説明

汎用エンジンの転倒検出装置

【課題】汎用エンジンにより駆動される駆動機器がどのような方向に転倒しても、その転倒を検出し得るようにする。
【解決手段】汎用エンジン17はランマー等の駆動機器を駆動するために使用される。エンジン本体17aのクランクケース20にはオイルパン51が設けられており、潤滑油Lはオイルポンプ52によりエンジン本体17a内の潤滑部に供給される。オイルポンプ52の吸入口54に潤滑油Lを案内する潤滑油吸入部61の吸い込み口62は、オイルパン51の前後左右のほぼ中央部に設けられているので、汎用エンジン17がその前後左右のいずれの方向に転倒しても、潤滑油Lは潤滑油吸入部61には入り込まない。オイルポンプ52から潤滑油が吐出されているか否かを検出することにより、汎用エンジン17の転倒が検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汎用エンジンにより駆動されるランマー等の駆動機器が転倒したことを検出する汎用エンジンの転倒検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
舗装面や地盤面を突き固めるために使用される輾圧機はランマーと言われており、特許文献1に記載されるように、輾圧板つまりランマー部材を駆動するために汎用エンジンが使用されており、ランマー部材は汎用エンジンにより駆動される被駆動部材となる。ランマー等の駆動機器に搭載される汎用エンジンは、クランク軸が回転自在に装着されるクランクケースと、クランク軸にピストンロッドを介して連結されるピストンが軸方向に往復動自在に組み込まれるシリンダとを有している。クランクケースの底部には潤滑油を収容するオイルパンが設けられており、潤滑油はクランク軸を回転自在に支持する軸受等の摺動部分つまり潤滑部分に供給される。潤滑油を摺動部分に供給するために、クランクケースにはオイルポンプが設けられ、オイルポンプはクランク軸により駆動されるようになっている。
【0003】
オイルポンプに潤滑油を案内する潤滑油供給管の先端には、特許文献2および3に記載されるようにストレーナが組み込まれており、オイルパン内の潤滑油はストレーナを吸引口として潤滑油供給管に吸引されて摺動部分に供給される。
【0004】
一方、特許文献4には、汎用エンジンのオイルパンに収容された潤滑油の油量を検出する検出スイッチを設け、油量が一定レベル以下にまで減少したときに、エンジンを停止させるようにしたエンジン停止装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3122696号公報
【特許文献2】特開平4−241713号公報
【特許文献3】特開平9−49414号公報
【特許文献4】特許第2713765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ランマー等の駆動機器は使用状況に応じて傾斜して使用されることがあり、これらの駆動機器が傾斜すると駆動機器に搭載された汎用エンジンも傾斜することになる。駆動機器が通常の使用状況のもとで傾斜しても、オイルパン内の潤滑油はオイルポンプに供給されるようになっており、摺動部分に対して潤滑油を供給することができる。しかしながら、駆動機器が転倒すると、オイルパン内に所定量の潤滑油が収容されている状態のもとでエンジンを駆動させても、潤滑油が潤滑油供給管の内部に吸引されなくなる。
【0007】
ランマー等の駆動機器の転倒方向としては、エンジンの正面側または背面側が下向きとなる前後2方向の転倒方向と、エンジンの左右両側面の一方側が下向きとなる左右2方向の転倒方向とがある。さらに、例えば、前方と右方向との双方向等のように複合された方向に駆動機器が転倒することがある。このように、駆動機器が転倒すると、オイルポンプに潤滑油が案内されなくなって潤滑油を摺動部分に供給することができなくなるだけでなく、ピストンの内部等のように潤滑不要の部分に潤滑油が入り込むことがあり、エンジンを停止させる必要がある。駆動機器の転倒状態としては、例えばエンジンの正面側または背面側が完全に下向きとなる場合のみならず、エンジンを停止させる必要がある程度にまで駆動機器が大きく傾斜した場合も含まれる。
【0008】
転倒センサーを駆動機器に取り付けて、エンジンの転倒を検出する試みがなされたが、ランマー等の振動が発生する駆動機器の転倒検出には、転倒センサーの誤動作が避けられず、転倒時のみに確実に転倒を検出することができなかった。
【0009】
そこで、駆動機器が転倒すると、潤滑油供給管にオイルパン内の潤滑油が案内されなくなることから、オイルポンプの吐出口側に圧力センサーを設け、オイルポンプから潤滑油が吐出されなくなったことを圧力センサーにより検出することによって駆動機器の転倒を検出する試みがなされた。
【0010】
