3を底面側から支持する底面支持部材35と、蓋体3側に位置して上側表面側から支持する表面支持部材36とを備えた。底面支持部材35は、シンウエハー4Aの中央部分を支持する中央支持部37と、外周部分を支持する外周支持部38と、径方向外方から支持する周縁支持部39と、上記中央支持部37と外周支持部38とを一体的に結合する環状板部40を備えた。表面支持部材36は、シンウエハー4Aを上側から覆う円盤部43と、上記底面支持部材35と共に上記シンウエハー4Aを挟むようにして支持する当接部44,45とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハー、記憶ディスク、液晶ガラス基板等の薄板を収納して保管、輸送、製造工程等において使用される枚葉収納容器及びそれに用いる緩衝支持部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハー等の薄板を収納して保管、輸送等するための枚葉収納容器は一般に知られている。この枚葉収納容器の一例としては特許文献1に記載のロボット用パッケージがある。このロボット用パッケージでは、ウエハーを収納するコンパートメントを有している。ウエハーは、このコンパートメント内へ挿入されて、保管、輸送等が行われる。
【0003】
また、浅い皿状の容器本体と蓋体とから構成された枚葉収納容器もある。
【特許文献1】特表平5−508747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述のようなロボット用パッケージの場合は、ウエハーをコンパートメントに対して出し入れするのが容易でなく、作業性が悪い。
【0005】
これに対して、浅い皿状の容器本体と蓋体とから構成された枚葉収納容器の場合は、上記ロボット用パッケージよりもウエハーの出し入れが容易になるが、この場合も、ウエハーを上方から取り出す必要がある。皿状の容器本体の場合、収納されたウエハーの周囲に容器本体の壁部があるため、搬送装置の真空ピンセットを横から挿入することはできない。このため、ウエハーを上方から取り出す必要があり、その作業性が悪いという問題点がある。
【0006】
また、ウエハーが薄くて大型化すると、強度の問題から、ウエハーの周縁部のみを支持して上方へ持ち上げるのは容易でなく、この点でも、作業性が悪いという問題がある。
【0007】
特に、極めて薄いシリコンウエハーを取り扱う収納容器の場合は、出し入れ作業のみならず、枚葉収納容器内での保持方法も問題になる。即ち、シリコンウエハーの厚みが25〜400μm程度で大変薄いために、強度が弱くなって紙のように容易に撓んでしまうため、単純にシリコンウエハーの周縁部を支持すると、シリコンウエハーが大きく撓んでしまい、シリコンウエハーの破損や、シリコンウエハーの表面に形成された微細回路の損傷等の問題がある。
【0008】
このような極めて薄いシリコンウエハーの場合は、通常、その両面を保護フィルムでカバーして取り扱われる。この保護フィルムは、ウエハーの強度を補強すると同時に、取り扱いを容易にしている。しかしながらこの場合も、シリコンウエハーの周縁部を支持すると、上述のようにシリコンウエハーが大きく撓んでしまい、シリコンウエハーの表面に形成された回路が破損する等の問題が生じてしまう。
【0009】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、上述のような極めて薄いシリコンウエハー(Thin Wafer)を安全に、機密性を保って確実に保持することができると共に容易に出し入れできる枚葉収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、容易に撓み得る極薄の1枚の薄板を内部に収納する容器本体と、当該容器本体に取り付けられる蓋体とを備えた枚葉収納容器において、上記容器本体側に位置して上記薄板を底面側から面で支持する底面支持部材と、上記蓋体側に位置して上記薄板を上側表面側から面、線又は点で支持する表面支持部材とを備え、上記蓋体を閉じることで、上記底面支持部材が上記薄板をその底面側から当接して支持すると共に、上記表面支持部材が上記薄板をその上側表面側から当接して支持することを特徴とする。
【0011】
上記底面支持部材は、上記薄板の中央部分をその底面側から面で支持する中央支持部と、上記薄板の外周部分をその底面側から面で支持する外周支持部と、上記薄板の周縁に当接して当該薄板を径方向外方から支持する周縁支持部と、上記中央支持部と外周支持部とを一体的に結合する環状板部とを備えることが望ましい。上記表面支持部材は、上記底面支持部材に載置された上記薄板の表面に当接して当該底面支持部材とで挟むようにして支持する当接部と、上記蓋体側に設けられて当該当接部を弾性的に支持する弾性支持部とを備えることが望ましい。上記当接部は、上記底面支持部材の外周支持部に対向して設けられ当該外周支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する周縁当接部と、上記底面支持部材の中央支持部に対向して設けられ当該中央支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する中間当接部とから構成されることが望ましい。
【0012】
これにより、上記底面支持部材と上記表面支持部材とで、極めて薄いシリコンウエハー等の薄板をその上下から挟むようにして支持する。
【0013】
具体的には、上記弾性支持部で弾性的に支持された周縁当接部が上記底面支持部材の外周支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する。また、弾性支持部で弾性的に支持された中間当接部が上記底面支持部材の中央支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の枚葉収納容器及びそれに用いる緩衝支持部材によれば、底面支持部材が上記薄板を底面側から支持し、表面支持部材が上記薄板を表面側から支持するため、極めて薄いシリコンウエハー等の薄板を、でも安全に、機密性を保って確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の枚葉収納容器は、大径の半導体ウエハー等の薄板を収納して、保管、輸送等するための容器である。本発明の枚葉収納容器の特徴は、内部に緩衝支持部材を装着した点にある。ここでは、薄板として半導体ウエハーを例に説明する。本発明の枚葉収納容器で扱うウエハーは、厚みが25〜400μm程度の極めて薄いシンウエハーである。即ち、ウエハーの周縁部を保持すると、容易に撓んで平面状態を維持することが不能な程度に強度がない、極めて薄いシンウエハーである。このため、シンウエハーの周縁部を保持すると、シンウエハーが折れ曲がって損傷したり、その表面に形成した微細回路が損傷したりする。このため、本実施形態に係る枚葉収納容器は、上下両面を保護フィルムでカバーされた極薄のシンウエハーの上側表面及び下側表面にそれぞれ当接してシンウエハーを面で支持するようにしたものである。以下では、まず枚葉収納容器を説明してから、その内部に装着する緩衝支持部材を説明する。なお、以下で説明する枚葉収納容器は、通常の厚さのウエハーを収納する枚葉収納容器である。通常の厚さのウエハーを収納する枚葉収納容器をそのまま使用して極薄のシンウエハーを収納することができる枚葉収納容器を構成した。
【0016】
枚葉収納容器1は、図2〜4に示すように主に、容器本体2と、蓋体3とから構成され、四隅を丸くした四角形状に形成されている。これら容器本体2及び蓋体3は、非帯電性の透明高分子材料で形成されている。非帯電性にすることで、塵埃等の吸着を防止している。また、透明高分子材料にすることで、内部の状態を確認できるようにしている。なお、容器本体2と蓋体3とは、その両方ともに非帯電性の高分子材料にする場合以外に、いずれか一方のみを非帯電性の高分子材料で形成してもよい。また、両方とも透明高分子材料で形成する場合以外に、蓋体3のみを透明高分子材料で形成してもよい。少なくとも蓋体3を透明高分子材料で形成すれば、内部の状態を確認できる。
【0017】
容器本体2は、薄板としての1枚の半導体ウエハー4を収納するための部材である。この容器本体2は、図5〜10に示すように、後述する底面支持部材35を載置する底板部5と、この底板部5の周囲に形成された周壁部6とから構成されている。
【0018】
