説明

母合金を含む形成された物品並びにその製造及び使用方法

本出願は、形成された物品の例えば母合金の例えばTi02を含むペレットを加えることによって、溶解物、好ましくはチタン溶解物を、酸素と共に合金化する問題に関する。物品は、溶解物中に十分に及び均一に分散するべきであり、同時に、溶解物の炭素含量を、許容可能な最大未満、好ましくは0.04重量%未満に保つべきである。形成された物品はまた、鉄またはパラジウムを含んでよい。この問題を解決するために、形成された物品は、70〜82重量%の母合金、18〜30重量%の高炭素有機ポリマーの例えばエチレン酢酸ビニルまたは低密度ポリエチレンからなる。均一な分散系は、例えば、溶解物に加えるべき他の粗供給材料と同様のサイズを有する形成された物品によって実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、母合金を含む物品、並びにその物品の製造及び使用の特定の方法に関する。より詳細には、本開示は、金属溶解物への合金添加をするために使用される母合金を含む形成された物品(formed article)、並びにこのような形成された物品の製造及び使用の特定の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼、チタン合金、及び他の合金の製造の最中に、しばしば、スクラップを含む多量の粗供給材料を高温で加熱して、所望の元素の化学を有する溶解物を製造する。溶解物を凝固させてインゴット、ビレット、粉末、またはある他の形態にする前に、多量の1つ以上の母合金を粗供給材料または溶解物に加えて、溶解物の元素の化学を適切に調節する場合がしばしばある。当分野において周知のように、母合金は、1つ以上の所望の添加元素に富む合金であり、溶解物中の所望の成分のパーセントを高めるために金属溶解物中に含まれる。ASM Metals Handbook. Desk Edition (ASM Intern. 1998), p. 38。
【0003】
母合金の元素組成は既知なので、溶解物中の所望の元素の化学を実現するためにどれだけの量の母合金を加えなければならないかを決定することは理論的に簡単である。しかしながら、また、加えた量の母合金の全てが溶解物中に十分に及び均一に取り入れられるだろうかどうか考慮しなければならない。例えば、溶解し、溶解物中に均一に取り入れられるようになる母合金添加の実際の量が、加えた量未満である場合、溶解物の元素の化学は、所望の化学と一致しないかもしれない。従って、容易に溶解するであろうし、金属溶解物中に容易に均一に取り入れられるようになる母合金の形態を開発する努力がなされた。
【0004】
ある問題を提示する特定の領域の1例は、チタン溶解物中への特定の合金化添加剤の導入である。例えば、チタンを酸素と共に合金化することは困難である。チタン合金溶解物を製造する際に、スポンジチタンまたはコブル(cobble)を典型的に、チタンに富んだ粗供給材料として使用する。チタン合金溶解物の酸素含量を増大させる従来の方法は、スポンジチタンを粉末状二酸化チタン(TiO)母合金と共に圧縮することを含む。二酸化チタン母合金は、溶解し、溶解物中に取り入れられるようになるにつれて、これは、溶融した材料の酸素含量を増大させ、それに続いてまた、溶解物から形成した固体材料の酸素含量を増大させる。スポンジ及び二酸化チタン粉末を圧縮するプロセスは、幾つかの欠点を有する。例えば、材料をはかり分け、圧縮するのは高価である。また、圧縮したスポンジ及び二酸化チタン粉末を製造することは、溶解及び凝固/鋳造プロセスの前にかなりの量の時間を必要とする。
【0005】
酸素をチタン溶解物に加える周知の他の方法は、単に、材料を加熱する前に、溶解装置中で、ある量のばらばらの粉末状二酸化チタン母合金をスポンジチタン及び/またはコブル粗供給材料と混合することである。この方法においては、比較的に少量の粉末状二酸化チタンは、スポンジ及び/またはコブルの表面をコーティングする。より多い量の粉末状二酸化チタンを加えた場合、これは、出発原料に付着することに失敗し、その材料から偏析しよう。この“自由な”二酸化チタン粉末は、空気の運動によって持ち去られる傾向がある。また、溶解装置中に集まるばらばらの二酸化チタン粉末の大きな部分は、溶解物中に均一に取り入れられないかもしれない。従って、この従来の二酸化チタン添加技術を使用して、チタン合金溶解物の化学を調節することの可能な結果は、二酸化チタンの一貫性を欠き、予測できない損失である。最終的な結果は、予想される元素の化学を有しないチタン合金生成物であり得る。
【0006】
上記を考えると、小さな酸素添加を有するチタン合金を製造する際に、チタン合金製造者は典型的に、ばらばらの粉末状二酸化チタンを加える合金化技術を使用する。それにもかかわらず、このような場合でさえも、実現する酸素の最終的なレベルは幾分予測できない。ばらばらの二酸化チタン粉末に添加によって容易に実現できるよりも高い酸素レベルを希望する場合、スポンジチタン/二酸化チタン粉末圧縮技術をしばしば使用し、これは前述のリードタイム及びコストの不利益を有する。
【0007】
合金化酸素をチタン溶解物に加える従来の技術の欠点を考えると、改良された合金化技術を提供することは有利であると思われる。より一般に、広く様々な金属溶解物への様々な合金添加をするための改良された一般的な技術を提供することは有利であると思われる。
【発明の開示】
【0008】
上記に言及した利益を提供するために、本開示の1態様によれば、金属溶解物への合金添加をするために、形成された物品が提供される。形成された物品は、少なくとも1つの母合金の粒子、及び形成された物品中の母合金の粒子を結合するバインダー材料を含む。形成された物品を予め定められた温度に加熱した際に、バインダー材料は形態を変え、母合金粒子を自由にする。好ましくは、予め定められた温度は、500°Fを超える温度である。
【0009】
本開示の別の態様によれば、金属溶解物を合金化するために使用される物品を製造する方法が提供される。方法は、母合金粒子及びバインダー材料を含む実質的に均一な混合物を提供することを含む。物品を、混合物の少なくとも一部分から形成する。物品は、形成された物品中でバインダー材料によって結合した母合金粒子を含む。物品を予め定められた温度に加熱した際に、バインダー材料は形態を変え、母合金粒子を自由にする。好ましくは、予め定められた温度は500°Fを超える温度である。
【0010】
本開示のさらなる態様によれば、合金を製造する方法が提供される。方法は、予め定められた量の母合金を含む溶解物を製造することを含む。500°Fを超える予め定められた温度で分解し、母合金の粒子を放出するバインダー材料によって、少なくとも1つの形成された物品へと結合する母合金の粒子の形態で、母合金を、溶解物または溶解物出発原料に加える。方法の特定の非限定具体例によれば、溶解物を製造する工程は、複数の形成された物品及び残りの溶解物成分を含む実質的に均一な混合物を提供することと、均一な混合物の少なくとも一部分を、予め定められた温度を超える温度に加熱することとを含む。
【0011】
本開示のさらに追加の態様によれば、金属溶解物の元素組成を調節する方法が提供される。方法は、少なくとも1つの有機ポリマーによって一緒に結合した母合金の粒子を含む少なくとも1つの形成された物品の形態である予め定められた量の母合金含有材料を溶解物中に含むことを含む。母合金は、チタン、チタン化合物、ニッケル、ニッケル化合物、モリブデン、モリブデン化合物、パラジウム、パラジウム化合物、アルミニウム、アルミニウム化合物、バナジウム、バナジウム化合物、スズ、スズ化合物、クロム、クロム化合物、鉄、酸化鉄、及び鉄化合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
読者は、本開示の方法及び物品の特定の非限定具体例の以下の詳細な説明を検討することによって、前述の詳細及び利点並びに他のものを了解できよう。また、読者は、本明細書において説明する方法、物品、及び部品を実行するかまたは使用することによって、このような追加の利点及び詳細を理解できよう。
【0013】
本明細書において説明する方法及び物品の特徴及び利点は、添付図を参照することによってより良く理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
作動例における以外に、または他に示す場合、本説明及び請求の範囲において使用する成分の量、処理条件及びその他同様なものを表す全ての数は、全ての場合に“約”という用語によって修正されることは理解できるはずである。従って、特に断らない限り、以下の説明及び添付の請求の範囲において述べる数値パラメータは、本開示の形成された物品において得ようと試みる所望の特性に依存して変化することがある近似である。少なくとも、また、請求の範囲に対する均等論の適用を限定しようとしてではなく、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮し、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0015】
