説明

構造材とその接合構造物

【課題】土木、建築の分野の構造物は地形、規模、用途により同じ構造物が無くプレキャスト化が困難であり、もし可能であっても運搬、組立に費用がかさみ工事費の増大となった。本発明は上記構造物を構成する柱、梁を中空としその内面に必要に応じて凹凸を設け、更に該構造物を構成する組立板を係止手段により係止して硬化性充填材を充填して接合構造物にしたことにより接合が強固になり外力に充分対応でき、更に構造材と組立板が分解できるので色々な形状と寸法の材料を作れるので地形にあった経済的で、且つ多様な構造物を提供出来る。
【解決手段】 底版より立設した鉄筋の補強材6に、擁壁の柱構造材1を該構造材の中空部11の開口より嵌入し、該構造材の係止連結凹凸部13の連結部に構造材側係止材を連結した後、該係止材に組立板2の組立板側係止材を係止手段により係止して骨組構造として、該中空部に硬化性充填材を充填したことを特徴とする接合構造物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の柱や梁等を構成する中空の構造材と組立板(土留板、壁板、床板)との係止接合の係止手段よりなる接合構造物で、該構造物を構成する柱、梁が該組立板を係止接合するのに適した形状と充填材との一体性を成していることを特徴とする柱、梁の構造材に係わり、主として道路擁壁、河川護岸、水路構造物、ボックスカルバート、道路構造物、人孔、水槽、地下構造物、橋梁、港湾等の構造物とこれら構造物を作るための山留工等を含めた土木構造物の他に、車庫、地下、地上の建築構造物と塀等の建物周りの工作物及びこれら構造物を作るための仮設構造物等を含む建築構造物の用途として使用される技術分野である。
【背景技術】
【0002】
昨今の建設業界は建設の合理化、スピード化に伴い製品のプレキャスト化が叫ばれ、これに伴い土木構造物のプレキャスト製品が大型化したために運送費と据付用クレーンが大きくなり,工事費の増大と工事場所の限定等の問題が新たに生じた。例えば、擁壁に於いては、底版、竪壁,及び控壁の一体化により施工の合理化は計られたが擁壁の重量が重くなり工事費がかかることになる。
又地下構造物は静定構造物が多く、更に山留工事が本体工事と別々に行われたりするので工事費の増大と工期の延期につながっている。又橋梁,建築構造物等に於いても梁,柱と床板,壁板との接合力低下から構造物の剛性が弱くなり、強度と雨止舞等が悪くなるなどの問題も多く発生している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記土木,建築の分野に於ける構造物で、該構造物は施工場所の地形と構造物の用途、目的等の様々な要因によってその構造物の形状が常に変化し、更に構造物の規模によっても部材の寸法が異なるので構造物のプレキャスト化は困難であった。又プレキャスト化してもプレキャスト材の大型化となって運搬と据付による工事費の増大となり、更にこれらに適した現場に限定される等の問題も生じている。昨今熟練工の高齢化と不足により良質な構造物が建造出来なくなって新たな問題も発生している。
これらを解決するための一つの手段としては構造部材の工場製品化即ちプレキャスト化が必要であると考える。しかし、これらの構造物を分解すると柱,梁の構造材と土留材、壁材、及び床材の組立板に必要に応じて設ける基礎底版により構成されている。
この別々のプレキャスト材料を現場に運搬して、この材料を組立て係止し接合,連結して所定の合成と剛性が得られ、構造的に安全性が保持できれば据付用クレーン車も小型化し、どのような現場にも対応できるので工事費は安価となる。
又上記分解された構造材と土留材、床材、壁材等であればプレキャスト製造型枠も安価である。
【0004】
課題の解決の技術的思想は柱、梁等を構成する構造材と壁等を構成する板状体の組立板とを別別に工場で作り運送して現場にて該材料を取り付け係止接合することにより構造物を構築しようとするものである。
上記構造材と組立板との係止手段による接合構造物は自重、土圧、水圧力及び地震力等より充分に耐えられるものであり、更に、両者を容易に取付けることができ,且つ上記係止手段と充填材による接合構造物は,様々な地形、構造物の用途、規模による安全性等に対応できることを可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、構造物を構成する柱や梁の内面の一部又は全部が所定の形状の中空部を有した構造材であって、該構造材中空内面の側壁又は開口部付近のいずれか又は双方に竪凹凸部及び/又は横凹凸部を設け、必要に応じて補強材を該側壁及び/又は開口部に設けたことを特徴とする構造材、
或いは構造物を構成する柱や梁の内面の一部又は全部が中空部を有した構造材であって、組立板の係止材と係止手段を介して係止可能とする係止材を構造材に有していることを特徴とする構造材でもある。
又、前記構造材を構成する側壁の一辺又は、二辺以上が該中空部と連通する充填連通孔を有し、該充填連通孔を構成する充填連通材及び/又は充填連通孔が前記係止材又は補強材としての役割をなしていること特徴とする構造材でもある。
【0006】
そして、前記構造材の側面の一辺又は二辺に所定の形状の組立板を、固定状に一体的に取り付けたことを特徴とする構造材あり、
更に、構造材を構成する側壁の一辺又は二辺以上が構造材の一部又は全長に渡って切断された開口部を有した溝型又はL型等の形状を成していることを特徴とする構造材でもある。
又、構造材の開口部又は中空部の内面に竪凹凸部及び/又は横凹凸部並びに螺旋状の凹凸部を有したことを特徴とする構造材であったり、
或いは、構造材に充填孔及び/又は排気路と排気孔のいずれか或いは双方を設けたことを特徴とする構造材でもある。
【0007】
そして、構造材の中空部に1又は2以上の組立板側充填部を有していることを特徴とする構造材で、構造材に設けた充填連通孔及び/又は構造材の一部或いは全部に設けた開口部又は中空内面とに設けた竪凹凸部又は横凹凸部のいずれか又は双方の前記構造材の開口部を利用して一部又は全部に箱型構造材を製作する場合、当該開口部個所の中空部内面に板状、又は立体状の埋殺し型枠、或いは機械的に抜き取りする抜取型枠の型枠手段をおこなった後、該型枠個所に硬化性充填材を打設して硬化後、型枠手段の処理を行ったことを特徴とする構造材である。
又、アンカー材及び/又は適宜の形状と材質から成る組立板を設置可能とすることを特徴とする構造材でもある。
【0008】
そして、垂直に、又は斜めに、或いは水平方向等に架設された前記構造材の中間部及び/又は端部に隣接する前記構造材の端部又は側壁を当接して骨組構造物を架設するとき、該当接部に仕口形成手段を可能とする仕口材が別体で及び/又は一体的に設置されたことを特徴とする構造材である。
更に、構造材側充填部に工場又は現場にて充填材を打設したことを特徴とする構造材であり、或いは構造材の躯体及び/又は充填部に補強材又は組立板と接合する接着手段のいずれか又は双方を設けたことを特徴とする構造材でもある。
【0009】
本発明は更に、垂直に、又は斜めに、或いは水平方向等に地盤又は底版より立設した、或いは独立して前記構造材を1又は2以上を組み合わせて架設してなる構造材の中間部及び/又は端部に、隣接する前記構造材の端部及び/又は側壁に仕口形成手段により連接され、架設された1層又は2層以上から成る骨組構造物の構造材に、適宜の形状と材料からなる組立板を所定の個所に1又は2以上係止手段により係止したことを特徴とする接合構造物を提供する。
そして、構造材又は該構造材の上端面に1又は2以上の同断面又は別断面の構造材を戴置した骨組構造物又はこれに天端構造材を設置して骨組構造物として直擁壁又はもたれ擁壁等の土留(止)構造物としたことを特徴とする接合構造物で、
更に、前記に横梁構造材及び/又は控構造材に必要に応じて底板根固工を設けたことを特徴とする接合構造物であり、
そして、立設する前記構造材に組立板を正順工法又は逆巻工法により架設して地上又は地下構造物としたことを特徴とする接合構造物である。
【0010】
或いは、立設する前記構造材又は該構造材の上端面に同断面又は別断面の構造材を戴置したいずれかの骨組構造物に水平又は傾斜の1又は2以上の組み合わせからなる前記構造材を戴置して1層又は2層以上からなる地上又は地下構造物及び/又は建築構造物としたことを特徴とする接合構造物ある。
又、立設する前記構造材又は該構造材の上端面に同断面又は別断面の構造材を戴置したいずれかの骨組構造物に水平又は傾斜の1又は2以上の組み合わせからなる前記構造材を戴置して橋梁又は地上或いは地下土木構造物としたことを特徴とする接合構造物でもある。
そして、立設する前記構造材、又は水平及び傾斜のいずれか又は双方の前記構造材を2以上組み合わせてなる構造材の交差部に仕口材形成手段及び/又は部分充填仕口形成手段等の仕口形成手段をもちいたことを特徴とする接合構造物である。
又垂直に、又は斜めに、或いは水平方向等に、地盤又は底版より立設した、或いは独立した、前記構造材を1又は2以上を組み合わせて架設してなる構造材の中間部及び/又は端部に、隣接する前記構造材の端部及び/又は側壁を直接又は仕口形成手段を介して連接して、架設された1層又は2層以上から成る構造材を骨組構造物としたことを特徴とする接合構造物である。
更に、前記構造材の1又は2以上に補強材及び/又は充填材を打設したことを特徴とする接合構造物でもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明は建造物の使用用途、目的に応じてコンクリート又は前記建築材料より適宜選定された中空部を内面に有する構造材及び中実体の構造材を使用用途により、必要に応じて各々組み合わせて柱、梁の面内、面外骨組構造物とし、該構造材の中空部の内面に必要に応じて凹凸部を形成しているので、構造材相互、及び仕口材と構造材との仕口形成手段による係止が容易で且つ硬化性充填材により強固に接合固定されるので剛性の高い骨組構造物が構築可能となった。
組立板は擁壁、緑化擁壁、地下構造物等構造物の用途により係止手段又は逆巻工法等の組積手段と前記構造材を適宜選定して別々の材料を係止し硬化性充填材により強固に構築できるので地形、構造物の規模、用途、目的等に応じた構造物が構築可能となった。
更に現場での作業が簡単で単純なため技術を有しない労働者でも容易に施工することが可能で、構造材と組立板がその目的と運搬車両により適宜分割できるので運送と組立重機の軽量化となり建設コストの低減につながった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の中空部又は内面に凹凸部を有する中空部を形成した構造材とこの構造材と組立板とによって形成されたその接合構造物の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の構造物を構成する部材の取付分解斜視図を示し、該構造物は基礎砕石F1と基礎均しコンクリートF2からなる基礎Fの上に設置された底版3、3aには縦鉄筋と横鉄筋からなる鉄筋の補強材6が配設され,該底版より所定の定着をなして立設した主筋61、61aの周辺の底版3、3aにシャキーKが必要に応じて設けてある。
該シャキーは前記構造材の中空部に打設される充填材Jとの付着を良くするために設けるものである。次ぎの施工順序は、所定の長さを有する溝型の構造材1、1aの中空部11aをクレーン等で移動させながら必要に応じて設けた横組立筋621aを有する前記補強材6、61aに嵌入し,所定の位置に嵌着する。
尚該構造材の規格長さ又は規格長さが足りない時は規格品と所定の長さの構造材を戴置して該構造材に設けられた連接孔R1に連接板R2を設置して連接ボルトR3を挿入し連接ナットR4で締め付けて連接板R2を固定して該構造材相互を連接することもあるが、他の方法として構造材の当接面R5同士を接着材で接着したり、構造材の端面に設置された鉄板同士を溶接することも可能である。
その後,段部Dと係止材を有する組立板2、2aを適宜の方法で構造材の係止材に取付け係止した後に充填材Jを前記中空部11、11aに充填すると充填材は硬化して構造材と組立板との係止材は強固に接合され、即ち係止手段により構造材と組立材は強固に一体化され前記地震等の外力に対しても安全性を確保できる。
【0014】
前記構造材1、1a、組立板2,2a、底版3,3a及び補強材6,6a等の材料はコンクリート、モルタル、鉄筋、鉄等が好まれるが、これに限定するもので無く他の建築材料で構造的に安全で、経済的、美観的、施工性、及び構造物の目的に合えば適宜選定し、採用することも可能である。
他の建築材料として、木材,樹脂,竹,非鉄金属,ガラス,レンガ,陶器,ゴム,石等の他に,炭素繊維、アラミド繊維、ガラス、鋼纎維等の無機,有機質繊維又はポリマー等の液体又は粉末の材料などを直接に又は前記建築材料に混ぜて使用することも可能である。
例えば、底版3aに石を使用した場合は所定の位置に孔をあけ、補強材の鉄筋又は炭素繊維棒等を前記孔に挿入し、接着材等で前記鉄筋と同等に強固に固定して立設した後、樹脂の中空構造材を前記補強材に嵌入し、木材又はFRPにタイルを張った組立板を前記構造材に取付けた後、前記中空部に樹脂の充填材を充填する。
【0015】
次に前記図1に説明した構造材1,1aについて更に詳しく説明する。
図2は前記構造材の説明図で、図2(a)は図2(c)の1−1上面断面図、図2(b)は図2(a)の2−2前面図、図2(c)は図2(a)の側面図である。
図1,2に於いて,本発明の構造材1aは組立板2a側に開いた開口を有するU型又は溝型で構造材側中空部112aと組立板側中空部111aからなる中空部11aを有しており、該中空部11a側に台形状の竪凹凸部121,121aの凹凸部12aが構造材の竪方向の両側に設けてある。
これは該中空部11aに打設される充填材が前記組立板に作用する土圧の作用による引抜力に対する支圧と,付着抵抗力を増すためで必要に応じて設けるものである。該構造材1aの躯体又は側壁の内部には竪方向に主筋61aと横方向にスタラップ62aの補強材が配設されたり、ひび割れ又は構造筋の補助材として竪方向に竪組立筋611aと横組立筋621aの補強材を使用したり、別々に前記構造材の躯体又は中空部とに組み合わせて主筋としたり、補助材,組立筋又はひび割れ筋であったり適宜選別して使用する事もある。
【0016】
本例では主筋の補強材61aが中空部に配筋され該主筋がバラケ無いように1又は2以上の横組立筋621aが必要に応じて設けてある。構造材1aにはスタラップ筋62aが配筋され竪方向に竪組立筋611aを設けている。
他の例として中空部11に構造用補強筋61,62を設けたときは構造材躯体の補強材611aと621aは組立筋又はひびわれ筋とすることもあるが構造筋であってもよい。構造材1aの開口側に台形状の係止連結凹凸部13,13aが前記凹凸部12aに複数個開いた形状で配設され、該連結凹凸部13aの中央付近にスタラップ62aが延長突出して構造材側連結部63,63aを形成している。尚該係止連結凹凸部13aの形状は取付可能であれば適宜の形状でよい。
又、隣接する構造材1a‘の所定の付近に前記連接孔R1が複数個索設されている。
【0017】
前記構造材側連結部と後述する組立板2aを取り付け係止するための係止材52aの取り付け方法を図3にて説明する。図3(a)は構造材側連結部と係止材側連結部の係止分解断面図で、図3(b)は図3(a)の係止側断面図、図3(c)は図3(a)の係止平面図である。