しかしながら、駆動機器の転倒方向としては上述のように前後左右の全ての方向に転倒することを考慮する必要がある。しかし、クランクケースに端壁部にオイルポンプを組み込み、端壁部の内部にストレーナを組み込むようにしたタイプの汎用エンジンにおいては、特定の方向に転倒した場合には圧力センサーにより転倒を検出することができなくなる。つまり、ストレーナの開口部が上側となる方向に駆動機器が転倒したときには、潤滑油がストレーナの開口部から潤滑油供給管内に案内されなくなるので、オイルポンプの吐出口における潤滑油の圧力を検出することによって駆動機器が転倒したことを判定することができる。これに対し、ストレーナの開口部が下側となる方向に駆動機器が転倒した場合には、転倒したにも拘わらず、潤滑油が開口部から潤滑油供給管内に案内されてしまい、駆動機器の転倒を検出することができないという問題点がある。
【0011】
本発明の目的は、汎用エンジンにより駆動される駆動機器がどのような方向に転倒しても、その転倒を検出し得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、エンジンにより駆動される被駆動部材を備えた駆動機器が転倒したことを検出する汎用エンジンの転倒検出装置であって、ピストンが往復動自在に装着されるシリンダ、および前記ピストンにコネクティングロッドにより連結されるクランク軸が回転自在に装着されるクランクケースを備えるエンジン本体と、前記クランクケースの底部に設けられ、潤滑油を収容するオイルパンと、前記クランク軸により回転駆動されるオイルポンプと、前記オイルパンの端壁面および側壁面から離れた位置に吸い込み口が設けられ、前記オイルポンプの吸入口に潤滑油を案内する潤滑油吸入部と、前記オイルポンプの吐出口から吐出された潤滑油を前記エンジン本体内の潤滑部分に供給するノズルに潤滑油を案内する潤滑油吐出部と、前記オイルポンプの前記吐出口から潤滑油が吐出されているか否かを検出する吐出検出手段と、前記潤滑油吐出部内に潤滑油が吐出されないときにエンジンを停止させるエンジン停止制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記エンジン停止制御手段は、前記潤滑油吐出部内に潤滑油が吐出されない状態が停止判定時間以上経過したときにエンジンを停止させることを特徴とする。本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記潤滑油吸入部の前記吸い込み口を前記オイルパンの前記クランク軸に沿う方向と前記クランク軸に対して直角方向との双方向の中央部に開口することを特徴とする。本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記クランク軸を回転自在に支持する前記クランクケースの端壁部に前記オイルポンプを装着し、前記端壁部内に吸入側連通孔を形成し、前記吸い込み口が形成された潤滑油吸い込み管を前記吸入側連通孔の前記オイルパンへの開口部に取り付け、前記吸入側連通孔と前記潤滑油吸い込み管とにより前記潤滑油吸入部を形成することを特徴とする。本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記吐出口と前記ノズルとを連通させる吐出側連通孔を前記端壁部に形成し、前記吐出側連通孔により前記潤滑油吐出部を形成することを特徴とする。
【0014】
本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記吐出検出手段は、前記潤滑油吐出部に吐出された潤滑油の圧力を検出する圧力センサーであり、吐出圧が潤滑圧となったときに検出信号を前記エンジン停止制御手段に出力することを特徴とする。本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記潤滑油吐出部内に前記吐出検出手段を配置することを特徴とする。本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記潤滑油吸入部内に前記オイルパン内から前記ノズルに供給される潤滑油を濾過する濾過部材を設けることを特徴とする。本発明の汎用エンジンの転倒検出装置は、前記潤滑油吸入部に着脱自在に装着される封止プラグに前記濾過部材を取り付け、前記封止プラグを前記濾過部材とともに前記クランクケースから取り外すことにより前記潤滑油吸入部を介して前記オイルパンに収容された潤滑油を排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、汎用エンジンが転倒してオイルパン内の潤滑油がオイルポンプの吐出口に向けて吐出されなくなるので、吐出口に潤滑油が吐出されたか否かを検出することにより、汎用エンジンの転倒を検出することができる。汎用エンジンの転倒方向としては、クランク軸が傾斜する方向の前後方向、およびクランク軸が回転する方向の左右方向のいずれの方向に汎用エンジンが転倒しても、これを確実に判定することができる。
【0016】
汎用エンジンが転倒しているか否かの判定を、吐出口に潤滑油が吐出されなくなってから停止判定時間が経過した後に行うようにすると、エンジンが起動されてエンジンにより駆動されるオイルポンプが定常状態になってから転倒を判定することになる。これにより、正常な起立姿勢となった状態のもとでエンジンを起動させたときに、誤って転倒判定が行われることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態である汎用エンジンの転倒検出装置が設けられた駆動機器としてのランマーの操作面側から見た背面図であり、(B)は(A)の側面図である。
