説明

樹脂組成物、接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品

【課題】第1の被着体と第2の被着体とを接合する際、容易に、第1の被着体と第2の被着体との位置合わせを行うことができる樹脂組成物を提供すること、および、このような樹脂組成物を用いた接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品を提供すること。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、第1の被着体と第2の被着体とを接合する際に用いられ、前記第1の被着体上に設けられる樹脂組成物層1を構成するものであり、前記樹脂組成物層1を平均厚さt[μm]で設け、前記樹脂組成物層1の波長800nmの光における吸収係数をα[1/μm]としたとき、下記(1)式および(2)式を満たすよう構成されている。
α×t≦−log10(0.05) ・・・(1)
1≦t≦200 ・・・(2)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、これらの電子機器に使用される半導体パッケージも、従来にも増して、小型化かつ多ピン化が進んできている。これら電子部品の電気的な接続を得るためには、半田接合が用いられている。この半田接合としては、例えば半導体チップ同士の導通接合部、フリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板間との導通接合部、回路基板同士の導通接合部等が挙げられる。この半田接合部には、電気的な接続強度および機械的な接続強度を確保するために、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる封止樹脂が注入されている(アンダーフィル封止)。
【0003】
この半田接合部よって生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂(アンダーフィル材)で補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給し、これを硬化することによって半田接合部を補強している。しかしながら、電子部品の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しているため、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給してもギャップ間に液状封止樹脂(アンダーフィル材)が行き渡らなく、完全に充填することが困難になるという問題が生じている。
【0004】
このような問題に対して、フラックス機能を有する接着フィルムを介して、半田接合と接着とを一括で行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、接着フィルムを用いて、半導体チップ同士、半導体チップと回路基板、回路基板同士を接合する場合は、一方に接着フィルムを貼り付けた後、両者の位置合わせを行う。例えば、半導体チップと回路基板と接合する場合は、例えば、回路基板に接着フィルムを貼り付けた後、回路基板のアライメントマークと、半導体チップのアライメントマークとを回路基板や半導体チップの厚さ方向から見て一致させることにより、回路基板に対して半導体チップの位置合わせを行う。そして、この後、半田接合や接着フィルムの硬化等を行う。なお、回路基板に接着フィルムを貼り付けることにより、回路基板のアライメントマークは、接着フィルムで覆われてしまう。
【0006】
しかしながら、従来の接着フィルムでは、その接着フィルムの透明性が悪く、接着フィルムを介してアライメントマークを視認することができず、回路基板と半導体チップとの位置合わせを行うことができない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−107006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、第1の被着体と第2の被着体とを接合する際、容易に、第1の被着体と第2の被着体との位置合わせを行うことができる樹脂組成物を提供すること、および、このような樹脂組成物を用いた接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 第1の被着体と第2の被着体とを接合する際に用いられ、前記第1の被着体上に設けられる樹脂組成物層を構成する樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物層を平均厚さt[μm]で設け、前記樹脂組成物層の波長800nmの光における吸収係数をα[1/μm]としたとき、下記(1)式および(2)式を満たすよう構成されていることを特徴とする樹脂組成物。
α×t≦−log10(0.05) ・・・(1)
1≦t≦200 ・・・(2)
【0010】
(2) 前記吸収係数αは、1.08×10−5〜1.3[1/μm]である上記(1)に記載の樹脂組成物。
【0011】
(3) 前記第1の被着体に、該第1の被着体と前記第2の被着体との位置合わせに用いられるパターンが設けられており、前記パターンを埋めるように前記樹脂組成物層を設ける上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
【0012】
(4) 前記パターンは、電極、バンプ、配線およびダイシングラインのうちの少なくとも1つを含む上記(3)に記載の樹脂組成物。
【0013】
(5) 前記第1の被着体にアライメントマークが設けられており、該アライメントマークを埋めるように前記樹脂組成物層を設ける上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
【0014】
(6) 無機充填材を含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0015】
(7) 前記無機充填材の含有量は、0.1〜85重量%である上記(6)に記載の樹脂組成物。
【0016】
(8) 前記無機充填材にはシリカが含まれる上記(6)または(7)に記載の樹脂組成物。
【0017】
(9) フラックス機能を有する化合物を含有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0018】
(10) 前記樹脂組成物層の表面粗さRa(JIS B 0601に規定)が10〜1000nmである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0019】
(11) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物で構成された樹脂組成物層を有することを特徴とする接着フィルム。
【0020】
(12) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
【0021】
(13) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする多層回路基板。
【0022】
