説明

検査を向上させたピックアンドプレース機械

本発明の実施形態は工作物に関連する位置情報と、工作物に関連して取得される検査情報との間の関連を提供する。この関連により、ユーザまたは技術者が、検査情報がかかわる工作物(310)上の物理的な位置を迅速に特定することの助けとなる。その後工作物上の検査された部品(104)の位置の指示とともに、部品検査情報をオペレータに供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
電子組立機械は、ピックアンドプレース機械としても既知であり、一般的に電子回路基板を製造するために用いられる。通常、未加工のプリント回路基板がピックアンドプレース機械に供給され、次にこの機械は部品供給部から電子部品を取り、その部品を基板上に取り付ける。部品は、半田ペーストが溶けるかまたは接着剤が十分に硬化するその後のステップまで、半田ペーストまたは接着剤により、基板上に一時的に保持される。
【0002】
発明の背景
ピックアンドプレース機械の動作は興味深い。機械速度がスループットに対応するため、ピックアンドプレース機械が高速で動くほど、製造された基板はより安価になる。加えて、取り付け精度はきわめて重要である。多くの電気部品、たとえばチップコンデンサおよびチップ抵抗器は比較的小さく、一様に小さな取り付け位置上に正確に取り付けなければならない。その他の部品は、より大きめのものでも、互いに比較的ファインピッチで間隔を置いた相当数のリード線または導体を有する。このような部品もまた、各リード線が適切なパッド上に取り付けられることを確実にするために、正確に取り付けなければならない。このように、機械がきわめて高速で動作しなければならないだけでなく、部品もきわめて正確に取り付けなければならない。
【0003】
基板製造の質を向上させるために、一般的に、完全にまたは部分的に実装された基板は、取り付け動作後、半田リフローの前後両方で検査され、不適切に取り付けられた、欠落している、または起こり得るさまざまなエラーのいずれかである部品を特定する。このような動作を行う自動システムは、半田リフローの前に部品取り付けの問題を特定する助けとなるため、非常に有用である。これにより、再加工の対象となるリフロー後の欠陥のある基板の再加工および/または特定を、実質的により簡単に行うことが可能となる。このようなシステムの一例は、ミネソタ州ゴールデンバレーのCyberOptics Corporationより入手可能である、商標名Model KS Flexのもとに市販されている。このシステムを用いて、アライメントおよび回転エラー、欠落したまたははじかれた部品、ビルボード、ツームストーン、部品不良、正しくない極性、および誤った部品といった問題を特定することができる。
【0004】
リフロー前のエラーの特定は、多くの利点を備える。再加工がより簡単になり、閉ループ製造制御が促進され、エラー発生と対処との間にある工程中の作業がより少なくなる。このようなシステムは大いに有用な検査を備える一方で、プラントのフロアスペースと同時にプログラミング時間およびメンテナンスの手間を費やす。
【0005】
ピックアンドプレース機械自体の内部に位置付けられた取り付け後の検査という利点を備えるための、1つの比較的最近の試みが、Asaiらの米国特許第6,317,972号に開示されている。この参考文献は、電気部品を装着するための方法を報告しており、ここでは部品取り付け前に装着位置の画像が得られ、部品取り付け後の装着位置の画像と比較して、部品レベルで取り付け動作を検査する。
【0006】
Asaiらの開示は、機械内部の部品レベルの検査を使用するという1つの試みを明らかにしているものの、なされるべき多くの作業はそのままになっている。たとえば、Asaiらの開示では、部品の取り付け前後の2つの画像を取得して、部品の取り付け特性を判断することが教示されている。このアプローチは、取り付け後の部品の有無を判断するために有用である一方、取り付け機械にはいくつかの重要な機械特性があり、これによりこのアプローチでは対応していない部品の取り付けエラーが生じる可能性がある。
【0007】
ピックアンドプレース機械における取り付け不良の重大な原因には、セットアップおよびプログラミングでのエラーが含まれる。ピックアンドプレース動作は本質的に複雑であり、多くのセットアップパラメータおよび変数を適切に調整することによって、すべての部品が工作物上に正しく取り付けられることが確実になる。一般的な回路基板は、しばしば数百もの異なる部品タイプを有する数十万もの部品を含む可能性がある。ピックアンドプレース機械のプログラムは、すべての部品の取り付け位置および向きに関する情報、部品それぞれを取り付けるために必要とされるノズルのタイプ、および基板のサイズおよび位置に関する情報を含む。加えて部品供給部は、ピックアンドプレース機械上の、取り付けプログラムによる部品の予測位置を反映するような位置に装備されなければならない。機械パラメータ、たとえば取り付け速度、真空量、ノズルの進行、基板支持の取り付けおよび較正パラメータは、すべて適切に設定されてすべての部品の正しい取り付けを確実にする必要がある。