本開示の広い範囲を述べる数値の範囲及びパラメータは近似であるにもかかわらず、任意の具体的な例において述べる数値をできる限り正確に報告する。しかしながら、いかなる数値も、本質的に、それらのそれぞれの試験測定において見い出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差、例えば、操作員誤差及び/または装置誤差を含む。また、本明細書において記載する任意の数値の範囲は、その中に包含される範囲の境界及び全ての下位範囲を含むことを意図されていることは理解できるはずである。例えば、“1〜10”の範囲は、記載された最小値1及び記載された最大値10の間の(及び含む)全ての下位範囲を含むことを意図されている、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する。
【0016】
本明細書において参考のために引用すると述べられている任意の特許、刊行物、または他の開示材料は、全部または部分的に、引用した材料が本開示において述べる既存の定義、陳述、または他の開示材料と矛盾しない程度に本明細書において引用するのみである。従って、及び必要な程度に、本明細書において述べる本開示は、本明細書において参考のために引用する任意の矛盾する材料にとって代わる。本明細書において参考のために引用すると述べられているが本明細書において述べる既存の定義、陳述、または他の開示材料と矛盾する任意の材料、またはこの一部分は、引用した材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない程度に引用するのみである。
【0017】
本開示に従う特定の非限定具体例は、バインダー材料によって、形成された物品中で結合したある量の粒子状母合金を含む形成された物品に関する。本明細書において使用する“形成された物品”は、機械的力の作用を含むプロセスによって製造された物品を指す。このようプロセスの非限定例は、成形、圧縮、及び押出しを含む。特定の具体例においては、本開示に従う形成された物品を、金属溶解物を製造する際に使用する粗供給材料に加えてよい。特定の他の具体例においては、形成された物品を、既存の金属溶解物の溶融した材料に加えてよい。本開示の形成された物品の特定の具体例を、こうした仕方のうちのどちらかで使用してよい。本明細書において使用する“金属溶解物”は、その後に凝固させて合金にする金属及び、所望により、金属及び非金属合金化添加剤の溶解物を指す。任意の特定の合金の製造のための本明細書において説明する開発の適用を限定することを意図するものではないが、本開示に従う1つ以上の形成された物品を含む金属溶解物成分を使用して製造してよい可能な合金は、チタン合金、ジルコニウム合金、アルミニウム合金、及びステンレス鋼を含む。本開示を考慮することによって、当業者は、本開示の形成された物品のうちの1つ以上を含む成分で製造された金属溶解物から製造できる他の合金を容易に特定できよう。
【0018】
本開示の形成された物品は、定量化可能な濃度及び/または量の少なくとも1つの所望の合金化添加剤を含み、形成された物品のうちの1つ以上は、金属溶解物粗供給材料または金属溶解物自体に加えられてよく、その結果、溶解物の元素組成を調節し、所望の化学を有する溶解物から形成した凝固済み物品または材料を提供する。本明細書において説明する形成された物品は、本明細書において検討する一般的な特性を有するバインダー材料を含むので、形成された物品の具体例を、有利な予め定められた形状、密度、及び/またはサイズを有して製造できる。例えば、物品が、溶解物を形成する残りの材料と均一に混合しようし、得られた混合物から分離するかまたは内部に偏析する許容不可能な傾向を示すことがないであろうように選択される一般的なサイズ及び形状を有して、形成された物品を製造できる。
【0019】
上記に言及したように、本開示の形成された物品の具体例は、ある量の粒子状母合金を含む。母合金粒子のサイズ及び形状は、考察の対象となっている特定の金属溶解物への母合金添加剤として適切な任意のサイズ及び形状とすることができる。特定の非限定具体例においては、例えば、粒子状母合金は、例えば、サブミクロン〜約20mmの範囲内のサイズを有する母合金の個別の粒子で構成される粉末の形態であろう。
【0020】
本開示に従う形成された物品の1特定の非限定具体例においては、母合金は、直径約1ミクロン〜最高約20mmまでの範囲内の粒度を有するパラジウムスポンジ粉末である。好ましくは、このようなパラジウム母合金粒子は、直径約5mmより大きくなく、より好ましくは約0.1mmより大きくない。前述の粒度の粒子状パラジウム母合金を含む本開示に従う形成された物品は、例えば、チタン合金溶解物において利用される。パラジウムの融点は、チタンと比較して比較的に低いので、パラジウム金属は、チタン溶解物中に迅速に溶解し、パラジウム母合金が溶解しないままであると思われる心配がほとんどない。溶解物の主な金属の融点の近くのまたはこれを超える融点を有する他の金属母合金は、好ましくは比較的に小さな粒度を有して、完全な溶解を促進する。完全な溶解を促進するためのこのような他の母合金のための特に好ましい粒度は、約1マイクロメートル以下である。
【0021】
本開示に従う形成された物品の別の非限定具体例においては、母合金は、粒子状二酸化チタンまたは同様の酸化物化合物であり、このような場合、粒子は好ましくは直径約100マイクロメートル未満、より好ましくは直径1マイクロメートル未満である。このような形成された物品を、溶融した材料及び得られる固体合金に酸素を加えるために、例えばチタン合金溶解物において使用してよい。このような形成された物品における二酸化チタンの比較的に小さな粒度は、溶解物中の完全な溶解をより良好に確実にする。不完全な溶解は、減少した合金化寄与をもたらすと思われ、より重要なことに、最終凝固済み生成物中に非常に望ましくない欠陥粒子(介在物)をもたらし得る。
【0022】
他の可能な粒子状母合金のサイズ及び形態は、ショット形態のものを含む。用語を本明細書において使用する時に、“ショット”は一般に、約0.5mm〜最高約5mmまでの範囲内の直径を有する球形粒子を指す。本開示の形成された物品において有用な特定の他の可能な粒子状母合金形態は、“コブル”サイズを有してよく、これは、本明細書において、全てが任意の1次元で約1mm〜最高約100mmまでの範囲内の最大サイズを有する、しわになった及び球になったシート、ファスナー、多くの製造プロセスからのバリ取り部片、部分的に製造された物体、不合格の製造された物体、並びにそのサイズの範囲の任意の原料を含む広く様々なスクラップ材料を指す。従って、“ショット”とみなされるものと“コブル”とみなされるものとの間にサイズの若干の重なり合いがあるかもしれない。前述の母合金の粒度及び形状を、本明細書において開示するものに対する限定とみなすべきではなく、粒子状母合金は、本明細書において特に開示するものよりも小さかろうと大きかろうと、形成された物品中の母合金を溶解物中に満足に溶解させ、最終合金中に取り入れさせるのに適切な任意の粒度を有してよい。従って、本明細書において“粒子状”母合金または母合金“粒子”に対する参照は、任意の特定の粒度または粒度範囲、または任意の特定の形状を意味しない。むしろ、“粒子状”、“粒子”、またはその他同様なものに対する参照は、特定の母合金の多数の部片が、バインダー材料によって、形成された物品へと結合することを単に示す。また、本形成された物品において有用な母合金形状は、本明細書において特に言及したものに限定されないことは、本開示を考慮することによって明白であろう。本開示の形成された物品において使用してよい他の可能な母合金形状は、本開示を考慮することによって当業者には明白であろうし、全てのこのような母合金形状は、添付の請求の範囲内に包含される。
【0023】