底板部5は、収納された半導体ウエハー4を支持する部分である。この底板部5は、周壁部6よりも高い位置まで隆起させて形成されている。これは、半導体ウエハー4を底板部5の上に載置するとき及び底板部5に載置された半導体ウエハー4を取り出すときに周壁部6が障害にならないようにするためである。即ち、搬送装置の真空ピンセット(図示せず)等に支持された半導体ウエハー4を底板部5に載置した後、この半導体ウエハー4と底板部5との間から真空ピンセット等を横方向に抜き取ったり、底板部5に載置された半導体ウエハー4の横方向からこの半導体ウエハー4の下側へ真空ピンセット等を挿入して持ち上げたりするときに、周壁部6が障害にならないようにするためである。
【0019】
底板部5の上側面には、薄板支持凸条8と、係止片9とが設けられている。
【0020】
薄板支持凸条8は、半導体ウエハー4を底板部5との間に隙間を空けた状態で支持するための部材である。薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部に複数本(本実施形態では8本)設けられている。各薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部から中心に向けて放射状に延ばして形成されている。薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部から中心に向けて細くなる、くさび状に形成されている。さらに、薄板支持凸条8の円周方向の断面形状は、半導体ウエハー4との接触部分に向けて細くなるようにほぼ三角形状に形成されている。薄板支持凸条8の断面形状をほぼ三角形状にすることで、半導体ウエハー4の周縁部と点接触するようになっている。なお、この接触部分は、点接触以外に、線接触又は面接触でもよい。薄板支持凸条8の形状、半導体ウエハー4の寸法、要求される強度等を考慮した上で、可能な最小面積で接触するように、薄板支持凸条8の形成を設定する。
【0021】
これにより、薄板支持凸条8には、半導体ウエハー4に作用する力を均一にして、半導体ウエハー4に均一な保持力を作用させる働きが生じる。これは、次の理由による。まず、薄板支持凸条8は、リテーナー24と相まって、半導体ウエハー4を底板部5の中心に配置させる機能を備えている。即ち、薄板支持凸条8がくさび状に形成されて傾斜していることで、この薄板支持凸条8に半導体ウエハー4の周縁部が載置されると、この半導体ウエハー4に底板部5の中心方向へ働く力が作用する。また、リテーナー24によっても、半導体ウエハー4に底板部5の中心方向へ働く力が作用する。リテーナー24は、半導体ウエハー4の周縁部を下方と径方向内方へ押圧するが、そのうちの下方へ押圧する力が、薄板支持凸条8のくさび状の傾斜部分に載置された半導体ウエハー4の周縁部に作用することで、半導体ウエハー4を底板部5の中心方向へ押圧する力が発生する。さらに、この力は、半導体ウエハー4がリテーナー24から離れれば弱くなり、近づけば強くなる。リテーナー24自身が持つ半導体ウエハー4を径方向内方へ押圧する力も同様である。一方、薄板支持凸条8と半導体ウエハー4とは接触面積が小さくて摩擦抵抗も小さいため、半導体ウエハー4は上記押圧力によって容易に移動し得る。このため、半導体ウエハー4はその周囲に複数配設された各リテーナー24及び薄板支持凸条8によって、押圧力が釣り合う位置に移動する。
【0022】
この結果、上記リテーナー24自身と薄板支持凸条8自身とが持つ径方向内方への押圧力、及びリテーナー24と薄板支持凸条8とが協働して発生する径方向内方への押圧力によって、半導体ウエハー4を底板部5の中心に移動させたところで釣り合って半導体ウエハー4に作用する力を均一にして、半導体ウエハー4に均一な保持力が作用する。このため、薄板支持凸条8には、リテーナー24と協働することで、半導体ウエハー4に作用する力を均一にして、半導体ウエハー4に均一な保持力を作用させる働きが生じる。
【0023】
薄板支持凸条8は、四角形の底板部5の各辺に2本ずつ設けられている。隣接する2つの薄板支持凸条8の間は、搬送装置の真空ピンセット等よりも広い間隔に設定されている。これにより、搬送装置の真空ピンセットが、隣接する2つの薄板支持凸条8の間を通って半導体ウエハー4の出し入れをするようになっている。なお、薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部に8本設けたが、真空ピンセットの出し入れの邪魔にならない範囲で、7本以下又は9本以上でもよい。さらに、薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部近傍に設けたが、真空ピンセットの出し入れの邪魔にならない範囲で、底板部5の全面に設けてもよい。
【0024】
係止片9は、各薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4の周縁部に当接して半導体ウエハー4の横滑りを防止するための部材である。係止片9は、薄板支持凸条8の端部に設けられている。係止片9は、薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4の外径よりも若干大きな円周上の位置に配設されている。さらに、係止片9の当接面は、半導体ウエハー4の周縁に沿って湾曲して形成されている。半導体ウエハー4が横滑りした場合は、この係止片9の湾曲した当接面が半導体ウエハー4の周縁部に当接して横滑りを防止する。さらに、係止片9は、底面支持部材35の横滑り及び回転を防止する機能も備えている。具体的には、係止片9の基部の台座部9Aがこの機能を備えている。台座部9Aは、後述する底面支持部材35の外周支持部38の位置決め用突起38Bに当接して底面支持部材35を位置決めして支持する。位置決め用突起38Bは、1辺に2つずつ、4辺で合計8個設けられ、これらが各台座部9Aに当接することで、位置決めして支持される。これにより、底面支持部材35の横滑り及び回転を防止している。
【0025】
底板部5は、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚くなるように設定されている。これは、底板部5に要求される強度を保つためであり、要求される強度に応じた肉厚に設定される。肉厚の変化と共に円錐形状等に湾曲させて形成してもよい。例えば、中心位置の最大肉厚を5mm、周縁部の最小肉厚を2mmとして、その肉厚をなだらかに変化させて底板部5を構成する。このとき、必要に応じて、肉厚の変化と共に円錐形状等に湾曲させて形成する。この構成によって、要求される強度を確保した状態で、底板部5の裏面の補強リブを省略し、凹凸部分を無くして洗浄しやすく液切れのよい形状にしている。即ち、洗浄効率の向上を図っている。
【0026】
周壁部6は、図9に示すように、底板部5の周縁部から下方へ垂下して形成されている。周壁部6は、2段に段差を設けて構成されている。一段目6Aの段差の上面には、その全周に亘ってシール溝12が設けられ、このシール溝12にシール材13が取り付けられている。容器本体2に蓋体3を被せることで、蓋体3の周壁部22の一段目22Aにおける段差の下面がシール材13に当接してこのシール材13を押し潰し、枚葉収納容器1内を気密に封止するようになっている。この周壁部6の一段目6Aは、後述する蓋体3の凹状嵌合部(22B)に嵌合する凸状嵌合部となっている。
【0027】
二段目6Bは、後述する蓋体3の凸状嵌合部(22A)に嵌合する凹状嵌合部となっている。二段目6Bの段差には、図4〜図7に示すように、ヒンジ嵌合部15と、フック嵌合部16が設けられている。ヒンジ嵌合部15には、蓋体3を容器本体2に対して回動可能に支持する後述のヒンジ17が嵌合される。このヒンジ嵌合部15は、後述するヒンジ17の嵌合片17Aとほぼ同じ寸法に形成された凹部によって構成されている。このヒンジ嵌合部15に、ヒンジ17の嵌合片17Aが嵌合して、きつく結合される。
【0028】
フック嵌合部16は、後述するフック18が嵌合するための凹部である。このフック嵌合部16と後述する蓋体3のフック嵌合部29との間にフック18が嵌合されて蓋体3を容器本体2に固定する。フック嵌合部16は、フック18とほぼ同じ寸法に形成された凹部によって構成されている。容器本体2のフック嵌合部16と蓋体3のフック嵌合部29とを合わせることで、フック18とほぼ同じ形状の凹部になるように構成されている。フック嵌合部16の両側壁には、円柱状の嵌合突起19が設けられている。この嵌合突起19は、後述するフック18の嵌合凹部18Bに嵌合して、容器本体2と蓋体3とを固定する。
【0029】
