説明

案内装置およびシステム、携帯情報端末による案内方法、案内プログラム

【課題】 展示物への誘導を確度の高い方法で実現する。
【解決手段】 媒体10に印刷され、もしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出し、案内位置に誘導する案内装置(携帯情報端末20)であって、現在位置情報を測位する位置測位部212と、地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定部213と、位置測位部で測位された現在位置情報および方位判定部で判定された方位情報と、媒体から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導部214とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等の媒体に印刷され、もしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出して案内位置に誘導する、案内装置およびシステム、携帯情報端末による案内方法、案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
展示会や美術館、あるいは博覧会等、比較的大規模なイベント会場やブースでは、目的とする展示物に辿り着くまでに苦労することが多い。通常はパンフレットや通路が印刷された案内図を見ながら辿り着くことが多いが、そのパンフレットや案内図の出来次第によっては迷うこともある。
【0003】
これを解決するためにこれまで多数の提案がなされており、例えば、特許文献1には、携帯電話が、地図上に印刷または貼り付けられた目的地の位置情報を読み出し、携帯電話に搭載されたGPS(Global Positioning System)により測位される自電話機の現在位置情報から目的地までの距離、および方位を算出して表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−221819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述した特許文献1に開示された技術によれば、GPSからの位置情報に基づき目的地までの距離および方位の概略については計算できるが、携帯電話を所持しているユーザが、現在どの方向を向いているかが計算に反映されていないため、確度の高い道順を画面表示することはできない。このため、展示会等、比較的狭いブースにあっては計算される方位が不確実なものであり、使いものにならないことが多い。
【0006】
その理由は、携帯電話を所持しているユーザが、現在どの方向を向いているかがわかっていないことにある。
【0007】
(発明の目的)
本発明の目的は、展示物への通路誘導を確度の高い方法で実現する、案内装置およびシステム、携帯情報端末による案内方法、案内プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の案内装置は、媒体に印刷されもしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出し、案内位置に誘導する案内装置であって、現在位置情報を測位する位置測位部と、地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定部と、位置測位部で測位された現在位置情報および方位判定部で判定された方位情報と、媒体から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導部と、を含む。
【0009】
本発明の第1の案内システムは、案内位置情報が印刷されもしくは埋め込まれた媒体と、現在位置情報を測位する位置情報測位部と、地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定部と、案内位置誘導部とを有し、案内位置誘導部が、位置測位部で測位された現在位置情報および方位判定部で判定された方位情報と、媒体から読み出される案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する携帯情報端末と、を含む。
【0010】
本発明の第1の携帯情報端末による案内方法は、媒体に印刷され、もしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出して案内位置に誘導する案内システムにおける携帯情報端末による案内方法であって、媒体から案内位置情報を読み出す案内位置情報読み出しステップと、現在位置情報を測位する位置情報測位ステップと、地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定ステップと、位置情報測位ステップで測位された現在位置情報、および方位判定ステップで判定された方位情報と、案内位置情報読み出しステップで媒体から読み出された案内位置情報と、に基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導ステップと、を有する。
【0011】
本発明の第1の案内プログラムは、コンピュータ上で実行され、媒体に印刷されもしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出して案内位置に誘導する携帯情報端末の案内プログラムであって、コンピュータに、媒体から案内位置情報を読み出す案内位置情報読み出し処理と、現在位置情報を測位する位置情報測位処理と、地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定処理と、位置情報測位処理で測位された現在位置情報、および方位判定処理で判定された方位情報と、案内位置情報読み出し処理で媒体から読み出された案内位置情報と、に基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導処理と、実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、展示物への通路誘導を確度の高い方法で実現する、案内装置およびシステム、携帯情報端末による案内方法、案内プログラムを提供することができる。
【0013】
