説明

検査分析装置

【課題】基板上の異物の検出・除去にかかる時間を短縮することができる検査分析装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る検査分析装置は、基板上に付着した異物を検出し、当該異物を除去して分析する検査分析装置であって、基板上の異物を検出する検出部22と、検出部22により検出された異物の撮像データを記憶する記憶部12と、撮像データに基づいて、異物をその形態により分類・整理する分類部13と、基板上に付着した異物を捕獲除去する異物捕獲部23と、異物捕獲部23により捕獲された異物を同定する分析部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査分析装置に関し、特に基板上に付着した異物を検出し、当該異物を除去して分析する検査分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示デバイスは、小型、軽量性が要求される用途を中心に幅広く使用されている。液晶表示デバイスは、例えば、画素電極を駆動するためのTFTが形成されたアレイ基板とカラーフィルタ基板とを対向させ、両基板の間に液晶を封入した構成を有している。液晶表示デバイスを構成する基板上に異物が付着した場合、配向不良等の表示欠陥が生じることがある。
【0003】
そこで、従来から基板上の異物を除去する異物除去装置が提案されている。特許文献1、2に記載の異物除去装置は、基板上に付着した異物を接着して除去する接着部材を設けた異物除去手段を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−260464号公報
【特許文献2】特開昭58−182826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の異物除去装置では、異物の種類によっては表示欠陥が生じないものもあるにもかかわらず、検出された異物を全て異物除去手段により除去していた。このため、表示デバイスの製造にかかる時間が長くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を背景としてなされたものであり、本発明は、基板上の異物の検出・除去にかかる時間を短縮することができる検査分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る検査分析装置は、基板上に付着した異物を検出し、当該異物を除去して分析する検査分析装置であって、前記基板上の異物に光を照明して検出する検出部と、前記基板上に検出された異物のアドレスと撮像データを記録する記録部と、前記撮像データに基づいて、異物をその形態により分類・整理する分類部と、前記基板上に付着した前記異物を捕獲除去する捕獲部と、前記捕獲部により捕獲された異物の組成と構造を同定する分析部とを備える。このような構成により、異物を形態により分類し、同定することにより不良の原因となる異物のみを除去することができる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記基板は表示デバイス構成基板であり、前記基板を貼り合わせることにより表示デバイスが製造され、前記表示デバイスを電気的に駆動して、表示異常を検出し、当該表意異常のアドレスを特定する表示異常検出部と、前記表示異常と前記異物のアドレスを比較する比較部とをさらに備える。このような構成により、異物を形態により分類し、同定することにより不良の原因となる異物のみを除去することができ、表示デバイスの製造に係る時間を短縮することが可能となる。また、分析部により同定された異物が表示不良の原因となるか否かを判断することができ、より正確に不良の原因を特定することができる。
【0009】
本発明の第3の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記捕獲部は、棒の先端に高分子材料を設置した捕獲治具を含むものである。これにより、異物が検出された局所領域のみに捕獲治具を接触させて、異物を捕獲することができる。
【0010】
本発明の第4の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記照明する光の波長は400nm以下であることを特徴とする。これにより、捕獲治具の高分子材料が基板上に転写されたとしても、転写された高分子材料を波長400nm以下の紫外光の照射により除去することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板上の異物の検出・除去にかかる時間を短縮することができる検査分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に係る検査分析装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】実施形態1に係る検査分析装置に用いられる捕獲治具の構成を示す図である。