【図2】図1に示したランマーに搭載された汎用エンジンのエンジン本体を示す分解斜視図である。
【図3】エンジン本体の縦断面図である。
【図4】図3における4−4線に沿うエンジン本体の一部切欠き正面図である。
【図5】(A)はエンジン本体の正面側が完全に下向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン内の液面状態を示す断面図であり、(B)はエンジン本体の正面側が完全に上向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパンの液面状態を示す断面図である。
【図6】(A)はエンジン本体の一方の側面が完全に下向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン内の液面状態を示す断面図であり、(B)はエンジン本体の一方の側面が完全に上向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン内の液面状態を示す断面図である。
【図7】エンジン停止制御回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。汎用エンジンにより駆動される輾圧機としてのランマー10は、タンピングランマーとも言われ、図1に示されるように、汎用エンジンにより駆動される被駆動部材としてのランマー部材11を有している。ランマー部材11は輾圧板ないし輾圧部材とも言われており、円筒形状の脚部12の下端部に設けられている。脚部12はランマークランクケース13に対して上下動自在に装着されており、ランマークランクケース13と脚部12との間には、ゴム等からなる可撓性のブーツ14が設けられている。ランマークランクケース13内には、図示しない遠心クラッチの出力軸により回転駆動される偏心クランク軸が設けられており、偏心クランク軸はピストンロッドを介して脚部に連結されている。
【0019】
図1に示されるように、ランマークランクケース13の左右両側には支持フレーム15が取り付けられ、支持フレーム15にはほぼ四辺形の操作ハンドル16が取り付けられている。操作ハンドル16はランマークランクケース13の上方をその後方に向けて伸びており、作業者が地面の突きは固め作業を行う際に、作業者は操作ハンドル16の後端部を把持してランマー10を移動させることになる。図1(B)に示されるように、ランマー10を地面に起立させた状態のもとでは、脚部12およびランマークランクケース13は、前方側に傾斜した状態となっている。このようにランマー10を傾斜させると、重心位置がランマー部材11の前側に片寄ることになり、作業者がランマー10を移動させる際の直進走行性が高められる。
【0020】
ランマークランクケース13の背面側つまり操作面側には汎用エンジン17が装着されている。この汎用エンジン17は4サイクルの単気筒エンジンであり、図2〜図4に示されるように、シリンダ18を有している。シリンダ18内にはピストン19が直線往復動自在に組み込まれている。ピストン19はクランクケース20に回転自在に装着されるクランク軸21にコネクティングロッド22により連結され、クランク軸21はピストン19の往復動によって回転駆動される。クランクケース20とシリンダ18とによりエンジン本体17aが構成されている。クランク軸21はエンジン本体17aの正面側からランマークランクケース13内に突出し、図示しない遠心クラッチを介してランマークランクケース13内の偏心クランク軸に連結されている。この汎用エンジン17においては、図4に示されるように、クランク軸21がランマークランクケース13に向けて吐出した面を正面とし、反対側を背面とする。
【0021】
クランクケース20は、図2および図3に示されるように、端壁部20aが一体となって内部に収容室23が形成された本体部20bと、この本体部20bの開口端部側に取り付けられる端壁部20cとを有しており、本体部20bに端壁部20cを取り付けることにより、クランクケース20内の収容室23は密閉された状態となる。
【0022】
シリンダ18に固定されるシリンダヘッド24には、燃料と空気の混合気を燃焼室24a内に供給するための図示しない吸気ポートと、燃焼ガスを排出する図示しない排気ポートとが形成されている。燃焼室24a内に突出させて混合気を点火するための点火プラグ25が図3に示されるようにシリンダヘッド24に取り付けられている。吸気ポートに供給される外気を清浄化するためのエアークリーナ26が、図2に示されるように、エンジン本体17aの一方の側面に取り付けられており、排気ポートから排出される排気ガスを消音するためのマフラー27がエンジン本体17aの他方の側面に取り付けられている。エアークリーナ26は、図2および図4に示されるように、エンジン本体17aの正面から見て右側の側面に取り付けられ、マフラー27は左側の側面に取り付けられている。