その理由は、携帯情報端末を所持しているユーザが、現在どの方向を向いているかを案内情報の生成に反映させるからである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態による案内システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による案内システムが案内装置に表示する画面の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による案内装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による案内装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態による案内装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態による案内装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による案内装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態による案内システム1の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態による案内システム1は、媒体10と、案内装置としての携帯情報端末20と、を含む構成となっている。
【0018】
媒体10は、例えば、紙で作成された展示会用バンフレットであり、展示品毎の説明箇所の一部にQR(登録商標:Quick Response)コードa〜nが印刷されているものとする。ここで、QRコードa〜nは、展示品毎の展示場所(緯度、経度を示す情報)を示すものとする。なお、ここではQRコードが印刷されるものとしたが、QRコードに限らず、後述する文字情報や無線タグチップ等、展示品の展示位置を示し、携帯情報端末20により読み取りが可能であれば代替可能である。
【0019】
携帯情報端末20は、案内装置として使用され、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等であり、個人所有のものを使用し、もしくは主催者が貸し出しするものとする。携帯情報端末20は、内部で測位された現在位置情報、および判定された方位情報と、媒体10から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する機能を有する。なお、出力媒体としては、携帯情報端末20が有する表示画面や音声出力等が考えられる。
【0020】
携帯情報端末20の表示画面に表示される、方位を含む案内情報の一例が図2に示されている。図2において、矢印で示される方位、目的の展示物までの距離情報の他に、携帯情報端末20が持つナビゲーション機能とリンクさせることにより、展示場の地図情報と重ね合わせ表示することも可能である。
【0021】
携帯情報端末20は、図3にその構成が示されるように、制御部21を制御中枢とし、通信部22と、操作部23と、表示部24と、音声CODEC(COder DECoder)部25と、記憶部26と、GPSレシーバ部27と、地磁気センサ部28と、撮像部29と、を含む。
【0022】
通信部22は、無線通信システムを捕捉し、不図示の通信ネットワークに接続される基地局との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。ここで各種データとは、音声通話時の音声データ、メール送受信時のメールデータ、ウェブ閲覧時のページデータ等である。
【0023】
操作部23は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部21に出力する。
【0024】
表示部24は、多数の画素(複数色の発光素子の組み合わせ)を縦横に配して構成される、例えばLCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)を用いて構成される。表示部24は、制御部21により生成され、記憶部26の所定の領域(VRAM領域)に書き込まれた文書等の表示対象データに応じた画像を表示する。ここでは、図2に一例が示されるような展示物が展示されている場所の方向を含む案内情報が表示される。
【0025】
音声CODEC部25は、スピーカ(SP)から出力される音声信号やマイクロフォン(MIC)において入力される音声信号の入出力処理を行う。すなわち、音声CODEC部25は、マイクロフォンから入力された音声を増幅し、アナログ−デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部21に出力する。また、音声CODEC部25は、制御部21から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカ(SP)に出力する。
【0026】
記憶部26は、携帯情報端末20の各種処理に利用される各種データを記憶する。例えば、制御部21が実行するコンピュータのプログラム、各種設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータが記憶される。なお、記憶部26は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0027】
GPSレシーバ部27は、不図示のGPS衛星から発せられる電波を受信して制御部21に供給する。制御部21はこれを受け、自端末が現在位置する、緯度、経度に関する位置情報を測位演算することにより取得する。
【0028】
地磁気センサ部28は、方位磁石の代わりに微弱な地磁気を検知して方位を算出するセンサである。地磁気センサ部28は、地磁気のX方向の成分をHx、Y方向の成分をHyとすれば、方位角θとの関係はHy/Hx=tanθで表わされ、このため、方位角θ=tan−1(Hy/Hx)で算出することができる。なお、地磁気センサには2軸タイプと3軸タイプがあり、2軸タイブは2つの磁気センサを直角に組み合わせて、前後方向と左右方向の地磁気を検出し、その強さから進行方向に対しどちらが北の方向を向いているか上述した計算により求めるものである。この2軸タイプでは地面に対し水平にして測定する必要があり、傾けて使用すると正しく水平方向の地磁気を検知できないため示す方向の誤差が含まれ、このため、3軸のタイプが多用される。また、不図示の加速度センサと組み合わせて使用することにより地磁気を正確に測定することが可能であることが知られている。
