説明

椎間板の安定的なバリヤー

ある様態では、椎間板内に低侵襲的に送達できるように、圧縮できるか、そうでなければ構成された、弾性のある手術用メッシュが提供される。一つ以上の実施形態によれば、外科用メッシュは、丈夫で、耐疲労性で、安定で且つ椎間板に共通の動的環境に耐えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、線維輪の裂傷、髄核のヘルニア形成及び/又は椎間板の高さの減少した腰椎、頸椎や胸椎における椎間板の外科治療に関する。
【背景技術】
【0002】
椎間板は、脊椎の制約された屈曲を可能にするとともに、機械荷重を吸収する重要な役割を果たす。椎間板は、強靭で織り込まれた線維輪(AF)によって取り囲まれた柔軟な中央にある髄核(NP)からなる。ヘルニア形成は、線維輪(AF)が弱くなった結果である。線維輪(AF)が弱くなると、髄核(NP)が後方に脊髄や主要神経根に向かって隆起又は漏出し、症候的なヘルニア形成が生じる。最も普通に起こる症状は、圧迫された神経に沿って伝わる痛みと腰痛であり、両者とも患者の活動を不能にする。この問題の深刻さは、これと診断される平均年齢が更に低下していることで、米国での患者の80%以上が59才以下である。
【0003】
ミックスターとバール(Mixter & Barr)による1934年の最初の報告以来、椎間板摘出術が椎間板ヘルニア形成治療の最も通常の手術法になった。この方法は、椎間板の外側、通常、後方の神経根や脊髄に衝突する椎間板物質を除去することを含む。外科医の選択によるが、ヘルニア形成部位又は線維輪(AF)の切開部を通して、様々な量の髄核(NP)を椎間板腔の内部から取り除く。この余分な髄核(NP)の除去は、通常、ヘルニア形成再発のリスクを最小にするために行われる。
【0004】
それにもかかわらず、椎間板摘出術の最大の欠点は、ヘルニア形成の再発、神経根症状の再発、及び腰痛の悪化である。ヘルニア形成の再発は、患者の21%まで起こりうる。ヘルニア形成の再発部位は、大抵は以前のヘルニア形成と同じレベル且つ同じ側であり、線維輪(AF)の弱くなった同じ部位で起こる。神経根症状の持続や再発は多くの患者で起こり、ヘルニア形成の再発と無関係な場合は、手術椎間板の高さが減少したことで起こる神経孔狭窄に関連づける傾向がある。消耗性腰痛は、おおよそ患者の14%で起こる。これらの問題の全ては、ヘルニア形成及び手術で生じた髄核(NP)物質及び線維輪(AF)の機能の低下と最も直接的に関係する。
【0005】
種々のインプラント、手術用メッシュ、パッチ、バリヤー、組織足場などが、椎間板治療に使用でき、技術的に知られている。手術用修復メッシュは、内鼠径ヘルニア、椎間板破裂のような損傷した組織構造の治療及び修復、並びに、その他で起こる医原性の孔や切開部の閉鎖のために、身体を通じて使用される。ある病理学的環境では、正確で低侵襲的送達に対する課題がある。
【0006】
椎間板は、大きな荷重及び高い圧力を引き起こす動的環境を提供する。通常、この環境に合うように設計されたインプラントは、長期間この条件に耐えられなければならない。また、脊椎に近いため、移植手術自体の難しさとリスクにより、インプラントの大きさと設置しやすさが制限される。本発明の一つ以上の実施形態は、椎間板に共通する動的環境に耐えることができる、丈夫な耐疲労性の修復メッシュの必要性について取り組む。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、一般に、輪増強装具に関し、限定はしないが、病理学的な椎間板内組織の治療又は増強のための手術用メッシュ、バリヤー又はパッチを含む。一つ以上の実施形態は、低侵襲的送達のために圧縮できるとともに、丈夫で、安定、且つ疲労と応力に耐える、弾性のある手術用メッシュを備えている。これらのメッシュは、強い繰り返し荷重に耐え、時間経過につれて劣化せずに欠損部からの排出に抗するのに十分な耐久性があるので、椎間板へ適用するのに特に適している。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、種々の輪及び核の増強装具の両方の椎間板の内部における性能を最適化するために、それぞれの特徴を活用することを目的とする。それ故、本発明の一つ以上の実施形態では、輪の欠損部を閉じ、核を増強する低侵襲的で且つ除去可能な装具を提供する。これらの装具は、永久的、半永久的又は取り外し可能でも良い。輪増強装具の機能の一つは、髄核や内側の線維輪によって通常占拠されている空間内からの材料の突出を防止する又は最小限に抑えることである。核増強装具の機能の一つは、少なくとも一時的に材料を付加して減少した椎間板の高さと圧力を元の状態に戻すことである。核増強装具は、核空間内で材料の成長や形成を誘発できる。従って、これらの装具を独創的に組み合わせることにより、輪増強装具と核増強装具がより自然な生体模倣によって身体力学機能を回復させるように相乗効果を創出することができる。一実施形態では、両装具をより容易に非侵襲的に送達できる。また、いくつかの実施形態では、核増強部材の付加及び輪の閉鎖により圧力調整された環境によって、核増強物を規制し、輪増強物を所定の位置に固定することが可能となる。
【0009】
ここで使用される“輪増強装具(anulus augmentation device)”との用語は、通常の意味で用い、椎間板の欠損部を少なくとも部分的に覆う(cover)、閉じる(close)、又は封じる(seal)装具を含み、例えば、バリヤー、メッシュ、パッチ、膜、封止手段又は閉塞装具を含む。従って、ある意味では、輪増強装具は、輪の欠損部を封止して輪を増強する。ある実施形態では、一つ以上のバリヤー、メッシュ、パッチ、膜、封止手段又は閉塞装具として、支持部材又はフレームを含む。従って、一実施形態では、膜とフレームを含むバリヤーを提供する。ここで用いた増強する(augmenting)又は補強する(reinforcing)(及びそれらの変形物)との用語は通常の意味であり、支持する(supporting)、覆う(covering)、閉じる(closing)、パッチする(patching)又は封止する(sealing)ことを意味する。
【0010】
一実施形態では、一つ以上の輪増強装具は、一つ以上の核増強装具を備える。いくつかの実施形態では、輪のバリヤーは、核増強装具と一体化されている。他実施形態では、少なくともバリヤーの一部は、核増強装具と分離されているか、又は独立している。
【0011】
更に、本発明の一つ以上の実施形態では、輪増強装具が埋め込まれた後、輪から流動性の物質が逃げないように、流動性の核増強部材を使用するように構成された核増強装具を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態では、椎間板を補修又は修復するように構成された椎間板増強システムを提供する。このシステムは、少なくとも一個の輪増強装具と少なくとも一個の核増強部材とを含む。輪増強装具は、髄核及び内側の線維輪が正常に占拠している空間の内部から物質の流出を防ぐか、又は最小にする。本発明の一つの応用としては、輪増強装具が低侵襲的に移植及び配置できるように形成されている。輪増強装具は、耐久性のあるインプラントであってもよく、また、取り外し可能でも良い。
【0013】
核増強部材は、減少した椎間板の高さ及び/又は圧力を修復できる。核増強部材は、核空間内での物質の成長又は形成を誘発する因子を含んでもよい。核増強部材は、耐久性があるか、取り外し可能であるか、吸収性があるかのいずれでも良い。
【0014】
核増強部材は、液体、ゲル、固体又は気体の形態でも良い。一実施形態では、核増強部材は、ステロイド、抗生物質、組織壊死因子、組織壊死因子拮抗剤、鎮痛剤、成長因子、遺伝子、遺伝子ベクター、ヒアルロン酸、非架橋型コラーゲン、コラーゲン、フィブリン、液体脂肪、油、合成ポリマー、ポリエチレングリコール、液体シリコン、合成油、生理食塩水及びヒドロゲルの一つ以上からなる群から選んだ材料を含む。ヒドロゲルは、アクリロニトリル、アクリル酸、ポリアクリルイミド、アクリルイミド、アクリルイミジン、ポリアクリロニトリル及びポリビニルアルコールの一つ以上からなる群から選んでも良い。
【0015】
固体型の核増強部材は、立方体、回転楕円体、円盤状、楕円、菱面体、円筒形のような幾何形状でもよく、又は不定形でも良い。固体の部材は、粉状形態でも良く、また、チタン、ステンレススチール、ニチノール、コバルト、クロム、吸収性材、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(FEP)、四フッ化エチレンポリマー(PTFE)、延伸多孔質PTFE(ePTFE)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ナイロン、炭素繊維、デルリン、ポリビニルアルコールゲル、ポリグリコール酸、ポリエチレングリコール、シリコンゲル、シリコンゴム、加硫ゴム、気体充填小胞、骨、ヒドロキアパタイト、架橋コラーゲンのようなコラーゲン、筋肉組織、脂肪、セルロース、ケラチン、軟骨、タンパク質ポリマー、移植髄核、生物工学的髄核、移植線維輪及び生体工学的線維輪の一つ以上からなる群から選んでも良い。また、膨張可能なバルーンや他の膨張可能な容器、バネで付勢された構造物のような構造も利用できる。
【0016】
更に、核増強部材は、生物活性化合物を含んでも良い。その化合物は、薬剤担体、遺伝子ベクター、遺伝子、治療薬、成長再生剤、成長阻害剤、鎮痛剤、抗感染薬及び抗炎症剤の一つ以上からなる群から選んでも良い。
【0017】
一実施形態では、輪増強装具は、ステロイド、抗生物質、組織壊死因子、組織壊死因子拮抗剤、鎮痛剤、成長因子、遺伝子、遺伝子ベクター、ヒアルロン酸、非架橋型コラーゲン、コラーゲン、フィブリン、液体脂肪、油、合成ポリマー、ポリエチレングリコール、液体シリコン、合成油、生理食塩水、ヒドロゲル(例えばアクリロニトリル、アクリル酸、ポリアクリルイミド、アクリルイミド、アクリルイミジン、ポリアクリロニトリル及びポリビニルアルコール)及び他の適切材料の一つ以上からなる群から選んだ材料を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、輪増強装具は、チタン、ステンレススチール、ニチノール、コバルト、クロム、吸収性材、ポリウレタン、ポリエステル、PEEK、PET、FEP、PTFE、ePTFE、PMMA、ナイロン、炭素繊維、デルリン、ポリビニルアルコールゲル、ポリグリコール酸、ポリエチレングリコール、シリコンゲル、シリコンゴム、加硫ゴム、気体充填小胞、骨、ヒドロキアパタイト、架橋コラーゲンのようなコラーゲン、筋肉組織、脂肪、セルロース、ケラチン、軟骨及びタンパク質ポリマーの一つ以上で構成される。移植線維輪及び生体工学的線維輪を用いてバリヤー、封止装具、閉鎖装具や膜を形成しても良い。膨張可能なバルーンや他の膨張可能な容器、バネで付勢された構造物が使用できる。
【0019】
輪増強装具は、生物活性化合物を含んでも良い。その化合物は、薬剤担体、遺伝子ベクター、遺伝子、治療薬、成長再生剤、成長阻害剤、鎮痛剤、抗感染薬及び抗炎症剤の一つ以上からなる群から選んでも良い。いくつかの実施形態では、生物活性化合物をバリヤー、封止装具、閉鎖装具や膜と連結する。いくつかの実施形態では生物活性化合物をバリヤー、封止装具、閉鎖装具や膜にコーティングする。
【0020】
ある実施形態では、椎間板を補強するための輪増強装具を提供する。一実施形態では、輪増強装具は、メッシュ状のフレームが複数の可撓性の曲線状部材からなるメッシュ状のフレームを含む。一実施形態では、曲線状要素が互いに連結されている。相互に連結した曲線状部材は、メッシュ状のフレームに可撓性と弾性を与えるように構成されている。いくつかの実施形態では、曲線状部材は、水平な部材又は中央の支柱を形成する。一実施形態では、曲線状部材が平行に構成される。
【0021】
一実施形態では、曲線部材は、鋼鉄、ニッケル‐チタン、コバルト‐クロムやそれらの組み合わせからなる。
【0022】
ある実施形態では、曲線状部材は、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルオキシド、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、クロロスフホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、アセタール、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(ケブラー(登録商標))(KevlarTM)、ポリカーボネート、カーボン、グラファイト、又は、これらの組み合わせである。
【0023】
一実施形態では、メッシュ状のフレームの一部を封入、被覆又はコーティングする。ある実施形態では、膜をフレームと連結する。
【0024】
ある実施形態の膜は、ポリマー、エラストマー、ゲル、エラスチン、アルブミン、コラーゲン、フィブリン、ケラチン、又はこれらの組み合わせで構成する。ある実施形態では、膜は、抗体、殺菌剤、遺伝子ベクター、骨形態形成タンパク質、ステロイド、コルチゾン、成長因子、又はその組み合わせを含む。膜は、コーティング材でも良い。
【0025】
一実施形態では、メッシュ状のフレームは、メッシュ状のフレームの少なくとも一つの軸の少なくとも一部に沿って凹状である。一実施形態では、メッシュ状のフレームは、約0.5cmから約5cmの範囲の長さを有する。ある当業者には、他の長さが使用できることが分かる。ある実施形態では、メッシュ状のフレームは、輪層板内面の少なくとも一部を覆う大きさにする。他の実施形態では、メッシュ状のフレームは、輪層板の表面全体に沿って周方向に延びる。
【0026】
一実施形態では、メッシュ状のフレームから放射状に広がる少なくとも一個の突起部を含む輪増強装具を提供する。一実施形態では、メッシュ状のフレームは、縦断面が平面状、凹状、凸状又は曲面状である。横断面は、曲面状、凸状、平面状又はインゲン豆形状であっても良い。また、他の形状も使用できる。
【0027】
本発明の一実施形態では、椎間板を補強するための輪増強装具は、横軸と縦軸を持つメッシュ状のフレームを含む。一実施形態ではメッシュ状のフレームは少なくとも水平軸か鉛直軸の一部に沿って凹状である。一実施形態では、一つ以上の突起部がメッシュ状のフレームの水平軸又は鉛直軸から放射状に広がる。突起部は、輪増強装具の安定化に利用される。一実施形態では、安定化させる突起部は、少なくともメッシュ状のフレームより大きな寸法を有する。他の実施形態では、突起部は、メッシュ状のフレームより小さい。
【0028】
本発明の更なる他の実施形態では、第一の端部及び第二の端部を有する後方の支持部材を含む椎間インプラントを提供する。一実施形態では、前方の突起部が後方の支持部材から外向きに延びる。前方の突起部は、少なくとも後方の支持部材の第一の端部又は第二の端部に取り付けられる。
【0029】
他実施形態では、第1の端部と第2の端部とを有する後方の支持部材と、第一の端部と第二の端部を有する前方の突起部を含む椎間板着床部を提供する。前方の突起部が後方の支持部材から外向きに延びる。一実施形態では、前方の突起部の第一の端部は、後方の支持部材の第1の端部と連結される。前方の突起部の第二の端部は、後方の支持部材の第2の端部と連結し、その結果、実質的に弓形インプラントを形成する。後方の支持部材及び前方の突起部は、限定はされないが、メッシュ状のフレームや膜のための上記した材料を含む適切な材料のいかなるものから構成できる。
【0030】
本発明の更なる実施形態では、レールを含む耐疲労性の手術用メッシュを提供する。一実施形態では、メッシュは、上部レールと、上部レールに連結された下部レールとからなり、上部レールと前記下部レールとは互いに第一の端部と第二の端部とで連結する。一実施形態では、上部レールと下部レールとが延びることにより、少なくとも端部の間の距離の一部に沿ったレールの間で規定される間隙を形成する。
【0031】
本発明の一実施形態は、椎間板治療用の脊髄インプラントを提供する。一実施形態では、椎間板摘出手術での除去物質量に相当する体積のバリヤー又はパッチを埋め込む。一実施形態では、インプラントは、約0.2から約2.0ccの範囲の体積を有する。
【0032】
本発明の一実施形態では、隣接する帯状要素を形成するバリヤーを含む椎間板インプラントを提供する。一実施形態では、帯状要素の高さや幅を変更可能である。一実施形態では、帯状要素の可撓性は少なくとも一つの軸で異なる。
【0033】
本発明の他実施形態では、椎間板の修復法又は回復法を提供する。その方法は、少なくとも一個の輪増強装具を椎間板に挿入し、少なくとも一個の核増強部材を輪増強装具により椎間板内に保持するように挿入する。核増強部材が輪の第一の健康な領域に適合する一方、輪増強装具が輪の第二の弱い領域に適合する。
【0034】
更なる実施形態では、椎間板内の欠損領域の修復法を提供する。一実施形態では、その方法は、手術用のメッシュを提供し、その手術用のメッシュを輪表面に埋め込み、手術用メッシュの少なくとも約2mmが椎間板の欠損領域の少なくとも一つの端部を越えて延びるように装具を配置することを含む。
【0035】
本発明の実施形態での更なる特徴と利点は、添付の図面及び特許請求の範囲を参照して、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を考慮すれば当業者には明白である。
【0036】
本発明の前述の及び他の対象、特徴及び利点については、異なる図面を通して類似の符号が同じ部位を指す添付の図面に示すように、本発明の好ましい実施形態のより詳しい説明から明らかになる。その図面は必ずしも寸法が必要ではなく、むしろ本発明の原理を示すことに重点を置いている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の各実施形態は、生体内で増強される機能性脊椎ユニットを提供する。機能性脊椎ユニットは、二つの隣接する椎骨(又は椎体)の骨構造、椎間板の柔組織(線維輪(AF)、及び、任意に髄核(NP))、並びに、脊椎と結合した靱帯、筋系及び結合組織を含む。椎間板は、実質的には隣接する椎骨間に形成された椎間空間に位置している。機能性脊椎ユニットよる増強としては、椎間板ヘルニア部分の修復、弱くなった、切断した、又は損傷した線維輪の支持、或いは髄核の全体又は一部に材料を付加又は置換することを含む。機能性脊椎ユニットによる増強は、椎間板腔に配置されたヘルニア形成抑制装具と椎間板増強装具とにより提供される。
【0038】
図1A及び図1Bは、機能性脊椎ユニット45の概略構造を示す。この明細書及び以下の特許請求の範囲において、“前方の(anterior)”と“後方の(posterior)”、“上方の(superior)”と“下方の(inferior)”なる用語は、解剖学での標準的用法で定義される。即ち、前方は身体又は臓器の前方(腹側の)方向であり、後方は身体又は臓器の後方(背側の)方向である。上方は上向き(頭方向)であり、下方は下向き(足方向)である。
【0039】
図1Aは、椎体上方の椎間板15における椎体の横軸Mでの断面図である。軸Mは、生体構造内での機能性脊椎ユニットの前方(A)と後方(P)の方向を示す。椎間板15は、中央の髄核(NP)20を囲む線維輪(AF)10を含む。ヘルニア発生部分30を点線で示す。このヘルニア発生部分30は、椎間板のヘルニアになる前の後方境界線40を越えて突出している。また、この図では、左側棘突起70及び右側棘突起70’、並びに後方棘突起部80を示す。
【0040】
図1Bは、二つの隣接する椎体50(上方)及び50’(下方)の中線を通る矢状軸Nでの矢状断面である。椎間板腔55は、二つの椎体間に形成され、椎間板15を収容している。この椎間板15は、椎体を支持及び保護し、二つの椎体が互いに、且つ他の隣接する機能性脊椎ユニットに対して移動することを許容する。
【0041】
椎間板15は、通常NP20が完全に椎間板腔の境界線内に入るように包囲し、拘束する外側の線維輪(AF)10を備える。図1Aと図1Bで、点線で示したヘルニア発生部分30は、椎間板の後方の線維輪(AF)のヘルニア発生前の境界線40に対して後方へ広がっている。軸Mは、機能性脊椎ユニットの前方(A)と後方(P)に延びている。また、椎体は、椎間関節60と、神経孔100を形成する上方の椎弓根90及び下方の椎弓根90’とを有している。椎間板の高さは、上方の椎体50が下方の椎体50’に対し下方へ移動すると減少する。
【0042】
また、輪10における内側の層の貫通していない部分的な破損部121は、慢性的な腰痛と関係している。そのような破損部4を図1Cに示す。これは、これらの内側の層が弱いために、敏感な外側の輪の層板がより高い応力に耐えなければならないからであると考えられる。この増大した応力により、外側の輪を通る小神経線維が刺激され、その結果、局所痛と関連痛の両方が引き起こされる。
【0043】
本発明の一実施形態では、椎間板ヘルニア抑制装具13によりヘルニア発生部30の全体又は一部をヘルニア発生前の境界線40内の位置へ実質的に戻す支持部を提供する。椎間板ヘルニア抑制装具は、固定具を有している。この固定具は、上方又は下方の椎体、或いは前方中央又は前方側部の線維輪のような機能性脊椎ユニット内の部位に配置される。固定具は、ヘルニア発生部をヘルニア発生前境界線まで戻し、これによって、圧迫された神経組織及び構造における圧力をも取り除くように、ヘルニア発生部の全体又は一部を引っ張る部位として使用される。支持部材は、ヘルニア発生部内又は後方に配置され、連結部材で固定具に結合される。この連結部材には、この支持部材がヘルニア発生部をヘルニア発生前の位置に戻すのに十分な張力がかけられる。いくつかの実施形態では、増強部材が椎間板腔内に固定され、髄核(NP)が下方及び上方の椎体を保護及び支持するのを助けている。固定具は、機能性脊椎ユニットの一部に固定されるとともに、連結部材及び増強部材に取り付けられ、椎間板腔内での増強部材の移動を制限する。この固定具の反対側にある支持部材は、連結部材のための第二の取り付け部位を任意に提供し、椎間板腔内での増強部材の移動をさらに制限する。
【0044】
図2A及び図2Bは、装具13の一実施形態を示す。図2Aは、ヘルニア発生部を矯正する位置にある抑制装具の要素を示す。固定具1は、図示された前方の線維輪(AF)などの機能性脊椎ユニット内の位置に固定されている。支持部材2は、ヘルニア発生部30の内部又は後方に配置されている。連結部材3は、固定具1から延びるとともに固定具1に連結され、固定具1を支持部材2に連結している。支持部材2が配置された位置によるが、連結部材はヘルニア発生部の全体又は一部横切ることができる。
【0045】
図2Bは、装具13がヘルニア発生部を支持する場合のヘルニア発生抑制装具13の種々の要素の位置を示す。連結部材2をピンと張ることによって、その長さ方向に張力を伝え、ヘルニア発生部30を前方に、即ちヘルニア発生前境界線方向に移動させることができる。一旦ヘルニア発生部30が所望位置にくると、連結部材3は固定具1と支持部材2との間に永久的に固定される。これにより、固定具1と支持部材2との間の張力を維持し、ヘルニア発生部の移動を椎間板のヘルニア発生前境界線40内に制限する。支持部材2は、ヘルニア発生部30を固定するために用いられ、ヘルニア形成の形跡が見られない弱くなった線維輪(AF)を支持し、ヘルニア発生部30近辺での線維輪(AF)の欠損部の閉鎖にも使用される。
