説明

流体加熱装置ならびにそれを備えた排気後処理装置

【課題】 寒冷地における車両走行時または駐停車時において、タンク内で凍結した尿素水溶液20を速やかに解凍する。
【解決手段】 尿素水タンク(容器)100内に収容された尿素水溶液20中に設けられ、尿素水溶液20を直接的に加熱する尿素水加熱装置10において、通電により発熱し、容器100内における下部位から上部位までを加熱する長軸状の発熱部115と、該発熱部115に略直交し、径方向に延設された平板状の伝熱部116と、によって構成される発熱体110を具備する。本発明によれば、発熱体110への通電によって発熱部115が発熱した時に、伝熱部116に熱が伝わり、発熱部115表面のみならず、伝熱部116表面においても流体を加熱し、容器100内の凍結した流体を速やかに解凍することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体加熱装置ならびに液体還元剤の凍結防止手段として流体加熱装置を備えた排気後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内燃機関から排出される窒素酸化物(NOx)低減技術として、尿素還元触媒を用いた排気後処理装置(尿素SCRシステム)が知られている。
代表的な排気後処理装置の構成例として図9に示す尿素SCRシステム1Xは、エンジンの燃焼排気管60に、還元剤の作用で尿素を選択的に還元するSCR触媒620が配設されており、その入口側に設置した添加弁40から、還元剤となる尿素水溶液20が噴射されるようになっている。
排気管60内に添加された尿素水溶液20は、排気管60内で熱分解反応および加水分解反応を生起し、生成したアンモニアがSCR触媒620上でNOxを浄化する。
【0003】
還元剤となる尿素水溶液20は、車両に搭載された尿素水タンク100Xに貯蔵され、尿素水供給管104Xからフィルタを経て添加弁40へ供給される。尿素水溶液20は、アンモニアに比べて取り扱いが容易で毒性がないことから、尿素SCRシステム用として好適であり、中でも凍結温度が最も低い(−11℃)32.5%尿素水溶液を使用することが主流となっている。
【0004】
ところが、寒冷地や厳冬期のように使用環境が極低温となる場合には、尿素水タンク100X近傍の温度が、尿素水溶液20の凝固点(−11℃)まで低下する虞がある。
このため、尿素水タンク100X内において尿素水溶液20が局所的に凍結または全凍結する虞があり、低温下での凍結対策が必要となっている。
【0005】
従来技術として、特許文献1には、エンジンを熱源とする熱媒体を循環させて液体還元剤との熱交換を行って効率的にタンク内容物の凍結を防止する技術が開示されている。
また、特許文献2には、尿素水溶液20を貯蔵するメインタンクに、メインタンクよりも小容量であってメインタンクから供給された尿素水溶液を貯留するサブタンクを設け、サブタンク内の尿素水溶液を加熱する電気ヒータを設けて、凍結した尿素水溶液を速やかに解凍、供給する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−351253号公報
【特許文献2】特開2005−282413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1にあるような加熱方法では、エンジンを熱源としており、安定走行時には、エンジンからの熱が充分であるため、効率的に尿素水溶液の凍結を防止できるが、エンジン始動直後においては、熱源としてのエンジンの温度が低く、熱媒体となる冷却水の温度も低いため、凍結したタンク内要物を解凍するだけの充分な熱量を蓄えておらず効を奏さない虞がある。
また、特許文献2にあるような加熱方法では、タンク容量の小さいサブタンク内で凍結した尿素水溶液を速やかに解凍することができるが、構造が複雑であるのに加えて、サブタンク内の尿素水溶液の濃度とメインタンク内の尿素水溶液の濃度との間で濃度差を生じ、排気後処理装置に供給される尿素水溶液の濃度が不安定になる虞もある。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたもので、簡素な構造で流体加熱装置の熱効率を高め、寒冷地における車両走行時または駐停車時においてタンク内で凍結した尿素水溶液を、エンジン始動時に速やかに解凍し、安定して排気処理のできる排気後処理装置を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明では、容器内に収容された流体中に設けられ、該流体を直接的に加熱する流体加熱装置において、通電により発熱し、上記容器内における下部位から上部位までを加熱する長軸状の発熱部と該発熱部に略直交し、径方向に延設して平板状に形成され、下部位から上部位に前記発熱部の軸方向に向けその配設位置を異ならせて配設された複数個の伝熱部と、を含んで構成される発熱体を具備する。