図3(a)において、前記した補強材のスタラップ62aの突出部の構造材側連結部63aはネジ又はネジ鉄筋を使用しており、該連結部63aと係止連結凹凸部13aに嵌着可能なように鉄筋の係止材52aの端部をフック状におりまげて係止材側連結部53aを形成している。尚該係止材52aと該連結部53aは構造材1aのスタラップ62aを兼ねている。次に、該連結部63aに該連結部53aを嵌入し螺着するために必要に応じて設けるワッシャB2とナットB1を用意する。
図3(b)に示すように、前記連結部同士53aに63aを嵌入後ワッシャB2を挿入しナットB1にて締め付ける。 即ち前記連結部同士の係止手段により構造材側係止材52aと構造材1aのスタラップ62aは強固に固定され外力に抗することが出来る。この係止状態を図3(c)に示す。
【0018】
次に前記した施工手順は、底版より立設した主筋61aに構造材1aを挿着し連接手段にて構造材を立設した後、下方より上方に向かって突出した構造材側連結部63aに係止材52aの係止材側連結部53aを係止手段により取り付けた後、組立板2aより立設した組立材側係止材51,51aを前記構造材側係止材52aに係止する方法即ち係止手段を図4に開示する。
図4(a)は構造材と組立板を係止する為の係止説明斜視図で、図4(b)はその係止状況の説明断面図。図において、土留板,壁材の組立板の所定の位置に1ヶ所又は2ヶ所以上に組立板側係止材51、51aを配設する。該係止材51aの一端は折れ曲がった状態で所定の深さ組立板に埋設されているので外力に対して抜けることが無い。
又該係止材51aの他方端は前記係止材52aに係止可能な形状で組立板の裏面より突出しており、その端部も該係止材52aに係止しやすく、さらに引き抜かれない様に適宜の形状で折れ曲がっている。
【0019】
次の施工は組立板を下段より順順に組積する正順な組積方法の例で、前記方法にて設置された係止材52a間に前記組立板を持ち上げ前記係止板51aの折曲部511aを構造材側中空部112aに、いっぱいに挿入して組立板2aを押し下げ該折曲部511aが係止材52aに係止した状態を確認しながら隣接する下段組立板2a“の段部D又は端面同士を当接する。
尚隣接する組立板2a‘と組立板2aとの間に適宜の係止隙間54、54aを設けておくと前記係止材51aと係止材52aとの係止状態を確認した後組立板2aを左側にずらしながら横方向の段部D又は端面を該隣接組立板2a’の段部,又は端面に当接し設置すると確実な施工ができる。
【0020】
図5は前記図1〜4に開示した本発明の擁壁完成図で,図5(a)は擁壁完成背面斜視図を示し,図5(b)は擁壁完成正面斜視図を示す。
図4の要領で組立板を組積後、構造材1aの中空部11aの中に直接,又はトレミー管等を介してコンクリート、モルタル及び前記建築材料より選定された硬化性充填材を適宜選定して充填し硬化すると前記連結部53aと63aは強固に結合されるので構造材と組立材は必然的に一体的に結合され、外力に対して強固に抵抗する擁壁の接合構造物が形成される。
その後、擁壁の背面,前面を設計に従い埋め戻し等行い完成する。尚底版の前趾底版31、31aはゼロであっても良い。又擁壁の高さによっては構造材と組立板と底版との剛性を高めるために該部材間に硬化性充填材又は前記組立材及び前記建築材料より選定した型材を該部材に固定状に連結した根固工33、33aを用いると土圧,地震等に対して効力を増す。
尚構造材の連接部を無くしたり、さらに組立板の裏面等を美観的に仕上げると擁壁の裏面A2を表面A1にすることも可能で前記組立板の底版根固工33aの裏に植栽土を入れると樹木が植えられ緑化擁壁としての役割りをなす。
【実施例2】
【0021】
図1〜図5において実施例の一例を開示したが本発明はこれに限定するものでなく組立板と構造材との他の係止手段の例について様々な実施例を次に開示する。 図6は別の係止手段を説明するための実施例で図6(a)は別の組立板の背面斜視図、図6(b)は同図の係止手段による係止状態断面図。
組立板側係止材51bの一端は前記同様に組立板2bの補強材6,6bの水平鉄筋62bに組立板側折曲部512bを架けて定着しているが、定着強度が確保できれば直線躯体に定着しても他の公知の方法でもよい。
該係止材51bの他端は該組立板の裏面より係止手段可能に突出しており、構造材側係止材52bに係止可能な位置で構造材側折曲部511bを形成し、その折曲部はその幅の中央付近より切断されて一辺が上方を向いているがこれに限定するもので無く適宜の方向であってもよい。
【0022】
各辺に適宜の形状の係止孔55bが必要に応じて設けられているがこれは係止材51b自身ではアンカー力が足りないとき適宜の形状の係止材即ち、係止アンカー体57bを追加できるので便利でナット等の前記接合を含む接着手段B(以下同じ)で前記折曲部511bに固着すると付着力が一層増す。
更にその腹部にクサビ又はボルト56bを挿入する為の係止孔55bを設けていると係止手段によって係止材51b、52bを係止した後、締付手段によってクサビ又はボルト56bを係止孔55bに挿入し締め付けると係止材相互の緊結が増す。
又組立板2bと前記充填材との付着力を増す為に適宜の形状の係止付着材58bを前記係止材の要領で取付けることも可能である。
【実施例3】
【0023】
別の係止材及び係止手段を図7に開示する。図7(a)は別の組立板と構造材との係止状態上断面図で上半分A2と下半分A1は別別の工法を示す、図7(b)は図7(a)のA3−A3側断面図を示す。
本例ではU型の係止材51c2の折曲部51c21を組立板の中に埋設してアンカーとし、組立板より突出した二枚の矩形板51c22の先端付近に前記同様の係止材52cを挿通する係止材側係止材挿入孔59と構造材側係止材挿入孔14c1にボルト等の係止材52cを挿通しナットB1で締め付ける(図なし)。
【0024】
この方法は組立板の高さが比較的低く上面より手の届く場合に使用可能であるが手の届かない場合は図7(c)の構造材側係止材使用前の断面図と、図7(d)の使用後の断面図に示す係止材52c2を構造材側面より使用するとよい。
これは公知の材料で係止材側係止材挿入孔59cと構造材側係止材挿入孔14c1に該係止材52c2を挿通した後ネジ頭52c22を回すと固定具52c23は上昇し管体52c24を押し曲げ締付体52c25のように団子状になり係止材51c、51c2と構造材1c、1c2は強固に締め付けら係止される。
又図7(a)の上半分に示すように前記係止材はアングル材でもよくアングル材の係止材51c1の他辺をボルト又は接着材等の接着手段Bで組立材に固定した後、アングル材の他方辺は前記と同様の方法で係止材52c1を構造材に固定する。
【実施例4】
【0025】
別の係止手段を図8に示す。図8(a)は別の構造材側の係止材の説明斜視図で、図8(b)は同図の組立板側の係止材の設置状況斜視図である。
図に於いて、構造材の開口側の係止連結凹凸部13dはL型をしており、前記スタラップ62dの突出部の構造材側連結部63dは工場又は現場で折り曲げられ、その先端は必要に応じてフック状63d1になっている。
この様な構造体を前記同様に適宜の高さに組積後,棒状体の構造材側係止材52dの両端をフックにして係止材側連結部53dを形成しているが付着可能であれば他の形状でよく、該連結部53dを省略してもよい。
構造材側係止材52dと構造材側連結部63dは前記接着手段の番線結束、溶接及び接着等の係止手段によって取り付けられる。又該係止材の形状は適宜でよい。
【0026】
又は構造材の組立板側に組立板2dに連接するための連接孔R1を設けL型の連接板R2の連接孔R1同士を前記同様にボルトR3等で連接することも可能である。
次に組立板2dの鉄筋の組立板側係止材51dの先端をフック状又はL型等の適宜の形状の構造材側折曲部511dを前記係止材52dに係止するか、しない場合いは前記連接板R2の他方端の連接孔R1を介してボルトR3等の連接手段で組立板2dに取り付け充填材を打設しても組立板は充填材圧力に抗することができる。
【実施例5】
【0027】
前記に開示した係止手段は組立板側係止材の先端が係止フック形状をなしていたが本発明はこれに限定するもので無く、その逆も可能である。その方法を図9に示す。
図9は別の組立板と構造材との係止状況を説明する係止説明斜視図である。
組立板2eの背面の所定の位置に突出部したコ型で中空の組立板側係止材51、51eを有しており、該係止材51eの他端は前記同様の方法で組立板に固定状にアンカーされている。
【0028】
他方、構造材1eの壁側に固定状に取り付いた構造材側係止材52e1の所定の位置に、構造材側係止部521eを有する板状の係止板52e2の中央付近の挿入孔に前記係止材52e1が挿通され接着手段B3で固定されて構造材側係止材52,52eを形成している。
又は構造材側係止部521eを有する係止板52e3からなる構造材側係止材52eが構造材1eの端面より突出し、他端は直接構造材に埋設固着されている場合もある。
前記同様に該構造材側係止部521,521eは組立板側係止部511eの中空部に挿入され挿着する等の係止手段によって組立板と構造材は強固に係止される。
【実施例6】
【0029】
前記した構造材側連結部と係止材側連結部との連結するときの係止材側連結部は前記の開示に限定するものでなく次に開示する方法も含まれるものでこの形態の一例を図10に開示する。図10(a)は別の係止材側連結部斜視図で、図10(b)は別の係止材側連結部斜視図、図10(c)は別の係止材側連結部斜視図及び図10(d)は別の係止材側連結部斜視図を示す。
図10(a)において前記した構造材側の係止連結凹凸部13(図示なし)に設置可能な矩形の係止材側連結部53f1の中央付近に構造材側連結部63の挿入可能な係止孔55fが設けられ,該材53f1の右端付近に係止材52fの端部が所定の幅で溶接又は接着等の接着手段で取付いている。
図10(b)において,中央付近に前記の係止孔55gが設けられた矩形状の係止連結材53g1は丸形状の係止材52gと一体に作られている。
【0030】
図10(c)はL型の係止材側連結材53h1の一辺の前記連結孔には構造材1hの係止連結凹凸部13hより立設した構造材側連結部63hが挿入されナットB1にて締め付け、他辺は同様に係止材52hを挿入してボルトB1で締め付ける接着手段からなる係止手段により該係止材と連結部相互は強固に係止連結されている。
図10(d)においては前記同様に立設した該連結部63iにL型の係止材52iの係止孔55iを挿入しナットB1で締め付ける。この様に本発明の接着手段による係止手段は適宜の形状の係止材及び係止材、構造材側連結部を用いて接合構造物を作ることが出来る。
【0031】
尚図10(a)の点線で示す矩形板又は露出しても錆びない材料或いは錆びても所定の強度を保持できる材料から成る適宜の形状を有するスタラップ等の強度を有する補強材で、構造材側連結部63と連結可能な係止材52f2、又はスタラップ62であってもよい。
該スタラップを図3(a)の構造材側連結部63aに螺着したり、接着材等の接着手段用いて外力に抗する構造材で、組立板を使用しない構造材として利用でき、該構造材の中空部に充填材を充填したり,しなかったりして利用することも可能である。
この工法は本発明のすべてに採用できる。尚図10(a)の52f2は補強材52f、53f1にコンクリートを捲いて錆びない様にして係止孔55fを設けている。
該構造材の使用場所は本発明の骨組構造物の組立板を使用しない個所、図20(c)のB4、4B2、又は図46(a)の52V1或いは図48(c)の1Y1,1Y2等数多く使用している。
【実施例7】
【0032】
前記において、擁壁の一実施例と様々な係止手段にいて開示してきたが、本発明は構造材に付いても前記実施例に限定するもので無く他の様々な形状の実施形態を開示することができる。
図11はその一例で図11(a)は前記適宜の建築材料より選定されたコンクリートの他に樹脂、鉄、紙,木等から成るU型の構造材の中空部11j1側に複数の竪凹凸部121j1の凹凸部12j1を有し、構造材側連結部63jは必要に応じて前記スタラップ62に関係なく独立して付着力を有して設置されていることもあり、この様な場合は前記材料に前記纎維材等の補強材を混入することもあり、更に該構造材に外力に抗する強度があれば補強材61jと62jのいずれか又は双方を省略することも可能である。
該凹凸部の材料は構造材と同一でも異質の建築材料でもよい。
【0033】
構造材側中空部112j1には図1で説明した補強材6の主筋61jに構造材に埋設されていたスタラップ62jが取り出されて建築基準に従って配筋されている。この様な場合は前記のガラス纎維等が混入されたり、ひび割れ筋が配筋されたり又前記同様であってもよい。
更に該構造材は矩形等に限定するもので無く図11(b)の構造材の他の形状を示す上断面図の構造材が円形状の場合も含まれるもので円形状の構造材1j2で前記同様に係止手段側に開口を有し凹凸部12j2、121j2より構造材側係止材52j2が配設されている。
尚点線で示す組立板2j2も該開口付近で折れ曲がりを使用することもあり、前記方法にて該係止材52j2に係止手段により取りついでいる。
【実施例8】
【0034】
次に別の構造材の実施形態を図12に開示する。図12(a)は別の構造材の横断面図で図12(b)は図12(a)の上断面図で、図12(c)は係止手段の連結部部位の係止説明断面図。図12(a)において、U型の構造材1kは中空部11kの内面に、図1、11と異なる横断方向に充填材と付着強度を有する適宜の形状の横凹凸部122,122k又は鋼網等の材料から成る凹凸部12kを有している。
これは構造材と充填材との付着力を増すためと、構造材が外力を受けたとき縁端応力に抵抗するためで該横方向凹凸部122k単独で、又は図1,11の竪方向の竪凹凸部121,121kと併用することも可能である。
更に必要に応じて充填材の充填時に発生する空気の排気路JR、排気孔JH及び充填材を充填するための充填孔JJを所定の位置に1ヶ所又は2ヶ所以上を構造材の側壁数1又は2以上に設けることも可能である。更に構造材の係止側に板体の構造材側連結部63kを構造材躯体に前記同様に固定状に設けている。
その形態を図12(b)に示す。図12(c)において、矩形の構造材側連結部63kの構造材側係止孔65kに係止材52kの係止材側連結部53kを挿入しナットB1にて係止螺着する。
【実施例9】
【0035】
前記実施例では構造材側係止材が構造材の材質と異なっていたが本発明はこれに限定するもので無く同一の材料でもよく,更に異質の材料と混ざってもよく、又充填中空部が工場で成形されていてもよい。これらの実施例を図13に示す。
図13(a)は別の構造材の斜視図で,図13(b)は別の構造材の斜視図で、図13(c)は別の構造材の断面斜視図を示す。図13(a)において矩形で中空部11lの構造材側中空部112lを有する構造材の開口側に構造材と同質又は異質の矩形又は適宜の形状の構造材側係止材52l1が一つ又は二つ以上配設され、該構造材と該係止材には必要に応じて前記補強材が配設されている。
更に異質の適宜の形状の該係止材52l2を設けることもある。更に適宜の形状の充填材連通孔113lが1又は2以上設けてあり組立板側係止材との付着による係止手段をなしている。該係止材52lは組立板側係止材51と係止できることは云うまでもない。
【0036】