本開示に従う形成された物品中に含まれてよい1つ以上の母合金の化学は、任意の所望の及び適切な母合金化学としてよい。例えば、本明細書においてさらに説明するように、本開示に従う形成された物品の1非限定具体例においては、母合金は粒子状二酸化チタンであり、これは、例えば、以前はチタン合金の溶解物に酸素を加えるために使用されていた母合金である。もちろん、当業者は、製造すべき特定の金属溶解物に関連して所望の合金化効果に基づいて、1つ以上の特定の母合金化学を特定できよう。従って、特定の合金の溶解物を形成するために有用な可能な粒子状母合金材料の網羅的な説明は、本明細書において不必要である。本開示において説明する形成された物品において使用してよい粒子状形態で利用できる母合金の例の非網羅的な一覧は、パラジウム母合金(例えば、ASTM B 348チタン合金の例えばチタン合金ASTM等級7(Ti−0.15Pd)、11(Ti−0.15Pd)、16(Ti−0.05Pd)、17(Ti−0.15Pd)、18(Ti−3Al−2.5V−0.05Pd)、20(Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr−0.05Pd)、24(Ti−6Al−4V−0.05Pd)、及び25(Ti−6Al−4V−0.5Ni−0.05Pd)を製造する際に使用される);パラジウム化合物母合金;ニッケル及びモリブデン母合金(例えば、チタンASTM等級12(Ti−0.3Mo−0.8Ni)を製造する際に使用される);アルミニウム及びアルミニウム化合物母合金;バナジウム及びバナジウム化合物母合金;スズ及びスズ化合物母合金;クロム及びクロム化合物母合金;並びに鉄、酸化鉄(例えば、ASTM等級1、2、3及び4を含むCPチタンを製造する際に使用される)、及び他の鉄化合物母合金を含む。
【0024】
本開示の形成された物品において使用してよいバインダー材料は、1つ以上の粒子状母合金と容易に混合しようし、粒子を所望の形成された物品へと適切に結合させる任意の適切な単一の材料または材料の組合せとしてよい。特定のバインダー材料または複数の材料は、適切に分解するであろうような特性を有しなければならず、これは、溶解装置の稼働パラメータで、1つ以上のバインダー材料は、溶融した材料中に吸収されることができるかまたは真空系によって溶解装置から引き出されることができる揮発性種を生じることを意味する。本開示の焦点は、金属溶解物の合金化であることを考えると、形成された物品が高温にさらされた時に、選択されたバインダー材料または複数の材料は、分解し、結合した母合金粒子を放出しなければならない。好ましくは、高温は、500°Fを超える温度である。
【0025】
例として、従来の電子ビーム溶解装置を使用したチタン合金溶解物の製造の最中の、高い稼働温度(チタンの場合約1670℃)及び非常に低い圧力(約1mTorr)は、本開示に従う形成された物品の具体例において使用するために予測されているバインダー材料の多くを蒸発させるのに十分である。このような条件にさらされた場合、そのバインダー材料は溶解し、次に揮発するか、または固体状態から直接に揮発して、溶融したチタン中に溶解できるガス状種を生じる。バインダーがこのようにして分解する時に、結合した母合金粒子は放出され、溶解物中に容易に吸収されることができる。
【0026】
バインダー材料はまた、本明細書において検討する特定の他の要件を満足しなければならない。やむを得ず、可能なバインダー材料の限定された例のみを本明細書において説明し、当業者は、追加の適切なバインダー材料を容易に特定できることは理解されよう。このような追加のバインダーは、本明細書において特に特定しないが、本発明及び添付の請求の範囲内に包含される。
【0027】
形成された物品において使用してよい1つのクラスのバインダー材料は、有機ポリマーである。製造すべき特定の金属溶解物に依存して、可能な適切な有機ポリマーバインダー材料の非限定例は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、尿素ホルムアルデヒド、及び他のホルムアルデヒド化合物を含む。より一般に、適切なバインダー材料は、自己支持形状に適切に形成でき、本明細書において述べる他のバインダー材料要件を満足させる任意の単一の有機炭化水素ポリマーまたは有機炭化水素ポリマーの組合せを含む。有用な有機炭化水素ポリマーは、例えば、通例プラスチックス産業において入手可能であり、使用される様々な熱硬化性及び熱可塑性炭化水素ポリマーを含む。熱硬化性及び熱可塑性炭化水素ポリマーの混合物も、バインダー材料として使用してよい。熱硬化性及び熱可塑性材料またはこれらの混合物は、粒子状母合金を一緒に結合できなければならず、また、本明細書において説明する幾つかの他の要件を満足させなければならない。好ましくは、本開示の形成された物品を製造するために使用される熱硬化性若しくは熱可塑性バインダー材料または混合物は、良好な形成及び押出し特性、並びに母合金粒子をコーティングするために十分に低い表面張力及び粘度を有する。良好な濡れ及びコーティング特性を有するポリマーが好ましく、というのは、母合金粒子のより良好なコーティングは、より高いパーセントの粒子が、形成された物品中に取り入れられることを可能にするからである。母合金粒子の不完全なコーティングは、形成装置の過度の摩耗及び最終的な形成された物品における不十分な構造健全性(structural integrity)をもたらすことがある。また、熱硬化性及び/または熱可塑性バインダー材料は、母合金粒子と十分に及び均一に混合できなければならない。使用する任意の熱硬化性バインダー材料は好ましくはまた、良好な凝固及び硬化特性を有し、その結果、取り扱いの最中に十分な健全性を維持するために満足な強度を有する形成された物品を製造する。
【0028】
有機ポリマーまたは他のバインダー材料は、粒子状母合金と混合するのに適した任意の形態で提供されてよい。例えば、LDPE及びHDPE、並びに多数の他の有機ポリマーは、粒子状母合金と容易に混合できる固体顆粒状形態で入手可能である。使用する特定のバインダー材料またはバインダー材料の組合せは好ましくは、粒子状母合金と容易に、十分に、及び均一に混合でき、その結果、混合物を処理する際にバインダー材料は母合金粒子を有効に結合できる形態で得られる。
【0029】
定義によりかなりの量の炭素を含む多くの有機ポリマーが、例えば、チタンベース合金の溶解物を製造するために有用な形成された物品を含む本発明に従う形成された物品のためのバインダー材料として使用するのに適している。特定のレベルの炭素をチタン溶解物に加えることは許容でき、ある点まで、得られるチタン合金を有利に強化しよう。本開示に従って製造される特定の形成された物品において使用されるバインダー材料の元素組成を容易に決定でき、それによって、一旦分解し、溶解物中に吸収されたら、特定の添加レベルで、バインダー材料及びその元素組成が許容できるか、または多分有利となることができるかどうか評価する。
【0030】
溶解物の温度で適切に分解することに加えて、本開示の様々な形成された物品において有用なバインダー材料は、好ましくは、供給系の上に装填され、溶融したプールのごく近い区域に搬送している時にまたはさもなければ溶融したプールのごく近い区域中に装填される前にガスを発生しない。溶解物供給材料が電子ビーム溶解装置中で溶解する特定の場合に、溶解物中に溶解するように電子ビームによってたたかれた時に、本開示の形成された物品は、分解し、ガスを発生(蒸発)しなければならないが、物品は好ましくは電子ビーム装置の真空環境中で雰囲気温度(例えば10〜120°F)にある時にガスを発生しない。
【0031】
有機ポリマーまたは他のバインダー材料の別の必要な特性は、これは、あまりにも早く構造健全性をゆるめても、分解してもならず、それによって適切な時間まで母合金の粒子を放出し、その結果、形成された物品の母合金成分は溶解物中に適切に吸収されるというものである。有機ポリマーまたは他のバインダー材料は、好ましくは、取り扱い、衝撃及び他の力に十分に耐性がある形成された物品を提供し、その結果、形成された物品は、取り扱いの最中に許容不可能な程度に分解せず、失われるかまたは溶解物粗供給材料の混合物内部に容易に偏析すると思われる微粉または他の比較的に小さな部片をもたらさないだろう。
【0032】
また、有機ポリマーまたは他のバインダー材料の化学は、特定の金属溶解物及び得られた鋳造合金において許容できない濃度の元素を含むことができない。例えば、特定のチタンベース合金の溶解物を製造する場合に、バインダー材料は、許容不可能なレベルのケイ素、塩素、マグネシウム、ホウ素、フッ素、または溶解物及び得られた鋳造合金において望ましくないと思われる他の元素を含むべきではない。もちろん、当業者は、特定のバインダー材料またはバインダー材料の組合せの適性を、試験、バインダー材料及び所望の得られた合金の組成の知識、所望の合金における特定の元素の周知の非相溶性、並びに他の手段によって容易に決定できる。
【0033】
言及したように、有機ポリマーバインダー材料は、必然的にかなりの炭素含量を含む。適切なバインダーを選択する際に炭素濃度を考慮しなければならないが、形成された物品のバインダー濃度を同様に考慮しなければならない。有機ポリマーバインダー材料を使用してチタンベース合金を製造する際に、例えば、好ましくは、バインダーの最大炭素濃度は、約50重量%である。形成された物品中のバインダー濃度に依存して、50重量%を超えるバインダー材料炭素濃度は、チタン合金溶解物への過度の炭素の添加をもたらすことがあり、というのは、大部分のチタン合金の規格は、炭素制限0.04重量%以下を有するからである。粒子状二酸化チタン母合金及び特定の高炭素有機ポリマーバインダー材料を含み本開示に従って製造された形成された物品を加えることは、かなりの酸素を溶解物に加えることなく、溶解物の炭素含量を許容可能な最大に増大させることができる。