【0009】
請求項2の発明では、上記伝熱部は、上記発熱部の下部位における前記発熱部の軸中心から前記伝熱部の径方向外側端部に向けて延設されるその延設寸法を、上記発熱部の上部位における延設寸法よりも大きく設定される。
【0010】
請求項3の発明では、上記伝熱部には、該伝熱部の下面側と上面側とを連通する複数の開口部が穿設される。
【0011】
請求項4の発明では、上記伝熱部は、上記発熱部の下部位から上部位に向かって螺旋状に繋がった一体の螺旋状平板に形成する。
【0012】
請求項5の発明では、上記伝熱部は、高熱伝導率材料を用いて形成する。
【0013】
請求項6の発明では、内燃機関の排気通路に設置された尿素還元触媒と、上記尿素還元触媒の上流側に還元剤として尿素水溶液を添加する尿素添加手段と、上記尿素添加手段と尿素水供給路にて接続される尿素水タンクとを備える排気後処理装置であって、
上記尿素水タンク内の尿素水溶液を加熱する尿素水溶液加熱手段として、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流体加熱装置を具備する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、発熱体への通電によって発熱部が発熱した時に、伝熱部に発熱部の熱が伝わり、発熱部表面のみならず、伝熱部表面においても流体を加熱する。
従って、容器内の凍結した流体を速やかに解凍することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、伝熱板の延設寸法が、上記容器の下部位から上部位になるに従って小径となっているので、熱対流によって生じる上記容器の下部位から上部位に向かう流体の流れが上記伝熱板によって阻害されない。
従って、解凍速度が更に上昇する。
加えて、熱対流によって流体が攪拌されるので流体の均質化を図ることもできる。
【0016】
請求項3の発明によれば、上記開口部によって伝熱板の表面積が更に増加するので解凍速度が更に上昇する。
また、流体が上記開口部を通過できるので、更に熱対流による流体の流れが速やかになり、解凍速度が向上する。
【0017】
請求項4の発明によれば、熱対流による流れが螺旋状に繋がった伝熱板に沿って流れるために、旋回流が発生し、容器内の流体が速やかに攪拌され、更に解凍速度が向上する。
【0018】
請求項5の発明によれば、尿素水タンク内の尿素水溶液の解凍を速やかに行うことができ、安定した濃度の尿素水を排気後処理装置に供給することができる。
従って、排気後処理装置の排気処理能力の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態における流体加熱装置として尿素水加熱装置10を示す。
尿素水加熱装置10は尿素水タンク100と発熱体110とによって構成されている。
発熱体110は、有底筒状に形成された発熱部115と、その内部に絶縁部材114を介して収納される長軸状に形成された発熱素子111と、発熱部115の外周に径方向に延設された平板状の伝熱部116とによって構成されている。
発熱体110は、尿素水タンク100内における下部位から上部位までを加熱できる長さに設けられている。
伝熱部116には複数の開口部117が穿設されている。
【0020】
本実施形態においては、複数の伝熱部116が平行に延設されており、発熱部115の下部位における延設寸法を発熱部の上部位における延設寸法よりも大きく設定してある。
また、発熱部115の下部位における開口部117の数を発熱部の上部位における開口部117の数よりも多く設定してある。なお、伝熱部116の枚数並びに開口部117の数は図に示した例に限定するものでない。
【0021】
更に、発熱素子111は、封止部材113によって発熱部内に封止固定されており、発熱素子111には、一対の導通線112が接続され、後述する制御装置に接続されている。
【0022】
尿素水タンク100の上部には、発熱体110を投入する開口部103並びに尿素水溶液20投入口101が設けられている。
