説明

活性成分デリバリー用新規シリコーンフィルム形成剤

本発明は、a) サッカライド−シロキサン共重合体;b) 架橋剤; c) 一種以上の活性/不活性成分; d) 任意に、溶剤または混合溶剤からなり、当該サッカライド−シロキサン共重合体が次式:R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a (定型的に定義される)を有し、かつ当該サッカライド−シロキサン共重合体が官能化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1種のヒドロキシ官能性サッカライドとの反応生成物で、オルガノシロキサン構成部が結合基を介してサッカライド構成部に共有的に結合している、フィルム形成用組成物;フィルム;それらの関連方法を提供する。本発明は、新規のフィルム形成用組成物および/またはフィルムからなる局所的および経皮薬剤デリバリーパッチを含む製品をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急速に硬化して、フィルムを形成し、かつパーソナル・ヘルスケア用途で活性成分をデリバリーするためのサッカライド シロキサン共重合体組成物の使用に関する。
【0002】
当該組成物は、反応性架橋剤の存在下で架橋するサッカライド シロキサン共重合体を、単独で、又は、二種以上の共重合体ブレンドとして含む。本発明において使用される好ましいサッカライド シロキサン組成物は、オルガノシリコン骨格に共有結合している、サッカライドから誘導されるポリヒドロキシ官能性部分である。架橋は、架橋剤と上記共重合体とを反応させて、サッカライド構成部分のポリヒドロキシ官能基を介して達成される。
【0003】
これらのフィルム形成用組成物は、人または動物の生体組織の上に粘着かつ実質的なフィルムを形成するに用いることができる。得られるフィルムは、接着された面およびその下の層に活性成分を送達することを意図している。また、それは被覆された面の保護・バリアーフィルムとなることができ、下層組織のハイドレーションの調整に使うことができる。また、美的かつ美容的外観を覆われた表面に与えることもできる。したがって、当該組成物は、局所的投与、創傷治癒そして皮膚ケア用途に有用性を有している。さらに、本発明はフィルム形成用組成物、硬化フィルム、そしてそれらからなる製品に関する。
【背景技術】
【0004】
フィルムを形成する多くの処方は、化粧品、医療そして医薬品分野で知られている。それらには、例えば、軟膏、膏薬、クリーム、ローション、ゲル、エラストマーなどが含まれる。これら処方のいくつかは、主要成分としてシリコーンベースの素材を用いている。シリコーンベース素材は、人体に対し概して不活性であるので、それら処方において望まれている。それら製品は、いろいろな利益の提供、例えば、人体の各種の皮膚面に適用中かつ適用後美容上受け入れられる間、乾燥皮膚に湿気を与え、表面欠陥を覆い、活性成分の効果的送達を可能することを意図している。
【0005】
公知の処方はシリコーン流体のブレンドをベースにしており、広く化粧用スキンケアとして使われている。それらは米国特許第6325990号に記載されているように各種の粘度を有する揮発性のものからガム状のタイプのシリコーン流体をくみあわせている。他の処方では、低分子量のシリコーン流体で膨脹された架橋オルガノポリシロキサンを含んでおり、米国特許第5654362号、同第6221979号、そしてヨーロッパ公開番号EP848029、EP869142、EP934959、EP1020494およびEP1057872に記載されているように、エラストマーブレンドとして言及されている。これらの組成物は各種の表面に容易に塗り拡げることによって興味深いフィルム形成性を示すが、それらの持続性は固有の凝集力の弱さにより低い。
【0006】
同様な組成物は国際出願公開番号WO97/17057,同WO97/17058とWO97/17059の実施例に記載されており、シリコーン流体と例えば米国特許第3,936,582号、同第2,676,182号、同第2,857,356号と同第2,676,182号に記載されているシリケート樹脂とブレンドすることにより得られている。これら組成物は各種の表面に容易に塗り拡げることによって興味深いフィルム形成性を示すが、それらの持続性は当該樹脂と当該高分子流体との縮合の不足により限られる。
【0007】
カナダ出願番号第711,756号によれば、上記シリケート樹脂およびシリコーン流体は縮合することができる。得られた材料は、大概、感圧接着剤技術ハンドブック3版、ドナタスサタス&アソシエート(ロードアイランド州ウァーヴィック)編 1989(ISBN#0963799339)そしてヨーロッパ特許第0180377号に記載されている感圧接着剤の性質を有する。これらの組成物は興味深いフィルム形成性および高い持続性をも示し、一般的に樹脂の高含量(約65%以上と定義される)のときに、非粘着性(本質的には分離抵抗性または一般的には「固着性(Stickiness)」)を示す。しかしながら、固有の粘弾性のために、依然として可塑化効果による影響が残っており、可塑化種を吸収して粘着性になってしまう。
【0008】
公知のフィルム形成用処方でのシリコーンベース素材の他例がヨーロッパ公開第465,744号で与えられている。この公開公報は、活性薬剤とSi-H含有ポリマーとケイ素に結合した不飽和基を有するポリマーと触媒と親水性成分を含む多分系処方の使用を教示する。その処方は混合され人体に適用されて、硬化して放出制御ゲルを形成する。この架橋可能なエラストマー組成物は可塑化効果の影響を著しく減少させるものである。しかしながら、EP465,744に記載されているような先行技術の方法はいくつかの問題点を有する。たとえば、その方法では、使用する人は処方での成分材料を特定な量にて十分混合できるように熟練されなければならない。ゲルになる前に、望まれる場所に混合処方の正しい量を適用するための特別な注意を要する。同様に、そのような方法は最終ユーザーには不便かつ面倒に違いない。同じようなシステムが次の公報:US6,471,985;EP0506241;EP0865787;WO2004/108175に述べられている。
【0009】
他の特許文書、WO90/03809は、揮発性ポリジメチルシロキサンで希釈されたシロキサン含有包帯材料からなる包帯形成用コーティング材料を教示している。それらコーティング材は、ここに記載されかつクレームされるフィルムとは区別される。同じようなシステムが次の公報:EP0438496、EP0572416に記載されているが、これらの特許はアクリレート骨格と側鎖シロキサン官能性を有するポリマーを記述している。
【0010】
GB2407496とWO01/96450は生体表面でのフィルム形成方法を教示している。その方法は、アルキレン トリアルコキシ−末端ポリシロキサン;アルコキシシラン;チタネート触媒;充填剤;および揮発性希釈剤を混合して処方とすることからなる。それから、この処方は生体表面に適用され、その表面上その場で硬化してフィルムを形成する。このフィルム形成剤は湿分と接触により硬化する特性、湿分に非常に影響を受けやすく、適切に包装されないとその安定性に影響があることに悩まされる。
【0011】
知られている他の選択には、ニトロセルロース−シリコーンブレンド溶液またはシリコーン−ポリアミド組成物が含くまれる。上述の方法は一定の重要な特性を送達させることができるが、それらのうち、一つの実施態様で重要特性すべての送達可能性を明示しているものはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第465744号明細書
【特許文献2】国際公開第90/03809号パンフレット
【特許文献3】国際公開第01/96450号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
オルガノシロキサンポリマーを架橋させて形成するオルガノシロキサンベースのエラストマーは当技術分野においてよく知られており、そのような素材は望まれる表面特性を塗布基材に付与するコーティングとして幅広い有用性を有する。そのような特性としては、例えば、強化された耐摩耗性、熱安定性、疎水性かつ耐水性、接着制御かつ剥離性、アンチスリップ機能を含む摩擦制御性などがある。各種の充填剤および他の添加剤を、より多様な性能の利点をコーティングに与えるためにエラストマー母体内に配合させることができる。架橋された網目状の母体の機械的、化学的およびイオン性特性は、適切に配合される添加剤の種類と量の両方により影響される。
【0014】
架橋された炭水化物からなる組成物および硬化したコーティング組成物は当技術分野では周知である。しかしながら、本発明者らはサッカライドのポリヒドロキシ官能性を介して架橋されるサッカライド−シロキサン共重合体からなるフィルム形成組成物を認知していない。これら独自の架橋性組成物から形成された網目状にされた母体、つまり硬化したフィルムは、各種の添加剤を担持し、保持し、制御的に放出する、シリコーンと炭水化物ベースの両母体のそれぞれの特性からなるブレンドされた特性プロフィルを提供する。共重合体のサッカライド構成部分経由の架橋は特定の用途に相応しくする特性プロフィルを持つエラストマーを産出する。
【0015】
当技術分野では、生体面におよび生体面をとおして、活性成分をデリバリーできるフィルム形成用組成物の必要性がある。それらからなる硬化フィルムは、シリコーンと炭水化物の両構成部分からなるフィルムによって付与されると知られている利点および特性を反映する。
【0016】
したがって、本発明は、上述した先行技術の問題の多くを回避したフィルム形成用組成物およびフィルムの製造方法の新規発見に基づいており、それ故に、フィルムはパーソナル・ヘルスケア用途に特に有益である。本発明のフィルム形成用組成物は、活性成分を安定させかつ放出することができる、好ましいキャリアとしてデリバリーする現実的なフィルム形成剤の技術を一つにしている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明はサッカライド誘導ポリヒドロキシル シロキサンを利用して、適する反応性架橋剤、例えば、ボレート若しくはチタネート エステルと酸、の存在下でサッカライド同士間の結合を介して架橋網目状を形成する。共重合体のサッカライド骨格のヒドロキシ官能性間で起こる架橋はめずらしく、独特な母体を有する三次元網目状を形成する。その結果として、それから形成されたフィルムは類のない特性プロフィルを有する。理論に束縛されないが、得られたフィルムは、柔軟性、水蒸気透過性、疎水性、良好な美的感覚、接着剤剥離および耐屈曲性のようなシロキサンの特性と、ヒドロキシ基または極性基を有する基材、例、 木、セルローズ、綿または皮膚、への持続性のようなサッカライドの特性とを組み合わせる。これらの素材の独特な親水性と疎水性は、酵素のような生体材料を含め幅広い分子との適合を可能にする。
【0018】
得られたフィルムはパーソナル・ヘルスケア用途で多くの使用されるものであり、そこでは、フィルムは、例えば、局所ドラッグデリバリーシステム、皮膚処理での皮膚保護用マスキングシステム、軽傷、火傷、急性創傷および慢性的な傷用創傷被覆材および包帯、スキンシーラント、皮膚保護フィルム、傷跡処理、エクスフォリエーション(剥脱)および脱毛髪剤製品、脱臭フィルム、制汗剤活性成分および香料デイバリーシステム、しわ取りパッチそして保湿マスクとして役立つ。当該フィルム用途は、局所治療、創部のケア、外科的縫合、傷跡ケア、脇の下のケア、足のケア、体・顔の皮膚ケア、化粧、メークアップそしてファンデーションで利点を有する。同様に他の生体表面、例えば髪の毛髪、爪、歯そして粘膜に、人間以外の動物の同様な用途にもまた各種の植物群についての用途に使うことができる。
【0019】
本発明は基材、好ましくは生体面の上にフィルムを形成するための処方の使用に関する。そこでは、フィルムは例えばバリアーフィルム、化粧品フィルム、ドラッグデリバリー装置、創傷管理デバイスなどとして役立つ。
【0020】
本発明の一つの実施態様はフィルム形成用組成物を提供する。フィルム形成用組成物は、a) サッカライド−シロキサン共重合体;b) 架橋剤;c) 一つ以上の活性/不活性成分;およびd) 任意で、溶剤又は混合溶剤を含む。上記サッカライド−シロキサン共重合体は、定型的にそして具体的実施態様でのニーズに従って指定される次の式:R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2aを有する。サッカライド−シロキサン共重合体は官能性化されたオルガノポリシロキサンと少なくとも1種のヒドロキシ官能性サッカライドとの反応生成物で、当該オルガノポリシロキサン構成部分がサッカライド構成部分に結合基を介して共有結合している。
【0021】
フィルム形成用組成物を硬化させて物品の製造に使うことができ、または基材に直接適用しその場で硬化させ凝集性かつ実質的なフィルムを形成することができる。組成物は各種の適合する化粧品、医薬品および医療用途において活性成分または不活性成分の放出制御の可能性を提供する。
【0022】
適用しその場で硬化させたときは、その基材は植物、動物または人由来のあらゆる種類の生態組織になりうる。例えば、人への適用では、基材は皮膚、傷跡、まめ、水膨れ、傷ついた組織、唇、爪、毛髪、アイ−ヘアー(eye-hair)、粘膜などになりうる。
【0023】
他の実施態様は、新規フィルム形成用組成物からなるフィルム、包帯、局所・経皮ドラッグデリバリーパッチ、化粧品デリバリー基剤および創傷被覆材を含む製造物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1図は、本発明による薬放出の具体例を説明する。第1A図は、発明のフィルムから薬剤ナイアシンアミドの累積放出に関するデータを示す。第1B図は、発明のフィルムから薬剤ケトコナゾールの累積放出に関するデータを示す。活性薬剤放出の測定は正確な受領容積を有するフランツ型静止拡散セルを用いて行った。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のこれらまた他の実施態様は後述の詳細なる説明および実施例を参照することにより十分により理解されるであろう。
【0026】
本発明は、架橋性サッカライド−シロキサン共重合体で、架橋がサッカライド構成部分のヒドロキシ官能性基間で実質的に起こる共重合体を有する新規なフィルム形成用組成物および架橋した網目状からなる硬化フィルムを提供する。共重合体のサッカライド骨格のヒドロキシ官能性間で起こる架橋は極めてめずらしく、独特な母体を有する三次元的網目状を形成する。その結果として、それから形成されたフィルムは類のない特性プロフィルを有する。得られたフィルムは、柔軟性、水蒸気透過性、疎水性、良好な美的感覚、接着剤剥離および耐屈曲性のようなシロキサンの特性と、ヒドロキシ基または極性基を有する基材、例、木、セルローズ、綿または皮膚、への持続性のようなサッカライド類の特性とを組み合わせる。これらの素材の独特な親水性と疎水性は、酵素のような生体材料を含め幅広い分子との適合を可能にする。架橋された網目状は活性成分および不活性成分の侵入と放出制御には特に適しており、当該フィルム形成用組成物は活性成分および/または不活性成分を有する。
【0027】
フィルム形成用組成物は、生体表面で、接着剤剥離フィルムとして、薬剤もしくは他の利点を付与する活性成分の局所投与用に、保護バリアもしくは創傷被覆材として、または活性成分もしくは不活性成分の経皮放出の目的に使用することができる。これらフィルムが毛髪、皮膚または制汗剤用パーソナルケア製品でのフィルム形成特性をもまた与える。溶剤中の架橋性組成物は他の用途で望まれるゲル化性質を提供できる。新規なフィルム形成性組成物からなる製造品は、ヘルスケアのサービス提供および受入に関連してまたは軍事行動中に着用するものを含めた布地および衣類に防腐、保護、防御および/または反応性の機能の提供を含み、それらに限定されずに各種有用な機能に適合する。
【0028】
一つの実施態様はフィルム形成用組成物に向けられる。フィルム形成用組成物は、a) サッカライド−シロキサン共重合体;b) 架橋剤;c) 一つ以上の活性/不活性成分、およびd) 任意で、溶剤又は混合溶剤を含む。上記サッカライド−シロキサン共重合体は以下の式:

R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a

[式中、
R1は、同じでも異なっていてもよく、水素、C1-C12のアルキル、有機基またはR3-Qからなり、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第一級又は第二級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、酸無水物、またはメルカプト官能性基からなり、
mおよびnは、0から10,000の整数であって、同じであっても異なっていてもよく、
aは、独立して0,1,2または3であり、
yは、上記共重合体が百万未満の分子量を有するようにする整数であり、
R1(3-a)SiO-[(SiR1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)は、オルガノシロキサンポリマー構成部分を構成し、
R2は、式 Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつ、少なくとも一個のR2が存在し、
{式中、G1は炭素数5から12からなるサッカライド構成部分であり、
b+cは、1〜10で、bまたはcは0であることもでき、bまたはcのいずれかは1でなければならず、
G2は、炭素数5から12からなり、有機基または有機ケイ素基で置換されたサッカライド構成部分であり、
Zは、上記オルガノシロキサンポリマー構成部分とサッカライド構成部分との結合基で、独立して、
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-S-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4-
からなる群から選択され、そして、
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tからなる二価のスペーサー基(ただし、r,sおよびtの少なくとも一つは1でなければならず、
R5およびR7は、C1-C12のアルキル又は((C1-C12)O)p (ただし、pは1から50の整数で、各(C1-C12)Oは同じであっても異なっていてもよい)であり、
は、-N(R8)-(ただし、R8はHまたはC1-C12のアルキルである)である}]を有しする。
【0029】
サッカライド−シロキサン共重合体は、官能性化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1種のヒドロキシ官能性サッカライドとの反応生成物で、当該オルガノポリシロキサン構成部分がサッカライド構成部分に、結合基Zを介して共有結合している。
【0030】
具体的な実施態様によれば、サッカライド−シロキサン共重合体は少なくとも3個のヒドロキシ官能性を有し、少なくとも1個のポリヒドロキシ官能性サッカライドはアルドン酸またはオリゴアルドン酸を含む。より具体的な実施態様では、アルドン酸またはオリゴアルドン酸はラクトンを含み、さらなる具体的な実施態様では、ラクトンはグルコノラクトンまたはラクトビオノラクトンを含む。適する結合基の例はアミド、アミノ、ウレタン、気尿素、エステル、エーテル、チオエーテル、アセタール結合基を含むが、これらに限定されるものではない。好ましい実施態様によれば、サッカライド−シロキサンは、グルコノラクトンとアミノプロピル−末端ポリジメチルシロキサンとの反応生成物であり、そこでは側鎖アミノエチルアミノイソブチル基を有するポリジメチルシロキサンがグルコノラクトンと第1級アミン:ラクトンの1:1の化学量論で反応している。
【0031】
架橋剤はヒドロキシ官能性ポリマーを架橋できる任意の物質からなる。架橋剤は、以下の限定されないリストから選択される:ホウ酸、ホウ酸エステル(例、トリ−n−プロピルボレート、トリイソプロパノールアミンボレート)、アルキルボロン酸またはエステル(例、フェニルボロン酸)、チタン酸塩(例、チタンイソプロポキシド、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート))、ジルコニウム酸塩、グリオキサール、グルタルアルデヒド、エピクロロヒドリン、尿素−ホルムアルデヒド、炭酸アンモニウムジルコニウム、多価イオン塩、二官能性エポキシまたはグリシジル化合物(例、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル)、ジ−(N−ヒドロキシメチル)尿素、ジ−イソシアナート (例、トルエンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート)、2−クロロ N,Nジ−エチルアセトアミド、トリメタリン酸ナトリウム、オキシ塩化リン、アクロレイン、N−メチル尿素、ジカルボン酸、ビス−酸塩化物、ジアルキルジクロロシラン(例、ジメチルジロロシラン)、アルキルトリクロロシラン(例、メチルトリクロロシラン)、反応性シロキサン樹脂、およびこれらの組み合わせ。
【0032】
他の実施態様によれば、フィルム形成用組成物はさらに1種以上の追加のサッカライド−シロキサン共重合体および適する架橋剤を含み、ブレンドフィルム形成用組成物を形成する。これらブレンドは、選択された共重合体により一つ以上の利点を与えることを目的としている。
【0033】
生体面に供給した時点で、フィルム形成用組成物は硬化して、凝集性かつ実質的なフィルムを形成する。本発明の組成物は容易に硬化するし、周囲環境に暴露されると直ちに硬化する。本発明の他の実施態様は少なくとも1個の活性または不活性薬剤を局所的に生体面または経皮的に生体面を通して送達する方法に向けられている。一つの具体的実施態様によれば、フィルム形成用組成物は生体面にぬれた状態で適用し、そのまま硬化させて生体面上に目的とするフィルムを形成する。他の具体的な実施態様では、フィルム形成用組成物は最初硬化され、生体面に接着適用される。
【0034】
フィルム形成用組成物に含有させられる1個以上の活性または/および不活性成分は、次の中から選ぶことができる:触媒;充填剤;顔料;紫外線安定剤;香料;精油;熱安定剤;レオロジー調整剤;増粘剤;接着促進剤;バイオサイド;抗真菌剤;抗生物質;保存料;酵素;ペプチド;感圧接着剤;界面活性剤;医薬成分;化粧品成分;レジン;そして水性成分。基材は植物、動物または人由来のあらゆる種類の生態組織である。例えば、人への適用では、基材は皮膚、傷跡、まめ、水膨れ、傷ついた組織、唇、爪、毛髪、まつ毛髪、アイーヘアー(eye-hair)、または粘膜である。
【0035】
具体的実施態様によれば、生体面は皮膚からなり、さらには人の皮膚からなる。フィルムは化粧品、医学的または薬学的適応の治療に有用であり、創傷被覆材、包帯、局所または経皮ドラッグデリバリーパッチ、化粧品組成、または香料デリバリーパッチのような製造品に組み入れられることができる。特定の実施態様では、創傷被覆材は活性薬剤が1種以上の抗生物質、バイオサイドまたは抗真菌剤であるフィルム形成用組成物からなっている。
【0036】
他の実施態様によれば、新規なフィルム形成用組成物を有する経皮ドラッグデリバリーパッチが提供される。通常活性成分は架橋された母体内に分散させており、活性または不活性成分は受動的にフィルムまたはパッチから皮膚を通して拡散する。角質層はドラッグの拡散に対し最大のバリアーとして機能する皮膚の最外層である。ある所望の薬剤にとって、この天然のバリアーは著しく受動的拡散を減少または妨害する。これらの事例で、角質層に微小孔を作るデバイス、例えば皮膚に適用したとき無痛で出血を生じさせることなく角質層に微小孔を作る極微針とも呼ばれる微細構造アレイを含む、のような増強デバイスを適切に使用することができる。これら微小孔は微小孔なしの通常の皮膚よりも小さいドラッグ拡散抵抗を提供する。表皮層から角質層の切除は周知の増強方法でもあり、レーザーシステムによる切除を含む。その後フィルム形成用組成物からなる発明のパッチを、経皮デリバリーと達成するために切除された場所に適用することができる。新規なフィルムおよびパッチによる経皮デリバリーは特に全身的治療可能な病気を対象とする薬剤または医薬品のデリバリーに有用である。
【0037】
賦形剤をフィルム形成用組成物に処方中のドラッグの溶解性および安定性を改良し、ドラッグの皮膚透過を高めるために添加することができる。化学透過エンハンサーは当技術分野では周知であり、本発明の処方に含有させるための適する賦形剤である。
【0038】
フィルム形成用組成物を製造する方法もまた提供される。その一つの実施態様で、その方法は、a)サッカライド−シロキサン共重合体を適する溶剤に溶解して溶液を作り; b)少なくとも1個の架橋剤を適する溶剤に溶解して溶液を作り; c) b)の溶液を a)の溶液に添加して、 b)がa)中に分散するまで混合する各段階からなる。サッカライド−シロキサン共重合体は、官能性化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1種のヒドロキシ官能性サッカライドとの反応生成物で、オルガノシロキサンポリマーが少なくとも1種のポリヒドロキシ官能性サッカライドに共有結合しているものからなる。活性または不活性成分は好ましくは硬化する前に組成物に添加される。他の添加剤は任意で、段階a)、 b)、および c)のうち、いずれの段階でも配合しないか、いずれかの一つ、いくつかまたはすべての段階で配合させることができ、分散されるまで混合される。ある薬剤または添加剤は溶剤のような適する媒体での事前溶解が必要である。添加剤が母体に組み入れられる程度および添加剤のイオン性は添加時間に影響する。添加剤には、これらに限定されないが、d)触媒; e)充填剤; f)顔料; g)紫外線安定剤; h)熱安定剤; i)レオロジー調整剤; j)増粘剤; k)接着促進剤; l)バイオサイド; m)保存料; n)酵素; o)ペプチド; p)感圧接着剤または任意の界面活性剤; r)化粧品成分; s)制汗剤化合物; t)紫外線遮断薬; u)医薬品有効成分(API); v)殺虫剤; w)駆虫剤; x)肥料が含まれる。
【0039】
あるいは、サッカライド シロキサンは、担体溶媒中で製造して、サッカライド シロキサンを最初に単離する必要をなくすことができる。カットバック方法は、糖シロキサン溶液の粘度低下のためシリカを組み入れるときに必要である。これはシリカ充填剤および糖シロキサン溶液を少量ずつ交互に処方に添加し、混合することにより行われる。
【0040】
フィルムの実施態様には、例えば、局所ドラッグデリバリーシステム、皮膚処理での皮膚保護用マスキングシステム、軽傷、火傷、急性創傷および慢性的な傷用創傷被覆材および包帯、スキンシーラント、皮膚保護フィルム、傷跡処理、エクスフォリエーション(剥脱)および脱毛髪剤製品、脱臭フィルム、制汗剤活性成分および香料デリバリーシステム、しわ取りパッチそして保湿マスクが含まれる。そこでは、フィルム用途は、局所治療、創部のケア、外科的縫合、傷跡ケア、脇の下のケア、足のケア、体・顔の皮膚ケア、化粧、メークアップそしてファンデーションで利点を有する。同様に他の生体表面、例えば髪の毛髪、爪、歯そして粘膜に、人間以外の動物の同様な用途にもまた各種の植物相についての用途に使うことができる。
【0041】
本処方はまた充填剤を含む。充填剤には、これらに限定されないが、ステアリン酸塩またはステアリン酸処理または表面未処理の粉末状、沈降性およびコロイド状炭酸カルシウム;煙霧質シリカ、沈降性シリカおよび疎水化シリカのような補強性シリカ;粉砕石英、粉末石英、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、そしてグラファイトが含まれる。好ましい充填剤の一つの類は合成シリカで、シリカ表面がシリコン化合物で疎水性とするために変性されたシリカである。これらの素材は、表面積、シリカ表面処理用シリコン化合物および表面処理の程度で互いに異なっている。そのような素材は驚くほどにフィルム形成用組成物の粘度を下げることができる。また、樹脂状補強性充填剤は透明フィルムを形成するために使用することができる。シリカ、炭酸カルシウムおよび樹脂状充填剤は特に好ましい。具体例として、Cab−O−Sil(登録商標)PTG、Cab−O−Sil(登録商標)TS―530表面処理充填剤、Aerosil(登録商標)R8200表面処理充填剤およびワッカー製HDX H2000表面処理充填剤を含む。
【0042】
充填剤が使用されるなら、処方での充填剤の量は一般的に粘度、チキソトロピー、色および紫外線防護のような望まれる性質を未硬化処方に与える量である。充填剤の量は、また引張強度、伸びおよびデュロメーターのような望まれる硬化物理的特性によって決まる。最終的には、充填剤の量は具体的に使われる充填剤のヒドロキシ含量と同じように、添加される他の成分の量によっても決まる。通常は、処方の全体量に基づいて約0.1から25重量%の範囲の量である。好ましくは、充填剤は同じ基準で約2から15重量%の量で添加される。充填剤は、たった一つの充填剤または二種以上の充填剤混合物でもよい。
【0043】
処方はまたフッ素化流体、樹脂、オルガノシロキサンポリマーおよび樹脂を有する。これらの素材は、柔軟性、可とう性、皮膚やプラスティックフィルムへの高い接着性、感圧接着剤表面活性、低摩擦係数、潤滑性、修正された透過性を含み、これらに限定されない追加的性質をフィルムに供与する。フッ素化流体の例はフッ素化シロキサン、トリフルオロプロピルメチルシロキサンである。樹脂の例は、ロジン型樹脂およびアクリルポリマー樹脂である。オルガノシロキサンポリマーの例は、シリコーンポリエーテル、シリコーンポリアミド、シリコーンアクリル共重合体である。オルガノシロキサン樹脂の例は、シロキサンMQレジンである。
【0044】
本発明により使用可能な治療活性薬剤には、例えば、にきび抑制薬剤、抗生物質、防腐剤、抗真菌剤、抗菌薬、殺菌薬、バイオサイド、抗炎症薬、収斂剤、ホルモン、抗がん剤、禁煙組成物、心血管治療薬(cardiovascular)、ヒスタミン遮断薬、気管支拡張剤、鎮痛剤、抗不整脈剤、坑ヒスタミン剤、α−I 遮断薬、β遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、利尿薬、坑血小板凝集薬(antiaggregant)、鎮静剤、精神安定剤、抗けいれん薬、坑凝結薬、ビタミン、老化防止剤、胃・十二指腸潰瘍治療薬、抗脂肪沈着剤(anticellulites)、タンパク質分解酵素、治癒因子(healing factors)、細胞増殖栄養素、ペプチドその他が含まれる。適した治療活性薬剤の具体的な例には、銀誘導体、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトミノフェン、バルビツール酸系催眠薬、カテコールアミン、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルフィン、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホアミド、チコナゾール、パーブテロール(perbuterol)、フロセミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメチカン(indomethicane)、ジクロフェナク、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、レチノールが含まれる。
【0045】
治療または診断材料に加えて、活性成分として、香料、紫外線保護剤、ひげそり用製品、脱臭剤などの化粧品がある。適する化粧品は当技術分野で周知である。
本発明で使用される活性成分の配合割合は、提案される送達速度に要求される投薬量を送達する組成物において必要な活性薬剤の濃度にしたがい選択される。これは、最終組成物の0.1から70重量%、好ましくは0.1から20重量%のように広い範囲内で変化することになる。