【0046】
固定具1は、代表的な形状で示しているが、多くの形状のうちの一つを選ぶことができ、種々の生体整合性の材料の一つから作られ、ある範囲の剛性に収まるように構成できる。これは耐久性プラスチックや金属からできた耐久性の装具でも良く、ポリ乳酸(PLA)やポリグリコール酸(PGA)のような吸収性材から作っても良い。特定の実施形態は示していないが、多くの構成が可能なことは当業者のいずれにも明白である。限定はされないが、実施形態としては、PLA製の有刺固定具や前方の線維輪(AF)にねじ込める金属コイルが含まれる。固定具1は、骨へのねじ込み、組織又は骨との縫合、セメント又は他の適切な手術用接着剤のような接着法を用いた組織や骨との貼り付けのような装具と、位置に関する常套方法で機能性脊椎ユニットの一部内にしっかりと設置できる。一旦、固定具1が、骨又は組織内に固定されると、骨又は組織内で相対的に固定される。
【0047】
また、支持部材2は、代表的な形態で示しており、固定具1と同様に、同程度の可撓性を有する材料及び構成を備えることができる。両装具は、同じ構成でも良く、又それぞれが健康な組織と病変組織とで固定されるのに適するような異なる構成でも良い。代わりに、他の形態では、支持部材2は、帽子型やビーズ型でも良く、線維輪(AF)の裂傷部又は穿孔部に固定されるようになっており、或いは、棘有りか無しの棒型か板型でもよく、ヘルニア発生部との確実な接触を維持する。支持部材2は、ヘルニア発生部に対して、内部で、或いは後方でしっかりと固定できる。
【0048】
固定具及び支持部材としては、縫合糸、骨固定具、軟部組織固定具、組織接着剤や組織内殖支持材を含むが、他形状や材料も可能である。これら部材は、持続的な装具でも吸収性のものでも良い。機能性脊椎ユニットの一部とヘルニア発生部との取り付けは、ヘルニアの修復により生じる張力及び日常活動で生ずる荷重に耐えるのに十分な強さが必要である。
【0049】
また、連結部材3も代表として示している。連結部材3は、例えば、一本の鎖か、多撚り縫合糸の様な可撓性のフィラメント、ワイヤー、ある程度堅い棒や広幅の材料の形でも良い。更に、連結部材は、縫合糸、ワイヤー、ピン、織りチューブや織物材も含めることができる。これは、種々の材料から耐久的又は吸収性に構成でき、椎間板腔の境界内に適応できるいずれかの形状でも良い。選択される材料は、好ましくは、張力下では比較的堅く、他のあらゆる荷重に対しては比較的可撓性を有するように構成される。これにより、支持部材は、椎間板がヘルニア発生前の境界線外に出る危険なしに、固定具に対するヘルニア発生部の可動性を最大にできる。連結部材は、固定具か支持部材又は別の構成要素のいずれかの一体的な構成要素でも良い。例えば、連結部材と支持部材は、固定具と連結し、固定具に対して引っ張り、ヘルニア発生部に縫いつけた非吸収性の縫合糸長さでも良い。
【0050】
図3A及び図3Bは、装具13の他の実施形態を示す。図3Aは、ヘルニア発生部を固定する前の位置のヘルニア発生抑制装具の要素を示す。固定具1は線維輪(AF)に配置され、連結部材3は固定具1に固定される。支持部材4は、ヘルニア発生部30の最も後方側の後方に配置される。このようにして支持部材4は、ヘルニア発生部30が椎間板のヘルニア発生前の境界線40内で動かせるように、ヘルニア発生部30に固定する必要はない。支持部材4は、固定具1と同様の構成及び可撓性のある材料を有し、ヘルニア発生部30の後方側に取り付けるか、単に支持部材4の直ぐ前方の線維輪(AF)のいずれかの孔より大きい形の部材で可撓性パッチ、堅い板又は棒の形態を取ることができる。図3Bは、連結部材3に沿って固定具1と支持部材4との間に張力をかけた場合の本装具要素の位置を示す。ヘルニア発生部は、椎間板のヘルニア発生前境界線40内で前方へ移動する。
【0051】
図4A及び4Bは、固定具1用の機能性脊椎ユニット(FSU)内の適切な固定部位についての5つの例を示す。図4Aは、前方と横側線維輪(AF)内で、種々に配置した固定具1の軸方向図を示す。図4Bは、同様に固定具1用の種々の容認できる固定部位の矢状図を示す。固定具1は、上椎体50、下椎体50’又は前方線維輪(AF)10に固定されるが、ヘルニア発生前の境界線40内にヘルニア発生部を支持する連結部材3に沿った固定具1と支持部材2との間の張力に耐えるいずれの部位でも容認できる。
【0052】
張力を連結部材にかけた時、ヘルニア発生部30がヘルニア発生前境界線40内に戻るように、通常一個以上の固定具取り付け用の適当な位置は、ヘルニア発生部の前方の位置である。固定具に選択された部位は、連結部材に張力をかけた場合に固定具にかかる張力に耐えられる必要がある。大部分の症候性ヘルニア形成は、後方又は後外側方向で起こるため、好ましい固定具の設置部位は、ヘルニア形成部位の前方である。関連する機能性脊椎ユニット(FSU)のいかなる部分も通常容認できるが、前方、前内側や前外側の線維輪(AF)が好ましい。これらの線維輪(AF)部分は、線維輪(AF)内の後方部や後外側部よりかなり高い強度と剛性があることが示された。図1Aと1Bに示すように、固定具1は図示位置でのいずれかでの単一の固定具であるか、種々の位置で取り付け、ヘルニア発生部を支持するように支持部材2を連結した複数固定具1でも良い。連結部材3は、配置された固定具と支持部材とを縫う一本の連続長さでも、一個以上の固定具と一個以上の支持部材間とが張力下でそれぞれの端部を有するいくつかの素材でもよい。
【0053】
本発明の種々の形態では、一個又は複数の固定具と一個又は複数の連結部材とが、連結部材に張力がかけられた状態で、患者へ導入され、埋め込まれる。代わりに、これらの要素は、連結部材に張力をかけずに設置できるが、例えば椎間板に負荷がかかることにより、患者が水平な姿勢でないときは、連結部材に張力がかかるようになる。
【0054】
図5A―5Cは、ヘルニア形成抑制装具13Aの他の実施形態を示す。この一連の図では、装具13Aは、実質的に一体型の構成物であり、デリバリーチューブ6を通して送達できるが、これに限定されず、装具13Aは、手または手持ち式握り器具を含む種々の方法で送達できる。図5Aでは、デリバリーチューブ6内の装具13Aは、ヘルニア発生部30に対して配置する。図5Bでは、装具13A及び/又はデリバリーチューブ6によって、ヘルニア発生部がヘルニア発生前境界線40内に動がされ、これによって、図5Cでは、装具13Aがデリバリーチューブ6により送達され、機能性脊椎ユニット(FSU)の一部に固定されたときに、この装具が移動されたヘルニア発生部をヘルニア発生前境界線40内に支持する。ヘルニア形成抑制装具13Aは、種々の材料から形成することができ、ヘルニア発生部30を椎間板のヘルニア発生前境界線40内に支持できる限り、多くの形態のうちの1つをとることができる。装具13Aは、限定はされないが、上椎体、下椎体又は前方線維輪を含む機能性脊椎ユニット(FSU)内の適切な固定部位のいずれかに、ヘルニア発生部30を固定することができる。装具13Aは、ヘルニア発生部30の線維輪(AF)内の欠損部を閉じるためにさらに用いることができる。代わりに、この欠損部のいずれも開いたままにするか、他の手段を用いて閉じても良い。
【0055】
図6は、後方線維輪(AF)10’の弱くなった部分30’を支持する実質的に一体型の装具13Aを示す。装具13Aを弱くなった部分30’内か後方に配置し、図に示した上椎体50か下椎体50’か内前方か前外側線維輪10のような機能性脊椎ユニット(FSU)の一部に固定する。患者の中には手術で分かる明白なヘルニア形成はないものもいる。しかし、椎間板のヘルニア発生前の境界線を越えるまでは突出していないが、弱くなったか切断した線維輪(AF)では、ヘルニア形成のリスクを減らすため、髄核(NP)の全てまたは一部を除去するように外科医を促す。椎間板摘出の代わりに、本発明の実施形態のいずれかを用いて、線維輪(AF)の弱くなった部分の欠損部を支持し、閉鎖しても良い。
【0056】
本発明の更なる実施形態では、椎間板の高さの損失を避けるか食い止めるため、椎間板の軟部組織の増強を含む。図7Aと7Bは、椎間板腔55内に増強部材を固定した装具13の一実施形態を示す。図7Aの左側では、固定具1を前方の線維輪(AF)10に設置する。本実施形態は、通路9を有する連結部材3に沿って増強部材7を椎間板腔へ挿入するプロセスである。一旦、増強部材7が適切に配置されると、支持部材2’は連結部材3にいつでも取り付けられることが示されている。本実施形態では、連結部材3は支持部材2’の開口を貫通するが、支持部材2’を連結部材3に取り付ける他の多くの方法が可能であり、本発明の範囲内である。
【0057】
増強部材7は、連結部材3に沿ってスライドできるチャネル、スリットや類似物のような通路9を有するか、または増強部材7は固体であり、連結部材3は、針や他の穿刺装具のような手段で増強部材と縫い合わすことができる。連結部材3は、一端で固定具1に取り付け、他端で支持部材2’で終わり、図に示した一実施形態では帽子型形状である。支持部材2’は、限定はされないが、支持部材2’を連結部材3に垂らすことを含む種々な方法で連結部材3に取り付けられる。好ましい実施形態では、支持部材2’は、帽子形状であり、増強部材7が固定具1に対して後方に移動されないよう働く任意の通路9より大なる寸法(直径又は長さと幅)を有する。図7A(軸方向図)と図7B(矢状図)での椎間板の右半分は、椎体50と50’を支持する連結部材3に沿って椎間板腔55に埋め込まれた増強部材7を示す。図7Aは、支持部材2’を連結部材3に取り付け、増強部材7が連結部材3から離れるのを防ぐことにのみ役立つ実施形態を示す。増強装具は、椎間板腔内では自由に動ける。図7Bは、支持部材2’をヘルニア発生部や後方線維輪のような機能性脊椎ユニットの部位に埋め込み、増強部材7やスペーサー部材の椎間板内での動きを更に制限する、代わりの実施例を示す。
【0058】
増強部材又はスペーサー部材は、生体整合性で、好ましくは可撓性のあらゆる材料で形成することができる。この可撓性の材料は、好ましくは、セルロース、ウシコラーゲン、又は自己のコラーゲンなどの繊維質のものである。増強部材は、プラグ形又は円板形でもよい。また、立方体形、楕円形、球形やその他のいかなる適当な形状でもよい。増強部材は、限定されないが、部材に、若しくは部材の周りに、若しくは部材に貫通して取り付けられ、固定具及び支持部材まで延びる縫合ループなどの様々な方法で椎間板腔内に固定できる。
【0059】
図8,9A、9B、10A及び10Bに、軟部組織、特に椎間腔内組織の増強に使用の椎間板ヘルニア抑制装具13Bの更なる他実施形態を示す。図8と9Aに示した実施形態では、装具13Bを椎間板腔内に固定して、髄核(NP)20を更に支持する。固定具1を機能性脊椎ユニット(FSU)の一部(これらの図では前方線維輪(AF)10)にしっかりと取り付ける。連結部材3は、支持部材2で終点となり、増強部材7が固定具1に対して通常後方に移動するのを防ぐ。これらの図では、支持部材2は、図8の後方線維輪(AF)10’のような種々の位置で設置するように描いているが、支持部材2は前述のように機能性脊椎ユニット(FSU)内の適切ないかなる位置でも固定できる。支持部材2を用いて後方線維輪(AF)の欠損部を閉鎖できる。又これを用いて連結部材3に沿った固定手段1と2との間に張力をかけ、椎間板のヘルニア発生前境界線内にヘルニア発生部を移動できる。
【0060】
図9Aは、下椎体や上椎体のような椎間腔内の部位に一体型の構成物として挿入、固定した固定具1、連結部材3、スペーサー部材7及び支持部材2’(“帽子型”形状で示した)を示す。この形状は、移植が完了するための工程の数を減少して、図7と8に示す実施形態での挿入を簡単化する。連結部材は、好ましくは、張力下では比較的堅いが、他の荷重の全てには柔軟である。支持部材2’を少なくとも一つの平面で通路9より大きな棒要素として示す。
【0061】
図9Bは、図9Aに示した実施形態の変形を示す。図9Bには、椎間板腔に固定した実質的に一体型の椎間板増強装具13Cを示す。装具13Cは、固定具1、連結部材3及び増強部材7を有する。増強部材7は、椎間板腔55に挿入する前に、単一の構成物として前もって組み立てても良い。代わりに、増強部材7を先ず椎間腔に挿入し、次いで固定具1で機能性脊椎ユニット(FSU)の一部に固定しても良い。
【0062】
図10Aと10Bは、開示している発明の他の実施形態13Dを示す。図10Aでは、二個の連結部材3と3’とを固定具1に取り付ける。二個のプラグである増強部材7と7’を連結部材3と3’に沿った椎間腔に挿入する。次いで連結部材3と3’を連結する(例えば、一緒に結ぶか、融着する等)。これによりループ3”が形成され、増強部材7と7’との後方移動を防ぐように働く。図10Bは、ループ3”と固定具1による固定後の増強部材7の位置を示す。増強部材の単一のプラグや各連結部材を有する固定具1から延び、少なくとも一つの他連結部材と連結した二個の連結部材を用いて、部材、固定具及び増強部材の種々の組み合わせが本実施形態で使用できる。更に、各固定具から延びた少なくとも一個の連結部材を有する一個以上の固定具と、少なくとも一つの他の連結部材と連結された各連結部材とを設置できる。
【0063】
ここに記載のいずれの装具も、手術かヘルニア発症時に発生した線維輪(AF)の欠損部を閉じるのに使用できる。その方法としては、生体整合性の材料を線維輪(AF)か髄核(NP)のいずれかに加えることである。この材料としては、椎間板ヘルニア発生前の境界線外にある髄核(NP)の隔離区域か突出部分である。
【0064】
図11−15は、線維輪の欠損部の閉鎖に用いる装具と方法を示す。一つの方法としては、バリヤーかバリヤー手段12の椎間板への挿入がある。この方法は、外科的な椎間板の摘出を伴う。又椎間板15のどの部分を除去すること無しに、或いは椎間板へ増強部材又は装具の挿入と組み合わせて実施できる。
【0065】
この方法は、バリヤー12を椎間板15の内部に挿入し、輪の欠損部16の内側に近接するように設置することからなる。バリヤーの面積は、少なくともバリヤー手段12の一部が健康な線維輪10に隣接するように、欠損部16の大きさよりかなり大きいことが好ましい。この装具は、輪欠損部16を封止するように働き、健康な椎間板腔20に等圧の閉鎖された環境を再度作り出す。単に欠損部16に比してより大きなインプラントによりこの閉鎖が得られる。又バリヤー手段12を機能性脊椎ユニット内組織に取り付けても得られる。本発明の一実施形態では、バリヤー12を輪欠損部16の周囲の輪に取り付ける。これは縫合糸、留め金、接着剤、他の適切な固定手段或いは固定装具14により得られる。バリヤ手段12は、欠損部16より面積が大きく、欠損部の反対側の組織か構造に、例えば後方欠損部の場合前方組織に取り付ける。
【0066】
バリヤー手段12は、好ましくは可撓性である。これは、ダクロン(登録商標)やナイロン(登録商標)、合成ポリアミド、ポリエスエル、ポリエチレンのような織布で構成でき、更に例えば、発泡多孔質ポリテトラフルオロエチレン(e-PTFE)のような発泡材料でもよい。また、バリヤー手段12は、架橋コラーゲンや細胞性物のような生物由来物質でもよい。
【0067】
遮蔽手段12は、単一の部材でもよい。これは、椎間板15の内部に挿入後、圧縮状態から膨張できる膨張手段か構成要素を持つことができる。この膨張手段は、バルーンのように能動的か、親水性材料のように受動的であってもよい。また、膨張手段は、例えば自己膨張型の弾性変形部材でもよい。
【0068】
図11及び12は、輪10内に装填し、輪欠損部16を覆うバリヤー12を示す。このバリヤー12は、固定機構か固定手段14により、輪10に固定できる。固定手段14としては、バリヤー12及び輪10を貫くように配置した複数の縫合糸のループがある。この固定により、バリヤー12が輪欠損部16から離脱したり滑り落ちるのを防げる。
【0069】
また、バリヤー手段12は、複数個所で椎間板に固定できる。図13及び14に示した好ましい一実施形態では、バリヤー手段12を欠損部内か周囲の輪組織10に取り付け、更に欠損部の反対側の二次固定部位、例えば後方のヘルニア形成部における前方輪10、下椎体50’又は上椎体50に取り付けられる。例えば、固定手段14を用いて、バリヤー12を欠損部16の近辺の輪10に取り付ける一方、固定機構18によりバリヤー12を二次固定部位に固定できる。連結装具22により、バリヤー12を固定具18に取り付ける。輪欠損部16が二次固定部位の方向に動くように、連結装具22により、一次固定部位と二次固定部位との間に張力をかける。これは、後方のヘルニア形成部で起こる欠損部16を閉鎖するのに特に有益である。この方法を用いてヘルニア形成を輪10のいずれの欠陥をも閉鎖しながら、ヘルニア形成部をいずれの神経構造から遠ざけられる。
【0070】
バリヤー手段12は、更にバリヤー手段自身を機能性脊椎ユニット内の組織に取り付けるように固定手段と一体化できる。
【0071】
図15に示すように、欠損部16の外面に隣接して設置の第二バリヤー又は第二バリヤー手段24を用いて、上述方法のいずれかを増強できる。更に、第二バリヤー24を縫合糸材のような固定手段14を用いて、内部遮蔽手段12に取り付けることができる。
【0072】
図16A及び16Bは、髄核20と線維輪10とからなる椎間板15を示す。髄核20は、第一解剖領域を形成し、円形外腔500(椎間板外のいずれかの腔)は、第二解剖領域を形成し、両領域は線維輪10により分離されている。
【0073】
図16Aは、椎間板の軸方向(横断)図である。線維輪10の後方側部の欠損部16により、髄核20の部分30は円形外腔500へ脱出可能となっている。内面32と外面34は、左側突起部70及び右側突起部70’、並びに後方突起部80と共に示されている。
【0074】
図16Bは、椎間板の中線での矢状断面である。上椎弓根90及び下椎弓根90’はそれぞれ、上椎体95及び下椎体95’から後方に延びている。
【0075】
核20が更にヘルニア形成するのを防ぎ、且ついずれかのそこにあるヘルニアを修復するには、好ましい実施形態では図17と18に示すように、バリヤー又はバリヤー手段12を欠損部16の内面32に隣接する輪10と核20との間の腔に配置できる。この腔は鈍的切開により作り出す。切開は別の切開装具、遮蔽手段12自身、或いは切開/遮蔽を組み合わせた送達装具により行える。この腔は、好ましくは、バリヤー手段12が輪10及び核20の両者と接触できるように、バリヤー手段より大きくはない。これにより、椎間板の活動中に圧力がかかると、バリヤー手段12により核20から輪10に荷重を移動できる。
【0076】
妥当な位置では、バリヤー手段12は、欠損部36のあらゆる側面の健全組織、または荷重下で十分に支持できる隣接健全組織と十分に接触するするまで欠損部16まで延び、輪10の内面36に延びる。健全組織とは、微少穿孔か非穿孔な非病変組織及び/又は耐荷重組織である。欠損部16の程度によりk接触組織としては、輪10、脊椎端板上の軟骨及び/又は軟骨自身がある。
【0077】
好ましい実施形態では、バリヤー手段12は、図21A及び21Bに示すように、二つの構成品、すなわち、封止手段又は封止構成部材51と拡大手段又は拡大構成部材53とからなる。
【0078】
封止手段51は、バリヤー12の外周を形成し、内部空洞17を有する。封止手段51の外部から空洞17に通じる少なくとも一つの開口8がある。封止手段51は、好ましくは比較的小さな孔から椎間板15内に容易に挿入できる寸法に圧縮または折りたたみ可能である。この孔は、欠損部16自身または欠損部16から遠い部位であってもよい。封止手段51は、部材で構成され、封止手段51の周りや欠損部16への液体又は他の材料の通過を妨げるように形成されている。封止手段51は、限定はされないが、PTFE、e-PTFE、ナイロン(登録商標)、マーレックス(Marlex)(登録商標)、高密度ポリエチレン及び/又はコラーゲンを含む種々の材料の少なくとも1つ以上から構成できる。封止構成部材の厚さは、約0.001インチ(0.127mm)〜0.063インチ(1.6mm)が最適であることが分かっている。
【0079】
拡大手段53は、封止手段51の空洞17内に適合する大きさにできる。好ましくは、これは封止手段51が通ずる同じ欠損部16に挿入できる寸法を持つ単一品である。拡大手段53により、封止手段51は、空洞17内を通ずるように膨張状態に膨張する。拡大手段53の一つの目的は、組み立てたバリヤー12により材料が欠損部16を通過するのを防ぐよう封止手段51を欠損部16の大きさより大きいサイズに膨張することである。拡大装具53は、バリヤー12が髄核20内の圧力及び欠損部欠陥16による排除を妨げるようにバリヤー12に剛性を与えることができる。拡大手段53は、限定はされないが、シリコンゴム、種々のプラスチック、ステンレススチール、ニッケル−チタン合金や他の材料を含む種々の材料の一つ又はいずれかから構成できる。これらの材料により、固体物、中空物、コイルバネ、又は封止手段51内の孔17を充填できる他の適切な形状を形成しても良い。
【0080】
封止手段51、拡大手段53、又はバリヤー手段12の構成品は、更に欠損部16の周囲又は欠損部16から離れたいずれかの組織に取り付けられる。好ましい実施形態では、固定手段、固定装具、バリヤー手段12やその構成品のいずれもが、後方に椎間板15又は円板外領域500へ延びることはなく、椎間板15の後方の鋭敏な神経組織に接触し、刺激するリスクを避ける。
【0081】
好ましい実施形態では、封止手段51は、欠損部の内面36の近傍の椎間板15内に挿入される。次いで、封止手段51は、縫合糸又は軟部組織の固定具のような適切な固定手段を用いて、欠損部の周囲組織に取り付けられる。固定方法は、図19と20に示したように、好ましくは、封止手段の空洞17の内部から行う。固定具送達装具110を封止手段51の開口8を通して空洞17へ送り込む。次いで、固定装具14を封止手段53の壁を通して周囲の組織に配置する。一旦、固定手段14が周囲の組織に通じると、固定具送達装具110は、椎間板15から取り除ける。この方法により、固定手段14を送達するための椎間板15への別の通路が必要性でなくなる。更に、材料が固定手段14に隣接の封止手段51から漏れる危険を最小限に抑える。一つ以上の固定手段14を一つ又はいずれかの数の上椎体95と下椎体95’含有の周囲組織に送り込むことができる。図21Aと21Bに示すように、封止手段51を固定した後、拡大手段53を封止手段51の空洞17に挿入し、バリヤー手段12の構成物を更に膨張すると同時に剛性を増加できる。次いで、封止手段51への開口8を縫合糸や他手段で閉じることができるが、これは本発明の要件ではない。ある場合には、封止手段51が十分に固定されると、別の拡大手段を挿入する必要はない。
【0082】
