説明

気体バネ式除振装置及び該装置の制御方法

【課題】流量制御型弁を用いて排気流量を抑制するという長所を維持しつつ、従来よりも応答性の高い高精度な制御が可能な気体バネ式除振装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】スプール弁及び圧力微分計を備えた除振装置において、スプール弁の不感帯での動特性を向上させるために、圧力微分値のフィードバック値が、入力電圧と出力流量との関係がゼロ点を通る線形性を備えた規範モデルGrefに追従するような制御を行い、スプール弁の非線形性を補償する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体バネ式の除振装置及び該除振装置を用いた除振方法及び該装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気体バネ式除振装置は、半導体製造装置や半導体の線幅を測定する検査装置等の振動制御に利用される。従来の気体バネ式除振装置は、空気バネのような気体バネの内部圧力を制御するために圧力制御型弁例えばノズルフラッパ型空気圧サーボ弁を有し、空気バネの変位及び加速度をフィードバックして制御される。あるいは、空気バネ内の圧力をフィードバックする方法も提案されている。例えば特許文献1には、圧力制御分解能を改善することを目的とした除振マウント装置が開示されている。
【0003】
ノズルフラッパ弁のような圧力制御型弁は入力電圧に対するバルブ開度の線形性が高く、除振装置に使用した場合は入力に対して空気バネ内の圧力が1次遅れの関係となる1次遅れ系を構築することができる。従って圧力制御型弁は、除振装置の空気バネ内の圧力制御に適するとされているが、排気流量が多いことからランニングコストがかかるという問題があった。
【0004】
除振装置の排気流量を抑制して省エネルギ化を実現するためには、圧力制御型弁の代わりに、スプール弁のような排気流量の少ない流量制御型弁を用いて空気の消費流量を抑制することが考えられる。しかしながら、除振装置の空気バネ内は微圧制御が必要であり、従来の圧力センサ及び流量制御型弁を用いて微圧制御系を構築することは、圧力センサの分解能不足や、除振装置への外乱による平衡圧力の変化等の問題から大変困難であった。
【0005】
そこで本願出願人は、自らが開発し公知となっている圧力微分計(特許文献2参照)を用いてカスケード制御系を構築することを提案している。これにより、スプール型サーボ弁のような流量制御型弁を使用しても除振装置の除振台を浮上させ、かつ排気流量を抑制することができる。このような構成及び制御方法は、本願と同一出願人による特願2004−333638号明細書にも記載されている。
【特許文献1】特開2005−282696号公報
【特許文献2】特開2005−98991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の圧力微分計は、測定対象である容器内の圧力変化を低ノイズかつ高い分解能で測定することができるため、スプール弁を使用してもノズルフラッパ弁を用いた除振装置と同等の除振性能を得ることができ、かつ排気流量を抑制して省エネルギ化を図ることができる。しかしながら、スプール弁のような流量制御型弁においては一般に、図9に複数の黒点プロットで示すように、入力電圧に対する出力(流量)が線形(図9に示す線形グラフ)とはならず、具体的には、原点(入力及び出力がゼロ)前後において入力変化に対する出力変化がゼロ又は小さい、いわゆる「不感帯」とよばれる領域Zが存在する。この不感帯は、入力を大きく変化させても出力があまり変化せず、故に制御が困難な領域となっている。また除振装置に使用されているときのスプール弁の出力流量は通常はこの不感帯に含まれ、故にスプール弁を使用した場合、圧力微分計を用いたカスケード制御では不感帯を十分に補償できず、その除振性能は圧力制御型弁を使用した場合と同等程度に止まっており、さらなる除振性能の向上が望まれていた。
【0007】
また、除振装置の環境変化等による負荷変動が激しい場合、具体的には除振台の速度が無視できない場合には、変位及び加速度をフィードバックするカスケード制御だけでは不十分な場合がある。従ってこの点からも、流量制御型弁を使用するとともに従来よりも除振性能の高い除振装置が望まれる。
【0008】
そこで本発明は、流量制御型弁を用いて排気流量を抑制するという長所を維持しつつ、従来よりも応答性の高い高精度な制御が可能な気体バネ式除振装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、除振台と、前記除振台を支持する気体バネと、前記気体バネへの給気及び排気を行う流量制御型弁と、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前記位置検出手段及び前記加速度検出手段の出力に基づいて前記流量制御型弁を制御する制御装置と、を有する除振装置であって、前記制御装置は、前記位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループ、及び前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを含むカスケード制御を行うとともに、前記流量制御型弁の非線形性を補償する規範モデルに追従するモデル追従制御を行うことを特徴とする、除振装置を提供する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の除振装置において、前記規範モデルにおいて、前記流量制御型