【0046】
フィルム形成用組成物は、また他の追加成分を含むことができる。一つの有益な添加剤は処方の早期の硬化を防ぐ水スカベンジャーである。他の任意成分には、着色剤、着色指示薬、他の希釈剤、シリコーン流体やシリコーンレジンのような増量剤、薬局で使用される賦形剤、処方内および周囲での速やかな環境調整のpH緩衝剤として機能する化合物、安定剤、保存料、フッ素化シリコーンのような多孔性処方用界面活性剤、環状または直鎖状ポリジオルガノシロキサンのような加工助剤、そしてヨーロッパ公開番号第465,744号で説明されている親水性、調節、膨潤性成分またはポリマーが含まれる。さらに他の添加成分には、傷用吸収材、アルギン酸塩、ポリサッカライド、ゼラチン、コラーゲン、そして硬化フィルム表面上の摩擦を減少しそして/または光沢を変質させることができる材料が含まれる。
【0047】
本発明で使用することができる、化粧品、パーソナルケア、そして薬用化粧品成分および医薬品賦形剤の追加例は、CTFA(米国トイレ化粧品香料工業協会)成分データベースおよび医薬品賦形剤ハンドブックで知ることができ、例えば、精油、吸収材、凝固防止剤、酸化防止剤、静電気防止剤、収斂剤、結合剤、緩衝剤、増量剤、キレート剤、着色剤、化粧品用収斂剤、化粧品用バイオサイド、脱臭剤、皮膚軟化剤、外用鎮痛剤、フィルム形成剤、香料物質、香料成分、湿潤剤、細胞融解物質、保湿剤、閉塞エンハンサー(occlusivity enhancers)、乳白剤、酸化・還元剤、浸透促進剤、殺虫剤、可塑剤、保存料、皮膚漂白剤、皮膚調整剤、皮膚保護薬、滑性改質剤、可溶化剤、溶媒、日焼け防止剤、表面改質剤、界面活性剤・乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、粘度増加剤または減少剤を含む粘度調整剤、紫外線吸収材、が含まれる。
【0048】
使用できる化粧品、パーソナルケアおよび薬用化粧品成分ならびに医薬品賦形剤は、例えば次の化学品から選択される:アルコール、脂肪族アルコールとポリオール、アルカノールアミン、アルコキシ化アルコール(例、アルコールおよび脂肪族アルコールのポリエチレングリコール誘導体)、アルコキシ化アミド、アルコキシ化アミン、アルコキシ化カルボン酸、アミドとその塩を含む(例、セラミド)、アミン、アミノ酸とその塩およびアルキル置換誘導体を含む、エステル、アルキル置換およびアシル誘導体、ポリアクリル酸、アクリルアミド共重合体、アジピン酸共重合体、アルコール、アミノシリコーン、生体高分子と誘導体、ブチレン共重合体、炭水化物(例、ポリサッカライド、キトーサンおよび誘導体)、カルボン酸、カルボマー、エステル、エーテルおよび高分子エーテル(例、PEG(ポリエチレングリコール)誘導体、PPG(ポリプロピレングリコール)誘導体、グリセリルエステルおよび誘導体、ハロゲン化合物、複素環式化合物とその塩を含む、親水性コロイドおとその塩とガムを含む誘導体(例、セルローズ誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、天然ガム)、イミダゾリン、無機材料(粘土、二酸化チタン、酸化亜鉛)、ケトン(例、カンホール)、イセチオナート、ラノリンおよび誘導体、有機塩、フェノールとその塩を含む(例、パラベン)、リン化合物(例、リン酸塩誘導体)、ポリアクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル共重合体、タンパク質および酵素誘導体(例、コラーゲン)、合成ポリマーとその塩を含む、シロキサンとシラン、ソルビタン誘導体、ステロール、スルホン酸および誘導体およびワックス。
【0049】
精油の例には、
アルニカArnica (学名:アルニカ・モンタナArnica Montana)、
バジルBasil (学名:オシムム・バシリクムOcimum Basilicum)、
ベルガモットBergamot (学名:シトラス・ベルガミアCitrus Bergamia)、
シダーウッドCedarwood (学名:セドラス・アトランティカCedrus Atlantica)、
カモミール・ローマンChamomile Roman (学名:カミメルム・ノビレChamaemelum Nobile)、
シナモンCinnamon (学名:キンナモムム・カシアCinnamomum Cassia)、
シナモン・バークCinnaon Bark (学名:キンナモムム・ウエルムCinnamomun Verum)、
シスタス・ラブダナムCistus Labdanum (学名:シスタス・ラダニファーCistus Ladanifer)、
クラリー・セージClary Sage (学名:サルビア・スクラレアSalvia Sclarea)、
クローブClove (学名:シギギウム・アロマティクムSyzygium Aromaticum)オイゲノールEugenol
コリアンダーCoriander (学名:コリアンドラム・サティウムCoriandrum Sativum)、
サイプレスCypress (学名:クプレッスス・センペルウイレンスCupressus Sempervirens)、
ディルDill (学名:アネツム・グラウェオレンスAnethum Graveolens)、
エレミElemi (学名:カナリウム・ルツオニクムCanarium Luzonicum)、
ユーカリEucalyptus Dives (学名:ユーカリプタス・ディーベスEucalyptus Dives)、
ユーカリEucalyptus Globulus (学名:ユーカリプタス・グロブルスEucalyptus Globulus)、
ユーカリ Eucalyptus Polybractea (学名:ユーカリプタス・ポリブラクテアEucalyptus Polybractea)、
ユーカリEucalyptus Radiata (学名:ユーカリプタス・ラジアータEucalyptus Radiata)、
フェナルFennel (学名:フォエニクルム・ウルガレFoeniculum Vulgare)、
ダグラス ファーFir Douglas (学名:プセドツガ・メンジージ Pseudotsuga Menziesii)、 ^
ホアイト・ファーFir White (学名:アビエス・グランディスAbies Grandis)、
フランキンセンスFrankincense (学名:ボスヴェリア・カーテリーBoswellia Carteri)、
ガルバナムGalbanum (学名:フェルーラ・グムモサ Ferula Gummosa)、
ゼラニウムGeranium (学名:ぺラルゴニウム・グラヴィオレンPelargonium Graveolens)、
ジンジャーGinger (学名:ジンギバー・オフィシノールZingiber Officinale)、
ゴールデンロッドGoldenrod (学名:ソリダゴ・カナデンシスSolidago Canadensis)、
ゴトゥ・コーラGotu Kola (学名:センテラ・アジアティカCentella Asiatica)、
グレープフルーツGrapefruit (学名:シトラス・パラディシCitrus Paradisi)、
ヘリクリサムHelichrysum (学名:ヘリクリサム・イタリクムHelichrysum Italicum)、
ヒソップHyssop (学名:ヒソップス・オフィシナリスHyssopus Officinalis)、
アイダホ・バルサム・ファーIdaho Balsam Fir (学名:アビエス・バルサメアAbies Balsamea)、
ジャスミンJasmine (学名:ヤスミヌム・オフィシナレJasminum Officinale)、
ジュニパーJuniper (学名:ジュニペルス・オステオスペルマJuniperus Osteosperma, ジュニペルス・スコプロルムJuniperus Scopulorum)、
ローレルLaurus (学名:ラウルス・ノビリスLaurus Nobilis)、
ラベンダーLavender (学名:ラヴェンデュラ・アングスティフォリアLavandula Angustifolia)、
レドゥムLedum (学名:レドゥム・グロエンランディクムLedum Groenlandicum)、
レモンLemon (学名:シトラス・リモンCitrus Limon)、
レモングラスLemongrass (学名:キンポポゴン・フレスオススCymbopogon Flexuosus)、
マージョラムMarjoram (学名:オリガヌム・マヨラナOriganum Majorana)、
ティートリーオイルMelaleuca Alternifolia Or Tea Tree Oil (学名:メラルーカ・アルテルニフォーリアMelaleuca Alternifolia)、
ロザリーナRosalina Melaleuca Ericifolia (学名:メラレウカ・エリキフォリアMelaleuca Ericifolia)、
レモンバームMelissa (学名:メリッサ・オフィシナリスMelissa Officinalis)、
マウンテンまたはウインター・セイボリMountain Or Winter Savory (学名:サツレヤ・モンタナSatureja Montana)、
ミルラMyrrh (学名:コンミフォラ・ミルラCommiphora Myrrha)、
マートルMyrtle (学名:ミルツス・コンミムスMyrtus Communis)、
ナツメグNutmeg (学名:ミリスティカ・フラグランスMyristica Fragrans)、
オレンジOrange (学名:シトラス・アウランチウムCitrus Aurantium)、
オレガノOregano (学名:オリガヌム・コンパクトゥムOriganum Compactum)、
パルマローザPalmarosa (学名:シンポポゴン・マルティーニCynopogon Martinii)、
パチョリPatchouly (学名:ポゴステモン・カブリンPogostemon Cablin)、
ブラックペパーPepper, Black (学名:ピペル・ニグラムPiper Nigrum)、
ペパーミントPeppermint (学名:メンタ・ピペリタMentha Piperita)、
プチグレンPetit Grain (学名:シトラス・アウランチウムCitrus Aurantium)、
パインPine (学名:ピヌス・シイルウエストリスPinus Sylvestris)、
ラベンサラRavensara (学名:ラベンサラ・アロマチカRavensara Aromatica)、
ローズRose (学名:ロサ・ダマスケナRosa Damascena)、
ローズマリーRosemary (学名:ロスマリヌス・オフィシナリスRosemarinus Officinalis)、
ローズウッドRosewood (学名:アニバ・ローサオドーラAniba Rosaeodora)、
セージSage (学名:サルビア・オフィシナリスSalvia Officinalis)、
サンダルウッドSandalwood (学名:サンタルム・アルブムSantalum Album)、
スペアミントSpearmint (学名:メンタ・スピカタMentha Spicata)、
スパイクナードSpikenard (学名:ナルドスタキス・ヤタマンシーNardostachys Jatamansi)、
スプルースSpruce (学名:ピケア・マリアナPicea Mariana)、
セントジョーンズワートSt John’s Wort (学名:ヒペリクム・ペリフォラツムHypericum Perforatum)、
タンジェリンTangerine (学名:シトラス・レティキュラータCitrus Reticulata)、
アイダホ・タンジーTansy Idaho (学名:タナケツム・ウルガレTanacetum Vulgare)、
タラゴンTarragon (学名:アルテミシア・ドラクンクルスArtemisia Dracunculus)、
タイムThyme (学名:ティムス・ウルガリスThymus Vulgaris)、
ツガTsuga (学名:ツガ・カナデンシスTsuga Canadensis)、
バレリアンValerian (学名:ウァレリアナ・オフィシナリスValariana Officinalis)、
ベチバーVetiver (学名:ウェティウェリア・ジザニオイデスVetiveria Zizanioides)、
ウェスタン・レッド・シダーWestern Red Cedar (学名:ツヤ・プリカタThuja Plicata)、
ウィンターグリーンWintergreen (学名;ゴーテリア・プロクンベンスGaultheria Procumbens)、
イランイランYlang Ylang (学名:カナンガ・オドラタCananga Odorata)
が含まれる。
【0050】
にきび抑制薬剤の限定されない例にはサリチル酸、過酸化ベンゾイル、ビタミンおよび硫黄が含まれ、抗真菌剤の限定されない例はウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛およびポビドン−ヨードが含まれる。
【0051】
殺菌剤およびバイオサイドの例には、これらに限定されないが、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロクサマー188(Poloxamer188)、ポビドン−ヨード、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸、銀塩およびナノ銀を含めた銀誘導体、並びにキシリトールが含まれる。
【0052】
酸化防止剤の例には、これらに限定されないが、アセチルシスティン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチン(ascorbyl methylsilanol pectinate)、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン、カフェー酸、カメリアシネンシス油(camellia sinensis oil)、アスコルビン酸キトサン、グリコール酸キトサン、サルチル酸キトサン、クロロゲン酸、システイン、システインHCl、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、d−リモネン、ジアミルヒロドキノン、ジ−t−ブチルヒロドキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾール共重合体、トリオレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェロールメチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン(diosmine)、アスコルビン酸ナトリウム硫酸塩、ルチ二ル二硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、チオグリコール酸イソオクチル、コウジ酸、マデカシコサイド(madecassicoside)、アスコルビン酸マグネシウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、メラトニン、メトキシ−PEG−7 ルチニルスクシネート(methoxy-PEG-7 rutinylsuccinate)、メチレン ジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコール酸アミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ロスマリン酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、リン酸アスコルビル/コレステリルナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、ティーツリー(メラルーカ・アルテルニファーリア)油、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン(tetrahydrodiferuloylmethane)、リノール酸/オレイン酸トコフェリル、チオジグリコール、コハク酸トコフェロール、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5(tocophereth-5)、トコフェレス−10(tocophereth-10)、トコフェレス−12(tocophereth-12)、トコフェレス−18(tocophereth-18)、トコフェレス−50(tocophereth-50)、トコフェロール、トコフェルソラン(tocophersolan)、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、トコキノン、o−トリルビグアニド、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、ユビキノン、およびジブチルジチオカルバミン酸亜鉛が含まれる。