バリヤー手段12を組織に固定する別法は、拡大手段53を欠損部16の周囲か遠い組織に取り付けることである。拡大手段53は、図22A、22B、32A及び43Bに示すように、組織の固定するのを助ける一体化固定化領域4を有する。この固定領域4は、開口8か別の開口のいずれかを通して封止手段51の外側に延びる。固定領域4は、固定手段又は固定装具14が通れる孔を有する。好ましい実施形態では、バリヤー12を骨固定具14’を用いて、欠損部に隣接する周囲の椎体(95と95’)の少なくとも一つに取り付ける。骨固定具14’は、骨固定具配置装具に対し、0度から180度の間のある角度で椎体50及び50’に配置できる。図では、骨固定具14’は、骨固定具配置装具に対し90度に取り付けられている。代わりに、拡大手段53自身は、その長さ方向の一つ又は複数部位に位置する一体型の固定装具14を持つこともできる。
【0083】
バリヤー手段12を固定する別法は、バリヤー手段12を欠損部16か他の開口から椎間板に挿入し、欠損部16の内面36に隣接して配置し、少なくとも一つの固定手段14を輪10からバリヤー12に通すことである。本法の好ましい実施形態では、固定手段14は、ダート15であり、先ず中空針のような固定装具120内で輪10に一部を通す。図23A及び23Bに示すように、固定手段25は、バリヤー手段12に前進して固定装具120を取り除く。固定手段25は、好ましくは、二つの端部を有し、それぞれはこの固定装具の一端が動くのを防止する手段を有する。この方法を用いて、固定手段25のいずれかの面が円形外領域500の椎間板の外側にあることなしに、固定手段をバリヤー12及び線維輪10の両者に取り付けられる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態では、図24Aと24Bに示すように、バリヤー(又は“パッチ”)12を欠損部16の片側か両側の輪10の二つの隣接層33と37(層板)間に配置できる。図24Aは、軸方向図を示し、図24Bは矢状断面を示す。この配置では、欠損部16にまたがっている。バリヤー手段12は、概説の方法を用いて固定できる。
【0085】
切開装具を用いて、バリヤーが開口に挿入できるように、線維輪内に円周方向に広がる開口31を形成できる。代わりに、バリヤー自身は、少なくともその一部が欠損部16、輪状切除部416、アクセスホール417や輪の開口の側壁に押し込めるような切開縁を持つことができる。この方法は、隣接層33と37が層間で円周方向に広がる境界線35で規定される輪の自然な層構造を利用する。
【0086】
バリヤー12の他の実施形態は、その高さより大幅に大きい長さを持つパッチであり、、周囲の椎体を分離する間隔で、椎間板の円周に沿って配置される。高さより長さが大きいバリヤー12を図25に示す。バリヤー12を欠損部16と同様に線維輪10の全後面全域に配置できる。バリヤー12のこのような寸法は、挿入後、バリヤー12が滑るのを防止するのに役立ち、核20への圧力を輪10の後面に均等に分布するのを助ける。
【0087】
バリヤー12は、輪10内に挿入した増強装具11と一緒に使用できる。増強装具11としては、図26に示したように、別の増強装具42がある。また、増強装具11は、単一の増強装具44でもよく、図27に示すように、バリヤー領域300として線維輪10内にコイル状のバリヤー12部分の一部を形成できる。バリヤー12かバリヤー領域300のいずれかを、固定装具かダート25により欠損部16の周囲の組織に固定するか拘束無しのままにできる。
【0088】
本発明の他実施形態では、バリヤーかパッチ12を椎間板増強法の一部として使用できる。本法の一形態では、増強部材か装具を欠損部(自然発生か手術発生)から椎間板に挿入する。多くの適切な増強部材と装具は、上記や先行技術で検討された。次いで、図26に示すように、バリヤー手段を挿入して欠損部の閉鎖を助け、且つ/又は荷重を増強部材/装具から欠損部の周囲の健全組織に移すのを助ける。本法の他様態では、バリヤー手段は、増強装具の不可欠な構成要素である。図27、28A及び28Bに示すように、増強部分は、輪の欠損部から直線状に挿入できるある長さの弾性材からなる。この長さ領域300により、本発明のある実施形態でのバリヤー手段を形成し、一旦、核腔が十分に充填されると、欠損部内面に隣接して配置できる。次いで、バリヤー領域300は、上記の方法と装具のいずれかを用いて、線維輪(AF)及び/又は隣接椎体のような周囲組織に取り付けられる。
【0089】
図28Aと28Bは、それぞれ増強装具38の代替形状の軸方向と矢状断面を示す。本実施形態では、バリヤー領域300は、欠損部16の全域に延び、装具13の上椎体50への固定具14’による固定を容易にする固定領域4を有する。
【0090】
図29A―29Dは、線維輪10の欠損部から遠い侵入部位800でのバリヤー12の配置を示す。図29Aは、髄核20が占拠した椎間腔内に配置した遠位端を有する挿入装具130を示す。図29Bは、遠位端にバリヤー12を持つ挿入装具の遠位端で終わる送達カテーテル140を示す。バリヤー12は、欠損部16の内面全域に配置する。図29Cは、送達カテーテル140を用いて、遠位端のバルーン150によりバリヤー12’を膨張する膨張可能なバリヤー12’を示す。バルーン150により熱を利用して更にバリヤー12’を周囲組織に接着できる。図29Dは、椎間腔からバルーン150と送達カテーテル140を取り除いた欠損部16の全域に位置し残った膨張バリヤー手段12’を示す。
【0091】
バリヤー手段12を固定する別法は、熱利用による周囲組織への接着である。本実施形態では、バリヤー手段12としては、熱をかけると周囲組織に接着する熱接着性の材料からなる封止手段51がある。熱接着性の材料としては、熱可塑性材、コラーゲン又は類似材がある。封止手段51は、更に、ナイロン(登録商標)の織布やマーレックス(登録商標)の織布のような熱接着性材料に強度を加える別の構造材を含む。この熱接着性封止手段は、好ましくは、内部空洞17とバリヤー手段外部から空洞17に続く少なくとも一個の開口8を有する。熱装具は、図29Cと29Dに示す挿入装具に取り付けることができる。熱装具を持つ挿入装具130は、空洞17に挿入でき、封入手段51と周囲組織の加熱に用いる。この装具は、抵抗加熱コイル、抵抗加熱棒や抵抗加熱線のような単純な加熱素子でもよい。更にこれは、高周波(RF)エネルギーをかけてバリヤー手段と周囲組織を加熱できる多数の電極でもよい。熱装具は、更に、図47に示すように、バリヤー手段の加熱及び膨張の両方が可能なバルーン150と150’でもよい。バルーン150と150’は、加熱液体で膨張するか、高周波(RF)エネルギーでバリヤー手段を加熱するために、その表面に位置する電極のいずれかを持つことができる。バルーン150と150’は、封止手段を加熱後、収縮し取り除く。これらの熱的方法と装具により、封止手段を線維輪(AF)、髄核(NP)及び場合によっては他周囲組織に接着するという目的を達成する。熱利用により線維輪(AF)内の小神経を殺し、欠損部を収縮させるか、周囲組織を架橋及び/又は収縮させて本法を更に助けることができる。また、膨張装具や拡大手段53は、封止手段51内に挿入するバリヤー12に不可欠な構成要素である。加熱後別の拡大手段53をバリヤー手段の内部空洞に挿入してバリヤー12を拡大するか、その構造に剛性を加える事ができる。この拡大手段は、好ましくは、上述のものと構造及び構成が類似である。拡大手段の使用は、ある場合には必要ではなく、本法の必須の構成要素ではない。
【0092】
図25に示したバリヤー手段12は、好ましくは、線維輪(AF)10の内円周に合致できるパッチ、又はバリヤー12の長さに沿った一次曲率又はなだらかな曲線を有する。この曲率は、図44Aと44Bに示したように、単一半径Rを有するか複数の曲率をもてる。曲線は、バリヤー12及び/又はその構成要素のいずれかに組み込める。例えば封止手段は、固有の曲率なしに作成する一方、拡大手段は、その長さでの一次曲率を持つことができる。一旦、拡大手段を封止手段内に配置すると、遮蔽手段組み立て物全体は、拡大手段の一次曲率を担う。このモジュール方式により特定曲率を持つ拡大手段を線維輪の種々な領域で起こる欠損部用に組み立てることができる。
【0093】
バリヤー12の断面は、多くの形状のいずれでも良い。各実施形態では、封止手段51とバリヤー構成物全体に更に剛性を加えうる拡大手段53を利用する。図30Aと30Bは、本装具の長軸に位置する拡大手段53を有する細長い円筒型実施形態を示す。図31Aと31Bには、中心空洞49を有する拡大手段53を含むバリヤー手段を示す。図32Aと32Bは、非対称の封止手段51を含むバリヤー手段を示す。使用時には、本図の左側に見られる封止手段51の長い部分が対向椎骨50と50’との間に延びる。図33Aと33Bに、非対称の封止手段51と拡大装具53からなるバリヤー手段を示す。このバリヤー手段の凹部は、好ましくは、髄核20と向き合い、凸面は、欠損部16、輪状切除部416又はアクセスホール417及び線維輪10内面に面する。本実施形態では、椎間板内の圧力を用いて封止手段51を封止援助のため隣接椎体50及び50’に圧縮する。図33Aに示すように、“C”字形がパッチの凸部を線維輪(AF)内面で支え、凹部は髄核(NP)に面したバリヤーの好ましい形状である。このように使用するとバリヤーかパッチ12は、輪10内面の全体形態に合致し、核20に凹面か吸い込み面を与え、髄核20を一部封入するように働く。このパッチの封止能を良くするため、この“C”字形のバリヤー手段の上部と下部を脊椎端板かその上にある軟骨に対して配置する。核内圧力が増加すると、パッチのこの部分が終板に等圧で加圧し、遮蔽手段周りの材料通過を防止する。パッチ配置前又は配置中に、合致する空洞を切開してこの“C”字形パッチの使用を助けることができる。
【0094】
図34から図41は、椎間板15内での封止要素51の膨張を助けるために用いる種々の拡大又は膨張装具53を示す。各実施形態は、封止要素51によって覆うか、コーティングするか、封止要素51を覆うことができる。封止手段51は、更に膨張手段53に織り込むこともできる。封止要素51又は膜は、材料が椎間板の線維輪内から線維輪の欠損部を通って流れるのを防ぐことができる封止材である。輪の内部の材料は、髄核、又はヒドロゲルなどの増強装具を含むことができる。
【0095】
図34から図38に、図33Aに示したものの代替形態を示す。図33Aに、封止手段51内の膨張装具53を示す。封止手段は、膨張手段53の一面又は他面(凹又は凸)のいずれかに交互に固定できる。これにより、バリヤー手段12の全体積が減少し、狭いカニューレへの挿入を簡単化する利点がある。バリヤー手段12により、組織の他面ではなく一面での内殖を誘発できる。封止手段51は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(e―PTFE)のような内殖を妨げる材料から形成できる。膨張手段53は、金属や内殖を促進するポリマーで構築できる。いくつかの実施形態で、e―PTFEの封止手段51が膨張手段53の凹面に固定されると、組織が椎間板15の外部から膨張手段53内に成長し、バリヤー手段12を適所に固定し、椎間板15内からの物質の流出を封止するのを助ける。
【0096】
図33Aに示した膨張手段53は、封止手段51が一旦椎間板15の内部に入ると封止手段51に挿入できる。代わりに、膨張手段53と封止手段51は、椎間板にユニットとして挿入できるバリヤー手段12の不可欠な構成要素にもなりうる。
【0097】
図34から図38に示した形態は、好ましくは、比較的薄いシート材から形成できる。材料としては、ポリマー、金属やゲルがあるが、ニッケルーチタン合金(ニチノール(NITINOL))の超弾性的物性により、この金属はこの用途に特に有利になる。シート厚みは、通常、約0.1mmから約0.6mmの範囲であるが、ある実施形態では、約0.003インチと約0.015インチ(0.0762mmから0.381mm)との間で、その厚みが封止手段51と周囲の脊椎端板間の接触を維持するに十分の膨張力を与える場合は任意になることが分かった。形状は、ワイヤ放電加工、レーザー切断、化学エッチング又は他の適切な手段により形成できる。
図34に、上端部166と下端部168を持つ非軸対称膨張装具153を示す。膨張装具153は、バリヤー12のフレームを形成する。本実施形態は、切開表面か端部160、放射状要素かフィンガー162及び中心支柱164からなる。切開端部160の円形により、髄核20及び/又は線維輪10内面に沿うか、又はその間を切開する手助けとなる。切開端部の最も左よりの点と最も右よりの点間の距離が膨張手段長さ170となる。この長さ170は、好ましくは移植後、後方輪の内周に位置する。膨張装具長さ170は、最短で約3mm、最長で線維輪の全内周でも良い。この切開端部160の上下高さは、好ましくは、後方椎間板の高さと等しいかそれより高い。
【0098】
本実施形態では、可撓性の目止め剤か膜を上脊椎端板及び下脊椎端板に保持するのを助ける複数のフィンガー162を用いる。上フィンガー最上部と下フィンガー最下部との間の距離は、膨張手段高さ172である。この高さ172は、好ましくは、後方輪内面での椎間板高さより高い。膨張装具153の高さ172がより高いことにより、フィンガー162は、上脊椎端板と下脊椎端板に沿って収縮でき、椎間板15の内部からの物質の流出に対する遮蔽手段12の封止を強める。
【0099】
膨張装具長さ170に沿ったフィンガー162間の間隔は、膨張手段153に所望剛性を与えるように調整できる。いずれかの二個の隣接フィンガー162間の間隔をより大きくすることにより、膨張手段153がその長さに沿って湾曲する必要がある場合に、フィンガー170が接触しないことを保証できる。中心支柱164は、フィンガーと切開端部を連結し、好ましくは椎間板15内に位置したとき輪10内面に配置する。種々の実施形態で高さと厚みがより大か小の支柱164を用いて、長さ170と高さ172の膨張手段153全体の剛性を変える。
【0100】
図35に、図34の膨張装具153の代替実施形態を示す。開口や細長い穴174を中心支柱164に沿って含むことができる。これらの細長い穴174は、切開端部160の中心を連結する中心線176に沿った膨張装具153とフィンガー162が湾曲するのを促進する。この中心での可撓性によりバリヤー12が周囲組織に固定されていない場合、バリヤー手段やバリヤー12の上下移動を妨げるの役立つことが分かった。
【0101】
図34Bと34Cに、椎間板15内の膨張装具/フレーム153の好ましい実施形態の異なる透視図を示す。膨張装具53は、膨張状態にあり、後方壁21に沿うか且つ/又は内側に配置し、線維輪10の外壁23周りに延びる。膨張装具153の上対面166と下対面168フィンガー162は、脊椎端板(図示していない)及び/又は終板の上にある軟骨に延びる。フレーム153は、通常、椎間板の内部、具体的には髄核20が占める領域に向いた凹面を有する好ましい位置で三次元的な凹形となる。
【0102】
膨張装具153の屈曲剛性により、インプラントが椎間板15内の好ましい位置から移動するのを妨げる。この剛性に基づく安定性の背後にある原理は、膨張装具153を最大の可動性か屈曲性を持つ椎間板153領域で可撓性が最大になる領域に設置する事である。これらの膨張装具153の可撓性領域は、非常に剛直な領域で囲まれる。それ故、インプラントが移動するには、膨張装具の比較的剛直な領域が椎間板の比較的曲がるか動きやすい領域に入り込む必要がある。
【0103】
例えば、図34Bの膨張装具153が線維輪10内周に移動するには(例えば後方壁21から外側壁23及び/又は前方壁27へ)、外側壁21に及び膨張装具153の剛直な中心領域を輪10内の鋭く曲がった後外側隅部で曲げる必要がある。膨張装具153のこの部分が剛直であればあるほど、この隅部周りに強制するに要する力が大きく、この方向への移動はより起こりにくい。この原理を又この実施形態に用いてフィンガー162が脊椎端板から遠ざかるのを妨げる。膨張装具153長さに沿って切った細長い穴により、外側椎間板高さが屈曲伸張時に増減して膨張装具153がこれらの細長い穴を通る軸に沿って屈曲するのを助長する可撓性を中心に作り出す。フィンガー162が終端から遠ざかるには、この中心の可撓性領域が髄核21から遠ざかり終端に移動する必要がある。この中心の可撓性領域の直ぐ下と上領域にある膨張装具153のより高い剛性により、この動作を妨げる。
【0104】
膨張装具153は、好ましくは、材料がフレームを通して線維輪外周方向に移動するのを逆らうように働く膜で覆われる。
【0105】
図36に、拡大中心支柱164と複数の細長い穴174とを有する図33Aの膨張装具153の実施形態を示す。この中心支柱164は、本実施形態に示すように、上下166及び168の屈曲に抗する均一な剛性を有する。支柱164は、代わりに、輪10内面の所望位置での屈曲を促進するか、逆らうかのいずれかが起こるように高さ178に沿って異なる剛性を持つことができる。
【0106】
図37Aから図37Cに、フレームか膨張装具153の更なる実施形態を示す。本実施形態は、複数の細かい相互連結支柱182からなる中心格子180を用いる。この格子180により、円板内圧による封止手段51の隆起を最小限にする構造を提供できる。これらの支柱182の位置配向は、バリヤー12に膨張装具高さ172の中心域に沿った湾曲軸を付与するように設計した。支柱182は、前述の実施形態と同様の下方168と上方166のフィンガー162を支持する。しかし、これらのフィンガー162は、バリヤー12の長さ方向に沿って異なる寸法と剛性を持つことができる。このフィンガー162は、目止め剤51が凹凸のある終端形状と合致するのを助けるのに有用である。図37Bは、図37Aの膨張装具153の湾曲断面184を示す。本曲線184は、図示した円の円弧部である。代わりに、断面は、楕円弧でも良く、又異なる半径と中心を持つ複数の円弧部でも良い。図37Cは、図37Aと37Bの膨張装具153の三次元形状を示す透視図である。
【0107】
図37Aから図37Cに示したフレーム153の実施形態は、被覆膜を用いていない。腰痛や椎間板ヘルニアを持つ多くの患者の髄核は、核の材料特性がゲルよりは遙かに固体のように挙動する状態に変性できる。人間は、年を取ると核の水含有量はおおよそ88%から75%以下に低下する。これが起こると、椎間板内でのコラーゲンの架橋化が増加し、核堅さが増大する。図37Aから図37Cに示した格子でのいずれかの所望間隔での細孔径又は最大開口面積が約0.05mm2(7.75 x 10-5平方インチ)と約0.75mm2(1.16 x 10-3平方インチ)の間の場合、髄核は、椎間板内に発生した圧力(約250KPa と約1.8MPaの間)では格子から突出できない。好ましい細孔径はおおよそ0.15mm2(2.33 x 10-4平方インチ)であることが分かった。この細孔径は、核の椎間板の外周への移動を追加の膜の必要性なしに防止する、本発明の実施形態の範囲内の膨張装具や他の膨張装具のいずれかで開示された実施形態のいずれででも使用できる。膜厚さは、好ましくは、約0.025mmから約2.5mmの範囲である。
【0108】
図38にフィンガーなしの図37Aのものと類似の膨張装具153を示す。膨張装具153は、複数支柱182からなる中心格子180を含む。
【0109】
図39から41に、本発明のある実施形態での膨張装具153の他の実施形態を示す。これらの管状膨張装具は、図31Aに示したバリヤー12の実施形態で使用できる。目止め剤51により、図31Aに示した膨張装具153を覆うことができる。代わりに、目止め剤51により、膨張装具の内面か長さ方向のチューブの円弧の内面か外面を覆うことができる。
【0110】
図39に、管状膨張装具154の実施形態を示す。管状膨張装具154の上面166と下面168をそれぞれ、上脊椎端板と下脊椎端板に対して配置できる。管状膨張装具154の上面166と下面168との間の距離は、好ましくは、輪10の内面の後ろ側の椎間板の高さに等しいかより大きい。本実施形態は、図39B、39C及び39Dに示す輪の面188と核の面190を有する。輪の面188は、目止め剤51により、膨張装具154上面166から下面168までを覆う。この面188は、配備位置で輪10内面に対して配置し、椎間板15内からの材料放出を防止できる。核の面190の主目的は、膨張装具154の椎間板15内での移動防止である。バリヤー12を輪10の後方壁全域に配置すると、核の面190の形成の支柱192を核20へ前方に突き出すことができる。この前方突出により、管状膨張装具154の長軸周りでの回転に逆らうことができる。支柱192は、核20と相互作用して、椎間板15の円周での移動を更に防ぐことができる。
【0111】
支柱192は、間隔をもたして核ギャップ194を備えることができる。このギャップ194により、髄核20の膨張装具154内部への流れを促進する。この流れにより、バリヤー12が設置時に、椎間板15内で完全に膨張するのを保証できる。
【0112】
図39、40及び41の実施形態は、断面形状が異なる。図39は、図39Cに示すように円断面196を有する。膨張装具154の上下高さ186が椎間板15の高さより高い場合には、この円断面196は、配置時には脊椎端板が膨張装具154を圧縮し楕円型に変形できる。図40に示した膨張装具154の実施形態を実行すると、図40Cに示した楕円形198になる。終端による圧縮により、無強制楕円198を拡張できる。この楕円198により、膨張装具154の長軸周りの回転に抗する高い安定性が与られる。図41B、41C及び41Dの実施形態では、膨張装具154の曲率と後方輪10の内壁間で合致できる図41Cに示した“卵型”断面202を示す。種々の代わりの断面形状のいずれかを用いて、本発明の趣旨から逸脱しない所望のかみ合い力や膨張力が得られる。
【0113】
図40E、40F及び40Iには、輪の面188の外面を覆う封止手段51を持つ図40Aから図40Dの膨張装具154を示す。配置状態の膨張装具154により、本封止手段51を終板及び後方の輪の内面に対して保持できる。
【0114】
図40Gと40Hに、輪の面188の内面を覆う目止め剤154を持つ図40Bの膨張装具154を示す。目止め剤51は、この位置で膨張装具154を脊椎端板及び後方の輪の内面の両者と接触できるようにする。これにより、椎間板15の外部から膨張装具154の内部への組織内殖を促進できる。膨張装具154の一部か全体を覆う目止め剤51の組み合わせも、本発明の範囲から逸脱しないで使用できる。また、膨張装具154は、微小細孔径を有し、これにより、例えば被覆用の目止め剤の必要なしに髄核のような材料を保持できる。
【0115】
図42Aから図42Dに、封止手段51と拡大手段53の好ましい実施形態の断面を示す。封止手段51は、内部空洞17と外面から内部空洞17に通じる開口8を有する。拡大装具53を開口8から内部空洞17に挿入できる。
【0116】
図43Aと図43Bに、拡大装具53の代替形状を示す。固定領域4が開口8を通して封止手段51に延びる。固定領域4は、拡大装具53を欠損部16包囲組織に固定するのを容易にする貫通孔を有する。
【0117】
図44Aと44Bに、バリヤーの代替形状を示す。本実施形態では、封止手段51、拡大装具53、或いは両者は半径Rの曲率を有する。本曲率は、本発明のいずれの実施形態でも使用でき、線維輪10の湾曲部の内周に合致する助けをする。
【0118】
