説明

樹脂成形品の製造方法

【課題】成形サイクルを長くすることなく、耐久性に優れたコート層を形成することができる、コート層を有する樹脂成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】射出成形用金型のコアプレート(110a)のキャビティ面に熱硬化型のコーティング剤(120)を塗布する。このとき、コアプレート(110a)の温度Tを、コーティング剤(120)の熱硬化温度Tよりも低くする。その後、射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂(130)を注入する。このとき、コアプレート(110a)のキャビティ面の最高温度Tが、コーティング剤(120)の熱硬化温度T以上となる。これにより、コーティング剤(120)は、熱可塑性樹脂(130)の熱により硬化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にコート層を有する樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野や科学分野などにおいて、タンパク質や核酸などの生体物質を検出するために、マイクロウェルプレートやマイクロ流路チップなどの検出デバイスが使用されている。
【0003】
従来、これらの検出デバイスとしては、ガラス基板を加工したものが用いられてきた。しかしながら、ガラス基板は高価であるため、最近では、安価かつ量産が容易な樹脂製の検出デバイスが主流となっている。
【0004】
ところが、樹脂製の検出デバイスには、タンパク質や蛍光色素などが樹脂基材表面に付着することにより、検出感度が低下するおそれがあった。そこで、樹脂基材表面へのタンパク質などの付着を防ぐとともに、溶液の流れをよくするために、樹脂基材表面を親水化することが広く行われている。
【0005】
樹脂成形品の親水性を向上させる手段としては、樹脂成形品の表面自由エネルギーを高くすることが考えられる。たとえば、酸化チタンなどの光触媒を含むコート層(親水化層)を樹脂成形品の表面に形成する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、樹脂などからなる浴槽の表面に、光触媒またはその前駆体を含むコーティング剤(親水化剤)を塗布することで、光触媒を含む親水化層を形成することが開示されている。
【0006】
ところが、特許文献1に記載の方法で製造された樹脂成形品(浴槽)には、耐久性の問題がある。すなわち、特許文献1に記載の方法で製造された樹脂成形品では、樹脂基材と親水化層との密着性が悪いため、使用に伴い親水化層が剥離してしまうおそれがある。
【0007】
この耐久性の問題を解消する手段として、成形金型のキャビティ面に予めコート層(親水化層)を形成する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2には、1)離型剤を塗布した成形金型のキャビティ面にコーティング剤(親水化剤)を塗布し、2)塗布された親水化剤を加熱乾燥して親水化層を形成し、3)成形金型のキャビティに熱硬化性樹脂を注入して樹脂成形品を形成するとともに、親水化層を樹脂成形品の表面に転移させ、4)脱型した樹脂成形品の表面に付着した疎水性物質(離型剤など)を研磨除去する、樹脂成形品の製造方法が記載されている。
【0008】
特許文献2に記載の製造方法を採用することで、樹脂基材と親水化層との密着性がよく、耐久性に優れる樹脂成形品を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−225393号公報
【特許文献2】特開2001−121603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の製造方法には、成形サイクルが長くなり、製造効率が低下するという問題がある。
【0011】
特許文献2の方法では、成形金型のキャビティに熱硬化性樹脂を注入する前に、キャビティ面に塗布されたコーティング剤(親水化剤)を一定時間(例えば10分間)加熱乾燥してコート層(親水化層)を形成しなければならない。
【0012】
また、特許文献2の方法では、主として熱硬化性樹脂を用いているため、キャビティ内の熱硬化性樹脂を長時間(例えば30分間)加熱しなければならない。
【0013】
さらに、特許文献2の方法では、成形金型のキャビティ面に疎水性の離型剤を塗布しているため、脱型した後に、樹脂成形品の表面に付着した離型剤を除去しなければならない。
【0014】
以上のように、特許文献2に記載の製造方法では、コート層の形成や熱硬化性樹脂の硬化、離型剤の除去などの工程に時間がかかるため、成形サイクルが長くなってしまう。
