説明

残留物を清浄する方法および装置

ここに開示されたいくつかの技術は、分子ビーム部品から残留物を清浄することを促進する。例えば、典型的な方法では、分子ビームは、ビーム通路に沿って供給され、分子ビーム部品において残留物を増加させる。その残留物を減少させるために、分子ビーム部品は、フッ化炭化水素プラズマにさらされる。フッ化炭化水素プラズマへの接触は、第1の予め定められた条件が満たされたかどうかに基づいて終了し、第1の予め定められた条件は、残留物の除去の範囲を示している。他の方法およびシステムについても開示されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔開示の分野〕
本発明は、イオン注入システムに関し、より詳細にはそのようなイオン注入システムにおいて形成された残留物を減少させるための改良型システムおよび方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
半導体素子および他の製品の製造において、イオン注入システムは、ドーパント元素をワークピース(例えば、半導体ウエハ、ディスプレイパネル、グラス基板)内に注入するために使用される。これらのイオン注入システムは、典型的に「イオン注入装置」と呼ばれる。
【0003】
イオン線量およびイオンエネルギーは、イオン注入装置によって実行されるイオン注入を特徴付けるために一般的に使用される2つの変数である。イオン線量は、ワークピースの領域に注入されたイオン量に関係し、ワークピース物質(例えば、1018のホウ素原子atoms/cm)のユニットエリアごとに、多くのドーパント原子として表現される。イオンエネルギーは、ワークピースの表面下にイオンが注入される深さに関係している。例えば、レトログレードウェルのための比較的深い接合の形成は、典型的には数百万エレクトロンボルト以内(MeV)イオンエネルギーを要求する。その一方で、比較的浅い接合の形成は、1000エレクトロンボルト(1KeV)より小さいエネルギーを要求する。
【0004】
これまで、多くのイオン注入は、小さな分子またはいわゆる「単原子種」を使用して実行されている。しかしながら、近年、処理能力における本質的な改良は、分子のホウ素(例えば、デカボラン(B1014)、オクタデカボラン(B1822))または分子の炭素(例えば、C、C1614)のような大きな分子を使用することによって実証されている。大きな分子の使用は、それによって各ウエハが短時間(単原子種から発生したビームに関連している)に投与量を受け取るので、処理能力の観点から重要な利点を与える。
【0005】
しかしながら、これらの大きな分子を使用することの1つの潜在的な欠点は、イオン化の後に分離しがちである。この分離は、少なくともいくつかの分離した分子がイオン注入装置(例えば、イオン源)内部に「くっつき」、残留物の増加を引き起こす。ある程度の時間(例えば、10−20時間)の後に、残留物は、イオン源の動作を妨害し、ビーム電流を低下させる。既存のイオン注入装置は、純粋に物理的手段によって、または、NFガスを使用することでプラズマを発生させることによって、残留物を除去することを試みている。しかしながら、これら上述したアプローチは、著しい欠点を有している。例えば、ビードブラスティングのような純粋な物理的手段は、部品が清浄されるために、典型的に、残留物に覆われた部品がイオン注入装置から除去されることを必要とする。NFガスに基づいたプラズマの使用は、NFが特殊な扱いを必要とするので、高価である。さらに、費用にも関わらず、NFは、また、いくつかのタイプの残留物(例えば、炭素を使用するプラズマ源による石墨の残留物)を除去することができず、多くの点で環境に対して好ましくない。
【0006】
したがって、イオン源からの残留物を清浄する方法は、イオン注入産業の要求を満たすために必要性が存在する。
【0007】
〔要約〕
発明のいくつかの側面の基本的な理解を提示するために発明の簡素化した要約を示す。この要約は、発明の広範囲の外観ではなく、発明のキーまたは重大な要素を特定するよう、または発明の範囲を述べるものでもない。もっと正確に言えば、要約の目的は、後に示されるより詳細な記載に対する前置きとして、単純化された形式において発明のいくつかの概念を提示することである。
【0008】
ここにおいて開示されたいくつかの技術は、分子ビーム部品から残留物の清浄を促進する。例えば、典型的な方法において、分子ビームは、ビーム通路に沿って供給され、分子ビーム部品上に残留物を増加させる。残留物を減少させるためには、分子ビーム部品は、フッ素を含むプラズマにさらされる。いくつかの方法において、様々な種類のプラズマは、分子ビーム部品における様々な種類の残留物を清浄するために選択的に発生される。典型的なシステムにおいて、反応ガス供給システムは、様々なタイプのガスを1以上のプラズマ室に供給するフロー制御装置を含む。フロー制御装置は、ホウ素化合物や炭素化合物のようないくつかのガスを選択的に供給し、1以上のワークピース内にイオン注入を達成するために連続的に使用されるプラズマ放電を発生させる。ホウ素および/または炭素化合物は、様々なタイプの残留物をシステム内に増加させる。したがって、フロー制御装置は、異なるタイプのクリーニングガスを1以上のプラズマ室に選択的に供給することができることで、システムから様々なタイプの残留物を選択的に除去するために様々なプラズマ放電を発生させる。
【0009】
次の記述および添付の図面は、発明のある例示の側面および実施を詳細に示している。これらは、発明の原理が利用される少数の様々な方法を示している。
【0010】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、イオン注入システムの具体例を示す図である。