図45は、封止手段51を欠損部を包囲する組織に取り付けるのに用いる装具の断面である。この図では、封止手段51は、欠損部16の内面50の全域に配置する。装具110’の遠位端を欠損部16と開口8から内部空洞17に挿入する。この図の右側では、固定ダート25を装具110’から封止手段51の壁を通して、封止手段51の周囲の組織に通す。図右側は、押し込み具111を矢印方向に装具110’に対し前進させて、固定ダートがまさに封止手段51の壁に通ずるところである。
【0119】
図46に、封止手段51を加熱して欠損部の周囲の組織に接着する加熱装具200の使用を示す。本図では、封止手段51は、欠損部16の内面36の全域に配置する。加熱装具200の遠位端を欠損部と開口8から内部空洞17に挿入する。本実施形態では、加熱装具200は、電線220で電源と連結した遠位端の抵抗熱素子を用いる。被覆部230は、内部空洞17から装具200を取り除くのを確実にするテフロンチューブのような非粘着性表面である。本実施形態では、装具200を用いて先ず封止手段51の半分を加熱し、次いで他の半分を加熱できる。
【0120】
図47に、封止手段51を欠損部の周囲組織に接着するのに用いるバルーンのような膨張可能な熱素子を示す。図18におけるように、装具130の遠位端を装具130の遠位端にあるバルーン150を折り畳んだ状態で欠損部と開口8から内部空洞17に挿入する。次いで、バルーン150’をふくらまして膨張状態150にし、封止手段51を膨張する。膨張バルーン150は、加熱流体で膨らますか高周波電極を用いて封止手段51と周囲組織を加熱できる。本実施形態では、装具130を用いて先ず半分を加熱し、次いで封止手段51の他の半分を加熱する。
【0121】
図48に、装具130の代替実施形態を示す。本装具は、膨張状態150に膨張する前に、封止手段51の内部空洞17に挿入し、完全に充填できる細長い可撓性バルーン150’を使用する。本実施形態を用いて封止手段51の膨張と加熱を一工程で行える。
【0122】
図49Aから図49Gに、円板内インプラントの移植法を示す。円板内移植システムは、円板内移植物400、送達装具又はカニューレ402、前進装具404、及び少なくとも一個の制御フィラメント406からなる。円板内インプラント400は、近位端408と遠位端410を有する送達カニューレ402に取り付ける。図49Aに、輪状切除部416から椎間板15に前進した遠位端410を示す。輪状切除部416は、輪10のどの部分を通しても良いが、好ましくは、所望の最終移植位置の隣接部位にある。次いで、図49Bに示すように、通常、インプラント400を所望の最終移植位置から離れる方向にカニューレ402の遠位端410から椎間板15に押し込む。一旦インプラント400が完全に送達カニューレ402の外部で且つ椎間板15内にあると、インプラント400を図49Cに示すように制御フィラメント406を引っ張って、所望の移植位置に引き込むことができる。制御フィラメント406は、インプラント400上か内部のどの位置でも固定できるが、好ましくは、少なくとも部位414かインプラント400の遠位部412上の部位、例えば椎間板15内に前進したとき最初に伝達カニューレ402から抜け出る部分に固定する。この部位又は複数部位414は、一旦インプラントが伝達カニューレ402内部から完全に放出されると、通常、所望の最終移植位置から一番遠くに位置する。
【0123】
制御フィラメント406を引っ張ると、インプラント400を輪状切除部416方向に移動させる。送達カニューレ402の遠位端410を用いて、インプラント400の近位端420(伝達カニューレ402から最後に放出できるインプラント400の部分)を輪状切除部416から遠ざけ、所望の移植位置に最も近い輪10の内面に近づけることができる。代わりに、図49Eに示すように、前進装具404を用いてインプラントの近位端を移植位置近くの輪20の内面方向に配置できる。図49Dに示すように、制御フィラメント406を更に引っ張ると、案内フィラメント406のインプラント400への一つ又は複数の取り付け部位414が輪状切除部416内面に引っ張られるまで、インプラント400の近位端426を輪20の内面に沿って切り開く。このようにして、図49Fに示すように、インプラント400は、少なくとも輪状切除部416から所望の移植位置で輪10の内面に沿って延びる。
【0124】
インプラント400は、核代替装具、核増強装具、輪増強装具、輪代替装具、本発明のバリヤーやその構成要素のいずれか、薬物担体装具、生細胞を播いた担体装具、周囲脊椎の融着を刺激支持する装具のいずれかの一つ(以下の二つ以上の組み合わせも含む)である。インプラント400は、材料が椎間板の線維輪内から椎間板の欠損部に流入するのを防ぐ膜でも良い。線維輪内の材料としては、例えば髄核やヒドロゲルのような装具増強装具でも良い。膜としては目止め剤でも良い。インプラント400は、全体又は一部が堅いか、全体又は一部が可撓性でも良い。これは流体材料を含む一つ又は複数の部分を有しても良い。単一の材料又は多数の材料を含んでも良い。これら材料としては、金属、ポリマー、ゲルがあり固体か織り形式でも良い。インプラント400は、繊維状か骨性のいずれかで、組織内殖に抗するか促進しても良い。
【0125】
カニューレ402は、インプラント400を少なくとも一部の輪10を通して前進できる管状装具のいずれかである。これは、種々の既知の金属やポリマーを含むいずれかの適切な生体整合性材料から作られる。これは、全体か一部が堅いか可撓性でも良い。その断面が、円形、楕円形、多角形か凸凹形でも良い。これは、少なくとも遠位端410に開口を有する必要があるが、その長さ方向の種々な位置で他の開口を持っても良い。
【0126】
前進装具404は、堅くても可撓性でも良く、伝達カニューレ402に類似か異なる種々の断面形状の一つを有する。これはインプラント400を椎間板15に前進するに十分な剛性がある限り、固体でも非圧縮性流体柱でも良い。前進装具404は、全体をカニューレ402内に収容するか、操作を助けるようにカニューレの壁か端部に延びても良い。
【0127】
インプラント400の前進は、外科医がインプラント400を前進するのに必要な力を最小にするような種々のレバー、歯車、ねじや他の二次的な補佐装具により補佐できる。これらの二次装具により、使用者は、椎間板15への前進する速度と範囲をより一層制御し易くなる。
【0128】
案内フィラメント406は、椎間板15内に前進したとき、インプラント400に固定でき一緒に移動できるひも、棒、板又は他の細長い物でも良い。これは種々の金属、ポリマー又はその組み合わせのいずれかで構成でき、その長さ方向全体又は一部に沿って柔軟か堅くても良い。フィラメントは、二次物体418かインプラント400に固定するこの物体の反対端の装具に固定できる。この二次装具418としては、前進装具404や使用者のフィラメント操作を補佐する他の物体や装具がある。図49Gに示すように、フィラメント406は、インプラント400に解放可能なように固定するか持続的に取り付けても良い。フィラメント406は、インプラントを回るか通るループになっても良い。このループは、切断するかループの他端がインプラント400を切り離すまで他端を引っ張るかのいずれかである。フィラメントは、接着剤の使用、溶接、ねじ、止め金やダートなどのような二次固定手段でインプラント400に連結できる。フィラメント406は、更に、インプラント材自身の細長い延長部であっても良い。インプラントを設置した後に取り除かない場合、フィラメント406を用いてインプラント400を隣接輪10、脊椎端板や椎体のような周囲組織に直接か、或いはダート、ねじ、止め金やその他の適切な固定具を使用するかのいずれかで固定できる。
【0129】
複数の案内フィラメントを種々の位置でインプラント400に固定できる。好ましい一実施形態では、第一又は遠位案内フィラメント422、又は第2又は近位案内フィラメント424を遠位端412又は近位端420かその近くの細長いインプラント400にそれぞれ、取り付け部位426と428で固定する。これら末端412と420は、椎間板15内に前進したときに伝達カニューレ402から放出されるインプラント400の始部と終部にそれぞれ対応する。この二重の案内フィラメントシステムにより、インプラント400は、単一のフィラメントシステムで上記したのと同様な形態で配置でき、図50Aから図50Cに示す。しかし、図50Dに示すように、この第一技法完了後、使用者は、第二案内フィラメント424を引っ張って、装具400の近位端420を輪状切除部416の全域に前進できる。これにより、使用者は、輪状切除部416を制御しながら覆うことができる。これは、種々の移植処置で多くの利点を有する。この手続きで、髄核20かインプラント自身のヘルニア形成の危険を減少できる。これにより、椎間板の封止と同様に椎間板圧と椎間板の生来機能の持続を助ける事ができる。線維組織の椎間板外からインプラントへの内殖を促進する。インプラントの遠位端が、更に、輪状切除部が起す欠損部からより遠くで輪に支えられやすくできる。最後に、この技法により、細長いインプラントの両端を椎間板か脊椎組織に固定することができる。
【0130】
図50Eに示すように、第一案内フィラメント422と第二案内フィラメント424の両者を同時に引っ張り、インプラント400の輪10の内部での適切な配置を保証できる。一旦インプラント400を輪状切除部全域に配置すると、図50Fに示すように、第一案内フィラメント422と第二案内フィラメント424をインプラント400から取り除くことができる。追加の制御フィラメントと固定部位により更に円形内インプラントの移植及び/又は固定を補佐できる。
【0131】
本発明の他実施形態では、図51Aから図51Cに示すように、移植ガイド430を用いてインプラント400を輪状切除部416や髄核10を通り且つ/又は輪10内面に沿うように向けるのを補佐できる。この着床ガイド430は、組織の切開、インプラント構成物への剛性付与、堅いか摩耗性のインプラントにより生ずる輪や他の組織の外傷の減少、移植時のインプラントの配向の三次元的制御の供与、膨張可能なインプラントの膨張或いは移植時に有益な形状のインプラントへの一時的付与における手順を補佐できる。移植ガイド430は、前進装具404かインプラント406自身のいずれかに取り付けることができる。図52A及び52Bに示した好ましい実施形態では、移植ガイド430は、第一取り付け部位426の第一案内フィラメント424と第二取り付け部位428の第二案内フィラメント426によりそれぞれ固定する。案内フィラメント424と426は、着床ガイド430を通過するか周りを通る。本実施形態では、移植ガイド430は、案内フィラメント422と424をインプラント400に固定する一個又は複数の部位426と428に隣接する表面を貫通する孔を有する生体整合性の金属の薄い平板でも良い。これらの孔により、固定フィラメント422と424の移植ガイド430への通路ができる。この細長い板がインプラント400に沿って走り、その遠位端412を越えて延びても良い。移植ガイド430の遠位端は、インプラント400が椎間板15の内部に前進したとき、核10を切開し、輪10からそれるのを補佐する形状にできる。複数の案内フィラメントと一緒に用いると、この補佐ガイド430を用いてインプラント400の回転の安定性を制御できる。もし必要な場合には、これは、インプラント400を椎間板15から引き戻すのに使用できる。移植ガイド430は、また、インプラント400の近位先端420を越えて延び、所望の移植部位に隣接する輪10を横断するか通るように切開するのを補佐しても良い。
【0132】
移植ガイド430は、移植後か最中に、インプラント400から解放できる。この解放は、案内フィラメント422と424の解放と協調しても良い。着床ガイド430は、更に、案内フィラメント422と424に沿って滑らせられるが、これらのフィラメントはインプラント400に固定しても良い。
【0133】
バリヤー12やインプラント400の種々の実施形態では、椎間板15か周囲脊椎内の組織に固定できる。バリヤー手段12を少数の部位で固定するのは有利であるが、バリヤー12かインプラントのより大きな表面がバリヤー12を固定する組織と並ぶのをなお保証する。これは、特に周囲組織との封止係合部の形成に有利である。
【0134】
図53から図57には、補強要素300を持つバリヤー12を示す。バリヤー12に封止係合に必要な、インプラントの長さ方向に走る補強要素300を組み込むことができる。これら補強要素300は、限定はされないが、板302、棒304やコイルを含む種々の形状の一つが可能である。これら要素は、好ましくは、周囲バリヤー12より堅く、その剛性を周囲バリヤーに与えることができる。これらの補強要素300は、バリヤーにより形成した内部空洞内に配置できる。これらはバリヤー12内に埋め込むか固定できる。
【0135】
各補強要素は、バリヤー12部分を周囲組織に固定するのを助ける事ができる。補強要素は、例えば、貫通孔、ノッチや他の窪みを含むパーツ307を有し、種々の固定装具306のいずれかにより補強要素を周囲組織に固定するのを容易にすることができる。これらの固定装具306としては、ねじ、ダート、だぼ又はバリヤー12を周囲組織に保持できる他の適切な手段がある。固定装具306は、補強要素300に直接連結するか、例えば中間の長さの縫合糸、ケーブル又は他フィラメントを用いて間接的に連結できる。固定装具306は、更に、補強要素300と直接接触することなしに補強要素300の近くのバリヤー12に固定できる。
【0136】
固定装具306は、周囲組織との封止係合に必要なバリヤー12の長さ方向の反対端で補強要素300と固定するかその近くで固定できる。代わりに、一個又は多数の固定装具306をこれらの端部ではない容易に接近可能な位置で補強要素300と固定するかその近くで固定できる。内部空洞17とそれに通じる開口8を持つバリヤー12の実施形態のいずれかでは、固定部位は、開口8に隣接でき、固定装具306とその移植に必要な種々装具へ通ずることができる。
【0137】
図53A及び図53Bは、補強要素300を用いたバリヤー12の一実施形態を示す。バリヤー12は、板及びねじを有するバリヤー320でもよい。本実施形態では、補強要素300は、二個の固定板、上固定板310と下固定板312からなり、図54Aと図54Bに示すその例では、各板を貫通する二個のパート308を有する。パート308は、バリヤー12の内部空洞17に通ずる開口8に隣接して位置する。これらのパート8により、骨ねじのような固定装具306が通ずることができる。これらのねじを用いて、バリヤー手段12を上脊椎50と下脊椎50’に固定できる。ねじを脊椎端板に締めつけると、固定板310と312は、介入封止手段をバリヤー12の上面と下面に沿って終板に押しつける。これにより、脊椎端板との封止係合を作り出すのに役立ち、椎間板15の内部からの材料の放出を防ぐことができる。図53Aと53Bに示すように、上ねじのみを上板310に配置し、上脊椎との封止係合を作り出す。
【0138】
図55Aと図55Bに、補強要素300を持つバリヤー12の他実施形態を示す。バリヤー12は、固定具と棒バリヤー322でもよい。本実施形態では、補強要素300は、二個の固定棒304からなり、図56Aと56Bに示した例では、バリヤー12内に埋め込まれている。棒304は、上棒314と下棒316を含むことができる。縫合糸318をこれらの棒314と316の周りとバリヤー手段10を通じるようにできる。これらの縫合糸318は、順次、バリヤー12を上記のものと同じやり方で、上脊椎端板及び下脊椎端板と封止係合に引き込む骨固定具や他の適切な固定装具306に固定できる。バリヤー12の開口8と内部空洞17は、バリヤー12の要素には不必要である。
【0139】
図57に、各固定棒316と318の反対端に配置された固定装具306を持つ上記の固定具と棒バリヤー322を示す。上棒318の左側の縫合糸18を結ぶ必要がある。
【0140】
種々の方法を用いて、線維輪10の層板に沿うかその内部位置へのバリヤー12の操作に必要な力を減少できる。図58A,58B、59A及び59Bに、バリヤー12への通路をきれいにする二つの好ましい方法を示す。
【0141】
図58Aと図58Bに、その方法の一つと関連する解剖装具454を示す。これらの図では、インプラントの所望の仮定位置は、後方輪452に沿っている。インプラント用通路を清掃するには、ヘアピン解剖装具454をインプラントの移植目標部位に沿って通すことができる。ヘアピン解剖装具454は、自由端458を持つヘアピン解剖装具構成要素460を持つことができる。解剖装具は、また、椎間板15内に解剖装具構成要素460を配置する前進装具464を有することができる。解剖装具454は、カニューレ406を通じて前方か前内側に向いたアクセスパスに沿う輪10の開口462へ挿入できる。一旦解剖装具構成要素460が椎間板15内に配置されると、自由端458がわずかに移動して、解剖装具構成要素460がカニューレ456内に戻るのを妨げるようにヘアピンを開く。この開口462は、前もって解剖装具を開いた状態にしておいても起こりうる。ヘアピン解剖装具構成要素460を、次いで、後方に引っ張り、解剖装具構成要素460を開き、更に、自由端458を後方輪458に沿って進める。この動きにより、本発明で開示のいずれのインプラントの挿入用通路を清掃する。解剖装具構成要素460の本体は、好ましくは、細長い金属板で形成する。適切な金属としては、種々のバネ鋼鉄やニッケルーチタン合金がある。代わりに、ワイヤーや棒から形成できる。
【0142】
図59A及び図59Bに、インプラント挿入用通路の清掃に適した他の方法と関連する解剖装具466を示す。解剖装具466は、断面図で示され、解剖装具構成要素468、外カニューレ470及び前進装具か内押し棒472からなる。湾曲通路かスロット474を外カニューレ470の円板内先端476に向かって形成する。この通路かスロット470により、解剖装具構成要素468が前進装具により椎間板15内に進むと、線維輪10の層板とほぼ平行な通路で解剖装具構成要素468先端が撓むように働く。解剖装具構成要素468は、好ましくは、超弾性ニッケルーチタン合金で形成するが、大きな塑性変形無しでこの撓みを許す適切な剛性と応力特性を持ついかなる材料ででも構成できる。解剖装具構成要素468は、細長い板、棒、ワイヤーや類似物で形成できる。これは輪10と核20との間を切開するか、輪10の層間を切開するのに使用できる。
【0143】
図60Aから図60Cに、図59Aと59Bの代替解剖装具構成要素480を示す。これらの図では、装具460の円形内先端476とその隣接領域のみを示す。図59Aに示したのと類似の押し棒572を用いて、解剖装具480を椎間板15内に前進できる。解剖装具480は、それぞれ上向きと下向きに延びた刃(又は“羽根”)484と486を持つ細長い板482を含む。この板482は、好ましくは、バネ鋼鉄やニッケル−チタン合金のような広範囲の弾性ひずみを持つ金属からなる。板482は、近位端488と遠位端490を有する。遠位端490は、可撓性で平らな部分をもつことができる。階段部494は、遠位端490と近位端488との間に位置する。近位端488は、湾曲形状を有することができる。また、近位端は、刃484と486とを含むことができる。
【0144】
図60Aと図60Bに示した未配置状態では、羽根484と486は、外カニューレ470内で折り畳まれているが、細長い板482は、撓んだ通路やスロット474内を占める。解剖装具構成要素480が椎間板15内に前進すると、通路かスロット478は、図59Aと59Bの実施形態で記載のものと同様な形で、解剖装具構成要素480を後方輪にほぼ平行な方向に(この場合スリーブ470の中心軸に90度)向ける。羽根484と486は、スリーブ470の末端を出て脊椎端板に向かって延びながら開く。解剖装具構成要素480が更に前進すると、本発明インプラントのその後の通路妨害を起こす終板との核20又は輪10の連結部のいずれかを切開できる。バリヤー挿入補佐具を用いると、解剖装具構成要素480の大きさは、最低量の組織を分けるが、所望の位置にバリヤーを配置するに必要な力を減少するようなバリヤーの大きさに近い必要がある。
【0145】
図61Aから図61Dに、椎間板インプラントの移植法を示す。椎間板インプラント552を送達装具550に挿入する。送達装具550は、近位端556と遠位端558を有する。送達装具550の遠位端558を図61Aに示す輪状切除部に挿入する。輪状切除部は、好ましくは、所望の最終移植位置552に隣接する輪10の内部の部位に挿入する。次いで、インプラント400を伝達装具550の遠位端558を通して椎間板15内に挿入して配置する。好ましくは、図61Bに示すように、最終移植位置から遠くになるようにする。着床ガイド560を使ってインプラント400を配置できる。インプラント400の配置前、配置中又は配置後に、増強部材7を椎間板に注入できる。図61Cに配置後の増強部材の注入を示す。増強部材7としては、例えば、ヒドロゲルやコラーゲンがある。一実施形態では、送達装具550を椎間板15から取り除き、別のチューブを輪状切除部内に挿入し流動性の増強部材7を注入する。代わりに、送達装具550の遠位端558を輪状切除部内に残し、液体の増強部材554を伝達装具550から注入する。次いで、図61Dに示すように、送達装具550を輪状切除部から取り除き円形内インプラント400を最終移植位置の輪状切除部上に配置する。インプラント400は、上記の制御フィラメントを用いて配置できる。
【0146】
ある実施形態は、図62から図66に示すように、椎間板の生来の生体力学機能を回復するのと呼応して働く輪装具と核増強装具を示す。退化し破壊した輪の椎間板環境では、通常、生来の核か義装増強具のいずれかによる荷重伝達を支えることはできない。多くの場合、核増強部材7は、輪欠損部で隆起するか、椎間板から突出するか、輪の損傷領域に病理学的に高負荷をかける。従って、本発明の一様態では、輪の損傷部分の荷重が核20か増強部材7から、輪10か終板の健全部分に入れ替わる。本発明の種々の様態で具体化したように、バリヤー型輪増強物12が適所にあると、核増強部材7か装具は、輪10の健全領域と合致し、バリヤー12は、輪10のより弱い領域を遮蔽する。実際、本発明のいくつかの実施形態での輪増強装具12は、ある核増強部材と、さもなければ損傷した輪のある椎間板には好ましくない装具7を使用できるために特に有利になる。
【0147】
図62は、層板16の内面に沿って椎間板15内に移植した輪バリヤー装具12の横断面図である。バリヤー12と接触して合致可能な移植された核増強物7を示す。バリヤー装具12は、輪の最深部の層板と並ぶ。合致可能な核増強部材7を空洞に挿入し、無負荷仰臥位の椎間腔を充満するに十分な量のバリヤー12により閉鎖する。一実施形態で示すように、ヒアルロン酸のような液体の核増強物554を使用する。
【0148】
液体核増強物554は、低侵襲的に送達でき、椎間板腔の微少空洞に流し込み充満できるため、本発明の種々の様態での使用に特に適する。液体核増強物554は、また、終板の作用力を輪増強装具及び/又は輪に均一に伝達する圧力環境の維持に比類なく適している。しかし、液体核増強部材554は、それだけで使用すると材料が輪欠損部8から逆流し、周囲構造に危険をもたらすため、退化した輪の椎間板での機能は低い。バリヤー12によって、液体核増強物554により生ずる圧力を損傷輪領域8から健全領域に移し替え、椎間板15に機能を回復し、核増強部材7と液体核増強物554の放出の危険を減少するため、本発明のいくつかの実施形態はこの限界に打ち勝つ。