【0029】
撮像部29は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS )等の撮像素子により撮影された画像を取り込み、制御部21に供給する。ここではQRコードを撮影して取り込み、制御部21においてQRコードが示す展示品の位置情報に変換される。
【0030】
なお、制御部21は、携帯情報端末20の全体的な動作を統括的に制御する。すなわち、携帯情報端末20の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧など)が操作部23の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各制御ブロックの動作、具体的には、通信部22における信号の送受信、操作部23からの操作入力の取り込み、表示部24における画像の表示、音声CODEC部25における音声入出力、GPSレシーバ部27からの受信信号の取り込み、地磁気センサ部28からの地磁気検知出力の取り込み、撮像部29による撮影画像の取り込み等を制御する。
【0031】
制御部21は、記憶部26に格納されたプログラム(オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、これらプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。すなわち、制御部21は、記憶部26に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0032】
制御部21はまた、測位された現在位置情報、および判定された方位情報と、媒体10から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する。このため、同図に、制御部21が実行するプログラムの構造が機能展開され示されているように、主制御部210と、QRコード判定部211と、位置測位部212と、方位判定部213と、案内位置誘導部214とを含み構成される。
【0033】
QRコード判定部211は、撮像部29が撮像して取り込んだQRコードをQRコードが示す展示品の位置情報(案内位置情報)に変換して案内位置誘導部214に引き渡す。位置測位部212は、GPSレシーバ部27で受信した情報から自機が滞在している現在位置を測位演算してその緯度経度を示す現在位置情報を案内位置誘導部214に引き渡す。
【0034】
方位判定部213は、磁気センサ部28により検知される微弱な地磁気に基づき計算により携帯情報端末20がどの方位を向いているかを判定してする案内位置誘導部214に引き渡す。案内位置誘導部214は、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と、QRコード判定部211から取得される案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成し、表示部24、または音声CODEC部25に出力する。
【0035】
主制御部210は、制御部21が、測位された現在位置情報、および判定された方位情報と、媒体10から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力するために、上述したQRコード判定部211と、位置測位部212と、方位判定部213と、案内位置誘導部214のシーケンス制御を司る。
【0036】
(第1の実施の形態の動作)
次に、本発明の第1の実施の形態による端末制御システムの動作について図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
図4を参照すると、携帯情報端末20は、まず、撮像部29を起動し、撮像部29でパンフレット10を撮像して得られる画像情報を取得する。そして、その画像情報に含まれる案内位置情報であるQRコードを判別して案内位置誘導部214へ引き渡す(ステップS101)。なお、撮像部29は、ユーザが操作部23の所定のボタンを押下したことを主制御部23が検知し、これを契機に起動される。
【0038】
次に、携帯情報端末20は、GPSレシーバ部27で受信した信号を取り込み、位置測位部212で位置測位演算を行い、携帯情報端末20が現在位置する緯度、経度に関する現在位置情報を生成して案内位置誘導部214へ引き渡す(ステップS102)。案内位置誘導部214へは、他に、方位判定部213から、地磁気センサ部28で検知され、判定される携帯情報端末20の現在の向きに関する情報も供給されている(ステップS103)。
【0039】
ここで、案内位置誘導部214は、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と、媒体10から読み出された案内位置情報とに基づき、例えば、図2に示されるように、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成し、主制御部210経由で表示部24へ出力する(ステップS104)。このとき、主制御部210は、図2に示す画面情報を生成して表示部24へ供給する。なお、上述した第1の実施の形態では、進行方向および目的とする展示物までの距離を表示部24に表示することとしたが、音声CODEC部25に出力して音声出力してもよい。
【0040】
(第1の実施の形態による効果)
本実施の形態による案内装置(携帯情報端末20)では、制御部21(案内位置誘導部214)は、媒体10に印刷された画像を撮影し、取得した画像を変換して得られる案内位置情報を、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と演算することにより、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することした。このため、携帯情報端末20を所持しているユーザが、現在どの方向を向いているかを案内情報の生成に反映させることができるため、展示物への誘導を確度の高い方法で実現でき、ユーザは、道順を感覚的に直感で判断することができる。
【0041】