(14) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、樹脂組成物層を介して第1の被着体の第2の被着体(樹脂組成物層)側の面を良好に視認することができる。これにより、第1の被着体と第2の被着体とを接合する工程において、樹脂組成物層を介して第1の被着体上に第2の被着体を設置する際、第1の被着体上に形成されたアライメントマークや、第1の被着体のアライメントマークとしての機能を有する部位を良好に視認することができる。これによって、第1の被着体と第2の被着体との位置合わせを正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の樹脂組成物で構成された樹脂組成物層を有する接着フィルムの実施形態を示す断面図である。
【図2】半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
【図3】多層回路基板の製造方法の一例を示す断面図である。
【図4】図1に示す接着フィルムの樹脂組成物層を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の樹脂組成物、接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、第1の被着体と第2の被着体とを接合する際に用いられ、第1の被着体上に設けられる樹脂組成物層を構成するものであるが、下記の実施形態では、代表的に、半導体チップと回路基板とを接合する場合、回路基板同士を接合する場合について説明する。
【0027】
また、本発明の樹脂組成物の形態は、特に限定されず、例えば、液状、フィルム状等が挙げられる。下記の実施形態では、代表的に、樹脂組成物を接着フィルムに適用した場合について説明する。
【0028】
《接着フィルム》
図1は本発明の樹脂組成物で構成された樹脂組成物層を有する接着フィルムの実施形態を示す断面図、図4は、図1に示す接着フィルムの樹脂組成物層を示す側面図である。
【0029】
なお、以下では、図1および図4中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
【0030】
図1に示すように、接着フィルム1aは、ベースフィルム3と、ベースフィルム3上に設けられ、樹脂組成物で構成されたフィルム状をなす樹脂組成物層1と、樹脂組成物層1上に設けられたカバーフィルム2とを有している。すなわち、樹脂組成物層1は、未使用時には、カバーフィルム2と、ベースフィルム3との間に設置されている。カバーフィルム2およびベースフィルム3は、樹脂組成物層1を保護する機能を有しており、使用時には剥離される。なお、カバーフィルム2やベースフィルム3が省略されていてもよい。
【0031】
接着フィルム1aの樹脂組成物層1は、接着性を有し、半導体チップ(半導体パッケージを)回路基板に実装する際に用いられ、半導体チップおよび回路基板に貼着するものである。なお、本明細書中において、回路基板とは、例えば、配線回路が形成された、半導体ウエハ、リジット基板、フレキシブル基板、リジットフレキシブル基板等のことをいう。
【0032】
また、樹脂組成物層1は、フラックス機能を有していることが好ましいが、フラックス機能を有していなくてもよい。
【0033】
樹脂組成物層1は、例えば、以下に示すような成分で構成することができる。すなわち、樹脂組成物層1は、(A)重量平均分子量が300〜3000であるフェノール系硬化剤(以下、化合物(A)とも記載する。)と、(B)エポキシ樹脂と(以下、化合物(B)とも記載する。)、(C)フラックス機能(活性)を有する化合物(以下、化合物(C)とも記載する。)と、(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂(以下、化合物(D)とも記載する。)と、を含むことが好ましい。
【0034】
また、樹脂組成物層1は、化合物(A)を3〜30重量%、化合物(B)を10〜80重量%、化合物(D)を3〜50重量%含むことが好ましい。また、さらに、化合物(A)を5〜25重量%、化合物(B)を15〜75重量%、化合物(D)を15〜40重量%含むことが好ましい。
【0035】
樹脂組成物層1が化合物(A)を含むことにより、樹脂組成物層1の硬化物のガラス転移温度を高めること、および、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を低減することができ、さらに、耐イオンマイグレーション性を向上させることが可能となる。また、樹脂組成物層1に適度な柔軟性を付与することができるため、樹脂組成物層1の脆性を改善することが可能となる。さらに、樹脂組成物層1に適度なタック性を付与することができるため、作業性に優れた樹脂組成物層1を得ることができる。
【0036】
前記化合物(A)としては、特に限定されず、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂等が挙げられる。中でも、上述したような関係をより容易に満足させることができるとともに、また、樹脂組成物層1の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができ、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を低減することができる、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。
【0037】
樹脂組成物層1中における前記化合物(A)の含有量は、特に限定されるわけではないが、3〜30重量%であるのが好ましく、5〜25重量%であるのがより好ましい。化合物(A)の含有量を上記範囲とすることで、樹脂組成物層1の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めること、さらに、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を効果的に低減することを両立することができる。
【0038】
前記化合物(A)中の1核体から3核体の合計の含有量が30%より小さい(4核体以上の合計の含有量が70%以上)場合、後述する(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂との反応性が低下し、樹脂組成物層1の硬化物中に未反応のフェノール系ノボラック樹脂が残留するため、耐マイグレーション性が低下してしまう場合がある。また、樹脂組成物層1が脆くなってしまい、作業性が低下してしまう場合がある。また、前記化合物(A)中の1核体から3核体の合計の含有量が70%より大きい(4核体以上の合計の含有量が30%以下)場合、樹脂組成物層1を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、基板等の支持体または被着体の表面を汚染してしまったり、耐マイグレーション性が低下してしまったり、さらに、樹脂組成物層1のタック性が大きくなり、樹脂組成物層1の作業性が低下してしまうといった問題が生じる場合がある。
【0039】
前記化合物(A)中の2核体と3核体の合計の含有量は、特に限定されないが、30〜70%であるのが好ましい。これにより、樹脂組成物層1を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、回路基板等の支持体または被着体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。また、これにより、樹脂組成物層1の柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。