図13(b)は図13(a)に前記の組立板側中空部111mを設け,必要に応じて前面及び/又は背面にも充填材連通孔113m1、113m2を設けている。必要に応じて前記係止と連結の凹凸部12m、該係止材52mを設けることもできる。
図13(c)は同図(b)の充填中空部に主筋61nとスタラップ62n等の補強材62nを工場又は現場で架設する前にコンクリート等の硬化性建築材料を打設した構造材1n,1n1に組立板側中空部111nが存在し,必要に応じて前記同様に、シャキーkを設けたり、係止連結凹凸部13nを設けたり,直接該係止材52n1を設けたりすることもある。
尚前記同様に連接孔R1を設けておいてもよい。該構造材は山止工等の応力の作用する場所に使用すると大きな応力にも耐えれるので便利である。
【実施例10】
【0037】
前記実施例では構造材側中空部112oと組立板側中空部111oとの中空部11oに充填材を充填したり、構造材中空部のみに充填材を打設する等の前図と逆に組立板側中空部111oのみ充填材を充填し、構造材側中空部112oは中空のまま存置することも本発明は可能でこの技術を図14に開示する。
この様な該中空部を設けると材料の節約,軽量化、の他にケーブル等の設備を設置できる。
図14(a)は中空構造材を製作する説明断面図で,図14(b)は本発明の製作後の中空構造材の断面図、図14(c)は図14(a)の上面図、図14(d)は中空構造材の製品斜視図。
図14(a)に於いて、前記同様に溝型の構造材1o1に必要に応じて設ける係止連結凹凸部13oの間にスタラップ筋62oが口型に配筋されて露出して構造材側係止材52oを形成したり、図1,2の52o又は凹凸部12oの係止材を使用する事も可能で,その中央に主筋61oが配筋されている溝型構造材の構造材側中空部112oの所定の位置に木材、樹脂、合成材等の前記建築材料からなる平板又は凹凸等の前記形状を適宜選定して作られた板状の型枠E,E1又は立体状の型枠を支保工又は接着材等で構造材内面に接着して埋殺しにするか、又は板状型枠Eを折り畳んだり、中空部内立体型枠体Gを縮小したりして縦方向に抜き取る等の型枠を設置する。
又板型枠E1を仮設吊材E3で吊り、仮設梁E2で受けて該梁のみ撤去する等の方法もある。
【0038】
図14(b)に於いて、同図(a)に後打ちコンクリートC又は前記充填材を打設して構造材側中空部を有する箱型の中空構造材1o2を形成して単独で使用したり又は組立板を係止併用したり或いは、同図(a)の該構造材1o1に組立板2oを設置して充填材を打設した後、該型枠を理め殺すか機械的操作により引き抜くかはその状況により決定する同時打設の箱型の中空構造材1o2を形成することもある。
図14(c)に示すように係止連結凹凸部13oは平面的に波型をした平面凹凸部12o2の形状も可能で、更に前記図2に示した断面凹凸部12o1を単独で、又は該凹凸部12o2との併用も可能である。
従って該凹凸部は平面的,立体的の適宜の形状の凹凸部12が可能である。この様にすると構造材1o1と後打ちコンクリートC又は充填材Jとの充填付着効果が増し構造材としての強度が増す。
図14(d)に示す様に前記同様に適宜の形状の充填材連通孔113は中空部11o又は後打ちコンクリートCの113o1に設けたり、シャキーKとして使用することも可能である。
更に該構造材の使用場所によっては構造材1o2の端部又は中間の適宜の位置にL型113o2,及びU型113o3等の適宜の形状の充填材連通孔113、113oを設ける事も可能である。
又、構造材側連結部63oを設けておいてもよい。尚本発明全部に図14の構造材1o2の中空内面に図12で説明した横凹凸部122等を設けてもよい。
【実施例11】
【0039】
前記した本発明の実施例は構造材と組立材を切り離して現場で充填材を介して組み立てていたが本発明はこれに限定するもので無く組立板と構造材が工場等で一体に作られ製品も含まれるものでこの発明を図15に示す。
図15(a)は組立板と構造材との一体構造材の斜視図で、図15(b)は別の一体構造材の斜視図で、図15(c)は別の一体構造材の平面図で、図15(d)は別の一体構造材の平面図を示す。
【0040】
図15(a)に於いて必要により設ける段部Dを有する組立板2pの中央付近で点線の側壁区分線p1、p2のいずれかで分離した側壁1p2と2枚の側壁1p1を有しU型をなす前記構造材又は側壁2pと2枚の同質又は異質の側壁1p1と一体的に固定状に結合され、所定の長さ1p3を有している長尺の柱,梁又は短尺のブロックの構造材1pである。
図15(b)は前記同様に組立板2qとその端部付近で構造材の側壁1q1、1q1,1q2と一体に又は側壁2qと2枚の側壁1q1が一体なって前記長さ1q3を形成している構造材1qである。
必要に応じて側壁1q1,1q1の所定の位置に適宜の形状の充填材連通孔113qを設けることも可能で、この部分の該孔に対応する埋殺又は抜型枠を挿入して該型枠内部に充填材が漏れない様に取付ける。
該構造材は土木の他に建築の壁、柱、梁にも使用可能で、梁に使用する場合の例として、床、及び/又は天井2q、2p、2p1、梁材1p、1q1を有する構造材となり充填材Jを中空部11q等に打込みすると該連通孔113q等は連通管となりケ−ブル、又はパイプスペイスとなる。この工法は本発明の総てに使用可能である。
【0041】
図15(c)は2枚の側壁1r1の端部に必要に応じて設ける凹凸部12rと点線を含む側壁1r2のU型の構造材1r3と短尺の凸形状の組立板2rと一体になって段部Dを形成している構造材1rである。尚該段部Dに組立板の全部2r1又は一部2r2を嵌着して組立板を組積する。
図15(d)は前記図同様に適宜の位置に、必要に応じて設ける充填連通孔113sと点線を含む四枚の側壁1s1、1s2、1s3、1s4を有する適宜の形状の中空矩形の構造材1s5の一辺1s2の中央付近に組立板2sの端部を位置して一体になった一体の構造材1sで必要に応じて張出板(組立板)1s6、1s7等を有する構造材1sを壁付柱等に提供できる。
この様に本発明の構造材は適宜の形状の構造材と組立板又は側壁を別体で、或いは一体的に接着手段で形成された適宜の形状の構造材が可能である。
【実施例12】
【0042】
従来、地下構造物を作るときは、仮設の鋼矢板を打設して地下構造物を作った後仮設鋼矢板を引き抜いていた。この工法は工費と工期が費かるので仮設材を本構造物にすると経済的である。本発明はこの様な構造物を作ることも可能である。
前記にて各種構造材と組立板との係止手段と組積の仕方を説明した。即ち下段より上段に向かつて順順に組積する正順工法を開示したが地下構造物又は地下仮設の土留工法で、場所と土質によっては掘削土が崩壊する場合がある。
これを解決する方法は地面を掘削しなから土留板即ち組立板を上段より下段にむかって組積する所謂、逆巻工法を採用しないと土砂が崩れ落ちて危険なときもある。本発明は前記各種構造材と係止手段を土質と地下水位等の現場の状況により選定しながら正順又は逆巻工法を選定して組積することも可能である。
【0043】
この工法の一例を図16に開示する。図16(a)は逆巻工法の掘削状況図と構造材設置断面図で、図16(b)は組立板の施工説明と施工後の断面図を示し、図16(c)は組立板の施工説明詳細断面図である。
図16(a)において、従来の工法のアースオーガー等により掘削Xを行った後、必要により設けた連接手段Rを有する構造材1Aを建てこみ(同図A1矢視)、前記同様に必要に応じて補強材6Aを建て込んだ後、建て込まれた複数の構造材1Aの内側の掘削Z2を行う前、又は後に構造材の根入部に充填材CAを打設する説明図を右側に示す。
図16(b)のA3矢視において、掘削Z2を行ないながら組立板2A1の取付可能な位置に掘削面Z2が達したとき、構造材側係止材52Aを前記要領で取付けた後、組立板2A1を逆巻工法の係止手段により取り付ける。
次の掘削面Z2に達したときに同様に組立板2A2を取付ける。順次下方向と掘り進めた状態図を右側のA4矢視に示す。
【0044】
図16(c)はその逆巻工法の詳細について組立板2A3の場合について説明する。構造材1AにL型の構造材側係止材52A3が前記施工により設置されており、該係止材52A3間に組立板側係止材51A3を挿入し、組立板2A3を設置可能に持ち上げた後、隣接する組立板2A2の段部D2に組立板2A3の段部D3を接する様に設置すると該係止材52A3のL型の一辺の突部に該係止材51A3の構造材側係止部511A3が嵌着係止され、前記係止隙間54Aを確認しながら隣接組立板2A‘(図示なし)に設置する。この様な逆巻の係止手段の工事をすると土砂の崩壊を防げる。
【実施例13】
【0045】
逆巻工法の一例を前記にて開示したが本発明はこれに限定するもので無く他の方法に於いても可能である。その一例を図17、図18,図19に開示する。
図17は係止手段をあり溝の係止材にした例で、図17(a)は構造材側係止材の説明断面斜視図で、図17(b)は組立板の裏面断面斜視図を示し、図17(c)は別の構造材側係止材の断面斜視図を示す。
図17(a)(b)において、あり溝係止材の利用の一例として、構造材の側壁1t1の所定の位置に構造材側係止材52tの係止材52t1にU型係止材52t4を嵌着し、他方のあり溝係止材52t2の所定の位置に適宜の方法で接着した矩形の係止材52t3を前記係止材52t4に嵌入してクサビ56t1を係止孔55t1、と52t3の係止孔55t2に挿入して係止するか、又は他の溶接等の接着手段で行う。
或いは他の方法として下方向に示す様に前記あり溝係止材に取り付いた矩形係止材52t6の係止孔55t3に係止材52t5を挿入し溶接等の接着手段により固定状に取り付けたり、又はあり溝52t2を直接係止材52t1に接着することもある。
更に直接あり溝係止材52t7を前記接着手段にて側壁1t1の端面に接着することもある。尚必要に応じて設けるu型の係止材挿入孔59t1は凸係止材51tを挿入したり、係止したりする作業に利用するが前記同様にクサビ56tを係止孔55t4、55t5に打ち込んで利用してもよい。
【0046】
図17(b)に示す様に、組立板2tの背面の所定の位置に前記あり溝係止材52tの52t2,52t7のあり溝内面に嵌入係止する組立板側係止材51tの台形の係止材頭部51t1を前記あり溝52tの内部の凹部に下端より嵌入し前記方法にて嵌着する。
あり溝52tが隣接する組立板に跨っているとき、前記U型の係止材挿入孔59t1に該頭部51t1を挿入できるので適宜の位置に設けてあると便利である。
図17(c)に示す様に、構造材の側壁1t2より張出した構造材側係止材52t9又は構造材側係止部521tに直接あり溝52t10を設けることも可能で、該係止材52t9が構造材1t2と異質の材料あってもよい。
【実施例14】
【0047】
前記した係止手段は図18に示す側方より嵌着することも可能で、図18(a)は嵌着係止前説明断面図、図18(b)は嵌着係止後断面図。図に於いて組立板2uの所定の位置に組立板側係止材51uの幹51u1の所定の位置より分岐体51u3、51u4が分岐して嵌着凹部51u2を形成している。
既に設置された構造材側係止材52u1の横方向より該嵌着凹部51u2を嵌入すると該凹部51u2の形状は係止材52u1に嵌着可能に対応しているので容易に嵌入できる。その後クサビ係止孔55u1、55u1にクサビ56u1を挿入して嵌着する。
又別の係止手段として図18(a)の点線で示す構造材側係止材52u2は組立板側係止部512に係止可能な形状であり適宜の形状の係止材52u1に接着手段により強固に接着されている。この例ではネジを有してナットが螺着された係止材52u2に図4の折り曲げ又はフックをなす係止部511aを嵌着してナットで係止することも可能である。
尚該係止材51u1の方向をかえて係止材52u2に前記要領で嵌着することも可能である。
【実施例15】
【0048】
本発明の係止手段は組立板の裏側で作業がなされるために手が届かなくなる係止材が発生すると係止材の連結が困難となる。この様な場合は遠隔操作に依って係止手段を行うと解決する。その遠隔操作の一例を図19に開示する。
図19は遠隔操作説明斜視断面図。構造材1v1の所定の位置に設置された構造材側係止材52v1の端部は回転抜け留52v6が適宜の形状をなして箱状の抜け止受52v5に設置されている。
他方、組立板2vにU型の組立板側係止材51vの一端が理め入まれ、他端は箱状を成して所定の長さ出しており、該係止材51vの位置と対応する該係 止材52v1の位置に該係止材52v2のリング受台52v3が構造材側係止部521vを有して接着手段により固定状に取り付いている。又その隣りの所定の位置に棒状体のレバー52v4がリンク受台52v3を介して固定状に該係止材52v1に接着手段により固定状に取り付いている。
【0049】
操作の手順は前記したように嵌着係止可能な係止材51v、52vは手の届かない所にあるがレバー52v4の手働により該係止部521vは該係止材511v1に係止される。
この様な係止手段は係止材一個に限らず複数個可能で、他の係止材、例えば図18のクサビ56u1を係止部521vに置き替えクサビ56vとして、係止材51vの挿入孔511v2に嵌入することも係止可能である。
この場合、該レバー52v4により回転自在に動くのでクサビ56vと係止材51v、511v1、511v2等はこれに対応する形状が必要であることは云までもない。
【実施例16】
【0050】
前記に於いて、構造材と組立板の様々な係止手段について個々に開示したが、次に該構造材と組立板の係止手段によって形成される構造物への摘要、即ち接合構造物の実施例を各構造物について以下に開示する。
図20は前記図1〜図5と図19までの技術を適宜選択採用して組積直擁壁や控型擁壁に摘要した例で、図20(a)は組積直擁壁背面説明斜視図で、図20(b)は別の控型擁壁背面説明斜視図で、図20(c)は別の控型擁壁完成背面斜視図を示す。
【0051】
図20(a)において、前記図1と同様に基礎Fに底版3B1を設置して立設した補強材に複数の構造材1B1,1B2を連接板R21,R22にて連接しながら嵌着して組立板2B1を係止して充填材Jを充填する。
又は、小断面の構造材1B3を下段の構造材1B2に戴置し連接板R23にて連接して、必要に応じて充填孔JJ1,JJ2と充填材連通孔113J1,113J2の中間にL型、U型及び箱型等の適宜の形状で前記建築材料より選定された横梁構造材B4と天端構造材B5を戴置して補強材を配筋して薄厚の組立板2B2を係止して充填材J1、J2,J3,J4を打設する等の配筋と充填材の施工順序は現場の状況により決定する。
尚適宜の形状の前記底版根固工の梁型33B1,構造材間の板型33B2,張出板型33B3を必要に応じて適宜選定組み合わせて設置することもある。
【0052】
図20(b)において、前記同様に基礎Fに設置されたプレキャスト又は現場打ちコンクリートの底版3B2に必要に応じて連接手段により連接板R21とシャキーKを構造材各部に設け、上端又は適宜の位置に設けた充填材連通孔113B1を有する構造材1B6を立設して連結板R21と連結する。
次に必要に応じて設けたスタラップ筋62B1を取付けた主筋61B2を充填材連通孔113B1と底版鉄筋に定着された補強材61B1に控構造材4B1を取付ける。該控材4Bは溝型、箱型等の形状で横から、又は上方より形状により適宜の方法で挿入する。
次に控材の作業と前後して組立板2B3を前記要領で係止手段により組積した後コンクリート充填材を充填する。控構造材4B又は組立板2B3は立設した構造材1B6、1B7ごとでも、図のように1本飛ばし、2本飛ばし等でもよい。尚前記同様に底版根固工33B4を設けている。