また、携帯情報端末20が、GPSレシーバ27を備え、制御部21を構成する位置測位部212が現在位置測位を行う仕組みは、GPS機能付き携帯情報端末として現在流通しており、また、地磁気センサ部28を備え、制御部21を構成する方位判定部213が携帯情報端末20の向きを判定する仕組みは、電子コンパス機能を内蔵した携帯情報端末として現在流通しており、更に、撮像部29を備え、画像を撮影し取り込む仕組みはカメラ付き携帯情報端末として現在流通しているため、これらを組み合わせ、そして、案内位置情報を、現在位置情報および方位情報と演算することにより案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成するソフトウェアを追加するだけで実現が可能になるため、開発コストが少なくて済む。
【0042】
なお、携帯情報端末20は、位置測位部212、方位判定部213、案内位置誘導部214のみを備える最小構成でも、位置測位部212により現在位置情報を測位し、方位判定部213により地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定し、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と、媒体10から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置誘導部214により、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力することが可能となり、本発明が解決しようとする課題を解決する。
【0043】
(第2の実施の形態の構成)
以下に説明する第2の実施の形態に係る案内装置(携帯情報端末20)において、第1の実施の形態との差異は、展示品の位置情報を示すQRコードを撮影する代りに、ユーザがパンフレットに記載された展示品の位置情報を、操作部23を操作することにより文字入力を行い、これを取り込むことにある。このため、以下に説明する第二の実施の携帯では、図3に示す第1の実施の形態の携帯情報端末20の構成をそのまま利用することとする。但し、制御部21の処理手順のみ若干異なる。この処理手順は、図5にフローチャートで示されている。
【0044】
(第2の実施の形態の動作)
図5を参照すると、ユーザがまずパンフレットから展示品の位置情報を目視により確認して操作部23を操作して文字(テキスト)入力する。これを受け、制御部21では、主制御部210が文字により入力された位置情報を取得して案内位置誘導部214へ引き渡す(ステップS201)。
【0045】
一方、制御部21では、位置測位部212が、GPSレシーバ部27で受信した信号を取り込んで位置測位演算を行って現在位置する緯度、経度に関する現在位置情報を生成し(ステップS202)、方位判定部213が、地磁気センサ部28で検知され、判定される携帯情報端末20の現在の向きに関する情報を生成することは(ステップS203)、第1の実施の形態と同じである。
【0046】
これを受け、案内位置誘導部214は、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と、操作部23から入力された案内位置情報とに基づき、例えば、図2に示されるように、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成し、主制御部210経由で表示部24へ出力する(ステップS204)。このとき、主制御部210は、図2に示す画面情報を生成して表示部24へ供給する。なお、上述した第1の実施の形態では、進行方向および目的とする展示物までの距離を表示部24に表示することとしたが、音声CODEC部25に出力して音声出力してもよい。
【0047】
(第2の実施の形態による効果)
本実施の形態による案内装置(携帯情報端末20)では、制御部21(案内位置誘導部214)が、媒体10に印刷された案内位置情報を読み取り入力された文字情報を取得し、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と演算することにより、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することとした。このため、携帯情報端末20を所持しているユーザが、現在どの方向を向いているかを案内情報の生成に反映させることができるため、展示物への誘導を確度の高い方法で実現することができ、ユーザは、道順を感覚的に直感で判断することができる。
【0048】
また、第1の実施の形態同様、流通している携帯情報端末20が持つ機能を利用して実現が可能であるため、一部ソフトウェアを変更するだけで、開発コストを抑える効果も得られる。
【0049】
(第3の実施の形態の構成)
以下に説明する第3の実施の形態に係る案内装置(携帯情報端末20)において、第1の実施の形態との差異は、展示品の位置情報を示すQRコードを撮影する代りに、パンフレット10に埋め込まれた無線タグチップ(RFIC:Radio Frequency IC)と通信を行い、展示品の案内位置情報を取得することにある。図6に、第3の実施の形態に係る案内装置(携帯情報端末20)の構成が、図7にその動作がフローチャートで示されている。
【0050】
図6を参照すると、第1の実施の形態で使用した撮像部29が無線タグリーダ部30に置換され、制御部21を構成するQRコード判定部211が案内位置情報取得部215に置換されている。他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0051】
無線タグチップは、周知のように、内蔵のメモリに情報を記録しておき、無線タグリーダとの間で近距離無線通信によるデータ転送が可能なICチップである。ここでは、予めメモリの中に展示品の案内位置情報を記録しておくこととし、この無線タグチップをパンフレット10の一部に埋め込んでおくこととした。そして、携帯情報端末20をパンフレット10にかざすことで、無線タグリーダ部30が案内位置情報を読み取って制御部21(案内位置情報取得部215)に転送し、案内位置情報取得部211が、読み取った案内位置情報を案内位置誘導部214に引き渡す構成とした。
【0052】
なお、無線タグチップは、電磁波を生成して無線タグリータ部30との間で近距離無線通信を行う。無線タグリーダ部30は、内部的には、変復調部と、コイルおよびコンデンサで構成された共振回路部とを含み、共振周波数により生成される電磁波を変復調して非接触通信を行う。
【0053】
(第3の実施の形態の動作)