【0040】
前記化合物(A)中の1核体の含有量は、特に限定されないが、1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることが特に好ましい。前記1核体の含有量を、上記範囲とすることで、樹脂組成物層1を硬化する際のアウトガス量を低減することができ、半導体チップ、回路基板等の支持体または被着体の汚染を抑制することができ、さらに、耐マイグレーション性を向上することができる。
【0041】
前記化合物(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、300〜3000であることが好ましく、400〜2800であることが特に好ましい。これにより、樹脂組成物層1を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、回路基板等の支持体または被着体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。また、これにより、樹脂組成物層1の柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
【0042】
また、樹脂組成物層1が(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂(以下、化合物(B)とも記載する。)を含むことにより、樹脂組成物層1に柔軟性および屈曲性を付与することができるため、ハンドリング性に優れた樹脂組成物層1を得ることができる。
【0043】
前記化合物(B)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物層1の、半導体チップ、基板等の支持体または被着体に対する密着性、さらに、樹脂組成物層1の硬化後の機械特性に優れる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
【0044】
また、前記化合物(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂としては、より好ましくは、25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sであるもの、さらに好ましくは、800〜40,000mPa・sであるものが挙げられる。25℃における粘度を上記下限値以上とすることで、樹脂組成物層1のタック性が強くなり、ハンドリング性が低下することを防止することができる。また、25℃における粘度を上記上限値以下とすることで、樹脂組成物層1の柔軟性と屈曲性を確保することができる。
【0045】
また、前記化合物(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、10〜80重量%であるのが好ましく、15〜75重量%であるのがより好ましい。これにより、樹脂組成物層1の柔軟性と屈曲性をより効果的に発現させることができる。また、これにより、樹脂組成物層1のタック性が強くなり、ハンドリング性が低下することをより効果的に防止することができる。
【0046】
また、樹脂組成物層1が(C)フラックス機能を有する化合物(以下、化合物(C)とも記載する。)を含むことにより、支持体(半導体チップ、基板等)の第一の端子および被着体(半導体チップ、基板等)の第二の端子の少なくとも一方の半田表面の酸化膜を除去すること、また、場合によっては、支持体の第一の端子または被着体の第二の端子表面の酸化膜を除去することができ、前記第一の端子と前記第二の端子を確実に半田接合することができるため、接続信頼性の高い多層回路基板、電子部品、半導体装置等を得ることができる。
【0047】
前記化合物(C)としては、半田表面の酸化膜を除去する働きがあれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物が好ましい。
【0048】
前記化合物(C)の配合量は、1〜30重量%であるのが好ましく、3〜20重量%であるのがより好ましい。化合物(C)の配合量が、上記範囲であることにより、フラックス機能を向上させることができるとともに、樹脂組成物層1を硬化した際に、未反応の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が残存するのを防止することができ、耐マイグレーション性を向上することができる。
【0049】
また、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物の中には、(C)フラックス機能を有する化合物が存在する(以下、このような化合物を、フラックス機能を有する硬化剤とも記載する。)。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス作用も有している。本発明では、このような、フラックスとしても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス機能を有する硬化剤を、好適に用いることができる。
【0050】
なお、カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、フェノール性水酸基を備える(C)フラックス機能を有する化合物とは、分子中にフェノール性水酸基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、カルボキシル基およびフェノール性水酸基を備える(C)フラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基およびフェノール性水酸基がそれぞれ1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。
【0051】
これらのうち、カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
【0052】
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。
【0053】
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0054】
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられる。
【0055】
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る脂肪族カルボン酸としては、例えば、下記一般式(2a)で示される化合物や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
【0056】
HOOC−(CH−COOH (2a)
(式(2a)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
【0057】
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
【0058】