【0011】
図2は、いくつかの実施形態に従って、反応性ガス供給システムを含むイオン注入システムの具体例を示す図である。
【0012】
図3は、実施形態に従ってイオン注入装置の部品から残留物の増加を制限するか清浄する方法を示すフローチャートである。
【0013】
図4は、具体例に従ってイオン注入装置の部品から残留物の増加を制限するか清浄する別の方法を示すフローチャートである。
【0014】
図5は、1つの実施形態に従って、分子ビームを発生するための典型的なイオン源の外観を示す図である。
【0015】
図6は、1つの実施形態に従って、分子ビームを発生するための典型的なイオン源の横断面を示す図である。
【0016】
図7は、残留物の増加に影響を受けやすいイオン源部品の近傍においてクリーニングプラズマを生成する機構を示す図である。
【0017】
〔詳細な説明〕
本発明は、イオン注入システムに適応可能な残留物除去技術のために行なわれる。より具体的には、本発明のシステムおよび方法は、大きな分子種によって生成される残留物を軽減するための効率的な方法を提供する。分子種は、例えばカルボラン、デカボラン、CおよびのC1014ような炭化水素、ホウ素三フッ化物、ホスフィンおよびアルシンのような小さな分子のイオン注入物種(例えばBFや単原子の種)を生成するための標準のイオン化ガスと同様のオクタカルボラン、アイコサボランである。イオン注入物種の上述のリストは、例示的な目的のために提示されていると理解され、イオン注入物種を発生するために使用されるイオン化ガスの完全なリストを示していると考えられる。したがって、本発明の側面は、図に関して述べられ、類似の参照数字は類似の要素について述べるために使用される。
【0018】
図1は、ターミナル12とビームライン集合体14と末端部16とを有するイオン注入システム10を例示している。一般的には、ターミナル12におけるイオン源18は、ドーパントガスをイオン化し、かつ、小さな分子(BFや単原子の種のようなものである)または大きな分子を使用してイオンビーム22を形成するために、電力系統20に結合されている。ビーム22は、ワークピース24(例えば、半導体ウエハまたはディスプレイパネル)に衝突する前に、ビームライン集合体14を通過する。
【0019】
ターミナル12からワークピース24にビーム22を導くために、ビームライン集合体14は、ビームガイド26および質量分析器28を有する。双極子磁場は、動作中において質量分析器28内で形成される。不適切な電荷質量比を有するイオンは、側壁32a,32bに衝突する。それによって、分解開口30を通ってワークピース24内を通過する、不適切な電荷質量比を有するイオンが残る。ビームライン集合体14は、イオン源18と末端部16との間の間隔を広げる、様々なビーム形成構造およびビーム適合構造を含んでいてもよく、それら構造がイオンビーム22を維持し、ビーム22が末端部16に支持されたワークピース24に輸送される長方形の内部空洞または通路36を制限する。真空ポンプ34は、空気分子との衝突によってイオンがビームの通路からそらされる可能性を減らすために、典型的にイオンビーム輸送通路36を真空に維持する。
【0020】
イオン注入システム10は、様々なタイプの末端部16を備えていてもよい。例えば、「バッチ」タイプの末端部は、回転する支持構造上において、多くのワークピースを同時に支持することができ、ワークピース24は、全てのワークピース24が完全に注入されるまで、イオンビームの通路を通って回転する。一方、「シリアル」タイプの端末部は、注入のためのビーム通路に沿って、単一のワークピース24を支持し、多数のワークピース24は、次のワークピース24の注入が始まる前に、それぞれのワークピース24が完全に注入されるように、連続的に一つずつ注入される。
【0021】
対応策がないならば、様々な汚染物質(例えば、ホウ素、炭素またはイオン源18からの他のドーパント物質)は、1以上のタイプの残留物をビーム22に隣接する様々なイオン注入装置の部品に堆積させ、形成させることができる。例えば、ホウ素種がビーム22に存在するとき、ホウ素に基づいた残留物は、イオン源内で増加することができる。一方、炭素種がビーム22内に存在しているとき、炭素に基づいた残留物は同様に増加することができる。他のタイプの残留物は、実行される注入のタイプによって増加することができる。この開示の側面は、そのような残留物を除去するか、または、制限するための技術に関する。
【0022】
図2は、残留物の増加を制限するイオン注入システム150を例示し、そのため長期間におけるシステムの確実な動作を持続させるのに役立つ。上述の部品に加えて、図2のイオン注入システム150は、反応性ガス供給システム200を含む。反応性ガス供給システム200は、制御装置204の指示によって、イオン注入システム150に様々なガスを供給するための、機械的および/または電気機械的な部品(例えばバルブ、ポンプおよびフローチューブ)を備えるフロー制御集合体202を含む。特に、様々なガスが選択的に供給され、イオンシステム部品において増加する様々なタイプの残留物を除去するのに適した様々なプラズマ放電を発生させることができる。いくつかの実施形態において、残留物を実際に清浄するプラズマよりも、むしろアフターグロープラズマが残留物を清浄する。当業者によって理解されているように、「プラズマ」という用語は、RFまたはマイクロ波が実際に衝突し、プラズマ(イオン、電子、準安定原子、中性粒子)を形成する活性生成領域をさすのに使用される一方、「アフターグロー(残光)」という用語は、種がもはや形成されず、拡散によって強制的に形成され、効率的に利用される下流領域をさすのに使用される。
【0023】