【0034】
窒素は、本開示の形成された物品において有用なバインダー材料中に存在してよいもう一つの元素である。窒素添加は、特定の合金の特性を改良できる。例えば、窒素は、チタンの強度を、酸素よりも有効に重量対重量で(weight-for-weight)約2.5倍増大させる。従って、例えば、窒素を合金化添加剤としてチタン溶解物に加え、チタン合金の強度を改良するための手段として1つ以上の窒素含有バインダー材料を含む本開示に従う形成された物品を製造できる。1つ以上の窒素含有バインダー材料は、例えば、最高50重量%までの窒素、またはこれを超えるものを含んでよい。このような形成された物品中の粒子状酸素含有母合金の濃度は低減する可能性があり、というのは、窒素含有バインダー材料はまた、得られたチタン合金の強度を改良するために作用するからである。これは、窒素含有バインダー材料なしで必要であると思われるものよりも少ない酸素含有母合金を使用した、チタン合金の特定の程度の強化に対処する。もちろん、また、窒素をチタン以外の合金溶解物に加えるか、または強化以外の理由で加えることは望ましいかもしれない。また、比較的に少ない窒素含有母合金が存在する。本開示に従って製造される形成された物品において窒素含有バインダー材料を使用することは、こうした必要に対処する。
【0035】
本開示に従う形成された物品において有用な可能な窒素含有バインダー材料は、尿素ホルムアルデヒド、並びに形状へと形成でき、粒子状母合金を一緒に結合することができる任意の他の適切な窒素含有有機炭化水素材料を含み、これは、窒素含有熱硬化性及び熱可塑性材料を含む。
【0036】
本開示に従う形成された物品における適切なバインダー濃度範囲は、上記に考慮したものを含む様々な要因に依存しよう。最小バインダー材料濃度の限定要因は、粒子状母合金を、所望の形状、サイズ及び/または密度を有し、適切な強度を有する形成された物品へと結合し、その結果、形成された物品を許容不可能な程に損傷することなく取り扱うことができる、与えられた濃度の選択されたバインダー材料の能力である。従って、化学は、最大バインダー材料濃度を決定するかもしれないが、機械的制限は、最小バインダー材料濃度を決定するかもしれない。例えば、特定の粒子状二酸化チタン母合金及びLDPEバインダー材料を含み本開示に従う特定のタイプの形成された物品を製造する場合、約18重量%未満のLDPEを使用することは、適切に一緒に保持せず、母合金の若干の部分が未結合の粉末として物品中に残る物品をもたらすことが決定された。また、母合金及び比較的に低濃度のバインダー材料の混合物は、標準的なポリマー混合及び形成装置を損傷することがある。それにもかかわらず、時々、化学的考慮の対象、例えば、形成された物品の炭素含量を下げること、は、形成された物品中により低いしかもなお機械的に許容可能な濃度のバインダー材料を使用することを命令するかもしれない。
【0037】
バルクプラスチックス及びプラスチックス形成及び射出産業において利用されており、当業者には周知のポリマー材料から物品を形成する任意の数の方法によって、本開示の形成された物品を、1つ以上の粒子状母合金及び1つ以上の適切な有機ポリマーバインダー材料から製造できる。本開示の方法の特定の非限定具体例によれば、例えば、ある量の1つ以上の粒子状母合金をある量の1つ以上の有機ポリマーバインダー材料と混合して、実質的に均一な混合物を形成する。均一な混合物の少なくとも一部分を次に、所望の形状、サイズ、及び密度の結合している形成された物品に処理する。任意の適切な手段を使用して、成分を組み合わせ、混合してよく、その結果、実質的に均一な混合物を形成する。例えば、熱可塑性ポリマーバインダー材料を、簡易なニーダー、急速ミキサー、単軸スクリュー若しくは二軸スクリュー押出機、バス(Buss)ニーダー、プラネタリロール押出機、または急速攪拌機を使用して粒子状母合金と十分に及び均一に混合してよい。熱硬化性ポリマーバインダー材料を、例えば、簡易なニーダー、急速ミキサー、または急速攪拌機を使用して、粒子状母合金と十分に及び均一に混合してよい。実質的に均一な混合物を形成することは、バインダー材料が粒子状母合金を容易に結合できることを確実にするために重要なことがある。例えば、バインダー材料及び粒子状母合金を混合しようと試みた際にバインダー材料がポケット中に集まる場合、形成された物品の形成の最中にバインダーが軟化または液化する時に、バインダーは、母合金粒子の全ての領域の間の間隙に入り込まないかもしれない。これは、母合金粒子の領域または一部分が不確かに結合するかまたは形成された物品へと全く結合しない状況をもたらすことがあり、これは、ばらばらの粒子状母合金または取り扱いストレスに許容可能に耐えることができない機械的に弱い形成された物品の存在をもたらし得る。
【0038】
任意の適切なプロセスまたは技術を使用して、形成された物品を母合金及びバインダー材料の混合物から製造してよい。例えば、バインダー材料が、固体顆粒状材料として混合物中に提供される有機ポリマーである場合、粒子状母合金及びバインダーの混合物の全てまたは一部分を加熱して有機ポリマーを軟化または液化してよく、次に、加熱した混合物を、周知の形成技術によって、所望の密度を有する所望の形状へと機械的に形成する。他に、混合物の全てまたは一部分の加熱及び形成を同時に行うことができる。一旦形成された物品内部のバインダー材料が特定の点に冷却したら、バインダー材料は硬化し、粒子状母合金を一緒に保持する。混合物の全てまたは一部分を所望の物品へと物理的に形成する可能な方法は、バインダー材料の融点でまたはこれを超えて鋳造すること、ダイ成形すること、押出しすること、射出成形すること、ペレット成形すること、及びフィルム押出しすることを含む。可能な形成技術のより具体的な非限定例は、粉末状またはペレット成形有機ポリマーバインダー材料を粒子状母合金と混合し、次に混合物を加熱し、同時に、混合物を所望の形状の形成された物品へと押出すことを含む。他に、単数または複数の粒子状バインダー材料及び単数または複数の母合金を混合し、混合物を加熱し、同時に押出し、押出品を次に再度押出し装置にかけて混合物成分をさらに混合し、次に、二重に押出した混合物を、形成された物品の形状へと射出成形する。
【0039】
本開示の形成された物品は、合金のインゴットまたは他の構造を形成するための材料の溶解の前の、金属溶解物へのまたは粗供給材料(すなわち、溶解物成分)の混合物への添加に適した任意の形状及びサイズを有することができる。例えば、形成された物品は、ペレット、スティック、ロッド、棒、湾曲した形状、星形、分岐した形状、多面体、放物線、円錐、円柱、球、楕円体、湾曲した“C”形状、ジャック形状(jack shape)、シート、及び直角をなした形状から選択される形状を有してよい。好ましくは、選択した形状は、材料中に混合した場合、形成された物品は粗供給材料とゆるく連結するであろうし、分離も偏析もしないであろうようなものである。チタン合金溶解物を製造する特定の場合、例えば、選択した形状は好ましくは、スポンジチタン及び/またはチタンコブル及び金属溶解物を形成するために加えてよい任意の他の供給材料と混合した際に、残りの成分と比較して比較的に不動である。材料の取り扱いの最中の任意の時間での残りの溶解物供給材料からの形成された物品の偏析は望ましくない。多数の腕、突出部、及び/または突起を含む形成された形状、及び多数の曲線または角度を含む形成された形状は有利となることができ、というのは、その形状を有する母合金/バインダー混合物から形成した部片は、典型的に、溶解物供給材料を通って容易に落下できず、供給材料の頂部に移動もできないからである。有利であると考えられている幾つかの形成された物品形状を、図1(a)(湾曲した“C”形状);1(b)(ジャック形状);1(c)(シート);1(d)(ロッド);1(e)(直角をなした形状);及び1(f)(スティック形状)に示す。
【0040】
個々の形成された物品の所望のサイズは、少なくともある程度は、物品の用途に依存しよう。例えば、溶解物中に含まれるべき粗供給材料のサイズは、形成された物品の所望のサイズと若干の関係を有することがある:溶解物成分が均一に混合し、形成された物品が取り扱いの最中に混合物から偏析する許容不可能な傾向を有しないことをより良好に確実にするために、溶解物の粗供給材料のものに近いサイズの形成された物品を提供することは有利かもしれない。形成された物品は任意の適切なサイズを有してよいが、特定の非限定具体例においては、チタン合金溶解物の製造において使用される粒子状形態(例えば、長い棒及びロッドの形状の形成された物品と異なり)で提供される本開示に従う形成された物品は一般に、直径約100mm以下、より好ましくは約3mm以下、さらに好ましくは約1mm以下を有するべきである。別の非限定具体例においては、形成された物品は、例えば、圧縮したチタンスクラップ材料の棒を含む成分からチタン合金溶解物を形成する際に有用なシート形態で提供される。このような場合、シートは、例えば、幅約10〜約1000mm及び厚さ約0.5〜約10mmとしてよい。