【0053】
擁壁の高さが高くなると図20(a)と図20(b)の擁壁では不経済な擁壁となる。
この様な場合は図20(c)の擁壁を用意すると解決する。
図20(c)は図20(a)と図20(b)を合体したような構造物で図20(a)に図20(b)の充填材連通孔113B1と控構造材4B1を加え、必要に応じて天端構造材B5を取り除いた接合構造物である。尚別の例として構造材1B1を全高さの天端まで使用して横梁構造材B4を設けたり、図20(c)で横梁構造材B4を設けなかったり、現場の状況により様々な該組合せを決定する。
尚本発明の控構造材は控構造材4B2の様に斜め方向に限定するもので無く点線で示す矩形の構造材4B3で、構造材1B1と同型又は異なる型でもよく、更に図21(a)の4C1,4C2の台形の構造材を一体化可能な構造材1B1に当接連結出来る控構造材4B3であってもよい。
この場合に於いても、前記の底版根固工33B1、33B2,33B3、33B4を必要に応じて単独で又は組み合わせて使用することも可能である。
【0054】
図20に控構造材について開示したが更に他の控構造材の形態について図21にて開示する。図21(a)は各タイプの控構造材を説明する擁壁背面斜視図で、図21(b)はこの内の1タイプの控構造材の補強材断面図を示し、図21(c)は控構造材と底版との取付断面詳細図で、図21(d)は控構造材の他のタイプの上面断面図を示す。
図21(a)に於いて、前記同様に構造材1C1が底版3Cより連接手段により立設した後、係止手段により組立板が設置され、底版3Cの控構造材の設置位置に補強材61C2が短尺に立設しており、必要に応じて、シャキー−K1が設置されている。
【0055】
更に、構造材1C1の背面に、図21(b)に示すプレキャスト控構造材4C1の補強材61C1,62C1を挿入する為の充填材連通孔113Cが設けてあり、該控構造材4C1は構造特性と経済性を考慮して台形をなしたり、前記した矩形等であってもよく、その内面に補強材6C、61C1,62C1が配設され、その下端に底版3Cの補強材61C2と接着するためのシャキー−K2を設けてある。
施工手順として、前記した様に、充填材連通孔113Cに補強材61C1、62C1を挿入した後に構造材1C1の中空部に充填材Jを充填する前か、後に図21(c)に示す様に、前記したシャキー−K2の補強材61C1と61C2とを接着手段により接着した後、充填孔JJより充填材J1を充填し、前記図21(a)、(b)、(c)の作業を進めた完成状態を図21(a)の4C1に示す。
【0056】
他のタイプとして図21(a)、(d)に示す様に、前記の構造材と控構造材を一体化した控構造材4C2を使用する事も可能である。
該控構造材4C2の施工手順は前記と同様であるが、他の方法の一例として構造材側係止材52Cを有する型枠Hのみの構造材4C2を配筋された補強材61C2と62C2に嵌入し、組立板2Cの係止材51Cと係止した後、充填材J2を充填する。
又は、前記組立板側中空部112Cを残置して型枠H、補強筋と充填材とが一体化されたプレキャスト製控構造材4C2を設置した後、組立板側中空部112Cに充填材を充填する。
控構造材4C2と底版3Cの連結は控構造材4C2の延長した補強材を底版のシャキーに差し込み充填孔JJより充填すると充填材が空気と共に排気孔JHより排出される。
【0057】
他の工法として、図21(a)の控構造材4C3に示す様に、前記建築材料より選定された丸型、H型、L型等の型材の控構造材4C3の端部を構造材1C2と底版3Cの所定の位置に理設して固定状にしたり、又ヒンジ材を理設してヒンジ状のいずれかを採用する事も可能で、又は前記型材から選定した材料を構造材1C2と控構造材4C3とに利用した工法を採用することも可能である。
更にこの場合に於いても前記同様の他に、底版根固工33B5を必要により採用することもある。
尚本実施例に於いても控構造材4C1,4C2,4C3を前記図20に採用することも可能で、更に図20,21の擁壁はもたれ擁壁であってもよい。
【実施例17】
【0058】
前記した擁壁の実施例は直擁壁であったが本発明はもたれ擁壁にも摘要できる。この実施例を図22に開示する。図22(a)は本発明のもたれ擁壁の断面図で、図22(b)は図22(a)の上面断面図で、図22(c)は別のもたれ擁壁の上面断面図。
図22(a)、(b)において、地面Z1、Z3の掘削面Z2上に基礎Fと底版3Dが設置され、この上に所定の間隔をなして前記構造材1D1が傾斜をなして設置されその背面に、前記図15(c)で示した凸型構造材1D2が構造材1D1と別体で、又は一体で設定されたその凹部に組立板2D2が嵌着され、その背面に裏込材Nが埋め戻されている。
構造材1D1の前面には組立板2D1が係止され、その中空部に充填材Jが打設された後、砕石、栗石又はコンクリート等の前記建築材料の中詰材Mが打設される。該構造材は前記同様にU型又は構造材1D2を前面に出した構造材1D3等適宜現場の状況に応じて選定される。
尚擁壁が平面的に折れ曲がったときは必要に応じて中詰コンクリートMCを行うこともある。
【0059】
前記図15(b)をもたれ擁壁に使用した場合を図22(c)にしめす。
構造材1E1に組立板2E5が一体化して段部Dが幅広に設けられている。これは該擁壁が曲線、折れ曲がり等発生したときに対応できるためで、該構造材の前面に組立板2E1が設置されている。もたれ擁壁で曲線部が多く発生する現場にも本発明は対応できる。
これに対応する為の構造材1E2を一例として提供できる。該構造材1E2の段部Dが曲線を成しているので擁壁の曲線に対応でき、更に擁壁前面の組立板2E2と構造材との係止材51E1,52E2相互が移動可能であれば擁壁の曲線部にも対応可能である。
又これに対応する異形の組立板2E3,2E4を設けると便利である。該移動可能な係止材についての一例を図23に示す。
【0060】
図23(a)は移動可能な組立材裏面斜視図で、図23(b)は同図(a)のあり溝係止材の詳細断面図で、図23(c)は別の移動係止材の断面図で、図23(d)別の移動係止材の断面図、図23(e)は別の移動係止材の説明斜視図をし、図23(f)は別の移動係止材の説明斜視図。
図23(a)、(b)において、組立板2F1に上下2箇所に直接又は別体の前記建築材料であり溝の組立板側係止材51F1が設けられ、L型の該係止材51F2がネジ切されて台形の該係止材51F3に螺着され、あり溝51F1に嵌着しているので、L型の該係止材51F2を回転させると該係止材51F3は締ったり、緩めたり出来るので左右の移動が可能である。
図23(c)は組立板2G1より突出した凸型の組立板側係止材51G1の多数の挿入孔59G1にU型該係止材51G2の他端51G3を挿入しナットB1にて締め付ける。
又同様の方法として、図23(d)に示す様に組立板2G2の所定の位置より立設した前記同様に組立板と一体又は別体の凸型の該係止材51G4の頭51G5の左右に移動可能な溝型の該係止材51G6が嵌着されており、前記同様にL型の該係止材51G7が該係止材に螺着されているので、前記同様に回転自在の操作にて移動可能で所定の位置で構造材側係止材52G3に係止される。
【0061】
図23(e)は組立板2G3に組立板側係止材51G9が固定材51G8を介して相互に固定され、該係止材51G9は構造材の側壁端面に設けられた溝1G2を左右に自由に移動でき、所定の位置で、該壁1G1に固定状に、回転自在に動くフック1G3を回転して該係止材51G9を係止する。
この様な移動の係止手段を持いると曲線状の擁壁も設置可能である。更に図23(f)に示す移動の組立板側係止材51G10を取付ける組立板2G4は木材で構造材数基に跨る長尺のものでもよい。
木材であると構造材の位置に接するとその個所に現場にて連接孔R1にL型をなした該係止材51G10の先端に接着材等を塗って連接孔に挿入して接着したり、又はネジを切って螺着する。該組立材2G4の間隔51G11は適宜選定する。尚組立板2G4が適宜の形状をしたコンクリート製品等の前記建築材料の型材からなる場合は連接孔R1を密に設けておくと便利である。
又図22、23の表、裏面の組立板2D1〜2D4、2F1,2G1〜2G3に間隔51G11を土砂の崩壊を計算して設けることも可能で、前記構造材と該組立板の選定によっては直擁壁、更に緑化擁壁も可能である。この緑化擁壁の他の一例を開示する。尚係止材51G1,51G4,51G5は別体及び/又は別材料でもよい。
【実施例18】
【0062】
図24、図25(a)は緑化直擁壁図で、図24(a)は同図(b)の1−1鉛直断面図で、図24(b)は同図(a)の2−2上面断面図で、図25(a)は緑化組立板の背面斜視図をしめす。
図24(a)は前記同様に、基礎F、底版3Hに所定の間隔をおいて構造材1H、1H1が立設しており、該構造材1H1の前面側に緑化組立板2H、2H1が前記の要領の係止手段により係着されている。
又その天端に天端構造材1H2が必要に応じて横方向に設置されおり、安全のために手スリZ4が前記施工手順に従い組積されている。
【0063】
緑化組立板2H1の背面に背面土のすべり土を防ぐために必要に応じて、吸出し防止材Oが全面に張り付けてある。該防止材Oは織布、不織布、格子網、三角、円等の水、植物根は通うすが背面土は流出させない縦、横の線材が同質又は異質の組み合わせからなる材料を前記建築材料より選定して構成された物が好まれる。
尚本工法に於いても、図22,23で開示した構造材1Dや、構造材1E、等の裏面に組立板2D4等に設けたように適宜の間隔51G11を設けると土砂の流出を防げるので該防止材Oの安価なもの又は省略も可能である。
更に擁壁高に依っては剛性を増すために所定の厚さと構造材幅で底版根固工32H1、張出底版根固工32H2を前記同様に設けることも有る。
この場合の根固工はコンクリートの充填材を打設したり、独立して、又併用して底版根固組立板32H3,2H5を設けることもある。これらを図24(b)に示す。この技術は本発明の全てに摘要できる。
【0064】
図24の緑化組立板2Hは図25(a)の点線を除く実線の緑化組立板2Hで曲線を有する緑化棚2H1、たれ壁2H2、天壁2H3、柱2H4、通水孔2H5と段部DHより構成され、構造材1H1と接する位置に組立板側係止材51H1が固定して該組立板2Hの裏面に取り付いている。
組積方法は前記同様に行はれ、本工法に於いて隣接段部DHと本組立板段部DHが接する様に組積される。尚本組立板が河川護岸に使用される場合は図25(a)の点線で示す曲線の波返し板2H6を前記組立板2Hと一体的に製作された組立板2H7を設けると、植栽土Q1、樹木Q2を洪水から守れる。
又該版2H6をデザイン化と一体化して別の目的に使用することも可能である。
【0065】
図25(b)は別の緑化組立板の裏面斜視図で、緑化棚211と通水孔215を有する裏壁212がL型をなして一体的に形成された緑化組立板21が構造材11に嵌着され充填材により一体化している。
図25(c)は別の緑化組立板利用の上断面図で、図25(d)は別の波返し板の斜視図をしめす。図25(c)は図25(a)と異なる所は、緑化棚2J1が箱型をなし、柱2J4、通水孔2J5は同じで、波返し板2J6が独立して、別体として利用されている。
これを図25(d)に示す様に組立板側係止材51Jが前記と同様の位置に組立板に固着されて背面より立設している。 この工法の目的も前記と同様である。前図に於いて直擁壁で説明した擁壁はもたれ擁壁に、もたれ擁壁は直擁壁に使用可能であることは云までもない。
【実施例19】
【0066】
前記にて構造材と組立板との接合による接合構造物の実施例として擁壁、地下土留工等を開示したが本発明は道路、河川、及び建築構造物の土地狭な所、又は急傾斜に多く発生する土留工等は底版幅が大きく取れないので土留工の滑動に対して苦労をしていた。
本発明はこれを解決するもので、即ち構造材を地中に埋め込むことで滑動抵抗を増し,土圧モ−メントを地中に分散するために底版幅をせまくできる。
【0067】
この技術を図26に開示する。図26(a)は構造材部分の縦方向断面図で、図26(b)は同図(a)の底版上面位置での上面図で、その半分は補強材の配筋状態の上面図を示すもので本発明の土留工の一実施例である。
施工手順は地面Z1に構造材1K1を機械にて打設、又はオーガ−堀にて所定の深さに建込み、底版掘削後,基礎Fを行い、該構造材と底版の補強材6K1と6K2を配筋後,底版高さまでコンクリートの充填材Jを打設し、組立板2K1を該構造材に係止手段で係止しながら所定の段数まで組積した後、充填材を打設し必要に応じて天端構造材1K2と手スリZ4の工事を行い組立材の背面を埋め戻す。
この様に構造材の組立板側中空部と組立板を土圧側に設置することも可能で、この方法は本発明の全図に摘要可能である。
【0068】
次に傾斜面がきつい場合,特に底版幅が取れないときは底版前趾3K3と底版後趾3K4を段違いにすると事も可能でこの様にすると土圧の低減と経済性につながる。この形態を図26(c)に縦方向断面図で、図26(d)の上半分を底版上面図で下半分を補強材の配筋状態をしめす。
施工順序は補強材6K3,6K4を含めた構造材1K3,前趾底版3K3までの工事は前記同様であり、次に後底版3K4と組立板2K2の一部又は全部の配筋3K4、6K3と充填工事行った後、前記同様に構造材1K3と天端構造材1K4,手スリZ4等の工事を行った後埋め戻しをおこなう。
尚低版の延長は図示の様に構造材1K3の周辺でもよく、また前記同様に連続していてもよい。
【実施例20】
【0069】
次に本発明は構造材をアンカー体としても利用できる。この形態を図27に示す。図27(a)はアンカー体使用の接合構造物の断面図で、図27(b)は構造材とアンカ−体頭部との係止詳細図で、図27(c)は別のアンカ−体使用の接合構造物の断面図である。
従来のアンカー体の頭部の納め方は構造物より露出しており、錆び等を考慮してコンクリートで隠していたので美観的にも,補修的にもよくなかった。本発明はこれを改善するものでありこの技術を工事の手順に従って開示する。
【0070】
図27(a)、(b)において、傾斜した法面に構造材1L1を建て込み、地面Z1の掘削面の埋戻しとを兼ねた底版3L1を設置した後、補強材と組立板2L1と必要に応じて充填材を所定の高さまで工事を行う前、又は後に構造材1L1と、先に工事されたアンカ−体用構造材1L2相互にアンカ−体頭部定着14L1の工事を行い残工事の組立板2L1と充填材と埋戻Z2の工事を行う。
尚受圧版目的のアンカ−体用構造材1L3を前記工事の方法により建込み構造材1L2の他端に該頭部定着14L2を行い必要に応じて組立板2L2と,2L3のいずれかを地面Z3、Z4により選定して係止した後充填工事する。
同図(b)に示す様に,構造材1L1の挿入孔114にアンカ−体の端部を挿入しワッシャB2とナットB1を締め付ける構造材側係止材14L1,2を行うので,該アンカー体頭部は構造材の中空部の内面にあり、前記工法にて充填材が打設され該頭部が隠れるので美観的にも、補修的にも問題ないアンカー体接合構造物を提供できる。
【0071】
図27(c)に補強土工法を利用したアンカー体接合構造物の断面図を示す。
この場合の工事も前記同様であるがただ異なる点は、構造材1L5が盛土材Z2との滑り摩擦抵抗ある材料を利用したり、及び/又は構造材1L5の他端の先端に土の受圧抵抗に耐える材料と形状の係止材14L3を設けた構造材1L5を利用することもある。