発熱体110は、開口部103にシール部材120を介してボルト119を用いて密封されるカバー体118に固着されている。
【0023】
尿素水溶液20投入口101は、キャップ102にて尿素水溶液20投入口101は封止されている。
キャップ102には、通気孔121が穿設され、逆止弁122によって尿素水タンク100内への通気が確保されている。
尿素水タンク100の下部には尿素水溶液20を供給する尿素水供給口104が設けられている。
尿素水供給口104の取り付け位置は発熱体110の可及的近傍に設けるのが望ましい。
【0024】
尿素水タンク100、発熱部115、伝熱部116には、尿素水溶液20に対する耐食性を考慮してステンレス等の耐食性材料を用いるのがよい。
また、伝熱部116には、耐食性に加え熱伝導性の良いアルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック材料を用いても良い。
【0025】
図2に、本発明の第1実施形態における内燃機関の排気後処理装置1の全体構成を示す。
本実施形態の内燃機関としては、図示しない多気筒ディーゼルエンジン等が採用されている。
【0026】
内燃機関から排出される燃焼排気は、排気通路60に設置した排気後処理装置1を通過した後、車外に放出される。
排気後処理装置1は、排気中のNOxを浄化するための触媒として、上流側から順に酸化触媒610、尿素還元触媒(SCR触媒)620、酸化触媒630によって構成されている。
SCR触媒620の前段に配置される酸化触媒610は、排気中の一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO2 )に転換してNOx中のNO2 比率を高め、後段のNOx還元反応を容易にする。同時に、排気中の炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)を酸化する作用を有する。なお、SCR触媒620と後段の酸化触媒630とは一体に構成しても良いし、別体に設ける構成としても良い。
【0027】
SCR触媒620は、還元剤の作用でNOxを選択的に還元浄化する。このため、酸化触媒610とSCR触媒620との間には、SCR触媒620に還元剤を供給するための還元剤添加弁40が配設される。
【0028】
本発明では、還元剤としてアンモニアの前駆体である尿素を使用し、取り扱いの容易な尿素水溶液20の状態で、添加弁40から排気通路60内に噴射供給する。
SCR触媒620後段の酸化触媒630は、尿素から生成されるアンモニアがNOxと反応せずに放出されるのを抑制するためのもので、SCR触媒620を通過したアンモニアを酸化、分解して無害化する。
【0029】
添加弁40に供給される尿素水溶液20は、尿素水タンク100に貯蔵される。
尿素水タンク100と添加弁40とは尿素水供給路106で接続されており、尿素水タンク100の下流に配置したポンプ30を駆動することで尿素水溶液20が吸い出され、尿素水供給路106の途中に介装された図略のフィルタを経由して添加弁40へ圧送される。
【0030】
尿素水タンク100上部には、尿素水還流路105が接続されており、添加弁40の供給圧力が所定圧を超えると弁が開放されて、尿素水還流路107を経由し、尿素水還流路105から余剰の尿素水溶液20を尿素水タンク100上部へ戻すようになっている。
添加弁40は、例えば公知のエアアシスト式の噴射弁構造とすることができる。エアアシスト式では、添加弁40に尿素水供給路106を接続する一方、図示しない空気供給路を接続してアシスト用の空気を供給し、先端ノズル部を開閉して排気通路60内に尿素水溶液20を噴射する。
【0031】
添加弁40は、図示するように、排気通路60壁に対して傾斜して取り付けられる。この時、排気通路60内に突出するノズル部の噴射方向が、排気の流れと平行な方向となり、尿素水溶液20が、SCR触媒620の入口側端面の全面に均等に供給される。噴射された尿素水溶液20中の尿素は、排気熱により熱分解および加水分解し、アンモニアが発生する(式1、2)。
発生したアンモニアは、SCR触媒620上でNOxの還元剤として作用し、NOxの還元反応を促進する(式3)。
一方、NOxの還元に寄与せずにSCR触媒620を通過したアンモニアは酸化触媒630により浄化される(式4)。
( NH2 ) 2 CO+H2 O→NH3 +NHCO・・・(式1)
NHCO+H2 O→NH3 +CO2 ・・・(式2)
NO+NO2 +2NH3 →2N2 +3H2 O・・・(式3)