【0023】
シリンダヘッド24には、吸気ポートを開閉するための図示しない吸気弁と排気ポートを開閉するための図示しない排気弁とが設けられており、吸気弁と排気弁はそれぞれ動弁機構28により開閉駆動される。動弁機構28はシリンダ18に取り付けられるロッカーカバー29により覆われており、動弁機構28はクランク軸21に対して平行となってシリンダヘッド24に装着されるカムシャフト30を有している。カムシャフト30に設けられた動弁カム31にはそれぞれシリンダヘッド24に揺動自在に装着された吸気弁用と排気弁用のロッカーアーム32の一端部が当接し、吸気弁用のロッカーアーム32の他端部は吸気弁に連結され、排気弁用のロッカーアーム32は排気弁に連結されている。シリンダヘッド24に取り付けられたスプロケット33と、クランク軸21に取り付けられたスプロケット34との間にはタイミングベルト35が掛け渡されており、カムシャフト30はクランク軸21により回転駆動される。タイミングベルト35は、シリンダ18に形成された貫通孔18a内に通って両方のスプロケット33,34の間を伸びている。
【0024】
クランクケース20内には、図2に示されるように、エンジンの回転数を負荷変動に影響されることなく一定に調整するために、機械式ガバナー36が取り付けられている。機械式ガバナー36はクランク軸21により回転駆動される回転軸37を有し、この回転軸37には図示しないガバナースリーブが軸方向に移動自在に装着されている。ガバナースリーブにより揺動するガバナーシャフトにはガバナーレバー38が取り付けられ、ガバナーレバー38の先端部は図4に示される気化器39の内部に組み込まれたスロットルバルブに連結されている。エンジン本体17aの側面にはスピードコントロールレバー41が揺動自在に装着され、スピードコントロールレバー41はガバナーレバー38にコイルばね42により連結されている。図1に示されるように、操作ハンドル16には燃料タンク40が設けられており、燃料タンク40内の燃料は気化器39に供給される。
【0025】
図3に示されるように、クランク軸21はクランクケース20の背面側から突出しており、この突出端部にはロータ43が取り付けられている。このロータ43にはエンジン本体17aに向けて冷却風を生成する冷却ファン44が設けられている。冷却ファン44はエンジン本体17aの背面側に取り付けられるファンカバー45により覆われており、ファンカバー45の内面には、エンジンを始動させるためのリコイルスタータ46が設けられている。リコイルスタータ46はファンカバー45の内面に回転自在に装着されたリコイルプーリ47を有し、リコイルプーリ47に巻き付けられたリコイルロープの先端には操作ノブ48が設けられている。操作ノブ48は、図1に示されるように、ファンカバー45の外側に配置されている。この操作ノブ48を引っ張り出してリコイルプーリ47を回転させると、リコイルプーリ47に設けられた係合爪が遠心力によりロータ43に係合してクランク軸21が回転されてエンジンが起動される。
【0026】
ロータ43内には、図3に示されるように、マグネット49が組み込まれており、エンジン本体17aの側面には発電コイル50が装着されている。これにより、エンジンが起動されてロータ43が回転駆動されると、発電コイル50により発電される。発電された電力は点火プラグ25等の電気機器に供給される。
【0027】
クランクケース20の底部には、潤滑油Lを収容するためのオイルパン51が設けられている。図2および図4に示されるように、クランクケース20の本体部20bの左右両側には仕切り突起20dが内方に向けて突出して設けられており、それぞれの仕切り突起20dは先端部側が下向けに傾斜している。さらに、図3に示されるように、端壁部20aには反対側の端壁部20cに向けて仕切り突起20eが突出している。これにより、通常のランマー使用状態のもとでは、オイルパン51内から潤滑油Lが上方に飛散することが防止される。
【0028】
クランク軸21とコネクティングロッド22の連結部やクランク軸21をクランクケース20に支持するための軸受等の摺動部分、つまり潤滑部に潤滑油Lを供給するために、クランクケース20の端壁部20cにはオイルポンプ52が装着され、このオイルポンプ52は端壁部20cとこれに取り付けられるカバー53との間に配置されている。オイルポンプ52は、クランク軸21により駆動されて、オイルポンプ52の吸入口54に供給された潤滑油Lを吐出口55から吐出する。
【0029】