【0015】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、成形サイクルを長くすることなく、耐久性に優れたコート層を形成することができる、コート層を有する樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、成形金型のキャビティ面に熱硬化型のコーティング剤を塗布し、このコーティング剤をキャビティに注入された熱可塑性樹脂の熱で硬化させることで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、本発明は、表面にコート層を有する樹脂成形品の製造方法であって:射出成形用金型のキャビティ面の少なくとも一部に熱硬化型のコーティング剤を塗布する第1のステップと、前記コーティング剤を塗布された前記射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂を注入して、前記キャビティ面に塗布された前記コーティング剤を硬化させるとともに、前記熱可塑性樹脂の成形品を形成する第2のステップとを有し;前記第1のステップにおける前記射出成形用金型の温度をT、前記熱硬化型のコーティング剤の熱硬化温度をT、前記第2のステップにおける前記キャビティ面の最高温度をTとしたときに、「T<T≦T」である、樹脂成形品の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、成形サイクルを長くすることなく、耐久性に優れたコート層を有する樹脂成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の製造方法の一実施の形態を説明するための模式図
【図2】図1に示される製造方法で製造される樹脂成形品の例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の製造方法は、表面にコート層を有する樹脂成形品を射出成形法により製造する方法である。ここで「コート層」とは、樹脂成形品の表面に何らかの機能を付与する層(機能付与層)を意味する。コート層は、例えば親水化層や撥水化層、帯電防止層などであるが、これらに限定されるわけではない。
【0021】
本発明の製造方法は、1)射出成形用金型のキャビティ面に熱硬化型のコーティング剤を塗布する第1のステップと、2)コーティング剤を塗布された射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂を注入して樹脂成形品を形成する第2のステップとを有する。以下、各ステップについて説明する。
【0022】
1)第1のステップ
第1のステップでは、射出成形用金型のキャビティ面に熱硬化型のコーティング剤を塗布する。ここで「キャビティ面」とは、射出成形用金型のキャビティ(空洞部)を形成する面をいう。
【0023】
使用する射出成形用金型の形状、大きさ、材料などは、特に限定されず、製造する樹脂成形品に応じて適宜選択されうる。
【0024】
コーティング剤は、射出成形用金型のキャビティ面の少なくとも一部に塗布される。すなわち、コーティング剤は、キャビティ面の全面に塗布されてもよいし、一部の面のみに塗布されてもよい。また、異なる種類のコーティング剤を、それぞれキャビティ面の異なる領域に塗布してもよい。
【0025】
コーティング剤の種類は、熱硬化型のものであれば特に限定されず、公知のコーティング剤から適宜選択されうる。コーティング剤の例には、熱硬化型の親水化剤や撥水化剤、帯電防止剤などが含まれる。コーティング剤は、公知の機能付与物質やバインダなどを溶媒に分散または溶解させることで調製されうる。また、コーティング剤は、市販のものを使用してもよい。
【0026】
キャビティ面にコーティング剤を塗布する際には、キャビティ面に離型処理がなされていないことが好ましい。キャビティ面に離型剤が塗布されていると、樹脂成形品を離型した後に、樹脂成形品の表面に付着した離型剤を除去する必要があるからである。たとえば、キャビティ面に塗布するコーティング剤として、シリカ系またはフッ素系のコーティング剤を使用することで、離型剤を塗布しなくても容易に樹脂成形品を離型することができる。
【0027】
コーティング剤の塗布方法は、特に限定されず、射出成形用金型の形状や塗布面積などに応じて適宜選択されうる。コーティング剤の塗布方法の例には、スプレー法やロールコート法などが含まれる。
【0028】
後述するように、本発明の製造方法は、第2のステップにおいて、注入された熱可塑性樹脂の熱によりコーティング剤を硬化させることを一つの特徴とする。すなわち、第2のステップにおいて熱可塑性樹脂をキャビティに注入するまでは、コーティング剤を硬化させない。したがって、キャビティ面にコーティング剤を塗布する第1のステップでは、コーティング剤が硬化しないように、射出成形用金型の温度Tをコーティング剤の熱硬化温度Tよりも低くすることが好ましい(T<T)。射出成形用金型の温度は、金型温度調節機などで調整されうる。
【0029】
2)第2のステップ
第2のステップでは、コーティング剤を塗布された射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂を注入して、樹脂成形品を形成する。
【0030】
本発明の製造方法は、熱硬化性樹脂ではなく熱可塑性樹脂を使用することを一つの特徴とする。本発明の製造方法では、樹脂を注入する時点ではコーティング剤が硬化していない。したがって、低温の熱硬化性樹脂をキャビティに注入した場合、コーティング剤と熱硬化性樹脂とが混ざり合ってしまい、コート層を形成することができない。一方、熱可塑性樹脂を使用する場合は、ある程度高温の熱可塑性樹脂をキャビティに注入するため、コーティング剤と熱可塑性樹脂とが混ざり合うことなく、熱可塑性樹脂の熱によりコーティング剤が硬化し、コート層を形成することができる。