【0041】
酸素をチタン溶解物に加えることに関連して、一般に、二酸化チタン並びに有機ポリマーバインダーの例えばEVA、LDPE及びHDPEを、チタンと類似の密度を有する本開示に従う形成された物品を製造するために使用してよいことが観察された。この類似点は、形成された物品並びにチタン粗供給出発原料、例えばスポンジチタン及びコブルの均一な混合物からの形成された物品の偏析を防ぐ際に助けになることができる。粗チタンスクラップ及びスポンジは典型的に、粉末サイズ〜直径約1500mmの多面体の範囲にわたるサイズに入る。従って、形成された物品は、類似のサイズを有する本発明に従う二酸化チタン及びバインダー材料から製造でき、その結果、形成された物品及びチタン供給材料の均一な混合物からの形成された物品の偏析をさらに阻害する。
【0042】
鉄もまた、チタン及び特定の他の合金、例えばアルミニウム合金への一般的な合金添加物である。鉄及び酸素の両方を一般に合金チタン及び特定の他の合金に加えるので、当然、酸化鉄が有利な母合金であると思われる。酸化鉄はまたかなり廉価である。酸化鉄及びチタンを組み合わせることは、しかしながら、激しい発熱性のテルミット反応を自然にもたらし得る。(テルミット反応は、特定の焼夷性の爆発物(incendiary explosive)において利用される。)粒子状酸化鉄母合金及び酸化鉄粒子をコーティングし、これを一緒に結合するバインダーを含む本開示に従う形成された物品を製造する利益は、これは、テルミット反応が起きることを防ぐことができる点である。従って、本開示に従うバインダー材料を含む形成された物品を製造することは、チタンを合金化する際に、チタンへの酸化鉄母合金の添加を安全にすることができる。
【0043】
チタン合金の溶解物を製造する特定の方法においては、チタンスクラップ供給材料の大きな棒形組立品を製造し、段階的に、加熱した炉中に供給する。図2は、1つのこのような“棒”の写真であり、ここで、主なスクラップ供給材料は、棒を形成するために様々な箇所で一緒に溶接されたスクラップチタン歯車である。このようなスクラップ供給材料棒は、例えば、横断面約30インチ×30インチ及び長さ約240インチとすることができる。粉末状酸化チタン母合金を棒に加えることは困難である。例えば、二酸化チタン粉末を直接に多孔質棒表面に置くかまたは注ぐことは、粉末がスクラップ材料を通って落ち、製造区域を汚染することをもたらす。
【0044】
本開示の1非限定態様によれば、1つ以上の粒子状母合金及びバインダー材料で構成される長いロッドまたは他の細長い形成された物品を製造することができる。既知の重量の1つ以上の粒子状母合金/単位長さを含むように、物品を製造してよい。特定の長さの細長い形成された物品は、棒製造の最中に、チタンスクラップ材料棒、例えば図2に示す棒中に含まれてよく、その結果、棒は、棒のチタン含量を基準として所望の濃度の合金化材料を含むと思われ、物品の細長い幾何学的形状は、合金化添加剤が棒の長さに沿って適切に分布するのを助けると思われる。比較的に高濃度の合金元素を必要とする場合、多数の長さの細長い形成された物品が単一の棒中に含まれる可能性がある。また、細長い形成された物品を、母合金の重量/単位長さが異なる幾つかの多様性をもたせて製造する可能性があり、その結果、溶解すべき特定の合金に依存して、合金化添加剤のより正確な添加に対処する。もちろん、このような細長い母合金/バインダー物品は、チタン合金を製造する際に使用するために限定されず、他の合金の製造において使用するために及び他の適切な使用のために適合させてよいことは理解されよう。
【0045】
本開示に従う細長い粒子状母合金/バインダーの形成された物品の別の具体例を、製造された供給材料の表面の全てまたは領域のサイズに特有のサイズ(長さ×幅)でシートとして製造する可能性がある。例えば、上記に言及し、図2に表すチタン供給材料の30×30×240インチ棒に関して、粒子状二酸化チタン母合金を含む形成された物品を、サイズ約30×240×1/8インチを有するシート形態で製造する可能性があり、チタンスクラップ棒の相補的なサイズの30×240インチ面の表面に置く。この具体例のための1利益は、シート形状の形成された物品は、棒の機械的強度に寄与すると思われ、それによって、取り扱い時の損傷に対する棒の耐性を改良する点である。細長い形成された物品が、ロッドの形態のスクラップ供給材料の棒と関連があろうとシートと関連があろうと、形成された物品は、棒の表面または内部に位置決めされる可能性があり、その結果、形成された物品中の二酸化チタン及びポリマーまたは他のバインダー材料成分は、例えば、電子ビーム銃によって棒を段階的に溶解するにつれて実質的に一様に溶解する。このような場合、形成された物品中の合金化添加剤は、棒が溶解するにつれて均一に及び所望の濃度で、得られた溶融した流れ中に混合すると思われる。先の例と同様に、比較的に薄いシートの形状で製造された形成された物品は、チタン合金以外の合金の製造において使用される可能性がある。
【0046】
以下のものは、本開示の範囲内の特定の形成された物品の非限定具体例の特定の態様を示す幾つかの実施例である。以下の実施例は、単に、形成された物品の特定の具体例を示すことを意図されており、いかなる点でも本開示の範囲を限定することを意図されていないことは理解されよう。また、本開示によって包含される本発明の全範囲は、本説明に添付した請求の範囲によってより良く示されることは理解されよう。
【実施例】
【0047】
実施例1
研究を行って、本開示に従って製造した形成された物品の具体例を評価した。出発原料を溶解し、鋳造することによって、3つのボタンを製造した。第1の試験ボタン(ボタン#1)を、一般に2×2×1/8インチのサイズを有する800グラムのASTM等級2チタンシートクリップの溶解物から鋳造した。第2の試験ボタン(ボタン#2)を、800グラムの同じチタンシートクリップ及び平均粒径約0.26マイクロメートルを有する1グラムのデュポンTi−ピュア(登録商標)R−700(DuPont Ti-PURE(登録商標)R-700)ルチル二酸化チタン粉末の混合物を溶解することによって製造した。第3の試験ボタン(ボタン#3)を、800グラムの同じチタンシートクリップから製造した溶解物から製造し、これに、エチレン酢酸ビニル(EVA)ポリマーバインダーによってペレット中に結合した二酸化チタン粉末から形成した1グラムのペレットを加えた。図3に表す、ポリマー製造業者から得た二酸化チタン/EVAバインダーのペレットはほぼ球形であり、直径約2〜約10mmの範囲にわたり、約70重量%の粒子状二酸化チタン及び二酸化チタン粒子を結合するバインダーとしての約30重量%のEVAを含んだ。
【0048】
本実施例において使用したペレット成形二酸化チタン/EVA材料は、白色顔料添加剤としてプラスチック射出産業において使用するために市販されている。本願発明者らの知るかぎりでは、材料は、金属溶解物を合金化する目的で宣伝も、販売も、提案もされたことがない。従って、金属溶解物を合金化する目的で製造されたこのような材料は、提供も販売もされたことがないと考えられている。二酸化チタン及び白色顔料をプラスチックス製造において加えることを意図したポリマーバインダーを含む様々なタイプのペレットは、幾つかの大規模ポリマー製造業者から入手可能である。こうした白色顔料ペレットのうちの幾つかは、本明細書において検討したバインダー材料要件を満たし、本明細書において説明する金属溶解物合金化方法に従って母合金/バインダーの形成された物品として使用される可能性がある。市販の二酸化チタンポリマーペレット中の二酸化チタン装填は、しかしながら、最適(典型的に約70重量%の二酸化チタン)よりも低い。二酸化チタンまたはある他の母合金のより高い装填が、本開示に従って製造または使用され、有機ポリマーバインダー材料を含む形成された物品において好ましく、というのは、これは、形成された物品の炭素濃度を低減するからである。市販の二酸化チタン/有機ポリマーバインダーペレットは、典型的に直径約5mmを有し、これは、例えば、ほぼ同じサイズを有する金属溶解物粗供給材料と十分に混合するはずである。典型的なチタン粗供給材料は、しかしながら、直径約50mmであり、従って、50mmチタン粗供給材料とより良好に混合するように、市販の5mm直径二酸化チタン/有機ポリマーペレットをより大きな形状に形成することが好ましいと思われる。市販の二酸化チタン/有機ポリマー顔料ペレットの製造業者は、多分、特注のサイズの及び本明細書において開示する合金化方法において母合金含有の形成された物品として使用するために好ましい特性を有するペレットを得るために相談されるかもしれない。