ヒンジ17は、図11及び図12に示すように、2つの嵌合片17A、17Bと、各嵌合片17A、17Bの間の薄肉部17Cとから構成されている。各嵌合片17A、17Bは、各ヒンジ嵌合部15、28にそれぞれ嵌合して、容器本体2と蓋体3とを互いに連結するための部材である。薄肉部17Cは、摺動部分を無くして塵埃等の発生を抑えて蓋体3を回動可能に支持するための部材である。
【0030】
ヒンジ17は、容器本体2に対して蓋体3が90度〜180度の開き角になったところで、蓋体3及び容器本体2から分離でき、また接合できるようになっている。具体的には、蓋体3が容器本体2に対して90度〜180度の開き角で、ヒンジ17が容器本体2及び蓋体3の各ヒンジ嵌合部15、28に対して着脱可能になっている。このヒンジ17は、破損等した場合は、新しいヒンジ17に交換する。即ち、ヒンジ17が破損等した場合は、このヒンジ17のみの部品交換で済むようにしている。
【0031】
フック18は、容器本体2のフック嵌合部16と蓋体3のフック嵌合部29とにそれぞれ嵌合して容器本体2と蓋体3とを互いに結合するための部材である。フック18は、図13及び図14に示しように、本体部18Aと、嵌合凹部18Bと、取っ手部18Cとから構成されている。本体部18Aは、ほぼ四角形板状に形成され、容器本体2のフック嵌合部16と蓋体3のフック嵌合部29とで形成される四角形の凹部に嵌合するようになっている。
【0032】
嵌合凹部18Bは、各フック嵌合部16、29の各嵌合突起19、30に嵌合して蓋体3を容器本体2側に固定するための部材である。この嵌合凹部18Bは、回動用嵌合凹部18B1と、結合用嵌合凹部18B2とから構成されている。回動用嵌合凹部18B1は、嵌合突起19、30に嵌合してフック18を回動可能に支持するための部分である。この回動用嵌合凹部18B1は、その内側面形状を円弧状に形成されると共に、その両端部に回り込み部20を設けて、嵌合突起19、30に嵌合した状態で抜けづらくなっている。これにより、フック18は容器本体2側に回動可能に取り付けられている。
【0033】
結合用嵌合凹部18B2は、蓋体3を容器本体2に固定するときに嵌合突起19、30に嵌合すると共に、蓋体3を開くときに嵌合突起19、30から取り外すための部分である。この結合用嵌合凹部18B2は、嵌合突起19、30に対して容易に嵌合、取り外しができると共に、蓋体3を容器本体2に堅固に固定する必要があるため、外側面(図13の上側面)にのみ回り込み部20を設けている。内側面は平坦面状にして、嵌合突起19、30の出し入れの際に障害にならないようにしている。これにより、蓋体3が容器本体2に対して開こうとする方向に力が作用すると、嵌合突起19、30を回り込み部20が外側から覆うように支持してフック18が外れるのを防止する。また、フック18を嵌合、取り外しする場合は、片方にしか設けられていない回り込み部20が嵌合突起19、30に対して軽い障害になるだけで、軽い力で容易に嵌合、取り外しできるようになっている。
【0034】
取っ手部18Cは、フック18を嵌合、取り外しする際に、指で持つ部分である。この取っ手部18Cを指で持って、結合用嵌合凹部18B2を嵌合突起19、30に嵌合させて、蓋体3を容器本体2に固定したり、結合用嵌合凹部18B2を嵌合突起19、30から取り外して蓋体3を開いたりする。
【0035】
なお、フック18は、その取っ手部18Cを上に向けて取り付けても、下に向けて取り付けてもよい。
【0036】
蓋体3は、図15及び図16に示すように、容器本体2とほぼ同じ形状に形成されている。これにより、枚葉収納容器1を積み重ねたときに、上側の枚葉収納容器1の容器本体2が下側の枚葉収納容器1の蓋体3に嵌り込んで、安定してかつコンパクトに積層できるようになっている。例えば、本実施形態の枚葉収納容器1の一例では、その全高が41mmのとき、2段積み重ねて76mmとなった。これに対して、従来の枚葉収納容器では、枚葉収納容器の全高が49.5mmのとき、2段積み重ねて90mmであった。これにより、重ねる枚数が増えれば、従来技術に比べて、その積層高さを大幅に低減できる。
【0037】
蓋体3は具体的には、天板部21と周壁部22と蓋体ガイド23とから構成されている。天板部21は、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4をその上側から覆う部材である。天板部21は、底板部5と同様に、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚くしている。これは、天板部21に要求される強度を保つためであり、要求される強度に応じた肉厚に設定されている。これにより、天板部21の裏面の補強リブを省略して、凹凸部分を無くして洗浄効率の向上を図っている。
【0038】
蓋体3の天板部21の内側面には、後述するリテーナー24が嵌め込まれるリテーナー嵌合部(図示せず)が設けられている。このリテーナー嵌合部は、天板部21の内側面に8個設けられている。各リテーナー嵌合部は、天板部21の内側面のうち、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4の周縁部に臨ませて設けられている。
【0039】
周壁部22は、天板部21の周囲から下方へ垂下して形成されている。この周壁部22は、容器本体2の周壁部6と同様に、2段に段差を設けて構成されている。これにより、蓋体3が容器本体2に被せられた状態で当該容器本体2の底板部5と蓋体3の天板部21及び周壁部22とによって半導体ウエハー4を収納する空間が形成されている。一段目22Aは、容器本体2の凹状嵌合部(6B)にその下側から嵌合する凸状嵌合部となっている。二段目22Bは、容器本体2の凸状嵌合部(6A)にその上側から嵌合する凹状嵌合部となっている。
【0040】
周壁部22の段差のうち一段目22Aの下面には、その全周に亘って当接面が設けられている。この当接面が容器本体2側のシール材13に当接して枚葉収納容器1内を気密に封止するようになっている。二段目22Bは、その外周面が容器本体2に形成された段差の二段目6Bの外周面と面一になるように形成されている。即ち、容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態(図1参照)でこれらの合わせ部分が面一になるように形成されている。これは、シール材13を設けずに、面一の合わせ部分にシール用テープを貼る場合があるためである。
【0041】
蓋体ガイド23は、蓋体3を容器本体2に被せるときに、これら蓋体3と容器本体2とが互いにずれないように案内するためのガイドである。この蓋体ガイド23は、蓋体3のフック嵌合部29の両側から内側へ張り出して形成され、蓋体3が容器本体2に被さったとき、容器本体2の周壁部6に対して僅かな隙間を空けた状態で対向して位置するようになっている。これにより、蓋体ガイド23は、蓋体3がヒンジ17を中心に回動して容器本体2に被さったときに、蓋体3がずれた場合に案内する。蓋体3は2つのヒンジ17で支持されているため通常ずれることはないが、何らかの原因で蓋体3が容器本体2に対してずれた場合に、蓋体ガイド23が容器本体2の周壁部6に当接して案内する。なお、蓋体ガイド23は、容器本体2側に設けてもよい。容器本体2及び蓋体3の両側に設けてもよい。
【0042】
周壁部22の段差のうち一段目22Aの下面には、その全周に亘って当接面が設けられている。この当接面が容器本体2側のシール材13に当接して枚葉収納容器1内を気密に封止するようになっている。二段目22Bは、その外周面が容器本体2の段差の2段目の外周面と面一になるように形成されている。即ち、容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態(図2参照)でこれらの合わせ部分が面一になるように形成されている。これは、シール材13を設けずに、面一の合わせ部分にシール用テープを貼る場合があるためである。
【0043】
蓋体3のうち、容器本体2のヒンジ嵌合部15に対向する位置にはヒンジ嵌合部28が設けられている。ヒンジ嵌合部28には、蓋体3を容器本体2に対して回動可能に支持するヒンジ17が嵌合される。このヒンジ嵌合部28は、ヒンジ嵌合部15と同様に、ヒンジ17の嵌合片17Aとほぼ同じ寸法に形成された凹部によって構成されている。このヒンジ嵌合部28に、ヒンジ17の嵌合片17Aが嵌合して、きつく結合される。
【0044】