例示の実施形態において、フロー制御集合体202は、第1および第2クリーニングガス供給(210,212)と同様に、第1および第2ドーパントガス供給(206,208)に結合するよう示されている。ガス供給206−212は、適切な化学反応および/またはイオン化を実行することによって、所望のガスが元の場所で生成されるが、しばしばガスボンベに格納される。例示の実施形態は、第1および第2ドーパントガス供給(206,208)および第1および第2クリーニングガス供給(210,212)を示しているが、そのようなガス供給がいくつでも、所望の注入およびクリーニング機能を実行するように含まれていてもよいと理解されるべきである。
【0024】
動作中において、制御装置204は、ドーパントガス供給206,208から、イオン源18における真空状態にあるプラズマ室(図示せず)にドーパントガスを供給するよう、フロー制御集合体202に指示する。そして、電力系統20は、プラズマ室にドーパントガス分子をイオン化するようエネルギーが与えられ、それによって、どのドーパントガスがプラズマ室に存在するかに応じて様々なタイプのプラズマを発生させる。例えば、ある実施形態において、第1ドーパントガス供給206は、分子のホウ素(例えばデカボラン(B1014)、オクタデカボラン(B1822))を含み、第2ドーパントガス供給208は、分子の炭素(例えばC、C1614)を含む。第1ワークピース(または1以上の纏まりのワークピース)の注入の間において、分子のホウ素は、第1プラズマを発生させるために、プラズマ室に供給され、ワークピース上においてn−タイプ領域を形成するのに適切な第1タイプのイオンビーム22を形成するために抽出される。別のワークピース(または別の纏まりのワークピース)が続いて注入されるとき、分子の炭素は、第2プラズマを発生させるために、プラズマ室に供給され、半導体素子中の圧縮歪み領域を形成するのに適した第2タイプのイオンビーム22を形成するために抽出される。
【0025】
第1および第2タイプのイオンビームは、様々な分子種を含んでいるため、第1および第2イオンビームは、システムにおいて様々な種類の残留物を形成することができる。適切な手段がとられない限り、これらの様々な種類の残留物は、所望のレベルまでビーム電流を抑制するよう増加する。制御装置204は、残留物が存在するか否かに基づいて(および/または予め定められた時間が前のクリーニング動作から経過するならば)、そのような残留物を減少させるために、クリーニング工程を始めることができる。
【0026】
ホウ素に基づいた残留物のような第1タイプの残留物が存在する場合(および/または予め定められた時間が前のクリーニング動作から経過しているならば)、制御装置204は、プラズマ室を真空にし、そして、第1クリーニングガス供給210からクリーニングの目的で使用される第2プラズマ源に第1クリーニングガスを供給するよう、フロー制御集合体202に指示する。例えば、いくつかの実施形態において、第1クリーニングガスは、フッ化炭素(分子式CaFbを有し、a,bは整数である。)および/またはフッ化炭化水素(分子式CxFyHzを有し、x,y,zは整数である。)を含む。第1クリーニングガスがイオン化され、プラズマがそこから発生されると、自由に動き回る反応性フッ素原子は第1タイプの残留物(例えばホウ素に基づく残留物)を除去することができる。いくつかの実施形態において、第1クリーニングガスは、完全ではなくても、本質的にNFガスがなくいてもよい。それによって、特別なガス取扱技術の必要性を軽減し、コストを軽減し、NFに基づくクリーニング技術よりも本発明の技術をいくつかの点で環境的にやさしくする傾向にある。
【0027】
反対に、炭素に基づく残留物のように第2タイプの残留物が存在するならば(および/または予め定められた時間が前のクリーニング動作から経過しているならば)、制御装置204は、プラズマ室を真空にし、そして、第2クリーニングガス供給212から第2プラズマ源に第2クリーニングガスを供給するよう、フロー制御集合体202に指示することができる。第2クリーニングガスは酸素を含んでもよく、それによりイオン源部品から第2タイプの残留物(例えば炭素に基づく残留物)を除去する、原子の酸素を含むプラズマを発生させる。第1クリーニングガスのように、第2クリーニングガスは、完全ではなくても、NFガスが本質的になくてもよい。
【0028】
様々なタイプのプラズマ放電間において様々なタイプの残留物を選択的に清浄するように変化することによって、この開示は、イオン注入システムにとって信頼性のある動作として機能する。この概念は、第1および第2タイプの残留物を清浄するための第1および第2クリーニングプラズマ放電のみに関して議論されているが、残留物のタイプをいくつでも清浄するのに動作可能なクリーニングプラズマ放電の任意の数にそれぞれ拡張可能である。
【0029】
1以上の残留物がイオン源部品から完全に清浄されているかどうかを決定するのに役立てるために、システムは、残留物検出システムを利用していてよい。例えば、図2は、イオン源18におけるプラズマ室と流動的に通じている排気システム216に位置する残留物検出センサ214を示している。図2は、残留物検出センサ214が排気システム216に存在する実施形態を示しているが、他の実施形態においては、残留物検出センサは、他の位置に配置することができる。例えば、残留物検出センサ214は、例えばビームライン集合体14内のような、イオン源の下流に設けることも可能である。
【0030】