【0053】
化粧品用バイオサイドの例には、これらに限定されないが、フェノールスルホン酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、バクチオール、臭化ベンザルコニウム、セチルリン酸ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、ベンザルコニウムサッカリン、塩化ベンゼトニウム、カリウムフェノキシド、ベンゾキシキン、塩化ベンゾキソニウム、ビスピリチオン、ホウ酸、ブロモクロロフェン、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム(camphor benzalkonium methosulfate)、キャプタン、塩化セタルコニウム、臭化セタルコニウム、臭化セテアラルコニウム(cetearalkonium bromide)、臭化セテチルジモニウム(cetethyldimonium bromide)、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、メト硫酸セトリモニウム、セトリモニウムサッカリン、セトリモニウムトシラート、塩化セチルピリジニウム、クロラミン T、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸、クロルヘキシジンジグリコナート、クロルヘキシジン二塩酸、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、シクロピロクスオラミン、クリンバゾール、クロフルカルバン、クロトリマゾール、コールタール、コロイド硫黄、0−シメン−5−オール、酢酸デクアリニウム、塩化デクアリニウム、ジブロモプロパミジンジイセチオナート、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨードメチルトリルスルホン、ジメチロールエチレンチオ尿素、ジフェニルメチルピペラジニルベルズイミダゾール、臭化ドミフェン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジン、ヘキサミジンジパラベン、ヘキサミジンパラベン、ヘキセチジン、過酸化水素、ヒドロキシメチル−ジオキサアザビシクロオクタン、イクタモール、イソプロピル クレゾール、塩化ラピリウム、臭化ラウラルコニウム、塩化ラウラルコニウム、臭化ラウルトリモニウム、塩化ラウルトリモニウム、ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド、臭化ラウリルイソキノリニウム、ラウリルイソキノリニウムサッカリン、塩化ラウリルピリジニウム、酸化水銀、メテナミン、塩化メテナモニウム(methenammonium chloride)、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ミリスタルコニウム、ミリスタルコニウムサッカリン、臭化ミルトリモニウム、ノノキシノール−9ヨード、ノノキシノール−12ヨード、塩化オレアルコニウム(olealkonium chloride)、オキシキノリン、安息香酸オキシキノリン、硫酸オキシキノリン、PEG−2ココ−ベンゾニウムクロリド(PEG-2 coco-benzonium chloride)、PEG−10ココ−ベンゾニウムクロリド(PEG-10 coco-benzonium chloride)、PEG−6ウンデシレナート(PEG-6 undecylenate)、PEG−8ウンデシレナート(PEG-8 undecylenate)、フェノール、0−フェニルフェノール、サリチル酸フェニル、ピロクトンオラミン、ウンデシレン酸スルホサクシニル、カリウム o−フェニルフェナート、サリチル酸カリウム、カリウム トロクロセン(potassium troclosene)、プロピオン酸、PVP−ヨード、クアテルニウム−8、ヨード、クアテルニウム−14ヨード、クアテルニウム−24、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウム フェノキシド、ナトリウム o−フェニルフェナート、シェール油スルホン酸ナトリウム、ウスニン酸ナトリウム、チアベンダゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、ホウ酸トリオクチルドデシル、ウンデシレンアミドプロピルアミン オキシド、ウンデシレンス−6(undecyleneth-6)、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システィン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ピリチオン亜鉛、硫酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛が含まれる。
【0054】
外用鎮痛薬もまた適する成分であり、例えば、ベンジルアルコール、トウガラシオレジン(キダチトウガラシ樹脂油)(capsicum oleoresin (capsicum frutescens oleoresin))、サリチル酸メチル、カンファー(ショウノウ)、フェノール、カプサイシン、ジュニパー タール(ジュニぺラス オキシセドラス タール)(juniper tar (juniperus oxycedrus tar))、ナトリウム フェノラート(ナトリウム フェノキシド)、トウガラシ(キダチトウガラシ)(capsicum (capsicum frutescens))、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチルとテレピン油(松脂)が含まれる。使用可能な適する酸化剤には、例えば、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン、臭素酸カリウム、カロー酸カリウム(potassium caroate)、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素および過酸化亜鉛が含まれ、一方、使用可能な適する還元剤には、例えば、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、塩酸システマイン(cystemaine HCl)、塩酸システアミン、システイン、塩酸システイン、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒロドキノン、p−ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、亜鉛ホルムアルデヒドスルホキレートが含まれる。
【0055】
適する皮膚漂白活性薬剤の限定されない例はヒドロキノンであり、皮膚保護剤の例には、これらに限定されないが、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、肝油、コロイド状オートミール、ジメチコーン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、石油、サメ肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、マンサク(witch hazel)、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛が含まれる。
【0056】
日焼け防止剤の限定されない例には、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パヂマート0、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、赤色ペテロラタム、スリソベンゾン、二酸化チタンおよびサリチル酸トロラミンが含まれる。また、紫外線吸収剤の具体的な例には、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1−12、3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリオゾール(bumetriozole)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカ タルク、シノキサート、DEA−メトキシケイ皮酸、ジベンゾオキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸ジガロイル、ケイ皮酸ジイソプロピルメチル、ジメチルPABAエチルセテアリールジモニウムトシレート、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルチアムミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム(disodium bisethylphenyl tiamminotriazine stilbenedisulfonate)、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニル二スルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒロドキシプロピルPABA、ジイソプロピルケイ皮酸エチル、メトキシケイ皮酸エチル、PABAエチル、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸(etrocrylene ferulic acid)、グリセリルオクタノエートジメトキシシンナマート(glyceryl octanoate dimethoxycinnamate)、PABAグリセリル、サリチル酸グリコール、ホモサレート、p−メトキシケイ皮酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4−メチルベンジリデン、カンファー(ショウノウ)、オクトクリレン、オクトリゾール、ジメチルPABAオクチル、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG-25 PABA、ジメチルPABAペンチル、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイ皮酸カリウム、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸カリウム、赤色ペテロラタム、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸TEA、サリチル酸TEA、テレフタリリデン二カンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸およびVA/クロトン酸/メタクリロキシベンゾフェノン−1共重合体が含まれる。
【0057】
処方は、溶剤の蒸発後室温で硬化するので、その成分材料は耐蒸発性容器内で混合・保管される。硬化を防ぎ、および使用前の賦形剤や活性成分と調合する際の阻害を抑制するために使用するにあたり、複数の容器で保管される。適する容器には、例えば、単一使用容器(例、フォイルパケット、チューブ、軟らかいカプセル、ブリスター、ワイプ)また複数使用容器(例、ロールオン、フォームパッド付チューブ、ペン式、ポンプとスプレー、刷毛付瓶(brush-in-bottle))が含まれる。両方の容器に希釈剤を混入することがよく望まれる。
【0058】
本発明の特定の方法によって、硬化性処方は所定の場所に適用し、または代わりとして、本発明の成分素材を混合をもたらす方法にて所定の場所に適用することができる。処方は、溶剤が蒸発すると反応し、硬化した組成物となる。好ましくは、処方は、これらに限定されないが、動物体(例、人または他の動物)および植物を含む生体表面に適用する。
【0059】
本発明の処方は、例えば、すり込み、塗装、スプレー、拭き取り、またはほかの薄いフィルムを適用する通常の方法により、適用することができる。
【0060】
上述のとおり、処方は適用されると、乾燥し湿分の存在下で急速に硬化する(例えば、10分内、通常1−2分内)。例として、処方は人または他の動物体上で急速に硬化することになる。動物上で使われたとすると、硬化が行われる間その場を動かないようにしておくに必要な時間をできるだけ少なくすることができる。
【0061】
最終の組成物はゲルまたはエラストマー状となり、孔を有することもでき(例えば、発泡体)または孔のないものとすることもできる。最終組成物が孔を有するならば、処方は孔と形成させる発泡剤のような素材を含ませることになる。
【0062】
本発明は、先行技術よりも優れる数々の利点を提供する。ここに記述された方法は、基材上にフィルムを形成する簡単な方法を可能にしている。適用自体には、熟練した技術者は必要としない。さらに、組成物は幅広くいろいろな形状に形成せることができ、特性(例えば、生体接着、はく離速度および剥離プロファイル)の組合せを選択するものである。同様に、ここで記述された処方およびプロセスは、活性薬剤または使用された基材に損傷を与えるような過酷な条件(例えば、高温または高圧)を必要としていない。
【0063】
ここでの処方および得られた組成物は、一般に多くの生体表面に受け入れられている。組成物は、傷のないまたは損傷した皮膚上に、または生体の自然または人工的な空洞内で形成することができる。空洞は、例えば、眼、口腔、鼻、耳、膣若しくは直腸空洞、または形成された空洞、例として歯若しくは開放創であってよい。
【0064】
得られたフィルムは一般的に薄くかつ非粘着性である。およそ500ミクロンまで(例えば、2.5ミクロンから250ミクロン)のフィルムが容易に得られる。これらフィルムはゲル状からエラストマー状の多くの物性を持つことができるので、患者の通常の活動中にかかる圧力に耐えることができる。
【0065】
本発明は、防護壁または活性成分(化粧用または医薬用)のデリバリーを形成するために、無傷なまたは損傷した皮膚に適用できるフィルム形成剤を可能にする。成功基準には、フィルム形成性、損傷した皮膚に適用したときのヒリヒリ感を与えない無痛性、現実性(例えば、長期の付着時間)、耐水性、除去性、調節可能な透過性、活性成分の透過性、処方の容易性、そして安定性がある。
【実施例】
【0066】
次の実施例は本発明のある実施態様を説明するために記載されたもので、特許請求の範囲で定義された発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。特に表示ない限り、部は重量で、粘度は25℃のときのものである。
【0067】
実施例1

