説明

液体容器および液体残量検出方法

【課題】液体が消費され尽くしたことを正確に検出することができる液体容器および液体残量検出方法を提供する。
【解決手段】液体消費装置5に供給される液体を貯留する袋状のメインパック11と、上記メインパック11から液体消費装置5に供給される液体が途中で一時的に保持されて上記メインパック11の液体の残量状態を検出する袋状のセンサパック12とを備えた。これにより、センサパック12に保持されている液体の量がメインパック11の液体残量に応じて変化するので、この変化状態がセンサパック12の形状変化等に現われ、この変化による変位を活用して、例えば、メインパック11内の液体が消費され尽くしたことを確実に検知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置等の液体消費装置に適用される液体容器および液体残量検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体消費装置の代表例であるインクジェット式記録装置は、液体であるインクを貯留したインク容器から、液体消費装置であるインク噴射装置にインクを供給するようになっている。そして、上記インク容器内のインクが消費されてなくなる、すなわちインクエンドになると、インクエンドを使用者に報知する手段が設けられている。
【特許文献1】特開2001−260390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の開示されているインク残量の検知手段は、可撓性のシート状素材によって形成されたインク袋に直接検出板を取り付け、インク消費にともなってインク袋が縮小してくると、検出板にも変位が生じ、この変位によってインクエンド検出器を動作させるようになっている。
【0004】
しかしながら、上記のように、インク袋に直接検出板を取り付ける形式のものにおいては、インク袋全体の縮小変化を検出板で検出することになるので、十分な検出精度が得られなかった。すなわち、インク残量が完全にゼロであるか、もしくはそれにできるだけ近い状態を検出することは、インク袋がインクエンド領域において微小な変位を呈することから、上記検出板の動作だけでは検出が困難となる問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、液体が消費され尽くしたことを正確に検出することができる液体容器および液体残量検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の液体容器は、液体消費装置に供給される液体を貯留する袋状のメインパックと、上記メインパックから液体消費装置に供給される液体が途中で一時的に保持されて上記メインパックの液体の残量状態を検出する袋状のセンサパックとを備えたことを要旨とする。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明の液体残量検出方法は、液体消費装置に供給される液体を貯留する袋状のメインパックと、上記メインパックから液体消費装置に供給される液体が途中で一時的に保持されて上記メインパックの液体の残量状態を検出する袋状のセンサパックとを準備し、圧力発生装置から導いた気体でメインパックを加圧してメインパック内の液体に送出圧力を付与し、上記センサパックの容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック内の液体が消費され尽くしたことを検知することを要旨とする。
【0008】
上記液体容器においては、袋状のセンサパックが、メインパックから液体消費装置に供給される液体を途中で一時的に保持して、上記メインパックの液体の残量状態を検出する機能を果たしている。すなわち、メインパックから独立した形態の袋状センサパックに液体が一時的に保持されるものであるから、メインパックの液体の残量状態をセンサパックにおいて忠実に検出することができる。これは、センサパックに保持されている液体の量がメインパックの液体残量に応じて変化するので、この変化状態がセンサパックの形状変化等に現われ、この変化による変位を活用して、例えば、メインパック内の液体が消費され尽くしたことを確実に検知することができる。
【0009】
本発明の液体容器において、上記メインパックはハードケース内に収容され、上記ハードケース内に気体を導入してメインパックを加圧することによりメインパック内の液体に送出圧力を付与する圧力導入路を備えた場合には、メインパックが気体で加圧されることにより、センサパック内へも確実に液体が流入して一時的に保持され、センサパック内に作用する液体圧により、センサパックに明確な形状変化を発生させ、この現象に基づいてメインパック内の液体の残量状態を精度よく検出することができる。
【0010】
本発明の液体容器において、上記センサパックの容積を小さくする方向に作用する付勢手段を備えた場合には、メインパック内の液体が消費され尽くしたときには、メインパックからの液体圧力が消滅するので、センサパックは付勢手段によってその容積が小さくなる方向に必ず変位する。したがって、この変位を利用して液体消費を検出することにより、信頼性の高い検出が実現する。さらに、メインパック内の液体が消費され尽くした後から、センサパック内に一時的に保持されている液体が上記付勢手段により液体消費装置の方へ送給されるので、センサパック内の残留液体をなくすかまたは実害のないわずかな量に低減させることができ、経済的である。
【0011】