ある実施形態において、残留物検出センサ214は、排気システム216内の第2プラズマ源(図示せず)を利用する光学的分光分析を可能とすることができる。したがって、この実施形態において、残留物検出センサ214は、イオン源におけるプラズマ室からの排気を分析する。プラズマが第2プラズマ源内で点火されると、残留物(存在する場合)は、残留物を示す予め定められた量子化エネルギー順位で光子/光を放射する。様々なタイプの残留物から放射された光は、様々なタイプの残留物が特定される一種の「特徴」として役立ち、それによって、制御装置204に、検出された特定のタイプの残留物を除去するための適切なクリーニングガスを選択させる。また、多くの残留物が清浄されると、排気システムに流れる残留物がより少なくなり、残留物がなくなると、ある予め定められた閾値より光学の特徴が低下する。そして、そのことが制御装置204にクリーニング工程の終了を可能にさせる。それによって、要求されたクリーニングの長さ分、リアルタイムで制御する。
【0031】
他の実施形態において、残留物検出センサ214は、第2プラズマ源および排気システム216に配置された四重極磁石(図示せず)を利用する残留物の質量分析を可能にする。残留物のガス分析(RGA)において、排気に含まれる分子の構成は、再び微量の残留物のために分析されるが、このとき、分子の構成成分の原子質量それぞれに基づいている。したがって、この実施形態において、検出される質量は、様々なタイプの残留物が特定される一種の「特徴」として役立ち、それによって、制御装置204に、検出された特定のタイプの残留物を除去するための適切なクリーニングガスを選択させる。
【0032】
また、他の実施形態において、残留物検出センサ214は、温度センサを備えていてもよい。残留物の分子が反応種の存在によって分離すると、化学反応は、典型的に発熱を伴い、残留物が除去されるかどうかを示す特有の温度曲線にしたがって残留物が形成される表面を暖める。イオン源部品に設けられた温度センサは、温度の上昇を示さないならば、残留物と反応性のクリーニングプラズマとの間の発熱を伴う化学反応は完全であり、温度センサのデータは、クリーニングプロセスを止めるために使用される。
【0033】
イオン注入システムのいくつかの具体例について述べたので、ここで、いくつかの側面に応じた方法300,400を図3,4に示す。これらの方法は、一連の処理またはイベントとして下記に例示され、述べられているが、本開示は、そのような例示された処理または結果の順によって制限されない。例えば、いくつかの処理は、異なる順、および/または、例示されたものおよび/またはここに記述されたものとは別に、他の処理または結果と同時に生じてもよい。さらに、すべての例示された処理が要求されるとは限らず、ここに記述された1以上の処理が1以上の分離した処理または段階において実行されてもよい。
【0034】
図3は、所望の注入ルーチンが選択されているときに、302で始まる方法300を例示している。例えば、所望の注入ルーチンは、所望のn−タイプドーピングプロファイル、所望のp−タイプドーピングプロファイル、または例えば炭素注入物のようないくつかの他のタイプの注入物を伝えてもよい。
【0035】
第1タイプの注入ルーチンが選択されているならば、方法は、304に進み、1以上のワークピースは、分子のホウ素イオンビームによって注入される。この注入は、1以上のイオンビーム部品上において第1タイプの残留物を増加させる。
【0036】
306において、第1タイプの残留物を有する分子ビーム部品は、第1残光(または第1クリーニングプラズマ)にさらされ、残留物の除去のための反応性の分離した原子状フッ素ラジカルを含む。いくつかの例において、第1残光を生じる第1クリーニングプラズマは、フッ化炭素および/またはフッ化炭化水素を含むガス混合を使用することによって発生される。
【0037】
308において、第1残光(または第1クリーニングプラズマ)にされされたことで、第1の予め定められた条件が満たされたかどうかに基づいて選択的に終了する。第1の予め定められた条件は、残留物の除去の範囲を示す。例えば、ある実施形態において、第1条件は、第1残光にさらされた開始時間が測定されたときに予め定められた時間が終了したかどうかに関連している。他の実施形態において、第1条件は、第1残光がイオン源部品から完全に残留物を除去したかどうかを、排気ラインにおいて好ましく位置している第2プラズマ源を使用する光学分光分析が示すかどうかに関連している。また、他の実施形態において、第1条件は、第1残光がイオン源部品から完全に残留物を除去したかどうかを、残留ガス質量分析が示すかどうかに関連する。また、他の実施形態において、第1条件は、第1残光がイオン源部品から完全に残留物を除去したかどうかを、温度測定が示すかどうかに関連している。第1条件は、これらおよび他の実施形態における残留物の不完全な除去に関連していることに留意すべきである。
【0038】
310において、方法は、他の注入が要求されているかどうかを決定する。そうであるならば、方法は、302に戻り、前に注入されたときと同じか異なるワークピースに実行するよう、他の注入ルーチンを選択する。
【0039】
第2ルーチンが、302において選択されるとすると、312において、1以上のワークピースは、分子の炭素ビームによって注入される。これは、イオンビーム部品に第2残留物を形成する。
【0040】
314において、イオンビーム部品は、反応性の分離した原子状酸素ラジカルを含む第2残光(または第2クリーニングプラズマ)にさらされ、例えば分子の炭素注入の間に形成された第2残留物の除去を促進する。
【0041】