【0149】
典型的な液体増強部材554としては、限定はされないが、種々の薬剤(ステロイド、抗生物質、組織壊死因子アルファかその拮抗薬、鎮痛薬)、成長因子、遺伝子ベクターの溶液、生物由来物質(ヒアルロン酸、非架橋コラーゲン、フィブリン、液体脂肪や油)、合成ポリマー(ポリエチレングリコール、液体シリコン、合成油)及び生理食塩水がある。当業者は、核増強部材の形成にこれら材料のいずれか一つを単一に使用するか、これらの材料の二つ以上の組み合わせで使用することが理解できる。
【0150】
所望の注入や長期性能特性によるが、増粘材、担体、重合開始剤や重合禁止剤のような種々の追加の添加剤のいずれかが含まれる。通常、“液体”は、ここでは少なくとも注入過程中十分に流動可能な材料を含み、送達装具の管腔を通して椎間腔に注入できる。増強部材54は、注入後、“液体”として残るか、重合、硬化、さもなければ固まって、より流動しにくいか非流動状態となる。
【0151】
核増強部材への追加添加物や成分を以下に列挙する。通常、材料554の性質は、設置中や設置後段階で不変であっても良く、最初の注入状態から第二注入状態、それに続く移植状態で変化しても良い。例えば、種々の材料のいずれかを溶媒や液体媒体のような担体を用いて、その中に分散し、好ましくは注入できる。溶媒か液体担体は、身体に吸収されるか、さもなければ椎間腔移植完成体から消散し、核増強部材554を置き残す。例えば以下に同定される種々の粉末のいずれかを流体媒体を用いて運ぶことができる。更に、ヒドロゲルや他材料を溶液時に移植するか設置できるが、溶媒消散による設置完了物にヒドロゲルや他材料が残る。このタイプの応用では、椎間腔は、担体体積の吸収を考慮して、最終的な必要圧より高圧で充満しても良い。追加の特定材料と考察をより詳細に以下に開示する。
【0152】
図63は、層板16内面に沿った椎間板15内に移植した輪バリヤー装具12の横断面図である。親水性で可撓性の固体からなる移植核増強物7も又示す。核増強部材としては、限定はされないが、液体、ゲル、固体、気体やそれらの組み合わせがある。核増強装具7は、一つ以上の相を持つある一つ以上の材料から形成できる。図63に、核増強物7の円筒状で可撓性の固体形状を示す。好ましくは、この可撓性固体は、限定されないが、アクリロニトリル、アクリル酸、ポリアクリルイミド、アクリルイミド、アクリルイミジン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールや類似物を含むヒドロゲルからなる。
【0153】
図63に、固体かゲル成分を用いた核増強物7を示す。もし必要なら、これら材料は、接着剤、ねじや固定具のような機械的手法か、接着剤や内殖のような生物学的手法により周囲組織に固定するように構成することができる。固体だが変形可能な増強部材7もまた、輪に向かって外周方向に流れるよりむしろ終板による軸方向の圧縮に抗するように構成しても良い。このようにして、輪10へ向かう力を減少させる。固体核増強物7の大きさを突出の危険を小さくするため、輪状切除部416か欠損部8より大幅に大きくできる。固体材や装具7の使用はある制限を前提とする。固体材7の送達には、輪10に大きなアクセスホールを必要とし、その結果、椎間板15の整合性を減少し、増強部材7か椎間板15内に残る生来核20のいずれかの突出という大きな危険を作り出す。また、固体材か装具7により、終板に過負荷がかかり、終板沈下を起こすか、隅や端から輪10に点荷重をかけて、痛みや輪10の更なる劣化を起こす。本発明のいくつかの実施形態により、固体材の限界に打ち勝ち、液体増強部材7との使用に特に適する。本発明の種々のバリヤー装具12により、アクセスホールを効果的に閉じ、補強核を一部封入するのに利用でき、固体材がもたらす危険を和らげる。
【0154】
本発明の種々実施形態で用いる固体かゲル核増強部材7としては、一体構造か複数構成体である。固体材7の形状は、立方型、球体、円盤形、楕円形、菱面体型、円筒状か不定形でも良い。これら材料7は、織形状でも不織形状でも良い。微粒子や粉末さえ含有する他の形状の固体もバリヤー装具と併用する場合には考えられる。候補材7は、限定はされないが、チタン、ステンレススチール、ニチノール、コバルト−クロムのような金属、ポリウレタン、ポリエステル、PEEK,PET、FEP、PTFE、ePTFE、PMMA、ナイロン、炭素繊維、デルリン、ポリビニルアルコールゲル、ポリグリコール酸、ポリエチレングリコール、シリコンゲル、シリコンゴム、加硫ゴム、他エラストマーのような吸収性か非吸収性合成ポリマー、気体充填小胞、骨細片や骨塊、ヒドロキアパタイト、架橋コラーゲン、筋肉組織、脂肪、セルロース、ケラチン、軟骨、タンパク質ポリマー、移植髄核、生物工学的髄核、移植線維輪及び生体工学的線維輪のような生物由来材や種々の固体状の薬学活性剤である。固体かゲル増強部材7は、事実上堅くても、全体か一部が可撓性でも、弾性か粘弾性でも良い。増強装具か増強部材7は、親水性でも疎水性でも良い。親水性材は、核生理をまねて水和状態か脱水状態で椎間板に送達しても良い。生物由来材は、自家性でも、同種移植性でも、異種移植性でも、生物工学的でも良い。
【0155】
本発明の種々の実施形態で図63に示すように、固体かゲル増強部材7は、種々の化合物に含浸するかコーティングする。好ましくは、生物学的に活性な化合物を用いる。一実施形態では、一つ以上の薬剤担体を用いて核増強部材7を浸漬かコーティングする。成長を更新し、痛みを和らげ、治癒を助け且つ感染を少なくする遺伝子ベクター、裸遺伝子や他治療薬をこの方法で送達しても良い。増強部材内か周囲で繊維状(輪から)か骨質(終板から)のいずれかの組織内殖が、使用する増強物により促進されるか抑制される。組織内殖は、固定に有益であり、多孔度や表面化学により促進できる。表面内殖や増強部材7固定の他法も、脊椎ユニットの正常の範囲での運動を妨げないように単一の表面か側面上で促進される。このように融着を起こしたり、椎間板機能を妨げるかもしれない完全な固定には至ることなしに、材料を輪10内で安定化し安全に含有できる。
【0156】
図64は、層板16の内面に沿って椎間板15の内部に移植した輪バリヤー装具12の横断面図である。立方形固体、複合円筒状固体555及び自由流れ液体554を含むいくつかのタイプの移植核増強物7を示す。図64に、複数型のバリヤー12を有する核増強物の使用を示す。バリヤー装具12は、液体核増強物554と立方形の固体核増強物7と成長因子に浸漬の架橋コラーゲンスポンジ複合物555と組み合わして示す。本発明のいくつかの実施形態では、図64に示すように、多相増強システムを用いる。好ましい実施形態では、固体と液体の組み合わせを用いる。固体と液体554とを含有する核増強物7は、椎間板腔内に一次レベルと二次レベルの可撓性を作り出すように構成することができる。使用時に椎間板圧が増加すると、脊椎が先ず容易に曲がり、液体が放射状に流れ輪に取り入れる。次いで、椎間板高さが減り、終板が固体かゼリー状の増強部材と接触し始めると、可撓性が減少する。固体増強物7の構成を輪への液圧を制限するよう更なる圧縮を妨げるようにし、この組み合わせにより過加重下での輪10の損傷を防ぐ。好ましい実施形態では、多相増強物の使用により液体薬物療法か生物学的活性物質と固体かゼリー状担体の組み合わせが可能になる。この好ましい組み合わせの一例は、成長因子に浸漬した架橋コラーゲンスポンジ555か液体に懸濁の成長因子の組み合わせである。
【0157】
一実施形態では、これらから構成された核増強部材又は核増強装具7,554は、相変化し、例えば液体から固体、固体から液体、或いは液体からゲルになる。現場重合核増強部材は、技術的によく知られており、文献としてここに取り入れた米国特許6,187,048号に記載されている。相変化する増強物は、好ましくは、液体から固体又はゲルに変化する。この材料は、空気との接触や、温度の増減や、生体液体との接触に応答するか、別の反応性成分の混合物により相変化できる。これらの材料は、輪の小孔から、或いは経皮的に配置のチューブかカニューレから椎間板に下方送達できるので有利である。一旦材料が固化するかゲル化すると、前述の固体増強部材の利点が発揮できる。好ましい実施形態では、バリヤー装具を用いて相変化材を封止加圧し、椎間腔の空隙への強制的送達を助け、材料が液体である間に材料が突出する危険を最小限に抑える。この状態でバリヤーや輪増強装具12は、恒常的に移植するか、所望の相変化が起こるまで一時的に使用できる。
【0158】
他実施形態では、核増強装具か核増強部材12の特性をその性能改良に生かした輪増強装具12を提供する。核20の増強により、輪修復装具を適所で固定又は安定化するのに役立つ椎間板環境を加圧する。核20は、椎間板15に十分量の増強部材7,554を挿入して加圧できる。使用時には加圧した椎間板組織と増強部材7,554により、輪増強装具12の内向面に力がかかる。この圧力を使って輪装具やバリヤー12が目的位置からはずれるたり、移動するのを防ぐように構成することができる。一つの典型的方法は、輪装具12の内向面の構成を圧力がかかった時に膨張するようにすることである。輪装具12が膨張すると、椎間板からの排出は起こりにくくなる。装具12は、この膨張を促進するように内向凹面型に形成しても良い。
【0159】
いくつかの実施形態では、輪増強装具12自身が核増強物7として働く。好ましい実施形態では、バリヤー12のフレームは、e-PTFEに封入する。この構造物は通常、容積0.6立方センチメートルを置き換えるが、e-PTFEや類似材料のより厚いコーティングを用いてこの容積を3立方センチに増加しても良い。また、輪増強装具の構成は、その領域で厚さが異なる領域を持つ事もできる。
【0160】
図65に、膨張可能な核増強装具455に連結したバリヤー装具の矢状断面図を示す。中空送達支持チューブ425を介して含有液体材554に適した核増強袋に連結されたバリヤー装具を示す。チューブ425は、バリヤー装具に延びた送達端子か弁を有し、バリヤー装具12と増強袋455に送達された後アクセスホール417から接近できる。この核増強物と輪増強物の組み合わせは、袋455とバリヤー12が容易に圧縮できるので送達が容易で特に有利である。バリヤー12と増強袋455の連結は、組み合わせの安定化に役立ち、椎間板15からの突出を防止する。核増強物7を輪増強装具12に固定し構造物全体の移動に抵抗できるようになる。この取り付けの実施により、核装具7から輪装具12を通して椎間板組織への荷重移動を改良するかそれに導く。バリヤー12と増強物7は、バリヤー12を椎間板に送達する前か、間か、後に、取り付けることができる。これらは、互いに接着剤か縫合糸のような可撓性フィラメントにより固定できる。代わりに、バリヤー12は、化学反応により増強部材7に結合する増強部材7に面する表面を持っても良い。この表面では、更に、増強部材7の表面と機械的連結が可能になる。この連結は、移植後に固くなるかゲル化する液体核増強部材7の流入ができるバリヤー12の多孔性の取り付け表面を通して得ることができる。
【0161】
代わりに、輪増強装具12と核増強部材7は、バリヤー12と核増強領域7と一緒に単一装具に加工しても良い。一例では、バリヤー12は、少なくとも増強袋455かバルーン表面の一部を形成する。一旦バリヤーを輪10の弱くなった内面に配置すると、袋455は適切な増強部材7で充満できる。
【0162】
バリヤー12と核増強物7の椎間板への挿入順序は、使用核増強物7や外科手術の必要性により変わっても良い。例えば、核増強物7を先ず挿入し、次いで適所でバリヤー装具12で閉じる。代わりに椎間板15を一部充満し、次いでバリヤー装具12で閉じ、次いで追加材料7を供給できる。好ましい実施形態では、バリヤー装具12を椎間板15に挿入し、次いで核増強部材7をバリヤー12を通してか周囲で加える。これにより積極的に加圧できる。また、ひどく退化した輪を持つ椎間板15は、この方法で効果的に治療できる。
【0163】
代わりの実施形態では、核増強部材7は、病理的に形成の椎間板15、例えば輪欠損部、又は医原的に形成の椎間板15、例えばバリヤー12の移植に用いるアクセスホール417とは異なる輪状切除部のアクセスホール417から挿入したカニューレから送達する。また、腹部の経腰筋、仙骨前、経仙骨, 経茎筋、経板筋又は前方を含む同じか異なる外科的アプローチが使用できる。アクセスホール417は、輪表面に沿うか脊椎端板でさえもそのいずれかの場所に設置できる。
【0164】
代替実施形態では、輪増強装具12は、設置後、増強部材554の導入を促進する特性を持つ。増強物伝達カニューレは、バリヤー12の端が変形し、椎間腔に通じるように単にバリヤー12に隣接のアクセスホール417にわずかな角度で無理に押し込んでも良い。代わりに、小さな可撓性または堅く曲がった送達針やチューブを、バリヤー12上(上終板方向の)、バリヤー下(下終板の方向の)、又は輪15と接触したバリヤー12の端付近のアクセスホールから挿入できる。
【0165】
いくつかの実施形態では、増強部材の椎間腔への流入は許すが、流出はさせないバリヤー12に端子や弁を装填する。逆止め弁450や椎間圧により閉鎖する保持材料のフラップでさえも使用できる。折りたたみ可能な管状弁もバリヤーの長さ方向に作成しても良い。一実施形態では、複数弁や端子450が装具12に沿ってあり、アクセスホール417との位置合わせと増強部材の送達を容易にする。バリヤー12内かその上に材料554の送達を導く流路(例えばバリヤー末端へ)を機械加工し、バリヤー12の長さ方向に形成するか取り付けることができる。代わりに、小さな送達開口(例えば針によりもたらされる)を少量の接着剤で封止するか縫合して閉鎖できる。
【0166】
図66は、くさび形核増強物7に連結したバリヤー装具12を含む機能性脊椎ユニットの矢状断面図である。図66は、核増強物7の形状を利用してバリヤー機能を改良できることを示す。くさび形か半円形状の核増強物7を椎間板腔内部に提供し、これをバリヤー装具における可撓性の指のような端部の間で、バリヤー装具12の中間に取り付けると、加圧環境での作用力がバリヤー装具の先端方向に集中して、終板に対して閉鎖する。従って、このくさび形の特性は、装具12の機能を改善する。また、当業者には、核増強部材7は、全容積で異なる可撓性と粘度を示すようにバリヤーとの相互作用を改良する種々の特性を持つように構成することができることが分かる。例えばある応用では、好ましくは、増強物7は、バリヤー12との界面で堅く且つ椎間板の中央で柔軟であるかその逆でも良い。また、増強物7は、バリヤー12の回転を安定化するのに役立つ。本実施形態では、増強物は、バリヤーの内向面と連結し、椎間板へ外側と内側に延びレバーアームを形成し“T字型”ユニットとして現れる。本実施形態の増強装具7は、椎間板15の中央から輪の反対壁に延びることができる。
【0167】
一実施形態において、輪増強装具は、メッシュを備えている。図67は、メッシュ状の輪増強装具の一例を示す。一実施形態では、弾性のある修復メッシュを備えている。いくつかの実施形態において、メッシュは、椎間板の環境中であらゆる運動サイクルに耐えることができるとともに耐疲労性であるので、特に好ましい。いくつかの実施形態において、耐疲労性は、材料物性、構造設計やこれらの組み合わせで得られる。所定の材料に関して耐疲労性の構造は、疲労亀裂が発生し始める応力集中をできるだけ小さくするような材料で、変形による歪みをできるだけ均一に分布させるように構成することができる。例えば、コイルバネは、ひずみが金属の長さ方向全体で均一に分布するので、破壊や亀裂発生なしに何百万回も変形できる。輪修復メッシュに関しては、限定はしないが、長さ方向の全体にわたって湾曲したメッシュ部材を有することにより所定の変形部位のためにより多くの材料を提供するか、メッシュの曲線形状をサイン波状又はジグザグパターンに交互にして、より多くの材料を提供し、歪みがより広く分布するようにするか、より長い非直線部材を備えることによって所定の変形による材料の歪みが減少するようにするか、移植部位でのひずみを最小にするような形状のインプラントを予め作成する等の手段によって、同じ効果が得られる。曲線状、非線形状、コイル状や角のある部材は、相互に接続する、織る、網目状にする、或いは、フレーム構造を形成する又はメッシュもしくは仕切りを規定するレールか部材から延ばす、又はそのレールか部材に取り付けることができる。
【0168】
一実施形態において、メッシュは、椎間板の内部または周囲の様々な位置で使用できる。また、メッシュは、輪の外面上、終板に沿って、輪の内部、輪と核との間、核の内部、又は、輪及び核の両方の内部に配置できる。メッシュは、応力のかかっていない形状から応力のかかった形状に曲がるときのメッシュの反作用力によって、或いは、椎間板組織との摩擦力、椎間板と椎体組織との間の摩擦力、椎間板増強部材又は他のインプラントと椎間板組織との間の摩擦力によって、所定位置に保持できる。また、メッシュは、生体的一体化及び固定を強化するために、隆起部、突起部又はらせん状部を含む多孔性又はたくさんの編目を有することができる。限定はされないが、縫合糸、接着剤、ねじ及び止め金を含む固定具を用いて、所定位置にメッシュを恒常的に固定することができる。
【0169】
一実施形態では、輪増強装具は、膜及びフレームを備えるバリヤーである。ある実施形態では、フレームは、メッシュである。他実施形態では、メッシュは、膜でコーティングされる。他実施形態では、輪増強装具はフレームだけを含む。
【0170】
一実施形態では、インプラントのメッシュ領域又はフレーム領域は、好ましくは比較的薄い板材で作る。材料は、ポリマー(現場重合を含む)、金属又はゲルでも良い。しかしながら、後述するように、ニッケル−チタン合金(ニチノール)(NITINOL)の超弾性的な特性により、この金属を適用すると特に有利である。適用する他の材料としては、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、エチレン酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルオキシド、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、クロロスフホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン及びナイロン、それらのコポリマー及び組み合わせ、ポリカーボネート、ケブラー(登録商標)(KevlarTM)、アセタール、コバルトクロム、カーボン、グラファイト、金属マトリックス複合物、ステンレススチール、並びに、他の金属、合金及び複合物の一つ又はそれ以上を含む。いくつかの材料は、生体整合性を得るようにコーティングしても良い。また、これら材料は、メッシュを含まないフレーム又は支持部材に使用できる。
【0171】
いくつかの実施形態では、メッシュ又はフレームの構成は、鋭利なエッジを有する、或いは、組織を椎間板の外側に移動させることができる間隙を有することができる。一実施形態では、椎間板の周囲又は外部へ粒子が移動するのを妨げる、或いは身体をメッシュの鋭利なエッジから守るために、膜がメッシュ又はフレームの一つ以上の側面又は部分に固定されても良い。或いは、装具が欠損部全域に配置された場合、膜は、椎間板の線維輪によって閉じ込められた材料が線維輪の欠損部から流れ出るのを防ぐことができる。
【0172】
好ましい実施形態では、メッシュ装具の大きさは、機能性脊椎ユニットの治療すべき特定領域により決まる。例えば、一実施形態では、後方側部の輪の内面を覆うためのメッシュは、長さが約2cmから4cmで、高さが約2mmから15mmである。或いは、メッシュは、椎間板の全外面か全内面を覆う大きさにできる。また、椎間板の欠損部又は弱くなった部分を術前に同定できる場合、メッシュの大きさは、一方向以上に十分に延びるように選択できる。一実施形態では、メッシュは、どの方向にも少なくとも約2mmかかる大きさにする。いくつかの実施形態では、メッシュが約2mm以上の重なることにより、メッシュが欠損部から突出するのを妨げる機械的な手段が提供される。外科医は、装具が輪の一部を完全に被覆するために使用できない場合、バリヤーがいずれかの方向の軸に沿って移動しても、輪のその部分の全ての位置で欠損部の端縁を越えて装具に約2mm以上残ることを保証するような幅を有するメッシュ、バリヤーまたはパッチを選ぶ。外科医は、このようにして有効な最小のインプラントの大きさを決定できる。
【0173】
一実施形態では、メッシュ又は膜/フレームを組み合わせたような輪増強装具は、厚さが約0.025mmから約3mm範囲である。髄核粒子は、約0.8mm2と計測された。従って、一実施形態では、メッシュ又は膜/フレームを組み合わせたような輪増強装具は、やや小さい細孔(例えば0.05mm2から約0.75mm2)を有し、椎間板から核物質が突出するのを防ぐ手段として機能する。或いは、ある当業者は、実験によって、メッシュによって封じ込めるべき椎間板の粒子の大きさを決定し、孔を粒子よりわずかに小さい大きさにする。この構成によって、他のより小さな粒子と、特に水、血液及び他組織液の流体移動が提供される。
【0174】
いくつかの実施形態では、メッシュの断面は、一つ以上の横軸又は縦軸の少なくとも一部に沿って、平面状、凹状、凸状である、或いは蝶番式に取り付けられて(又は柔軟に連結されて)いても良い。また、ある当業者は、他の断面が本発明のいくつかの実施形態に従って使用できることがわかるであろう。
【0175】
限られた量しかない核組織又は輪組織が、異常のある椎間板から取り除かれる処置では、通常、約0.2から約2.0ccの組織が取り除かれるということが決められている。従って、この体積の損失を置き換え、脊椎の生体力学的な機能に寄与するために、脊椎インプラントの材料及び大きさを選ぶことによって、この体積(約0.2から2.0cc)を置換するように構成することができる。従って一実施形態では約0.2から約2.0cc体積を持つインプラントが提供される。インプラントとしては輪増強装具、核増強装具又は輪増強/核増強組み合わせ装具がある。好ましくは全体体積が約0.5ccを有する装具が提供されるが、これが最も典型的な除去体積であるからである。又椎間板高さが時間経過と共に減少し断片が新陳代謝される(従って除去が不必要となる)場合より大きな体積を用いて椎間板体積を増加しても良い。
【0176】
一実施形態では、フレームと膜を含むインプラントを提供する。他の実施形態では、インプラントは、一つ以上の膜のみを含む。一実施形態では、インプラントは、一つ以上のフレームのみを含む。フレームは、コーティングしても良い。膜(又はコーティング)は、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルオキシド、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、クロロスフホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ゴム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド−co−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、誘導体及び組み合わせのようなポリマー、エラストマー、ヒドロゲル及びゲルを含む適切な耐久性可撓性材からなる。ケラチン、アルブミンコラーゲン、エラスチン、プロラミン、生物工学タンパク質ポリマー、その誘導体や組み合わせを含む生体物質も又使用できる。