本発明の液体容器において、上記センサパックの容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック内の液体が消費され尽くしたことを検知する検知手段を備えている場合には、メインパック内の液体が消費され尽くしたことを現わす変位で上記検知手段を動作させるので、メインパックの液体が消費され尽くしたことを忠実に検知することができる。また、センサパック内に一時的に保持されている液体が最終的に消費されて行く変位を利用するものであるから、液体を無駄なく消費するのと同時に上記のような忠実な検知が可能となる。
【0012】
本発明の液体容器において、上記センサパックを構成する材料が、メインパックを構成する可撓性のあるシート状の材料と略同じである場合には、メインパックにおいて液体貯留に要求される可撓性やガスバリヤ性等の各種条件が、センサパックにおいても成立するので、センサパックに要求される変形や一時的に保持されている液体の保存性が良好なものとなる。
【0013】
一方、本発明の液体残量検出方法においては、圧力発生装置から導いた気体でメインパックを加圧してメインパック内の液体に送出圧力を付与し、上記センサパックの容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック内の液体が消費され尽くしたことを検知する。このようにセンサパックの容積が小さくなる方向の変位は、メインパックの液体が消費され尽くした後から表われる現象であるから、メインパックの液体がなくなったことを確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
つぎに、本発明の液体容器および液体残量検出方法を実施するための最良の形態を説明する。
【0015】
本発明の液体容器および液体残量検出方法は、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、以下に説明する実施例においてはその代表的な事例として、インクジェット式記録装置に適用した例を示している。
【実施例1】
【0016】
図1〜図10は、本発明の液体容器および液体残量検出方法の一実施例を示す。
【0017】
図1は、本発明が適用されるインクジェット式記録装置100を全体的に示す斜視図である。ここでは内部構造を明らかにするために、本体カバーを外した状態を示している。図1において、キャリッジ1は駆動モータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、キャリッジガイド軸4に沿って主走査方向に往復移動する。上記キャリッジ1の記録媒体Pに対向する側には記録ヘッド5が設けられている。
【0018】
上記キャリッジ1には、記録ヘッド5へインクを供給するためのサブタンク7a〜7dが装着されている。また、記録装置100の本体側部には、カートリッジホルダ8が配備され、インクカートリッジ9a〜9dにはそれぞれブラック,イエロー,マゼンタおよびシアン等のインクを充填したインクパック(図1では図示していない)が収納されている。各インクカートリッジ9a〜9dからサブタンク7a〜7dまでは可撓性の補給チューブ10によって接続されており、インクが供給できるようになっている。なお、カートリッジホルダ8側に補給チューブ10の先端に接続されたインク供給針8aが設けられ、後述の接手管18内に挿入されるようになっている。
【0019】
上記インクカートリッジ9は、図2および図3に示すように、蓋部材としての機能を果たすフィルム15で封止されるハードケース13と、インク供給口14を備え内部にインクが充填されたメインパック11とから構成されている。そして、ハードケース13には、メインパック11が収容されるメイン収容部13aと、後述のセンサパック12が収容されるサブ収容部13bが設けられ、メイン収容部13aとサブ収容部13bとの間に仕切り板13cが形成されている。
【0020】
なお、メインパック11は、可撓性のシート状素材から形成され、ガスバリア性の向上のためにアルミニウム箔を2枚のフィルム、たとえば外側をナイロンフィルム、内側をポリエチレンフィルムにより挟み込んだアルミニウムラミネートフィルムから形成されている。また、この実施例では上記フィルム15はメイン収容部13aを封止している。そして、メインパック11は、図2および図7〜図10等に示すように、インク収容量を多く確保できるガゼットタイプのものとされている。
【0021】
図4および図5にしたがってセンサパック12について説明する。
【0022】
センサパック12は、メインパック11から記録ヘッド5に供給されるインクが途中で一時的に保持されてメインパック11のインクの残量状態を検出する。このセンサパック12が収容されるサブ収容部13bは、図4の上下方向に延びる細長い空間とされている。センサパック12は、上記のようなメインパック11と同様なシート材で構成され、図5に示すように、平たい端部材12aと12bが平行な状態で対向して配置され、両端部材12a,12bを、内側への折れ線部分である屈曲部12cを有する接続部材12dで接合してある。センサパック12は、上記のような端部材12a,12bを液密蜜を保った状態で接続部材12dでつながれた構造とされている。
【0023】