該構造材1L5の頭部JLを構造材1L6の背面の挿入孔114Lに挿入し、構造材の中空部に設置した後組立板2L3を組積しながら充填材Jを打設する。該頭部JLの仮止めが充分であれば複数の組立板組積後に充填材Jの工事」を行ってもよい。
該工法は構造材1L6を省略して直接組立材の係止材と構造材1L5の頭部JLと強固に連結して利用することも可能である。
該工法は直立土留めにも使用でき,組立板も前記全図が使用できる。
【実施例21】
【0072】
前記にて構造材と組立板との接合構造物が擁壁の場合と図16で地下構造物及び仮設構造物に摘要された場合と正順と逆巻工法による組積方法について技術の開示を行ったが、本発明はこれに限定するものでなく他の接合構造物にも採用可能である。
前記接合構造物と組積工法を利用したその一例を図28、図29に開示する。該構造物の用途は仮設土留工法、永久地下、及び地上構造物に応用でき、詳しくは、雨水、防火、下水,浄水の貯水槽等と、公共、工場、家庭等の下水処理水槽、駐車場、サイロ等の他に建物、橋梁等の構想物の基礎、ケーソン、ウェル、基礎杭,深礎等数多く利用できる。
【0073】
図28(a)は該接合構造物の上面図で左半分A1に本発明の一実施例を示し、右半分A2は別の実施例で、図28(b)は別の接合構造物の上面図で左半分A1は別の実施例を示し、右半分A2は別の実施例を示す。
図28(a)に於いて実施例は地下構造物の場合で図16に開示した様に、同図の左側の隅角部には構造材1M1を2基、その中間は一基を地中に建込み、正順又は,逆捲工法のいずれかの組積手段を現場の状況により選定して組立板2M1を組積している。
又地上構造物にあっては底版上又は地上に足場を設けて該構造材を建込んだ後、組立板2M1を係止手段5M,52M3により建込んだ後,必要に応じて充填材を打設する。
同図の右側半分は他の構造材の設置図で隅角部は構造材1M2が一基斜めをなして設置された構造材1M2に組立板2M1が係止5Mされたり、構造物の用途に依っては内側に構造材1M1‘を設置し組立板を建て込むことも可能である。
【0074】
図28(b)の左半分の隅角部の構造材1M3は半円形をなし、その係止付近の組立板2M2,2M3は斜めに折曲がって係止手段51M2、52M2の5Mにより係止している。
同図右側の構造材1M3の係止材52M3は十字状に交差して直角をなして建込まれた組立板2M1の係止材51M3に係止している。又その中簡に構造材1M1を設けることもある。
【0075】
図29は別の接合構造物の実施形態図で,同図(a)は上面断面図で同図(b)は同図(a)の完成斜視図を表す。本発明の組立板2M4は曲線の形状を成しており、この例では円の1/4の曲線上で切断された段部DM1、DM2の位置で4基の構造材1M4と係止材51M4,52M4とが前記係止手段により係止され、充填手段Jを必要に応じて設けている。
組立板2M4は図の様な縦分割DM1が無く円形状で段部DM2のない一本でも、段部DM2を有する数本の円筒形を重ねてでも設置可能で、縦分割DM1があって,横分割DM2のない組立板を数枚設置してもよい。
該構造物は底版3M1上に地上接合構造物1M4,2M4が形成されている。
【0076】
図29(c)、は別の接合構造物の接合部位を説明する組立板の斜視図で、図29(d)は該組立板と構造材との接合状態を説明する上面断面図。
該組立板2M5はコ字をした前記建築材料より選定された材料、例えば樹脂、炭素纎維とコンクリート又は樹脂との合成材等を一枚又は複数直接または中空状に重ねた組立板でもよく、該板2M5一端又は両端は折れ曲がり、構造材側係止材52M5と係止するための係止孔51M6が一又は二以上設けて組立板側係止材51M5を形成している。
【0077】
尚該係止材51M5の材料は前記同様に組立材2M5と同一又は異質でもよい。他方端に該係止材51M5を使用しないときは図29(a)の係止材を使用してもよい。前記同様に該係止材51M5を構造材1M5の中空部の内に挿入し係止材52M5に係止後充填材を打設すると該係止材51M5が連続の板状をなしているので密封又は止水効果が有る。
又該係止材51M5同士の間1M6が発生するときは防水材,シール材等前記建築材料を選定して設置してもよい。この様に本発明の組立板側係止材51の材料は組立板2と同一でも,異質でもよく、形状も独立した棒状,板状の適宜の形状をなしたり、連続した板状であってもよいし、更に係止孔51M6を省略して係止材51M5とする事も可能でこのときは構造材1M5と前記図7の51c1または接着等の連接手段を用いることも可能である。
【実施例22】
【0078】
前記図28,29の地下構造物等の他に本発明の構造材を立体骨組,又は架構構造即ちラーメン構造物にすることによって地下道、地下水路等の接合構造物が可能で図30,31にその一例を開示する。
図30(a)は地下構造物,即ちボックスカルバートの断面図で、左半分は骨組断面図で同図(b)に同図(a)の骨組状態斜視図を示す。前記同様に構造材1N1、補強材6N、と充填材J1を建込んだ後、組立板2N1所定の枚数係止後、公知の切梁腹起工法のように型構造材1N2、1N3,1N4を設置し、前記逆巻工法により残りの組立板2N1を係止する。
該構造物が本施設の場合は必要な本数だけ残し,仮設の場合は撤去する。同図(a)の右半分は別の骨組断面図で同図(c)にその骨組状態斜視図を示す。
施工手順は前記と同様であるので異なる所のみ開示する。
【0079】
同図(b)の骨組は桁行又は腹起構造材1N3を構造材1N1の頭部の切欠部に戴置し、その上に切梁構造材1N2を架設し、又地中構造材1N4を充填材J1上に設置して充填材を打設する直接仕口形成手段71を形成している。
構造材1N5の工事に構造材1N8,1N6,1N7と仮又は本係止材52N3と組立板2N2に充填材Jの工事の直接仕口形成手段71をする場合と、組立板2N3と必要に応じて設ける構造材1N9の工事後に充填工事71を行う場合がある。
尚充填材J1,J2はその前に工事する事もあり、組立板2N5は山側に設けることもあり、更に床2N4の材料は現場又は工場のコンクリート製品であったり,砕石等であることもある。
【0080】
図31は図30の別の実施例で図31(a)は別の係止手段の斜視図で、構造材1N10には構造材側係止材52N3がL字の爪をなして連続して一体的に、又別体として取り付いており、該係止材52N3は構造材1N10の材料と同一でも、異質でもよい。
又必要に応じて前記材料からなる別体の前記の構造材1N11が固定状に取り付いていることもある。他方の組立板2N6,2N7には組立板側係止材51N1,51N2に係止凹部51N11,51N21と必要に応じて係止部51N12,51N22が設けてある。
既に建込まれている構造材1N10、1N10の係止材52N3に、組立板2N6,2N7が一対で一体又は段部DN2で分離独立した組立板の係止凹部51N11,51N21を上方より嵌入した後充填材Jを充填する事も可能である。
この工法の一例として、組立材2N6、2N7を図30に示す様に地中に使用すると受動土圧が増すので軟弱地盤に適しており、更に組立板2N6,2N7を一体化した一枚の組立板にして2本の構造材1N10に設置すると受圧板として安定する。
又構造材1N10と組立板2N6,2N7を前記同様の方法で単独に使用したり又上方の構造材1N11に前記の組立板2N1の替わりに図25の緑化用組立板2Hを取付けたりする事も可能である。
組立板2N6と2N7の工事はハンマー、又はバイブレターの機械等で打設し、組立板2Nは前記方法で一枚ごとに,二枚一組で取付ける。
【0081】
図31(b)は別の係止手段の上面断面図で,この場合は構造材1N12、13,14が一体化した鋼材のH型構造材1N16でその端部の両方に接合手段により固定状に取り付いた爪状の係止材52N4,52N4が必要に応じて設けた組立板2N8の係止材51N32を有する係止部51N3の係止凹部51N31、51N31に嵌入した後充填材J1を打設するが構造材の形状に依っては充填材J2を打設する事もある。
又該構造材1N16は適宜の形状と構造材の側壁が別々の前記建築材料より選定されてもよい。例えば構造材を杭に使用する場合は打設力が作用するので側壁1N13,1N14,1N15と充填材J2をコンクリートにして1N12と51N31を鋼製にして固定された一体構造材1N16とする事も可能である。
尚係止材52N3,52N4は前記図3の凹凸部12Nの役割をもなしている。
【0082】
図31(c)は別の接合構造物の組立状況を説明するための組立断面斜視図で、排気孔JHと排気路JRを有する組立板2N9がL型の構造材1N17に戴置され、該構造材の他方側壁には組立板2N10が縦方向に係止され、構造材1N18はU型をなして充填孔JJを有して組立板2N10の他端が係止されており、U型の構造材1N19の他端は前記構造材1N17と柱構造材1N20の頭部に戴置されて直接仕口形成手段71をなし、該構造材1N20の下方の他端は構造材1N21の他端と交差して直接仕口形成手段を形成している。
充填孔JJを有する組立板1N11の端部は構造材1N21に戴置係止して各々に充填材が打ち込まれる。この様な接合構造物を地下に作る場合は従来工法の矢板山留工法が用いられる。
尚前記図30にも図31(c)に示す様々な構造材と工法が採用可能である。
【実施例23】
【0083】
前記ラーメン構造の構造材の交差部は構造材同士を当接又は所定の間隔を置いて充填材により充填する交差部の直接仕口形成手段の採用を開示したが本発明はこれに限定するものでなく他の仕口手段も可能でその一例を図32、図33に開示する。
図32(a)は本発明の仕口材形成手段の斜視図で、図32(b)は同図(a)の断面図で、図32(c)は別の仕口材形成手段の斜視図を示す。
同図(a)、(b)において、該仕口材形成手段は仕口用の材料を用いたもので前記建築材料より選定され、構造的に、デザイン的に、経済的等を考慮して採用されるので同図の仕口材はその一実施例であり,該形状に限定するものでない。
【0084】
この実施の場合は、必要に応じて設けられた充填材連通孔113,113Oを有する構造材1O1、1O2、1O3、1O4を受ける仕口受台721には該構造材との付着等をよくするための補強材62を必要により設けてあり、必要により設ける仕口振止722、施工性,構造性等を考慮して必要に応じて設うける仕口止723が構造材の側壁の数だけ設けてあり、その中央付近に柱の構造材103,105の中空部11と連通する仕口材連通孔74により形成された仕口材又は仕口材形成手段72による仕口形成手段7を提供できる。
尚構造材が斜めに取付けられる場合は仕口受台721等を斜めにして斜めの構造材に対応すればよい。(以下同じ)
施工手順は前記同様により立設した柱の構造材103の頭部に該仕口材72を連接手段Rにより連接した後、該構造材を必要な数だけ戴置し、補強材を配設し充填材を梁の構造材の天端まで打設するが、上階の柱の構造材1O5があるときは柱の補強材61は補強材の接合手段位置B3まで残す。
【0085】
図32(c)は別の仕口形成手段の内の部分充填仕口形成手段の状態を斜視図で示しているがこの場合は柱の構造材1O11の頭部に梁の構造材1O6〜1O9の端部を直接戴置し、構造的な固定剛性を考慮した所定の長さの位置に中空部内型枠板E、E2を設置して充填材を打設する部分充填仕口形成手段73の仕口形成手段7であって、仕口の部分を直接形成する直接部分充填仕口形成手段と仕口材を利用した仕口材部分充填仕口形成手段の2通りがある。
上階の補強材は補強材継手位置B3にて接合する場合の一例を示している。尚該仕口形成手段73は柱の構造材1O3、1O5にも採用可能で,構造材1O3に於いては中空部11の所定の位置に、充填材が漏れない様に固定状に型枠E1(同図(b))を取付ける。
又構造材1O5の場合は構造材1O5を設置後、所定の位置に設けた充填孔JHより充填材を打設する。この時の補強材は充填部分のみで主筋等は構造材の躯体に配筋されている。
【実施例24】
【0086】
前記にて組立板2と構造材1の係止手段を開示したが本発明の係止手段はこれに限定するものでなく別の係止手段の一例を図33に示す。図33(a)は構造材と組立板との接着による係止手段説明断面図で、図33(b)は別の係止手段説明断面図を示す。
図33(a)において、点線で示す構造材1の壁面又は側壁の天端及び/又は実線で示す充填材Jに,工場又は現場にて埋設されたボルトB4が立設しており、これに対向する組立板2の位置に形成された挿入孔B6と必要に応じて設ける受台B7をボルトB4に挿入した後ワッシャB2とナットB1で締め付ける。
他方の接合手段は図33(b)に示す様に前記同様に構造材1、及び/又は充填材Jに埋設されたアンカ−材B5内のネジにワッシャB2を挿着したボルトB4のネジを螺着する係止手段も本発明に含まれるものである。
これらの係止手段は図32(c)の部分充填仕口形成手段に使用すると便利で、更に本発明の構造材と組立板に使用可能である。
【実施例25】
【0087】
図34は地下2階建の地下接合構造物の断面図でこの様な2階以上の大規模の地下構造物も本発明の実施例1〜24を採用すると建設可能でその一実施例を図34に開示する。
前記実施形態と重複するので異なる点のみ簡単に説明する。地面Z1に必要に応じて設ける連接手段により連接された構造材1P1,1P2を掘削孔に建入み、構造材1P5、1P7と組立板2P3とを設置して仮止又は充填材を充填後、前記逆巻工法にて組立板2P4を山側の構造材1P2に係止しながら堀進めて2階床位置で構造材1P4,1P6と必要に応じて組立板2P2と仕口形成手段7を行なった後、掘削しなから組立板2P5を係止しながら構造材1P3,1P8と組立板2P1と底版3Pの充填材と基礎Fの工事を行う。
前記した様に、実施例1〜24を適宜選定して工事は進められる。例えば掘削しながら必要あれば図30(b)の仮設工事を採用したり、図32(c)、図33(a)、(b)を設計に従い適宜採用される。
尚本工法は逆巻工法に限定するもので無く前記した通常の正順工法も可能で、この場合は公知の仮設鋼矢板工法の工事を行った後前記逆巻工法とは反対の手順で行はれる。即ち基礎F,3P、根入の無い構造材1P1、1P3,1P8、組立板2P5等の順序で行われる。
【実施例26】
【0088】
前記にて直交のラーメン構造物について記述したが本発明はこれに限定するものでなくトラス構造物も可能で図35に該構造物の実施の一例を開示し、図36,図37で前記した仕口形成手段の別の実施例の一例を開示する。
図35(a)は落石防止に採用した場合の構造物断面図で、底版3Q1の補強材6J1に構造材1Q1の中空部11を挿入し、連接手段RJ1と最下段の組立板2Q1を係止した後充填材Jを打設する。
他方の底版3Q2の鉄筋係止材52J1、補強材6J2と中空でない中実断面の控構造材4Q1の補強材6の露出筋との連接手段RJ2を行う前、又は後に連接手段RJ3を施す。その後残り組立板2Q1を取り付け充填材は打設しない場合もある。
尚本発明の構造材1、控構造材4,4Q1はコンクリートに限らず鉄,非鉄金属等の型材も採用可能である。この様に中実のPC(コンクリート工場製品),又は前記型材に隣接構造材の充填材連通孔113と接する部分に固接された付着用補強材6、ボルトR3等を立設して連接手段RJ,RJ1等を行うことも可能でこの発明は全図に使用可能で、特に図20構造材B4、B5、4B1等に使用すると工事手間が省ける。