【0031】
熱可塑性樹脂の種類は、特に限定されず、必要とする性質(例えば、透明性や耐薬品性など)などに応じて公知の熱可塑性樹脂から適宜選択されうる。使用できる熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォンなどが含まれる。
【0032】
前述の通り、本発明の製造方法は、第2のステップにおいて、注入された熱可塑性樹脂の熱によりコーティング剤を硬化させることを一つの特徴とする。したがって、熱可塑性樹脂を注入したときのキャビティ面の最高温度Tがコーティング剤の熱硬化温度T以上となるように(T≦T)、注入する熱可塑性樹脂の温度を調整することが好ましい。熱可塑性樹脂の温度は、射出装置のシリンダの温度を調整することなどで調整されうる。
【0033】
熱可塑性樹脂は、キャビティに注入される前に、キャビティに充填しうる程度の流動性を有するように加熱される。高温の熱可塑性樹脂がキャビティに注入されてキャビティ面に触れると、樹脂成形品のスキン層が形成され始めるとともに、キャビティ面の温度が急激に上昇する。前述の「熱可塑性樹脂を注入したときのキャビティ面の最高温度T」とは、このときのキャビティ面の温度変化における最高温度を意味する。
【0034】
射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂を注入すると、熱可塑性樹脂の熱によりキャビティ面に塗布されたコーティング剤が硬化してコート層が形成される。コーティング剤の硬化は、熱可塑性樹脂に触れることによって熱を受けて、熱可塑性樹脂のスキン層形成とほぼ同時に進行する。その結果、コート層は、形成された樹脂成形品の表面に密着する。
【0035】
コーティング剤が十分硬化し、かつ樹脂成形品も十分に固化した後、コート層を有する樹脂成形品を離型する。通常、樹脂成形品を冷却して金型から取り出すまでの間に、コーティング剤は十分に硬化する。したがって、コーティング剤を硬化させるための加熱時間を別途設定する必要はない。
【0036】
以上の手順により、表面にコート層を有する樹脂成形品を製造することができる。
【0037】
本発明の製造方法は、キャビティに注入された熱可塑性樹脂の熱によりコーティング剤を硬化させるため、熱可塑性樹脂を注入する前にコーティング剤を加熱乾燥する必要はない。また、本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂を使用しているため、キャビティ内の樹脂を所定の時間加熱する必要もない。さらに、本発明の製造方法は、キャビティ面に離型剤を塗布しなくてもよいため、樹脂成形品の表面に付着した離型剤を除去する必要もない。
【0038】
このように、本発明の製造方法は、成形サイクルを長くすることなく、耐久性に優れたコート層を有する樹脂成形品を製造することができる。
【0039】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る製造方法を説明するための模式図である。ここでは、図2に示されるマイクロウェルプレートを製造する例を示す。
【0040】
まず、図1Aに示されるように、射出成形用金型のコアプレート110aおよびキャビティプレート110bを準備する。コアプレート110aおよびキャビティプレート110bに離型剤を塗布する必要はない。
【0041】
次に、図1Bに示されるように、コアプレート110aのコア(凸部)の表面に熱硬化型のコーティング剤120(例えば、シリカ系の親水化剤)を塗布する。このとき、コアプレート110aの温度Tを、コーティング剤120の熱硬化温度Tよりも低くする。コアプレート110aの温度Tは、この後の工程における熱可塑性樹脂の充填性や成形サイクルなどの諸条件も考慮した上で設定される。たとえば、コーティング剤120の熱硬化温度Tが120℃の場合、コアプレート110aの温度Tを100℃とする。したがって、塗布されたコーティング剤120は、硬化しない。
【0042】
次に、図1Cに示されるように、コアプレート110aとキャビティプレート110bとを合わせて型締めを行う。このときも、コアプレート110aの温度Tを、コーティング剤120の熱硬化温度Tよりも低くする。
【0043】
次に、図1Dに示されるように、射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂130を充填する。このとき、キャビティ面の最高温度Tが、コーティング剤120の熱硬化温度T以上となるように、充填する熱可塑性樹脂130の温度を調整する。たとえば、コーティング剤120の熱硬化温度Tが120℃の場合、キャビティ面の最高温度Tが120〜150℃となるように、充填する熱可塑性樹脂130の温度を320℃とする。これにより、コアプレート110aのコアに塗布されたコーティング剤120が硬化して、コート層140が形成される。
【0044】
最後に、図1Eおよび図1Fに示されるように、コアプレート110aとキャビティプレート110bとを開き、樹脂成形品(マイクロウェルプレート)100を離型する。
【0045】
以上の手順により、図2に示される樹脂成形品(マイクロウェルプレート)100を製造することができる。図2Aは、マイクロウェルプレート100の平面図である。図2Bは、図2AのB−B線の断面図である。これらの図に示されるように、マイクロウェルプレート100の凹部(ウェル)内面には、コート層140が強固に付着している。