上記センサパック12は、メインパック11から記録ヘッド5に供給されるインクが途中で一時的に保持されるものであるから、一方は接手管17を介してメインパック11に接続され、他方は接手管18およびインク供給針8aを介して補給チューブ10に接続されている。このような接続構造としては種々なものが採用できるが、ここではパイプ材にフランジを組み合わせた接手部材16を例示している。接手管17と18とが同軸上に配置され、両接手管17,18の間に円盤型の分配フランジ19が一体に設けられている。
【0024】
上記一方の接手管17はメインパック11のインク供給口14を構成する管構造部に嵌入され、他方の接手管18は補給チューブ10にインク供給針8aを介して接続されている。そして、分配フランジ19には連通穴20があけられ、メインパック11からのインクがセンサパック12内に流入できるようになっている。
【0025】
メインパック11に気圧を作用させて、メインパック11内のインクに送出圧力を発生させている。図6のブロック図に示すように、この例では空気を加圧する圧力発生装置である加圧ポンプ30がインクジェット式記録装置100に装着され、上記加圧ポンプ30からの圧縮空気が、導入口31を介してハードケース13内に導入される。図5(B)に示すように、カートリッジホルダ8の奥部に圧縮空気の供給口32が開口しており、ハードケース13をカートリッジホルダ8内に押し込むと、供給口32と導入口31とが連通するように、供給口32と導入口31との相対位置が設定されている。なお、供給口32と導入口31との接続部分の気密を保つために、気密パッキン33がカートリッジホルダ8の奥部に取り付けてある。
【0026】
また、導入口31から導入された加圧空気は、図5(C)に示すように、サブ収容部13bとは連通関係を持たない通路34を経てメイン収容部13aに送られて、メインバック11のみに伝えられる。
【0027】
上記センサパック12には、その内部容積が小さくなるように作用する付勢手段21が組み合わせてある。この付勢手段21としては、板ばね,圧縮コイルスプリング,弾性ゴムおよび流体圧力等によって付勢力を求めることができる。第1実施例においては、上記板ばねを用いた形式のものである。この板ばね22は、細長い平板状のばね鋼を屈曲させて断面が略ハット型とされ、中央部の基部23に上記接手管17が通過する通口24があけられている。そして、基部23の両側にセンサパック12の端部材12aに密着する撓み片25が形成されている。
【0028】
上記センサパック12の容積が小さくなる方向の変位によってメインパック11内のインクが消費され尽くしたことを検知する検知手段が設けられている。この検知手段は、電気的に検知するもので、接点方式や無接点方式など種々なものが採用できる。第1の実施例では、ハードケース13内部における接点のオン・オフ動作によって得られた信号を、ハードケース13の外側面に形成した外部接点を経て制御部に入力する形式である。
【0029】
図6および図7に簡略的に示すように、板ばね22の撓み片25の端部が可動接点26とされ、この可動接点26に対向する位置に固定接点27が設けられている。この固定接点27は、仕切り板13cに取り付けられている。上記両接点26,27は、それぞれ基部23に接続された導線36と固定接点27に接続された導線37を介してハードケース13の外側面に配置された外部接点28,29に接続されている。カートリッジホルダ8の内面に上記外部接点28,29に接触する静止接点38,39が設けられ、メインパック11内のインク残量状態を示す信号を制御部42へ送給するようになっている。なお、ここでは、板ばね22を可動接点としたが、板ばねの接触によって導通する2つの固定接点を設けたり、マイクロスイッチ用いる方法でも実現することができる。
【0030】
後述のインクの消費にともなって可動接点26と固定接点27のオン・オフ動作がなされ、それによる出力信号は、インクジェット式記録装置100の制御部42に送られ、インクの消費状態を検知する。制御部42は、上記加圧ポンプ30,記録ヘッド5およびキャリッジの往復移動のための駆動機構2などインクジェット式記録装置100全体の動作を制御する。
【0031】
つぎに、図7〜図10にしたがいインク消費にともなう各部の動作状態を説明する。なお、これらの図におけるメインパック11の大きさは、紙面の都合で大幅に小さく図示してある。
【0032】
図7は、メイン収容部13a内は大気圧のままでインクジェット式記録装置100も印刷動作はしていない状態を示している。したがって、センサパック12の容積は板ばね22に押圧されて最小状態になっている。この状態では、可動接点26と固定接点27は離れたままである。なお、図4,図5に示す板ばね22も同様に自由状態が図示されており、撓み片25からの弾力でセンサパック12の容積は最小状態になっている。
【0033】
図8は、メイン収容部13a内に加圧空気が導入されることにより、メインパック11が加圧され内部のインクに送出圧力が発生している状態を示している。このインク送出圧力により、センサパック12内に一時的に保持されているインクの圧力が高くなるので、センサパック12は屈曲部12cが引き延ばされ、一方の端部材12aが撓み片25を撓ませるとともに、他方の端部材12bはサブ収容部13bの内面に当接するまで膨出した状態になる。この状態では、可動接点26が固定接点27に接触するので、電流の導通がなされる。この導通によって発せられる信号が制御部42において、メインパック11内にインクが十分に貯留されているものと認識される。
【0034】
