説明

構造体

【課題】 ダイカスト製箱部材に蓋部材を接合しても構造が簡単で、強度を高めた構造体を提供する。
【解決手段】 少なくとも1つの面が開口72する箱形状のダイカスト製箱部材(前部箱部材)71と、開口72の全面若しくは一部を閉じる金属製蓋部材(底板)73とからなり、箱部材(前部箱部材)71に蓋部材(底板)73を接合した構造体(サブフレーム)11において、箱部材(前部箱部材)71の内に一体に立てるとともに、蓋部材(底板)73に達し、かつ、ダイカスト鋳型137に配置した押出しピン152の押す部位でもある押出しボス部116を備え、押出しボス部116に蓋部材(底板)73を接合した。押出しピンの押す部位と蓋部材(底板)を接合する支柱を兼ねる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカスト製箱部材に蓋部材を接合した構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイカスト製箱部材に蓋部材を接合した構造体として自動車用構造体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−249070公報(第8頁、図7)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図14(a),(b)は、従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。
従来の自動車用構造体は、センターピラー201であり、ダイカスト製のピラー構造部材202とピラー構造部材202の開口面203及び位置決め用突起204に一体的に接合するピラーカバー205とで構成する。ピラーカバー205には位置決め用穴206を開け、位置決め用突起204に嵌める。その結果、複雑形状を容易に製作することができるとともに、確実に位置決めすることができる。
【0004】
しかし、特許文献1の構造体(センターピラー)201では、位置決め用突起204を複数鋳造する必要があり、構造は複雑になる。当然、ダイカストの鋳型も複雑になり、鋳型の製造に手間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ダイカスト製箱部材に蓋部材を接合しても、構造が簡単で、強度を高めた構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、少なくとも1つの面が開口する箱形状のダイカスト製箱部材と、開口の全面若しくは一部を閉じる金属製蓋部材とからなり、箱部材に蓋部材を接合した構造体において、箱部材の内に一体に立てるとともに、蓋部材に達し、かつ、ダイカスト鋳型に配置した押出しピンの押す部位でもある押出しボス部を備え、押出しボス部に蓋部材を接合したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、箱部材は、長尺で、押出しボス部は、箱部材の長手方向に複数配列して成形され、蓋部材に平行な断面が長円で、長手方向に平行に長径部を配置したことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、箱部材を長尺に成形し、箱部材の両端に別の構造体に取付けるための取付け部を成形し、箱部材の外中央に別のものを支持するための支持部を成形し、箱部材の長手方向に押出しボス部を複数配列するとともに、取付け部に近い押出しボス部同士間の間隔に比べ、支持部に近い押出しボス部同士間の間隔を狭くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、箱部材の内に一体に立てるとともに、蓋部材に達し、かつ、ダイカスト鋳型に配置した押出しピンの押す部位でもある押出しボス部を備え、押出しボス部に蓋部材を接合したので、押出しボス部は押出しピンの押す部位と蓋部材を接合する支柱を兼ねることができ、これらの押す部位と支柱を別々に形成するものに比べ、箱部材の構造は簡単になるという利点がある。
【0010】
請求項2に係る発明では、箱部材は、長尺で、押出しボス部は、箱部材の長手方向に複数配列して成形され、蓋部材に平行な断面が長円で、長手方向に平行に長径部を配置したので、長尺な箱部材の曲がりに対して、押出しボス部の剛性および蓋部材との接合強度を高めることができ、結果的に、構造体の剛性および強度を高めることができるという利点がある。
【0011】