蓋体3のうち、容器本体2のフック嵌合部16に対向する位置にはフック嵌合部29が設けられている。フック嵌合部29は、容器本体2のフック嵌合部16とミラー対象でほぼ同じ構成になっている。このフック嵌合部29と容器本体2のフック嵌合部16とが合さることで、フック18とほぼ同じ寸法及び形状の凹部を構成する。
【0045】
フック嵌合部29の両側壁には、容器本体2のフック嵌合部16の嵌合突起19と同様の円柱状の嵌合突起30が設けられている。この嵌合突起30は、後述するフック18の嵌合凹部18Bに嵌合して、容器本体2と蓋体3とを固定する。
【0046】
天板部21の上側面の周縁には、枚葉収納容器1を持ち運ぶための係止用フランジ31が設けられている。この係止用フランジ31は、天板部21から水平に張り出した板材によって構成されている。係止用フランジ31は、ヒンジ嵌合部28及びフック嵌合部29が位置する方向に対向して2つ設けられている。この係止用フランジ31は、搬送装置側のアーム部(図示せず)の形状に応じて、その設置位置、形状等が適宜設定される。
【0047】
リテーナー24は、底面支持部材35に載置された半導体ウエハー4の周縁部を支持するための部材である。このリテーナー24は、弾性を有する合成樹脂で形成されている。リテーナー24は、図17及び図18に示すように、基部25と、撓み片26とから構成されている。基部25は、蓋体3の天板部21のリテーナー嵌合部に嵌合する部分である。基部25は、ほぼ四角環状に形成され、そのうちの2つの角部に突起25Aを設けてリテーナー嵌合部の形状に合わせている。この基部25が、突起状のリテーナー嵌合部に嵌合することで、リテーナー24がリテーナー嵌合部に確実に取り付けられる。リテーナー嵌合部は蓋体3に設けられた四角柱または類似形状の突起形状をしており、この突起を前記四角環状の基部25に嵌合することによってリテーナー24を蓋体3に取り付けることができる。
【0048】
撓み片26は、半導体ウエハー4に当接して支持するための部分である。撓み片26は、基部25から半導体ウエハー4側に延出して形成されている。撓み片26は、基端片部26Aと、先端片部26Bと、薄肉部26Cとから構成されている。撓み片26は、弾性を有する合成樹脂で形成されているため、基端片部26Aと先端片部26Bも撓むが、特に薄肉部26Cがよく撓み、この薄肉部26Cを中心にして、基端片部26Aと先端片部26Bとが撓んで、半導体ウエハー4を弾性的に支持している。さらに、先端片部26Bは基端片部26Aに対して傾斜させて形成されているため、この先端片部26Bが半導体ウエハー4の周縁部に当接すると、この先端片部26Bが半導体ウエハー4をその径方向内方及び下方へ弾性的に押圧するようになっている。
【0049】
次に、緩衝支持部材34について説明する。この緩衝支持部材34は、上述した枚葉収納容器1の容器本体2に載置するだけで使用することができるようにしたものである。緩衝支持部材34は、底面支持部材35と表面支持部材36とから構成されている。
【0050】
底面支持部材35は、容器本体2側に位置してシンウエハーを底面側から支持するための部材である。この底面支持部材35は、容器本体2の底板部5に載置される。底面支持部材35は、図19〜22に示すように、シンウエハー4A(図1参照)の中央部分をその底面側から支持する中央支持部37と、シンウエハー4Aの外周部分をその底面側から支持する外周支持部38と、シンウエハー4Aの周縁に当接してシンウエハー4Aを径方向外方から支持する周縁支持部39と、中央支持部37及び外周支持部38の間でこれらを一体的に支持する環状板部40とから構成されている。底面支持部材35は非帯電性の高分子材料で形成されている。
【0051】
中央支持部37は、底面支持部材35の中央部を円盤状に隆起させて形成され、シンウエハー4Aの中央部を支持する。
【0052】
外周支持部38は、シンウエハー4Aの外周部分を一定幅で支持している。この外周支持部38は、断片的な円環状に形成されている。具体的には、円環状を4つに分割して構成されている。即ち、外周支持部38は、4つの各支持片38Aで構成されている。各支持片38Aの間隔は、底板部5上の隣接する薄板支持凸条8の間隔よりも広く設定されている。これにより、底面支持部材35を容器本体2の底板部5に載置したときに、外周支持部38の各支持片38Aの間に上記薄板支持凸条8が位置するようになっている。外周支持部38の各支持片38Aの外側両端部には、底板部5の台座部9Aに当接して底面支持部材35の位置決めをして横滑り及び回転を防止する位置決め用突起38Bが設けられている。これにより、底面支持部材35は、容器本体2の底板部5の4辺に2つずつ設けられた台座部9Aに、各支持片38Aの位置決め用突起38Bがそれぞれ当接して、底面支持部材35を容器本体2に対して正確に位置決めされるようになっている。これと同時に、8個の台座部9Aに8個の位置決め用突起38Bがそれぞれ当接して支持されることで、底面支持部材35の横滑りと回転が防止されるようになっている。
【0053】
周縁支持部39は、各外周支持部38の外側に位置して一体的に取り付けられている。これにより、周縁支持部39は、外周支持部38に載置されたシンウエハー4Aを径方向外方から支持するようになっている。周縁支持部39は、シンウエハー4Aの外径よりも若干大きな円周上に配設されている。周縁支持部39の当接面は、シンウエハー4Aの周縁に沿って湾曲して形成されている。周縁支持部39の平面形状はほぼ三角形状に形成され、容器本体2の底板部5の四隅に整合するようになっている。
【0054】
環状板部40は、中央支持部37と外周支持部38とを一体的に結合するための部分である。この環状板部40は、中央支持部37及び外周支持部38よりも1段下げて形成され、中央支持部37及び外周支持部38に載置されたシンウエハー4Aとの間に空間41(図1参照)を確保している。この空間41は、真空ピンセット等を横方向から出し入れするための空間である。
【0055】
底面支持部材35の裏面には、底面支持部材35を弾性的に支持するためのリテーナー24が設けられている。底面支持部材35のうち中央支持部37の裏面に4つ、外周支持部38の各支持片38Aに1つずつのリテーナー嵌合部(図示せず)が設けられ、これらのリテーナー嵌合部にリテーナー24がそれぞれ取り付けられている。リテーナー24は、上記蓋体3の内側面に設けられたリテーナー24と同じものである。このリテーナー24により、底面支持部材35が容器本体2の底板部5に載置されると、リテーナー24の撓み片26が底板部5に接触して撓んで、底面支持部材35を底板部5に弾性的に支持している。これにより、シンウエハー4Aは、底面支持部材35と表面支持部材36とで挟まれた状態で、底面支持部材35の各リテーナー24と、表面支持部材36の円盤部43と、蓋体3のリテーナー24とで、容器本体2及び蓋体3に対して弾性的に浮かせた状態で支持され、外部からの衝撃を吸収するようになっている。また、シンウエハー4Aの径方向も蓋体3側のリテーナー24で弾性的に支持され、外部からの衝撃を吸収するようになっている。
【0056】
表面支持部材36は、蓋体3側に取り付けられてシンウエハー4Aをその表面側から支持するための部材である。この表面支持部材36は、図1及び図23に示しように、円盤部43と、周縁当接部44と、中間当接部45とから構成されている。
【0057】
円盤部43は、シンウエハー4Aをその上側から覆って周縁当接部44及び中間当接部45を弾性的に支持する弾性支持部である。この円盤部43は、その中央部分が蓋体3の内側面に固定されて、外周側が弾性的に撓み得る自由端となっている。周縁当接部44及び中間当接部45は、弾性的に撓み得る外周側に設けられている。
【0058】
周縁当接部44は、シンウエハー4Aをその周縁側で支持するための部分である。周縁当接部44は、円盤部43の周縁部に下方へ向けて設けられている。これにより、周縁当接部44は、底面支持部材35の外周支持部38に対向して設けられている。そして、これら周縁当接部44と外周支持部38とでシンウエハー4Aを挟むようにして支持するようになっている(図1参照)。
【0059】
中間当接部45は、シンウエハー4Aをその中間位置で支持するための部分である。中間当接部45は、円盤部43の中間位置に下方へ向けて設けられている。これにより、中間当接部45は、底面支持部材35の中央支持部37に対向して設けられている。そして、これら中間当接部45と中央支持部37とでシンウエハー4Aを挟むようにして支持するようになっている(図1参照)。
【0060】
以上のように構成された枚葉収納容器1は、次のようにして使用される。
【0061】