図9は、メインパック11のインクが消費され尽くした、いわゆるインクエンドの近くまで消費されてきた状態を示している。この状態においても、メインパック11に空気圧が作用して残り少ないインクに対して送出圧力が付与されている。したがって、センサパック12は図8の状態と同じであり、可動接点26と固定接点27は接触したままメインパック11内に「インクあり」を意味する信号が制御部42に送られている。
【0035】
図10は、メインパック11が空気圧で加圧されたままの状態で、センサパック12内のインクが消費された状態を示している。すなわち、メインパック11が加圧されているので、センサパック12内に一時的に保持されているインクは、メインパック11内に逆流することなく、記録ヘッド5側のインク吐出にともなって消費される。このようなセンサパック12内のインク消費によって、センサパック12の容積が減少するので撓み片25が移動して、可動接点26が固定接点27から離れて電流の導通が停止する。上記接点26,27のオフ状態により、制御部42への信号が停止するので、この停止したことを制御部42で検知して、インクが消費され尽くしたこと(インクエンド)を検出する。この検出信号は、図示していないがインクジェット式記録装置100の表示部に送られて、インクエンドの表示がなされる。
【0036】
上記第1の実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
【0037】
上記袋状のセンサパック12が、メインパック11からインクジェット式記録装置100の記録ヘッド5に供給されるインクを途中で一時的に保持して、上記メインパック11のインクの残量状態を検出する機能を果たしている。すなわち、メインパック11から独立した形態の袋状センサパック12にインクが一時的に保持されるものであるから、メインパック11のインクの残量状態をセンサパック12において忠実に検出することができる。これは、センサパック12に保持されているインクの量がメインパック11のインク残量に応じて変化するので、この変化状態がセンサパック12の形状変化等に現われ、この変化による変位を活用して、メインパック11内のインクエンドを確実に検知することができる。
【0038】
上記メインパック11はハードケース13内に収容され、上記ハードケース13内に気体を導入してメインパック11を加圧することによりメインパック11内のインクに送出圧力を付与する圧力導入路31を備えている。このため、メインパック11が気体で加圧されることにより、センサパック12内へも確実にインクが流入して一時的に保持され、センサパック12内に作用するインク圧により、センサパック12に明確な形状変化を発生させ、この現象に基づいてメインパック11内のインクの残量状態を精度よく検出することができる。
【0039】
上記センサパック12の容積を小さくする方向に作用する付勢手段、すなわち板ばね22を備えているので、メインパック11内のインクが消費され尽くしたときには、メインパック11からのインク圧力が消滅するので、センサパック12は板ばね22によってその容積が小さくなる方向に必ず変位する。したがって、この変位を利用してインク消費を検出することにより、信頼性の高い検出が実現する。さらに、メインパック11内のインクが消費され尽くした後から、センサパック12内に一時的に保持されているインクが上記板ばね22により記録ヘッド5の方へ送給されるので、センサパック12内の残留インクをなくすかまたは実害のないわずかな量に低減させることができ、経済的である。
【0040】
上記センサパック12の容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック11内のインクが消費され尽くしたことを検知する検知手段、すなわち可動接点26と固定接点27を備えていることにより、メインパック11内のインクが消費され尽くしたことを現わす変位で上記検知手段を動作させ、メインパック11のインクが消費され尽くしたことを忠実に検知することができる。また、センサパック12内に一時的に保持されているインクが最終的に消費されて行く変位を利用するものであるから、インクを無駄なく消費するのと同時に上記のような忠実な検知が可能となる。
【0041】
上記センサパック12を構成する材料が、メインパック11を構成する可撓性のあるシート状の材料と略同じであることから、メインパック11においてインク貯留に要求される可撓性やガスバリヤ性等の各種条件が、センサパック12においても成立し、センサパック12に要求される変形やセンサパック12に一時的に保持されているインクの保存性が良好なものとなる。
【0042】
一方、本発明の液体残量検出方法においては、圧力発生装置である加圧ポンプ30から導いた空気でメインパック11を加圧してメインパック11内のインクに送出圧力を付与し、上記センサパック12の容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック11内のインクが消費され尽くしたことを検知する。このようにセンサパック12の容積が小さくなる方向の変位は、メインパック11のインクが消費され尽くした後から表われる現象であるから、メインパック11のインクがなくなったことを確実に検出することができる。
【実施例2】
【0043】
図11は、本発明の液体容器および液体残量検出方法の第2の実施例を示す。
【0044】