【0177】
一実施形態では、輪増強装具(例えば、膜、メッシュ、バリヤーなど)の少なくとも一部が、診断用薬及び/又は治療薬を輸送送達するために、含浸、コーティング、又は設計される。診断用薬としては、限定はされないが、各磁気共鳴映像法(MRI)やX線による造影に対応できるX線不透過材がある。治療用エージェントとしては、限定はされないが、ステロイド、遺伝子ベクター、抗体、殺菌剤、ソマトメジンのような成長因子、インスリン類似成長因子、線維細胞成長因子、骨形成成長因子、血管内皮増殖因子、形質転換増殖因子、血小板由来成長因子、肝細胞成長因子、ケラチン生成細胞成長因子、血管新生因子、免疫系抑制因子、抗生物質、線維芽細胞、軟骨細胞、軟骨芽細胞、骨細胞、間葉細胞、上皮細胞及び内皮細胞のような生細胞及び細胞結合タンパク質やペプチドがある。ある実施形態では、核増強装具は、診断用薬及び/又は治療薬を輸送するために、含浸、コーティング、又は設計される。
【0178】
一実施形態では、図67に示すように、一連の曲線状要素602を有するメッシュを提供する。一実施形態では、曲線状要素602は、互いに連結される。当業者には、曲線状要素602が互いに独立してるか、部分的に結合されているかということが理解されるであろう。相互連結部602は、一つ以上が接触した水平帯状要素、レール、部材、支柱又は軸604を形成するように分配できる。図67は、中心水平軸604及び“S”字型曲線状要素602を有する装具を示す。一実施形態では“S”字型要素602は、圧縮により発生した応力を広い領域に分配するようになっている。一実施形態では、荷重下において“S”字形の一部分だけが面外に移動し、剛性を与える。ある実施形態では、曲線状要素は、可撓性、弾性及び/又は剛性を提供するので特に有利である。
【0179】
ある実施形態では、曲線状要素602は、曲線がインプラントの全体の水平断面に現れるように、約90度(腹側/背側軸で湾曲)に配置することができる。他実施形態では、曲線状要素602は、実質的に平らである。また、曲線状要素602は。面といかなる角度(例えば約1度から約179度)で配置することができる。メッシュ600の断面は、直線状、凹状、又は凹上でもよい。図68A〜図68Gは、種々の曲線状要素602を有するメッシュ形状を示す。図68D〜図68Gは、輪に沿って延びるとともに、輪の内面全体又は輪の一部を覆う、細長い“U”字形状、“C”字形状、(通常の輪の後方の内面のような)曲線形状、及び“D”字形状のメッシュの平面断面図を示す。
【0180】
さらに、図69は、椎間板に埋め込まれたメッシュ600の他の実施形態を示す。ここでは、曲線状要素602は、組織表面、例えば輪の内面に対して湾曲して適合するのではなく、荷重によって(圧縮空気ピストン又はコイルバネのように)軸方向に圧縮されるように構成されたバネ、コイル又は伸縮自在部材を備えている。バネ又はコイル型メッシュの利点のひとつは、メッシュが、横力又は横軸方向の力に対して相当な剛性及び弾性を有することができる一方、圧縮及び膨張よって終板との接触を維持しながら、椎間板の湾曲部の周りにひろがるのに十分な可撓性があることである。他の曲線状要素のように、バネやコイルは、互いに連結される、自由に動く又はヒンジのような構成で連結される、水平な帯状要素又は軸に取り付けられる、膜に取り付けられる、或いは、膜の内部に封入することが可能である。
【0181】
また、一実施形態では、メッシュは、繰り返し湾曲し、横方向に配置された一連の山部及び谷部を含む形態で構成(例えば、ワイヤー又は幹から構成)しても良い。二本以上の湾曲したワイヤーが、一つの山部を隣接するワイヤーの谷部の下に来るように位相が合わないように重ねられても良い。二本のワイヤーは、独立して隣接し、一本のワイヤーから形成されるか、一つ以上の点で連結されるか、膜に取り付けられるか、或いは膜内に封入されることができる。図70は、ワイヤー型の輪増強装具を示す。
【0182】
上述したように、輪増強装具は、例えばフレーム又は膜或いは、フレームと膜とを組み合わせたものから構成することができる。図70は、単にフレームを示しており、例えば、ワイヤー又はメッシュに類似の装具であっても良い。図71Aから図71Eは、メッシュ606を生成するための膜又はカバーによって封入されているメッシュを示す。図71Cは、メッシュが、細長いU字型になったものの平面断面図を、図71Dから図71Fは、メッシュが真っ直ぐ又は種々の程度の凹面を有するものの種々の側断面図を示す。本明細書に開示された他のバリヤーと同様に、膜または封入材は、十分の厚みがあるか十分に薄くても良い。実際には、封入材は、単にコーティングでも良い。
【0183】
他の実施形態では、図72Aと図72Bに示すように、膜での覆いを有するか、又は無しの二重ウイッシュボーン型フレームを持つメッシュ600を提供する。ある実施形態では、この構成は、屈曲、伸張や横曲げ下でインプラントが受ける圧縮応力を和らげるので特に有利である。図72Aに、椎間板の後部に配置した膜無しフレームを示す。また、インプラント(例えばフレーム)は、輪の外側、輪の内部、核と輪との間或いは核内部に配置できる。輪10の欠損部16と一方向以上に輪を越えて延びる欠損部の全域のフレーム600の配置を示す。図72Bに、椎間板外部でのメッシュの透視図を示す。フレーム(例えばメッシュ)は、後方輪内面に応じて平らでも細長い“U字”型でも良い。一実施形態では、フレームは、一本の連続な帯状要素か、二つの端部で、第一端と第二端を形成するワイヤーでも良い。一実施形態では、各端部は、一対のヒンジとして働き、ワイヤーが通常、反対方向に向きを変るように曲線、屈曲又は一連の屈曲形の頂点を形成する。従って、荷重をフレームの中点、例えば上部レールと下部レール(上と下)の中点で縦軸方向にかけると、隅か頂点のそれぞれで均等に荷重されワイヤーレールは、てことして働く。
【0184】
一実施形態では、メッシュ600は、メッシュ状のフレーム600の中点が椎間板の後方にあり且つ端部が内側か椎間板の前方にさえ備わるように移植できる。このようにして、最大の圧力を受けたメッシュの一部が各端部から最も遠ざかる。従って、比較的広範囲の動作が本装具の中央で妨害できるが、これは各端部か一対のヒンジでの限られた動作に変わるだけで、応力疲労を減少する。また、各端部(比較的小さい形状を有する)を椎間板の中線(回転中心)の反対側に配置すると、終板による横曲げ、屈曲、伸張や圧力下で殆ど直接に荷重されにくくなる。
【0185】
図73Aから図73Cに、ループ形成を含むフレーム(例えばメッシュ600)の端部や一対のヒンジ部等の他の実施形態を示す。
【0186】
図74Aから74Cに、中心ベルトや支柱604のある実施形態を示す。図74と74Bに、フレーム(例えばメッシュ)の端部と頂点との間に配置の中心補強帯状要素604を示す。図74Bに示すように、中心帯状要素604は、上部レール(又はワイヤー)603と下部レール(又はワイヤー)605との間に配置できる。図74Cに示すように、中心帯状要素604が延びることにより、上部レールと下部レールかワイヤー間に凹型断面を形成できる。
【0187】
本発明のいくつかの実施形態では、インプラント(例えばメッシュのような輪増強装具)は、各種の軸に沿って異なる機械物性を示すことができる。例えば、インプラントは、第一軸に沿って剛性を、第一軸を横切るか垂直な第二軸に沿って可撓性(又はより低い剛性)を有することができる。このインプラントは、二つの隣接する脊椎間の輪の壁で特に有用性が見いだされるが、この環境では、インプラントに縦圧迫(例えば上軸/下軸に沿って)を受けやすいにもかかわらず、インプラントを横方向には圧迫しないからである。このようにして、インプラントは、横軸に沿って剛性を保持できる。椎間板を装填下で圧迫し、インプラントを曲げたり突出させると、点荷重がこの領域で生じやすいため、インプラントを輪の弱体化又は欠損した表面の前に配置した場合、輪増強装具の横軸に沿った剛性は、ある実施形態で特に有用である。従って、横軸にある程度の剛性を持つインプラントは、この曲げや突出に耐える。更に、インプラントの縦軸に対するより堅くなく、より可撓な動作によって脊椎の屈曲伸張を起こす荷重により、インプラントは脊椎と共に自然に曲がり終板を損傷しなくできる。
【0188】
ある実施形態では、機械物性の違いを得るために、技術的に既知のいずれかの構造物、材料選択や加工法を使用できる。例えば、インプラントは、特定軸に沿う点でより厚いかより薄く作れ、空洞や模様を材料にカットできる。また、異なる材料を一緒に挟んだ複合型インプラントを使用できる。支柱、部材、レールや類似物を、インプラントの剛性と堅さを提供するために加えたり、固定したり、一体化しても良い。更に、この補強要素を着床手続き中に加えることもできる。
【0189】
一実施形態では、インプラントを軸方向に波形にするか、さもなければ剛性を提供するために、屈曲や曲線を備えることができる。また、輪の内側曲面と合致するか、対応する緩やかに曲がった断面か、“C字”型断面か、又は輪で封止し、インプラントの横軸での曲げに耐え、例えば曲線が平らになるか、湾曲するか、横方向に折れるのに耐えるのに好ましい。また、ある実施形態では、インプラントは、屈曲下でも脊椎伸張下でも、波形部や曲部は決して平らにならず、曲線の垂直軸に沿って剛性(又はより低い可撓性)を保持するように、着床状態で一個以上の軸方向で圧縮されたままであるように大きさを特大化できる。
【0190】
ある当業者は、いくつかの実施形態で実行者の選択や椎間板環境により、インプラント(例えばメッシュのような輪増強装具)は、おおよそ堅いか可撓であることが分かる。各軸に沿った所望の剛性と可撓性の程度は、欠損部の大きさ、椎間圧、インプラントの送達性、圧縮と椎間板高さの所望の程度のような要素を基に決定できる。
【0191】
本発明の一実施形態によると、インプラントは、“C字”型断面と中心レールと上部レールと下部レールを有し、屈曲要素がレールと連結する。フレームかメッシュは、ここで検討した適切な材料のいずれか(例えばニッケル−チタン)からなり、コーティングか覆われるか、或いは覆いや膜に接着するか連結できる。一実施形態では、インプラントは、”C字”型断面かレールにより、横軸に沿ってより堅く、模様に基づく空洞と波形部や補強要素の欠如により縦軸に沿ってより堅くない。
【0192】
本発明のある実施形態には、線維輪の内周に延びるのに適したメッシュ状のフレーム、パッチ、板、生体整合性の支持部材やバリヤーを開示したが、他の実施形態では、輪や組織表面の部分的被覆を検討する。輪の内面全体より少なく覆うか、適所に完全に固定されず移動しやすいある実施形態に関しては、インプラントの外側か離れた角度に延びる一つ以上の突起部を、脊椎の周期的荷重と運動下でインプラントの椎間板内での移動や運動に耐えるように配置できる。この実施形態の利点の一つは、移動を減らすか防げることである。好ましくない移動によりインプラントが無力になるか、輪、核、終板や脊髄を含む隣接組織に病理学的干渉を起こす。
【0193】
一実施形態によると、レバーアームかキールとして働く離れた角度の突出部を持つ支持部材かパッチを備えることで、インプラントを椎間板内で安定化できる。ある実施形態では、わずかに角度をもつ突起部(例えば約5度から約10度)でさえも十分な表面積と長さ(約3mmから30mm)があると、本装具が回転移動する傾向を減らすのに役立つ。以前に図25と34に示したように、輪増強装具の一実施形態は、装具の中央部や中間部分の反対端で連結した一個以上の隅、側面や突起部を持つことができる。それぞれバリヤー中央部を後方輪に沿って挿入し、隅と側面突起部を後外側輪の隅と外側輪にそれぞれ挿入するように椎間板に移植するこの配置は特に有効である。一実施形態では、隅部は、後方輪から離れて椎間板前方へと延びる。後方輪から角度を持って(約90度または角度が約30度から150度となる曲率半径により)突き出た突起部は、実質的に外側輪と平行か隣接する。従って、インプラントの突起部は、移植された位置で直ちに外側輪かバリヤーの中央部で離れた角度になり、外側輪に平行になる。輪は連結領域を規定するので、この突起部は、輪の他の隣接する表面や反対の表面と実際に衝突するか平行になるが、なお他の面に沿って本装具を安定化する働きをする。また、本装具は、突起部が核組織や終板の大部分か全部と接触するように、椎間板の内側、前方、後方か外側部分に角度を持つように構成することができる。例えば、支持部材、フレームやパッチの頂点と底及び/又は、反対の端部で連結したループ型突起部を椎間板の全域に約3mmから約30mm延ばし、核組織にだけ接触するように配置できる。他の実施形態では、一個以上の突起部を輪の欠損部に向けその体積以下か全体を占拠できる。他の実施形態では、欠損部内に位置した突起部を欠損部隣接の終板に固定しても良い。図75Aから75Lに、椎間板か欠損部へ伸びた一個以上の突起部を持つインプラント610(例えばメッシュのような輪増強装具)を示す。
【0194】
本発明の一つ以上の実施形態による安定化のための突起部は、手術用メッシュ、パッチ、板、生体整合性の支持部材やバリヤー装具と一体化か取り付けることができる。安定化のための突起部は、また、独立でも、少なくともフレームか膜の一部と連結できる。安定化のための突起部は、フレームや膜と同材料で構成でき、異なる材料で構成しても良い。安定化のための突起部は、いずれかの一点か複数点から反対の端部、中央部を含む装具や装具フレーム、頂端部或いは底端部に沿って延びることができる。突起部は、また、装具の面に平行か垂直な面を含む一つ以上の面でループを形成できる。例えば一実施形態では、反対の端部の突起部は、バリヤーに連結するか一体化し、バリヤーから約0度から約160度の角度で延びる。他の実施形態では、突起部は、単に連結するか接触してバリヤーから離れて延びる弓形か湾曲突起部を形成する。本実施形態では、バリヤーを輪の一部に沿って配置し、弓部は、椎間板へと内側に延びる。他の実施形態では、バリヤーを少なくとも後方輪の一部に沿って配置し、バリヤーフレームか膜の反対端に取り付けた弓形の突起部は、椎間板の前方に延びる。
【0195】
図76に、本発明の一実施形態によるインプラント610を示す。ここでは弓形前方突起部612が後方支持部材614(例えばパッチ、バリヤーかメッシュ)から外側に広がる。突起部612は、横軸に沿って後方支持部材614の各端部と連結できる。突起部6には、中線、端部、全体を含む端部の縦軸に沿う点のいずれかに取り付ける。突起部612は、後方支持部材614が単に帯状要素を形成するか別々に取り付けるように後方の支持部材614と一体化しても良い。図示のようにインプラント610は弓のような形状にできる。弓部は、穏やかな弧、楕円形、一回以上の反曲型、三角形、長方形、八角形、連結多辺型、卵形や円形でも良い。ある実施形態では、弧やなめらかな弓型は、荷重を均一に伝達するのに有利であるが、弓部に沿う堅い中央部や比較的可撓なヒンジ型中央部も又提供できる。弓型突起部の中央部は、弓の残部とは異なる高さでも良く、装具の中央部のパッチや生体整合性の支持部材の高さと同じでも異なっても良い(低いまたは高い)。
【0196】
種々の実施形態の弓部や弓状部材や突起部612は、バネのように働いてパッチの端部を輪の壁に対し開き続ける。同様に一実施形態では、突起612の形状は、核か輪の反対の壁を通してインプラントが前進するのを妨げる。また、本発明の他実施形態では、突起部や安定化部612は、バリヤーに対してねじれ抵抗を与える。最後に、突起部や弓部612は、終板全域に延びるので、レバーアームとして働く細長い形状を作りだし、その結果、椎間板内の輪の沿った回転に抗する。
【0197】
インプラント610の突起部、弓部や帯状要素部612は、管状、ワイヤー型、平ら型、メッシュ状、湾曲型、折れ曲がり型でも良く、一つ以上のレールからなっても空洞を含有しても良い。弓部は、内側か外側を向くかの凹面性を規定し、インプラント610の生体整合性の支持部材614により規定される凹面と反対か同一でも良い。突起部612は、単に生体整合性の支持部材の角度付き突起部でも良く、同一材料から作り、同一物性を有する。代わりに、突起部は、一個以上の軸に沿ってより低い可撓性やより高い剛性のような異なる物性をもてる。一突起部を図76に示したが、一個以上の弓形突起部が使用できる。
【0198】
異なる弓型か輪型突起形状は、核組織をインプラントの結合領域内に保持し、核に柔らかく固定するか、少なくとも核を通してか沿っての移動に抗し、核組織を機械的移動するのに有用である。核の機械的移動(挟むか押しつける)により椎間板の高さを増加でき、輪への荷重をより均一にし、インプラントの性能を改善するのに有用である。また、弓部や突起部により生じる椎間板内の間隙は、空のまま残すかインプラントの外周を通してか全域のいずれかで適切な核増強物で充満できる。また、弓型突起部612は、椎間板の圧縮荷重下で変形するピストンか衝撃吸収材として働き、終板間で圧縮された核により生ずる輪に対する荷重のいくらかを解放する。
【0199】
安定化のための突起部612は、生体整合性の支持部材614(例えばバリヤー、パッチやメッシュ)と同材料で作ることができる。一実施形態では、安定化のための突起部612は、生体整合性の支持部材614の角度のある突起部であり、連続ループか帯状要素を形成する。他の実施形態では、安定化のための突起部612は、ポリマー、金属、生体材料や移植片を含む異なる生体整合性の材料から作ることができる。
【0200】
図77Aから図77Hに、本発明の一つ以上の実施形態による横軸に沿ったインプラント610の種々の側断面図を示す。従って、弓部、帯状要素部又は突起部の高さは、均一でも不均一でも良い。これはインプラントのパッチ部分と同じ高さでも、低くても高くても良い。例えば一実施形態では、突起部は、インプラントの後方の支持部材の構成要素との連結点では狭く、その高さが後方部材高さを超えるまで前方の弓部の中線近くで曲がる。この形状は、インプラントの後方部材部分が後方輪に向かって位置した場合、コップ状か凹型脊椎終板間で好ましい。更に本発明の一つ以上の実施形態では、突起部は、インプラントの支持部材やパッチ部分とは異なる機械物性がもてる。例えば、一実施形態では、突起部は、インプラントのパッチや生体整合性の支持部材部分に比べ一個以上の軸に沿っておおむね可撓である。他の実施形態では、突起部は、一個以上の軸に沿って凹むか、同軸に沿って凹面の度合いを変えられる。
【0201】
図78Aから図78Jに、本発明のある実施形態による縦軸に沿ったインプラント610の種々の平面断面図を示す。例えば、図78Gに、椎間板形態に良く合うひだのある弓形突起部を有するインプラント(例えばメッシュのような輪増強装具)を示す。
【0202】
図79Aから図79Fに、本発明の一つ以上の実施形態による突起部の種々の実施形態の一部の前面を示す。
図80Aから図80Dに本発明のある実施形態による突起部612の種々の断面を示す。
【0203】
図81Aから図81Dに、縦軸か横軸に沿った二点以上で生体整合性の支持部材614と接触するか、一体になるか、連結したループ型か折り曲げ弓形突起部612を示す。図81Aに、交差ループ型突起部を示す。図81Cに、インプラントが本装具安定化に役立つ環状帯状要素を形成するように支持部材と一体化した突起部を示す。図81Dに、壁型突起部を示す。
当業者は、核増強物及び/又は輪増強物を含む上記手順のいずれかを自己の核のいずれか又は全てを除去する、除去しなくても実行できることが分かる。更に、核増強部材及び/又は輪増強装具がもはや必要で無くなったときに、安全且つ効果的に取り除けるように構成することができる。
【0204】
本発明は好ましい実施形態に関して特に示して説明したが、当業者には添付の特許請求の範囲で包含される本発明の範囲を逸脱することなしに形態と細部で種々の変更ができる事が理解される。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1A】椎骨と椎間板の一部を示した機能性脊椎部ユニットの一部の横断面を示す。
【図1B】二個の腰椎と椎間板を明らかにした図1Aに示した機能性脊椎ユニットの一部の矢状断面図を示す。
【図1C】線維輪内層の部分的破損を示す。
【図2A】一実施形態で示すようにヘルニア発生部支持以前の本発明の一様態の横断面を示す。
【図2B】ヘルニア発生部を支持した図2A構造物の横断面を示す。
【図3A】本装具配置後の開示発明の他実施形態の横断面を示す。
【図3B】ヘルニア発生部支持用に張力をかけた後の図3A構造物の横断面図を示す。
【図4A】本発明の他実施形態の横断図を示す。
【図4B】図4Aに示した代替え実施形態の矢状図を示す。
【図5A】一実施形態で示したように本発明の他様態の横断面を示す。
【図5B】ヘルニア発生部をヘルニア発生前境界内で置換するのに用いた図5Aのデリバリーチューブを示す。
【図5C】固定支持位置での本発明の一体型実施形態を示す。
【図6】弱くなった後方線維輪を支持する本発明の一実施形態を示す。
【図7A】椎間板軟部組織増強に関わる二段階を示す開示特許の他様態での横断面を示す。
【図7B】図7Aに示した本発明の矢状図を示す。
【図8】椎間板軟部組織増強及び線維輪支持/閉鎖に関わる開示特許の一様態での横断面を示す。
【図9A】前方面線維輪に固定した可撓性増強部材による椎間板軟部組織の増強に関わる本発明の一様態での横断面を示す。
【図9B】線維輪に一体化型固定具で固定した可撓性増強部材による椎間板軟部組織の増強化に関わる開示発明の一様態での横断面を示す。
【図10A】椎間板軟部組織増強に関わる開示発明の一様態での横断面を示す。
【図10B】増強部材を椎間板に挿入後の図10A構造物を示す。
【図11】輪内部に装填のバリヤーの横断面を示す。
【図12】図11のバリヤーの矢状図を示す。
【図13】椎間板に固定したバリヤーの横断面図を示す。
【図14】図13に示したバリヤーの矢状図を示す。
【図15】椎間板内部に装填のバリヤー用第二固定装具の使用を示す。
【図16A】椎間板の横断面を示す。
【図16B】椎間板の中線での矢状断面を示す。
【図17】バリヤー手段の封止手段右半分を線維輪の欠陥部内面に切開/送達装具を用いて配置した椎間板の軸方向図を示す。
【図18】線維輪の欠損部内面に配置の完全封止手段を示す。
【図19】欠損部周囲組織に固定した図18の封止手段を示す。
【図20】固定手段が周囲組織に到達後の図19の封止手段を示す。
【図21A】内部空隙挿入の拡大手段を有する図20の封止手段の軸方向図を示す。
【図21B】図21構造物の矢状断面を示す。
【図22A】封止手段と拡大手段のための代わりの固定法を示す。
【図22B】拡大手段固定領域を欠損部の隣接位置の上椎体に固定する固定具を持つ図22A構造物の矢状断面を示す。
【図23A】一実施形態で示す固定手段を用いて輪に固定する本発明のバリヤー手段の実施形態を示す。