【0089】
図35(b)は桟道橋に採用した実施例の断面図を示す。本発明の内容と工事順序は前記の説明にて理解できると思われるので要点のみ述べる。
地面段差Z1,Z2間に工場又は現場打ちの連続又はラーメン区間のみ独立した構造材1Q3と控構造材4Q2の下端の交差部に仕口材形成手段72Q2による係止手段5の連接手段RJ4の工事を行う。
他端も同様に仕口形成手段72Q1と連接手段RJ6を設置し、構造材1Q2を設置後に、横方向の剛性を増すために隣接するラーメン構造体と連結する前記桁行構造材1Q3及び/又は構造材1Q4を係止手段5による連接手段RJ5、RJ6,RJ7,RJ8を設置した後,組立板2Q2を取り付け充填材Jを打設する。
【0090】
図35(c)は地形Z1、Z2にロックシエド又はスノーシエド構造物の断面図で基礎F,底版3Q3を設置後に構造材1Q6、1Q7を前記方法にて立設した後に、中空又は中実の控構造材4Q3の端部に仕口材形成手段72Q3,72Q4及び72Q5と必要に応じて設ける構造材1Q8と1Q9とを固定状に設置した後に構造材1Q5と組立板2Q3を戴置して充填材Jを打設している。
尚構造材1Q7は組立板が無いので図14(d)の箱型中空構造材を用いることもあり、更にその頭部に部分充填材形成手段73Q1を用いている。又構造材に係止する組立板2Q4と2Q5の何れかは作業の手順を見て行なはれる。
【0091】
図36、図37は図35の控構造材と仕口形成手段の連接部位の説明詳細図で該連接部位の技術的思想は本発明の総てに採用可能である。
図36(a)は仕口形成手段の部位の上面断面詳細図で、同図(b)は別の該部位の上面断面詳細図で何れも図35(a)のRJ3、71Q1の直接仕口形成手段を想定して説明している。
控構造材4Q4の補強材6の頭部の構造材側連結部63Q1を構造材の挿入孔114に挿入して該構造材の前面より手で接着手段B1,B2の連接RJ10による係止手段5Q2の直接仕口形成手段7Q1を行った後、組立板2Q6を係止手段5Q3及び/又は5Q4にて係止連接RJ9し、必要に応じて充填材の施工を行う。
同図(b)に於いて係止材57Q1と仕口材72Q6の仕口材形成手段72Q6の連接手段RJ11の工事を行った後、組立板側係止材51Q1のみのため組立板取り付け不可能であるから係止材5Q5を介して構造材1Q11と組立板2Q7を係止した後充填材を打設する連接RJ12による係止手段を行う。
【0092】
図36(c)は仕口材形成手段の部位の断面図で,同図(d)は別の該部位の分解斜視図を示し、図35(b)の控構造材4Q2を想定して説明している。
図に於いて、構造材1Q13から前記建築材料より選定された係止アンカー体57Q5が係止可能に立設して,例えば鋼材のベースプレートより立設リブ付の仕口材72Q8に接着手段B,Bの作業を行った後、該リブにも接着手段B,Bにより控構造材4Q7の端部を係止接合した連接手段RJ16を行った後、該構造材4Q7の他端を仕口材72Q7の嵌入孔に嵌入して接着材B3等で接着する。
そして構造材1Q12の充填材連通孔113Q1に前記仕口材に埋設固着して立設した係止アンカー体57Q4を挿入し戴置して充填材の打設を行うと係止アンカー体57Q4が付着して該構造材と仕口材は係止手段RJ15と仕口材形成手段72Q7により強固に連結連設される。
【0093】
図36(d)に於いて、構造材1Q14より補強材6が立設して係止アンカー体57Q3を形成し、構造材4Q6の一端係止部5Q6、前記シャキ−Kを嵌入して充填材J1を打設して連接手段RJ13を行い、他方端の係止アンカー体57Q2を仕口材72Q9の仕口材連通孔74Q1に挿入し、前記接着等の適宜の方法で仕口材と構造材を仮止め係止後,充填材を打設する。
尚控構造材4Q6に現場にて充填材を充填するときは充填材が漏れない様に、前記建築材料より選定された仮設用又は永久型枠を設置するか、又は図14(d)の箱型構造材及び充填しない型材を選定する。
【0094】
図37は仕口材形成手段の部位を説明する詳細図で図35(c)を想定して説明している。図37(a)は仕口材部位の断面図で,同図(b)はその斜視図を示す。
仕口材連通孔74Q2を有する箱型の仕口材72Q10の段部Dが構造材の天端に戴置して構造材の中空部11と連通しており、この状態を図〈b〉に示す。該仕口材は図35(c)の72Q5に使用されている。
図37(c)は別の仕口材の斜視図で前記に開示した仕口材に似ているが本発明の仕口材は比較的簡便な所に使用される。柱と梁の構造材が該材の嵌入する仕口材連通孔74Q3、74Q4,と柱の構造材の中空部と連通する仕口材連通孔74Q5に戴置し、仕口受台721,721に梁の構造材が戴置され、前記同様に充填材が打設される。
図37(d)は別の仕口部の断面図で、図37(e)は同図(d)のA1−A1断面図で、図37(f)は同図(d)の別形態のA1−A1断面図を示す。
【0095】
図37(d)、(e)に於いて、柱構造材1Q17の天端に、充填材連通孔113を有する構造材1Q16を戴置した梁構造材1Q18と1Q19の端部115、115が戴置されており、充填材連通孔113,113により梁,柱相互の中空部11同士が連通してなり、必要に応じて係止手段5Q6、5Q6を設けている。
37図(f)は前記図(e)と異なる点は一本の構造材1Q20が隣接する構造材1Q21,1Q22との当接面115、115まで張り出して柱構造材1Q17に戴置され、前記同様に、充填材連通孔113及び中空部11により構造材相互は充填材が均等に充填出来る様に連通しており、必要に応じて、係止手段5Q3と両当接面115に付着と剛性とを増すための複数の補強筋6が立設して充填材連通孔113に挿入された仕口材72Q12を設けている。
【実施例27】
【0096】
前記図1〜図37までいろいろな型の構造材とこれを用いた各種接合構造物を開示してきたが本発明はこれらの面内骨組構造物、即ち面内ラーメン構造物に限定するものでなく面外又は格子骨組構造物、即ち面外ラーメン構造物にも採用可能である。該面外骨組構造物の一実施例として橋梁構造物について本発明の技術を開示する。
図38(a)は単純桁橋梁の道路方向説明縦断面図で、左半分矢示A1は主桁側面断面図で右半分矢示A2は主桁断面図を示す。
図に於いて川床Z2,水位Z3に所定の径間をなして左右岸に基礎Fと底版3R1上にパラペット1R41を有する橋台の構造材1R4が一体的に戴置されており、該構造材の天端の支承1R42に主桁構造材1R11の端部が1又は2以上戴置され、必要に応じて端横桁構造材1R2、と1又は2以上の中間横桁構造材1R3が所定の間隔をなして設置され、前記主桁構造材と格子構造をなしている。
その後、中空の主桁構造材と端,中間横桁構造材と組立板2R1とが前記係止手段により合成的に又は非合成的に接合戴置される前か、後に主桁充填材J1,横桁充填材J2が構造材中空部全体に打設され、その後取付道路Z1の工事を行う。
【0097】
図38(b)は別の橋梁構造物を設明する道路方向縦断面図で、左半分A1矢示に主桁構造材の側面断面図で、右半分A2矢示に主桁構造材の中央断面図を示す。本実施例が同図(a)と異なる点は前記橋梁が支承のある静定構造物に対し、支承のない不静定構造物である。
左半分A1の橋梁構造物は前記構造材より選定された主桁構造材1R5で板体の構造材1R6と補強材と充填材を介して一体的に接合されたラーメン構造をなしている。
他方のA2矢視の主桁構造材1R51は橋梁の重量を軽くするために中空をなし,該主桁1R51端と構造材1R6の頭部6R3の周り1R61、更に主桁1R51の中央と中間横桁構造材1R7の周りに所定の長さを有して補強材6R2を配設して前記部分充填仕口形成手段73R1、73R2で、型枠E1,E2を介して剛性を有する固定状に設置し、必要に応じて仕口材72R1を設けている。
尚底版3R1,3R2と構造材1R4、1R6は工場又は現場打製品のいずれでもよい。
【0098】
図39(a)は図38(a)、(b)の主桁構造材の各々の使用方法を説明する橋梁横断面図で、左半分のA1矢示は図38(a)を示し、右半分のA2矢示は図38(b)を示す。
前記図1〜図37より適宜選定された中空構造材1R11に組立板2R1を戴置して前記係止手段又は図33の接着手段による係止手段により接合する。
この時前記した構造材と組立板の接合の強度の度合の合成か,非合成かは組立材の係止材及び/又は接着具Bの数と形状等により決定される。その後充填孔JJより充填材J1,J2が充填され構造材の中空内の空気は排気孔JHより排気される。その後舗装Z4、高欄Z5の工事が行われる。
図39(a)の矢示A2の構造材1R51は図14の構造材を使用した例を示すがこれに限定するもので無い。現場又は工場で取付けされた中空部内型枠E,Gを有する主桁構造材1R51を設置後に前記同様に充填材が充填される。
【0099】
図39(b)は主桁構造材と横桁構造材との各各の仕口形成手段を説明する図で、図39(a)のA3−A4切断上面図で、下半分A3は図38(a)を示し、上半分A4矢示は図38(b)を示す。
下半分A3に於いて、道路幅に設けた構造材1R4のパラペット1R41に伸縮目地Z6を経て端横桁構造材1R2と中間横桁構造材1R3に構造材1R11,1R12,1R12の端部又は中間部の切欠部分を当接し、他の構造材1R12に型枠E3、E4を設けて充填材J1,J2を打設して仕口形成手段を形成している。
他方の上半分A4矢示に於いては、構造材1R53は仕口材72R1に戴置された後中間構造材1R7の現場型枠Hを行った後補強材6R4が構造材1R6、1R53、1R7配筋された後組立板の設置の前か後に充填材が充填される。
構造材1R51に於いては構造材1R51躯体補強材6R32と該構造材中空部補強材6R31が定着長を有して構造材1R6,1R7に定着されて前記同様に型枠E1,E2設置し、更に構造材1R52は躯体補強材6R2を定着し充填材は無筋か又は前記纎維補強材等を行った後前記同様に組立材との係止手段を行った後充填材を充填して接合構造物としている。
この様に構造材1R51、1R52、1R53と橋台構造材1R6は補強材と充填材で一体的に剛性をもって作られているので不静定構造物としての役割をなす。又本発明の仕口形成手段は構造材1R7等を現場打ち又は工場製品等適宜選定して構造物の形態と規模により様々な態様がなされる。
尚上記した様に主桁及び横桁の構造材にも直接又は部分仕口形成手段を採用可能であり、該構造材は現場にて型枠Hを組んで作ることもできる。
【0100】
図40は主桁構造材と横桁構造材との交差部の仕口形成手段の例を示す要部斜視図で図38,図39の中間、端部横桁の構造材と主桁構造材との交差部を更に詳しく説明するもので、A1矢示は凹凸部12Rを有する中空構造材1R7と横桁構造材1R10の交差部の位置で該構造材の外形に対応する形状の図14、図37等に開示した充填材連通孔113に該構造材1R10が戴置しており部分充填仕口形成手段のための型枠E1、E2が設置されている。
更に該交差部より所定の長さを経て中空部内型枠Gが設置され組立板側中空部112R1を残置してその中空部内に補強材を設置する。
その後組立板2R3を設置する前か後に前記接着手段にて挿入孔B6を介して接着し充填孔より充填材J2を充填する。
他方のA2矢示は構造材1R10は全面に充填J2され、構造材1R8は図13の構造材等が使用されているが、これに限定するもので無く他の構造材でもよい。この他に点線で示すI型で組立板側中空部112R2を有する構造材1R9等様々な前記構造材より選定され使用される。該構造材の中の補強材は前記の他にPC鋼材、纎維棒材等であってもよい。
尚横桁構造材と主桁構造材の交差部の充填材連通孔113の形成は何れかの構造材の背高の構造材に設けるか,構造材の端部を当接するか,又は前記仕口材等を使用することも可能である。
【0101】
図41は一層の複数列の多径間不静定ラーメン構造物の道路方向縦断面図で地面Z1に前記同様に複数の基礎Fと底版3S1に複数列の桁行方向に地中梁構造材1S1と梁間方向に地中梁構造材1S2を骨組間に設け、底版3S1より立設した組立板側中空部112を有する構造材1S3、1S3に組立板2S2が設置され、他の柱構造材1S4、1S4は組立板が無いので箱型(図14)の中空,又は中実の構造材を使用している。
該柱構造材の頭部の梁間方向に複数本の梁構造材1S9が複数列のラーメン構造物を連結しており、桁行方向には柱構造材1S4の頭部に仕口材72S1の上に梁構造材1S6が充填材連通孔113を有して構造材1S9と交差し、隣接する構造材1S5と1S7の端部115Sで仕口材を介して当接されている。
他の径間は梁構造材1S8と組立材2S1が前記同様の方法にて戴置され充填材が充填される。該構造物は軟弱地盤の盛土がわりの他に新幹線の下部構造に利用することも可能である。
尚仕口材と構造材及び構造材同士の接合方法は前記実施例にて説明しているので省略する。
【0102】
前記図36、37に開示した仕口材の詳細とその応用、更に他の構造材の応用について開示する。図42(a)は仕口材形成手段の斜視図で、図42(b)は別の仕口材の斜視図である。
図に於いて、充填材連通孔113を有する構造材1T1、1T2の端部115T同士を当接した位置に必要に応じて仕口材72T1と所定の間隔Z1をおいて型枠E1,E1を設け補強材を配設後充填材J1を充填することは前記にて説明した。
同図(b)に於いて該仕口材には前記構造材の当接部分を強化するために複数本の補強材61T1が配設されその一端が所定の定着長さを有して立設している。
更に前記建築材料より選定された所定の強度を有する矩形状の材料の仕口材72T2の端面を前記仕口材の裏面の中央付近に当接して強固に接着手段で接着する。
又前記建築材料より選定された所定の形状の構造材1T3,1T3の端部が該仕口材に接着手段B0により強固に接着されている。更に所定の長さを有する該構造材1T3の他端はネジB4が設けられている。
図42(c)は別形状の構造材同士からなる合成構造材の分解斜視図の一例で
コンクリート等からなる中空構造材1T4に必要に応じて型枠E2を設け、他方の構造材1T5は鋼材等からなり必要に応じて傾斜1T51を有する端部に、前記構造材1T4と合成と剛性を有するに必要な数と定着長さの補強材61T1、62T1の端部が接着手段B3にて強固に接着されている。
尚中空構造材1T4の内面の凹凸部12の形状の図2、図11の構造材の長手方向即ち縦方向(竪凹凸部121)及び/又は図12の様な構造材横断方向に設けた凹凸部12(横凹凸部122)を少なくとも仕口形成手段7、71T、72T,73Tの範囲に設けると充填材J22より更に合成と剛性の効果が増す。
【0103】
図43は橋梁の道路方向縦断面図で左半分A1矢示は本発明の縦断面図で右半分A2矢示は別の縦断面図を示す。
前記図38,図39に図42を採用し応用したもので重複を避けるために本要点のみ設明する。
A1矢示において、橋台構造材の頭部の支承1T62の上に構造材1T11が戴置され該構造材の中央に前記仕口材72T1を有する仕口材72T2が該構造材に仮止めされるか,又はA2矢示に示す様に予め工場又は現場で部分充填仕口材を形成して構造材1T3を構造材1T11に挿通して端部接着手段で固定して充填材を充填する。
又は、前記構造材1T3をPCのポストテンション材にして構造材1T11、仕口材72T2と充填材J2をプレキャスト(PCa)製品にして架設後に該構造材端部Bにプレストレスを与えて定着する合成構造材1T12を提供できる。