請求項3に係る発明では、箱部材を長尺に成形し、箱部材の両端に別の構造体に取付けるための取付け部を成形し、箱部材の外中央に別のものを支持するための支持部を成形し、箱部材の長手方向に押出しボス部を複数配列するとともに、取付け部に近い押出しボス部同士間の間隔に比べ、支持部に近い押出しボス部同士間の間隔を狭くしたので、支持部に加わる別のものからの力に対する強度(断面係数)を支持部に近い押出しボス部によって高めることができ、結果的に、構造体の剛性および強度を高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の構造体の概要を説明する概要説明図である。
構造体11は、例えば、車両12の車体13の下部14に取付けるサブフレームであり、前後に2分割した前部サブフレーム15と、後部サブフレーム16と、からなり、分割接合部17,18で接合したものである。具体的には後述する。
【0013】
車体13は、前部21であるフロントボデー22を備える。
フロントボデー22は、FF用で、左右のフロントサイドメンバ23,23と、フロントサイドメンバ23,23の前端に接合したフロントクロスメンバ24と、フロントサイドメンバ23,23の後端に接合したフロアメンバ25,25と、フロントサイドメンバ23,23に取付けたダンパハウジング26,26と、フロントサイドメンバ23,23の下部及びフロアメンバ25,25に連結した構造体(サブフレーム)11と、を備え、エンジン31(図2参照)や前懸架装置32を支持する。33はエンジン31(図2参照)の前部を載せる前マウント装置、34(図2参照)はエンジン31の後部を載せる後マウント装置、37は前懸架装置32の下部リンクを示す。
【0014】
図2は、本発明の構造体にエンジンを載せた状態を説明する図である。図1を併用して説明する。
構造体(サブフレーム)11は、車体13の下部14に4隅をマウント部材41・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)で取付け、左右に前懸架装置32を支持し、前後にエンジン31を前・後マウント装置33,34を介して支持する。
マウント装置33は、エンジン31の荷重を受けるとともに、エンジン31で発生した振動を吸収して構造体(サブフレーム)11に伝わるのを抑制する。
エンジン31は、例えば、直列4気筒で、横置きしたものである。44は変速機を示す。
【0015】
図3は、本発明の構造体の平面図である。
図4は、本発明の構造体の分解図である。
構造体(サブフレーム)11は、具体的には、前に配置する前部サブフレーム15に後部サブフレーム16を分割接合部17,18で溶接することで、前ビーム部材47、左右ビーム部材51,52、後ビーム部材53とで井桁状とし、前ビーム部材47の両端に前取付け部54,55を形成し、前ビーム部材47の中央に支持部56を形成し、左右ビーム部材51,52にそれぞれ前懸架装置32を連結する連結部57,58を形成し、左右ビーム部材51,52の後端に後取付け部61,62を形成し、後ビーム部材53に操舵装置(図に示していない)を取付ける操舵取付け部63,64を形成した。
支持部56は、前マウント装置33(図2参照)を介してエンジン31(図2参照)を支持するとともに、エンジン31の荷重を前ビーム部材47(前箱本体75)に伝える。
【0016】
次に、2分割状態の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16を主体にして説明する。
前部サブフレーム15は、上方から見てコ字形で、前ビーム部材47の左端に左ビーム分割前部65を形成し、右端に右ビーム分割前部67を形成した。
また、前部サブフレーム15は、箱形状のダイカスト製箱部材であるところの前部箱部材71を鋳造し、前部箱部材71の開口72に金属製蓋部材であるところの底板73を接合したものである。
【0017】
前部箱部材(箱部材)71は、前箱本体75を横断面でU状に成形し、前箱本体75の左端に左前箱本体76を一体にU状に成形し、端に前取付け部54を成形し、前箱本体75の右端に右前箱本体77を一体にU状に成形し、端に前取付け部55を成形し、開口72を構成する開口81〜83を前箱本体75、左右前箱本体76,77に成形し、前の開口81にフランジ部84,84を成形し、左の開口82に左フランジ部85,85を成形し、右の開口83に右フランジ部86,86を成形した。
【0018】
後部サブフレーム16は、上方から見てコ字形で、後ビーム部材53の左端に左ビーム分割後部66を形成し、右端に右ビーム分割後部68を形成した。
また、後部サブフレーム16は、箱形状のダイカスト製箱部材であるところの後部箱部材92を鋳造し、後部箱部材92の開口93の一部に金属製蓋部材であるところの底板73を接合したものである。
【0019】
後部箱部材92は、後箱本体95を横断面でU状に成形し、後箱本体95の左端に左後箱本体96を一体にU状に成形し、後箱本体95の右端に右後箱本体97を一体にU状に成形し、それぞれに開口93を構成する開口101〜103を成形し、左の開口102に左フランジ部104を成形し、右の開口103に右フランジ部105を成形した。