【図3】実施形態2に係る検査分析装置の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例について以下に図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施例を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施例に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものを実質的に同様の内容を示している。
【0014】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る検査分析装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る検査分析装置100の構成を示す図である。図1に示すように、検査分析装置10は、分析部11、記憶部12、分類部13、異物検査除去装置20を備えている。異物検査除去装置20は、ステージ21、検出部22、異物捕獲部23、可動機構24を有する。
【0015】
本実施の形態においては、液晶表示デバイスを構成するガラス基板(以下、基板とする)を被検査物とする。なお、液晶表示デバイスは、画素電極を駆動するためのTFTが形成されたアレイ基板とカラーフィルタ基板とを対向させ、両基板の間に液晶を封入した構成を有している。従って、アレイ基板、及びカラーフィルタ基板が検査対象となる。なお、液晶表示デバイスに限られるものではなく、他の表示デバイス構成基板についても同様に適用可能である。
【0016】
イオン性不純物の原因となる異物が付着した基板を用いて液晶表示デバイスを製造した場合、液晶に電界を印加するに際し、画素電極又は対向電極のいずれかの電圧が高い状態が続くと、液晶中に含まれる微量のイオン性不純物が画素電極側又は対向電極側のいずれか一方に凝集して表示不良が発生するという問題がある。
【0017】
一方、例えば、液晶を配向させる配向膜の配向処理を行う際に使用されるラビング布の繊維は脱脂された繊維であり、表示不良を引き起こす異物とはならない。本発明は、形状により当該異物を分類して、異物の組成、構造等を同定し、検査効率を向上させることにより、液晶表示デバイスの製造に係る時間を短縮するものである。
【0018】
異物検査除去装置20は、基板上の異物を検出し、当該異物を除去する装置である。ステージ21上には、被検査物である基板が載置される。ステージ21の上部及び側部には、可動機構24が設けられている。可動機構24は、ステージ21の上部に配置された上部可動部24a、側部に配置された側部可動部24bを含む。
【0019】
ステージ21の上部に設けられた上部可動部24aには、検出部22が設けられている。検出部22としては、例えば、光源、光学系、光検出器等を備える顕微鏡が用いられる。なお、検出部22は、共焦点光学系を備えるコンフォーカル顕微鏡であることが好ましい。これにより、高い分解能で基板上の異物の3次元形状の検出を行うことが可能である。
【0020】
なお、光源からの光を基板上の異物に照射する照明光学系としては、基板の上方から落射照明光を照射するものを用いることができる。また、基板の下方から透過照明光を照射するものを用いることも可能である。さらに、これらを併用して用いてもよい。光源から出射される光の波長は、400nm以下であることが好ましい。これにより、分解能を向上させることができる。また、後述する捕獲治具25の粘着部25bである高分子材料が、基板上に転写された場合、波長400nm以下の紫外光を照射することにより分解除去することができる。なお、光源は、波長400nm以下の光を単独で出射するものを用いてもよく、他の波長の光を併用したものであってもよい。
【0021】
光源としては水銀ランプを用い、出射光を分光して紫外光を得ることが可能である。或いは、YAGレーザの高調波や、エキシマレーザ等を用いてもよい。光源から出射された光は、光学系により基板に付着した異物に集光される。基板からの反射光又は透過光は、光学系を通って光検出器により検出され、異物の撮像データが得られる。
【0022】
可動機構24には、サーボモータなどのアクチュエータが設けられている。可動機構24を駆動することにより、検出部22はステージ21上に載置された基板上の空間を自在に移動することができる。具体的には、検出部22は、上部可動部24aにより基板上を図1に示すx方向に移動することができ、側部可動部24bによりy方向に移動することができる。これにより、ステージ21上に載置された基板の任意の点を検査することができる。
【0023】
また、可動機構24には、異物捕獲部23が設けられている。異物捕獲部23は、検出部22と同様に、可動機構24によりステージ21上に載置された基板上の空間を自在に移動することができる。異物捕獲部23は、基板上に付着した異物を捕獲除去する。図2に異物捕獲部23の構成例を示す。図2に示すように、異物捕獲部23は、棒25a、粘着部25bを含む捕獲治具25を有する。
【0024】