これらの前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物のうち、(C)フラックス機能を有する化合物が有する活性度、樹脂組成物層1の硬化時におけるアウトガスの発生量、および硬化後の樹脂組成物層1の弾性率やガラス転移温度等のバランスが良い点で、前記一般式(2a)で示される化合物が好ましい。そして、前記一般式(2a)で示される化合物のうち、式(2a)中のnが3〜10である化合物が、硬化後の樹脂組成物層1における弾性率が増加するのを抑制することができるとともに、半導体チップ、基板等の支持体と被着体の接着性を向上させることができる点で、特に好ましい。
【0059】
前記一般式(2a)で示される化合物のうち、式(2a)中のnが3〜10である化合物としては、例えば、n=3のグルタル酸(HOOC−(CH−COOH)、n=4のアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=5のピメリン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=8のセバシン酸(HOOC−(CH−COOH)およびn=10のHOOC−(CH10−COOH−等が挙げられる。
【0060】
前記フェノール性水酸基を備える(C)フラックス機能を有する化合物としては、フェノール類が挙げられ、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノール、カテコール、p−ターシャリアミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類等が挙げられる。
【0061】
上述したようなカルボキシル基またはフェノール水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物は、エポキシ樹脂との反応で三次元的に取り込まれる。
【0062】
そのため、硬化後のエポキシ樹脂の三次元的なネットワークの形成を向上させるという観点からは、(C)フラックス機能を有する化合物としては、フラックス作用を有し且つエポキシ樹脂の硬化剤として作用するフラックス機能を有する硬化剤を用いるのが好ましい。フラックス機能を有する硬化剤としては、例えば、1分子中に、エポキシ樹脂に付加することができる2つ以上のフェノール性水酸基と、フラックス作用(還元作用)を示す芳香族に直接結合した1つ以上のカルボキシル基とを備える化合物が挙げられる。このようなフラックス機能を有する硬化剤としては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;およびジフェノール酸等が挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
これらの中でも、半田表面の酸化膜を除去する効果とエポキシ樹脂との反応性に優れる、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸、フェノールフタリンを用いるのが好ましい。
【0064】
また、樹脂組成物層1中、フラックス機能を有する硬化剤の配合量は、1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%が特に好ましい。樹脂組成物層1中のフラックス機能を有する硬化剤の配合量が、上記範囲であることにより、樹脂組成物層1のフラックス機能を向上させることができるとともに、樹脂組成物層1中に、エポキシ樹脂と未反応のフラックス機能を有する硬化剤が残存するのが防止される。なお、未反応のフラックス機能を有する硬化剤が残存すると、マイグレーションが発生する。
【0065】
前記化合物(B)と前記化合物(C)の配合比は、特に限定されないが、((B)/(C))が0.5〜12.0であることが好ましく、2.0〜10.0であることが特に好ましい。((B)/(C))を上記下限値以上とすることで、樹脂組成物層1を硬化させる際に、未反応の化合物(C)を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。また、上記上限値以下とすることで、樹脂組成物層1を硬化させる際に、未反応の化合物(B)を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。
【0066】
また、樹脂組成物層1が樹脂組成物層1の成膜性を向上する(D)成膜性樹脂を含むことにより、フィルム状態にするのが容易となる。また、樹脂組成物層1の機械的特性にも優れる。
【0067】
前記(D)成膜性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらは、1種で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、(D)成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0068】
前記(D)成膜性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万以上が好ましく、より好ましくは2万〜100万、更に好ましくは3万〜90万である。重量平均分子量が前記範囲であると、樹脂組成物層1の成膜性をより向上させることができる。
【0069】
前記(D)成膜性樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物層1中の3〜50重量%であるのが好ましく、15〜40重量%であるのがより好ましく、20〜35重量%がさらに好ましい。含有量が前記範囲内であると、樹脂組成物層1の流動性を抑制することができ、樹脂組成物層1の取り扱いが容易になる。
【0070】
また、樹脂組成物層1は、硬化促進剤を更に含んでもよい。硬化促進剤は硬化性樹脂の種類等に応じて適宜選択することができる。硬化促進剤としては、例えば融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、樹脂組成物層1の硬化が完了する前に、半田バンプを構成する半田成分が半導体チップに設けられた内部電極表面に移動することができ、内部電極間の電気的接続を良好なものとすることができる。融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、2-フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】
樹脂組成物層1中の前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、0.005〜10重量%であるのが好ましく、0.01〜5重量%であるのがより好ましい。これにより、硬化促進剤としての機能を更に効果的に発揮させて、樹脂組成物層1の硬化性を向上させることができるとともに、半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における樹脂の溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、樹脂組成物層1の保存性を更に向上させることができる。
これらの硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0072】