【図23B】二個の固定ダートにより輪固定し、この固定装具を除去した図23Aのバリヤー手段の実施形態を示す。
【図24A】欠損部のいずれか側の線維輪層間に配置のバリヤー遮蔽手段を示す。
【図24B】欠損部のいずれか側の線維輪層間に配置のバリヤー遮蔽手段を示す。
【図25】大型バリヤー手段の軸方向断面を示す。
【図26】二個の増強装具挿入後欠陥部全域に配置のバリヤー手段の軸方向断面を示す。
【図27】細長く延びた増強装具の一部としてのバリヤー手段を示す。
【図28A】図27増強装具の代わりの形状での軸方向断面を示す。
【図28B】図27増強装具の代わりの形状での矢状断面を示す。
【図29A】線維輪の欠損部から遠い侵入部位を通したバリヤー配置を示す。
【図29B】線維輪の欠損部から遠い侵入部位を通したバリヤー配置を示す。
【図29C】線維輪の欠損部から遠い侵入部位を通したバリヤー配置を示す。
【図29D】線維輪の欠損部から遠い侵入部位を通したバリヤー配置を示す。
【図30A】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図30B】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図31A】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図31B】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図32A】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図32B】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図33A】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図33B】バリヤーの種々実施形態の軸方向図と断面図のそれぞれを示す。
【図34】非軸対称的膨張手段又はフレームを示す。
【図34B】椎間板内に装填フレームの透視図を示す。
【図34C】椎間板内に装填フレームの透視図を示す。
【図35】図34に示した膨張手段の代わりの実施形態を示す。
【図36】図34に示した膨張手段の代わりの実施形態を示す。
【図37A】図34に示した膨張手段の代わりの実施形態での前面図、側面図及び透視図のそれぞれを示す。
【図37B】図34に示した膨張手段の代わりの実施形態での前面図、側面図及び透視図のそれぞれを示す。
【図37C】図34に示した膨張手段の代わりの実施形態での前面図、側面図及び透視図のそれぞれを示す。
【図38】図37Aに示したものの代わりの膨張手段を示す。
【図39A】円形断面を有するチューブ型膨張手段を示す。
【図39B】円形断面を有するチューブ型膨張手段を示す。
【図39C】円形断面を有するチューブ型膨張手段を示す。
【図39D】円形断面を有するチューブ型膨張手段を示す。
【図40A】チューブ型膨張手段を示す。楕円形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図40B】チューブ型膨張手段を示す。楕円形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図40C】チューブ型膨張手段を示す。楕円形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図40D】チューブ型膨張手段を示す。楕円形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図40E】チューブ型膨張手段を示す。輪外面を覆う封止手段を持つ図40Aのチューブ型膨張手段の前面図、背面図及び平面図のそれぞれを示す。
【図40F】チューブ型膨張手段を示す。輪外面を覆う封止手段を持つ図40Aのチューブ型膨張手段の前面図、背面図及び平面図のそれぞれを示す。
【図40G】チューブ型膨張手段を示す。輪外面を覆う封止手段を持つ図40Aのチューブ型膨張手段を示す。
【図40H】チューブ型膨張手段を示す。輪外面を覆う封止手段を持つ図40Aのチューブ型膨張手段を示す。
【図40I】チューブ型膨張手段を示す。輪外面を覆う封止手段を持つ図40Aのチューブ型膨張手段の前面図、背面図及び平面図のそれぞれを示す。
【図41A】卵形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図41B】卵形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図41C】卵形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図41D】卵形断面を持つチューブ型膨張手段を示す。
【図42A】封止手段と膨張手段の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図42B】封止手段と膨張手段の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図42C】封止手段と膨張手段の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図42D】封止手段と膨張手段の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図43A】代わりの形式の膨張手段を示す。
【図43B】代わりの形式の膨張手段を示す。
【図44A】代わりの形状のバリヤー手段を示す。
【図44B】代わりの形状のバリヤー手段を示す。
【図45】封止手段を欠損部周囲組織に取り付けに使用する装具部分を示す。
【図46】封止手段を欠損部周囲組織への加熱接着に使用できる熱装具使用を示す。
【図47】封止手段を欠損部周囲組織の接着に使用できる膨張可能熱素子を示す。
【図48】図46の熱装具の代わりの実施形態を示す。
【図49A】円板内着床物の着床法を示す。
【図49B】円板内着床物の着床法を示す。
【図49C】円板内着床物の着床法を示す。
【図49D】円板内着床物の着床法を示す。
【図49E】円板内着床物の着床法を示す。
【図49F】円板内着床物の着床法を示す。
【図49G】円板内着床物の着床法を示す。
【図50A】円板内インプラントの代わりの着床法を示す。
【図50B】円板内インプラントの代わりの着床法を示す。
【図50C】円板内インプラントの代わりの着床法を示す。
【図50D】円板内インプラントの代わりの着床法を示す。
【図50E】円板内インプラントの代わりの着床法を示す。
【図50F】円板内インプラントの代わりの着床法を示す。
【図51A】円板内インプラントの更なる代わりの着床法を示す。
【図51B】円板内インプラントの更なる代わりの着床法を示す。
【図51C】円板内インプラントの更なる代わりの着床法を示す。
【図52A】円板内着床システムで用いる着床ガイドを示す。
【図52B】円板内着床システムで用いる着床ガイドを示す。
【図53A】補強板要素を持つバリヤーを示す。
【図53B】図53Aのバリヤーの断面図を示す。
【図54A】補強板を示す。
【図54B】図54Aの補強板の断面図を示す。
【図55A】補強棒要素を持つバリヤーを示す。
【図55B】図55Aのバリヤーの断面図を示す。
【図56A】補強棒を示す。
【図56B】図56Aの補強棒の断面図を示す。
【図57】図44Aのバリヤーの固定装具位置に関する代わりの形式を示す。
【図58A】椎間板切開装具を示す。
【図58B】椎間板切開装具を示す。
【図59A】代わりの椎間板切開装具を示す。
【図59B】代わりの椎間板切開装具を示す。
【図60A】切開装具構成部品を示す。
【図60B】切開装具構成部品を示す。
【図60C】切開装具構成部品を示す。
【図61A】椎間板内への椎間板インプラント挿入法を示す。
【図61B】椎間板内への椎間板インプラント挿入法を示す。
【図61C】椎間板内への椎間板インプラント挿入法を示す。
【図61D】椎間板内への椎間板インプラント挿入法を示す。
【図62】層板内面に沿って椎間板内に着床した遮蔽装具の横断面図を示す。バリヤーに接する着床合致の核増強物も示す。
【図63】層板内面に沿って椎間板内に着床したバリヤー装具の横断面図を示す。可撓性の親水性固体からなる着床核増強物も又示す。
【図64】層板内面に沿って椎間板内に着床したバリヤー装具の横断面図を示す。固体幾何形状、複合材固体や自由流れ性液体を含むいくつかのタイプの着床核増強物も又示す。
【図65】膨張可能な核増強装具に連結したバリヤー装具の矢状断面図を示す。
【図66】くさび形核増強装具に連結したバリヤー装具を含む機能性脊髄ユニットの矢状断面図を示す。
【図67】一連の曲線要素を持つ輪増強装具(メッシュのような)メッシュを示す。
【図68A】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図68B】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図68C】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図68D】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図68E】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図68F】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図68G】輪内表面全体又はその一部に沿って延び覆う、例えば“U字”型、“C字”型、曲線型や“D字”型の輪増強装具(メッシュのような)の種々な外形と断面図を示す。
【図69】椎間板に着床した曲線要素を持つメッシュの一実施形態を示す。
【図70】ワイヤー型輪増強装具を示す。
【図71A】封入メッシュ作成のために膜やカバーで封入したフレーム(例えばメッシュ)を示す。
【図71B】封入メッシュ作成のために膜やカバーで封入したフレーム(例えばメッシュ)を示す。
【図71C】封入メッシュ作成のために膜やカバーで封入したフレーム(例えばメッシュ)を示す。
【図71D】封入メッシュ作成のために膜やカバーで封入したフレーム(例えばメッシュ)を示す。
【図71E】封入メッシュ作成のために膜やカバーで封入したフレーム(例えばメッシュ)を示す。
【図72A】二重ウイッシュボーン型フレームを持つメッシュを示す。
【図72B】二重ウイッシュボーン型フレームを持つメッシュを示す。
【図73A】輪状末端を含むフレームの末端か普通ヒンジの実施形態を示す。
【図73B】輪状末端を含むフレームの末端か普通ヒンジの実施形態を示す。
【図73C】輪状末端を含むフレームの末端か普通ヒンジの実施形態を示す。
【図74A】中心帯状要素か支柱のいくつかの実施形態を示す。
【図74B】中心帯状要素か支柱のいくつかの実施形態を示す。
【図74C】中心帯状要素か支柱のいくつかの実施形態を示す。
【図75A】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75B】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75C】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75D】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75E】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75F】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75G】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75H】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75I】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75J】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75K】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図75L】椎間板又は欠損部に延びる一個以上の突起部を持つメッシュのような輪増強装具のインプラントを示す。
【図76】後方支持部材から外側に延びた弓型前方突起部を含むインプラントを示す。
【図77A】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77B】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77C】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77D】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77E】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77F】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77G】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図77H】弓、帯状要素又は突起部を含むインプラント横軸に沿った種々の側断面図を示す。
【図78A】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78B】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78C】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78D】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78E】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78F】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78G】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78H】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78I】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図78J】縦軸に沿ったインプラントの種々の平面断面図を示す。
【図79A】着床突起部のいくつかの実施形態部分の正面図を示す。
【図79B】着床突起部のいくつかの実施形態部分の正面図を示す。
【図79C】着床突起部のいくつかの実施形態部分の正面図を示す。
【図79D】着床突起部のいくつかの実施形態部分の正面図を示す。
【図79E】着床突起部のいくつかの実施形態部分の正面図を示す。
【図79F】着床突起部のいくつかの実施形態部分の正面図を示す。
【図80A】着床突起部の種々な断面図を示す。
【図80B】着床突起部の種々な断面図を示す。
【図80C】着床突起部の種々な断面図を示す。
【図80D】着床突起部の種々な断面図を示す。
【図81A】輪状または湾曲弓型突起部を示す。
【図81B】輪状または湾曲弓型突起部を示す。
【図81C】輪状または湾曲弓型突起部を示す。
【図81D】輪状または湾曲弓型突起部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間板を補強するための輪増強装具であって、
メッシュ状のフレームと、膜とを備え、
前記メッシュ状のフレームは、複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材を有し、
前記複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材は、前記メッシュ状のフレームに可撓性及び弾性を与えるように構成され、
前記膜は、前記メッシュ状のフレームの少なくとも一部を覆っている、輪増強装具。
【請求項2】
前記複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材は、鋼、ニッケルチタン及びコバルトクロムのうちの一つ以上からなる群から選択される合金を備える、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項3】
前記複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材は、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、エチレン酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルオキシド、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、クロロスフホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、アセタール、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(ケブラー(登録商標))(KevlarTM)、ポリカーボネート、カーボン及びグラファイトのうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項4】
前記膜は、ポリマー、エラストマー及びゲルのうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項5】
前記膜は、エラスチン、アルブミン、コラーゲン、フィブリン及びケラチンのうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項6】
前記膜は、抗体、殺菌剤、遺伝子ベクター、骨形成タンパク質、ステロイド、コルチゾン及び成長因子のうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項7】
前記膜は、コーティング材である、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項8】
前記複数の互いに連結された曲線状部材の少なくとも一部は、水平な部材又は中央の支柱を形成する、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項9】
前記複数の互いに連結された曲線状部材は、平行に配置されている、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項10】
前記メッシュ状のフレームは、前記メッシュ状のフレームの少なくとも一つの軸の少なくとも一部に沿って凹状である、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項11】
前記メッシュ状のフレームは、約0.5cmから約5cmの範囲の長さを有する、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項12】
前記メッシュ状のフレームは、輪層板の内面の少なくとも一部を覆う大きさである、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項13】
前記メッシュ状のフレームは、輪層板の全面の周囲に沿って延びるように構成されている、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項14】
前記メッシュ状のフレームから放射状に延びる少なくとも一つの突起部をさらに備える、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項15】
前記メッシュ状のフレームは、平面状、凹状、凸状及び曲線状のうちの一つ以上からなる群から選択される縦断面形状を有する、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項16】
前記メッシュ状のフレームは、凹状、凸状、平面状及びインゲン豆形のうちの一つ以上からなる群から選択される横断面形状を有する、請求項1に記載の輪増強装具。
【請求項17】
椎間板を補強するための輪増強装具であって、
メッシュ状のフレームを備え、
前記メッシュ状のフレームは、複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材を有し、
前記複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材は、前記メッシュ状のフレームに可撓性及び弾性を与えるように構成され、
前記メッシュ状のフレームは、少なくとも一つの軸の少なくとも一部に沿って凹状である、輪増強装具。
【請求項18】
椎間板を補強するための輪増強装具であって、
メッシュ状のフレームと、膜とを備え、
前記メッシュ状のフレームは、複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材を有し、
前記複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材は、前記メッシュ状のフレームに可撓性及び弾性を与えるように構成され、
前記膜は、前記メッシュ状のフレームの少なくとも一部と連結されている、輪増強装具。
【請求項19】
椎間板を補強するための輪増強装具であって、
水平軸及び鉛直軸を有し、前記水平軸又は前記鉛直軸の少なくとも一部に沿って凹状であるメッシュ状のフレームと、
前記水平軸又は前記鉛直軸から放射状に延びる複数の突起部とを備え、
前記複数の突起部が前記輪増強装具を安定させる、輪増強装具。
【請求項20】
少なくとも一つの前記突起部は、前記水平軸又は前記鉛直軸より大きい寸法を有する、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項21】
前記メッシュ状のフレームは、複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材を備え、
前記複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材は、前記メッシュ状のフレームに可撓性及び弾性を与えるように構成されている、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項22】