棒25aの先端には、粘着部25bが設けられている。粘着部25bは、高分子材料からなるものである。特に、粘着部25bは、ポリウレタンであることが好ましい。これにより、異物の捕獲効率を向上させることができる。粘着部25bの先端は、略球面状であることが好ましい。これにより、異物が検出された局所領域のみに捕獲治具を接触させて、異物を捕獲することができる。なお、粘着部25bの形状はこれに限らず、三角錐等であってもよい。
【0025】
基板と棒との角度が20度よりも小さい場合、高分子材料の先端が略球面状であるため、異物を捕獲することが難しくなる。また、この場合、異物を捕獲するための機構が複雑となり、装置が高価になりすぎる。基板と棒との角度が80度よりも大きい場合、異物の除去効率が低下する。このため、異物捕獲部23を用いて異物を除去する際の基板と棒25aとの角度は、20〜80度であることが好ましい。
また、複数の異物を除去する際、異物を捕獲した後、棒25aを軸方向に回転させ、さらに異物を捕獲することができる。これにより、1つの捕獲治具により複数の異物を捕獲することができ、作業効率を向上させることができる。また、異物を捕獲する際、粘着部25bが異物に接触した際に、棒25aを0〜10度の範囲で軸方向に回転させてもよい。これにより、確実に異物を捕獲することが可能である。
【0026】
棒25aを軸方向に回転させて異物を捕獲する際、棒25aの偏芯による接触位置のずれに対して、高分子材料からなる粘着部25bと基板との相対距離を補正することが好ましい。例えば、ステージ21をz方向に駆動して、粘着部25bと基板との距離を近づける又は遠ざけることができる。なお、捕獲治具25を駆動して粘着部25bと基板との距離を変化させるようにしてもよい。これにより、基板と捕獲治具との接触面積を増加させることなく、確実に異物を捕獲することができる。
【0027】
なお、基板と棒25aとの角度を略90度の保持し、粘着部25bの頂点近傍で異物を捕獲することも可能である。これにより、検出された異物との位置合わせが容易となる。また、後述する分析部11により捕獲した異物の同定を行う際、アライメントを行うことが容易となる。上述したように、捕獲治具25の粘着部25bが基板に付着した場合には、波長400nm以下の紫外光を照射することにより分解除去することができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、検出部22、異物捕獲部23を上部可動部24aと側部可動部24bとを含む同一の可動機構24により移動させることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、検出部22、異物捕獲部23に対してそれぞれ別のアームを設けて、ステージ21上を移動できるようにしてもよい。また、ステージ21を移動可能にすることも可能である。
【0029】
分析部11は、異物捕獲部23により捕獲した異物の同定を行う。分析部11としては、赤外分光法により異物の同定を行う赤外線分光顕微鏡を用いることができる。赤外分光法では、測定対象の異物に赤外線を照射し、透過光(あるいは反射光)を分光することでスペクトルを得て、異物の分子構造等を同定することができる。
【0030】
分析部11としては、ラマン散乱分光法により異物の同定を行うものを用いてもよい。単色光であるレーザ光を異物に照射して発生したラマン散乱光を、分光器、もしくは干渉計で検出することでラマンスペクトルを得て、異物の同定を行うことができる。また、分析部11としては、電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)を用いることも可能である。電子線マイクロアナライザは、電子線を異物に照射することにより発生するX線からの波長又はエネルギーから構成元素とその濃度等を
分析する装置である。
【0031】
また、分析部11は、捕獲した異物のデオキシリボ核酸(DNA:Deoxyribonucleic acid)の塩基配列を計測するものであってもよい。さらに、このデオキシリボ核酸の塩基配列の情報に基づき、捕獲した異物を発生している生体を特定することが好ましい。これにより、異物の発生源を特定し、対策を講じることができる。
【0032】
記憶部12は、検出部22で得られた異物の撮像データを記憶する。分類部13は、記憶部12に記憶された撮像データに基づいて、異物をその形態により分類整理する。異物の形態は、例えば、当該異物がラビング布の繊維の場合は線状であり、人間の皮膚である場合は線状以外の形状であるとする。この場合、分類部13は、検出部22により検出された異物を線状か否かにより2つのグループに分けることができる。
【0033】
分類された異物は、分析部11により同定され、液晶表示デバイスの表示不良の原因となるものか否かが判断される。そして、分類された形状ごとに、捕獲除去すべき異物であるか否かが記憶部12に記憶される。例えば、ラビング布の線状の異物に対しては、除去しなくても表示不良を生じないため、基板から除去する必要はない。また、線状以外の異物に対しては、除去しない場合には、表示不良が生じるおそれがあるため、基板から除去する。
【0034】