図7を参照すると、携帯情報端末20は、まず、無線タグリーダ部30を起動し、携帯情報端末20をパンフレット10にかざすか、あるいは、パンフレット10を携帯情報端末20にかざす。このことにより、パンフレット10に埋め込まれた無線タグチップとも無線タグリーダ部30との間で近距離無線通信が開始され、無線タグリーダ部30は、内蔵のメモリから読み取った案内位置情報を、制御部21の案内位置情報取得部215へ転送する。これを受けた案内位置情報取得部215は、その案内位置情報案内位置誘導部214へ引き渡す(ステップS301)。
【0054】
一方、制御部21では、位置測位部212が、GPSレシーバ部27で受信した信号を取り込んで位置測位演算を行って現在位置する緯度、経度に関する現在位置情報を生成し(ステップS302)、方位判定部213が、地磁気センサ部28で検知され、判定される携帯情報端末20の現在の向きに関する情報を生成することは(ステップS303)、第1の実施の形態と同じである。
【0055】
これを受け、案内位置誘導部214は、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と、無線タグリーダ部30から取得された案内位置情報とに基づき、例えば、図2に示されるように、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成し、主制御部210経由で表示部24へ出力する(ステップS304)。このとき、主制御部210は、図2に示す画面情報を生成して表示部24へ供給する。なお、上述した第1の実施の形態では、進行方向および目的とする展示物までの距離を表示部24に表示することとしたが、音声CODEC部25に出力して音声出力してもよい。
【0056】
(第3の実施の形態による効果)
本実施の形態による案内装置(携帯情報端末20)では、制御部21(案内位置誘導部214)が、媒体10に埋め込まれた無線タグチップと通信を行い、無線タグチップに記録された案内位置情報を読み出し、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と演算することにより、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することとした。このため、携帯情報端末20を所持しているユーザが、現在どの方向を向いているかを案内情報の生成に反映させることができるため、展示物への誘導を確度の高い方法で実現することができ、また、ユーザは、道順を感覚的に直感で判断することができる。
【0057】
また、第1の実施の形態同様、携帯情報端末20が、GPSレシーバ27を備え、制御部21を構成する位置測位部212が現在位置測位を行う仕組みは、GPS機能付き携帯情報端末として現在流通しており、また、地磁気センサ部28を備え、制御部21を構成する方位判定部213が携帯情報端末20の向きを判定する仕組みは、電子コンパス機能を内蔵した携帯情報端末として現在流通しており、更に、無線タグリーダ部30を備え、近距離無線通信により案内位置情報を取得する仕組みはFelica(登録商標)機能付き携帯情報端末として現在流通しているため、これらを組み合わせ、そして、案内位置情報を、現在位置情報および方位情報と演算することにより案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成するソフトウェアを追加するだけで実現が可能になるため、開発コストが少なくて済む。
【0058】
なお、上述した第1の実施の形態1〜第3の実施の形態において、進行方向を含む案内情報を画面表示するにあたり、地図情報とリンクさせることにより、目的地である展示物が展示されている位置までの通路に関する地図情報を重ね合わせ表示してもよい。この地図情報とリンクして表示させるためには、予め、展示会場に関する通路情報を位置情報とマッピングさせて記憶部26に登録しておく必要がある。また、地磁気センサ部28として3軸タイプを使用し、更に、3軸の加速度センサを組み合わせて6軸ナビゲーションセンサを構築することにより、携帯情報端末20の所持者がどのような姿勢であっても傾きがわかるため、正しい方位を判定することができる。このため、リアルタイムで対応可能な立体地図情報と組み合わせることで、建物内にあってもフロア毎の通路表示が可能になり、直感的でわかりやすいナビゲーションを提供できる。
【0059】
また、上述した第1の実施の形態1〜第3の実施の形態では、展示会等の大規模なイベント会場における通路案内についてのみ例示したが、展示物案内のみならず、商店街の地図等、様々な催しものの案内に用いることが可能である。
【0060】
なお、図3と、図6の制御部21が有する機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。例えば、制御部21(案内位置誘導部214)が、位置測位部212で測位された現在位置情報および方位判定部213で判定された方位情報と、媒体10から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力するデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【0061】
以上好ましい実施の形態と実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上述実施の形態及び実施例に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1:案内システム
10:媒体
20:携帯情報端末
21:制御部
22:通信部
23:操作部
24:表示部
25:音声CODEC部
26:記憶部
27:GPSレシーバ部
28:地磁気センサ部
29:撮像部
30:無線タグリーダ部
210:主制御部
211:QRコード判定部
212:位置測位部
213:方位判定部
214:案内位置誘導部
215:案内位置情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に印刷され、もしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出し、案内位置に誘導する案内装置であって、
現在位置情報を測位する位置測位部と、
地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定部と、