弁の出力流量は入力電圧に対して線形関係を有する、除振装置を提供する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の除振装置において、前記気体バネ内の圧力変化を検出する圧力微分計をさらに有し、前記制御装置は、前記モデル追従制御において、前記圧力微分計により測定された圧力微分値を、前記規範モデルの出力流量に所定の係数を掛けた圧力微分値に追従させる制御を行う、除振装置を提供する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の除振装置において、前記流量制御型弁の出力流量を検出する流量検出手段をさらに有し、前記制御装置は、前記モデル追従制御において、前記流量検出手段により測定された出力流量を前記規範モデルの出力流量に追従させる制御を行う、除振装置を提供する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の除振装置において、前記追従制御は、前記除振台の速度をフィードバックする速度フィードバック制御を含む、除振装置を提供する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の除振装置において、前記流量制御型弁はスプール弁である、除振装置を提供する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、除振台と、前記除振台を支持する気体バネと、前記気体バネへの給気及び排気を行う流量制御型弁と、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前記位置検出手段及び前記加速度検出手段の出力に基づいて前記流量制御型弁を制御する制御装置と、を有する除振装置の制御方法であって、前記位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループ、及び前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを含むカスケード制御を行うとともに、前記流量制御型弁の非線形性を補償する規範モデルに追従するモデル追従制御を行うことを特徴とする、除振装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る除振装置又はその制御方法によれば、流量制御型弁を用いて従来よりも排気流量を顕著に低減させることができるとともに、規範モデルに追従する制御系を適用することにより、流量制御型弁が有する非線形性を補償することができる。従ってランニングコストが低くかつ除振性能が高い除振装置を得ることができる。
【0017】
上記追従制御は、高分解能の測定が可能な圧力微分計を用いて検出された空気バネ内の圧力微分値について行われることが有利である。あるいは、追従制御を流量制御型弁の出力流量について行うこともできる。
【0018】
また除振台の速度フィードバックを追従制御に組み込むことにより、除振台の速度が無視できないような場合でも高精度の制御を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る気体バネ式除振装置10の概略構成を模式的に示す図である。除振装置10は、典型的な気体バネである、バッファタンク12a及びベローズ部12bを備えた空気バネ12、空気バネ12の上に配置される除振台14、除振台14の変位及び加速度をそれぞれ検出する位置検出手段すなわち位置センサ16及び加速度検出手段すなわち加速度センサ18を有する。また除振装置10は、空気バネ12に空気を供給する空気供給源20と、空気供給源20からの空気を流量制御して空気バネ12に送るための流量制御型弁22とを有する。好適な流量制御型弁としてはスプール弁が挙げられる。さらに除振装置10は、空気バネ12のバッファタンク部分12a内の圧力を測定するために、本願と同一出願人が開発した圧力微分計24を有する。
【0020】
また除振装置10は、後述するフィードバック制御を行う制御装置26を有し、制御装置26は、適当な増幅度及び時定数を有するフィルタ28a、28b及び28c、比較器30、PI補償器32並びにI補償器34を有する。図示するように、加速度センサ18の出力はフィルタ28bを通ってスプール弁22の弁開度の調節に使用される。また位置センサ16の出力はフィルタ28aを通って比較器30にて設定変位と比較され、その結果すなわち偏差信号がPI補償器32を通ってスプール弁の弁開度調節に使用される。さらに圧力微分計24の出力はフィルタ28c及びI補償器34を通ってスプール弁の弁開度調節に使用されるが、これについては後述する。
【0021】
圧力微分計24は、その基本構成は特許文献2に記載されるものと同じであり、例えば図2に示すように、等温化圧力容器24a、計測対象である空気バネ12のバッファタンク部分12aと等温化圧力容器24aとを連通する導通路(図示例では複数のスリット)24b、及び等温化圧力容器24a内とバッファタンク12a内との圧力差を検出する差圧計(図示例ではダイヤフラム式差圧計)24cとを有する。圧力微分計24を使用することにより、バッファタンク12a内の圧力微分値を低ノイズかつ高い分解能で求めることができる。なお空気バネ式除振装置に圧力微分計を適用した例は、本願と同一出願人による特願2004−333638号明細書にも記載されている。
【0022】