【0020】
蓋部材(底板)73は、前箱本体75の開口81に接合する前底板107と、主に左前箱本体76の開口82及び左後箱本体96の開口102に接合する左底板108と、主に右前箱本体77の開口83及び右後箱本体97の開口103に接合する右底板111と、からなる。
なお、蓋部材(底板)73は、3分割したもであるが、分割数は任意であり、また、分割位置も任意である。
【0021】
図5は、本発明の構造体の斜視図であり、構造体11の底を上にした状態で示す。図3、図4を併用して説明する。
前部サブフレーム15は、より具体的には、前箱本体75のフランジ部84,84に蓋部材(底板)73の前底板107を溶接(点模様で示す)で接合するとともに、前箱本体75内に立てた押出しボス部116(図9参照)に前底板107を溶接(点模様で示す)で接合(溶接部119)した。
また、前箱本体75の残りの左側のフランジ部84,84及び押出しボス部116(図9参照)に左底板108を溶接で接合するとともに、左前箱本体76の左フランジ部85,85に左底板108を溶接(点模様で示す)で接合し、左前箱本体76内に立てた押出しボス部117(図9参照)に左底板108を溶接で接合した。
【0022】
同様に、前箱本体75の残りの右側のフランジ部84,84及び押出しボス部116(図9参照)に右底板111を溶接で接合するとともに、右前箱本体77の右フランジ部86,86に右底板111を溶接(点模様で示す)で接合し、右前箱本体77内に立てた押出しボス部118(図9参照)に右底板111を溶接で接合た。
【0023】
次に、ビーム部材の断面を示す。前ビーム部材47、左ビーム部材51及び左ビーム部材51の分割接合部17を示す。
図6は、図3の6−6線断面図である。
前ビーム部材47は、横断面がU状の前箱本体75の開口81を前底板107で閉じた構造管である。
前箱本体75は、箱形状のダイカスト製箱部材で、開口81と押出しボス部116を有する。
【0024】
前ビーム部材47は、前述したように、フランジ部84,84に蓋部材(底板)73の前底板107を溶接で接合するとともに、押出しボス部116に前底板107を溶接で接合した。119・・・は押出しボス部116との溶接部、121・・・はフランジ部84との溶接部を模式的に示す。
溶接部119,121を施す溶接方法は任意であり、例えば、FSW装置122を用いて施工する。また、フランジ部84,84を溶接ロボット(スポット溶接機)で溶接してもよい。FSWは、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding)である。
【0025】
図7は、図3の7−7線断面図である。
左ビーム部材51の左ビーム分割前部65は、左右方向の横断面がU状の左前箱本体76の開口82を左底板108で閉じた構造管である。
左前箱本体76は、箱形状のダイカスト製箱部材で、開口82と押出しボス部117を有する。
左ビーム部材51は、前述したように、左フランジ部85,85並びに押出しボス部117(図9も参照)に左底板108を溶接で接合した。123・・・は溶接部を模式的に示す。
溶接部123を施す溶接方法は任意であり、例えば、FSW装置122を用いて施工する。また、フランジ部85,85を溶接ロボット(スポット溶接機)で溶接してもよい。
【0026】
右ビーム部材52(図3参照)は、左ビーム部材51とほぼ同様である。
右ビーム分割前部67(図3参照)は、左ビーム分割前部65とほぼ同様である。
【0027】
図8は、図3の8−8線断面図である。
分割接合部17は、前部箱部材71の左前箱本体76に形成した開先部124(図4参照)と、後部箱部材92の左後箱本体96に形成した開先部125(図4参照)と、開先部125に開先部124を重ね、開先部124,125にすみ肉溶接を施すことで形成した溶接部126(図3参照)とからなる。
分割接合部18(図3参照)は、分割接合部17とほぼ同様である。
【0028】
図9は、本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材の下面図であり、ダイカスト製の前部箱部材71内を示す。
図10は、図9の10−10線断面図である。図5を併用して説明する。
ダイカスト製の箱部材(前部箱部材)71は、前箱本体75を備え、前箱本体(箱部材)75は、内面127に前箱本体75の長手方向(矢印a2の方向)に配列して立てた押出しボス部116を複数(第1〜第6押出しボス部131〜136)備える。
【0029】
押出しボス部116は、先端に蓋部材(底板)73の前底板107、左底板108、右底板111を取付ける支柱であり、かつ、ダイカスト鋳型137(図11参照)から離型させる際に押す座を兼ねる。