【0049】
従来のチタンボタン溶解装置を使用して、ボタンを製造した。当分野において周知のように、ボタン溶解装置は、基本的には、不活性環境中に包囲された溶接区域を有する大きなティグ溶接ユニットである。アルゴンガスの正圧を溶接区域において維持し、空気からの酸素及び窒素による汚染を防ぐ。本実施例において使用したボタン溶解装置は、10グラム〜2キログラムの範囲にわたるボタンを溶解できる。溶解すべき材料と共にアークを形成し、溶融したプールを形成する。溶融したプールを次に凝固してボタンにし、ボタンをひっくり返し、再度数回溶解して、ボタン全体にわたる均一性を確実にする。冷却後にボタンをエアロックを通して除去する。
【0050】
材料を、ボタン#2及び#3の溶解の最中に観察して、いかに十分に二酸化チタンが試料中に溶解するかを決定した。ボタン#3も観察して、許容不可能な量の水素ガスが、バインダーの分解の最中に発生するかどうか評価した。EVAは、化学式CHCHOOCCH及び原子量86を有する。有機ポリマー材料は、56重量%の炭素、26重量%の酸素、及び7重量%の水素である。供給材料を溶解するために使用される高温で分解することによって、放出された酸素は溶解物中に溶解し、一方、比較的に少量の放出された水素は、大部分、溶解物よりも上の雰囲気中にガスを出す(gassed off)。バインダーが分解する時に放出された炭素は溶解物中に溶解し、チタンを合金化し、その強度を増大させる。
【0051】
本開示に従う二酸化チタン/有機ポリマーの形成された物品を使用してチタンを合金化する時に、過度の量の炭素が溶解物中に溶解しないことを確実にするために、好ましくは、大きすぎる濃度の炭素を溶解物中に同時に導入することなくチタンを望ましく合金化するのに十分な酸素を含む形成された物品が選択されよう。従って、30重量%のEVAを含む二酸化チタン/有機ポリマーバインダー母合金を本実施例において使用したが、合金中への炭素添加のための許容量が同量だけ必要とする場合、他のバインダー材料を使用する可能性がある。このような他の材料は、例えば、ろう、より低い分子量の有機ポリマーバインダー濃縮物及び/またはEVAよりも低い炭素含量を有する有機ポリマーバインダーを含んでよい。
【0052】
ボタン#3を製造するために材料を溶解する時に、二酸化チタン/バインダーペレットのどれも及びペレット中に含まれる二酸化チタン粉末のどれも、溶解物の頂部に浮くことが観察されなかった。この観察は、ペレット中に含まれる二酸化チタン粒子は溶解物中に十分に吸収されたというある証拠である。ペレット中の有機ポリマーは、黒色になり,
バインダーが分解するにつれて溶解の最中に溶融することが観察された。バインダーの分解の最中に発生する水素ガスの量は、問題があるとみなされなかった。ボタン#2の製造の最中に、出発原料中の二酸化チタン粉末粒子のどれもが溶解物の頂部に浮かないことが同様に観察された。もちろん、各ボタンを形成するために溶解した材料の体積は制限されており、溶解物中への二酸化チタン粉末の不完全な取り入れに関する問題は、より高い体積の溶融した材料の場合により起きそうであると考えられている。
【0053】
下記の表1は、3つの試験ボタンの測定された炭素、酸素、及び窒素濃度、並びにボタン#2及び#3のためのこうし元素の予測される濃度を示す。予測される濃度を、EVAバインダー中の既知の炭素及び酸素濃度並びに二酸化チタン粉末中の既知の酸素濃度に基づいて計算した。
【0054】
【表1】

【0055】
図3に示すような市販の70重量%の二酸化チタン/EVAペレットを、本実施例において利用した。従って、本開示はまた、本開示に従う形成された物品の組成及び構成を有する市販の材料を、金属溶解物中の合金化添加剤として使用する方法を、発明的であるとして包含する。上記に言及したように、このようなペレット成形材料は、金属溶解物のための合金化添加剤として提供も販売されたことがないが、その代わりに、プラスチックス製造のための顔料添加剤として販売されてきたと考えられている。また、本実施例における粒子状母二酸化物/EVAペレットを含むペレットの具体例は、製造することができるかまたは他の仕方で得ることができることは理解されよう。このような具体例は、例えば、様々な母合金及び/または様々なバインダー材料を含む可能性があり、異なる形状及び/またはサイズを有してよく、様々な技術によって製造される可能性がある。このようなペレットは、例えば、押出しまたは射出成形技術を使用して製造される可能性がある。他の可能性は、本開示を考慮することによって当業者には容易に明白であろう。
【0056】
本開示に従ってペレット形状に製造された形成された物品を多数の様式で使用してよい。例えば、混合物を炉中に導入する前に、ペレットを溶解物供給材料と均一に混合してよい。別の可能な技術は、組み合わせた材料が溶解するために炉床に入る直前に、粗溶解物供給材料と同時であるように、ペレットを直接に炉中に供給することを含む。好ましくは、ペレットは、ペレットを加える供給粗供給材料の個々の部片と同様のサイズ及び/または密度を有し、その結果、ペレット及び粗供給材料の混合を改良しよう。
実施例2
本開示の範囲内の形成された物品を、狭い粒度分布及び平均粒子径0.26マイクロメートルを有するデュポンTi−ピュア(登録商標)二酸化チタン粉末を使用して製造した。使用したバインダー材料はLDPEだった。二酸化チタン装填82重量%を使用し、というのは、これは、二酸化チタン/バインダー混合物が形成された物品に成功裏に押出されることを可能にする良好な可能性を提供すると考えられているからである。加えて、比較的に低い18重量%のバインダー含量は、形成された物品の炭素濃度を制限するという点で有利であると考えられた。二酸化チタン及びLDPE粉末を、回転するシリンダー中で約4時間均一に混合した。混合の最中に、材料を、LDPEの融点を超える温度に加熱し、その結果、液化したLDPEは、酸化物粒子をコーティングした。
【0057】
二酸化チタン及びLDPEの加熱した混合物を次に押出した。押出しを、任意の適切な押出し装置、例えば単軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機を使用して行うことができる。加熱した混合物を、様々な長さ及び直径3mmまたは9mmを有する延在する円柱形形状に押出した。図4は、この実施例に従って製造した直径3mmのロッド形で円柱形の押出品のうちの幾つかの写真である。押出品を多数の様式で使用する可能性がある。例えば、コブルサイズの粗供給材料に加えるために、押出ロッドを、例えば、直径最高約100mmまで及び長さ最高約10メートルまでの長い長さに形成する可能性がある。一定の長さの押出材を切断して、例えば、約10と約100mmとの間のより小さな長さにし、粗供給材料と混合する可能性がある。棒形粗供給材料、例えば図2に示す棒、と共に加えるために、押出ロッドを切断して長さ約300と約4000mmとの間の長さにし、長いものを粗供給材料棒中に取り入れることによって溶解物に加える可能性がある。図4に示す形成された物品は単純な円柱形形状を有するが、押出形状は、形成された形状を本明細書において説明する母合金/バインダー混合物から製造するのに適した押出成形装置及び押出ダイを使用して実現できる任意のサイズ及び横断面形状を有してよいことは理解されよう。押出品のための他の横断面形状の非限定例は、矩形の形状、十字形状、及び多数の腕を含む他の形状を含む。加えて、図4は、細長い円柱形形状を表すが、適切な装置を使用してこのような形状を切断して、より小さな長さ、または小さな部片にさえもしてよいことは理解されよう。もちろん、押出成形装置をこの実施例において使用して、形成された形状を製造したが、他の形成装置、例えば、ダイプレス、射出プレス、及びペレット成形機を使用する可能性があり、得られる形成された物品を任意の適切な形状を有して製造してよい。
【0058】
図5は、本実施例において製造した押出された円柱形の形成された物品のうちの一つの概略断面図である。形成された物品100は、LDPEバインダー材料の連続マトリックス相112及びマトリックス相内部に分布する二酸化チタン粒子の分散相114を取り囲む円形の周囲110を含む。バインダー相112は、二酸化チタン粒子114を一緒に結合するが、金属溶解物を形成するために使用する高融解温度にさらされると分解し、粒子114を自由にする。マトリックス相中の二酸化チタン粒子114の広まりは、母合金の濃度/形成された物品100の単位長さに比例する。
【0059】
本実施例に従うロッド形の形成された物品を、以下の非限定例を含む様々な仕方で使用してよい。