端壁部20cにはオイルパン51内の潤滑油Lを吸入口54に案内するための吸入側連通孔56が形成されている。この吸入側連通孔56の下端部つまりクランク軸21に対してその径方向外側部は上端部よりも大径となった大径部56aとなっている。この大径部56aは端壁部20cの外部に開口されており、ランマー10が起立されたときには、下向きに開口することになる。外部に開口された大径部56aには濾過部材としてのフィルタ57が取り外し自在に装着される。このフィルタ57は端壁部20cにねじ結合される封止プラグ58に取り付けられており、封止プラグ58を端壁部20cから取り外すと、フィルタ57が封止プラグ58とともに取り外されて、オイルパン51内の潤滑油Lを外部に排出させることができる。このように、吸入側連通孔56に着脱自在となった封止プラグ58にフィルタ57を取り付けることによって、封止プラグ58を用いてフィルタ57の取付と取外しとを行うことができるとともに、封止プラグ58を取り外すことによって吸入側連通孔56を潤滑油排出用の流路として使用することができる。
【0030】
図3に示されるように、油路59aが形成された潤滑油吸い込み管59が端壁部20cの内面に取り付けられており、この潤滑油吸い込み管59の油路59aの基端部は、フィルタ57に対応させて端壁部20cに形成された開口部60に連通されている。このように、潤滑油吸い込み管59はオイルパン51に開口して端壁部20cに形成された開口部60に取り付けられている。潤滑油吸い込み管59はオイルパン51の底部に配置されており、吸入側連通孔56と潤滑油吸い込み管59とにより、潤滑油Lを吸入口54に案内する潤滑油吸入部61が形成されている。このように、端壁部20cを利用して端壁部20cに吸入側連通孔56を形成し潤滑油吸入部61の一部とすることによって、端壁部20cに潤滑油吸入部61を形成する管部材を取り付けることが不要となり、限られたスペースに潤滑油吸入部61を形成することができる。
【0031】
潤滑油吸い込み管59の先端部に設けられた吸い込み口62は、図3に示されるように、オイルパン51の底部であってクランク軸21に沿う方向つまりエンジン本体17aの前後方向の中央部においてオイルパン51に開口しており、オイルパン51の前後の端壁面としての両方の端壁部20a,20cの内面から離れた位置に開口している。さらに、吸い込み口62は、図4に示されるように、エンジン本体17aの左右方向の中央部つまりクランク軸21に対して直角をなす方向の中央部においてオイルパン51に開口しており、オイルパン51の左右の側壁面としての本体部20bの左右の側壁部の内面から離れた位置に開口している。
【0032】
端壁部20cにはオイルポンプ52の吐出口55に連通する吐出側連通孔63が形成され、吐出側連通孔63に連通する油路64aが形成されたノズル64が端壁部20cに取り付けられている。吐出側連通孔63は吐出口55から吐出された潤滑油Lをノズル64に案内する潤滑油吐出部65を形成している。このように、端壁部20cを利用して端壁部20cに吐出側連通孔63を形成し潤滑油吐出部65の一部とすることによって、端壁部20cに潤滑油吐出部65を形成する管部材を取り付けることが不要となり、限られたスペースに潤滑油吐出部65を形成することができる。
【0033】
ノズル64の先端部からはオイルポンプ52により潤滑圧に加圧された潤滑油Lが摺動部分つまり潤滑部にジェット状となって噴出される。ノズル64の先端部には図3において左方向に向けて潤滑油Lを噴出する噴出口と、上方に向けて噴出する噴出口とが形成されており、潤滑油Lはクランク軸21とコネクティングロッド22の連結部やクランク軸21をクランクケース20に支持するための軸受等の摺動部分に供給される。さらに、タイミングベルト35の内面にも潤滑油Lが噴射され、タイミングベルト35に吹き付けられた潤滑油Lはタイミングベルト35の回転に伴ってこれに付着して貫通孔18a内を通ってロッカーカバー29内にも供給される。ロッカーカバー29内に案内された潤滑油Lは動弁機構28の摺動部分に供給される。
【0034】
吐出側連通孔63の上端部つまりクランク軸21に対してその径方向外側の部分は、下端部よりも大径となった大径部63aとなっており、大径部63aは端壁部20cの外部に開口されている。外部に開口された大径部63aには圧力センサー66が、オイルポンプ52の吐出口55から潤滑油が吐出されているか否かを検出する吐出検出手段として取り付けられている。この圧力センサー66は、オイルポンプ52の吐出口55から吐出された潤滑油Lの圧力が潤滑圧力となっていると検出信号を出力し、潤滑圧力に達していないときには信号を出力しない。圧力センサー66としては、半導体圧力センサーや圧電式圧力センサー等種々のタイプのものを使用することができる。この圧力センサー66からの信号に基づいてランマー10が転倒した状態となっているか否かを検出する。
【0035】
図3および図4には、クランク軸21が水平状態となり、エンジン本体17aが左右方向に傾斜することなく垂直となったときの潤滑油Lの前後方向の油面が符号L0で示されている。この状態のもとでは、潤滑油吸い込み管59の吸い込み口62は油面L0よりも下側に位置しており、吸い込み口62は潤滑油Lの中に没している。潤滑油Lの注入容量はオイルパン51を形成する仕切り突起20d,20eよりも油面が下側となるように設定され。なお、図1(B)に示されるように、ランマー10を立てた状態のもとではランマー10が前方側に、例えば10度程度傾斜した状態となるので、ランマー10を立てた状態のもとでは、油面L0はクランク軸21に対して傾斜した状態となる。