316において、第2残光(または第2クリーニングプラズマ)にさらされたことで、第2の予め定められた条件が満たされたかどうかに基づいて選択的に終了する。第2の予め定められた条件は、第2残留物の除去の範囲を示す。例えば、ある実施形態において、第2条件は、第2残光にさらされた開始時間が測定されたときに予め定められた時間が終了したかどうかに関連している。他の実施形態において、第2条件は、第2残光がイオン源部品から完全に残留物を除去したかどうかを、第2プラズマ源を使用する光学分光分析が示すかどうかに関連する。また、他の実施形態において、第2残光がイオン源部品から完全に残留物を除去したかどうかを、残留ガス質量分析が示すかどうかに関連する。また、他の実施形態において、第2残光がイオン源部品から完全に残留物を除去したかどうかを、温度測定が示すかどうかに関連している。第2条件は、これらおよび他の実施形態における残留物の不完全な除去に関連していることに留意すべきである。
【0042】
図3において明示的には示されていないが、様々な種類の残光またはクリーニングプラズマを付加的にさらすことは、イオン源部品に残る任意の残留物を除去するために実行される。それぞれの露光は、イオン源部品から異なるタイプの残留物を除去するために調整され得る。それによって、信頼性のある注入動作が成し遂げられるよう、残留物の増加を軽減することができる。
【0043】
図4は、いくつかの実施形態に応じた他の方法400を示す。方法400は、第1分子ビームが発生されると、402で開始し、第1分子ビームは、第1分子種を含む。例示の目的で、方法400の残りの処理は、他の分子種が使用されてもよいが、第1分子種がホウ素である場合における実施に関して述べられる。
【0044】
404において、第1分子ビームは、ビーム通路にそって供給され、第1残留物を分子ビーム部品上に増加させる。
【0045】
406において、分子ビーム部品は、第1クリーニングプラズマにさらされ、第1残留物の除去を促進する。
【0046】
今記述された実施例において、第1クリーニングプラズマは、例えばフッ化炭素またはフッ化炭化水素から発生されるようなフッ素イオンおよび/またはフッ素ラジカルを含む。
【0047】
408において、第1クリーニングプラズマへの露光は、第1の予め定められた条件が満たされたかどうかに基づいて選択的に終了する。例えば、第1条件は、時間、分光光学的な光学分析、残留ガス質量分析または温度分析に関連している。
【0048】
410において、第2分子種を含む第2分子イオンビームが発生される。ここで述べられた例において、第2分子種は、炭素として述べられているが、この例に限定するものではない。
【0049】
412において、第2分子イオンビームは、ビーム通路に沿って供給され、分子ビーム部品上に第2残留物を増加させる。
【0050】
414において、分子ビーム部品は、第1クリーニングプラズマとは異なる第2クリーニングプラズマに選択的にさらされ、第2残留物の除去を促進する。今述べられた例において、第2クリーニングプラズマは、酸素を含むが、この例に限定するものではない。
【0051】
416において、第2クリーニングプラズマへの露光は、第2の予め定められた条件が満たされたかどうかに基づいて選択的に終了する。例えば、第2条件は、時間、分光光学的な光学分析または残留ガス質量分析または温度分析に関連している。
【0052】
図4に明示的には示されていないが、他のタイプのイオンビームは、発生され、他のタイプの残留物を増加させる。さらに、他の、様々なタイプのプラズマの露光は、イオン源部品に形成された任意の残留物を除去するために実行される。いくつかの実施形態において、それぞれの露光は、イオン源部品から異なるタイプの残留物を除去するよう調整され、それによって、信頼性のある動作が成し遂げられるよう、残留物の増加を軽減する。
【0053】
しばしば、図4で例示された方法は、ビーム電流が維持されている限り、1組(多数)のウエハに第1および/または第2種が注入された後、実行される。いくつかの実施形態において、第1および第2クリーニングプロセス(第2種と同様に第1種)の両方は、予め定められたメンテナンス予定(定められた数のウエハが注入される)で一連の方式で利用されてもよい。クリーニングプロセスは、任意の残留物が所望の方式で除去されることを確実にするために数回実行される。
【0054】
図5,6は、いくつかの実施形態に従って使用されるイオン源500の具体例を示す。図5,6に示されたイオン源500は、残留物の増加(例えば、開口500上における)に影響を受けやすい、単にあるタイプのイオン源として例示的な目的のために設けられ、イオン源の全ての側面、構成および特徴を示すものではない。代わりに、典型的なイオン源500は、いくつかの実施形態と共に使用されるあるタイプのイオン源のさらなる理解を促進するように記述される。
【0055】
イオン源500は、第2プラズマ室516に隣接して位置した第1プラズマ室を備える。第1プラズマ室502は、ガス源供給ライン506を含み、第1ソースガスからプラズマを生成するためのプラズマ発生部品504に備えられている。ガス供給ラインは、選択的にドーパントガス(例えば、図2における第1および/または第2ドーパントガス供給206,208)を運ぶ。第2クリーニングプラズマ源からのプラズマ(例えば、図2における第1および/または第2クリーニングガス供給210,212から供給されたガスを使用する。)は、ガス/残光ライン518を通って第1プラズマ室に運ばれる。
【0056】
プラズマ発生部品504は、図6に示されるように、カソード508/アノード510の組合せを備える。また、プラズマ発生部品504は、イオン化するエネルギーをガス電離ゾーンに伝えるために、ガス制限室内に無線周波数を導くセグメントが直接設けられることで支持されるRF誘導コイルアンテナを含んでいてもよい。
【0057】
第1または電子源プラズマ室502は、イオン注入システムの高い真空領域、例えば、第1プラズマ室502内のソースガスの圧力より圧力がずっと低い領域内に通路を形成する開口512を定める。