また、前記樹脂組成物層1は、シランカップリング剤を更に含んでもよい。シランカップリング剤を含むことにより、半導体チップ、基板等の支持体または被着体に対する樹脂組成物層1の密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が使用できる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤の配合量は、適宜選択すればよいが、前記樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜5重量%であり、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
【0073】
前記樹脂組成物層1は、無機充填材を更に含んでもよい。これにより、樹脂組成物層1の線膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。
【0074】
前記無機充填材としては、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等を挙げることができるが、これらの中でもシリカが好ましい。また、シリカフィラーの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
【0075】
前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01μm以上、20μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上、5μm以下であるのがより好ましい。上記範囲とすることで、樹脂組成物層1内でフィラーの凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
【0076】
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物層1全体に対して0.1〜85重量%であるのが好ましく、20〜80重量%であるのがより好ましい。上記範囲とすることで、硬化後の樹脂組成物層1と被接体との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接体の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の樹脂組成物層1の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体装置の信頼性が上昇する。
【0077】
上述したような各樹脂成分を、溶媒中に混合して得られたワニスをポリエステルシート等の剥離処理を施した基材(ベースフィルム3)上に塗布し、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより、樹脂組成物層1を得ることができる。ここで用いられる溶媒は、使用される成分に対し不活性なものであれば特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK (ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DBE(ニ塩基酸エステル)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、DMC(ジメチルカーボネート)等が好適に用いられる。溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分が10〜60重量%となる範囲であることが好ましい。
【0078】
このようにして得られた樹脂組成物層1は、フラックス機能を有しているものであり、半導体チップと回路基板、回路基板と回路基板、半導体チップと半導体チップ等の半田接続を必要とされる部材の接続において好適に用いることができる。
【0079】
ここで、本実施形態において、回路基板4上には、その縁部近傍に、図2に示すように、回路基板4と半導体チップ5との位置合わせに用いるパターンとして複数のアライメントマーク46が設けられている。また、同様に、半導体チップ5上には、その縁部近傍に、図2に示すように、回路基板4と半導体チップ5との位置合わせに用いるパターンとして複数のアライメントマーク52が設けられている。
【0080】
樹脂組成物層1により、半導体チップ5と回路基板4とを接合する工程においては、まず、樹脂組成物層1を回路基板4または半導体チップ5に貼り付ける。樹脂組成物層1を回路基板4に貼り付ける場合は、その樹脂組成物層1により、パッド部44(凹部)およびアライメントマーク46が埋まる。また、樹脂組成物層1を半導体チップ5に貼り付ける場合は、その樹脂組成物層1により、半田バンプ51(突起)およびアライメントマーク52が埋まる。なお、以下、代表的に、樹脂組成物層1を半導体チップ5に貼り付ける場合について説明する。
【0081】
次いで、前記回路基板4のアライメントマーク46と、半導体チップ5のアライメントマーク52とを、回路基板4や半導体チップ5の厚さ方向から見て一致させることにより、回路基板4に対して半導体チップ5の位置合わせを行う。このようにアライメントマーク46、52を利用して回路基板4と半導体チップ5との位置合わせを行うことにより、高い位置精度で回路基板4と半導体チップ5とを接合することができる。その結果、半導体装置の信頼性をより高いものとすることができる。
【0082】
なお、回路基板4では、そのアライメントマーク46に換えて、例えば、図2に示すパッド部44(凹部)等の回路基板4の所定部位をアライメントマークとして用いることができる。また、同様に、半導体チップ5では、アライメントマーク52に換えて、例えば、図2に示す半田バンプ51(突起)等の半導体チップ5の所定部位をアライメントマークとして用いることができる。すなわち、回路基板4と半導体チップ5との位置合わせに用いられるパターンとしては、その位置合わせ専用のアライメントマーク46、52に限らず、この他、例えば、電極、バンプ、配線パターン(配線)、パッド部(例えば、ボンディングパッド、電極パッド)、ダイシングライン等が挙げられる。
【0083】
樹脂組成物層1は、樹脂組成物層1の平均厚さをt[μm]、波長800nmの光における樹脂組成物層1の吸収係数をα[1/μm]としたとき、下記(1)式および(2)式を満たすよう構成されている。
【0084】
α×t≦−log10(0.05) ・・・(1)
1≦t≦200 ・・・(2)
【0085】
上記(1)式および(2)式を満たすことにより、樹脂組成物層1を介して半導体チップ5の回路基板4(樹脂組成物層1)側の面を良好に視認することができる。これにより、樹脂組成物層1を介して回路基板4上に半導体チップ5を設置する際、半導体チップ5上に形成されたアライメントマーク52を良好に視認することができる。これにより、回路基板4と半導体チップ5との位置合わせを正確に行うことができる。その結果、回路基板4のパッド部44と、半導体チップ5の対応する半田バンプ51とを正確に位置合わせすることができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0086】
これに対し、上記(1)式および(2)式のうちの一方でも満たしていないと、すなわち、「α×t」が−log10(0.05)よりも大きいと、半導体チップ5の回路基板4側の面を十分に視認することができず、回路基板4と半導体チップ5との位置合わせを正確に行うことができない。
【0087】
また、樹脂組成物層1の平均厚さtが1μm未満であると、回路基板4と半導体チップ5との間に空隙が生じ、回路基板4と半導体チップ5との接着不良が生じる虞がある。一方、樹脂組成物層1の平均厚さtが200μmを超えると、上記(1)式を満たすような樹脂組成物層1の構成材料の選択が難しい。