【0008】
新製品向けにピックアンドプレース機械をプログラムする必要がある場合、オペレータはいくつかの工作物を組み立てて検査し、セットアップしたパラメータおよび変数が正しく調整されたかについて判断することになる。この検査ステップは一般的に“第1物品検査”と呼ばれる。ピックアンドプレース機械を調整した後、いくつかのさらなる工作物が組み立てられて検査され、不具合の原因が修正されたことを検証する。ピックアンドプレース機械がすべての部品を工作物上に確実に取り付けるまでに、通常は数サイクルの調整および検査を要する。“第1物品”である基板の検査のための技術の現状では、高価な自動光学検査機械または人的な検査要員が必要であるため、基板が完全に組み立てられてリフローされるまで検査は行われない。このプロセスの結果、新製品のための回路基板の生産ラインをセットアップするために大幅な遅れが生じ、動作不能の回路基板の形で高価なスクラップが発生する。第1物品検査のための所要時間量は、検証の複雑さに依存して5分から5時間にまでおよぶ。第1物品検査プロセスにかかる一般的な時間は、およそ30分である。これらの遅れが、製造ラインを新製品に変更する複雑さを増大させ、加えて製造された基板のコストが増す。
【0009】
機械のセットアップに加え、長期にわたる機械動作の間には、プロセスパラメータの変更およびドリフトのために問題が起こる可能性がある。供給部に部品がないこと、供給部に取り付けられた部品の誤り、半田ペーストの乾燥、および基板方向の誤りは、ピックアンドプレース機械の動作中に起こる問題のいくつかの例である。このような問題が起こったとき、このような問題を診断して非常に迅速に対処し、ラインを実行可能な基板を製造する状態に戻すことは、きわめて重要である。生産ラインが診断および修理のために閉鎖される場合、問題に対処するために、技術者の時間に高額が必要とされる。さらに、修理が行われるとき、技術者またはオペレータは、問題が修復され基板が確実に生産され得ることを検証するために、ラインをさらなるその他のセットアップサイクルで動かす必要がある可能性がある。
【0010】
発明の概要
本発明の実施態様は工作物に関する位置情報と、工作物に関して取得される検査情報との間の関連を提供する。この関連により、ユーザまたは技術者が、検査情報がかかわる工作物上の物理的な位置を迅速に特定することの助けとなる。その後工作物上の検査された部品の位置の指示とともに、部品検査情報をオペレータに供給することができる。
【0011】
詳細な説明
図1は、本発明の実施形態が適用可能である代表的なカーテシアンピックアンドプレース機械201の線図である。ピックアンドプレース機械201は、搬送システムまたはコンベア202を介して工作物、たとえば回路基板203を受け取る。その後、取り付けヘッド206は部品供給部(図示せず)から、工作物203上に装着される1個以上の電気部品を得て、工作物に対するx、yおよびzの方向への相対運動を経て工作物203上の適切な方向の適切な位置に部品を取り付ける。取り付けヘッド206は、取り付けヘッド206が部品をピックアップ位置から取り付け位置へ移動させるとき、ノズル210に保持された部品の下を通ることができるアライメントセンサ200を含む。センサ200はプレース機械201がノズル210に保持された部品の下面を見ることを可能にし、部品が部品ピックアップ位置から取り付け位置へ移動されている間、部品の向きのチェクおよび、ある程度の部品検査を実施することができるようになされている。その他のピックアンドプレース機械は、部品を撮像するための固定カメラの上を移動する取り付けヘッドを使用することができる。また、取り付けヘッド206は、下向きのカメラ209を含むことができ、これを用いて一般的には工作物203上に基準マークを位置付け、工作物203に対する取り付けヘッド206の相対位置を容易に算出することができるようになされている。
【0012】
図2は、本発明の実施形態が適用可能である代表的な回転タレットピックアンドプレース機械10の線図である。システム10は、機械201と類似したいくつかの部品を含み、同様の部品には同じように番号が振られている。タレットピックアンドプレース機械10では、工作物203がコンベアを介してx−yステージ(図示せず)上に装備される。取り付けノズル210はメインタレット20に取り付けられ、回転タレットの周囲に一定の角度間隔で配設されている。各ピックアンドプレースサイクルの間、タレットは隣接する取り付けノズル210の間の角度距離と等しい角度距離を割り出しする。タレットが適所へ回転し、工作物203がx−yステージにもとづいて位置付けられた後、取り付けノズル210は画定されたピックポイント16において、部品供給部14から部品104を得る。この同じ間隔の間、もうひとつのノズル210はプログラムされた取り付け位置106で、工作物203上に部品104を取り付ける。加えて、タレット20がピックアンドプレース動作を中断する間、上向きのカメラ30はもうひとつの部品104の画像を取得し、これによりその部品のためのアライメント情報が提供される。このアライメント情報を用いて、ピックアンドプレース機械10は、対応する取り付けノズルが部品を取り付けるため数ステップ後に位置付けられたとき、工作物203を位置付ける。ピックアンドプレースサイクル完了後、タレット20は次の角度位置を割り出し、工作物203がx−y方向に再度位置付けられて、取り付け位置を取り付け位置106に対応する位置へ移動させる。