4NH3 +3O2 →2N2 +6H2 O・・・(式4)
【0032】
尿素水タンク100は所定容量の密封容器であり、アンモニア前駆体である尿素水溶液20として、通常は、凍結温度が最も低い(−11℃)32.5%尿素水溶液を収容している。
ただし寒冷地で使用する際には、さらに低温となって局所的に凍結が生じる可能性があり、添加弁40に供給される水溶液濃度が不安定となる要因となる。
低温環境下にて尿素水タンク100内に収容される尿素水溶液20は、外気に晒されるタンク底面および側面に接する部位において温度が低くなり、凍結や温度ムラによる固体尿素の析出が生じやすい。
この状態の下、尿素水タンク100内より圧送される不凍結状態の尿素水溶液20は上記所定濃度より高濃度となり、その後、全解凍状態となった際には、逆に上記所定濃度より低濃度となってしまう現象が起こる。
【0033】
そこで、本発明では、尿素水タンク100内の尿素水溶液20加熱するために加熱手段として、上述した尿素水加熱装置10を設け、尿素水溶液20の凍結監視情報に基づいて発熱体110への通電を制御装置50によって制御することにより、尿素水タンク100内の凍結を防止する。
本実施形態では、加熱装置10の電源として図略の車載バッテリまたはオルタネータを用いる。
【0034】
また、尿素水溶液20の凍結を監視する凍結監視手段として、尿素水タンク100内下部の尿素水溶液20温度を検出する図略の尿素水温検出手段を設け、その検出結果を、温度制御手段としての制御装置50に出力させる。
尿素水タンク100外に図略の外気温度検出手段を設けて、その検出結果を反映させるようにすることもできる。
【0035】
制御装置50は、検出された尿素水温度または外気温度から尿素水溶液20の凍結が予測され、尿素水加熱装置10の作動が必要な状態と判断されると、発熱体110に通電して尿素水タンク100内を加熱する。
【0036】
図3に示すように、尿素水タンク100内の尿素水溶液20が完全に凍結した場合であっても、発熱体110に通電すると、発熱部115の表面のみならず、発熱部115の表面に延設された伝熱板116表面からの受熱によって、尿素水凍結部21が広い範囲に渡って解凍される。
また、伝熱板116が発熱体110の下部位における延設寸法を発熱部110の上部位における延設寸法よりも大きく設定してあるので、下部位の伝熱板116で加熱された尿素水溶液20が上昇した時、上部位の伝熱板116で遮られることがない。
従って熱対流によって発生した発熱体110の下部位から上部位への流れによって尿素水溶液20の濃度ムラおよび温度ムラが解消され、溶解が容易となり、再凍結を防止できる。
また、尿素水供給口104が、発熱体110の直下に設けられているので、エンジン始動直後であっても、尿素水溶液20の供給が停止する虞がない。
【0037】
図4に示すように、尿素水タンク100内が完全解凍されると、尿素水加熱装置10の作動により、尿素水タンク100内に熱対流による大きな流れが形成され、尿素水タンク100内全体での尿素水溶液20の濃度ムラおよび温度ムラが解消され、更に凍結が起きにくくなる。
【0038】
また、尿素水タンク100の外周を図略の断熱材で覆う等、温度低下を抑制するための通常公知の断熱構造を採用することができる。
【0039】
図5に本発明の第2の実施形態における発熱体110aの概要を示す。上記第1の実施形態では発熱部115に対して略直交し、径方向に延設された複数の伝熱板116を平行に設けているが、図5に示すように、伝熱板116aを発熱部115の下部位から上部位に向かって螺旋状に繋がった一体の螺旋状平板に形成しても良い。
【0040】
本実施形態における尿素水加熱装置10aでは、基本となる構成は、第1の実施形態と同様であり、発熱体110aを用いる点のみが相違する。
尿素水加熱装置10aが駆動すると、図6に示すように、熱対流によって発生した尿素水溶液20の流れが、螺旋状に延設された伝熱板116aに沿って、旋回する。
このため、尿素水タンク100内全体が更に攪拌され尿素水溶液の濃度および温度が均一化される。
【0041】
図7に、本発明の第3の実施形態における尿素水加熱装置10bを示す。
本実施形態における尿素水加熱装置10bでは、基本となる構成は、第1の実施形態と実質的に同様であり、発熱体110bを尿素水タンク100bの底部に固定する点のみが相違する。
この様な構成であっても、上記実施形態と同様の効果を生じる。
【0042】
図8に、本発明の第4の実施形態における尿素水加熱装置10cを示す。