【0058】
電子源プラズマ室502は、電子源プラズマ室502から電子を抽出するための抽出開口を形成する開口514を定める。好ましい実施形態においては、抽出開口514は、図6に示されるように、そこに形成された開口514を有する代替可能なアノード510として設けられる。そのため、電子源プラズマ室502は、いわゆる非反射モードにおけるプラズマから電子を引き付けるために、正にバイアスされた電極519(カソード508に関連している)を有するよう構成されていると、当業者によって認識される。また、電極519は、いわゆる反射モードにおける電子源プラズマ室502に電子を戻すために、カソード508に対して負にバイアスされている。この反射モードの構成は、電気的に絶縁および独立したように電極519にバイアスをかけることと共に、プラズマ室の壁の適切なバイアスを要求していると理解される。
【0059】
上述したように、イオン源500は、第2またはイオン源室516を含む。第2イオン源プラズマ室516は、ソースガスをイオン源プラズマ室516に導入するための第2ガス源供給ライン518を含み、電子源プラズマ室502から電子を受け取るよう構成され、それによって、電子と第2ソースガスとの衝突によってプラズマを形成する。
【0060】
第2ガス供給源ライン518は、選択的にドーパントガス(例えば、図2における第1および/または第2ドーパントガス供給206,208から)および/またはクリーニングプラズマ源を第2クリーニングプラズマ源から(図2における第1および/または第2クリーニングガス供給210,212からのガスを使用)第2プラズマ室516に運ぶことができる。
【0061】
第2またはイオン源プラズマ室516は、第1プラズマ室502の抽出開口514に提携された開口517を定める。好ましくは、イオン源プラズマ室516は、いわゆる非反射モードにおいてイオン源プラズマ室516内に注入された電子を引き付けるために正にバイアスされた電極519を有するよう構成され、イオン化プラズマを形成するために電子とガス分子との間の所望の衝突を形成する。また、電極519は、いわゆる反射モードにおいてイオン源プラズマ室516に電子が戻るよう負にバイアスされている。
【0062】
抽出開口520は、第2プラズマ室516内に構成され、注入のためのイオンビームを形成するためにイオンを抽出する。
【0063】
ある実施形態において、第2プラズマ室516は、外部バイアス電源515(図6)を利用する第1プラズマ室502に関して正にバイアスされる。電子は、電子源プラズマ室502から抽出され、第1プラズマ室502によって与えられた電子と、第2ガス源供給ライン518を介して第2プラズマ室516に供給された供給ガスとの間の第2プラズマ室516に衝突が引き起こされるイオン源プラズマ室516に注入され、プラズマを形成する。
【0064】
第1プラズマ室502および第2プラズマ室516は3つの開境界を有する。つまり、ガス注入口(例えば、第1ガス供給注入口522および第2ガス供給注入口524)、高真空領域への開口(例えば、開口512および抽出開口520)および第1プラズマ室と第2プラズマ室504との間の共通の通路を形成する共通の境界開口514,517。
【0065】
プラズマ室502,516の両方は、抽出開口に沿って定められた磁場を共有しており、標準Axcelis源磁石によって設けられ、番号530で記述されている。イオン化処理(およびこの場合において、電子発生処理)は、プラズマ発生室において垂直な磁場を引き起こすことによって、より効率的になっていることはよく知られている。そのように、ある実施形態において、電磁石部材530は、第1および第2プラズマ室502,516それぞれの外部に位置しており、好ましくは共有される境界軸に沿っている。これらの電磁石要素530は、イオン化処理の効率性を改良するよう電子を捕集する磁場を誘導する。
【0066】
図7は、ガス供給源ライン518内に位置する第2プラズマ源702内にクリーニングプラズマが実際に発生している、ある実施形態を示している。この実施形態において、反応ガス(図2におけるガスクリーニング供給210,212から供給される。)は、ガス供給源ライン518の長さ分(例えば、およそ2メートル)輸送される。この実施形態において、ガス供給源ライン518は、第1伝導性ダクト706と第2伝導性ダクト708との間で連結された誘導性ダクト704を含む。第1伝導性ダクト706は、ガス供給ラインとして述べられていてもよく、一方、第2伝導性ダクト708は、残光供給ラインとして述べられている。いくつかの実施形態において、誘導性ダクト704は、サファイア(フッ素互換性用)および伝導性ダクト706を含んでもよい。誘導コイル710は、開口524に非常に近いガス供給源ライン518に巻きつけられている。マッチング回路714を介して、誘導コイル710に連結されたRF電源712が活性化されると、高濃度プラズマは、ガス供給ライン518内の領域716において発生される。したがって、プラズマは、反応種が残留物を清浄するよう使用される第1および/または第2室502,516に非常に近接して発生される。図7は、RFコイル710を含む実施形態を示しているが、他の実施形態は、開口524に近接しているマイクロ波源または他のプラズマ発生部品と共に使用することができる。
【0067】