以降、検出部22により線状の異物が検出された場合には、当該異物を除去しない。また、検出部22により線状以外の異物が検出された場合には、当該異物を異物捕獲部23により捕獲除去する。このように、不良の原因となる異物のみを除去することが可能となる。これにより、基板の検査に係る時間を短縮することができる。
【0035】
捕獲した異物は、当該異物を粘着部25bに付着させた状態で、異物検査除去装置20から分析部11へ搬送される。なお、図1においては、この搬送部の図示を省略している。また、捕獲治具25は、粘着部25bを覆うカバーを有していることが好ましい。異物を捕獲する際にはカバーが開状態となり、捕獲治具25を分析部11まで搬送する際には、カバーが閉状態となる。これにより、捕獲治具にさらに異物が付着することを防止することができ、異物の同定を正確に行うことが可能となる。
【0036】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る検査分析装置について、図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態に係る検査分析装置10'の構成を示す図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、表示異常特定部14を設けた点である。図3において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】
図2に示すように、検査分析装置10'は、分析部11、記憶部12、分類部13、異物検査除去装置20を備える実施の形態2に係る検査分析装置10に、さらに表示異常特定部14を備えている。本実施の形態においては、アレイ基板とカラーフィルタ基板とを対向配置させ、両基板の間に液晶を封入した液晶表示デバイスを検査対象とする。
【0038】
本実施の形態では、記憶部12は、検出部22により検出された異物の基板上の位置をさらに記憶する。表示異常特定部14は、液晶表示デバイスを駆動し点灯検査を行う。これにより、表示異常箇所が特定される。具体的には、液晶表示デバイスの走査線と信号線をそれぞれ駆動することにより、表示異常箇所のアドレスが特定される。
【0039】
また、表示異常特定部14は、記憶部12に記憶された異物のアドレスと、表示異常が発生した箇所のアドレスとを比較する。これにより、分析部11により同定された異物が表示不良の原因となるか否かを判断することができ、より正確に不良の原因を特定することができる。
【0040】
以上説明したように、本発明によれば、異物を形態により分類し、同定することにより不良の原因となる異物のみを除去することができる。また、分析部により同定された異物が表示不良の原因となるか否かを判断することができ、より正確に不良の原因を特定することができる。さらに、上記の検査分析装置を用いた検査方法を表示デバイスの製造工程に組み込むことで、生産性を向上することができる。
【0041】
なお、本発明は、上述したガラス基板に限らず、半導体ウエハ、半導体マスク、液晶デバイス用マスク、金属板、高分子フィルム、セラミック基板等にも適用可能であることは自明である。
【0042】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、請求項1又は2に記載の検査分析装置において、前記検出部は、共焦点光学系を含むものである。これにより、高い分解能で異物の検出を行うことができる。
【0043】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記検出部は、前記基板に落射照明光又は透過照明光の少なくともいずれか一方の照明光を照射する照明光学系を含むものである。
【0044】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記高分子材料は、ポリウレタンであることを特徴とするものである。これにより、異物の捕獲効率を向上させることができる。
【0045】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記高分子材料の先端は、略球面状であることを特徴とするものである。これにより、異物が検出された局所領域のみに捕獲治具を接触させて、異物を捕獲することができる。
【0046】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記捕獲治具を用いて前記異物を除去する際の前記基板と前記棒との角度は、20〜80度であることを特徴とするものである。これにより、異物を効率的に捕獲することが可能となる。
【0047】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記捕獲治具を用いて複数の異物を除去する際、異物を捕獲した後、前記棒を軸方向に回転させ、さらに異物を捕獲することを特徴とするものである。これにより、1つの捕獲治具により複数の異物を捕獲することができ、作業効率を向上させることができる。