シンウエハー4Aを収納するときは、半導体ウエハー搬送装置の載置台(図示せず)に枚葉収納容器1が設置されて、フック18が外されて蓋体3が開かれる。このとき、容器本体2の底板部5上には、底面支持部材35が載置される。底面支持部材35は、容器本体2の底板部5に載置することで、その位置決め用突起38Bが底板部5上の台座部9Aに当接して正確に位置決めされて支持される。また、蓋体3の内側面には、表面支持部材36が取り付けられている。
【0062】
この状態で、搬送装置の真空ピンセットがシンウエハー4Aを支持して底板部5の直上まで移動される。次いで、真空ピンセットが降ろされて、シンウエハー4Aが底面支持部材35の中央支持部37と外周支持部38の上側面に載置される。この状態で、シンウエハー4Aと底面支持部材35との間には真空ピンセットよりも広い空間41が確保され、周壁部6よりも高い位置まで隆起させた底板部5と相まって、真空ピンセットはシンウエハー4Aに接触することなく、そのまま横方向に引き出される。次いで、蓋体3が閉じられて、フック18が取り付けられる。
【0063】
このとき、枚葉収納容器1内では、蓋体3の内側面の表面支持部材36がシンウエハー4Aの上側面を覆って、表面支持部材36の周縁当接部44及び中間当接部45がシンウエハー4Aの上側表面に当接する。
【0064】
周縁当接部44の当接部分の下側には底面支持部材35の外周支持部38が位置しており、これら周縁当接部44と外周支持部38とでシンウエハー4Aを上下両側面から挟んで支持する。中間当接部45の当接部分の下側には底面支持部材35の中央支持部37が位置しており、これら中間当接部45と中央支持部37とでシンウエハー4Aを上下両側面から挟んで支持する。さらにこのとき、周縁当接部44及び中間当接部45は円盤部43で、中央支持部37及び外周支持部38はリテーナー24で、シンウエハー4Aの周縁部は蓋体3側のリテーナー24でそれぞれ弾性的に支持されているため、シンウエハー4Aは容器本体2及び蓋体3に対して弾性的に浮いた状態で支持されて、過度の力を加えることなく適度な力で確実に支持されている。
【0065】
このとき、枚葉収納容器1の内部は、シール材13によって密封されている。なお、場合によっては、シール材13を設けずに、容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態で面一になるこれらの合わせ部分にテープを巻いて封止することもある。
【0066】
この状態で、フランジ部31を搬送装置のアーム部で結合して枚葉収納容器1を持ち上げ、搬送する。
【0067】
枚葉収納容器1内のシンウエハー4Aを取り出すときは、フック18を外して蓋体3を開き、真空ピンセットを容器本体2の横方向から空間41に挿入してシンウエハー4Aの下側に位置させた状態で上げて、シンウエハー4Aを持ち上げ、移動させる。
【0068】
枚葉収納容器1を洗浄するときは、フック18を容器本体2及び蓋体3の両方から取り外し、ヒンジ17を容器本体2と蓋体3とから抜き取って外す。さらに、リテーナー24、底面支持部材35、表面支持部材36及びシール材13も取り外す。
【0069】
次いで、これらを個別に洗浄して乾燥させた後、ヒンジ17、フック18等を取り付ける。
【0070】
以上のように、枚葉収納容器1によれば、次のような効果を奏する。
【0071】
(1) 容器本体2側に位置してシンウエハー4Aを底面側から面で支持する底面支持部材35と、蓋体3側に位置してシンウエハー4Aを上側表面側から支持する表面支持部材36とを備えたので、極めて薄いシンウエハー4Aをその上下から挟むようにして安全にかつ確実に支持することができる。
【0072】
(2) 底面支持部材35が、シンウエハー4Aの中央部分をその底面側から面で支持する中央支持部37と、シンウエハー4Aの外周部分をその底面側から面で支持する外周支持部38と、シンウエハー4Aの周縁に当接してシンウエハー4Aを径方向外方から支持する周縁支持部39と、中央支持部37と外周支持部38とを一体的に結合する環状板部40とを備えたので、これら中央支持部37、外周支持部38及び周縁支持部39でシンウエハー4Aをその中央部、外周部及び周縁部から確実に支持することができると共に、シンウエハー4Aの下側に、真空ピンセット等のシンウエハー4Aの支持手段を出し入れするための空間41を確保することができる。
【0073】
(3) 表面支持部材36が、底面支持部材35に載置されたシンウエハー4Aの表面に弾性的に当接して底面支持部材35とで上下から挟むようにして支持する当接部44、45を備えたので、撓みやすい極薄のシンウエハー4Aを弾性的にかつ確実に支持することができる。
【0074】
また、上記当接部44、45と共に、蓋体3側に設けられて当接部44、45を弾性的に支持する弾性支持部としての円盤部43とを備えたので、シンウエハー4Aに当接された当接部44、45を円盤部43が弾性的に支持して、撓みやすい極薄のシンウエハー4Aを確実に支持することができる。
【0075】
(4) さらに、当接部を、底面支持部材35の外周支持部38に対向して設けられこの外周支持部38とでシンウエハー4Aを挟むようにして支持する周縁当接部44と、上記底面支持部材35の中央支持部37に対向して設けられこの中央支持部37とでシンウエハー4Aを挟むようにして支持する中間当接部45とから構成したので、極薄のシンウエハー4Aを、その周縁部と中間部とで支持して、撓みやすい極薄のシンウエハー4Aを確実に支持することができる。
【0076】
(5) 底面支持部材35の裏面に設けられて底面支持部材35が容器本体2の底板部5に載置された状態で底面支持部材35を弾性的に支持するリテーナー24を備えたので、このリテーナー24が直接的には底面支持部材35を、間接的には底面支持部材35に載置されたシンウエハー4Aを弾性的に支持することができる。
【0077】
(6) 表面支持部材36の円盤部43が、その中央部分を蓋体3の内側面に固定してその外周側を弾性的に撓み得る自由端とし、周縁当接部44及び中間当接部45を弾性的に支持するようにしたので、シンウエハー4Aを弾性的に支持することができる。これにより、シンウエハー4Aは、その下側から底面支持部材35によって弾性的に支持され、その上側から表面支持部材36によって弾性的に支持されるため、シンウエハー4Aを上下から挟んで、容器本体2及び蓋体3に対して弾性的に浮いた状態で確実に支持することができるようになる。
【0078】
この結果、薄型で大径のシンウエハー4Aを安全にかつ確実に支持することができるようになる。
【0079】
(7) 底面支持部材35の中央支持部37が円形状に形成され、外周支持部38が断片的な円環状に形成され、周縁支持部39が断片的な円環状に形成されたので、シンウエハー4Aの下側の中央部及び外周部と、周縁部とを支持することができる。この結果、薄型で大径のシンウエハー4Aを安全にかつ確実に支持することができるようになる。
【0080】
(8) 容器本体2に、底面支持部材35に当接してこの底面支持部材35の横滑り及び回転を防止する係止片9(台座部9A)を備えると共に、底面支持部材35に、容器本体2の係止片9(台座部9A)に当接して底面支持部材35の横滑り及び回転を防止する位置決め用突起38Bを備えたので、底面支持部材35が容器本体2に載置さするだけで、底面支持部材35が位置決めして支持されると共に、位置決め用突起38Bが各係止片9(台座部9A)に当接して、底面支持部材35の横滑り及び回転を防止することができる。
【0081】
(9) 容器本体2の底板部5を周壁部6よりも高い位置まで隆起させて形成したので、底面支持部材35の空間41と相まって、真空ピンセット等のシンウエハー4Aの支持手段を、容器本体2の横方向からシンウエハー4Aの下側に挿入することができるようになる。この結果、枚葉収納容器1の収納されたシンウエハー4Aを容易に出し入れすることができるようになる。
【0082】
(10) 周縁支持部39が、底面支持部材35に載置されたシンウエハー4Aの外径よりも若干大きな円周上に複数配設されたので、シンウエハー4Aが容器本体2の中心位置と整合した状態で載置されているときには、シンウエハー4Aと係止片9とは互いに接触せず、シンウエハー4Aがずれたときに係止片9がシンウエハー4Aの周縁部に接触してシンウエハー4Aのずれを防止することができる。
【0083】
(11) 周縁支持部39の当接面が、シンウエハー4Aの周縁に沿って湾曲されたため、シンウエハー4Aが急激にずれて係止片9とシンウエハー4Aとが激しく接触しても、湾曲した係止片9の当接面がシンウエハー4Aの周縁と広い範囲で接触して、安全に支持する。