【0088】
なお、樹脂組成物層1の平均厚さtは、1〜200μmであれば特に限定されないが、3〜180μmであることが好ましく、5〜160μmであることがより好ましい。
【0089】
また、上記(1)式の右辺の値、すなわち、「α×t」の上限値は、本実施形態では「−log10(0.05)」であるが、「−log10(0.1)」であることが好ましく、「−log10(0.15)」であることがより好ましい。これにより、樹脂組成物層1を介して回路基板4上に半導体チップ5を設置する際、半導体チップ5上に形成されたアライメントマーク52をさらに良好に視認することができる。
【0090】
また、「α×t」の下限値は、特に限定されないが、「−log10(0.995)」であることが好ましく、「−log10(0.99)」であることがより好ましい。すなわち、樹脂組成物層1は、さらに、「−log10(0.995)≦α×t」の式を満たすよう構成されていることが好ましく、「−log10(0.99)≦α×t」の式を満たすよう構成されていることがより好ましい。
【0091】
前記下限値よりも「α×t」の値が小さいと、αとtとの少なくとも一方を非常に小さくする必要があり、tを小さくする場合は、回路基板4と半導体チップ5との間に空隙が生じ、回路基板4と半導体チップ5との接着不良が生じる虞がある。また、αを小さくする場合は、樹脂組成物層1の構成材料の選択が難しい。
【0092】
また、樹脂組成物層1の前記吸収係数αは、1.08×10−5〜1.3[1/μm]であることが好ましく、2.18×10−5〜1[1/μm]であることがより好ましい。これにより、半導体チップ5上に形成されたアライメントマーク52を樹脂組成物層1を介して良好に視認することができる。
【0093】
なお、本明細書において、吸収係数は、光が媒体に入射したとき、その媒体がその光を吸収する程度を示す定数であって、対象となる媒体の材料、密度等の構成と、用いる光の波長とによって定められる値である。
【0094】
以下、上記(1)式および(2)式について、詳細に説明する。
図4に示すように、樹脂組成物層1に光を照射した場合、樹脂組成物層1に入射する光の量(放射発散度)をIとし、樹脂組成物層1を透過した光の量をIとし、樹脂組成物層1の厚さ方向での光の透過率をTとしたときに、下記(A)式を導くことができる。
T=I/I=10−α・t ・・・(A)
【0095】
回路基板4と半導体チップ5との位置合わせを正確に行うためには、透過率Tを大きくする必要がある。
【0096】
透過率Tを大きくするには、上記(A)式からわかるように、「α×t」を小さくすればよい。
【0097】
また、上記(A)式から下記(B)式を導くことができる。
α×t=−log10(T) ・・・(B)
【0098】
ここで、Tと「−log10(T)」との関係は、−log10(T)が約1.3((=−log10(0.05))以下となると、透過率Tが急激に大きくなる。言い換えると、−log10(T)が1.3よりも大きくなると、透過率Tが急激に低下する。
【0099】
したがって、「α×t」を−log10(0.05)以下とすること、すなわち、上記(1)式を満たすことで、透過率Tを高めることができる。
【0100】
そして、本発明者は、鋭意検討の結果、上記(1)式を満たす上で、厚さtの最適な値を見出し、上記(2)式を得た。
【0101】
このような上記(1)式および(2)式を満たすように、樹脂組成物層1を構成することにより、前述したように、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
【0102】
また、樹脂組成物層1の表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、特に限定されないが、10〜1000nmであることが好ましい。これにより、回路基板4と半導体チップ5とをより確実に接合することができる。
【0103】
このような接着フィルム1aを用いることにより、樹脂組成物層1を介して半導体チップ5の回路基板4側の面を良好に視認することができ、これにより、半導体チップ5と回路基板4とを接合する工程において、樹脂組成物層1を介して半導体チップ5上に回路基板4を設置する際、半導体チップ5上に形成されたアライメントマーク52を良好に視認することができる。これによって、半導体チップ5と回路基板4との位置合わせを正確に行うことができる。
【0104】
《半導体装置の製造方法および半導体装置》
次に、本発明の樹脂組成物(接着フィルム)を用いた半導体装置の製造方法および半導体装置について説明する。
【0105】
図2は、半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図2に示すように、基材41、配線回路42、絶縁部43、パッド部44を有する回路基板4を用意する(図2(a))。
【0106】
回路基板4の配線回路42の平均厚さは、1〜50μmであるのが好ましく、5〜30μmであるのがより好ましい。
【0107】
また、隣接する配線回路42の中心間距離は、1〜500μmであるのが好ましく、5〜300μmであるのがより好ましい。
【0108】
一方、半田バンプ51を備えた半導体チップ5を用意する。
この半導体チップ5全面を覆うように、上述した樹脂組成物層1をラミネート(貼着)する(図2(b))。これにより、半田バンプ51およびアライメントマーク52は、樹脂組成物層1中に埋まる。
【0109】
なお、樹脂組成物層1は、打ち抜き加工や切り抜き加工によって、半導体チップ5と同じ大きさにカットして用いる。
【0110】
ラミネート条件は、貼り付け温度Tが60〜150℃であることが好ましく、接着フィルムに掛ける圧力Pが、0.2〜1.0MPaであることが好ましい。
【0111】
また、ラミネートは、雰囲気圧100kPa以下の減圧下で行うのが好ましく、雰囲気圧80kPa以下の減圧下で行うのがより好ましい。
【0112】
また、樹脂組成物層1を半導体チップ5にラミネートする方法としては、例えばロールラミネーター、平板プレス、ウェハラミネーター等が挙げられる。中でもウェハラミネーターを用いるのが好ましい。
【0113】
次に、半導体チップ5と回路基板4との位置合わせを行う。すなわち、半導体チップ5のアライメントマーク52と、回路基板4のアライメントマーク46とを、回路基板4や半導体チップ5の厚さ方向から見て一致させる。そして、半導体チップ5と回路基板4とを樹脂組成物層1を介して仮圧着し、回路基板4上に半導体チップ5を固定する(図2(c))。仮圧着する方法としては、特に限定されないが、圧着機、フリップチップボンダー等を用い行うことができる。仮圧着する条件は、特に限定されないが、温度は40〜200℃が好ましく、60〜180℃が特に好ましい。また、時間は0.1〜60秒が好ましく、1〜60秒が特に好ましい。さらに、圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、0.3〜1.5MPaが特に好ましい。これにより、半導体チップ5を回路基板4に確実に仮圧着することができる。
【0114】
次に、半田バンプ51を溶融してパッド部44と半田接合する半田接続部511を形成する(図2(d))。
【0115】