【0036】
ランマー10が前方に大きく傾斜してエンジン本体17aの正面側が下向きとなる方向に一定の角度以上、エンジン本体17aが傾斜して油面が図3において符号L1で示す状態となると、吸い込み口62がオイルパン51の正面側の壁を形成する端壁部20cから離れた位置に設けられているので、吸い込み口62は油面L1よりも上方に迫り出すことになる。一方、エンジン本体17aの背面側が下向きとなる方向に一定の角度以上エンジン本体17aが傾斜して、油面が符号L2で示す状態となると、オイルパン51の背面側の壁を形成する端壁部20aからも離れた位置に設けられているので、吸い込み口62は油面L2の上方に位置することになる。このように、汎用エンジン17がほぼ転倒した状態となるまで傾斜すると、エンジンが駆動されてオイルポンプ52が駆動されても潤滑油Lは潤滑を必要とする摺動部分に供給されなくなる。
【0037】
図4にはクランク軸21が水平状態となり、エンジン本体17aが左右方向に傾斜することなく垂直となったときの潤滑油Lの左右方向の油面が符号L0で示されており、潤滑油吸い込み管59の吸い込み口62は油面L0よりも下側に位置しており、吸い込み口62は潤滑油Lの中に没している。
【0038】
ランマー10が図4に示されるように正面から見て左方向に大きく傾斜してエンジン本体17aの左側面が下向きとなる方向に一定の角度以上、エンジン本体17aが傾斜し、油面が符号L3で示す状態となると、吸い込み口62がオイルパン51の左側の壁を形成する本体部20bの側壁部の左側内面から離れた位置に設けられているので、吸い込み口62は油面L3よりも上方に迫り出すことになる。一方、エンジン本体17aの右側面が下向きとなる方向に一定の角度以上、エンジン本体17aが傾斜して、油面が符号L4で示す状態となると、吸い込み口62がオイルパン51の右側の壁を形成する本体部20bの側壁部の右側内面から離れた位置に設けられているので、吸い込み口62は油面L4の上方に位置することになる。このように、汎用エンジン17がほぼ転倒した状態となるまで傾斜すると、エンジンが駆動されてオイルポンプ52が駆動されても、潤滑油Lは潤滑を必要とする摺動部分に供給されなくなる。
【0039】
図5(A)はエンジン本体の正面側が完全に下向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン内の潤滑油Lの液面状態を示す断面図であり、図5(B)はエンジン本体の正面側が完全に上向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン内の液面状態を示す断面図である。それぞれの転倒状態では、クランク軸21がほぼ垂直となっている。図5(A)に示すような状態にまでエンジン本体17aが転倒すると、吸い込み口62は油面L5よりも上方に突出し、図5(B)に示すような状態にまでエンジン本体17aが転倒すると、油面L6は吸い込み口62よりも下方に位置することになる。
【0040】
図6(A)はエンジン本体17aの左側の側面が完全に下向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン51内の潤滑油Lの液面状態を示す断面図であり、(B)はエンジン本体17aの左側の側面が完全に上向きとなる位置までランマーが転倒した場合におけるオイルパン51内の液面状態を示す断面図である。図6(A)に示すような状態にまでエンジン本体17aが左方向に転倒すると、吸い込み口62は油面L7の上方に位置することになり、図6(B)に示すような状態にまでエンジン本体17aが右方向に転倒すると、吸い込み口62は油面L8の上方に位置することになる。いずれの方向に転倒しても、吸い込み口62は油面から離れてしまう。このため、オイルポンプ52が駆動されても吐出口55から潤滑油Lが吐出されなくなる。
【0041】
潤滑油Lが吐出口55から吐出されなくなると、圧力センサー66からは圧力検出信号が出力されなくなるので、汎用エンジン17の転倒つまりランマー10の転倒を圧力検出信号に基づいて判定することができる。
【0042】
エンジン本体17aが図5および図6に示される位置まで転倒したときに、汎用エンジン17の転倒を検出するように設定する場合には、吸い込み口62の位置は、上述したように、オイルパン51の前後方向および横方向の双方向のほぼ中央部に設けなくとも、端壁部と側壁部の内面から離れた位置であれば転倒検出が可能である。吸い込み口62の位置は、どの程度の角度まで汎用エンジンが前後左右の方向に転倒したときに、転倒を検出するかによって設定される。
【0043】
吸い込み口62は、オイルパン51の底部側に設けられているが、潤滑油Lの量が減少して油面が所定位置よりも低下したときに、圧力センサー66により残量減少を検出するのであれば、吸い込み口62を図示する位置よりも高い位置に設定するようにしても良い。
【0044】