【0013】
ピックアンドプレース機械の初期セットアップの間、工作物の精密な組立を確実にするために、多くのパラメータおよび変数が最適化されて正しく設定されなければならない。以下は、一般的に判断される必要のあるセットアップパラメータのリストである。
● 部品のタイプ
● 部品を取り扱うために必要とされる供給部のタイプ
● ピックアンドプレース機械内部の供給部の位置
● 部品取り付けの順序および位置を含むシーケンスプログラム
● 各部品のために必要とされるノズルタイプ
● 工作物のサイズおよび設計
● 工作物上の基準の位置およびタイプ
● 各タイプの部品向けの取り付け速度
● 各タイプの部品向けの真空圧
● ノズルの垂直ストローク
● 基板支持ピンの取り付けと選定
● 基板の向き
● 部品アライメントのための視覚パラメータ
● 部品の高さ
● ピックアンドプレース動作中のノズルの高さ、および
● 部品アライメントのための照明パラメータ
ピックアンドプレース機械のセットアップの間、オペレータは通常、供給部を正しい位置に装備し、ノズルをカセット内に装備し、適した取り付けプログラムを用いていくつかの工作物を組み立てる手順に従う。最初の工作物または工作物群が組み立てられた後、オペレータは視覚手段を用いて、または自動光学検査システムを用いて各工作物を検査する。エラーが発見された場合、エラーの原因が調査されて修正措置が遂行される。修正措置が遂行された後、別の工作物群が組み立てられて検査される。組立、検査および修正措置というこのサイクルは、オペレータがピックアンドプレース機械の生産準備ができていると判断するまで繰り返される。ピックアンドプレース機械の内側で第1物品検査が行われた場合、オペレータには、取り付け動作中に起こった問題に関するリアルタイムなフィードバクが提供される。このリアルタイムなフィードバックを用いて、基板全体が完成する前にピックアンドプレース機械のセットアップにかかわる問題を診断して迅速に修正することができ、このためスクラップが減少する。
【0014】
図3は、本発明の実施形態による取り付けヘッドの線図である。図3は、ノズル210により部品104が位置106上に置かれる前後の部品104の取り付け位置106の画像を取得するために配設された画像取得デバイス100を図示している。部品104の取り付け前および直後に、デバイス100は工作物203上の取り付け位置106の画像を得る。これら前後の画像を比較することにより、部品レベルの取り付けの検査および検証が促進される。加えて、部品取り付け位置106に取り囲まれた領域がさらに撮像される。一般的には、ノズル、たとえばノズル210が取り付け位置の上で部品104を保持しているときに取り付け位置の画像の取得が行われるため、部品自体または工作物上にすでに装着されている可能性のある隣接する部品からの干渉を最小限にするかまたは減少させる一方で、取り付け位置106を撮像することができることは重要である。このように、デバイス100が、工作物203の平面に対して角度θをなして傾斜されて視覚できる光軸を使用することは好ましい。デバイス100を角度θをなして傾斜させることのさらなる利点は、画像取得の間の工作物の並進を判定することにより、工作物の垂直運動を検出して測定することができることである。工作物203および取り付けノズル210が互いに相対的に並べられ、カメラのアングルから工作物203を可視化するために、部品が工作物203上の十分な高さになるように画像取得間隔を厳密に時間設定することはさらに必要である。部品104が取り付けられた後、取り付けサイクルの間の予め選定した時間で画像を取得するために、次の画像は適切に時間設定されるべきである。
【0015】
本発明の実施形態では一般的に、対象とする取り付け位置の2つ以上の連続した画像(すなわち取り付けの前後)が得られる。取り付けは比較的迅速に行われ、また機械のスループットの低下はきわめて望ましくないため、取り付けヘッドと基板との間の相対運動の停止が一瞬であるということから、時々、2つの連続した画像を非常に迅速に取得する必要がある。たとえば、およそ10ミリ秒間以内に2つの画像を取得する必要があるかもしれない。
【0016】
複数の連続した画像のすばやい取得は、異なる方法で行うことができる。1つの方法は、市販されているCCDデバイスを用いて非標準的な手法で動作させ、デバイスから読み取り可能な速度よりも早い速度で画像を取得することである。この画像取得技法に関するさらなる詳細は、米国特許第6,549,647号に見ることができ、本発明の譲受人に譲渡されている。複数の連続した画像をすばやく取得するためのさらなるその他の方法は、一般的な光学装置を通して対象とする取り付け位置を見るために配列された、複数のCCDアレイを用いることである。