本実施形態においては、発熱体110cを複数の発熱体素子111cによって構成し、尿素水溶液20の容量を監視するレベルセンサ等の容量監視手段130を設け、その出力結果を制御装置50cに入力し、尿素水溶液20の容量に応じた発熱量となるよう発熱体110cへの通電を制御する構成としても良い。
満水位持には図8(a)に示すように、発熱体110cの下部位から上部位まで全体が発熱するよう通電制御され、(b)に示すように低水位時には、発熱体の下部位のみが発熱するように通電制御できる。
この様な構成とすることで、尿素水加熱装置110cのエネルギー効率を向上することができる上に、低水位時における過剰な加熱を防止し、尿素の析出を回避することも可能となる。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明の排気後処理装置は、上記図示の構成に限定されるものではなく、通常公知の尿素SCRシステムにおける種々の構成に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態における流体加熱装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態における排気後処理装置全体の概略構成図。
【図3】第1の実施形態における凍結時の効果を示す模式図。
【図4】第1の実施形態における解凍後の効果を示す模式図。
【図5】本発明の第2の実施形態における発熱体の概要を示す斜視図。
【図6】第2の実施形態における効果を示す模式図。
【図7】本発明の第3の実施形態における流体加熱装置の構成図。
【図8】本発明の第4の実施形態における流体加熱装置の構成図であり、(a)は満水位時、(b)は低水位時の状態を示す。
【図9】従来の排気後処理装置全体の概略構成図である。
【符号の説明】
【0045】
10 尿素水加熱装置
100 尿素水タンク(容器)
110 発熱体
115 発熱部
116 伝熱部
20 尿素水溶液(流体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に収容された流体中に設けられ、該流体を直接的に加熱する流体加熱装置において、
通電により発熱し、上記容器内における下部位から上部位までを加熱する長軸状の発熱部と、
該発熱部に略直交し、径方向に延設して平板状に形成され、下部位から上部位に前記発熱部の軸方向に向けその配設位置を異ならせて配設された複数個の伝熱部と、を含んで構成される発熱体を具備することを特徴とする流体加熱装置。
【請求項2】
上記伝熱部は、上記発熱部の下方位置における前記発熱部の軸中心から前記伝熱部の径方向外側端部に向けて延設されるその延設寸法を、上記発熱部の上方位置における延設寸法よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1記載の流体加熱装置。
【請求項3】
上記伝熱部には、該伝熱部の下面側と上面側とを連通する複数の開口部が穿設されることを特徴とする請求項1または2に記載の流体加熱装置。
【請求項4】
上記伝熱部は、上記発熱部の下部位から上部位に向かって螺旋状に繋がった一体の螺旋状平板であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流体加熱装置。
【請求項5】
上記伝熱部は、高熱伝導率材料を用いて形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の流体加熱装置。
【請求項6】
内燃機関の排気通路に設置された尿素還元触媒と、上記尿素還元触媒の上流側に還元剤として尿素水溶液を添加する尿素添加手段と、上記尿素添加手段と尿素水供給路にて接続される尿素水タンクとを備える排気後処理装置であって、
上記尿素水タンク内の尿素水溶液を加熱する尿素水溶液加熱手段として、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流体加熱装置を具備することを特徴とする排気後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−267682(P2008−267682A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110689(P2007−110689)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】