同図A2矢示は柱,板形状の構造材1T7を前記方法で建込み該構造材が柱の場合は地中梁構造材1T8及び/又は組立板2T2を設け不静定構造物のため頭部付近を残して充填材J12を打設する。
本例は部分充填仕口形成手段を採用しているので型枠E1,E2を設置した主桁構造材1T21を有する合成構造材1T22を前記作業にて提供できる。
【0104】
図44は別の橋梁の縦断面図でA1矢示は本発明の縦断面図で、A2矢示は別の縦断面図を示す。本図は図38、図39に図42(c)を採用したもので説明の重複を避けるために要点のみ説明する。A1矢示に於いて橋台構造材1T9の頭部の支承1T92に合成構造材1T41の端部が戴置している。
該合成構造材1T41は前記構造材1T5の端部の補強材61T2が構造材1T4の中空部に挿入され充填材が充填された構造材1T4と構造材1T5の接合構造からなっている。
該構造材1T41の端部及び中間の所定の位置に1又は2以上の前記建築材料より選定された横構造材1T101、1T102が前記方法にて設置されている。 他方のA2矢示の合成構造材1T42は構造材1T4に部分充填仕口形成手段を採用しているので型枠E3を設置して構造材1T5の補強材61T2を充填材により固定している。
更に前記同様に横構造材1T102,1T103を必要に応じて設置している。
【実施例28】
【0105】
前記図1〜図44までは主に土木構造物に関する実施例を開示してきたが本発明はこれに限定するものでなく前記図にて開示した技術的思想を建築構造物にも摘要することも可能である。この一実施例を図45に示す。
図45は小屋組屋根を有する2階建の建築物の断面図で、前記図34に開示した逆巻工法と逆の下から上に工事する常状の正順工法であり施工順序に従ってこの面内骨組構造物即ち面内ラーメン構造物を説明する。
地面Z1を掘削して基礎F、底版3U1に地中梁構造材1U1、1U2を梁間方向と桁行方向にスパンの数だけ設け、床組立板2U1を前記適宜の係止手段で取り付ける前か後に充填材Jを該地中梁構造材の中空部に充填する。
【0106】
次に図32(c)に示す様に地中梁構造材より立設した補強材6に1階の柱構造材に挿入するための補強筋6を接着手段にて接着して柱構造材を建込む。
該構造材1U4は組立板が無いので図14の箱型の中実又は中空の構造材が好まれるが該構造材を1U3に使用する時は図33の接着具Bを埋設してもよいし、側壁開放の組立板側中空部を有する構造材を使用して前記要領にて組立板の工事することも可能である。
該柱構造材の頭部に必要に応じて設ける仕口材72U1,72U2を設置して構造材1U3の構造形式と接着具を適宜選定した2階梁1U5、1U6を戴置する。
前記と同様に仕口形成手段7の選択に従い中空構造材全体に又は型枠Eを採用した部分充填仕口形成手段等と補強材を配設して充填材が充填される。
この時組立板2U1と2U3の係止手段を充填材工事の前にするか後に行うかは現場の状況により適宜選定する。同様の方法で2階柱構造材1U7、1U8と天井梁構造材1U9、1U10と前記要領で天井組立板2U5の工事を選定して充填材工事が行われる。
最後に小屋組工事1U11、1U121U13と前記組立板の要領で屋根板Z3の工事が行われる。尚組立板2U1〜2U5と小屋組構造材は木材又は間伐材等の他の材料を選定し採用することも可能である。
【実施例29】
【0107】
以上各種形状の構造材と組立板と又は構造材単独で、適宜構造物の用途、目的、規模等により組み合わせ材料を選定し係止手段により係止して、充填材を充填し接合した接合構造物の一実施例を各用途等に従い開示したが、本発明の技術的思想はこの一実施に限定するもので無く土木構造物で開示した技術的思想は建築構造物に摘要できることは勿論であり、図ごとに開示した技術は本発明の総てに使用でき、多少の技術的変更も技術的思想に含まれるものである。
例えば図20の直擁壁の技術的思想が図22のもたれ擁壁に摘要されたり、またその逆も同様である。更に図38〜図44の橋梁の面外格子構造物の技術的思想の主桁構造材が図45の梁構造材となり更に橋梁の端又は中間横桁構造材が図45の小梁構造材とした格子構造として採用されたり、主桁と横桁を梁格子構造として図45の梁構造材と併用して使用することも可能である。
【0108】
更に本発明の技術を応用するといろいろな用途にも使用可能で、その一実施例を上げると、簡易なものから大規模な地下貯留水槽、軟弱地盤の盛土代りに、更に漁礁等数多く利用できる。この実施例を図46〜図48に開示する。
図46は前記した用途の一使用例で、図46(a)は本発明の各種構造材を組積した接合構造物の斜視図で、図46(b)は図46(a)使用の要部断面図を示す。
水槽は用途によって底版の設置の有無が異なるが必要に応じて基礎F、底版3Vの上に所定の間隔をなして前記構造材より適宜の形状の構造材を選定して、1又は2以上所定の間隔と開口の向きをなして縦方向に構造材1V1,1V2を配列し、必要に応じて、連接ボルトR31、充填材J1,J2を構造材の中空内面に部分的に又は連続して打設する。
【0109】
該水槽の規模に応じて格子状に2段目構造材1V3,1V4、更に3段目構造材1V5,1V6と組積して、用途に応じて組立板2V1〜2V3を前記構造材の凹凸部より立設したアンカー材B5を挿入孔B6に挿入してナットB1にて螺着する。尚構造材同士の連結は単純に戴荷したり、ボルト等の接着手段、連接手段等で連結することも可能である。
目的に応じて舗装又は盛土Z1を行なう。
構造物の規模と目的により各種の構造材1V4等、或いは図10の別体の52f2の係止材52V1,及び一体の係止材52V2又はスタラップ目的の52V3等が有ったり、無かったり、更に型枠E、充填材J2による部分充填仕口形成手段73Vを行なったり、隣接構造材との連結を連接ボルトR32、ナットR4で行なったり、この部分の充填材を打設したり,しなかったり等前記工法より適宜選定する。
又使用用途も底版3Vと組立板2Vを省略して構造材1Vから成る所定の形状を有する接合構造物にすると漁礁,消波ブロック等に使用可能である。
【実施例30】
【0110】
前記実施例に於いて大規模化すると構造材の使用が多くなり工費が高くなる場合は仕口部を有した柱の構造材(仕口材と構造材が一体かされた構造材)を使用するとよい。図47と図48にその実施例を開示する。図47(a)は本発明の仕口付きの構造材の使用説明斜視図で、図47(b)は別の該構造材の使用説明斜視図で、図47(c)は別の該構造材の使用説明斜視図で、図47(d)は別の該構造材の使用説明断面図を示す。
所定の幅と高さを有する構造材1W1の頭部に梁の構造材1W2,1W3,1W4の形状に対応する前記同様の挿入孔114W2、114W3、114W4を有し、該構造材の端部を仕口受台721Wで受けている。
該構造材1W1の中央付近に必要に応じて前記中空部11Wを有してもよく、該柱、梁に充填材を打設する時は図32,図37に示す充填材連通孔113Wを設けることもある。更に構造材の端部も前記したように当接位置を設けたり、設けなかったり、様々な対応が可能であることは云うまでも無い。
又隣接する該構造材と当接するための連接孔R11を設け該孔に連接ボルトR31又は連接ピンR32を設けて接続することも可能である。
【0111】
図47(b)は前記同様に所定の幅と高さ有する構造材1W5の下方に横方向1ヶ所に貫通する挿入孔114W8に開口が下向きの構造材1W8が嵌入しており、該構造材頭部には縦方向に1ヶ所貫通する挿入孔114W6に開口を上に有する構造材1W6、1W7の端部115Wが中央付近で当接されているが当接しないで1本の構造材を戴置することもある。この場合においても前記同様充填材連通孔113Wを設けることもできる。
前記同様に構造材の両端部に長尺の連接孔R12、R13を設け、これに対応する形状の固定連接材R33、又は別体の連接材R34を必要に応じて設けている。尚構造材間隔R6は適宜変更可能である。
【0112】
図47(c)は前記した構造材のつなぎとしての役割をなす構造材1W9で前記同様に所定の幅と高さを有しており、該構造材1W9は構造材上下端部に前記挿入孔114Wは有しないが前記同様の連接孔R14と中空部11W又は充填材連通孔113W1を設けたりさらに側壁に適宜の形状の挿入孔114W9又充填材連通孔113W2を設けたり,仕口材72W1と補強材61,付着材64を必要に応じて設けることも可能である。
尚図47(a)、(b),図48(a)の構造材にも必要に応じて側壁に挿入孔
114W9、充填材連通孔113W2及び仕口材72W1等を1又は2以上設けることも可能である。
【0113】
図47(d)は前記した構造材と類似した構造材の使用説明断面図で、上戴の構造材と同幅で高さの異なる構造材1W10の下方に挿入孔114W12に開口下向きのU型の構造材1W12が前後方向に挿通されており、その中間付近の横断方向の挿入孔114W15に構造材1W15が挿通され、該構造材1W10の上方端と挿入孔114W13に戴置した構造材1W11の下方の挿入孔114W13に跨って箱型の構造材1W13が嵌入され連接孔R11に連接材又はピンR32が構造材相互を連結している。
更に該構造材1W11の上方中央端部の挿入孔114W14に開口を上にしたU型の構造材1W14が嵌着されている。
【0114】
図48(a)は別の仕口付きの構造材の斜視図で,図48(b)は同図(a)の上面図で図48(c)は前記図47と図48の構造材とこれに類する構造材を使用した接合構造物の一実施例の斜視図を示す。
図48(a)、(b)に於いて、前記同様に同幅又は異なる幅X1,X2と所定の高さX3を有し、同高さ、又は異なる高さX4,X5からなる構造材1X1が下方端に前記同様の挿入孔114X5〜114X8と上方端に挿入孔114X1〜114X4を有している。
又上下両端面に連接孔R11に嵌入する連接材R32は隣接する構造材同士を連結する役割をなし、必要に応じて充填材連通孔113X1が適宜の形状をなして構造材の中央付近に上下方向連通して設けられ、その空間に補強材を設置することもある。
更に前記図32〜図37等の構造材と仕口材も本実施例に使用出来ることは勿論であるが、構造材と仕口材が一体に成った構造材も使用可能で,例えば図32(a)の柱構造材1O3と仕口材72,72Oが一体的に作られた構造材も本発明の技術的思想の範疇である。
【0115】
図48(c)は基礎F上に独立底版3Y1〜3Y4を設けたり、又はこの底版を結ぶベタ底版にしたり現場状況により決定する。
該底版3Y1〜3Y4に戴置した1段目の各種構造材1X2,1X4、1X7、1X7の挿入孔114Xに構造材1Y1、1Y1が嵌入され前記連接材R31、R32によって構造材1X3,1X5,1X8,1X8相互は連結され、同様な手順で構造材1Y2,1Y3と1X1,1X6,1X9,1X9を設置して連接手段R31,B6、B1にて組立版2Y1,2Y2を設置して、必要に応じて盛土Z1を前記要領で行なう、尚構造材の接合ヶ所115Y1、115Y2も現場の状況によって決定する。
又本発明の接合構造物は構造材と組立板の連接又は接合による接合構造物に限定するもので無く、構造材同士或いは構造材と仕口材との連接による接合或いは仕口形成手段も本発明の接合構造物に含まれるもので,連接又は接合は充填材を打設したり、しなかったり、補強材を設けたり,設けなかったり、或いは連接(接合)の条件は単純戴荷、ヒンジ,ピン,半固定、固定、接着手段、連接手段等いろいろな組み合わせによる連接(接合)手段がある。
更に該工法は中空の構造材に限定するもので無く全部が躯体である(図35の4Q1等)中実の構造材も採用可能である。
この様に本発明の技術的思想と前記した多少の技術的変更も含めて土木或いは建築の接合構造物の建設が可能と成る。
【産業上の利用の可能性】
【0116】
産業に利用される製品は社会の発展に対応し、更に寄与できる製品であることが必要で、逆に社会性の無い製品は利用の可能性がない。
即ち製品が現在の社会的問題を抱え、将来に於いてもこの問題が発生し継づける可能性のある問題点を解決することである。
前記(発明が解決しようとする課題)にも記載した様に、この問題点は第一に土木、建築の構造物は施工場所、地形、用途及び規模等様々でこの条件に対応できる技術であること。第二に、どのような施工場所に於いても施工可能で,且つ経済性に優れていること。第三に、熟練工の高齢化と若者の3K離れを解決出来ること、第四に製品の製造と施工の機械化とロボット化が出来ること。第五に製品の長寿命化に対応できること。が上げられ、これを解決できる製品は産業上の利用の可能性は充分にある。
【0117】
本製品はこれらの条件の総てを解決するために発明し、開発をしたものである。
即ちこの理由を列記すると、建造物の長寿命化に対処するには製品のプレキャスト化が最適で、本発明の構造材は図1〜図48に開示した様に様々な形状をしており、長さに於いても0.5m〜運搬可能な10mまで一つ型枠で製造出来、更に多少人手はいるが型枠費の安い流し込み製造からロボット化できる製造機械の利用も可能で、現在の製造技術で様々な構造材の断面にも対応できる。
材料は構造材と組立板にみであるので技術のない労働者でも対応でき、どのような施工場所と規模であっても小型車から大型車までの運搬とクレーン車の施工が出来るので経済性に対しても優れている。
従って前記条件を満足するので本発明の構造材とその接合構造物の産業上の利用の可能性は充分ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構造材、組立板、底版及び補強材の関係を示す係止分解斜視図。
【図2】(a) 本発明の構造材の
【図2(c)】の1−1上面断面図。(b) 本発明の構造材の
【図2(a)】の2−2前面図。(c) 本発明の構造材の側面図。
【図3】(a) 構造材側連結部と係止材側連結部の係止分解断面図。(b) 図3(a)の係止側面断面図。(c) 図3(a)の係止平面図。
【図4】(a) 構造材と組立板の係止説明斜視図。(b) 構造材と組立板の係止説明断面図。
【図5】(a) 擁壁の完成背面斜視図。(b) 擁壁の完成正面斜視図。
【図6】(a) 別の組立板の背面斜視図。(b) 同図の係止状態断面図。
【図7】(a) 別の組立板と構造材との係止状態上断面図。上半分A2矢示と下半分A1矢示は別々の工法を示す。(b) 同図A3−A3矢示の側断面図。(c) 構造材側係止材使用前の断面図。(d) 構造材側係止材使用後の断面図。
【図8】(a) 別の構造材側係止材の説明斜視図。(b) 同図の組立板側係止材の設置状況斜視図。
【図9】別の組立板と構造材との係止状況を説明する係止説明斜視図。
【図10】(a) 別の係止材側連結部斜視図。(b) 別の係止材側連結部斜視図。(c) 別の係止材側連結部斜視図。(d) 別の係止材側連結部斜視図。
【図11】(a) 別の構造材の上面図。(b) 別の構造材の上断面図。
【図12】(a) 別の構造材の横断面図。(b) 同図(a)の上断面図。(c) 連結部部位の係止説明断面図。
【図13】(a) 別の構造材の斜視図。(b) 別の構造材の斜視図。(c) 別の構造材の断面斜視図。
【図14】(a) 中空構造材を製作する説明断面図。(b) 中空構造材製作後の断面図。(c) 同図(a)の上面図。(d) 中空構造材の製品斜視図。
【図15】(a) 組立板と構造材との一体構造材の斜視図。(b) 別の一体構造材の斜視図。(c) 別の一体構造材の平面図。(d) 別の一体構造材の平面図。