この実施例のロッド形の形成された物品を切断して短い長さにしてよく、得られた部片を、様々な技術を使用してスクラップまたは他の溶解物供給材料に加えてよい。例えば、上記に言及したように、組み合わせた材料を炉中に供給する前に、切断した長いものを粗供給材料と実質的に均一に混合してよい。他に、切断した長いものを、例えば、母合金ビンを通して供給してよく、その結果、予め定められた計量された比率でスクラップ材料に自動的に加え、または、組み合わせた材料が炉床に入り、溶解し始める前に、原料供給物と同時であるように、切断した長いものを直接に炉中に供給してよい。切断した長いものは好ましくは、均一な混合を促進し、組み合わせた材料が取り扱われるかまたはぶつかる時に偏析することを阻害する寸法に作られる。例えば、本実施例に従う粒子状二酸化チタン及びLDPEバインダーの3mmまたは9mm押出品を切断して長いものにしてよく、部片を、スポンジチタン及び/またはコブルに加え、ツインコーンミキサーまたは他の適切な混合装置中で一緒に混合してよい。スポンジチタン及び/またはコブル部片が、例えば、約2〜4インチである場合、9mm直径のロッド形の形成された物品を切断して長さ約4インチにする可能性がある。または、スポンジチタン及び/またはコブル部片が、例えば、約0.1インチ〜2インチである場合、3mmまたは9mmのロッド形の形成された物品を切断して長さ約0.5インチにする可能性がある。このような非限定組合せは、均一な混合を促進するようであり、また、後の偏析を阻害するようである。
【0060】
本実施例に従うロッド形の形成された物品をまた、切断して多数のフィートの長さにし、スクラップ固体から製造した棒、例えば図2に示す棒に加えてよい。長いものを、棒の全長または棒の必要な区域または領域にのみ置いてよい。例えば、本実施例において製造した粒子状二酸化チタン及びLDPEバインダーの3mm及び/または9mmの押出品を切断して長さ5〜20フィートにし、チタン合金を製造する際に使用するチタンスクラップ固体で形成される棒中に含ませてよい。
【0061】
本明細書において言及したように、本明細書において説明した形成された物品の具体的な例は、請求の範囲の広さを限定するとみなすべきではない。例えば、形成された物品は、本明細書において特に言及していない様々な形態で製造される可能性がある。
【0062】
前述の説明は、やむを得ず限定された数の本発明の具体例を提出したが、当業者であれば、本発明の性質を説明するために本明細書において説明し、示した実施例の構成要素、組成物、詳細、材料、及びプロセスパラメータの様々な変更を当業者によって行うことができ、本明細書において及び添付の請求の範囲において表すように全てのこのような修正は本発明の原理及び範囲内にあるままであることは、了解できよう。また、当業者であれば、変更を、その広い本発明の概念から逸脱することなく、上記に説明した具体例に対して行うことができる可能性があることは了解できよう。従って、本発明は、開示する特定の具体例に限定されるのではなく、請求の範囲によって定義される本発明の原理及び範囲内の修正を包含することを意図されていることは理解される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1(a)は、本開示に従って製造してよい形成された物品の様々な非限定形状の図である。
【0064】
図1(b)は、本開示に従って製造してよい形成された物品の様々な非限定形状の図である。
図1(c)は、本開示に従って製造してよい形成された物品の様々な非限定形状の図である。
【0065】
図1(d)は、本開示に従って製造してよい形成された物品の様々な非限定形状の図である。
図1(e)は、本開示に従って製造してよい形成された物品の様々な非限定形状の図である。
【0066】
図1(f)は、本開示に従って製造してよい形成された物品の様々な非限定形状の図である。
【図2】チタン合金溶解物を形成するために使用されるチタンスクラップ材料の従来の棒形組立品の写真である。
【図3】二酸化チタン及びエチレン酢酸ビニルバインダーを含み、本開示に従う方法の特定の非限定具体例において使用してよいペレット成形物品の写真である。
【図4】本開示に従って製造された、二酸化チタン及びLDPEバインダーを含む押出された円柱形の形成された物品の写真である。
【図5】本開示に従う押出された円柱形の形成された物品の具体例の概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶解物への合金添加をするための形成された物品であって:
少なくとも1つの母合金の粒子と;
前記形成された物品中の前記母合金の前記粒子を結合するバインダー材料と;を含む形成された物品において、前記形成された物品を、500°Fを超える予め定められた温度に加熱した際に、前記バインダー材料は形態を変え、母合金粒子を自由にする、形成された物品。
【請求項2】
前記少なくとも1つの母合金の前記粒子は、チタン、チタン化合物、ニッケル、ニッケル化合物、モリブデン、モリブデン化合物、パラジウム、パラジウム化合物、アルミニウム、アルミニウム化合物、バナジウム、バナジウム化合物、スズ、スズ化合物、クロム、クロム化合物、鉄、酸化鉄、及び鉄化合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの母合金の前記粒子は二酸化チタンを含む、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項4】
前記形成された物品は、予め定められた密度、予め定められた形状、及び予め定められたサイズのうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項5】
前記形成された物品は、ペレット、スティック、ロッド、棒、湾曲した形状、星形、分岐した形状、多面体、放物線、円錐、円柱、球、楕円体、多数の突出部を含む形状、多数の曲面を含む形状、多数の角度を含む形状、ジャック形状、シート、及び直角をなした形状からなる群から選択される形状を有する、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項6】
前記形成された物品は、直径約100mm以下を有する、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項7】
前記形成された物品は二酸化チタンを含み、直径約3mm以下を有する、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項8】
前記形成された物品は二酸化チタンを含み、直径約1mm以下を有する、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項9】
前記バインダー材料は、少なくとも1つの有機ポリマーを含む、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項10】
前記バインダー材料は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、尿素ホルムアルデヒド、及びホルムアルデヒド化合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機ポリマーである、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項11】
前記バインダー材料は、少なくとも約5〜最高約60重量%までの有機ポリマーを含む、請求項9に記載の形成された物品。
【請求項12】
前記母合金粒子は二酸化チタンであり、さらに、前記バインダー材料は少なくとも約18重量%の有機ポリマーを含む、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項13】
前記形成された物品は、既知の炭素含量を有する、請求項1に記載の形成された物品。
【請求項14】
金属溶解物を合金化するための物品を製造する方法であって:
母合金粒子及びバインダー材料を含む実質的に均一な混合物を提供することと;
物品を、前記混合物の少なくとも一部分から形成することと;を含み、前記物品は、形成された物品中で前記バインダー材料によって結合した母合金粒子を含む、方法において、
前記物品を、500°Fを超える予め定められた温度に加熱した際に、前記バインダー材料は形態を変え、前記母合金粒子を自由にする、方法。
【請求項15】