具体的には、中央の第3・第4押出しボス部133,134を前箱本体75の長手方向の中心部138からピッチP/2で成形し、第2・第5押出しボス部132,135をピッチPで成形し、第1・第6押出しボス部131,136をピッチP1で成形するとともに、両端の前取付け部54,55から距離P2で成形した。第3押出しボス部133と第4押出しボス部134のピッチはPである。
【0030】
ピッチPは、P>P1>P2で、ピッチP1より狭く、前取付け部54に近い第1・第2押出しボス部131.132同士間の間隔(ピッチ)P1、前取付け部55に近い第5・第6押出しボス部135.136同士間の間隔(ピッチ)P1に比べ、支持部56に近い第2〜第5押出しボス部132,133,134,135同士間の間隔(ピッチ)Pを狭くした。
【0031】
押出しボス部116は、より具体的には、先端を、蓋部材(底板)73に所定の面積だけ当接する開先とし、かつ、押出しピン152(図11参照)の力を受ける受圧面とし、ほぼ水平断面が長円で、長円の長径をDwとし、短径をDfとし、長径Dwで成形した部位を長径部141とし、長径部141を箱部材(前箱本体)75の長手方向(矢印a2の方向)に平行に配置した。
【0032】
次に、本発明の構造体11が備えるダイカスト製の前部箱部材71を鋳造する際に用いるダイカスト鋳型について簡単に説明する。
図11は、本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材を得る鋳型の一例を説明する第1模式図である。
【0033】
ダイカスト鋳型137は、可動型143と、固定型144と、固定型144に取付けた押出し装置145と、を備え、可動型143に型面146を彫り込み、固定型144に型面147を彫り込み、型閉することでキャビティ148を形成する。
なお、鋳造の具体的な設定は任意である。
【0034】
押出し装置145は、型面147に開けた孔151・・・にスライド自在(矢印a3の方向)に嵌めた押出しピン152・・・と、押出しピン152に接続したシリンダ153を備え、押出しピン152・・・をピッチP,P1,P2で配置し、第1〜第6押出しボス部131〜136と同様に長円で、長径をDw、短径をDf(図9参照)で形成した。
【0035】
ダイカスト鋳型137を閉じ、キャビティ148にダイカスト機で射出されたアルミニウム合金が充填され、図11のように凝固した後、可動型143を型開方向(矢印a4の方向)へスライドさせることで型開きする。
【0036】
図12は、本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材を得る鋳型の一例を説明する第2模式図である。
可動型143を型開方向(矢印a4の方向)へスライドさせると、型開の情報に基づいて押出し装置145が作動を開始する。
【0037】
図13は、本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材を得る鋳型の一例を説明する第3模式図である。
押出し装置145のシリンダ153が作動すると、押出しピン152・・・が押出しボス部116(第1〜第6押出しボス部131〜136)を矢印a5・・・のように押して、前部箱部材71を離型する。
【0038】
このように、構造体11では、少なくとも1つの面が開口72する箱形状のダイカスト製箱部材(前部箱部材)71と、開口72の全面若しくは一部を閉じる金属製蓋部材(底板)73とからなり、箱部材(前部箱部材)71に蓋部材(底板)73を接合した構造体(サブフレーム)11において、箱部材(前部箱部材)71の内に一体に立てるとともに、蓋部材(底板)73に達し、かつ、ダイカスト鋳型137に配置した押出しピン152・・・の押す部位でもある押出しボス部116を備え、押出しボス部116に蓋部材(底板)73を接合したので、押出しボス部116は押出しピン152・・・の押す部位と蓋部材(底板)73を接合する支柱を兼ねることができ、これらの押す部位と支柱を別々に形成するものに比べ、箱部材(前部箱部材)71の構造は簡単になる。
【0039】
図6、図9に示すように、構造体11では、箱部材(前箱本体)75は、長尺で、押出しボス部116は、箱部材(前箱本体)75の長手方向(矢印a2の方向)に複数(第1〜第6押出しボス部131〜136)配列して成形され、蓋部材(底板)73に平行な断面が長円で、長手方向に平行に長径部141を配置したので、押出しボス部116によって強度(断面係数)が高まり、さらに、長手方向に平行に長径部141を配置することによって、押出しボス部116の強度(断面係数)を高めることができ、かつ、押出しボス部116と蓋部材(底板)73との接合強度を高めることができる。従って、構造体11の剛性および強度を高めることができる。