【0017】
取り付けの問題をすばやく診断するために、許容しがたい量のスクラップが発生する前に取り付け中にオペレータにエラーを表示して問題の修正を促進することは有利であろう。また、取り付け情報を工場の内部および外部のその他の位置と共有することにより、さらにより早急な診断および問題の解決が可能である。組み込み型の取り付け機械検査システムでは、ピックアンドプレース機械により行われる部品レベルの検査について改良されている。このような改良では、機械の内側の取り付けイベントの画像を収集してそれらの画像を処理し、エラーが起こったときにエラーを特定することにより、ピックアンドプレース機械での第1物品検査を備えることを含む。この情報が機械上で発生したときに表示する手段を備えることにより、オペレータは速やかかつ効果的な修正措置を取ることができる。図4は本発明の1つの実施形態を示す。本発明のこの実施形態では、ピックアンドプレース機械10上にプロセッサ222およびモニタ220が装備されている。モニタ220の位置は、取り付けイベントの直後に機械のオペレータに画像取得システム100から集められた画像およびデータを提供するよう選択される。生産工程における最初の基板の組立中にオペレータが利用可能である画像およびデータを用いて、オペレータは、現在実施しているよりも迅速に、ピックアンドプレース機械に対するセットアップの変更を行うことができる。
【0018】
後付けの組み込み型機械検査システムにおける最近生じている限界のひとつは、検査システムにとって取り付け位置がわからないということである。したがって、ひとたび誤って取り付けられた部品が特定されると、工作物上の誤りのある位置の実際の物理的な位置を判定するためのプロセスに依然として時間がかかる可能性がある。これは、工作物が比較的大きく部品の密集度が高い場合、著しく大きな問題となる。一般的な例には、携帯電話やコンピュータ等の基板が含まれる。
【0019】
本発明の実施形態は一般的に、工作物の位置情報(たとえばxおよびy座標情報)が電子組立機械の制御システムから容易に得られないとき、そのような情報を得ることに焦点を当てている。本発明の実施形態を使用して、機械のセットアップおよび/または動作に対するオペレータの早急な介入を促進することができる。組み込み型機械検査システムにより集められた取り付け情報は、視覚システムの収集された画像に対応して、工作物の位置情報(好ましくはXおよびY座標)を含むことができる。エラーがどこで起こっているかを知ることで、オペレータが工作物上の該当する物理的な位置を迅速に発見することができるため、再加工の時間が減少する。いくつかの実施形態では、部品取り付け検査の結果は、ピックアンドプレース機械の制御システムから得られる位置情報と関連がある。
【0020】
図5は、本発明の実施形態による位置関連の検査情報を提供する、組み込み型検査システムのブロック図である。組み込み型検査システム300は、画像およびデータ処理システム302に連結された画像取得デバイス、たとえばカメラ309を含み、システム302がカメラ309から画像を受信するようになされている。カメラ309が工作物310上で起こる部品取り付けの画像を収集するとき、1個以上の位置検出デバイス311を介してシステム302に各画像のXおよびY座標が送信される。位置検出デバイス311は、位置に関する電子表示を提供することができる任意の好適なデバイスを含む。ひとつの市販されている位置検出デバイスは、商標名Model GP2YDA02YKのもとに販売され、Sharp社から入手可能である。ミネソタ州プリマスのBanner Engineering社、Omron社、および日本国東中島のKeyence社からもまた類似したデバイスが入手可能である。
【0021】
各PSD311は好ましくは位置情報、たとえば工作物がピックアンドプレース機械内部を移動するときの工作物のXまたはY変位の測定を提供する。ピックアンドプレース機械内部でそれぞれの部品検査が行われるとき、組み込み型検査システム300は位置情報を記録して、個々の部品検査結果と関係づけられるようにする。このように、組み込み型検査システムは、検査された部品の実際の位置とともに個々の部品検査結果を供給することができる。これは、オペレータに工作物の画像を表示し、画像内の検査位置を強調表示するかまたはその他の方法で報知することにより行うことができる。加えて、強調表示または報知は、全体の検査結果をある程度示すよう適応されることができる。たとえば、検査に不合格だった部品が赤い色調で強調表示されてもよく、一方で検査をパスした異なる部品は、その上に緑の色調を有してもよい。そのような場合、オペレータは強調表示された領域を選定して、より特定したまたは完全な部品検査情報を得ることができる。図5は、複数の単一軸位置検出デバイスを図示しているが、複数の軸に関する情報を提供する単一の位置検出デバイスを用いて本発明の実施形態を実践することもできる。