前記母合金粒子は、チタン、チタン化合物、ニッケル、ニッケル化合物、モリブデン、モリブデン化合物、パラジウム、パラジウム化合物、アルミニウム、アルミニウム化合物、バナジウム、バナジウム化合物、スズ、スズ化合物、クロム、クロム化合物、鉄、酸化鉄、及び鉄化合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記バインダー材料は少なくとも1つの有機ポリマーを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記物品を前記混合物の少なくとも一部分から形成する前に及びこれと同時にのうちの少なくとも1つで、前記混合物を加熱することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記有機ポリマーは熱硬化性ポリマーであり、さらに、前記物品を形成することは、前記ポリマーを硬化することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記物品は、ペレット、スティック、ロッド、棒、湾曲した形状、星形、分岐した形状、多面体、放物線、円錐、円柱、球、楕円体、多数の突出部を含む形状、多数の曲面を含む形状、多数の角度を含む形状、ジャック形状、シート、及び直角をなした形状からなる群から選択される形状を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記物品は、予め定められた密度、予め定められた形状、及び予め定められたサイズのうちの少なくとも1つを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記物品は、直径約100mm以下を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記物品は二酸化チタンを含み、直径約3mm以下を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記物品は二酸化チタンを含み、直径約1mm以下を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記有機ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、尿素ホルムアルデヒド、及びホルムアルデヒド化合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料である、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記物品は、少なくとも約5〜最高約60重量%までの有機ポリマーを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記母合金粒子は二酸化チタンであり、さらに、前記物品は少なくとも約18重量%の前記有機ポリマーを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記物品は既知の濃度の炭素を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項28】
前記物品を前記混合物の少なくとも一部分から形成することは、鋳造、型成形、押出し、射出成形、ペレット成形、及びフィルム押出しからなる群から選択される少なくとも1つの技術を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項29】
合金を製造する方法であって:
予め定められた量の母合金を含む材料から溶解物を製造することを含む方法において、前記母合金は、500°Fを超える予め定められた温度で分解し、前記母合金の粒子を放出するバインダー材料によって、少なくとも1つの形成された物品へと結合する前記母合金の粒子の形態である、方法。
【請求項30】
前記母合金の前記粒子は、チタン、チタン化合物、ニッケル、ニッケル化合物、モリブデン、モリブデン化合物、パラジウム、パラジウム化合物、アルミニウム、アルミニウム化合物、バナジウム、バナジウム化合物、スズ、スズ化合物、クロム、クロム化合物、鉄、酸化鉄、及び鉄化合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記溶解物を製造することは:
複数の前記形成された物品及び残りを含む実質的に均一な混合物を提供することと;
前記均一な混合物の少なくとも一部分を、前記予め定められた温度を超える温度に加熱することと;を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記溶解物を製造することは、同時に前記材料を加熱しながら、少なくとも1つの成形物品を残りの材料の少なくとも一部分中に供給することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記溶解物を製造することは、組み合わせた材料を溶解する前に、複数の前記形成された物品を制御された仕方で前記残りの材料の少なくとも一部分の流れに加えることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記形成された物品は、予め定められたサイズ、予め定められた形状、及び予め定められた密度のうちの少なくとも1つを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記バインダー材料は少なくとも1つの有機ポリマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記有機ポリマーは、前記予め定められた温度に加熱された時に分解し、前記溶解物中に吸収される炭素、酸素、及び窒素のうちの少なくとも1つを放出する、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記合金はチタン合金である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記材料は、チタンコブル及びスポンジチタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記形成された物品は、ペレット、スティック、ロッド、棒、湾曲した形状、星形、分岐した形状、多面体、放物線、円錐、円柱、球、楕円体、多数の突出部を含む形状、多数の曲面を含む形状、多数の角度を含む形状、ジャック形状、シート、及び直角をなした形状からなる群から選択される形状を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
母合金の前記粒子は、直径約100mm以下を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記母合金の前記粒子は、直径約3mm以下を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記母合金の前記粒子は、直径約1mm以下を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
前記有機ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、LDPE、HDPE、尿素ホルムアルデヒド、及びホルムアルデヒド化合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料である、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記形成された物品は、少なくとも5〜最高60重量%までの有機ポリマーバインダー材料を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記形成された物品は、既知の濃度の炭素及びチタンを有する、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
金属溶解物の元素組成を調節する方法であって:
少なくとも1つの有機ポリマーによって一緒に結合した母合金の粒子を含む少なくとも1つの形成された物品の形態である予め定められた量の母合金を前記溶解物中に含むことを含む方法において、前記母合金は、チタン、チタン化合物、ニッケル、ニッケル化合物、モリブデン、モリブデン化合物、パラジウム、パラジウム化合物、アルミニウム、アルミニウム化合物、バナジウム、バナジウム化合物、スズ、スズ化合物、クロム、クロム化合物、鉄、酸化鉄、及び鉄化合物のうちの少なくとも1つを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−537015(P2008−537015A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502969(P2008−502969)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/041364
【国際公開番号】WO2006/101539
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(501187033)エイティーアイ・プロパティーズ・インコーポレーテッド (39)
【Fターム(参考)】