次に、除振装置10の制御方法について説明するが、先ず比較のために従来のノズルフラッパ型サーボ弁を用いた空気バネ式除振装置の制御ブロック線図を図3に示す。ノズルフラッパ弁のような圧力制御型弁では空気バネ内の圧力Pが入力電圧uに対して1次遅れの関係になり、また圧力Pと除振台の変位xとは図3に示すような関係を有する。図3からわかるように、変位計及び加速度計を用いて除振台の変位x及び加速度d2x/dt2をそれぞれ測定し、変位xについては目標値に対するPI制御、加速度d2x/dt2については加速度フィードバックゲインKaを掛けた信号によるフィードバック制御を行う。なお、K及びTはそれぞれノズルフラッパ出力ゲイン及び時定数であり、またm、A、k及びbはそれぞれ空気バネ上の負荷の質量、該負荷を支持する空気バネ内の部分の断面積、空気バネのバネ定数及び粘性係数である。
【0023】
次に図4は、特願2004−333638号明細書において本願出願人が提案した、スプール弁及び圧力微分計を使用した空気バネ式除振装置の制御ブロック線図である。図4が図3と異なる点は破線で囲まれた部分であり、他の部分については従来すなわち図3と同様でよい。なおR、θ及びVはそれぞれ気体定数、気体の絶対温度及び空気バネの容積である。図4の特徴は、従来の加速度及び位置のフィードバックループに加えて圧力微分値のフィードバックループを有することにある。但しこの制御では、入力電圧uに対する出力流量Gを線形近似(比例ゲインKvを掛ける)しており、上述のスプール弁の「不感帯」を考慮していない。従って圧力微分計の使用によってノズルフラッパ弁を用いた除振装置と同等の除振装置は得られるものの、除振台の速度が無視できない場合等において、十分に速い動特性を得ることは困難である。
【0024】
図5は、スプール弁及び圧力微分計を使用した本発明の第1の実施形態の除振装置10の制御ブロックを示す図である。図5が図3又は図4と異なる点は一点鎖線で囲まれた部分であり、他の部分については図3又は図4と同様でよい。第1の実施形態の特徴は、図4と同様に圧力微分値のフィードバックループを有することに加え、その圧力微分値のフィードバックにおいて規範モデル追従制御を行うことにある。
【0025】
図5の破線部内にて示すように、スプール弁22の入力電圧uに対する出力流量Gは非線形性を呈し、換言すれば入力変化に対する出力変化が実質ない又は鈍い「不感帯」が存在する。そこで本発明では、スプール弁のこの不感帯での動特性を向上させるために、圧力微分値のフィードバック値(信号)が、入力電圧と出力流量との関係がゼロ点を通る線形性を備えた(比例ゲインKvを掛けた)規範モデルGrefに所定の係数を掛けた値に追従するような制御を行い、スプール弁の非線形性を補償する。好適な規範モデルGrefは、例えば図9に示す線形グラフのようにG=Kv・uを満足するモデルである。このように、空気バネ12のバッファタンク12a内の微圧変動を高分解能の圧力微分計で検出し、得られた値(信号)に対して追従制御系のフィードバック処理を行うことにより、高精度かつ高応答の圧力制御が実現でき、結果として排気流量を抑制しつつ除振性能の高い除振装置を得ることができる。なおKad、Kadl及びTadはそれぞれ追従制御の比例ゲイン、積分ゲイン及びフィルタの時定数である。
【0026】
また図5に示すように、第1の実施形態では、除振台の速度dx/dtに係数を掛けた値(信号)を圧力微分値のフィードバックループ内に組み入れることができる。このようにすれば、速度変動を含んだ結果に基づいてフィードバック制御ができるので、除振台の速度が無視できない場合であっても高い除振性能を得ることができる。なお速度信号は加速度信号の積分、変位信号の微分又は別途設けた速度センサ(図示せず)から得ることができる。
【0027】
次に、本発明に係る除振装置の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では圧力微分計を用いて空気バネ内の圧力の微分値を測定してその圧力微分値のフィードバックを行ったが、以下に説明する第2の実施形態では圧力微分計を使用せず、圧力微分値の代わりにスプール弁の出力流量をフィードバックに使用する。図6に示す第2の実施形態に係る気体バネ式除振装置10′は、第1の実施形態に係る除振装置10の圧力微分計24の代わりにスプール弁22の流量を測定する流量計36を有する。図6に表記される除振装置10′の他の構成要素は第1の除振装置10と同様であってよく、故に説明は省略する。
【0028】
図7は、第2の除振装置10′の制御ブロック図である。ここでは、流量計36により測定された流量Gと、上述した規範モデルとして理想的な線形性を有する流量モデルGrefとが比較される。比較される値が圧力微分値から流量に置換されていることを除けば、他の考え方は図5を用いて説明したものと同様でよい。従って第2の実施形態では、流量Gを制御して除振台14の変位及び加速度の変化を最小限に抑制するような制御が行われる。なお流量計36としては、例えば特開2004−77327号公報に記載されるような、非定常流の流体の流量を測定可能な応答性の高い流量計が好ましい。
【0029】
またこの場合も、除振台14の速度フィードバックを行うことができる。
【0030】
次に、本発明の実施例について説明する。なおこの実施例は、上述の第1の実施形態に相当するスプール弁及び圧力微分計を用いた除振装置についてのものである。なお除振装置の主仕様は以下の通りであった。
空気バネ内の部分の有効受圧面積(A): 72.4×10-4 [m2
負荷重量(m): 87[kg]
空気バネ容積(V): 1.7×10-3 [m3
【0031】
実験は、ストロークが約2mmの空気バネを用い、除振台を所定の変位(ここでは1.4mm)で定位浮上させ、除振台の加速度信号の安定性を従来のノズルフラッパ弁を用いた除振装置と比較した。また、スプール弁及びノズルフラッパ弁の定常排気流量の比較も併せて行った。なお実験中の空気バネ内の圧力は約270kPa(abs)であった。