【0022】
図6は、本発明のその他の実施形態による位置関連の検査情報を提供する、組み込み型検査システムのブロック図である。システム400はシステム300と類似しており、同様の部品には同じ番号が付されている。組み込み型検査システム400は、画像およびデータ処理システム302に連結された画像取得デバイス、たとえばカメラ309を含む。システム302はデバイス309から画像を受信する。画像取得デバイス309が工作物310上で起こる部品取り付け画像を収集するとき、1個以上の2次元運動検出カメラ412から画像およびデータ処理システムに各画像の位置情報(たとえばXおよびY座標情報)が送信される。カメラ412に用いられた技術は、運動の表示を提供する市販のおよび/または公知のデバイスを含むことができる。カメラ412として用いるために好適なデバイスの例は、米国特許第6,281,882号、5,644,139号、および5,786,804号に開示されたものを含む。システム400は2次元カメラ412からのXおよびY座標情報を取得し、これにより、工作物310が電子組立機械の内部で移動するとき、工作物310の変位を測定する。それぞれの部品検査が完了すると、システム400は工作物の位置情報を読み取り、位置情報に加えて位置情報と部品検査結果との間の関係を示すデータを格納する。その後、システム400は、工作物上の検査が行われる物理的な位置の表示するとともに、個々の部品検査結果を報告することができる。上述のとおり、デバイス412が現在光学マウスに見られる技術を使用することは好ましい。デバイス412が発光ダイオード、CMOS検出器、およびデバイス412により観察された運動を示すデータを供給するディジタル信号プロセッサ(DSP)を使用することはさらに好ましい。
【0023】
図7は、本発明の実施形態による電子組立機械で組み込み型部品検査を行う方法のフロー図である。方法500を行うことで、機械のセットアップに加え、機械動作を促進することができる。根本的には、部品が検査されたいかなる時点でも、工作物上の部品の位置に関する位置情報を得ることができる。このように、本発明の実施形態は電子組立機械をセットアップすることに加え、部品検査が問題を示しているときの迅速な診断を促進することを支援する。方法500はブロック502から開始し、ここで部品取り付け位置の少なくとも1つの画像が得られる。工作物が実質的に同じ位置に位置付けられる間、ブロック504に示されたように、工作物に関する位置情報が得られる。上述のとおり、たとえば最新の光学マウスにあるような、任意の好適な位置検出デバイスおよび/または画像取得デバイスから位置情報を得ることができる。注目すべきは、工作物が少なくとも1つの部品検査画像が取得されたときと実質的に同じ位置にある場合、位置情報の取得はいつでも行われ得るということである。したがって、いくつかの実施形態では、任意の画像が取得される前に部品取り付け位置の位置情報を得ることが可能となる。さらに、部品取り付け位置の2つ以上の画像が取得された後に、そのような情報を得ることもできる。またさらには、部品取り付けの間、位置情報を複数回取得することができ、平均的な位置情報が計算され得るようになされ、この計算により、位置検出デバイスが電磁ノイズまたは振動の影響を受けやすい環境で、より高度な精度を提供することができる。
【0024】
ブロック506で、位置情報が部品検査情報と関連付けられる。この関連付けは、膨大な数の方法により行うことができる。たとえば、検査情報を格納するデータ構造は、検査に関する位置情報が格納されたアレイ内の位置を示すポインタ、または表示を含むことができる。さらに、検査に不合格だった部品の取り付け後の画像上に位置情報を重畳することができる。
【0025】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者においては、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形状および詳細に変更を行うことが可能であることが認識されよう。たとえば、位置センサは工作物を直接測定する必要はなく、代わりに工作物が固定された任意の装置の変位を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態が実践され得るカーテシアンピックアンドプレース機械の線図である。
【図2】本発明の実施形態が実践され得るタレットピックアンドプレース機械の平面線図である。
【図3】部品取り付け機械の取り付けポイントに並べられた画像取得システムの簡略化された線図である。
【図4】取り付け動作の画像およびデータを表示するために配設された、取り付けられた画像ビューワを有するピックアンドプレース機械の線図である。
【図5】本発明の実施形態により位置関連検査情報を供給する組み込み型検査システムのブロック図である。