【0048】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記棒を軸方向に回転させて異物を捕獲する際、前記棒の偏芯による接触位置のずれに対して、前記高分子材料と前記基板との相対距離を補正することを特徴とするものである。これにより、基板と捕獲治具との接触面積を増加させることなく、確実に異物を捕獲することができる。
【0049】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記異物を捕獲する際、前記高分子材料が前記異物に接触した際に前記棒を0〜10度の範囲で軸方向に回転させることを特徴とするものである。これにより、確実に異物を捕獲することが可能である。
【0050】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記基板と前記棒との角度を略90度の保持し、前記高分子材料の頂点近傍で異物を捕獲することを特徴とするものである。これにより、検出された異物との位置合わせが容易となる。
【0051】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、捕獲した異物を前記高分子材料に付着させた状態で、前記捕獲治具を前記分析部まで搬送する搬送部をさらに備える。
【0052】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記捕獲治具は、前記高分子材料を覆うカバーをさらに有し、異物を捕獲する際、前記カバーが開状態となり、前記捕獲治具を前記分析部まで搬送する際、前記カバーが閉状態となることを特徴とするものである。これにより、捕獲治具にさらに異物が付着することを防止することができ、異物の同定を正確に行うことが可能となる。
【0053】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記分析部は、赤外分光法により前記異物の同定を行うことを特徴とするものである。
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記分析部は、ラマン散乱分光法により前記異物の同定を行うことを特徴とするものである。
【0054】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記分析部は、電子線マイクロアナライザであることを特徴とするものである。
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記分析部は、捕獲した異物のデオキシリボ核酸の塩基配列を計測することを特徴とするものである。
【0055】
本発明の他の態様に係る検査分析装置は、上記の検査分析装置において、前記デオキシリボ核酸の塩基配列の情報に基づき、捕獲した異物を発生している生体を特定することを特徴とするものである。これにより、異物の発生源を特定し、対策を講じることができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 検査分析装置
11 分析部
12 記憶部
13 分類部
14 表示異常特定部
20 異物検査除去装置
21 ステージ
22 検出部
23 異物捕獲部
24 可動機構
24a 上部可動部
24b 側部可動部
25 捕獲治具
25a 棒
25b 粘着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に付着した異物を検出し、当該異物を除去して分析する検査分析装置であって、
前記基板上の異物に光を照明して検出する検出部と、
前記基板上に検出された異物のアドレスと撮像データを記録する記録部と、
前記撮像データに基づいて、異物をその形態により分類・整理する分類部と、
前記基板上に付着した前記異物を捕獲除去する捕獲部と、
前記捕獲部により捕獲された異物の組成と構造を同定する分析部と、
を備える検査分析装置。
【請求項2】
前記基板は表示デバイス構成基板であり、前記基板を貼り合わせることにより表示デバイスが製造され、
前記表示デバイスを電気的に駆動して、表示異常を検出し、当該表示異常のアドレスを特定する表示異常検出部と、
前記表示異常と前記異物のアドレスを比較する比較部と、
をさらに備える検査分析装置。
【請求項3】
前記捕獲部は、棒の先端に高分子材料を設置した捕獲治具を含む請求項1又は2に記載の検査分析装置。
【請求項4】
前記照明する光の波長は400nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−223911(P2010−223911A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74421(P2009−74421)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000115902)レーザーテック株式会社 (184)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】