図7はエンジン本体17aに設けられたエンジン停止制御回路を示すブロック図である。図7に示されるように、エンジン停止制御手段としてのコントローラ67には圧力センサー66からの検出信号が送られるようになっており、コントローラ67は圧力センサー66が検出信号を出力しているときに、エンジンを駆動させめために点火プラグ25に点火電圧を印加する。コントローラ67は、タイマー68を有しており、エンジンが起動されてから、所定の停止判定時間以上経過しても圧力センサー66から検出信号が出力されないときには点火プラグ25に対する点火電圧の印加を停止する。この停止判定時間としては、例えば、約3秒ないし5秒に設定されている。このように、停止判定時間以上経過してから出力された圧力センサー66から検出信号に基づいてエンジンを停止させるようにすると、エンジン起動時におけるエンジン停止の誤動作を防止することができる。つまり、汎用エンジン17が転倒していない状態のもとでエンジンを起動させても、起動開始から所定の時間が経過するまでは、オイルポンプ52により潤滑油吐出部65に吐出される潤滑油Lの圧力は所定の潤滑圧にまで高まらないので、停止判定時間以上経過後の圧力センサー66から検出信号に基づいてエンジンを停止させるか否かを判定することによって、転倒していないときには確実にエンジンを始動させることができるとともに、転倒時にはエンジンを確実に停止させることができる。
【0045】
ランマー10が転倒されることなくエンジンが駆動されていた状態のもとで、ランマー10が転倒してしまうと、転倒時から停止判定時間が経過した後にエンジンが停止されるが、このときには、停止判定時間を経過させることなく、直ちにエンジンを停止させるようにしても良い。
【0046】
以上のように、オイルポンプ52から吐出される潤滑油の圧力が潤滑圧となっているか否かを利用して、汎用エンジンつまりランマー10等の駆動機器が前後左右の4方向のいずれの方向に転倒しても、駆動機器の転倒つまり汎用エンジンの転倒を検出するようにしたので、転倒センサーを用いることなく、確実に駆動機器の転倒を検出することができる。
【0047】
上述したランマー10を用いて作業者が舗装面や地盤面の突き固め作業を行うには、図1に示すように、ランマー10を起立させた状態のもとで、操作ノブ48を引っ張ってエンジンを起動させる。操作ノブ48が引き出されると、図3に示されるリコイルプーリ47が作業者の手動操作により回転され、クランク軸21が回転する。クランク軸21が回転すると、発電コイル50により発電された電力がコントローラ67から点火プラグ25に印加されてエンジンが起動される。エンジン起動初期には、オイルポンプ52は定常回転に達しておらず、オイルポンプ52から潤滑油吐出部65に供給される潤滑油Lの圧力は所定の潤滑圧にまで到達していない。所定の停止判定時間が経過した後における圧力センサー66からの信号に基づいて、エンジン停止制御手段としてのコントローラ67の判定部により潤滑圧となった潤滑油Lが潤滑油吐出部65に供給されたか否かが判定される。
【0048】
潤滑油吐出部65にオイルポンプ52から潤滑油Lが吐出されていると判定されたときには、エンジンは停止されることなく、ランマー10が駆動される。これに対して、ランマー10が転倒された状態でエンジンの起動操作がなされると、潤滑油吸入部61内には潤滑油Lが流入しない状態のときにエンジンが起動されたことになるので、停止判定時間が経過して吐出口55には潤滑圧にまで高められた潤滑油が吐出されなくなる。これにより、エンジンの駆動が停止される。一方、汎用エンジン17を駆動させてランマー10により舗装面の突き固め作業が行われていた状態のもとで、ランマー10が転倒されると、潤滑油吸入部61内には継続的に潤滑油Lが供給されなくなるので、潤滑油吸入部61内に残っていた潤滑油が潤滑油吐出部65に全て吐出されると、エンジンは停止される。これにより、潤滑油が摺動部分つまり潤滑部分に供給されない状態のもとでのエンジンの駆動が防止される。
【0049】
吸い込み口62は、クランク軸21に沿う方向とクランク軸21に対して直角方向との双方向の中央部に開口しているので、ランマー10が前後左右の4方向のいずれかの方向に転倒したり、ほぼ転倒状態となるまで大きく傾斜したりすると、エンジンが停止される。同様に、ランマー10がいずれの方向に転倒した状態のもとでエンジンが起動されても、エンジンは継続的に駆動されることなく停止される。
【0050】
フィルタ57を交換したり、オイルパン51内の潤滑油Lを排出したりするときには、封止プラグ58がクランクケース20から取り外される。吸入側連通孔56はランマー10を起立させた状態のもとでは、クランクケース20の下側から取り外されるので、オイルパン51の内部の潤滑油Lは潤滑油吸い込み管59および吸入側連通孔56を利用して外部に排出される。潤滑油吸い込み管59を潤滑油の排出にも利用するためには、潤滑油吸い込み管59をオイルパン51の底部に配置することが好ましい。オイルパン51の内部に潤滑油を注入するために、クランクケース20には給油プラグ71が着脱自在に装着されており、これを取り外した状態のもとで、内部に潤滑油Lが注入される。