前記メッシュ状のフレームは、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、エチレン酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルオキシド、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、クロロスフホン化ポリオレフィン、オキシドポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、アセタール、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(ケブラー(登録商標))(KevlarTM)、ポリカーボネート、カーボン及びグラファイトのうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項23】
前記メッシュ状のフレームの少なくとも一部を覆う膜をさらに備える、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項24】
前記膜は、ポリマー、エラストマー及びゲルのうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項23に記載の輪増強装具。
【請求項25】
前記膜は、エラスチン、アルブミン、コラーゲン、フィブリン及びケラチンのうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項23に記載の輪増強装具。
【請求項26】
前記膜は、抗体、殺菌剤、遺伝子ベクター、骨形成タンパク質、ステロイド、コルチゾン及び成長因子のうちの一つ以上からなる群から選択される材料を備える、請求項23に記載の輪増強装具。
【請求項27】
前記膜は、コーティング材である、請求項23に記載の輪増強装具。
【請求項28】
水平な帯状要素又は中央の支柱を形成する、複数の互いに連結された可撓性の曲線状部材をさらに備える、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項29】
前記メッシュ状のフレームは、約0.5cmから約5cmの範囲の長さを有する、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項30】
前記メッシュ状のフレームは、輪層板の内面の少なくとも一部を覆う大きさである、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項31】
前記メッシュ状のフレームは、輪層板の全面の周囲に沿って延びるように構成されている、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項32】
前記メッシュ状のフレームから放射状に延びる少なくとも一つの突起部をさらに備える、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項33】
前記メッシュ状のフレームは、平面状、凹状、凸状及び曲線状のうちの一つ以上からなる群から選択される鉛直断面形状を有する、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項34】
前記メッシュ状のフレームは、凹状、凸状、平面状及びインゲン豆形のうちの一つ以上からなる群から選択される水平断面形状を有する、請求項19に記載の輪増強装具。
【請求項35】
第1の端部及び第2の端部を有する後方の支持部材と、
前記後方の支持部材から外方へ延びる前方の突起部とを備え、
前記前方の突起部は、少なくとも前記後方の支持部材の前記第1の端部又は第2の端部に取り付けられる、脊椎板インプラント。
【請求項36】
第1の端部及び第2の端部を有する後方の支持部材と、
第1の端部及び第2の端部を有する前方の突起部とを備え、
前記前方の突起部は、前記後方の支持部材から外側に延び、
前記前方の突起部の前記第1の端部が前記後方の支持部材の前記第1の端部と連結されるとともに、前記前方の突起部の前記第2の端部が前記後方の支持部材の前記第2の端部と連結されることによって、実質的に弓形インプラントを形成する、椎間板インプラント。
【請求項37】
上部レールと、
前記上部レールに連結された下部レールを備え、
前記上部レール及び前記下部レールは、第1の端部と第2の端部とで互いに連結され、
前記上部レール及び前記下部レールは、前記両端部間の少なくとも一部分に沿った前記レール間で画定される間隙を形成するように延びる、耐疲労性の手術用メッシュ。
【請求項38】
椎間板切除処置中に取り除かれる材料の量に相当する体積を有するバリヤー又はパッチを備え、前記体積が約0.2ccから約2ccである、椎間板の治療のための脊髄インプラント。
【請求項39】
椎間板の内部の欠損領域を修復するための方法であって、
手術用メッシュを提供するステップと、
前記手術用メッシュを輪表面に沿うように埋め込むステップと、
椎間板の欠損領域の少なくとも一端を越えて前記装具が約2mmまたがるように少なくとも前記手術用メッシュを配置するステップとを備える方法。
【請求項40】
接触する帯状要素を形成するバリヤーを備え、
前記帯状要素は、異なる高さを有する前記帯状要素に沿った一つ以上の部分を有し、
前記帯状要素の一つ以上の部分が軸方向に異なる程度の可撓性を有する、椎間板インプラント。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図29D】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34】
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【図34B】
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【図34C】
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【図35】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【図37C】
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【図38】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図39D】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図40D】
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【図40E】
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【図40F】
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【図40G】
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【図40H】
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【図40I】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図42A】
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【図42B】
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【図42C】
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【図42D】
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【図43A】
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【図43B】
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【図44A】
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【図44B】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49A】
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【図49B】
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【図49C】
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【図49D】
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【図49E】
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【図49F】
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【図49G】
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【図50A】
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【図50B】
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【図50C】
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【図50D】
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【図50E】
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【図50F】
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【図51A】
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【図51B】
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【図51C】
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【図52A】
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【図52B】
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【図53A】
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【図53B】
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【図54A】
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【図54B】
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【図55A】
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【図55B】
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【図56A】
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【図56B】
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【図57】
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【図58A】
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【図58B】
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【図59A】
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【図59B】
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【図60A】
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【図60B】
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【図60C】
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【図61A】
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【図61B】
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【図61C】
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【図61D】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68A】
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【図68B】
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【図68C】
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【図68D】
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【図68E】
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【図68F】
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【図68G】
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【図69】
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【図70】
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【図71A】
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【図71B】
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【図71C】
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【図71D】
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【図71E】
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【図72A】
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【図72B】
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【図73A】
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【図73B】
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【図73C】
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【図74A】
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【図74B】
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【図74C】
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【図75A】
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【図75B】
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【図75C】
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【図75D】
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【図75E】
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【図75F】
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【図75G】
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【図75H】
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【図75I】
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【図75J】
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【図75K】
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【図75L】
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【図76】
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【図77A】
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【図77B】
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【図77C】
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【図77D】
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【図77E】
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【図77F】
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【図77G】
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【図77H】
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【図78A】
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【図78B】
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【図78C】
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【図78D】
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【図78E】
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【図78F】
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【図78G】
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【図78H】
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【図78I】
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【図78J】
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【図79A】
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【図79B】
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【図79C】
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【図79D】
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【図79E】
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【図79F】
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【図80A】
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【図80B】
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【図80C】
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【図80D】
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【図81A】
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【図81B】
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【図81C】
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【図81D】
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【公表番号】特表2007−527273(P2007−527273A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536753(P2006−536753)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/034729
【国際公開番号】WO2005/041813
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502057511)イントリンジック セラピューティックス インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】