【0046】
なお、樹脂成形品の凹部にコート層を形成する場合、樹脂成形品を形成した後にスプレー法などでコーティング剤を塗布する方法も考えられる。しかしながら、樹脂成形品の凹部にコーティング剤を塗布するよりも、コアプレートの凸部(コア)にコーティング剤を塗布した場合の方が、よりムラなくコーティング剤を塗布することができる。このように、樹脂成形品の凹部にコート層を形成する場合に、本発明の製造方法は特に好適である。
【0047】
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
【実施例】
【0048】
本実施例では、ウェルの内面に親水化層を形成したマイクロウェルプレート(ウェルの直径7.3mm、ウェルの深さ11mm、平板部の板厚1.2mm;図2参照)を作製した例を示す。
【0049】
まず、射出成形用金型が開いている状態で、シリカ系(ガラス系)の親水化剤(フレッセラR−EP4;パナソニック電工株式会社)をコアプレートのコアの表面にスプレーガンを用いて塗布した(図1B参照)。このとき、金型温度調整機を用いてコアプレートおよびキャビティプレートの温度を100℃に調整した。なお、使用した親水化処理剤の推奨硬化条件は、120℃×1分間+常温×24時間または120℃×10〜20分間である。
【0050】
スプレーガンによる親水化剤の塗布は、成形機に取り付けた自動スプレー機によって行い、成形サイクルに合わせてコアの表面にスプレーできるように設定した。自動スプレー機のスプレーコントローラにはME−5000SP(武蔵エンジニアリング株式会社)を、スプレーバルブにはST−6SK(扶桑精機株式会社)を、ストレートワンタッチタンクにはSOT−1L(武蔵エンジニアリング株式会社)を使用した。射出成形用金型のコアプレートおよびキャビティプレートいずれについても、離型処理はしなかった。
【0051】
次に、コアプレートとキャビティプレートとを合わせて型締めを行った後(図1C参照)、射出成形用金型のキャビティに溶融させたポリカーボネート(ユーピロンH−3000R;三菱ガス化学株式会社)を注入した。このとき、射出成形用金型の温度を100℃とし、射出シリンダの温度を320℃とした。注入中のキャビティ面の最高温度は、120〜150℃であった。
【0052】
ポリカーボネートを注入してから50〜60秒後に、コアプレートとキャビティプレートとを開き、樹脂成形品(マイクロウェルプレート)を離型した(図1F参照)。上述の通り、射出成形用金型に離型処理を行っていないが、容易に離型することができた。
【0053】
以上の手順により、短い成形サイクル(数分レベル)で、ウェル内面に親水化層を有するマイクロウェルプレートを作製することができた(図2参照)。純水に青インクを添加した溶液を用いてウェル内面における水の自由表面の接触角を評価したところ、本発明の製造方法に係るウェルの方が親水化層を形成しないウェルよりも接触角が小さくなり、良好な結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の製造方法は、例えば、医療分野や科学分野などにおいて用いられているマイクロウェルプレートやマイクロ流路チップなどの検出デバイスの製造方法として有用である。
【符号の説明】
【0055】
100 樹脂成形品
110a コアプレート
110b キャビティプレート
120 コーティング剤
130 熱可塑性樹脂
140 コート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にコート層を有する樹脂成形品の製造方法であって、
射出成形用金型のキャビティ面の少なくとも一部に熱硬化型のコーティング剤を塗布する第1のステップと、
前記コーティング剤を塗布された前記射出成形用金型のキャビティに熱可塑性樹脂を注入して、前記キャビティ面に塗布された前記コーティング剤を硬化させるとともに、前記熱可塑性樹脂の成形品を形成する第2のステップと、を有し、
前記第1のステップにおける前記射出成形用金型の温度をT、前記熱硬化型のコーティング剤の熱硬化温度をT、前記第2のステップにおける前記キャビティ面の最高温度をTとしたときに、「T<T≦T」である、
樹脂成形品の製造方法。
【請求項2】
前記熱硬化型のコーティング剤は、親水化剤、撥水化剤または帯電防止剤である、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項3】
前記熱硬化型のコーティング剤は、シリカ系またはフッ素系のコーティング剤である、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項4】
前記射出成形用金型のキャビティ面に離型剤を塗布しない、請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−176593(P2012−176593A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41930(P2011−41930)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】