【0051】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、汎用エンジンが搭載される駆動機器としては、図示したランマー10に限られることなく、発電機等の他の駆動機器に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 ランマー(駆動機器)
11 ランマー部材(被駆動部材)
17 汎用エンジン
17a エンジン本体
18 シリンダ
19 ピストン
20 クランクケース
20c 端壁部
21 クランク軸
22 コネクティングロッド
26 エアークリーナ
27 マフラー
40 燃料タンク
45 ファンカバー
51 オイルパン
52 オイルポンプ
54 吸入口
55 吐出口
56 吸入側連通孔
57 フィルタ
58 封止プラグ
59 潤滑油吸い込み管
60 開口部
61 潤滑油吸入部
62 吸い込み口
63 吐出側連通孔
64 ノズル
65 潤滑油吐出部
66 圧力センサー(吐出検出手段)
67 コントローラ(エンジン停止制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより駆動される被駆動部材を備えた駆動機器が転倒したことを検出する汎用エンジンの転倒検出装置であって、
ピストンが往復動自在に装着されるシリンダ、および前記ピストンにコネクティングロッドにより連結されるクランク軸が回転自在に装着されるクランクケースを備えるエンジン本体と、
前記クランクケースの底部に設けられ、潤滑油を収容するオイルパンと、
前記クランク軸により回転駆動されるオイルポンプと、
前記オイルパンの端壁面および側壁面から離れた位置に吸い込み口が設けられ、前記オイルポンプの吸入口に潤滑油を案内する潤滑油吸入部と、
前記オイルポンプの吐出口から吐出された潤滑油を前記エンジン本体内の潤滑部分に供給するノズルに潤滑油を案内する潤滑油吐出部と、
前記オイルポンプの前記吐出口から潤滑油が吐出されているか否かを検出する吐出検出手段と、
前記潤滑油吐出部内に潤滑油が吐出されないときにエンジンを停止させるエンジン停止制御手段とを有することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記エンジン停止制御手段は、前記潤滑油吐出部内に潤滑油が吐出されない状態が停止判定時間以上経過したときにエンジンを停止させることを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記潤滑油吸入部の前記吸い込み口を前記オイルパンの前記クランク軸に沿う方向と前記クランク軸に対して直角方向との双方向の中央部に開口することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記クランク軸を回転自在に支持する前記クランクケースの端壁部に前記オイルポンプを装着し、前記端壁部内に吸入側連通孔を形成し、前記吸い込み口が形成された潤滑油吸い込み管を前記吸入側連通孔の前記オイルパンへの開口部に取り付け、前記吸入側連通孔と前記潤滑油吸い込み管とにより前記潤滑油吸入部を形成することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項5】
請求項4記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記吐出口と前記ノズルとを連通させる吐出側連通孔を前記端壁部に形成し、前記吐出側連通孔により前記潤滑油吐出部を形成することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記吐出検出手段は、前記潤滑油吐出部に吐出された潤滑油の圧力を検出する圧力センサーであり、吐出圧が潤滑圧となったときに検出信号を前記エンジン停止制御手段に出力することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記潤滑油吐出部内に前記吐出検出手段を配置することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、
前記潤滑油吸入部内に前記オイルパン内から前記ノズルに供給される潤滑油を濾過する濾過部材を設けることを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。
【請求項9】
請求項8記載の汎用エンジンの転倒検出装置において、前記潤滑油吸入部に着脱自在に装着される封止プラグに前記濾過部材を取り付け、前記封止プラグを前記濾過部材とともに前記クランクケースから取り外すことにより前記潤滑油吸入部を介して前記オイルパンに収容された潤滑油を排出することを特徴とする汎用エンジンの転倒検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−226319(P2011−226319A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94583(P2010−94583)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】