【0084】
(12) 蓋体3の内側面に、底面支持部材35に載置されたシンウエハー4Aの周縁部を支持する複数のリテーナー24を備えたので、容器本体2に蓋体3を被せた状態で、底面支持部材35に載置されたシンウエハー4Aをその周縁から支持して、横滑りを防止することができる。
【0085】
(13) リテーナー24が弾性体で形成されると共に、蓋体3の天板部21の内側面にリテーナー24が取り付けられるリテーナー嵌合部を備えたので、枚葉収納容器1を使用する際にリテーナー24をリテーナー嵌合部に取り付け、洗浄する際にはリテーナー24をリテーナー嵌合部から取り外して、洗浄効率を向上させている。
【0086】
(14) リテーナー24が、リテーナー嵌合部に嵌合する基部25と、基部25からシンウエハー4A側に延出して形成されシンウエハー4Aの周縁部に当接してシンウエハー4Aをその径方向内方及び下方へ弾性的に押圧する撓み片26とから構成されたので、底面支持部材35に載置されたシンウエハー4Aを、上記撓み片26でその径方向内方及び下方へ弾性的にかつ安定して、押圧支持することができる。さらに、底面支持部材35の下側に設けられたリテーナー24が、底面支持部材35を容器本体2の底板部5に対して弾性的に支持することができる。
【0087】
(15) 容器本体2と蓋体3とが、ヒンジ17によって結合され、フック18によって固定されたので、蓋体3を容器本体2に容易に固定することができると共に容易に開くことができるようになる。
【0088】
(16) 容器本体2と蓋体3との間にシール材13が設けられ、これら容器本体2と蓋体3とがヒンジ17によって結合されてフック18によって固定された状態で内部が気密に封止されるため、シンウエハー4Aが収納された状態で、蓋体3を容器本体2に被せて固定するだけで、シンウエハー4Aを容易にかつ確実に気密状態に保持できる。
【0089】
(17) ヒンジ17で容器本体2に結合された蓋体3が、90度から180度の開き角で容器本体2から分離されるため、洗浄作業の場合に、蓋体3を容易に取り外して洗浄することができる。これにより、洗浄作業性が向上する。
【0090】
(18) 容器本体2と蓋体3とがほぼ同じ形状に形成され、蓋体3を閉じた状態でこの蓋体3に上側の枚葉収納容器1の容器本体2が嵌り込んで、複数段に積み重ねることができるようにしたので、複数の枚葉収納容器1を容易にかつ安定して積み重ねることができる。さらに、下側の枚葉収納容器1の蓋体3に上側の枚葉収納容器1の容器本体2が嵌り込んで積み重ねるため、その積層高さがあまり高くならないで、コンパクトに積みかねることができる。
【0091】
(19) 容器本体2と蓋体3とがほぼ同じ形状に形成され、これら容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態でこれらの合わせ部分が面一になるようにしたので、この合わせ部分にテープを巻くことで枚葉収納容器1内を封止することができる。
【0092】
(20) 蓋体3に、容器本体2に対向して蓋体ガイド23を設けたので、この蓋体ガイド23が、蓋体3を容器本体2に被せるときに、これら蓋体3と容器本体2とが互いにずれないように案内して、安全にかつ正確に蓋体3を閉じることができる。これにより、蓋体3側のリテーナー24が容器本体2側のシンウエハー4Aの周縁部に確実に当接してシンウエハー4Aを支持することができる。
【0093】
(21) 容器本体2又は蓋体3の一方又は両方が非帯電性の高分子材料で形成されたので、塵埃等を吸着してシンウエハー4Aが汚染されるのを防止することができる。さらに、少なくとも蓋体3が透明高分子材料で形成されたので、シンウエハー4Aが収納された枚葉収納容器1の内部状態を確認することができる。
【0094】
また、底面支持部材38及び表面支持部材36の両方を非帯電性の高分子材料で形成したので、塵埃等を吸着してシンウエハー4Aが汚染されるのを防止することができる。
【0095】
(22) 蓋体3の周縁に、持ち運びのための係止用フランジ31が設けられたので、枚葉収納容器1を搬送する場合に、搬送装置のアーム部で係止用フランジ31を掴んで容易に搬送することができる。
【0096】
(23) 容器本体2の底板部5又は蓋体3の天板部21の一方又は両方が、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚く形成されたので、補強リブを設ける必要が無くなり、凹凸部分を無くしている。この結果、容器本体2及び蓋体3が洗浄しやすく液切れのよい形状になり、洗浄効率の向上を図ることができる。
【0097】
[変形例]
上記実施形態では、通常の厚さのウエハーを収納できる枚葉収納容器をそのまま用いて、その底面支持部材35を容器本体2の底板部5に載置したが、底面支持部材35を容器本体2の底板部5に固定してもよい。一体的に取り付けてもよい。また、表面支持部材36は蓋体3の裏面に着脱可能に取り付けても、固定してもよい。洗浄を考慮すれば、表面支持部材36は蓋体3の裏面に着脱可能に取り付けられるのが望ましいが、洗浄を考慮する必要が内場合は、固定してもよい。
【0098】
上記実施形態では、緩衝支持部材34の円盤部43に、周縁当接部44と中間当接部45の2つの当接部を設けたが、必要に応じて1つ又は3つ以上でもよい。この場合、底面支持部材35の中央支持部37及び外周支持部38は、当接部に合わせた対向位置に設けられる。
【0099】
また、周縁当接部44及び中間当接部45は円環状に形成したが、断片的な円環状でもよい。また、他の形状でも良い。さらに、周縁当接部44及び中間当接部45はウエハーに線接触するが、点接触又は面接触するように構成してもよい。シンウエハー4Aをその上側面から安全にかつ確実に支持できる配列であればよい。この場合、シンウエハー4Aを均等にほぼ均等に支持できる配列にすることが望ましい。このとき、底面支持部材35側の中央支持部37等も当接部に合わせて形成される。
【0100】
これらの場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0101】
さらに、上記実施形態では、底面支持部材35の中央支持部37を円形状に形成し、外周支持部38を断片的な円環状に形成し、周縁支持部39を断片的な円環状に形成したが、シンウエハー4Aを全体的に均等に支持できる形状であれば、円環状でも断片的な円環状でもよい。間隔を空けて配列した突起等の他の形状でもよい。表面支持部材36の形状も考慮して形成する。
【0102】
この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0103】
上記実施形態では、周縁当接部44と中間当接部45を弾性的に支持する弾性支持部として、円盤部43を設けたが、円盤状に限る必要はない。周縁当接部44と中間当接部45を弾性的に支持することができる構成であればよく、周縁当接部44と中間当接部45に合わせて構成する。例えば、周縁当接部44と中間当接部45をウエハーに点接触する突起で構成する場合は、各突起を支持する棒状部材を点対称にかつ放射状に多数配設した構成になる。
【0104】
上記実施形態では、底面支持部材38及び表面支持部材36の両方を非帯電性の高分子材料で形成したが、これらのいずれか一方だけを非帯電性の高分子材料で形成してもよい。塵埃等を吸着してシンウエハー4Aが汚染されるのを防止できる態様であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の緩衝支持部材を示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器を断面状態で示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器をフック側から示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器をヒンジ側から示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体の要部を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体を裏面から示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体に半導体ウエハーを載置した状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体に半導体ウエハーを載置した状態を断面状態で示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体の要部を示す拡大斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のヒンジを正面側から示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のヒンジを裏面側から示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のフックを正面側から示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のフックを裏面側から示す斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の蓋体を上側から示す斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の蓋体を下側から示す斜視図である。