半田接続する条件は、使用する半田の種類にもよるが、例えばSn3.5Agの場合、温度は220〜260℃が好ましく、230〜250℃が特に好ましい。また、時間は5〜500秒が好ましく、10〜100秒が特に好ましい。さらに、圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、0.3〜1.5MPaが特に好ましい。半田接続する条件は、使用する半田により、適宜選択することができる。
【0116】
この半田接合は、半田バンプ51が溶融した後に、樹脂組成物層1が硬化するような条件で行うことが好ましい。すなわち、半田接合は、半田バンプ51を溶融させるが、樹脂組成物層1の硬化反応があまり進行しないような条件で実施することが好ましい。これにより、半田接続する際の半田接続部の形状を接続信頼性に優れるような安定した形状とすることができる。
【0117】
次に、樹脂組成物層1を加熱して硬化させる。硬化させる条件は、特に限定されないが、温度は130〜220℃が好ましく、150〜200℃が特に好ましい。また、時間は30〜500分が好ましく、60〜180分が特に好ましい。さらに、加圧雰囲気下で樹脂組成物層1を硬化させてもよい。加圧方法としては、特に限定されないが、オーブン中に窒素、アルゴン等の加圧流体を導入することにより行うことができる。前記加圧力は、0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜5MPaが特に好ましい。これにより、樹脂組成物層1中のボイドを低減することができる。
【0118】
次に、マザーボードに半導体装置を実装するためのバンプ45を形成する(図2(e))。バンプ45は導電性を有する金属材料であれば、特に制限されないが、導電性と応力緩和性に優れる半田が好ましい。また、バンプ45の形成方法は、特に制限されないが、フラックスを利用して半田ボールを接続することにより形成することができる。
このようにして、図2(e)に示すような、回路基板4と半導体チップ5とが樹脂組成物層1の硬化物1’で接着された半導体装置10を得ることができる。
【0119】
《多層回路基板の製造方法および多層回路基板》
次に、本発明の樹脂組成物(接着フィルム)を用いた多層回路基板の製造方法および多層回路基板について説明する。
【0120】
図3は、多層回路基板の製造方法の一例を示す断面図である。
まず、基材61、配線回路62、絶縁部63、パッド部64を有する回路基板6を用意する(図3(a))。
【0121】
一方、基材71、配線回路72、絶縁部73、半田バンプ75、パッド部74を有する回路基板7を用意し、回路基板7全面を覆うように、樹脂組成物層1を上記と同様の条件でラミネート(貼着)する(図3(b))。
【0122】
次に、回路基板6と回路基板7との位置合わせを行う。すなわち、回路基板6のパッド部64と、回路基板7の半田バンプ75とを、回路基板6や回路基板7の厚さ方向から見て一致させる。そして、回路基板6と回路基板7とを上記と同様の条件にて仮圧着する(図3(c))。
【0123】
次に、上述した半田接合の条件と同様の条件で、半田バンプ75を溶融して各パッド部64と半田接合する半田接合部711を形成する(図3(d))。
【0124】
その後、上述した樹脂組成物層1の硬化条件と同様の条件で、各樹脂組成物層1を硬化させ、図3(e)に示すような、回路基板6、回路基板7とが樹脂組成物層1の硬化物1’で接着された多層回路基板100を得ることができる。
【0125】
なお、本実施形態では、回路基板を2層積層する実施形態について記載したが、積層する基板の数は3層以上でも構わない。
【0126】
また、上記同様の方法により、半導体チップと半導体チップとを樹脂組成物層1の硬化物1’で接着されている電子部品を得ることができる。
【0127】
以上、本発明の樹脂組成物、接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0128】
なお、前記実施形態では、樹脂組成物を接着フィルムに適用した場合について説明したが、本発明では、これに限らず、樹脂組成物は、例えば、液状をなしていてもよく、第1の被着体に、例えば、スピンコートやスクリーン印刷等で樹脂組成物を設けてもよい。
【0129】
また、例えば、半導体装置、多層回路基板、電子部品の製造方法は、上記方法に限定されない。
【実施例】
【0130】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0131】
[1]樹脂組成物層の製造
各実施例および各比較例の樹脂組成物層(接着フィルム)を、それぞれ、以下のようにして製造した。
【0132】
(実施例1)
<樹脂組成物層の材料の調製>
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)30.0重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部と、成膜性樹脂としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部とを、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
【0133】
<樹脂組成物層の製造>
得られた樹脂ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、東レ株式会社製、商品名ルミラー)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、平均厚さtが25μmの樹脂組成物層を得た。樹脂組成物層の波長800nm光に対する吸収係数αは、4.4×10−4[1/μm]、α×tは、1.1×10−2、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、60nmであった。
【0134】
(実施例2)
樹脂ワニスの製造において、実施例1の樹脂ワニス50重量部に無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)50重量部加えた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、1.1×10−2[1/μm]、α×tは、2.76×10−1、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、150nmであった。
【0135】
(実施例3)
樹脂ワニスの製造において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)30.0重量部を15.0重量部へ配合量を変更し、さらに、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、4.4×10−4[1/μm]、α×tは、1.1×10−2、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、60nmであった。
【0136】
(実施例4)
樹脂ワニスの製造において、実施例1の樹脂ワニス80重量部に無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)20重量部加えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、7.0×10−3[1/μm]、α×tは、1.74×10−1、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、150nmであった。