この実施例では、サッカライド−シロキサン組成物XX-5501の処方を説明する。本発明のある処方の実施態様は、例えば、シリコーンとしてリストされた成分と下記にリストされた有機賦形剤を、下記の手順にて製造されてXX-5500と称されるサッカライド−シロキサン組成物と混合することにより生産される。
【0068】
サッカライド−シロキサン組成物XX-5501を製造するために用いられるポリマーGL-8211は、次の方法に従ったグルコノラクトンとアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンとの反応生成物である:ダウコーニング(登録商標)2−8211ポリマー(ダウコーニングコーポレーション、米国ミシガン州ミッドランド)、側鎖アミノエチルアミノイソブチル基(およそ1.9モルパーセント)を有する1000cStのポリジメチルシロキサンが、50℃メタノール中で、グルコラクトンとを第一級アミン:ラクトン化学量論比1:1で反応させる。反応完了したら、メタノールをロータリーエバポレーター回転蒸発器で除去する。得られた素材はガム状稠度を有する。
【0069】
サッカライド−シロキサン組成物XX-5501は次の方法にて製造される:上記のごとく製造されたGL-8211サッカライド−シロキサン45gを、0.65cSt 200フルイド(ダウコーニングコーポレーション、米国ミシガン州ミッドランド)と200プルーフ・エタノールの重量比90/10の溶液で、共重合体濃度50%になるまで希釈する。希釈は、溶液を逐次添加し、均質になるまでハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)で攪拌することによってなされる。架橋剤は200プルーフ・エタノールのフェニルボロン酸(シグマ−アルドリッチ社、米国モンタナ州セントルイス)10重量%溶液である。Cab-o-sil TS-530はヘキサメチルジシラザン処理シリカ(キャボット社、米国マサチューセッツ州ボストン)である。サッカライド−シロキサン溶液、表面処理シリカ、架橋剤溶液を、均質になるまでハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)で
混合する。XX-5501のバッチが架橋剤の異なるレベルで準備された。
【0070】
19786−93は、架橋剤フェニルボロン酸(41.6重量%有効成分)を0.7%含んでいた。
19809−129Aは、架橋剤フェニルボロン酸(44重量%有効成分)を0.5%含んでいた。
19809−129Bは、架橋剤フェニルボロン酸(42重量%有効成分)を2.0%含んでいた。
【0071】
例となる活性および不活性成分