【図17】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のリテーナーを上側から示す斜視図である。
【図18】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のリテーナーを下側から示す斜視図である。
【図19】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の底面支持部材を上側から示す斜視図である。
【図20】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の底面支持部材を下側から示す斜視図である。
【図21】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の底面支持部材を示す平面図である。
【図22】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の底面支持部材を示す底面図である。
【図23】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の表面支持部材を下側から示す斜視図である。
【符号の説明】
【0106】
1:枚葉収納容器、2:容器本体、3:蓋体、4:半導体ウエハー、5:底板部、6:周壁部、8:薄板支持凸条、9:係止片、12:シール溝、13:シール材、15:ヒンジ嵌合部、16、29:フック嵌合部、17:ヒンジ、17A、17B:嵌合片、17C:薄肉部、18:フック、18A:本体部、18B:嵌合凹部、18B1:回動用嵌合凹部、18B2:結合用嵌合凹部、18C:取っ手部、19、30:嵌合突起、20:回り込み部、21:天板部、22:周壁部、23:蓋体ガイド、24:リテーナー、25:基部、25A:突起、26:撓み片、26A:基端片部、26B:先端片部、26C:薄肉部、28:ヒンジ嵌合部、29:フック嵌合部、31:係止用フランジ、34:緩衝支持部材、35:底面支持部材、36:表面支持部材、37:中央支持部、38:外周支持部、38A:支持片、38B:位置決め用突起、39:周縁支持部、40:環状板部、41:空間、43:円盤部、44:周縁当接部、45:中間当接部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容易に撓み得る極薄の1枚の薄板を内部に収納する容器本体と、当該容器本体に取り付けられる蓋体とを備えた枚葉収納容器において、
上記容器本体側に位置して上記薄板を底面側から面で支持する底面支持部材と、上記蓋体側に位置して上記薄板を上側表面側から面、線又は点で支持する表面支持部材とを備え、
上記蓋体を閉じることで、上記底面支持部材が上記薄板をその底面側から当接して支持すると共に、上記表面支持部材が上記薄板をその上側表面側から当接して支持することを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の枚葉収納容器において、
上記底面支持部材が、上記薄板の中央部分をその底面側から面で支持する中央支持部と、上記薄板の外周部分をその底面側から面で支持する外周支持部と、上記薄板の周縁に当接して当該薄板を径方向外方から支持する周縁支持部と、上記中央支持部と外周支持部とを一体的に結合する環状板部とを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の枚葉収納容器において、
上記表面支持部材が、上記底面支持部材に載置された上記薄板の表面に弾性的に当接して当該底面支持部材とで挟むようにして支持する当接部を備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の枚葉収納容器において、
上記表面支持部材が、上記底面支持部材に載置された上記薄板の表面に当接して当該底面支持部材とで挟むようにして支持する当接部と、上記蓋体側に設けられて当該当接部を弾性的に支持する弾性支持部とを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の枚葉収納容器において、
上記当接部が、上記底面支持部材の外周支持部に対向して設けられ当該外周支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する周縁当接部と、上記底面支持部材の中央支持部に対向して設けられ当該中央支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する中間当接部とから構成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記底面支持部材の裏面に設けられて、当該底面支持部材が上記容器本体に載置された状態で当該底面支持部材を弾性的に支持するリテーナーを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記表面支持部材の弾性支持部が、その中央部分を上記蓋体の内側面に固定してその外周側を弾性的に撓み得る自由端とし、上記当接部を弾性的に支持することを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項8】
請求項2ないし7のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記底面支持部材の中央支持部が円形状に形成され、上記外周支持部が円環状又は断片的な円環状に形成され、上記周縁支持部が円環状又は断片的な円環状に形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体に、上記底面支持部材に当接して当該底面支持部材の横滑り及び回転を防止する係止片を備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項10】
請求項9に記載の枚葉収納容器において、
上記底面支持部材に、上記容器本体の係止片に当接して当該底面支持部材の横滑り及び回転を防止する位置決め用突起を備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体が、上記薄板を載置する底板部と、当該底板部の周囲に形成された周壁部とを備えると共に、上記底板部が上記周壁部よりも高い位置まで隆起させて形成され、
上記蓋体が、上記容器本体の底板部に載置された上記薄板をその上側から覆う天板部と、当該天板部の周囲に設けられて上記薄板を収納する空間を形成する周壁部とを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項12】
請求項2ないし11のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記周縁支持部が、上記薄板の外径よりも若干大きな円周上に配設されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項13】
請求項2ないし12のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記周縁支持部の当接面が、上記薄板の周縁に沿って湾曲されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記蓋体の内側面に、上記底面支持部材に載置された上記薄板の周縁部を支持する複数のリテーナーを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項15】