【0137】
(実施例5)
樹脂ワニスの製造において、実施例3の樹脂ワニス50重量部に無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)50重量部加えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、1.1×10−2[1/μm]、α×tは、2.76×10−1、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、150nmであった。
【0138】
(実施例6)
樹脂ワニスの製造において、実施例3の樹脂ワニス20重量部に無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)80重量部加えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、4.0×10−2[1/μm]、α×tは、1.0、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、170nmであった。
【0139】
(比較例1)
樹脂ワニスの製造において、実施例1の樹脂ワニス10重量部に無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)90重量部加えた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、8.0×10−2[1/μm]、α×tは、2.0、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、180nmであった。
【0140】
(比較例2)
樹脂ワニスの製造において、実施例3の樹脂ワニス10重量部に無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)90重量部加えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物層の製造を行った。樹脂組成物層の吸収係数αは、8.0×10−2[1/μm]、α×tは、2.0、表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、180nmであった。
【0141】
[2]評価
<アライメント性の評価>
表面に電極パターンを有する複数の半導体デバイスが形成されたシリコンウェハ上に、実施例1〜6および比較例1〜2で作製した基材付き樹脂組成物層をそれぞれラミネートした後に基材のみを剥離し、シリコンウェハ上に厚さ25μmの樹脂組成物層を形成した。なお、実施例1〜6および比較例1〜2のそれぞれについて、樹脂組成物層を複数個ずつ形成した。その後、該シリコンウェハをフリップチップボンダー(装置名:FCB3、パナソニックFS社製)のウェハステージに載置し、実施例1〜6および比較例1〜2のそれぞれについて、任意の10個の半導体デバイスにおいて、所定の電極パターン(この電極パターンは、アライメントマークとして機能する)に対して自動認識を行い、自動認識する個数をカウントした。
【0142】
○ :10個全て自動認識した。
× :1個以上で自動認識でエラーが発生した。
結果は、下記表1に示す通りである。
【0143】
【表1】

【0144】
上記表1から明らかなように、実施例1〜6は、アライメント性が良好であり、これに対し、比較例1および2は、アライメント性が悪かった。
【符号の説明】
【0145】
1a 接着フィルム
1 樹脂組成物層
1’ 硬化物
2 カバーフィルム
3 ベースフィルム
4 回路基板
41 基材
42 配線回路
43 絶縁部
44 パッド部
45 バンプ
46 アライメントマーク
5 半導体チップ
51 半田バンプ
511 半田接続部
52 アライメントマーク
6 回路基板
61 基材
62 配線回路
63 絶縁部
64 パッド部
7 回路基板
71 基材
72 配線回路
73 絶縁部
74 パッド部
75 半田バンプ
711 半田接合部
10 半導体装置
100 多層回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の被着体と第2の被着体とを接合する際に用いられ、前記第1の被着体上に設けられる樹脂組成物層を構成する樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物層を平均厚さt[μm]で設け、前記樹脂組成物層の波長800nmの光における吸収係数をα[1/μm]としたとき、下記(1)式および(2)式を満たすよう構成されていることを特徴とする樹脂組成物。
α×t≦−log10(0.05) ・・・(1)
1≦t≦200 ・・・(2)
【請求項2】
前記吸収係数αは、1.08×10−5〜1.3[1/μm]である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1の被着体に、該第1の被着体と前記第2の被着体との位置合わせに用いられるパターンが設けられており、前記パターンを埋めるように前記樹脂組成物層を設ける請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記パターンは、電極、バンプ、配線およびダイシングラインのうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記第1の被着体にアライメントマークが設けられており、該アライメントマークを埋めるように前記樹脂組成物層を設ける請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
無機充填材を含有する請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記無機充填材の含有量は、0.1〜85重量%である請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記無機充填材にはシリカが含まれる請求項6または7に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
フラックス機能を有する化合物を含有する請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記樹脂組成物層の表面粗さRa(JIS B 0601に規定)が10〜1000nmである請求項1ないし9のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物で構成された樹脂組成物層を有することを特徴とする接着フィルム。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする多層回路基板。
【請求項14】
請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−57109(P2012−57109A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203755(P2010−203755)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】