【図6】本発明のその他の実施形態により位置関連検査情報を供給する組み込み型検査システムのブロック図である。
【図7】本発明の実施形態による電子組立機械で組み込み型部品検査を行う方法のフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子組立機械内部の検査システムを用いて部品取り付けを検査する方法であって、
取り付け位置における工作物上の部品に関する部品取り付け検査情報を得るために、部品取り付け検査を行うことと、
取り付け位置に関する位置情報を得ることと、
部品取り付け検査情報を位置情報と関連付けることと、
を含む方法。
【請求項2】
位置情報が少なくとも1個の位置検出デバイスから得られる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
位置情報が複数の単一軸位置検出デバイスから得られる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1個の位置検出デバイスが多軸位置検出デバイスである、請求項2記載の方法。
【請求項5】
位置情報が2次元運動検出デバイスから得られる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
2次元運動検出デバイスが発光ダイオード、CMOS検出器、およびディジタル信号プロセッサを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
部品取り付け検査情報と位置情報とがオペレータに向けて表示される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
部品取り付け検査情報が、取り付け情報に対応する位置において特定の色として表示される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
第1の色が合格した部品取り付け検査を示し、第2の色が不合格だった部品取り付け検査を示す、請求項8記載の方法。
【請求項10】
部品取り付け検査を行うことが、部品取り付け前の取り付け位置の少なくとも1つの画像を得ることと、部品取り付け後の取り付け位置の少なくとも1つの画像を得ることと、取り付け前後の画像を対比することとを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
電子組立機械内部の部品取り付け検査システムであって、
工作物上の部品取り付け位置の複数の画像を取得するために配設されたカメラと、
工作物の位置表示を提供するよう構成された位置測定システムと、
カメラおよび位置測定システムに連結された処理システムであって、取得された画像に関するデータを工作物の位置と関連付ける処理システムと、
を含むシステム。
【請求項12】
取得された画像に関するデータが部品取り付け検査情報を含む、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
位置測定システムが少なくとも1個の位置検出デバイスを含む、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
位置測定システムが複数の単一軸位置検出デバイスを含む、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1個の位置検出デバイスが多軸位置検出デバイスである、請求項13記載のシステム。
【請求項16】
位置測定システムが2次元運動検出デバイスを含む、請求項11記載のシステム。
【請求項17】
2次元運動検出デバイスが発光ダイオード、CMOS検出器、およびディジタル信号プロセッサを含む、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの取得された画像と、少なくとも1つの取得された画像に関する工作物の位置をオペレータに提供するためのディスプレイをさらに含む、請求項11記載のシステム。
【請求項19】
電子組立機械内部の部品取り付け検査システムであって、
電子組立機械内部で部品取り付け検査情報を発生させるための手段と、
工作物の位置を測定するための手段と、
取得された画像に関するデータを工作物の位置と関連付けるための手段と、
を含むシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−507699(P2008−507699A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522761(P2007−522761)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/025905
【国際公開番号】WO2006/012435
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500148488)サイバーオプティクス コーポレーション (10)
【Fターム(参考)】