前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と、前記媒体から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導部と、
を備えたことを特徴とする案内装置。
【請求項2】
前記案内位置誘導部は、
前記媒体に印刷された画像を撮影し、取得した画像を変換して得られる前記案内位置情報を、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項1記載の案内装置。
【請求項3】
前記案内位置誘導部は、
前記媒体に印刷された案内位置情報を読み取り入力された文字情報を取得し、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項1記載の案内装置。
【請求項4】
前記案内位置誘導部は、
前記媒体に埋め込まれた無線タグチップと通信を行い、前記無線タグチップに記録された案内位置情報を読み出し、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項1記載の案内装置。
【請求項5】
案内位置情報が印刷されもしくは埋め込まれた媒体と、
現在位置情報を測位する位置情報測位部と、地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定部と、案内位置誘導部とを有し、前記案内位置誘導部が、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と、前記媒体から読み出される案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する携帯情報端末と、
を備えたことを特徴とする案内システム。
【請求項6】
媒体に印刷され、もしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出して案内位置に誘導する案内システムにおける携帯情報端末による案内方法であって、
前記媒体から前記案内位置情報を読み出す案内位置情報読み出しステップと、
現在位置情報を測位する位置情報測位ステップと、
地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定ステップと、
前記位置情報測位ステップで測位された現在位置情報、および前記方位判定ステップで判定された方位情報と、前記案内位置情報読み出しステップで前記媒体から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導ステップと、
を有することを特徴とする携帯情報端末による案内方法。
【請求項7】
前記案内位置誘導ステッブは、
前記案内位置情報読み出しステップで前記媒体に印刷された画像を撮影し、取得した画像を変換して得られる前記案内位置情報を、前記位置測位ステップで測位された現在位置情報および前記方位判定ステップで判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項6記載の携帯情報端末による案内方法。
【請求項8】
前記案内位置誘導ステップは、
前記案内位置情報読み出しステッブで前記媒体に印刷された案内位置情報を読み取って入力された文字情報を取得し、前記位置測位ステップで測位された現在位置情報および前記方位判定ステップで判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項6記載の携帯情報端末による案内方法。
【請求項9】
前記案内位置誘導ステップは、
前記案内位置読み出しステップで前記媒体に埋め込まれた無線タグチップと通信を行い読み出される前記無線タグチップに記録された案内位置情報に基づき、前記位置測位ステップで測位された現在位置情報および前記方位判定ステッブで判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項6記載の携帯情報端末による案内方法。
【請求項10】
コンピュータ上で実行され、媒体に印刷されもしくは埋め込まれた案内位置情報を読み出して案内位置に誘導する携帯情報端末の案内プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記媒体から前記案内位置情報を読み出す案内位置情報読み出し処理と、
現在位置情報を測位する位置情報測位処理と、
地磁気を検知してどの方位を向いているかを判定する方位判定処理と、
前記位置情報測位処理で測位された現在位置情報、および前記方位判定処理で判定された方位情報と、前記案内位置情報読み出し処理で前記媒体から読み出された案内位置情報とに基づき、案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成して出力する案内位置誘導処理と、
実行させることを特徴とする案内プログラム。
【請求項11】
前記案内位置誘導処理は、
前記媒体に印刷された画像を撮影し、取得した画像を変換して得られる前記案内位置情報を、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項10記載の案内プログラム。
【請求項12】
前記案内位置誘導処理は、
前記媒体に印刷された案内位置情報を読み取って入力された文字情報を取得し、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項10記載の案内プログラム。
【請求項13】
前記案内位置誘導処理は、
前記媒体に埋め込まれた無線タグチップと通信を行い、前記無線タグチップに記録された案内位置情報を読み出し、前記位置測位部で測位された現在位置情報および前記方位判定部で判定された方位情報と演算することにより、前記案内位置に向かう進行方向を含む案内情報を生成することを特徴とする請求項10記載の案内プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−75292(P2011−75292A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224008(P2009−224008)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】