(a)シリコーン賦形剤(ダウコーニングコーポレーションから入手可)
・Dow Corning(登録商標)193フルイド−INCI名:PEG-12ジメチコーン
・Dow Corning(登録商標)2503化粧用ワックス−INCI名称:ステアリルジメチコーン−CAS#67762−83−8
・Dow Corning(登録商標)FA 4001 CMシリコーン・アクリレート−INCI名称:シクロペンタシロキサンよびアクリレート/ポリメチルシロキシメタクリレート共重合体
・Dow Corning(登録商標)FA4002 IDシリコーンアクリレート−INCI名称:イソドデカンよびアクリレート/ポリメチルシロキシメタクリレート共重合体
【0072】
(b)有機賦形剤
・アルニカ・モンタナ・チンキ−成分:アルコール・水・アルニカモンタナ花抽出液、供給者:ドリソス (Dolisos)
・センテラ・アジアチカ−INCI名称:センテラ・アジアチカ乾燥抽出物、CAS#84696-21-8、 供給者:リネア (Linnea)
・ヒペリクム・ペリフォラツム 乾燥抽出物−INCL名称:ヒペリクム・ペリフォラツム 花/葉/茎抽出物、CAS#84082-80-4、供給者:リネア
・アルギン酸カルシウム−INCL名称:アルギン酸カルシウム、CAS#9002-35-0、供給者:シグマ アルドリッチ(Sigma Aldrich)
・リーチ103(Reach 103)−INCI名称:塩化アルミニウム水和物、CAS#1327-41-9、供給者:レハイス(Reheis)
・アニバ・ローサオドーラ精油−INCI名称:アニバ・ローサオドーラ(ローズウッド)木材油、CAS#8015-77-8、供給者:プレジール デッセンス(Plaisir d’essence)
・キンナモムム・カシア精油−INCI名称:キンナモムム・カシア リーフオイル、CAS#8007-77-8、供給者:プレジール デッセンス
・ユーカリプタス・ラジアータ精油−INCI名称:ユーカリプタス・ラジアータ、CAS# n.a.、供給者:プレジール デッセンス
・ユーカリプタス・シトリオドラ精油−INCI名称:ユーカリプタス・シトリオドラ オイル、CAS#8000-48-4、供給者:プレジール デッセンス
・ユーカリプタス・グロブルス精油−CAS#8000-48-4、供給者:プレジール エッセンス
・ユーカリプタス・ディーベスsspピペリトニフェラム(Piperitoniferum)精油−CAS# n.a.、供給者:プレジール デッセンス
・ユーカリプタス・スミシ精油−CAS# n.a.、供給者:プレジール デッセンス
・メンタ・ピペリタ精油−CAS#8006-90-4、供給者:プレジール デッセンス
・シンボポゴン・マルティーニ精油−CAS#8014-19-5、供給者:プレジール デッセンス
・リドカイン−分子式C14H22N2O、CAS#137-58-6、供給者:シグマ アルドリッチ
・4−アミノ安息香酸エチル PH Eur−技術名称:ベンゾカイン、CAS#94-09-7、供給者:シグマ アルドリッチ
・NaCl/塩化ナトリウム−INCI名称:塩化ナトリウム、CAS#7647-14-5、供給者:シグマ アルドリッチ
・ヒマシ油−INCI名称:トウゴマ(Ricinus communis)(CAStor)種油、CAS#8001-79-4、供給者:シグマ アルドリッチ
・無水エタノール−INCI名称:アルコール、CAS#64-17-5、供給者:フィシャービオブロック(Fisherbioblock)
・プロピレングリコール−INCI名称:プロピレングリコール、CAS#57-55-6、供給者:シグマ アルドリッチ
・グリセリン−INCI名称:グリセリン、CAS#56-81-5、供給者:シグマ アルドリッチ
【0073】
実施例2