【0032】
上記条件での実験を行った結果、第1の実施形態に係る除振装置では定常排気流量が0.75Nl/分であった。比較として同じ空気バネについてノズルフラッパ弁を用いた除振装置の場合は定常排気流量が16.7Nl/分であったことから、消費流量は約1/22と大幅に削減できていることがわかる。
【0033】
また図8は、本発明の第1の実施形態に係るスプール弁を用いた除振装置とノズルフラッパ弁を用いた除振装置とで定常運転時の除振台の加速度波形を比較したグラフである。なお実線L1が前者の加速度波形を示し、破線L2が後者の加速度波形を示す。図8からわかるように、第1の実施形態に係る除振装置では加速度の変動幅が従来のノズルフラッパ弁を用いたものより全般的に小さくなっており、優れた除振性能を発揮していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の除振装置の好適な構成例を示す図である。
【図2】図1に示す圧力微分計の詳細構造を示す図である。
【図3】ノズルフラッパ弁を用いた従来の除振装置の制御ブロック線図である。
【図4】第1の実施形態の除振装置の制御ブロック線図であるが、追従制御は含まない図である。
【図5】第1の実施形態の除振装置の制御ブロック線図であり、追従制御を含む図である。
【図6】本発明に係る第1の実施形態の除振装置の好適な構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態の除振装置の制御ブロック線図である。
【図8】定常運転時の除振台の加速度波形を、第1の実施形態の除振装置と従来の除振装置とで比較するグラフである。
【図9】通常のスプール弁における、入力電圧に対する出力流量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0035】
10 除振装置
12 空気バネ
14 除振台
16 位置センサ
18 加速度センサ
20 空気供給源
22 スプール弁
24 圧力微分計
26 制御装置
36 流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除振台と、前記除振台を支持する気体バネと、前記気体バネへの給気及び排気を行う流量制御型弁と、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前記位置検出手段及び前記加速度検出手段の出力に基づいて前記流量制御型弁を制御する制御装置と、を有する除振装置であって、
前記制御装置は、前記位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループ、及び前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを含むカスケード制御を行うとともに、前記流量制御型弁の非線形性を補償する規範モデルに追従するモデル追従制御を行うことを特徴とする、除振装置。
【請求項2】
前記規範モデルにおいて、前記流量制御型弁の出力流量は入力電圧に対して線形関係を有する、請求項1に記載の除振装置。
【請求項3】
前記気体バネ内の圧力変化を検出する圧力微分計をさらに有し、前記制御装置は、前記モデル追従制御において、前記圧力微分計により測定された圧力微分値を、前記規範モデルの出力流量に所定の係数を掛けた圧力微分値に追従させる制御を行う、請求項2に記載の除振装置。
【請求項4】
前記流量制御型弁の出力流量を検出する流量検出手段をさらに有し、前記制御装置は、前記モデル追従制御において、前記流量検出手段により測定された出力流量を前記規範モデルの出力流量に追従させる制御を行う、請求項2に記載の除振装置。
【請求項5】
前記追従制御は、前記除振台の速度をフィードバックする速度フィードバック制御を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の除振装置。
【請求項6】
前記流量制御型弁はスプール弁である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項7】
除振台と、前記除振台を支持する気体バネと、前記気体バネへの給気及び排気を行う流量制御型弁と、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前記位置検出手段及び前記加速度検出手段の出力に基づいて前記流量制御型弁を制御する制御装置と、を有する除振装置の制御方法であって、
前記位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループ、及び前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを含むカスケード制御を行うとともに、前記流量制御型弁の非線形性を補償する規範モデルに追従するモデル追従制御を行うことを特徴とする、除振装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−298102(P2007−298102A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126082(P2006−126082)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(899000013)財団法人理工学振興会 (81)
【Fターム(参考)】