この実施例は、接手管17,18にそれぞれフランジ17a,18aが設けられ、このフランジ17a,18aをセンサパック12に接合してあり、付勢手段として圧縮コイルスプリング43が使用され、そのばね力は押圧板44を介してセンサパック12に作用するようになっている。また、可動接点26と固定接点27のオン・オフを信号として発信する内部アンテナ45が設けられ、他方、カートリッジホルダ8に外部アンテナ46が取り付けられ、外部アンテナ46の受信信号は制御部42に入力されるようになっている。また、接手管18が進退するので、この進退変位を吸収する吸収部47が補給チューブ10に設けてある。それ以外は、上記実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、先の実施例と同様の作用効果を奏する。
【0045】
上記各実施例は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体容器および液体残量検出方法は、インクジェット式記録装置のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施例では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録装置について説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】インクジェット式記録装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】カートリッジを分解して示した斜視図である。
【図3】組み立てられたカートリッジを示す斜視図である。
【図4】組み立てられたカートリッジを示す平面図である。
【図5】センサパックの斜視図と要部の断面図である。
【図6】インクカートリッジと制御部等との関連を示すブロック図である。
【図7】動作状態を示す図である。
【図8】動作状態を示す図である。
【図9】動作状態を示す図である。
【図10】動作状態を示す図である。
【図11】第2の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 キャリッジ,2 駆動モータ,駆動機構,3 タイミングベルト,4 キャリッジガイド軸,5 記録ヘッド,7 サブタンク,7a サブタンク,7b サブタンク,7c サブタンク,7d サブタンク,8 カートリッジホルダ,8a インク供給針,9 インクカートリッジ,9a インクカートリッジ,9b インクカートリッジ,9c インクカートリッジ,9d インクカートリッジ,10 補給チューブ,11 メインパック,12 センサパック,12a 端部材,12b 端部材,12c 屈曲部,12d 接続部材,13 ハードケース,13a メイン収容部,13b サブ収容部,13c 仕切り板,14 インク供給口,15 フィルム,16 接手部材,17 接手管,17a フランジ,18 接手管,18a フランジ,19 分配フランジ,
20 連通穴,21 付勢手段,22 板ばね,23 基部,24 通口,25 撓み片,26 可動接点,27 固定接点,28 外部接点,29 外部接点,30 加圧ポンプ,31 導入口,32 供給口,33 気密パッキン,34 通路,36 導線,37 導線,38 静止接点,39 静止接点,42 制御部,43 圧縮コイルスプリング,44 押圧板,45 内部アンテナ,46 外部アンテナ,47 吸収部,100 インクジェット式記録装置,P 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体消費装置に供給される液体を貯留する袋状のメインパックと、上記メインパックから液体消費装置に供給される液体が途中で一時的に保持されて上記メインパックの液体の残量状態を検出する袋状のセンサパックとを備えたことを特徴とする液体容器。
【請求項2】
上記メインパックはハードケース内に収容され、上記ハードケース内に気体を導入してメインパックを加圧することによりメインパック内の液体に送出圧力を付与する圧力導入路を備えた請求項1記載の液体容器。
【請求項3】
上記センサパックの容積を小さくする方向に作用する付勢手段を備えた請求項1または2記載の液体容器。
【請求項4】
上記センサパックの容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック内の液体が消費され尽くしたことを検知する検知手段を備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項5】
上記センサパックを構成する材料は、メインパックを構成する可撓性のあるシート状の材料と略同じである請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項6】
液体消費装置に供給される液体を貯留する袋状のメインパックと、上記メインパックから液体消費装置に供給される液体が途中で一時的に保持されて上記メインパックの液体の残量状態を検出する袋状のセンサパックとを準備し、圧力発生装置から導いた気体でメインパックを加圧してメインパック内の液体に送出圧力を付与し、上記センサパックの容積が小さくなる方向の変位によって上記メインパック内の液体が消費され尽くしたことを検知することを特徴とする液体残量検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−35484(P2006−35484A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215332(P2004−215332)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】