【図16】(a) 左側に逆巻工法の掘削状况図と右側に構造材設置後の断面図。(b) 左側に組立板の施工説明図と右側に施工後の断面図。(c) 組立板の施工説明詳細断面図。
【図17】(a) 構造材側係止材の説明断面斜視図。(b) 組立板の裏面断面斜視図。(c) 別の構造材側係止材の断面斜視図。
【図18】(a) 係止材嵌着前の説明断面図。(b) 係止材嵌着後の断面図。
【図19】係止手段の遠隔操作説明斜視断面図。
【図20】(a) 組積直擁壁背面説明斜視図(b) 別の控型擁壁背面説明斜視図。(c) 別の控型擁壁完成背面斜視図。
【図21】(a) 各タイプの控構造材使用を説明する擁壁背面斜視図。(b) 同図(a)の控構造材の補強材の配筋断面図。(c) 控構造材と底版との係止断面詳細図。(d) 控構造材の別のタイプの上面断面図。
【図22】(a) 本発明のもたれ擁壁断面図。(b) 同図(a)の上面断面図。(c) 別のもたれ擁壁の上面断面図。
【図23】(a) 移動可能な組立板の裏面斜視図。(b) 同図(a)のあり溝係止材の詳細断面図。(c) 別の移動係止材の断面図。(d) 別の移動係止材の断面図。(e) 別の移動係止材の説明斜視図。(f) 別の移動係止材の設明斜視図。
【図24】(a) 同図(b)の1−1鉛直断面図。(b) 同図(a)の2−2上面断面図。
【図25】(a) 緑化組立板の背面斜視図。(b) 別の緑化組立板の背面斜視図。(c) 別の緑化組立板利用の上断面図。(d) 別の波返し板の斜視図。
【図26】(a) 本発明の別の土留壁の構造材位置での縦方向断面図。(b) 同図(a)の底版上面半分とその配筋状態上面図。(c) 本発明の別の土留壁の構造材位置での縦方向断面図。(d) 同図(c)の底版上面半分とその配筋状態上面図。
【図27】(a) 本発明のアンカー体使用の接合構造物の断面図。(b) 構造材とアンカー体頭部との係止詳細上面断面図。(c) 本発明の別のアンカー体使用の接合構造物の断面図。
【図28】(a) 本発明の別の接合構造物の上面図。左半分A1矢示に実施例を示し,右半分A2矢示に別の実施例を示す。(b) 本発明の別の接合構造物の上面図。左半分A1矢示に実施例を示し,右半分A2矢示に別の実施例を示す。
【図29】(a) 別の接合構造物の実施上面断面図。(b) 同図(a)の完成斜視図。(c) 別の接合構造物の接合部位を説明する組立板の斜視図。(d) 同図(c)を利用した組立板と構造材との接合状態を説明する上面断面図。
【図30】(a) 本発明の地下構造物の断面図。左半分は骨組断面図、右半分は別の骨組断面図。(b) 同図(a)の骨組状態斜視図。(c) 別の骨組状態斜視図。
【図31】(a) 本発明の別の組立板と構造材との係止手段を説明する斜視図。(b) 別の係止手段を説明する上面断面図。(c) 別の接合構造物の組立状態を説明するための組立断面斜視図。
【図32】(a) 本発明の仕口材形成手段の斜視図。(b) 同図(a)の断面図。(c) 別の仕口材形成手段の斜視図。
【図33】(a) 構造材と組立板との接着による係止手段を説明する断面図。(b) 別の係止手段の説明断面図。
【図34】地下2階建の地下接合構造物の断面図。
【図35】(a) 本発明の道路接合構造物の断面図。(b) 別の道路接合構造物の断面図。(c) 別の道路接合構造物の断面図。
【図36】(a) 本発明の直接仕口形成手段の部位の上面断面詳細図。(b) 本発明の仕口材形成手段の部位の上面断面詳細図。(c) 別の仕口材形成手段の部位の断面詳細図。(d) 別の仕口材形成手段の部位の分解斜視図。
【図37】(a) 仕口材部位の断面図。(b) 同図(a)の斜視図。(c) 別の仕口材の斜視図。(d) 別の仕口材の断面図。(e) 同図(d)のA1−A1矢示断面図。(f) 同図(d)の別形態のA1−A1矢示断面図。
【図38】(a) 本発明の単純桁橋梁の道路縦方向説明断面図。左半分A1矢示に主桁側面断面図、右半分A2矢示に主桁中央断面図を示す。(b) 別の不静定橋梁の道路方向縦断面図。左半分A1矢示に主桁側面断面図、右半分A2矢示に主桁中央断面図を示す。
【図39】(a) 図38(a)、(b)の主桁構造材の各々の使用方法を説明する橋梁断面図。左半分A1矢示は図38(a)を示し、右半分A2矢示は図38(b)を示す。(b) 主桁構造材と横桁構造材との各々の仕口形成手段を説明する同図(a)のA3−A4の切断上面図。下半分A3矢示は図38(a)を示し、上半分A4矢示は図38(b)を示す。
【図40】主桁構造材と横桁構造材との交差部の仕口形成手段の例を説明する要部断面斜視図。
【図41】一層の複数列の多径間不静定ラーメン構造物の道路方向縦断面図。
【図42】(a) 仕口形成手段の斜視図。(b) 別の仕口材の斜視図。(c) 別の形状と材料の構造材同士からなる合成構造材の分解斜視図。
【図43】図42(b)使用の道路橋縦方向断面図。A1矢示は静定構造物の断面図で,A2矢示は不静定構造物の断面図。
【図44】図42(c)使用の橋梁の縦断面図。左半分A1矢示は本発明の縦断面図、右半分A2矢示は別の縦断面図を示す。
【図45】小屋組屋根を有する2階建の建築構造物断面図。
【図46】(a) 本発明の各種構造材を粗積して構造材同士の接合構造物の斜視図。(b) 図46(a)の構造材同士の戴置又は接着断面図。
【図47】(a) 仕口材付構造材の使用説明斜視図。(b) 別の仕口材付構造材の使用説明斜視図。(c) 別の仕口材付構造材の使用説明斜視図。(d) 別の仕口材付構造材の使用説明断面図。
【図48】(a) 別の仕口材付構造材の使用説明斜視図。(b) 図48(a)の上面図。(c) 図47,図48の構造材とこれに類する構造材を粗積した接合構造物の斜視図。
【符号の説明】
B・・接着手段 B1ナット,B2ワッシャ、B3溶接、接着、B4ボルト、
(接着具) B5アンカー材、B6挿入孔、B7受台
C・・後打ちコンクリート
D・・段部
E・・中空部内型枠板
F・・基礎
G・・中空部内型枠体、中空部内立体型枠体
H・・型枠
J・・充填材、JJ充填孔、JH排気孔、JR排気路
K・・シャキー
M・・中詰材 MC中詰コンクリート
N・・裏込材、NH排水孔
O・・吸出防止材
P・・流水方向
Q・・Q1植栽土、Q2樹木
R・・構造材同士の連接手段 R1連接孔、R2連接板、R3連接ボルト
R31連接材、R32連接ピン、連接材
R4連接ナット、R5隣接構造材との当接面当接高、
R6隣接構造物との間隔。
(構造材、組立板と底版との連接による係止手段又は接合構造物。)
1・・構造材 1a〜1v、1A〜1Y(実施例ごとに添え字a〜v、A〜Yを変えてい る以下同じ)
11,(11a等)中空部、111、(111a等)構造材側中空部、1 12、(112a等)組立板側中空部
113充填材連通孔、114挿入孔、115構造材端部
12凹凸部、121竪凹凸部、122横凹凸部
13係止連結凹凸部
14構造材側係止材
2・・組立板(土留板、壁板、床板) 2a〜2v、2A〜2Y(添え字前記と同じ)
3・・底版 3a〜3v,3A〜3Y(添え字前記と同じ)
31前趾底版 32後趾底版 33底版根固工
4・・控構造材 4A〜4Y(添え字前記と同じ)
5・・係止材、係止部、係止手段(接合構造物)5a〜5v、5A〜5Y(添え字前記と 同じ)
51組立板側係止材、511構造材側折曲部(係止部)、512組立板側 折曲部(係止部)、52構造材側係止材、521構造材側係止部、
53係止材側連結部、54係止隙間、55係止孔、
56クサビ、57係止アンカー体、58係止付着材、
59係止材側係止材挿入孔
6・・補強材 6a〜6v、6A〜6Y(添え字前記と同じ)
61主筋、主筋側組立筋、611竪組立筋、62スタラップ、
621横組立筋、63構造材側連結部、64付着筋、
65構造材側係止孔
7・・仕口形成手段 7a〜7v、7A〜7Y(添え字前記と同じ)
71直接仕口形成手段、72仕口材形成手段、721仕口受台
722仕口振止、723仕口止
73部分充填仕口形成手段、74仕口材連通孔
(構造材同士,又は構造材と仕口材との接合又は連接は単純戴荷、ピン、 ヒンジ、半固定、固定等の連接手段がある。)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を構成する柱や梁の内面の一部又は全部が所定の形状の中空部を有した構造材であって、該構造材中空内面の側壁又は開口部付近のいずれか又は双方に竪凹凸部及び/又は横凹凸部を設け、必要に応じて補強材を該側壁及び/又は開口部に設けたことを特徴とする構造材。
【請求項2】
構造物を構成する柱や梁の内面の一部又は全部が中空部を有した構造材であって、組立板の係止材と係止手段を介して係止可能とする係止材を構造材に有していることを特徴とする構造材。
【請求項3】
前記構造材を構成する側壁の一辺又は、二辺以上が該中空部と連通する充填連通孔を有し、該充填連通孔を構成する充填連通材及び/又は充填連通孔が前記係止材又は補強材としての役割をなしていること特徴とする請求項1ないし2のいずれか1に記載の構造材。
【請求項4】
前記構造材の側壁面或いは側壁の一辺又は二辺以上に所定の形状の組立板を、固定状に一体的に取り付けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の構造材。
【請求項5】
構造材を構成する側壁の一辺又は二辺以上が構造材の一部又は全長に渡って切断された開口部を有した溝型又はL型等の形状を成していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の構造材。
【請求項6】
構造材の開口部又は中空部の内面に竪凹凸部及び/又は横凹凸部並びに螺旋状の凹凸部を有したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の構造材。
【請求項7】
構造材に充填孔及び/又は排気路と排気孔のいずれか或いは双方を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1に記載の構造材。
【請求項8】
構造材の中空部に1又は2以上の組立板側充填部を有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の構造材。
【請求項9】
構造材に設けた充填連通孔及び/又は構造材の一部或いは全部に設けた開口部又は中空内面とに設けた竪凹凸部又は横凹凸部のいずれか又は双方の前記構造材の開口部を利用して一部又は全部に箱型構造材を製作する場合、当該開口部個所の中空部内面に板状、又は立体状の埋殺し型枠、或いは機械的に抜き取りする抜取型枠の型枠手段をおこなった後、該型枠個所に硬化性充填材を打設して硬化後、型枠手段の処理を行ったことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の構造材。
【請求項10】
アンカー材及び/又は適宜の形状と材質から成る組立板を設置可能とすることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の構造材。
【請求項11】
垂直に、又は斜めに、或いは水平方向等に架設された前記構造材の中間部及び/又は端部に隣接する前記構造材の端部又は側壁を当接して骨組構造物を架設するとき、該当接部に仕口形成手段を可能とする仕口材が別体で及び/又は一体的に設置されたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1に記載の構造材。
【請求項12】
構造材側充填部に工場又は現場にて充填材を打設したことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1に記載の構造材。
【請求項13】
構造材の躯体及び/又は充填部に補強材又は組立板と接合する接着手段のいずれか又は双方を設けたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1に記載の構造材。
【請求項14】
垂直に、又は斜めに、或いは水平方向等に地盤又は底版より立設した、或いは独立して前記請求項1ないし13に記載の構造材を1又は2以上を組み合わせて架設してなる構造材の中間部及び/又は端部に、隣接する前記構造材の端部及び/又は側壁に仕口形成手段により連接され、架設された1層又は2層以上から成る骨組構造物の構造材に、適宜の形状と材料からなる組立板を所定の個所に1又は2以上係止手段により係止したことを特徴とする接合構造物。
【請求項15】
前記構造材又は該構造材の上端面に1又は2以上の同断面或いは別断面の構造材を戴置したいずれかの骨組構造物に必要に応じて天端構造材を設置してなる骨組構造物を直擁壁又はもたれ擁壁等の土留構造物としたことを特徴とする請求項14に記載の接合構造物。
【請求項16】
横梁構造材及び/又は控構造材に必要に応じて底板根固工を設けたことを特徴とする請求項14ないし15のいずれか1に記載の接合構造物。
【請求項17】
立設する前記構造材に組立板を正順工法又は逆巻工法により架設して地上又は地下構造物としたことを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1に記載の接合構造物。
【請求項18】
立設する前記構造材又は該構造材の上端面に同断面或いは別断面の構造材を戴置したいずれかの骨組構造物に必要に応じて水平又は傾斜の1又は2以上の組み合わせからなる前記構造材を戴置して1層又は2層以上からなる地上又は地下構造物及び/又は建築構造物としたことを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1に記載の接合構造物。
【請求項19】
立設する前記構造材又は該構造材の上端面に同断面或いは別断面の構造材を戴置したいずれかの骨組構造物に必要に応じて水平又は傾斜の1又は2以上の組み合わせからなる前記構造材を戴置して橋梁又は地上或いは地下土木構造物としたことを特徴とする請求項14ないし18のいずれか1に記載の接合構造物。
【請求項20】
立設する前記構造材、又は水平及び傾斜のいずれか又は双方の前記構造材を2以上組み合わせてなる構造材の交差部に仕口材形成手段及び/又は部分充填仕口形成手段等の仕口形成手段をもちいたことを特徴とする請求項14ないし19のいずれか1に記載の接合構造物。
【請求項21】
垂直に、又は斜めに、或いは水平方向等に、地盤又は底版より立設した、或いは独立した、前記請求項1ないし13に記載の構造材を1又は2以上を組み合わせて架設してなる構造材の中間部及び/又は端部に、隣接する前記構造材の端部及び/又は側壁を直接又は仕口形成手段を介して連接して、架設された1層又は2層以上から成る構造材を骨組構造物としたことを特徴とする接合構造物。
【請求項22】
前記構造材の1又は2以上に補強材及び/又は充填材を打設したことを特徴とする請求項14ないし21のいずれか1に記載の接合構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2006−63779(P2006−63779A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278449(P2004−278449)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(391015812)
【Fターム(参考)】