請求項14に記載の枚葉収納容器において、
上記リテーナーが弾性体で形成されると共に、
上記蓋体の内側面に、上記リテーナーが取り付けられるリテーナー嵌合部を備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項16】
請求項15に記載の枚葉収納容器において、
上記リテーナーが、上記リテーナー嵌合部に嵌合する基部と、当該基部から上記薄板側に延出して形成され上記薄板の周縁部に当接して当該薄板をその径方向内方及び下方へ弾性的に押圧する撓み片とから構成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体とが、ヒンジによって結合され、フックによって固定されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項18】
請求項17に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体との間にシール部材が設けられ、これら容器本体と蓋体とが上記ヒンジによって結合されて上記フックによって固定された状態で内部が気密に封止されることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の枚葉収納容器において、
上記ヒンジで上記容器本体に結合された上記蓋体が、90度から180度の範囲の開き角で上記容器本体から分離されることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体とがほぼ同じ形状に形成され、当該蓋体を閉じた状態で当該蓋体に上側の枚葉収納容器の容器本体が嵌り込んで、複数段に積み重ねることができることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項21】
請求項1ないし20のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体とがほぼ同じ形状に形成され、これら容器本体と蓋体とを互いに閉じた状態でこれらの合わせ部分が面一になることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項22】
請求項1ないし21のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記蓋体又は上記容器本体のいずれか一方又は両方に相手側に対向して設けられ、当該蓋体を当該容器本体に被せるときに、これら蓋体と容器本体とが互いにずれないように案内する蓋体ガイドを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項23】
請求項1ないし22のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記底面支持部材又は上記表面支持部材の一方又は両方が非帯電性の高分子材料で形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項24】
請求項1ないし23のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体又は上記蓋体の一方又は両方が非帯電性の高分子材料で形成されると共に、少なくとも上記蓋体が透明高分子材料で形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項25】
請求項1ないし24のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記蓋体の周縁に、持ち運びのための係止用フランジが設けられたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項26】
請求項1ないし25のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体の底板部又は上記蓋体の天板部の一方又は両方が、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚く形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項27】
容易に撓み得る極薄の1枚の薄板を内部に収納する容器本体側に位置して上記薄板を底面側から面で支持する底面支持部材と、
上記容器本体に取り付けられる蓋体側に位置して上記薄板を上側表面側から面、線又は点で支持する表面支持部材とを備え、
上記蓋体を閉じることで、上記底面支持部材が上記薄板をその底面側から当接して支持すると共に、上記表面支持部材が上記薄板をその上側表面側から当接して支持することを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項28】
請求項27に記載の緩衝支持部材において、
上記底面支持部材が、上記薄板の中央部分をその底面側から面で支持する中央支持部と、上記薄板の外周部分をその底面側から面で支持する外周支持部と、上記薄板の周縁に当接して当該薄板を径方向外方から支持する周縁支持部とを備えたことを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項29】
請求項27又は28に記載の緩衝支持部材において、
上記表面支持部材が、上記底面支持部材に載置された上記薄板の表面に弾性的に当接して当該底面支持部材とで挟むようにして支持する当接部を備えたことを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項30】
請求項27又は28記載の緩衝支持部材において、
上記表面支持部材が、上記底面支持部材に載置された上記薄板の表面に当接して当該底面支持部材とで挟むようにして支持する当接部と、上記蓋体側に設けられて当該当接部を弾性的に支持する弾性支持部とを備えたことを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項31】
請求項29又は30に記載の枚葉収納容器において、
上記当接部が、上記底面支持部材の外周支持部に対向して設けられ当該外周支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する周縁当接部と、上記底面支持部材の中央支持部に対向して設けられ当該中央支持部とで上記薄板を挟むようにして支持する中間当接部とから構成されたことを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項32】
請求項27ないし31のいずれか1項に記載の緩衝支持部材において、
上記底面支持部材の裏面に設けられて、当該底面支持部材が上記容器本体に載置された状態で当該底面支持部材を弾性的に支持するリテーナーを備えたことを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項33】
請求項27ないし32のいずれか1項に記載の緩衝支持部材において、
上記表面支持部材の弾性支持部が、その中央部分を上記蓋体の内側面に固定してその外周側を弾性的に撓み得る自由端とし、上記当接部を弾性的に支持することを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項34】
請求項27ないし33のいずれか1項に記載の緩衝支持部材において、
上記底面支持部材の中央支持部が円形状に形成され、上記外周支持部が円環状又は断片的な円環状に形成され、上記周縁支持部が円環状又は断片的な円環状に形成されたことを特徴とする緩衝支持部材。
【請求項35】
請求項27ないし34のいずれか1項に記載の緩衝支持部材において、
上記底面支持部材に、上記容器本体側に当接して当該底面支持部材の横滑り及び回転を防止する位置決め用突起を備えたことを特徴とする緩衝支持部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−332278(P2006−332278A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152828(P2005−152828)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000140890)ミライアル株式会社 (74)
【Fターム(参考)】