図7の構成は、第2プラズマ源がガス/残光源供給ライン518の端部に位置している前述の実施に有利である。プラズマがガス/残光源供給ライン518の端部に発生したとき(例えば、イオン源から約2メートル)、ガス/残光供給源ライン518の壁におけるコンダクタンスおよび表面再結合の損失は、プラズマ源において発生した反応ガス種の重要な割合の損失を引き起こす。したがって、ガス供給源ライン518内のプラズマ発生部品を含むことによって、図7の配置は、イオン源に反応ガス分子が効率的に分散し、イオン源において部品から効率的な残留物のクリーニングを促進することを確実にするのに役立つ。推論として、源部品516,520に近接してクリーニングプラズマを発生させることは、クリーニングガスの大きな流れを要求することなく、または、RFパワー使用法を著しく軽減することによって、効率性を改良する。
【0068】
発明は、1以上の実施に関して例示され、記述されたが、変更および/または修正は、添付のクレームの精神および範囲から離れることなく、例示された実施例で行なわれてもよい。上述の部品または構造(ブロック、ユニット、エンジン、集合体、装置、回路、システムなど)によって行なわれる様々な機能に関して、そのような部品を記述するために使用される用語は、ここで例示された典型的な発明の実施における機能を行なう開示の機能に構造的に等しくなくても、他に記述されていない限り、記述された部品の特定の機能を行なう任意の部品または構造に一致することを意図している。さらに、発明の特別な特徴は、いくつかの実施のうちほんの1つに関して開示されているかもしれないが、そのような特徴は、望まれるように、与えられまたは特別な発明に利点があるように、他の実施における1以上の特徴と組み合わせてもよい。さらに、「含んでいる」、「含む」、「有している」、「有する」、「有して」という用語、またはそれの変形は、詳細な記載およびクレームにおいて利用される程度まで、そのような用語は、「備えている」という用語に類似の形式において包括的であることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】イオン注入システムの具体例を示す図である。
【図2】いくつかの実施形態に従って、反応性ガス供給システムを含むイオン注入システムの具体例を示す図である。
【図3】実施形態に従ってイオン注入装置の部品から残留物の増加を制限するか清浄する方法を示すフローチャートである。
【図4】実施形態に従ってイオン注入装置の部品から残留物の増加を制限するか清浄する別の方法を示すフローチャートである。
【図5】1つの実施形態に従って、分子線を発生するための典型的なイオン源の外観を示す図である。
【図6】1つの実施形態に従って、分子線を発生するための典型的なイオン源の横断面を示す図である。
【図7】残留物の増加に影響を受けやすいイオン源部品の近傍において洗浄プラズマを生成する機構を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子ビームを抽出するために使用されるイオン源部品から残留物を除去するための方法であって、
前記イオン源部品から残留物の除去を促進するために、フッ素を含む第1プラズマを使用することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1プラズマを発生させるために使用されるガスは、フッ化炭素種またはフッ化炭化水素種の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1プラズマを発生させるために使用されるガスは、完全な欠如ではないにしても、少なくともNFが本質的に欠如していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1プラズマは、該第1プラズマにおける第1残光の下流に生じ、前記第1残光は、残留物を除去するために残留物に接触するフッ素原子を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の予め定められた条件が満たされているかどうかに基づいて、前記第1プラズマへの露光を選択的に終了し、前記第1の予め定められた条件は、残留物の除去の範囲を示すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の条件は、前記プラズマへの露光の開始時間から測定されたとき、予め定められた時間が経過しているかどうかに関連していることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の条件は、前記第1プラズマが前記イオン源部品から残留物を完全に除去したかどうかを、第2プラズマ源を使用する光学的分光分析が示しているどうかに関連していることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の条件は、前記第1プラズマが前記イオン源部品から残留物を完全に除去したかどうかを、残留ガス質量分析が示すかどうかに関連していることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の条件は、前記第1プラズマが前記イオン源から残留物を完全に除去したかどうかを、温度測定が示すかどうかに関連していることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
残留物は、ホウ素に基づいた化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
酸素を含む第2プラズマに前記イオン源部品をさらし、
第2の予め定められた条件が満たされたかどうかに基づいて、前記第2プラズマへの露光を選択的に終了することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