この実施例では、本発明の確かな実施態様に従ってフィルム形成架橋可能なサッカライド−シロキサンと一つ以上の活性/不活性成分の処方を説明する。
【0074】
製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液と活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)活性または不活性成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0075】
試験方法:
(a)クロノメーターにて乾燥時間が測定される。フィルムは、手に着かなくなったときに乾燥と判断される。
(b)フィルムの外観 − フィルムは視覚的に、光沢、フィルムの透過性、紙上での透過性(フィルムを本の上においてフィルムを通してテキストが読めるかどうか)、一般的外観平滑または粗面を観測する。
(c)機械特性 − それぞれのフィルムを長方形2cmx5cmに切り取り、指の間でフィルムを引き伸ばして凝集力を評価する。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例3

この実施例では、本発明の確かな実施態様による、XX-5501バッチ19809−129、AおよびBと一つ以上の活性/不活性成分との処方を説明する。
【0078】
製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0079】
試験方法:
(a)クロノメーターにて乾燥時間が測定される。フィルムは、手に着かなくなったときに乾燥と判断される。
【0080】
【表2】

【0081】
実施例4

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0082】
試験方法:
(a)フィルムの外観 − フィルムは視覚的に、光沢、フィルムの透過性、紙上での透過性(フィルムを通しての読みやすさ)、全体的外観(平滑または粗面)を観測する。
【0083】
【表3】

【0084】
実施例5

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0085】
試験方法:
(a)機械特性 − それぞれのフィルムを長方形2cmx5cmに切り取り、指の間でフィルムを引き伸ばして凝集力を評価する。
【0086】
【表4】

【0087】
実施例6

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0088】
試験方法:
(a)フィルムの外観 − フィルムは視覚的に、光沢、フィルムの透過性、紙上での透過性(フィルムを通しての読みやすさ)、全体的外観(平滑または粗面)を観測する。
【0089】
【表5】

【0090】
実施例7

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0091】
試験方法:
(a)機械特性 − それぞれのフィルムを長方形2cmx5cmに切り取り、指の間でフィルムを引き伸ばして凝集力を評価する。
【0092】
【表6】

【0093】
実施例8

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0094】
試験方法:
(a)フィルムの外観 − フィルムは視覚的に、光沢、フィルムの透過性、紙上での透過性(フィルムを本の上においてフィルムを通してテキストが読めるかどうか)、一般的外観平滑または粗面を観測する。
【0095】
【表7】

【0096】
実施例9

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0097】
試験方法:
(a)フィルムの外観 − フィルムは視覚的に、光沢、フィルムの透過性、紙上での透過性(フィルムを本の上においてフィルムを通してテキストが読めるかどうか)、一般的外観平滑または粗面を観測する。
【0098】
【表8】

【0099】
実施例10

製造方法:
(a)サッカライド−シロキサン溶液および活性または不活性成分が秤量され、ハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)にて2000rpmで20秒間混合される。
(b)成分を含むサッカライド−シロキサンの乾燥していないフィルムが実験室の塗装台と100ミクロンのくさび(Shims)を使ってフッ素化ライナー上に塗布される。
【0100】
試験方法:
(a)活性成分は爆弾型加圧容器(パー温浸システム)中で良溶剤(水)中に32℃(皮膚温度)温浸8時間放出された。抽出後、水溶性溶液は創傷ケアフィルムからの活性成分の放出量を計量するためにWDXRFにて分析された。
【0101】
【表9】

【0102】
実施例11

この実施例では、処方中のCab-O-Sil表面処理および表面未処理シリカにおる粘度への影響を説明する。
【0103】
サッカライド シロキサン組成物XX-5501は次の方法にて製造される:実施例1で製造されたGL-8211サッカライド−シロキサン52.5gを、0.65cSt 200フルイド(ダウコーニングコーポレーション、米国ミシガン州ミッドランド)と200プルーフ・エタノールの重量比90/10の溶液で、共重合体濃度50%になるまで希釈する。希釈は、溶液を逐次添加し、均質になるまでハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)で攪拌することによってなされる。架橋剤は200プルーフ・エタノールのフェニルボロン酸(シグマ−アルドリッチ社、米国モンタナ州セントルイス)10重量%溶液である。同架橋剤溶液3.94gとシリカ4.73gを上記処方に加える。サッカライド−シロキサン溶液、シリカおよび架橋剤溶液を、均質になるまでハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)で攪拌する。最後にヘキサメチルジシロキサン/エタノールの90/10混合溶液を加えて、最終処方中のサッカライド−シロキサン濃度を35%固形分にする。
【0104】
Cab-O-Sil TS-530はヘキサメチルジシラザン処理シリカで、Cab-O-Sil PTGは表面未処理ヒュームドシリカ(キャボット社、米国マサチューセッツ州ボストン)である。
【0105】
表10には、表面処理および表面未処理Cab-O-Sil(登録商標)シリカとともに製造された処方の3ヶ月の試験期間にわたる粘度測定結果がまとめられている。
【0106】
【表10】

【0107】
データは、表面未処理シリカを有する処方の粘度は若干下がっているが、表面処理シリカを有する処方の粘度は試験期間中大きく増加していることを示している。
【0108】
サンプルは表面にもついて評価された。表面未処理シリカ含有フィルムの耐摩擦性および耐汚性は高められた。
【0109】
実施例12

この実施例では、架橋剤の濃度を変えることによるフィルムの物理的特性への影響を説明する。架橋剤の濃度をシロキサン含量に基づいて0.1−2.0部に変化させたことを除き、上記実施例11と同様にサンプルを製造する。
【0110】
フィルムサンプルを種々の架橋剤濃度を有する処方から得た。1.5部またはそれ以下のフィルムサンプルの外観は泡もなく平滑であり、それは架橋剤の高い方の濃度で観測された
【0111】
表11に記載された物理的特性のデータは、糖シロキサンフィルム形成剤の引張強度および伸びが架橋剤濃度に依存していることを示す。
【0112】
【表11】

【0113】
1.5部架橋剤フィルムの引張強度は若干小さかったが、伸び値はベンチマークの処方と比べて改良されていた。1.5部より少ない架橋剤を有したサッカライド−シロキサンフィルムの物理的特性は望ましくなかった。
【0114】
実施例13

この実施例は溶剤中サッカライド−シロキサンの合成を説明する。
【0115】
サッカライド−シロキサンポリマーを、90/10(重量/重量)のヘキサメチルジシロキサン(0.65cSt 200フルイド、ダウコーニングコーポレーション、米国ミシガン州ミッドランド)/200プルーフ・エタノール溶剤系中で以下のように製造する:ダウコーニング(登録商標)2−8211ポリマーをグルコノラクトン(1:1ラクトン対アミノ官能性基化学量論)とMM/EtOH溶剤系で70℃6時間反応させる。GC分析が、最終製品にエタノールおよびヘキサメチルジシロキサン含有を検出するために使われる。
【0116】
“カットバック法”は、Cab-O-Sil PTG表面未処理シリカ(キャボット社、米国マサチューセッツ州ボストン)を配合するときに、サッカライド シロキサン溶液粘度を引き下げるために必要となる。カットバック法は、シリカ充填剤とサッカライド シロキサンとを少量ずつ交互に処方に添加し、その後均質な処方になるまでハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)で攪拌することを包含する。最後に、フェニルボロン酸架橋剤の10%エタノール溶液を添加・混合する。
【0117】
実施例14