【0040】
図6、図9に示すように、構造体11では、箱部材(前箱本体)75を長尺に成形し、箱部材(前箱本体)75の両端に別の構造体(フロントサイドメンバ)23,23に取付けるための取付け部(前取付け部)54,55を成形し、箱部材(前箱本体)75の外中央に別のもの(エンジン)31(図2参照)を支持するための支持部56を成形し、箱部材(前箱本体)75の長手方向(矢印a2の方向)に押出しボス部116を複数(第1〜第6押出しボス部131〜136)配列するとともに、取付け部(前取付け部)54に近い押出しボス部131.132同士間の間隔(ピッチ)P1、取付け部(前取付け部)55に近い押出しボス部135.136同士間の間隔(ピッチ)P1に比べ、支持部56に近い押出しボス部132,133,134,135同士間の間隔(ピッチ)Pを狭くしたので、押出しボス部116によって強度(断面係数)が高まり、構造体11の剛性および強度を高めることができる。
【0041】
尚、本発明の構造体は、実施の形態では車両12の車体13の下部14に取付けるサブフレームに適用したが、サブフレーム以外にも適用可能であり、一般の構造体に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の構造体は、四輪車のサブフレームに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の構造体の概要を説明する概要説明図
【図2】本発明の構造体にエンジンを載せた状態を説明する図
【図3】本発明の構造体の平面図
【図4】本発明の構造体の分解図
【図5】本発明の構造体の斜視図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】図3の7−7線断面図
【図8】図3の8−8線断面図
【図9】本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材の下面図
【図10】図9の10−10線断面図
【図11】本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材を得る鋳型の一例を説明する第1模式図
【図12】本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材を得る鋳型の一例を説明する第2模式図
【図13】本発明の構造体が備えるダイカスト製箱部材を得る鋳型の一例を説明する第3模式図
【図14】従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0044】
11…構造体(サブフレーム)、23…別の構造体(フロントサイドメンバ)、31…別のもの(エンジン)、54,55…取付け部(前取付け部)、56…支持部、71…箱部材(前部箱部材)、72…開口、73…蓋部材(底板)、75…箱部材(前箱本体)、116…押出しボス部、137…ダイカスト鋳型、141…長径部、152…押出しピン、P…支持部に近い押出しボス部同士間の間隔(ピッチ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの面が開口する箱形状のダイカスト製箱部材と、前記開口の全面若しくは一部を閉じる金属製蓋部材とからなり、箱部材に蓋部材を接合した構造体において、
前記箱部材の内に一体に立てるとともに、前記蓋部材に達し、かつ、ダイカスト鋳型に配置した押出しピンの押す部位でもある押出しボス部を備え、押出しボス部に蓋部材を接合したことを特徴とする構造体。
【請求項2】
前記箱部材は、長尺で、前記押出しボス部は、箱部材の長手方向に複数配列して成形され、蓋部材に平行な断面が長円で、前記長手方向に平行に長径部を配置したことを特徴とする請求項1記載の構造体。
【請求項3】
前記箱部材を長尺に成形し、箱部材の両端に別の構造体に取付けるための取付け部を成形し、箱部材の外中央に別のものを支持するための支持部を成形し、箱部材の長手方向に押出しボス部を複数配列するとともに、前記取付け部に近い押出しボス部同士間の間隔に比べ、前記支持部に近い押出しボス部同士間の間隔を狭くしたことを特徴とする請求項1記載の構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−347348(P2006−347348A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175694(P2005−175694)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】