残留物は、炭素に基づく化合物を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の条件は、前記第2プラズマへの露光の開始時間から測定されたとき、予め定められた時間が経過しているかどうかに関連していることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の条件は、前記第2プラズマが前記イオン源部品から残留物を完全に除去したかどうかを、第2プラズマ源を使用する光学的分光分析が示しているどうかに関連していることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の条件は、前記第2プラズマが前記イオン源部品から残留物を完全に除去したかどうかを、残留ガス質量分析が示すかどうかに関連していることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
分子ビームを抽出するために使用されるイオン源部品から残留物を除去するための方法であって、
ビーム通路に沿って第1分子ビームを抽出し、前記イオン源部品における第1残留物を増加させ、前記第1分子ビームは、第1分子種を含む第1ガスを使用することによって発生され、
前記ビーム通路に沿って第2分子ビームを抽出し、前記イオン源部品における第2残留物を増加させ、前記第2分子ビームは、第2分子ビームを含む第2ガスを使用することによって発生され、前記第2残留物は、前記第1残留物と構成上異なっており、
第1クリーニングプラズマ放電および第2クリーニングプラズマ放電を選択的に発生させ、前記イオン源部品からの前記第1残留物および前記第2残留物それぞれの除去を促進させることを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記第1クリーニングプラズマ放電および前記第2クリーニングプラズマ放電は、それぞれ前記第1プラズマ放電および前記第2プラズマ放電の下流である第1残光および第2残光を生じさせ、前記第1残光および前記第2残光は、前記第1残留物および前記第2残留物それぞれを除去するために、前記第1残留物および前記第2残留物それぞれに接触することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1ガスは、フッ素を含み、完全な欠如ではないにしても、少なくともNFが本質的に欠如していることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1分子種は、ホウ素を含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2ガスは、酸素を含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第2分子種は、炭素を含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ビーム部品から残留物の除去を促進させるための反応性ガス供給システムであって、
複数の異なるドーパントガス供給と流動的に通じているフロー制御集合体と、複数の異なるクリーニングガス供給と、少なくとも1つのプラズマ室と、
前記異なるドーパントガス供給から1以上の少なくとも1室のプラズマ室にガスを選択的に供給するよう前記フロー制御集合体に指示し、ビームラインに沿った異なるそれぞれの種を有する分子ビームの抽出を促進させるのに適した制御装置とを備え、前記制御装置は、さらに、前記異なるクリーニングガス供給から選択的にガスを供給し、1以上の少なくとも1室のプラズマ室に異なるタイプのプラズマ放電を発生させ、前記異なるタイプのプラズマ放電は、異なる種を有する前記分子ビームが前記ビームラインに沿って抽出されたときに形成された、異なるタイプの残留物の増加を軽減するのに適していることを特徴とする、システム。
【請求項23】
第1プラズマ室が第2プラズマ室に隣接して配置されるように、該第1プラズマ室を含むイオン源と、
複数のクリーニングガスのうちの1つを前記第1プラズマ室に向けて選択的に供給するのに適したガス供給ラインと、前記ガス供給ラインは、第1伝導性ダクトと第2伝導性ダクトとの間で左右に接続された誘導性ダクトを備え、
前記誘導性ダクトの内部表面によって定められる穴の中でプラズマを発生させるのに適したプラズマ発生部品とを備えることを特徴とする、イオン注入システム。
【請求項24】
前記プラズマは、前記プラズマの残光が前記第1プラズマ室または前記第2プラズマ室の少なくとも1つにあちこちに飛ぶか、拡散するように発生され、前記イオン源内において形成された残留物を除去することを特徴とする、請求項23に記載のイオン注入システム。
【請求項25】
前記誘導性ダクトは、サファイアを含んでいることを特徴とする、請求項23に記載のイオン注入システム。
【請求項26】
前記プラズマ発生部品は、誘導性コイルに巻きつけられている無線周波数(RF)コイルと、
前記RFコイルを駆動するためのRF電源とを含むことを特徴とする、請求項23に記載のイオン注入システム。
【請求項27】
前記プラズマ発生部品は、マイクロ波源を備えることを特徴とする、請求項23に記載のイオン注入システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−511128(P2013−511128A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538809(P2012−538809)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/002969
【国際公開番号】WO2011/059504
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(505413587)アクセリス テクノロジーズ, インコーポレイテッド (53)
【Fターム(参考)】