表12に説明されるデータは、サッカライドと反応し、フィルム形成処方で試験された二つの例示されるポリマーの性質を述べている。ダウコーニング(登録商標)2−8211は、42ジメチルシロキサン単位毎に一つの官能基を有するダウコーニング(登録商標)2−8460と比較して、通常53ジメチルシロキサン単位毎に官能基を有する。
【0118】
【表12】

【0119】
ダウコーニング(登録商標)2−8211−GLおよびダウコーニング(登録商標)Q2−8460 サッカライド シロキサン ポリマーを、90/10(重量/重量)のヘキサメチルジシロキサン(0.65cSt 200フルイド、ダウコーニングコーポレーション、米国ミシガン州ミッドランド)/200プルーフ・エタノール溶剤系中で次の方法で製造する:アミノシロキサンポリマーをグルコノラクトン(1:1ラクトン対アミノ官能性基化学量論)とMM/EtOH溶剤系で70℃6時間反応させる。GC分析が、最終製品にエタノールおよびヘキサメチルジシロキサン含有を検出するために使われる。
【0120】
カットバック法は、Cab-O-Sil PTG表面未処理シリカ(キャボット社、米国マサチューセッツ州ボストン)を配合するときに、サッカライド シロキサン溶液粘度を引き下げるために必要となる。これは、シリカ充填剤とサッカライド シロキサン溶液とを少量ずつ交互に処方に添加し、その後均質な処方になるまでハウスチルド・スピードミキサー(登録商標)遠心混合機(フラックテックInc.、米国サウスカロライナ州ランドラム)で攪拌することにより行われる。最後に、フェニルボロン酸架橋剤の10%エタノール溶液を添加・混合する。90/10(重量/重量)のヘキサメチルジシロキサン/200プルーフ・エタノール溶剤系のポリマー溶液66.34g、表面未処理シリカ4.73gと架橋剤溶液3.94gがそれぞれの処方で使われる。
【0121】
それぞれの処方からフィルムを得て、物理的特性を表13に記載し両者比較した。
【0122】
【表13】

【0123】
明らかに、ダウコーニング(登録商標)8460−GLにて製造したフィルムは8211−GLのものよりも強度がある。強度の増加は、ダウコーニング(登録商標)Q2‐8460中の反応点が多いことによるものと考えられる。
【0124】
実施例15

この実施例では、本発明の具体的実施態様による薬の組入れおよび薬の放出を説明し、ドラッグデリバリー用途に適する薬が組入れられた処方の二つの例を与えている。
【0125】
サッカライド シロキサンポリマーを、90/10(重量/重量)のヘキサメチルジシロキサン(0.65cSt 200フルイド、ダウコーニングコーポレーション、米国ミシガン州ミッドランド)/200プルーフ・エタノール溶剤系中で次の方法で製造する:ダウコーニング(登録商標)2−8211ポリマーをグルコノラクトン(1:1ラクトン対アミノ官能性基化学量論)とMM/EtOH溶剤系で70℃6時間反応させる。GC分析が、最終製品にエタノールおよびヘキサメチルジシロキサン含有を検出するために使われる。前と同じように、カットバック法が、Cab-O-Sil PTG表面未処理シリカ(キャボット社、米国マサチューセッツ州ボストン)を配合するときに、必要となる。最後に、フェニルボロン酸架橋剤の10%エタノール溶液を添加・混合する。90/10(重量/重量)のヘキサメチルジシロキサン/200プローフ・エタノール溶剤系のポリマー溶液17.69g、例とされる薬剤0.2g、表面未処理シリカ1.06gと架橋剤溶液1.05gがそれぞれの処方で使われる。二つの活性薬剤、ナイアシンアミドおよびケトコナゾールそれぞれを、このプロトコールを採用するドラッグデリバリーフィルムに組み入れた。活性薬剤放出の測定が正確な受領容積を有するフランツ型静的拡散セルを使って行った。データを図1Aおよび図1Bで図式的に説明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム形成用組成物であって、
a) サッカライド−シロキサン共重合体;
b) 架橋剤;
c) 一つ以上の活性/不活性成分;および
d) 任意で、溶剤又は混合溶剤
を含み、
上記サッカライド−シロキサン共重合体が以下の式:

R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a

[式中、
R1は、同じでも異なっていてもよく、水素、C1-C12のアルキル、有機基またはR3-Qからなり、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第一級又は第二級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、酸無水物、またはメルカプト官能性基からなり、
mおよびnは、0から10,000の整数であって、同じであっても異なっていてもよく、
aは、独立して0,1,2または3であり、
yは、上記共重合体が百万未満の分子量を有するようにする整数であり、
R1(3-a)SiO-[(SiR1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)は、オルガノシロキサンポリマー構成部分を構成し、
R2は、式 Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつ、少なくとも一個のR2が存在し、
{式中、G1は5から12の炭素原子からなるサッカライド構成部分であり、
b+cは、1〜10で、bまたはcは0であることもでき、bまたはcのいずれかは1でなければならず、
G2は、5から12の炭素原子からなり、更に有機基または有機ケイ素基で置換されたサッカライド構成部分であり、
Zは、上記オルガノシロキサンポリマー構成部分とサッカライド構成部分との結合基で、独立して、
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-S-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4-
からなる群から選択され、そして、
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tからなる二価のスペーサー基(ただし、r,sおよびtの少なくとも一つは1でなければならず、
R5およびR7は、C1-C12のアルキル又は((C1-C12)O)p (ただし、pは1から50の整数で、各(C1-C12)Oは同じであっても異なっていてもよい)であり、
6は、-N(R8)-(ただし、R8はHまたはC1-C12のアルキルである)である}]を有しており、かつ、
上記サッカライド−シロキサン共重合体が、官能性化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくても1種のヒドロキシ官能性サッカライドとの反応生成物で、当該オルガノポリシロキサン構成部分がサッカライド構成部分に、結合基Zを介して共有結合している、
フィルム形成用組成物。
【請求項2】
前記サッカライド−シロキサン共重合体が少なくとも3個のヒドロキシル官能基を有する、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の前記ポリヒドロキシル官能性サッカライドがアルドン酸またはオリゴアルドン酸を含む、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項4】
前記アルドン酸または前記オリゴアルドン酸がラクトンを含む、請求項3に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項5】
前記ラクトンがグルコノラクトンまたはラクトビオノラクトンを含む、請求項4に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項6】
前記結合基がアミド、アミノ、ウレタン、尿素、エステル、エーテル、チオエーテルまたはアセタール結合基を含む、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の前記ポリヒドロキシル官能性サッカライドがグルコノラクトンからなり、官能性化オルガノシロキサンポリマーが側鎖アミノエチルアミノイソブチル基を有するポリジメチルシロキサンからなる、請求項1のフィルム形成用組成物。
【請求項8】
さらに、1種以上の追加のサッカライド−シロキサン共重合体および適当な架橋剤を、ブレンドされたフィルム形成用組成物を形成するために含む、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項9】
さらに、生体面に送達され、凝集性かつ実質的なフィルムを形成する、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項10】
1つ以上の前記活性及び/又は不活性成分が、つぎの、触媒;充填剤;顔料;UV安定剤;香料;精油;熱安定剤;レオロジー改質剤;増粘剤;接着促進剤;バイオサイド;抗真菌剤;抗生物質;保存料;酵素;ペプチド;感圧接着剤;界面活性剤;医薬成分;化粧品成分;レジン;および水性成分から選ばれた、請求項9に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項11】
前記生体面が人の皮膚または爪からなる、請求項10に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項12】
前記フィルムが化粧、医療または医薬品表示向に使われる、請求項11に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項13】
前記フィルムが創傷被覆材、包帯、経皮ドラッグデリバリーパッチ、局所ドラッグデリバリー処方、化粧品組成物または香料デリバリーパッチに組み入れられる、請求項11に記載のフィルム形成用組成物。
【請求項14】
前記活性成分が薬剤または医薬品からなる、請求項1のフィルム形成用組成物からなる経皮ドラッグデリバリーパッチ。
【請求項15】
前記薬剤または医薬品が皮膚を通して拡散され、少なくとも1つの全身症状の治療に有用である、請求項14に記載の経皮ドラッグデリバリーパッチ。
【請求項16】
前記パッチが皮膚を通して薬剤または医薬品の拡散を促進するためのデバイスまたはプロセスとともに使用される、請求項14に記載の経皮ドラッグデリバリーパッチ。
【請求項17】
前記医薬成分が少なくとも一種のバイオサイドを含む請求項1のフィルム形成用組成物からなる創傷被覆材。
【請求項18】
請求項1のフィルム形成用組成物を生体面へ湿式塗布し、当該組成物を硬化して生体面で直接フィルムを形成することからなる、生体面を通して少なくとも一種の医薬成分を局所的または経皮的にデリバリーする方法。
【請求項19】
請求項1のフィルム形成用組成物を硬化してフィルムを形成し、硬化したフィルムを生体面に適用することからなる、生体面を通して少なくとも一種の医薬成分を局所的または経皮的にデリバリーする方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−538370(P2009−538370A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512119(P2009−512119)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/012260
【国際公開番号】WO2007/139812
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】